(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/59 20110101AFI20241129BHJP
H01R 12/78 20110101ALI20241129BHJP
【FI】
H01R12/59
H01R12/78
(21)【出願番号】P 2021105717
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2024-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宝
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-192983(JP,A)
【文献】特開平07-272803(JP,A)
【文献】特開2001-143798(JP,A)
【文献】特開2020-087709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに保持され、シート状の被接続部材に実装され得る複数の端子と、
を備え、
前記被接続部材の上方に前記ハウジングが配置されるようにした状態で、
前記ハウジングは、上下方向の上側に配置される天壁と、前記上下方向の下側に配置される底壁と、前記上下方向と交差する方向である前後方向の前側に配置される前壁と、前記前後方向の後側に配置される後壁と、を備えており、
複数の前記端子は、前記上下方向および前記前後方向と交差する方向である幅方向に並設された状態で前記ハウジングに保持されており、
前記複数の端子は、前記被接続部材に実装され得る実装面が設けられ、前記ハウジングに保持された状態で前記後壁から突出する接続部をそれぞれ有しており、
前記底壁における前記上下方向の下側の面は、重心を含み前記前後方向と直交する仮想の面で規定される重心面によって2分割される第1領域および第2領域を有しており、
前記第1領域が前記前後方向の後側に位置しており、前記第2領域が前記前後方向の前側に位置しており、
前記第1領域は、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記上下方向において前記被接続部材と対向する対向領域を有しており、
前記第2領域は、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記上下方向において前記被接続部材とは対向しない非対向領域となっており、
前記第2領域は、前記接続部の実装面を含み前記上下方向と直交する仮想の面に対して前記上下方向の上側に位置する奥面と、前記奥面から前記上下方向の下側に向けて突出する突出部と、を有
し、
前記突出部の頂部が、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記被接続部材における前記上下方向の下側の面と同じ位置にある、
コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、相手側コネクタが備える相手側ハウジングに接続され得るように構成されており、
前記ハウジングが前記相手側ハウジングに接続された状態で、前記第1領域の一部が、前記上下方向において前記相手側ハウジングと対向している、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
ハウジングと、
前記ハウジングに保持され、シート状の被接続部材に実装され得る複数の端子と、
を備え、
前記被接続部材の上方に前記ハウジングが配置されるようにした状態で、
前記ハウジングは、上下方向の上側に配置される天壁と、前記上下方向の下側に配置される底壁と、前記上下方向と交差する方向である前後方向の前側に配置される前壁と、前記前後方向の後側に配置される後壁と、を備えており、
複数の前記端子は、前記上下方向および前記前後方向と交差する方向である幅方向に並設された状態で前記ハウジングに保持されており、
前記複数の端子は、前記被接続部材に実装され得る実装面が設けられ、前記ハウジングに保持された状態で前記後壁から突出する接続部をそれぞれ有しており、
前記底壁における前記上下方向の下側の面は、重心を含み前記前後方向と直交する仮想の面で規定される重心面によって2分割される第1領域および第2領域を有しており、
前記第1領域が前記前後方向の後側に位置しており、前記第2領域が前記前後方向の前側に位置しており、
前記第1領域は、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記上下方向において前記被接続部材と対向する対向領域を有しており、
前記第2領域は、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記上下方向において前記被接続部材とは対向しない非対向領域となっており、
前記第2領域は、前記接続部の実装面を含み前記上下方向と直交する仮想の面に対して前記上下方向の上側に位置する奥面と、前記奥面から前記上下方向の下側に向けて突出する突出部と、を有し、
前記ハウジングは、相手側コネクタが備える相手側ハウジングに接続され得るように構成されており、
前記ハウジングが前記相手側ハウジングに接続された状態で、前記第1領域の一部が、前記上下方向において前記相手側ハウジングと対向している、
コネクタ。
【請求項4】
ハウジングと、
前記ハウジングに保持され、シート状の被接続部材に実装され得る複数の端子と、
を備え、
前記被接続部材の上方に前記ハウジングが配置されるようにした状態で、
前記ハウジングは、上下方向の上側に配置される天壁と、前記上下方向の下側に配置される底壁と、前記上下方向と交差する方向である前後方向の前側に配置される前壁と、前記前後方向の後側に配置される後壁と、を備えており、
複数の前記端子は、前記上下方向および前記前後方向と交差する方向である幅方向に並設された状態で前記ハウジングに保持されており、
前記複数の端子は、前記被接続部材に実装され得る実装面が設けられ、前記ハウジングに保持された状態で前記後壁から突出する接続部をそれぞれ有しており、
前記底壁における前記上下方向の下側の面は、重心を含み前記前後方向と直交する仮想の面で規定される重心面によって2分割される第1領域および第2領域を有しており、
前記第1領域が前記前後方向の後側に位置しており、前記第2領域が前記前後方向の前側に位置しており、
前記第1領域は、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記上下方向において前記被接続部材と対向する対向領域を有しており、
前記第2領域は、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記上下方向において前記被接続部材とは対向しない非対向領域となっており、
前記第2領域は、前記接続部の実装面を含み前記上下方向と直交する仮想の面に対して前記上下方向の上側に位置する奥面と、前記奥面から前記上下方向の下側に向けて突出する突出部と、を有し、
前記被接続部材が撓み変形可能なケーブルであり、
前記ケーブルには連結板が取り付けられており、
前記第1領域には、前記ケーブルを囲む第2の突出部が設けられている、
コネクタ。
【請求項5】
前記第2の突出部は、前記突出部よりも前記上下方向の下側に突出している、
請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記被接続部材が撓み変形可能なケーブルであり、
前記ケーブルには連結板が取り付けられており、
前記第1領域には、前記ケーブルを囲む第2の突出部が設けられている、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第2の突出部は、前記突出部よりも前記上下方向の下側に突出している、
請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記突出部は、前記上下方向に沿って見た状態で、前記重心を含み前記前後方向に延びる仮想の線で規定される中心線に対して対称に設けられている、
請求項1~7のうちいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記突出部が、前記前後方向に沿って延在している、
請求項1~8のうちいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記突出部が、互いに分離された状態で複数設けられている、
請求項1~9のうちいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記突出部は、前記前後方向に沿って見た状態で、前記複数の端子の接続部と重ならないように設けられている、
請求項1~10のうちいずれか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタとして、次の特許文献1に開示されているように、ハウジングと、ハウジングに保持されてケーブルなどの被接続部材に実装される端子と、を備えるものが知られている。
【0003】
この特許文献1では、被接続部材に実装されたコネクタが相手側コネクタに嵌合されるようにすることで、コネクタの端子を相手側コネクタの相手側端子に導通接続させるようにしている。このとき、被接続部材に実装されたコネクタのハウジングおよび被接続部材の一端側(相手側コネクタと対向する側)を相手側コネクタが備える相手側ハウジング内に挿入して嵌合させるようにしている。
【0004】
このように、特許文献1では、コネクタを相手側コネクタに嵌合させる際に、コネクタハウジングだけでなく被接続部材も相手側ハウジング内に挿入されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コネクタの被接続部材への実装は、一般的に、リフローキャリア上に被接続部材を載置した後に、コネクタをリフローキャリア上に載置した状態で、端子を半田付け等により被接続部材に固定することで行われる。
【0007】
このとき、端子を被接続部材により確実に固定させるためには、リフローキャリア上に載置したコネクタがガタついてしまわないようにするのが好ましい。
【0008】
また、相手側コネクタに嵌合させる際に被接続部材が相手側ハウジング内に挿入されないようにすることで、コネクタセットの低背化を図れるようにしたものもある。
【0009】
しかしながら、このような構成にすると、被接続部材に実装される部位がコネクタの重心に対して一方側に偏ってしまう。そのため、既存のリフローキャリア上にコネクタを載置した際にコネクタが傾いてしまい、端子を被接続部材にうまく固定することができなくなることがある。
【0010】
このような不具合を解決するためには、リフローキャリアを加工してリフローキャリア上に載置したコネクタがガタついてしまわないようにすることが考えられるが、専用のリフローキャリアを別途作成することになり、手間がかかってしまう。そのため、既存のリフローキャリアを用いた場合でも、コネクタが傾いてしまうことを抑制できるようにするのが好ましい。
【0011】
そこで、本開示は、低背化を図りつつ、既存のリフローキャリア上に載置した場合であっても傾きを抑制することが可能なコネクタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示にかかるコネクタは、ハウジングと、前記ハウジングに保持され、シート状の被接続部材に実装され得る複数の端子と、を備え、前記被接続部材の上方に前記ハウジングが配置されるようにした状態で、前記ハウジングは、上下方向の上側に配置される天壁と、前記上下方向の下側に配置される底壁と、前記上下方向と交差する方向である前後方向の前側に配置される前壁と、前記前後方向の後側に配置される後壁と、を備えており、複数の前記端子は、前記上下方向および前記前後方向と交差する方向である幅方向に並設された状態で前記ハウジングに保持されており、前記複数の端子は、前記被接続部材に実装され得る実装面が設けられ、前記ハウジングに保持された状態で前記後壁から突出する接続部をそれぞれ有しており、前記底壁における前記上下方向の下側の面は、重心を含み前記前後方向と直交する仮想の面で規定される重心面によって2分割される第1領域および第2領域を有しており、前記第1領域が前記前後方向の後側に位置しており、前記第2領域が前記前後方向の前側に位置しており、前記第1領域は、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記上下方向において前記被接続部材と対向する対向領域を有しており、前記第2領域は、前記接続部が前記被接続部材に実装された状態で、前記上下方向において前記被接続部材とは対向しない非対向領域となっており、前記第2領域は、前記接続部の実装面を含み前記上下方向と直交する仮想の面に対して前記上下方向の上側に位置する奥面と、前記奥面から前記上下方向の下側に向けて突出する突出部と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、低背化を図りつつ、既存のリフローキャリア上に載置した場合であっても傾きを抑制することが可能なコネクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】コネクタセットの一例を示す図であって、ケーブルに実装されたプラグコネクタと、回路基板に実装されたレセプタクルコネクタと、に分解して示す斜視図である。
【
図2】コネクタセットの一例を示す図であって、ケーブルに実装されたプラグコネクタと回路基板に実装されたレセプタクルコネクタとを嵌合させた状態を示す斜視図である。
