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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021043486
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143134
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】松尾 誠一
(72)【発明者】
【氏名】大林 輝一
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-114325(JP,A)
【文献】特開2017-127133(JP,A)
【文献】特開2019-145848(JP,A)
【文献】特開平9-51197(JP,A)
【文献】特開2016-143703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品をノズルで保持し、前記ノズルのノズル軸を回転して基板に搬送する部品実装装置において、
前記ノズル軸の回転量の指令値を指令する実装制御部と、
前記部品の回転状態に応じてフィードバック制御する制御ゲインを設定し、前記指令値を前記制御ゲインにより修正した修正指令値を出力するゲイン制御部と、
前記修正指令値に基づいて前記ノズル軸を回転駆動する回転駆動部と、を備え、
前記ゲイン制御部は、
前記回転駆動部が前記ノズル軸の回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、
前記実装制御部が出力する前記指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、前記ゲイン制御部は前記制御ゲインを前記第1ゲインから前記第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定する、
部品実装装置。
【請求項2】
前記部品の重量およびサイズに関連づけられた部品情報を基に、前記部品が第1カテゴリーの部品であるか否かを識別する部品識別部を備え、
前記部品識別部によって前記部品が第1カテゴリーの部品であると識別された場合に、前記ゲイン制御部は、
前記回転駆動部が前記ノズル軸の回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、
前記実装制御部が出力する前記指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、前記ゲイン制御部は前記制御ゲインを前記第1ゲインから前記第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定する、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記第1カテゴリーの部品は、慣性モーメントが予め定められた第2閾値以上の部品である、
請求項2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記部品識別部によって前記部品が第1カテゴリーの部品でないと識別された場合に、
前記ゲイン制御部は、
前記回転駆動部が前記ノズル軸の回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、
前記実装制御部が出力する前記指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後も、前記制御ゲインは前記第1ゲインのままである、
請求項2または3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記回転駆動部が前記ノズル軸を回転駆動する加速度を設定する回転加速度設定部を備え、
前記回転加速度設定部は、
前記部品識別部によって、前記部品が第1カテゴリーの部品でないと識別された場合に、前記ノズル軸の回転駆動の加速度を第1加速度に設定し、
前記部品が第1カテゴリーの部品であると識別された場合に、前記ノズル軸の回転駆動の加速度を前記第1加速度よりも小さい第2加速度に設定する、
請求項2から4のいずれか1つに記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を回転させて基板に実装する部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に電子部品等の部品を実装する部品実装装置において、部品の搬送用に部品を吸着するノズルが用いられている。ノズルが部品を吸着して、基板上の予め定められた位置に部品を回転させて実装する。
【0003】
