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特許7595306実装システム、ヘッドユニット及び撮像方法
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  • 特許-実装システム、ヘッドユニット及び撮像方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】実装システム、ヘッドユニット及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021548826
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2020034840
(87)【国際公開番号】W WO2021060064
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-07-10
(31)【優先権主張番号】P 2019178083
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畑瀬 雄一
(72)【発明者】
【氏名】末吉 正史
(72)【発明者】
【氏名】杉野 晋平
(72)【発明者】
【氏名】永井 大介
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220544(JP,A)
【文献】特開2014-216621(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161878(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/021365(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/174598(WO,A1)
【文献】特開2006-261410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1対象物を捕捉する捕捉部を有し、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに固定される撮像装置と、を備え、
前記実装ヘッドは、前記撮像装置を保持するヘッドボディを備え、
前記撮像装置は、前記ヘッドボディによって前記実装面と対向するように前記実装ヘッドに固定され、前記第2位置にある前記捕捉部の側方に配置され、
前記撮像装置は、
前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する第1特定領域と、
前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む第2特定領域と、を撮像視野に含み、
前記撮像装置は、撮像素子と、光学系を備え、
前記光学系は、前記第1特定領域と前記第2特定領域のそれぞれから入射した光を前記撮像素子に結像し、
前記光学系は、レンズ群と、前記第2特定領域から入射した光を反射して前記レンズ群に導く反射面と、を備え、
前記第1特定領域からの光は、前記撮像視野のうち周辺部を通って前記レンズ群に入射し、
前記第2特定領域からの光は、前記反射面によって反射され、反射された光は前記撮像視野のうち中央部を通って前記レンズ群に入射する、
実装システム。
【請求項2】
前記撮像装置の前記撮像視野は、前記第1特定領域と前記第2特定領域とを同時に含む、
請求項1に記載の実装システム。
【請求項3】
前記光学系は、前記撮像素子に対して、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を含む前記撮像視野の画像を結像する、
請求項1又は2に記載の実装システム。
【請求項4】
前記撮像素子上で結像される前記画像を、中央領域と周辺領域とに二分した場合に、
前記第1特定領域は、前記画像の前記周辺領域に含まれ、
前記第2特定領域は、前記画像の前記中央領域に含まれる、
請求項3に記載の実装システム。
【請求項5】
前記撮像装置は、前記画像の前記中央領域よりも前記周辺領域において高解像度である、
請求項4に記載の実装システム。
【請求項6】
前記第1特定領域と前記第2特定領域とは、分離可能な別領域である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項7】
前記実装ヘッドは、複数の前記捕捉部を有し、
1つの前記撮像装置の前記撮像視野に含まれる前記第1特定領域は、前記実装面のうち前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記複数の前記捕捉部と対向する領域である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項8】
前記複数の捕捉部のうち、1つの前記撮像装置の前記撮像視野において、前記第1特定領域に対応する前記捕捉部の数は、前記第2特定領域に対応する前記捕捉部の数よりも多い、
請求項7に記載の実装システム。
【請求項9】
前記撮像装置としての第1撮像装置とは別に、前記実装ヘッドに固定され、前記第1特定領域を撮像視野に含む第2撮像装置を更に備え、
前記第2撮像装置の前記撮像視野である第2撮像視野は、前記第1撮像装置の前記撮像視野である第1撮像視野とは異なる領域を含み、
前記第1特定領域は、前記第1撮像視野と前記第2撮像視野とが重複する領域に含まれる、
請求項1~8のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項10】
前記撮像装置は、前記捕捉部の側方に配置されている、
請求項1~9のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項11】
第1対象物を捕捉する捕捉部を有し、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに固定される撮像装置と、を備え、
前記実装ヘッドは、前記撮像装置を保持するヘッドボディを備え、
前記撮像装置は、前記ヘッドボディによって前記実装面と対向するように前記実装ヘッドに固定され、前記第2位置にある前記捕捉部の側方に配置され、
前記撮像装置は、
前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する第1特定領域と、
前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む第2特定領域と、を撮像視野に含み、
前記撮像装置は、撮像素子と、光学系を備え、
前記光学系は、前記第1特定領域と前記第2特定領域のそれぞれから入射した光を前記撮像素子に結像し、
前記光学系は、レンズ群と、前記第2特定領域から入射した光を反射して前記レンズ群に導く反射面と、を備え、
前記第1特定領域からの光は、前記撮像視野のうち周辺部を通って前記レンズ群に入射し、
前記第2特定領域からの光は、前記反射面によって反射され、反射された光は前記撮像視野のうち中央部を通って前記レンズ群に入射する、
ヘッドユニット。
【請求項12】
第1対象物を捕捉する捕捉部を有し、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する実装ヘッドを備える、実装システムに用いられる撮像方法であって、
前記実装ヘッドに固定され、前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する第1特定領域と、前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む第2特定領域と、を撮像視野に含む撮像装置にて、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を撮像する工程を有し、
前記実装ヘッドは、前記撮像装置を保持するヘッドボディを備え、
前記撮像装置は、前記ヘッドボディによって前記実装面と対向するように前記実装ヘッドに固定され、前記第2位置にある前記捕捉部の側方に配置され、
前記撮像装置は、撮像素子と、光学系を備え、
前記光学系は、前記第1特定領域と前記第2特定領域のそれぞれから入射した光を前記撮像素子に結像し、
前記光学系は、レンズ群と、前記第2特定領域から入射した光を反射して前記レンズ群に導く反射面と、を備え、
前記第1特定領域及び前記第2特定領域を撮像する工程において、
前記第1特定領域からの光は、前記撮像視野のうち周辺部を通って前記レンズ群に入射し、
前記第2特定領域からの光は、前記反射面によって反射され、反射された光は前記撮像視野のうち中央部を通って前記レンズ群に入射する、
撮像方法。
【請求項13】
第1対象物を捕捉する捕捉部を有し、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに固定される撮像装置と、を備え、
前記撮像装置は、
前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する第1特定領域と、
前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む第2特定領域と、を撮像視野に含み、
前記撮像装置は、
撮像素子と、
前記撮像素子に対して、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を含む前記撮像視野の画像を結像する光学系と、を有し、
前記撮像素子上で結像される前記画像を、中央領域と周辺領域とに二分した場合に、
前記第1特定領域は、前記画像の前記周辺領域に含まれ、
前記第2特定領域は、前記画像の前記中央領域に含まれ、
前記撮像装置は、前記画像の前記中央領域よりも前記周辺領域において高解像度である、
実装システム。
【請求項14】
第1対象物を捕捉する捕捉部を有し、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに固定される撮像装置と、を備え、
前記撮像装置は、
前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する第1特定領域と、
前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む第2特定領域と、を撮像視野に含み、
前記撮像装置は、
撮像素子と、
前記撮像素子に対して、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を含む前記撮像視野の画像を結像する光学系と、を有し、
前記撮像素子上で結像される前記画像を、中央領域と周辺領域とに二分した場合に、
前記第1特定領域は、前記画像の前記周辺領域に含まれ、
前記第2特定領域は、前記画像の前記中央領域に含まれ、
前記撮像装置は、前記画像の前記中央領域よりも前記周辺領域において高解像度である、
ヘッドユニット。
【請求項15】
第1対象物を捕捉する捕捉部を有し、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する実装ヘッドを備える、実装システムに用いられる撮像方法であって、
前記実装ヘッドに固定され、前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する第1特定領域と、前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む第2特定領域と、を撮像視野に含む撮像装置にて、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を撮像する工程を有し、
前記撮像装置は、
撮像素子と、
前記撮像素子に対して、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を含む前記撮像視野の画像を結像する光学系と、を有し、
前記撮像素子上で結像される前記画像を、中央領域と周辺領域とに二分した場合に、
前記第1特定領域は、前記画像の前記周辺領域に含まれ、
前記第2特定領域は、前記画像の前記中央領域に含まれ、
前記第1特定領域及び前記第2特定領域を撮像する工程において、前記撮像装置は、前記画像の前記中央領域よりも前記周辺領域を高解像度で撮像する、
撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に実装システム、ヘッドユニット及び撮像方法に関し、より詳細には、捕捉部にて捕捉した第1対象物を第2対象物に実装する実装システム、ヘッドユニット及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表面実装機の部品吸着搭載動作中に撮像を行う撮像装置及び撮像方法が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の撮像装置は、捕捉部(吸着ノズル)で部品を吸着して所定の部品搭載位置に部品を搭載するに際し、吸着ノズルによる部品搭載動作についての撮像を行う。撮像装置は、ブラケットを介して実装ヘッド(ヘッド本体)と連結されており、実装ヘッドとともに移動する。搭載工程においては、捕捉部が、プリント基板上の特定領域(部品装着位置)の上方に配置されたときに、特定領域を中心とした一定の範囲を、撮像装置のCCDカメラで撮像する。そのため、撮像装置のCCDカメラは、プリント基板の特定領域の斜め上方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-103426号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、実装状態の撮像により適した実装システム、ヘッドユニット及び撮像方法を提供することを目的とする。
【0006】
本開示の一態様に係る実装システムは、実装ヘッドと、撮像装置と、を備える。前記実装ヘッドは、第1対象物を捕捉する捕捉部を有する。前記実装ヘッドは、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する。前記実装ヘッドは、前記撮像装置を保持するヘッドボディを備える。前記撮像装置は、前記ヘッドボディによって前記実装面と対向するように前記実装ヘッドに固定され、前記第2位置にある前記捕捉部の側方に配置される。前記撮像装置は、前記実装面のうちの第1特定領域と、第2特定領域と、を撮像視野に含む。前記第1特定領域は、前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する。前記第2特定領域は、前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む。前記撮像装置は、撮像素子と、光学系を備える。前記光学系は、前記第1特定領域と前記第2特定領域のそれぞれから入射した光を前記撮像素子に結像する。前記光学系は、レンズ群と、前記第2特定領域から入射した光を反射して前記レンズ群に導く反射面と、を備える。前記第1特定領域からの光は、前記撮像視野のうち周辺部を通って前記レンズ群に入射し、前記第2特定領域からの光は、前記反射面によって反射され、反射された光は前記撮像視野のうち中央部を通って前記レンズ群に入射する。
【0007】
本開示の一態様に係るヘッドユニットは、実装ヘッドと、撮像装置と、を備える。前記実装ヘッドは、第1対象物を捕捉する捕捉部を有する。前記実装ヘッドは、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する。前記撮像装置は、前記実装ヘッドに固定される。前記実装ヘッドは、前記撮像装置を保持するヘッドボディを備える。前記撮像装置は、前記ヘッドボディによって前記実装面と対向するように前記実装ヘッドに固定され、前記第2位置にある前記捕捉部の側方に配置される。前記撮像装置は、前記実装面のうちの第1特定領域と、第2特定領域と、を撮像視野に含む。前記第1特定領域は、前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する。前記第2特定領域は、前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む。前記撮像装置は、撮像素子と、光学系を備える。前記光学系は、前記第1特定領域と前記第2特定領域のそれぞれから入射した光を前記撮像素子に結像する。前記光学系は、レンズ群と、前記第2特定領域から入射した光を反射して前記レンズ群に導く反射面と、を備える。前記第1特定領域からの光は、前記撮像視野のうち周辺部を通って前記レンズ群に入射し、前記第2特定領域からの光は、前記反射面によって反射され、反射された光は前記撮像視野のうち中央部を通って前記レンズ群に入射する。
【0008】
本開示の一態様に係る撮像方法は、実装ヘッドを備える、実装システムに用いられる撮像方法である。前記実装ヘッドは、第1対象物を捕捉する捕捉部を有する。前記実装ヘッドは、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する。前記撮像方法は、撮像装置にて、第1特定領域及び第2特定領域を撮像する工程を有する。前記撮像装置は、前記実装ヘッドに固定され、前記実装面のうちの前記第1特定領域と、前記第2特定領域と、を撮像視野に含む。前記第1特定領域は、前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する。前記第2特定領域は、前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む。前記実装ヘッドは、前記撮像装置を保持するヘッドボディを備える。前記撮像装置は、前記ヘッドボディによって前記実装面と対向するように前記実装ヘッドに固定され、前記第2位置にある前記捕捉部の側方に配置される。前記撮像装置は、撮像素子と、光学系を備える。前記光学系は、前記第1特定領域と前記第2特定領域のそれぞれから入射した光を前記撮像素子に結像する。前記光学系は、レンズ群と、前記第2特定領域から入射した光を反射して前記レンズ群に導く反射面と、を備える。前記第1特定領域及び前記第2特定領域を撮像する工程において、前記第1特定領域からの光は、前記撮像視野のうち周辺部を通って前記レンズ群に入射し、前記第2特定領域からの光は、前記反射面によって反射され、反射された光は前記撮像視野のうち中央部を通って前記レンズ群に入射する。
本開示の一態様に係る実装システムは、実装ヘッドと、撮像装置と、を備える。前記実装ヘッドは、第1対象物を捕捉する捕捉部を有する。前記実装ヘッドは、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する。前記撮像装置は前記実装ヘッドに固定される。前記撮像装置は、前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する第1特定領域と、前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む第2特定領域と、を撮像視野に含む。前記撮像装置は、撮像素子と、前記撮像素子に対して、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を含む前記撮像視野の画像を結像する光学系と、を有する。前記撮像素子上で結像される前記画像を、中央領域と周辺領域とに二分した場合に、前記第1特定領域は、前記画像の前記周辺領域に含まれ、前記第2特定領域は、前記画像の前記中央領域に含まれる。前記撮像装置は、前記画像の前記中央領域よりも前記周辺領域において高解像度である。
本開示の一態様に係るヘッドユニットは、実装ヘッドと、撮像装置と、を備える。前記実装ヘッドは、第1対象物を捕捉する捕捉部を有する。前記実装ヘッドは、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する。前記撮像装置は、前記実装ヘッドに固定される。前記撮像装置は、前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する第1特定領域と、前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む第2特定領域と、を撮像視野に含む。前記撮像装置は、撮像素子と、前記撮像素子に対して、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を含む前記撮像視野の画像を結像する光学系と、を有する。前記撮像素子上で結像される前記画像を、中央領域と周辺領域とに二分した場合に、前記第1特定領域は、前記画像の前記周辺領域に含まれ、前記第2特定領域は、前記画像の前記中央領域に含まれる。前記撮像装置は、前記画像の前記中央領域よりも前記周辺領域において高解像度である。
本開示の一態様に係る撮像方法は、実装ヘッドを備える、実装システムに用いられる撮像方法である。前記実装ヘッドは、第1対象物を捕捉する捕捉部を有する。前記実装ヘッドは、前記捕捉部を、第2対象物の実装面と対向する第1位置と、前記第1位置に比較して前記実装面から離れた第2位置と、の間で移動させ、前記第1対象物を前記実装面に実装する。前記撮像方法は、撮像装置にて、第1特定領域及び第2特定領域を撮像する工程を有する。前記撮像装置は、前記実装ヘッドに固定され、前記実装面のうちの前記実装面に垂直な方向において前記第1位置にある前記捕捉部と対向する前記第1特定領域と、前記第2位置にある前記捕捉部の側面を含む前記第2特定領域と、を撮像視野に含む。前記撮像装置は、撮像素子と、前記撮像素子に対して、前記第1特定領域及び前記第2特定領域を含む前記撮像視野の画像を結像する光学系と、を有する前記撮像素子上で結像される前記画像を、中央領域と周辺領域とに二分した場合に、前記第1特定領域は、前記画像の前記周辺領域に含まれ、前記第2特定領域は、前記画像の前記中央領域に含まれる。前記第1特定領域及び前記第2特定領域を撮像する工程において、前記撮像装置は、前記画像の前記中央領域よりも前記周辺領域を高解像度で撮像する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、基本構成に係る実装システムの概略斜視図である。
図2図2は、同上の実装システムの要部の概略側面図である。
図3図3は、同上の実装システムのブロック図である。
図4図4Aは、同上の実装システムのヘッドユニットの平面図である。図4Bは、同上のヘッドユニットの正面図である。図4Cは、同上のヘッドユニットの側面図である。
図5図5は、同上の実装システムにおける撮像装置の撮像視野を模式的に表す説明図である。
図6図6Aは、同上の実装システムの要部の概略側面図である。図6Bは、同上の実装システムにおける撮像装置で得られる画像の概略図である。
図7図7は、同上の実装システムの動作例を示すフローチャートである。
図8図8Aは、実施形態1に係る実装システムの要部の概略側面図である。図8Bは、同上の実装システムの撮像装置を拡大した概略断面図である。
図9図9は、同上の実装システムにおける撮像装置の撮像視野を模式的に表す説明図である。
図10図10Aは、同上の実装システムの要部の概略側面図である。図10Bは、同上の実装システムにおける撮像装置で得られる画像の概略図である。
図11図11Aは、実施形態2に係る実装システムの要部の概略平面図である。図11Bは、同上の実装システムの要部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(基本構成)
以下、本構成例に係る実装システム100、ヘッドユニット10及び撮像方法について、図1図7を参照して説明する。
【0011】
(1)概要
従来、撮像装置は、CCDカメラは、プリント基板の特定領域に向けて配置されるため、例えば、部品の実装後に捕捉部が上昇してプリント基板から離間したときの捕捉部の状態を、このCCDカメラで捉えることは困難である。しかし、別途、カメラを設けると、実装面に平行な平面内での撮像装置の占有面積が比較的大きくなり、実装ヘッドの移動範囲が制約されること等が懸念される。
【0012】
本構成例に係る実装システム100は、図1に示すように、捕捉部11にて捕捉した第1対象物T1を第2対象物T2に実装するための実装装置(実装機)である。実装システム100は、例えば、工場、研究所、事務所及び教育施設等の施設において、電子機器、自動車、衣料品、食料品、医薬品及び工芸品等の種々の製品の製造のための作業に用いられる。
【0013】
本構成例では、実装システム100が、工場での電子機器の製造に用いられる場合について説明する。一般的な電子機器は、例えば、電源回路及び制御回路等の各種の回路ブロックを有している。これらの回路ブロックの製造にあたっては、一例として、はんだ塗布工程、実装工程、及びはんだ付け工程が、この順で行われる。はんだ塗布工程では、基板(プリント配線板を含む)にクリーム状はんだが塗布(又は印刷)される。実装工程では、基板に部品(電子部品を含む)が実装(搭載)される。はんだ付け工程では、例えば、部品が実装された状態の基板を、リフロー炉にて加熱することにより、クリーム状はんだを溶かしてはんだ付けが行われる。実装システム100は、実装工程において、第2対象物T2である基板に対して、第1対象物T1である部品を実装する作業を行う。
【0014】
