(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ディスプレイパネル及びディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241128BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241128BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20241128BHJP
H10K 50/858 20230101ALI20241128BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20241128BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20241128BHJP
H10K 59/65 20230101ALI20241128BHJP
H10K 59/80 20230101ALI20241128BHJP
H10K 59/95 20230101ALI20241128BHJP
G02F 1/13 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/00 313
G09F9/00 324
G09F9/00 366Z
G09F9/302 C
H10K50/858
H10K50/86
H10K59/12
H10K59/65
H10K59/80
H10K59/95
G02F1/13 505
(21)【出願番号】P 2023561102
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 CN2022086883
(87)【国際公開番号】W WO2022262402
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-10-03
(31)【優先権主張番号】202121351741.6
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, シャオリャン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111063720(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110444125(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107272242(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0151425(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0310724(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111261680(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110244484(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109656049(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/13-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
1/137-1/141
G03B5/00-5/08
G09F9/00-9/46
H04M1/02-1/23
H04N7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン画素領域とサブ画素領域を含み、前記メイン画素領域は複数のメイン画素ユニットを含み、前記サブ画素領域は複数のサブ画素ユニットを含む、ディスプレイパネルであって、前記サブ画素ユニットは透明発光素子を含み、隣り合う二つの前記サブ画素ユニットの間には画素ピッチ領域が存在し、前記ディスプレイパネルは、透明調光構造をさらに含み、前記透明調光構造は前記サブ画素領域の裏面に設置され、前記透明調光構造は複数の透明調光ユニットを含み、それぞれの前記透明調光ユニットは少なくとも一つのサブ画素ユニットに対応し、前記透明調光ユニットは、当該透明調光ユニットに対応するサブ画素ユニットにおける透明発光素子を透過する光を当該サブ画素ユニットの外郭の画素ピッチ領域内に拡散させることができるように設置されて
おり、
前記透明調光ユニットは、さらに、当該透明調光ユニットに対応するサブ画素ユニットの外郭の画素ピッチ領域内に拡散した光を平行光にコリメータすることができるように設置されている、ディスプレイパネル。
【請求項2】
一つの前記透明調光ユニットは一つの前記サブ画素ユニットに対応している、請求項
1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記透明調光ユニットは凹レンズと、当該凹レンズと対向に設置されている凸レンズを含み、前記凹レンズは相応するサブ画素ユニットの裏面に設置され、且つ、前記凹レンズの底面の縁辺は前記画素ピッチ領域内に位置し、前記凸レンズは前記凹レンズと対向に設置され、且つ、前記凸レンズと前記凹レンズの間には隙間が存在している、請求項
