(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】正ブースト書き込みマルチプレクサを有するメモリ
(51)【国際特許分類】
G11C 11/418 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G11C11/418 110
(21)【出願番号】P 2024519767
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022045954
(87)【国際公開番号】W WO2023064151
(87)【国際公開日】2023-04-20
【審査請求日】2024-03-29
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ホチョル
(72)【発明者】
【氏名】コタ、アニル・チョーダリー
(72)【発明者】
【氏名】シェス、ダバニ
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-122136(JP,A)
【文献】国際公開第2021/021494(WO,A1)
【文献】特開2006-054034(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110390981(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0110867(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタによって第1の書き込みドライバ出力に結合された第1のビット線と、
第2のNMOSトランジスタによって第2の書き込みドライバ出力に結合された第1の相補ビット線と、
前記第1のNMOSトランジスタの第1のゲート及び前記第2のNMOSトランジスタの第2のゲートに結合された出力を有する第1のインバータと、
前記第1のインバータの電力ノードに結合された第1のブースト回路であって、電源を前記第1のインバータの前記電力ノードに結合する第1のトランジスタを含み、前記第1のインバータの前記電力ノードと前記第1のトランジスタとに結合された第1のキャパシタも含む、第1のブースト回路と、
を備える回路。
【請求項2】
前記第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、前記第1のキャパシタが、複数の追加のインバータを介して前記第1のトランジスタのゲートに結合されている、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、前記第1のトランジスタのゲートが、第2のインバータ及び第3のインバータに結合されており、前記第3のインバータが、前記第1のキャパシタを介して前記第1のトランジスタのドレインに結合されており、前記第1のトランジスタの前記ドレインが、前記第1のキャパシタと前記第1のインバータの前記電力ノードとに結合されている、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
第3のNMOSトランジスタによって前記第1の書き込みドライバ出力に結合された第2のビット線と、
第4のNMOSトランジスタによって前記第2の書き込みドライバ出力に結合された第2の相補ビット線と、
前記第3のNMOSトランジスタの第3のゲート及び前記第4のNMOSトランジスタの第4のゲートに結合された出力を有する第2のインバータと、
を更に備え、
前記第1のブースト回路が、前記第2のインバータの電力ノードに結合されており、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータが、書き込みマルチプレクサ信号によって制御される、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記第1の書き込みドライバ出力と前記第2の書き込みドライバ出力とを提供する書き込みドライバ回路に結合された第2のブースト回路であって、前記書き込みドライバ回路の入力と接地に結合された第2のトランジスタとに結合された第2のキャパシタを含む第2のブースト回路を更に備える、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記第2のトランジスタのゲートが、第2のインバータ及び第3のインバータに結合されており、前記第3のインバータが、前記第2のトランジスタのドレインに結合されており、前記第2のトランジスタの前記ドレインが、前記第2のキャパシタと前記書き込みドライバ回路の入力とに結合されている、請求項5に記載の回路。
【請求項7】
ビットマスク信号とブースト信号とを受信する論理ゲートを更に備え、前記論理ゲートが、前記第1のトランジスタのゲートに結合されている、請求項1に記載の回路。
【請求項8】
前記論理ゲートが、ANDゲートを備える、請求項7に記載の回路。
【請求項9】
第1の複数のビット線を書き込みドライバに結合する第1のマルチプレクサと、
第2の複数のビット線を前記書き込みドライバに結合する第2のマルチプレクサと、
前記第1のマルチプレクサに関連付けられた第1の複数の列インバータに結合され、かつ前記第2のマルチプレクサに関連付けられた第2の複数の列インバータに結合された、第1のブースト回路と、を備え、
前記第1のブースト回路が、電源を前記第1の複数の列インバータの電力ノード及び前記第2の複数の列インバータの電力ノードに結合する第1のトランジスタを含み、前記第1のブースト回路が、前記電力ノードと前記第1のトランジスタとに結合された第1のキャパシタを更に含む、メモリ。
【請求項10】
前記第1のマルチプレクサが、第1のメモリバンクに対応し、前記第2のマルチプレクサが、第2のメモリバンクに対応し、前記第1のメモリバンク及び前記第2のメモリバンクが、マルチバンクメモリシステムに含まれる、請求項9に記載のメモリ。
【請求項11】
前記第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、前記第1のキャパシタが、複数の追加のインバータを介して前記第1のトランジスタのゲートに結合されている、請求項9に記載のメモリ。
【請求項12】
前記第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、前記第1のトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、前記複数の直列インバータが、前記第1のトランジスタのドレインに結合されており、前記第1のトランジスタの前記ドレインが、前記第1のキャパシタと、前記第1の複数の列インバータの前記電力ノード及び前記第2の複数の列インバータの前記電力ノードとに結合されている、請求項9に記載のメモリ。
【請求項13】
前記書き込みドライバに結合され、書き込みドライバ出力と相補書き込みドライバ出力とを前記第1のマルチプレクサと前記第2のマルチプレクサとに提供するように構成された、第2のブースト回路であって、前記書き込みドライバの入力と接地に結合された第2のトランジスタとに結合された第2のキャパシタを含む、第2のブースト回路を更に備える、請求項9に記載のメモリ。
【請求項14】
前記第2のトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、前記複数の直列インバータが、前記第2のトランジスタのドレインに結合されており、前記第2のトランジスタの前記ドレインが、前記第2のキャパシタと前記書き込みドライバの入力とに結合されている、請求項13に記載のメモリ。
【請求項15】
ビットマスク信号とブースト信号とを受信する論理ゲートを更に備え、前記論理ゲートが、前記第1のトランジスタのゲートに結合されている、請求項9に記載のメモリ。
【請求項16】
前記論理ゲートが、ANDゲートを備える、請求項15に記載のメモリ。
【請求項17】
メモリシステムにおいて書き込み動作を実行する方法であって、