例えば、特許文献1には、部品実装装置において、部品を回転させるθ軸モータを駆動し、θ軸モータに付随して設けられたθ軸エンコーダから出力されるパルスを受信してフィードバック処理をすることで部品を所望の角度量だけ回転させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-114325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の部品実装装置において、部品の大きさと重さによって決められる慣性モーメントが大きい場合、例えば、部品が大型で重い場合、部品を回転させた後、フィードバック処理により部品がいつまでも回転方向に沿って揺動し続けて停止しないことがある。
【0006】
従って、本開示の目的は、上記従来の課題を解決することにあって、部品を回転させた後に部品の揺動を収束させる、部品実装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の部品実装装置は、部品をノズルで保持し、ノズルのノズル軸を回転して基板に搬送する部品実装装置において、ノズル軸の回転量の指令値を指令する実装制御部と、部品の回転状態に応じてフィードバック制御する制御ゲインを設定し、指令値を制御ゲインにより修正した修正指令値を出力するゲイン制御部と、修正指令値に基づいてノズル軸を回転駆動する回転駆動部と、を備える。ゲイン制御部は、回転駆動部がノズル軸の回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、実装制御部が出力する指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、ゲイン制御部は制御ゲインを第1ゲインから第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、部品を回転させた後に部品の揺動を収束させる、部品実装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施の形態の部品実装装置の構成を示す平面図
図2】部品実装装置の構成説明図
図3】部品実装装置の真空吸引系の構成を示す説明図
図4】部品実装装置が備える実装ヘッドに装着されるノズルの断面図
図5】部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
図6】部品実装装置の部品の回転に関する制御系の構成を示すブロック図
図7】部品の回転位置を説明する説明図
図8】本開示の部品実装装置における制御においてエンコーダが検出する偏差を示すグラフ
図9】従来の部品実装装置における制御においてエンコーダが検出する偏差を示すグラフ
図10】部品実装装置の部品を回転させて基板に実装する流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第1態様によれば、部品をノズルで保持し、ノズルのノズル軸を回転して基板に搬送する部品実装装置において、ノズル軸の回転量の指令値を指令する実装制御部と、部品の回転状態に応じてフィードバック制御する制御ゲインを設定し、指令値を制御ゲインにより修正した修正指令値を出力するゲイン制御部と、修正指令値に基づいてノズル軸を回転駆動する回転駆動部と、を備える。ゲイン制御部は、回転駆動部がノズル軸の回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、実装制御部が出力する指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、ゲイン制御部は制御ゲインを第1ゲインから第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定する。
【0011】
実装制御部による指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、実装制御部による指令値を修正するゲイン制御部の制御ゲインを回転当初の第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定することで、部品の回転状態に対する応答性を低減させる。これにより、所望の回転角度付近において、回転方向及びその反対方向に沿った部品の揺動を収束させることができる。
【0012】
本開示の第2の態様によれば、部品の重量およびサイズに関連づけられた部品情報を基に、部品が第1カテゴリーの部品であるか否かを識別する部品識別部を備える。部品識別部によって部品が第1カテゴリーの部品であると識別された場合に、ゲイン制御部は、回転駆動部がノズル軸の回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、実装制御部が出力する指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、ゲイン制御部は制御ゲインを第1ゲインから第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定する、第1の態様の部品実装装置を提供する。
【0013】
本開示の第3の態様によれば、第1カテゴリーの部品は、慣性モーメントが予め定められた第2閾値以上の部品である、第2の態様の部品実装装置を提供する。
【0014】
