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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】携帯型呼吸システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20241128BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A61M16/00 345
F04D25/08 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2024085963
(22)【出願日】2024-05-28
【審査請求日】2024-05-28
(31)【優先権主張番号】113114042
(32)【優先日】2024-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514179425
【氏名又は名称】▲や▼博股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】APEX MEDICAL CORP.
【住所又は居所原語表記】No.9,Min Sheng St.,Tu-Cheng,New Taipei City,23679,Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】林君彦
(72)【発明者】
【氏名】陳冠志
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-100646(JP,A)
【文献】特表2009-513192(JP,A)
【文献】特開2015-188764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
F04D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、上部チャンバと下部チャンバを仕切る中仕切り材と、
前記上部チャンバに配置された流量センサと、
前記下部チャンバに配置された弾性部材と、
前記弾性部材及び前記ハウジングを介して前記下部チャンバに固定され、吸気流路、横方向流路、輸送流路及び空気吹出流路を画定し、前記横方向流路は前記吸気流路と前記輸送流路との間に連絡されるハードウェアと、
前記弾性部材内に配置され、前記輸送流路からの空気流を受け取って正圧の空気流を生成し、空気流を前記空気吹出流路に送るための送風機と、
前記横方向流路内に配置され、横方向流路に沿って延びる複数の管体を含む流量制限部と
を含む携帯型呼吸システムであって、
前記ハードウェアは前記流量制限部の上流側に位置する第1検知管と、前記流量制限部の下流側に位置する第2検知管とをさらに含み、前記第1検知管及び前記第2検知管は前記流量センサにそれぞれ接続される、携帯型呼吸システム。
【請求項2】
前記第1検知管及び前記第2検知管は、下部オリフィスをそれぞれ有し、前記2つの下部オリフィスは前記複数の管体のうち最も高いものの上縁より高い、請求項1に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項3】
前記流量制限部は、前記ハードウェアの前記空気吹出流路の下方に配置され、前記第1検知管の下部オリフィスと前記複数の管体の頂部との間に第1緩衝空間を画定し、前記第2検知管の下部オリフィスと前記複数の管体の頂部との間に第2緩衝空間を画定し、前記第1緩衝空間及び前記第2緩衝空間内の空気流の流速は各前記管体の管口部の空気流の流速より遅い、請求項2に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項4】
前記第1緩衝空間と前記第2緩衝空間は、前記空気吹出流路の中心軸に対して非対称に配置される、請求項3に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項5】
各前記管体は、前記空気吹出流路の中心軸の直下から前記吸気流路から離れる方向に第1の長さを延び、前記吸気流路に近づく方向に第2の長さを延び、前記第1の長さは、前記第2の長さより長い、請求項3に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項6】
前記2つの下部オリフィスと前記複数の管体のうち最も高いものの上縁との間の垂直距離は第1の距離であり、前記第1の距離は前記管体の内径の半分より大きい又は等しい、請求項4に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項7】
前記第1検知管及び前記第2検知管は、前記横方向流路内に下方に突出する、請求項3に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項8】
前記流量制限部は、前記複数の管体の外側を覆って前記複数の管体を固定する気密部材を含み、前記気密部材と前記空気吹出流路の外壁との間に気密を形成する、請求項3に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項9】
前記流量制限部は、前記横方向流路に取り外し可能に配置される、請求項3に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項10】
前記弾性部材は、上部導風カバーと、下部振動低減カバーとを含み、前記上部導風カバーと前記送風機とが入力流路を画成し、前記入力流路は空気流を前記送風機に導くため、前記輸送流路に接続され、前記上部導風カバーは下方に突出する複数の導流突起を備える、請求項3に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項11】
