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  • 特許-梱包部材 図1
  • 特許-梱包部材 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】梱包部材
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20241129BHJP
   B65D 77/26 20060101ALI20241129BHJP
   B65D 81/113 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B65D85/68 N
B65D77/26 R
B65D81/113 121A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020101317
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021195138
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】佐々 琢磨
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-104388(JP,A)
【文献】特開2015-209229(JP,A)
【文献】特開平8-2585(JP,A)
【文献】特開2014-181052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/26
B65D 85/68
B65D 81/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器の両側部に装着される一対の緩衝部と、
上面部が開口する箱型に形成された箱本体部と前記箱本体部の前記上面部の開口を開閉する蓋とを備え、内部に前記一対の緩衝部が前記両側部に装着された状態の前記加熱調理器が梱包される外箱と
を備える前記加熱調理器の梱包部材において、
前記緩衝部は、
前記加熱調理器の側部の下側部分を覆う下パッドと、
前記下パッドと分離して構成され、前記側部の上側部分のうち少なくとも前後の各コーナ部を覆う上パッドと
を備え、
前記上パッドは、下方向に突出する突出部を備え、
前記下パッドは、前記突出部が上方から差し込まれる被差込部を備え
前記側部には、前記下パッドの前記被差込部に前記上パッドの前記突出部が上方から差し込まれて前記上パッドと前記下パッドが一体的に構成された前記緩衝部が装着され、
前記緩衝部は、前記側部のうち少なくとも前後の各コーナ部を上下方向全体に亘って覆うこと
を特徴とする梱包部材。
【請求項2】
前記上パッドは、
前記加熱調理器の前側コーナ部を覆う前側上パッドと、
前記前側上パッドと分離して構成され、前記加熱調理器の後側コーナ部を覆う後側上パッドと
を備えたこと
を特徴とする請求項1に記載の梱包部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切断部により上下に分離可能な外箱と、加熱調理器の両側部に装着された状態で前記外箱の内部に収納される緩衝体とを備えた加熱調理器の梱包体において、前記緩衝体は、前記切断部よりも上方において上下に分離可能な分離部を備えた加熱調理器の梱包体が知られている(例えば、特許文献1参照)。緩衝体は発泡スチロール製であり、分離部は溝で形成されている。使用者は、緩衝体を溝である分離部において折損することにより、緩衝体を上下に分離できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-181052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の梱包体では、外箱から加熱調理器を取り出す際に、緩衝体を分離部において折損する必要があることから、手間であった。また、発泡スチロール製の緩衝体を折損する際、力の入れ加減によっては、分離部に沿ってきれに折損できない可能性もあった。また、外箱の中で、緩衝体を折損する必要があることから、外箱が作業の妨げになる可能性もあった。
【0005】