本開示の第4の態様によれば、部品識別部によって部品が第1カテゴリーの部品でないと識別された場合に、ゲイン制御部は、回転駆動部がノズル軸の回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、実装制御部が出力する指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後も、制御ゲインは第1ゲインのままである、第2の態様または第3の態様の部品実装装置を提供する。
【0015】
本開示の第5の態様によれば、回転駆動部がノズル軸を回転駆動する加速度を設定する回転加速度設定部を備え、回転加速度設定部は、部品識別部によって、部品が第1カテゴリーの部品でないと識別された場合に、ノズル軸の回転駆動の加速度を第1加速度に設定し、部品が第1カテゴリーの部品であると識別された場合に、ノズル軸の回転駆動の加速度を第1加速度よりも小さい第2加速度に設定する、第2の態様から第4の態様のいずれか1つの部品実装装置を提供する。
【0016】
以下、本開示に係る部品実装装置の例示的な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0017】
(実施の形態)
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装装置及びノズルの仕様に応じて適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。各図における構成要素の縮尺は、理解を容易にするために、変更して記載しているものもある。図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図1における上下方向)が示される。図2、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(図2における上下方向)が示される。Z方向は、部品実装装置が水平面上に配置された場合の上下方向である。
【0018】
以下の説明において、大型部品とは慣性モーメントが第1閾値以上の部品を称し、小型部品とは慣性モーメントが第1閾値より小さい部品を称する。したがって、大型部品には、サイズが小型であっても重量が重い部品が含まれ、また、小型部品には、サイズが大型であっても重量が軽い部品が含まれる場合がある。第1閾値の大きさは、適宜設定してよい。
【0019】
図1及び図2を参照して、部品実装装置1の構成を説明する。図1において、基台1aの中央には、基板搬送機構2がX方向に配置されている。基板搬送機構2は、上流側から搬入された基板3をX方向へ搬送し、以下に説明する実装ヘッドによる実装作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送機構2は、部品実装作業が完了した基板3を下流側に搬出する。基板搬送機構2の両側方には、部品供給部4が配置されている。
【0020】
図1において、部品供給部4には、それぞれ複数のテープフィーダ5がX方向に並列に装着されている。テープフィーダ5は、部品Dを格納するポケットが形成されたキャリアテープを部品供給部4のY方向外側から基板搬送機構2に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、実装ヘッド8が部品Dをピックアップする部品取出し位置P3に部品を供給する。部品Dは、例えば、チップ状の電子部品である。
【0021】
基台1aの上面におけるX方向の両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル6が配置されている。Y軸テーブル6には、同様にリニア機構を備えたビーム7がY方向に移動自在に結合されている。ビーム7には、実装ヘッド8がX方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド8は、複数(例えば、8個)のノズルユニット8aを備えている。
【0022】
図2において、各ノズルユニット8aは、ノズル機構部8bからノズル軸8cを下方に延出させた構成となっている。ノズル軸8cの下端部に結合されたノズル保持部9には、ノズル10が着脱自在に装着されている。ノズル10は、負圧発生源25(図3参照)で発生させた吸引力を利用して部品Dを保持する機能を有する。それぞれのノズル機構部8bは、ノズル軸8cを昇降させるノズル昇降機構8dと、ノズル軸8cを回転させるノズル回転機構8gを備える。ノズル昇降機構8dを駆動することにより、ノズル保持部9に装着されたノズル10は個別に昇降する。ノズル回転機構8gを駆動することにより、ノズル10はノズル軸8c周りに回転する。
【0023】
ノズル昇降機構8dは、ノズル軸8cを上下方向(z方向)に駆動する昇降駆動部8eを備える。昇降駆動部8eは、例えばサーボモータである。
【0024】
ノズル回転機構8gは、ノズル軸8cをθ方向に回転させる回転駆動部8hと、回転駆動部8hの駆動量を検出する回転駆動量検出部8kと、を備える。回転駆動部8hは、例えばサーボモータであり、回転駆動量検出部8kは、例えばエンコーダである。このように、回転駆動部8hはノズル10を回転させ、回転駆動量検出部8kによって検出された回転駆動部8hの駆動量を基に、ノズル10の回転量を制御することができる。