【
図3】一例として示したコネクタセットのプラグ端子とレセプタクル端子とを示す図であって、(a)は、下側プラグ端子と下側レセプタクル端子とが接触する前の状態を示す斜視図、(b)は、下側プラグ端子と下側レセプタクル端子との接触状態を示す平面図である。
【
図4】一例として示したコネクタセットのプラグ端子とレセプタクル端子とを示す図であって、(a)は、上側プラグ端子と上側レセプタクル端子とが接触する前の状態を示す斜視図、(b)は、上側プラグ端子と上側レセプタクル端子との接触状態を示す平面図である。
【
図5】一例として示したコネクタセットが備えるプラグコネクタをケーブルに実装する前の状態を示す斜視図である。
【
図6】一例として示したコネクタセットが備えるプラグコネクタをケーブルに実装する様子を説明する図であって、(a)は、実装前の状態を裏側から視た斜視図、(b)は、実装後の状態を裏側から視た斜視図である。
【
図7】一例として示したコネクタセットが備えるプラグコネクタをケーブルに実装させた状態を示す平面図である。
【
図8】一例として示したコネクタセットが備えるプラグコネクタをケーブルに実装させた状態を示す裏面図である。
【
図9】一例として示したコネクタセットが備えるプラグコネクタを分解して示す斜視図である。
【
図10】プラグコネクタが備えるプラグハウジングを示す図であって、(a)は、平面図、(b)は、裏面図である。
【
図11】プラグコネクタが備えるプラグハウジングを示す図であって、(a)は、正面図、(b)は、背面図、(c)は、側面図、(d)は、側断面図である。
【
図12】プラグコネクタが備える下側プラグ端子を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、平面図、(c)は、側面図、(d)は、裏面図、(e)は、正面図、(f)は、背面図である。
【
図13】プラグコネクタが備える上側プラグ端子を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、平面図、(c)は、側面図、(d)は、裏面図、(e)は、正面図、(f)は、背面図である。
【
図14】一例として示したコネクタセットが備えるレセプタクルコネクタが回路基板に実装される前の状態を示す斜視図である。
【
図15】一例として示したコネクタセットが備えるレセプタクルコネクタを分解して示す斜視図である。
【
図16】レセプタクルコネクタが備えるレセプタクルハウジングを示す図であって、(a)は、平面図、(b)は、裏面図である。
【
図17】レセプタクルコネクタが備えるレセプタクルハウジングを示す図であって、(a)は、正面図、(b)は、背面図、(c)は、側面図、(d)は、側断面図である。
【
図18】レセプタクルコネクタが備える下側レセプタクル端子を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、平面図、(c)は、側面図、(d)は、裏面図、(e)は、正面図、(f)は、背面図である。
【
図19】レセプタクルコネクタが備える上側レセプタクル端子を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、平面図、(c)は、側面図、(d)は、裏面図、(e)は、正面図、(f)は、背面図である。
【
図20】プラグコネクタをケーブルに実装させる際に用いられるリフローキャリアを示す斜視図である。
【
図21】プラグコネクタをケーブルに実装させる方法の一例を説明する図であって、リフローキャリアに載置したケーブルにプラグコネクタを載置する前の状態を示す斜視図である。
【
図22】プラグコネクタをケーブルに実装させる方法の一例を説明する図であって、リフローキャリアに載置したケーブルにプラグコネクタを載置した状態を示す斜視図である。
【
図23】プラグコネクタをケーブルに実装させる方法の一例を説明する図であって、リフローキャリアに載置したケーブルにプラグコネクタを載置した状態を示す平面図である。
【
図24】プラグコネクタをケーブルに実装させる方法の一例を説明する図であって、リフローキャリアに載置したケーブルにプラグコネクタを載置した状態を示す側面図である。
【
図25】ケーブルに実装されたプラグコネクタに設けられる突出部の一例を示す斜視図である。
【
図26】プラグコネクタを裏側から視た斜視図である。
【
図28】リフローキャリアに載置したケーブルにプラグコネクタを載置した状態を一部拡大して示す側断面図である。
【
図29】リフローキャリアに載置したケーブルにプラグコネクタを載置した状態における下側プラグ端子の接続部を拡大して示す側断面図である。
【
図30】変形例として示すプラグコネクタを説明する図であって、(a)は、変形例として示すプラグコネクタの正面図、(b)は、変形例として示すプラグコネクタの接続部の突出量を確認する方法を説明する図である。
【
図31】一例として示したプラグコネクタを説明する図であって、(a)は、一例として示したプラグコネクタの正面図、(b)は、一例として示したプラグコネクタの接続部の突出量を確認する方法を説明する図である。
【
図32】プラグコネクタに設けられる突出部の第1変形例を示す斜視図である。
【
図33】プラグコネクタに設けられる突出部の第2変形例を示す斜視図である。
【
図34】プラグコネクタに設けられる突出部の第3変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、コネクタとして可撓性を有するシート状のケーブル(被接続部材)1Aに実装されるプラグコネクタ1を例示する。また、プラグコネクタ1が嵌合する相手側のコネクタとして剛性を有するシート状の回路基板(相手側の被接続部材)2Aに実装されるレセプタクルコネクタ2を例示する。
【0016】
また、以下では、シート状のケーブル(被接続部材)1Aの上方にプラグハウジング10が配置されるようにした状態で、プラグコネクタ1の上下方向、前後方向および幅方向を規定する。この上下方向、前後方向および幅方向は、各構成を説明するために便宜的に規定したものに過ぎず、プラグコネクタ1の実際の配置状態を規定するものではない。なお、本実施形態では、各コネクタのハウジング内への端子の挿入方向が前後方向に一致しており、被接続部材に実装した状態において実装面を含む平面と直交する方向(実装面を含む平面の法線方向)がコネクタの上下方向に一致している。このとき、各コネクタのハウジングに収容された端子が並設される方向が幅方向となっている。
【0017】
また、本実施形態では、3次元直交座標におけるZ軸の延在方向が上下方向となっており、X軸の延在方向が前後方向となっており、Y軸の延在方向が幅方向となっている。すなわち、上下方向(Z軸の延在方向)と直交する方向が前後方向(X軸の延在方向)となっており、上下方向(Z軸の延在方向)および前後方向(X軸の延在方向)と直交する方向が幅方向(Y軸の延在方向)となっている。
【0018】
さらに、コネクタ同士を嵌合させる際に互いに相手側のコネクタと対向する側を前後方向の前方と規定する。
【0019】
[コネクタセットの構成例]
本実施形態にかかるプラグコネクタ(コネクタ)1は、
図1および
図2に示すコネクタセットC1などで用いられるものである。
【0020】
コネクタセットC1は、
図1および
図2に示すように、上述したプラグコネクタ1と、プラグコネクタ1が嵌合するレセプタクルコネクタ2と、を備えている。
【0021】
本実施形態では、プラグコネクタ1は、FPCやFFC等のケーブル(被接続部材)1Aに実装可能に形成されている。具体的には、プラグコネクタ1が備えるプラグ端子(端子)13,14の第1,第2実装片(接続部)132,142をケーブル1Aの導体露出部151bAに電気的に接続する(実装する)ことで、プラグコネクタ1がケーブル1Aに実装されるようになっている。
【0022】
一方、レセプタクルコネクタ2は、回路基板(相手側の被接続部材)2Aに実装可能に形成されている。具体的には、レセプタクルコネクタ2が備えるレセプタクル端子(相手側の端子)23,24の第1,第2実装片(相手側の接続部)232,242を回路基板2Aの導体部2bAに電気的に接続する(実装する)ことで、レセプタクルコネクタ2が回路基板2Aに実装されるようになっている。
【0023】
そして、プラグ端子13,14をプラグハウジング10に保持するとともに、第1,第2実装片132,142をケーブル1Aに実装したプラグコネクタ1を、レセプタクルコネクタ(相手側のコネクタ)2に嵌合させている。こうすることで、プラグ端子13,14が、レセプタクルコネクタ2が備えるレセプタクル端子(相手側の端子)23,24と電気的に接続されるようになっている。
【0024】
このように、コネクタセットC1は、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に嵌合させて、プラグ端子13,14とレセプタクル端子23,24とを導通接続させることで、ケーブル1Aと回路基板2Aとを電気的に接続させるものである(
図2~
図4参照)。
【0025】
[ケーブル1Aの構成例]
次に、プラグコネクタ1が実装されるケーブル1Aの構成の一例について、
図5~
図8に基づき説明する。
【0026】
ケーブル1Aは、表面(前面:一面)1aAおよび裏面(後面:他面)1bAを持つシート状(平板状)をしており、表面1aAが、プラグコネクタ1が実装される実装面となっている。さらに、ケーブル1Aは可撓性を有しており、ケーブル1Aをケーブル厚さ方向に曲げる(湾曲させる)ことができるようになっている。
【0027】
このケーブル1Aは、プラグコネクタ1との連結に使用される連結領域11Aと、他の回路との配線のために導体部15bAが延伸する延伸領域12Aと、を備えている。
【0028】
本実施形態では、ケーブル1Aは、延伸領域12Aの一端側に連結領域11Aが位置するように形成されている。そして、連結領域11Aを連結したプラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に嵌合させた状態において、延伸領域12Aがレセプタクルコネクタ2の反対側に位置するようになっている。
【0029】
また、ケーブル1Aは、多層構造をしており、基材15aAと、基材15aA上に積層される導体部15bAと、導体部15bAを覆うように基材15aA上に積層される被覆部15cAと、を備えている。基材15aAおよび被覆部15cAは絶縁体膜からなり、導体部15bAを被覆するものである。一方、導体部15bAは、被覆部15cAを構成する絶縁体膜上に印刷された導体膜であり、後述する複数のプラグ端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)にそれぞれ対応する複数の配線パターンとなっている。
【0030】
また、連結領域11Aの上面には、被覆部15cAから露出された導体部15bAである導体露出部151bAが複数形成されている。複数の導体露出部151bAは、前後方向に2列形成されており、各列の導体露出部151bAが幅方向(Y軸の延在方向)に所定のピッチで並ぶように形成されている。さらに、本実施形態では、複数の導体露出部151bAは、平面視(実装面1aAの法線方向に沿って視た状態)で千鳥状となるように形成されている。
【0031】
このような構造は、例えば、基材15aA上に複数の導体膜を印刷することで導体部15bAを形成し、この導体部15bA上を被覆部15cAで覆うことで形成することができる。このとき、導電層15bAの先端が覆われないように被覆部15cAに貫通孔151cAを設けるようにすれば、導電層15bAの先端が一側(上下方向の上方)に露出したケーブル1Aが形成される。
【0032】
なお、ケーブル1Aの形成方法は上記の方法に限られるものではなく、様々な方法で形成することができる。
【0033】
また、連結領域11Aの上面には、プラグコネクタ1の後述する保持金具15が固定される固定部15dAが形成されている。本実施形態では、幅方向(Y軸の延在方向)に並設された後列の導体露出部151bAよりも幅方向(Y軸の延在方向)の外側に、一対の固定部15dAが形成されている。この固定部15dAは、例えば、導体部15bAの印刷工程において導体部15bAと同様に形成することができる。
【0034】
さらに、本実施形態では、ケーブル1Aが補強板(連結板)14Aを備えている。この補強板14Aは、ガラスエポキシ樹脂やステンレス等を用いて形成されており、ケーブル1Aの連結領域11Aをプラグコネクタ1との間に挟み込むことにより、ケーブル1Aの連結領域11Aを補強するものである。
【0035】
本実施形態では、補強板14Aは、ケーブル1Aの連結領域11Aの形状に対応した形状をしている。すなわち、補強板14Aは、平面視(実装面1aAの法線方向に沿って視た状態)における輪郭形状が、連結領域11Aの輪郭形状(長方形状)と略同一の形状をしている。そして、この補強板14Aは、接着剤等により連結領域11Aの裏面側に取り付けられている。
【0036】
このとき、平面視(実装面1aAの法線方向に沿って視た状態)で、導体露出部151bAの全体が補強板14Aと重なり合うようにするのが好ましい。こうすれば、導体露出部151bAの全体が補強板14Aにより支持されるため、導体露出部151bAが上下方向(Z軸の延在方向)に折れ曲がったり、幅方向(Y軸の延在方向)に撓んだりしてしまうのを抑制することができる。
【0037】
[プラグコネクタ1の構成例]
次に、プラグコネクタ1の構成の一例について、
図9~
図13に基づき説明する。
