(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】複数のディスプレイリフレッシュレートのシームレス移行のためのガンマカーブの再較正
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20241128BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20241128BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20241128BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20241128BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 555G
G09G5/02 B
G09G5/10 B
G09G5/37 100
H04N5/66 A
(21)【出願番号】P 2023562559
(86)(22)【出願日】2021-04-12
(86)【国際出願番号】 US2021026838
(87)【国際公開番号】W WO2022220787
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェン,チエン-フイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シン-ユ
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-049319(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0267448(US,A1)
【文献】特開2009-058675(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188789(WO,A1)
【文献】特開2015-191039(JP,A)
【文献】特開2002-215106(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0124934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
H04N 5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関する前記ディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値を測定するステップを含み、前記第1および第2の値は、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定され、前記方法は、さらに、
前記第1および第2の値に基づいて、前記第1のリフレッシュレートにおける前記入力グレーレベルのための補償係数を決定するステップと、
前記補償係数に基づき、前記入力グレーレベルに関して、前記デバイスが第2のリフレッシュレートにおいて使用する変更されたガンマ値を決定するステップとを含み、前記変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、前記第1のリフレッシュレートと前記第2のリフレッシュレートとの間の前記光学特性の値における差分を不変に保つことにより、前記第2のリフレッシュレートで動作するとき、前記ディスプレイパネルの知覚される
フリッカを低減し、前記方法は、さらに、
前記入力グレーレベルのための前記変更されたガンマ値を前記デバイスに記憶するステップを含み、前記デバイスは、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行しているとき、前記入力グレーレベルのための前記変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成される、方法。
【請求項2】
前記ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度モードに関して、前記第1および第2の値を測定するステップと、前記補償係数を決定するステップと、前記変更されたガンマ値を決定するステップとが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度帯域に関して、前記第1および第2の値を測定するステップと、前記補償係数を決定するステップと、前記変更されたガンマ値を決定するステップとが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ディスプレイパネルが複数の色チャネルを有し、デフォルトのガンマ値は前記複数の色チャネルについてそれぞれのレジスタ値を含み、前記変更されたガンマ値を決定するステップは、前記デフォルトのガンマ値の前記レジスタ値のうち少なくとも1つを変更するステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の色チャネルは、赤、緑および青(RGB)の色チャネルを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記変更されたガンマ値を決定するステップは、
所与のディスプレイ明度値および所与の明度モードについて、前記補償係数に基づき、前記第2の周囲明度レベルおよび前記第2のリフレッシュレートにおける前記光学特性のターゲット値を決定するステップと、
前記第2の周囲明度レベルおよび前記第2のリフレッシュレートにおける、前記所与のディスプレイ明度値および前記所与の明度モードについて、前記光学特性の前記ターゲット値と前記光学特性のデフォルト値との比を決定するステップと、
デフォルトのガンマ値に、前記決定された比を掛けるステップとをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記第1の周囲明度レベルおよび前記第2のリフレッシュレートにおける、前記入力グレーレベルに関する前記ディスプレイパネルの前記光学特性の第3の値を、前記デバイスから測定するステップをさらに含み、
前記変更されたガンマ値を決定するステップは、前記補償係数に前記第3の値を掛けて、前記第2の周囲明度レベルおよび前記第2のリフレッシュレートにおける、前記入力グレーレベルに関する前記ディスプレイパネルの前記光学特性のターゲット値を決定するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記補償係数は前記第2の値と前記第1の値との比である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記測定するステップは、前記光学特性を測定するように構成された画像取込みデバイスによって実行される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のリフレッシュレートは60Hzであり、前記第2のリフレッシュレートは90Hzである、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記光学特性は、前記ディスプレイパネルの輝度または色のうちの1つである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記記憶するステップは、前記デバイスのブートイメージに、複数の入力グレーレベルについて、複数のそれぞれの変更されたガンマ値を記憶するステップを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記補償係数に基づき、前記入力グレーレベルについて、第3のリフレッシュレートにおいて前記デバイスが使用する第2のデフォルトのガンマ値の変更を決定するステップをさらに含み、
前記デバイスは、前記変更された第2のガンマ値を使用して、異なる周囲明度レベルにおいて、前記第1のリフレッシュレートと前記第3のリフレッシュレートとの間の前記光学特性の値における差分を不変に保つことにより、前記第3のリフレッシュレートで動作するとき、前記ディスプレイパネルの知覚される
フリッカを低減し、前記方法は、
前記入力グレーレベルのための前記変更された第2のガンマ値を前記デバイスに記憶するステップをさらに含み、前記デバイスは、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第3のリフレッシュレートに移行しているとき、第2の入力グレーレベルのための前記変更された第2のガンマ値を使用して第2の入力表示データを調節するように構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記知覚される
フリッカは、薄膜トランジスタ(TFT)のリーク電流によってもたらされる、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ
によって実行される方法であって、
デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップを含み、前記ディスプレイパネルは、複数のリフレッシュレートで動作するように構成され、前
記方法は、さらに、
前記デバイスのストレージから、第2のリフレッシュレートにおける前記入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を取り出すステップを含み、
前記変更されたガンマ値は、
前記入力グレーレベルに関する、前記第1のリフレッシュレートにおける前記ディスプレイパネルの光学特性の、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定された第1および第2の値と、
前記第1のリフレッシュレートにおける前記入力グレーレベルのための決定された補償係数と、に基づいて決定されたものであり、前
記方法は、さらに、
前記入力グレーレベルのための前記変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するステップと、
前記調節された入力表示データに基づいて、前記ディスプレイパネルを前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行するステップとを含み、前記変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、前記第1のリフレッシュレートと前記第2のリフレッシュレートとの間の前記光学特性の値における差分を不変に保つことにより、前記第2のリフレッシュレートで動作するとき、前記ディスプレイパネルの知覚される
フリッカを低減する
、方法。
【請求項16】
前
記方法は、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートで動作している間にレート変更のトリガイベントを識別するステップをさらに含み、
前記ディスプレイパネルを前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行するステップは、前記レート変更のトリガイベントを識別するステップに応答して実行される、請求項15に記載
の方法。
【請求項17】
前記レート変更のトリガイベントは、前記デバイスにおいて動作中の処理によって開始される、請求項16に記載
の方法。
【請求項18】
前記レート変更のトリガイベントは、ユーザと前記ディスプレイパネルとの相互作用を含む、請求項16に記載
の方法。
【請求項19】
前記レート変更のトリガイベントは、前記デバイスのまわりの環境に関連する環境状態の測定に基づく、請求項16に記載
の方法。
【請求項20】
前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行した後に、前記レート変更のトリガイベントの終了を検知するステップと、
前記レート変更のトリガイベントの終了を検知することに応答して、前記ディスプレイパネルを前記第2のリフレッシュレートから前記第1のリフレッシュレートに移行するステップとをさらに含む、請求項16~19のいずれか1項に記載
の方法。
【請求項21】
1つまたは複数のプロセッサと、
コンピュータ実行可能命令を記憶したデータストレージとを備えるシステムであって、前記コンピュータ実行可能命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、以下の動作を実行させ、前記動作は、
複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関する前記ディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値を測定するステップを含み、前記第1および第2の値が、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定され、前記動作は、さらに
前記第1および第2の値に基づいて、前記第1のリフレッシュレートにおける前記入力グレーレベルのための補償係数を決定するステップと、
前記補償係数に基づき、前記入力グレーレベルに関して、前記デバイスが第2のリフレッシュレートにおいて使用する変更されたガンマ値を決定するステップとを含み、前記変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、前記第1のリフレッシュレートと前記第2のリフレッシュレートとの間の前記光学特性の値における差分を不変に保つことにより、前記第2のリフレッシュレートで動作するとき、前記ディスプレイパネルの知覚される
フリッカを低減し、前記動作は、さらに、
前記入力グレーレベルのための前記変更されたガンマ値を前記デバイスに記憶するステップを含み、前記デバイスは、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行しているとき、前記入力グレーレベルのための前記変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
リフレッシュレートは、デバイスのディスプレイパネル上の画像をリフレッシュする1秒当たりの回数を指し得る。たとえば、60ヘルツ(Hz)のリフレッシュレートは、画像が1秒当たり60回リフレッシュされることを意味する。リフレッシュレートがより高ければ、通常はより優れたユーザ体験をもたらすが、デバイスの電力消費がより大きくなる。
【0002】
時には、ディスプレイパネルは複数のリフレッシュレートで動作することができる。たとえば、デバイスのディスプレイパネルのリフレッシュレートは、ビデオストリーミングアプリケーションを実行するときには90Hzに設定されてよく、ワードプロセッシングアプリケーションを実行するときには60Hzに設定されてよい。また、たとえば、ディスプレイパネルは複数の周囲光設定の下で動作することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本開示は、一般にデバイスのディスプレイパネルに関する。ディスプレイパネルは、第1のリフレッシュレートまたは第2のリフレッシュレートで動作するように構成され得る。デバイスは、第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおいて測定されたディスプレイパネルの光学特性に応じて、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するとき、入力表示データを調節するように構成され得る。