このように、第2対象物T2(基板)への第1対象物T1(部品)の実装に用いられる実装システム100は、図1に示すように、第1対象物T1を捕捉するための捕捉部11を有する実装ヘッド1を備えている。捕捉部11は、一例として吸着ノズルからなり、第1対象物T1である部品を、解放(つまり捕捉を解除)可能な状態で捕捉(保持)する。実装システム100は、捕捉部11にて第1対象物T1を捕捉した状態で、捕捉部11を第2対象物T2に近づけるように下降させて、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する。
【0015】
このような実装システム100において、第2対象物T2の実装面T21に第1対象物T1を実装するに際しては、実装面T21上の実装位置となる特定領域R1の認識等の目的で、特定領域R1を撮像することが求められる。そこで、本構成例に係る実装システム100は、実装ヘッド1に加えて、図2に示すように、撮像装置2を備えている。これにより、実装システム100は、実装面T21の特定領域R1を撮像装置2にて撮像し、例えば、実装ヘッド1による第1対象物T1の実装の直前及び/又は直後に、第1対象物T1及び/又は第2対象物T2の状態を画像で確認すること等が可能になる。そこで、本構成例では、撮像装置2は、少なくとも実装面T21のうちの捕捉部11の直下の領域を撮像可能に構成されている。
【0016】
すなわち、本構成例に係る実装システム100は、図2に示すように、実装ヘッド1と、撮像装置2と、を備える。実装ヘッド1は、捕捉部11を有する。実装ヘッド1は、捕捉部11にて第1対象物T1を捕捉した状態で捕捉部11を第2対象物T2に近づけるように移動させ、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する。撮像装置2は、実装ヘッド1に固定される。撮像装置2は、実装面T21のうちの特定領域R1を撮像視野R10に含む。特定領域R1は、実装面T21に垂直な方向において捕捉部11と対向する。撮像装置2は、実装面T21に垂直な撮像光軸Ax1を有する。
【0017】
上記構成によれば、撮像装置2は、実装面T21のうちの、実装面T21に垂直な方向において捕捉部11と対向する特定領域R1を撮像視野R10に含むので、少なくとも実装面T21のうちの捕捉部11の直下の領域を撮像可能となる。しかも、撮像装置2の撮像光軸Ax1は、実装面T21に対して垂直であるので、実装面T21に対して直交する姿勢で撮像装置2を配置することが可能である。すなわち、本構成例では、撮像装置2の撮像光軸Ax1を特定領域R1に向けるのではなく、敢えて撮像装置2の撮像光軸Ax1を特定領域R1外に向けることで、撮像装置2の撮像視野R10の端の方に特定領域R1が映り込むようにしている。これにより、撮像装置2の撮像光軸Ax1を、実装面T21に対して垂直にすることが可能となる。そのため、例えば、実装面T21に平行な平面内での撮像装置2の占有面積を比較的小さく抑えて、撮像装置2による実装ヘッド1の移動範囲の制約を受けにくい等の利点がある。よって、特定領域R1の撮像により適した実装システム100を提供することができる。
【0018】
(2)詳細
以下、本構成例に係る実装システム100、ヘッドユニット10及び撮像方法の詳細について、説明する。
【0019】
(2.1)前提
本構成例では一例として、表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology)による部品(第1対象物T1)の実装に、実装システム100が用いられる場合について説明する。つまり、第1対象物T1としての部品は、表面実装用の部品(SMD:Surface Mount Device)であって、第2対象物T2としての基板の表面(実装面)上に配置されることをもって実装される。ただし、この例に限らず、挿入実装技術(IMT:Insertion Mount Technology)による部品(第1対象物T1)の実装に、実装システム100が用いられてもよい。この場合には、第1対象物T1としての部品は、リード端子を有する挿入実装用の部品であり、第2対象物T2としての基板の孔にリード端子を挿入することをもって、基板(第2対象物T2)の表面(実装面)上に実装される。
【0020】
また、本開示でいう「撮像光軸」は、撮像装置2で撮像される画像についての光軸であって、後述する撮像装置2の撮像素子21(図2参照)及び光学系22(図2参照)の両方によって定まる光軸である。つまり、撮像装置2で撮像される画像の中心からの光が通る光路が、撮像装置2の撮像光軸Ax1となる。具体的には、撮像素子21の受光面の中心と、被写体のうちの光学系22を通して撮像素子21の受光面の中心に結像する部位と、を結ぶ直線が撮像装置2の撮像光軸Ax1となる。
【0021】
また、本開示でいう「画像」は、撮像装置2で撮像される画像であって、静止画(静止画像)及び動画(動画像)を含む。さらに、「動画」は、コマ撮り等により得られる複数の静止画にて構成される画像を含む。画像は、撮像装置2から出力されたデータそのものでなくてもよい。例えば、画像は、必要に応じて適宜データの圧縮、他のデータ形式への変換、又は撮像装置2で撮影された画像から一部を切り出す加工、ピント調整、明度調整、若しくはコントラスト調整等の加工が施されていてもよい。本構成例では一例として、画像は、フルカラーの静止画である。
【0022】
また、本開示でいう「直交」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で略直交する状態も含む意味である。つまり、直交する二者間の角度は、90度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。本開示でいう「平行」についても同様に、厳密に二者間の角度が0度である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で略平行する状態も含む意味である。つまり、平行する二者間の角度は、0度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。
【0023】
以下では一例として、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸を設定し、第2対象物T2である基板の表面(実装面T21)に平行な軸を「X軸」及び「Y軸」とし、基板の厚み方向に平行な軸を「Z」軸とする。特に、「X軸」は、後述する第1捕捉部群G1を構成する2つ以上の捕捉部11が並ぶ方向に沿った軸である。さらに、第2対象物T2である基板から見た捕捉部11側を、Z軸の正の向き(「上方」ともいう)と規定する。また、Z軸の正の向き(上方)から見た状態を、以下では「平面視」ともいう。X軸、Y軸、及びZ軸は、いずれも仮想的な軸であり、図面中の「X」、「Y」、「Z」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。また、これらの方向は実装システム100の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0024】
また、実装システム100には、冷却水の循環用のパイプ、電力供給用のケーブル及び空圧(正圧及び真空を含む)供給用のパイプ等が接続されるが、本構成例では、これらの図示を適宜省略する。
【0025】
(2.2)全体構成
次に、本構成例に係る実装システム100の全体構成について、図1を参照して説明する。
【0026】
本構成例に係る実装システム100は、図1に示すように、実装ヘッド1と、1つ以上の撮像装置2と、を備えている。また、本構成例では、実装システム100は、図3に示すように、実装ヘッド1及び撮像装置2に加えて、駆動装置3、部品供給装置4、搬送装置5、バックアップ装置6、制御装置7及び照明装置8を更に備えている。ただし、駆動装置3、部品供給装置4、搬送装置5、バックアップ装置6、制御装置7及び照明装置8は、実装システム100に必須の構成ではない。つまり、駆動装置3、部品供給装置4、搬送装置5、バックアップ装置6、制御装置7及び照明装置8の少なくとも1つは、実装システム100の構成要素に含まれなくてもよい。また、図1では、実装ヘッド1、撮像装置2及び駆動装置3のみを図示し、その他の実装システム100の構成の図示を適宜省略している。
【0027】
実装ヘッド1は、1つ以上の捕捉部11を有している。本構成例では、実装ヘッド1は、複数(一例として16個)の捕捉部11を有している。実装ヘッド1は、捕捉部11にて第1対象物T1(部品)を捕捉した状態で、捕捉部11を第2対象物T2(基板)に近づけるように移動させ、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する。
【0028】
撮像装置2は、実装ヘッド1に固定されている。本構成例では、実装システム100は、複数(一例として9個)の撮像装置2を有している。撮像装置2は、撮像素子21と、光学系22と、を有している。撮像装置2は、例えば、静止画を撮像するスチルカメラである。撮像装置2は、上述したように、第2対象物T2(基板)の実装面T21のうちの捕捉部11と対向する特定領域R1を撮像視野R10(図2参照)に含む。
【0029】
1つ以上の撮像装置2は、実装ヘッド1と共にヘッドユニット10を構成する。つまり、本構成例に係るヘッドユニット10は、実装ヘッド1と、撮像装置2と、を備えている。言い換えれば、本構成例に係る実装システム100は、実装ヘッド1及び撮像装置2を含むヘッドユニット10と、駆動装置3と、部品供給装置4と、搬送装置5と、バックアップ装置6と、制御装置7と、照明装置8と、を備えている。ヘッドユニット10を構成する実装ヘッド1及び撮像装置2の各々については、「(2.3)実装ヘッド」及び「(2.4)撮像装置」の欄で詳しく説明する。
【0030】
駆動装置3は、実装ヘッド1を移動させる装置である。本構成例では、駆動装置3は、X-Y平面内で、実装ヘッド1を移動させる。ここでいう「X-Y平面」は、X軸及びY軸を含む平面であって、Z軸と直交する平面である。言い換えれば、駆動装置3は、実装ヘッド1をX軸方向及びY軸方向に移動させる。
【0031】
本構成例では、実装ヘッド1には撮像装置2が固定されているため、駆動装置3は、撮像装置2についても実装ヘッド1と共に移動させる。つまり、実装ヘッド1は、実装ヘッド1と共にヘッドユニット10を構成する撮像装置2ごと、駆動装置3によってX-Y平面内で駆動されることになる。言い換えれば、駆動装置3は、実装ヘッド1及び撮像装置2を含むヘッドユニット10を、X-Y平面内で移動させる。
【0032】
具体的には、駆動装置3は、図1に示すように、X軸駆動部31と、Y軸駆動部32と、を有している。X軸駆動部31は、実装ヘッド1をX軸方向に直進移動させる。Y軸駆動部32は、実装ヘッド1をY軸方向に直進移動させる。Y軸駆動部32は、実装ヘッド1を、X軸駆動部31ごとY軸に沿って移動させることで、実装ヘッド1をY軸方向に直進移動させる。本構成例では一例として、X軸駆動部31及びY軸駆動部32の各々は、リニアモータを含み、電力供給を受けてリニアモータで発生する駆動力により、実装ヘッド1(ヘッドユニット10)を移動させる。
【0033】
部品供給装置4は、実装ヘッド1の捕捉部11にて捕捉される第1対象物T1としての部品を供給する。部品供給装置4は、一例として、キャリアテープに収容された部品を供給するテープフィーダを有している。または、部品供給装置4は、複数の部品が載せ置かれたトレイを有していてもよい。実装ヘッド1は、このような部品供給装置4から、第1対象物T1(部品)を捕捉部11にて捕捉する。
【0034】
搬送装置5は、第2対象物T2としての基板を搬送する装置である。搬送装置5は、例えば、ベルトコンベヤ等で実現される。搬送装置5は、第2対象物T2(基板)を、例えば、X軸に沿って搬送する。搬送装置5は、少なくとも実装ヘッド1の下方、つまりZ軸方向において捕捉部11と対向する実装スペースに、第2対象物T2を搬送する。そして、搬送装置5は、実装ヘッド1による第2対象物T2(基板)への第1対象物T1(部品)の実装が完了するまでは、実装スペースに第2対象物T2を停止させる。
【0035】
バックアップ装置6は、搬送装置5によって実装スペースに搬送された第2対象物T2としての基板をバックアップする。つまり、搬送装置5によって実装スペースに搬送された第2対象物T2(基板)は、バックアップ装置6にて、実装スペースに保持される。バックアップ装置6は、少なくとも実装ヘッド1による第2対象物T2(基板)への第1対象物T1(部品)の実装が完了するまでは、実装スペースにて第2対象物T2をバックアップする。
【0036】
制御装置7は、実装システム100の各部を制御する。制御装置7は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成とする。すなわち、マイクロコントローラのメモリに記録されたプログラムを、マイクロコントローラのプロセッサが実行することにより、制御装置7の機能が実現される。プログラムはメモリにあらかじめ記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0037】