【0038】
プラグコネクタ(コネクタ)1は、
図9に示すように、プラグハウジング(ハウジング)10と、プラグハウジング10に保持されるプラグ端子(端子:下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)と、を備えている。また、プラグコネクタ(コネクタ)1は、プラグハウジング10に保持される保持金具15を備えている。
【0039】
そして、プラグハウジング10に保持されたプラグ端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)が、プラグハウジング10の外側に配置されたケーブル1Aの導体露出部151bAに実装されるようにしている。こうすることで、プラグコネクタ1が被接続部材としてのケーブル1Aに実装されるようにしている。なお、プラグ端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)は、半田付け等により導体露出部151bAに実装されている。また、保持金具15は、プラグハウジング10に保持された状態で、半田付け等によりケーブル1Aの固定部15dAに固定されることで、プラグハウジング10をケーブル1Aに固定するためのものである。
【0040】
プラグハウジング10は、剛性を有するハウジング本体11を備えており、このプラグハウジング10は、例えば、絶縁性の樹脂材料を用いて形成することができる。
【0041】
また、ハウジング本体11には、プラグハウジング10とレセプタクルコネクタ2のレセプタクルハウジング20とを嵌合状態で保持したり、嵌合状態を解除したりするロック部12が形成されている。
【0042】
このように、本実施形態では、プラグハウジング10は、ハウジング本体11と、ハウジング本体11に形成されたロック部12と、を備えている。
【0043】
ハウジング本体11は、天壁111と、底壁112と、天壁111および底壁112の幅方向(Y軸の延在方向)の両端をそれぞれ連設する一対の側壁113と、を備えている。また、ハウジング本体11は、天壁111、底壁112および側壁113,113の前端に連設された前壁114と、天壁111、底壁112および側壁113,113の後端に連設された後壁115と、を備えている。
【0044】
ここで、本実施形態では、後壁115が、前後方向(X軸の延在方向)の後側に配置される第1壁部となっており、前壁114が、前後方向(X軸の延在方向)の前側に配置される第2壁部となっている。また、天壁111が、前後方向(X軸の延在方向)と交差する上下方向(Z軸の延在方向)の上側に配置される第3壁部となっており、底壁112が、上下方向(Z軸の延在方向)の下側に配置される第4壁部となっている。
【0045】
また、ハウジング本体11は、一対の側壁113、前壁114および後壁115に連設されて、天壁111、底壁112、側壁113,113、前壁114および後壁115で画成された空間を上下に仕切る仕切り壁116を備えている。
【0046】
さらに、ハウジング本体11は、天壁111、仕切り壁116、前壁114および後壁115に連設された上側隔壁117を複数備えており、この上側隔壁117によって、仕切り壁116で仕切られた上側の空間が複数の空間に仕切られている。また、ハウジング本体11は、底壁112、仕切り壁116、前壁114および後壁115に連設された下側隔壁118を複数備えており、この下側隔壁118によって、仕切り壁116で仕切られた下側の空間が複数の空間に仕切られている。
【0047】
そして、このハウジング本体11の上部の幅方向中央部にロック部12が形成されている。具体的には、天壁111は、幅方向の両側に形成されており、それぞれの天壁111の幅方向内側に上側隔壁117が連設されている。このように、本実施形態では、ハウジング本体11は、挿入方向(前後方向;X軸の延在方向)に沿って視た状態で、幅方向の中央部が凹んだ形状をしている。そして、このハウジング本体11の幅方向の中央部に形成された凹部11aにロック部12が形成されている。
【0048】
ロック部12は、仕切り壁116の前端に連設されて後方に延在するレバー部121を備えている。このレバー部121は、後側が仕切り壁116(ハウジング本体11)に対して上下方向に相対移動できるようになっている。そして、レバー部121の後端には、レバー部121を操作する操作部121aが形成されており、レバー部121の前後方向の中央部には、レセプタクルコネクタ2に形成された係合孔(係合部)221aに係合する係合突部121bが形成されている。
【0049】
本実施形態では、プラグハウジング10とレセプタクルコネクタ2のレセプタクルハウジング20とを嵌合させた際に、係合突部121bが係合孔221aに係合して、各コネクタのハウジング同士をロック(嵌合状態で維持)できるようにしている。そして、レバー部121の操作部121aを押し下げて、レバー部121を下方に移動させることで、係合突部121bも下方に移動し、係合孔221aとの係合が解除されて、各コネクタのハウジング同士の嵌合を解除できるようにしている。
【0050】
さらに、レバー部121の下方(レバー部121と仕切り壁116との間)には、レバー部121の下方への撓み(ハウジング本体11に対する相対移動)が許容される撓み許容空間S6が形成されている。
【0051】
また、天壁111の幅方向の両端には、前後方向に延在するガイド突起111aが上方に突出するように形成されている。このガイド突起111aは、レセプタクルハウジング20の後述するガイド溝211aに挿入される。ガイド突起111aは、プラグハウジング10がレセプタクルハウジング20に挿入される際の誤挿入を防止するものである。
【0052】
また、本実施形態では、前壁114には、仕切り壁116、上側隔壁117および下側隔壁118により仕切られた複数の空間と連通するように貫通孔114aが形成されている。同様に、後壁115には、仕切り壁116、上側隔壁117および下側隔壁118により仕切られた複数の空間と連通するように貫通孔115aが形成されている。
【0053】
このように、本実施形態では、ハウジング本体11には、前後方向に貫通する複数の空間が形成されている。そして、前後方向に貫通する空間内に、プラグ端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)がそれぞれ圧入(挿入)されるようになっている。
【0054】
さらに、本実施形態では、ハウジング本体11に、幅方向(Y軸の延在方向)に複数並設された空間が上下方向(Z軸の延在方向)に2段形成されるようにしている。さらに、ハウジング本体11を前後方向の後方から視たときに、複数の空間が千鳥状に形成されるようにしている。こうすることで、プラグコネクタ1の幅方向の小型化を図っている。
【0055】
具体的には、ハウジング本体11の下側(実装面1aA側)に、底壁112、仕切り壁116および下側隔壁118によって画成された空間を、幅方向(Y軸の延在方向)に複数並設させている。そして、このハウジング本体11の下側(実装面1aA側)に形成された空間が、下側プラグ端子13が圧入(挿入)される第1空間S1となっている。
【0056】
一方、ハウジング本体11の上側(第1空間S1よりも実装面1aAから離れた位置)には、天壁111、仕切り壁116および上側隔壁117によって画成された空間を、幅方向(Y軸の延在方向)に複数並設させている。そして、このハウジング本体11の上側に形成された空間が、上側プラグ端子14が圧入(挿入)される第2空間S2となっている。
【0057】
本実施形態では、ハウジング本体11の下側には、12個の空間(下側空間S1)が幅方向に並設されている。一方、ハウジング本体11の上側には、ロック部12の幅方向の一側(左右方向の右側)に4個の空間(上側空間S2)が並設されており、ロック部12の幅方向の他側(左右方向の左側)に4個の空間(上側空間S2)が並設されている。すなわち、ハウジング本体11の上側には、ロック部12を挟むようにして8個の空間(上側空間S2)が幅方向に並設されている。こうすることで、ハウジング本体11の高さ方向の小型化を図っている。
【0058】
さらに、本実施形態では、上側隔壁117と下側隔壁118とが幅方向にずれた位置に形成されている。すなわち、第1空間S1と第2空間S2とが、平面視で一部が重なり合うように形成されている。言い換えると、プラグ端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)がプラグハウジング10に保持されるとともにケーブル1Aに実装された状態で、プラグハウジング10を実装面1aAの法線方向(上下方向)に沿って視たときに、第1空間S1と第2空間S2とが重なり合うようにしている。
【0059】
そして、下側プラグ端子13は、第1空間S1の後端側の開口から前方に向けて圧入(挿入)されるようになっており、この第1空間S1の後端側の開口が挿入口S1aとなっている。また、第1空間S1の前端側の開口は、下側プラグ端子13が抜け落ちないように、挿入口S1aよりも小さくなっている。すなわち、挿入口S1aから圧入(挿入)された下側プラグ端子13の前方への移動が、前壁114によって規制されるようにしている。なお、第1空間S1の前端側の開口は、後述するレセプタクルコネクタ2の下側レセプタクル端子23の接点部230aを第1空間S1内に導入する導入口S1bとなっている。この導入口S1bの周縁部は、下側レセプタクル端子23の接点部230aが導入されやすいようにテーパ状に形成されている。
【0060】
同様に、上側プラグ端子14は、第2空間S2の後端側の開口から前方に向けて圧入(挿入)されるようになっており、この第2空間S2の後端側の開口が挿入口S2aとなっている。また、第2空間S2の前端側の開口は、上側プラグ端子14が抜け落ちないように、挿入口S2aよりも小さくなっている。すなわち、挿入口S2aから圧入(挿入)された上側プラグ端子14の前方への移動が、前壁114によって規制されるようにしている。なお、第2空間S2の前端側の開口も、後述するレセプタクルコネクタ2の上側レセプタクル端子24の接点部240aを第2空間S2内に導入する導入口S2bとなっている。この導入口S2bの周縁部も、上側レセプタクル端子24の接点部240aが導入されやすいようにテーパ状に形成されている。
【0061】
また、天壁111の後端の下部には、後方および下方に開口する溝部111bが第2空間S2に連通するように形成されている。本実施形態では、溝部111bは、第2空間S2の幅方向の一方側に形成されており、溝部111bには、後述する上側プラグ端子14の側壁144の上端が挿入されるようになっている。本実施形態では、溝部111bは、溝幅(幅方向の長さ)が側壁134の板厚よりも若干広くなるように形成されている。
【0062】
同様に、仕切り壁116の後端の下部には、後方および下方に開口する溝部116aが第1空間S1に連通するように形成されている。本実施形態では、溝部116aは、第1空間S1の幅方向の一方側に形成されており、溝部116aには、後述する下側プラグ端子13の側壁134の上端が挿入されるようになっている。本実施形態では、この溝部116aも、溝幅(幅方向の長さ)が側壁134の板厚よりも若干広くなるように形成されている。
【0063】
さらに、本実施形態では、仕切り壁116の後端の上部には、後方および下方に開口する溝部116bが第2空間S2に連通するように形成されている。この溝部116bは溝部111bと上下方向に対向するように形成されており、この溝部116bには、上側プラグ端子14の脚部141の上部が挿入されるようになっている。本実施形態では、溝部116bは、溝幅(幅方向の長さ)が脚部141の板厚よりも若干広くなるように形成されている。
【0064】
また、一対の側壁113,113は、それぞれ、側壁本体1131と、側壁本体1131の後端に連設される側壁側延設部1132と、を備えている。
【0065】
本実施形態では、一対の側壁本体1131,1131は、それぞれ、上下方向に延在する上段部11311と、上段部11311よりも幅方向の外側で上下方向に延在する下段部11312と、を備えている。また、一対の側壁本体1131,1131は、それぞれ、水平方向に延在し、上段部11311の下端と下段部11312の上端とを連結する連結部11313を備えている。そして、一対の下段部11312,11312のそれぞれに、後方に延在する側壁側延設部1132,1132が形成されている。また、一対の側壁側延設部1132,1132は、幅方向で対向するように形成されており、一対の側壁側延設部1132,1132が対向する領域が、プラグ端子13,14の第1,第2実装片132,142が収容される凹部1133となっている。
【0066】
このように、本実施形態では、側壁側延設部1132,1132の後端よりも前側で、プラグ端子13,14の第1,第2実装片132,142がケーブル1Aの導体露出部151bAに実装されるようにしている。このとき、側壁側延設部1132,1132と補強板14Aとでケーブル1Aの連結領域11Aが挟持されるようにしている。
【0067】
こうすることで、ケーブル1Aがあおられて補強板14Aから離れる方向に移動した際に、ケーブル1Aと補強板14Aとの接着が剥がれてしまうのをより確実に抑制することができるようにしている。さらに、本実施形態では、側壁側延設部1132,1132の先端(後端)よりも前側にプラグ端子13,14の第1,第2実装片132,142が位置するようにしている。こうすることで、ケーブル1Aのあおりによってプラグ端子13,14の第1,第2脚部131,141や第1,第2実装片132,142が変形してしまうのを抑制することができるようにしている。すなわち、プラグ端子13,14とケーブル1Aとの接続部分をケーブル1Aのあおりから保護することができるようにしている。
