(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】スピーカシステム、情報端末システム及びインターホンシステム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H04M9/00 H
(21)【出願番号】P 2020118719
(22)【出願日】2020-07-09
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 航太
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-049832(JP,A)
【文献】特開2008-219288(JP,A)
【文献】特開2009-232258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M9/00-9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合施設に含まれる1つ以上の施設に設けられている情報端末に接続される外付けのスピーカシステムであって、
外部の装置から受信した音声を出力するスピーカと、
操作部と、
前記スピーカから出力される前記音声の聞取り状態を、前記操作部が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える切替部と、を備え、
前記切替部は、前記スピーカと前記外部の装置とを電気的に接続する前記音声の受信経路において前記受信経路の一部を遮断状態から接続状態を切り替えることで、前記音声の聞取り状態を前記聞取り不可状態から前記聞取り可能状態に切り替える、
スピーカシステム。
【請求項2】
前記切替部は、
前記情報端末が電力供給されているときには前記音声の聞取り状態を前記聞取り不可状態とし、
前記情報端末が電力供給されていないときには前記音声の聞取り状態を前記聞取り可能状態とする、
請求項1に記載のスピーカシステム。
【請求項3】
前記切替部は、
前記情報端末が電力供給されているときに前記操作部が前記所定の操作を受け付けると、前記音声の聞取り状態を前記聞取り不可状態から前記聞取り可能状態に切り替える、
請求項1又は2に記載のスピーカシステム。
【請求項4】
前記スピーカが前記音声を受信する前記受信経路は、前記集合施設に設けられた管理室親機に接続されており、
前記スピーカは、前記外部の装置として前記管理室親機から前記音声を受信する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項5】
前記切替部は、
前記操作部が操作されている間、前記音声の聞取り状態を前記聞取り可能状態とし、前記操作部の操作が終わると、前記音声の聞取り状態を前記聞取り不可状態とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のスピーカシステムと、
前記スピーカシステムと接続されている前記情報端末と、を備える、
情報端末システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報端末システムと、
前記スピーカが前記音声を受信する前記受信経路に接続されている管理室親機と、を備え、
前記スピーカは、前記外部の装置として前記管理室親機から前記音声を受信する、
インターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にスピーカシステム、情報端末システム及びインターホンシステムに関する。本開示は、より詳細には集合施設に含まれる1つ以上の施設において音声出力を行うスピーカシステム、情報端末システム及びインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各住戸に設置された住宅情報盤と、各住戸の住宅情報盤が接続された警報監視盤とを備えた集合住宅監視システムがあった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、各住戸の住宅情報盤はセキュリティ監視機能を備えている。セキュリティセンサが異常信号を出力すると、住宅情報盤は警報監視盤に異常信号を出力し、警報監視盤が異常警報を出力する。各住戸が電源断になったときに、その住戸の住宅情報盤には非常電源装置からバックアップ電源が供給されている。各住戸の住宅情報盤は、電源断状態でもバックアップ電源が供給されている状態では、セキュリティセンサが異常信号を出力すると、住宅情報盤は警報監視盤に異常信号を出力し、警報監視盤が異常警報(音声)を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかをチェックするテストを行う必要がある。停電時での音声出力に係る動作が正常であるかどうかをより簡易に行うことが望まれている。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができるスピーカシステム、情報端末システム及びインターホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るスピーカシステムは、集合施設に含まれる1つ以上の施設に設けられている情報端末に接続される外付けのスピーカシステムである。前記スピーカシステムは、外部の装置から受信した音声を出力するスピーカと、操作部と、切替部と、を備える。前記切替部は、前記スピーカから出力される音声の聞取り状態を、前記操作部が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。前記切替部は、前記スピーカと前記外部の装置とを電気的に接続する前記音声の受信経路において前記受信経路の一部を遮断状態から接続状態を切り替えることで、前記音声の聞取り状態を前記聞取り不可状態から前記聞取り可能状態に切り替える。
【0008】
本開示の一態様に係る情報端末システムは、前記スピーカシステムと、前記スピーカシステムと接続されている前記情報端末と、を備える。
【0011】
本開示の一態様に係るインターホンシステムは、前記情報端末システムと、前記スピーカが前記音声を受信する前記受信経路に接続されている管理室親機と、を備える。前記スピーカは、前記外部の装置として前記管理室親機から前記音声を受信する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によると、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態1に係るスピーカシステムを備えるインターホンシステムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、同上のインターホンシステムのブロック図である。
【
図3】
図3は、同上のスピーカシステムが取り付けられた住戸親機の正面図である。
【
図4】
図4は、同上のスピーカシステムの動作を示す流れ図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態2に係るインターホンシステムのブロック図である。
【
図6】
図6は、同上のインターホンシステムが備える住戸親機の動作を示す流れ図である。
【
図7】
図7は、同上のインターホンシステムが備えるスピーカシステムの動作を示す流れ図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態3に係るインターホンシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に説明する各実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、各実施形態及び変形例に限定されない。これらの実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0019】
(実施形態1)
以下、実施形態1に係るスピーカシステム2及びスピーカシステム2を用いるインターホンシステム1について、
図1~
図4を用いて説明する。
【0020】
(1)概要
実施形態1に係るスピーカシステム2は、
図1に示すような、複数の管理領域を含む集合施設に用いられる。以下の実施形態において、集合施設は例えば集合住宅100であり、集合住宅100は、複数の管理領域として複数の住戸110(施設)を備えている。実施形態1では、スピーカシステム2としてのスピーカ装置20は、集合住宅100に設けられるインターホンシステム1に用いられる。
