(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】広帯域PRN信号形成方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H03K 3/84 20060101AFI20241128BHJP
G01S 7/35 20060101ALI20241128BHJP
G01S 7/36 20060101ALI20241128BHJP
G01S 13/28 20060101ALI20241128BHJP
G01S 19/37 20100101ALI20241128BHJP
【FI】
H03K3/84 Z
G01S7/35
G01S7/36
G01S13/28 210
G01S19/37
(21)【出願番号】P 2024521145
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 RU2021000431
(87)【国際公開番号】W WO2023059216
(87)【国際公開日】2023-04-13
【審査請求日】2024-10-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505315742
【氏名又は名称】トプコン ポジショニング システムズ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003937
【氏名又は名称】弁理士法人前川知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】レオニード ヴィクトロヴィッチ プルト
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ サヤーロヴィチ ボグウディノフ
(72)【発明者】
【氏名】ドミトリー アナトーリエヴィチ ルプツォフ
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-198275(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0055014(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0127992(US,A1)
【文献】特開2005-204304(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0291973(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 3/84
G01S 7/35
G01S 7/36
G01S 13/28
G01S 19/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
擬似ランダム広帯域信号を形成する装置であって、
(a)制御された周波数及び位相を有する数値制御発振器(NCO)並びにPRN符号生成器を各々有し、前記NCOは前記PRN符号生成器に出力されるストロボを生成するように構成され、前記PRN符号生成器は前記ストロボに応答して+1又は-1の新しいシーケンス要素を形成するように構成されるチャンネルセットと、
(b)
(1)複数の重み係数、
(2)複数の重み係数のうちの一つに前記PRN符号生成器の出力を乗算するように構成された複数の乗算器、
(3)複数の前記乗算器の出力信号の合計を出力するように構成された加算器、及び、
(4)前記加算器の出力を低中間周波数(Low-IF)の正弦と余弦で乗算するように構成された
直交出力信号を
有するミキサ、
を有する第1の変調器と、
(c)前記チャンネルセットを制御するように構成されたプロセッサと、
(d)トランシーバがRFフロントエンド及びアンテナを含み、直交信号を受信及び/又は送信するように構成されたトランシーバモジュールと、
(e)前記ミキサの出力と前記トランシーバモジュールとを接続するように構成されたインターフェースと、
を備え、
前記トランシーバモジュールは、前記ミキサから出力され無線周波数に変換された直交信号を送信するように、又は、直交信号を前記アンテナから受信しゼロ又はゼロに近い周波数に変換された直交信号に加算するように、若しくは、前記アンテナから受信してゼロ又はゼロに近い周波数信号に変換された直交信号に置き換えるように構成される、
装置。
【請求項2】
前記インターフェースは直交DACを備え、前記直交DACの入力は前
記ミキサの出力と接続され、前記直交DACの出力は前記RFフロントエンドに接続される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記インターフェースは直交ADCを備え、前記直交ADCの入力は前記RFフロントエンドに接続され、前記直交ADCの出力は前記直交ミキサの出力に加えられる請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記インターフェースは、さらに直交ADC及び直交DACを備え、前記直交ADCの入力及び前記直交DACの出力は前記RFフロントエンドに接続され、前記直交DACの出力からの信号は前記RFフロントエンドの送信部で中間周波数又は無線周波数に変換され、前記RFフロントエンドの受信部でゼロ又はゼロに近い周波数に逆変換され、信号は無線周波数で無線放送アンテナから受信した信号に付加される又は無線放送アンテナから受信した信号を置き換える、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記RFフロントエンドの出力は前記アンテナに送られる請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記RFフロントエンドの入力は前記アンテナに接続される請求項3記載の装置。
【請求項7】
前記RFフロントエンドの前記受信部の入力が前記アンテナに接続される、GNSS受信機の一部である請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の変調器と同様の第2の変調器をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記インターフェースは、さらに直交ADCと直交DACとをさらに備え、前記変調器のうちの一つの前記ミキサの出力はADC出力信号から減算され、前記変調器のうちの別のミキサの出力は前記直交DACを通って前記RFフロントエンドの送信部の部分に接続され、前記RFフロントエンドの前記送信部の出力は送受信アンテナに接続され、前記送受信アンテナは前記RFフロントエンドの受信部にも接続され、前記RFフロントエンドの前記受信部の出力は前記直交ADCに接続される、
