(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】クーポン交換装置、クーポン交換プログラム及びクーポンの交換方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241129BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2023106545
(22)【出願日】2023-06-28
【審査請求日】2023-06-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500165795
【氏名又は名称】ネットパイロティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117592
【氏名又は名称】土生 哲也
(72)【発明者】
【氏名】武井 健太郎
【審査官】和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-301586(JP,A)
【文献】特開2017-182550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙媒体で発行された二以上の発行済みクーポンについて、紙媒体のクーポンから読み取られた各々のクーポンを識別するクーポン識別情報を受け付けるクーポン識別情報受付手段と、
クーポンの使用期限を含むクーポンに関する情報を格納するクーポン情報格納手段と、
二以上の発行済みクーポンを、新たに発行する一又は二以上のクーポンと交換する交換条件に関する情報を格納するクーポン交換条件格納手段と、
前記クーポン識別情報受付手段がクーポン識別情報を受け付けたクーポンの枚数が、二枚以上に設定された所定の要件を充足しているかを判断するクーポン枚数確認手段と、
前記クーポン識別情報受付手段が受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンが、前記クーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合するクーポン交換条件照合手段と、
前記クーポ
ン枚数確認手段でクーポンの枚数が前記要件を充足することが確認され、かつ、前記クーポン交換条件照合手段でいずれかの交換条件に合致することが確認されると、前記交換条件に定められた新たに発行する一又は二以上のクーポンを前記二以上の発行済みクーポンと交換するクーポンに決定して、前記クーポンを発行するための処理を実行するクーポン発行手段と、を備えていて、
前記クーポン交換条件照合手段は、前記クーポン識別情報受付手段が受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンのうち、前記クーポン情報格納手段を参照して使用期限を超過していることが確認されたクーポンを対象に、前記クーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合すること
を特徴とするクーポン交換装置。
【請求項2】
コンピュータに、
紙媒体で発行された二以上の発行済みクーポンについて、紙媒体のクーポンから読み取られた各々のクーポンを識別するクーポン識別情報を受け付けるクーポン識別情報受付ステップと、
前記クーポン識別情報受付ステップでクーポン識別情報を受け付けたクーポンの枚数が、二枚以上に設定された所定の要件を充足しているかを判断するクーポン枚数確認ステップと、
前記クーポン識別情報受付ステップで受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンが、二以上の発行済みクーポンを新たに発行する一又は二以上のクーポンと交換する交換条件に関する情報を格納するクーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合するクーポン交換条件照合ステップと、
前記クーポ
ン枚数確認ステップでクーポンの枚数が前記要件を充足することが確認され、かつ、前記クーポン交換条件照合ステップでいずれかの交換条件に合致することが確認されると、前記交換条件に定められた新たに発行する一又は二以上のクーポンを前記二以上の発行済みクーポンと交換するクーポンに決定して、前記クーポンを発行するための処理を実行するクーポン発行ステップと、を実行させ、
前記クーポン交換条件照合ステップでは、前記コンピュータに、前記クーポン識別情報
受付ステップで受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンのうち、クーポンの使用期限を含むクーポンに関する情報を格納するクーポン情報格納手段を参照して使用期限を超過していることが確認されたクーポンを対象に、前記クーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合させること
を特徴とするクーポン交換プログラム。
【請求項3】
コンピュータが、紙媒体で発行された二以上の発行済みクーポンについて、紙媒体のクーポンから読み取られた各々のクーポンを識別するクーポン識別情報を受け付けるクーポン識別情報受付ステップと、
前記コンピュータが、前記クーポン識別情報受付ステップでクーポン識別情報を受け付けたクーポンの枚数が、二枚以上に設定された所定の要件を充足しているかを判断するクーポン枚数確認ステップと、
前記コンピュータが、前記クーポン識別情報受付ステップで受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンが、二以上の発行済みクーポンを新たに発行する一又は二以上のクーポンと交換する交換条件に関する情報を格納するクーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合するクーポン交換条件照合ステップと、