【0068】
また、本実施形態では、一対の側壁側延設部1132,1132の幅方向の内側に、保持金具15が保持される保持金具取付部1134,1134がそれぞれ形成されている。このように、本実施形態では、プラグ端子13,14の第1,第2実装片132,142が収容される凹部1133内に、保持金具取付部1134,1134も形成されるようにしている。
【0069】
この保持金具取付部1134は、上下方向および幅方向の外方に開口する凹部1134aと、凹部1134aの幅方向内側に連設されて、保持金具15の本体部151の前後方向の両端が挿入されるスリット1134b,1134bと、備えている。そして、保持金具15をプラグハウジング10に保持した状態で、本体部151の下端に連設された固定片152をケーブル1Aの固定部15dAに固定することで、プラグハウジング10をケーブル1Aに固定させている。
【0070】
また、本実施形態では、底壁112は、一対の側壁本体1131,1131の下端(一対の下段部11312,11312の下端)に連設される底壁本体1121を備えている。さらに、底壁112は、一対の側壁側延設部1132,1132の下端に連設されるとともに、底壁本体1121の後端に連設される底壁側延設部1122を備えている。したがって、本実施形態では、底壁112の底面(上下方向の下側の面)112aが、底壁本体1121の底面1121aと、底壁側延設部1122の底面1122aと、を備えている。ここで、本実施形態では、底壁側延設部1122は、底壁本体1121の後端面1121bの上部に連設されている。すなわち、底壁112の底面112aは、底壁側延設部1122の底面1122aが底壁本体1121の底面1121aよりも上方に位置する段差状をしている。
【0071】
そして、底壁本体1121の後端面1121bが後壁115の後端面115bよりも前後方向の前方に位置するようにしている。こうすることで、圧入(挿入)完了状態における下側プラグ端子13の脚部131が底壁112と干渉してしまわないようにしている。
【0072】
また、底壁112の下側(裏面側)には、前後方向に延在する突出部11211が下方に向けて突出するように形成されている。この突出部11211の具体的な構成等については後述する。
【0073】
さらに、底壁112の下側(裏面側)には、突出部11211とは別の突出部である第2の突出部1123が下方に向けて突出するように形成されている。本実施形態では、第2の突出部1123は、突出部11211よりも前後方向の後側に形成されている。
【0074】
そして、第2の突出部1123を底壁112に形成することで、底壁112の下側に凹部1124が形成されるようにしている。こうすることで、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装させた際に、補強板14Aが取り付けられた連結領域11Aがこの凹部1124に収容されるようにしている(
図9(b)参照)。このように、本実施形態では、補強板14Aが取り付けられた連結領域11Aが、凹部1124に収容保持される被連結部10Aとなっている。そして、第2の突出部1123は、突出量が被連結部10Aの厚さ(ケーブル1Aの厚さと補強板14Aの厚さの和)以上となるようにした状態で、底壁112に形成されている。
【0075】
本実施形態では、第2の突出部1123は、底壁112における突出部11211の後端が位置する部分で幅方向に細長く延在するように形成された前側突出部11231を備えている。この前側突出部11231は、底壁本体1121の後部側に形成されており、下段部13312よりも幅方向の外側に突出するように形成されている。本実施形態では、前側突出部11231は、底壁本体1121の底面1121aから連結部1333にかけて形成されており、下段部13312よりも幅方向の外側に突出した部分を手でつまむことができるようにしている。
【0076】
また、本実施形態では、前側突出部11231には、前後方向(X軸の延在方向)に貫通する貫通孔11231aが複数形成されている。この貫通孔11231aは、前後方向に沿って見たときに、前側突出部11231が、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)の接続部(第1実装片132および第2実装片142)と重ならないようにするために設けたものである。さらに、本実施形態では、前後方向に沿って見たときに、前側突出部11231の保持金具15の固定片152に対応する部位にも貫通孔11231aが形成されている。こうすることで、前側突出部11231が、前後方向に沿って見たときに保持金具15の固定片152とも重ならないようにしている。
【0077】
また、第2の突出部1123は、底壁112における前側突出部11231よりも後方の部位に形成された後側突出部11232を備えている。本実施形態では、一対の後側突出部11232,11232が、底壁側延設部1122の幅方向の両側に、前後方向に細長く延在するように形成されている。
【0078】
そして、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装させた際に、1つの前側突出部11231と一対の後側突出部11232,11232とで、略長方形状をした被連結部10A(ケーブル1Aおよび補強板14A)の3方が囲われるようにしている。すなわち、被連結部10Aの周縁部のみに第2の突出部1123が形成されるようにしている。なお、被連結部10Aは、凹部1124に収容される形状であればよく、様々な形状とすることができる。
【0079】
さらに、本実施形態では、上述したように、底壁112の底面112aは、底壁側延設部1122の底面1122aが底壁本体1121の底面1121aよりも上方に位置する段差状に刑されている。また、前側突出部11231が底壁本体1121の後部側に形成されており、後側突出部11232が底壁側延設部1122の幅方向の両側に形成されている。そのため、本実施形態では、底壁側延設部1122の後端に載置用突出部11221を幅方向に延在するように設けることで、被連結部10Aが略水平状態で凹部1124に収容されるようにしている。
【0080】
次に、プラグ端子(端子)の具体的な構成について、
図12および
図13に基づき説明する。
【0081】
本実施形態では、プラグ端子(端子)は、プラグハウジング10に形成された空間に挿入される本体部と、プラグ端子をケーブル(被接続部材)1Aに実装した状態で本体部からケーブル1Aの実装面1aAに向けて延設された脚部と、脚部に連設されてケーブル1Aに実装され得る接続部と、を備えている。
【0082】
具体的には、プラグ端子は、ハウジング本体11の下側(実装面1aA側)に形成された第1空間S1に圧入(挿入)される下側プラグ端子13を備えている。さらに、プラグ端子は、ハウジング本体11の上側(第1空間S1よりも実装面1aAから離れた位置)に形成された第2空間S2に圧入(挿入)される上側プラグ端子14を備えている。
【0083】
本実施形態では、下側プラグ端子13は、導電性を有しており、プラグハウジング10の幅方向(Y軸の延在方向)に複数並設されている。この下側プラグ端子13は、
図12に示すように、1枚の帯板状の金属部材を板厚方向に曲げた形状をしており、挿入方向(前後方向;X軸の延在方向)に沿って視た状態で略U字状をしている(
図12(e),
図12(f)参照)。このような下側プラグ端子13は、例えば、所定の形状となるように打ち抜かれた帯板状の金属部材に曲げ加工を施すことで形成することができる。
【0084】
また、下側プラグ端子13は、第1空間S1に圧入(挿入)される第1本体部(本体部)130を備えている。さらに、下側プラグ端子13は、下側プラグ端子13をケーブル(被接続部材)1Aに実装した状態で第1本体部130から実装面1aAに向けて延設された第1脚部(脚部)131を備えている。そして、下側プラグ端子13は、第1脚部131に連設されてケーブル1Aに実装され得る第1実装片(接続部)132を備えている。この第1実装片(接続部)132は、プラグハウジング(ハウジング)10に保持された状態で後壁(第1壁部)115から突出するように形成されている。
【0085】
第1本体部130は、底壁133と、底壁133の幅方向(Y軸の延在方向)の両端部に連設された側壁134と、を備えている。
【0086】
底壁133は、側壁134の下端が連設された底壁本体135と、底壁本体135の前端に連設されて前方に突出する接点保護部136と、を備えている。この接点保護部136は、第1本体部130を第1空間S1に圧入(挿入)する際に、下側プラグ端子13の接点部130aがハウジング本体11に接触してしまうのを抑制するものである。
【0087】
また、底壁本体135および接点保護部136には、幅方向(Y軸の延在方向)の両端から外方に向けて突出する規制片135a,136aがそれぞれ形成されている。そして、この規制片135a,136aによって、第1本体部130を第1空間S1に圧入(挿入)する際に、第1本体部130が斜めに圧入(挿入)されてしまうのが抑制されるようにしている。
【0088】
側壁134は、下端が底壁本体135に連設された側壁本体137と、側壁本体137の前端に弾性変形可能に連設され、レセプタクルコネクタの接点部に接触する接触片138と、を備えている。
【0089】
側壁本体137の上端には、規制突起137aが形成されており、この規制突起137aによって、第1本体部130を第1空間S1に圧入(挿入)する際に、第1本体部130が浮き上がってしまうのが抑制されるようにしている。
【0090】
また、接触片138は、幅方向内側に屈曲するように側壁本体137の前端に連設された内側屈曲片138aと、幅方向内側に屈曲するように内側屈曲片138aの前端に連設された外側屈曲片138bと、を備えている。
【0091】
本実施形態では、この接触片138は、一対の側壁本体137,137のそれぞれに連設されており、平面視で略線対称となるように形成されている。すなわち、一対の接触片138,138は、前方に向かうにつれて互いに近づく方向に屈曲した形状の内側屈曲片138a,138aと、前方に向かうにつれて互いに離れる方向に屈曲した形状の外側屈曲片138b,138bと、を備えている。
【0092】
そして、一対の接触片138,138が最も近づいた部位(内側屈曲片138aと外側屈曲片138bとの連設部)で、レセプタクルコネクタ2の接点部230aを挟持するようにしている(
図3(b)参照)。このように、本実施形態では、一対の接触片138,138を、下側プラグ端子13の接点部130aとして機能させている。そして、一対の外側屈曲片138bを、レセプタクルコネクタ2の接点部130aをよりスムーズに導入するためのガイド部として機能させている。
【0093】
さらに、本実施形態では、一対の側壁本体137,137のうちの一方の側壁本体137の後端に、後方に突出する延設壁139が連設されており、第1本体部130は、片側が後方に突出した形状をしている。
【0094】
この延設壁139の上端には、圧入突起139aが形成されており、この圧入突起139aをハウジング本体11に食い込ませることで、第1本体部130が第1空間S1に圧入されている。
【0095】
そして、第1脚部131が、延設壁139の後端部から下方(ケーブル1A:被接続部材)に向けて延設されている。このように、本実施形態では、第1脚部131は、第1空間S1に圧入(挿入)させた状態の第1本体部130からハウジング厚み方向に延設されている。また、第1脚部131の下端には第1実装片132が連設されている。本実施形態では、略水平方向に延在する第1実装片132の平坦な下端面がケーブル(被接続部材)1Aに実装され得る第1実装面(実装面)132aとなっている。
【0096】
このとき、第1脚部131および第1実装片132は、薄板状(板状)に形成されており、板厚方向が側壁本体137の板厚方向と略同一の方向となるように形成されている。
【0097】
したがって、第1本体部130を第1空間S1に挿入するとともに第1実装片(接続部)132をケーブル(被接続部材)1Aに実装した状態では、第1脚部131の板厚方向が幅方向(Y軸の延在方向)となる。すなわち、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装した状態では、第1脚部131の板厚方向が、第1本体部130の第1空間S1への挿入方向および実装面1aAの法線方向と交差する方向となっている。
【0098】
一方、上側プラグ端子14も、導電性を有しており、プラグハウジング10の幅方向(Y軸の延在方向)に複数並設されている。この上側プラグ端子14は、
図13に示すように、1枚の帯板状の金属部材を板厚方向に曲げた形状をしており、挿入方向(前後方向;X軸の延在方向)に沿って視た状態で略U字状をしている(
図13(e),
図13(f)参照)。このような上側プラグ端子14も、例えば、所定の形状となるように打ち抜かれた帯板状の金属部材に曲げ加工を施すことで形成することができる。
【0099】