書き込みマルチプレクサ内の第1の列において、書き込み多重化信号を受信することであって、前記第1の列が、メモリバンクと通信するビット線及び相補ビット線を含む、受信することと、
前記書き込み多重化信号から、ブーストされた書き込み多重化信号を生成することと、
前記ブーストされた書き込み多重化信号を、第1のトランジスタの第1の制御端子と第2のトランジスタの第2の制御端子とに印加することであって、前記第1のトランジスタが、第1の書き込みドライバ出力を前記ビット線に結合し、前記第2のトランジスタが、第2の書き込みドライバ出力を前記相補ビット線に結合する、印加することと、
前記メモリバンクのメモリセル内にデータ値を書き込むことであって、前記データ値が、前記第1の書き込みドライバ出力及び前記第2の書き込みドライバ出力によって定義される、書き込むことと、
を含む方法。
【請求項18】
前記ブーストされた書き込み多重化信号を生成することが、
キャパシタを放電することであって、前記キャパシタに結合された第3のトランジスタをトグルすることを含み、前記キャパシタの端子がインバータの電力ノードに結合されている、放電することと、
前記第3のトランジスタのドレインと前記インバータの前記電力ノードとにおいて、前記キャパシタを充電することと、
前記インバータを用いて前記書き込み多重化信号を反転させることと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の書き込みドライバ出力を負にブーストすることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の書き込みドライバ出力を負にブーストすることが、
追加のキャパシタを接地に結合する第3のトランジスタをトグルすることと、
前記追加のキャパシタの負の電荷を、前記第1の書き込みドライバ出力に容量結合することとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
複数の列であって、前記複数の列の各々が、それぞれのメモリビットセルと通信するビット線及び相補ビット線を含む、複数の列と、
書き込みドライバから前記複数の列への信号を多重化するための手段であって、それぞれのビット線及びそれぞれの相補ビット線を、前記書き込みドライバに結合する複数のトランジスタを含む、多重化手段と、
前記多重化手段の前記複数のトランジスタのゲートに印加される電圧を、正にブーストするための手段と、
を備
え、
前記複数のトランジスタが、複数のn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタを含み、前記複数のトランジスタのゲートが、それぞれの列インバータに結合されており、前記それぞれの列インバータが、前記電圧を受け取る、回路。
【請求項22】
前記書き込みドライバからの前記信号を、負にブーストするための手段を更に備える、請求項21に記載の回路。
【請求項23】
前記書き込みドライバからの前記信号を負にブーストするための前記手段が、
前記書き込みドライバの入力と、接地に結合されたn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタとに結合されたキャパシタを備え、前記NMOSトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、前記複数の直列インバータが、前記NMOSトランジスタのドレインに結合されており、前記NMOSトランジスタの前記ドレインが、前記キャパシタと前記書き込みドライバの入力とに結合されている、請求項
22に記載の回路。
【請求項24】
前記電圧を正にブーストするための前記手段が、
前記複数の列に関連付けられた列インバータの電力ノードと、電源に結合されたp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタとに結合されたキャパシタを備え、前記PMOSトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、前記複数の直列インバータが、前記PMOSトランジスタのドレインに結合されており、前記PMOSトランジスタの前記ドレインが、前記キャパシタと前記列インバータの前記電力ノードとに結合されている、請求項21に記載の回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本願は、2021年10月15日に出願された米国特許出願第17/451,110号の優先権及び利益を主張し、その内容全体が、全ての適用可能な目的のために、及び以下に完全に記載されているかのように、本明細書において参照される。
【0002】
[0002] 本出願は、メモリに関し、より詳細には、正ブースト書き込みマルチプレクサを有するシングルバンクメモリ又はマルチバンクメモリに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 従来のスタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)では、ビットセルは、ビット線の対に接続する。書き込み動作の前に、ビット線は、ビットセルに使用される電源電圧まで、事前に充電される。ビットセルに書き込まれるデータに応じて、書き込みマルチプレクサは、ビット線対における真のビット線又は相補ビット線のいずれかを、その事前充電状態から放電させてもよい。
【0004】
[0004] 当該技術分野では、書き込みマージンが増加し、リーク(漏れ)が少ないメモリが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一実装形態では、回路は、第1のn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタによって第1の書き込みドライバ出力に結合された第1のビット線と、第2のNMOSトランジスタによって第2の書き込みドライバ出力に結合された第1の相補ビット線と、第1のNMOSトランジスタの第1のゲート及び第2のNMOSトランジスタの第2のゲートに結合された出力を有する第1のインバータと、第1のインバータの電力ノードに結合された第1のブースト回路であって、第1のインバータの電力ノードに電源を結合する第1のトランジスタを含み、第1のインバータの電力ノードと第1のトランジスタとに結合された第1のキャパシタも含む、第1のブースト回路と、を含む。
【0006】
[0006] 別の一実装形態では、メモリシステムにおいて書き込み動作を実行するための方法であって、方法が、書き込みマルチプレクサ内の第1の列において書き込み多重化信号を受信することであって、第1の列が、メモリバンクと通信するビット線及び相補ビット線を含む、受信することと、書き込み多重化信号から、ブーストされた書き込み多重化信号を生成することと、ブーストされた書き込み多重化信号を、第1のトランジスタの第1の制御端子と及び第2のトランジスタの第2の制御端子とに印加することであって、第1のトランジスタが、第1の書き込みドライバ出力をビット線に結合し、第2のトランジスタが、第2の書き込みドライバ出力を相補ビット線に結合する、印加することと、メモリバンクのメモリセル内にデータ値を書き込むことであって、データ値が、第1の書き込みドライバ出力及び第2の書き込みドライバ出力によって定義される、書き込むことと、を含む。
【0007】
[0007] 別の一実装形態では、メモリは、第1の複数のビット線を書き込みドライバに結合する第1のマルチプレクサと、第2の複数のビット線を書き込みドライバに結合する第2のマルチプレクサと、第1のマルチプレクサに関連付けられた第1の複数の列インバータに結合され、かつ第2のマルチプレクサに関連付けられた第2の複数の列インバータに結合された、第1のブースト回路と、を含み、第1のブースト回路が、電源を第1の複数の列インバータの電力ノード及び第2の複数の列インバータの電力ノードに結合する第1のトランジスタを含み、第1のブースト回路が、電力ノード及び第1のトランジスタに結合された第1のキャパシタを更に含む。
【0008】