レーダーの一部である請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記チャンネルセットにおけるチャンネルの数は前記複数の重み係数における重み係数の数よりも整数倍大きく、前記NCOのクロックレートは前記トランシーバモジュールにおける前記アンテナによって送信及び/又は受信される信号の帯域幅よりも小さい同じ整数である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記インターフェースは、
(1)第2のDACが第1のDACに対して半周期遅延したクロック速度で動作するように構成された前記第1のDAC及び前記第2のDACと、
(2)前記第1の変調器及び前記第2の変調器の前記ミキサの直交出力を変換するように構成された2つの直交入力及び2つの直交出力を有するスプリッタであって、前記直交出力は前記第1のDAC及び前記第2のDACの入力に接続される前記スプリッタと、
(3)前記2つのDACから2つの直交信号をアナログ加算して一つの直交信号を得るモジュールと、
をさらに備え、
前記スプリッタが前記ミキサの前記出力の加算後に2倍のDACクロックレートの信号として成形される信号が生成されるように前記ミキサの前記直交出力を変換し、この信号において、偶数サンプルは一つの変調器の前記ミキサの出力からのサンプルであり、奇数サンプルは他の変調器の前記ミキサの出力であり、
前記アナログ加算モジュールの出力は前記RFフロントエンドに接続され、前記RFフロントエンドの出力は送信アンテナに接続され、且つ、装置全体がローカル測位信号の送信機の一部である、
請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記インターフェース内の前記アナログ加算モジュールは、差動オペアンプを用いて実装される請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記インターフェース内の前記アナログ加算モジュールは、コンバイナを用いて実装される請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の変調器と同様の変調器をさらに備え、前記変調器の前記ミキサの出力は直交加算器に入力され、及び、前記直交加算器の出力は前記インターフェースに入力される
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
航法チャンネルが前記チャンネルセットの一つとして使用できる請求項1記載の装置。
【請求項16】
擬似ランダム広帯域信号を形成する方法であって、
チャンネルセットのそれぞれに関連付けられた複数のNCOの周波数及び位相を制御し、
前記複数のNCOのうちの一つによって、PRNコード生成器に出力されるストロボを生成し、
PRNコード生成器によって、ストロボに応答して+1又は-1の新しいシーケンス要素を形成し、
複数の乗算器のうちの一つによって、複数の重み係数のうちの一つをPRN符号生成器の出力に乗算し、
加算器から、前記複数の乗算器の出力信号の合計を出力し、
直交出力信号を持つミキサによって、前記加算器の出力に低い中間周波数の正弦と余弦を乗算し、
トランシーバモジュールによって直交信号を受信し、
前記トランシーバモジュールによって直交信号を送信する、
ことを含み、
前記トランシーバモジュールは、無線周波数に変換された前記ミキサから出力された前記直交信号を送信し、及び、前記直交信号
をアンテナから受信してゼロ又はゼロに近い周波数に変換された直交信号に加算する、又は、前記アンテナから受信してゼロ又はゼロに近い周波数信号に変換された直交信号に置き換える
、
方法。
【請求項17】
前記方法の各ステップは、前記トランシーバモジュール又は前記トランシーバモジュールの送信距離内に位置する送信機のいずれからの不要信号を軽減し、前記不要信号は前記アンテナからの航法信号と共に受信される請求項16
に記載の方法。
【請求項18】
前記方法の各ステップは前記アンテナから受信された信号とローカルで生成された信号とを含む結合信号を形成し、該結合信号はGNSS受信機によってGNSS受信機の位置を取得するために処理され、該結合信号は衛星信号の受信と同時に受信機のRFフロントエンドを較正するための較正信号として処理されることを特徴とする請求項16
に記載の方
法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、信号を生成するための方法及び装置に関し、特に、様々な用途のための広帯域擬似ランダムノイズ信号の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用途の航法機器には、衛星信号を受信するための衛星航法受信機が含まれることが多い。衛星信号は、受信機の位置をある程度の精度レベルで決定するために利用することができる。これらの航法機器は、追加の航法信号を生成するための追加のハードウェアモジュールで拡張されることが多い。これら追加の航法信号は、受信した航法信号と同様のものとすることができ、受信した航法信号の較正や修正等の実行に使用される。また、追加の航法信号は、受信した航法信号に基づく位置決定の精度を高めるための拡張した航法信号として使用することもできる。従って、生成された信号は、受信RFフロントエンドの較正のため、受信信号からの妨害信号(自身又はは近くに位置する送信機から)の減算のため、他の受信機のローカル測位のため、mm波レーダーのため等に使用することができる。上述のアプリケーションは、通常、同じ機器に実装されるが、アプリケーションは、通常、同時に使用及び/又は動作されることはない。一般的に、生成された追加の航法信号は、広帯域の擬似ランダムノイズ(「PRN」)信号である。
【0003】
生成された追加の航法信号が、不要なエコー信号を打ち消すため又は符号分割多元接続(「CDMA」)の場合の遠近問題を解決するために、受信した信号から減算される減算信号として使用される場合、減算信号は、振幅、搬送波位相及び符号位相において正確に調整されるべきである。この減算信号の正確な調整は、生成された追加の航法信号が減算動作によって軽減されるように、受信された不要な信号にできるだけ近く合成されるように行われる。既知のコードシーケンスに基づくPRNであるダイレクトシーケンスCDMA(「DS-CDMA」)信号の場合、信号形状の正確な表現は、受信信号が通過するRFフロントエンドのエンドツーエンド特性の再現を意味する。通常、これはローパスフィルタ(LPF)である。