また、上側プラグ端子14は、第2空間S2に圧入(挿入)される第2本体部(本体部)140を備えている。さらに、上側プラグ端子14は、上側プラグ端子14をケーブル(被接続部材)1Aに実装した状態で第2本体部140から実装面1aAに向けて延設された第2脚部(脚部)141を備えている。そして、上側プラグ端子14は、第2脚部141に連設されてケーブル1Aに実装され得る第2実装片(接続部)142を備えている。この第2実装片(接続部)142も、プラグハウジング(ハウジング)10に保持された状態で後壁(第1壁部)115から突出するように形成されている。
【0100】
第2本体部140は、底壁143と、底壁143の幅方向(Y軸の延在方向)の両端部に連設された側壁144と、を備えている。
【0101】
底壁143は、側壁144の下端が連設された底壁本体145と、底壁本体145の前端に連設されて前方に突出する接点保護部146と、を備えている。この接点保護部146は、第2本体部140を第2空間S2に圧入(挿入)する際に、上側プラグ端子14の接点部140aがハウジング本体11に接触してしまうのを抑制するものである。
【0102】
また、底壁本体145および接点保護部146には、幅方向(Y軸の延在方向)の両端から外方に向けて突出する規制片145a,146aがそれぞれ形成されている。そして、この規制片145a,146aによって、第2本体部140を第2空間S2に圧入(挿入)する際に、第2本体部140が斜めに圧入(挿入)されてしまうのが抑制されるようにしている。
【0103】
側壁144は、下端が底壁本体145に連設された側壁本体147と、側壁本体147の前端に弾性変形可能に連設され、レセプタクルコネクタ2の接点部240aに接触する接触片148と、を備えている。
【0104】
側壁本体147の上端には、規制突起147aが形成されており、この規制突起147aによって、第2本体部140を第2空間S2に圧入(挿入)する際に、第2本体部140が浮き上がってしまうのが抑制されるようにしている。
【0105】
また、接触片148は、幅方向内側に屈曲するように側壁本体147の前端に連設された内側屈曲片148aと、幅方向内側に屈曲するように内側屈曲片148aの前端に連設された外側屈曲片148bと、を備えている。
【0106】
本実施形態では、この接触片148は、一対の側壁本体147,147のそれぞれに連設されており、平面視で略線対称となるように形成されている。すなわち、一対の接触片148,148は、前方に向かうにつれて互いに近づく方向に屈曲した形状の内側屈曲片148a,148aと、前方に向かうにつれて互いに離れる方向に屈曲した形状の外側屈曲片148b,148bと、を備えている。
【0107】
そして、一対の接触片148,148が最も近づいた部位(内側屈曲片148aと外側屈曲片148bとの連設部)で、レセプタクルコネクタ2の接点部240aを挟持するようにしている(
図4(b)参照)。このように、本実施形態では、一対の接触片148,148を、上側プラグ端子14の接点部140aとして機能させている。そして、一対の外側屈曲片148bを、レセプタクルコネクタ2の接点部240aをよりスムーズに導入するためのガイド部として機能させている。
【0108】
さらに、本実施形態では、一対の側壁本体147,147のうちの一方の側壁本体147の後端に、後方に突出する延設壁149が連設されており、第2本体部140は、片側が後方に突出した形状をしている。
【0109】
この延設壁149の上端には、圧入突起149aが形成されており、この圧入突起149aをハウジング本体11に食い込ませることで、第2本体部140が第2空間S2に圧入されている。
【0110】
そして、第2脚部141が、延設壁149の後端部から下方(ケーブル1A:被接続部材)に向けて延設されている。この第2脚部141は、上下方向の長さが第1脚部131よりも長くなっている。このように、本実施形態では、第2脚部141は、第2空間S2に圧入(挿入)させた状態の第2本体部140からハウジング厚み方向に延設されている。また、第2脚部141の下端には、第2実装片142が後方に向けて突出するように連設されている。本実施形態では、略水平方向に延在する第2実装片142の平坦な下端面がケーブル(被接続部材)1Aに実装され得る第2実装面(実装面)142aとなっている。
【0111】
そして、第1脚部131および第2脚部141は、第1本体部130および第2本体部140を第1空間S1および第2空間S2に挿入した状態で、幅方向の位置が略半ピッチだけずれるようにしている。こうすることで、複数のプラグ端子13,14をプラグハウジング10に保持させた状態で、接続部(第1実装片132および第2実装片142)が千鳥状に配置されるようにしている。
【0112】
また、第2脚部141および第2実装片142も、薄板状(板状)に形成されており、板厚方向が側壁本体147の板厚方向と略同一の方向となるように形成されている。
【0113】
したがって、第2本体部140を第2空間S2に挿入するとともに第2実装片(接続部)142をケーブル(被接続部材)1Aに実装した状態では、第2脚部141の板厚方向が幅方向(Y軸の延在方向)となる。すなわち、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装した状態では、第2脚部141の板厚方向が、第2本体部140の第2空間S2への挿入方向および実装面1aAの法線方向と交差する方向となっている。
【0114】
[レセプタクルコネクタ2の構成例]
次に、レセプタクルコネクタ2の構成の一例を、
図14~
図19に基づき説明する。
【0115】
レセプタクルコネクタ2は、
図14および
図15に示すように、レセプタクルハウジング(相手側のハウジング)20を備えている。さらに、レセプタクルコネクタ2は、レセプタクルハウジング20に保持されるレセプタクル端子(相手側の端子:下側レセプタクル端子23および上側レセプタクル端子24)を備えている。また、レセプタクルコネクタ2は、レセプタクルハウジング20に保持される保持金具(相手側の保持金具)25を備えている。
【0116】
そして、レセプタクルハウジング20に保持されたレセプタクル端子23,24が、レセプタクルハウジング20の外側に配置された回路基板2Aの導体部2bAに実装されるようにしている。こうすることで、レセプタクルコネクタ2が相手側の被接続部材としての回路基板2Aに実装されるようにしている。なお、レセプタクル端子23,24も、半田付け等により導体部2bAに実装されている。また、保持金具25は、レセプタクルハウジング20に保持された状態で、半田付け等により回路基板2Aの固定部2cAに固定されることで、レセプタクルハウジング20を回路基板2Aに固定するためのものである。
【0117】
なお、回路基板2Aは、略矩形板状をしており、剛性および絶縁性を有する樹脂材料等で形成された基板本体2aAを備えている。そして、この基板本体2aAの表面21aAに露出するように、導体部2bAおよび固定部2cAが形成されている。このように、本実施形態では、基板本体2aAの表面21aAが実装面となっている。
【0118】
レセプタクルハウジング20は、剛性を有するハウジング本体21を備えており、このレセプタクルハウジング20は、例えば、絶縁性の樹脂材料を用いて形成することができる。
【0119】
また、ハウジング本体21の上部には、プラグハウジング10とレセプタクルハウジング20とを嵌合状態で保持したり、嵌合状態を解除したりするロック部12が挿入されるロック部挿入部22が形成されている。
【0120】
このように、本実施形態では、レセプタクルハウジング20は、ハウジング本体21と、ハウジング本体21に形成されたロック部挿入部22と、を備えている。
【0121】
ハウジング本体21は、天壁211と、底壁212と、天壁211および底壁212の幅方向(Y軸の延在方向)の両端をそれぞれ連設する一対の側壁213と、天壁211、底壁212および側壁213,213の後端に連設された後壁214と、を備えている。
【0122】
そして、天壁211の幅方向中央部にロック部挿入部22が形成されている。具体的には、ロック部挿入部22は、天壁211の幅方向の中央部の下側に形成されており、レバー部121を収容する収容部221を備えている。この収容部221の前後方向の中央部には、ロック部12の係合突部121bが係合する係合孔(係合部)221aが形成されている。
【0123】
また、天壁211の幅方向の両側には、ガイド溝211aが形成されている。このガイド溝211aは、ガイド突起111aと対応するように形成されている。そして、プラグハウジング10をレセプタクルハウジング20に嵌合させる際には、ガイド溝211aにガイド突起111aが挿入されるようにしている。こうすることで、プラグハウジング10の幅方向の位置決めがなされるようにしている。
【0124】
また、底壁212の幅方向の両側には、溝部212aが形成されている。この溝部212aは、突出部11211と対応するように形成されている。そして、プラグハウジング10をレセプタクルハウジング20に嵌合させる際には、溝部212aに突出部11211が挿入されるようにしている。
【0125】
また、後壁214には、前後方向に貫通する空間が複数形成されている。本実施形態では、幅方向(Y軸の延在方向)に複数並設された空間が上下方向(Z軸の延在方向)に2段形成されるようにしている。さらに、ハウジング本体21を前後方向の後方から視たときに、複数の空間が千鳥状に形成されるようにしている。こうすることで、レセプタクルコネクタ2の幅方向の小型化を図っている。
【0126】
そして、前後方向に貫通する空間内に、下側レセプタクル端子23および上側レセプタクル端子24がそれぞれ圧入(挿入)されるようになっている。
【0127】
具体的には、ハウジング本体21の下側(実装面21aA側)に形成された空間が、下側レセプタクル端子23が圧入(挿入)される第1空間S3となっている。
【0128】
一方、ハウジング本体21の上側(第1空間S3よりも実装面21aAから離れた位置)に形成された空間が、上側レセプタクル端子24が圧入(挿入)される第2空間S4となっている。
【0129】
そして、下側レセプタクル端子23は、第1空間S3の後端側の開口から前方に向けて圧入(挿入)されるようになっており、この第1空間S3の後端側の開口が挿入口S3aとなっている。同様に、上側レセプタクル端子24は、第2空間S4の後端側の開口から前方に向けて圧入(挿入)されるようになっており、この第2空間S4の後端側の開口が挿入口S4aとなっている。
【0130】
また、ハウジング本体21には、前方(プラグコネクタ1側)に開口する嵌合空間S5が形成されている。この嵌合空間S5は、プラグハウジング10のハウジング本体11が挿入嵌合される空間で、天壁211、底壁212、一対の側壁213,213および後壁214によって画成されている。したがって、第1空間S3および第2空間S4は、それぞれ嵌合空間S5に連通するように形成されている。なお、本実施形態では、嵌合空間S5の一部をロック部挿入部22の収容部221としている。
【0131】
さらに、本実施形態では、後壁214の後端には、後方に突出する突部214aが設けられている。
【0132】
また、一対の側壁213,213には、保持金具25が保持される保持金具取付部213a,213aがそれぞれ形成されている。
【0133】
本実施形態では、保持金具取付部213aは、上下方向および幅方向の外方に開口する凹部213bと、凹部213bの幅方向内側に連設されて、保持金具25の本体部251の前後方向の両端が挿入されるスリット213c,213cと、備えている。そして、保持金具25をレセプタクルハウジング20に保持した状態で、本体部251の下端に連設された固定片252を回路基板2Aの固定部2cAに固定することで、レセプタクルハウジング20を回路基板2Aに固定させている。
【0134】
また、本実施形態では、レセプタクル端子は、レセプタクルハウジング20に形成された空間に挿入される本体部と、レセプタクル端子を回路基板(被接続部材)2Aに実装した状態で本体部から回路基板2Aの実装面21aAに向けて延設された脚部と、脚部に連設されて回路基板2Aに実装され得る接続部と、を備えている。
【0135】
具体的には、レセプタクル端子は、ハウジング本体21の下側(実装面21aA側)に形成された第1空間S3に圧入(挿入)される下側レセプタクル端子23を備えている。さらに、レセプタクル端子は、ハウジング本体21の上側(第1空間S3よりも実装面21aAから離れた位置)に形成された第2空間S4に圧入(挿入)される上側レセプタクル端子24を備えている。
【0136】
本実施形態では、下側レセプタクル端子23は、導電性を有しており、レセプタクルハウジング20の幅方向(Y軸の延在方向)に複数並設されている。この下側レセプタクル端子23は、
図18に示すように、薄板状に形成されており、板厚方向を幅方向(Y軸の延在方向)に略一致させた状態でハウジング本体21に形成された第1空間S3に後方から圧入(挿入)されている。このような下側レセプタクル端子23は、例えば、薄板金属を打抜き加工することで形成することができる。
【0137】
また、下側レセプタクル端子23は、第1空間S3に圧入(挿入)される第1本体部(相手側の本体部)230を備えている。さらに、下側レセプタクル端子23は、下側レセプタクル端子23を回路基板(被接続部材)2Aに実装した状態で第1本体部230から実装面21aAに向けて延設された第1脚部(相手側の脚部)231と、第1脚部231に連設されて回路基板2Aに実装され得る第1実装片(相手側の接続部)232と、を備えている。
【0138】
