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特許7595366有料荷重モニタリングシステム、航空機および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】有料荷重モニタリングシステム、航空機および方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 9/00 20060101AFI20241129BHJP
   B64C 13/16 20060101ALI20241129BHJP
   B64D 45/00 20060101ALI20241129BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20241129BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B64D9/00
B64C13/16 Z
B64D45/00 A
G01G19/52 Z
G01L5/00 101Z
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022523014
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 EP2020078910
(87)【国際公開番号】W WO2021074228
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】19203609.3
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522011344
【氏名又は名称】エアクラフト・キャビン・モディフィケーション・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】AIRCRAFT CABIN MODIFICATION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】ノシャリ・アラシュ・ハグ・シェナス
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04446524(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0315014(US,A1)
【文献】特開2019-073267(JP,A)
【文献】中国特許第102538917(CN,B)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0045841(KR,A)
【文献】特開2018-104194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 9/00
B64C 13/16
B64D 45/00
G01G 19/52
G01L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の有料荷重モニタリングシステムであって、
前記システムが、有料荷重用の少なくとも1つの搭載域(42)、および少なくとも1つの圧力センサー(10)を備え、
前記少なくとも1つの圧力センサー(10)が、前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知するように構成され、
前記システムが、搭載域(42)として前記航空機の貨物倉(40)の中に少なくとも1つの床域を備え、
前記システムが、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置を決定するのに適しており
前記システムが、前記貨物倉への積載中に、前記貨物倉および/または前記航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および着陸に先立って、前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知するのに適している、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記貨物倉(40)の前記床域が、複数の床域セクター(42)を備え、前記システムが複数の圧力センサー(10)を備え、それぞれの圧力センサーが、複数の床域セクター(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心をそれぞれ検知するために、前記複数の床域セクター(42)に割り当てられており、1つ以上のセンサーを、1つの床域セクター(42)に割り当てることができる、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、前記床域セクター(42)のそれぞれが、少なくとも1つの貨物専用コンテナを収容するのに適している、システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載のシステムであって、それぞれに割り当てられた圧力センサー(10)を有する、少なくとも5つの床域セクター(42)を備えた、システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のシステムであって、前記搭載域に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知できるように、圧力センサーを装備している搭載域の合計が、少なくとも20m らなる、システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステムであって、前記システムが、飛行中に前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置を決定するのに適している、システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のシステムであって、前記システムが、飛行中に前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知するのに適している、システム。