【0021】
インターホンシステム1は、複数の住戸110にそれぞれ設けられる複数の住戸親機(情報端末)10と、共用玄関120に設けられる共用玄関子機40と、管理室130に設けられる住戸親機10とは別の情報端末としての管理室親機50と、を備えている。また、インターホンシステム1は、複数の住戸親機10と共用玄関子機40と管理室親機50との間の通信を制御する制御装置60を更に備えている。さらに、インターホンシステム1は、スピーカシステム2としてのスピーカ装置20を備えている。実施形態1の情報端末システム3は、住戸親機10と、スピーカ装置20と、を備えている。
【0022】
実施形態1のスピーカシステム2としてのスピーカ装置20は、
図2に示すように、切替部23と、報知部24と、操作部26と、を備えている。報知部24は、外部の装置(例えば、管理室親機50)から受信した音声信号SG1に応じた音声を出力するスピーカ241を有している(
図3参照)。
【0023】
切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を、操作部26が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。ここで、音声の聞取り状態とは、ユーザが聞き取ることが可能な音量で音声がスピーカ241から出力されているかどうかを表す状態である。ユーザが聞き取ることが可能な音量で音声がスピーカ241から出力されている状態である場合には、音声の聞取り状態は聞取り可能状態となる。ユーザが音声を聞き取ることができない状態、例えば、音声が全く出力されていない状態である場合には、音声の聞取り状態は聞取り不可状態となる。
【0024】
本実施形態では、切替部23は、スピーカ241の音声信号SG1の受信経路R1(
図2参照)の一部を遮断状態から接続状態に切り替える。受信経路R1が接続状態になると、スピーカ装置20は、集合住宅100に設けられる管理室親機50から音声信号SG1を受信する。実施形態1では、管理室親機50から出力される音声信号SG1を増幅するアンプ70が設けられており、音声信号SG1がアンプ70で増幅され、増幅された音声信号SG1がスピーカ241に入力される。なお、アンプ70はインターホンシステム1に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【0025】
報知部24のスピーカ241は、受信経路R1が接続状態になると、管理室親機50から受け取った音声信号SG1に基づいて音声の出力を行う。
【0026】
実施形態1のスピーカシステム2では、操作部26が所定の操作を受け付けたことをトリガとして受信経路R1が接続状態になると、管理室親機50から受け取った音声信号SG1に基づいて報知部24(のスピーカ241)が報知を行う。そのため、報知確認のためのテスト動作を容易に行うことができる。
【0027】
(2)構成
以下、実施形態1のスピーカシステム2を備えるインターホンシステム1について図面を参照して詳しく説明する。
【0028】
(2.1)インターホンシステム
インターホンシステム1は、複数の住戸親機10と、共用玄関子機40と、管理室親機50と、制御装置60と、バックアップ電源80とを備えている。
【0029】
住戸親機10については「(2.2)住戸親機」において説明する。
【0030】
制御装置60は、
図2に示すように、受電部61と、給電部63と、通信制御部64とを備える。
【0031】
制御装置60には、信号線L1を介して住戸親機10が接続されている(
図1及び
図2参照)。信号線L1は、それぞれ1対のツイストペア線からなる幹線L11と分岐線L12とを含む。幹線L11は制御装置60に接続されている。幹線L11には複数の分岐器90が設けられており、分岐器90によって幹線L11から分岐された分岐線L12に1又は複数の住戸親機10が接続される。尚、分岐器90はインターホンシステム1に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【0032】
制御装置60には、例えば一対のツイストペア線からなる信号線L2を介して共用玄関子機40が接続される。また、制御装置60には、例えば一対のツイストペア線からなる信号線L3を介して管理室親機50が接続されている。ここにおいて、管理室130に設けられる管理室親機50が、住戸110に設けられる第1通信装置(住戸親機10)と通信する第2通信装置となる。
【0033】
住戸親機10と共用玄関子機40と管理室親機50との間では制御装置60を介してデジタル変調された通信信号が伝送される。制御装置60の通信制御部64は、複数の住戸親機10と、共用玄関子機40と、管理室親機50との間の通信を制御する。例えば共用玄関子機40が所望の住戸110の住戸親機10を呼び出す場合、制御装置60の通信制御部64は、共用玄関子機40と呼出先の住戸110の住戸親機10との間で通信信号(パケット信号)が授受されるように通信を制御する。通信制御部64は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、通信制御部64は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プロセッサが、例えばメモリに記録されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって制御装置60の各種の機能が実現される。プログラムは、マイクロコンピュータのメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0034】
受電部61は、定常状態では、交流電源200から給電を受ける。ここで、交流電源200は、常用電源であり、例えば商用電源(例えば50/60Hz、AC100/200Vの交流電源)のような交流電源200である。受電部61は、停電状態では、バックアップ電源80から給電を受ける。
【0035】
制御装置60は、定常状態では、交流電源200から供給される電力で動作し、停電状態ではバックアップ電源80から供給される電力で動作する。
【0036】
給電部63は、定常状態では交流電源200から供給された電力を管理室親機50に供給し、停電状態ではバックアップ電源80から供給された電力を管理室親機50に供給する。
【0037】
管理室親機50は、
図2に示すように、第1通信部51と、受電部52と、第2通信部53と、制御部54とを備えている。
【0038】
制御部54は、管理室親機50の全体的な制御を行う。制御部54は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部54は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プロセッサが、例えばメモリに記録されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって管理室親機50の各種の機能が実現される。プログラムは、マイクロコンピュータのメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0039】
第1通信部51は、制御装置60を介して住戸親機10と通信する。
【0040】
受電部52は、制御装置60の給電部63から給電を受ける。制御装置60は、定常状態では交流電源200から給電を受け、交流電源200の停電時にはバックアップ電源80から給電を受ける。したがって、受電部52は、定常状態でも停電状態でも制御装置60を介して給電される。
【0041】
第2通信部53は、制御装置60を介さずにスピーカ装置20(スピーカシステム2)と通信する。実施形態1では、第2通信部53から出力される音声信号SG1はアンプ70によって増幅され、増幅後の音声信号SG1が住戸親機10に出力される。
【0042】