[0008] 更に別の一実装形態では、回路は、複数の列であって、複数の列の各々が、それぞれのメモリビットセルと通信するビット線及び相補ビット線を含む、複数の列と、書き込みドライバから複数の列への信号を多重化するための手段であって、それぞれのビット線及びそれぞれの相補ビット線を書き込みドライバに結合する複数のトランジスタを含む、多重化手段と、多重化手段の複数のトランジスタのゲートに印加される電圧を、正にブーストするための手段と、を含む。
【0009】
[0009] これら及び追加の利点は、以下の発明を実施するための形態を通してより十分に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010] 一実装形態による、正のブースト及び負のブーストを有するマルチバンクメモリを示す図である。
【
図2】[0011]
図1のメモリにおける例示的な書き込みドライバ回路を示す図である。
【
図3】[0012] 一実装形態による、正のブースト回路に結合された複数のビット線列を示す図である。
【
図4】[0013]
図3の実装形態における例示的な列を示す図である。
【
図5】[0014] 一実装形態による、例示的なブーストゲーティングを示す図である。
【
図6】[0015]
図4の列内の信号の例示的なタイミング図である。
【
図7】[0016]
図1のメモリのシミュレーションに関連する試験結果を示す表である。
【
図8】[0017]
図1のメモリによって実行され得る例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図9】[0018] 本開示の一態様による、メモリを組み込み得る例示的なシステムオンチップ(system on chip、SOC)を示す。
【0011】
[0019] 本開示の実装形態及びそれらの利点は、以下の詳細な説明を参照することによって最良に理解される。各図のうちの1つ又は複数に示される同様の要素を識別するために同様の参照番号が使用されることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0020] 例示的な書き込み動作は、書き込みドライバにおける負のブーストを含み、バイナリデータが、負のブーストによって引き下げられたバイナリ0を含むようになっている。その目的は、ビット線又は相補ビット線のいずれかを、他の場合よりも低く引き下げて、書き込みマージンを増大させることである。言い換えれば、負のブーストは、ビット線と相補ビット線との間の差を、負のブーストがかかっていない場合よりも大きくし、それによって、書き込み動作の失敗の可能性を減少させる。
【0013】
[0021] しかしながら、負のブーストを用いた書き込み動作は、書き込みドライバ内のn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタのゲート-ソース電圧にリークを生じさせ得る。リークは、複数の書き込みドライバによる複数の書き込み動作にわたる、過剰な電力使用をもたらし得るので、望ましくない場合がある。
【0014】
[0022] したがって、書き込みマルチプレクサが正のブースト回路を含むSRAMのようなメモリが提供される。正のブーストは、ビット線をデータ入力に結合するNMOSトランジスタの、ゲート-ソース電圧を増加させ得る。次いで、NMOSトランジスタのゲートに印加されたブースト電圧は、NMOSトランジスタを介してバイナリ0データビットに結合されたビット線を、放電させ得る。実際に、ブーストされた電圧は、ビット線を放電させる速度を増加させ得る。相補ビット線は、ブーストされたゲート電圧も受け取る別のNMOSトランジスタを介して、バイナリ1データビットに結合される。NMOSトランジスタは、比較的強いオン状態を有し、この状態は、データ入力から相補ビット線に、いくらかの電荷を転送させる。その結果、ビット線と相補ビット線との間の電圧差は、オン状態ではない場合よりも大きくなる。
【0015】
[0023] 例示的な回路は、第1のNMOSトランジスタによって第1の書き込みドライバ出力に結合された、第1のビット線を含み得る。第1の相補ビット線は、第2のNMOSトランジスタによって第2の書き込みドライバ出力(例えば、相補書き込みドライバ出力)に結合される。ビット線及び相補ビット線は、列の一部であり、列インバータは、その出力によって第1及び第2のNMOSトランジスタのゲートに結合される。ブースト回路が、第1のインバータの電力ノードに結合される。第1のブースト回路は、電源を第1のインバータの電力ノードに結合する第1のトランジスタと、第1のインバータの電力ノード及び第1のトランジスタに結合される第1のキャパシタと、を含み得る。ブースト動作中、第1のキャパシタは電荷を放電し、次いで、その電荷の一部を蓄積して、ブーストされた電圧を第1のインバータの電力ノードに供給する。列が選択されるとき、多重化信号は、その列インバータの出力をデジタル1にさせ、それは、ブースト回路によってブーストされ、NMOSトランジスタのゲートに印加される。次に、NMOSトランジスタは、書き込まれるデータに従って、それぞれのビット線を適切に充電又は放電させる。
【0016】
[0024] ブースト回路は、単一のメモリバンク又は複数のメモリバンクに結合され得る。更に、ブースト回路からの正のブーストは、書き込み多重化信号に適用されてもよく、いくつかの実装形態は、メモリ回路の書き込みドライバによって適用される負のブーストを、更に含み得る。書き込みドライバにおける負のブーストは、書き込み動作中に列内のビット線の電圧どうしの間に、更に大きな差を提供することができる。
【0017】
[0025] 上述したように、負のブーストが、リークをもたらすことがある。しかしながら、様々な実装形態は、負のブーストの量を十分に小さい大きさに制限し、リークを無視できるレベルに抑制(又は全くリークがない状態に)し得る。したがって、本明細書の様々な実装形態は、負のブーストの大きさを増加させるのではなく、マルチプレクサにおいて負の書き込みドライバブーストを正のブーストで置き換えるか、又はマルチプレクサにおいて負の書き込みドライバブーストを正のブーストで補うかのいずれかを行うものである。結果として、いくつかの実装形態は、より大きい書き込みマージンを達成すると同時に、書き込みドライバにおいて被るリークの量を制限し得る。
【0018】
[0026]
図1は、一実装形態による、メモリシステム100の図である。メモリシステム100は、マルチバンクメモリシステムであり、この場合、2つのメモリバンク、すなわち、バンクb0 195及びバンクb1 196を使用する。当業者であれば理解するように、本明細書で開示される正のブースト技術は、2バンクメモリに限定されず、任意の数のメモリバンクを有するマルチバンクメモリシステムに適用することができる。メモリバンク195、196の各々は、複数のビットセルの列を含み、各列は、ビット線及び相補ビット線を有し、メモリバンクの各々は、複数のワード線によって横断される。ビット線及び相補ビット線190、191は、各々が4つの対を有するものとして示されており、所与のメモリバンクは、任意の適切な数の列に対応する任意の適切な数のビット線対を含み得ることが理解される。
【0019】
[0027] マルチプレクサ110を見ると、それはバンクb0 195に対応し、ビット線対190を、データ入力wdin、wdin_n並びに感知ノードq_b0及びqb_b0に多重化する。同様に、マルチプレクサ120は、バンクb1 196に対応し、ビット線対191を、データ入力wdin、wdin_n及び感知ノードq_b1、qb_b1に多重化する。この例では、マルチプレクサ110、120の各々は、pre_n(ビット線事前充電)、rm[0:3](読み取り多重化信号)、及びwm[0:3](書き込み多重化信号)を含む3つの信号を受信する。ここで、信号rm及びwmは、4つの列の中から選択するものとして示されており、上述のように、実装形態の範囲は、多重化され得る任意の数の列をサポートすることに留意されたい。
【0020】