【0004】
他のケースでは、CDMA信号がグローバル又はローカル測位のために生成された追加の航法信号である場合、生成された信号は、異なる振幅、チップレート及びサブキャリアを持つ異なるPRNコードに基づくいくつかの信号の合計として提示されることができる。
【0005】
異なるコードの和として生成される航法信号が知られている。例えば、ガリレオ複合二進オフセットキャリア(「CBOC」)は、異なるコードの合計として生成される衛星信号である。CBOC信号のいくつかの成分は、他の成分よりも大きな振幅で送信される。このようなCBOC信号を生成する装置の特徴は、信号レベルの全遷移の局面を引き起こす単一の数値制御発振器(「NCO」)の利用可能性である。言い換えれば、追加された信号成分は、すべて同じ符号位相を持つ。この装置は、任意の値を使用して位相を調整することはない。このような装置は、受信信号から減算するための信号を生成するために使用することはできず、その結果、妨害信号を弱めるために使用することができない。
【0006】
PRN生成器の出力における補間器の助けを借りて、正確に生成された先頭部分を持つ符号位相を得るための既知の方法及び装置は、上述の方法に類似している。補間器は、トランスバーサルフィルタのバンクである。発生器の出力でマルチレベル信号を補間するために、補間器内のすべての乗算演算は複数桁である。望ましくない信号を減算する場合のこの実装の利点は、信号の品質表現である。主な欠点は、一般的にマイクロチップ内で多くの領域を使用する補間器のコストが比較的高いということである。さらに、追加された補間器は、ローカル測位システム用の合成信号の生成には使用できない。マルチレベルの合成信号を生成するためには、上記のような装置を組み合わせる必要があり、追加のハードウェアの費用が必要となることがある。
【0007】
遠近問題を解決するもう一つの方法は、受信信号から不要な信号のコピーを減算することである。このような減算は、相関器の出力で行われる。減算された値は、すべての可能な符号位相とドップラーオフセットに対する妨害となる不要信号と、所望の信号の相互相関関数を含むテーブルから取り出される。この方法は、相関結果のレベルに対する干渉の影響を排除することにより、所望の信号を補正することができる。この方法の欠点は、不要信号と所望信号の可能性のある全ての組に対し、大規模なテーブルを保存し適用する必要があることである。ある特定の信号(例えば、まだ発見されていないため、現時点で追跡されていない信号)は、この方法では補正できない。
【0008】
上記の方法及び装置は、広帯域PRN信号の生成に関する問題をある程度解決することができる。しかし、同じ装置で複数の機能を解決するには、膨大なコストがかかる可能性のある追加ハードウェアが必要である。
【発明の概要】
【0009】
一実施形態では、擬似ランダム広帯域信号を形成する装置は、制御された周波数及び位相を有する数値制御発振器(「NCO」)並びに擬似乱数(「PRN」)符号発生器を各々有するチャネルセットを備え、NCOは、PRN符号生成器に出力されるストロボを生成する。PRN符号生成器はストロボに応答して+1又は-1の新しいシーケンス要素を形成する。本装置はまた、複数の重み係数を有する第1の変調器と、重み係数の一つをそれぞれ乗算する複数の乗算器と、複数の乗算器の出力信号の合計を出力する加算器と、加算器の出力に低中間周波数の正弦と余弦を乗算する直交出力信号を有するミキサとを含む。本装置はまた、チャンネルセットを制御するプロセッサと、直交信号を受信及びび/又は送信するトランシーバモジュールと、ミキサの出力とトランシーバモジュールを接続するインターフェースとを含む。
【0010】
一実施形態では、インターフェースは直交DACを備え、直交DACの入力は直交ミキサ出力に接続され、直交DACの出力はRF経路(RF-tract)に接続される。インターフェースは、代わりに、直交ADCを備えることができ、直交ADCの入力はRFフロントエンドに接続され、直交ADCの出力は直交ミキサの出力に加えられる。
【0011】
一実施形態では、直交ADCと直交DACがインターフェースに追加的に含まれ、直交ADCの入力と直交DACの出力はRFフロントエンドに接続され、直交DACの出力からの信号はRFフロントエンドの送信部で中間周波数又は無線周波数に変換され、RFフロントエンドの受信部分でゼロ又はゼロに近い周波数に逆変換され、信号は無線周波数で無線放送アンテナから受信した信号に付加される又は無線放送アンテナから受信した信号を置き換える。
【0012】
一実施形態では、本装置は、ローカル測位信号の送信機若しくは受信機の一部又ははGNSS受信機の一部とすることができる。
【0013】
擬似ランダム広帯域信号を形成する方法もここに開示される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態による広帯域疑似ランダムノイズ(「WPRN」)形成器の概略図である。
【
図2A】
図1に示される、受信信号から第三者の干渉信号を減算するためのローカル測位用のインターフェースの一実施形態の詳細である。
【
図2B】
図1に示される、全地球航法衛星システム(「GNSS」)受信機の較正用のインターフェースの一実施形態の詳細である。
【
図2C】
図1に示される、送信機におけるローカル測位用のインターフェースの一実施形態の詳細である。
【
図2D】
図1に示される、アンテナに信号を送信し、このアンテナ又は別のアンテナからミリレンジレーダーで受信した信号から送信機の近端エコーを減算するインターフェースの一実施形態の詳細である。
【
図3】一実施形態による符号生成器付きチャンネルの特定の使用例である。
【
図4】実施形態による追加構成を含むWPRN形成器である。
【
図5】デジタルコンバイナを含む実施形態のブロック図である。
【
図6】航法受信機に使用するWPRN形成器の概略図である。
【
図7】実施形態によるタイムコードマルチプレクサ及び航法チャンネルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
広帯域擬似ランダムノイズ形成器(WPRN形成器)は、擬似衛星信号による全地球航法衛星システム(GNSS)無線周波数(RF)フロントエンドの較正、ローカル測位用の合成信号の生成、遠近問題を部分的に解決する受信信号からさらに減算した近傍送信機からの信号の送信、トラックの隊列走行(truck-platooning)用信号の生成、ミリレンジレーダー、トータルステーションのプリズム方向探知等を含む複数のタスクを達成するために使用される。
