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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20241129BHJP
   F21S 8/06 20060101ALI20241129BHJP
   F21V 21/10 20060101ALI20241129BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241129BHJP
   F21Y 113/17 20160101ALN20241129BHJP
【FI】
F21V33/00 430
F21S8/06
F21V21/10 300
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y113:17
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021036252
(22)【出願日】2021-03-08
(65)【公開番号】P2022136573
(43)【公開日】2022-09-21
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】今木 研志
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0007968(US,A1)
【文献】特開2011-154126(JP,A)
【文献】特開2013-162212(JP,A)
【文献】特開平05-005334(JP,A)
【文献】国際公開第2012/160459(WO,A1)
【文献】特開2015-139086(JP,A)
【文献】特開2010-031501(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0067663(US,A1)
【文献】特表2014-533421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00-99/00
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 21/00-21/40
F21Y 115/10
F21Y 113/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域に対して光を照射する照明部と、
ノイズ音を出力するノイズ出力部と、
前記照明部及び前記ノイズ出力部が設けられる本体部とを備え、
前記ノイズ出力部は、前記第1領域以外の外側の領域である第2領域に対して前記ノイズ音を出力し、
前記本体部は、ノイズ音を吸音する吸音部を有し、
前記吸音部は、前記本体部において、前記ノイズ出力部よりも前記第2領域側に配置される
照明装置。
【請求項2】
さらに、スピーカを備え、
前記スピーカは、前記第1領域に対して外部音声を出力する
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ノイズ出力部は、前記スピーカよりも前記本体部の側面側に位置する
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記照明装置が造営材に設置された場合、前記吸音部は、前記本体部において、前記ノイズ出力部よりも前記造営材側とは反対側に配置される
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記照明装置が造営材に設置された場合、前記本体部は、前記造営材から規定距離離間している
請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ではオフィス等において、オープンスペースを用いて打ち合わせをするケースが増加している。このような場合、打ち合わせによる会話が周囲に聞こえてしまい、周囲に存在する人の集中力が低下する恐れがある。
【0003】
そこで、特許文献1には、集中力低下を防止するための執務環境調整システムが開示されている。執務環境調整システムは、執務室の全体を照らすアビエント照明部と、複数の執務領域のそれぞれをアビエント照明よりも高い照度で照らす複数のタスク照明部と、作業が行われる執務テーブルに向けて音を流す複数のサウンドマスキング部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-154483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の執務環境調整システムでは、打ち合わせをしている人の会話が、周囲に存在する外部の人に聞こえてしまったり、打ち合わせをしている人同士の会話が聞き取りづらくなったりする場合がある。
【0006】
そこで、本開示は、外部の人に会話を聞こえ難くしつつ、打ち合わせをしている人同士が会話を聞き取りやすくすることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明装置は、第1領域に対して光を照射する照明部と、ノイズ音を出力するノイズ出力部と、前記照明部及び前記ノイズ出力部が設けられる本体部とを備え、前記ノイズ出力部は、前記第1領域以外の外側の領域である第2領域に対して前記ノイズ音を出力し、前記本体部は、ノイズ音を吸音する吸音部を有し、前記吸音部は、前記本体部において、前記ノイズ出力部よりも前記第2領域側に配置される