前記上部導風カバーは、前記送風機の排熱管から熱エネルギーを放散のための排気孔を備える、請求項10に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項12】
前記ハードウェアは、前記吸気流路に突出の複数のガイドプレート及びスペーサを有し、前記複数のガイドプレートにより前記吸気流路の前部位を複数の吸気通路に仕切らせ、前記スペーサは前記吸気流路の中間部位に設けられ、前記スペーサの底縁は前記複数のガイドプレートの底縁よりも前記ハウジングの底部に近い、請求項3に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項13】
前記下部振動低減カバーは、上方に突出する位置決め壁と、遮水壁とを備え、前記位置決め壁は前記送風機の少なくとも一部を覆い、かつ前記位置決め壁は前記送風機の電気部を収容するため、切欠き部を備え、前記遮水壁は前記切欠き部の外周に配置される、請求項10に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項14】
前記上部チャンバ内に配置された回路基板と、
前記回路基板に配置された発光素子と、
前記回路基板に配置されたボタン要素と、
前記発光素子に覆設され、貫通孔を含む遮光カバーと、
前記貫通孔内に設けられ、光を導くための導光体と
をさらに含む、請求項3に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項15】
前記貫通孔は、第1部分と、第2部分とを備え、前記第1部分は前記導光体を収容するためのものであり、前記第2部分は各発光素子を覆設するためのものであり、前記第2部分の内径は前記第1部分の内径より大きい、請求項14に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項16】
前記遮光カバーは、突起手段をさらに含み、前記突起手段の下方は前記回路基板上の前記ボタン要素に対応し、前記ハウジングの外面に押圧部材が配置され、前記突起手段の頂面に対応する前記押圧部材の底面構造に適合するための凹溝を有する、請求項14に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項17】
前記凹溝は、十字位置決め溝であり、前記底面構造は前記十字位置決め溝に適合する十字位置決め突条である、請求項16に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項18】
前記押圧部材の底面には、前記押圧部材を押し下げるときの安定性を高めるため、前記底面構造の周囲に配置された支持壁が設けられる、請求項16に記載の携帯型呼吸システム。
【請求項19】
前記押圧部材の底面にはストッパーが設けられ、前記遮光カバーには前記ストッパーを収容するための凹部が設けられる、請求項18に記載の携帯型呼吸システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型呼吸システムに関し、特に、流量センサを備えた携帯型呼吸システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型呼吸システムは、患者のニーズに応じた対応する設定の下で患者に必要な空気流を供給することができることで、効果的な治療を提供することができる。設定された流量に基づき携帯型呼吸システムは、快適性を向上させるため、空気流の強さや圧力を調整するなど、対応する制御と調整を実行する。一部の患者にとって、圧力が高すぎると不快感を起こす可能性があり、一方、圧力が低すぎるとスムーズな呼吸を効果的に維持できないことで、有効な治療が提供できない場合や呼吸停止事象の発生を防ぐことさえできない場合があった。
【0003】
したがって、携帯型呼吸システムが空気流を正確に制御できるかどうかは、治療効果及び装着の快適さに関係し、さらに、システムのエネルギー利用効率にも影響していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの目的は、小型かつ軽量化の携帯型呼吸システムの治療効果及び快適性を向上することである。
【0005】
本発明の他の目的は、携帯型呼吸システムに流量検出機能を備えさせることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的及び他の目的を達成するため、本発明は、ハウジングと、中仕切り材と、流量センサと、弾性部材と、ハードウェアと、送風機と、流量制限部とを含む携帯型呼吸システムを提案する。前記中仕切り材は、前記ハウジング内に配置され、上部チャンバと下部チャンバを仕切り、前記流量センサは、前記上部チャンバに配置され、前記弾性部材は、前記下部チャンバに配置され、前記ハードウェアは、前記弾性部材及び前記ハウジングを介して前記下部チャンバに固定され、吸気流路、横方向流路、輸送流路及び空気吹出流路を画定し、前記横方向流路は前記吸気流路と前記輸送流路との間に連絡され、前記送風機は、前記弾性部材内に配置され、前記輸送流路からの空気流を受け取って正圧の空気流を生成し、空気流を前記空気吹出流路に送るために用いられ、前記流量制限部は、前記横方向流路内に配置され、横方向流路に沿って延びる複数の管体を含み、前記ハードウェアは前記流量制限部の上流側に位置する第1検知管と、前記流量制限部の下流側に位置する第2検知管とをさらに含み、前記第1検知管及び前記第2検知管は前記流量センサにそれぞれ接続される。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1検知管及び前記第2検知管は、下部オリフィスをそれぞれ有し、前記2つの下部オリフィスは前記複数の管体のうち最も高いものの上縁より高い。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記流量制限部は、前記ハードウェアの前記空気吹出流路の下方に配置され、前記第1検知管の下部オリフィスと前記複数の管体の頂部との間に第1緩衝空間を画定し、前記第2検知管の下部オリフィスと前記複数の管体の頂部との間に第2緩衝空間を画定し、前記第1緩衝空間及び前記第2緩衝空間内の空気流の流速は各前記管体の管口部の空気流の流速より遅い。