[0028] 感知ノード及び相補感知ノードは、感知増幅器113への入力である。更にこの例では、メモリシステム100は、所与の時間にメモリバンク195、196のうちの1つに対して読み取り動作又は書き込み動作のいずれかを実行するが、両方のメモリバンク195、196に対して同時には、動作を実行しない。感知増幅器113は、メモリバンク195、196のうちの1つに対する読み取り動作に応答して、ビット判定を、その個別のバンクに対応する所与の感知ノード対の間の電圧の差に基づかせる。
【0021】
[0029] 書き込み動作は、データソース(図示せず)からgdin、gdin_nに関する差分データを受信することを含んでもよい。書き込みドライバ130は、差分データの電圧レベルを、メモリバンク195、196への書き込みに適合するレベルに一致させる。電圧レベルがシフトされたデータwdin、wdin_nは、マルチプレクサ110、120に送られる。マルチプレクサ110、120のうちの1つは、そのそれぞれのメモリバンク195、196にデータを書き込むために、信号wmによって選択される列を有する。例えば、マルチプレクサ110に関して、4つのwm信号[0:3]があり、3つの選択されていない列はデジタル値0に対応し、1つの選択された列はデジタル値1に対応する。マルチプレクサ120についても同様である。
【0022】
[0030] 本明細書で説明される実装形態は、正にブーストされた電圧を、列インバータ111、112の電力ノードに印加し、その結果、書き込み多重化(wm)信号のブーストされた電圧を生じさせるものである。列インバータ111、112は、wm信号を、それぞれのマルチプレクサ110、120に提供する。
【0023】
[0031] 同様に、書き込みドライバ130は、デジタル0である差分データ部分のうちの1つに、負のブーストを提供する。書き込み多重化信号の正のブーストと、データの負のブーストとは、協働して、メモリバンク195、196が経験する書き込みマージンを増加させる。次に、ブースト回路140、150について説明する。
【0024】
[0032] ここで、gdin_nが1であり、gdinが0である例を考える。回路151は、キャパシタC0を使用することによって、vss_boostを0-Δv1まで低下させる。トランジスタM0のゲートに、1を印加することにより、ノードvss_boostにおける電圧を、接地レベルに低下させる。gbl_coupling_intの値である1が、直列インバータ151に印加されて、boost_intも1となる。次いで、トランジスタM0がオフにされ、それによって、boost_intノードが、1から0になる。これにより、容量結合を使用して、ノードvss_boostにおいて更なる負電圧を印加することが可能になり得る。
【0025】
[0033] ブースト回路150の動作を、
図2に関して更に説明する。上述したように、この例では、gdin_nは、1であり、gdinは、0である。トランジスタM5は、トランジスタM2と同様にオンであり、トランジスタM3及びM4は、両方ともオフである。したがって、wdin_nは、vss_boostに進み、wdinは、VDDに進む。ここで、vss_boostが、実際にVss(例えば、接地レベル)よりも低い場合、2つのデータ線wdin、wdin_nの間の電圧レベル差は、VDDよりも大きく、これは、より高い書き込みマージンにつながると予想され得る。
【0026】
[0034] しかしながら、負のブーストを印加することは、トランジスタM4のソース電圧を低下させ得るが、その場合には、M4をリークさせることとなり得る。このリークゆえに、vss_boostをある負の電圧レベルよりも低くすることは、望ましくないものとなり得る。実際、リークの増加は、望ましくない電力使用を引き起こすだけでなく、場合によっては、書き込みマージンを劣化させる可能性がある。したがって、本明細書の様々な実装形態は、望ましくないレベルのリークをもたらさないと予想される負の電圧ブーストに見合ったサイズのキャパシタC0を使用し得る。書き込みマージンが更に改善され得る程度まで、その改善は、マルチプレクサ110、120において正の電圧ブーストを適用するなど、負の電圧ブーストを増加させない技法を通じてもたらされ得る。
【0027】
[0035]
図1に戻ると、ブースト回路140は、両方のマルチプレクサ110、120において、正のブーストを書き込み多重化信号wmに適用する。正のブーストは、キャパシタC1によって、wm信号の電圧を、vddhx+Δv2に増加させる。一例では、wm_boostは0で開始し、これはトランジスタM1をオンにし、vddhxをキャパシタC1のボトムノード及びインバータ111、112の電力ノードに印加する。wm_boostの値0が、直列インバータ141を介して、キャパシタC1の上部ノードに印加される。トランジスタM1がオンになると、wmの電圧の電位は、vddhxまで上昇する。そうなると、wm_boostは1になり、キャパシタC1の上部ノードに1を印加し、これは、vddhx_wmの電圧に正のブーストを加え、wmが、正にブーストされたvddhx_wmに達することを可能にする。正のブースト(Δv2)は、任意の適切な値であってもよく、場合によっては、50~100mVであってもよい。正のブーストの大きさは、所望のΔv2に見合ったキャパシタC1の静電容量を選択することによって、影響され得る。
【0028】
[0036]
図3は、一実装形態による、書き込みマルチプレクサ110のための例示的なアーキテクチャを示す図である。書き込みマルチプレクサ110は、この例では、4つの異なる列の間で多重化を行い、各列はビット線の対を含む。例えば、列インバータ111[0]に関連付けられた列は、bl[0]及びblb[0]を含み、ここで、bl及びblbは相補ビット線を表す。同様に、列インバータ111[1]は、インデックス[1]を有する相補ビット線に関連付けられ、列インバータ111[2]は、インデックス[2]を有する相補ビット線に関連付けられ、列インバータ111[3]は、インデックス[3]を有する相補ビット線に関連付けられる。所与の列は、その個々のwm_nにおいてデジタル0を印加することによって、書き込みのために選択され得るが、それは、インバータ111の電力ノードに印加される電圧によって決定される電圧レベルにおいて、デジタル1に反転される。
【0029】
[0037]
図4は、[0]のインデックスを有する、
図3からの列を示す図である。この例では、他の列[1:3]も同様に動作するので、列[0]の説明は、列[1:3]にも同様に適用されるということが理解される。
【0030】
[0038] 書き込み動作が開始する前に、ビット線対の両方のビット線は、プリチャージ回路401によって、VDDに充電される。pre_n信号が、0であるとき、それは、プリチャージ回路401のp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタをオンにし、それによって、ビット線bl[0]、blb[0]を、VDDに充電する。プリチャージ信号pre_nは、オフにされる(デジタル1になる)得るが、それによって、プリチャージ回路401のPMOSトランジスタをオフにし、ビット線対が充電状態にとどまることを可能にする。また、種々のトランジスタP0、P2、N1,N3は、オフである。
【0031】
[0039] 列[0]が関わる書き込み動作中、列内のビット線の一方は放電され、ビット線の他方は充電されたままであり、関連付けられたメモリセルへの、0又は1のいずれかの書き込みに影響を及ぼす。gdin_nが1であり、gdinが0である上記の例に戻ると、書き込みドライバ130によって、wdinは1(VDD)であり、wdin_nは0である(0V-Δv1に、負にブーストされる)。したがって、NMOSトランジスタN1のソースには、ハイ信号が印加され、NMOSトランジスタN3のソースには、ロー電圧が印加される。
【0032】
[0040]
図1に関して上述したように、ブースト回路130は、正のブーストを提供し、列インバータ111[0]の電力ノードが、vddhx+Δv2の電圧を受信するようにする。この例は、インデックス[0]を有する列が、デジタル0として受信されている書き込み多重化信号wm_n[0]によって選択されると仮定する。インバータ111[0]の出力は、vddhx+Δv2の電圧レベルであり、トランジスタN1及びN3の制御端子(この場合では、ゲート)に印加される。この追加のブーストは、NMOSトランジスタN1及びN3のオン状態の強度を増加させる。トランジスタN1及びN3がオン状態にあると、wdin_nは、負にブーストされた低電圧にあり、blb[0]を放電する。同様に、wdinは高電圧であるので、bl[0]は充電されたままである。