【発明の効果】
【0008】
本開示の照明装置によれば、外部の人に会話を聞こえ難くしつつ、打ち合わせをしている人同士が会話を聞き取りやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る照明装置を示す斜視図である。
図2図2は、第1領域と第2領域とを示す模式図である。
図3図3は、実施の形態に係る照明装置のブロック図である。
図4図4は、図1のIV-IV線における照明装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いている。例えば、略平行は、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0012】
また、以下の実施の形態では、発光モジュールの長手方向をX軸方向と規定し、照明部の長手方向と直交するX軸方向と規定し、ワイヤの長手方向をZ軸方向と規定し、X軸方向及びZ軸方向と垂直な方向をY軸方向とする。また、X軸方向において照明部の奥行方向をプラス側の方向とし、Y軸方向において図面右側の方向をプラス側の方向とし、Z軸方向において本体部に対してワイヤ側をプラス側の方向とする。
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0014】
(実施の形態)
<構成:照明装置1>
照明装置1の構成について、図1図4を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明装置1を示す斜視図である。図2は、第1領域R1と第2領域R2とを示す模式図である。図3は、実施の形態に係る照明装置1のブロック図である。図4は、図1のIV-IV線における照明装置1を示す断面図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、照明装置1は、施設の天井又は壁等の造営材に設置され、周囲を照明することが可能である。本実施の形態では、照明装置1は、施設におけるオープンスペースに設置されている椅子、テーブル等の鉛直上方に配置される。この場合、照明装置1は、その直下及びその周辺に存在している椅子、テーブル等を含めた領域を照明することができる。例えば、照明装置1は、ペンダントライト、シーリングライト等である。
【0016】
図1図3及び図4に示すように、照明装置1は、本体部10と、照明部20と、ノイズ出力部30と、通信部40と、スピーカ50と、マイク60と、制御部70とを備えている。
【0017】
本体部10には、照明部20、ノイズ出力部30及びスピーカ50が設けられる。つまり、本体部10は、照明部20、ノイズ出力部30及びスピーカ50を収容する収容体である。本実施の形態では、本体部10は、ワイヤ90に連結され、ワイヤ90によって造営材に吊り下げられた状態で配置される。
【0018】
本体部10は、Z軸方向に扁平な直方体状をなしている。本実施の形態では、本体部10は、X-Y平面と略平行な姿勢となるように、ワイヤ90によって造営材に吊り下げられた状態で配置されている。なお、本体部10の形状は、直方体状には限定されず、如何様な形状であってもよい。例えば、本体部10の形状は、円盤状、錐台状等であってもよい。
【0019】
また、図4に示すように、照明装置1が造営材に設置された場合、本体部10は、造営材から規定距離離間した位置に配置される。本実施の形態では、本体部10は、ワイヤ90を介して造営材に吊り下げられるため、造営材から規定距離離間した位置に配置される。規定距離とは、予め定められて距離である。
【0020】
本体部10は、第1筐体11と、第2筐体12とを有する。
【0021】
第1筐体11は、第2筐体12に対してZ軸マイナス方向側に配置されている。第1筐体11は、照明部20、ノイズ出力部30及びスピーカ50を収容している。
【0022】
第1筐体11には、照明部20が発した光を通過させるための開口部13が形成されている。開口部13は、第1筐体11のZ軸マイナス方向側の底部に形成されている。開口部13は、照明部20の大きさに応じて形成されている。このため、本実施の形態では、開口部13は、X軸方向に沿って長尺であり、第1筐体11の中央部分に形成されている。なお、開口部13は、照明部20の数に応じて2つ形成されているがこれには限定されない。開口部13の数は、照明部20の数に応じて形成されるため、1つでもよく、3つ以上でもよい。
【0023】
開口部13には、透光性を有する透光カバー23が設けられている。透光カバー23は、照明部20を覆う透光性のカバー部材である。透光カバー23は、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂等の透光性樹脂、又は、ガラス等の透光性材料によって構成されている。
【0024】
第2筐体12は、Z軸方向に沿って見た場合に、第1筐体11と重なるように、第1筐体11に対してZ軸プラス方向側に配置されている。第2筐体12は、第1筐体11と連結されることで、照明部20、ノイズ出力部30及びスピーカ50を覆い隠すことができる。第2筐体12は、ワイヤ90に連結されることで、第1筐体11とともに造営材から吊り下げられる。
【0025】