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1緩衝空間と前記第2緩衝空間は、前記空気吹出流路の中心軸に対して非対称に配置される。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、各前記管体は、前記空気吹出流路の中心軸の直下から前記吸気流路から離れる方向に第1の長さを延び、前記吸気流路に近づく方向に第2の長さを延び、前記第1の長さは、前記第2の長さより長い。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記2つの下部オリフィスと前記複数の管体のうち最も高いものの上縁との間の垂直距離は第1の距離であり、前記第1の距離は前記管体の内径の半分より大きい又は等しい。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1検知管及び前記第2検知管は、前記横方向流路内に下方に突出する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記流量制限部は、前記複数の管体の外側を覆って前記複数の管体を固定する気密部材を含み、前記気密部材と前記空気吹出流路の外壁との間に気密を形成する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記流量制限部は、前記横方向流路に取り外し可能に配置される。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記弾性部材は、上部導風カバーと、下部振動低減カバーとを含み、前記上部導風カバーと前記送風機とが入力流路を画成し、前記入力流路は空気流を前記送風機に導くため、前記輸送流路に接続され、前記上部導風カバーは下方に突出する複数の導流突起を備える。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記上部導風カバーは、前記送風機の排熱管から熱エネルギーを放散のための排気孔を備える。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記ハードウェアは、前記吸気流路に突出の複数のガイドプレート及びスペーサを有し、前記複数のガイドプレートにより前記吸気流路の前部位を複数の吸気通路に仕切らせ、前記スペーサは前記吸気流路の中間部位に設けられ、前記スペーサの底縁は前記複数のガイドプレートの底縁よりも前記ハウジングの底部に近い。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記下部振動低減カバーは、上方に突出する位置決め壁と、遮水壁とを備え、前記位置決め壁は前記送風機の少なくとも一部を覆い、かつ前記位置決め壁は前記送風機の電気部を収容するため、切欠き部を備え、前記遮水壁は前記切欠き部の外周に配置される。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、携帯型呼吸システムは、回路基板と、発光素子と、ボタン要素と、遮光カバーと、導光体とをさらに含み、前記回路基板は前記上部チャンバ内に配置され、前記発光素子は、前記回路基板に配置され、前記ボタン要素は、前記回路基板に配置され、前記遮光カバーは、前記発光素子に覆設され、貫通孔を含み、前記導光体は、前記貫通孔内に設けられ、光を導くために用いられる。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記貫通孔は、第1部分と、第2部分とを備え、前記第1部分は前記導光体を収容するためのものであり、前記第2部分は各発光素子を覆設するためのものであり、前記第2部分の内径は前記第1部分の内径より大きい。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記遮光カバーは、突起手段をさらに含み、前記突起手段の下方は前記回路基板上の前記ボタン要素に対応し、前記ハウジングの外面に押圧部材が配置され、前記突起手段の頂面に対応する前記押圧部材の底面構造に適合するための凹溝を有する。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記凹溝は、十字位置決め溝であり、前記底面構造は前記十字位置決め溝に適合する十字位置決め突条である。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記押圧部材の底面には、前記押圧部材を押し下げるときの安定性を高めるため、前記底面構造の周囲に配置された支持壁が設けられる。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記押圧部材の底面にはストッパーが設けられ、前記遮光カバーには前記ストッパーを収容するための凹部が設けられる。
【発明の効果】
【0025】
したがって、本発明の実施形態に係る携帯型呼吸システムは、小型化、軽量化及び携帯性の特徴を有し、中仕切り材、弾性部材、ハードウェア及び流量制限部の構造形式を通じて収容空間及び流路の構成や配置を形成することで、コンパクトな設計を実現する。また、携帯型呼吸システムは、流量監視機能もあり、使用者のニーズに応じて空気流の流量を調整又は異なる給気モードを制御できるため、呼吸システムの快適性及びユーザーエクスペリエンスが向上すると共により良い治療効果を達成するのにも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態における携帯型呼吸システムの概略的な立体図である。
図2図1の携帯型呼吸システムの概略的な分解図である。
図3図1の実施形態に係る携帯型呼吸システムの部分概略図である。