【0004】
第1の態様ではコンピュータ実施方法が提供される。この方法は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値を測定するステップを含み得、第1および第2の値は、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定される。この方法は、第1および第2の値に基づいて、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための補償係数を決定するステップをさらに含み得る。この方法は、補償係数に基づき、入力グレーレベルに関して、デバイスが第2のリフレッシュレートにおいて使用する変更されたガンマ値を決定するステップも含み得、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。この方法は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値をデバイスに記憶するステップであって、デバイスが、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成される、記憶するステップをさらに含み得る。
【0005】
第2の態様ではシステムが提供される。システムは1つまたは複数のプロセッサを含み得る。システムはデータストレージも含み得、データストレージには、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、システムに動作を実行させるコンピュータ実行可能命令が記憶されている。これらの動作は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値を測定するステップを含み得、第1および第2の値は、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定される。これらの動作は、第1および第2の値に基づいて、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための補償係数を決定するステップをさらに含み得る。これらの動作は、補償係数に基づき、入力グレーレベルに関して、デバイスが第2のリフレッシュレートにおいて使用する変更されたガンマ値を決定するステップも含み得、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。これらの動作は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値をデバイスに記憶するステップであって、デバイスが、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成される、記憶するステップをさらに含み得る。
【0006】
第3の態様ではデバイスが提供される。デバイスは、動作を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサを含む。これらの動作は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値を測定するステップを含み得、第1および第2の値は、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定される。これらの動作は、第1および第2の値に基づいて、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための補償係数を決定するステップをさらに含み得る。これらの動作は、補償係数に基づき、入力グレーレベルに関して、デバイスが第2のリフレッシュレートにおいて使用する変更されたガンマ値を決定するステップも含み得、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。これらの動作は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値をデバイスに記憶するステップであって、デバイスが、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成される、記憶するステップをさらに含み得る。
【0007】
第4の態様では製品が提供される。製品は、プログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体を含み得、プログラム命令は、コンピューティングデバイスの1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに動作を実行させる。これらの動作は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値を測定するステップを含み得、第1および第2の値は、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定される。これらの動作は、第1および第2の値に基づいて、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための補償係数を決定するステップをさらに含み得る。これらの動作は、補償係数に基づき、入力グレーレベルに関して、デバイスが第2のリフレッシュレートにおいて使用する変更されたガンマ値を決定するステップも含み得、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。これらの動作は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値をデバイスに記憶するステップであって、デバイスが、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成される、記憶するステップをさらに含み得る。
【0008】
第5の態様ではコンピュータ実施方法が提供される。この方法は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に入力グレーレベルを識別するステップを含み得、ディスプレイパネルは、複数のリフレッシュレートで動作するように構成される。この方法は、デバイスのストレージから、第2のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を取り出すステップをさらに含み得、変更されたガンマ値は、第1のリフレッシュレートにおいて入力グレーレベルに関して、それぞれ第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定された、ディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値と、第1のリフレッシュレートにおいて入力グレーレベルに関して決定された補償係数とに基づいて決定されたものである。この方法は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するステップも含み得る。この方法は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップをさらに含み得、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。
【0009】
第6の態様ではシステムが提供される。システムは1つまたは複数のプロセッサを含み得る。システムはデータストレージも含み得、データストレージには、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、システムに動作を実行させるコンピュータ実行可能命令が記憶されている。これらの動作は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に入力グレーレベルを識別するステップを含み得、ディスプレイパネルは、複数のリフレッシュレートで動作するように構成される。これらの動作は、デバイスのストレージから、第2のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を取り出すステップをさらに含み得、変更されたガンマ値は、第1のリフレッシュレートにおいて入力グレーレベルに関して、それぞれ第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定された、ディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値と、第1のリフレッシュレートにおいて入力グレーレベルのために決定された補償係数とに基づいて決定されたものである。これらの動作は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するステップも含み得る。これらの動作は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップをさらに含み得、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。
【0010】
第7の態様ではデバイスが提供される。デバイスは、動作を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサを含む。これらの動作は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に入力グレーレベルを識別するステップを含み得、ディスプレイパネルは、複数のリフレッシュレートで動作するように構成される。これらの動作は、デバイスのストレージから、第2のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を取り出すステップをさらに含み得、変更されたガンマ値は、第1のリフレッシュレートにおいて入力グレーレベルに関して、それぞれ第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定された、ディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値と、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのために決定された補償係数とに基づいて決定されたものである。これらの動作は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するステップも含み得る。これらの動作は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップをさらに含み得、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。
【0011】
第8の態様では製品が提供される。製品は、プログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体を含み得、プログラム命令は、コンピューティングデバイスの1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに動作を実行させる。これらの動作は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に入力グレーレベルを識別するステップを含み得、ディスプレイパネルは、複数のリフレッシュレートで動作するように構成される。これらの動作は、デバイスのストレージから、第2のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を取り出すステップをさらに含み得、変更されたガンマ値は、第1のリフレッシュレートにおいて入力グレーレベルに関して、それぞれ第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定された、ディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値と、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのために決定された補償係数とに基づいて決定されたものである。これらの動作は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するステップも含み得る。これらの動作は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップをさらに含み得、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。
【0012】
当業者には、他の態様、実施形態、および実装形態が、以下の発明を実施するための形態を、適切な場合には添付図面を参照しながら読み取ることによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】例示の実施形態による、2つの周囲明度レベルの下で、通常モードにおけるリフレッシュレートに関する光学特性の値を示すグラフである。
【
図2】例示の実施形態による、2つの周囲明度レベルの下で、通常モードにおける2つのリフレッシュレートに関する輝度差分値を示すグラフである。
【
図3A】例示の実施形態による、通常モード向けの、種々のリフレッシュレートにおける補償比を示すグラフである。
【
図3B】例示の実施形態による、通常モード向けの、種々のリフレッシュレートにおける補償比を示す別のグラフである。
【
図4A】例示の実施形態による、高明度モード向けの、種々のリフレッシュレートにおける補償比を示すグラフである。
【
図4B】例示の実施形態による、通常モードおよび高明度モード向けの、60Hzにおける補償比を示すグラフである。
【
図5】例示の実施形態による、ガンマ値の変更を示す図である。
【
図6】例示の実施形態による、ガンマテーブルを表す図である。
【
図7】例示の実施形態による、レジスタ値と輝度差分値との間の関係を示すグラフである。
【
図8】例示の実施形態による、様々なタップポイントに関する、通常モード向けに較正されたガンマ値の表である。
【
図9】例示の実施形態による、例示の補償係数および輝度差分値を示す表である。
【
図10】例示の実施形態による、通常モードに関する、較正の前後における輝度値の差分を示すグラフである。
【
図11】例示の実施形態による、高明度モード(HBM)に関する、較正の前後における輝度値の差分を示すグラフである。
【
図12】例示の実施形態によるコンピューティングデバイスを示す図である。
【
図13A】例示の実施形態による、様々なディスプレイ明度値(DBV)帯域に関する60Hzのガンマカーブを示すグラフである。
【