【0025】
図1において、Y軸テーブル6及びビーム7は、実装ヘッド8を水平方向(X方向、Y方向)に移動させる実装ヘッド移動機構11を構成する。実装ヘッド移動機構11及び実装ヘッド8は、部品供給部4に装着されているテープフィーダ5の部品取出し位置から部品Dをノズル10によって吸着してピックアップし、基板搬送機構2に保持された基板3の実装位置に移送して実装する部品実装作業を実行する。
【0026】
図1及び図2において、ビーム7には、ビーム7の下面側に位置して実装ヘッド8とともに一体的に移動するヘッドカメラ12が装着されている。実装ヘッド8が移動することにより、ヘッドカメラ12は基板搬送機構2の実装作業位置に位置決めされた基板3の上方に移動して、基板3に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板3の位置を認識する。
【0027】
部品供給部4と基板搬送機構2との間には、部品認識カメラ13が配置されている。部品認識カメラ13は、部品供給部4から部品Dを取り出した実装ヘッド8が上方を移動する際に、ノズル10に保持された部品Dを撮像して形状及び基準位置からの回転量を認識する。実装ヘッド8による部品Dの基板3への部品実装作業において、ヘッドカメラ12による基板3の認識結果と部品認識カメラ13による部品Dの認識結果とを考慮して実装位置の補正が行われる。
【0028】
部品実装装置1の両側方で作業者が作業する位置には、それぞれ作業者が操作するタッチパネル15が配置されている。タッチパネル15は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品実装装置1の操作を行う。
【0029】
図2において、部品供給部4には、台車16が結合されている。台車16の上部には、複数のテープフィーダ5がX方向に並んで取り付けられている。台車16の前側には、部品Dを収納するキャリアテープ17が巻回されたリール18が保持されている。テープフィーダ5は、リール18に収納されているキャリアテープ17をテープ送り方向に搬送して実装ヘッド8によって部品Dが取り出される取り出し位置P3に部品Dを供給する。
【0030】
次に図3及び図4を参照して、ノズル10の構成について説明する。図3は、ノズル10の上部がノズル保持部9に保持された状態を示している。図4は、ノズル保持部9から取り外されたノズル10の断面を示している。図3及び図4において、ノズル10は、ノズル本体19とノズル本体保持部20を含む。
【0031】
ノズル本体19は、基端部21と、基端部21の内部に形成された上下に貫通する上部吸引孔21aに下方から挿入されて結合された下端部22を含む。基端部21の下端には円板状のバネ座部21bが外周から半径方向に延出して形成されている。下端部22の内部には、上下に貫通して下端の部品吸着面22aに開口する下部吸引孔22bが形成されている。
【0032】
ノズル本体保持部20には、中央より下側の外周に円板状のつば部20aが形成され、内部に上下に貫通する嵌合孔20bが形成されている。ノズル本体19は、つば部20aとバネ座部21bの間に弾性体であるバネ23を装着した状態で、嵌合孔20bに下方から挿入される。バネ23は、例えば、コイルバネであるが、板バネでもよい。ノズル本体保持部20の対向する2つの側面には、それぞれノズル本体19が摺動する上下方向に延びる長孔20cが形成されている。長孔20cは、ノズル本体保持部20の外周から嵌合孔20bまで貫通する。
【0033】
ノズル本体19には、対向する長孔20cの間を貫通するように挿入され、長孔20c内に沿って上下に移動するピン24が結合されている。これによって、ノズル本体19は上下方向を回転軸とする回転が規制され、ノズル本体保持部20内を上下に移動可能である。ノズル本体19は、バネ23によって下方に付勢され、ピン24が長孔20cの下端面に当接する位置で、下方への移動が規制される。
【0034】
図3に示すように、ノズル10がノズル保持部9に保持されると、ノズル軸8cの内部に形成された真空吸引路8fは、ノズル保持部9の内部に形成された接続孔9a、ノズル10の嵌合孔20b、上部吸引孔21a、下部吸引孔22bと連通する。真空吸引路8fは負圧発生源25に接続されており、負圧発生源25を作動させるとノズル10の部品吸着面22aの開口から空気が吸引されて真空力が発生し、部品吸着面22aに部品Dが吸着される。
【0035】
負圧発生源25としては、工場設備として設けられた真空給引源を用いる他、部品実装装置1に配置した真空ポンプ、エジェクタ装置などの真空発生装置が用いられる。
【0036】
次に図5及び図6を参照して、部品実装装置1の制御系の構成について説明する。図5は、実施の形態1の部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である。図6は、実施の形態1の部品実装装置の部品の回転に関する制御系の構成を示すブロック図である。
【0037】