本発明の目的は、加熱調理器の両側部を覆う緩衝部を上下に容易に分離できる梱包部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の梱包部材は、加熱調理器の両側部に装着される一対の緩衝部と、上面部が開口する箱型に形成された箱本体部と前記箱本体部の前記上面部の開口を開閉する蓋とを備え、内部に前記一対の緩衝部が前記両側部に装着された状態の前記加熱調理器が梱包される外箱とを備える前記加熱調理器の梱包部材において、前記緩衝部は、前記加熱調理器の側部の下側部分を覆う下パッドと、前記下パッドと分離して構成され、前記側部の上側部分のうち少なくとも前後の各コーナ部を覆う上パッドとを備え、前記上パッドは、下方向に突出する突出部を備え、前記下パッドは、前記突出部が上方から差し込まれる被差込部を備え、前記側部には、前記下パッドの前記被差込部に前記上パッドの前記突出部が上方から差し込まれて前記上パッドと前記下パッドが一体的に構成された前記緩衝部が装着され、前記緩衝部は、前記側部のうち少なくとも前後の各コーナ部を上下方向全体に亘って覆うことを特徴とする。
【0007】
請求項2の梱包部材の前記上パッドは、前記加熱調理器の前側コーナ部を覆う前側上パッドと、前記前側上パッドと分離して構成され、前記加熱調理器の後側コーナ部を覆う後側上パッドとを備えてもよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の梱包部材によれば、緩衝部のうち、上パッドが下パッドに対して分離して構成されているので、下パッドを外箱に残したまま、加熱調理器のみを抜き出すことができる。これにより、加熱調理器を外箱から円滑に抜き出すことができる。また、上パッドの突出部を、下パッドの被差込部に差し込むことで、上パッドと下パッドの一体性を担保できる。これにより、工場において、加熱調理器の側部へのサイドパッドの装着工程を簡易化できるので、装着工程における作業効率を向上できる。
【0009】
請求項2の梱包部材によれば、上パッドが前側上パッドと後側上パッドに分離しているので、これらが連続した一体構成のものに比べ、下パッドから上パッドを容易に分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ガスコンロ100を梱包する梱包部材1の斜視図である。
図2】ガスコンロ100に装着される下パッド40,60、前側上パッド51,71、後側上パッド52,72の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される梱包部材(外箱、緩衝部材)の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。以下説明は図中に示す左右、前後、上下の方向を使用する。
【0012】
図1に示すように、梱包部材1は、ガスコンロ100を搬送及び保管の為に梱包する。梱包部材1は外箱2を備える。外箱2は周知の段ボール箱であり、ガスコンロ100の形状に合わせ、左右方向に長い略直方体状である。外箱2の上面部は開放可能である。ガスコンロ100は、左右の両側部に右緩衝部31及び左緩衝部32が装着された状態で、外箱2の開口する上面部より内側に収納される。
【0013】
右緩衝部31は、ガスコンロ100の右側部の右面、上面、下面、前面、背面の5面を外側から覆って保護する。左緩衝部32は、ガスコンロ100の左側部の左面、上面、下面、前面、背面の5面を外側から覆って保護する。ガスコンロ100の前面に設けられるグリル扉102には、前パッド33が装着される。右緩衝部31、左緩衝部32、前パッド33は、ガスコンロ100への外部衝撃を吸収する緩衝体であり、発泡スチロール製である。なお、右緩衝部31及び左緩衝部32の各構造については後述する。
【0014】
ガスコンロ100の天板103上には、段ボール製の保護材10が配置される。保護材10は左右方向に長く、天板103上の右コンロ111、左コンロ112、及びグリル排気口113の周囲を上方から覆って保護する。保護材10の中央の上面には、2個の乾電池108が収容される。
【0015】
外箱2は、箱本体部21、右フラップ22、左フラップ23、前フラップ24、後フラップ25を備える。箱本体部21は、上部が開口する略直方体状の箱であり、ガスコンロ100を内部に収容する。右フラップ22、左フラップ23、前フラップ24、後フラップ25は、箱本体部21上部の開口端を形成する右側部、左側部、前側部、後側部に夫々回動可能に連結され、箱本体部21の開口する上部の蓋を形成する。
【0016】