制御装置7は、例えば、実装ヘッド1、撮像装置2、駆動装置3、部品供給装置4、搬送装置5、バックアップ装置6及び照明装置8の各々と電気的に接続されている。制御装置7は、実装ヘッド1及び駆動装置3に制御信号を出力し、少なくとも捕捉部11にて捕捉した第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装するように、実装ヘッド1及び駆動装置3を制御する。また、制御装置7は、撮像装置2及び照明装置8に制御信号を出力し、撮像装置2及び照明装置8を制御したり、撮像装置2で撮像された画像を撮像装置2から取得したりする。
【0038】
照明装置8は、撮像装置2の撮像視野R10を照明する。照明装置8は、少なくとも撮像装置2が撮像するタイミングで撮像視野R10を照明すればよく、例えば、撮像装置2の撮像タイミングに合わせて発光する。本構成例では、撮像装置2で撮像される画像は、フルカラーの静止画であるので、照明装置8は、白色光等の可視光領域の波長域の光を出力する。本構成例では一例として、照明装置8は、LED(Light Emitting Diode)等の光源を複数有している。照明装置8は、これら複数の光源を発光させることで、撮像装置2の撮像視野R10を照らす。照明装置8は、例えば、リング照明又は同軸落射照明等の適宜の照明方式にて実現される。
【0039】
照明装置8は、例えば、撮像装置2と共に実装ヘッド1に固定されている。そして、照明装置8は、1つ以上の撮像装置2及び実装ヘッド1と共に、ヘッドユニット10を構成する。つまり、本構成例に係るヘッドユニット10は、実装ヘッド1及び撮像装置2に加えて、照明装置8を備えている。
【0040】
また、実装システム100は、上記構成に加えて、例えば、通信部等を備えている。通信部は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、上位システムと通信するように構成されている。これにより、実装システム100は、上位システムとの間でデータを授受することが可能である。
【0041】
(2.3)実装ヘッド
次に、実装ヘッド1のより詳細な構成について、図1図4Cを参照して説明する。
【0042】
本構成例では、実装ヘッド1は、捕捉部11に加えて、捕捉部11を移動させるためのアクチュエータ12(図3参照)と、捕捉部11及びアクチュエータ12を保持するヘッドボディ13と、を更に有している。本構成例に係る実装システム100では、1つのヘッドボディ13に、捕捉部11及びアクチュエータ12を複数(一例として16個)ずつ保持している。これにより、実装ヘッド1では、複数(ここでは16個)の第1対象物T1(部品)を同時に捕捉可能である。
【0043】
捕捉部11は、例えば、吸着ノズルである。捕捉部11は、制御装置7にて制御され、第1対象物T1を捕捉(保持)する捕捉状態と、第1対象物T1を解放(捕捉を解除)する解放状態と、を切替可能である。ただし、捕捉部11は、吸着ノズルに限らず、例えば、ロボットハンドのように第1対象物T1を挟む(摘む)ことによって捕捉(保持)する構成でもよい。
【0044】
捕捉部11による第1対象物T1の捕捉に関しては、実装ヘッド1は、動力としての空圧(真空)の供給を受けて動作する。つまり、実装ヘッド1は、捕捉部11に繋がる空圧(真空)の供給路上のバルブを開閉することによって、捕捉部11の捕捉状態と、解放状態と、を切り替える。
【0045】
アクチュエータ12は、捕捉部11をZ軸方向に直進移動させる。さらに、アクチュエータ12は、捕捉部11をZ軸方向に沿った軸線を中心とする回転方向(以下、「θ方向」という)に回転移動させる。本構成例では一例として、Z軸方向への捕捉部11の移動に関しては、アクチュエータ12は、リニアモータで発生する駆動力にて駆動する。θ方向への捕捉部11の移動に関しては、アクチュエータ12は、回転型モータで発生する駆動力にて駆動する。一方で、上述したように、実装ヘッド1は、駆動装置3によりX軸方向及びY軸方向に直進移動する。結果的に、実装ヘッド1に含まれる捕捉部11は、駆動装置3及びアクチュエータ12によって、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びθ方向に移動することが可能である。
【0046】
ここで、X軸方向及びY軸方向の移動に関しては、実装ヘッド1に含まれる複数の捕捉部11は、一体となって移動する。一方、Z軸方向及びθ方向の移動に関しては、実装ヘッド1に含まれる複数の捕捉部11は、それぞれ個別に移動する。さらに、実装ヘッド1に含まれる複数の捕捉部11は、捕捉状態と解放状態とを、それぞれ個別に切り替えることが可能である。
【0047】
ヘッドボディ13は、一例として、金属製であって直方体状に形成されている。複数の捕捉部11及びアクチュエータ12がヘッドボディ13に組み付けられることによって、ヘッドボディ13は捕捉部11及びアクチュエータ12を保持する。本構成例では、捕捉部11は、Z軸方向及びθ方向への移動が可能な状態で、アクチュエータ12を介してヘッドボディ13に間接的に保持される。実装ヘッド1は、ヘッドボディ13が駆動装置3にてX-Y平面内で移動させられることによって、X-Y平面内を移動する。図4Aでは、ヘッドボディ13を想像線(2点鎖線)で示している。
【0048】
上述した構成によれば、実装ヘッド1は、捕捉部11にて第1対象物T1(部品)を捕捉した状態で、捕捉部11を第2対象物T2(基板)に近づけるように移動させ、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装することが可能となる。つまり、実装ヘッド1は、捕捉部11を、少なくとも、第2対象物T2の実装面T21と対向する第1位置と、第1位置に比較して実装面T21から離れた第2位置と、の間で移動させる。ここで、図2では、捕捉部11が第1位置にあるときの捕捉部11及び第1対象物T1を実線で示し、捕捉部11が第2位置にあるときの捕捉部11及び第1対象物T1を想像線(2点鎖線)で示す。要するに、実装ヘッド1は、第1対象物T1を捕捉した状態の捕捉部11を、第2位置から第1位置に移動させることで、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する。
【0049】
ところで、本構成例では、実装ヘッド1は、捕捉部11を複数(一例として16個)有している。これら複数の捕捉部11は、図4A図4Cに示すように、第1捕捉部群G1と、第2捕捉部群G2とに分類される。第1捕捉部群G1及び第2捕捉部群G2は、それぞれX軸方向(第1方向)に沿って並ぶ、2つ以上の捕捉部11からなる。第1捕捉部群G1と第2捕捉部群G2とは、平面視においてX軸方向(第1方向)に直交するY軸方向(第2方向)に対向する。
【0050】
具体的には、図4A図4Cに示すように、実装ヘッド1は、第1捕捉部群G1を構成する8つの捕捉部11と、第2捕捉部群G2を構成する8つの捕捉部11と、を有している。第1捕捉部群G1を構成する8つの捕捉部11は、X軸に沿って一列に並べて配置されている。第2捕捉部群G2を構成する8つの捕捉部11は、X軸に沿って一列に並べて配置されている。そして、これら第1捕捉部群G1を構成する捕捉部11と、第2捕捉部群G2を構成する捕捉部11とは、Y軸方向において対向する。
【0051】
ここで、第1捕捉部群G1を構成する8つの捕捉部11、及び第2捕捉部群G2を構成する8つの捕捉部11は、いずれもX軸方向においては等間隔で配置されている。さらに、第1捕捉部群G1を構成する8つの捕捉部11、及び第2捕捉部群G2を構成する8つの捕捉部11は、Y軸方向(第2方向)においては、所定の間隔を空けて対向するように配置されている。本構成例では一例として、Y軸方向において隣接する2つの捕捉部11間の間隔は、X軸方向において隣接する2つの捕捉部11間の間隔よりも広い。
【0052】
(2.4)撮像装置
次に、撮像装置2のより詳細な構成について、図1図5を参照して説明する。
【0053】
本構成例では、撮像装置2は、図2及び図3に示すように、撮像素子21と、光学系22と、を有している。光学系22は、撮像素子21に対して、特定領域R1を含む撮像視野R10の画像Im1(図6B参照)を結像する。
【0054】
撮像素子21は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)のようなイメージセンサである。撮像素子21は、受光面に結像した画像を電気信号に変換して出力する。
【0055】
光学系22は、1つ以上のレンズ及びミラー等を含んでいる。本構成例では一例として、光学系22は、複数のレンズの組み合わせ(レンズ群)にて実現される。光学系22は、図2に示すような撮像視野R10からの光を、撮像素子21の受光面に結像させる。本構成例では、撮像装置2の光学系22は非テレセントリック光学系である。つまり、光学系全体で主光線が光軸(撮像光軸Ax1)に対して平行になるテレセントリック光学系とは異なり、撮像装置2では、主光線が光軸(撮像光軸Ax1)に対して傾斜する。
【0056】
ところで、撮像装置2は、図2に示すように、実装面T21のうちの実装面T21に垂直な方向(Z軸方向)において捕捉部11と対向する特定領域R1を、撮像視野R10に含んでいる。言い換えれば、撮像装置2は、第2対象物T2の実装面T21上に捕捉部11が位置する状態で、実装面T21における捕捉部11の直下の領域を、特定領域R1として撮像視野R10に含む。そのため、撮像装置2では、捕捉部11の直下の領域の画像を撮像することが可能である。
【0057】
具体的には、撮像装置2は、実装ヘッド1のヘッドボディ13に保持されることにより、実装ヘッド1に固定されている。ここでは、撮像装置2は、ヘッドボディ13の下面、つまりヘッドボディ13のうち第2対象物T2との対向面に固定されることで、ヘッドボディ13に保持されている。ヘッドボディ13の下面には、捕捉部11が配置されているため、撮像装置2は、平面視において捕捉部11の側方に配置されることになる。
【0058】
ここで、上述したように、撮像装置2は、実装面T21に垂直な撮像光軸Ax1を有している。つまり、撮像装置2は、その撮像光軸Ax1を実装面T21と直交させるような姿勢で実装ヘッド1に固定されている。ここでいう「直交」は、上述したように、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で略直交する状態も含む。そのため、撮像装置2の撮像光軸Ax1と実装面T21との間の角度は、厳密に90度であってもよいし、90度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内であってもよい。言い換えれば、撮像装置2の撮像光軸Ax1は、実装面T21の垂線に沿った軸であればよい。
【0059】
言い換えれば、撮像装置2の撮像光軸Ax1は、Z軸と略平行であって、撮像装置2の直下に向けられている。このように、撮像装置2は、捕捉部11の側方に配置され、かつ撮像光軸Ax1がZ軸に沿って直下に向けられながらも、捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像可能である。
【0060】
また、本構成例では、2以上の捕捉部11の直下の特定領域R1を1つの撮像装置2でカバーする。すなわち、本構成例では、実装ヘッド1は、上述したように捕捉部11を複数(2つ以上)有している。そして、1つの撮像装置2の撮像視野R10に含まれる特定領域R1は、実装面T21のうち実装面T21に垂直な方向において複数(2つ以上)の捕捉部11と対向する領域である。言い換えれば、1つの撮像装置2の撮像視野R10には、2以上の捕捉部11の直下の特定領域R1、つまり複数の特定領域R1が含まれる。そのため、本構成例に係る実装システム100は、1つの撮像装置2にて2以上の捕捉部11の直下の領域を撮像可能である。
【0061】
ここで、撮像装置2は、平面視において複数の捕捉部11のうちの2つの捕捉部11の間に位置する。本開示において2つの部位の「間に位置する」とは、2つの部位が並ぶ方向において、2つの部位の間に位置することを意味する。つまり、X軸方向に並ぶAとBとの間に位置するCは、X軸方向において、AとBとの間にあればよく、AとBとを結ぶ直線状にあることは必須でない。言い換えれば、AとBとを結ぶ直線(X軸方向に延びる直線)と直交するY-Z平面であって、Aを含むY-Z平面と、Bを含むY-Z平面との間にCがあれば、Cは、AとBとの間に位置することになる。
【0062】