部品実装装置1が備える制御部30には、基板搬送機構2、部品供給部4、実装ヘッド8、実装ヘッド移動機構11、ヘッドカメラ12、部品認識カメラ13、タッチパネル15、負圧発生源25が接続されている。制御部30は、例えば、CPU、または、FPGAと、メモリ、SSD、またはハードディスクとで構成され、記憶部31、実装制御部33、ゲイン制御部35、回転加速度設定部37、及び、部品識別部39を備えている。
【0038】
記憶部31は記憶装置であり、部品データ31a、実装データ31b、及び、ゲインデータ31cなどが記憶されている。部品データ31aには、部品Dの種類毎に、部品名(種類)、部品Dの厚みなどのサイズ情報、及び、部品のカテゴリーを示す識別情報が含まれている。実装データ31bには、製造される実装基板の種類毎に、基板3に実装される部品Dの部品名(種類)、実装位置(XY座標)などが含まれている。
【0039】
ゲインデータ31cには、部品Dのカテゴリーごとにゲインパラメータが、例えば、テーブルとして含まれている。また、記憶部31は、実装制御部33が基板搬送機構2、部品供給部4、実装ヘッド8及び実装ヘッド移動機構11等を制御して基板搬送動作や部品搭載動作などの作業動作を行わせるための動作プログラムが記憶されている。
【0040】
実装制御部33は、昇降駆動部8eを駆動する駆動電流を制御することで、昇降駆動部8eの駆動力を制御する。昇降駆動部8eがサーボモータである場合、実装制御部33は、駆動トルクを制御する。
【0041】
実装制御部33は、回転駆動部8hを駆動する駆動電流を制御することで、回転駆動部8hの駆動力を制御する。回転駆動部8hがサーボモータである場合、実装制御部33は、回転駆動トルクを制御する。
【0042】
実装制御部33は、ヘッドカメラ12により撮影された基板3の画像情報、部品認識カメラ13により撮影された部品Dの画像情報、及び回転駆動量検出部8kの検出値を基に、基板3の予め定められた位置に部品Dを実装するために必要なノズル軸8cの回転量を算出する。また、実装制御部33は、回転駆動量検出部8kの検出値を基に部品Dの回転速度及び加速度を算出する。実装制御部33は、算出した回転量及び加速度と回転加速度設定部37によって設定された加速度とに基づいて、設定された加速度で目標位置に回転するように駆動用の指令値を送ることで回転駆動部8hを駆動制御する。実装制御部33から出力された指令値はゲイン制御部35に入力される。なお、実施例では、実装制御部33は、算出した回転量と設定された加速度に基づいて回転駆動部8hを駆動制御するが、加速度を考慮しない回転駆動制御を実施してもよい。また、部品Dの回転加速度を制御する代わりに部品Dの回転速度を維持するように制御してもよい。
【0043】
ノズル10のノズル軸8cを、部品Dを吸着した状態である回転角度0度の初期位置P1から目標位置P2へ目標角度θ1回転させる際に、実装制御部33は、回転駆動量検出部8kの検出結果を基に、回転駆動部8hに回転駆動トルクの指令値を送る。例えば、実装制御部33がPWM制御により回転駆動部8hを制御する場合、実装制御部33から送られる指令値は、駆動電流のPWM制御のパルスデューティ比である。
【0044】
部品識別部34は、部品データ31aに含まれる重量及びサイズに関連づけられた識別情報を基に、ノズル10が吸着する部品Dが第1カテゴリーの部品であるか第2カテゴリーの部品であるかを識別する。重量およびサイズに関連づけられた部品情報は、部品Dの慣性モーメントに応じて部品を分類した識別情報である。例えば、部品Dは、重量及びサイズによって決定される慣性モーメントに応じて、予め第1カテゴリーに属するか、第2カテゴリーに属するかが分類されている。第1カテゴリーの部品Dは、その慣性モーメントが予め定められた第2閾値以上の部品であり、第2カテゴリーの部品Dは、その慣性モーメントが第2閾値未満の部品である。つまり、慣性モーメントの大きい大型部品は第1カテゴリーに属し、慣性モーメントの小さい小型部品は第2カテゴリーに属する。第1カテゴリーに属する部品の例として、部品の表面サイズが85mm×85mmで、部品の重さが200gである。
【0045】
ゲイン制御部35は、回転駆動量検出部8kの検出値を基に、部品Dの回転駆動のフィードバック制御の応答性を調整する。ゲイン制御部35は、部品Dが第1カテゴリーの部品であると識別された場合に、回転駆動部8hがノズル軸8cの回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定する。ゲイン制御部35は、部品Dが第1カテゴリーの部品でないと識別された場合、例えば、部品Dが第2カテゴリーの部品であると識別された場合、回転駆動部8hがノズル軸8cの回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定する。このように、大型部品に対しては回転当初のフィードバック制御の応答性を大きくし、小型部品に対してはフィードバック制御の応答性を常に大きくする。制御ゲインは、例えば、位置制御ゲイン及び速度制御ゲインの少なくともいずれか1つを含む。
【0046】