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載のシステムであって、前記システムが、前記貨物倉への積載中に、前記貨物倉および/または前記航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および/または着陸に先立って、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置を決定するのに適している、システム。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載のシステムであって、評価装置(16)を備え、前記評価装置が、それぞれに検知された重量および/または重心に基づいて、検知された前記有料荷重が前記航空機の全体的な重心に与える影響を決定するように構成されている、システム。
【請求項10】
請求項に記載のシステムであって、検知された前記有料荷重が前記航空機の全体的な重心に与えると決定された前記影響に応じて、前記評価装置が、さらに、これに対応する前記航空機のトリムを決定するように構成された、システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載のシステムであって、前記評価装置が、それぞれに検知された重量および/または重心を、それぞれに所定の重量および/または重心と比較し、最大偏差を上回る場合に警告信号を出力するように構成され、検知された前記有料荷重が前記航空機の全体的な重心に与えると決定された前記影響を、前記有料荷重が前記航空機の全体的な重心に与える所定の影響と比較し、最大影響を上回る場合に警告信号を出力するように構成されている、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記評価装置(16)が、
前記航空機の積載計画の関数として、前記それぞれに所定の重量および/または重心、および/または前記航空機の全体的な重心に与える前記所定の影響を決定するように構成されている、および/または、
前記それぞれに所定の重量および/または重心、および/または前記航空機の全体的な重心に与える前記所定の影響が、それぞれに所定の最大値に一致するか否かを照合するように構成されている、および/または、
前記それぞれに所定の重量および/または重心、および/または前記航空機の全体的な重心に与える前記所定の影響が、前記評価装置によってそれぞれに前もって決定された値に一致するか否かを照合するように構成されている、システム。
【請求項13】
請求項12のいずれか一項に記載のシステムであって、前記評価装置が、航空機の姿勢の関数として、前記それぞれに検知された重量および/または重心に基づいて、実際のそれぞれの重量および/または重心を検知するように構成されている、システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシステムであって、前記システムが、それぞれの搭載域(42)の横方向の境界となる側面よりも内側またはその側面に配置された少なくとも1つの圧力センサーを備え、その少なくとも1つの、側面にそって配置されたセンサーが、前記側面が対応する有料荷重の重量および/またはその重心を検知するように構成されている、システム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のシステムであって、前記圧力センサー(10)のうちの少なくとも1つが、表面センサーとして構成されている、システム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記システムが少なくとも1つのデータベース装置(18)を備え、前記データベース装置が、それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価を格納し、および/または、
前記システムが少なくとも1つの伝送装置(14)を備え、前記伝送装置が、それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価を格納する、システム。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のシステムを備えた航空機。
【請求項18】
求項17に記載の航空機を、前記システムを用いて管理する方法であって、前記貨物倉(40)の前記搭載域に配置された有料荷重の少なくとも1つの重量および/またはその重心が検知され、それに基づいて、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置が決定され
前記貨物倉への積載中に、前記貨物倉および/または前記航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および着陸に先立って、前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心が検知される、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記貨物倉(40)の前記床域が、複数の床域セクター(42)を備え、前記床域セクター(42)のそれぞれに置かれている有料荷重の少なくとも1つの重量および/またはその重心が検知される、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、少なくとも1つの前記床域セクター(42)に貨物専用コンテナが載置される、方法。
