(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20241129BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G06Q10/087
B65G1/137 B
(21)【出願番号】P 2023204468
(22)【出願日】2023-12-04
【審査請求日】2023-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501156350
【氏名又は名称】株式会社ベイビッグ
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】大浦 覚
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-014593(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0142639(US,A1)
【文献】特開2018-013976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を管理するための管理システムであって、
前記複数の物品の各々に保持される複数の第1機器と、
管理装置とを含み、
前記複数の第1機器の各々は、当該第1機器の位置を
ユーザに報知する報知動作を行う報知部を有し、
前記管理装置は、
前記複数の第1機器の
各々に対して、当該第1機器の近傍に位置する1以上の近傍機器を示す情報を保持し、
前記複数の第1機器のうち探索対象の対象機器の指定を受け付けた場合、
前記対象機器の前記1以上の近傍機器の前記報知
部に前記報知動作を行わせる
管理システム。
【請求項2】
前記対象機器の指定を受け付けた場合、前記対象機器の前記報知部と、
前記対象機器の前記1以上の近傍機器の前記報知部とは、互いに異なる態様で前記報知動作を行う
請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記対象機器の前記1以上の近傍機器の各々は、前記対象機器からの距離に応じて、複数のグループのいずれかに分類され、
前記対象機器の前記1以上の近傍機器の前記報知部は、前記対象機器に近いグループから段階的に前記報知動作を行う
請求項1又は2記載の管理システム。
【請求項4】
前記対象機器の前記1以上の近傍機器の各々は、前記対象機器からの距離に応じて、複数のグループのいずれかに分類され、
前記対象機器の前記1以上の近傍機器の前記報知部は、
前記対象機器の前記1以上の近傍機器の各々が属するグループに対応する態様で前記報知動作を行う
請求項1又は2記載の管理システム。
【請求項5】
前記報知部は、発光部を有し、
前記報知動作は発光である
請求項1又は2記載の管理システム。
【請求項6】
前記複数の第1機器の各々は、当該第1機器の識別情報を含む信号を無線送信し、
前記管理システムは、さらに、前記複数の物品のうち、前記対象機器を保持する対象物品を運搬する移動体に保持され、前記信号を受信する第2機器を含み、
前記管理装置は、前記移動体によって運搬された前記対象物品が設置された際に、前記第2機器で受信された前記信号に基づき、前記対象機器の近傍に位置する前記1以上の近傍機器を判定する
請求項1又は2記載の管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、前記第2機器が前記対象機器の前記信号を受信している状態から受信しない状態に変化した場合に、前記対象物品の運搬が終了したと判定する
請求項6記載の管理システム。
【請求項8】
前記第2機器は、加速度センサを備え、前記管理装置は、前記第2機器の前記加速度センサで得られた情報をさらに用いて、前記対象物品の運搬の終了を判定する
請求項7記載の管理システム。
【請求項9】
前記複数の第1機器の各々は、加速度センサを備え、前記管理装置は、前記
対象機器の前記加速度センサで得られた情報をさらに用いて、前記対象物品の運搬の終了を判定する
請求項6記載の管理システム。
【請求項10】
前記第2機器は、加速度センサを備え、前記管理装置は、前記第2機器の前記加速度センサで得られた情報をさらに用いて、前記対象物品の運搬の終了を判定する
請求項9記載の管理システム。
【請求項11】
前記管理装置は、前記第2機器が前記対象機器の前記信号を受信している状態が予め定められた時間継続する場合に、前記対象物品の運搬が開始されたと判定する
請求項6記載の管理システム。
【請求項12】
前記管理装置は、前記対象物品の運搬が開始されたと判定した場合、前記複数の第1機器のうち前記対象機器以外の機器の近傍機器から前記対象機器を除外する
請求項11記載の管理システム。
【請求項13】
複数の物品を管理するための管理システムにおける管理方法であって、
前記管理システムは、
前記複数の物品の各々に保持される複数の第1機器と、
前記複数の第1機器を管理する管理装置とを含み、
前記複数の第1機器の各々は、当該第1機器の位置を
ユーザに報知する報知動作を行う報知部を有し、
前記管理装置は、前記複数の第1機器の
各々に対して、当該第1機器の近傍に位置する1以上の近傍機器を示す情報を保持し、
前記管理装置は、
前記複数の第1機器のうち探索対象の対象機器の指定を受け付けた場合、
前記対象機器の前記1以上の近傍機器の前記報知
部に前記報知動作を行わせる
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を管理するための管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の位置を管理する方法として、特許文献1には、発振装置から電磁波により探索対象物に取り付けられたタグを発光させる探索システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシステムでは、物品の探索を容易に行えることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、物品の探索を容易に行える管理システム又は管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る管理システムは、複数の物品を管理するための管理システムであって、前記複数の物品の各々に保持される複数の第1機器と、管理装置とを含み、前記複数の第1機器の各々は、当該第1機器の位置を報知する報知動作を行う報知部を有し、前記管理装置は、前記複数の第1機器のうち、前記複数の第1機器に含まれる対象機器の近傍に位置する1以上の近傍機器を示す情報を保持し、前記対象機器の指定を受け付けた場合、前記対象機器の前記報知部と、前記1以上の近傍機器の前記報知部とに前記報知動作を行わせる。