そして、第1本体部230の前端には、略棒状の接点部(相手側の接点部)230aが前方に突出するように形成されている。また、第1本体部230の上端および下端には、圧入突起230bが形成されており、この圧入突起230bをハウジング本体21に食い込ませることで、第1本体部230が第1空間S3に圧入されている。そして、第1本体部230を第1空間S3に圧入(挿入)した状態で、接点部230aが嵌合空間S5内に配置されるようにしている。
【0139】
また、本実施形態では、第1脚部231が、第1本体部230の後端部から下方(回路基板2A:被接続部材)に向けて延設されている。具体的には、第1脚部231は、第1本体部230の後端部から下方(回路基板2A:被接続部材)に向けて略直線状に延設されている。このように、本実施形態では、第1脚部231は、第1空間S3に圧入(挿入)させた状態の第1本体部230からハウジング厚み方向(上下方向)に延設されている。そして、この第1脚部231の下端に第1実装片232が連設されている。
【0140】
一方、上側レセプタクル端子24も、導電性を有しており、レセプタクルハウジング20の幅方向(Y軸の延在方向)に複数並設されている。この上側レセプタクル端子24は、
図19に示すように、薄板状に形成されており、板厚方向を幅方向(Y軸の延在方向)に略一致させた状態でハウジング本体21に形成された第2空間S4に後方から圧入(挿入)されている。このような上側レセプタクル端子24も、例えば、薄板金属を打抜き加工することで形成することができる。
【0141】
また、上側レセプタクル端子24は、第2空間S4に圧入(挿入)される第2本体部(相手側の本体部)240を備えている。さらに、上側レセプタクル端子24は、上側レセプタクル端子24を回路基板(被接続部材)2Aに実装した状態で第2本体部240から実装面21aAに向けて延設された第2脚部(相手側の脚部)241を備えている。また、上側レセプタクル端子24は、第2脚部241に連設されて回路基板2Aに実装され得る第2実装片(相手側の接続部)242を備えている。
【0142】
そして、第2本体部240の前端には、略棒状の接点部(相手側の接点部)240aが前方に突出するように形成されている。また、第2本体部240の上端および下端には、圧入突起240bが形成されており、この圧入突起240bをハウジング本体21に食い込ませることで、第2本体部240が第2空間S4に圧入されている。そして、第2本体部240を第2空間S4に圧入(挿入)した状態で、接点部240aが嵌合空間S5内に配置されるようにしている。
【0143】
また、本実施形態では、第2脚部241が、クランク状に屈曲した形状をしており、下端が第2本体部240よりも後方に位置するようになっている。この第2脚部241は、上下方向の長さが第1脚部231よりも長くなっている。そして、この第2脚部241の下端に第2実装片242が連設されている。
【0144】
そして、複数のレセプタクル端子をレセプタクルハウジング20に保持させた状態で、接続部(第1実装片232および第2実装片242)が千鳥状に配置されるようにしている。
【0145】
このような構成をしたレセプタクルコネクタ2に上述のプラグコネクタ1を嵌合させると、プラグハウジング10のロック部12がレセプタクルハウジング20のロック部挿入部22に挿入され、ハウジング本体11が嵌合空間S5に挿入されることとなる。
【0146】
このとき、レバー部121の係合突部121bがレセプタクルハウジング20の天壁211により下方に押圧されることになる。このように、係合突部121bが天壁211により下方に押圧されると、レバー部121の後端部(操作部121a)が下方に移動するように弾性変形して、係合突部121bがロック部挿入部22の奥側まで移動できるようになる。
【0147】
そして、係合突部121bをロック部挿入部22の奥側まで移動させると、天壁211による係合突部121bの下方への押圧が解除されて、レバー部121の弾性復元力により係合突部121bが上方に移動する。そして、係合突部121bが上方に移動することで、レセプタクルコネクタ2に形成された係合孔221aに係合して、プラグコネクタ1とレセプタクルコネクタ2とが嵌合状態でロックされることになる。
【0148】
また、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に嵌合させる途中で、下側レセプタクル端子23の接点部230aの先端が導入口S1bからプラグハウジング10に形成された第1空間S1内に導入されて、下側プラグ端子13の接点部130aに接触する。なお、本実施形態では、略棒状の接点部230aが一対の接触片138,138の間に挿入され、一対の接触片138,138によって挟持されることで、下側プラグ端子13と下側レセプタクル端子23とを導通接続させている。
【0149】
同様に、上側レセプタクル端子24の接点部240aの先端が導入口S2bからプラグハウジング10に形成された第2空間S2内に導入されて、上側プラグ端子14の接点部140aに接触する。なお、本実施形態では、略棒状の接点部240aが一対の接触片148,148の間に挿入され、一対の接触片148,148によって挟持されることで、上側プラグ端子14と上側レセプタクル端子24とを導通接続させている。
【0150】
このように、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に嵌合させて、プラグ端子13,14とレセプタクル端子23,24とをそれぞれ導通接続させることで、ケーブル1Aと回路基板2Aとを電気的に接続させるコネクタセットC1が形成される。
【0151】
一方、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2から取り外す際には、まず、レバー部121の操作部121aを押し下げて、レバー部121を下方に移動させる。こうすることで、係合突部121bも下方に移動し、係合突部121bと係合孔221aとの係合が解除される。そして、係合突部121bと係合孔221aとの係合を解除した状態で、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に対して抜去方向に引っ張ると、プラグコネクタ1がレセプタクルコネクタ2に対して抜去方向に相対移動することとなる。このように、プラグコネクタ1をレセプタクルコネクタ2に対して抜去方向に相対移動させると、まず、端子同士の導通接続が解除され、その後に、ハウジング同士の嵌合が解除されることとなる。こうして、プラグコネクタ1がレセプタクルコネクタ2から取り外されることになる。
【0152】
ここで、本実施形態では、コネクタセットC1の低背化を図れるようにしている。具体的には、ケーブル(被接続部材)1Aに実装されたプラグコネクタ(コネクタ)1をレセプタクルコネクタ(相手側コネクタ)2に嵌合させる際に、ケーブル1Aがレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)21内に挿入されないようにしている。こうすることで、コネクタセットC1の低背化を図れるようにしている。このとき、プラグコネクタ(コネクタ)1の重心Gがレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)21内に挿入されるようにするのが好ましい。こうすれば、プラグコネクタ(コネクタ)1とレセプタクルコネクタ(相手側コネクタ)2との嵌合状態をより安定させることができる。
【0153】
また、ケーブル1Aをレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)21内に挿入されないようにした場合、ケーブル1Aを保持するための保持金具15も、レセプタクルハウジング(相手側ハウジング)21の外側に位置することになる。例えば、本実施形態では、保持金具15は、プラグハウジング10の後部(レセプタクルハウジング21に嵌合される側とは反対側)に形成された凹部1133内でプラグハウジング10に保持されている。
【0154】
このように、保持金具15がレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)21の外側に位置した構成とすると、プラグコネクタ(コネクタ)1のケーブル(被接続部材)1Aに実装される部分が、プラグコネクタ(コネクタ)1の重心Gに対して一方側(レセプタクルハウジング21に嵌合される側とは反対側)に偏ってしまう。なお、本実施形態では、複数の端子の接続部(第1,第2実装片132,142)および保持金具15の固定片152が、プラグコネクタ(コネクタ)1のケーブル(被接続部材)1Aに実装される部分となっている。
【0155】
ここで、プラグコネクタ(コネクタ)1のケーブル(被接続部材)1Aへの実装は、一般的には、リフローキャリア30上にケーブル(被接続部材)1Aを載置した後に、プラグコネクタ(コネクタ)1をケーブル(被接続部材)1A上に載置した状態で、端子を半田付け等によりケーブル(被接続部材)1Aに固定することで行われる(
図20~
図24参照)。
【0156】
このときに用いられるリフローキャリア30の上面30a側には、ケーブル(被接続部材)1Aを水平状態で保持することができるように、補強板14A等が収容される凹部31が形成されている。そして、リフローキャリア30上に水平状態で載置されたケーブル(被接続部材)1A上にプラグコネクタ(コネクタ)1を載置した状態で、プラグコネクタ(コネクタ)1のケーブル(被接続部材)1Aへの実装が行われる。
【0157】
このように、既存のリフローキャリア30には、補強板14A等が収容される凹部31が形成されており、ケーブル(被接続部材)1Aを水平状態で保持できるようにしている。すなわち、ケーブル(被接続部材)1Aの裏面1bAがリフローキャリア30の上面30aに接した状態で、ケーブル(被接続部材)1Aがリフローキャリア30上に載置されるようにしている。そして、リフローキャリア30上に水平状態で載置されたケーブル(被接続部材)1A上にプラグコネクタ(コネクタ)1を載置するようにしている。
【0158】
このとき、本実施形態で示した構成をしたプラグコネクタ(コネクタ)1を、既存のリフローキャリア30上に水平状態で載置されたケーブル(被接続部材)1A上に載置すると、下記のような問題が生じてしまうことがある。具体的には、本実施形態で示したプラグコネクタ1では、ケーブル1Aがレセプタクルハウジング21内に挿入されないようにするため、レセプタクルハウジング21に嵌合される側の下面がケーブル1Aと対向しないようにしている。そのため、プラグコネクタ1のレセプタクルハウジング21に嵌合される側の下面(底壁本体1121の底面1121a)とリフローキャリア30の上面30aとの間に、ケーブル(被接続部材)1Aの厚さ以上の隙間が形成されてしまう。
【0159】
そのため、既存のリフローキャリア30上に水平状態で載置されたケーブル(被接続部材)1A上にプラグコネクタ(コネクタ)1を載置すると、プラグコネクタ(コネクタ)1が傾いてしまう。その結果、端子をケーブル(被接続部材)1Aにうまく固定することができなくなることがある。
【0160】
そして、このような不具合を解決するためには、リフローキャリアを加工してリフローキャリア上に載置したプラグコネクタ(コネクタ)1がガタついてしまわないようにすることが考えられる。しかしながら、専用のリフローキャリアを別途作成すると手間がかかってしまうため、既存のリフローキャリア30を用いた場合でも、プラグコネクタ(コネクタ)1が傾いてしまうことを抑制できるようにするのが好ましい。
【0161】
そこで、本実施形態では、低背化を図ることが可能なプラグコネクタ(コネクタ)1を既存のリフローキャリア30上に載置した場合であっても、プラグコネクタ(コネクタ)1が傾いてしまうことを抑制できるようにしている。
【0162】
具体的には、プラグハウジング10に上述した隙間を埋めることが可能な突出部11211を設けることで、既存のリフローキャリア30を用いた場合であっても、プラグコネクタ(コネクタ)1を傾かせず、水平状態で載置できるようにしている。
【0163】
本実施形態では、底壁112における上下方向(Z軸の延在方向)の下側の面(底面112a)が、重心Gを含み前後方向(X軸の延在方向)と直交する仮想の面で規定される重心面GPによって2分割されるようにしている。
【0164】
そして、重心面GPよりも前後方向(X軸の延在方向)の後側に位置する領域を第1領域R1とし、重心面GPよりも前後方向(X軸の延在方向)の前側に位置する領域を第2領域R2としている。
【0165】
ここで、本実施形態では、重心面GPは、前側突出部11231よりも前後方向(X軸の延在方向)の前側に位置している。そのため、本実施形態では、底壁本体1121の底面1121aにおける重心面GPよりも前後方向(X軸の延在方向)の前側に位置する領域が第2領域R2となっている。一方、底壁本体1121の底面1121aにおける重心面GPよりも前後方向(X軸の延在方向)の後側に位置する領域および延設部側底面1122aが第1領域R1となっている。
【0166】
この第1領域R1は、接続部(第1実装片132および第2実装片142)がケーブル(被接続部材)1Aに実装された状態で、上下方向(Z軸の延在方向)においてケーブル(被接続部材)1Aと対向する対向領域R1aを有している。
【0167】
さらに、第1領域R1は、接続部(第1実装片132および第2実装片142)がケーブル(被接続部材)1Aに実装された状態で、上下方向(Z軸の延在方向)においてケーブル(被接続部材)1Aと対向しない非対向領域R1bを有している。
【0168】
本実施形態では、第1領域R1における前側突出部11231よりも前後方向(X軸の延在方向)の前側の領域が非対向領域R1bとなっている。そして、第1領域R1における前側突出部11231よりも前後方向(X軸の延在方向)の後側の領域が対向領域R1aとなっている。