図13B】例示の実施形態による、DBV帯域6に関する90Hzのガンマカーブを示すグラフである。
【
図14】例示の実施形態による方法を示す図である。
【
図15】例示の実施形態による別の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本明細書において、例示の方法、デバイス、製品、およびシステムが説明される。本明細書で使用される、「例示の」や「例示的な」という単語は、「例、事例、または例証として役立つ」ということを意味するものと理解されたい。本明細書において「例示の」または「例示的な」と記述されるいかなる実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴に対して、必ずしも好ましいものまたは有利なものと解釈されることはない。本明細書で提示された主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、他の変更形態が作製され得る。
【0015】
したがって、本明細書で説明される例示の実施形態は、限定することを意味するわけではない。本明細書で全体的に説明されて図に示される本開示の態様は、多種多様な別々の構成における配置、置換、組合せ、分離、設計が可能であり、そのすべてが本明細書において企図されるものである。
【0016】
さらに、文脈に別の示唆がない限り、図の各々に示された特徴は、互いに組み合わせて使用され得る。したがって、図は、一般的には、それぞれの実施形態が示された特徴のすべてを必要とするわけではないという理解を伴って、1つまたは複数の全体的な実施形態の態様の構成要素として見られるべきである。
I.概要
コンピューティングデバイスのディスプレイパネルのディスプレイリフレッシュレートが高ければ(たとえば90Hzまたは120Hz)映像またはゲームのアプリケーションなどの視覚的に複雑なソフトウェアアプリケーションを実行するとき、望ましいものとなり得る。しかしながら、リフレッシュレートが高ければコンピューティングデバイスの消費電力も大きくなる。性能とバッテリ寿命とをうまく両立させるために、いくつかのディスプレイパネルは、複数の異なるリフレッシュレート(たとえば10Hz、30Hz、60Hz、90Hz、および120Hz)のうち1つで動作することができる。すなわち、ディスプレイパネルは、実行されているアプリケーションに応じて複数のリフレッシュレートを切り換えることができる。
【0017】
しかしながら、リフレッシュレートが異なれば光学的特性も異なり得る。具体的には、ディスプレイパネルの輝度や色は、60Hzと90Hzとで異なり得る。ディスプレイパネルが60Hzから90Hzに(90Hzから60Hzに)切り換わるとき、この光学的差が、ディスプレイパネルの視覚的フリッカとして現れる可能性がある。結果的に、ディスプレイパネルのリフレッシュレートが60Hzと90Hzとの間で頻繁に切り換わると、視覚的フリッカが目立つようになってユーザの体験を損なう恐れがある。さらに、人の目が低輝度設定における変化に対してとても敏感であるため、ディスプレイパネルの輝度が低いとき、および/またはディスプレイパネルの周辺環境の周囲光が少ないとき、視覚的フリッカは特に目立つ。いくつかのデバイスでは、強い周囲光(たとえば日光)の下でフリッカが観測されることがある。これは、たとえば、光子による薄膜トランジスタ(TFT)のリーク電流などの光電効果によって引き起こされ得る。たとえば、高明度モード(HBM)の明度レベルが600nitのときには、フリッカはあまり目立たない可能性がある。いくつかのデバイスでは、HBMの明度レベルが700nitまで上昇すると、強い周囲光の下でフリッカが観測される可能性がある。しかしながら、HBMの明度レベルが700nitを超えて上昇すると、フリッカがより明瞭になる。
【0018】
図1は、例示の実施形態による、2つの周囲明度レベルの下で、通常モードにおけるリフレッシュレートに関する光学特性の値を示すグラフ100である。たとえば、グラフ100において、縦軸は、測定された光学特性としての輝度をnitの単位で表現しており、値は0~600nitである。値は60Hzのリフレッシュレートに関するものである。横軸は0~300のグレーレベルを表現している。第1のグラフ102は、第1の周囲明度レベル(たとえば光のない周囲明度レベル)に関する輝度値に対応し、グラフ104は、強い周囲光(たとえば日光)の状況での第2の周囲明度レベルに関する輝度値に対応する。示されるように、0~150のグレーレベルでは、グラフ104はグラフ102の上にある。フリッカを低減するためには、グラフ104の輝度値を、グラフ102のものと一致するように低下させることが必要になる。150~300のグレーレベルについては、グラフ102がグラフ104の上にある。フリッカを低減するためには、グラフ104の輝度値を、グラフ102のものと一致するように増加させることが必要になる。固定されたDBV帯域、ならびに種々のリフレッシュレートおよび周囲明度レベルについて様々なグレーレベルの画像を取り込むために、測色計などの画像取込みデバイスが使用され得る。
【0019】
輝度値の差を定量的に測定するやり方の1つには、輝度差分値を決定するものがある。たとえば、輝度差分は、
【0020】
【0021】
または
【0022】
【0023】
として計算され得る。
式1および式2は、60Hzおよび90Hzに基づくものであるが、任意の2つのリフレッシュレートR1およびR2についてΔL(R1,R2)を計算するために類似の式が使用され得る。また、たとえば、輝度差分値は種々の周囲明度レベルにおいて決定され得る。たとえば、第1の輝度差分は周囲光なしで決定され得、第2の輝度差分は強い周囲光(たとえば日光)の下で決定され得る。
【0024】
図2は、例示の実施形態による、2つの周囲明度レベルの下で、通常モードにおける2つのリフレッシュレートに関する輝度差分値を示すグラフ200である。グラフ200の縦軸は、輝度差分値を、-2~10%の値を有する百分率として表現している。横軸は30~230のグレーレベルを表現している。グラフ202は第1の周囲明度レベル(たとえば光のない周囲明度レベル)に関するΔL(60,90)に対応し、グラフ204は強い周囲光(たとえば日光)の状況での第2の周囲明度レベルに関するΔL(60,90)に対応する。示されるように、周囲明度レベルが上昇するのにつれて輝度差分値が増加し、それによってフリッカをもたらす。矢印206は、周囲明度レベルが変化する状況での、この「輝度ドリフト」の現象を示す。
【0025】
ディスプレイパネルの輝度が低いときには60Hzと90Hzとの間の移行を不可能にすることによって、この「フリッカ問題」を解決しようとする解決策もある。しかし、これらの解決策には、「低いディスプレイ輝度」と見なされるものの定義がかなり高い可能性があるという問題がある。いくつかの例示のコンピューティングデバイスでは、すべてのフリッカを緩和するための理想的な移行閾値は75%であることが判明している。言い換えれば、ディスプレイパネルの輝度がディスプレイパネルの全体の可能な輝度の75%以上であると、60Hzと90Hzとの間の移行が許容され得る。ディスプレイパネルの輝度が全体の可能な輝度の75%未満であると、60Hzと90Hzとの間の移行は許容され得ない。しかし、ユーザは、大抵の場合ディスプレイパネルの輝度を75%未満に保つので、複数のリフレッシュレートを使用する利益が最低になってしまう。
【0026】
ディスプレイパネルの第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートへの円滑な移行を実現するためのやり方の1つには、移行中に、すべてのグレーレベルおよび明度設定においてディスプレイパネルの光学特性における差を最小化するものがある。本明細書で使用される「光学特性」という用語は、デバイスによって表示される画像のあらゆる測定可能な特性を指し得る。たとえば、デバイスが画像を表示するとき、またはデバイスが異なるリフレッシュレートの間を移行するときには、光学特性は、ディスプレイパネルの色または輝度値を指し得る。また、たとえば、光学特性は、たとえば屈折、吸収、散乱、反射のレベルなどの特性を指し得る。
【0027】
一般的には、光学特性(たとえば、色および輝度)に関する値は、工場において較正され、表示駆動集積回路(DDIC)に記憶され得る。いくつかの事例では、ディスプレイが低明度および低いグレーレベルのときには、ディスプレイパネルがリフレッシュレートの間を移行するのを抑止する阻止ゾーンが適用されることがある。一般に、HBMの明度レベルが増加するのにつれて、より多くのフリッカが知覚可能になり得、フリッカを低減するためにより多くの阻止ゾーンが必要になり得る。しかしながら、より高いリフレッシュレート(たとえば90Hz)におけるユーザ体験を向上させるために、阻止ゾーンを除去して、すべての明度およびグレーレベルについて移行を可能にするのが望ましい。
【0028】
フリッカ問題に対する解決法の1つには、本明細書で説明されたように、輝度ドリフト、すなわち、異なる周囲明度設定の下での輝度差分値の変化を、最小化することが対象とされ得る。本明細書で説明されたいくつかの技術は、入力グレーレベルのための補償係数に基づいてガンマ値を変更することにより、これらの問題に対処する。デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するとき、入力ディスプレイデータが、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値に基づいて調節され得る。これらの調節を適用した後、60Hzで動作しているときのディスプレイパネルの光学特性(たとえば色、輝度など)が、90Hzで動作しているときのディスプレイパネルの光学特性に類似のものになり得、したがって、60Hzと90Hzとの間で切り換えるときに生じる視覚的フリッカが、より目立たなくなり得る。
【0029】
これを促進するために、ディスプレイパネルに関して、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値が測定され得る。第1および第2の値は、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定され得る。次いで、測定された第1および第2の値に基づいて、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための補償係数が決定され得る。変更されたガンマ値は、補償係数に基づいて、第2のリフレッシュレートにおいてデバイスが使用する入力グレーレベルのために決定され得る。変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。入力グレーレベルのための変更されたガンマ値は、デバイスに記憶され得る。次に、デバイスは、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度モードに関して、第1および第2の値を測定するステップと、補償係数を決定するステップと、変更されたガンマ値を決定するステップとが実行され得る。たとえば、第1および第2の値を測定するステップと、補償係数を決定するステップと、変更されたガンマ値を決定するステップとは、通常モードに関して実行され得る。また、たとえば、第1および第2の値を測定するステップと、補償係数を決定するステップと、変更されたガンマ値を決定するステップとは、高明度モード(HBM)に関して実行され得る。
【0031】
一般に、光子によって起動されるTFTリーク電流は入力光に比例する。入力光が増加するのにつれてリーク電流が増加する。一態様では、所与の入力グレーレベルGrayxおよび所与のリフレッシュレートに関して、光学特性の値(たとえば輝度値)が、種々の明度設定について測定され得る。たとえば、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)において、補償比は次式で決定され得る。
【0032】
【0033】
式3において、Grayxは入力グレーレベルに相当し、第2の明度レベルは日光ありの測定値に相当し得、第1の明度レベルは日光なしの測定値に相当し得る。
【0034】
図3Aは、例示の実施形態による、通常モード向けの、種々のリフレッシュレートにおける補償比を示すグラフ300Aである。たとえば、通常モードに関して、60Hzにおける補償比は、(たとえば式3によって)日光ありの輝度値(60S)と日光なしの輝度値(60)との比として計算され得る。同様に、通常モードに関して、90Hzにおける補償比は、(たとえば式3によって)日光ありの輝度値(90S)と日光なしの輝度値(90)との比として計算され得る。グラフ300Aにおいて、縦軸は0%~2000%の百分率の値として補償比を示し、横軸は0~255の範囲のグレーレベル値を示す。グラフ300Aに示されるように、60Hzおよび90Hzにおける補償比のグラフは、値は異なるが類似の形状を有する。バウンディングボックス302によって境界を示された、グラフ300Aの一部の拡大図が、異なる値を明らかにするために
図3Bに示される。
【0035】
図3Bは、例示の実施形態による、通常モード向けの、種々のリフレッシュレートにおける補償比を示す別のグラフ300Bである。グラフ300Bにおいて、縦軸は0%~180%の百分率の値として補償比を示し、横軸は0~255の範囲のグレーレベル値を示す。
図3Bは、通常モードについて、60Hzと90Hzとにおける補償比の値の間の差を明らかにするものである。詳細には、
図3Bは、
図3Aのグラフ300Aのバウンディングボックス302の内部を示す。たとえば、グラフ304は90Hzにおける補償比に対応し、グラフ306は60Hzにおける補償比に対応する。示されるように80~255のグレーレベルについては、グラフ304がグラフ306の上にある。
【0036】
図4Aは、例示の実施形態による、高明度モード向けの、種々のリフレッシュレートにおける補償比を示すグラフ400Aである。たとえば、高明度モード(HBM)に関して、60Hzにおける補償比は、(たとえば式3によって)日光ありの輝度値(60HS)と日光なしの輝度値(60H)との比として計算され得る。同様に、HBMに関して、90Hzにおける補償比は、(たとえば式3によって)日光ありの輝度値(90HS)と日光なしの輝度値(90H)との比として計算され得る。グラフ400Aにおいて、縦軸は0%~2000%の百分率の値として補償比を示し、横軸は0~255の範囲のグレーレベル値を示す。グラフ400Aに示されるように、60Hzおよび90Hzにおける補償比のグラフは類似の形状を有する。
【0037】
図4Bは、例示の実施形態による、通常モードおよび高明度モード向けの、60Hzにおける補償比を示すグラフ400Bである。たとえば、通常モードに関して、60Hzにおける補償比は、(たとえば式3によって)日光ありの輝度値と日光なしの輝度値との比として計算され得る。グラフ404は、これらの補償比の値を示す。同様に、HBMに関して、60Hzにおける補償比は、(たとえば式3によって)日光ありの輝度値と日光なしの輝度値との比として計算され得る。グラフ402は、これらの補償比の値を示す。グラフ400Bにおいて、縦軸は0%~2000%の百分率の値として補償比を示し、横軸は0~255の範囲のグレーレベル値を示す。示されるように、グレーレベルが低いとき、グラフ404はグラフ402の上にあって、通常モードの60Hzにおける補償比がHBMの60Hzにおける補償比よりも高いことを示す。