2に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記透明調光ユニットは、透明スペーサをさらに含み、前記透明スペーサは、前記凸レンズと前記凹レンズの間の隙間内に設置されている、請求項
3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記凸レンズの前記サブ画素ユニットの裏面における正射影の外縁は、前記凹レンズの底面の縁辺と重なっている、請求項
3に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記メイン画素領域におけるメイン画素ユニットの配置密度は、前記サブ画素領域におけるサブ画素ユニットの配置密度より大きい、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
ディスプレイパネルとカメラを含むディスプレイ装置であって、前記ディスプレイパネルは請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載のディスプレイパネルであり、前記カメラは前記サブ画素領域の裏面に設置されていると共に、前記透明調光構造と対向している、ディスプレイ装置。
【請求項8】
偏光子をさらに含み、前記偏光子は偏光子本体と、前記偏光子本体上に形成されているスルーホールと、を含み、前記偏光子は前記ディスプレイパネルの表示面上に設置され、且つ、前記スルーホールは前記サブ画素領域に対向している、請求項
7に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
遮光層をさらに含み、前記遮光層は遮光層本体と、前記遮光層本体上に形成されている光透過孔と、を含み、前記遮光層本体は前記ディスプレイパネルの裏面に張り合い、且つ、前記光透過孔は、前記透明調光構造が前記光透過孔内に位置するように前記サブ画素領域と対応する、請求項
7に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本開示の実施例は、2021年06月17日に提出した発明の名称が「ディスプレイパネル及びディスプレイ装置」である中国特許出願CN202121351741.6の優先権を請求し、上記出願の全ての内容は援引により本開示の実施例に組み込まれている。
【0002】
<技術分野>
本開示の実施例はディスプレイ装置分野に関し、特に、ディスプレイパネル及び当該ディスプレイパネルを含むディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイ装置の機能が増加するにつれて、携帯電話などのディスプレイ装置には一般的にフロントカメラが設けられている。視覚効果を向上させるため、高い画面比率はディスプレイ装置の発展方向である。これに鑑みて、近年「フルスクリーン」の概念が提出されている。ウォータードロップスクリーンやノッチスクリーン(Notch Screen)などのフルスクリーンが登場している。いわゆる「ウォータードロップスクリーン」とは、ディスプレイパネル上に専門的に水滴状のスルーホールを設置すると共に、当該スルーホール内にフロントカメラを設置したものである。いわゆる「ノッチスクリーン」とは、ディスプレイパネル上に矩形の抜け目を設置し、当該矩形の抜け目内にフロントカメラを設置したものである。以上により、「ウォータードロップスクリーン」あるいは「ノッチスクリーン」は、真の意味でのフルスクリーンを実現することができないことが分かる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例はディスプレイパネル及び当該ディスプレイパネルを含むディスプレイ装置を提供する。
【0005】
本開示の実施例の第1方面として、メイン画素領域とサブ画素領域を含み、メイン画素領域は複数のメイン画素ユニットを含み、サブ画素領域は複数のサブ画素ユニットを含み、サブ画素ユニットは透明発光素子を含み、隣り合う二つのサブ画素ユニットの間には画素ピッチ領域が存在しているディスプレイパネルであって、ディスプレイパネルは、透明調光構造をさらに含み、透明調光構造はサブ画素領域の裏面に設置され、透明調光構造は複数の透明調光ユニットを含み、それぞれの透明調光ユニットは少なくとも一つのサブ画素ユニットに対応し、透明調光ユニットは、当該透明調光ユニットに対応するサブ画素ユニットにおける透明発光素子を透過する光を当該サブ画素ユニットの外郭の画素ピッチ領域内に拡散させることができるように設置されている、ディスプレイパネルを提供する。
【0006】
本開示の実施例の第2方面として、ディスプレイパネルとカメラを含むディスプレイ装置であって、ディスプレイパネルは本開示の実施例の第1方面で提供するディスプレイパネルであり、カメラはサブ画素領域の裏面に設置されていると共に、透明調光構造と対向している、ディスプレイ装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本開示