図4図1のA-A線に沿った概略的な断面図である。
図5a】本実施形態に係る携帯型呼吸システムのハードウェアの概略的な立体図である。
図5b】本実施形態に係る携帯型呼吸システムのハードウェアの概略的な側面図である。
図6図1のB-B線に沿った概略的な断面図である。
図7】本実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける弾性部材の概略的な立体図である。
図8】本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムの流量制限部、ハードウェア、下部振動低減カバー及び下部筐体の部分分解図である。
図9】本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける送風機及び下部振動低減カバーの概略図である。
図10】本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける送風機及び上部導風カバーの概略図である。
図11】本発明の別の実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける送風機及び上部導風カバーの概略図である。
図12】本発明の一実施形態における携帯型呼吸システムの部分分解図である。
図13図12の部分断面図である。
図14】本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける遮光カバーの概略図である。
図15】本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける押圧部材を有する上部筐体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、特徴、効果について充分に理解できるように、以下で具体的な実施例に添付の図面を組み合わせ、本発明について詳細に説明する。
【0028】
本文中の説明の用語「含む」、「含有する」、「備える」またはその他あらゆる類似の用語は、本文に記載されたこれら要件のみに限られず、明確に記載されていないものの、その部材、構造、装置、システム、部位または区域に通常固有のその他要件を含むことができる。
【0029】
本文中の説明の「第1」または「第2」等、類似の序数の用語は、同じまたは類似の部材或いは構造を区別する、またはそれらの関連を示すために用いられ、かつこれら部材、構造、部位、或いは区域の空間上の順序を暗に含むとは限らない。一部の状況または配置において、序数の用語は入れ替えて使用しても本発明の実施に影響しないことに理解が必要である。
【0030】
本文中の説明の用語「1」または「1つ」は、該部材、構造、装置、システム、部位または区域等を説明する。これは説明の利便性のためのみに用いられ、かつ本発明の範疇に対して一般的な意味を提供する。このため、別の意味が明らかに示されていない限り、これらの説明は1つまたは少なくとも1つを含み、単数は同時に複数を含むと理解されるべきである。
【0031】
本発明の実施形態において、携帯型呼吸システムは、小型化、軽量化かつ携帯可能なCPAP本体を例として挙げる。携帯型呼吸システムは、外出・旅行、仕事又はキャンプなどの使用者の幅広いニーズに合わせた使用環境に対応することができる。したがって、小型化、軽量化かつ携帯可能な目的のため、構成要素の構成及び流路の配置が限られる内部空間に制限されて、コンパクトな特性を有している。
【0032】
図1図4を同時に参照すると、図1は、本発明の一実施形態における携帯型呼吸システムの概略的な立体図、図2図1の携帯型呼吸システムの概略的な分解図、図3図1の実施形態に係る携帯型呼吸システムの部分概略図、図4図1のA-A線に沿った概略的な断面図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の携帯型呼吸システム1は、ハウジング100を含み、ハウジング100は上部筐体101と、下部筐体102とを含み得、上部筐体101と下部筐体102とを組み付けた後内部空間及び吸気口INと空気吹出口OTなどの外部に連通する複数の窓を画定できる。
【0034】
図2に示すように、本実施形態の携帯型呼吸システム1は、回路基板900と、中仕切り材200と、弾性部材400と、ハードウェア500と、送風機600と、流量制限部700とをさらに含む。
【0035】
中仕切り材200は、ハウジング100内に配置され、ハウジング100の内部空間を上部チャンバ及び下部チャンバに仕切る。上部チャンバは、使用者の操作や制御のために上部筐体101上の機能的な押圧部材に対応する回路及び電気アセンブリの配置に使用されることができる。例えば、回路基板900は上部チャンバに配置され得、流量センサ300は回路基板900に設けられ、空気流の流量を検出するために用いられる。下部チャンバは、正圧の空気流を発生するための構成要素の配置に使用されることができ、これらの構成要素は空気流の流動経路を構築するために用いられる。例えば、弾性部材400、ハードウェア500、送風機600及び流量制限部700は下部チャンバに配置される。
【0036】
弾性部材400は、送風機600を内部に挟持し、弾性部材400の一部が中仕切り材200と送風機600との間に介在し、一部が送風機600とハウジングとの間に介在することで、送風機600が位置決めされ、送風機600を剛性のある中仕切り材200及びハウジング100から分離させて、振動低減及び騒音低減の作用を発揮する。ハードウェア500は、弾性部材400及びハウジング100を介して下部チャンバに固定され、その固定方法については後述する。
【0037】
図3に示すように、ハードウェア500は、携帯型呼吸システム1の流路を画定するために用いられ、流路は吸気流路510、横方向流路520(図4)、輸送流路530及び空気吹出流路540を含み、横方向流路520は吸気流路510と輸送流路530との間に連絡される。送風機600は、弾性部材400の内に配置され、正圧の空気流を発生するために用いられる。