【0033】
[0041] NMOSトランジスタN1及びN3がオン状態の時の追加的強度により、blb[0]は、トランジスタN3がvddhxだけに充電された場合よりも、迅速に放電することができる。また、オン状態の追加的強度は、wdinとbl[0]との間の電荷移動を可能にし、これは、2つのビット線どうしの間の電圧レベル差を更に増加させる。具体的には、上記の増加がなければ、N1の閾値電圧は、bl[0]電圧を、VDDから閾値電圧を引いたものにし得る。しかし、N1におけるより高いゲート電圧は、wdinからbl[0]への電荷移動を可能にし、それによって、bl[0]の電圧を、そのような電荷移動がない場合よりも高くする。これらの効果が合わさって、
図1のメモリシステム100の書き込みマージンを増加させるのに役立つ。
【0034】
[0042] PMOSトランジスタP0及びP2は、読み取り動作に関連付けられ、例示的な書き込み動作中には、オフのままである。上記の例は、wdinが1であり、wdin_nが0である例示を提供したが、相補データ値が、別の書き込み動作で書き込まれるときには、wdinが0であり、wdin_nが1であることになり、bl[0]を放電させることになる。強化されたオン状態の効果は、その動作に対しても改善された書き込みマージンを提供する。
【0035】
[0043]
図5は、一実装形態による、例示的なブースト回路140を示す図である。
図5の例では、ブースト信号wm_boostは、書き込みマスキング動作中に印加されないようにゲート制御され得る。
図5のブースト回路140は、
図4に示されるものと実質的に同じである。ANDゲート501が追加されるが、ANDゲート501は、wm_boostを受信するように構成された第1の入力と、bit_maskを受信するように構成された第2の入力と、ブースト回路140内のM1のゲートに結合された出力と、を有する。
【0036】
[0044] この例では、書き込み多重化信号はグローバルであり、したがって、列のうちのいくつかがマスキング動作中に無効にされても、書き込み多重化信号は、それらの無効にされた列に依然として印加される。これは、いくつかのアプリケーションにおいて、信号ノイズマージン問題ならびに電力消費問題につながり得る。したがって、
図5の実装形態は、ビットマスク信号bit_maskが適用されてマスキング動作を引き起こすときはいつでもブースト動作を無効にするための、ANDゲート501を含む。換言すれば、ANDゲート501は、ビットマスク動作が進行中である場合には、デジタル1の出力を有する。そのようなブーストゲーティングは、上述の信号ノイズマージン問題及び電力消費問題を、防止又は低減し得る。
【0037】
[0045]
図6は、一実装形態による、メモリシステム100によって実行される例示的な書き込み動作のタイムラインを示す図である。
図6は、2つの異なるシナリオどうしを比較する。第1のシナリオは、「ケース1」と呼ばれ、ブースト回路150に起因する負のブーストが適用されるが、ブースト回路140に起因する正のブーストは適用されないと仮定する。第2のシナリオ「ケース3」は、負のブーストと正のブーストとの両方が適用されると仮定する。
【0038】
[0046] 時間T1において、書き込み動作は、書き込み多重化信号wm[0]が、「高」になり、インデックス[0]に関連付けられた列を選択することによって開始される。時間T2において、ワード線がアサートされ、書き込み多重化信号wmに対するブーストが開始する(ケース3のみ)。時間T3において、blbは放電し始め、約125mVのブーストが、ブースト回路140によって達成される(ケース3のみ)。ブーストは、上でより詳細に説明されたように、NMOSトランジスタのオン状態の強度を増加させ、それによって、blbがより迅速に放電することを可能にする。時刻T4において、boost_int信号がローになるので、負のブーストも適用される。その結果、blbは、ケース1では596mV、ケース3では677mVの電圧レベル差を生成するのに十分に放電する。ケース3は、blbに対するより迅速な放電を含むだけでなく、ケース1で見られるよりも大きなビット線どうしの間の電圧差も含む。
【0039】
[0047] 時刻T5において、ワード線がデアサートされる。書き込みマルチプレクサ信号wm[0]は、時間T6においてデアサートされ、blbは、そのデフォルト充電状態に戻り始める。
【0040】
[0048]
図7は、一実装形態による、3つの異なるケースについてのミリボルト単位のノイズマージンを示す表である。
図7の表は、
図1に示されるアーキテクチャの1つの実装のシミュレーションによって得られた。
図7において、ケース1及びケース3は、
図6に関して上述したものと同じである。ケース2は、書き込みマルチプレクサの正のブーストが存在しないものの、書き込みドライバにおける負のブーストが、ケース1のものよりも増加される例示的なケースである。この例では、ノイズマージンは、単に、書き込み動作が指定された時間枠内に実行され、正確であることを含めて、回路が指定された条件内でどれだけ良好に動作するかの尺度である。
【0041】
[0049] 平均の列は単に統計的平均であり、シグマの列は標準偏差を表すものである。平均対シグマの比がより高ければ、より良好な性能の指標となる。図から分かるように、ケース2は、ケース1よりも良好なノイズマージンと、良好な平均対シグマ比とを提供するが、その代わりに、書き込みドライバ内のNMOSトランジスタのリークが増加する。ケース3は、ケース1及び2のいずれよりも良好なノイズマージンと、より良好な平均対シグマ比とを含み、ケース2に関連するリーク問題が発生しない。ケース3では、ノイズマージン及び平均対シグマ比が増加しているが、それは、
図6に関して上述したように、ビット線どうしの間の、より速い放電及びより大きい電圧レベル差に起因し得る。
【0042】
[0050] 書き込み動作のための例示的な方法について、
図8に示されるフローチャートを参照して論じる。方法800は、
図1に示したもののようなメモリシステムによって実行され得る。言い換えれば、方法800は、データのビットをメモリバンクに書き込むための少なくとも1つの書き込みマルチプレクサを有する、シングルバンクメモリシステム又はマルチバンクメモリシステムによって実行され得る。
【0043】
[0051] 本方法は、動作810において、書き込みマルチプレクサ内の第1の列で書き込み多重化信号を受信することを含む。書き込み多重化信号wm_nが、列インバータ111で受信される例を
図4に示す。書き込み多重化信号は、制御回路(アドレスデコーダなど、ただし図示せず)又は他の何らかのソースから受信され得る。
【0044】
[0052] 方法は、動作820において、書き込み多重化信号から、ブーストされた書き込み多重化信号を生成することを含む。ブースト回路140が、列インバータ111の電力ノードに正のブーストを印加する例を、
図1に示す。列インバータ111の電力ノードは、ブーストされた書き込み多重化信号に対応する反転出力信号の電圧を決定する。
【0045】
[0053] 動作820は、トグルトランジスタM1を含むキャパシタを充電して、キャパシタC1の上部を放電させ、次いでブースト回路140において充電させることを含み得る。容量結合は、トランジスタM1のドレイン及び列インバータ111の電力ノードにおける電圧をブーストする。書き込み多重化信号は、インバータによって反転されて、ブーストされた書き込み多重化信号を生成する。
【0046】
[0054]
図8には示されていないが、方法800はまた、書き込みドライバ出力において負のブーストを生成することを含み得る。メモリに書き込まれる値に応じて、負のブーストが、wdin、wdin_nのいずれか1つに適用される例を、