前記コンピュータが、前記クーポ
ン枚数確認ステップでクーポンの枚数が前記要件を充足することが確認され、かつ、前記クーポン交換条件照合ステップでいずれかの交換条件に合致することが確認されると、前記交換条件に定められた新たに発行する一又は二以上のクーポンを前記二以上の発行済みクーポンと交換するクーポンに決定して、前記クーポンを発行するための処理を実行するクーポン発行ステップと、を有していて、
前記クーポン交換条件照合ステップにおいて、前記コンピュータは、前記クーポン識別情報
受付ステップで受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンのうち、クーポンの使用期限を含むクーポンに関する情報を格納するクーポン情報格納手段を参照して使用期限を超過していることが確認されたクーポンを対象に、前記クーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合すること
を特徴とするクーポンの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、期限切れとなったクーポンや顧客にとって不要なクーポンなど、使用されずに放置されているクーポンを有効に活用するためのクーポン交換装置、クーポン交換プログラム及びクーポンの交換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小売業やサービス業の店舗では、顧客の来店を誘導し、商品等の購入を促すために、商品代金の値引きやポイントの付与、プレゼントの授与などの特典を受けられるクーポンを発行することが広く行われている。その一方で、発行されたクーポンが顧客にとって魅力の乏しいものであると、すぐに捨てられてしまう、あるいは使用を失念して期限切れとなってしまうといった状況に陥りやすく、クーポンの発行が来店誘導や販売促進などの効果を発揮するためには、その使用をいかに促進するかが課題となる。
【0003】
クーポンには使用期限が設定されていることが通常であるため、顧客がクーポンを使用しようとした際に、使用期限が切れてしまっていてクーポンを使用できないという状況が起こることがある。こうした状況によって、顧客がクーポンの使用意欲を失ってしまうことを防ぐための方策として、例えば、使用期限が過ぎているクーポンと過ぎていないクーポンを視覚的に区別したクーポンリストを作成する発明が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、そもそも発行したクーポンが顧客のニーズに合致していないと、使用期限以前の問題としてクーポンを使用するインセンティブを喚起することができない。そこで、顧客ニーズに合致したクーポンを発行して使用を促進する方策の一つとして、顧客に対して過去に発行されたクーポンの利用率を算出し、プロモーションやキャンペーンの効果を定量的に評価する発明が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-119446号公報
【文献】特開2006-277270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1、2に示したような発明は、いずれもクーポンの使用促進に対する効果を期待し得るものではあるが、顧客側、あるいは発行者側に対して情報を提示するに止まっており、クーポンの使用を直接的に促すものではない。顧客にとっては、より魅力的なクーポンを得ることが可能であり、店舗側には顧客の来店誘導や商品等の販売促進に直接的な効果を生じさせる、双方にメリットのあるクーポンが提供される仕組みが求められるところである。
【0007】
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、期限切れとなったクーポンや顧客にとっては不要なクーポンなど、使用されずに放置されているクーポンを有効に活用するためのクーポン交換装置、クーポン交換プログラム及びクーポンの交換方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決する本発明は、紙媒体で発行された二以上の発行済みクーポンについて、紙媒体のクーポンから読み取られた各々のクーポンを識別するクーポン識別情報を受け付けるクーポン識別情報受付手段と、二以上の発行済みクーポンを、新たに発行する一又は二以上のクーポンと交換する交換条件に関する情報を格納するクーポン交換条件格納手段と、前記クーポン識別情報受付手段がクーポン識別情報を受け付けたクーポンの枚数が、二枚以上に設定された所定の要件を充足しているかを判断するクーポン枚数確認手段と、前記クーポン識別情報受付手段が受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンが、前記クーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合するクーポン交換条件照合手段と、前記クーポン交換枚数確認手段でクーポンの枚数が前記要件を充足することが確認され、かつ、前記クーポン交換条件照合手段でいずれかの交換条件に合致することが確認されると、前記交換条件に定められた新たに発行する一又は二以上のクーポンを前記二以上の発行済みクーポンと交換するクーポンに決定して、前記クーポンを発行するための処理を実行するクーポン発行手段と、を備えることを特徴とするクーポン交換装置である。
【0009】