なお、図示はしないが、本体部10には、ノイズ出力部30からノイズ音を外部に出力したり、スピーカ50から外部音声を外部に出力したりすることができるような開口部が形成されていてもよく、当該開口部にグリル等が設けられていてもよい。
【0026】
本体部10は、ノイズ音を吸音する吸音部14を有する。吸音部14は、ノイズ音を吸音する効果のある材質で構成されている。例えば、吸音部14は、ウレタン等の発泡体、コルク等の多孔質構造体等で構成されている。
【0027】
吸音部14は、Z軸プラス方向に沿って見た場合に、ノイズ出力部30を覆っている。吸音部14は、本体部10において、ノイズ出力部30よりも第2領域R2側に配置される。つまり、吸音部14は、ノイズ出力部30よりもY軸方向及びX軸方向に張り出ている。具体的には、照明装置1が造営材に設置された場合、吸音部14は、本体部10において、ノイズ出力部30よりも造営材側とは反対側に配置される。このため、吸音部14と造営材との間には、ノイズ出力部30が配置される。
【0028】
なお、吸音部14は、本体部10全体を構成していてもよく、本体部10の一部である第1筐体11全体を構成していてもよい。また、吸音部14は、第1筐体11の一部に構成されていてもよい。また、吸音部14は、第1筐体11の外殻部分に貼りつけられていてもよく、内部に敷き詰められていてもよい。
【0029】
なお、吸音部14は、本体部10からノイズ出力部30のノイズ音を出力したり、スピーカ50から外部音声を出力したりするために、ノイズ出力部30及びスピーカ50の振動板と対向する箇所に設けられていない。
【0030】
図2及び図4に示すように、照明部20は、第1領域R1に対して光を照射する。本実施の形態では、照明部20は、本体部10よりも鉛直下方であるZ軸マイナス方向側に向けて光を照射する。ここで、第1領域R1とは、照明部20が光を照射する領域である。本実施の形態では、第1領域R1は、オープンスペース等において打ち合わせをするために設けられた椅子、テーブル等を含めた予め定められた規定の領域である。図2では、第1領域R1は、二点鎖線で示すような、照明装置1の直下及びその周辺の領域を例示している。
【0031】
本実施の形態では、照明部20は、X軸方向に沿って長尺である。また、本実施の形態では、照明部20は、Y軸方向に沿って本体部10に2つ設けられている。なお、照明部20は、X軸方向に沿って設けられていてもよく、本体部10に1つ又は3つ以上設けられていてもよい。つまり、本体部10における照明部20の配置及び数は、特に限定されない。
【0032】
図1及び図4に示すように、照明部20は、基板21と、光源22とを有する。
【0033】
基板21は、光源22が実装(配置)される基板であり、光源22に電力を供給するための金属配線を有している。基板21は、X-Y平面に対して略平行な姿勢となるように本体部10に配置されている。本実施の形態では、基板21は、第1筐体11の開口部13の形状に応じた大きさであり、X軸方向に沿って長尺である。
【0034】
光源22は、少なくとも1つの発光素子を有する発光モジュールである。光源22は、制御回路からの投入電力によって発光する。本実施の形態では、光源22は、光源22の発光面が第1筐体11の開口部13の開口面及び透光カバー23と対向するように基板21に配置されている。このため光源22は、発した光が開口部13及び透光カバー23を通過することで、第1領域R1に照射することができる。また、本実施の形態では、光源22は、基板21の長手方向に沿って複数配置されている。
【0035】
光源22は、LED(Light Emitting Diode)チップである発光素子と、発光素子が出射した光を波長変換することで蛍光を出射する蛍光体とを有している。例えば、光源22は、白色光を出射するように構成される。具体的には、光源22は、COB(Chip On Board)型のLED素子で構成され、LED素子と、蛍光体を含み、LED素子を封止するための封止部材とを有している。なお、光源22として、SMD(Surface Mount Device)型のLEDが用いられてもよい。
【0036】
なお、光源22は、RGBWの4色LED光源であり、赤色光、緑色光、青色光及び白色光の4色の単色光を出射するとともに、これらの4色の単色光を調光することで得られるカラー光又は白色光を出射してもよい。なお、光源22は、1色以上の光を出射するだけでもよく、RGBの3色であってもよく、BWの2色であってもよい。
【0037】
なお、照明装置1は、電源回路を備えていてもよい。この場合、光源22は、電源回路に設けられている図示しない制御回路により制御されることで点灯及び消灯が行われてもよい。光源22は、電源回路に設けられている制御回路により制御されることで、調光調色が行われてもよい。なお、制御回路は、所定の発光態様で点灯するように、光源22が発する光の発光態様を制御してもよい。例えば、制御回路は、全ての光源22が出射する光について、点消灯(点灯、消灯)を制御したり、明るさを変えたり、光色を変えたりするように制御してもよい。
【0038】