そして、2つの捕捉部11の間に位置する1つの撮像装置2は、これら2つの捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像視野R10に含むことになる。つまり、1つの撮像装置2の撮像視野R10には、少なくとも、この撮像装置2の両側に位置する2つの捕捉部11の直下の特定領域R1が含まれる。本構成例では一例として、実装ヘッド1は、16個の捕捉部11を有しており、これら複数の捕捉部11のうち、2つ又は4つの捕捉部11の直下の特定領域R1を、1つの撮像装置2がカバーする。言い換えれば、1つの撮像装置2は、2つ又は4つの特定領域R1を、撮像視野R10に含んでいる。
【0063】
より詳細には、本構成例に係る実装システム100は、上述したように、撮像装置2を複数(一例として9つ)有している。これら複数の撮像装置2にて、複数(ここでは16個)の捕捉部11の全てについて、特定領域R1を撮像視野R10に含めることを可能とする。
【0064】
すなわち、複数(ここでは9つ)の撮像装置2は、図4A図4Cに示すように、X軸方向(第1方向)に沿って一列に並べて配置されている。一方で、実装ヘッド1は、上述したように、それぞれX軸方向(第1方向)に沿って並ぶ8つの捕捉部11からなる第1捕捉部群G1及び第2捕捉部群G2を有している。9つの撮像装置2は、これら2列に分かれた第1捕捉部群G1と第2捕捉部群G2との間に配置されている。
【0065】
ここで、9つの撮像装置2は、X軸方向においては等間隔で配置されている。さらに、各撮像装置2は、Y軸方向(第2方向)においては、第1捕捉部群G1を構成する8つの捕捉部11と第2捕捉部群G2を構成する8つの捕捉部11との真ん中(中間)に位置する。また、9つの撮像装置2のうち、X軸方向の両端となる2つの撮像装置2を除く7つの撮像装置2は、いずれも4つの捕捉部11から等距離となる位置に配置されている。
【0066】
このような配置によれば、9つの撮像装置2のうち、X軸方向の両端となる2つの撮像装置2を除く7つの撮像装置2については、いずれも周囲に4つの捕捉部11が位置することになる。そのため、これら7つの撮像装置2においては、それぞれ周囲の4つの捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像視野R10に含むことになる。つまり、これら7つの撮像装置2のそれぞれの撮像視野R10には、少なくとも、この各撮像装置2の周囲に位置する4つの捕捉部11の直下の特定領域R1が含まれる。言い換えれば、これら7つの撮像装置2は、それぞれ4つの特定領域R1を、撮像視野R10に含んでいる。
【0067】
また、9つの撮像装置2のうち、X軸方向の両端となる2つの撮像装置2については、いずれも周囲に2つの捕捉部11が位置することになる。そのため、これら2つの撮像装置2においては、それぞれ周囲の2つの捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像視野R10に含むことになる。つまり、これら2つの撮像装置2のそれぞれの撮像視野R10には、少なくとも、この各撮像装置2の周囲に位置する2つの捕捉部11の直下の特定領域R1が含まれる。言い換えれば、これら(X軸方向の両端となる)2つの撮像装置2は、それぞれ2つの特定領域R1を、撮像視野R10に含んでいる。
【0068】
ところで、本構成例に係る実装システム100では、図5に示すように、撮像視野R10を中央部R101と周辺部R102とに二分した場合に、撮像装置2は、撮像視野R10の中央部R101よりも周辺部R102において高解像度である。図5は、平面視における撮像装置2の撮像視野R10を模式的に表す説明図である。図5の例では、中央部R101は、各撮像装置2の撮像視野R10のうちの中央に位置する円形状の領域であって、周辺部R102は、中央部R101を囲む円環状の領域である。言い換えれば、撮像視野R10のうち、平面視において外周に沿った領域が周辺部R102であって、周辺部R102で囲まれた領域が中央部R101である。図5では、網掛け(ドットハッチング)領域が周辺部R102を表している。
【0069】
本開示でいう「解像度」は、撮像素子21及び光学系22を合わせた総合的な性能を意味する。つまり、光学系22の性能を表す指標の一例としては、変調伝達関数(MTF:Modulation Transfer Function)特性があり、これは光学系22(レンズ)の解像力とコントラストとの両方の情報を同時に表す。本構成例では、撮像視野R10の中央部R101よりも周辺部R102において高解像度であるので、中央部R101よりも周辺部R102の方が、MTF特性が高く(良好に)なる。よって、撮像視野R10の中央部R101に含まれる被写体よりも、周辺部R102に含まれる被写体の方が、撮像装置2では高精細に捉えることが可能である。
【0070】
ここで、本構成例では、上述したように、撮像装置2は、捕捉部11の側方に配置され、かつ撮像光軸Ax1がZ軸に沿って直下に向けられながらも、捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像可能である。すなわち、撮像装置2は、特定領域R1を撮像視野R10の中央部R101ではなく、撮像視野R10の周辺部R102で捉えることによって、捕捉部11の直下の特定領域R1の撮像を可能とする。言い換えれば、撮像装置2の撮像視野R10を中央部R101と周辺部R102とに二分した場合に、特定領域R1は、撮像装置2の撮像視野R10の周辺部R102に含まれる。
【0071】
そして、特定領域R1が含まれる周辺部R102は、撮像視野R10のうち中央部R101に比較して高解像度である。したがって、撮像装置2は、特定領域R1を撮像視野R10の周辺部R102で捉えながらも、特定領域R1の比較的(中央部R101に比べて)高解像度の画像を得ることが可能である。
【0072】
さらに、撮像装置2が、撮像視野R10の中央部R101よりも周辺部R102において高解像度である、という構成については、撮像装置2の撮像光軸Ax1が実装面T21に垂直である構成とは切り離して、それ単独で採用可能である。すなわち、実装システム100は、実装ヘッド1と、撮像装置2と、を備える。実装ヘッド1は、捕捉部11を有する。実装ヘッド1は、捕捉部11にて第1対象物T1を捕捉した状態で捕捉部11を第2対象物T2に近づけるように移動させ、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する。撮像装置2は、実装ヘッド1に固定される。撮像装置2は、実装面T21のうちの実装面T21に垂直な方向において捕捉部11と対向する特定領域R1を撮像視野R10に含む。ここで、撮像視野R10を中央部R101と周辺部R102とに二分した場合に、撮像装置2は、撮像視野R10の中央部R101よりも周辺部R102において高解像度である。この場合、撮像装置2の撮像光軸Ax1が実装面T21に垂直であることは必須でなく、撮像装置2の撮像光軸Ax1が実装面T21の垂線に対して傾斜していてもよい。
【0073】
また、本構成例に係る実装システム100は、図5に示すように、複数(ここでは9つ)の撮像装置2のうちの2つの撮像装置2を、第1撮像装置201及び第2撮像装置202として用いることで、ステレオカメラを実現する。つまり、本構成例では、9つの撮像装置2のうち、X軸方向において隣接する2つの撮像装置2(第1撮像装置201及び第2撮像装置202)によって、ステレオカメラ方式で被写体までの距離情報を取得可能である。
【0074】
要するに、本構成例に係る実装システム100は、撮像装置2としての第1撮像装置201とは別に、実装ヘッド1に固定され、特定領域R1を撮像視野R10に含む第2撮像装置202を更に備えている。第2撮像装置202の撮像視野R10である第2撮像視野R200は、第1撮像装置201の撮像視野R10である第1撮像視野R100とは異なる領域を含んでいる。特定領域R1は、第1撮像視野R100と第2撮像視野R200とが重複する領域に含まれる。
【0075】
これにより、捕捉部11の直下の特定領域R1は、第1撮像装置201の撮像視野R10(第1撮像視野R100)と、第2撮像装置202の撮像視野R10(第2撮像視野R200)との両方に含まれることになる。したがって、第1撮像装置201及び第2撮像装置202の両方の出力からは、特定領域R1のステレオ画像を得ることができる。よって、実装システム100は、特定領域R1内の被写体については、ステレオカメラ方式によって、実装ヘッド1からの距離を表す距離情報を取得することができる。結果的に、実装システム100は、特定領域R1内の被写体を三次元的に捉えることが可能である。
【0076】
ここで、本構成例では、9つの撮像装置2は、全て共通の構成を有している。そのため、第1撮像装置201は、9つの撮像装置2のうちの任意の撮像装置2であればよく、第2撮像装置202は、第1撮像装置201と隣接する撮像装置2であればよい。例えば、第1撮像装置201及び第2撮像装置202のいずれにおいても、実装面T21に垂直な撮像光軸Ax1を有している。また、第1撮像装置201及び第2撮像装置202のいずれにおいても、撮像視野を中央部R101と周辺部R102とに二分した場合に、撮像視野R10の中央部R101よりも周辺部R102において高解像度である。
【0077】
特に、本構成例では、捕捉部11は、平面視において第1撮像装置201と第2撮像装置202との間に位置する。より詳細には、第1撮像装置201と第2撮像装置202との間に位置する捕捉部11は、X軸方向において、第1撮像装置201と第2撮像装置202との真ん中(中間)に位置する。これにより、図5に示すように、第1撮像装置201の撮像視野R10(第1撮像視野R100)の周辺部R102と、第2撮像装置202の撮像視野R10(第2撮像視野R200)の周辺部R102との重複部位を、特定領域R1に合わせることができる。したがって、第1撮像装置201及び第2撮像装置202によれば、特定領域R1内の被写体を三次元的に、かつ比較的(中央部R101に比べて)高解像度で捉えることが可能である。
【0078】
また、本構成例では、上述したように、実装ヘッド1は、第1捕捉部群G1を構成する8つの捕捉部11と、第2捕捉部群G2を構成する8つの捕捉部11と、を有している。ここで、第1撮像装置201及び第2撮像装置202は、図4Aに示すように、平面視において第1捕捉部群G1と第2捕捉部群G2との間に位置する。要するに、本構成例では、第1撮像装置201及び第2撮像装置202となり得る2つの撮像装置2を含む9つの撮像装置2は、第1捕捉部群G1と第2捕捉部群G2との間に配置されている。そのため、第1撮像装置201及び第2撮像装置202は、平面視において第1捕捉部群G1と第2捕捉部群G2との間に位置することになる。
【0079】
(3)撮像方法
次に、本構成例に係る撮像方法について、図6A図6B及び図7を参照して説明する。
【0080】
本構成例に係る撮像方法は、実装ヘッド1を備える、実装システム100に用いられる撮像方法である。実装ヘッド1は、捕捉部11を有する。実装ヘッド1は、捕捉部11にて第1対象物T1を捕捉した状態で捕捉部11を第2対象物T2に近づけるように移動させ、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する。上記撮像方法は、撮像装置2にて、特定領域R1を撮像する工程を有する。撮像装置2は、実装ヘッド1に固定される。撮像装置2は、実装面T21のうちの実装面T21に垂直な方向において捕捉部11と対向する特定領域R1を撮像視野R10に含み、かつ実装面T21に垂直な撮像光軸Ax1を有する。
【0081】
すなわち、本構成例に係る撮像方法は、本構成例に係る実装システム100を用いて、特定領域R1を撮像する方法である。この撮像方法では、実装面T21のうちの実装面T21に垂直な方向において捕捉部11と対向する特定領域R1を撮像視野R10に含む撮像装置2にて、特定領域R1が撮像される。したがって、少なくとも実装面T21のうちの捕捉部11の直下の領域を撮像可能となる。しかも、撮像装置2の撮像光軸Ax1は、実装面T21に対して垂直であるので、実装面T21に対して直交する姿勢で撮像装置2を配置することが可能である。
【0082】
この撮像方法では、撮像装置2の撮像光軸Ax1を特定領域R1に向けるのではなく、敢えて撮像装置2の撮像光軸Ax1を特定領域R1外に向けることで、撮像装置2の撮像視野R10の端の方に特定領域R1が映り込むようにしている。これにより、撮像装置2の撮像光軸Ax1を、実装面T21に対して垂直にすることが可能となる。そのため、例えば、実装面T21に平行な平面内での撮像装置2の占有面積を比較的小さく抑えて、撮像装置2による実装ヘッド1の移動範囲の制約を受けにくい等の利点がある。よって、特定領域R1の撮像により適した撮像方法を提供することができる。
【0083】
