(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】調整デバイスおよびそれを組み立てるための方法
(51)【国際特許分類】
H02N 2/04 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H02N2/04
(21)【出願番号】P 2023522498
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 EP2021078375
(87)【国際公開番号】W WO2022079132
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】102020126863.7
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505257752
【氏名又は名称】フィジック インストゥルメント(ピーアイ)エスエー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Physik Instrumente(PI)SE & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】ボチカイ、ドミニク
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-220171(JP,A)
【文献】特表2019-510457(JP,A)
【文献】特開2009-254228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/00- 2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整デバイス(1)であって、ステータ(2)と、被駆動要素(6)と、前記調整デバイス(1)の動作状態において駆動方向における前記ステータ(2)に対する前記被駆動要素(6)のガイドされた支持を提供するガイド・デバイス(7)と、スライダ(4)と、前記スライダ(4)を前記駆動方向に沿って前記ステータ(2)に対して移動可能に支持する支持デバイス(3)と、連結デバイス(8)および挟持デバイス(83)を備える駆動デバイス(5)と、を備え、
前記連結デバイス(8)は、前記被駆動要素(6)または前記スライダ(4)に対し固定された接続デバイス(80)を備え、
解放状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記調整デバイス(1)の装着状態を確立するために、前記接続デバイス(80)の接続セクション(89)と前記スライダ(4)または前記被駆動要素(6)との間の運動クリアランスを可能にし、また、挟持状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記駆動方向において前記接続セクション(89)と前記スライダ(4)または前記被駆動要素(6)とを堅固に連結し、それにより、前記駆動方向に沿って延びる回転軸の周りでの前記被駆動要素(6)と前記スライダ(4)との間の相対回転運動を引き起こす、調整デバイス(1)。
【請求項2】
前記接続デバイス(80)は、前記被駆動要素(6)に対し取り付けられかつ前記接続セクション(89)に対し接続されるベース・セクション(88)を備え、
解放状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記調整デバイス(1)の装着状態を確立するための前記接続セクション(89)と前記スライダ(4)との間のクリアランス空間を可能にし、また、挟持状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記駆動方向において前記接続セクション(89)および前記スライダ(4)を堅固に接続し、それにより、前記駆動方向に沿って延びる回転軸の周りでの前記被駆動要素(6)と前記スライダ(4)との間の相対回転運動を可能にする、請求項1に記載の調整デバイス(1)。
【請求項3】
前記接続セクション(89)は、前記スライダ(4)の凹部(40)へと突出し、
前記挟持デバイス(83)は、前記スライダ(4)にまたは前記スライダ(4)上に形成され、
前記解放状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記スライダ(4)の前記凹部(40)における前記接続セクション(89)の運動クリアランスを可能にし、
前記調整デバイス(1)の前記動作状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記接続セクション(89)を前記挟持デバイス(83)に面する前記スライダ(4)の前記凹部(40)の接触面(40a)に押し付け、それにより、前記駆動方向において前記スライダ(4)を前記被駆動要素(6)に対し堅固に連結し、前記駆動方向に沿って延びる回転軸の周りでの前記被駆動要素(6)と前記スライダ(4)との間の相対回転運動
を可能にする、請求項2に記載の調整デバイス(1)。
【請求項4】
前記接続セクション(
89)は、1つ以上のばね弾性セクション(82)を備える、請求項3に記載の調整デバイス(1)。
【請求項5】
前記ばね弾性セクション(82)は、前記接続セクション(89)と一体化して形成される、請求項4に記載の調整デバイス(1)。
【請求項6】
前記接続セクション(89)は、前記挟持デバイス(83)に面する側に第1の支持セクション(821a)を備え、それぞれの支持要素(81
,81a,81b)が、前記第1の支持セクション(821a)に装着され、前記挟持状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記
それぞれの支持要素
(81,81a,81b)を前記接続セクション(89)に押し付け、それにより、
前記それぞれ
の支持要素
(81,81a,81b)と前記挟持デバイス(83)との間の相対的回転を可能にする、請求項
3乃至5のいずれか1項に記載の調整デバイス(1)。
【請求項7】
前記スライダ(4)の前記接続セクション(89)は、前記挟持デバイス(83)と反対を向いた側に第2の支持セクション(822a)を備え、
前記それぞれの支持要素(81
,81a,81b)が、前記第2の支持セクション(822a)において支持され、前記挟持状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記接続セクション(89)
を第2の支持要素
(81b)に押し付け、前記第2の支持要素は、前記凹部(40)の前記接触面(40a)を圧迫し、それにより、
前記それぞれ
の支持要素
(81,81a,81b)と前記スライダ(4)の前記接続セクション(89)との間の相対的回転を可能にする、請求項
6に記載の調整デバイス(1)。
【請求項8】
前記支持要素(
81,81a
,81b)のそれぞれは、少なくとも一部分が球体状に成形された支持要素
(81,81a,81b)として設計される、請求項
7に記載の調整デバイス(1)。
【請求項9】
前記第1の支持セクション(821a)および前記第2の支持セクション(822a)は、前記支持要素(81
,81a,81b)の球体状に成形された前記
一部分に対して自己センタリングにより作用するように設計される、請求項
8に記載の調整デバイス(1)。
【請求項10】
前記接続セクション(89)は、互いに向かい合いかつ離間して配置された2つのばね弾性セクション(821、822)を備え、挟持要素(84)が、前記2つのばね弾性セクション(821、822)の間に位置付けられた前記接続セクション(89)の中間空間(82a)に配置され、前記調整デバイス(1)の前記動作状態において前記挟持デバイス(83)は前記ばね弾性セクション(821、822)を前記挟持要素(84)とともに前記スライダ(4)の前記凹部(40)の前記接触面(40a)に押し付け、それにより前記駆動方向において前記スライダ(4)を前記被駆動要素(6)に堅固に連結するように、前記2つのばね弾性セクション(82)