【0007】
これによれば、指定された対象機器に加え、対象機器の近傍に位置する近傍機器においても報知動作が行われる。よって、ユーザは、容易に対象物品を探索できる。
【0008】
例えば、前記対象機器の指定を受け付けた場合、前記対象機器の前記報知部と、前記1以上の近傍機器の前記報知部とは、互いに異なる態様で前記報知動作を行ってもよい。
【0009】
これによれば、ユーザは、対象機器と、近傍機器とを容易に判別できる。
【0010】
例えば、前記1以上の近傍機器の各々は、前記対象機器からの距離に応じて、複数のグループのいずれかに分類され、前記1以上の近傍機器の前記報知部は、前記対象機器に近いグループから段階的に前記報知動作を行ってもよい。
【0011】
これによれば、効率的な報知が可能になる。
【0012】
例えば、前記1以上の近傍機器の各々は、前記対象機器からの距離に応じて、複数のグループのいずれかに分類され、前記1以上の近傍機器の前記報知部は、前記1以上の近傍機器の各々が属するグループに対応する態様で前記報知動作を行ってもよい。
【0013】
これによれば、対象機器からの距離を示す報知が可能になる。
【0014】
例えば、前記報知部は、発光部を有し、前記報知動作は発光であってもよい。
【0015】
これによれば、指定された対象機器に加え、対象機器の近傍に位置する近傍機器においても発光が行われる。よって、ユーザは、容易に対象物品を探索できる。
【0016】
例えば、前記複数の第1機器の各々は、当該第1機器の識別情報を含む信号を無線送信し、前記管理システムは、さらに、前記複数の物品のうち、前記対象機器を保持する対象物品を運搬する移動体に保持され、前記信号を受信する第2機器を含み、前記管理装置は、前記移動体によって運搬された前記対象物品が設置された際に、前記第2機器で受信された前記信号に基づき、前記対象機器の近傍に位置する前記1以上の近傍機器を判定してもよい。
【0017】
これによれば、簡易な構成で近傍機器を判定できる。
【0018】
例えば、前記管理装置は、前記第2機器が前記対象機器の前記信号を受信している状態から受信しない状態に変化した場合に、前記対象物品の運搬が終了したと判定してもよい。
【0019】
これによれば、電波強度を用いて簡易な構成で運搬の終了を判定できる。
【0020】
例えば、前記第2機器は、加速度センサを備え、前記管理装置は、前記第2機器の前記加速度センサで得られた情報をさらに用いて、前記対象物品の運搬の終了を判定してもよい。
【0021】
これによれば、運搬の終了の判定の精度を向上できる。
【0022】
例えば、前記複数の第1機器の各々は、加速度センサを備え、前記管理装置は、前記複数の第1機器の各々の前記加速度センサで得られた情報をさらに用いて、前記対象物品の運搬の終了を判定してもよい。
【0023】
これによれば、運搬の終了の判定の精度を向上できる。
【0024】
例えば、前記第2機器は、加速度センサを備え、前記管理装置は、前記第2機器の前記加速度センサで得られた情報をさらに用いて、前記対象物品の運搬の終了を判定してもよい。
【0025】
これによれば、運搬の終了の判定の精度を向上できる。
【0026】
例えば、前記管理装置は、前記第2機器が前記対象機器の前記信号を受信している状態が予め定められた時間継続する場合に、前記対象物品の運搬が開始されたと判定してもよい。
【0027】
これによれば、電波強度を用いて簡易な構成で運搬の開始を判定できる。
【0028】
例えば、前記管理装置は、前記対象物品の運搬が開始されたと判定した場合、前記複数の第1機器のうち前記対象機器以外の機器の近傍機器から前記対象機器を除外してもよい。
【0029】
これによれば、適切に近傍機器を管理できる。
【0030】
また、本発明の一態様に係る管理方法は、複数の物品を管理するための管理システムにおける管理方法であって、前記管理システムは、前記複数の物品の各々に保持される複数の第1機器と、前記複数の第1機器を管理する管理装置とを含み、前記複数の第1機器の各々は、当該第1機器の位置を報知する報知動作を行う報知部を有し、前記管理装置は、前記複数の第1機器のうち、前記複数の第1機器に含まれる対象機器の近傍に位置する1以上の近傍機器を示す情報を保持し、前記管理装置は、前記対象機器の指定を受け付けた場合、前記対象機器の前記報知部と、前記1以上の近傍機器の前記報知部とに前記報知動作を行わせる。
【0031】
これによれば、指定された対象機器に加え、対象機器の近傍に位置する近傍機器においても発光が行われる。よって、ユーザは、容易に対象物品を探索できる。