そして、上述した撮像方法によれば、例えば、図6Aに示すように、第2対象物T2(基板)の実装面T21のうち捕捉部11の直下の特定領域R1に、第1対象物T1(部品)が実装された状態では、第1対象物T1を撮像装置2にて撮像可能である。つまり、図6Aの状態において、いずれか1つの撮像装置2では、図6Bに示すように、特定領域R1に第1対象物T1が映り込んだ状態の画像Im1が得られる。図6Bに示す画像Im1は、4つの特定領域R1を撮像視野R10に含む撮像装置2、つまりX軸方向の両端となる2つの撮像装置2を除く7つの撮像装置2のいずれかで得られる画像である。
【0084】
このように、本構成例に係る撮像方法によれば、捕捉部11の直下の特定領域R1にある第1対象物T1を、撮像装置2にて撮像することができる。ここで、撮像装置2は、特定領域R1を撮像視野R10の中央部R101ではなく、撮像視野R10の周辺部R102で捉えるので、第1対象物T1は、図6Bのように、画像Im1の周辺領域(ここでは四隅)に映り込むことになる。そして、本構成例では、撮像視野R10の中央部R101よりも周辺部R102において高解像度であるので、特定領域R1にある第1対象物T1を比較的(中央部R101に比べて)高解像度で撮像することができる。また、この撮像方法では、第1撮像装置201及び第2撮像装置202により、特定領域R1内の第1対象物T1については、ステレオカメラ方式によって三次元的に捉えることが可能である。
【0085】
図7は、本構成例に係る撮像方法を含む、実装システム100の全体動作を表すフローチャートである。
【0086】
まず、実装システム100は、捕捉工程S1を実行する。捕捉工程S1では、実装システム100は、部品供給装置4から供給される第1対象物T1(部品)の上方に位置する捕捉部11を、部品供給装置4(第1対象物T1)に近づく向きに移動(下降)させて、捕捉部11にて第1対象物T1を捕捉する。そして、実装システム100は、第1対象物T1を捕捉した状態の捕捉部11を、部品供給装置4(第1対象物T1)から離れる向きに移動(上昇)させる。本構成例では、実装ヘッド1には複数の捕捉部11が含まれているため、捕捉工程S1では、実装システム100は、複数の捕捉部11の各々を駆動することで、複数の捕捉部11の各々にて第1対象物T1を捕捉する。第1対象物T1を捕捉後、実装システム100は、実装ヘッド1を駆動装置3にて駆動し、第1対象物T1を捕捉した状態の捕捉部11を第2対象物T2上へと移動させる。
【0087】
次に、実装システム100は、本構成例に係る撮像方法を実施する(S2)。すなわち、実装システム100は、捕捉部11が第2対象物T2上に位置する状態で、撮像装置2にて、捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像する(S2)。
【0088】
撮像装置2で特定領域R1が撮像されると、撮像装置2は、得られた画像Im1を制御装置7へ出力する(S3)。制御装置7は、撮像装置2から取得した画像Im1を、単に記録するだけでもよいし、リアルタイムで解析してもよい。
【0089】
実装工程S4では、実装システム100は、第2対象物T2の上方に位置する捕捉部11を、第2対象物T2に近づく向きに移動(下降)させて、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する。つまり、実装システム100は、第1対象物T1が第2対象物T2の実装面T21に到達した際に、捕捉部11による捕捉を解除して第1対象物T1を解放する。そして、実装システム100は、第1対象物T1を解放した捕捉部11を、第2対象物T2から離れる向きに移動(上昇)させる。本構成例では、実装ヘッド1には複数の捕捉部11が含まれているため、実装工程S4では、実装システム100は、複数の捕捉部11の各々を駆動することで、複数の捕捉部11の各々にて第1対象物T1を実装する。
【0090】
上記撮像方法(S2)で得られる画像Im1からは、例えば、第1対象物T1の実装前の実装面T21の状態、一例として、クリーム状はんだの塗布状態、異物の有無又は変形等について、確認することが可能である。特に、本構成例では、捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像できるので、第1対象物T1の実装直前の実装面T21を確認しやすくなる。
【0091】
図7のフローチャートは、実装システム100の全体動作の一例に過ぎず、処理を適宜省略又は追加してもよいし、処理の順番が適宜変更されていてもよい。例えば、実装工程S4後に、撮像装置2にて、捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像すれば、第1対象物T1の実装後の実装面T21の状態、一例として、第1対象物T1の実装の正常/異常、第1対象物T1の向き、又は欠品等について、確認することが可能である。特に、本構成例では、捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像できるので、第1対象物T1の実装直後の実装面T21を確認しやすくなる。
【0092】
また、実装工程S4の途中で、撮像装置2にて、捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像すれば、第1対象物T1の実装中の実装面T21の状態、一例として、捕捉部11での第1対象物T1の捕捉状態等について、確認することが可能である。特に、本構成例では、捕捉部11の直下の特定領域R1を撮像できるので、第1対象物T1の実装中であっても実装面T21を確認しやすくなる。
【0093】
(4)変形例
基本構成は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。基本構成は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、本開示で参照する図面は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、基本構成に係る撮像方法と同様の機能は、実装システム100、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係るプログラムは、基本構成に係る撮像方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0094】
以下、基本構成の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0095】
本開示における実装システム100は、例えば、制御装置7等にコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における実装システム100としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0096】
また、実装システム100における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは実装システム100に必須の構成ではない。実装システム100の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、実装システム100の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0097】
反対に、基本構成において、複数の装置に分散されている実装システム100の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、実装ヘッド1と制御装置7とに分散されている一部の機能が、全て実装ヘッド1に集約されてもよい。
【0098】
また、実装システム100の用途は、工場での電子機器の製造に限らない。例えば、ガラス板への機械部品の実装に実装システム100が用いられる場合、実装システム100は、第2対象物T2であるガラス板に対して、第1対象物T1である機械部品を実装する作業を行う。
【0099】
また、ヘッドユニット10に備わっている捕捉部11の数、撮像装置2の数は、基本構成で説明した数に限らない。例えば、捕捉部11は15個以下又は17個以上であってもよいし、撮像装置2は8つ以下又は10個以上であってもよい。もちろん、ヘッドユニット10が捕捉部11を1つだけ備えていてもよいし、撮像装置2を1つだけ備えていてもよい。さらに、捕捉部11及び撮像装置2の配置についても、基本構成で説明した配置に限らず、適宜変更可能である。
【0100】
また、撮像装置2は、フルカラーの静止画を撮影可能なスチルカメラに限らず、例えば、モノクロ画像を撮影可能なカメラ、動画像を撮像可能なカメラ、又はラインセンサ等であってもよい。
【0101】
また、撮像視野R10の周辺部R102は真円の環状に限らず、楕円、三角形、多角形又は自由曲線を含む環状であってもよい。
【0102】
(実施形態1)
本実施形態に係る実装システム100Aは、図8A及び図8Bに示すように、特定領域R1である第1特定領域R1に加えて、第2特定領域R2を撮像装置2の撮像視野R10に含む点で、基本構成に係る実装システム100と相違する。以下、基本構成と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0103】
実装システム100Aは、実装ヘッド1と、撮像装置2と、を備えている。実装ヘッド1は、第1対象物T1を捕捉する捕捉部11を有する。実装ヘッド1は、捕捉部11を、第1位置と、第2位置と、の間で移動させ、第1対象物T1を実装面T21に実装する。第1位置は、第2対象物T2の実装面T21と対向する位置である。第2位置は、第1位置に比較して実装面T21から離れた位置である。撮像装置2は、第1特定領域R1と、第2特定領域R2と、を撮像視野R10に含む。第1特定領域R1は、実装面T21のうちの実装面T21に垂直な方向(Z軸方向)において第1位置にある捕捉部11と対向する領域である。第2特定領域R2は、第2位置にある捕捉部11の側面を含む領域である。
【0104】
ここで、図8Aでは、捕捉部11が第1位置にあるときの捕捉部11及び第1対象物T1を実線で示し、捕捉部11が第2位置にあるときの捕捉部11及び第1対象物T1を想像線(2点鎖線)で示す。要するに、実装ヘッド1は、第1対象物T1を捕捉した状態の捕捉部11を、第2位置から第1位置に移動させることで、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する。第1特定領域R1は、捕捉部11が第1位置にある状態で、実装面T21において捕捉部11の直下となる領域である。第2特定領域R2は、捕捉部11が第2位置にある状態で、捕捉部11の側面を含む領域、つまり捕捉部11を側方から見た領域である。本実施形態では、第1位置は捕捉部11の下死点であって、第2位置は捕捉部11の上死点である。ただし、本開示でいう「下死点」とは、捕捉部11の可動域における下限位置ではなく、第1対象物T1を第2対象物T2の実装面T21に実装する際の捕捉部11の下限位置をいう。
【0105】
上記構成によれば、撮像装置2は、実装面T21のうちの実装面T21に垂直な方向において捕捉部11と対向する第1特定領域R1を撮像視野R10に含むので、少なくとも実装面T21のうちの捕捉部11の直下の領域を撮像可能となる。しかも、第1特定領域R1に加えて、第2位置にある捕捉部11の側面を含む第2特定領域R2も、撮像装置2の撮像視野R10に含むので、例えば、捕捉部11での第1対象物T1の捕捉状態を確認可能となる。そのため、実装面T21の状態と、実装前又は実装後の捕捉部11の状態と、を確認可能としながらも、実装面T21に平行な平面内での撮像装置2の占有面積を比較的小さく抑えて、撮像装置2による実装ヘッド1の移動範囲の制約を受けにくい等の利点がある。よって、実装状態の撮像により適した実装システム100Aを提供することができる。
【0106】
本実施形態において、1つ以上の撮像装置2は、実装ヘッド1と共にヘッドユニット10Aを構成する。つまり、本実施形態に係るヘッドユニット10Aは、実装ヘッド1と、撮像装置2と、を備えている。言い換えれば、本実施形態に係る実装システム100Aは、実装ヘッド1及び撮像装置2を含むヘッドユニット10Aと、駆動装置3と、部品供給装置4と、搬送装置5と、バックアップ装置6と、制御装置7と、照明装置8と、を備えている。
【0107】
ここで、本実施形態では、撮像装置2の撮像視野R10は、第1特定領域R1と第2特定領域R2とを同時に含む。すなわち、撮像装置2においては、その撮像視野R10に第1特定領域R1が含まれる際には、第2特定領域R2も撮像視野R10に含まれる。したがって、撮像装置2は、第1特定領域R1と第2特定領域R2とを別々に撮像するのではく、同時に撮像することが可能である。