【0169】
一方、第2領域R2は、全体が、接続部(第1実装片132および第2実装片142)がケーブル(被接続部材)1Aに実装された状態で、上下方向(Z軸の延在方向)においてケーブル(被接続部材)1Aとは対向しない非対向領域R2aとなっている。
【0170】
さらに、本実施形態では、第2領域R2は、水平面HPに対して上下方向(Z軸の延在方向)の上側に位置する奥面と、奥面から上下方向(Z軸の延在方向)の下側に向けて突出する突出部11211と、を有している。ここで、水平面HPは、接続部(第1実装片132および第2実装片142)の実装面(第1実装面132aおよび第2実装面142a)を含み上下方向(Z軸の延在方向)と直交する仮想の面のことである。また、本実施形態では、第2領域R2における突出部11211が設けられていない部位の全体が奥面となっている。このように、本実施形態では、底壁本体1121の底面1121aの一部が奥面となっている。
【0171】
また、本実施形態では、底壁本体1121の底面1121aにおける幅方向の両側に一対の突出部11211が、前後方向(X軸の延在方向)に沿って延在するように設けられている。
【0172】
このように、本実施形態では、突出部11211が、互いに分離された状態で複数設けられている。このとき、一対(複数)の突出部11211が、上下方向(Z軸の延在方向)に沿って見た状態で、重心Gを含み前後方向(X軸の延在方向)に延びる仮想の線で規定される中心線CLに対して対称に設けられるようにしている。こうすることで、突出部11211によってプラグコネクタ(コネクタ)1をバランスよく支持できるようにしている。
【0173】
さらに、本実施形態では、前後方向(X軸の延在方向)に沿って延在する一対の突出部11211の後端が前側突出部11231に連設されている。すなわち、第1領域R1にも突出部11211が形成されるようにしている。しかしながら、第1領域R1にも突出部11211が形成されるようにする必要はなく、第2領域R2のみに突出部11211が形成されるようにしてもよい。
【0174】
また、本実施形態では、突出部11211は、前後方向(X軸の延在方向)に沿って見た状態で、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)の接続部(第1実装片132および第2実装片142)と重ならないように設けられている。
【0175】
こうすることで、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)の足の高さが揃っているかを前後方向(X軸の延在方向)から確認できるようにしている。
【0176】
さらに、本実施形態では、既存のリフローキャリア30上にプラグコネクタ(コネクタ)1を水平状態で載置することができるように、突出部11211の奥面(底壁本体1121の底面1121a)からの突出量を設定している。
【0177】
具体的には、突出部11211の奥面からの突出量を、スタンドオフ量+基材15aAの厚さ+導体部15bAの厚さとなるように設定している。なお、スタンドオフ量とは、端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)に設けられた実装面(第1実装面132aおよび第2実装面142a)の底壁本体1121の底面1121aからの突出量のことである。このように、実装面(第1実装面132aおよび第2実装面142a)を所定量だけ底壁本体1121の底面1121aから突出させるようにすることで、コネクタハウジング10に邪魔されることなく、半田付け(実装)を行うことができるようにしている。
【0178】
そして、突出部11211の奥面からの突出量を上述した量に設定すれば、突出部11211の頂部11211aを、接続部(第1実装片132および第2実装片142)がケーブル(被接続部材)1Aに実装された状態で、ケーブル(被接続部材)1Aの裏面1bAと同じ位置となるようにすることができる。その結果、既存のリフローキャリア30上にプラグコネクタ(コネクタ)1を水平状態で載置することができるようになる。
【0179】
なお、同じ位置(実質的に同じ位置)であるとは、傾きに影響が出ない程度の範囲内であればよいことを意味している。例えば、突出部11211の頂部11211aと裏面1bとの位置の差に設計上の範囲があったとしてもよいことを意味している。この設計上の範囲としては、例えば、プラスマイナス0.1ミリメートル(100μm)とすることができる。より好ましくは、プラスマイナス0.05ミリメートル(50μm)である。設計上の範囲は、製品寸法や端子数によって異なる値とすることができる。
【0180】
また、本実施形態では、プラグハウジング(ハウジング)10がレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20に接続された状態で、第1領域R1の一部が、上下方向(Z軸の延在方向)においてレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20と対向するようにしている。すなわち、上下方向(Z軸の延在方向)においてケーブル(被接続部材)1Aと対向しない非対向領域R1bの一部がレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20内に挿入されるようにしている。
【0181】
こうすれば、プラグハウジング(ハウジング)10がレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20に接続された状態で、プラグコネクタ(コネクタ)1の重心Gをレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20内に位置させることが可能になる。その結果、コネクタセットC1の低背化を図りつつ、プラグハウジング(ハウジング)10をレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20に接続した状態でのガタツキをより確実に抑制することが可能になる。
【0182】
また、本実施形態では、第1領域R1にケーブル1Aを囲む第2の突出部1123が設けられている。具体的には、重心面GPよりも前後方向(X軸の延在方向)の後側の領域のみに第2の突出部1123が設けられるようにしている。
【0183】
こうすることで、フレキシブルなケーブル1Aに複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)をより確実に実装できるようにしている。また、ケーブル1Aに複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)を実装した状態で、ケーブル1Aや補強板(連結板)14Aが第2の突出部1123によって保護されるようにしている。
【0184】
また、本実施形態では、第2の突出部1123を、突出部11211よりも上下方向(Z軸の延在方向)の下方側に突出させている。
【0185】
こうすることで、より確実にケーブル1Aや補強板(連結板)14Aを保護できるようにしている。なお、第2の突出部1123を設ける必要はなく、第2の突出部1123が設けられていないプラグコネクタ1とすることも可能である。
【0186】
また、本実施形態では、上述したように、プラグコネクタ1を前後方向(X軸の延在方向)に沿って視たときに、前側突出部11231が、プラグ端子13,14の第1,第2実装片132,142と重なり合わないようにしている。
【0187】
また、プラグコネクタ1を前後方向(X軸の延在方向)に沿って視たときに、一対の後側突出部11232も、プラグ端子13,14の第1,第2実装片132,142と重なり合わないようにしている。
【0188】
そして、本実施形態では、第2の突出部1123は、1つの前側突出部11231および一対の後側突出部11232のみを備えている。
【0189】
さらに、プラグコネクタ1を前後方向(X軸の延在方向)に沿って視たときに、突出部11211もプラグ端子13,14の第1,第2実装片132,142と重なり合わないようにしている。
【0190】
また、本実施形態では、プラグ端子13,14をプラグハウジング10に保持した状態で、第1,第2実装片132,142の先端が凹部1124側(底壁本体1121の底面1121aの下方)に突出している。
【0191】
したがって、本実施形態では、プラグコネクタ1を前後方向(X軸の延在方向)に沿って視た場合、前側および後側のどちら側から視ても、各プラグ端子の第1,第2実装片132,142の先端を視認することができるようになっている。なお、各プラグ端子の第1,第2実装片132,142の先端は、前後方向から視た場合、互いに幅方向に離間した状態で底壁本体1121の底面1121aの下方に突出している。
【0192】
ところで、複数の端子13,14をプラグハウジング10に保持した状態で、接続部132,142の先端(実装面132a,142a)を凹部1124側(底壁本体1121の底面1121aの下方)に突出させるようにした場合、各接続部132,142のケーブル1Aへの実装をより確実に行うためには、各接続部132,142の底壁本体1121の底面1121aからの突出量を揃える必要がある。
【0193】
そのため、各接続部132,142の底壁本体1121の底面1121aからの突出量が揃っているかを検査する必要がある。そして、このような検査は、一般的には、プラグハウジング10に保持された端子13,14の接続部132,142に、ライト41から照射される光を当てた状態で、カメラ42により接続部132,142を撮影することによって行われる。
【0194】
ここで、
図30に示すように、前後方向の前方に、正面視で接続部132,142と重なり合うように第2の突出部1123が形成されていると、前後方向の前側から視た場合には、第2の突出部1123によって接続部132,142が背後に隠れてしまう。そのため、各接続部132,142の突出量を確認する際には、後側から各接続部132,142に光を当てた状態で撮影する必要があった。
【0195】
また、各接続部132,142の板厚方向を幅方向に一致させた場合、各接続部132,142の下端を湾曲させることで、半田を用いて実装する際にフィレットを形成しやすくするのが好ましい。そのため、本実施形態では、各接続部132,142の下端を湾曲させている。
【0196】
しかしながら、各接続部132,142の下端を湾曲させると、湾曲部分に当てられた光が乱反射して下端がぼやけてしまう。そのため、後側から各接続部132,142に光を当てた状態で撮影する場合には、下記のようにして各接続部132,142の突出量(各接続部132,142の下端の位置)を推定する必要がある。すなわち、各接続部132,142の上端のエッジ部分の位置を確認し、このエッジの位置と各接続部132,142の上下方向の厚さとから各接続部132,142の突出量(各接続部132,142の下端の位置)を推定する必要がある。
【0197】
ただし、本実施形態のように、各接続部132,142の板厚方向を幅方向に一致させると、端子13,14を形成した際に生じる上下方向の寸法交差が大きくなってしまうため、上記の推定方法では、各接続部132,142の正確な突出量を確認することができない。
【0198】
このように、各接続部132,142の板厚方向を幅方向に一致させるとともに、フィレットを形成しやすくするために各接続部132,142の下端を湾曲させた形状とした場合、下記のような問題が発生するおそれがある。すなわち、
図30に示すように、前後方向の前方に第2の突出部1123が形成されていると、本実施形態で示す端子13,14を用いた場合に、各接続部132,142の正確な突出量を確認することができなくなってしまうという問題が発生するおそれがある。
【0199】
これに対して、本実施形態では、複数の端子13,14を保持したプラグハウジング10を前後方向に沿って視た状態で、第2の突出部1123が複数の接続部132,142と重なり合わないようにしている(
図31参照)。具体的には、複数の端子13,14を保持したプラグハウジング10を前後方向に沿って視た状態で、第2の突出部1123のうち前側突出部11231のみが複数の端子13,14と重なり合う位置に存在するようにしている。そして、前側突出部11231には複数の貫通孔11231aが、複数の端子13,14を保持したプラグハウジング10を前後方向に沿って視た状態で複数の接続部132,142が露出するように形成されている。こうすることで、複数の端子13,14を保持したプラグハウジング10を前後方向に沿って視た状態で、第2の突出部1123が複数の接続部132,142と重なり合わないようにしている。
【0200】
そのため、本実施形態では、前側から各接続部132,142に光を当てた状態で撮影することが可能になる。そして、前側から各接続部132,142に光を当てた状態で撮影すれば、後側から光を当てた場合よりも鮮明に各接続部132,142の先端を映し出すことができる。
【0201】
したがって、複数の端子13,14を保持したプラグハウジング10を前後方向に沿って視た状態で、第2の突出部1123が複数の接続部132,142と重なり合わないようにすれば、下記の効果を奏することが可能になる。すなわち、本実施形態で示す端子13,14を用いた場合であっても、各接続部132,142のプラグハウジング10の下端からの突出量をより正確に確認することが可能になる。