II.ガンマ値を変更するための例示の技術
通常モードおよびHBMの、90Hzにおける補償比は類似の特性を有する。したがって、それぞれの明度モードについてガンマ値の調節が必要とされることになる。たとえば、ガンマ調節の第1のセットが、通常モードの90Hzの補償比を補償して、ガンマ調節の第2のセットが、HBMの90Hzの補償比を補償することになる。例示のためにのみ、本明細書で説明されたように、60Hzにおける補償比が、90Hzのガンマ値を再度較正するために使用されてもよい。しかしながら、任意の所与のリフレッシュレートに関する補償比が、他のリフレッシュレートに関するガンマ値を再度較正するためのベンチマークとして使用され得る。
【0038】
図5は、例示の実施形態による、ガンマ値の変更を示す
図500である。502において、第1のリフレッシュレートと第1の周囲明度レベルとにおける輝度値が決定され得る。たとえば、60Hzにおける周囲光なしの輝度値が決定され得る。504において、第1のリフレッシュレートと第2の周囲明度レベルとにおける輝度値が決定され得る。たとえば、60Hzにおける、強い周囲光の下での輝度値が決定され得る。506において、第1のステップとして、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)のための補償係数が決定され得る(たとえば式3によって補償比を決定する)。
【0039】
508において、第2のリフレッシュレートと第1の周囲明度レベルとにおける輝度値が決定され得る。たとえば、90Hzにおける周囲光なしの輝度値が決定され得る。510において、第2のリフレッシュレートと第2の周囲明度レベルとにおける輝度値が決定され得る。たとえば、90Hzにおける、強い周囲光の下での輝度値が決定され得る。512において、第2のステップとして、第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)に関するガンマ値が、ステップ506において決定された補償係数に基づいて変更され得る。たとえば、第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)に関するガンマテーブルが、ステップ506において決定された補償係数に基づいて再構成され得る。この変更の結果として、周囲光なしの、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)と第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)との間の第1の輝度差分ΔL1が、強い周囲光の下で、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)と第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)との間の第2の輝度差分ΔL2と同一になり得る。いくつかの実施形態では、輝度差分は式1または式2によって決定され得る。これによって、表示装置が第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)から第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)に移行するときのフリッカが、周囲光に関係なく解消される。
【0040】
したがって、本明細書で説明された技術を使用すると、いかなるフリッカの影響も軽減するかまたは解消して、複数のリフレッシュレートが利用され得る。他の利益も企図され、本明細書の議論から理解されるはずである。
【0041】
図6は、例示の実施形態によるガンマテーブル600およびガンマテーブル610を表す。上記の議論に従って、コンピューティングデバイス(たとえば
図12のコンピューティングデバイス1200)は、コンピューティングデバイスのディスプレイパネル(たとえば
図12のディスプレイパネル1210)に画像を表示するときに生じる可能性がある不正確さを補償するために、ガンマテーブル600および610を使用することができるようになる。ガンマテーブル600と610との両方が、コンピューティングデバイスのガンマ回路(たとえば
図12のガンマ調節回路1220)の内部に記憶され得る。本明細書の例では、コンピューティングデバイス(たとえば
図12のコンピューティングデバイス1200)は、ディスプレイパネル(たとえば
図12のディスプレイパネル1210)が第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)で動作しているときにはガンマテーブル600を利用し得、ディスプレイパネルが第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)で動作しているときにはガンマテーブル610を利用し得る。
【0042】
示されるように、ガンマテーブル600のガンマ値は、ガンマテーブル610のガンマ値と異なり得る。たとえば、ディスプレイパネル1210が60Hzで動作しているときの、DVB帯域7および入力グレーレベルG7に関する(たとえば輝度または色における)光学特性を含むタップポイント602は、0.172の値を有する。対照的に、ディスプレイパネル1210が90Hzで動作しているときの、DVB帯域7および入力グレーレベルG7に関する(たとえば輝度または色における)光学特性を含むタップポイント612は、0.184の値を有する。上記で論じたように、ガンマテーブル600と610との対応するタップポイントにおけるガンマ値の間の差(たとえば0.184-0.172=0.012)は、本明細書では「輝度差分」と見なされる。
【0043】
60Hzと90Hzとの間のリフレッシュレートの変化を、ユーザにあまり目立たないものにするために、60Hzと90Hzとの間の光学特性の値における差分を、すべての入力グレーレベルにわたって種々の周囲明度レベルにおいて不変に保つことができるように、ガンマテーブル610(またはガンマテーブル600)のガンマ値を変更するのが望ましいものであり得る。人の目が低輝度設定における変化には非常に敏感であるので、いくつかの実施形態は、たとえばG48以下の低い入力グレーレベルの閾値に関するガンマ値のみを変更することを包含し得る。
【0044】
ガンマテーブル610の中のタップポイントのガンマ値を変更するために、いくつかの実装形態は、コンピューティングデバイス(たとえば
図12のコンピューティングデバイス1200)のガンマ回路(たとえば
図12のガンマ調節回路1220)の1つまたは複数のレジスタ値を変更することを包含する。たとえば、ガンマ回路(たとえば
図12のガンマ調節回路1220)は、ガンマテーブル610の中のそれぞれのタップポイントについて、ハードウェアレジスタのセットを含むことができる。ガンマ回路(たとえば
図12のガンマ調節回路1220)は、これらのレジスタの値を使用して、コントローラ(たとえば
図12のコントローラ1260)からディスプレイパネルに送られる入力グレーレベル信号を変更することができるはずである。一般に、所与のタップポイントに関するハードウェアレジスタの数は、ディスプレイパネルが使用する色チャネルの数に相当する。たとえば、ディスプレイパネル(たとえば
図12のディスプレイパネル1210)がRGB色チャネルを使用する場合には、ガンマ回路(たとえば
図12のガンマ調節回路1220)は、所与のタップポイントについて3つのハードウェアレジスタを含有し得、3つのレジスタの各々がRGB色チャネルのうちの1つに対応する。
【0045】
表600および610は、DBV帯域1~DBV帯域7の7つのディスプレイ明度値(DBV)帯域を示す。DBVは、ディスプレイパネルの明度設定を制御する。各DBV帯域が明度レベル設定に対応する。たとえば、帯域7は111nit~500nitの輝度の明度設定を制御し、帯域6は51nit~110nitの輝度の明度設定を制御し、帯域5は26nit~50nitの輝度の明度設定を制御する、などである。一般的には、デジタル画像の各画素が、ディスプレイの特定のスポットにおけるデジタル画像の輝度(たとえば明るさまたは暗さ)を表す数値を有し得る。これらの数値は「グレーレベル」と称され得る。グレーレベルの数は、数値を表すために使用されるビット数に依拠し得る。たとえば、数値を表現するために8ビットが使用されると、ディスプレイパネルが256のグレーレベルをもたらし得、0の数値が全黒に対応し、255の数値が全白に対応する。より具体的な例として、コントローラ(たとえば、
図12のコントローラ1260)は、ディスプレイ構成要素に24ビットを含有するデジタル画像ストリームを供給し得、8ビットが、画素群の赤、緑、および青の色チャネルの各々に関するグレーレベルに対応する。
【0046】
輝度レベルの正確な制御を可能にするために、各DBV帯域は、ガンマ補正ポイント(「タップポイント」)と呼ばれる複数のグレーレベルも有し得る。たとえば、表600および610に示されるように、各DBV帯域が、グレーレベルG7、グレーレベルG12、グレーレベルG24、グレーレベルG37などにレジスタタップポイントを有する。タップポイントは、グレーレベルG255~G7にあり得る。各タップポイントに関して、デバイスは、赤、緑、および青(RGB)の画素値を制御するための制御手段またはノブを伴って構成され得る。RGB比率は60Hzと90Hzとの間でバランスされ得る。それぞれのDBV帯域およびグレーレベルが輝度値に対応する。
【0047】
たとえば、表610において、DBV帯域7およびグレーレベルG7では輝度値は0.184nitであり、DBV帯域6およびグレーレベルG7では輝度値は0.04nitに低下する。DBV帯域1およびグレーレベルG7では、輝度値は0.0001nitに低下する。
【0048】
表600および610のセルには、明度設定に基づく2つのタイプがあり、セルの第1のタイプは、高レベルの明度のものであり、網掛けなしで示される。これらのセルの明度設定は、(たとえばデバイス製造業者によって)正確に構成され得る。たとえば、DBV帯域7では、輝度は500nitであり、デバイスに関して、G7のタップポイント以外は、すべてのタップポイントにおいて明度レベルが正確に構成され得る。同様に、DBV帯域6では、輝度は610nitであり、デバイスに関して、G7およびG15のタップポイント以外は、すべてのタップポイントにおいて明度レベルが正確に構成され得る。
【0049】
第2のタイプのセルは、低レベルの明度のものである。これらのセルは網掛けを用いて示されている。たとえば、DBV帯域6では、タップポイントG15は低明度の設定に対応する。別の例として、DBV帯域5では、タップポイントG7、G15およびG23は低明度設定に対応する。これらのDBV帯域およびタップポイントについては、製造業者が明度レベルを正確に構成していない可能性があり、光学的欠陥を低減するために90Hzにおけるそれぞれのガンマ値を調節する必要がある(これは以下でより詳細に説明される)。次いで、調節されたガンマ値が、デバイスに(たとえばルックアップ表として)記憶され得、実行時にデバイスが第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)から第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)に移行するとき輝度設定を変更するために使用され得る。
【0050】
より大きいDBV帯域およびより大きい明度値については、デバイスが明度設定を用いて正確に構成され得、移行は支障なく生じ得る。表610に示されるように、小さいDBV帯域および低いグレーレベルについては明度値が非常に小さい。たとえば明度値が0.055nit未満であるときなどには、工場内の設備では、一般的にはそのような明度レベルを正確に測定することができない。したがって、そのような小さい明度値および小さいDBV帯域については、フリッカなどの光学的欠陥を低減する目的で、リフレッシュレートの間の移行が阻止される可能性がある。
【0051】
本明細書で説明されたように、いくつかの実施形態では、ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度帯域に関して、第1および第2の値を測定するステップと、補償係数を決定するステップと、変更されたガンマ値を決定するステップとが実行され得る。
【0052】
説明に役立つ例として、
図7は、例示の実施形態による、レジスタ値と輝度差分値との間の関係を示すグラフ700である。グラフ700には様々な傾向線が見られる。これら傾向線の各々が、(i)所与の色チャネルおよび(ii)所与のリフレッシュレートに関するレジスタ値と輝度差分値との間の特定の関係を捕捉する。たとえば、円形の点を有する緑の傾向線は、60Hzのリフレッシュレートにおける緑の色チャネルに関するレジスタ値と輝度差分値との間の関係を捕捉する。他方では、方形の点を有する緑の傾向線は、90Hzのリフレッシュレートにおける緑の色チャネルに関するレジスタ値と輝度差分値との間の関係を捕捉する。これらの関係は、コンピューティングデバイス(たとえば
図12のコンピューティングデバイス1200)のディスプレイパネルの製造業者によって構成されたデフォルトの関係でよい。
III.例示の、ガンマ値の変更
異なる周囲明度レベルにおいて60Hzと90Hzとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、90Hzで動作するときのディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥が最小化され得るように、ガンマテーブル610におけるガンマ値を変更するために、入力グレーレベルのための補償係数が適用され得る。
【0053】
図8は、例示の実施形態による、様々なタップポイントに関する、通常モード向けに較正されたガンマ値の表800である。たとえば、種々の周囲明度設定の下で、種々のリフレッシュレートにおいて、様々なタップポイントで所与のモードの画像を取り込むために、測色計などの画像取込みデバイスが使用され得る。通常モードでは、最大明度DBV帯域において9つの(9)タップポイントがある。たとえば、通常モードのタップポイントは、7、12、24、37、54、91、160、216、および244に対応し得る。一般に、タップポイントは、ディスプレイ明度を調節するための調整ポイントとして機能するレジスタである。いくつかの実施形態では、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスについては、第1のリフレッシュレートおよび第1の周囲明度レベルにおける入力グレーレベルに関してディスプレイパネルの光学特性が測定され得る。一般に、第1の列C1 805に示された種々のタップポイントにおいて通常モードの画像が取り込まれ得る。周囲光なしと、強い周囲光との下で、60Hzにおける輝度値に基づき、通常モード向けのターゲット補償比が(たとえば式3によって)決定され得る。