本発明では、二以上の発行済みクーポンを新たに発行するクーポンと交換する交換条件をクーポン交換条件格納手段に格納して、識別情報を受け付けた発行済みクーポンがいずれかの交換条件に合致する場合は、その交換条件に定められた新たに発行されるクーポンを発行するための処理を実行する。これによって、顧客は発行済みのクーポンを複数集めると他のクーポンに交換できるため、期限切れとなったクーポンや不要なクーポンも廃棄することなく手元に残しておくインセンティブとなり、現在は使用されずに放置されている発行済みクーポンを有効活用することが可能になる。
【0010】
尚、本発明において用いられるクーポンの内容は、商品代金の値引きやポイントの付与、プレゼントの授与など、顧客が来店や商品購入の際に何らかの特典を受けられるものであればよく、その内容は特に限定されるものではない。また、クーポンの発行形式は、紙媒体等のクーポン券として発行されるものであってもよいし、デジタル媒体として管理される電子クーポンであってもよい。
【0011】
また、本発明は、クーポンの使用の有無を含む各々の発行済みクーポンに関する情報を格納するクーポン発行情報格納手段を備えていて、前記クーポン交換条件照合手段は、前記クーポン識別情報受付手段が受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンのうち、前記クーポン発行情報格納手段を参照して未使用であることが確認されたクーポンを対象に、前記クーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合することを特徴とすることもできる。前記クーポン発行手段により新たなクーポンが発行されると、交換対象の二以上の発行済みクーポンについて、前記クーポン発行情報格納手段に格納された各々の発行済みクーポンに関する情報に使用済みであることを記録するクーポン発行記録手段を備えることを特徴としてもよい。
【0012】
このように構成すると、交換の対象となる発行済みクーポンは未使用のものに限定されることになるので、使用済みのクーポンが新たに発行されるクーポンと交換されることで特典が繰り返し付与されて、店舗側の収益を過度に圧迫してしまう事態を回避するのに効果的である。また、交換済みのクーポンも同様の扱いにすれば、同じクーポンが繰り返し交換に用いられることによって、特典が繰り返し付与される事態を回避することも可能になる。
【0013】
また、本発明は、前記クーポン発行手段は、前記クーポン交換条件照合手段でいずれの交換条件にも合致しないことが確認された場合にも、所定のルールに基づき新たに発行する一又は二以上のクーポンを発行するための処理を実行することを特徴とすることもできる。
【0014】
このように構成すると、交換の対象となるクーポンの組合せがいずれの交換条件にも合致しない場合であっても、ハズレとするのではなく何らかのクーポンを発行することによって、期待していたクーポンが得られない場合の失望感を和らげて、顧客の心情に配慮した運用とすることが可能になる。
【0015】
また、本発明は、クーポンの使用期限を含むクーポンに関する情報を格納するクーポン情報格納手段を備えていて、前記クーポン交換条件照合手段は、前記クーポン識別情報受付手段が受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンのうち、前記クーポン情報格納手段を参照して使用期限を超過していることが確認されたクーポンを対象に、前記クーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合することを特徴とすることもできる。
【0016】
このように構成すると、これまでは当然に価値を有しないものと理解されていた期限切れのクーポンが、新たなクーポンと交換し得るようになることで価値を有するものとなるため、顧客がクーポンを手元に残しておくインセンティブとなり、クーポンの有効活用に資することを期待できる。
【0017】
本発明は、本発明に係るクーポン交換装置において動作する、クーポン交換プログラムとして特定することもできる。
【0018】
本発明に係るクーポン交換プログラムは、コンピュータに、紙媒体で発行された二以上の発行済みクーポンについて、紙媒体のクーポンから読み取られた各々のクーポンを識別するクーポン識別情報を受け付けるクーポン識別情報受付ステップと、前記クーポン識別情報受付ステップでクーポン識別情報を受け付けたクーポンの枚数が、二枚以上に設定された所定の要件を充足しているかを判断するクーポン枚数確認ステップと、前記クーポン識別情報受付ステップで受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンが、二以上の発行済みクーポンを新たに発行する一又は二以上のクーポンと交換する交換条件に関する情報を格納するクーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合するクーポン交換条件照合ステップと、前記クーポン交換枚数確認ステップでクーポンの枚数が前記要件を充足することが確認され、かつ、前記クーポン交換条件照合ステップでいずれかの交換条件に合致することが確認されると、前記交換条件に定められた新たに発行する一又は二以上のクーポンを前記二以上の発行済みクーポンと交換するクーポンに決定して、前記クーポンを発行するための処理を実行するクーポン発行ステップと、を実行させるためのクーポン交換プログラムである。
【0019】
また、本発明に係るクーポン交換プログラムは、先に説明した本発明に係るクーポン交換装置の各々の構成において動作する、クーポン交換プログラムとして特定することもできる。
【0020】