ここで、交流電源200の停電時には、バッテリ等で構成されるバックアップ電源80から制御装置60に電力が供給されており、制御装置60を介して管理室親機50に電力が供給される。また、交流電源200の停電時には、バックアップ電源80から電力がアンプ70に供給されている。したがって、停電状態において管理室親機50から出力されアンプ70で増幅された音声信号SG1がスピーカ装置20に入力される。つまり、管理室親機50は、定常状態及び停電状態において、制御装置60から電力供給を受けることで動作することができ、停電状態においてスピーカ装置20に音声信号SG1を出力することができる。なお、実施形態1では、アンプ70が、管理室親機50から入力される音声信号SG1を増幅して複数のスピーカ装置20(スピーカシステム2)に出力しているが、複数のスピーカ装置20に、管理室親機50から入力される音声信号SG1を増幅するアンプが設けられていてもよい。また、アンプ70は実施形態1のインターホンシステム1において必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。なお、アンプ70は、バックアップ電源80と別のバックアップ電源から電力の供給を受けてもよい。または、アンプ70は、バックアップ電源80と別のバックアップ電源から電力の供給を受けることは必須ではない。
【0043】
(2.2)住戸親機
住戸親機10は、集合住宅100の管理領域である複数の住戸110のそれぞれに設けられている。住戸親機10は、制御部11と、通信部12と、通話部13と、表示部14と、受電部15とを備えている。また、住戸親機10には、住戸110の玄関に設けられる玄関子機30が信号線L4を介して接続されている(
図1参照)。
【0044】
制御部11は、住戸親機10の各部の動作を制御する。制御部11は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部11は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プロセッサが、例えばメモリに記録されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって制御部11の各種の機能が実現される。プログラムは、マイクロコンピュータのメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0045】
通信部12は、制御装置60との間でデジタル変調された通信信号(例えば、音声信号、映像信号等)を送信及び受信する機能を備えている。
【0046】
通話部13は、スピーカ及びマイクを備える。マイクに音声が入力されると、マイクによって電気信号に変換され、通話部13によってデジタル変調された後、制御装置60を介して通話相手の端末(共用玄関子機40、管理室親機50等)に送信される。また、通話相手の端末(共用玄関子機40、管理室親機50等)から制御装置60を介して入力されるデジタルの音声信号は、通話部13によって復調され、アナログの音声信号に変換された後、スピーカから出力される。これにより、住戸親機10は通話相手の端末との間で音声通話を行うことができる。また、住戸親機10は、住戸110の玄関に設けられた玄関子機30との間でも音声通話を行うことができる。
【0047】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Organic Electro Luminescence Display:OELD)等の薄型ディスプレイを有している。表示部14は、例えば共用玄関子機40が備えるカメラの映像を表示する。
【0048】
受電部15は、交流電源200に電線L6を介して電気的に接続されている。受電部15は、交流電源200からの給電を受けて、住戸親機10が備える電気回路(制御部11、通信部12、通話部13、表示部14等)に電力を供給する。
【0049】
住戸親機10は、例えば住戸110内の壁に取り付けられる本体17(
図3参照)を有している。本体17は、上下方向の寸法、左右方向の寸法に比べて前後方向の寸法が小さい直方体状である。本体17は制御部11、通信部12、通話部13、表示部14、受電部15等を収納しており、本体17の前面には表示部14の画面が露出する。また、本体17の前面には、通話部13のスピーカ131や、操作ボタン181,182が配置されている。操作ボタン181は、集合住宅100に設けられた端末(玄関子機30、共用玄関子機40、管理室親機50等)との通話開始時又は通話終了時に操作される操作ボタンである。操作ボタン182は、共用玄関120に設けられた電気錠を解錠したり、共用玄関120に設けられた自動ドアを開いたりするために操作される操作ボタンである。
【0050】
また、住戸親機10の本体17(
図3参照)には、スピーカ装置20のケース28が取り付けられている。
【0051】
(2.3)スピーカ装置
スピーカ装置20は、
図2に示すように、制御部21と、検知部22と、切替部23と、報知部24と、受電部25と、操作部26と、遮断部27と、を備えている。
【0052】
制御部21は、スピーカ装置20の各部の動作を制御する。制御部21は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部21は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プロセッサが、例えばメモリに記録されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって制御部21の各種の機能が実現される。プログラムは、マイクロコンピュータのメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0053】
検知部22は、住戸親機10への交流電源200からの給電が停止する停電状態を検知する。検知部22は、例えば受電部15で降圧された電圧の電圧の供給を受け、受電部15から供給された電圧の電圧値に基づいて、停電状態の有無を検知する。検知部22は、受電部15から供給された電圧の電圧値が所定の下限値以上であれば定常状態であると検知し、受電部15から供給された電圧の電圧値が下限値を下回ると停電状態であると検知する。検知部22は、電線L6に印加される電圧の電圧値を電線L6から直接検出してもよいし、電線L6に電気的に接続される住戸親機10の内部配線から電線L6に印加される電圧の電圧値を検出してもよい。また、検知部22は、電線L6に印加される電圧(交流電圧)の実効値に基づいて停電状態の有無を検知しているが、電線L6に印加される電圧の所定時間内のピーク値、振幅等に基づいて停電状態の有無を検知してもよい。
【0054】
切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を、操作部26が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。具体的には、切替部23は、スピーカ241の音声信号SG1の受信経路R1(
図2参照)の一部を遮断状態から接続状態に切り替える。実施形態1では、操作部26が所定の操作を受け付け、検知部22が停電状態を検知すると、受信経路R1(
図2参照)の一部を遮断状態から接続状態に切り替える。切替部23は、集合住宅100に設けられた管理室親機50と電気的に接続されている。実施形態1では、切替部23は、一対のツイストペア線からなる信号線L5を介して、管理室親機50と電気的に接続されたアンプ70に電気的に接続されている。管理室親機50から出力される音声信号SG1をアンプ70が増幅しており、アンプ70で増幅された後の音声信号SG1が各住戸110のスピーカ装置20の切替部23を介して報知部24のスピーカ241に入力される。
【0055】
ここで、住戸親機10と制御装置60との間を電気的に接続する信号線L1とは異なる信号線L5を介してスピーカ装置20とアンプ70との間が電気的に接続されている。そして、信号線L1と信号線L5とは同一の外被C1で覆われている。換言すると、信号線L1,L5は、2芯以上の多芯ケーブルの信号線で構成されている。例えば、インターホンシステム1が既に設けられている集合住宅100において、複数の住戸親機10と制御装置60との間が多芯ケーブルが備える信号線で接続されている場合、多芯ケーブルが備える複数本の信号線のうち少なくとも1本の信号線は未使用である。したがって、未使用の信号線を利用して複数の住戸親機10とアンプ70との間を電気的に接続することができるので、既設の集合住宅100にスピーカ装置20を容易に導入することができる。また、新設の集合住宅100の場合でも、1本の多芯ケーブルを配線することで、信号線L1と信号線L5との配線が行えるので、配線の施工が容易である。
【0056】
また、実施形態1では、管理室親機50とアンプ70とを電気的に接続し、音声信号SG1を送信するための信号線、及び信号線L5を含み、かつアンプ70とスピーカ241とを電気的に接続する信号線が、受信経路R1を形成している。
【0057】