【請求項21】
請求項1820のいずれか一項に記載の方法であって、飛行中に前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置が決定される、方法。
【請求項22】
請求項1821のいずれか一項に記載の方法であって、飛行中に前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心が検知される、方法。
【請求項23】
請求項1822のいずれか一項に記載の方法であって、前記貨物倉への積載中に、前記貨物倉および/または前記航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および/または着陸に先立って、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置が決定される、方法。
【請求項24】
請求項1823のいずれか一項に記載の方法であって、さらに、前記システムを用いる以下の工程のうち少なくとも1つの工程:
― それぞれに検知された値を出力する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心を表示する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、警告を出力する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、前記航空機のトリムを調節する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、離陸許可もしくは離陸禁止を行う工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、前記航空機中のそれぞれの有料荷重を再配置する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、消耗品を管理する工程;
― それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価を、記憶および/または送信する工程、
を備えた、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は航空機用の有料荷重(payload)モニタリングシステムに関する。さらに、本発明は航空機、および航空機を管理する(操作する、operate)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の主な目的は、有料荷重を輸送することである。有料荷重は、航空機中で収容され、配置されなければならない。有料荷重の重量配置(重量分布、weight distribution)は、航空機の重心に大きく影響し、著しくその飛行特性を変更し得る。したがって、少なくとも有料荷重の大部分、例えば手荷物および積荷(baggage and cargo)は、通常、重量を測定され、航空機中の配置について積載計画が準備される。適切な積載の場合には、飛行特性に対する有料荷重の影響は、このように最適化できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、積載は、例えば航空機の貨物倉の積荷および手荷物の配置を地上整備員が誤ることなどによって、積載計画から逸脱する場合がある。さらに、有料荷重の中には、積載中に検知されないものや、測定されないものもある。これにより、飛行特性に対する影響が逸脱する場合があり、その場合、飛行特性が期待値を下回ることがあり得る。例えば、好ましくない積載は、飛行中の消費燃料の量を増加させてしまう場合がある。これらの逸脱による影響は、航空機が離陸してから初めて検知可能な場合がある。その結果、危険な飛行状況(例えばいわゆる「テイルストライク(尻もち事故)」)が、離陸の間に生じる場合がある。同様に、有料荷重は、飛行中、例えばスリップすることにより航空機中での位置が変化することもあり得る。この点で、また、飛行特性に対する予期しない影響が生じる場合があり、それにより飛行特性の低減や、さらには危険な状態を引き起こし得る。
【0004】
したがって、本発明は、飛行時の安全性および飛行特性の最適化に寄与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は独立クレームの主題によって達成される。本発明の便宜的な、さらなる変形態様に関する有利な実施形態は、それぞれの従属項中で示される。
【0006】
本発明の第1の態様は、航空機の有料荷重モニタリングシステムに関する。前記システムは、有料荷重用の少なくとも1つの搭載域(storage area)、および少なくとも1つの圧力センサーを備えることができる。好ましくは、前記少なくとも1つのセンサーは、前記搭載域に置かれている有料荷重の重量(有料荷重にかかる重力、weight force)およびその重心を検知するように構成される。それにより、実際の有料荷重の配置(有料荷重配置)の検知が可能になる。好ましくは、前記システムは、搭載域として前記航空機の貨物倉の中に少なくとも1つの床域を備えており、それにより前記システムが貨物倉の実際の有料荷重配置を決定するのに適している。それにより、この有料荷重配置を最適化できる。前記飛行特性に対する影響は、このようにして把握でき、そして、考慮され、および/または最適化できる。安全でない荷重配置については、識別または除外できる。したがって、飛行特性および飛行安全性のそれぞれを改善できる。圧力センサーはこの関係において有利である。圧力センサーは頑丈、小型であり、簡単に、省エネルギーで荷重を直接検知できる。さらに、圧力センサーは、この種の適用で生じる干渉に対して抵抗性を有している。