【0054】
たとえば、通常モードについては、所与のタップポイントに関する画像が、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)および第1の周囲明度設定(たとえば光なし)においてデバイスに表示され得、測色計は画像を取り込んで輝度値を測定することができる。次いで、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)および第2の周囲明度設定(たとえば日光)における画像について、ディスプレイパネルの光学特性が測定され得、測色計は画像を取り込んで輝度値を測定ことができる。そのような測定値に基づき、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、また
図8の第2の列C2 810に表示されるように、60Hzにおけるターゲット補償比(たとえば60S/60)が決定され得る。
【0055】
同様に、通常モードについては、所与のタップポイントに関する画像が、第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)および第1の周囲明度設定(たとえば光なし)においてデバイスに表示され得、測色計は画像を取り込んで輝度値を測定することができる。次いで、第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)および第2の周囲明度設定(たとえば日光)における画像について、ディスプレイパネルの光学特性が測定され得、測色計は画像を取り込んで輝度値を測定ことができる。そのような測定値に基づき、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、また
図8の第3の列C3 815に表示されるように、90Hzにおけるデフォルト補償比(たとえば90S/90)が決定され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、変更されたガンマ値を決定することは、所与のディスプレイ明度値および所与の明度モードについて、補償係数に基づき、第2の周囲明度レベルおよび第2のリフレッシュレートにおける光学特性のターゲット値を決定することを含み得る。たとえば、補償係数(たとえば、Target Ratio60S/60と表される、第2の列C2 810の、60Hzにおけるターゲット比の値)と、Default Luminance90と表される、光なしの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値とに基づいて、強い周囲光の下の90Hzにおけるターゲット輝度値が決定され得る。
【0057】
表800の第4の列C4 820は、光なしの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値を列挙するものである。Target Ratio60S/60と表される、60Hzにおけるターゲット比に関する第2の列C2 810の値と、Default Ratio90S/90と表される、90Hzにおけるデフォルトの比に関する第3の列C3 815の値と、Default Luminance90Sと表される、日光の下の、90Hzにおけるデフォルトの輝度値に関する第4の列C4 820の値とに基づいて、Target Luminance90Sと表される、強い周囲光の下の、90Hzにおけるターゲット輝度値が次式で決定され得、第5の列C5 825に示されている。
【0058】
【0059】
そのような、第2の列C2 810に表示されたターゲット比に基づく、第5の列C5 825に表示されたターゲット輝度値の決定は、
図8の矢印2によって示されている。たとえば、行840は、第1の列C1 805に示されたタップポイント7に関する値を示す。第2の列C2 810に示されるように、60Hzにおけるターゲット補償比は、Target Ratio
60S/60=146.4679である。第3の列C3 815に示されるように、90Hzにおけるデフォルトの比は、Default Ratio
90S/90=120.5902である。第4の列C4 820に示されるように、光なしの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値は、Default Luminance
90S=35.55である。したがって、式4を適用して、強い周囲光の下の、90Hzにおけるタップポイント7のターゲット輝度値は、次式で決定され得、
【0060】
【0061】
第5の列C5 825の行840に示されている。
別の例として、行842は、第1の列C1 805に示されたタップポイント54に関する値を示す。第2の列C2 810に示されるように、60Hzにおけるターゲット補償比は、Target Ratio60S/60=3.3123である。第3の列C3 815に示されるように、90Hzにおけるデフォルトの比は、Default Ratio90S/90=3.324362である。第4の列C4 820に示されるように、光なしの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値は、Default Luminance90S=48.17である。したがって、式4を適用して、強い周囲光の下の、90Hzにおけるタップポイント54のターゲット輝度値は、次式で決定され得、
【0062】
【0063】
第5の列C5 825の行842に示されている。
いくつかの実施形態では、この方法は、第2の周囲明度レベルおよび第2のリフレッシュレートにおいて、所与のディスプレイ明度値および所与の明度モードについて、光学特性のターゲット値と光学特性のデフォルト値との比をさらに決定し得る。たとえば、日光下での通常モードに関して、所与のタップポイントについて、タップポイントにおけるターゲット輝度値とデフォルトの輝度値との比が決定され得る。変更されたガンマ値は、式7に記述されているように、デフォルトのガンマ値に、決定された比を掛けることによって決定され得る。
【0064】
たとえば、表800の第6の列C6 830は、Default Register90Sと表される、強い周囲光の下の、90Hzにおける様々なタップポイントに関する例示のデフォルトのレジスタ値も示し、第7の列C7 835は、Calibrated Register90Sと表される、強い周囲光の下の、90Hzにおける様々なタップポイントに関する例示の較正されたレジスタ値を示す。強い周囲光の下の、90Hzにおける較正されたレジスタ値(または変更されたガンマ値)は、次式で決定され得る。
【0065】
【0066】
第5の列C5 825に表示されたターゲット輝度値に基づく、第7の列C7 835に表示された、較正されたレジスタ値(または変更されたガンマ値)のそのような決定が、
図8の矢印3によって示されている。たとえば、行840は、第1の列C1 805に示されたタップポイント7に関する値を示す。第6の列C6 830に示されるように、強い周囲光の下の、90Hzにおけるタップポイント7に関するデフォルトのレジスタ値は、Default Register
90S=54である。第4の列C4 820に示されるように、光なしの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値は、Default Luminance
90=35.55であり、また、強い周囲光の下の、90Hzにおけるタップポイント7でのターゲット輝度値は、式5において決定され、Target Luminance
90S=43.17875であり、第5の列C5 825に示されている。したがって、式7を適用して、強い周囲光の下の、90Hzにおけるタップポイント7における較正されたレジスタ値は、次式で決定され得、
【0067】
【0068】
この値は、端数を切り捨てられて65になり、第7の列C7 835の行840に示されている。
【0069】
別の例として、行842は、第1の列C1 805に示されたタップポイント54に関する値を示す。第6の列C6 830に示されるように、強い周囲光の下の、90Hzにおけるタップポイント54に関するデフォルトのレジスタ値は、Default Register90S=73である。第4の列C4 820に示されるように、光なしの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値は、Default Luminance90=48.17であり、また、強い周囲光の下の、90Hzにおけるタップポイント54でのターゲット輝度値は、式6において決定され、Target Luminance90S=47.99522であり、第5の列C5 825に示されている。したがって、式7を適用して、強い周囲光の下の、90Hzにおけるタップポイント54における較正されたレジスタ値は、次式で決定され得、
【0070】
【0071】
この値は、端数を切り捨てられて72になり、第7の列C7 835の行842に示されている。
【0072】
種々のタップポイントにおける輝度値、リフレッシュレート、周囲光設定、およびモードを決定するために、これらの値に関して画像が分析され得る。たとえば、光学特性の値は画像の断面から測定され得る。場合によって、測色計の較正方法に応じて、明度レベルの測定値は、明度レベルの絶対値ではなく、2つのリフレッシュレートの間の相対的な値でもよい。いくつかの実施形態では、各リフレッシュレートにおいて1つまたは複数の光学特性が測定され得、これらの測定値は、較正されたレジスタ値を決定するために、個々に、または組み合わせて使用され得る。たとえば、較正されたレジスタ値は、輝度値、色、および/またはこれら2つの組合せに基づいて決定され得る。追加の光学特性および/または代替の光学特性が使用され得る。また、たとえば、様々な光学的視距離および/または視角に関して種々の測定値が決定され得、そのような測定値は、適切に正規化され、かつ/または平均され得る。明瞭さのために、本明細書の例は、輝度などの特定の光学特性を参照する。
【0073】
通常モードに関して説明された技術は、高明度モードにも同様に適用され得る。たとえば、HBMに関して、表800と類似の表が構成され得、HBMに関する較正されたレジスタ値を決定するために、HBMに対応する値に式4および式7が適用され得る。また、たとえば、説明は60Hzおよび90Hzに基づくものであるが、任意の対のリフレッシュレートに対して類似の技術が適用され得る。また、たとえば、議論は、低い周囲明度レベル(たとえば光なし)および強い周囲明度レベル(たとえば日光)に基づくものであるが、任意の周囲明度レベルに対して類似の技術が適用され得る。
【0074】
本明細書で説明された技術は、補償係数に基づき、入力グレーレベルに関して、第3のリフレッシュレート(たとえば120Hz)においてデバイスによって使用される第2のデフォルトのガンマ値の変更を決定することにも適用され得る。本明細書で説明されたプロセスと同様に、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)のための補償係数に基づいて、第3のリフレッシュレート(たとえば120Hz)に関する変更された第2のガンマ値が決定され得る。変更された第2のガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)と第3のリフレッシュレート(たとえば120Hz)との間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第3のリフレッシュレート(たとえば120Hz)で動作するとき、ディスプレイパネルの、知覚される光学的欠陥を低減し得る。実行時、デバイスは、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第3のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルのために変更された第2のガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成され得る。また、たとえば、本明細書で説明されたプロセスと同様に、異なる周囲明度レベルにおいて、第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)と第3のリフレッシュレート(たとえば120Hz)との間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第3のリフレッシュレート(たとえば120Hz)で動作するとき、ディスプレイパネルの、知覚される光学的欠陥を低減するために、入力グレーレベルのために、変更されたガンマ値が決定され得る。
本明細書で使用される「入力表示データ」という用語は、一般的には表示のために使用される値を指す。たとえば、光学的値が輝度であるなら、入力表示データは様々なグレーレベルにおける輝度値(または明度設定)であり得る。別の例として、光学特性が色であるなら、入力表示データは、各画素に赤、青および緑に関して割り当てられるそれぞれの値であり得る。それぞれの光学特性が入力表示データに関連付けられ得、そのようなデータは調節され得、かつ/または較正され得る。
【0075】
60Hzと90Hzとの間のリフレッシュレートの変化がユーザにあまり目立たないように、ガンマテーブルのガンマ値を、60Hzと90Hzとの間の輝度差分が、平均すると、周囲明度設定にわたって同一のままになるように変更するのが望ましいものとなり得る。人の目が低輝度設定における変化には非常に敏感であるので、いくつかの実施形態は、たとえばG48以下の低い入力グレーレベルの閾値に関するガンマ値のみを変更することを包含し得る。
【0076】
表800におけるタップポイントのガンマ値を変更するために、いくつかの実装形態は、
図12のガンマ調節回路1220の中の1つまたは複数のレジスタ値を変化させることを包含する。たとえば、
図12に戻って、ガンマ調節回路1220は、表800の各タップポイントについて、ハードウェアレジスタのセットを含み得る。ガンマ調節回路1220は、これらのレジスタの値を使用して、コントローラ1260からディスプレイパネル1210に送られる入力グレーレベル信号を変化させることができる。一般に、所与のタップポイントに関するハードウェアレジスタの数は、ディスプレイパネル1210が使用する色チャネルの数に相当する。たとえば、ディスプレイパネル1210がRGB色チャネルを使用するなら、ガンマ調節回路1220は、所与のタップポイント用に3つのハードウェアレジスタを含有し得、3つのレジスタの各々がRGB色チャネルのうち1つに対応する。
【0077】
図9は、例示の実施形態による、例示の補償係数および輝度差分値を示す表900である。第1の列C1 905は、様々な入力グレーレベルを列挙する。第2の列C2 910は、Default Luminance
60と表され得る低い周囲明度レベル(たとえば周囲光なし)に関する、60Hzにおける通常モードでのデフォルトの輝度値を列挙する。第3の列C2 915は、Default Luminance
60Sと表され得る高い周囲明度レベル(たとえば日光)に関する、60Hzにおける通常モードでのデフォルトの輝度値を列挙する。補償係数は、Default Luminance