さらに、検知部22は、住戸親機10への交流電源200からの給電が停止する停電状態を検知する。交流電源200の停電や断線等によって、常用電源から住戸親機10への給電が停止すると、住戸親機10は停電状態となる。
【0058】
報知部24は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を、操作部26が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えられると、管理室親機50から受け取った音声信号SG1に基づいて音声出力を行う。報知部24は、
図3に示すように、例えば報知音、音声メッセージなどの音を出力するスピーカ241と、発光ダイオード等の表示ランプ242とを備える。報知部24は、音声信号SG1に応じた音声をスピーカ241から出力する。さらに、報知部24は、音声信号SG1に応じた光を表示ランプ242から出力する。なお、報知部24が、音声による報知と、光による報知との両方を行うことは必須ではなく、少なくとも音声による報知を行えばよい。
【0059】
さらに、検知部22は、住戸親機10の停電状態を検知すると、管理室親機50から受け取った音声信号SG1に基づいて音声の出力、及び光の出力を行う。
【0060】
なお、制御部21は、定常状態及び操作部26が所定の操作を受け付けていない状態において切替部23は受信経路R1を遮断しており、これらの状態では報知部24が音声信号SG1に基づいた報知を行わないので、これらの状態において住戸親機10と報知部24との両方から音声が出力される可能性を低減できる。
【0061】
受電部25は、例えば電池(図示せず)から電力供給を受ける。受電部25に電力を供給する電池(図示せず)は、スピーカ装置20のケース28(
図3参照)に収納されていてもよいし、スピーカ装置20が取り付けられる住戸親機10の本体17に収納されていてもよい。
【0062】
なお、受電部25はスピーカ装置20に必須の構成ではない。例えば、スピーカ装置20が、電源が不要なスピーカ等で構成される場合、スピーカ装置20はアンプ70から入力される音声信号SG1を音声に変換して出力するので、スピーカ装置20に受電部25は不要である。つまり、受電部25はスピーカ装置20に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。この場合、スピーカ装置20は、停電時にはバックアップ電源80から電力供給を受け、定常時には交流電源200から電力供給を受ける。または、切替部23として、電力が供給されているときには開状態となり、電力が供給されない場合には閉状態となるノーマリーオンスイッチを用いてもよい。
【0063】
操作部26は、ユーザの操作を受け付ける。操作部26は、例えばスピーカ装置20の動作試験を行わせるためのテストボタン261(
図3参照)を有し、テストボタン261が操作される間(例えば、押操作が行われている間)、動作試験を開始させるための操作信号を制御部21に出力する。すなわち、操作部26が所定の操作を受け付けるとは、テストボタン261が操作される(例えば、押操作がされる)ことである。制御部21は、動作試験を開始させるための操作信号が入力されると、検知部22が停電状態を検知するように遮断部27を制御する。具体的には、制御部21は、分圧された電圧が検知部22に入力されないように、遮断部27を制御する。これにより、スピーカ装置20では、住戸親機10の疑似的な停電状態を検知して報知部24が報知を行うので、報知部24が正常に動作するか否かを確認できる。
【0064】
遮断部27は、操作部26が所定の操作を受け付けていない間は、制御部21の制御により、受電部15で受電された電圧が検知部22に入力されるように受電部15と検知部22との間を接続状態とする。遮断部27は、操作部26が所定の操作を受け付けている間は、制御部21の制御により、受電部15で受電された電圧が検知部22に入力されないように受電部15と検知部22との間を遮断状態(非接続状態)とする。受電部15と検知部22との間が遮断状態となると、検知部22には電圧が入力されないので、検知部22は、停電状態であることを検知する。
【0065】
スピーカ装置20は、住戸親機10の本体17に対して本体17の横に並べた状態で取り付けられるケース28(
図3参照)を有している。ケース28は、左右方向の寸法及び前後方向の寸法に比べて上下方向の寸法が大きい縦長の直方体状である。ケース28には、制御部21、検知部22、切替部23、報知部24、受電部25、操作部26、遮断部27等が収納されている。
【0066】
ケース28の前面には、報知部24が備える表示ランプ242と、操作部26が備えるテストボタン261とが配置されている(
図3参照)。
【0067】
ケース28には、ねじを通すための貫通孔を有する取付片281(取付部)が設けられており(
図3参照)、ケース28は、取付片281の貫通孔に挿入されたねじを用いて、住戸親機10の本体17にネジ止めされる。ここにおいて、取付片281等からスピーカ装置20(ケース28)を住戸親機10の本体17に取り付けるための取付部が構成される。尚、ケース28を住戸親機10の本体17に取り付けるための構成は上記の構成に限定されず、適宜変更が可能である。
【0068】
このように、スピーカ装置20のケース28は、住戸親機10の本体17に取り付けられている。すなわち、スピーカ装置20と住戸親機10とは一体化されており、スピーカ装置20と住戸親機10とで通信システムが構成されている。
【0069】
(3)動作
ここでは、スピーカ装置20の動作について、
図4を用いて説明する。
【0070】
制御部21は、テストが開始されたか否かを判断する(ステップS1)。具体的には、制御部21は、操作部26が所定の操作を受け付けたか否かを判断する。より詳細には、制御部21は、操作部26のテストボタン261が押操作されているか否かを判断する。
【0071】
操作部26が所定の操作を受け付けていないと制御部21が判断する場合(ステップS1における「No」)、処理は、所定の操作の受付待ちとなる。
【0072】
操作部26が所定の操作を受け付けていると判断する場合(ステップS1における「Yes」)、制御部21は、遮断処理を行う(ステップS2)。具体的には、制御部21は、受電部15と検知部22との間が遮断状態となるように、遮断部27を制御する。
【0073】
制御部21は、第1切替処理を行う(ステップS3)。具体的には、制御部21は、遮断処理後における検知部22の検知結果が停電を検知したことを表す場合には、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えるように、切替部23を制御する。言い換えると、切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。具体的には、切替部23は、スピーカ241が受信する音声信号SG1の受信経路R1の一部を遮断状態から接続状態に切り替える。
【0074】
報知部24は、出力処理を行う(ステップS4)。具体的には、報知部24のスピーカ241は、管理室親機50から受け取った音声信号SG1に基づいて音声出力を行う。さらに、表示ランプ242は、音声信号SG1に応じた光を出力する。
【0075】
制御部21は、テストが終了したか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、制御部21は、操作部26の操作の受付状態が所定の操作を受け付けた状態から受け付けていない状態に変化したか否かを判断する。より詳細には、制御部21は、操作部26のテストボタン261の押操作が行われなくなったか否かを判断する。
【0076】
テストが終了していない、つまり操作部26が所定の操作を受け付けていると制御部21が判断する場合(ステップS5における「No」)、処理はステップS4に戻る。
【0077】
テストが終了した、つまり操作部26の操作の受付状態が所定の操作を受け付けた状態から受け付けていない状態に変化したと制御部21が判断した場合(ステップS5における「Yes」)、制御部21は、第2切替処理を行う(ステップS6)。具体的には、制御部21は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り可能状態から聞取り不可状態に切り替えるように、切替部23を制御する。言い換えると、切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り可能状態から聞取り不可状態に切り替える。具体的には、切替部23は、スピーカ241が受信する音声信号SG1の受信経路R1の一部を接続状態から遮断状態に切り替える。