【0202】
また、突出部11211の形状は、上述した形状に限られるものではなく、様々な形状とすることが可能である。
【0203】
例えば、
図32に示すプラグコネクタとすることが可能である。
図32には、幅方向の中央部に1つの突出部11211が前後方向に延在するように形成されたものを例示している。
【0204】
このような形状の突出部11211を設けることでも、プラグコネクタ(コネクタ)1が傾いてしまうことを抑制することが可能になる。
【0205】
また、
図33に示すプラグコネクタとすることも可能である。
図33には、幅方向の両端に一対の突出部11211が前後方向に延在するように形成されたものを例示している。
【0206】
このような形状の突出部11211を設けることでも、プラグコネクタ(コネクタ)1が傾いてしまうことを抑制することが可能になる。
【0207】
また、
図34に示すプラグコネクタとすることも可能である。
図34には、幅方向の両端の前端部に一対の突出部11211が形成されたものを例示している。
【0208】
このような形状の突出部11211を設けることでも、プラグコネクタ(コネクタ)1が傾いてしまうことを抑制することが可能になる。
【0209】
[作用・効果]
以上説明したように、本実施形態およびその変形例にかかるプラグコネクタ(コネクタ)1は、プラグハウジング(ハウジング)10と、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)と、を備えている。ここで、シート状のケーブル(被接続部材)1Aの上方にプラグハウジング10が配置されるようにした状態で、プラグコネクタ1の上下方向、前後方向および幅方向を規定する。
【0210】
このとき、プラグハウジング10は、上下方向の上側に配置される天壁111と、上下方向の下側に配置される底壁112と、上下方向と交差する方向である前後方向の前側に配置される前壁114と、前後方向の後側に配置される後壁115と、を備えている。
【0211】
また、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)は、上下方向および前後方向と交差する方向である幅方向に並設された状態でプラグハウジング10に保持されている。これらの複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)は、シート状のケーブル(被接続部材)1Aに実装され得るものである。
【0212】
また、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)は、プラグハウジング(ハウジング)10に保持された状態で後壁115から突出する接続部(第1実装片132および第2実装片142)をそれぞれ有している。また、各接続部(第1実装片132および第2実装片142)には、ケーブル(被接続部材)1Aに実装され得る実装面(第1実装面132aおよび第2実装面142a)が設けられている。
【0213】
また、底壁112の底面(上下方向の下側の面)112aは、プラグコネクタ(コネクタ)1の重心Gを含み前後方向と直交する仮想の面で規定される重心面GPによって2分割される第1領域R1および第2領域R2を有している。
【0214】
また、第1領域R1は、前後方向の後側に位置しており、第2領域R2は、前後方向の前側に位置している。
【0215】
そして、第1領域R1は、接続部(第1実装片132および第2実装片142)がケーブル(被接続部材)1Aに実装された状態で、上下方向においてケーブル(被接続部材)1Aと対向する対向領域R1aを有している。
【0216】
一方、第2領域R2は、接続部(第1実装片132および第2実装片142)がケーブル(被接続部材)1Aに実装された状態で、上下方向においてケーブル(被接続部材)1Aとは対向しない非対向領域R2aとなっている。
【0217】
そして、第2領域R2は、水平面HPに対して上下方向の上側に位置する奥面1121aと、奥面1121aから上下方向の下側に向けて突出する突出部11211と、を有している。ここで、水平面HPは、接続部(第1実装片132および第2実装片142)の実装面(第1実装面132aおよび第2実装面142a)を含み上下方向と直交する仮想の面のことである。
【0218】
このように、本実施形態およびその変形例では、第2領域R2が、プラグコネクタ1をケーブル1Aに実装した際に、上下方向においてケーブル1Aとは対向しない非対向領域R2aとなるようにしている。こうすれば、プラグコネクタ1を相手側コネクタ(レセプタクルコネクタ2)に嵌合させる際にケーブル1Aが相手側ハウジング(レセプタクルハウジング20)内に挿入されないようにすることができ、コネクタセットC1の低背化を図ることが可能になる。
【0219】
また、本実施形態およびその変形例では、非対向領域R2aとなっている第2領域R2が突出部11211を有するようにしている。こうすれば、プラグコネクタ(コネクタ)1をケーブル(被接続部材)1Aに実装するために既存のリフローキャリア30上に載置したときに、プラグコネクタ(コネクタ)1が傾いてしまうことを突出部11211によって抑制することが可能になる。その結果、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)とケーブル(被接続部材)1Aとをより確実に接合させることが可能になる。
【0220】
このように、本実施形態およびその変形例によれば、低背化を図りつつ、既存のリフローキャリア30上に載置した場合であっても傾きを抑制することが可能なプラグコネクタ(コネクタ)1を得ることができる。
【0221】
また、突出部11211が、上下方向に沿って見た状態で、重心Gを含み前後方向に延びる仮想の線で規定される中心線CLに対して対称に設けられていてもよい。
【0222】
こうすれば、突出部11211によってプラグコネクタ(コネクタ)1をバランスよく支持することが可能になって、既存のリフローキャリア30上に載置したプラグコネクタ(コネクタ)1がガタついてしまうことをより確実に抑制することが可能になる。
【0223】
また、突出部11211が、前後方向に沿って延在していてもよい。
【0224】
こうすることでも、突出部11211によってプラグコネクタ(コネクタ)1をバランスよく支持することが可能になって、既存のリフローキャリア30上に載置したプラグコネクタ(コネクタ)1がガタついてしまうことをより確実に抑制することが可能になる。
【0225】
また、突出部11211が、互いに分離された状態で複数設けられていてもよい。
【0226】
こうすることでも、突出部11211によってプラグコネクタ(コネクタ)1をバランスよく支持することが可能になって、既存のリフローキャリア30上に載置したプラグコネクタ(コネクタ)1がガタついてしまうことをより確実に抑制することが可能になる。
【0227】
また、突出部11211が、前後方向に沿って見た状態で、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)の接続部(第1実装片132および第2実装片142)と重ならないように設けられていてもよい。
【0228】
ところで、プラグコネクタ(コネクタ)1をケーブル(被接続部材)1Aに実装する際には、複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)の足の高さが揃っているかを検査する必要がある。すなわち、各接続部132,142のプラグハウジング10の下端からの突出量が揃っているかを検査する必要がある。このような検査は、一般的には、プラグハウジング10に保持された端子13,14の接続部132,142に、ライト41から照射される光を当てた状態で、カメラ42により接続部132,142を撮影することによって行われる。
【0229】
このとき、突出部11211と接続部132,142とが、前後方向に沿って見た状態で、重ならないようにすれば、前後方向から光を当てた状態で、カメラ42により接続部132,142を確認することが可能になる。すなわち、幅方向に並設された接続部132,142のプラグハウジング10の下端からの突出量を、幅方向と交差する方向である前後方向に沿って視ることで確認することが可能になる。そのため、接続部132,142のプラグハウジング10の下端からの突出量を、より正確に確認することができるようになる。
【0230】
また、突出部11211の頂部11211aが、接続部(第1実装片132および第2実装片142)がケーブル(被接続部材)1Aに実装された状態で、ケーブル(被接続部材)1Aの裏面1bAと同じ位置にあってもよい。ここで、裏面1bAは、ケーブル(被接続部材)1Aにおける上下方向の下側の面のことである。
【0231】
こうすれば、プラグコネクタ(コネクタ)1が傾いてしまうことをより確実に抑制することができる上、プラグコネクタ(コネクタ)1を既存のリフローキャリア30上に載置した際に、プラグハウジング(ハウジング)10を平行に配置することが可能になる。
【0232】
また、プラグハウジング(ハウジング)10は、レセプタクルコネクタ(相手側コネクタ)2が備えるレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20に接続され得るように構成されていてもよい。そして、プラグハウジング(ハウジング)10がレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20に接続された状態で、第1領域R1の一部が、上下方向においてレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20と対向していてもよい。
【0233】
こうすれば、プラグハウジング(ハウジング)10がレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20に接続された状態で、プラグコネクタ(コネクタ)1の重心Gをレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20内に位置させることが可能になる。その結果、コネクタセットC1の低背化を図りつつ、プラグハウジング(ハウジング)10をレセプタクルハウジング(相手側ハウジング)20に接続した状態でのガタツキをより確実に抑制することが可能になる。
【0234】
また、被接続部材が撓み変形可能なケーブル1Aであってもよい。また、ケーブル1Aには補強板(連結板)14Aが取り付けられていてもよい。そして、第1領域R1には、ケーブル1Aを囲む第2の突出部1123が設けられていてもよい。
【0235】
こうすれば、フレキシブルなケーブル1Aに複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)をより確実に実装することが可能になる。また、ケーブル1Aに複数の端子(下側プラグ端子13および上側プラグ端子14)を実装した状態で、ケーブル1Aや補強板(連結板)14Aが第2の突出部1123によって保護されるようにすることができる。
【0236】
また、第2の突出部1123が、突出部11211よりも上下方向の下側に突出していてもよい。
【0237】
こうすれば、より確実にケーブル1Aや補強板(連結板)14Aを保護することが可能になる。
【0238】
[その他]
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態およびその変形例には限定されず、種々の変形が可能である。
【0239】
例えば、上記実施形態およびその変形例では、複数の端子が上下の2段に配置されたものを例示したが、複数の端子が1段のみに配置されたコネクタや3段以上に配置されたコネクタとすることも可能である。
【0240】
また、同一の段に配置される端子の形状を同一の形状としたコネクタを例示したが、同一の段に複数種類の端子が配置されたコネクタとすることも可能である。
【0241】
また、上記実施形態およびその変形例では、各端子として、各接続部の板厚方向を端子の並設方向に一致させたものを例示したが、各接続部の板厚方向を上下方向に一致させた端子とすることも可能である。
【0242】
また、基板同士やケーブル同士を電気的に接続するコネクタ(プラグコネクタやレセプタクルコネクタ)に本開示を適用してもよい。さらに、電線と基板とを電気的に接続するコネクタ(プラグコネクタやレセプタクルコネクタ)や電線とケーブルとを電気的に接続するコネクタ(プラグコネクタやレセプタクルコネクタ)に本開示を適用してもよい。
【0243】
また、ハウジングや端子、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0244】
1 プラグコネクタ(コネクタ)
10 プラグハウジング(ハウジング)
111 天壁
112 底壁
112a 底面(底壁における上下方向の下側の面)
1121a 底面(奥面)
11211 突出部
11211a 頂部
1123 第2の突出部
114 前壁
115 後壁
13 下側プラグ端子(端子)
132 実装片(接続部)
132a 実装面
14 上側プラグ端子(端子)
142 実装片(接続部)
142a 実装面
1A ケーブル(被接続部材)
14A 補強板(連結板)
2 レセプタクルコネクタ(相手側コネクタ)
20 レセプタクルハウジング(相手側ハウジング)
CL 中心線
G 重心
GP 重心面
HP 水平面(接続部の実装面を含み上下方向と直交する仮想の面)
R1 第1領域
R1a 対向領域
R2 第2領域
R2a 非対向領域