図1に示す。負のブーストは、書き込まれるべきビットの値に応じて、トランジスタM0をトグルして、負に充電し、次いで、キャパシタC0の負電荷を、書き込みドライバ出力wdin、wdin_nのうちの1つに放電することを含み得る。
【0047】
[0055] 本方法は、動作830において、ブーストされた書き込み多重化信号を、第1のトランジスタの第1の制御端子(例えば、
図4のトランジスタN1のゲート)と、第2のトランジスタの第2の制御端子(例えば、
図4のトランジスタN3のゲート)とに印加することを含む。この例では、トランジスタN1は、第1の書き込みドライバ出力wdinをビット線bl[0]に結合し、トランジスタN3は、第2の書き込みドライバ出力wdin_nを相補ビット線blb[0]に結合する。その結果、一方のビット線が放電され、他方のビット線は充電されたままであり、ビット線対の両端間に電圧差が生じる。動作840のように、電圧差はデータ値を、メモリバンク内のメモリセルに記憶させてもよい。データ値は、第1の書き込みドライバ出力及び第2の書き込みドライバ出力によって定義され、それら自体は、データ入力(例えば、
図1のgdin、gdin_n)によって定義される。
【0048】
[0056] 上述のように、本方法は、複数のメモリバンクを有するメモリシステム内で実行されてもよく、メモリバンクの各々は、書き込みマルチプレクサに結合されており、各書き込みマルチプレクサは、正のブースト回路と、両方の書き込みドライバ出力とに結合されている。いくつかの例では、1つのメモリバンクのみが、読み取り動作又は書き込み動作中にアクセスされ得る。したがって、後続の書き込み動作は、同じメモリバンク又は異なるメモリバンクに対して実行され得る。いくつかの実装形態では、各マルチプレクサは、それ自体のブースト回路を含み得るが、その場合、ブースト回路140は、マルチプレクサ110、120の各々について複製され得る。更に、様々な実装形態は、単一のメモリバンクのみを使用してもよく、又は3つ以上のメモリバンクを使用してもよい。
【0049】
[0057] 実装形態の範囲は、
図8に関して説明される一連のアクションに限定されない。むしろ、他の実装形態は、1つ又は複数のアクションを追加、省略、再配列、又は変更してもよい。例えば、メモリシステムの動作中、書き込み動作は、第1のメモリバンクに対して又は第2のメモリバンクに対して実行され得、次いで、後続の書き込み動作は、第1のメモリバンク、又は第2のメモリバンク・・・のいずれかに対して実行され得る。書き込み動作は、読み取り動作と共に点在してもよく、又は点在しなくてもよく、動作は必要に応じて繰り返されてもよい。
【0050】
[0058]
図9は、一実装形態による、例示的なSOC900の図である。この例では、SOC900は、半導体ダイ上で実装され、複数のシステム構成要素910~990を含む。具体的には、この例では、SOC900は、4つのプロセッサコア、コア0~コア3を有するマルチコア汎用プロセッサであるCPU910を含む。当然、他の実装形態はCPU910に2つのコア、8つのコア、又は任意の他の適切な数のコアを含み得るので、実装形態の範囲は、任意の特定の数のコアに限定されない。SOC900は、第1のデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)940、第2のDSP950、モデム930、GPU920、ビデオサブシステム960、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)トランシーバ970、及びビデオフロントエンド(video-front-end、VFE)サブシステム980などの、他のシステム構成要素を更に含む。SOC900はまた、構成要素910~980のうちのいずれかのためのシステムRAMとして動作し得るRAMメモリユニット990を含む。例えば、RAMメモリユニット990は、構成要素910~980のうちのいずれかからデータ及び命令を受信することができる。
【0051】
[0059] RAMメモリユニット990は、
図1~
図7に関して上述したようなブースト回路を含み得る。更に、RAMメモリユニット990は、書き込み動作を実行するために
図8の動作を実行してもよい。
【0052】
[0060] 当業者には現時点で理解されるように、目下の特定の適用例に応じて、本開示のデバイスの材料、装置、構成及び使用方法において、また、それらに対して、多くの修正、代替、及び変形を、その範囲から逸脱することなく行うことができる。このことに照らして、本明細書で示され説明された特定の実施形態は、それらのいくつかの例のためにすぎないので、本開示の範囲はそのような特定の実装形態の範囲に限定されるべきではなく、むしろ、以下に添付される特許請求の範囲及びそれらの機能的等価物の範囲と完全に同じであるべきである。
【0053】
[0061] 以下の番号付きの条項において、実装例について説明する。
【0054】
[0062] 条項1.
第1のn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタによって第1の書き込みドライバ出力に結合された第1のビット線と、
第2のNMOSトランジスタによって第2の書き込みドライバ出力に結合された第1の相補ビット線と、
第1のNMOSトランジスタの第1のゲート及び第2のNMOSトランジスタの第2のゲートに結合された出力を有する第1のインバータと、
第1のインバータの電力ノードに結合された第1のブースト回路であって、電源を第1のインバータの電力ノードに結合する第1のトランジスタを含み、第1のインバータの電力ノードと第1のトランジスタとに結合された第1のキャパシタも含む、第1のブースト回路と、
を備える回路。
【0055】
[0063] 条項2.第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、第1のキャパシタが、複数の追加のインバータを介して第1のトランジスタのゲートに結合されている、条項1に記載の回路。
【0056】
[0064] 条項3.第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、第1のトランジスタのゲートが、第2のインバータ及び第3のインバータに結合されており、第3のインバータが、第1のトランジスタのドレインに結合されており、第1のトランジスタのドレインが、第1のキャパシタと第1のインバータの電力ノードとに結合されている、条項1に記載の回路。
【0057】
[0065] 条項4.
第3のNMOSトランジスタによって第1の書き込みドライバ出力に結合された第2のビット線と、
第4のNMOSトランジスタによって第2の書き込みドライバ出力に結合された第2の相補ビット線と、
第3のNMOSトランジスタの第3のゲート及び第4のNMOSトランジスタの第4のゲートに結合された出力を有する第2のインバータと、
を更に備え、
第1のブースト回路が、第2のインバータの電力ノードに結合されており、第1のインバータ及び第2のインバータが、書き込みマルチプレクサ信号によって制御される、条項1~3に記載の回路。
【0058】
[0066] 条項5.
[0067] 第1の書き込みドライバ出力と第2の書き込みドライバ出力とを提供する書き込みドライバ回路に結合された第2のブースト回路であって、書き込みドライバ回路の入力と接地に結合された第2のトランジスタとに結合された第2のキャパシタを含む第2のブースト回路を更に備える、条項1~4に記載の回路。
【0059】
[0068] 条項6.第2のトランジスタのゲートが、第2のインバータ及び第3のインバータに結合されており、第3のインバータが、第2のトランジスタのドレインに結合されており、第2のトランジスタのドレインが、第2のキャパシタと書き込みドライバ回路の入力とに結合されている、条項5に記載の回路。
【0060】
[0069] 条項7.ビットマスク信号とブースト信号とを受信する論理ゲートを更に備え、論理ゲートが、第1のトランジスタのゲートに結合されている、条項1~6に記載の回路。
【0061】
[0070] 条項8.論理ゲートが、ANDゲートを備える、条項7に記載の回路。
【0062】
[0071] 条項9.