【0032】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、物品の探索を容易に行える管理システム又は管理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る管理システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る発信器のブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る受信器のブロック図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る管理装置のブロック図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る近傍機器情報の例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る探索処理のフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る発光の様子を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る近傍機器情報の更新処理のフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る移動判定処理のフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施の形態に係る停止判定処理のフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る近傍機器の検出処理の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0036】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0037】
複数の物品を管理する際に、対象物品がどの位置に保管されているかをユーザに通知する方法として、予め複数の物品が保管されている位置を管理する方法がある。例えば、複数の領域の各々に受信器を配置し、複数の物品の各々に発信器を取り付け、発信器からの信号がどの受信器で受信されているかに基づき、複数の物品の位置を管理する方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、複数の受信器を配置する必要があり、導入が容易でないという課題がある。
【0038】
本実施の形態では、複数の物品の具体的な位置情報を管理することなく、対象物品の位置をユーザに通知できるシステムについて説明する。また、この通知を効率的に行うことができるシステムについて説明する。
【0039】
[管理システムの構成]
まず、本実施の形態に係る管理システムの構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る管理システム100の構成を示す図である。この管理システム100は複数の物品の位置を管理し、ユーザにより指定された対象物品の位置をユーザに通知する。
【0040】
管理システム100は、管理装置102と、複数の発信器103と、受信器104とを含む。なお、
図1に示す各要素の数は一例であり、
図1に示す数に限定されない。
【0041】
複数の発信器103の各々は、複数の物品の各々に装着される。受信器104は、物品を運搬する移動体101に搭載(装着)される。なお、受信器104は、移動体101を運転する作業者(ユーザ)に保持(携帯又は装着)されてもよい。また、物品を運搬する移動体101は、フォークリフトに限らない。例えば、移動体は車両又は台車等であってもよい。また、移動体101は、人(作業者)であってもよい。つまり、物品105は人により運搬されてもよい。また、ここでは、1つの移動体101及び受信器104を示すが、管理システム100は、複数の移動体101に搭載された複数の受信器104を含んでもよい。
【0042】
管理装置102は、複数の物品105(発信器103)の位置を管理する。例えば、物品105は、大型機器の部品である。なお、ここで述べる使用用途は一例であり、本実施の形態の手法は、複数の物品を管理する任意のシステムに適用可能である。
【0043】
[発信器の構成]
図2は、発信器103の構成を示すブロック図である。この発信器103は、ID記憶部121と、制御部122と、無線送信部123と、通信部124と、発光部125と、発音部126と、加速度センサ127と、電源部128とを備える。
【0044】
ID記憶部121は、当該発信器103を一意に特定するための情報である発信器ID(発信器識別子)を記憶する。
【0045】
制御部122は、発信器IDを含む検知用信号151を、無線送信部123を介して、無線送信する。例えば、検知用信号151は、予め定められた送信間隔で周期的に送信される。なお、この送信間隔は特に限定されないが、例えば、数秒又は数十秒である。
【0046】
また、制御部122は、加速度センサ127で得られた情報に基づくセンサ情報を含む通知信号153を生成する。例えば、通知信号153は、当該発信器103の発信器IDと、センサ情報とを含む。センサ情報は、例えば、時刻毎に、発信器103が移動しているか停止しているかを示す。なお、センサ情報は、時刻毎に、移動の方向(種類)及び移動の程度を示してもよい。または、センサ情報は、発信器103の状態(移動又は停止)に変化があった時刻を示してもよい。また、通知信号153は、予め定められた時間間隔で定期的に送信されてもよいし、発信器103の移動中のみ定期的に送信されてもよいし、発信器103の状態(移動又は停止)に変化があった場合に送信されてもよい。
【0047】
無線送信部123は、検知用信号151の送信を行う。検知用信号151は、例えば、IEEE802.15.4に準拠する無線信号であり、920MHz帯、950MHz帯又は2.4GHz帯の無線信号である。なお、検知用信号151に、LPWA(Low Power,Wide Area)の無線信号が用いられてもよい。また、検知用信号151は上記以外の任意の方式の無線信号であってもよい。
【0048】
通信部124は、管理装置102と通信を行う。なお、発信器103と管理装置102との通信方法は、特に限定されないが、例えば、公衆電話網、インターネット回線(無線或LAN、又はWi-Fi(登録商標)等を含む)、又は、独自の無線ネットワーク等を用いることができる。通信部124は、管理装置102へ通知信号153を送信する。また、通信部124は、管理装置102から後述する発光制御信号152を受信する。
【0049】
発光部125は、発光を行う発光素子を備える。例えば、発光素子はLED(Light Emitting Diode)である。発音部126は、発音を行うブザー又はスピーカである。
【0050】