本発明は、本発明に係るクーポン交換装置によって実行される、クーポンの交換方法として特定することもできる。
【0021】
本発明に係るクーポンの交換方法は、コンピュータが、紙媒体で発行された二以上の発行済みクーポンについて、紙媒体のクーポンから読み取られた各々のクーポンを識別するクーポン識別情報を受け付けるクーポン識別情報受付ステップと、前記コンピュータが、前記クーポン識別情報受付ステップでクーポン識別情報を受け付けたクーポンの枚数が、二枚以上に設定された所定の要件を充足しているかを判断するクーポン枚数確認ステップと、前記コンピュータが、前記クーポン識別情報受付ステップで受け付けたクーポン識別情報から識別される二以上の発行済みクーポンが、二以上の発行済みクーポンを新たに発行する一又は二以上のクーポンと交換する交換条件に関する情報を格納するクーポン交換条件格納手段に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合するクーポン交換条件照合ステップと、前記コンピュータが、前記クーポン交換枚数確認ステップでクーポンの枚数が前記要件を充足することが確認され、かつ、前記クーポン交換条件照合ステップでいずれかの交換条件に合致することが確認されると、前記交換条件に定められた新たに発行する一又は二以上のクーポンを前記二以上の発行済みクーポンと交換するクーポンに決定して、前記クーポンを発行するための処理を実行するクーポン発行ステップと、を有することを特徴とするクーポンの交換方法である。
【0022】
また、本発明に係るクーポンの交換方法は、先に説明した本発明に係るクーポン交換装置の各々の構成によって実行される、クーポンの交換方法として特定することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、期限切れとなったクーポンや顧客にとっては不要なクーポンなど、そのままでは使用されずに廃棄や放置をされてしまうことになるクーポンが有効に活用され、お得感が増すことによって顧客の満足度が向上することを期待できる。また、店舗側にとっても、顧客の来店誘導や商品等の販売促進への効果が期待されるので、顧客と店舗の双方にメリットのあるクーポン提供の仕組みが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1の実施形態の概要を示す図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態の概要を示す図である。
【
図3】本発明の第1、第2の実施形態におけるクーポンの選択方法の一例を示す図である。
【
図4】本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】クーポン管理サーバにおけるクーポン情報格納部に格納される情報の一例を示す図である。
【
図6】クーポン管理サーバにおけるクーポン発行情報格納部に格納される情報の一例を示す図である。
【
図7】クーポン管理サーバにおけるクーポン交換条件格納部に格納される情報の一例を示す図である。
【
図8】クーポン管理サーバにおけるクーポン交換の処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明に示した、クーポンの形式や特典の内容、クーポンの交換条件、データベースの構成などの具体例は、本発明の実施形態の一例を示したものであって、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0026】
図1、
図2を用いて、本発明の第1、第2の実施形態について説明する。
図1に示した第1の実施形態では、本発明をリアル店舗で用いられるクーポンに適用し、
図2に示した第2の実施形態では、本発明をインターネット上に開設されたネットショップで用いられるクーポンに適用する。
【0027】
本発明では、期限切れとなったクーポンや顧客にとっては不要なクーポンなど、そのままでは使用されずに廃棄や放置されることになってしまう二以上の発行済みクーポンを顧客が選択すると、その組合せが所定の交換条件に該当すれば、それらの発行済みクーポンを新たに発行されるクーポンと交換することができる。
【0028】
図1に示した第1の実施形態では、顧客がリアル店舗で発行された複数のクーポン券を店内に設置されたKIOSK端末等の店舗端末30に読み取らせると、各々のクーポンを識別する情報が本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバ10に送信される。ここでクーポンを識別する方法は、会員カード等から読み取った顧客の識別情報とクーポンの種別を示す情報の組合せから識別することとしてもよいし、クーポン券1枚毎にユニークなIDを付与して識別することとしてもよい。
【0029】
クーポンを識別する情報を受信したクーポン管理サーバ10では、顧客の認証、クーポンの有効性の確認等の必要な処理を行った上で、受信した複数のクーポンの組合せが、データベースに登録されているいずれかの交換条件に合致するかを照合する。このデータベースには、交換対象となる発行済みクーポンの組合せに関する条件と、各々の条件に合致する場合に新たに発行されるクーポンに関する情報が紐付けて格納されていて、受信した複数のクーポンの組合せがいずれかの交換条件に合致すると、その交換条件に定められた新たなクーポンが発行され、店舗端末30に紙媒体のクーポン券が出力される。
【0030】
店舗端末30から出力された新たなクーポン券は、顧客がクーポンの対象商品等を購入する会計時に提示することによって、レジ端末40からその識別情報が小売業者サーバ20に送信され、クーポン管理サーバ10に有効性等の問合せが行われて、使用可能と判断されれば値引きやポイント付与等の特典が適用される。