第1の複数のビット線を書き込みドライバに結合する第1のマルチプレクサと、
第2の複数のビット線を、書き込みドライバに結合する第2のマルチプレクサと、
第1のマルチプレクサに関連付けられた第1の複数の列インバータに結合され、かつ第2のマルチプレクサに関連付けられた第2の複数の列インバータに結合された、第1のブースト回路と、を備え、
第1のブースト回路が、電源を第1の複数の列インバータの電力ノード及び第2の複数の列インバータの電力ノードに結合する第1のトランジスタを含み、第1のブースト回路が、電力ノードと第1のトランジスタとに結合された第1のキャパシタを更に含む、メモリ。
【0063】
[0072] 条項10.第1のマルチプレクサが、第1のメモリバンクに対応し、第2のマルチプレクサが、第2のメモリバンクに対応し、第1のメモリバンク及び第2のメモリバンクが、マルチバンクメモリシステムに含まれる、条項9に記載のメモリ。
【0064】
[0073] 条項11.第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、第1のキャパシタが、複数の追加のインバータを介して第1のトランジスタのゲートに結合されている、条項9~10に記載のメモリ。
【0065】
[0074] 条項12.第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、第1のトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、複数の直列インバータが、第1のトランジスタのドレインに結合されており、第1のトランジスタのドレインが、第1のキャパシタと、第1の複数の列インバータの電力ノード及び第2の複数の列インバータの電力ノードとに結合されている、条項9~10に記載のメモリ。
【0066】
[0075] 条項13.
書き込みドライバに結合され、書き込みドライバ出力と相補書き込みドライバ出力とを第1のマルチプレクサと第2のマルチプレクサとに提供するように構成された、第2のブースト回路であって、書き込みドライバの入力と接地に結合された第2のトランジスタとに結合された第2のキャパシタを含む、第2のブースト回路を更に備える、条項9~12に記載のメモリ。
【0067】
[0076] 条項14.第2のトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、複数の直列インバータが、第2のトランジスタのドレインに結合されており、第2のトランジスタのドレインが、第2のキャパシタと書き込みドライバの入力とに結合されている、条項13に記載のメモリ。
【0068】
[0077] 条項15.ビットマスク信号とブースト信号とを受信する論理ゲートを更に備え、論理ゲートが、第1のトランジスタのゲートに結合されている、条項9~14に記載のメモリ。
【0069】
[0078] 条項16.論理ゲートが、ANDゲートを備える、条項15に記載のメモリ。
【0070】
[0079] 条項17.メモリシステムにおいて書き込み動作を実行する方法であって、
書き込みマルチプレクサ内の第1の列において、書き込み多重化信号を受信することであって、第1の列が、メモリバンクと通信するビット線及び相補ビット線を含む、受信することと、
書き込み多重化信号から、ブーストされた書き込み多重化信号を生成することと、
ブーストされた書き込み多重化信号を、第1のトランジスタの第1の制御端子と第2のトランジスタの第2の制御端子とに印加することであって、第1のトランジスタが、第1の書き込みドライバ出力をビット線に結合し、第2のトランジスタが、第2の書き込みドライバ出力を相補ビット線に結合する、印加することと、
メモリバンクのメモリセル内にデータ値を書き込むことであって、データ値が、第1の書き込みドライバ出力及び第2の書き込みドライバ出力によって定義される、書き込むことと、
を含む方法。
【0071】
[0080] 条項18.ブーストされた書き込み多重化信号を生成することが、
キャパシタを放電することであって、キャパシタに結合された第3のトランジスタをトグルすることを含み、キャパシタの端子がインバータの電力ノードに結合されている、放電することと、
第3のトランジスタのドレインとインバータの電力ノードとにおいて、キャパシタを充電することと、
インバータを用いて書き込み多重化信号を反転させることと、を含む、条項17に記載の方法。
【0072】
[0081] 条項19.
[0082] 第1の書き込みドライバ出力を負にブーストすることを更に含む、条項17~18に記載の方法。
【0073】
[0083] 条項20.第1の書き込みドライバ出力を負にブーストすることが、
追加のキャパシタを接地に結合する第3のトランジスタをトグルすることと、
追加のキャパシタの負の電荷を、第1の書き込みドライバ出力に容量結合することとを含む、条項19に記載の方法。
【0074】
[0084] 条項21.
複数の列であって、複数の列の各々が、それぞれのメモリビットセルと通信するビット線及び相補ビット線を含む、複数の列と、
書き込みドライバから複数の列への信号を多重化するための手段であって、それぞれのビット線及びそれぞれの相補ビット線を、書き込みドライバに結合する複数のトランジスタを含む、多重化手段と、
多重化手段の複数のトランジスタのゲートに印加される電圧を、正にブーストするための手段と、
を備える回路。
【0075】
[0085] 条項22.複数のトランジスタが、複数のn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタを含み、複数のトランジスタのゲートが、それぞれの列インバータに結合されており、それぞれの列インバータが、電圧を受け取る、条項21に記載の回路。
【0076】
[0086] 条項23.
書き込みドライバからの信号を、負にブーストするための手段を更に備える、条項21~22に記載の回路。
【0077】
[0087] 条項24.書き込みドライバからの信号を負にブーストするための手段が、
書き込みドライバの入力と、接地に結合されたp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタとに結合されたキャパシタを備え、PMOSトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、複数の直列インバータが、PMOSトランジスタのドレインに結合されており、PMOSトランジスタのドレインが、キャパシタと書き込みドライバの入力とに結合されている、条項23に記載の回路。
【0078】
[0088] 条項25.電圧を正にブーストするための手段が、
複数の列に関連付けられた列インバータの電力ノードと、電源に結合されたp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタとに結合されたキャパシタを備え、PMOSトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、複数の直列インバータが、PMOSトランジスタのドレインに結合されており、PMOSトランジスタのドレインが、キャパシタと列インバータの電力ノードとに結合されている、条項21に記載の回路。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 第1のn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタによって第1の書き込みドライバ出力に結合された第1のビット線と、
第2のNMOSトランジスタによって第2の書き込みドライバ出力に結合された第1の相補ビット線と、
前記第1のNMOSトランジスタの第1のゲート及び前記第2のNMOSトランジスタの第2のゲートに結合された出力を有する第1のインバータと、
前記第1のインバータの電力ノードに結合された第1のブースト回路であって、電源を前記第1のインバータの前記電力ノードに結合する第1のトランジスタを含み、前記第1のインバータの前記電力ノードと前記第1のトランジスタとに結合された第1のキャパシタも含む、第1のブースト回路と、
を備える回路。
[C2] 前記第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、前記第1のキャパシタが、複数の追加のインバータを介して前記第1のトランジスタのゲートに結合されている、C1に記載の回路。
[C3] 前記第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、前記第1のトランジスタのゲートが、第2のインバータ及び第3のインバータに結合されており、前記第3のインバータが、前記第1のキャパシタを介して前記第1のトランジスタのドレインに結合されており、前記第1のトランジスタの前記ドレインが、前記第1のキャパシタと前記第1のインバータの前記電力ノードとに結合されている、C1に記載の回路。