【0078】
制御部21は、第2遮断処理後に、接続処理を行う(ステップS7)。具体的には、制御部21は、受電部15と検知部22との間が接続状態となるように、遮断部27を制御する。これにより、検知部22には、分圧された電圧が入力され、通常の検知を行うことができる。
【0079】
(4)利点
以上説明したように、実施形態1のスピーカシステム2は、集合施設100に含まれる1つ以上の施設(住戸110)に設けられている情報端末(住戸親機10)に接続される外付けのスピーカシステムである。スピーカシステム2は、外部の装置(例えば、管理室親機50)から受信した音声を出力するスピーカ241と、操作部26と、切替部23と、を備える。切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を、操作部26が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。
【0080】
この構成によると、操作部26が所定の操作を受け付けることで、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えるので、情報端末を一時的に停電状態とする必要がない。そのため、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0081】
(5)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0082】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0083】
(5.1)変形例1
遮断部27は、スピーカ装置20の必須の構成要素ではない。スピーカ装置20は、遮断部27を備えていなくてもよい。
【0084】
この場合、制御部21は、操作部26が所定の操作を受け付けると、検知部22の検知結果に依存することなく、受信経路R1の一部を強制的に遮断状態から接続状態となるように、切替部23を制御する。すなわち、切替部23は、操作部26が所定の操作を受け付けると、検知部22の検知結果に依存することなく、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。
【0085】
(5.2)変形例2
上記実施形態では、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える構成として、受信経路R1の一部を遮断状態から接続状態に切り替える構成を採用している。しかしながら、音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える構成は、これに限定されない。
【0086】
例えば、スピーカ装置20は、定常状態及び操作部26が所定の操作を受け付けていない状態において、受信経路R1を常に接続状態とし、スピーカ241からの音声の出力状態を消音状態としてもよい。このとき、スピーカ装置20は、操作部26が所定の操作を受け付けると、スピーカ241からの音声の出力状態を非消音状態としてもよい。例えば、受信経路R1に可変抵抗を設けて、制御部21が、消音状態と非消音状態とを切り替えるように、当該可変抵抗の抵抗値を調整する。
【0087】
(5.3)変形例3
各住戸110の住人は、操作部26に対して所定の操作を行った後、スピーカ241からの音声の出力結果(音声の出力の有無)を管理室親機50に通知してもよい。
【0088】
例えば、住人は、操作部26に対して所定の操作を行った後、住戸親機10を操作することで、スピーカ241からの音声の出力結果)を管理室親機50に通知する。または、スピーカ241から出力される音声を住戸親機10が録音し、録音内容を管理室親機50に送信(通知)してもよい。
【0089】
これにより、管理室親機50の操作者(管理人)は、各住戸110でのテスト動作の結果を容易に把握することができる。
【0090】
(実施形態2)
実施形態2のインターホンシステム1では、スピーカ装置20が操作部及び遮断部を備える代わりに、住戸親機が操作部及び遮断部を備える点が、実施形態1と異なる。以下、異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0091】
実施形態2のインターホンシステム1は、
図5に示すように、複数の住戸110にそれぞれ設けられる複数の住戸親機(情報端末)10Aと、共用玄関子機40と、管理室親機50と、制御装置60と、スピーカシステム2としてのスピーカ装置20Aと、を備えている。
【0092】
実施形態2の情報端末システム3Aは、住戸親機10Aと、スピーカ装置20Aと、を備えている。
【0093】
実施形態2の住戸親機10Aは、
図5に示すように、制御部11と、通信部12と、通話部13と、表示部14と、受電部15と、操作部18と、遮断部19と、を備えている。また、住戸親機10Aには、実施形態1の住戸親機10と同様に、住戸110の玄関に設けられる玄関子機30が信号線L4を介して接続されている。
【0094】
操作部18は、ユーザ(住戸110の住人)の操作を受け付ける。操作部18は、例えばスピーカ装置20の動作試験を行わせるためのテストボタンであり、テストボタンが操作される間(例えば、押操作が行われている間)、動作試験を開始させるための操作信号を制御部11に出力する。制御部11は、動作試験を開始させるための操作信号が入力されると、検知部22が停電状態を検知するように遮断部19を制御する。具体的には、制御部11は、分圧された電圧が検知部22に入力されないように、遮断部19を制御する。
【0095】
遮断部19は、操作部26が所定の操作を受け付けていない間は、制御部21の制御により、受電部15と検知部22との間を接続状態とする。遮断部19は、操作部18が所定の操作を受け付けている間は、制御部11の制御により、受電部15と検知部22との間を遮断状態(非接続状態)とする。受電部15と検知部22との間が遮断状態となると、検知部22には電圧が入力されないので、検知部22は、停電状態であることを検知する。
【0096】
すなわち、制御部11は、操作部18が所定の操作を受け付けると、遮断部19を制御することで、音声の聞取り不可状態と音声の聞取り可能状態とを切り替えるように切替部23を制御する。
【0097】
また、制御部11は、住戸親機10が電力供給されているときには、受電部15と検知部22との間が接続状態となるように遮断部19を制御することで、音声の聞取り状態を聞取り不可状態となるように切替部23を制御する。制御部11は、住戸親機10が電力供給されていないときには、受電部15と検知部22との間が遮断状態となるように遮断部19を制御することで、音声の聞取り状態を聞取り可能状態となるように切替部23を制御する。
【0098】
実施形態2のスピーカシステム2としてのスピーカ装置20Aは、
図5に示すように、制御部21と、検知部22と、切替部23と、報知部24と、受電部25と、を備えている。
【0099】
実施形態2の検知部22は、住戸親機10への交流電源200からの給電が停止する停電状態を検知する。
【0100】
実施形態2の切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を、住戸親機10Aの操作部18が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。実施形態2では、住戸親機10の操作部18が所定の操作を受け付け、検知部22が停電状態を検知すると、受信経路R1の一部を遮断状態から接続状態に切り替える。
【0101】
次に、実施形態2に係る住戸親機10A及びスピーカ装置20Aの動作について、
図6及び
図7を用いて説明する。
【0102】
まず、住戸親機10Aの動作について説明する。
【0103】
実施形態2の制御部11は、テストが開始されたか否かを判断する(ステップS101)。具体的には、制御部11は、操作部18が所定の操作を受け付けたか否かを判断する。
【0104】
操作部18が所定の操作を受け付けていないと制御部11が判断する場合(ステップS101における「No」)、処理は、所定の操作の受付待ちとなる。
【0105】
操作部18が所定の操作を受け付けていると判断する場合(ステップS101における「Yes」)、制御部11は、遮断処理を行う(ステップS102)。具体的には、制御部11は、受電部15と検知部22との間が遮断状態となるように、遮断部19を制御する。