図2を参照し、右緩衝部31及び左緩衝部32の構造を説明する。なお、図2は、外箱2を省略する。本実施形態では、右緩衝部31と左緩衝部32は互いに左右対称構造なので、以下、右緩衝部31の構造を具体的に説明し、左緩衝部32の構造の説明は簡略化して説明する。
【0017】
右緩衝部31は、ガスコンロ100の右側部に右方から装着され、下パッド40、前側上パッド51、後側上パッド52を備える。下パッド40は、ガスコンロ100の右側部の下側略半分を覆うように右方から装着される。下パッド40は、正面視左右逆の略L字状で且つ平面視前後方向に長い略矩形状に形成され、下側部41、前側支柱部42、後側支柱部43、中央壁部44を備える。
【0018】
下側部41は、底面視前後方向に長い略矩形板状に形成され、その左端側がガスコンロ100の右側部の底面下側に配置される。前側支柱部42は、下側部41の上面の右前角部から垂直上方に立設され、平面視左右逆の略L字状に形成される。これにより、前側支柱部42は、ガスコンロ100の右前コーナ部を覆う。前側支柱部42の上面421は略水平面である。上面421の高さは、ガスコンロ100の天板103よりも下方であり、ガスコンロ100の底部からの高さの略4分の3程度である。上面421の屈曲する部分には、嵌合穴422が設けられる。嵌合穴422は下方に延び、平面視略矩形状に形成される。
【0019】
後側支柱部43は、前側支柱部42と前後対称構造である。後側支柱部43は、下側部41の上面の右後角部から垂直上方に立設され、平面視上下逆の略L字状に形成される。これにより、後側支柱部43は、ガスコンロ100の右後コーナ部を覆う。後側支柱部43の上面431は略水平面である。上面431の高さは、前側支柱部42の上面421の高さと同一である。上面431の屈曲する部分には、嵌合穴432が設けられる。嵌合穴432も下方に延び、平面視略矩形状に形成される。中央壁部44は、下側部41の上面の左端部における略中央で、且つ前側支柱部42と後側支柱部43の間に立設され、垂直上方に延びる板状に形成される。中央壁部44は、ガスコンロ100の右側面を右方から覆うように配置され、その高さは、前側支柱部42及び後側支柱部43の夫々の高さよりも高く、天板103よりも低い。
【0020】
前側上パッド51及び後側上パッド52は、互いに前後方向に分離して構成される。前側上パッド51は略直方体のブロック状に形成され、天板103の右前コーナ部104を覆うように配置される。前側上パッド51の底面は、略水平面である。前側上パッド51の底面には、突出部511が設けられる。突出部511は下方に突出し、断面略矩形状に形成された角柱状である。突出部511は、下パッド40の前側支柱部42の上面421に設けられた嵌合穴422に差し込まれて嵌合する。
【0021】
後側上パッド52は、前側上パッド51と前後対称形状である。後側上パッド52も略直方体のブロック状に形成され、天板103の右後コーナ部105を覆うように配置される。後側上パッド52の底面も略水平面である。後側上パッド52の底面には、突出部521が設けられる。突出部521も、前側上パッド51の突出部511と同様に下方に突出し、断面略矩形状に形成された角柱状である。突出部521は、下パッド40の後側支柱部43の上面431に設けられた嵌合穴432に差し込まれて嵌合する。
【0022】
左緩衝部32は、ガスコンロ100の左側部に左方から装着される。左緩衝部32は、右緩衝部31と同様に、下パッド60、前側上パッド71、後側上パッド72を備える。下パッド60は、ガスコンロ100の左側部の下側略半分を覆うように左方から装着される。下パッド60は、右緩衝部31の下パッド40と左右対称形状である。下パッド60は、右緩衝部31の下パッド40と同様に、下側部61、前側支柱部62、後側支柱部(図示略)、中央壁部(図示略)を備える。前側支柱部62の上面621の屈曲する部分にも、嵌合穴622が設けられる。嵌合穴622は下方に延び、平面視略矩形状に形成される。後側支柱部の上面の屈曲する部分にも、嵌合穴622と同一形状の嵌合穴が設けられる。
【0023】
前側上パッド71及び後側上パッド72も、右緩衝部31の前側上パッド51及び後側上パッド52と同様に、互いに前後方向に分離して構成される。前側上パッド71及び後側上パッド72は、前側上パッド51及び後側上パッド52と左右対称形状である。前側上パッド71は、天板103の左前コーナ部106を覆うように配置される。前側上パッド71の底面には、突出部711が設けられる。突出部711は下方に突出し、断面略矩形状に形成された角柱状である。突出部711は、下パッド60の前側支柱部62の上面621に設けられた嵌合穴622と嵌合可能である。