【0108】
また、撮像装置2は、図8Aに示すように、撮像素子21と、光学系22と、を有している。光学系22は、撮像素子21に対して、第1特定領域R1及び第2特定領域R2を含む撮像視野R10の画像を結像する。要するに、光学系22では、第1特定領域R1からの光を撮像素子21の受光面に結像する第1光路と、第2特定領域R2からの光を撮像素子21の受光面に結像する第2光路と、が形成される。しかも、本実施形態では、撮像装置2の撮像視野R10は、第1特定領域R1と第2特定領域R2とを同時に含むので、これら第1光路と第2光路とは同時に形成されることになる。
【0109】
特に、光学系22は、図8Bに示すように、レンズ群221と、プリズム222と、を含んでいる。レンズ群221及びプリズム222は、撮像素子21の下方において、レンズ群221が撮像素子21側(上側)となるように、Z軸方向に沿って並べて配置されている。
【0110】
プリズム222は、反射面を有し、撮像装置2に側方(つまり、Z軸に交差する方向)から入射した光L1を、反射面にてレンズ群221側に反射する。一方、撮像装置2に斜め下方(つまり、下方であってZ軸に対して傾斜した方向)から入射した光L2は、プリズム222の側方を通してレンズ群221に入射する。レンズ群221は、プリズム222を通した光L1、及びプリズム222の側方を通った光L2を、撮像素子21の受光面に結像させる。ここで、プリズム222で反射される光L1は、第2特定領域R2から入射する光であって、プリズム222の側方を通る光L2は、第1特定領域R1から入射する光である。このような光学系22により、撮像素子21には、第1特定領域R1と第2特定領域R2との両方からの光が入射する。結果的に、光学系22は、撮像素子21に対して、第1特定領域R1及び第2特定領域R2を含む撮像視野R10の画像を結像することになる。
【0111】
また、図8Aに示すように、第1特定領域R1と第2特定領域R2とは、分離可能な別領域である。つまり、第1特定領域R1と第2特定領域R2とでは重複する領域がなく、第1特定領域R1と第2特定領域R2とは完全に切り分けることが可能である。より厳密には、第2特定領域R2の下端位置は、第1特定領域R1の上端位置よりも上方に位置する。
【0112】
ところで、本実施形態における第1特定領域R1は、基本構成における特定領域R1に相当するので、基本構成において説明した特定領域R1についての構成は、第1特定領域R1についても適用される。基本構成において説明した特定領域R1と同様の点について、図9を参照して以下に説明する。図9は、平面視における撮像装置2の撮像視野R10を模式的に表す説明図である。図9では、9つの撮像装置2のうちの一部(ここでは3つ)の撮像装置2の撮像視野R10のみを示しているが、他の撮像装置2の撮像視野R10も同様である。図9では、ヘッドボディ13を想像線(2点鎖線)で示している。
【0113】
例えば、本実施形態に係る実装システム100Aは、図9に示すように、複数(ここでは9つ)の撮像装置2のうちの2つの撮像装置2を、第1撮像装置201及び第2撮像装置202として用いることで、ステレオカメラを実現する。つまり、本実施形態では、9つの撮像装置2のうち、X軸方向において隣接する2つの撮像装置2(第1撮像装置201及び第2撮像装置202)によって、ステレオカメラ方式で被写体までの距離情報を取得可能である。
【0114】
要するに、本実施形態に係る実装システム100Aは、撮像装置2としての第1撮像装置201とは別に、実装ヘッド1に固定され、第1特定領域R1を撮像視野R10に含む第2撮像装置202を更に備えている。第2撮像装置202の撮像視野R10である第2撮像視野R200は、第1撮像装置201の撮像視野R10である第1撮像視野R100とは異なる領域を含んでいる。第1特定領域R1は、第1撮像視野R100と第2撮像視野R200とが重複する領域に含まれる。
【0115】
これにより、捕捉部11の直下の第1特定領域R1は、第1撮像装置201の撮像視野R10(第1撮像視野R100)と、第2撮像装置202の撮像視野R10(第2撮像視野R200)との両方に含まれることになる。したがって、第1撮像装置201及び第2撮像装置202の両方の出力からは、第1特定領域R1のステレオ画像を得ることができる。よって、実装システム100Aは、第1特定領域R1内の被写体については、ステレオカメラ方式によって、実装ヘッド1からの距離を表す距離情報を取得することができる。結果的に、実装システム100Aは、第1特定領域R1内の被写体を三次元的に捉えることが可能である。
【0116】
ここで、本実施形態では、9つの撮像装置2は、全て共通の構成を有している。そのため、第1撮像装置201は、9つの撮像装置2のうちの任意の撮像装置2であればよく、第2撮像装置202は、第1撮像装置201と隣接する撮像装置2であればよい。例えば、第1撮像装置201及び第2撮像装置202のいずれにおいても、第1特定領域R1に加えて、第2特定領域R2を撮像装置2の撮像視野R10に含んでいる。
【0117】
また、本実施形態では、2以上の捕捉部11の直下の第1特定領域R1を1つの撮像装置2でカバーする。すなわち、本実施形態では、実装ヘッド1は、捕捉部11を複数(2つ以上)有している。そして、1つの撮像装置2の撮像視野R10に含まれる第1特定領域R1は、実装面T21のうち実装面T21に垂直な方向において第1位置にある複数(2つ以上)の捕捉部11と対向する領域である。言い換えれば、1つの撮像装置2の撮像視野R10には、2以上の捕捉部11の直下の第1特定領域R1、つまり複数の第1特定領域R1が含まれる。そのため、本実施形態に係る実装システム100は、1つの撮像装置2にて2以上の捕捉部11の直下の領域を撮像可能である。
【0118】
ただし、1つの撮像装置2でカバーされる捕捉部11の数が、捕捉部11の直下である第1特定領域R1と、捕捉部11を側方から捉えた(側方から見た)第2特定領域R2と、で相違する。つまり、複数の捕捉部11のうち、1つの撮像装置2の撮像視野R10において、第1特定領域R1に対応する捕捉部11の数は、第2特定領域R2に対応する捕捉部11の数よりも多い。ここで、第1特定領域R1に対応する捕捉部11の数は、第1特定領域R1を直下に持つ捕捉部11、つまり第1特定領域R1の直上の捕捉部11の個数を意味する。第2特定領域R2に対応する捕捉部11の数は、第2特定領域R2に側面が含まれる捕捉部11の個数を意味する。
【0119】
具体的には、図9に示すように、撮像装置2の撮像視野R10は、中央部R101及び周辺部R102に加えて、側方部R103を含んでいる。側方部R103は、撮像装置2から双方(Z軸に直交する方向)に向けて延びる領域であって、第2特定領域R2に向けられている。つまり、第2特定領域R2は、撮像視野R10のうちの側方部R103に含まれる。図9では、網掛け(ドットハッチング)領域が周辺部R102及び側方部R103を表している。
【0120】
そして、図9から明らかなように、1つの撮像装置2の撮像視野R10において、周辺部R102に含まれる第1特定領域R1は4つの捕捉部11に対応するのに対し、側方部R103に含まれる第2特定領域R2は2つの捕捉部11に対応する。具体的には、第1特定領域R1は、撮像装置2を中心とする円環状の周辺部R102に位置する4つの捕捉部11に対応する。一方、第2特定領域R2は、撮像装置2から見てX-Y平面内で対角線上に位置する2つの捕捉部11に対応する。このような構成にすることで、プリズム222の形状を比較的簡単な形状とすることができる。しかも、複数(ここでは9つ)の撮像装置2によれば、複数(ここでは16個)の捕捉部11の全てについて、第2特定領域R2を撮像視野R10に含めることが可能である。
【0121】
ただし、この構成では、ステレオ画像が得られるのは、第1特定領域R1及び第2特定領域R2のうちの第1特定領域R1のみとなる。つまり、第2特定領域R2に関しては、第1撮像装置201の撮像視野R10(第1撮像視野R100)と、第2撮像装置202の撮像視野R10(第2撮像視野R200)とが重複する領域に含まれないため、ステレオ画像を取得することができない。結果的に、実装システム100Aは、第1特定領域R1及び第2特定領域R2のうちの第1特定領域R1のみについて、被写体を三次元的に捉えることが可能である。
【0122】
次に、本実施形態に係る撮像方法について、図10A及び図10Bを参照して説明する。
【0123】
本実施形態に係る撮像方法は、実装ヘッド1を備える、実装システム100に用いられる撮像方法である。実装ヘッド1は、第1対象物T1を捕捉する捕捉部11を有する。実装ヘッド1は、捕捉部11を、第2対象物T2の実装面T21と対向する第1位置と、第1位置に比較して実装面T21から離れた第2位置と、の間で移動させ、第1対象物T1を実装面T21に実装する。上記撮像方法は、撮像装置2にて、第1特定領域R1及び第2特定領域R2を撮像する工程を有する。撮像装置2は、実装ヘッド1に固定される。撮像装置2は、実装面T21のうちの実装面T21に垂直な方向において第1位置にある捕捉部11と対向する第1特定領域R1と、第2位置にある捕捉部11の側面を含む第2特定領域R2と、を撮像視野R10に含む。
【0124】
すなわち、本実施形態に係る撮像方法は、本実施形態に係る実装システム100Aを用いて、第1特定領域R1及び第2特定領域R2を撮像する方法である。この撮像方法では、実装面T21のうちの実装面T21に垂直な方向において第1位置にある捕捉部11と対向する第1特定領域R1を撮像視野R10に含む撮像装置2にて、第1特定領域R1が撮像される。したがって、少なくとも実装面T21のうちの捕捉部11の直下の領域を撮像可能となる。
【0125】
しかも、第1特定領域R1に加えて、第2位置にある捕捉部11の側面を含む第2特定領域R2も、撮像装置2の撮像視野R10に含むので、例えば、捕捉部11での第1対象物T1の捕捉状態を確認可能となる。そのため、実装面T21の状態と、実装前又は実装後の捕捉部11の状態と、を確認可能としながらも、実装面T21に平行な平面内での撮像装置2の占有面積を比較的小さく抑えて、撮像装置2による実装ヘッド1の移動範囲の制約を受けにくい等の利点がある。よって、実装状態の撮像により適した撮像方法を提供することができる。
【0126】
そして、上述した撮像方法によれば、例えば、図10Aに示すように、第2対象物T2(基板)の実装面T21のうち捕捉部11の直下の第1特定領域R1に、第1対象物T1(部品)が実装された状態では、第1対象物T1を撮像装置2にて撮像可能である。つまり、図10Aの状態において、いずれか1つの撮像装置2では、図10Bに示すように、第1特定領域R1に第1対象物T1が映り込んだ状態の画像Im1が得られる。さらに、図10Aの状態において、いずれか1つの撮像装置2では、図10Bに示すように、第2特定領域R2に捕捉部11が映り込んだ状態の画像Im1が得られる。図10Bに示す画像Im1は、4つの第1特定領域R1を撮像視野R10に含む撮像装置2、つまりX軸方向の両端となる2つの撮像装置2を除く7つの撮像装置2のいずれかで得られる画像である。
【0127】
このように、本実施形態に係る撮像方法によれば、第1位置にある捕捉部11の直下の第1特定領域R1にある第1対象物T1を、撮像装置2にて撮像することができる。さらに、第2位置にある捕捉部11の側面を含む第2特定領域R2を、撮像装置2にて撮像することができる。ここで、撮像装置2は、第1特定領域R1を撮像視野R10の中央部R101ではなく、撮像視野R10の周辺部R102で捉えるので、第1対象物T1は、図10Bのように、画像Im1の周辺領域R12(ここでは四隅)に映り込むことになる。一方で、撮像装置2は、第2特定領域R2については撮像視野R10の中央部R101で捉えるので、第2特定領域R2における(第2位置にある)捕捉部11は、図10Bのように、画像Im1の中央領域R11に映り込むことになる。図10Bの例では、中央領域R11は、画像Im1のうちの中央に位置する矩形状の領域であって、周辺領域R12は、中央領域R11を囲む矩形枠状の領域である。言い換えれば、画像Im1のうち、外周に沿った領域が周辺領域R12であって、周辺領域R12で囲まれた領域が中央領域R11である。図10Bでは、斜線領域が中央領域R11を表している。
【0128】
すなわち、撮像素子21上で結像される画像Im1を、中央領域R11と周辺領域R12とに二分した場合に、第1特定領域R1は、画像Im1の周辺領域R12に含まれ、第2特定領域R2は、画像Im1の中央領域R11に含まれる。このような構成は、光学系22の設計によって実現される。つまり、図8Bに示したように、第2特定領域R2からの光L1が撮像素子21の受光面の中央部に結像するように、光学系22が設計されることによって、第2特定領域R2は、画像Im1の中央領域R11に含まれることになる。