【0007】
航空機は、例えば旅客機、民間機および/または貨物輸送機であってもよい。しかしながら、用語「航空機」は、他の航空機(ツェッペリン飛行船、ヘリコプターおよびジャイロコプター)においても使用できる。
【0008】
前記搭載域は、航空機における区域(area)(例えば床域(床面、floor area))であってもよく、および/または例えばフロアパネルによって形成できる。前記搭載域は、例えば、有料荷重が配置された状態、下へ置かれた状態、立った状態、または着席した状態であってもよく、あらゆる区域であってもよい。好ましくは、搭載域は、航空機の内部の区域、特に貨物倉(cargo hold)などの有料荷重室(貨物室、payload bay)、または乗客キャビンである。各搭載域を、横方向(水平方向)の境界、またはセンサー自体によって定めることができる。貨物倉は、例えば、それぞれが搭載域を形成している、数個の隔室を含むことができ、例えば仕切り壁により分離できる。しかしながら、貨物倉は連続的であってもよい。例えば、この場合、それぞれのセンサーにより、様々な搭載域への区分(division)が定められる。
【0009】
好ましくは、搭載域は、航空機の貨物倉の床域に相当し、貨物倉の床域は、好ましくは複数の、より好ましくは少なくとも3の、床域セクター(floor area sectors)を備えており、および前記システムは複数の圧力センサーを備えており、この圧力センサーは、それぞれ、複数の床域セクターに置かれている有料荷重の重量および/またはその重心をそれぞれ検知するために、複数の床域セクターへ割り当てられており、そこにおいては、1つ以上のセンサーを、1つの床域セクターに割り当てることができる。好ましくは、各床域セクターは、少なくとも1つの貨物用コンテナ(cargo container)を収容するのに適している。
【0010】
好ましくは、この搭載域に置かれている有料荷重の重量および/または重心を検知できるように、圧力センサーを装備している搭載域の合計は、少なくとも20m、好ましくは少なくとも50m、特に好ましくは少なくとも100m、からなる。
【0011】
好ましくは、前記システムは、飛行中に、好ましくは連続的に、貨物倉の実際の有料荷重配置を決定するのに適している。好ましくは、前記システムは、飛行中に、好ましくは連続的に、搭載域に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知するのに適している。好ましくは、前記システムは、貨物倉への積載中に、貨物倉および/または航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および/または着陸に先立って、搭載域に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知するのに適している。好ましくは、前記システムは、貨物倉への積載中に、貨物倉および/または航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および/または着陸に先立って、貨物倉(40)における実際の有料荷重配置を決定するのに適している。
【0012】
搭載域に、特に少なくとも1つの圧力センサーに、置かれている前記有料荷重は、少なくとも1つの圧力センサーによって検知できる。圧力センサーは、好ましくは位置と強度について荷重を解明(決定)できる。したがって、圧力センサーは、特定領域(特に搭載域)上の圧力配置および/または荷重配置を検知するように構成できる。特に、圧力センサーは、100mmの区域(例えば10mm×10mm)に作用する圧力を検知し、この圧力と、対応している隣接した区域に作用する圧力とを区別することを可能にする空間分解能を有することができる。好ましくは、圧力センサーは、25mmの区域(例えば5mm×5mm)に作用する圧力を検知し、この圧力と、対応している隣接した区域に作用する圧力とを区別することを可能にする空間分解能を有することができる。圧力センサーは、例えば航空機の有料荷重室(payload bay)の搭載域内、またはその搭載域(直上)に配置できる。圧力センサーを、1つ以上の搭載域に割り当てることができる。
【0013】
検知された荷重および/または荷重配置は、システムによってデータとして出力でき、および/またはシステムによって、特にディスプレイ装置(コックピットのスクリーンなど)に表示できる。送信および表示は、コンピューター、タブレット、スマートフォンおよび/またはスマートウォッチにおいても達成できる。前記検知は、航空機が駐機される場合に限り、および/またはある飛行姿勢でのみ、および/または閾値より上または下の乱気流の場合に、例えば、連続的、疑似連続的、断続的であり得る。これにより、フライト全体にわたってモニタリングの精度を向上でき、および/または発生しうる荷重の移動の後においてのみ、検知を実行することにより、エネルギーを節約できる。
【0014】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記システムが、複数の搭載域に置かれている有料荷重の重量およびその重心をそれぞれ検知するための複数の圧力センサーを備えており、1つ以上のセンサーが1つの搭載域に割り当てられる。例えば、1つの圧力センサーを、1つの搭載域ごとに配設でき、または2つ以上の圧力センサーを、1つの搭載域ごとに配設できる。ただし、2つ以上の搭載域を、1つの圧力センサーに割り当てることもでき、前記2つ以上の搭載域の荷重は、前記1つの圧力センサーによって検知される。好ましくは、それぞれの圧力センサーは、1つの搭載域のみに常に割り当てられる。本明細書では、1つの搭載域、および/または1つの圧力センサーとして言及される場合があるが、このような言及は、適用可能な場合は、複数の圧力センサーおよび/または複数の搭載域にも該当する。圧力センサーも単にセンサーという場合がある。