【0024】
後側上パッド72は、前側上パッド71と前後対称形状である。後側上パッド72は、天板103の左後コーナ部107を覆うように配置される。後側上パッド72の底面には、突出部721が設けられる。突出部721も、前側上パッド71の突出部711と同様に下方に突出し、断面略矩形状に形成された角柱状である。突出部721は、下パッド60の図示しない後側支柱部の上面に設けられた嵌合穴に差し込まれて嵌合する。
【0025】
図1図2を参照し、外箱2にガスコンロ100を収納する方法の一例を説明する。ガスコンロ100を外箱2に収納する前に、作業者は、ガスコンロ100の両側部に、右緩衝部31と左緩衝部32を夫々装着する。このとき、右緩衝部31において、前側上パッド51の突出部511を、下パッド40の前側支柱部42の嵌合穴422に差し込んで嵌合させ、後側上パッド52の突出部521を、下パッド40の後側支柱部43の嵌合穴432に差し込んで嵌合させる。これにより、前側上パッド51及び後側上パッド52は、下パッド40に固定されて一体化するので、一体的に構成された右緩衝部31を、ガスコンロ100の右側部に簡単且つ速やかに装着できる。
【0026】
左緩衝部32においても同様に、前側上パッド71の突出部711を、下パッド40の前側支柱部62の嵌合穴622に差し込んで嵌合させ、後側上パッド72の突出部721を、下パッド40の後側支柱部の嵌合穴に差し込んで嵌合させる。これにより、前側上パッド71及び後側上パッド72は、下パッド60に固定されて一体化するので、一体的に構成された左緩衝部32を、ガスコンロ100の左側部に簡単且つ速やかに装着できる。これで、右緩衝部31と左緩衝部32の装着工程が完了する。
【0027】
次いで、作業者は、ガスコンロ100の正面のグリル扉102に前パッド33を取り付け、天板103の上面に保護材10を取り付ける。そして、作業者は、ガスコンロ100を、両側部に右緩衝部31及び左緩衝部32が装着された状態で、外箱2の開口する上面部より上方から内部に収納する。これで、外箱2へのガスコンロ100の収納工程が完了し、梱包部材1によってガスコンロ100が梱包される。上記の通り、梱包部材1は、ガスコンロ100への右緩衝部31及び左緩衝部32の装着工程を簡易化できるので、例えば、ガスコンロ100の工場において、装着工程における作業効率を向上できる。
【0028】
図1図2を参照し、外箱2からガスコンロ100を取り出す方法の一例を説明する。図1に示すように、外箱2の内側において、ガスコンロ100と外箱2の間には、右緩衝部31と左緩衝部32が配置され、右緩衝部31と左緩衝部32は、外箱2の内面と隙間無く密着している。これにより、梱包部材1は、運搬時において、外箱2の内側でガスコンロ100が動いて位置がずれるのを防止できる。また、右緩衝部31と左緩衝部32によって、梱包部材1が積み荷された際に、外箱2が圧縮されて潰れたりするのを防止できる。
【0029】
そのような外箱2の内部から、仮に右緩衝部31と左緩衝部32を装着したままの状態でガスコンロ100を取り出そうとした場合、外箱2の内面と、右緩衝部31及び左緩衝部32との摩擦により、ガスコンロ100を容易に取り出すことができない。
【0030】
そこで、図2に示すように、ガスコンロ100の設置業者は、ガスコンロ100の右側部の上側を覆う前側上パッド51及び後側上パッド52を、右緩衝部31の下パッド40から分離して上方に引き出す。さらに、ガスコンロ100の左側部の上側を覆う前側上パッド71及び後側上パッド72を、左緩衝部32の下パッド60から分離して上方に引き出す。これにより、設置業者は、下パッド40,60を外箱2の内側に残したままの状態で、ガスコンロ100のみを容易に抜き出すことができる。これにより、設置業者は、外箱2からのガスコンロ100の抜き出し作業を円滑に完了させることができる。
【0031】
また、上記の通り、前側上パッド51,71、及び後側上パッド52,72と、下パッド40,60との間において、突出部511,521,711,721を、対応する嵌合穴422,432,622に差し込んで嵌合させる構成なので、ガスコンロ100の取り出し時において、前側上パッド51,71、及び後側上パッド52,72を上側に引き出すだけで、下パッド40,60から容易に分離できる。これにより、外箱2等が分離作業の妨げになるのを防止できる。
【0032】