は支持要素(81
,81a,81b)により前記挟持要素に対して予め張力を付与している、請求項
3乃至9のいずれか1項に記載の調整デバイス(1)。
【請求項11】
前記挟持要素(84)の材料は、前記接続
デバイス(80)の材料とは異なる熱膨張係数を備える、請求項10に記載の調整デバイス(1)。
【請求項12】
前記接続デバイス(80)はベース・セクション(88)を備え、前記ベース・セクション(88)は、前記被駆動要素(6)または前記スライダ(4)に対し取り付けられ、前記挟持デバイス(83)は、前記ベース・セクション(88)と前記接続セクション(89)との間で作用し、前記解放状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記ベース・セクション(88)と前記接続セクション(89)との間のクリアランスを可能にし、前記挟持状態において、前記接続セクション(89)は、前記ベース・セクション(88)から前記スライダ(4)の装着部(85)に対して突出し、前記装着部(85)は、前記被駆動要素(6)を圧迫する、請求項1に記載の調整デバイス(1)。
【請求項13】
前記ベース・セクション(88)および前記接続セクション(89)は、前記駆動方向において互いに対し弾性的に装着される、請求項12に記載の調整デバイス(1)。
【請求項14】
前記ベース・セクション(88)および前記接続セクション(89)は、前記ベース・セクション(88)と前記接続セクション(89)との間に位置付けられた固体ヒンジを備える固体ボディ組立体を形成する、請求項13に記載の調整デバイス(1)。
【請求項15】
第1の支持要素(81a)が、前記スライダ(4)の前記装着部(85)と前記接続セクション(89)との間に配設され、第2の支持要素(81b)が、前記スライダ(4)の前記装着部(85)と前記被駆動要素(6)との間に配設され、その結果、前記挟持状態において、前記
第1の支持要素(81a)および前記第2の支持要素(81b)は、前記駆動方向に沿って延在する前記被駆動要素(6)と前記スライダ(4)との間の回転の軸の周りでの前記相対回転運動を提供するための枢動ジョイント(90)を形成する、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の調整デバイス(1)。
【請求項16】
前記
第1の支持要素(81a)および前記第2の支持要素(81b)は、少なくとも一部分が球体状に成形された支持要素として各々設計される、請求項
15に記載の調整デバイス(1)。
【請求項17】
前記スライダ(4)の前記装着部(85)は、前記挟持デバイス(83)に面する側に第1の支持セクション(80a)を備え、
前記第1の支持要素
(81a)が、前記第1の支持セクションに装着され、前記挟持状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記第1の支持要素
(81a)を前記装着部(85)に押し付け、それにより
、前記
第1の支持要素
(81a)と前記挟持デバイス(83)との間の相対的回転を可能にする、請求項
16に記載の調整デバイス(1)。
【請求項18】
前記スライダ(4)の前記装着部(85)は、前記挟持デバイス(83)と反対を向いた側に第2の支持セクション
(85a)を備え、
前記第2の支持要素
(81b)が、前記第2の支持セクション(85a)に装着され、前記挟持状態において、前記挟持デバイス(83)は、前記装着部(85)を前記第2の支持要素に押し付け、前記第2の支持要素
(81b)は前記被駆動要素(6)を圧迫し、それにより
、前記
第2の支持要素
(81b)と前記装着部(85)との間の相対的回転を可能にする、請求項
17に記載の調整デバイス。
【請求項19】
前記
第1の支持セクション(80a)および前記第2の支持セクション(85a)は、
それぞれ、前記
第1の支持要素(81a)および前記第2の支持要素(81b)の球体状に成形された前記
一部分に対して自己センタリングにより作用するように成形される、請求項
18に記載の調整デバイス(1)。
【請求項20】
前記ステータ(2)は、前記被駆動要素(6)と一緒に、前記駆動デバイス(5)が内部に配置される空洞を形成する、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の調整デバイス。
【請求項21】
前記駆動デバイス(5)は、電気機械的要素を備える、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の調整デバイス。
【請求項22】
前記支持デバイス(3)は、駆動デバイス(5)によって形成され、前記スライダは、互いに向かい合って配置された2つの駆動デバイス(5)の間に配設される、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の調整デバイス。
【請求項23】
請求項1乃至22のいずれか1項に記載の調整デバイス(1)を組み立てるための方法であって、
1.工程:前記支持デバイス(3)および前記ガイド・デバイス(7)を前記ステータ(2)に対し装着する工程
2.工程:前記スライダ(4)を前記支持デバイス(3)に対し接続する工程
3.工程:前記スライダ(4)および前記駆動デバイス(5)の相互の位置合わせ
4.工程:前記駆動デバイス(5)を前記ステータ(2)に対し装着する工程
5.工程:前記被駆動要素(6)を前記ガイド・デバイス(7)に対し装着する工程
6.工程:前記連結デバイス(8)により前記被駆動要素(6)を前記スライダ(4)に対し接続する工程、の一連の工程を特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整デバイスおよびその組立てのための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、線形および回転式の調整デバイスを開発しかつ販売し、この調整デバイスでは、スライダが、スライダと摩擦接触する駆動デバイスによって動かされ、ロータが、キャリッジまたはプラットフォームに対し接続され、ユーザは、調整デバイスによって位置決めされるべき要素をキャリッジまたはプラットフォーム上に取り付けることができる。そのような調整デバイスの場合、スライダと駆動デバイスとの間の擦合または摩擦接触面が、すでに最初から、すなわち慣らし運転の効果により摩擦パートナーの接触面の相互適応に至る前に、可能な限り大きく、加えて時間的に不変である場合、有利である。結果として、調整デバイスのより簡易かつより迅速な調節が可能でありまた調整デバイスのより高い精度も可能であるように、より大きくまた特により一様な駆動力が、スライダに対し伝達され得る。
【0003】
この点において、相互接触のために提供されるスライダおよび駆動デバイスの表面を最適化するには、高度な製造努力が不可欠である。しかし、たとえそれにより理想的な摩擦接触が非装着状態において実現され得たとしても、調整デバイスの組立ては一般に、スライダおよび駆動デバイスの互いに対する理想的な位置または位置合わせから逸脱する位置または位置合わせをもたらし、これは、したがって、より不都合である。
【0004】