【0015】
それぞれの有料荷重は、好ましくは1つの搭載域に割り当てられ、また、それぞれの有料荷重は、1つ以上の物を含むことができる。例えば、1個のスーツケースを、1つの搭載域に置くことができ、そして、前記スーツケースを検知できる。ただし、例えば、複数のスーツケースを1つの搭載域に置くこともでき、これらの重量全体および共通の重心が、前記搭載域において検知される。
【0016】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記システムが評価装置を備え、この評価装置により、それぞれに検知された重量および重心に基づいて、航空機の全体的な重心に対する検知された有料荷重の影響が決定される。そして、それぞれの飛行特性に対する検知された有料荷重の影響を、直接計算できる。したがって、このシステムにより、トリム(均衡状態、trim)を最適化し、重量配置を最適化し、安全でない有料荷重配置を識別することが可能となる。この目的のために、前記評価装置は、例えば燃料レベルおよび飛行姿勢のような、さらなるデータにアクセスできる。この目的のために、前記評価装置は、航空機の対応するセンサーに接続でき、および/または前記システムはこれらの付加的なセンサーを含むことができる。さらに、荷を降ろされた航空機の重心を知ることができ、そして、データベースに例えば格納されて、評価の際に考慮に入れることができる。特に、評価装置は、航空機および/またはその翼および/または後部の、圧点(pressure point)および/または中立点(neutral point)の関数として(as a function of)、影響を決定できる。それぞれの圧点および中立点は、それぞれのセンサーによって検知および/または決定することもできる。評価装置は、航空機のこれらの対応するセンサーにも接続でき、および/またはシステムは、これらのセンサーを備えることができる。
【0017】
さらに有利な実施形態のシステムでは、検知された有料荷重が航空機の全体的な重心に与えると決定された影響に応じて、前記評価装置は、さらに、それに対応する航空機のトリム(trim)を決定するように構成される。このトリムは、例えば空気抵抗および/または燃料消費のような1つ以上の飛行特性に対して最適化できる。さらに、トリムは、離陸に先立って有利に調節でき、例えば、離陸の間に危険なトリム、すなわち潜在的は危険を回避できる。任意に、システムは、決定したトリムを調節する制御装置を備えており、前記調節は、特に水平安定板の迎え角の調節によって、それぞれの昇降舵の調節によって、および/またはそれぞれのトリムタブ(trimming tabs)の調節によって、行われる。したがって、トリムは、自動的に検知された有料荷重配置に対して最適化できる。代替的にまたは付加的に、左右(lateral)および/またはヨー(yaw)制御のトリムを決定できる。有料荷重の再配置も、例えば、左右方向での不均一な有料荷重配置を変更するために示すことができる。前記決定したトリムを、代替的にまたは付加的に出力でき、特にコックピットのディスプレイ上、例えば飛行プランコンピューターのスクリーン上、に出力できる。決定した対応するトリムは、通常のトリム値、または飛行プラン(高度、速度など)を考慮した航空機の積載計画に基づいて決定したトリム値からの偏差として決定することもできる。この情報により、飛行制御中や問題検知の最中において、コックピットクルー、特にパイロット、を支援できる。例えば、有料荷重のスリップを検知して補正するために、飛行中に連続的にトリムを決定できる。大きなスリップが発生した場合、付加的な手段またはトリムとして制御装置によって航空機を積極的に制御でき、それにより安全な飛行姿勢を維持し、および/または安全でない飛行状態を回避しまたは逃れることができる。
【0018】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記システムが評価装置を備えており、前記評価装置は、所定の重量および/または重心それぞれと、検知された重量および/または重心それぞれとを比較し、最大偏差を上回る場合に警告信号を出力するように構成される。好ましくは、前記評価装置は、検知された有料荷重が、航空機の全体的な重心に対して与えると決定した影響を、航空機の全体的な重心に対する有料荷重の所定の影響と比較し、最大偏差を上回る場合に警告信号を出力するように構成される。すなわち、例えば地上整備員による妥当でない積載により、航空機中の有料荷重配置が容認される範囲を超える場合、および/または、予測されたおよび/または予定された配置からあまりに離れる場合、警告を発することができる。荷重の喪失もこのように検知でき、それぞれ、警告を発し、および/または適切な手段を開始できる。警告信号は、例えば、聴覚的に、および/または出力装置、例えばコックピットのスクリーン、によって視覚的に、出力できる。
【0019】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記評価装置は、航空機の積載計画の関数として(航空機の積載計画に応じて)、それぞれに所定の重量および重心、および/または航空機の全体的な重心に対する所定の影響を決定するように構成される。これによって、妥当でない、および/または不適当な積載の検知が可能になる。このように、計画にしたがって航空機が荷積み(load)されたか否かを点検できる。
【0020】