加速度センサ127は、発信器103の移動を検知するセンサであり、例えば、3軸加速度センサ又は6軸センサ(3軸加速度及び3軸角速度センサ)である。
【0051】
電源部128は、当該発信器103に電力を供給する電源であり、例えば、電池又はバッテリー等である。
【0052】
なお、発信器103は、ユーザの操作を受け付けるボタン又はタッチパネル等の操作部を備えてもよい。
【0053】
[受信器の構成]
図3は、受信器104の構成を示すブロック図である。受信器104は、ID記憶部131と、制御部132と、無線受信部133と、通信部134と、加速度センサ135とを備える。
【0054】
ID記憶部131は、当該受信器104を一意に特定するための情報である受信器ID(受信器識別子)を記憶する。
【0055】
無線受信部133は、発信器103から無線送信された検知用信号151を受信する。
【0056】
制御部132は、無線受信部133が受信した検知用信号151に関する通知信号154を生成し、通信部134を介して、管理装置102に送信する。
【0057】
通知信号154は、例えば、受信器104の受信器IDと、受信情報と、センサ情報とを含む。
【0058】
受信情報は、検知用信号151の受信状況を示す。例えば、受信情報は、受信した検知用信号151の送信元の発信器103の発信器IDと、受信状態情報とを含む。
【0059】
受信状態情報は、時刻毎の受信電波強度を示す情報であってもよいし、時刻毎に受信の有無(受信電波強度が閾値上であるか否か)を示す情報であってもよいし、時刻毎に受信電波強度の程度(例えば、強、弱、無し等)を示す情報であってもよい。または、受信状態情報は、受信開始時刻(受信なしから受信有りに遷移した時刻)と受信終了時刻(受信有りから受信なしに遷移した時刻)とを示す情報であってもよい。
【0060】
センサ情報は、加速度センサ135で得られた情報に基づき生成される。例えば、センサ情報は、時刻毎に、受信器104が移動しているか停止しているかを示す。なお、センサ情報は、時刻毎に、移動の方向(種類)及び移動の程度を示してもよい。または、センサ情報は、受信器104の状態(移動又は停止)に変化があった時刻を示してもよい。
【0061】
また、通知信号154は、予め定められた時間間隔で定期的に送信されてもよいし、受信器104の移動中のみ定期的に送信されてもよいし、状態(移動又は停止)に変化があった場合に送信されてもよし、検知用信号151の受信状況に変化があった場合に送信されてもよい。
【0062】
なお、受信器104は、検知用信号151の電波強度が予め定められた閾値未満の場合には、管理装置102に通知信号154を送信しなくてもよい。また、受信器104は、検知用信号151の受信電波強度の情報を保持し、受信器104の移動が発生した後にまとめて管理装置102に送信してもよい。
【0063】
なお、ここでは通知信号154に受信情報とセンサ情報とが含まれる例を示したが、受信情報とセンサ情報とは別の信号として管理装置102へ送信されてもよい。
【0064】
通信部134は、管理装置102と通信を行う。なお、受信器104と管理装置102との通信方法は、特に限定されないが、例えば、発信器103に含まれる通信部124と同様の方法を用いることができる。なお、受信器104と管理装置102との通信は中継器等の他の機器を介して行われてもよい。また、受信器104は、管理装置102から送信された発光制御信号152を発信器103へ中継してもよい。また、受信器104は、発信器103から送信された通知信号153を管理装置102へ中継してもよい。
【0065】
[管理装置の構成]
次に、管理装置102の構成を説明する。
図4は、管理装置102の構成を示すブロック図である。管理装置102は、通信部141と、記憶部142と、管理部143と、操作受付部144とを備える。
【0066】
通信部141は、発信器103から送信された通知信号153と、受信器104から送信された通知信号154とを受信する。また、通信部141は、発信器103に発光を指示する発光制御信号152を送信する。
【0067】
記憶部142は、受信した通知信号153及び通知信号154に含まれる情報(受信情報及びセンサ情報)を記憶する。また、記憶部142は、管理部143で生成された近傍機器情報145を記憶する。
【0068】
管理部143は、通知信号153及び通知信号154に含まれる情報等を用いて近傍機器情報145を生成及び更新する。
【0069】
図5は、近傍機器情報145の例を示す図である。近傍機器情報145は、発信器103毎に、当該発信器103の近傍(例えば予め定められた距離以内)に位置する他の発信器103である1以上の近傍機器を示す。例えば、
図5に示すように、近傍機器情報145は、各発信器103の発信器IDと、当該発信器103の1以上の近傍機器の発信器IDである近傍機器IDとの対応関係を示す。
【0070】
なお、
図5では、全ての発信器103に近傍機器が存在しているが、近傍機器が存在しない発信器103が含まれてもよい。また、使用状況に応じては全ての発信器103に近傍機器が存在しない状況が発生してもよい。
【0071】
操作受付部144は、ユーザによる操作を受け付ける。例えば、操作受付部144は、キーボード及びマウス、又は、タッチパネル等である。なお、操作受付部144は、他の装置を介した操作を受け付けてもよい。例えば、操作受付部144は、作業者が所持するタブレット端末又はスマートフォン等の携帯端末を介した操作を受け付けてもよい。
【0072】
なお、管理装置102は、ユーザに情報を提示する表示部及びスピーカ等を備えてもよい。
【0073】
なお、管理システム100の構成は、
図1に示す構成に限定されない。例えば、管理装置102の機能は、複数の機器により実現されてもよい。つまり、管理装置102は、複数の機器を含んでもよいし、異なる機器に含まれる複数の装置(処理部)を含んでもよい。言い換えると、管理装置102は、管理システム100に含まれる任意の1以上の装置であってもよい。例えば、管理装置102の機能の一部が、PCにより実現され、他の一部が、作業者が所持する携帯端末により実現されてもよい。
【0074】