上記の状況を回避または緩和するために、接触面の最適化された相互の位置合わせを可能にする、駆動デバイスおよび/またはスライダの変位可能性または傾斜もしくは枢動可能性などの特定の可動性が提供されるように、駆動デバイスまたはスライダ、あるいはスライダのベアリングが設計されることが提供され得る。そのための好ましい可能性は、駆動方向に対し平行な軸の周りでのスライダの枢動可能性が確保されるように、駆動方向におけるまたは駆動方向に沿ったスライダのガイドされた運動を可能にする、スライダのベアリングを設計することである。これは、例えば、それによりスライダが第1の線形ガイド・レールに接続されまたそれにより第1の線形ガイド・レールと協働する第2の線形ガイド・レールが調整デバイスの固定された部分または要素に対し接続される、ベアリングまたはガイドによって実現され得る。線形ガイド・レールの各々は、球の形態である回転体が内部に配設されるV字溝を備える。したがって、球とV字溝との間の係合比は、駆動デバイスに対するスライダの最適化された位置合わせが確保されるように、スライダの望ましい回転自由度を可能にする。
【0005】
しかし、駆動デバイスに対するその最適化された位置合わせを可能にするための上記のスライダのベアリングは、とりわけ以下の欠点を備える:調整運動を実装する被駆動要素、例えばキャリッジまたはプラットフォームは一般に、特にガイド・デバイスによる高精度調整デバイスの場合には、ガイド・デバイスを介して調整運動方向に沿ってガイドされるので、また、スライダは、駆動デバイスによって引き起こされるその運動を被駆動要素に対し伝達するために被駆動要素に対し固定して接続されるので、スライダの既存のほんの僅かな傾斜が調整デバイス要素の互いに対する機械的な歪みをもたらし、これは、調整デバイスの動作または性能への負の効果を有し得る。例えば、機械的応力は、望ましくない力がガイド・デバイスに導入されることにつながる可能性があり、これは、特に非常に正確なガイド・デバイスの場合には不都合であり、また、これは、ガイド・デバイスの正確さまたは再現性に悪影響を与え、さらにこれは、摩耗の増大につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、知られた調整デバイスに対する代替手段として実装される調整デバイスを提供することである。
特に、本発明の目的は、従来技術から知られている調整デバイスの上述の欠点を克服する調整デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、いずれの場合にも、請求項1に記載の調整デバイスによって、また、調整デバイスを組み立てるための対応する方法によって、達成される。これらの請求項において言及される従属請求項は、いずれの場合にも、少なくとも有利な進歩または改善を各々が説明する。
【0008】
本発明による調整デバイスは、固定されたステータと、ステータに対して移動されかつ支持デバイスによって支持されるスライダと、スライダを駆動する駆動デバイスと、例えばキャリッジまたはプラットフォームの形態である被駆動要素と、駆動方向におけるステータに対する被駆動要素のガイドされた支持のためのガイド・デバイスと、連結デバイスと、を備える。連結デバイスは、特に駆動方向における被駆動要素のスライダとの非常に堅固な接続のための接続要素または接続セクションを備え、これは、調整デバイスの動作状態において、特に駆動方向に対し平行に延びる軸の周りでの被駆動要素とスライダとの間の少なくとも1回の相対回転運動を可能にする。
【0009】
駆動方向もしくは調整方向におけるまたはそれに沿った調整デバイスの挟持状態または動作状態において非常に堅固である、連結デバイスの接続要素または接続セクションを介した被駆動要素に対するスライダの接続の結果として、被駆動要素に対するスライダの運動の直接的かつ遊びのない伝達が達成され、一方で、接続セクションがスライダまたは被駆動要素に対して可能とする回転自由度は、被駆動要素がスライダの向きとは無関係に位置合わせされ得るように、スライダおよび被駆動要素の相互の枢動または傾斜を確保する。したがって、被駆動要素は、接続からもたらされる被駆動要素の向きがスライダの向きへの影響を有することなしに、ステータ上に配置されるガイド・デバイスに対し固定して接続されることが可能であり、ガイド・デバイスは、例えば互いに対し平行に配置された2つの線形ベアリングである。言い換えれば、回転自由度は、いったん実現されたスライダと駆動デバイスとの間の最適化された位置合わせが被駆動要素の位置合わせまたは装着によって負の影響を受けないように、スライダおよび被駆動要素の独立した位置合わせまたは向きを可能にする。
【0010】
本発明によれば、特に調整デバイスが提供され、この調整デバイスは、ステータ(2)と、被駆動要素(6)と、調整デバイス(1)の動作状態において駆動方向におけるステータ(2)に対する被駆動要素(6)のガイドされた支持を提供するガイド・デバイス(7)と、スライダ(4)と、スライダ(4)を駆動方向に沿ってステータ(2)に対して移動可能に支持する支持デバイス(3)と、連結デバイス(8)および挟持デバイス(83)を備える駆動デバイス(5)と、を備え、
連結デバイス(8)は、被駆動要素(6)またはスライダ(4)に対し固定された接続デバイス(80)を備え、
解放状態において、挟持デバイス(83)は、調整デバイス(1)の装着状態を確立するために、接続デバイス(80)の接続セクション(89)とスライダ(4)または被駆動要素(6)のの間の運動クリアランスを可能にし、また、挟持状態において、挟持デバイス(83)は、駆動方向において接続セクション(89)とスライダ(4)または被駆動要素(6)とを堅固に連結し、それにより、駆動方向に沿って延びる回転軸の周りでの被駆動要素(6)とスライダ(4)との間の相対回転運動を引き起こす。
【0011】
本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、機能的に類似した特徴の組合せに加えてまたはその代わりとして、接続デバイス(80)が、被駆動要素(6)に対し固定されるベース・セクション(88)、および、ベース・セクション(88)に対し接続される接続セクション(89)を備えること、ならびに、解放状態において、挟持デバイス(83)が、調整デバイス(1)の装着状態を確立するための接続セクション(89)とスライダ(4)との間のクリアランス空間を可能にし、また、挟持状態において、挟持デバイス(83)が、駆動方向において接続セクション(89)およびスライダ(4)を堅固に接続し、それにより、駆動方向に沿って延びる回転軸の周りでの被駆動要素(6)とスライダ(4)との間の相対回転運動を可能にすることが、提供され得る。
【0012】
本発明による調整デバイスのこれらの実施形態では、
接続セクション(89)が、スライダ(4)の凹部(40)へと突出すること、
挟持デバイス(83)が、スライダ(4)にまたはスライダ(4)上に形成されること、
解放状態において、挟持デバイス(83)が、スライダ(4)の凹部(40)における接続セクション(89)の運動クリアランスを可能にすること、
調整デバイス(1)の動作状態において、挟持デバイス(83)が、接続セクション(89)を挟持デバイス(83)に面するスライダ(4)の凹部(40)の接触面(40a)に押し付け、それにより、駆動方向においてスライダ(4)を被駆動要素(6)に堅固に連結すること、が提供されることが可能であり、駆動方向に沿って延びる回転軸の周りでの被駆動要素(6)とスライダ(4)との間の相対回転運動。
【0013】
したがって、接続セクション(809)が1つ以上のばね弾性セクション(82)を備えることが、特に提供され得る。このばね弾性セクション(82)は、接続セクション(89)と一体に形成され得る。
【0014】
特にベース・セクション(88)が被駆動要素(6)に対し固定される、本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、機能的に類似した特徴の組合せに加えてまたはその代わりとして、接続セクション(89)が、挟持デバイス(83)に面する側に第1の支持セクション(821a)を備え、それぞれの支持要素(81)が、第1の支持セクション(821a)に装着され、挟持状態において、挟持デバイス(83)が、支持要素を接続セクション(89)に押し付け、それにより、それぞれの支持要素と挟持デバイス(83)との間の相対的回転を可能にすることが、提供され得る。