【0106】
制御部11は、テストが終了したか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、制御部11は、操作部18の操作の受付状態が所定の操作を受け付けた状態から受け付けていない状態に変化したか否かを判断する。
【0107】
テストが終了していない、つまり操作部18が所定の操作を受け付けていると制御部11が判断する場合(ステップS103における「No」)、処理はテストの終了待ちとなる。
【0108】
テストが終了した、つまり操作部26の操作の受付状態が所定の操作を受け付けた状態から受け付けていない状態に変化したと判断した場合(ステップS103における「Yes」)、制御部11は、接続処理を行う(ステップS104)。具体的には、制御部11は、受電部15と検知部22との間が接続状態となるように、遮断部19を制御する。これにより、検知部22には、分圧された電圧が入力されるので、検知部22は、通常の検知を行うことができる。
【0109】
次に、実施形態2のスピーカ装置20Aの動作について説明する。
【0110】
スピーカ装置20Aの制御部21は、検知部22の検知結果が停電状態を表しているか否かを判断する(ステップS111)。なお、操作部18が所定の操作を受け付けた場合には、受電部15と検知部22との間は遮断状態となるため、住戸親機10に電力が供給されている場合であっても検知部22は停電状態して検知する。
【0111】
検知部22の検知結果が停電状態を表していないと制御部21が判断すると(ステップS111における「No」)、処理はステップS111に戻る。
【0112】
検知部22の検知結果が停電状態を表していると判断すると(ステップS111における「Yes」)、制御部21は、第1切替処理を行う(ステップS112)。具体的には、制御部21は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えるように、切替部23を制御する。言い換えると、切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。具体的には、切替部23は、スピーカ241が受信する音声信号SG1の受信経路R1の一部を遮断状態から接続状態に切り替える。
【0113】
報知部24は、出力処理を行う(ステップS113)。具体的には、報知部24のスピーカ241は、管理室親機50から受け取った音声信号SG1に基づいて音声出力を行う。さらに、表示ランプ242は、音声信号SG1に応じた光を出力する。
【0114】
制御部21は、検知部22の検知結果が停電状態を表しているか否かを判断する(ステップS114)。
【0115】
検知部22の検知結果が停電状態を表していると制御部21が判断すると(ステップS114における「Yes」)、処理はステップS113に戻る。
【0116】
検知部22の検知結果が停電状態を表していないと制御部21が判断すると(ステップS114における「No」)、制御部21は、第2切替処理を行う(ステップS115)。具体的には、制御部21は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り可能状態から聞取り不可状態に切り替えるように、切替部23を制御する。言い換えると、切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り可能状態から聞取り不可状態に切り替える。具体的には、切替部23は、スピーカ241が受信する音声信号SG1の受信経路R1の一部を接続状態から遮断状態に切り替える。
【0117】
以下、実施形態2の変形例について列記する。
【0118】
実施形態2の変形例1として、住戸親機10Aは、遮断部19を備えていなくてもよい。この場合、制御部11は、操作部18が所定の操作を受け付けると、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り可能状態から聞取り不可状態に切り替える旨の切替指示を、スピーカ装置20Aの制御部21に通知してもよい。制御部21は、切替指示を住戸親機10Aから受け取ると、検知部22の検知結果に依存することなく、受信経路R1の一部を強制的に遮断状態から接続状態となるように、切替部23を制御する。すなわち、切替部23は、操作部18が所定の操作を受け付けると、検知部22の検知結果に依存することなく、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。
【0119】
実施形態2の変形例2として、スピーカ装置20Aは、実施形態1のスピーカ装置20と同様に、操作部26及び遮断部27を備えてもよい。この場合、住戸110の住人は、住戸親機10A及びスピーカ装置20Aのいずれかを用いて、テスト動作を実行することができる。
【0120】
実施形態2に対して、実施形態1の変形例2、3を適用してもよい。
【0121】
以上説明したように、実施形態2の情報端末(例えば、住戸親機10A)は、集合施設100に含まれる1つ以上の施設(住戸110)に設けられ、外付けのスピーカシステム2に接続されている情報端末である。情報端末は、スピーカシステム2の音声の出力状態を制御する制御部11を備える。スピーカシステム2は、外部の装置(例えば、管理室親機50)から受信した音声を出力するスピーカ241と、切替部23と、を備える。切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。制御部11は、音声の聞取り不可状態と音声の聞取り可能状態とを切り替えるように切替部23を制御する。
【0122】
この構成によると、制御部11は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えるので、情報端末を一時的に停電状態とする必要がない。そのため、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0123】
(実施形態3)
実施形態3のインターホンシステム1では、管理室親機が遮断部19の制御を行う点が、実施形態2と異なる。以下、異なる点を中心に説明する。なお、実施形態2と同様の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0124】
実施形態3のインターホンシステム1は、複数の住戸110にそれぞれ設けられる複数の住戸親機(情報端末)10Bと、共用玄関子機40と、管理室親機50Bと、制御装置60と、スピーカシステム2としてのスピーカ装置20Aと、を備えている。
【0125】
実施形態3の情報端末システム3Bは、住戸親機10Aと、スピーカ装置20Aと、を備えている。
【0126】
実施形態3の管理室親機50Bは、
図8に示すように、第1通信部51と、受電部52と、第2通信部53と、制御部54と、操作部55と、を備えている。
【0127】
操作部55は、ユーザ(管理人)の操作を受け付ける。操作部55は、例えばスピーカ装置20の動作試験を行わせるためのテストボタンであり、テストボタンが操作される間(例えば、押操作が行われている間)、第1通信部51を介して、切替部23による状態の切替を指示するための指示信号を住戸親機10Bの制御部11に出力する。すなわち、第1通信部51は、切替部23による状態の切替を指示するための指示信号を、住戸親機10に送信する。
【0128】
実施形態3の住戸親機10Bは、
図8に示すように、制御部11と、通信部12と、通話部13と、表示部14と、受電部15と、遮断部19と、を備えている。また、住戸親機10Aには、実施形態1の住戸親機10と同様に、住戸110の玄関に設けられる玄関子機30が信号線L4を介して接続されている。
【0129】
制御部11は、指示信号を管理室親機50から受け取ると、検知部22が停電状態を検知するように遮断部19を制御する。具体的には、制御部11は、受電部15で受電された電圧が検知部22に入力されないように、遮断部19を制御する。
【0130】
遮断部19は、操作部55が所定の操作を受け付けていない間、つまり操作信号を管理室親機50から受け取っていない間は、制御部21の制御により、受電部15と検知部22との間を接続状態とする。遮断部19は、操作部55が所定の操作を受け付けている間、つまり操作信号を管理室親機50から受け取っている間は、制御部11の制御により、受電部15と検知部22との間を遮断状態(非接続状態)とする。受電部15と検知部22との間が遮断状態となると、検知部22には電圧が入力されないので、検知部22は、停電状態であることを検知する。