【0016】
一実施形態では、基本的なWPRN形成器は、
(a)符号生成器を有するチャンネルセットであって、各チャンネルがPRN符号生成器並びに制御された周波数及び位相を有するNCOを有し、NCOの出力はPRN符号生成生器に送られるストロボを生成し、PRN符号生成器は受信したストロボに応答して+1及び-1のシーケンスの新しい要素を生成するチャンネルセットと、
(b)
(1)複数の重み係数、
(2)複数のPRN符号生成器のうちの一つの出力に一つの重み係数を乗算する複数の乗算器、
(3)乗算器の出力の合計を出力する加算器、及び、
(4)加算器の出力にゼロに近い中間周波数(低IF)の正弦と余弦で乗算する直交出力をするミキサ、
を有する変調器と、
(c)符号発生器を備えたチャンネルセットを制御するプロセッサと、
(d)RFフロントエンド及びアンテナを含み、直交信号を受信/送信するための送受信装置と、
(e)直交ミキサの出力と、直交信号を受信/送信する送受信装置とを接続するインターフェースと、
を備える。
一実施形態では、WPRN形成器のミキサの出力は、無線周波数に変換された放送直交信号を送信し、及び/又は、ミキサ出力からの直交信号を直交信号によってゼロ若しくはゼロに近い周波数に変換された受信放送信号に加算し、又は、受信されゼロ若しくはゼロに近い周波数に変換された直交信号に置き換える。一実施形態では、チャネルセットのチャネル数は、複数の重み係数における重み係数の数よりも整数倍大きく、NCOのクロックレートは、トランシーバモジュールのアンテナによって送信及び/又は受信される信号の帯域幅よりも小さい同じ整数である。
【0017】
図1は、一実施形態による広帯域擬似ランダムノイズ(「WPRN」)形成器10の概略図を示す。
図1は、CPU100、符号生成器101(1)・・・101(N)付きのチャンネル、コードレート数値制御発振器(CRNCO)102、符号生成器103、データバッファ104、XOR105、PRN符号S106、データ同期信号S107、データS108、データ付き1ビット疑似ランダムシーケンスS109、変調器110、重みマルチプレクサ112(1)・・・112(N)、乗算器ユニット113(1)・・・113(N),115,116、重み係数114(1)・・・114(N)、中間周波数NCO(「IFNCO」)117、余弦ユニット118、正弦ユニット119、余弦変調信号S120、正弦変調信号S121、インターフェース122、RF経路123、アンテナ124、加算器ユニット125、を備えるWPRN形成器10を示す。一実施形態において、デジタル直交ミキサ(すなわち、直交出力を持つミキサ)は、ユニット115、ユニット116、IFNCO117、余弦ユニット118、及び正弦ユニット119を含む。
【0018】
一実施形態では、動作前に、CPU100は、CRNCO102、符号生成器103、データバッファ104、重み係数114(1)・・・114(N)、IFNCO117の中間周波数、及びインターフェース122の符号化率と初期位相を初期化する。
【0019】
CRNCO102は符号化率でストロボを生成する。ストロボは符号生成器103に入力される。符号生成器103は、XOR105に入力されるPRN符号S106を生成する。符号生成器103は、データバッファ104に入力されるデータ同期信号S107を生成する。データバッファ104は、XOR105に入力される信号S108を出力する。データバッファ104から出力された信号S108のデータは、信号S107に従って変更される。必要に応じて、CPU100は、データバッファ104に新たなデータを書き込む。XOR105は、データS109とともに1ビット擬似ランダムシーケンスを出力する。
【0020】
S109(1)・・・S109(N)は、符号生成器101(1)・・・101(N)を有するチャンネルから出力され、変調器110に入力される。変調器110では、信号S109(1)・・・109(N)が重みマルチプレクサ112(1)・・・112(N)の制御入力に入力される。S109がアクティブであれば値-1が出力ユニット112に入力され、そうでなければ値+1が出力ユニット112に入力される。出力ユニット112(1)・・・112(N)の出力は、乗算器113(1)・・・113(N)に入力される。重み係数114(1)・・・114(N)の出力は、乗算器113(1)・・・113(N)に入力される。出力器112の出力と出力器114の出力は乗算器113で乗算され、乗算結果113(1)・・・113(N)が加算される加算器125に入力される。加算器125の出力は乗算器ユニット115と乗算器ユニット116に入力される。
【0021】
IFNCO117は、中間周波数位相を生成し、余弦ユニット118と正弦ユニット119に入力する。余弦ユニット118の出力は乗算器ユニット115に入力される。正弦ユニット119の出力は乗算器ユニット116に入力される。
【0022】
乗算器ユニット115では、加算器ユニット125の出力は、余弦ユニット118の出力で乗算される。すなわち、加算器ユニット125の出力は、余弦ユニット118の出力によって変調される。
【0023】
乗算器ユニット116では、加算器ユニット125の出力は、正弦ユニット119の出力で乗算される。すなわち、加算器ユニット125の出力は、正弦ユニット119の出力によって変調される。一実施形態では、乗算器ユニット115と乗算器ユニット116は、変調器110に配置された直交ミキサとして機能する。乗算器ユニット115の出力は信号S120である。乗算器ユニット116の出力は信号S121である。変調器110の出力からの信号S120と信号S121はインターフェース122に入力される。インターフェース122の出力は、アンテナ124に信号を出力するRFユニット123に入力される。
【0024】
動作中、CPU100は、CRNCO102、データバッファ104、重み係数114(1)・・・114(N)の符号周波数と位相、及び、IFNCO117の周波数と位相を制御する。符号生成器101(1)・・・101(N)を有するチャンネルは、符号信号S106にデータS108を重畳した信号S109(1)・・・S109(N)を生成し、S109は互いに時間(位相)をずらすことができる。
【0025】
変調器110において、信号S109(1)・・・S109(N)は、正又は負の符号が付与され、重み係数114(1)・・・114(N)によってスケーリングされ、余弦ユニット118及び正弦ユニット119で加算及び変調される。