[C4] 第3のNMOSトランジスタによって前記第1の書き込みドライバ出力に結合された第2のビット線と、
第4のNMOSトランジスタによって前記第2の書き込みドライバ出力に結合された第2の相補ビット線と、
前記第3のNMOSトランジスタの第3のゲート及び前記第4のNMOSトランジスタの第4のゲートに結合された出力を有する第2のインバータと、
を更に備え、
前記第1のブースト回路が、前記第2のインバータの電力ノードに結合されており、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータが、書き込みマルチプレクサ信号によって制御される、C1に記載の回路。
[C5] 前記第1の書き込みドライバ出力と前記第2の書き込みドライバ出力とを提供する書き込みドライバ回路に結合された第2のブースト回路であって、前記書き込みドライバ回路の入力と接地に結合された第2のトランジスタとに結合された第2のキャパシタを含む第2のブースト回路を更に備える、C1に記載の回路。
[C6] 前記第2のトランジスタのゲートが、第2のインバータ及び第3のインバータに結合されており、前記第3のインバータが、前記第2のトランジスタのドレインに結合されており、前記第2のトランジスタの前記ドレインが、前記第2のキャパシタと前記書き込みドライバ回路の入力とに結合されている、C5に記載の回路。
[C7] ビットマスク信号とブースト信号とを受信する論理ゲートを更に備え、前記論理ゲートが、前記第1のトランジスタのゲートに結合されている、C1に記載の回路。
[C8] 前記論理ゲートが、ANDゲートを備える、C7に記載の回路。
[C9] 第1の複数のビット線を書き込みドライバに結合する第1のマルチプレクサと、
第2の複数のビット線を前記書き込みドライバに結合する第2のマルチプレクサと、
前記第1のマルチプレクサに関連付けられた第1の複数の列インバータに結合され、かつ前記第2のマルチプレクサに関連付けられた第2の複数の列インバータに結合された、第1のブースト回路と、を備え、
前記第1のブースト回路が、電源を前記第1の複数の列インバータの電力ノード及び前記第2の複数の列インバータの電力ノードに結合する第1のトランジスタを含み、前記第1のブースト回路が、前記電力ノードと前記第1のトランジスタとに結合された第1のキャパシタを更に含む、メモリ。
[C10] 前記第1のマルチプレクサが、第1のメモリバンクに対応し、前記第2のマルチプレクサが、第2のメモリバンクに対応し、前記第1のメモリバンク及び前記第2のメモリバンクが、マルチバンクメモリシステムに含まれる、C9に記載のメモリ。
[C11] 前記第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、前記第1のキャパシタが、複数の追加のインバータを介して前記第1のトランジスタのゲートに結合されている、C9に記載のメモリ。
[C12] 前記第1のトランジスタが、p型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備え、前記第1のトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、前記複数の直列インバータが、前記第1のトランジスタのドレインに結合されており、前記第1のトランジスタの前記ドレインが、前記第1のキャパシタと、前記第1の複数の列インバータの前記電力ノード及び前記第2の複数の列インバータの前記電力ノードとに結合されている、C9に記載のメモリ。
[C13] 前記書き込みドライバに結合され、書き込みドライバ出力と相補書き込みドライバ出力とを前記第1のマルチプレクサと前記第2のマルチプレクサとに提供するように構成された、第2のブースト回路であって、前記書き込みドライバの入力と接地に結合された第2のトランジスタとに結合された第2のキャパシタを含む、第2のブースト回路を更に備える、C9に記載のメモリ。
[C14] 前記第2のトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、前記複数の直列インバータが、前記第2のトランジスタのドレインに結合されており、前記第2のトランジスタの前記ドレインが、前記第2のキャパシタと前記書き込みドライバの入力とに結合されている、C13に記載のメモリ。
[C15] ビットマスク信号とブースト信号とを受信する論理ゲートを更に備え、前記論理ゲートが、前記第1のトランジスタのゲートに結合されている、C9に記載のメモリ。
[C16] 前記論理ゲートが、ANDゲートを備える、C15に記載のメモリ。
[C17] メモリシステムにおいて書き込み動作を実行する方法であって、
書き込みマルチプレクサ内の第1の列において、書き込み多重化信号を受信することであって、前記第1の列が、メモリバンクと通信するビット線及び相補ビット線を含む、受信することと、
前記書き込み多重化信号から、ブーストされた書き込み多重化信号を生成することと、
前記ブーストされた書き込み多重化信号を、第1のトランジスタの第1の制御端子と第2のトランジスタの第2の制御端子とに印加することであって、前記第1のトランジスタが、第1の書き込みドライバ出力を前記ビット線に結合し、前記第2のトランジスタが、第2の書き込みドライバ出力を前記相補ビット線に結合する、印加することと、
前記メモリバンクのメモリセル内にデータ値を書き込むことであって、前記データ値が、前記第1の書き込みドライバ出力及び前記第2の書き込みドライバ出力によって定義される、書き込むことと、
を含む方法。
[C18] 前記ブーストされた書き込み多重化信号を生成することが、
キャパシタを放電することであって、前記キャパシタに結合された第3のトランジスタをトグルすることを含み、前記キャパシタの端子がインバータの電力ノードに結合されている、放電することと、
前記第3のトランジスタのドレインと前記インバータの前記電力ノードとにおいて、前記キャパシタを充電することと、
前記インバータを用いて前記書き込み多重化信号を反転させることと、を含む、C17に記載の方法。
[C19] 前記第1の書き込みドライバ出力を負にブーストすることを更に含む、C17に記載の方法。
[C20] 前記第1の書き込みドライバ出力を負にブーストすることが、
追加のキャパシタを接地に結合する第3のトランジスタをトグルすることと、
前記追加のキャパシタの負の電荷を、前記第1の書き込みドライバ出力に容量結合することとを含む、C19に記載の方法。
[C21] 複数の列であって、前記複数の列の各々が、それぞれのメモリビットセルと通信するビット線及び相補ビット線を含む、複数の列と、
書き込みドライバから前記複数の列への信号を多重化するための手段であって、それぞれのビット線及びそれぞれの相補ビット線を、前記書き込みドライバに結合する複数のトランジスタを含む、多重化手段と、
前記多重化手段の前記複数のトランジスタのゲートに印加される電圧を、正にブーストするための手段と、
を備える回路。
[C22] 前記複数のトランジスタが、複数のn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタを含み、前記複数のトランジスタのゲートが、それぞれの列インバータに結合されており、前記それぞれの列インバータが、前記電圧を受け取る、C21に記載の回路。
[C23] 前記書き込みドライバからの前記信号を、負にブーストするための手段を更に備える、C21に記載の回路。
[C24] 前記書き込みドライバからの前記信号を負にブーストするための前記手段が、
前記書き込みドライバの入力と、接地に結合されたn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタとに結合されたキャパシタを備え、前記NMOSトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、前記複数の直列インバータが、前記NMOSトランジスタのドレインに結合されており、前記NMOSトランジスタの前記ドレインが、前記キャパシタと前記書き込みドライバの入力とに結合されている、C23に記載の回路。
[C25] 前記電圧を正にブーストするための前記手段が、
前記複数の列に関連付けられた列インバータの電力ノードと、電源に結合されたp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタとに結合されたキャパシタを備え、前記PMOSトランジスタのゲートが、複数の直列インバータに結合されており、前記複数の直列インバータが、前記PMOSトランジスタのドレインに結合されており、前記PMOSトランジスタの前記ドレインが、前記キャパシタと前記列インバータの前記電力ノードとに結合されている、C21に記載の回路。