また、作業者が所持する携帯端末は、受信器104の一部又は全ての機能を有してもよい。また、携帯端末は、管理装置102の全ての機能を有してもよい。つまり、管理装置102と受信器104とは単一の機器に含まれてもよい。
【0075】
また、管理装置102と受信器104とが単一の機器として実現される場合には、当該管理装置102と受信器104との間の信号の伝達は、機器内で行われる。言い換えると、上述した各種信号の伝達は、ネットワーク等を介した機器間の伝達に限らず、機器内の信号の伝達も含む。
【0076】
また、ここでは、通知信号153、通知信号154及び発光制御信号152と、検知用信号151とに異なる通信方式を用いる例を示したが、同じ通信方式が用いられてもよい。例えば、通知信号153、通知信号154及び発光制御信号152に、上述した検知用信号151の通信方式と同じ通信方式が用いられてもよい。これにより、発信器103の構成を簡略化できるとともに低電力化を実現できる。
【0077】
この場合、発信器103は、検知用信号151を送信した直後の一定期間、受信状態となり、当該期間において発光制御信号152を受信する。この場合、当該期間以外に発光制御信号152が送信された場合には、発信器103は、当該発光制御信号152を受信できない。よって、発信器103は、検知用信号151に発光制御信号152を受信したか否かを示すフラグ等を格納して送信することで、管理装置102へ発光制御信号152が受信されたか否かが通知される。
【0078】
また、発信器103への発光制御信号152の送信に中継器が用いられてもよい。同様に、通知信号153の送信に中継器が用いられてもよい。また、検知用信号151と通知信号153とは、1つの信号として送信されてもよい。
【0079】
[探索処理]
次に、ユーザが複数の物品105から対象物品を探索する際の探索処理を説明する。
図6は、管理システム100における探索処理を示すフローチャートである。まず、管理装置102は、ユーザの操作に基づく、対象物品に装着されている発信器103である対象機器の指定を受け付ける(S101)。例えば、作業者は所持する携帯端末を介して当該操作を行う。例えば、対象機器の発信器IDが指定される。なお、複数の物品を特定する情報(名称又は識別子等)と複数の発信器IDとの関係が予め管理されている場合には、ユーザにより対象物品を特定する情報が指定されてもよい。
【0080】
次に、管理装置102は、指定された対象機器に発光制御信号152を送信する。また、管理装置102は、記憶部142に記憶されている近傍機器情報145を参照し、対象機器の1以上の近傍機器を特定し、特定した1以上の近傍機器に発光制御信号152を送信する。例えば、発光制御信号152は、送信先の発信器103の発信器IDと、当該発信器103が対象機器であるか近傍機器であるかを示す発光モード情報とを含む。発光制御信号152を受信した対象機器及び近傍機器は発光を行う(S102)。
【0081】
図7は、この発光の様子を示す図である。
図7は、対象機器103Aと、対象機器103Aの近傍機器103Bと、それ以外の発信器103Cとが配置されている様子を示す。例えば、対象機器103Aと、近傍機器103Bとは、発光制御信号152に含まれる発光モード情報に基づき異なる態様で発光する。例えば、異なる態様とは、異なる色、又は異なる強度であってもよい。または、対象機器103Aと、近傍機器103Bとの一方が連続点灯し、他方が点滅してもよい。または、対象機器103Aと、近傍機器103Bとで点滅のパターンが異なってもよい。または、これらの2以上を組み合わせてもよい。
【0082】
また、近傍機器は、対象機器からの距離に応じて、複数のグループに分類されて、近傍機器情報において管理されてもよい。この場合、複数のグループは、異なる態様で発光してもよい。
【0083】
つまり、1以上の近傍機器の各々は、対象機器からの距離に応じて、複数のグループのいずれかに分類されてもよい。そして、1以上の近傍機器は、1以上の近傍機器の各々が属するグループに対応する態様で発光してもよい。例えば、グループ毎に異なる点滅サイクルで発光が行われてもよい。これによれば、対象機器からの距離を示す報知が可能になる。
【0084】
また、対象機器は、発光とともに発音を行ってもよい。また、対象機器及び近傍機器は、発光とともに発音を行ってもよい。この場合、対象機器と近傍機器とは異なる態様で発音してもよい。なお、発音を行わない場合には発信器103は
図2に示す発音部126を備えなくてもよい。
【0085】
このように、管理システム100は、複数の物品105を管理する。管理システム100は、複数の物品105の各々に保持され、発光部125を有する複数の発信器103(第1機器)と、管理装置102とを含む。管理装置102は、複数の発信器103のうち、複数の発信器103に含まれる対象機器の近傍に位置する1以上の近傍機器を示す近傍機器情報145を保持する。管理装置102は、対象機器の指定を受け付けた場合(つまり、探索対象として複数の発信器103から対象機器が指定された場合)、対象機器の発光部125と、1以上の近傍機器の発光部125とを発光させる。
【0086】
これにより、指定された対象機器に加え、対象機器の近傍に位置する近傍機器においても発光が行われる。よって、ユーザは、容易に対象物品を探索できる。例えば、対象機器のみが発光する場合には、他の物品又は対象物品自体に発光部125が隠れて、ユーザは発光を見つけられない場合がある。一方で、近傍機器も発光することで、ユーザは容易に対象物品を見つけることができる。また、複数の物品105が格納される領域が広い場合であっても、ユーザは遠方にある対象物品を容易に見つけることができる。
【0087】
また、対象機器の指定を受け付けた場合、対象機器の発光部125と、1以上の近傍機器の発光部125とは、互いに異なる態様で発光してもよい。
【0088】
これによれば、ユーザは、対象機器と、近傍機器とを容易に判別できるので、発光している複数の発信器103から対象機器を容易に判別することができる。
【0089】