【0026】
この配置により、複雑なマルチレベルの合成信号を生成したり、高度な制御回路及び多数のマルチビットデータの乗算を伴う従来の補完器を使用せずに、フロントを補間及び平滑にすることが可能となる。これらの機能は、いずれもいくつかのNCOを使用して実装され、異なる符号位相と重み係数がプリセットされ、その結果が合計される。重み係数が+1又は-1で乗算されるため、この乗算演算はマルチビット乗算器よりも小さなスペースを占めるコンパクトな乗算器で実装することができます。
【0027】
加算器ユニット125の出力の信号は、正弦及び余弦の乗算によって中間周波数にされる。一実施形態では、この演算はほとんどの解決されるタスクに必要である。
【0028】
解決しようとする問題に応じて、装置にはインターフェース122の異なる実施形態を使用することができる。このような実施形態は、インターフェースを再構成することによって変更することができ、同じ装置を異なる用途に使用することができる。
図2A、2B、2C、及び2Dは、インターフェース122の異なる実施形態を示す。
【0029】
図2Aは、アナログデジタル変換器(「ADC」)205と、加算器ユニット130及び加算器ユニット131を備えるインターフェース122を示す。RFフロントエンド123から、信号はADC205に供給されてデジタル化され、デジタル化された直交信号は加算器ユニット130と加算器ユニット131に入力され、乗算器ユニット115(直交ミキサとも呼ばれる)と乗算器ユニット116(直交ミキサとも呼ばれる)の信号に加算される。加算器ユニット130と加算器ユニット131の出力は、さらなる処理のために信号処理部126(信号プロセッサ)に入力される。このインターフェースの実装は、受信信号から第三者の干渉信号を減算するためにローカル測位に使用することができる。
【0030】
図2Bは、デジタルアナログ変換器(「DAC」)202とADC205を含むインターフェース122を示す。直交ミキサ115及び直交ミキサ116の出力は、DAC202に入力され、RFフロントエンド123の送信部分において中間無線周波数に変換される。その後、出力はRF123の受信部分においてゼロ又はゼロに近い周波数に移り、その信号がアンテナ124からの受信放送無線信号に追加されるか、又はアンテナ124からの受信放送信号に置き換えられる。このような実施形態は、GNSS受信機の較正に適用することができる。いくつかの実施形態では、RFフロントエンドは、GNSS受信機が衛星信号の探索及び追跡を開始する前に較正される。このような実施形態では、較正段階の間、アンテナからの信号は、RFスイッチによって生成された信号に置き換えられる。較正段階の後、RFスイッチはアンテナからの衛星信号のための経路を提供するように再構成される。他の実施形態では、RFフロントエンドは衛星信号の受信と同時に較正される。この実施形態では、比較的弱い電力で生成された信号がアンテナからの信号に加えられる。信号の加算には、コンバイナ、差動オペアンプ、又はその他のRFコンポーネントを使用することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、RFフロントエンド123の送信部によって出力された信号は、較正信号である。較正信号は、いくつかの実施形態では、GNSS航法信号に類似する。いくつかの実施形態では、較正信号は、GNSS航法信号の特性に類似しない特性を有する特定の信号である。いくつかの実施形態では、特定の信号の特性は、較正処理中に周期的に変更される。
【0032】
図2Cは、DAC202を含むインターフェース122を示す。直交ミキサ115及び直交ミキサ116の出力信号は、DAC202を通過し、RF123の送信部分において中間無線周波数に変換される。このような実装は、送信機におけるローカル測位に使用することができる。いくつかの実施形態では、生成された信号の符号位相及び/又は搬送波位相は、マスター送信機の対応する符号位相及び/又は搬送波位相に従って、又は、GNSS参照信号に従って、調整される。他の実施形態では、パラメータは、送信機にローカルに接続されている基準信号に従って調整される。
【0033】
図2Dは、減算器206、DAC202及びADC205を備えるインターフェース122を示す。変調器110(1)からの出力信号は、DAC202を通過し、RF123の送信部分において中間周波数に変換される。別の動作モードも可能である。この別の動作モードでは、放送信号がRF123の受信部分に入力され、そこでゼロ又はゼロに近い周波数に変換されると、その信号はデジタル化され、減算器206において、変調器110(2)からの信号に加算又は減算される。この実装は、信号のアンテナへの送信と、ミリレンジレーダーにおけるこのアンテナ又は別のアンテナから受信した信号から、実装自身の送信機の近端エコーの減算をすることができる。
【0034】
図3は、符号生成器101(1),101(2),101(3),101(4),101(5)を有するチャンネルが信号S109(1),S109(2),S109(3),S109(4),S109(5)を生成する特定の場合を示す。同時に、PRN符号S106(
図1に示す)は、互いにTdeltaだけ相対的に位相シフトされる。Tdeltaは、初期化時にCRNCO102の符号周波数の位相オフセットを指定する際に使用される。重み係数114(1),114(2),114(3),114(4),114(5)は+1の値に等しく設定され、重み係数(6)・・・重み係数(N)は0値に等しい。加算器125の出力では、傾斜したエッジを有するマルチレベルPRN符号が生成される。
【0035】
図4は、追加構成を含むWPRN形成器の一実施形態を示す。一実施形態では、WPRN形成器40は、2つのアンテナ(送信124(1)、受信124(2))、又は、単一の送受信アンテナ124(不図示)を用いて実装することができる。
【0036】
図4に示すように、WPRN形成器40のより複雑な実施形態を組み立てるために、
図1に示される実施形態に以下の構成が加えられる。:デジタルコンバイナ201(1)・・・201(2)、DAC202(1)・・・202(2)、アナログ合算ユニット203、減算器マルチプレクサ204、ADC205、減算器ユニット206、航法受信機207、及びデシメータ208。
【0037】
図4に示す複雑な実施形態では、以下のユニットの数が増加する。:変調器110(1)・・・110(8)、RF経路123(1)・・・123(2)、アンテナ124(1)・・・124(2)、符号生成器101(1)・・・101(N*2)を有するチャンネル。
【0038】