【0031】
尚、第1の実施形態では、店舗端末30に読み取らせる発行済みクーポン、店舗端末30から出力される新たに発行されるクーポンのいずれにも、紙媒体のクーポン券が用いられることとしているが、これらのクーポン券の全部又は一部を、スマートフォン等のモバイル端末に表示される電子クーポンとして運用することとしてもよい。
【0032】
図2に示した第2の実施形態では、インターネット上でネットショップのサービスを提供するECサーバ50にログインしているスマートフォン等の顧客端末60には、顧客が保有するネットショップで発行されたクーポンのリストが表示され、顧客がその中から複数のクーポンを選択すると、各々のクーポンを識別する情報がクーポン管理サーバ10に送信される。ここでクーポンを識別する方法は、ネットショップにログインしている顧客の識別情報とクーポンの種別を示す情報の組合せから識別することとしてもよいし、クーポン1枚毎にユニークなIDを付与して識別することとしてもよい。
【0033】
クーポンを識別する情報を受信したクーポン管理サーバ10では、顧客の認証、クーポンの有効性の確認等の必要な処理を行った上で、受信した複数のクーポンの組合せが、データベースに登録されているいずれかの交換条件に合致するかを照合する。このデータベースには、交換対象となる発行済みクーポンの組合せに関する条件と、各々の条件に合致する場合に新たに発行されるクーポンに関する情報が紐付けて格納されていて、受信した複数のクーポンの組合せがいずれかの交換条件に合致すると、その交換条件に定められた新たなクーポンが発行され、顧客端末60に新たに発行されたクーポンに関する情報が表示される。
【0034】
顧客端末60に表示される新たに発行されたクーポンは、電子クーポンとして管理され、顧客がECサーバ50に接続してクーポンの対象商品等を購入する際にその電子クーポンを選択すると、ECサーバ50からクーポン管理サーバ10に電子クーポンの有効性等の問合せが行われて、使用可能と判断されれば値引きやポイント付与等の特典が適用される。
【0035】
図3は、前述の第1、第2の実施形態において、顧客がクーポンを選択する方法の一例を示している。第1の実施形態では、
図3(a)に示したように、顧客は自らが所持する顧客の識別情報を読み取ることが可能な会員カードと、紙媒体等のクーポン券に表示されているクーポンの識別情報が埋め込まれたバーコードや二次元コードをKIOSK端末等の顧客端末30に読み取らせる。交換したいクーポンの読み取りが完了すると、「読み取り完了」ボタンの押下等の所定の操作を行うことで、顧客の識別情報(顧客X)とクーポンの識別情報(クーポンA、B、C)がクーポン管理サーバ10に送信される。
【0036】
第2の実施形態では、
図3(b)に示したように、顧客はスマートフォン等の顧客端末60からネットショップのサービスにログインするが、その際に顧客の識別情報(顧客X)がクーポン管理サーバ10に送信される。顧客端末60には自らが所持する電子クーポンのリストが表示されるので、リストに表示された電子クーポンから顧客が交換したい電子クーポンを選択して、「読み取り完了」ボタンの押下等の所定の操作を行うと、クーポンの識別情報(クーポンA、B、D)がクーポン管理サーバ10に送信される。
【0037】
図4は、本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバの構成の例を、機能ブロックで示したものである。
図4において、クーポン管理サーバ10が、本発明に係るクーポン管理装置に対応する。小売業者サーバ20、店舗端末30及びレジ端末40は、いずれも第1の実施形態における構成を示したものであるが、第2の実施形態においては、小売業者サーバ20はECサーバ50に、店舗端末30及びレジ端末40は顧客が所持するスマートフォンやPC等の顧客端末60に、それぞれ置き換えられることになる。
【0038】
クーポン管理サーバ10は、インターネット等のネットワークに接続されたサーバコンピュータで、CPU、メインメモリ、HDDやSSD等の補助記憶装置が備えられている。クーポン管理サーバ10では、補助記憶装置に格納されたプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって所定の機能が実現される。
【0039】
クーポン管理サーバ10を構成するコンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではなく、本発明におけるクーポンの管理以外の機能が、同一のコンピュータに備えられるものであってもよく、例えば、決済承認や販売管理等の機能を備えた小売業者サーバ20と一体で形成され、店舗端末30やレジ端末40とネットワークを介して直接接続される構成としてもよい。また、本発明に必要な各々の機能は、物理的に一台のコンピュータによって実現されるものであってもよいし、複数のコンピュータが連携して実現されるものであってもよい。
【0040】
クーポン管理サーバ10のクーポン交換部11と、その一部を構成する顧客ID受付部111、クーポンコード受付部112、交換条件照合部113、クーポン発行処理部114、クーポン発行記録部115、及びクーポン使用受付部12は、いずれも機能的に特定されるものであって、HDDやSSD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、各部に対応する機能が実現される。
【0041】