さらに有利な実施形態のシステムでは、それぞれに所定の重量および重心、および/または航空機の全体的な重心に対する所定の影響は、それぞれに所定の最大値に一致する。このように、航空機型式に特有の容認される配置または不均等配置および/またはさらに個々のセクターの、もしくは個々の搭載域上の最大積載量を、考慮に入れることができる。さらに、航空機の最大限の積載についても考慮に入れることができる。それぞれの最大値は、例えばテールストライクを回避するために、航空機に特有の値であり得る。対応する範囲を超過する場合、警告を発することができる。
【0021】
さらに有利な実施形態のシステムでは、それぞれに所定の重量および重心、および/または航空機の全体的な重心に対する所定の影響が、評価装置によって前もって決定されたそれぞれの値に一致する、特に、航空機への積載が完了した直後、離陸に先立って、または巡航高度に達した際などの特定の時点で一致する。前回の値により、動的な考察が可能になり、例えば乱気流中に荷重の移動を検知し、移動が広範囲すぎる場合に警告することが可能となる。前回に決定された値は、例えば、現在の検知からの所定時間間隔(例えば5分前、1分前、30秒前、10秒前または1秒前)を有する値になり得る。
【0022】
それぞれに所定の重量および重心は、個々の搭載域および/または航空機に対して、複数回割り当てることができる。例えば、航空機の型式に対する最大値および/または前回の値を、考慮に入れることができる。好ましくは、これらの値のうち最低値を上回る場合、警告信号は既に出力されている。したがって、これらのそれぞれの制限値はすべて蓄積され、および/またはそのすべてが決定され得る。そして、関連する最も小さな値を、各例で使用できる。それぞれの容認される偏差は、所定のパーセントとして、または絶対値として、それぞれの制限値、例えば偏差、に応じて、あらかじめ決定できる。
【0023】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記システムは、搭載域として、少なくとも、航空機の貨物倉の1つの床域、乗客が航空機の乗客キャビンの中に滞在できる区域、例えば、通路床、坐面および/または背もたれ、および/または洗面所の床域、調理室中の区域(トロリー用の搭載域、調理室の積み込みスペースの棚など)、例えばアトラスコンテナの収容のための区域、乗客キャビン中の座席のそれぞれの列の上の荷物入れにおける搭載域、および/または調理室、乗客キャビンおよび/または貨物倉へのアクセス中の床域を含む。したがって、それぞれの有料荷重は、例えば、乗客、積荷、手荷物、機内持ち込み手荷物、食物、消耗品および/または航空機中の販売品(アルコール飲料と香水など)を含むことができる。好ましくは、有料荷重は乗客を含まず、例えば、無生物だけを含むことができる。
【0024】
前記システムは、それぞれの有料荷重がアクセス(コンテナ、トロリーまたは輸送コンテナ)を通ることを検知する付加的なセンサーを含むことができる。例えば、通過する有料荷重は、バーコードリーダによって識別できる。このように、検知された重量およびその重心は、それぞれの有料荷重に割り当てることができ、前記有料荷重が異なる位置に配置される場合、正確に考慮に入れることができる。この目的のために、対応するセンサーを目標位置で提供することもでき、または導入された有料荷重は、追跡でき、例えばシステムの別の付加的なセンサー(カメラなど)を用いて、その目標位置が検知され得る。概して、圧力センサーの数をこのように低減でき、それにより、前記システムはより費用効果的で、より軽くなり得る。
【0025】
前記システムは、さらにそれぞれの搭載域で付加的なセンサーを含むことができ、前記センサーは有料荷重を識別するように構成される。例えば、バーコードリーダが、調理室のそれぞれの積み込みスペースに、および/または貨物倉に配置でき、例えば、貨物専用コンテナ、アトラスコンテナおよび/またはトロリー、もしくは数個の手荷物を識別することさえ可能となる。
【0026】
重量および重心の検知によって、航空機中の消費(例えば食物、販売品および飲料に関する消費)も検知できる。これは、必要に応じて消費された品物だけが補充されるような貯蔵品管理を実施することを可能にする。例えば、トロリーの引き出しでは、個人ボトルが特定位置に配置された場合、圧力センサーは、どのボトルが、どの程度にまで空になったか、対応するリフィルの注文が行われたかについて、特に航空機が着陸する前においてさえ、自動的に検知できる。このようにして、在庫管理を自動的に実行でき、および/または、窃盗を発見できる。
【0027】
荷物入れ(overhead bin)では、各機内持ち込み手荷物を、個々に、圧力センサーにより対応する検知の空間分解能によって検知できる。このようにして、例えば、荷物入れにおける、個々の手荷物の最大重量超過を検知できる。そのような検知に応じて、追加費用を徴収でき、および/または、そのような手荷物は、セキュリティを増加させるために、航空機の手荷物預かり室(baggage room)または貨物倉へ配置できる。
【0028】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記システムは、航空機の姿勢の関数として、それぞれに検知された重量およびそれぞれに検知された重心に基づいて、それぞれの実際の重量およびそれぞれの実際の重心を検知するように構成される評価装置を備える。航空機の姿勢は、検知された重量およびその重心に影響を及ぼす場合がある。例えば、圧力センサーは、搭載域に直角に作用する圧力荷重だけを測定できる。しかしながら、傾斜した航空機では、例えば、重量が搭載域に直角に作用せず、その結果、測定結果を不正確にする場合がある。航空機の姿勢に対応した考察によって、有料荷重の実際の重量およびそれぞれの重心を計算できる。それにより、航空機に対する有料荷重が及ぼす影響について、より良好な推定(conclusion)を決定できる。前記評価装置は、航空機の姿勢、およびそれぞれに検知された重量およびそれらの重心に応じて、それぞれの実際の重量およびそれらの重心を決定するように構成できる。