回転加速度設定部37は、回転駆動部8hがノズル軸8cを回転駆動する加速度を設定する。部品識別部34によって、部品Dが第1カテゴリーの部品でないと識別された場合に、回転加速度設定部37がノズル軸8cの回転駆動の加速度を第1加速度に設定し、部品Dが第1カテゴリーの部品であると識別された場合に、回転加速度設定部37がノズル軸8cの回転駆動の加速度を第1加速度よりも小さい第2加速度に設定する。設定された第1加速度または第2加速度は実装制御部33に送られる。第1加速度及び第2加速度は予め記憶部31に記憶されている。第2加速度は、部品Dの慣性モーメントに応じて複数種類用意してもよい。
【0047】
部品Dが初期位置P1から目標位置P2へ回転し、目標角度θ2との偏差がゼロになると、部品Dが目標角度θ2に回転されているので、実装制御部33は回転駆動の指令値をゼロにする。しかしながら、部品Dはその慣性モーメントにより回転し続けるので、再び目標角度との偏差が発生し、目標位置P2よりさらに回転方向に回転する。
【0048】
目標位置P2を超えているので、実装制御部33からの指令値はゼロになるが、ゲイン制御部35は目標位置P2へ部品Dを戻すために、回転駆動量検出部8kから入力される位置偏差に対して偏差を低減するトルクを修正指令値として回転駆動部8hへ出力する。これにより、部品Dは、目標位置P2を超えて初期位置P1から角度θ2回転した位置P3まで到達し、その後逆方向に回転する。
【0049】
部品Dが逆方向に回転することで、部品Dは目標位置P2へ戻るが慣性モーメントによりさらに初期位置P1側へ回転する。この場合も、実装制御部33からの指令値はゼロであるが、ゲイン制御部35により目標位置P2へ部品Dを戻そうと修正指令値が回転駆動部8hへ入力される。これにより、部品Dは、目標位置P2を超えて初期位置P1から角度θ3回転した位置P4まで戻り、その後、目標位置P2へ向けて回転する。
【0050】
部品Dが小型部品の場合、目標位置P2近傍でのこのような往復回転の揺れが徐々に収束し、やがて目標角度θ1に回転させた目標位置P2で停止する。しかしながら、部品Dが大型部品の場合、図9に示すように、追従性の高い制御ゲインによって目標位置P2近傍でのこのような往復回転の揺れがいつまでも続く場合がある。
【0051】
そこで、ゲイン制御部35は実装制御部33からの指令値がゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、ゲイン制御部35は制御ゲインを第1ゲインから第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定する。例えば、図8に示すように、時間T1において、回転駆動量検出部8kであるエンコーダの偏差がゼロになると、実装制御部33からの指令値がゼロになる。このタイミングの後で、ゲイン制御部35は制御ゲインを第1ゲインから第2ゲインに設定する。第2ゲインは、例えば、第1ゲインの0.1~0.4倍の値である。このように、部品Dが目標位置P2近傍まで回転されたタイミングで制御ゲインを低減することで、位置偏差への追従性を低減することで大型部品の揺れを収束させる。また、第2ゲインは1つの値に限らず、ゲイン制御部35が目標角度θ2からの位置偏差に基づいてゲインの数値を変更してもよい。
【0052】
次に図10を参照して、部品実装装置1が部品Dを回転させて基板3に実装する流れを説明する。図10は、部品を回転させて基板に実装する流れを示すフローチャートである。
【0053】
実装制御部33は実装ヘッド8及び実装ヘッド移動機構11に部品供給部4の供給位置にある部品Dの吸着制御をする。実装ヘッド移動機構11が実装ヘッド8を部品供給部4の上方へ移動させる。ステップS11において、ノズル昇降機構8dがノズル10を下降させて部品Dを吸着する。
【0054】
ノズル10により部品Dを吸着すると、実装制御部33は実装ヘッド8を実装ヘッド移動機構11により部品認識カメラ13の上方へ移動させる。ステップS12において、部品認識カメラ13は、ノズル10に吸着されている部品Dを撮影し、撮影した画像情報を実装制御部33へ送信する。実装制御部33は、部品認識カメラ13からの撮影画像を基に、部品Dの初期位置P1を認識する。
【0055】
ステップS13において、実装制御部33は、ヘッドカメラ12による基板3の撮影画像と部品Dの初期位置P1を基に、実装位置である目標位置P2へのノズル回転量を算出する。
【0056】