【0038】
本実施形態において、空気流の流動経路は、次の通りである。まず、気体は、ハウジング100の吸気口INからハウジング100内に入り、吸気流路510、横方向流路520、輸送流路530に沿って送風機600の吸気口に入る。送風機600は、輸送流路530からの空気流を受け取って正圧の空気流を発生し、加圧後の空気流は送風機600の空気吹出口から排出され、空気吹出流路540に入った後ハウジング100の空気吹出口OTから出て、さらに接続する管路により使用者が着する呼吸用マスク(図示せず)に送られる。具体的には、図3を参照すると、本実施形態において空気流は、空気流経路FA1に示すように吸気口INから吸気流路510に入り、次に空気流経路FA2に示すように空気流が持ち上げられ、そして空気流は、空気流経路FA3に示すように再び下降し、横方向流路520に入り、次に、空気流は空気流経路FBに示すように横方向流路520内を流動し、そして空気流は空気流経路FCに示すように輸送流路530内で持ち上げられ、次に輸送流路530から流出する空気流が空気流経路FDに示すように送風機600に流れ、最後に送風機600から流出する空気流は、空気流経路FEに示すように空気吹出流路540から出る。
【0039】
図4に示すように、流量制限部700は、横方向流路520内に配置され、流量制限部700は複数の管体710を含み、管体710は横方向流路520に沿って延びる。流量制限部700は、流量センサ300が空気流の流量を計測するため、管体710を通る空気流を層流に形成し、これをもって圧力降下を発生するために用いられる。
【0040】
図4図5(a)及び5(b)を併せて参照すると、図5(a)は本実施形態に係る携帯型呼吸システムのハードウェアの概略的な立体図、図5(b)は本実施形態に係る携帯型呼吸システムのハードウェアの概略的な側面図である。
【0041】
ハードウェア500は、第1検知管550と、第2検知管560とをさらに含み、第1検知管550は流量制限部700の上流側700Aに位置し、第2検知管560は流量制限部700の下流側700Bに位置し、第1検知管550及び第2検知管560が流量センサ300にそれぞれ接続され、流量センサ300は上流側700A及び下流側700Bの各々の圧力値をそれぞれ取得することで、流量を算出する。本実施形態において、第1検知管550及び第2検知管560はハードウェア500上の予め成形された貫通孔又は管体構造であり、各々ホース550A、560Aを介して流量センサ300に接続されているが、これに限定されず、ハードウェア500上に十分に長い管を一体成形して、流量センサ300の感知ヘッドの取り付け部まで直接延長されてもよい。
【0042】
したがって、本発明の実施形態に係る携帯型呼吸システムは、ハードウェア500内の第1検知管550及び第2検知管560の構成により、上部チャンバに位置する流量センサ300は流量制限部700の上流側700A及び下流側700Bの圧力を計測できるようにし、横方向流路520内の流体の流量を得ることができるため、この携帯型呼吸システムを小型化及び軽量化することができると共に、流量監視の機能も備えることができる。流量監視の機能に基づき携帯型呼吸システムは使用者の異なるニーズ又は異なる使用者に応じて空気流の流量をより効果的に調整する、若しくは様々な空気流制御モードを備えることで、快適性及びユーザーエクスペリエンスを向上させる。なお、正確な流量制御に基づきより良好な治療効果を奏することもできる。
【0043】
図4図6を併せて参照すると、図6は、図1のB-B線に沿った概略的な断面図である。
【0044】
図4図6に示すように、ハードウェア500は、第1検知管550と、第2検知管560とを備える。第1検知管550及び第2検知管560は、横方向流路520内に下方に突出することができる。第1検知管550及び第2検知管560は、各々下部オリフィス551、561を備え、第1検知管550の下部オリフィス551及び第2検知管560の下部オリフィス561は流量制限部700のこれらの管体710のうち最も高いものの上縁710Aより高い。
【0045】
高さ方向において、下部オリフィス551及び下部オリフィス561のいずれか1つと、管体710のうち最も高いものの上縁710Aとの間には、管体710のうち最も高いものの上縁710Aと面一又は整列することなく、垂直距離がある。このように、第1検知管550の下部オリフィス551及び第2検知管560の下部オリフィス561は、流速が速く、不安定な空気流経路に位置しないため、流量センサ300が受け取る空気流も比較的安定することで、携帯型呼吸システムの流量測定の安定性及び精度が向上する。
【0046】
一例として、2つの下部オリフィス551、561と管体710のうち最も高いものの上縁710Aとの間の垂直距離は、第1の距離D1(図4)であり、第1の距離D1は管体710の内径の半分より大きい又は等しい。携帯型呼吸システム1の全体的な外観の長さ及び幅が95mm以下、高さが65mm以下のサイズを例として、第1の距離D1は3~15mm又は15mm超に設計することができる。
【0047】
携帯型呼吸システム1全体の体積を減らすようにコンパクトに構成するため、流量制限部700は、ハードウェア500の空気吹出流路540の下方に配置されることができ、第1検知管550及び第2検知管560は空気吹出流路540の両側に延びる。第1検知管550の下部オリフィス551と管体710の頂部との間に第1緩衝空間S1が画定され、第2検知管560の下部オリフィス561と管体710の頂部との間に第2緩衝空間S2が画定される。第1緩衝空間S1内の空気流の流速は、各管体710の上流側700Aにある管口部の空気流の流速よりも遅い。第2緩衝空間S2内の空気流の流速は、各管体710の下流側700Bにある管口部の空気流の流速より遅い。
【0048】