【0015】
特にベース・セクション(88)が被駆動要素(6)に対し固定される、本明細書において説明される発明による調整デバイスの実施形態の各々では、機能的に類似した特徴の組合せに加えてまたはその代わりとして、スライダ(4)の接続セクション(89)が、挟持デバイス(83)と反対の側を向いた側に第2の支持セクション(822a)を備え、それぞれの支持要素(81)が、第2の支持セクション(822a)において支持され、挟持状態において、挟持デバイス(83)が、接続セクション(89)を第2の支持要素に押し付け、第2の支持要素が、凹部(40)の接触面(40a)を圧迫し、それにより、それぞれの支持要素とスライダ(4)の接続セクション(89)との間の相対的回転を可能にすることが、提供され得る。
【0016】
本発明による支持セクションを含む調整デバイスの実施形態では、支持要素(81a、81b)のそれぞれが、少なくとも一部分が球体状に成形された支持要素として設計されることが、特に提供され得る。特に、それぞれの支持セクション(821a、822a)が、支持要素(81)の球体状に成形されたセクションに対して自己センタリングにより作用するように設計されることが、提供され得る。
【0017】
特にベース・セクション(88)が被駆動要素(6)に対し固定される、本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、接続セクション(89)が、互いに向かい合いかつ離間して配置された2つのばね弾性セクション(821、822)を備え、挟持要素(84)が、2つのばね弾性セクション(821、822)の間に位置付けられた接続セクション(89)の中間空間(82a)に配置され、調整デバイス(1)の動作状態において、挟持デバイス(83)が、ばね弾性セクション(821、822)を挟持要素(84)とともにスライダ(4)の凹部(40)の接触面(40a)に押し付け、それにより、駆動方向においてスライダ(4)を被駆動要素(6)に対し堅固に連結するように、2つのばね弾性セクション(82)が支持要素(81)によりその挟持要素に対して予め張力を付与していることが、特に提供され得る。
【0018】
特に、挟持要素(84)の材料は、接続要素(80)の材料とは異なる熱膨張係数を備えることが、提供され得る。
本発明による調整デバイスのさらなる実施形態によれば、ベース・セクション(88)が、被駆動要素(6)またはスライダ(4)に対し取り付けられ、挟持デバイス(83)が、ベース・セクション(88)と接続セクション(89)との間で作用し、解放状態において、挟持デバイス(83)が、ベース・セクション(88)と接続セクション(89)との間のクリアランスを可能にし、挟持状態において、接続セクション(89)が、ベース・セクション(88)からスライダ(4)の装着部(85)に対して突出し、スライダ(4)の装着部(85)が、被駆動要素(6)を圧迫することが、提供され得る。
【0019】
特にベース・セクション(88)が被駆動要素(6)に対し固定され、挟持デバイス(83)がベース・セクション(88)と接続セクション(89)との間で作用する、本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、ベース・セクション(88)および接続セクション(89)が、駆動方向において互いに対して弾性的に装着されることが、特に提供され得る。しかし、これは、ベース・セクション(88)がスライダ(4)に対し固定される場合でも、提供され得る。
【0020】
これらの実施形態では、ベース・セクション(88)および接続セクション(89)が、ベース・セクション(88)と接続セクション(89)との間に位置付けられた固体ヒンジを備える固体ボディ組立体を形成することが、特に提供され得る。
【0021】
特にベース・セクション(88)が被駆動要素(6)またはスライダ(4)に対し固定され、挟持デバイス(83)がベース・セクション(88)と接続セクション(89)との間で作用する、本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、第1の支持要素(81a)が、スライダ(4)の装着部(85)と接続セクション(89)との間に配設され、第2の支持要素(81b)が、スライダ(4)の装着部(85)と被駆動要素(6)との間に配設され、その結果、挟持状態において、支持要素(81a、81b)が、駆動方向に沿って延在する被駆動要素(6)とスライダ(4)との間の回転の軸の周りでの相対回転運動を提供するための枢動ジョイント(90)を形成することが、特に提供され得る。
【0022】
これらの実施形態では、支持要素(81a、81b)のそれぞれが、少なくとも一部分が球体状に成形された支持要素としていずれの場合にも形成されることが、特に提供され得る。
【0023】
特にベース・セクション(88)が被駆動要素(6)またはスライダ(4)に対し固定され、挟持デバイス(83)がベース・セクション(88)と接続セクション(89)との間で作用する、本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、スライダ(4)の装着部(85)が、挟持デバイス(83)に面する側に第1の支持セクション(80a)を備え、それぞれの支持要素が、第1の支持セクション内に装着され、挟持状態において、挟持デバイス(83)が、第1の支持要素を装着部(85)に押し付け、それにより、それぞれの支持要素と挟持デバイス(83)との間の相対的回転を可能にすることが、特に提供され得る。
【0024】
特にベース・セクション(88)が被駆動要素(6)またはスライダ(4)に対し固定され、挟持デバイス(83)がベース・セクション(88)と接続セクション(89)との間で作用する、本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、スライダ(4)の装着部(85)が、挟持デバイス(83)と反対の側を向いた側に第2の支持セクションを備え、それぞれの支持要素が、第2の支持セクションに装着され、挟持状態において、挟持デバイス(83)が、装着部(85)を第2の支持要素に押し付け、第2の支持要素が、被駆動要素(6)を圧迫し、それにより、それぞれの支持要素と装着部(85)との間の相対的回転を可能にすることが、特に提供され得る。
【0025】
1つ以上の支持セクションを含む、本発明による調整デバイスのこれらの実施形態では、それぞれの支持セクション(80a、85a)が、支持要素(81)の球状に成形されたセクションに対して自己センタリングにより作用するように成形されることが、特に提供され得る。
【0026】
本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、機能的に類似した特徴の組合せに加えてまたはその代わりとして、ステータ(2)が被駆動要素(6)と一緒に空洞を形成し、この空洞内に駆動デバイス(5)が配置されることが、提供され得る。
【0027】
本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、機能的に類似した特徴の組合せに加えてまたはその代わりとして、駆動デバイス(5)が電気機械的要素を備えることが、提供され得る。
【0028】
本明細書において説明される本発明による調整デバイスの実施形態の各々では、機能的に類似した特徴の組合せに加えてまたはその代わりとして、互いに向かい合って配置された2つの駆動デバイス(5)の間にスライダが配設されることが、提供され得る。
【0029】