ステップS14において、部品識別部39は、部品データ31aに含まれる識別情報を基に、部品Dが第1カテゴリーの部品であるか否かを識別する。部品識別部39は、部品Dが第1カテゴリーの部品であると識別すると(ステップS14のYes)、その識別結果をゲイン制御部35へ送信し、ステップS15において、ゲイン制御部35は、実装制御部33からの指令値に対して第1ゲインで修正した駆動トルクで回転駆動部8hを回転させる。このように、ゲイン制御部35は、回転当初に第1ゲインで部品Dを回転させる。また、部品識別部39は部品Dが第1カテゴリーの部品であると識別した場合に、回転加速度設定部37がノズル軸8cの回転駆動の加速度を、第2カテゴリーの部品の回転加速度よりも小さい第2加速度に設定することで、実装制御部33は設定された小さい加速度に応じた指令値をゲイン制御部35に出力するので、大型部品の揺動を抑制し回転位置精度を向上させることができる。大型部品のように慣性モーメントが大きい場合、実装制御部33からの指令値に対して、実際の部品Dの回転に遅れが生じやすい。したがって、設定された加速度が大きいほど、指令値と部品Dの実動作との差分が大きくなる。部品Dの実動作の遅れが大きくなりすぎると制御不能に陥り部品Dの揺動が収束しなくなるおそれがある。そこで、部品Dを回転させる加速度を小さくすることで、指令値と部品Dの実動作との差分を小さくすることができ、部品Dの揺動を抑制することができる。
【0057】
ステップS16において、ゲイン制御部35は、回転駆動部8hを回転制御のゲインを低減するタイミングか否かを判定する。例えば、ゲイン制御部35は、実装制御部33が出力する指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下となったタイミングをゲイン低減のタイミングとして判定する。ゲイン制御部35は、ゲイン低減のタイミングではないと判定すると(ステップS16のNo)、実装制御部33が出力する指令値を監視しつづける。
【0058】
図9に示すように、ゲイン制御部35は、時間T1においてゲイン低減のタイミングであると判定すると(ステップS16のYes)、ゲイン制御部35は、実装制御部33からの指令値に対して第2ゲインで修正した駆動トルクで回転駆動部8hを回転させる。このように、ゲイン制御部35は、回転当初の第1ゲインよりも小さい第2ゲインで部品Dを回転させる。これにより、目標位置P2において部品Dの揺動が収束する。
【0059】
ステップS14において、部品識別部39は、部品Dが第1カテゴリーの部品ではないと識別すると(ステップS14のNo)、その識別結果をゲイン制御部35へ送信し、ゲイン制御部35は、実装制御部33からの指令値に対して第2ゲインで修正した駆動トルクで回転駆動部8hを回転させる(ステップS18)。このように、ゲイン制御部35は、回転当初に第1ゲインよりも小さい第2ゲインで部品Dを回転させる。部品Dが第2カテゴリーであるので、第2ゲインで部品Dを回転させると目標位置P2において部品Dの揺動が収束する。また、部品識別部39は部品Dが第1カテゴリーの部品ではないと識別した場合に、回転加速度設定部37がノズル軸8cの回転駆動の加速度を、第1カテゴリーの部品の回転加速度よりも大きい第1加速度に設定することで、実装制御部33は設定された大きい加速度に応じた指令値をゲイン制御部35に出力するので、部品実装の低速化を抑えることができる。
【0060】
ステップS19において、実装制御部33は、例えば、回転駆動量検出部8kの検出値が一定期間ゼロであることを認識することで、部品Dの回転が完全に停止したことを認識する。実装制御部33は、実装ヘッド移動機構11を駆動制御して、実装ヘッド8を基板3の部品Dが実装される位置の上方へ移動させる。ステップS20において、実装制御部33は、ノズル昇降機構8dを駆動制御してノズル10を下降させて基板3に部品Dを実装する。
【0061】
部品Dを基板3に実装後、ステップS21において、実装制御部33は、ノズル昇降機構8dを駆動制御してノズル10を上昇させる。ステップS22において、実装制御部33は、基板3に実装する次の部品Dが有るか否かを判定する。実装制御部33が、基板3に実装する次の部品Dが有ると判定した場合(ステップS22のYes)、再びステップS11に戻って、部品Dをノズル10に吸着させる。実装制御部33が、基板3に実装する次の部品Dが無いと判定した場合(ステップS22のNo)、基板3への部品Dの実装処理を終了する。
【0062】
以上より、実施の形態1の部品実装装置1は、部品Dをノズル10で保持し、ノズル10のノズル軸8cを回転して基板3に搬送する。部品実装装置1は、ノズル軸8cの回転量の指令値を指令する実装制御部33と、部品Dの回転状態に応じてフィードバック制御する制御ゲインを設定し、指令値を制御ゲインにより修正した修正指令値を回転駆動部8hに出力するゲイン制御部35と、修正指令値に基づいてノズル軸8cを回転駆動する回転駆動部8hと、を備える。ゲイン制御部35は、回転駆動部8hがノズル軸8cの回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、実装制御部33が出力する指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、ゲイン制御部35は制御ゲインを第1ゲインから第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定する。
【0063】
部品Dが回転した後で、ゲイン制御部35が回転開始時の第1ゲインから、第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定することで、目標位置P2での部品Dの揺動を低減することができる。
【0064】