60Sとして表される、第3の列C3 915における高い周囲明度に関する値と、Default Luminance
60として表される、第2の列C2 910における低い周囲明度に関する値との比として、式3を利用して決定され得る。そのような補償係数は、第4の列C4 920に列挙されている。補償係数は、
図8の列C3 810に列挙されたターゲット比Target Ratio
60S/60と同一であることに留意されたい。たとえば次式となる。
【0078】
【0079】
たとえば、行955は、第1の列C1 905に示されるような、252の入力グレーレベルに関する値の例を示す。行955の第2の列C2 910は、通常モードでの、464.3のような、低い周囲明度レベルに関する、60Hzにおけるデフォルトの輝度値を表示する。行955の第3の列C3 915は、通常モードでの、439のような、高い周囲明度レベルに関する、60Hzにおけるデフォルトの輝度値を表示する。したがって、補償係数(またはターゲット比Target Ratio60S/60)は、第4の列C4 920の行955に示されるように、439/464.3=0.9455と決定され得る。
【0080】
第5の列C2 925は、Default Luminance
60と表され得る低い周囲明度レベル(たとえば周囲光なし)に関する、90Hzにおける通常モードでのデフォルトの輝度値を列挙する。第6の列C6 930は、Default Luminance
90Sと表され得る高い周囲明度レベル(たとえば日光)に関する、90Hzにおける通常モードでのデフォルトの輝度値を列挙する。異なる周囲明度レベルにおいて60Hzと90Hzとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことによって、90Hzで動作するときのディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減するように、通常モードでの、高い周囲明度レベル(たとえば日光)に関する、90Hzにおける変更された輝度値(または
図8の列C5 830に列挙されるターゲット輝度Target Luminance
90S)が決定され得る。そのような値は第7の列C7 935に表示されている。一般に、第4の列C4 920の補償係数は、日光の下での60Hzにおける輝度値と、光なしの、60Hzにおける輝度値との比、すなわちDefault Luminance
60S/Default Luminance
60としてとして取得される。したがって、光学的欠陥を低減するために、日光の下での90Hzにおける輝度値と光なしの90Hzにおける輝度値との比に類似の補償係数を有するのが望ましい。したがって、第7の列C7 935の値は、第4の列C4 920の決定された補償係数を、第5の列C5 925における、通常モードでの、低い周囲明度レベル(たとえば周囲光なし)に関する90Hzにおけるデフォルトの輝度値に適用することによって決定され得る。たとえば、
【0081】
【0082】
となる。
たとえば、表900の行955を参照して、決定される補償係数は、Target Ratio60S/60=0.9455として与えられる(第4の列C4 920に表示されている)。また、通常モードでの、光なしの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値は、Default Luminance90=461.9として与えられる(第5の列C5 925に表示されている)。したがって、通常モードでの、日光の下の、90Hzにおける変更された輝度値は、2つの値を掛けることによって0.9455×461.9=436.73と決定され得、行955の第7の列C7 935に表示されている。以下のように、式4のターゲット輝度と式11のターゲット輝度とは同一である。
【0083】
【0084】
輝度差分値は、たとえば式1または式2を使用することによって決定され得る。たとえば、周囲光なしの第1の輝度差分ΔL1は、通常モードでの、光なしの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値(Default Luminance90と表され、第5の列C5 925に表示されている)と、通常モードでの、光なしの、60Hzにおけるデフォルトの輝度値(Default Luminance60と表され、第2の列C2 910に表示されている)とに基づいて決定され得る。第1の輝度差分に関するこれらの値は、第8の列C8 940に表示されている。たとえば、行955の値を採用して、第1の輝度差分ΔL1は次式で決定され得、
【0085】
【0086】
第8の列C8 940の行955に示されている。
日光の下の、デフォルトの第2の輝度差分値は、同様に決定され得る。たとえば、デフォルトの第2の輝度差分DefaultΔL2は、通常モードでの、90Hzにおけるデフォルトの輝度値(Default Luminance90Sと表され、第6の列C6 930に表示されている)と、通常モードでの、日光の下の、60Hzにおけるデフォルトの輝度値(Default Luminance60Sと表され、第3の列C3 915に表示されている)とに基づいて決定され得る。デフォルトの第2の輝度差分に関するこれらの値は、第9の列C9 945に表示されている。たとえば、行955の値を採用して、デフォルトの第2の輝度差分ΔL2は次式で決定され得、
【0087】
【0088】
第9の列C9 945の行955に示されている。見られるように、式13からのΔL1の-0.52という値と、DefaultΔL2の、式14の値3.46との比較は、2つの周囲明度設定の間の相違を示す。一般に、ΔL1とΔL2とについて、同一の値を維持するのが望ましい。
【0089】
通常モードでの、日光の下の、90Hzにおける変更された輝度値(Target Luminance90Sと表され、第7の列C7 935に表示されている)と、通常モードでの、日光の下の、60Hzにおけるデフォルトの輝度値(第3の列C3 915に表示されている)とに基づいて、デフォルトの第2の輝度差分値を再計算した直後に、ΔL1およびΔL2に関する同一の値が取得され得、第10の列C10 950に示されている。たとえば、行955の値を採用して、第2の輝度差分ΔL2は次式で決定され得、
【0090】
【0091】
第10の列C10 950の行955に示されている。式15で取得された-0.52の値は、式13で取得された値と同一である。したがって、通常モードで、日光の下で90Hzにおいて輝度調節の後の値は、(第7の列C7 935に表示されているように)ΔL1とΔL2とについて同一の値が取得され得る。たとえば式10および式11を使用して、次式が得られる。
【0092】
【0093】
式16の両辺に100%を掛けると、同一性ΔL
1=ΔL
2が得られる。
図10は、例示の実施形態による、通常モードに関する、較正の前後における輝度値の差分を示すグラフ1000である。グラフ1000の縦軸は、-2~10%の輝度差分値に対応する。横軸は30~255のグレーレベルに対応する。グラフ1002は、
図9の第9の列C9 945に表示されている、通常モードに関するデフォルトの輝度差分値DefaultΔL
2を表示する。グラフ1004は、
図9の第8の列C8 940に表示されている、第1の輝度差分値ΔL
1に対応する。示されるように、また、式10および式11を参照する議論と一致して、グラフ1002と1004とが識別され、それによって、較正以前には輝度差分値が同一ではないことを示す。
【0094】
また、たとえば、グラフ1006は、
図9の第10の列C10 950に表示されている第2の輝度差分値ΔL
2に対応する。示されるように、式10および式12を参照した議論と一致して、グラフ1004と1006とが一致し、それによって、較正後には輝度差分値が同一であることを示す。
【0095】
図11は、例示の実施形態による、HBMに関する、較正の前後における輝度値の差分を示すグラフ1100である。グラフ1100の縦軸は、-2~10%の輝度差分値に対応する。横軸は30~255のグレーレベルに対応する。HBMに関する値や計算は本明細書では説明されないが、グラフ1100は、HBMについても類似の結果が得られることを示す。たとえば、グラフ1102は、HBMに関するデフォルトの輝度差分値DefaultΔL
2を表示する。グラフ1104は、HBMに関する第1の輝度差分値ΔL
1に対応する。示されるように、グラフ1102と1104とが識別され、それによって、較正以前には輝度差分値が同一ではないことを示す。また、たとえば、グラフ1106は、HBMに関する第2の輝度差分値ΔL
2に対応する。示されるように、グラフ1004と1006とが一致し、それによって、HBMに関する輝度差分値が較正後には同一であることを示す。
【0096】
いくつかの実施形態では、変更されたガンマ値はデバイスに記憶されてよく、デバイスは、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレート(または第3のリフレッシュレート)に移行しているとき、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成される。いくつかの実施形態では、入力グレーレベルに関する輝度差分が所定の閾値未満になるまで入力グレーレベルに関するレジスタ値を更新するプロセスが生じる。いくつかの例では、所定の閾値は5%~95%である。たとえば、所定の閾値は5%、10%、または90%でよい。
【0097】
ある種の実施形態では、(i)入力グレーレベルに関する輝度の差分が所定の閾値未満になって、しかも(ii)入力グレーレベルに関する色差の差分が所定の色閾値未満になるまで、入力グレーレベルに関するレジスタ値を更新するプロセスが生じ、色差は、90Hzのu’と60Hzのu’の差の2乗と、90Hzのv’と60Hzのv’の差の2乗との一次結合として測定され、u’およびv’はCIELUV色空間における色座標である。たとえば、色差は、
【0098】
【0099】
として測定され得る。
場合によって、所定の色閾値は0.4%であり、すなわち、Δ(u’,v’)を0.004未満に保つのが望ましいものとなり得る。場合によって、小さな輝度差分でも色差は大きく、光学的欠陥が知覚可能なままである。したがって、いくつかの実施形態では、より優れた結果を実現するために、輝度と色の両方を調節しなければならないことがある。光学特性の測定中に、輝度変化と色変化の両方が記録され、かつ/または監視され得る。色差は輝度差分の測定と類似のやり方で測定され得る。
IV.例示のデバイス
図12は、例示の実施形態によるコンピューティングデバイス1200を示す。コンピューティングデバイス1200は、ディスプレイパネル1210、ガンマ調節回路1220、1つまたは複数の周囲光センサ1230、1つまたは複数の他のセンサ1240、ネットワークインターフェース1250、およびコントローラ1260を含む。いくつかの例では、コンピューティングデバイス1200は、デスクトップデバイス、サーバデバイス、またはモバイルデバイスという形を採用し得る。コンピューティングデバイス1200は環境と相互作用するように構成されてよい。たとえば、コンピューティングデバイス1200は、コンピューティングデバイス1200のまわりの環境に関連する環境状態の測定値(たとえば温度測定値、周囲光測定値など)を得てよい。
【0100】
ディスプレイパネル1210は、1つまたは複数の画面(タッチ画面を含む)、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、デジタル光処理(DLP)技術および/または他の類似の技術を使用するディスプレイとして、ユーザに出力信号を供給するように構成され得る。ディスプレイパネル1210は、スピーカ、スピーカジャック、音声出力ポート、音声出力デバイス、イヤホン、および/または他の類似のデバイスなどを用いて聴覚的出力を生成するようにも構成され得る。ディスプレイパネル1210は、コンピューティングデバイス1200とのタッチおよび/または物理接触によって検知可能な振動および/または他の出力などの触覚出力を生成することができる1つまたは複数の触覚部品を用いてさらに構成され得る。
【0101】
例示の実施形態では、ディスプレイパネル1210は、所与のリフレッシュレートで出力信号を供給するように構成される。リフレッシュレートは、ディスプレイパネル1210が新しい内容に更新する1秒当たりの回数に相当し得る。たとえば、60Hzのリフレッシュレートは、ディスプレイパネル1210が1秒につき60回更新することを意味し得る。例示の実施形態では、ディスプレイパネル1210は、とりわけ60Hz、90Hz、または120Hzのリフレッシュレートで動作し得る。
【0102】
ある種の実施形態では、ディスプレイパネル1210は、画像を生成するための複数の色チャネルを利用するカラーディスプレイでよい。たとえば、ディスプレイパネル1210は、とりわけ、赤、緑、および青(RGB)の色チャネル、または、青緑色、赤紫色、黄色、および黒色(CMYK)の色チャネルを利用し得る。本明細書で説明されるように、ガンマ調節回路1220は、ディスプレイパネル1210が第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節し得る。本明細書でさらに説明されるように、ガンマ調節回路1220は、
図5、
図8、および
図9を参照しながら説明されたように、ディスプレイパネル1210の色チャネルの各々についてガンマ特性を調節し得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、ディスプレイパネル1210は、複数の行および列を定義する画素配列に配設された複数の画素を含み得る。たとえば、ディスプレイパネル1210が1024×600の解像度を有するなら、配列の各列が600の画素を含み得、配列の各行は、各グループが赤色画素、青色画素、および緑色画素を含む1024の画素グループを含み得るので、1行につき合計3072の画素になる。例示の実施形態では、特定の画素の色は、画素の上に配設される色フィルタに依拠し得る。
【0104】
例示の実施形態では、ディスプレイパネル1210は、コントローラ1260から画像データを受け取り、対応して、画像データを表示するためにディスプレイパネル1010の画素配列に信号を送ってよい。コントローラ1260は、ディスプレイパネル1210に画像データを送るために、最初に、デジタル画像を、ディスプレイパネル1210が解釈可能な数値データに変換してよい。たとえば、デジタル画像は、ディスプレイパネル1210のそれぞれの画素に対応する様々な画像画素を含有し得る。デジタル画像の各画素が、特定のスポットにおけるデジタル画像の輝度(たとえば明るさまたは暗さ)を表す数値を有し得る。これらの数値は「グレーレベル」と称され得る。グレーレベルの数は、数値を表すために使用されるビット数に依拠し得る。たとえば、数値を表現するために8ビットが使用されると、ディスプレイパネル1210が256のグレーレベルをもたらし得、0の数値が全黒に対応し、255の数値が全白に対応する。より具体的な例として、コントローラ1260は、ディスプレイパネル1210に24ビットを含有するデジタル画像ストリームを供給し得、8ビットが、画素群の赤、緑、および青の色チャネルの各々に関するグレーレベルに対応する。