【0131】
すなわち、実施形態3の制御部11は、指示信号を受け取ると、受け取った指示信号に基づいて遮断部19を制御することで、音声の聞取り不可状態と音声の聞取り可能状態とを切り替えるように切替部23を制御する。すなわち、実施形態3のスピーカ装置20Aの切替部23は、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を、管理室親機50Bの操作部55が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。
【0132】
また、実施形態3の制御部11は、住戸親機10が電力供給されているときには、受電部15と検知部22との間が接続状態となるように遮断部19を制御することで、音声の聞取り状態を聞取り不可状態となるように切替部23を制御する。制御部11は、住戸親機10が電力供給されていないときには、受電部15と検知部22との間が遮断状態となるように遮断部19を制御することで、音声の聞取り状態を前記聞取り可能状態となるように切替部23を制御する。
【0133】
以下、実施形態3の変形例について列記する。
【0134】
実施形態3の変形例1として、住戸親機10Bは、遮断部19を備えていなくてもよい。この場合、制御部11は、操作信号を管理室親機50から受け取ると、切替指示をスピーカ装置20Aの制御部21に通知してもよい。
【0135】
または、住戸親機10Bが遮断部19を備える代わりに、管理室親機50がスピーカ装置20Aに操作信号を送信してもよい。この場合、制御部21は、操作信号を管理室親機50から受け取ると、検知部22の検知結果に依存することなく、受信経路R1の一部を強制的に遮断状態から接続状態となるように、切替部23を制御する。
【0136】
実施形態3の変形例2として、実施形態3の住戸親機10Bは、実施形態2と同様に、操作部18及び遮断部19を備えてもよい。また、実施形態3のスピーカ装置20Aは、実施形態1のスピーカ装置20と同様に、操作部26及び遮断部27を備えてもよい。
【0137】
実施形態3に対して、実施形態1の変形例2、3を適用してもよい。
【0138】
以上説明したように、実施形態3の管理室親機50Bは、集合施設100に設けられている。管理室親機50は、情報端末(住戸親機10B)と通信する通信部(例えば、第1通信部51)を備える。通信部は、切替部(23)による状態の切替を指示するための指示信号を情報端末に送信する。情報端末の制御部11は、指示信号に基づいて、音声の聞取り不可状態と音声の聞取り可能状態とを切り替えるように切替部23を制御する。
【0139】
この構成によると、制御部11は、指示信号に基づいて、スピーカ241から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えるので、情報端末を一時的に停電状態とする必要がない。そのため、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0140】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、情報端末(住戸親機10(10A,10B))と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る情報端末の制御方法は、集合施設に含まれる1つ以上の施設(集合住宅100)に設けられ、外付けのスピーカシステム2に接続されている情報端末の制御方法である。情報端末は、スピーカシステム2の音声の出力状態を制御する制御部11を備える。スピーカシステム2は、スピーカシステム2から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える切替部23を備える。制御方法は、制御部11が音声の聞取り不可状態と音声の聞取り可能状態とを切り替えるように切替部23を制御する制御ステップを、含む。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述した情報端末又は情報端末の処理方法として機能させるためのプログラムである。
【0141】
本開示における情報端末又は情報端末の処理方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における情報端末又は情報端末の処理方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0142】
また、情報端末における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは情報端末に必須の構成ではなく、情報端末の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、情報端末の少なくとも一部の機能、例えば、情報端末の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0143】
また、上記各実施形態では、管理室親機50が音声信号SG1を出力する構成としているが、この構成に限定されない。制御装置60がアンプ70に音声信号SG1を出力してもよい。また、集合住宅100において火災、地震、事故などの非常時に緊急放送を行う非常用放送設備がアンプ70に音声信号SG1を出力してもよい。また、公衆電話回線に接続されるアダプタ装置が管理室親機50,50Bに接続されており、管理室親機50が、外部の機器から公衆電話回線とアダプタ装置とを介して入力された音声信号SG1を、スピーカ装置20,20Aに出力してもよい。または、アンプ70は、アンプ70に接続されたマイク等から入力された音声に係る音声信号SG1をスピーカ装置20,20Aに出力してもよい。
【0144】
また、上記各実施形態では、スピーカ装置20,20Aのケース28と、住戸親機10,10A,10Bの本体17とが分離可能な形状に形成されており、ケース28が本体17に取り付けられているが、ケース28と本体17とは住戸110内の別々の場所に配置されてもよい。また、スピーカ装置20,20A及び住戸親機10,10A,10Bの機能は、スピーカ装置20,20A及び住戸親機10,10A,10Bの一方に集約されてもよく、例えば、スピーカ装置20,20Aの構成要素が住戸親機10,10A,10Bの本体17に収納されてもよい。この場合、住戸親機10,10A,10Bは、少なくとも検知部22と、切替部23と、報知部24と、を備えていればよく、停電状態において検知部22、切替部23、及び報知部24の機能を動作させるために必要な電力が供給されればよい。
【0145】
また、スピーカ装置20,20Aの検知部22、切替部23、及び報知部24のうちの少なくとも1つの機能が、2つ以上のシステムに分散して設けられてもよい。また、検知部22及び報知部24の各々の機能が、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0146】
また、上記各実施形態では、スピーカ装置20が適用される集合施設が集合住宅100であったが、集合施設は集合住宅100に限定されない。集合施設は複数の管理領域を含んでいればよく、例えば複数のテナントが入居する複数の管理領域を含むオフィスビル、商業施設などでもよい。
【0147】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様のスピーカシステム(2)は、集合施設(100)に含まれる1つ以上の施設(住戸110)に設けられている情報端末(住戸親機10)に接続される外付けのスピーカシステムである。スピーカシステム(2)は、外部の装置(例えば、管理室親機50)から受信した音声を出力するスピーカ(241)と、操作部(26)と、切替部(23)と、を備える。切替部(23)は、スピーカ(241)から出力される音声の聞取り状態を、操作部(26)が所定の操作を受け付けたことをトリガとして、聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。
【0148】
この構成によると、操作部(26)が所定の操作を受け付けることで、スピーカ(241)から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えるので、情報端末を一時的に停電状態とする必要がない。そのため、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0149】