連結デバイスが1つ以上の支持要素を、また好ましくは2つの支持要素を備え、その各々が少なくとも一部分が球体状に成形される場合、有利であり得る。支持要素または複数の支持要素の少なくとも部分的に球体状の形状により、その各々は、好ましくは部分的な球体または球として設計され、ある回転自由度を有するベアリングが、簡易な形で得られ得る。特に、球として設計される支持要素は、簡易かつ比較的費用効果の高い形で、多くのサイズ、品質、および材料で入手可能である。さらに、球体状の支持要素は、位置合わせされる必要がない。球体状に成形された支持要素に起因して、支持要素を支持する調整デバイスの要素または部分に対する点接触により、駆動方向または調整方向から逸脱する方向を特に有する干渉力成分をなくすかまたは大幅に減少させることも、可能である。
【0030】
接続要素が、支持要素を受け入れるまたは装着するために提供される1つ以上の支持セクションを備える場合、それも有利であり得る。この場合、支持セクションが、支持要素の球体状に成形されたセクションに対して自己センタリングにより作用するように成形される場合、特に有利であり得る。これは、支持要素が、特に支持セクション自体を圧迫している間に、また、さらなる手段を伴わずに、支持セクションと接触して位置合わせするかまたは位置するので、調整デバイスの極めて簡易な組立てを可能にする。センタリングは、望ましくない力伝達につながり得る支持要素と調整デバイスの他の要素または部分との望ましくない接触を回避することを可能にする。さらに、センタリングは一般に、円形の、したがって点接触の場合よりも大きな面積の接触をもたらし、これは、より高い剛性を備える。
【0031】
接続デバイスが1つ以上のばね弾性セクションを備える場合、同様に有利であり得る。接続デバイスのばね弾性セクションは、例えば製造もしくは組立ての不正確さおよび/または熱膨張に起因する寸法公差を簡易な形で補償することを可能にする。この場合、特に、各ばね弾性部分が接続デバイスと一体にまたは一体化して形成される場合、有利であり得る。個々の部品の数の減少の結果として、これは、調整デバイスの特に簡易な組立てを可能にする。さらに、ばね弾性セクションと接続デバイスまたはそのベース・セクションとの一体の接続は、固体ヒンジをもたらし、この固体ヒンジは、原則的に摩耗がなく、低い内部摩擦のみを備える。
【0032】
さらに、1つ以上の支持要素が挟持デバイスの補助により支持セクションに直接にまたは間接的に押し付けられる場合、有利であり得る。結果として、定められた力により対応する支持要素を移動させるかまたは支持セクションに押し付けることが、簡易な形で可能である。
【0033】
支持セクションがばね弾性セクション内に形成される場合、有利であり得る。結果として、支持セクションを形成するための複合的な解決法が達成され、また、調整デバイスの相応に減少した部品の数により、より高速かつより簡易な組立てが達成される。
【0034】
接続デバイスまたは接続セクションが、互いに向かい合ってかつ離間して配置された2つのばね弾性セクションを備える場合、また、2つのばね弾性セクション間に位置付けられた接続要素の中間空間内に挟持要素が配置され、ばね弾性セクションが支持要素によりその挟持要素に対して予め張力をかけられる場合、同様に有利であり得る。互いに向かい合ってかつ互いに離間して配置された2つのばね弾性セクションにより、対称配置が提供され、これは特に、ばね弾性セクションの配置方向に沿って同室の状態を確保し、ばね弾性セクションの配置方向は、好ましくは駆動方向または調整方向に対し平行に配置される。この文脈において、用語「ばね弾性」は、対応するセクションが、それらがばねのように可逆的に変形または偏向され得るように設計されることを意味し、この場合、変形または偏向により、ばね弾性セクションを偏向されていない配向または位置に戻そうとする対応する復元力が引き起こされる。ばね弾性セクションは挟持要素上で支持され得るという事実により、スライダと被駆動要素との間の極めて剛性のある接続または連結に、ブロックへの予め付与した張力に対応する対応する接触が提供される。
【0035】
この場合、挟持要素の材料が、接続要素の材料とは異なる熱膨張係数を備える場合、特に有利であり得る。結果として、さもなければ挟持要素と接続セクションのばね弾性セクションとの間に生じ得る、ギャップのないまたは遊びのない望ましいベアリングを妨害するギャップ(遊び)が、回避され得る。
【0036】
連結デバイスまたはスライダが、接続セクションに加えて、スライダを支持デバイスに対し接続するための別個の装着要素または別個の装着部を備え、支持セクションが接続要素内に形成され、かつ、支持セクションが装着セクションまたは装着部に形成される場合、有利であることが証明され得る。この場合、接続デバイスが、平行にガイドされる挟持部または接続セクションとの固体配置を備え、挟持デバイスが、ばね弾性セクションと挟持部との間の緊張を可能にする場合、特に有利であることが証明され得る。これは、駆動方向に対し実質的に平行に配置される予め張力を付与する力の方向を実現することを可能にする。
【0037】
ステータが被駆動要素と一緒に空洞を形成し、その空洞内に駆動デバイスが配置される場合、やはり有利であることが証明され得る。結果として、極めてコンパクトなデバイスが得られ、コンパクトさは、調整デバイスを制御または調節するための電子部品または電子構成要素もまた空洞内に配置されるという点において、さらに向上され得る。これらは、例えば、センサ、制御装置、または駆動装置を含む。
【0038】
さらに、駆動デバイスが電気機械的要素を備える場合、有利であることが証明され得る。電気機械的要素は、電圧または電界の影響の下で寸法変化を示し、これは、スライダをしたがって被駆動要素を駆動するために使用可能である。これらは、例えば、電圧がそれらに印加された場合に長さの変化をおおよそ経験する、圧電性のまたは電歪性の材料の要素を含む。
【0039】
さらに、支持デバイス自体が駆動デバイスによって形成され、スライダが、互いに向かい合って配置された2つの駆動デバイス間に配設される場合、有利であることが証明される。結果として、調整デバイスの駆動力は、増大され得る。
【0040】
さらに、本発明によれば、支持デバイスは、少なくとも挟持状態または動作状態において、駆動方向に対し実質的に平行に配置された回転の軸の周りでの回転自由度をスライダが備えるようにスライダを支持することが、提供される。ここで、用語「実質的に」は、回転の軸と駆動方向との間の理想的には平行な配置からのいくらかの逸脱が、大幅な変化をまた特に劣化をもたらすことなしに可能であることを意味する。特に、これらは、平行から+/-5°の逸脱を意味すると理解されるべきである。回転自由度のおかげで、スライダと駆動デバイスとの間の相互の最適化された位置合わせが簡易な形で実現されることが可能であり、駆動デバイスに対するスライダの傾斜または枢動が、例えばスライダと駆動デバイスとを互いに押し付けることによって引き起こされる。
【0041】
上記の調整デバイスを組み立てるための方法が、以下の工程を備え、それらの工程は、連続的にかつ昇順の番号付けに従って行われることが好ましい:
工程:支持デバイスまたは支持デバイスの一部およびガイド・デバイスをステータに対し装着する工程
工程:スライダを支持デバイスまたは支持デバイスの一部に対し接続する工程
工程:スライダおよび駆動デバイスの相互の位置合わせ
工程:駆動デバイスをステータに対し装着する工程
工程:被駆動要素をガイド・デバイスに対し装着する工程
工程:連結デバイスにより被駆動要素をスライダに対し接続する工程。
【0042】
そのような組立て方法は、駆動デバイスに無関係である被駆動要素の自由な変位がそれ以前には可能であるように、最後の組立て工程のみにおいて、スライダおよび被駆動要素の相互の固定された接続を可能にする。このようにして、駆動デバイスとの連結なしに、全作動経路または行程にわたって行われ得る調整デバイスのガイド精度およびガイド品質に関する調整デバイスのチェックまたは位置合わせが実行され、また、スライダに対する連結は、最後の組立て工程によってのみ実行され、この連結は、先行する組立て工程において行われた駆動デバイスに対するスライダの最適化された位置合わせへの悪影響を有さない。