【0105】
場合によっては、ディスプレイパネル1210が表示する画像の輝度特性は、ユーザによって知覚されるとき不正確に表される可能性がある。そのような不正確さは、人の目の非線形応答から生じ得、ユーザの視点からするとディスプレイパネル1210における色/輝度の不正確な描写の原因となり得る。そのような不正確さを補償するために、コンピューティングデバイス1200はガンマ調節回路1220を使用することができる。
【0106】
ガンマ調節回路1220は、ディスプレイパネル1210に画像を表示するときに生じる不正確さを補償することができる回路を含み得る。こうするために、ガンマ調節回路1220は、1つまたは複数のガンマカーブ/ガンマ表を記憶するためのメモリ1264を含み得る。それぞれのカーブ/表の値は、入力グレーレベルの範囲にわたるディスプレイパネル1210の伝達感度に基づいて決定され得る。
【0107】
図13Aは、例示の実施形態による、様々なディスプレイ明度値(DBV)帯域に関する60Hzのガンマカーブを示すグラフ1300である。説明に役立つ例として、
図13Aは、様々なガンマカーブを含むグラフ1300を表す。各ガンマカーブが、ディスプレイ輝度値(DBV)帯域に対応し得る。ユーザ入力に基づき、特定のDBV帯域(したがって特定のガンマカーブ)が使用され得る。たとえば、ユーザは、恐らく明度調整バーと相互作用することにより、ディスプレイパネル1210に関する最大明度を選択し得る。ディスプレイパネル1210は、その最大明度に基づいて、画像を表示するときに生じる不正確さを補償するように、対応するDBV帯域(したがって対応するガンマカーブ)を選択し得る。
【0108】
グラフ1300に示されるように、各ガンマカーブは、入力グレーレベル(x軸)とディスプレイパネル1210に表示される可視画像の輝度(y軸)との間の関係を含む。これらの関係は非線形である。たとえば、帯域7では、1300の入力グレーレベルは300nitの輝度値に対応する。ガンマカーブを使用して入力グレーレベルを調節することにより、ディスプレイパネル1210に表示される画像は、結果的に、入力グレーレベルに対する関係が非線形な輝度を示す可能性がある。しかしなお、表示された画像をユーザが見たとき、人の目の応答により、輝度と入力グレーレベルとの間の線形の関係を有するものとして知覚され得る。したがって、ガンマカーブを使用することにより、ディスプレイパネル1210は、ユーザによって、入力グレーレベルと輝度とに関して全体的に線形の関係を有するように知覚され得る画像を生成することができる。
【0109】
ディスプレイパネル1210は、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)と第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)のどちらで動作するかということに応じて、別々のガンマカーブを使用することができる。
図13Bは、例示の実施形態による、DBV帯域6に関する90Hzのガンマカーブを示すグラフ1310である。たとえば、ディスプレイパネル1210は、60Hzで動作するときには、グラフ1300に示されるガンマカーブを利用し得る。他方では、ディスプレイパネル1210は、90Hzで動作するときには、
図13Bのグラフ1310に示されるガンマカーブを利用し得る。明瞭さのために、グラフ1310には、DBV帯域6に関するガンマカーブしか含まれていない。しかしながら、グラフ1310には他のDBV帯域に関する他のガンマカーブも含有され得ることに留意されたい。
【0110】
60Hzのガンマカーブは90Hzのガンマカーブとは異なり得る。たとえば、グラフ1300のDBV帯域6に関するガンマカーブは、グラフ1310のDBV帯域6に関するガンマカーブとは異なる。より具体的には、グラフ1310におけるDBV帯域6に関するガンマカーブは、平均すると、グラフ1300におけるDBV帯域6に関するガンマカーブよりも、入力グレーレベルに関して大きい輝度値を有する。上記の議論に沿って、ディスプレイパネル1210が60Hzから90Hzに移行するとき(90Hzから60Hzに移行するときにも)、この差によって、ディスプレイパネル1210に視覚的フリッカが現れる可能性がある。結果的に、ディスプレイパネル1210のリフレッシュレートが60Hzと90Hzの間で頻繁に切り換わると、視覚的フリッカが目立つようになってユーザの体験を損なう恐れがある。さらに、低輝度設定において人の目が非常に敏感であるので、ディスプレイパネル1210の輝度が低いとき、視覚的フリッカが特に目立つ。
【0111】
図12に戻って、周囲光センサ1230は、コンピューティングデバイス1200の(たとえば1m以内、5m以内、または10m以内の)環境から光を受け取るように構成され得る。周囲光センサ1230は、1つまたは複数の単光子アバランシェ検知器(SPAD)、アバランシェフォトダイオード(APD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検知器、および/または電荷結合素子(CCD)を含み得る。たとえば、周囲光センサ1230は、約1550nmの波長の光を検知するように構成されたインジウム砒化ガリウム(InGaAs)APDを含み得る。本明細書では、他のタイプの周囲光センサ1230が可能であり、企図される。
【0112】
いくつかの実施形態では、周囲光センサ1230は、1次元配列または2次元配列に配設された複数の光検知素子を含み得る。たとえば、周囲光センサ1230は、単一の列(たとえば線形配列)に配置された16の検知器素子を含み得る。検知器素子は、主軸に沿って、または少なくとも主軸に対して平行に、配置され得る。本明細書で説明されたように、周囲光センサ1230は、たとえば低い周囲光(たとえば光なし)、強い周囲光(たとえば日光)などの周囲光レベルを検知し得る。
【0113】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス1200は1つまたは複数の他のセンサ1240を含み得る。他のセンサ1240が、コンピューティングデバイス1200の内部の状態および/または(たとえば1m以内、5m以内、または10m以内の)環境の状態を測定して、これらの状態に関するデータを供給するように構成され得る。たとえば、他のセンサ1240は、(i)コンピューティングデバイス1200に関するデータを得るための、コンピューティングデバイス1200の温度を測定するための温度計、コンピューティングデバイス1200の1つまたは複数のバッテリの電力を測定するためのバッテリセンサ、および/またはコンピューティングデバイス1200の状態を測定するための他のセンサなどの、これらに限定されないセンサと、(ii)他の対象物および/またはデバイスを識別するための、無線周波数識別(RFID)リーダ、近接センサ、1次元バーコードリーダ、2次元バーコード(たとえばクイックレスポンス(QR)コード)リーダ、および/またはレーザトラッカなどの、これらに限定されない識別センサであって、RFIDタグ、バーコード、QRコード(登録商標)、ならびに/あるいは他のデバイスおよび/または対象物などの読み取られるように構成された識別子を読み出して、少なくとも識別情報を供給するように構成され得る識別センサと、(iii)コンピューティングデバイス1200の位置および/または動きを測定するための、傾斜センサ、ジャイロスコープ、加速度計、ドップラセンサ、全地球測位システム(GPS)デバイス、ソナーセンサ、レーダー装置、レーザ変位センサ、および/またはコンパスなどの、これらに限定されないセンサと、(iv)コンピューティングデバイス1200の環境を示すデータを得るための、赤外線センサ、光センサ、バイオセンサ、容量性センサ、タッチセンサ、温度センサ、ワイヤレスセンサ、無線センサ、動きセンサ、近接センサ、レーダー受信機、マイクロフォン、音センサ、超音波センサおよび/または煙感知器などの、これらに限定されない環境センサと、(v)コンピューティングデバイス1200のまわりに作用する1つまたは複数の力(たとえば慣性力および/またはGの力)を測定するための、1つまたは複数の次元の力を測定する1つまたは複数のセンサ、トルク、重力、摩擦、ならびに/あるいはZMPおよび/またはZMPの位置を識別するゼロモーメントポイント(ZMP)センサなどの、これらに限定されない力センサとのうち、1つまたは複数を含み得る。他のセンサ1240の他の多くの例が同様に可能である。
【0114】
周囲光センサ1230および他のセンサ1240から収集されたデータは、データを使用して1つまたは複数のアクションを実行するコントローラ1260に通信され得る。
【0115】
ネットワークインターフェース1250は、ネットワークを通じて通信するように設定可能な1つまたは複数のワイヤレスインターフェースおよび/または有線インターフェースを含み得る。無線インターフェースは、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、Zigbee(登録商標)トランシーバ、Wi-Fi(登録商標)トランシーバ、WiMAX(登録商標)トランシーバ、および/またはワイヤレスネットワークを通じて通信するように設定可能な他の類似のタイプのワイヤレストランシーバなどの1つまたは複数のワイヤレス送信器、受信器、および/またはトランシーバを含み得る。有線インターフェースは、ツイストペア線、同軸ケーブル、光ファイバリンク、または有線ネットワークに対する類似の物理的接続を通じて通信するように構成可能な、イーサネット(登録商標)トランシーバ、ユニバーサルシリアルバス(USB)トランシーバ、あるいは類似のトランシーバなどの1つまたは複数の有線の送信器、受信器、および/またはトランシーバを含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェース1250は、確実、安全、かつ/または認証された通信を提供するように構成され得る。本明細書で説明されたそれぞれの通信について、確実な通信(たとえば保証されたメッセージ配信)を容易にするために、恐らくメッセージのヘッダおよび/またはフッタの一部として情報(たとえばパケット/メッセージのシーケンシング情報、カプセル化のヘッダおよび/またはフッタ、サイズ/時間の情報、ならびに巡回冗長検査(CRC)および/またはパリティチェック値などの伝送検証情報)が提供され得る。通信は、それだけではないが、データ暗号化規格(DES)、先進暗号化規格(AES)、Rivest-Shamir-Adelman(RSA)アルゴリズム、Diffie-Hellmanアルゴリズム、Secure Sockets Layer(SSL)、Transport Layer Security(TLS)、および/またはDigital Signature Algorithm(DSA)などの安全なソケットプロトコルなど、1つまたは複数の暗号のプロトコルおよび/またはアルゴリズムを使用して、安全にされ(たとえば符号化または暗号化され)かつ/または解読/復号され得る。通信を安全にするために(次いで解読/復号するために)、他の暗号のプロトコルおよび/またはアルゴリズムが、本明細書で列挙されたものと同様に、またはさらに、使用され得る。
【0117】
コントローラ1260は、1つまたは複数のプロセッサ1262およびメモリ1264を含み得る。プロセッサ1262は、1つまたは複数の汎用プロセッサおよび/または1つまたは複数の専用プロセッサ(たとえば表示ドライバ集積回路(DDIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、テンソル処理ユニット(TPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)を含み得る。プロセッサ1262は、メモリ1264に含有されたコンピュータ可読命令および/または本明細書で説明されたような他の命令を実行するように構成され得る。
【0118】
メモリ1264は、プロセッサ1262による読出しおよび/またはアクセスが可能な1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、全体または一部がプロセッサ1262のうち少なくとも1つと統合され得る、光学式メモリ、磁気メモリ、有機メモリまたは他のメモリもしくはディスクストレージなどの、揮発性および/または不揮発性の記憶構成要素を含み得る。いくつかの例では、メモリ1264は、単一の物理的装置(たとえば、1つの、光学的メモリ、磁気的メモリ、有機メモリ、または他のメモリもしくはディスクストレージユニット)を使用して実施され得る。一方、他の例では、メモリ1264は2つ以上の物理的装置を使用して実施され得る。
【0119】
例示の実施形態では、プロセッサ1262は、メモリ1264に記憶された命令を実行して動作を実行するように構成される。
【0120】
これらの動作は、ディスプレイパネル1210が第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップを含み得、ディスプレイパネル1210は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成され得る。
【0121】
これらの動作は、コンピューティングデバイス1200のストレージ(たとえばメモリ1264)から、第2のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を取り出すステップをさらに含み得る。変更されたガンマ値は、入力グレーレベルに関する、第1のリフレッシュレートにおけるディスプレイパネル1210の光学特性の測定された第1および第2の値と、入力グレーレベルに関する、第1のリフレッシュレートにおける決定された補償係数とに基づいて決定されたものでよい。これは、コンピューティングデバイス1200とは別の、光学特性を測定するように構成された画像取込みデバイス(たとえば分光測光器または測色計)による測定を包含し得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光学特性が測定され得る。
【0122】
これらの動作は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するステップも含み得る。
【0123】
これらの動作は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネル1210を第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップも含み得る。たとえば、コントローラ1260は、ディスプレイパネル1210のリフレッシュレートを、60Hzから90Hzに、または90Hzから60Hzに、移行し得る。本明細書で説明されたように、変更されたガンマ値は、(たとえば、周囲光なしと、日光の下、といった)異なる周囲明度レベルにおける第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき知覚されるディスプレイパネル1210の光学的欠陥を低減する。