第2の態様のスピーカシステム(2)では、第1の態様において、切替部(23)は、情報端末が電力供給されているときには音声の聞取り状態を聞取り不可状態とし、情報端末が電力供給されていないときには音声の聞取り状態を聞取り可能状態とする。
【0150】
この構成によると、スピーカシステム(2)では、情報端末が電力供給されていないとき、すなわち停電状態であるときに、外部の装置から受信した音声を出力することができる。
【0151】
第3の態様のスピーカシステム(2)では、第1又は第2の態様において、切替部(23)は、情報端末が電力供給されているときに操作部(26)が所定の操作を受け付けると、音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。
【0152】
この構成によると、スピーカシステム(2)では、情報端末が電力供給されているときであっても、操作部(26)が所定の操作を受け付けることで、外部の装置から受信した音声を出力することができる。例えば、スピーカシステム(2)は、テスト動作を行う際に、情報端末を停電状態とすることなく、外部の装置から受信した音声を出力することができる。
【0153】
第4の態様のスピーカシステム(2)では、第1~第3のいずれかの態様において、スピーカ(241)が音声を受信する受信経路(R1)は、集合施設(100)に設けられた管理室親機(50)に接続されている。スピーカ(241)は、外部の装置として管理室親機(50)から音声を受信する。
【0154】
この構成によると、管理室親機(50)から受信した音声を出力することができる。
【0155】
第5の態様のスピーカシステム(2)では、第1~第4のいずれかの態様において、切替部(23)は、操作部(26)が操作されている間、音声の聞取り状態を聞取り可能状態とし、操作部(26)の操作が終わると、音声の聞取り状態を聞取り不可状態とする。
【0156】
この構成によると、切替部(23)の状態を元の状態への戻し忘れを防止することができる。
【0157】
第6の態様の情報端末システム(3)は、第1~第5のいずれかの態様のスピーカシステム(2)と、スピーカシステム(2)と接続されている情報端末(例えば、住戸親機10)と、を備える。
【0158】
この構成によると、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0159】
第7の態様の情報端末(例えば、住戸親機10A)は、集合施設(100)に含まれる1つ以上の施設(住戸110)に設けられ、外付けのスピーカシステム(2)に接続されている情報端末である。情報端末は、スピーカシステム(2)の音声の出力状態を制御する制御部(11)を備える。スピーカシステム(2)は、外部の装置(例えば、管理室親機50)から受信した音声を出力するスピーカ(241)と、切替部(23)と、を備える。切替部(23)は、スピーカ(241)から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える。制御部(11)は、音声の聞取り不可状態と音声の聞取り可能状態とを切り替えるように切替部(23)を制御する。
【0160】
この構成によると、制御部(11)は、スピーカ(241)から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えるので、情報端末を一時的に停電状態とする必要がない。そのため、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0161】
第8の態様の情報端末では、第7の態様において、スピーカシステム(2)において、情報端末が電力供給されているときには、音声の聞取り状態を聞取り不可状態となるように切替部(23)が制御されている。情報端末が電力供給されていないときには音声の聞取り状態を聞取り可能状態となるように切替部(23)が制御されている。
【0162】
この構成によると、スピーカシステム(2)では、情報端末が電力供給されていないとき、すなわち停電状態であるときに、外部の装置から受信した音声を出力することができる。
【0163】
第9の態様の情報端末は、第7又は第8の態様において、操作部(18)を、更に備える。制御部(11)は、情報端末が電力供給されているときに操作部(18)が所定の操作を受け付けると、音声の聞取り状態を聞取り可能状態となるように切替部(23)を制御する。
【0164】
この構成によると、情報端末が電力供給されているときであっても、操作部(18)が所定の操作を受け付けることで、スピーカシステム(2)に外部の装置から受信した音声を出力させることができる。例えば、テスト動作を行う際に、情報端末を停電状態とすることなく、スピーカシステム(2)に外部の装置から受信した音声を出力させることができる。
【0165】
第10の態様の情報端末システム(3A)は、第7~第9のいずれかの態様の情報端末(例えば、住戸親機10A)と、情報端末に接続される外付けのスピーカシステム(2)と、を備える。
【0166】
この構成によると、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0167】
第11の態様のインターホンシステム(1)は、第6又は第10の態様の情報端末システム(3,3A)と、スピーカ(241)が音声を受信する受信経路(R1)に接続されている管理室親機(50)と、を備える。スピーカ(241)は、外部の装置として管理室親機(50)から音声を受信する。
【0168】
この構成によると、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0169】
第12の態様の管理室親機(50B)は、情報端末として集合施設(100)に設けられている。管理室親機(50)は、第7~第9のいずれかの態様の情報端末(例えば、住戸親機10B)と通信する通信部(例えば、第1通信部51)を備える。通信部は、切替部(23)による状態の切替を指示するための指示信号を情報端末に送信する。情報端末の制御部(11)は、指示信号に基づいて、音声の聞取り不可状態と音声の聞取り可能状態とを切り替えるように切替部(23)を制御する。
【0170】
この構成によると、制御部(11)は、指示信号に基づいて、スピーカ(241)から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替えるので、情報端末を一時的に停電状態とする必要がない。そのため、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0171】
第13の態様のインターホンシステム(1)は、第12の態様の管理室親機(50B)と、管理室親機(50B)と通信する情報端末(例えば、住戸親機10B)と、情報端末に接続された外付けのスピーカシステム(2)と、を備える。
【0172】
この構成によると、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0173】
第14の態様の制御方法は、集合施設(100)に含まれる1つ以上の施設(例えば、住戸110)に設けられ、外付けのスピーカシステム(2)に接続されている情報端末(例えば、住戸親機10A)の制御方法である。情報端末は、スピーカシステム(2)の音声の出力状態を制御する制御部(11)を備える。スピーカシステム(2)は、スピーカシステム(2)から出力される音声の聞取り状態を聞取り不可状態から聞取り可能状態に切り替える切替部(23)を備える。制御方法は、制御部(11)が音声の聞取り不可状態と音声の聞取り可能状態とを切り替えるように切替部(23)を制御する制御ステップを、含む。
【0174】
この制御方法によると、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【0175】
第15の態様のプログラムは、コンピュータに、第14の態様の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0176】
このプログラムによると、停電時の音声出力に係る動作が正常であるかどうかのチェックをより簡易に行うことができる。
【符号の説明】
【0177】
1 インターホンシステム
2 スピーカシステム
3,3A,3B 情報端末システム
10,10A,10B 住戸親機(情報端末)
11 制御部
18,26,55 操作部
20,20A スピーカ装置
23 切替部
50,50B 管理室親機
51 第1通信部(通信部)
100 集合住宅
110 住戸
241 スピーカ
R1 受信経路