図2及び図4に示すように、ノイズ出力部30は、ノイズ音を出力する。具体的には、ノイズ出力部30は、第2領域R2に対してノイズ音を出力する。つまりノイズ出力部30が出力するノイズ音の出力の方向(指向性の方向)は、第2領域R2に向いている。このため、ノイズ出力部30は、第1領域R1に対してはノイズ音を出力しない。第1領域R1で打ち合わせによる会話をする場合、ノイズ音による影響を受け難いため、ノイズ音は、第1領域R1における打ち合わせによる会話を妨げ難い。
【0039】
ここで、ノイズ音は、環境音、ホワイトノイズ、雑踏音等のような、第2領域R2に存在する外部の人に対して会話を紛らわせることができる音である。環境音は、例えば、水のせせらぎ、鳥のさえずり、風に揺れる木の音等の自然の音である。ここで、第2領域R2は、第1領域R1以外の外側の領域である。図2では、第2領域R2は、第1領域R1とは重ならない。
【0040】
ノイズ音の出力の方向は、第1領域R1に向いておらず、照明部20から照射される光の方向(光の照射方向)及びスピーカ50からの外部音声の出力の方向(指向性の方向)と交わらず、かつ、重ならない。
【0041】
ノイズ出力部30は、スピーカ50よりも本体部10の側面側に位置する。つまり、ノイズ出力部30は、本体部10において端縁側に配置されている。つまり、ノイズ出力部30は、本体部10において、第1領域R1の外側の領域である第2領域R2に対してノイズ音を出力し易い位置に配置されている。外部音声は、第1領域R1から離れた遠方に存在している人の音声である。
【0042】
ノイズ出力部30は、本体部10に1以上設けられている。本実施の形態では、図1に示すように、ノイズ出力部30は、スピーカ50を囲むように4か所に配置されているが、これには限定されない。本体部10において、3つ以下のノイズ出力部30が配置されていてもよく、5つ以上のノイズ出力部30が配置されていてもよい。例えば、ノイズ出力部30は、本体部10においてX軸方向又はY軸方向に沿って2つ配置されていてもよい。
【0043】
図3に示すように、通信部40は、外部の端末装置と通信することが可能な通信モジュールである。通信部40は、スピーカ50から出力するための外部音声を端末装置から受信したり、マイク60によって収音された音声を端末装置に送信したりする。
【0044】
図2及び図3に示すように、スピーカ50は、通信部40を介して外部音声を取得することで、第1領域R1に対して外部音声を出力する音響部である。つまり、スピーカ50が出力する外部音声の出力の方向は、第1領域R1に向いている。本実施の形態では、外部音声の出力の方向は、鉛直下方向、つまりZ軸マイナス方向である。スピーカ50は、第1領域R1で打ち合わせをする人に対して外部音声を出力することができるため、第1領域R1に存在している人と、遠方に存在している人とが打ち合わせをすることができる。
【0045】
マイク60は、第1領域R1に存在している人の音声を収音する収音部である。また、マイク60が収音する指向性の方向も、第1領域R1に向いている。マイク60が収音した音声は、通信部40を介して、遠方に存在している人の端末装置に送信される。
【0046】
制御部70は、照明部20、スピーカ50、マイク60及びノイズ出力部30のそれぞれを個別に、又は、一体的に制御する。打ち合わせをする場合、制御部70は、照明部20、スピーカ50、マイク60及びノイズ出力部30を制御することで、第1領域R1に対して光の照射と外部音声の出力と収音とを行わせ、かつ、第2領域R2に対してノイズ音を出力することができる第1モードを有する。また、制御部70は、単に照明部20を制御することで第1領域R1に対して光を照射する照明器具として機能させる第2モードを有する。
【0047】
第1モードでは、制御部70は、通信部40を介して外部音声を取得することで、取得した外部音声をスピーカ50に出力する。また、制御部70は、通信部40を介して、マイク60によって収音された第1領域R1に存在する人の会話である音声を、遠方に存在している人の端末装置に送信する。
【0048】
なお、制御部70は、スピーカ50及びマイク60だけを制御することができるモードを有していてもよく、ノイズ出力部30だけを制御することができるモードを有していてもよい。また、制御部70は、これらのモードを組み合わせることで、照明部20、スピーカ50、マイク60及びノイズ出力部30を制御することができてもよい。
【0049】
なお、本実施の形態では、照明装置1は、スピーカ50、マイク60及び通信部40を備えているが、スピーカ50、マイク60及び通信部40を備えていなくてもよい。つまり、スピーカ50、マイク60及び通信部40は、照明装置1の必須の構成要素ではない。
【0050】
本実施の形態の照明装置1は、電源回路を備えておらず、ワイヤ90に設けられた電線を介して給電される構成である。上述したが、照明装置1は、電源回路を備えていてもよい。電源回路は、商用の交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を制御部70、照明部20、スピーカ50、マイク60及びノイズ出力部30等に供給する。電源部は、制御部70からの信号に従って、照明部20、スピーカ50、マイク60及びノイズ出力部30に供給する電力を制御する。これにより、照明部20、スピーカ50、マイク60及びノイズ出力部30等は、供給される電力に応じて出力を変更することができる。
【0051】
<作用効果>
実施の形態に係る照明装置1の作用効果について説明する。
【0052】