【0124】
これらの動作は、ディスプレイパネル1210が第1のリフレッシュレートで動作している間にレート変更のトリガイベントを識別するステップをさらに含み得る。ディスプレイパネル1210の第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートへの移行は、レート変更のトリガイベントの識別に応答して実行され得る。いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、デバイス上で動作中の処理(たとえば、種々の用途向けの明度設定、時間帯の指定など)によって開始され得る。いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、ユーザとディスプレイパネル1210との相互作用(たとえばコンピューティングデバイス1200がユーザの指紋認証を試行する指紋検知イベント)を含み得る。いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、コンピューティングデバイス1200のまわりの環境に関連する、(たとえば周囲光センサ1230および/または他のセンサ1240による)環境状態測定に基づき得る。
【0125】
これらの動作は、ディスプレイパネル1210が第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行した後に、レート変更のトリガイベントの終了を検知するステップをさらに含み得る。次いで、これらの動作は、レート変更のトリガイベントの終了を検知することに応答して、ディスプレイパネル1210を第2のリフレッシュレートから第1のリフレッシュレートに移行するステップを含み得る。
V.例示の方法
図14は、例示の実施形態による方法1400を示す。方法1400は様々なブロックまたはステップを含み得る。ブロックまたはステップは、個々に実行されてよく、組み合わせて実行されてもよい。ブロックまたはステップは、任意の順序で、ならびに/あるいは順次に、または並行して実行されてよい。さらに、方法1400は、ブロックまたはステップが省略されてよく、追加されてもよい。
【0126】
方法1400のブロックのうちいくつかまたはすべてが、コンピューティングデバイス1200の様々な要素によって実行され得る。代わりに、またはそれに加えて、方法1400のブロックのうちいくつかまたはすべてが、コンピューティングデバイス1200に通信可能に結合されたコンピューティングデバイスよって実行され得る。その上、方法1400のいくつかの実装形態は、
図1~
図13に関連して示されて説明されたグラフおよび/または表に表された関係を利用し得る。
【0127】
ブロック1410は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値を測定するステップを含み、第1および第2の値は、それぞれの第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定される。
【0128】
ブロック1420は、第1および第2の値に基づいて、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための補償係数を決定するステップをさらに含む。
【0129】
ブロック1430は、補償係数に基づき、入力グレーレベルに関して、デバイスが第2のリフレッシュレートにおいて使用する変更されたガンマ値を決定するステップを含み、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。
【0130】
ブロック1440は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値をデバイスに記憶するステップであって、デバイスが、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するように構成される、記憶するステップを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度モードに関して、第1および第2の値を測定するステップと、補償係数を決定するステップと、変更されたガンマ値を決定するステップとが実行される。
【0132】
いくつかの実施形態では、ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度帯域に関して、第1および第2の値を測定するステップと、補償係数を決定するステップと、変更されたガンマ値を決定するステップとが実行される。
【0133】
いくつかの実施形態では、ディスプレイパネルは複数の色チャネルを有する。デフォルトのガンマ値は、複数の色チャネルについてそれぞれのレジスタ値を含み、変更されたガンマ値を決定するステップは、デフォルトのガンマ値のレジスタ値のうち少なくとも1つを変更するステップを含む。いくつかの実施形態では、複数の色チャネルは、赤、緑および青(RGB)の色チャネルを含み得る。
【0134】
いくつかの実施形態は、所与のディスプレイ明度値および所与の明度モードについて、補償係数に基づき、第2の周囲明度レベルおよび第2のリフレッシュレートにおける光学特性のターゲット値を決定するステップを包含する。そのような実施形態は、第2の周囲明度レベルおよび第2のリフレッシュレートにおける、所与のディスプレイ明度値および所与の明度モードについて、光学特性のターゲット値と光学特性のデフォルト値との比を決定するステップも包含し得る。そのような実施形態は、デフォルトのガンマ値に、決定された比を掛けるステップをさらに包含し得る。
【0135】
いくつかの実施形態は、第1の周囲明度レベルおよび第2のリフレッシュレートにおける、入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性の第3の値を、デバイスから測定するステップを包含する。そのような実施形態では、変更されたガンマ値を決定するステップは、補償係数に第3の値を掛けて、第2の周囲明度レベルおよび第2のリフレッシュレートにおける、入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性のターゲット値を決定するステップを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、補償係数は第2の値と第1の値との比である。
いくつかの実施形態では、測定するステップは、光学特性を測定するように構成された画像取込みデバイスによって実行される。
【0137】
いくつかの実施形態では、第1のリフレッシュレートは60Hzであり、第2のリフレッシュレートは90Hzである。
【0138】
いくつかの実施形態では、光学特性は、ディスプレイパネルの輝度または色のうち1つである。
【0139】
いくつかの実施形態では、記憶するステップは、デバイスのブートイメージに、複数の入力グレーレベルについて、複数のそれぞれの変更されたガンマ値を記憶するステップを含む。
【0140】
いくつかの実施形態は、補償係数に基づき、入力グレーレベルに関して、第3のリフレッシュレートにおいてデバイスが使用する第2のデフォルトのガンマ値の変更を決定するステップを包含する。そのような実施形態では、デバイスが、変更された第2のガンマ値を使用して、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第3のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第3のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。そのような実施形態は、入力グレーレベルのための変更された第2のガンマ値をデバイスに記憶するステップであって、デバイスが、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第3のリフレッシュレートに移行しているとき、第2の入力グレーレベルのための変更された第2のガンマ値を使用して第2の入力表示データを調節するように構成される、記憶するステップも包含し得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、知覚される光学的欠陥は、薄膜トランジスタ(TFT)のリーク電流によってもたらされる。
【0142】
図15は、例示の実施形態による方法1500を示す。方法1500は様々なブロックまたはステップを含み得る。ブロックまたはステップは、個々に実行されてよく、組み合わせて実行されてもよい。ブロックまたはステップは、任意の順序で、ならびに/あるいは順次に、または並行して実行されてよい。さらに、方法1500は、ブロックまたはステップが省略されてよく、追加されてもよい。
【0143】
方法1500のブロックのうちいくつかまたはすべてが、コンピューティングデバイス1200の様々な要素によって実行され得る。代わりに、またはそれに加えて、方法1500のブロックのうちいくつかまたはすべてが、コンピューティングデバイス1200に通信可能に結合されたコンピューティングデバイスよって実行され得る。その上、方法1500のいくつかの実装形態は、
図1~
図13に関連して示されて説明されたグラフおよび/または表に表された関係を利用し得る。
【0144】
ブロック1510は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップを含み、ディスプレイパネルは、複数のリフレッシュレートで動作するように構成される。
【0145】
ブロック1520は、デバイスのストレージから、第2のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を取り出すステップを含み、変更されたガンマ値は、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関して、それぞれ第1および第2の周囲明度レベルにおいて測定された、ディスプレイパネルの光学特性の第1および第2の値と、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルのために決定された補償係数とに基づいて決定されたものである。
【0146】
ブロック1530は、入力グレーレベルのための変更されたガンマ値を使用して入力表示データを調節するステップを含む。
【0147】
ブロック1540は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップを含み、変更されたガンマ値は、異なる周囲明度レベルにおいて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性の値における差分を不変に保つことにより、第2のリフレッシュレートで動作するとき、ディスプレイパネルの知覚される光学的欠陥を低減する。
【0148】
いくつかの実施形態は、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間にレート変更のトリガイベントを識別するステップを包含する。ディスプレイパネルの第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートへの移行は、レート変更のトリガイベントの識別に応答して実行され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、デバイスにおいて動作中の処理によって開始され得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、ユーザとディスプレイパネルとの相互作用を含み得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、デバイスのまわりの環境に関連する環境状態の測定に基づき得る。
【0152】
いくつかの実施形態は、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行した後に、レート変更のトリガイベントの終了を検知するステップを包含する。そのような実施形態は、レート変更のトリガイベントの終了を検知することに応答して、ディスプレイパネルを第2のリフレッシュレートから第1のリフレッシュレートに移行するステップを包含し得る。
【0153】
図に示された特定の機構は、限定と見られるべきではない。他の実施形態は、所与の図に示された各要素よりも多くの要素またはより少ない要素を含み得ることを理解されたい。さらに、示された要素のうちいくつかは、組み合わされてよく、省略されてもよい。またさらに、例示の実施形態は、図に示されていない要素を含み得る。
【0154】
情報の処理を表現するステップまたはブロックは、本明細書で説明された方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成され得る回路に対応することができる。代わりに、またはそれに加えて、情報の処理を表現するステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連するデータを含む)の一部に対応することができる。プログラムコードは、方法または技術における特定の論理機能またはアクションを実施するためにプロセッサによって実行可能な1つまたは複数の命令を含み得る。プログラムコードおよび/または関連するデータは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含むストレージデバイスなどの任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶され得る。
【0155】
コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短期間にわたってデータを記憶するコンピュータ可読媒体などの一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体は、より長い期間にわたってプログラムコードおよび/またはデータを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。したがって、コンピュータ可読媒体は、たとえば読出し専用メモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスクを使った読出し専用メモリ(CD-ROM)のような、2次または持続性の長期間ストレージを含み得る。コンピュータ可読媒体は、他の揮発性または不揮発性のストレージシステムでもあり得る。コンピュータ可読媒体は、たとえば有体のストレージデバイスといったコンピュータ可読記憶媒体と見なされ得る。
【0156】
様々な例や実施形態を開示してきたが、当業者には他の例および実施形態が明らかであろう。様々な開示された例および実施形態は、解説を目的とするものであって、限定する意図はなく、真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示される。