クーポン管理サーバ10の顧客情報格納部13、クーポン情報格納部14、クーポン発行情報格納部15、クーポン交換条件格納部16には、HDDやSSD等の補助記憶装置の所定の記憶領域が割り当てられる。これらの記憶領域は物理的に一台のコンピュータに設けられることを必須の要件とするものではなく、データベースサーバを構成するコンピュータ等の複数のコンピュータに設けられるものであってもよい。
【0042】
小売業者サーバ20(第2の実施形態ではECサーバ50)も、専用回線やインターネット等のネットワークに接続されたサーバコンピュータで、小売業者サーバ20のCPU、メインメモリ、HDDやSSD等の補助記憶装置によって所定の機能が実現される。本発明においては、レジ端末40(第2の実施形態では顧客端末60)からのクーポンの使用承認の要求とそれに対するクーポン管理サーバ10からの回答を中継する機能を備える必要があるが、その他の機能や構成は特に限定されるものではない。
【0043】
店舗端末30には、店舗に設置されたKIOSK端末等が用いられ、紙媒体等のクーポン券からバーコードや二次元コードを読み取る機能と、紙媒体等のクーポン券を出力する機能を少なくとも備えている。レジ端末40には、一般的なPOSレジ端末を用いることとすればよいが、少なくとも紙媒体等のクーポン券からバーコードや二次元コードを読み取って、その有効性を問い合わせるために必要なデータを送信する機能を備えている。
【0044】
第2の実施形態では、クーポンには紙媒体等のクーポン券ではなく電子クーポンが用いられるが、交換するクーポンの選択や新たなクーポンの発行、商品等の購入時におけるクーポンの使用に必要な操作は、インターネットに接続可能な顧客が所持するスマートフォンやPC、タブレット端末等の顧客端末60で行われる。
【0045】
以上の構成を前提にして、本発明により、顧客が発行済みクーポンを新たに発行されるクーポンに交換する流れについて、
図5-7を用いながら、
図8のフローチャートに沿って詳しく説明する。
【0046】
本発明によると、顧客が所持する二以上の発行済みクーポンを、交換条件に合致すれば新たに発行されるクーポンと交換することができるが、期限切れとなったクーポンや顧客にとっては不要なクーポンなど、そのままでは使用されずに廃棄や放置されることになってしまう発行済みクーポンを交換の対象にするのが好適である。
【0047】
こうしたクーポンが手元に溜まってしまっている顧客は、本発明の第1の実施形態では、
図3(a)で説明したように、店舗を訪れて店舗端末30を操作して、会員カード等を用いて店舗端末30に自らの顧客IDを読み取らせる。読み取られた顧客IDはクーポン管理サーバ10に送信されるが、続いて、交換したいクーポンの券面に表示されている、クーポンの種別を識別するクーポンコードが埋め込まれたバーコードや二次元コードを、順に店舗端末30に読み取らせていく。交換したいクーポン全ての読み取りが完了し、「読み取り完了」ボタンの押下等の所定の操作を行うと、読み取った複数のクーポンコードがクーポン管理サーバ10に送信される。
【0048】
本発明の第1の実施形態では、
図3(b)で説明したように、顧客はスマートフォン等の顧客端末60からネットショップのサービスに顧客ID等を入力してログインする。その際に顧客IDがクーポン管理サーバ10に送信されるが、続いて、顧客端末60の画面に表示された自らが所持する電子クーポンのリストから、交換したい電子クーポンを選択し、「読み取り完了」ボタンの押下等の所定の操作を行うと、選択した複数の電子クーポンの種別を識別するクーポンコードがクーポン管理サーバ10に送信される。
【0049】
尚、ここでバーコード等の読み取りやリストからの選択によって交換の対象に決定されるクーポンは、顧客自身が発行を受けたクーポンに限定することなく、他人が所持する使用者が限定されないクーポンを譲り受けて、交換の対象に含める運用としてもよい。
【0050】
店舗端末30又は顧客端末60から顧客IDと複数のクーポンコードを受信したクーポン管理サーバ10では、クーポン交換部11が起動されて、
図8のフローチャートに示した手順でクーポンを交換する処理が実行される。
【0051】
まず、顧客ID等の情報を受信すると(S01)、顧客ID受付部111が起動されて、顧客の認証処理が行われる(S02)。認証の方法は特に限定されるものではないが、受信した顧客IDが有効なものであるかを、顧客情報格納部13に格納された顧客情報を検索して有効な顧客IDとして登録されているかを確認することとしてもよいし、これにパスワード等による本人認証を加えて、顧客IDとパスワード等の組合せが顧客情報格納部13に格納された顧客情報に登録されたものと一致することを条件に、顧客を認証することとしてもよい。
【0052】
顧客の認証がNGとなった場合は(S02がNo)、ログインを受け付けない等の所定のエラー処理が行われるが(S12)、顧客の認証が適切に行われた場合は(S02がYes)、顧客が交換を求める発行済みクーポンの種別を識別するクーポンコードの受信を待機する(S03)。クーポンコードを受信することなく店舗端末30又は顧客端末60から終了操作を受け付けた場合や、顧客の認証から一定時間が経過してもクーポンコードが受信されないなど、クーポンコードの受信がないと判断された場合は(S03がNo)、クーポン交換の受付を終了する処理を実行する。
【0053】
クーポンコードを受信すると(S03がYes)、クーポンコード受付部112が起動されて、各々のクーポンコードからその種別が識別されるクーポンが交換対象となるクーポンか、クーポン情報格納部14に格納されたクーポンコードに対応する情報から確認して、交換対象となるクーポンを特定する(S04)。
【0054】