【0043】
本発明の実施形態が、図を参照しながら以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図2】被駆動要素が取り外された、
図1による調整デバイスの斜視図。
【
図6】連結デバイスのさらなる実施形態を含む、本発明による調整デバイスの一領域の断面図。
【
図7】
図6に示された調整デバイスに機能的に対応する、本発明による調整デバイスの連結デバイスのさらなる実施形態の上方からの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、線形テーブルの形態である本発明による調整デバイス1の一実施形態の断面の斜視図を示す。調整デバイス1は、ステータ2を備え、テーブルまたはキャリッジの形態である被駆動要素6が、ステータ2に対して調整方向(
図1の対応する両方向矢印によって特徴付けられる)においてまたはその調整方向に沿って直線的に移動されることが可能であり、テーブルのまたはキャリッジの定められたまた特に非常に正確な調整もしくは位置決めが、意図されている。この目的のために、テーブルまたはキャリッジは、互いに対し平行に配置された2つの線形ベアリングの形態であるガイド・デバイス7を介してステータ2に対し接続され、それにより、直線的に移動可能な形で装着される。駆動デバイスが、テーブルまたはキャリッジを調整方向においてまたは調整方向に沿って駆動するために使用され、駆動デバイスは、調整デバイス内に配置されており、かつ、
図1では認識できず、また、駆動デバイスは、ステータ2に対し固定して接続され、かつ、細長いスライダ4と摩擦接触しているかまたは摩擦接触する。そして、スライダ4は、支持デバイス3により駆動方向に沿って直線的に支持されるかまたはガイドされ、ここで、駆動方向は、調整方向と実質的に一致する。図示された実施形態では、支持デバイス3は、スライダ4に固定された第1の線形ガイド・レール31およびステータ2に固定された第2の線形ガイド・レール32から形成され、ここで、動作状態では、線形ガイド・レール31および32は、スライダ4が作動されるときに、互いに沿って移動することができる。
【0046】
調整デバイス1は、挟持状態における挟持デバイス83による駆動方向におけるスライダ4および被駆動要素6の堅固な連結のための、接続デバイス80および挟持デバイス83を有する連結デバイス8を備え、ここで、被駆動要素6とスライダ4との間の駆動方向に沿って延びる回転軸の周りでの相対回転運動が、この連結の自由度として可能になる。この目的のために、連結デバイス8または接続デバイス80は、ベース・セクション88および接続セクション89を備え、これらは、1つの部品として一緒に形成されてよく(
図1から
図7)、または、互いに分離しかつ互いに対し固定される部品として形成されてよい。さらに、解放状態において、挟持デバイス83は、調整デバイス1の組立て状態を確立するために、接続セクション89とスライダ4または被駆動要素6との間の運動クリアランスを可能にする。
【0047】
図1から
図7の図示では、接続デバイス80は、被駆動要素6に対し取り付けられるベース・セクション88、およびベース・セクション88に対し接続される接続セクション89を備える。それにより、挟持デバイス83は、解放状態では、調整デバイス1の装着状態を確立するために、接続セクション89とスライダ4との間の運動クリアランスを可能にし、また、挟持状態では、接続セクション89およびスライダ4を駆動方向において堅固に連結し、それにより、被駆動要素6とスライダ4との間の駆動方向に沿って延在する回転の軸の周りでの相対回転運動を可能にする。
【0048】
あるいは、
図1から
図7に示されていない他の実装では、ベース・セクション88は、スライダ4に対し取り付けられてよく、ベース・セクション88に対し接続される接続セクション89は、解放状態において被駆動要素6と機械的に相互作用してよく、挟持デバイス83は、解放状態では、調整デバイス1の装着状態を確立するために、接続セクション89と被駆動要素6との間の運動クリアランスを可能にし、また、挟持状態では、接続セクション89および被駆動要素6を駆動方向において堅固に連結し、それにより、被駆動要素6とスライダ4との間の駆動方向に沿って延在する回転の軸の周りでの相対回転運動を可能にする。この場合、特に、挟持デバイスは、被駆動要素6内にまたは被駆動要素6上に配置または固定され得る。
【0049】
図に示されるように、挟持デバイス83は一般に、ねじまたはボルトなどの作動部品によって実現されてよく、この作動部品は、スライダ4のまたは被駆動要素6の開口部またはボア内で、作動部品と接続セクション89との間に遊びまたは間隔が存在する解放状態と、作動部品が接続セクション89を圧迫する挟持状態との間の位置において移動可能または調整可能であってよい。
【0050】
したがって、スライダ4は、駆動方向において接続デバイス80を介して被駆動要素6に対し堅固に連結されることが可能であり、ここで、連結デバイス8は、少なくとも駆動方向もしくは調整方向においてまたはそれに沿って特にスライダ4と被駆動要素6との間の非常に堅固な連結を確実にし得る。
図1から
図7の図示では、接続要素80の接続セクション89は、ねじにより被駆動要素6に対し固定して接続される。
【0051】
図1から
図7の実施形態では、接続セクション89は、スライダ4の凹部40内に突出する2つのばね弾性セクション82または821、822によって形成され、ここで、各々が球の形態である支持要素81または821aもしくは822aが、ばね弾性セクション82と、駆動方向もしくは調整方向においてまたはそれに沿ってスライダ4の凹部40を区切る表面との間にそれぞれ配置される。これに対する代替形態として、接続セクション89が1つだけのばね弾性セクション82として設計され得ることが、実現され得る。一般に、調整デバイス1はまた、支持要素なしで設計され得る。
【0052】
図2は、被駆動要素が取り外された
図1による調整デバイス1を、上方からの切断されていない斜視図で示す。この図示に基づくと、スライダ4を装着またはガイドするための支持デバイス3と同様に、ガイド・デバイス7の2つの線形ガイドが見られ得る。この場合、スライダ4は、支持デバイス3の直線的に移動可能な部分の一部分が収容される、溝形状の凹部を備える。さらに、駆動デバイス5は、V形状、およびV形状内に対で配置された円柱状の圧電素子を備え、ここで、
図2には見られない摩擦要素が、互いに向かってテーパを有する1対の圧電素子の端部に配置され、この摩擦要素は、スライダ4との、またはスライダ4上に配置された摩擦層との、またはスライダ4上に配置された摩擦要素との摩擦接触のために設けられている。
【0053】
図3は、特に、
図2の図示に関してガイド・デバイス7に対し平行に定められたセクションに基づいて支持デバイス3上にスライダ4を配置するための、
図1から
図5による調整デバイス1のさらなる詳細を示す。
【0054】
図4は、連結デバイス8の領域の周りの
図3によるセクションの拡大された詳細を示し、一方で、