WPRN形成器40は、同期クロック速度CLKsend及びCLKchで動作する。一実施形態では、CLKsendとCLKchは同じ速度とすることができる。CLKchはまた、例えば、CLKsendの2倍(又は2^M倍)遅くすることができる。
【0039】
WPRN形成器40の以下の構成は、クロック速度CLKsendで動作する。:チャンネル符号生成器101(1)・・・101(N*2)、変調器110(1)・・・110(8)、デジタルコンバイナ201(1)・・・201(2)、DAC202(1)・・・202(2)、減算器マルチプレクサ204、及びデシメータ208の一部。WPRN形成器40の以下の構成は、クロック速度CLKchで動作する。:デシメータ208の一部、減算器206、航法受信機207、及びADC205。
【0040】
動作前に、CPU100は、チャンネル符号生成器101(1)・・・101(N*2)、変調器110(1)・・・110(8)、デジタルコンバイナ201(1)・・・201(2)、減算器マルチプレクサ204、デシメータ208、減算器206、航法受信機207、並びにクロックCLKsend及びCLKchの比を調整する。
【0041】
符号生成器101付きチャンネルは信号S109を生成する。符号生成器101(1)・・・101(N)付きチャネルの出力から、信号S109(1)・・・S109(N)は変調器110(1)・・・110(4)に入力され、そこでスケーリングされ、中間周波数にダウンコンバートされる。変調器110(1)・・・110(4)の出力からの信号S120及びS121は、デジタルコンバイナ201(1)に入力され、さらに変換される。デジタルコンバイナ201(1)の出力から、DAC202(1)と減算器マルチプレクサ204の入力に供給される。
【0042】
図1に戻り、様々な実施形態において、インターフェース122は、
(1)DAC202(2)がDAC202(1)に対して半周期の遅延でクロック制御される直交DAC202(1)及び直交DAC202(2)と、
(2)変調器110(1)・・・110(8)のミキサの直交出力を変換し、その直交出力がDAC202(1)とDAC202(2)の入力に接続されている2つの直交入力と2つの直交出力を有するスプリッタ回路と、
(3)スプリッタがアナログ成分別加算モジュールでの加算後にDACダブルクロックレート信号(DACの2倍のクロックレートの信号)として整形された信号が存在するようにミキサの直交出力を生成し、この信号において、偶数サンプルは一方の変調器のミキサの出力信号であり、奇数サンプルは他方の変調器のミキサの出力信号であり、アナログ成分別加算モジュールの出力はRFフロントエンドと接続され、RFフロントエンドの出力は送信アンテナと接続される、一つの直交信号を得るための2つの直交信号用のアナログ成分別加算モジュールと、
を備える。
本装置は、信号のローカル測位送信機の一部である。一実施形態では、スプリッタはデジタルコンバイナ201の一部である。
【0043】
図4に戻り、符号生成器101(N+1)・・・101(N*2)を有するチャンネルの出力からの信号S109(N+1)・・・S109(N*2)は、変調器110(5)・・・110(8)に入力され、そこで変調される。変調器110(5)・・・110(8)の出力から、信号S120,S121は、デジタルコンバイナ201(2)に入力され、そこで変換される。デジタルコンバイナ201(2)の出力から、信号はDAC202(2)及び減算器マルチプレクサ204に入力される。
【0044】
DAC202(1)・・・DAC(2)の出力からの信号は、アナログ合算器203で加算され、さらにRF経路123(1)に入力される。演算増幅器はアナログ合算器203として機能することができる。RF経路123(1)を通過した後、信号は、アンテナ124(1)に送信される。
【0045】
減算器マルチプレクサ204の出力は、デシメータ208に入力される。デシメータ208では、クロック速度CLKsendとCLKchのプリセット比に従って信号はデシメート(decimate)される。デシメータ208からの出力信号は減算器206に入力される。
【0046】
アンテナ124(2)からの信号はRF経路123(2)に入力される。RF経路123(2)を通過すると、その信号はADC205に入力される。ADC205の出力からデジタル化された信号は減算器206に入力される。
【0047】
減算器206では、必要であれば(例えば、CPU100によって割り当てられる)、デシメータ208の出力からの信号は、ADC205の出力からのサンプリングされた信号から減算され、航法受信機207に入力される。航法受信機207では、信号が処理される。
【0048】
一実施形態では、動作中、CPU100は、符号生成器101(1)・・・101(N*2)、変調器110(1)・・・110(8)、デジタルコンバイナ201(1)・・・201(2)、減算器マルチプレクサ204、デシメータ208、減算器206、及び航法受信機207を有するチャンネルを制御する。
【0049】
図5は、デジタルコンバイナ回路を含む一実施形態のブロック図である。一実施形態では、デジタルコンバイナは、デジタルコンバイナ201におけるマルチプレクサ310(1・・・4)、311(1・・・4),306、加算器320,321、減算器330,331、並びに、スプリッタ信号S350,S351,S360,S361及びDAC入力信号S340,S341、を備える。
【0050】
一実施形態では、CPU100は、変調器110(1)・・・110(8)及び減算器マルチプレクサ204を始動及び制御する。動作前に、CPU100はマルチプレクサ310(1)・・・310(4)、マルチプレクサ311(1)・・・311(4)、マルチプレクサ306を調整する。デジタルコンバイナ201(1)とデジタルコンバイナ201(2)は、対になっている。
【0051】
変調器110(1)・・・101(4)の出力からの信号S120及び信号S121は、デジタルコンバイナ201(1)に入力される。変調器110(5)・・・110(8)の出力からの信号S120及び信号S121はデジタルコンバイナ201(2)に入力される。
【0052】
信号S120はマルチプレクサ310(1)・・・310(4)に入力される。マルチプレクサ310(1)・・・310(4)の制御入力の信号がアクティブである場合、出力には信号S120があり、そうでなければ出力には値0がある。マルチプレクサ310(1)・・・310(4)の出力信号は、加算器320に入力され、加算される。加算器320の出力信号は減算器330とマルチプレクサ306に入力される。