再び図4を参照すると、空気吹出流路540の中心軸540Lに対して、第1緩衝空間S1と第2緩衝空間S2は非対称に配置され、流量制限部700の上流側700A及び下流側700Bの流れ場の分布に応じて第1緩衝空間S1の形状及び第2緩衝空間S2の形状は、最適化された構成を達成するため、非鏡面的に同一である。
【0049】
例えば、各管体710は、空気吹出流路540の中心軸540Lの直下から吸気流路510から離れる方向に第1の長さL1を延び、吸気流路510に近づく方向に第2の長さL2を延びることができ、第1の長さL1は第2の長さL2より長く、このように第2検知管560の下部オリフィス561と管体710の頂部との間の最短距離は、第1検知管550の下部オリフィス551と管体710の頂部との間の最短距離より短い。携帯型呼吸システム1の全体的な外観の長さ及び幅が95mm以下、高さが65mm以下のサイズを例として、第1の長さL1は、13mm程度、第2の長さL2は11mm程度であり得る。
【0050】
再び図6を参照すると、本実施形態において、流量制限部700は、例えばハニカム流路とすることができ、すなわち、管体710は六角形の断面を有する。管体710の数及び断面積は、通過できる流体の面積に関連し、横方向流路520の断面積及び形状に基づいて設計される。
【0051】
本実施形態の流量制限部700を通過できる流体の面積(すなわち管体710の貫通孔の総面積)は、横方向流路520の断面積の25~30%程度を占める。一例として、横方向流路520の断面積は336mm程度で、管体710の貫通孔の総面積(空気流が通過する総断面積)は92.8mm 程度である。本実施形態の流量制限部700は、六角形の断面を有する4~12本の管体710を具備し得、管体710は内接円の半径が1.73mmの正六角形である。もちろん、管体の断面積形状は、これに限定されるものではなく、他の多角形状であってもよい。
【0052】
図7を参照すると、本実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける弾性部材の概略的な立体図である。
【0053】
弾性部材400は、上部導風カバー410と、下部振動低減カバー420とを含み得、上部導風カバー410及び下部振動低減カバー420はシリコン素材又はその他の弾性材料で作られることができ、弾性と柔らかさを有する。上部導風カバー410と送風機600は入力流路610を画定し、入力流路610は輸送流路530に接続されて、輸送流路530から送られる空気流を送風機600に導き、上部導風カバー410は下方に突出する複数の導流突起411を備えることで、入力流路610に入った空気流をガイド及び整流する。
【0054】
再び図5(a)及び図5(b)を参照すると、ハードウェア500は、吸気流路510に突出する複数のガイドプレート511及びスペーサ512を有し、複数のガイドプレート511により吸気流路510の前部位を複数の吸気通路513に仕切らせ、スペーサ512は吸気流路510の中間部位に設けられ、スペーサ512の底縁512Aはガイドプレート511の底縁511Aよりもハウジング100の底部(下部筐体102の底部筐体壁)に近いことで、空気流の曲がりくねった経路が長くなり、内部モータの騒音が外部に伝わりにくくなる。
【0055】
送風機600が起動されたとき、吸気流路510内に形成された負圧により空気流を吸気流路510に導入する。図3図5を併せて参照すると、空気流はハウジング100の吸気口INから入った後、スペーサ512及びガイドプレート511により導いて下方に流れ、スペーサ512の底縁512Aの下方、すなわちスペーサ512と弾性部材400の下部振動低減カバー420との間に形成された通路を通過した後、ハードウェア500上の第1開口部570(図3及び5(a))に流れ、この部分の流路は、吸気流路510である。空気流は、第1開口部570に流入した後、横方向流路520に入る。
【0056】
図2及び図8を併せて参照すると、図8は本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムの流量制限部、ハードウェア、下部振動低減カバー及び下部筐体の部分分解図である。
【0057】
流量制限部700は、携帯型呼吸システム1に取り外し可能又は一体的に設けられる。本実施形態において、流量制限部700は、横方向流路520に取り外し可能に配置されるように設計されている。流量制限部700は、ハードウェア500或いはハウジング100と一体成形されているのではなく、着脱可能な独立した構成要素である。
【0058】
流量制限部700は、気密部材720を含み、気密部材720は管体710の外側を覆うことで、全ての管体710を固定し、流量制限部700はハードウェア500の空気吹出流路540とハウジング100の下部筐体102の底面との間に位置決めされる。気密部材720と空気吹出流路540の外壁との間に気密を形成して、横方向流路520内の空気流は流量制限部700の管体710のみを通過することができる。同時に、気密部材720は空気吹出流路540の下半分と下部筐体102との間の気密作用も発揮する。
【0059】
図7図9を併せて参照すると、図9は、本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける送風機及び下部振動低減カバーの概略図である。
【0060】
下部振動低減カバー420は、上方に突出する位置決め壁421と、遮水壁422とを備え得る。位置決め壁421は、送風機600の少なくとも一部に側方から覆われ、位置決め壁421により送風機600が特定の位置に規制され、図7及び図9に示すように、延びる位置決め壁421は送風機600を収容するための位置を画定し、位置決め壁421に送風機600の電気部630を収容するため、切欠き部421Aが設けられてもよく、電気部630は、送風機600が電源を得、回路基板900から送風機600を制御するための電気信号を提供するため、導線(図示せず)を通じて上部チャンバにある回路基板900(図12及び図13を参照)に電気的に接続される接続ポートであり得る。遮水壁422は、切欠き部421Aの外周に配置され、例えば切欠き部421Aの隣り合い側に延在する突条構造であり、水分がハウジング100内に侵入する場合、遮水壁422は送風機600への水分の侵入をさらに阻止することができる。遮水壁422と位置決め壁421の切欠き部421Aとの間に凹部423を設けることもでき、より多くの水分が侵入した場合に凹部423に貯めることで、送風機600への水の侵入のリスクをさらに低減することができる。位置決め壁421及び遮水壁422は、下部振動低減カバー420により一体成形される構造であってもよい。