の実施例が提供するディスプレイパネルの上面模式図である。
【
図2】
図2は、ディスプレイにおいて、ゲート線とデータ線が交差してディスプレイパネルを複数の画素ユニットに区分けしたことを示す模式図である。
【
図3】
図3は、フロントカメラが結像する際、画像に星状の部分的輝点が生じる原理の模式図である。
【
図4】
図4は、本開示
の実施例が提供するディスプレイ装置の構造の模式図である。
【
図5】
図5は、サブ画素ユニットと調光構造の対応関係の模式図である。
【
図7】
図7は、調光ユニットの分解構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
当該分野の技術者に本開示の実施例の技術案をより良く理解させるために、以下では、図面を参照して、本開示の実施例が提供するディスプレイパネルとディスプレイ装置について詳述する。
【0009】
以下では、図面を参照して、例示的実施例について十分に説明するが、前記例示的実施例は異なる形式で実現でき、本開示の実施例で記載した実施例に限定されると理解されてはならない。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本開示の実施例を明確且つ完全にすると共に、当該分野の技術者に本開示の実施例の範囲を十分に理解させるためである。
【0010】
矛盾がない場合、本開示の実施例の各実施例及び実施例における各特徴は相互に組み合わせることが可能である。
【0011】
本文で使用している「及び/又は」のような術語は、一つ又は複数の関連する例示条目のいずれかとの全ての組み合わせを含む。
【0012】
本文で使用している術語は、特定の実施例を説明する時のみに使用され、本開示の実施例を限定するものではない。本文で使用している単数形式の「一つ」と「当該」は、文脈に別途に指摘していない限り、複数形式も含むことを意味する。また、本公開の実施例で「含む」及び/又は「~から作製される」という術語を使用した場合、前記特徴、全体、ステップ、作動、素子及び/又はコンポーネントが存在することを指定するが、一つ又は複数のほかの特徴、全体、ステップ、作動、素子、コンポーネント及び/又はその群が存在すること、又はこれらを添加することを排除しないことを理解すべきである。
【0013】
特に限定がない限り、本文で使用している術語(技術術語と科学術語を含む)の意味は、当該分野の普通の技術者が一般的に理解している意味と同じである。また、共通辞書に限定されている術語は、本文で明確に限定していない限り、関連技術及び本開示の実施例の背景のもとでの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、且つ、理想的又は過度の形式的意味に解釈しないことを理解すべきである。
【0014】
真の意味での「フルディスプレイ」を実現するためには、フロントカメラに対応する領域を直接にくり抜くのではなく、その領域に画素ユニットを設定することができる。なお、フロントカメラと対向する画素ユニット(簡単に説明するため、フロントカメラと対向する領域をサブ領域と称する)における発光素子は、透明度が比較的高い透明発光素子であるべきで、外界の光は透明発光素子を透過して、フロントカメラ内に射し込むことができる。
【0015】
発光素子に電気信号を提供するため、
図2に示すように、ディスプレイパネルは相互交錯に設置したゲート線(
図2にゲート線G1、G2、G3を示す)と、データ線(
図2に示すデータ線D1、D2、D3)とを含む。抵抗を低下させるため、導線は一般的に金属材料から作製される。金属材料の光透過性は比較的劣り、このようにして、サブ領域はゲート線とデータ線によって複数の光透過孔に区分けされていることに相当する。
【0016】
光は回折現象が存在することで、
図3に示すように、光透過孔を透過した光線の伝播方向は屈折が生じる。これと同時に、光は干渉現象も存在し、光が光透過孔(即ち、透明発光素子)を透過した後、回折界と干渉界が形成され、光線がフロントカメラの結像面に到達した際に、結像面上に光量が比較的高い領域、及び光量が比較的低い領域が現れ、最終的には、フロントカメラが採集した画像に星状の部分的輝点が存在するようになる。
【0017】
上記課題を解決するため、本開示
の実施例の一つの方面として、ディスプレイパネルを提供し、
図1と
図4に示すように、ディスプレイパネルPはメイン画素領域Iとサブ画素領域IIを含み、メイン画素領域Iは複数のメイン画素ユニットを含み、サブ画素領域IIは複数のサブ画素ユニットを含み、
図5に示すように、サブ画素ユニットは透明発光素子200を含み、隣り合う二つのサブ画素ユニッ
トの間には画素ピッチ領域Gが存在する。
図4と
図5に示すように、ディスプレイパネルは透明調光構造をさらに含み、当該透明調光構造はサブ画素領域IIの裏面に設置される。
図5に示すように、透明調光構造は複数の透明調光ユニット100を含み、それぞれの透明調光ユニット100は少なくとも一つのサブ画素ユニットに対応し、透明調光ユニット100は、当該透明調光ユニット100に対応するサブ画素ユニットにおける透明発光素子200を透過する光を当該サブ画素ユニッ