【0129】
そして、本実施形態では、撮像視野R10の中央部R101よりも周辺部R102において高解像度であるので、第1特定領域R1にある第1対象物T1を比較的(中央部R101に比べて)高解像度で撮像することができる。言い換えれば、撮像装置2は、画像Im1の中央領域R11よりも周辺領域R12において高解像度である。また、この撮像方法では、第1撮像装置201及び第2撮像装置202により、第1特定領域R1内の第1対象物T1については、ステレオカメラ方式によって三次元的に捉えることが可能である。
【0130】
実施形態1(変形例を含む)で説明した構成は、基本構成で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
【0131】
(実施形態2)
本実施形態に係る実装システム100Bは、図11A及び図11Bに示すように、ヘッドユニット10Bの実装ヘッド1がロータリヘッドである点で、基本構成に係る実装システム100と相違する。以下、基本構成と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0132】
本実施形態では、実装ヘッド1は、複数(一例として8つ)の捕捉部11を有している。複数の捕捉部11は、回転軸C1を中心とする円周上に等間隔で並べて配置されている。そして、回転軸C1を中心とする円周上の1カ所が「実装位置」となり、実装ヘッド1は、実装位置に位置する1つの捕捉部11を、図11Bに示すように、下降させることで、第1対象物T1を第2対象物T2に実装する。実装ヘッド1は、回転軸C1を中心として複数の捕捉部11を回転させることで、実装位置に位置する捕捉部11を切り替える機能を有する(図11A中の矢印参照)。
【0133】
本実施形態に係る実装システム100Bは、2つの撮像装置2を備えている。実装システム100Bは、これら2つの撮像装置2を、第1撮像装置201及び第2撮像装置202として用いることで、ステレオカメラを実現する。2つの撮像装置2は、図11A及び図11Bに示すように、複数の捕捉部11のうちの、実装位置に位置する1つの捕捉部11に隣接して配置される。この状態で、2つの撮像装置2は、その撮像視野R10に、実装位置に位置する1つの捕捉部11の直下の(第1)特定領域R1を含む。ここで、実装ヘッド1は、回転軸C1を中心として複数の捕捉部11を回転させれば、実装位置に位置する捕捉部11が切り替わるので、2つの撮像装置2は、複数の捕捉部11で共用されることになる。
【0134】
また、本実施形態においても、実施形態1と同様に、特定領域R1である第1特定領域R1に加えて、第2特定領域R2を撮像装置2の撮像視野R10に含むことが好ましい。
【0135】
さらに、実施形態2の変形例として、撮像装置2は1つのみであってもよいし、2つ以上であってもよい。
【0136】
また、実施形態2の他の変形例として、実装ヘッド1は、捕捉部11を1つのみ備えていてもよい。
【0137】
実施形態2(変形例を含む)で説明した構成は、基本構成又は実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
【0138】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る実装システム(100,100A,100B)は、実装ヘッド(1)と、撮像装置(2)と、を備える。実装ヘッド(1)は、第1対象物(T1)を捕捉する捕捉部(11)を有する。実装ヘッド(1)は、捕捉部(11)を、第2対象物(T2)の実装面(T21)と対向する第1位置と、第1位置に比較して実装面(T21)から離れた第2位置と、の間で移動させ、第1対象物(T1)を実装面(T21)に実装する。撮像装置(2)は、実装ヘッド(1)に固定される。撮像装置(2)は、実装面(T21)のうちの第1特定領域(R1)と、第2特定領域(R2)と、を撮像視野(R10)に含む。第1特定領域(R1)は、実装面(T21)に垂直な方向において第1位置にある捕捉部(11)と対向する。第2特定領域(R2)は、第2位置にある捕捉部(11)の側面を含む。
【0139】
この態様によれば、撮像装置(2)は、実装面(T21)のうちの実装面(T21)に垂直な方向において捕捉部(11)と対向する第1特定領域(R1)を撮像視野(R10)に含むので、実装面(T21)のうちの捕捉部(11)の直下の領域を撮像可能となる。しかも、第1特定領域(R1)に加えて、第2位置にある捕捉部(11)の側面を含む第2特定領域(R2)も、撮像装置(2)の撮像視野(R10)に含むので、例えば、捕捉部(11)での第1対象物(T1)の捕捉状態を確認可能となる。そのため、実装面(T21)の状態と、実装前又は実装後の捕捉部(11)の状態と、を確認可能としながらも、実装面(T21)に平行な平面内での撮像装置(2)の占有面積を比較的小さく抑えることができる。これにより、撮像装置(2)による実装ヘッド(1)の移動範囲の制約を受けにくい等の利点がある。よって、実装状態の撮像により適した実装システム(100,100A,100B)を提供することができる。
【0140】
第2の態様に係る実装システム(100,100A,100B)では、第1の態様において、撮像装置(2)の撮像視野(R10)は、第1特定領域(R1)と第2特定領域(R2)とを同時に含む。
【0141】
この態様によれば、第1特定領域(R1)と第2特定領域(R2)とを同時に撮像することが可能である。
【0142】
第3の態様に係る実装システム(100,100A,100B)では、第1又は2の態様において、撮像装置(2)は、撮像素子(21)と、光学系(22)と、を有する。光学系(22)は、撮像素子(21)に対して、第1特定領域(R1)及び第2特定領域(R2)を含む撮像視野(R10)の画像を結像する。
【0143】
この態様によれば、光学系(22)を用いることで、第1特定領域(R1)及び第2特定領域(R2)を含む撮像視野(R10)の撮像が実現可能となる。
【0144】
第4の態様に係る実装システム(100,100A,100B)では、第3の態様において、撮像素子(21)上で結像される画像(Im1)は、中央領域(R11)と周辺領域(R12)とに二分される。この場合に、第1特定領域(R1)は、画像(Im1)の周辺領域(R12)に含まれ、第2特定領域(R2)は、画像(Im1)の中央領域(R11)に含まれる。
【0145】
この態様によれば、第1特定領域(R1)と第2特定領域(R2)とで、画像(Im1)上の位置を分けることができる。
【0146】
第5の態様に係る実装システム(100,100A,100B)では、第4の態様において、撮像装置(2)は、画像(Im1)の中央領域(R11)よりも周辺領域(R12)において高解像度である。
【0147】
この態様によれば、第2位置にある捕捉部(11)の側面を含む第2特定領域(R2)に比較して、実装面(T21)のうちの実装面(T21)に垂直な方向において第1位置にある捕捉部(11)と対向する第1特定領域(R1)を高解像度で撮像できる。
【0148】
第6の態様に係る実装システム(100,100A,100B)では、第1~5のいずれかの態様において、第1特定領域(R1)と第2特定領域(R2)とは、分離可能な別領域である。
【0149】
この態様によれば、撮像装置(2)にて、互いに分離可能な第1特定領域(R1)と第2特定領域(R2)とを撮像可能である。
【0150】
第7の態様に係る実装システム(100,100A,100B)では、第1~6のいずれかの態様において、実装ヘッド(1)は、捕捉部(11)を複数有する。1つの撮像装置(2)の撮像視野(R10)に含まれる第1特定領域(R1)は、実装面(T21)のうち実装面(T21)に垂直な方向において第1位置にある複数の捕捉部(11)と対向する領域である。
【0151】
この態様によれば、複数の捕捉部(11)に対応する第1特定領域(R1)を、1つの撮像装置(2)で撮像することができる。
【0152】
第8の態様に係る実装システム(100,100A,100B)では、第7の態様において、複数の捕捉部(11)のうち、1つの撮像装置(2)の撮像視野(R10)において、第1特定領域(R1)に対応する捕捉部(11)の数は、第2特定領域(R2)に対応する捕捉部(11)の数よりも多い。
【0153】
この態様によれば、1つの撮像装置(2)の撮像視野(R10)において、第1特定領域(R1)に対応する捕捉部(11)の数を、第2特定領域(R2)に対応する捕捉部(11)の数と同数にする場合に比べて、撮像装置(2)の簡略化を図りやすい。
【0154】
第9の態様に係る実装システム(100,100A,100B)は、第1~8のいずれかの態様において、第2撮像装置(202)を更に備える。第2撮像装置(202)は、撮像装置(2)としての第1撮像装置(201)とは別に、実装ヘッド(1)に固定され、第1特定領域(R1)を撮像視野(R10)に含む。第2撮像装置(202)の撮像視野(R10)である第2撮像視野(R200)は、第1撮像装置(201)の撮像視野(R10)である第1撮像視野(R100)とは異なる領域を含む。第1特定領域(R1)は、第1撮像視野(R100)と第2撮像視野(R200)とが重複する領域に含まれる。
【0155】
この態様によれば、ステレオカメラ方式によって、第1特定領域(R1)内の被写体を三次元的に捉えることが可能である。
【0156】
第10の態様に係る実装システム(100,100A,100B)では、第1~9のいずれかの態様において、撮像装置(2)は、捕捉部(11)の側方に配置されている。
【0157】
この態様によれば、捕捉部(11)が移動する際に撮像装置(2)が邪魔になりにくい。
【0158】
第11の態様に係るヘッドユニット(10,10A,10B)は、実装ヘッド(1)と、撮像装置(2)と、を備える。実装ヘッド(1)は、第1対象物(T1)を捕捉する捕捉部(11)を有する。実装ヘッド(1)は、捕捉部(11)を、第2対象物(T2)の実装面(T21)と対向する第1位置と、第1位置に比較して実装面(T21)から離れた第2位置と、の間で移動させ、第1対象物(T1)を実装面(T21)に実装する。撮像装置(2)は、実装ヘッド(1)に固定される。撮像装置(2)は、実装面(T21)のうちの第1特定領域(R1)と、第2特定領域(R2)と、を撮像視野(R10)に含む。第1特定領域(R1)は、実装面(T21)に垂直な方向において第1位置にある捕捉部(11)と対向する。第2特定領域(R2)は、第2位置にある捕捉部(11)の側面を含む。
【0159】
この態様によれば、実装状態の撮像により適したヘッドユニット(10,10A,10B)を提供することができる。
【0160】
第12の態様に係る撮像方法は、実装ヘッド(1)を備える、実装システム(100,100A,100B)に用いられる撮像方法である。実装ヘッド(1)は、第1対象物(T1)を捕捉する捕捉部(11)を有する。実装ヘッド(1)は、捕捉部(11)を、第2対象物(T2)の実装面(T21)と対向する第1位置と、第1位置に比較して実装面(T21)から離れた第2位置と、の間で移動させ、第1対象物(T1)を実装面(T21)に実装する。撮像方法は、撮像装置(2)にて、第1特定領域(R1)及び第2特定領域(R2)を撮像する工程を有する。撮像装置(2)は、実装ヘッド(1)に固定され、実装面(T21)のうちの第1特定領域(R1)と、第2特定領域(R2)と、を撮像視野(R10)に含む。第1特定領域(R1)は、実装面(T21)に垂直な方向において第1位置にある捕捉部(11)と対向する。第2特定領域(R2)は、第2位置にある捕捉部(11)の側面を含む。
【0161】
この態様によれば、実装状態の撮像により適した撮像方法を提供することができる。
【0162】
上記態様に限らず、基本構成、実施形態1及び実施形態2に係る実装システム(100,100A,100B)の種々の構成(変形例を含む)は、撮像方法にて具現化可能である。
【0163】
第2~10の態様に係る構成については、実装システム(100,100A,100B)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0164】
1 実装ヘッド
2 撮像装置
11 捕捉部
21 撮像素子
22 光学系
10,10A,10B ヘッドユニット
100,100A,100B 実装システム
201 第1撮像装置
202 第2撮像装置
Ax1 撮像光軸
G1 第1捕捉部群
G2 第2捕捉部群
Im1 画像
R1 特定領域(第1特定領域)
R2 第2特定領域
R10 撮像視野
R11 中央領域
R12 周辺領域
R100 第1撮像視野
R200 第2撮像視野
R101 中央部
R102 周辺部
T1 第1対象物
T2 第2対象物
T21 実装面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11