なお、ここでは、ユーザに対象機器及び近傍機器の位置を知らせる方法として、発光部125による発光が用いられる例を述べたが、発光以外の手法が用いられてもよい。例えば、発音部126による発音が用いられてもよいし、その他の手法が用いられてもよい。
【0090】
つまり、複数の発信器103の各々は、当該発信器103の位置を報知する報知動作を行う報知部(例えば、発光部125又は発音部126)を有してもよい。管理装置102は、対象機器の指定を受け付けた場合、対象機器の報知部と、1以上の近傍機器の報知部とに報知動作を行わせてもよい。
【0091】
また、対象機器の指定を受け付けた場合、対象機器の報知部と、1以上の近傍機器の報知部とは、互いに異なる態様で報知動作を行ってもよい。
【0092】
なお、管理装置102は、対象機器の指定を受け付けた場合、初めに対象機器のみを発光させ、ユーザが追加の指示があった場合、又は予め定められた時間が経過した後に、対象機器に加えて近傍機器を発光させてもよい。これにより、ユーザが対象機器を見つけられなかった場合に、近傍機器を発光させることで、消費電力を削減できる。
【0093】
また、近傍機器が、対象機器からの距離に応じて、複数のグループに分類されている場合には、ユーザの追加指示、又は時間経過に応じて、対象機器に近いグループから段階的に発光するグループが増加してもよい。
【0094】
つまり、1以上の近傍機器の各々は、対象機器からの距離に応じて、複数のグループのいずれかに分類されてもよい。そして、1以上の近傍機器の報知部が、対象機器に近いグループから段階的に報知動作を行ってもよい。これにより、効率的な報知が可能である。この動作は、複数の近傍機器が存在する場合に行われてもよい。
【0095】
[近傍機器情報の更新]
次に、近傍機器情報145の更新処理について説明する。
図8は、近傍機器情報145の更新処理のフローチャートである。なお、
図8は、1つの発信器103(対象機器)に対する処理を示す。つまり、
図8に示す処理は、複数の発信器103の各々に対して行われる。
【0096】
まず、管理装置102は、対象機器(発信器103)が移動を開始したか否かを判定する(S111)。つまり、管理装置102は、移動体101による物品105の運搬が開始したか否かを判定する。
【0097】
対象機器が移動を開始した場合(S111でYes)、管理装置102は、対象機器の発信器IDを、対象機器以外の全ての発信器103の近傍機器IDから除外する(S112)。
【0098】
次に、管理装置102は、対象機器が停止(静止)したか否かを判定する(S113)。つまり、管理装置102は、移動体101による物品105の運搬が終了したか否かを判定する。
【0099】
発信器103が停止した場合(S113でYes)、管理装置102は、対象機器の近傍機器を検出し(S114)、近傍機器情報145における対象機器の近傍機器IDを更新する(S115)。具体的には、管理装置102は、検出した近傍機器の発信器IDを、対象機器の近傍機器IDとして登録する。
【0100】
なお、ステップS112の処理は、ステップS113の前に行われるのではなく、ステップS113でYesの場合に、ステップS114とまとめて行われてもよい。
【0101】
このように、複数の発信器103の各々は、当該発信器103の識別情報を含む検知用信号151を無線送信する。管理システム100は、さらに、複数の物品105のうち、対象機器を保持する対象物品を運搬する移動体101に保持され、検知用信号151を受信する受信器104(第2機器)を含む。管理装置102は、移動体101によって運搬された対象物品が設置された際に、受信器104で受信された検知用信号151に基づき、対象機器の近傍に位置する1以上の近傍機器を判定する。
【0102】
これによれば、簡易な構成で近傍機器を判定できる。例えば、近傍機器を判定する別の方法として、複数の物品105の位置(例えば、各物品が複数の領域のうちどの領域に存在するか等)を管理したうえで、当該複数の物品105の位置に基づき、対象機器の近傍機器を判定する方法も考えられる。この場合、例えば、複数の受信器を複数の領域に配置する必要が有り、導入が容易でない。一方で、本実施の形態の手法では、移動体101に受信器104を取り付け、複数の物品105の各々に発信器103を取り付けるという簡易な構成で近傍機器を判定することができる。
【0103】
また、近傍機器を判定する別の方法として、発信器103と受信器104とを取り付ける対象を逆にし、移動体101に発信器103を取り付け、複数の物品105の各々に受信器104を取り付けるという方法も考えられる。ここで、発信器103は、信号送信にあわせた間欠動作が可能であるため、電力消費が少ない。また、送信間隔を長くすることで消費電力を低減できる。一方、受信器104は間欠動作を行うことが困難であり、消費電力の低減が困難である。よって、移動体101に比べて数の多い物品105に発信器103を取り付けることで、システム全体の消費電力を低減できるとともに、バッテリーの取り換え又は充電等の作業の発生頻度を低減できる。
【0104】
次に、
図8に示す受信器の移動判定処理(S111)の具体例を説明する。
図9は、この移動判定処理のフローチャートである。
【0105】
まず、管理装置102は、対象機器のセンサ情報により、対象機器の移動が示されているか否かを判定する(S121)。また、管理装置102は、受信器104のセンサ情報により受信器104の移動が示されているか否かを判定する(S122)。
【0106】
また、管理装置102は、受信器104で対象機器から送信された検知用信号151が、予め定められた期間連続して受信されたかを判定する(S123)。例えば、受信電波強度に対して閾値が設定されてもよい。そして、管理装置102は、検知用信号151の受信強度が閾値以上である状態が予め定められた期間継続しているかを判定することにより、検知用信号151が、予め定められた期間連続して受信されたかを判定してもよい。
【0107】
ステップS121~S123の全ての判定でYesの場合、管理装置102は、対象機器が移動した(対象物品の運搬が開始された)と判定する(S124)。
【0108】