ト外郭の画素ピッチ領域G内に拡散させることができる。
【0018】
なお、本開示の実施例において、ディスプレイパネルに対して、画像のディスプレイに用い、観覧者が観覧する表面を表示面と称し、当該表示面と対向する表面を裏面と称する。画素ピッチ領域Gには、ゲート線やデータ線などの信号線が設置されている。サブ画素ユニットにおける透明発光素子200を透過する光がディスプレイ装置に設置されているスクリーン下のカメラの結像時に必要になる光(このような光は、少なくとも環境光、及び被写体が反射した光を含む)である。透明調光ユニットを設置した後、サブ画素ユニットにおける透明発光素子200を透過する光は、画素ピッチ領域G内に拡散され、少なくとも一定程度で光の回折現象、及び光の干渉現象を軽減させることにより、少なくとも一定程度でフロントカメラが採集した画像に星状の部分的輝点が生じることを軽減させることができる。
【0019】
本開示の実施例において、透明調光ユニット100が、当該透明調光ユニットに対応するサブ画素ユニットにおける透明発光素子を透過する光をどのようにして当該サブ画素ユニットの外郭の画素ピッチ領域内に拡散させるかについては、特に限定しない。
【0020】
一つの例示的な実施形態として、透明調光ユニット100は、中間から縁辺に至って厚みが次第に増加する凹レンズを含んでよい。
【0021】
もう一つの例示的な実施形態として、透明調光ユニット100は、厚みが均一である等価凹レンズを含んでよい。以下、前記の等価凹レンズを実現する方法を紹介する。ディスプレイパネルにおける等価凹レンズはアレイ状に形成されている。ディスプレイパネルは第1液晶コントロールパネルを含んでよい。第1液晶コントロールパネルは複数の第1レンズユニットを含み、第1レンズユニットにおける液晶分子の偏向角度をコントロールすることにより、第1予定焦点距離を有する等価凹レンズを獲得することができる。
【0022】
この他に、厚みが均一であるシート状の光透過性材料の異なる領域での屈折率を設置することにより、凹レンズ効果を有する等価凹レンズを実現することができる。
【0023】
フロントカメラに達する感光面上の光線の輝度をより均一にさせるため、いくつかの例示的な実施例において、透明調光ユニット100は、当該透明調光ユニット100に対応するサブ画素ユニットの外郭に拡散した光を平行光にコリメータすることができるように設置されることができる。
【0024】
本開示の実施例において、一つの透明調光ユニットに対応するサブ画素ユニットの数については特に限定しないが、より良い調光効果を実現するため、いくつかの例示的な実施例において、一つの透明調光ユニットは一つのサブ画素ユニットに対応する。即ち、それぞれのサブ画素ユニットにおける透明発光素子を透過する光は、いずれも調節され得ることによって、フロントカメラの採光面に達する光をさらに均一させることができる。
【0025】
本開示の実施例において、透明調光ユニット100の構造については特に限定せず、対応する透明発光素子を透過する光を画素ピッチ領域に調節し、且つ、コリメータすることができればよい。
【0026】
一つの例示的な実施形態として、
図5に示すように、透明調光ユニット100は、凹レンズ110と、当該凹レンズ110と対向に設置されている凸レンズ120を含むことができ、凹レンズ110は相応するサブ画素ユニットの裏面に設置され、且つ、凹レンズ110の底面の縁辺は画素ピッチ領域G内に位置し、凸レンズ120と凹レンズ110は対向に設置され、且つ、凸レンズ120と凹レンズ110の間には隙間が存在している。
【0027】
図6に示すように、凹レンズ110は光線を発散させる機能を果たす。透明発光素子200を透過した光は、凹レンズ110によってさらに拡散された後、画素ピッチ領域G内に達することができる。凹レンズ110を介して拡散された光は、凸レンズ120に伝達され、凸レンズ120によって平行光にコリメータされる。なお、凹レンズ110を透過した光中の少なくとも一部は、隙間内で伝達した後、凸レンズ120内に入る。
【0028】
本開示の実施例において、凹レンズ110、凸レンズ120、及び隙間のサイズに対しては、特に限定はなく、凹レンズ110が入射光線を画素ピッチ領域内に拡散させ、且つ、凸レンズ120が凹レンズで拡散された光を平行光にコリメータさせる要件を満たせばよい。
【0029】
容易に加工及び製造するため、一つの例示的な実施形態として、
図6と
図7に示すように、透明調光ユニット100は透明スペーサ130をさらに含み、当該透明スペーサ130は、凸レンズ120と凹レンズ110の間の隙間内に設置されている。
【0030】
なお、屈折率が比較的高い材料から凸レンズ120と凹レンズ110を作製し、屈折率が比較的低い材料から透明スペーサ130を作製することができる。
【0031】
容易に加工及び製造するため、一つの例示的な実施形態として、凸レンズ120のサブ画素ユニットの裏面における正射影の外縁は、凹レンズ110の底面の縁辺と重なっている。
【0032】
本開示の実施例において、隣り合う二つの透明調光ユニット100の側壁は張り合うことができる。また、一つの例示的な実施形態として、凹レンズ110の底面の縁辺は、相応する画素ピッチ領域の幅の中心線に位置する。