交換対象となるクーポンか否かを判断するために、各々のクーポンコードからその種別が識別されるクーポンについて、それぞれの有効性を確認する(S05)。例えば、クーポンの発行元が異なる等の理由から、受信したクーポンコードに対応する情報がクーポン情報格納部14に格納されていない場合は、有効なクーポンとは認められず交換対象となるクーポンから除外される(S05がNo)。
【0055】
本発明では、期限切れのクーポンを交換対象に含めることもできるが、期限切れから一定期間を経過したクーポンは交換対象から除外する運用としてもよく、その場合には期限切れから一定期間を経過したクーポンも有効なクーポンとは認められない(S05がNo)。
図5はクーポン情報格納部14に格納される情報の一例を示したものであるが、例えば、交換対象となる期限切れのクーポンを6ヶ月以内に期限切れとなったものに限定する場合、「CP0001」と「CP0002」から識別されるクーポンはいずれも使用期限を経過して期限切れとなっているが、期限切れから6ヶ月以上経過している「CP0001」は有効性が認められず交換対象とならないのに対して(S05がNo)、期限切れから6ヶ月が経過していない「CP0002」は交換対象として有効なクーポンと認められる(S05がYes)。尚、こうしたケースへの対応として、交換対象となる期間を経過したクーポンに関する情報を、クーポン情報格納部14から削除することとしても同様の扱いとすることが可能である。
【0056】
有効性が認められたクーポンについては、そのクーポンが未使用であるか否かが確認され(S06)、使用済みのクーポンは交換対象となるクーポンから除外される(S06がNo)。尚、ここでは交換対象となるクーポンを未使用のクーポンに限定する例について説明するが、対象をより広げることでクーポンの交換を促したい場合は、未使用に限定せず使用済みのクーポンも交換対象に含めることとしてもよく、その場合はS06の処理は実行されない。
【0057】
クーポンが未使用であるかを確認する方法は特に限定されるものではないが、
図5及び
図6に示した例では、顧客を識別する顧客IDとクーポンの種別を識別するクーポンコードの組合せから顧客に発行された各々のクーポンを識別することとしており、
図6に示したクーポン発行情報格納部15に格納される情報の例では、クーポンが使用されるとここに使用日を記録することによって(
図6では、顧客ID「20002」に2023年4月3日に発行されたクーポンコード「CP0003」のクーポンは使用日が記録されているので使用済み、その他のクーポンは使用日の記録がないので未使用と判断できる)、クーポンが未使用か否かを確認することができる構成となっている。
【0058】
尚、発行済みの各々のクーポンは、発行されたクーポン毎にユニークなIDを付与して識別する構成としてもよいが、
図6に示したように顧客IDとクーポンコードの組合せから顧客に発行された各々のクーポンを識別することにすると、後に説明する交換条件の設定において、例えば、ポーカーのフォーカードのように他人から譲り受けて同一クーポンコードが揃うと特典がアップするといった運用も行いやすくなる。
【0059】
S05で有効性が確認され、S06で未使用であることが確認されたクーポンは、交換対象となるクーポンに決定される(S07)。受信した全てのクーポンコードを対象に、各々のクーポンコードに対応するクーポンが交換対象に該当するかの確認が行われて、交換対象になるクーポンが特定される(S04)。
【0060】
交換対象となるクーポンが特定されると、交換対象として特定されたクーポンの枚数が、所定の要件を充足しているかを判断する(S08)。クーポン1枚でも交換可能として運用すると交換のループに陥るおそれがあるため、本発明では少なくとも2枚以上のクーポンを交換対象とすることが好ましいが、その下限値は特に限定されるものではない。交換対象として必要な枚数に足りない場合は(S08がNo)、店舗端末30又は顧客端末60に「交換対象となるクーポンの枚数が足りません」といったメッセージを表示させる等、所定のエラー処理が行われる(S12)。
【0061】
交換対象として特定されたクーポンが必要な枚数に足りることが確認されると(S08がYes)、交換条件照合部113が起動されて、特定されたクーポンの組合せが、クーポン交換条件格納部16に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致するかを照合する(S09)。
図7は、クーポン交換条件格納部16に格納される情報の一例を示したものであるが、ここに示した例は交換条件の一例であって、本発明において適用される交換条件は、これらの例に限定されるものではない。
【0062】
例えば、交換コード「EX0001」には、顧客本人に対して発行され、期限切れとなったクーポンが3枚含まれていると、クーポンコード「CP10001」のクーポンが新たに発行されるという交換条件が設定されており、これによって期限切れとなったクーポンにも価値を持たせることができる。交換コード「EX0002」には、顧客本人に対して発行されたものに限らず(他人から譲り受けてもよい)、期限切れとなった同一カテゴリーのクーポン(クーポンのカテゴリーは、
図5の例なら各々のクーポンの対象商品を識別するJANコードから特定すればよい)が5枚含まれていると、クーポンコード「CP10002」のクーポンが新たに発行されるという交換条件が設定されており、譲渡の際の顧客間のコミュニケーションによってクーポンへの関心が高まることを期待できる。交換コード「EX0003」は、顧客本人に対して発行された使用期限内で同一特典条件のクーポンが3枚含まれていると、クーポンコード「CP10003」のクーポンが新たに発行されるという交換条件が設定されているが、例えば、難易度が高い条件が指定される場合には、特典として価値の高い(値引額やクーポンの付与率が高い等)クーポンが発行される交換条件を設定することによって、麻雀やポーカーのようなゲーム性を備えたサービスとすることもできる。交換コード「EX0004」は、期限切れ、本人発行、枚数以外に複数の条件を組み合わせた例、交換コード「EX0005」は、本人発行かつ発行日からの日数を条件に加えた交換条件を設定することで、直近の購入者を優遇して来店頻度を高める効果を狙った例である。