【0061】
一般的に言えば、下部振動低減カバー420は、一体成形した構造を介して送風機600の左側、後側及び右側により高くほぼ継ぎ目のない環状壁を形成することができ、さらに送風機600の前側にハードウェア500の組み付けにより、ハードウェア500と環状壁とで送風機600を囲む遮水構造を形成する。下部振動低減カバー420とハードウェア500との間は一体に組み付けられるため、水の侵入を引き起こす可能性のある隙間が必然的に存在する。下部振動低減カバー420には位置決め壁421及び遮水壁422が設けられ、さらに切欠き部421Aを追加することにより、液体が側面と底部から送風機600に侵入するのを効果的に防止することができる。
【0062】
図10を参照すると、本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける送風機及び上部導風カバーの概略図である。
【0063】
上部導風カバー410は、送風機600の排熱管620が熱エネルギーを放散するための排気孔412を備え得る。図10に示すように、上部導風カバー410は、排気孔412の近傍に対流溝413及び対流孔414を形成し、対流孔414は対流溝413と送風機600が配置されたチャンバとを連絡し、対流溝413は上部導風カバー410から凹んで形成され、対流孔414は対流溝413の溝底から上部導風カバー410を貫通している。中仕切り材200と上部導風カバー410とが組み付けられた時、対流溝413の頂面は中仕切り材200の底面で覆われ、対流溝413は排気孔412と対流孔414を介してのみ外部と連通可能である。送風機600の排熱管620は、排気孔412を通じて対流溝413内に延在し、送風機600が動作すると、送風機600が配置されたチャンバ内に負圧が形成され、負圧により対流孔414を介して対流溝413内の空気が引き込まれ、対流溝413内に強制対流が生じて、排熱管620内の熱交換後の熱風を送風機600が配置されるチャンバ内に導入して循環が形成される。熱風は送風機600が配置されたチャンバ内に入った後、送風機600内での熱の蓄積を避けるため、送風機600の動作により空気吹出流路540から排出される。
【0064】
図11を参照すると、本発明の別の実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける送風機及び上部導風カバーの概略図である。
【0065】
図11に示すように、本実施形態において、上部導風カバー410の対流溝413’は、上部導風カバー410から凹んで形成されて上部導風カバー410に延在し、排気孔412及び対流孔414’は上部導風カバー410をそれぞれ貫通しており、対流溝413’は排気孔412と対流孔414’とを連絡するために用いられる。中仕切り材200と上部導風カバー410とが組み付けられたとき、対流溝413’の頂面は中仕切り材200の底面で覆われ、対流溝413’は排気孔412及び対流孔414’を介してのみ外部と連通可能である。送風機600の排熱管620は、排気孔412に延在することにより対流溝413’、対流孔414’及び吸気流路510を連絡するため、送風機600が動作すると、吸気流路510で形成された負圧は、対流孔414’を介して対流溝413’内の空気を引き込んで、排気孔412を介して同時に送風機600の排熱管620内の空気を引き込むことができることで、排熱管620内の熱交換後の熱風は対流溝413’を介して吸気流路510に導入されて、輸送流路530に入ろうとする空気流に加えられる。熱風は、送風機600内での熱の蓄積を避けるため、送風機600の動作に伴って空気吹出流路540から急速に排出される。
【0066】
図12及び図13を参照すると、図12は本発明の一実施形態における携帯型呼吸システムの部分分解図、図13図12の部分断面図である。
【0067】
図12に示すように,本実施形態の携帯型呼吸システム1は、回路基板900と、発光素子1000と、ボタン要素1100と、遮光カバー1200と、導光体1300とを含み得る。回路基板900は、上部チャンバ内に配置され、上部筐体101と中仕切り材200との間に介設され、流量センサ300は回路基板900上に設けられる。
【0068】
発光素子1000及びボタン要素1100は、回路基板900に配置されている。発光素子1000は、例えば携帯型呼吸システムの状態又は制御モードを指示するためのLED素子であり得る。ボタン要素1100は、押されて電気信号を発し、回路基板900上の線路と電子部品により生成される制御命令に基づき発光素子1000を発光させるために用いられる。遮光カバー1200は、発光素子1000に覆設され、貫通孔1210を含む。導光体1300は、貫通孔1210内に設けられ、光を導いて、発光素子1000から発せられた光が導光体1300を介して特定の位置に集中させて導くことができる。一例として、遮光カバー1200は、シリコン素材で作られることができ、導光体1300はPC材料或いはPMMA材料で作られることができる。
【0069】
図13に示すように、遮光カバー1200において、貫通孔1210は、第1部分1211と第2部分1212とを有し、第1部分1211は導光体1300を収容するために用いられ、第2部分1212は各発光素子1000に覆設するために用いられ、第2部分1212の内径は第1部分1211の内径より大きい。