また、部品実装装置1は、部品Dの重量およびサイズに関連づけられた部品情報を基に、部品Dが第1カテゴリーの部品であるか否かを識別する部品識別部39を備える。部品識別部39によって部品Dが第1カテゴリーの部品であると識別された場合に、ゲイン制御部35は、回転駆動部8hがノズル軸8cの回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、実装制御部33が出力する指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後に、ゲイン制御部35は制御ゲインを第1ゲインから第1ゲインよりも小さい第2ゲインに設定する。
【0065】
これにより、第1カテゴリーに分類された部品Dのゲイン制御を第1ゲイン及び第2ゲインを用いて実施することで、目標位置P2での第1カテゴリーの部品の揺動を収束することができる。例えば、揺動しやすい部品を第1カテゴリーに分類しておくことで、部品Dの基板3の実装効率を向上させることができる。
【0066】
第1カテゴリーの部品は、慣性モーメントが予め定められた第2閾値以上の部品である。このように、慣性モーメントが予め定められた第2閾値以上の部品を第1カテゴリーの部品と分類することで、第1カテゴリーに分類された大型部品であっても揺動を収束することができる。
【0067】
また、部品識別部39によって部品Dが第1カテゴリーの部品でないと識別された場合に、ゲイン制御部35は、回転駆動部8hがノズル軸8cの回転駆動を開始する際の制御ゲインを第1ゲインに設定し、実装制御部33が出力する指令値の大きさがゼロまたは予め定められた第1閾値以下になった後も、制御ゲインは第1ゲインのままである。
【0068】
例えば、第2カテゴリーとして小型の部品を分類すると、第2カテゴリーの部品は目標位置P2で揺動が収束しやすいので制御ゲインの調整を行うことなく回転駆動してもよい。
【0069】
また、部品実装装置1は、回転駆動部8hがノズル軸8cを回転駆動する加速度を設定する回転加速度設定部37を備える。回転加速度設定部37は、部品識別部34によって、部品Dが第1カテゴリーの部品でないと識別された場合に、ノズル軸8cの回転駆動の加速度を第1加速度に設定し、部品Dが第1カテゴリーの部品であると識別された場合に、ノズル軸8cの回転駆動の加速度を第1加速度よりも小さい第2加速度に設定する。
【0070】
第2カテゴリーの小型の部品よりも第1カテゴリーの大型の部品の方が、回転加速度を小さくすることで、大型の部品Dの揺動を抑制し回転位置精度を向上させることができる。
【0071】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【0072】
(1)上述の実施の形態1において、部品Dの慣性モーメントに応じて、実装する部品Dが第1カテゴリーに属するか第2カテゴリーに属するか識別していたが、これに限らない。部品Dの慣性モーメントに応じて、実装する部品Dを3種類以上のカテゴリーに分類してもよい。ゲイン制御部35は、各カテゴリーに対応する制御ゲインを設定してもよい。
【0073】
(2)上述の実施の形態1において、実装する部品Dが第1カテゴリーに属するか第2カテゴリーに属するかを識別する識別情報は部品データ31aに含まれていたがこれに限らない。部品識別部34が、部品供給部4から供給される最初の部品Dに対して回転動作を行い、その位置プロットの変動から部品Dが第1カテゴリーに属するか第2カテゴリーに属するかを分類してもよい。
【0074】
なお、上述した様々な実施の形態及び変形例のうちの任意の実施の形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本開示に係る部品実装装置は、吸着した部品を回転させて基板に実装する部品実装装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 部品実装装置
1a 基台
2 基板搬送機構
3 基板
4 部品供給部
5 テープフィーダ
6 Y軸テーブル
7 ビーム
8 実装ヘッド
8a ノズルユニット
8b ノズル機構部
8c ノズル軸
8d ノズル昇降機構
8e 昇降駆動部
8f 真空吸引路
8g ノズル回転機構
8h 回転駆動部
8k 回転駆動量検出部
9 ノズル保持部
9a 接続孔
10 ノズル
11 実装ヘッド移動機構
12 ヘッドカメラ
13 部品認識カメラ
15 タッチパネル
16 台車
17 キャリアテープ
18 リール
19 ノズル本体
20 ノズル本体保持部
20a つば部
20b 嵌合孔
20c 長孔
21 基端部
21a 上部吸引孔
21b バネ座部
22 下端部
22a 部品吸着面
22b 下部吸引孔
23 バネ
24 ピン
25 負圧発生源
30 制御部
31 記憶部
31a 部品データ
31b 実装データ
31c ゲインデータ
33 実装制御部
34 部品識別部
35 ゲイン制御部
37 回転加速度設定部
D 部品
P1 初期位置
P2 目標位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10