また、右緩衝部31において、前側上パッド51と後側上パッド52が前後方向に互いに分離し、左緩衝部32において、前側上パッド71と後側上パッド72が前後方向に互いに分離しているので、各上パッドが前後に連続した一体形状のものに比べ、下パッド40,60からの分離を容易に完了させることができる。
【0033】
以上説明において、右緩衝部31及び左緩衝部32は、本発明の「緩衝部」の一例である。嵌合穴422,432,622,632は、本発明の「被差込部」の一例である。
【0034】
以上説明したように、上記実施形態の梱包部材1は、ガスコンロ100を梱包するものである。梱包部材1は、左右一対の右緩衝部31及び左緩衝部32、外箱2を備える。右緩衝部31及び左緩衝部32は、ガスコンロ100の両側部に装着される。外箱2は、上面部が開口する箱型に形成される。外箱2の内部には、右緩衝部31及び左緩衝部32が両側部に装着された状態のガスコンロ100が梱包される。
【0035】
右緩衝部31は、下パッド40、前側上パッド51、後側上パッド52を備える。下パッド40は、ガスコンロ100の右側部の下側部分を覆う。前側上パッド51及び後側上パッド52は、下パッド40と分離して構成され、ガスコンロ100の右側部の上側部分のうち、右前コーナ部104及び右後コーナ部105を夫々覆う。前側上パッド51及び後側上パッド52は、下方向に突出する突出部511,521を備える。下パッド40は、突出部511,521が上方から差し込まれる嵌合穴422,432を備える。なお、左緩衝部32も、右緩衝部31と同様に、下パッド60、前側上パッド71、後側上パッド72を備える。
【0036】
右緩衝部31のうち、前側上パッド51及び後側上パッド52が下パッド40に対して分離して構成され、左緩衝部32のうち、前側上パッド71及び後側上パッド72が下パッド60に対して分離して構成されているので、下パッド40,60を外箱2に残したまま、ガスコンロ100のみを抜き出すことができる。これにより、ガスコンロ100を外箱2から円滑に抜き出すことができる。また、右緩衝部31において、前側上パッド51及び後側上パッド52の突出部511,521を、下パッド40の嵌合穴422,432に差し込むことで、前側上パッド51及び後側上パッド52と、下パッド40の一体性を担保できる。左緩衝部32においても同様である。これにより、工場において、ガスコンロ100の両側部への右緩衝部31及び左緩衝部32の装着工程を簡易化できるので、装着工程における作業効率を向上できる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態は、ガスコンロ100を梱包する梱包部材1について説明したが、ガスコンロ100以外の加熱調理器を梱包する梱包部材にも適用可能である。
【0038】
上記実施形態では、右緩衝部31において、前側上パッド51と後側上パッド52が前後に分離して構成されているが、前側上パッド51と後側上パッド52が一体的に連続した構成でもよい。左緩衝部32においても、前側上パッド71と後側上パッド72が一体的に連続した構成でもよい。
【0039】
右緩衝部31において、前側上パッド51及び後側上パッド52の突出部511,521は、断面矩形状に形成されているが、矩形以外の形状でもよく、例えば三角形、五角形等の多角形状でもよく、円形、楕円形等でもよい。突出部の断面形状に合わせ、下パッド40に設ける嵌合穴の形状を決めればよい。突出部の断面形状、及び嵌合穴の形状を多角形にすることで、下パッド40に対して、前側上パッド51及び後側上パッド52が回転せず、所定の向きで位置決めできる。
【0040】
ガスコンロ100の右側部に右緩衝部31を装着する工程において、上記実形態では、下パッド40に対して、前側上パッド51及び後側上パッド52を固定して一体化した右緩衝部31を、ガスコンロ100の右側部に装着したが、例えば、ガスコンロ100の右側部に下パッド40を装着してから、前側上パッド51及び後側上パッド52を下パッド40に固定してもよい。左緩衝部32を装着する工程においても同様である。
【符号の説明】
【0041】
1 梱包部材
2 外箱
31 右緩衝部
32 左緩衝部
40,60 下パッド
51,71 前側上パッド
52,72 後側上パッド
100 ガスコンロ
104 右前コーナ部
105 右後コーナ部
106 左前コーナ部
107 左後コーナ部
422,432 嵌合穴
511,521 突出部
622,632 嵌合穴
711,721 突出部
図1
図2