なお、対象機器又は受信器104の移動又は停止とは、例えば、一定時間移動状態又は停止状態が継続することであってもよい。
【0109】
また、ここでは、ステップS121~S123の3つの判定を用いているが、必ずしも全ての判定を行う必要はなく、いずれか1つ以上が用いられてもよい。例えば、ステップS121の判定のみ、又は、ステップS123の判定のみでも移動を判定できる。また、ステップS121の判定を行わない場合には、発信器103は加速度センサ127を備えなくてもよい。同様に、ステップS122の判定を行わない場合には、受信器104は加速度センサ135を備えなくてもよい。よって、ステップS123のみを行う、又は、ステップS123とステップS121又はS122の一方とを行うことにより、管理システム100の構成を簡略化できる。
【0110】
このように、管理装置102は、受信器104が対象機器の検知用信号151を受信している状態が予め定められた時間継続する場合に、運搬が開始されたと判定してもよい。
【0111】
これによれば、電波強度を用いて簡易な構成で運搬の開始を判定できる。ここで、検知用信号151は、近傍機器を検知する用途に用いられる。つまり、近傍機器の検知に用いられる検知用信号151を、運搬開始の判定にも用いることで、機能の追加を抑制しつつ、運搬開始の判定を実現できる。
【0112】
また、管理装置102は、対象機器の運搬が開始されたと判定した場合、複数の発信器103のうち対象機器以外の機器の近傍機器から対象機器を除外してもよい。これによれば、適切に近傍機器を管理できる。
【0113】
次に、
図8に示す受信器の停止判定処理(S113)の具体例を説明する。
図10は、この停止判定処理のフローチャートである。
【0114】
まず、管理装置102は、対象機器のセンサ情報により、対象機器の停止が示されているか否かを判定する(S131)。また、管理装置102は、受信器104のセンサ情報により受信器104の停止が示され、その後移動が示されているか否かを判定する(S132)。
【0115】
また、管理装置102は、受信器104で対象機器から送信された検知用信号151が、予め定められた期間受信されていないかを判定する(S133)。例えば、受信電波強度に対して閾値が設定されてもよい。そして、管理装置102は、検知用信号151の受信強度が閾値以下である状態が予め定められた期間継続しているかを判定することにより、検知用信号151が、予め定められた期間受信されていないかを判定してもよい。
【0116】
ステップS131~S133の全ての判定でYesの場合、管理装置102は、対象機器が停止した(対象物品の運搬が終了した)と判定する(S134)。
【0117】
なお、ここでは、ステップS131~S133の3つの判定を用いているが、必ずしも全ての判定を行う必要はなく、いずれか1つ以上が用いられてもよい。例えば、ステップS131の判定のみ、又は、ステップS133の判定のみでも停止を判定できる。また、ステップS131の判定を行わない場合には、発信器103は加速度センサ127を備えなくてもよい。同様に、ステップS132の判定を行わない場合には、受信器104は加速度センサ135を備えなくてもよい。よって、ステップS133のみを行う、又は、ステップS133とステップS131又はS132の一方とを行うことにより、管理システム100の構成を簡略化できる。
【0118】
このように、管理装置102は、受信器104が対象機器の検知用信号151を受信している状態から受信しない状態に変化した場合に、運搬が終了したと判定する。
【0119】
これによれば、電波強度を用いて簡易な構成で運搬の終了を判定できる。具体的には、近傍機器の検知に用いられる検知用信号151を、運搬終了の判定にも用いることで、機能の追加を抑制しつつ、運搬終了の判定を実現できる。
【0120】
また、複数の発信器103の各々は、加速度センサ127を備える。管理装置102は、加速度センサ127で得られたセンサ情報をさらに用いて、運搬の終了を判定する。
【0121】
これによれば、検知用信号151の受信状況に加え、発信器103のセンサ情報を用いて判定を行うことで、運搬の終了の判定の精度を向上できる。
【0122】
また、受信器104は、加速度センサ135を備える。管理装置102は、加速度センサ135で得られたセンサ情報をさらに用いて、運搬の終了を判定する。
【0123】
これによれば、検知用信号151の受信状況に加え、受信器104のセンサ情報を用いて判定を行うことで、運搬の終了の判定の精度を向上できる。
【0124】
なお、ここでは、対象機器の移動及び停止を、センサ情報と、対象機器の検知用信号151の受信状況とに応じて判定する例を述べたが、移動及び停止の少なくとも一方がユーザ(作業者)による操作に基づき判定されてもよい。例えば、作業者は、物品の運搬の開始時又は終了時に、作業者が所持する携帯端末に、対象物品を指定する情報(例えば対象機器の発信器ID)と、物品の運搬を開始する旨、又は終了した旨とを入力してもよい。なお、このような操作は、携帯端末に限らず、発信器103、受信器104、管理装置102又はそれ以外の機器に対して行われてもよい。
【0125】
また、このようなユーザによる操作と、センサ情報と、対象機器の検知用信号151の受信状況とに応じた判定とが組み合わされてもよい。
【0126】
次に、
図8に示す近傍機器の検出処理(S114)の具体例を説明する。
図11は、この近傍機器の検出処理の例を示す図である。
図11は、対象機器のセンサ情報と、受信器104のセンサ情報と、受信器104における対象機器から送信された検知用信号151の受信状況と、受信器104における発信器A~Dから送信された検知用信号151の受信状況との時間変化を示す。
【0127】
図11に示す例では、時刻t1までの期間において、対象物品が運搬されており、対象機器及び受信器104が共に移動している。時刻t1において、対象物品の運搬が終了し、対象機器及び受信器104が共に停止する。その後、対象物品は停止を継続する。一方、時刻t2において、移動体101が、例えば、次の物品の運搬のために移動を開始することで、受信器104も移動する。
【0128】