【0063】
尚、こうした交換条件は、あらかじめ顧客に公開して、顧客が交換したいクーポンを目的に不要なクーポンを集めることができる運用としてもよいが、福引きや抽選会のようなイベント性を生じさせるためには、顧客には非公開とすることが好ましい。2以上の交換条件に該当する場合の運用も特に限定されるものではないが、例えば、交換により新たに発行されるクーポンの価値をランク付けしておいて、そのランクが最も高い交換条件を適用することとすればよい。
【0064】
また、
図7では、いずれも新たに発行されるクーポンは1枚となる交換条件の例を示しているが、交換によって新たに発行されるクーポンの枚数は1枚に限定されるものではなく、複数枚のクーポンが新たに発行される交換条件が設定されてもよい。
【0065】
続いて、クーポン発行処理部114が起動されて、交換によって新たに発行するクーポンの発行処理が行われる(S10)。交換対象として特定されたクーポンの組合せが、クーポン交換条件格納部16に情報が格納されたいずれかの交換条件に合致する場合は、その交換条件に指定されたクーポンを発行する処理が行われる。
【0066】
いずれの交換条件にも合致しない場合には、新たなクーポンは発行されない運用とすることも可能だが、クーポンを集めて交換しようとしている顧客の心情を考慮すると、ハズレなしとして何らかのクーポン(交換条件に合致する場合より特典の価値を抑えたクーポン)を発行することが好ましい。そうしたケースで発行するクーポンの選定方法は特に限定されるものではなく、例えば、一律に同じクーポン(全品ポイント1%付与等)を発行してもよいし、読み込まれたクーポンと同種の商品カテゴリーからランダムに選定した商品に使用できるクーポンを発行することとしてもよい。
【0067】
クーポンの発行処理の方法は特に限定されるものではないが、店舗端末30が用いられている場合には、クーポン券の出力に必要なデータを店舗端末30に送信すればよいし、顧客端末60が用いられている場合には、クーポンの内容を画面に表示するのに必要なデータを顧客端末60に送信すればよい。さらに、クーポン発行記録部115が起動されて、新たなクーポンの発行がクーポン発行情報格納部15に記録される(S11)。
【0068】
ここで、交換対象となったクーポンに関する情報には、
図6の顧客ID「20022」クーポンコード「CP0004」の例のように、交換済みであることが判別できるように交換日を記録することとしてもよい。交換済みのクーポンも交換対象に含めることで、交換の機会をより拡大する運用としてもよいが、交換日が記録された交換済みのクーポンを交換対象から除外することとすれば、交換のループを抑止するのに効果的である。
【0069】
交換によって新たに発行されたクーポンも、通常のクーポンと同様に、クーポンの対象商品等を購入する際に使用することができる。顧客がリアル店舗で対象商品等を購入する際には、クーポンを提示すると、会員カード等から顧客ID、クーポン券に表示されたバーコード等からクーポンコードがレジ端末40で読み取られ、顧客IDとクーポンコードが小売業者サーバ20に送信される。顧客端末60を用いてネットショップで対象商品等を購入する際には、ログイン時に顧客IDが、代金決済時にクーポンを選択すると対応するクーポンコードが、それぞれECサーバ50に送信される。
【0070】
顧客IDとクーポンコードを受信した小売業者サーバ20又はECサーバ50は、クーポンの有効性をクーポン管理サーバ10に照会し、有効性が確認できるとクーポンの特典が適用されるが、有効性の照会を受けたクーポン管理サーバ10ではクーポン使用受付部12が起動され、顧客IDに対応する顧客の認証、顧客IDとクーポンコードから識別されるクーポンコードの有効性や使用状態の確認等を行って、小売業者サーバ20又はECサーバ50に照会結果を返す。さらに、クーポンが使用された情報を受け付けると、クーポン発行情報格納部15に当該クーポンが使用されたことを記録する。
【符号の説明】
【0071】
10 クーポン管理サーバ
11 クーポン交換部
111 顧客ID受付部
112 クーポンコード受付部
113 交換条件照合部
114 クーポン発行処理部
115 クーポン発行記録部
12 クーポン使用受付部
13 顧客情報格納部
14 クーポン情報格納部
15 クーポン発行情報格納部
16 クーポン交換条件格納部
20 小売業者サーバ
30 店舗端末
40 レジ端末
50 ECサーバ
60 顧客端末
【要約】
【課題】 期限切れとなったクーポンや顧客にとっては不要なクーポンなど、使用されずに放置されているクーポンを有効に活用して、顧客の満足度向上と、顧客の来店誘導や商品等の販売促進を図る。
【解決手段】 店舗端末30に顧客が自らの所持する二以上の発行済みクーポンを読み取らせると、各々のクーポンの識別に必要な情報がクーポン管理サーバ10に送信される。クーポン管理サーバ10では各々のクーポンの有効性等を確認した上で、受信した有効なクーポンの組合せが、クーポン交換条件DBに格納されたいずれかの交換条件に合致するか照合し、合致するものがあればその交換条件に従って、新たなクーポンが発行されて店舗端末30に出力される。店舗端末30をスマートフォン等の顧客端末に置き換えることで、本発明をネットショップで用いられるクーポンに適用することも可能である。
【選択図】
図1