【0053】
信号S121はマルチプレクサ311(1)・・・311(4)に入力される。マルチプレクサ311(1)・・・311(4)の制御入力の信号がアクティブである場合、出力には信号S121があり、そうでなければ出力には値0がある。マルチプレクサ311(1)・・・311(4)の出力信号は、加算器321に入力され、加算される。加算器321の出力信号は減算器331とマルチプレクサ306に入力される。
【0054】
信号S350は、対にされたデジタルコンバイナ201からの信号S360である。信号S350は、減算ユニット330及び加算ユニット320に入力される。減算ユニット330では、信号S350は加算ユニット320の出力信号から減算される。減算ユニット330の出力信号は、信号S360である。S360は、マルチプレクサ306の入力に供給され、対をなすデジタルコンバイナ201に供給される。いくつかの実施形態では、デジタルコンバイナ201(1)は、信号S360の遅延を有する。
【0055】
信号S351は、対にされたデジタルコンバイナ201からの信号S361である。信号S351は、減算器331及び加算器321に入力される。減算ユニット331では、信号S351は加算ユニット321の出力信号から減算される。減算ユニット331の出力信号は、信号S361である。信号S361は、マルチプレクサ306に入力され、対をなすデジタルコンバイナ201に入力される。いくつかの実施形態では、デジタルコンバイナ201(1)は、信号S361の遅延を有する。
【0056】
マルチプレクサ306の制御入力の信号が非アクティブである場合、信号S360は出力に供給され、信号S340はS360と等しくなる。
【0057】
マルチプレクサ306の制御入力の信号が非アクティブである場合、信号S361は出力に供給され、信号S341はS361と等しくなる。
【0058】
マルチプレクサ306の制御入力の信号がアクティブである場合、ユニット320の出力信号は出力に供給され、信号S340はユニット320の出力信号と等しくなる。
【0059】
マルチプレクサ306の制御入力の信号がアクティブである場合、加算器321の出力信号は出力に供給され、信号S341は加算器321の出力信号の値をとる。
【0060】
デジタルコンバイナ201(2)の出力からの信号S340,S341は、DAC202(2)及び減算器マルチプレクサ204に入力される。
【0061】
変調器110(1)・・・110(4)の出力から、信号S120,S121は、デジタルコンバイナ201(1)に入力される。デジタルコンバイナ201(1)はデジタルコンバイナ201(2)と同様のモードで動作する。デジタルコンバイナ201(1)の出力から、信号S340,S341は、DAC202(1)及び減算器マルチプレクサ204に入力される。
【0062】
図6は、航法受信機付きWPRN形成器60の複雑な実施形態を用いた一実施形態を示している。この実施形態では、符号生成器101を有するチャンネルの代わりに、航法チャンネル400がある。この実施形態はまた、時間符号マルチプレクサ401(1)・・・401(2)を含む。また、この実施形態では、クロックCLKchはCLKsendの2倍遅い。
【0063】
この実施形態では、航法チャンネル400(1)・・・400(N*4)が信号S109を生成するために使用され、残りの航法チャンネル400(N*4より大きい数からN*4+Kまでの番号。Kは受信する必要のある航法信号の制限量であり、必要な信号を受信するのに十分なチャンネル数である。)は、減算器206から到着する信号を処理する。時間符号マルチプレクサ401(1)・・・401(2)はクロック速度CLKsendで動作する。
【0064】
一実施形態では、動作前に、CPU100は、航法チャンネル400(1)・・・400(N*4)、変調器110(1)・・・110(8)、デジタルコンバイナ201(1)・・・201(2)、減算器マルチプレクサ204、デシメータ208、減算器206、航法受信機207(チャンネル番号がN*4より大きい数からN*4+Kまで)、及びCLKsendとCLKchのクロック速度の比を調整する。
【0065】
この実施形態では、航法チャンネル400(1)・・・400(N*4)は、信号S109(1)・・・S109(N*4)を生成する。航法チャンネル400(1)・・・400(N*2)の出力からの信号S109(1)・・・S109(N*2)は、信号S109が時間的に選択される時間符号マルチプレクサ401(1)に入力される。時間符号マルチプレクサ401(1)の出力は、変調器110(1)・・・110(4)に入力され、そこでスケーリングされ、中間周波数にダウンコンバートされる。変調器110(1)・・・110(4)の出力から、信号S120,S121はデジタルコンバイナ201(1)に入力され、さらに変換される。デジタルコンバイナ201(1)の出力から、それらはDAC202(1)と減算器マルチプレクサ204に入力される。
【0066】
航法チャンネル400(N*2+1)・・・400(N*4)の出力からの信号S109(N*2+1)・・・S109(N*4)は時間符号マルチプレクサ401(2)に入力され、このユニットで信号S109が時間的に選択される。時間符号マルチプレクサ401(2)の出力は変調器110(5)・・・110(8)に入力され、ここでスケーリングされて中間周波数にダウンコンバートされる。変調器110(5)・・・110(8)の出力から信号S120,S121はデジタルコンバイナ201(2)に入力され、さらに変換される。デジタルコンバイナ201(2)の出力から、それらはDAC202(2)と減算器マルチプレクサ204に入力される。
【0067】
DAC202(2)は、DAC202(1)のクロックに対して、半周期遅延したクロックで動作する。
【0068】
DAC202(1)・・・DAC(2)から出力された信号は、アナログ合算器203で加算され、取得された信号はDACのクロックレートの2倍の信号に近い値となってRF経路123(1)に供給される。一実施形態では、演算増幅器がアナログ合算器203として機能することができる。RF経路123(1)は、アンテナ124(1)に入力される信号を出力する。
【0069】
選択されたデジタルコンバイナ201(1)・・・201(2)からの信号は、減算器マルチプレクサ204を通過する。減算器マルチプレクサ204の出力信号は、デシメータ208に入力される。デシメータ208では、CLKsendとCLKchの予め設定されたクロック比に従って信号がデシメートされる。デシメータ208の出力信号は減算器206に入力される。