図5は、この点について拡大された詳細を表す。一体形接続要素として設計されている接続デバイス80は、T字形状の断面を備え、図示上での視線方向において水平に配置されたレッグ、つまりベース・セクション88aは、ねじ接続による被駆動要素6に対するベース・セクション88aの固定された接続を実現し、一方で、視線方向に見たときに接続デバイス80に対し垂直に延在する接続デバイス80の接続セクション88は、2つのばね弾性セクション82または821、822を備え、これらのセクションは、接続セクション88と一体にまたは一体化されて構成され、かつ、互いに向かい合いかつ駆動方向または調整方向に関して互いに距離を置いて配置され、また、これらのセクションは、スライダ4に形成された凹部40へと部分的に挿入される。ばね弾性セクション821、822と接触する挟持要素84が、中間空間82aに配設され、この中間空間82aは、互いに離間した2つのばね弾性セクション82の間に配設され、かつ、駆動方向において2つのばね弾性セクション82によって区切られている。挟持要素84と反対の側に面するそれぞれのばね弾性セクション82または821、822の各側では、断面がV形状である凹部が、それぞれのばね弾性セクション82または821、822に形成され、この凹部は、それぞれに関連した特に球体(
図4)または半球体の形態である支持要素81を受け入れるための支持セクション80aまたは821aもしくは822aを形成する。それぞれの支持セクション80aは、支持要素81またはその球体状の表面が環状の表面接触を介して支持セクション80a上で支持されるように、円錐形状を備える。
【0055】
それぞれの支持セクション80aの円錐形状は、支持要素81の球体状の表面領域との相互作用において、支持要素81を圧迫するときまたは支持要素81を対応する支持セクション80aに押し付けるときに、支持要素81の自己センタリングを確実にする。このようにして、単に支持要素81を支持セクション80aに押し付けるまたは押すことにより支持セクション80aの上昇がスライダ4内の凹部40の底から行われることが、提供され得る。支持要素81の球体状の設計の場合、これらは、ばね弾性セクション82と反対の側を向いた側の平坦な表面上での点接触を介して挟持デバイス83の凹部または作動部品の側面上で支持され、かつ、環状の表面接触を介して支持セクション80a上で支持され得る。視線方向において
図4または
図5における左側の支持要素81のための平面状の支持表面は、凹部40の側壁40aによって形成されるが、
図4または
図5における右側の支持要素81のための平面状の支持表面は、挟持デバイス83bの作動部品83bの平坦な表面83aによって形成される。したがって、駆動方向からまたは調整方向から逸脱する方向を有する望ましくない力は、伝達されない。さらに、支持要素のこの種の装着または支持は、望ましい回転自由度を確保し、これは、スライダ4と連結デバイス8またはそれに対し接続された被駆動要素6との間の相互の傾斜または枢動を可能にする。
【0056】
弾性セクション82に形成された支持セクション80aまたは821aもしくは822aに支持要素81を押し付けるまたは押すことは、特にねじの形態で示されている作動部品83bを含む挟持デバイス83によって実現され、作動部品83bの平坦な端面は、
図4または
図5の提示上への視線方向において見たときに、右方の支持要素81に係合し、かつ、右方の支持要素81を対応する挟持力に基づいて関連するばね弾性セクション82上への方向に圧迫する。結果として、
図4または
図5の提示に関して、右方の支持要素81は、関連する、また
図4または
図5の提示に関して右方のばね弾性セクション82を圧迫し、かつ、右方のばね弾性セクション82を、対応する方向に、すなわち左方に偏向させる。したがって、
図4または
図5の提示に関して、右方のばね弾性セクション82は、
図4または
図5の提示に関して挟持要素84が
図4または
図5における左方のばね弾性セクション82と接触して、挟持デバイス83によってもたらされた挟持力をばね弾性セクション82に対し伝達するように、挟持要素84と接触するかまたは挟持要素84を圧迫する。
図4または
図5の提示上への視線方向において見たときに、左方のばね弾性セクション82とスライダ4との間に支持要素81が配置されるので、支持要素81は、挟持力により側壁40aとこのばね弾性セクションとの間に挟持され、また、
図4または
図5の提示上への視線方向において見たときに、対応する反力が、
図4および
図5における挟持要素84上の左方のばね弾性セクション82の接触を確実にする。したがって、両方のばね弾性セクション82は、どちらも挟持要素84およびそれぞれの支持要素81と接触しており、それが、連結デバイス8のまたは連結デバイス8に対し固定して接続された被駆動要素6のスライダ4に対する堅固な連結をもたらす。
【0057】
1つ以上のセクション82は、いずれの場合にもばね弾性である必要はなく、堅固に実装されてもよい。
対応する組立ての場合、支持要素81が、スライダ4の凹部40の2つの側壁40a、40bの近傍に位置付けられるように、最初に凹部40へと挿入される。次いで、被駆動要素6が、その凹部がスライダ4の凹部40の領域に接続デバイス80または接続セクション89を受け入れるように機能するまで、駆動デバイスまたは調整デバイスに沿って変位される。次いで、接続セクション89が、2つのばね弾性セクション82の間および中間空間82aに挿入される挟持要素84と一緒に、弾性ばねセクション82が2つの支持要素81の間に配置されるように、被駆動要素6の凹部内に挿入される。これは、被駆動要素6が調整方向に沿って自由に摺動可能または移動可能であることによって可能とされるかまたは促進される。さらなるシーケンスにおいて、接続セクション89、したがって接続デバイス80が、ねじ留めにより被駆動要素6に対し接続される。最後に、
図4または
図5の提示上への視線方向に見たときに平面状の挟持デバイス表面83aが右方の支持要素81と接触するように、挟持デバイス83の作動部品またはねじが締められて挟持状態にさせられ、ねじがさらに締められると、支持要素81、ばね弾性セクション82、および挟持要素84を互いに対して挟持する挟持力が発揮され、ここで、それらは、駆動方向もしくは調整方向へのまたはそれに沿ったスライダ4および被駆動要素6の非常に剛直な連結を確実にする接触がブロック上で実現されると同時にスライダおよび被駆動要素の相互の傾斜または枢動のための回転自由度が提供されるように、それぞれ互いに接触している。上記で概説された組立て工程のシーケンスと対照的に、最初に挟持デバイス83のねじを締め、次いで単に被駆動要素6および接続セクション89または接続デバイス80の接続を実装することが、可能である。
【0058】
図1から
図7を参照して説明される実施形態では、接続セクション89は一般に、スライダ4の凹部40へと突出し、ここで、挟持デバイス83は、スライダ4にまたはスライダ4上に形成されている。解放状態では、挟持デバイス83はまた一般に、スライダ4の凹部40における接続セクション89の運動クリアランスを可能にし、調整デバイス1の動作状態では、挟持デバイス83は、接続セクション89を挟持デバイス83に面するスライダ4の凹部40の接触面40aに押し付け、それにより、スライダ4を駆動方向において被駆動要素6に対し堅固に連結し、駆動方向に沿って延びる回転の軸の周りでの相対回転運動が、被駆動要素6とスライダ4との間で可能とされる。
【0059】
図6は、
図1から
図5とは異なって設計された連結デバイス8を含む本発明による調整デバイスのさらなる実施形態を示し、この連結デバイス8は、接続デバイス80に加えて、単独で実現された装着部85を備え、この装着部85は、スライダ4に固定され、したがってスライダ4の一部と見なされ得る。装着部85およびスライダ4はまた、一体品として、つまり一体スライダ4として、一緒に実現され得る。
【0060】
図6および7を参照して本明細書において説明される実施形態では、一般に、ベース・セクション88が被駆動要素6に対しまたはスライダ4に対し取り付けられることが、提供される。
図6および7に示された調整デバイス1の実施形態では、ベース・セクション88は、被駆動要素6に対し固定される。これらの実施形態の各々では、挟持デバイス83は、ベース・セクション88と接続セクション89との間で作用し、挟持デバイス83は、解放状態では、ベース・セクション88と接続セクション89との間の運動クリアランスを可能にし、挟持状態では、接続セクション89をベース・セクション88からスライダ4の装着部85に押し付け、かつ、装着部85を被駆動要素6に押し付ける。代替的な実装では、ベース・セクション88はまた、スライダ4に対し固定されてよく、また、さらなる構成要素が、類似した形で実現され得る。