以上のように、本実施の形態に係る照明装置1は、第1領域R1に対して光を照射する照明部20と、ノイズ音を出力するノイズ出力部30と、照明部20及びノイズ出力部30が設けられる本体部10とを備える。そして、ノイズ出力部30は、第1領域R1以外の外側の領域である第2領域R2に対してノイズ音を出力する。
【0053】
これによれば、第1領域R1に対して光を照射することで、第1領域R1を照明することができる。このため、第1領域R1での打ち合わせを行い易くなる。また、第1領域R1以外の外側の領域である第2領域R2に対してノイズ音を出力することで、第2領域R2に存在している人は、第1領域R1で打ち合わせが行われていても、その会話が聞き取り難くなる。このため、第1領域R1で打ち合わせをする人は、打ち合わせの内容が聞かれてしまうといった不安を覚え難い。その結果、プライバシーが損なわれたり、機密情報が漏洩したりするといった問題が生じ難い。
【0054】
また、第1領域R1に対してノイズ音が出力され難いため、第1領域R1ではノイズ音が流れ難くなるため、第1領域R1で打ち合わせをする人は、打ち合わせによる音声を聞き取ることができる。このため、第1領域R1で打ち合わせをする人は、快適な打ち合わせを行うことができる。
【0055】
したがって、この照明装置1では、外部の人に会話を聞こえ難くしつつ、打ち合わせをしている人同士が会話を聞き取りやすくすることができる。
【0056】
また、本実施の形態に係る照明装置1は、さらに、スピーカ50を備える。そして、スピーカ50は、第1領域R1に対して外部音声を出力する。
【0057】
これによれば、第1領域R1に外部音声を出力することができるため、遠方に存在している人と打ち合わせ(オンラインミーディング)を行うこともできる。このため、この照明装置1では、オープンスペース等においても安心して打ち合わせを行うことができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る照明装置1において、ノイズ出力部30は、スピーカ50よりも本体部10の側面側に位置する。
【0059】
これによれば、ノイズ出力部30は、第2領域R2に対してノイズ音を出力し易い位置に配置されている。このため、ノイズ出力部30は、スピーカ50等の干渉を受け難く、かつ、第2領域R2に対してノイズ音を出力することができる。つまり、外部音声とノイズ音とが合わさり難いため、スピーカ50は第1領域R1に対して外部音声を出力し、ノイズ出力部30は第2領域R2に対してノイズ音を出力することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係る照明装置1において、本体部10は、ノイズ音を吸音する吸音部14を有する。そして、吸音部14は、本体部10において、ノイズ出力部30よりも第2領域R2側に配置される。
【0061】
これによれば、ノイズ出力部30が第2領域R2側に向けて出力したノイズ音の一部が吸音部14によって吸音されるため、第1領域R1にノイズ音が向かい難い。このため、第1領域R1で打ち合わせをする人は、ノイズ音が聞こえ難いため、快適な打ち合わせを行うことができる。
【0062】
また、本実施の形態に係る照明装置1において、照明装置1が造営材に設置された場合、吸音部14は、本体部10において、ノイズ出力部30よりも造営材側とは反対側に配置される。
【0063】
これによれば、ノイズ出力部30から出力されたノイズ音は、吸音部14が設けられることで、第1領域R1側に向かい難い。このため、第1領域R1で打ち合わせをする人は、よりノイズ音が聞こえ難くなるため、より快適な打ち合わせを行うことができる。
【0064】
また、本実施の形態に係る照明装置1において、照明装置1が造営材に設置された場合、本体部10は、造営材から規定距離離間している。
【0065】
これによれば、本体部10は造営材から離れた位置に配置されるため、造営材で反射された音の影響を抑制することができる。
【0066】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る照明装置について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0067】
例えば、上記各実施の形態に係る照明装置に用いられる各処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0068】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0069】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0070】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0071】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0072】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0073】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 照明装置
10 本体部
14 吸音部
20 照明部
30 ノイズ出力部
50 スピーカ
R1 第1領域
R2 第2領域
図1
図2
図3
図4