【0033】
本開示の実施例において、転写、インクジェットなどの様々な形態で透明調光ユニット100を形成することができる。
【0034】
上記のように、第1液晶コントロールパネルによって、等価凹レンズを実現することができる。同様に、第2液晶コントロールパネルによって、等価凸レンズを形成することができる。一つの例示的な実施例において、ディスプレイパネルにおける複数の等価凸レンズはアレイ状に配列され、第2液晶コントロールパネルは複数の第2レンズユニットを含み、第2液晶コントロールパネルにおける液晶分子の偏向角度をコントロールすることにより、第2予定焦点距離を有する等価凸レンズを獲得することができる。
【0035】
この他に、厚みが均一であるシート状の光透過性材料の異なる領域での屈折率を設置することにより、凸レンズ効果を有する等価凸レンズを実現することができる。
【0036】
本開示の実施例において、ディスプレイパネルのメイン画素領域の形式については特に限定しない。なお、メイン画素領域の主な役割は画面をディスプレイすることである。光透過率を向上させるため、サブ画素領域のサブ画素ユニットの開口面積は比較的大きいべきであり、このようにして、サブ画素領域におけるサブ画素ユニットの密度を低下させる。ディスプレイ効果を向上させるため、メイン画素領域は比較的高い画素密度を有するべきである。即ち、メイン画素領域内の単位面積におけるメイン画素ユニットの数は、サブ画素領域内の単位面積におけるサブ画素ユニットの数より大きいべきである。
【0037】
一つの例示的な実施例として、メイン画素ユニットにおける発光素子を作製する材料の光透過率は、サブ画素ユニットの透明発光素子を作製する材料の光透過率より低くて良い。
【0038】
光の回折、光の干渉に起因するフロントカメラの採光面に輝度分布のむら現象が生じることをさらに低下させるため、いくつかの例示的な実施例において、透明導電材料(例えば、酸化インジウムスズ)を利用して、画素ピッチ領域における信号線を作製することができる。
【0039】
一つの例示的な実施形態として、ディスプレイパネルはAMOLEDディスプレイパネルであってよい。
【0040】
本開示
の実施例の第2方面として、ディスプレイ装置を提供し、
図4に示すように、当該ディスプレイ装置はディスプレイパネルPとカメラ500を含み、ディスプレイパネルは本開示
の実施例の第1方面で提供するディスプレイパネルであり、カメラ
500は前記サブ画素領域IIの裏面に設置されていると共に、透明調光構
造と対向している。
【0041】
上記のように、透明調光構造を設置したことによって、光の回折と光の干渉現象を軽減し、ひいては削除し、カメラ500に入射する採光面での光の輝度は均一で、結像効果を向上させることができる。
【0042】
前記ディスプレイ装置のディスプレイ効果を向上させるため、
図4に示すように、ディスプレイ装置は偏光子をさらに含むことができ、当該偏光子は偏光子本体300と当該偏光子本体300上に形成されているスルーホール310を含み、偏光子はディスプレイパネルPの表示面に設置され、且つ、スルーホール310はサブ画素領域IIと相互対応する。
【0043】
ディスプレイ効果をさらに向上させるため、
図4に示すように、ディスプレイ装置は遮光層をさらに含むことができ、当該遮光層は遮光層本体400と当該遮光層本体上に形成されている光透過孔410を含み、透明調光構
造が光透過孔410に位置するように、当該遮光層本体400はPディスプレイパネルの裏面に張り合い、且つ、光透過孔410はサブ画素領域IIと相互対応する。
【0044】
本開示の実施例において、遮光層本体400の構造については、特に限定しない。一つの例示的な実施形態において、フォームを利用して遮光層本体400を作製することができる。
【0045】
本開示の実施例において、ディスプレイ装置の構造については、特に限定しない。ディスプレイ装置は携帯電話、タブレットなどの電子機器であってよい。
【0046】
本開示の実施例で提供するディスプレイパネルにおいて、サブ画素領域における発光素子を透明発光素子に設置することによって、真の意味でのフルスクリーンを実現することができる。同時に、本開示の実施例において、サブ画素領域と対応する透明調光ユニットを設置した後、サブ画素ユニットにおける透明発光素子を透過する光は画素ピッチ領域内に拡散され、少なくとも一定程度で光の回折現象、及び光の干渉現象を軽減させることができ、これによって、少なくとも一定程度でディスプレイ装置のフロントカメラが採集した画像に星状の部分的輝点が生じることを軽減させ、結像効果を向上させることができる。
【0047】
一般的な説明的意味であり、限定する目的ではない。いくつかの実施例において、明確に指摘していない限り、特定の実施例と結合して説明した特徴、特性又は/あるいは要素を単独に使用することができ、また、ほかの実施例と結合して説明した特徴、特性又は/あるいは要素を組み合わせて使用することができることは、当該分野の技術者に対して明らかなものである。従って、添付の特許請求の範囲に明示した本開示の実施例の範囲を逸脱しない限り、様々な形式と細部の変更が可能であることは当該分野の技術者にとって理解することができる。