【0061】
図6および7の実施形態では、ベース・セクション88および接続セクション89は、駆動方向において互いに対して弾性的に装着される。
具体的には、
図6の実施形態では、一方では、支持要素81(これは、
図6の提示上への視線方向に見たときに、右方の支持要素である)が、接続デバイス80、特にその接続セクション89と装着部85との間に配置され、他方では、支持要素81(これは、
図6の提示上への視線方向に見たときに、左方の支持要素である)が、装着部85と被駆動要素6の内壁面との間に配置される。連結デバイス8のそのような実施形態は、
図1から
図5による実施形態ほどコンパクトではないが、これは、装着の技術的利点を提供し得る。したがって、特に、ばね弾性セクションのより簡易な接近性が実現され得る。球体状の形状から逸脱する支持要素が使用される場合、例えば研削され、したがって平坦にされた球が使用される場合、連結デバイスのそのような実施形態により、支持要素のより簡易な位置合わせが可能である。
【0062】
連結デバイス8の装着部85は、基本的に堅固であり、かつ、特にスライダ4と支持デバイス3との間の接続に役立つ。
図6の提示上への視線方向に見たときに、装着部85の左側では、支持要素81がその球体状セクションにより装着部85の支持セクション85aに対接し、それが自己センタリングを引き起こし、一方で、支持要素81の平坦にされたセクションは、被駆動要素6の平坦面上で支持される。装着部85は、一方ではスライダ4に対し接続され、他方ではねじにより支持デバイス3に対し接続される。
図6の提示上への視線方向に見たときに、装着部85の右側では、他方の支持要素81が、その相補的に成形された平坦にされた部分により、そこに位置付けられた平坦な側面に寄り掛る。
図6の提示上への視線方向に見たときに右側のものである装着部81の球体状セクションは、相補的に成形されて自己センタリングを引き起こす接続要素80の支持セクション80a上で支持される。接続要素80は、スライダ4および被駆動要素6に対し接続される。
【0063】
図7は、ベース・セクション(88)および接続セクション89から形成された
図6の接続デバイス80の構成を、上方からの平面図において示し、ここで、ベース・セクション88および接続セクション89は、特に、ここでは固体ヒンジの形態であるばねデバイスの作用に逆らって互いに対して移動可能であり、このばねデバイスは、ベース・セクション88と接続セクション89との間に配置されている。接続セクション89は、挟持部80bとして設計され、挟持部80bは、固体ヒンジを介して、接続要素80の残りの部分に対し、つまりベース・セクション88に対し接続される。固体ヒンジは、挟持デバイス83による挟持力の発揮が起こった場合に前述の挟持力が実質的に駆動方向もしくは調整方向においてまたはそれに沿って作用するように、設計される。挟持デバイス83は、ここではねじの形態である作動部品を備え、この作動部品は、ここでは接続デバイス80のばね弾性セクション82の形態であるベース・セクション88に形成されたねじ穴へと螺入され、挟持部80bが装着部85の方向に圧迫されるように、そのねじ端面を挟持部80bに押し付ける。挟持デバイス83に向かい合って配置された挟持部80bの側では、
図7の提示上への視線方向に見たときに左方の支持要素81が、その球体状に形成されたセクションにより支持セクション80aに対接し、かつ、装着部85が他方の支持要素81の方向に圧迫されるように、装着部85への方向に圧迫し、そして、他方の支持要素81は、平坦にされた側面により、被駆動要素6(
図7では不可視)の内壁面上で支持され、それと同時に、その球体状に形成されたセクションは、相補的に成形された支持セクション85aによって支持される。したがって、接続要素80またはその挟持部80b、支持要素81、および装着部85は、互いに補強されるかまたは押し付けられ、接触がブロック上で実現され、これが、駆動方向または調整方向におけるスライダ4と被駆動要素6との間の堅固な連結を確実にする。しかし、
図6による調整デバイスの実現において、右方への駆動または調整の場合にはばね弾性セクション82の比較的高い弾性が顕著になるので、駆動方向または調整方向に沿った堅固さは、右方へよりも左方へのほうがより大きい。同様に、
図7では、連結の剛性は、右方への駆動または調整の場合には、左方への駆動または調整の場合よりも高い。
【0064】
一般に、
図6および7に図示された実施形態において、選択肢として、第1の支持要素81aが、スライダ4の装着部85と接続セクション89との間に位置付けられ、第2の支持要素81bが、スライダ4の装着部85と被駆動要素6との間に配設され、その結果、挟持状態において、支持要素81a、81bが、駆動方向に沿って延在する回転の軸の周りでの被駆動要素6とスライダ4との間の相対回転運動を提供するための枢動ジョイント90を形成する。あるいは、これらの実施形態は、支持要素81a、81bのうちの一方のみを備えるか、または、挟持状態において作動部品83bが接続セクション89を直接圧迫し、その結果として接続セクション89が装着部85に直接押し付けられ、そして装着部85が被駆動要素6に直接押し付けられるように、支持要素81a、81bを備えない。
【0065】
さらに、これらの実施形態では、選択肢として、支持要素81a、81bのそれぞれは、いずれも場合にも、少なくとも一部分が球体状に成形された支持要素として形成される。
【0066】
さらに、これらの実施形態では、挟持デバイス83に面する側のスライダ4の装着部85は、第1の支持セクション80aを備え、それぞれの支持要素が、第1の支持セクション上で支持され、また、挟持状態において、挟持デバイス83は、第1の支持要素を装着部85に押し付け、それにより、それぞれの支持要素と挟持デバイス83との間の相対的回転を可能にする。
【0067】
さらに、これらの実施形態では、選択肢として、スライダ4の装着部85は、挟持デバイス83と反対の側を向いた側に第2の支持セクションを備え、それぞれの支持要素が、第2の支持セクション85aに装着され、また、挟持状態において、挟持デバイス(83)は、装着部85を第2の支持要素に押し付け、第2の支持要素は、被駆動要素6を圧迫し、その際に、それぞれの支持要素と装着部85との間の相対的回転を可能にする。
【0068】
特に、それぞれの支持要素80a、85aは、支持要素81の球体状に成形されたセクションに関して自己センタリングにより作用するように、成形され得る。
図では、線形調整経路を有する調整デバイスが常に示されているが、本発明は、線形調整デバイスに限定されるものではなく、ロータが回転または調整運動としての回転を実行する回転式デバイスまたは回転式調整デバイスも考えられる。
【符号の説明】
【0069】
1 調整デバイス
2 ステータ
3 支持デバイス
4 スライダ
5 駆動デバイス
6 被駆動要素
7 ガイド・デバイス
8 連結デバイス
40 (スライダ4の)凹部
40a 側壁(凹部40)
40b 側壁(凹部40)
80 接続デバイス(連結デバイス8)
80a、821a、822a 支持セクション(接続デバイス80)
80b (接続要素80の)挟持部
81 支持要素(連結デバイス8)
82、821、822 ばね弾性セクション(連結デバイス8)
82 ギャップ
83 挟持デバイス(連結デバイス8)
83a 挟持デバイス表面
83b 作動部品
84 挟持要素(連結デバイス)
85 堅固な連結のための装着部
85a (装着部の)装着セクション
88 ベース・セクション
89 接続セクション
90 枢動ジョイント