また、運搬中及び、運搬終了後において対象機器と受信器104との距離が離れるまでの期間(時刻t3より前の期間)では、受信器104は、対象機器からの検知用信号151を連続して受信している。一方、時刻t3において、対象機器と受信器104との距離が離れることで、受信器104は、対象機器からの検知用信号151を受信しない状態となる。例えば、検知用信号151の受信電波強度が閾値以下の状態となる。これにより、
図10に示す判定処理において、対象機器が停止したと判定される。
【0129】
このとき管理装置102は、例えば、
図11に示す判定期間T0における他の発信器103からの検知用信号151の受信状況を参照し、対象機器の近傍機器を判定する。ここで、期間T0は、受信器104が対象機器からの検知用信号151を受信しない状態となる時刻t3より前の期間であって、対象機器及び受信器104が共に停止している期間である。例えば、期間T0は、検知用信号151の送信周期より十分に長く設定される。
【0130】
なお、この判定期間は、一例であり、判定期間はこれに限らない。例えば、判定期間は、期間T0より長くてもよいし、短くてもよい。例えば、判定期間は、期間T0の前及び後の少なくとも一方を予め定められた時間だけ長くした又は短くした期間であってもよい。
【0131】
また、例えば、判定期間において、受信有りの状態が存在する発信器103、又は、受信有りの状態が予め定められた期間以上存在する発信器103が近傍機器と判定される。例えば、
図11に示す例では、発信器Aと発信器Cとが近傍機器と判定される。
【0132】
なお、受信情報として、受信の有無ではなく、受信電波強度が用いられる場合には、判定期間における受信電波強度の最大値又は平均値等に基づき、対象機器と近傍機器との距離が判定され、距離に応じた近傍機器のグループ分けが行われてもよい。
【0133】
また、
図10に示す判定処理において、ステップS123のみを行う場合(センサ情報を用いない場合)には、時刻t1及び時刻t2を検出できないため、例えば、
図11に示す判定期間T1が用いられてもよい。ここで、期間T1は、受信器104が対象機器からの検知用信号151を受信しない状態となる(時刻t3)の直前の予め定められた長さの期間である。なお、期間T1の終了時刻は、時刻t3より前に設定されてもよい。つまり、期間T1は、受信器104が対象機器からの検知用信号151を受信しない状態となる時刻t3から予め定められた時間前の時刻で終了してもよい。
【0134】
なお、判定期間T1は、検知用信号151の送信周期に応じて決定されてもよい。例えば、送信周期が長いほど、判定期間T1は長く設定されてもよい。 また、対象機器の近傍機器の更新は、上記のように対象物品の運搬が終了した場合に加え、対象物品の運搬が開始された場合(対象物品が移動体101に搭載された場合)に行われてもよい。また、これらの処理と同時に、他の発信器103の近傍機器から対象機器を除外する処理が行われてもよい。
【0135】
以上、本発明の実施の形態に係る管理システムについて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0136】
例えば、上記実施の形態に係る管理システムに含まれる各装置に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0137】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0138】
また、上記実施の形態に係る管理システムに含まれる各装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0139】
さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0140】
また、本発明は管理システムとして実現できるだけでなく、管理システムに含まれる発信器、受信器、又は管理装置として実現してもよい。また、本発明は、このような管理システムに含まれる特徴的な手段をステップとする管理方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。
【0141】
また、上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
【0142】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0143】
また、上記フローチャートで示すステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0144】
以上、一つまたは複数の態様に係る管理システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、管理システムに適用できる。
【符号の説明】
【0146】
100 管理システム
101 移動体
102 管理装置
103、103C 発信器
103A 対象機器
103B 近傍機器
104 受信器
105 物品
121、131 ID記憶部
122、132 制御部
123 無線送信部
124、134、141 通信部
125 発光部
126 発音部
127、135 加速度センサ
128 電源部
133 無線受信部
142 記憶部
143 管理部
144 操作受付部
145 近傍機器情報
151 検知用信号
152 発光制御信号
153、154 通知信号
【要約】
【課題】物品の探索を容易に行う。
【解決手段】管理システム100は、複数の物品105を管理するための管理システム100であって、複数の物品105の各々に保持される複数の発信器103と、管理装置102とを含み、複数の発信器103の各々は、当該発信器103の位置を報知する報知動作を行う報知部を有し、管理装置102は、複数の発信器103のうち、複数の発信器103に含まれる対象機器の近傍に位置する1以上の近傍機器を示す近傍機器情報145を保持し、対象機器の指定を受け付けた場合、対象機器の報知部と、1以上の近傍機器の報知部とに前記報知動作を行わせる。
【選択図】
図1