【0070】
図14及び図15を参照すると、図14は、本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける遮光カバーの概略図、図15は本発明の一実施形態に係る携帯型呼吸システムにおける押圧部材を有する上部筐体の概略図である。
【0071】
図14及び図15に示すように、遮光カバー1200は、突起手段1220をさらに含み、突起手段1220の下方は回路基板900上のボタン要素1100に対応し、ハウジング100の外面に押圧部材110が配置され、突起手段1220の頂面には凹溝1221を有し、凹溝1221は対応する押圧部材110の底面構造111と適合するために用いられる。押圧部材110の底面構造111を突起手段1220の凹溝1221に嵌合させることにより、押圧時の押圧部材110のがたつきを防止することができる。一例として、凹溝1221は、十字位置決め溝であり、底面構造111は十字位置決め溝に適合する十字位置決め突条である。十字形の適合構造は、4方向(前後左右)の位置決めを提供し、直線だめの凹凸適合構造よりも安定している。
【0072】
押圧部材110の底面上に支持壁112を有することができる。支持壁112は、底面構造111の周囲に配置され、押圧部材110が押し下げられると、支持壁112も同時に遮光カバー1200の表面に支持し、押圧部材110と遮光カバー1200との間の接触表面積が増加することで、押圧部材110が押し下げられた時の安定性を高める。
【0073】
押圧部材110の底面にもストッパー113が設けられることができ、遮光カバー1200上にはストッパー113を収容するための凹部1230が設けられて、押圧部材110が押し下げられる過程中の安定性をさらに高めることができる。また、押圧部材110はハウジング100に対して下方に移動してハウジング100から分離することができる独立した構造であるが、十字形の適合構造の凹溝1221と底面構造111、ストッパー113と凹部1230により、ハウジング100に対する押圧部材110のガタつき度合を低減することができる。
【0074】
本発明の実施形態に係る携帯型呼吸システムは、小型化、軽量化及び携帯性の特徴を有し、中仕切り材、弾性部材、ハードウェア及び流量制限部の構造形式を通じて収容空間及び流路の構成や配置を形成することで、コンパクトな設計を実現する。また、携帯型呼吸システムは、流量監視機能もあり、使用者のニーズに応じて空気流の流量を調整又は異なる給気モードを制御できるため、呼吸システムの快適性及びユーザーエクスペリエンスが向上すると共により良い治療効果を達成するのにも役立つ。
【0075】
本発明について上文中ですでに各種態様及び実施例を開示したが、通常の知識を有する者であれば理解できるように、各種態様及び実施例は例示的なものであって、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲を限定するものと解読すべきではない。かつ本明細書を閲読した後、通常の知識を有する者であれば本発明の範疇を逸脱せずにその他の態様及び実施例も可能であることが分かるであろう。即ち、これらの態様及び実施例と同等効果を持つ変化や置換はすべて本発明の範疇内に含まれる。このため、本発明の特許請求の範囲の定義に準じるべきである。
【符号の説明】
【0076】
1 携帯型呼吸システム
100 ハウジング
101 上部筐体
102 下部筐体
110 押圧部材
111 底面構造
112 支持壁
113 ストッパー
200 中仕切り材
300 流量センサ
400 弾性部材
410 上部導風カバー
411 導流突起
412 排気孔
413,413’ 対流溝
414,414’ 対流孔
420 下部振動低減カバー
421 位置決め壁
421A 切欠き部
422 遮水壁
423 凹部
500 ハードウェア
510 吸気流路
511 ガイドプレート
511A,512A 底縁
512 スペーサ
513 吸気通路
520 横方向流路
530 輸送流路
540 空気吹出流路
540L 空気吹出流路の中心軸
550 第1検知管
550A ホース
551 第1検知管の下部オリフィス
560 第2検知管
560A ホース
561 第2検知管の下部オリフィス
600 送風機
610 入力流路
620 排熱管
630 電気部
700 流量制限部
700A 流量制限部の上流側
700B 流量制限部の下流側
710 管体
710A 上縁
720 気密部材
900 回路基板
1000 発光素子
1100 ボタン要素
1200 遮光カバー
1210 貫通孔
1211 第1部分
1212 第2部分
1220 突起手段
1221 凹溝
1230 凹部
1300 導光体
D1 第1の距離
FA1,FA2,FA3,FB,FC,FD,FE:空気流経路
S1 第1緩衝空間
S2 第2緩衝空間
L1 第1の長さ
L2 第2の長さ
IN 吸気口
OT 空気吹出口
【要約】
【課題】携帯型呼吸システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ハウジングと、中仕切り材と、流量センサと、弾性部材と、ハードウェアと、送風機と、流量制限部とを含む携帯型呼吸システムを開示する。中仕切り材をハウジング内に配置することにより、システムは上部チャンバ及び下部チャンバを仕切り、流量センサは上部チャンバに位置し、弾性部材は下部チャンバに位置する。ハードウェアは、下部チャンバに固定されて、吸気流路、横方向流路、輸送流路及び空気吹出流路を画定する。送風機は、弾性部材内に配置され、輸送流路からの空気流を受け取って正圧の空気流を生成するために用いられる。流量制限部は、複数の管体を含み、横方向流路内に位置する。携帯型呼吸システムは、小型化、軽量化及び携帯性を有し、かつ流量監視機能を備え、使用者のニーズに応じて空気流の流量を調整して快適性及び治療効果を向上させることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15