【0070】
アンテナ信号124(2)は、RF経路123(2)に入力される。RF経路123(2)の後、信号はADC205に入力される。そして、ADC205の出力からサンプリング(デジタル化)された信号は、減算器206に入力される。減算器206では、CPU100が割り当てた場合、デシメータ208の出力信号は、ADC205の出力からのサンプリングされた信号から減算され、航法受信機207の入力に供給され、そこで処理される。
【0071】
一実施形態では、動作中、CPU100は、航法チャンネル400(1)・・・400(N*4)、変調器110(1)・・・110(8)、デジタルコンバイナ201(1)・・・201(2)、減算器マルチプレクサ204、デシメータ208、減算器206、及び航法受信機207(チャンネル400の数はN*4より大きい数からN*4+Kまで)を制御する。
【0072】
図7は、実施形態による時間符号マルチプレクサと航法チャンネルの概略図である。この実施形態では、符号生成器101を有するチャンネルの代わりに航法チャンネル400が使用される。クロックCLKchは、CLKsendの2倍遅い。この実施形態は、マルチプレクサ500、時間制御マルチプレクサ501、CRNCO502、符号生成器503、二次符号バッファ504、XOR505、PRN符号信号S506、データ同期信号S507、二次符号信号S508、データ付き1ビット擬似ランダムシーケンスS509、積分期間カウンタ510、航法チャンネル中間周波数NCO511、及び相関器512を備える。二次符号バッファ504は、データの転送を通じて二次符号信号S508を生成するために使用される。一実施形態では、二次符号バッファ504はデータバッファ104として使用される。
【0073】
一実施形態では、CPU100は、変調器110(1)・・・100(4)及び減算器206を起動し制御する。動作前に、CPU100は、航法チャネル400(1)・・・400(N*2)の次のユニットを初期化する。CRNCO502の符号周波数及び初期位相、符号生成器503、及び、二次符号バッファ504。一実施形態では、動作中、航法チャンネル400(1)・・・400(N*4)では、次のユニットは使用されない。積分期間カウンタ510、航法チャンネル中間周波数NCO511、及び相関器512。一実施形態では、動作前に、CPU100は、航法チャンネル(N*4より大きい数からN*4+Kまで)を初期化し、動作中に、CPU100は、航法チャンネル400を制御する。
【0074】
CRNCO502は、符号生成器503に入力される符号周波数を生成する。符号生成器503はPRN符号S506を形成し、これはXOR505に入力される。符号生成器503は、データ同期信号S507を生成し、これを二次符号バッファ504に入力する。二次符号信号S508は、二次符号バッファ504から出力され、XOR505に入力される。二次符号バッファ504の出力における二次符号信号S508は、信号S507に従って変更される。CPU100は、追加で新しいデータを二次符号バッファ504に書き込んでもよい。データS509付きの1ビットの疑似ランダムシーケンスは、XOR505から出力される。
【0075】
一実施形態では、信号S509は信号S109と同じである。航法チャンネル400(1・・・N*4)からの信号S109は、時間符号マルチプレクサ401(1)及びマルチプレクサ500の入力に供給される。信号S109(S509)はクロックCLKchで生成される。時間符号マルチプレクサ401(1)は、CLKchの2倍のCLKsendで動作する。時間制御マルチプレクサ501は、その出力に、クロックCLKsendの各クロックパルスで変化する蛇行信号を生成する。時間制御マルチプレクサ501の出力信号は、マルチプレクサ500の制御入力に入力される。マルチプレクサ500の制御入力の状態が非アクティブの場合、信号S109(1)・・・S109(N)が出力され、そうでなければ、信号S109(N+1)・・・S109(N*2)が出力される。ユニット401(1)の出力からの信号は変調器110(1)・・・110(4)に入力される。航法チャンネル400(N*4より大きい数からN*4+Kまで)は、減算器206の出力からの信号を処理する。
一実施形態では、擬似ランダム広帯域信号を形成する方法は、チャンネルセットの各一つにそれぞれ関連する複数のNCOの周波数及び位相を制御するステップと、複数のNCOの一つによってPRN符号生成器に出力されるストロボを生成するステップと、PRN符号生成器によってストロボに応答して+1又は-1の新しいシーケンス要素を形成するステップと、複数の乗算器の一つによって複数の重み係数の一つをPRNコード生成器の出力で乗算するステップと、加算器から複数の乗算器の出力信号の合計を出力するステップと、直交出力信号を有するミキサによって加算器の出力に低中間周波数の正弦及び余弦を乗算するステップと、トランシーバモジュールによって直交信号を受信するステップと、トランシーバモジュールによって直交信号を送信するステップと、を備え、トランシーバモジュールは、ミキサから出力され無線周波数に変換された直交信号を送信し、アンテナから受信されゼロ又はゼロに近い周波数に変換された直交信号に直交信号を加算するか、アンテナから受信されゼロ又はゼロに近い周波数に変換された直交信号を置き換える。本方法の一実施形態では、本方法のステップは、アンテナからの航法信号とともに受信され、トランシーバモジュール又はトランシーバモジュールの送信距離内に位置する送信機の一方からの不要信号を軽減する。本方法の一実施形態では、本方法のステップは、アンテナから受信された信号とローカルに生成された信号とを含み、GNSS受信機の位置を取得するためにGNSS受信機によって処理され、衛星信号の受信と同時に受信機RFフロントエンドを較正するための較正信号として処理される、結合信号を形成する。
【0076】
上記の詳細な説明は、あらゆる点で非限定的であり、例証的かつ例示的なものであることを理解されたい。本明細書に開示される本発明の範囲は、詳細な説明からではなく、特許法によって許容される最も広い範囲に従って解釈される請求項から判断されるべきである。本明細書に記載かつ示された実施形態は、本発明の原理を例示するものにすぎず、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者が種々の変更を実施し得ることを理解されたい。当業者であれば、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な他の特徴の組み合わせを実施することが可能であろう。