【0029】
航空機の姿勢は、航空機の空間方位として定義でき、同様に、それぞれの搭載域の空間方位として定義できる。航空機の姿勢は、特に飛行中の姿勢であってもよく、またはさらに着陸装置上の、例えば駐機位置での、スタンディング状態であってもよい。航空機の姿勢は、さらに航空機の加速を考慮することもできる。または、それぞれの実際の重量およびそれぞれの実際の重心を検知する中で、加速を付加的に考慮できる。航空機の姿勢は、例えば、ジャイロスコープ、および/または他のセンサー(迎え角センサー)によって検知できる。評価装置をこれらのセンサーに接続でき、または、これらのセンサーに接続されるように構成でき、その場合、前記システムは、さらにこれらのセンサーを備えることができる。
【0030】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記システムが、それぞれの搭載域の横方向の境界となる側面よりも内側またはその側面に配置された少なくとも1つの圧力センサーを備えており、その少なくとも1つの、側面にそって配置されたセンサーが、前記側面が対応する有料荷重の前記重量および/またはその重心を検知するように構成されている。それにより、搭載域に作用しない力成分も考慮に入れることができる。特に、実際の重量およびそれらの重心は、航空機の姿勢についての情報を用いない場合であっても決定できる。不均一な形を有する有料荷重室であっても、そこに配置された有料荷重が航空機に与える影響を完全に検知できる。例えば、胴体中の曲げられたサイドウォールで、漏斗のように積み重ねられた手荷物を保持できるが、これらの完全な重量を正確に決定できる。
【0031】
さらに有利な実施形態のシステムでは、それぞれの圧力センサーのうちの少なくとも1つが表面センサー(特に織物の表面センサー)として構成される。表面センサーは、表面上の重量およびその重心を検知するに当たり、費用効果的で容易な方法として用いられる。織物の表面センサーは強健で、不規則に形作られた表面においてさえ、容易に使用できる。有利なことに、表面センサーは表面の荷重を検知できる。織物の表面センサーは、さらに、例えば床カーペットまたはシートカバーとして、同時に搭載域表面を形成できる。その結果、センサーはスペースの制約なく統合され、および/または別の表層(separate surface layer)を分配(dispense)でき、それは、システムおよびさらには航空機を軽量化し、資金効率を向上させることを意味する。好ましくは、織物の表面センサーは、容量型の織物表面センサー(capacitive textile surface sensor)、抵抗型の織物表面センサー(resistive textile surface sensor)またはトランスミッター検知(transmitter detection)を有する織物表面センサーとして構成される。
【0032】
圧力センサーは、例えば、機械式および/または誘導式近接センサー、圧電結晶、または圧縮空気ホースとして構成することもできる。例えば、リードスイッチまたはホールセンサーも圧力センサーとして使用できる。
【0033】
織物の圧力センサーは、例えば、一定間隔で配置される2本の容量型のワイヤーによって(例えばそれらが、内部または上部で接続される3D織物によって)形成できる。織物への圧力によって、距離が小さくなり、その結果、検知できる静電容量の変化がもたらされる。表面センサーは、電極として導電性糸を、誘電体としての発泡プラスチックを使用することにより形成することもできる。表面センサーは、検知の空間分解能を可能にするためにマトリックス状に形成できる。圧力センサーは、それぞれのセンサー信号を評価する解析装置を備えることができる。複数の圧力センサーが提供される場合、さらに、異なる種類のセンサーを組み合わせることも可能であり、それらの位置に応じて、目的とする方法の中でそれぞれの利点を使用でき、および/または測定精度を改善できる。
【0034】
容量型の織物の表面センサーは、高荷重の場合にさえ、座席荷重および/または圧力を特に正確に決定できる。特に、5kgを超える荷重でさえ、それらの位置を正確に決定できる。例えば、高荷重の場合(貨物倉、または航空機座席上など)、容量型の織物の表面センサーは有利である。容量型の織物の表面センサーは、航空機座席へ特に容易に軽量な状態で一体化できる。さらに、容量型の表面センサーは、特に電力消費量が低い。
【0035】
抵抗型の織物の表面センサーは、2つのセンサー糸の間の橋絡抵抗(transition resistance)の変化に基づいて、圧力荷重を検知する。抵抗型の表面センサーは、小さい力さえ特に正確に高解像度で検知できる。したがって、座席のそれぞれの列の上の荷物入れおよび調理室中の検知に特に適している。
【0036】
トランスミッター検知を有する織物の表面センサーは、発信側の織物の層の場合には、確定された周波数のAC信号を発することにより作動できる。AC信号は、受信側の織物の層によって受け取られ、例えば、距離が信号の強さに影響を及ぼす。距離は、圧力荷重によって変化し得る。好ましくは、力の作用で変形するスペーサ層が、受信層と発信層の間で配置される。例えば、編物、発泡体、またはエラストマーでスペーサ層を構成できる。織物の表面センサーは、大規模な区域のセクターおよび複雑な形状に特にふさわしい。
【0037】
圧縮性を有するセンサーは、例えば一端に圧力用の計測装置を備えた圧力ホースである。荷重による圧縮および結果として生じる過剰圧力を、検知できる。織物の構成部分の場合には、圧力体は織物によって開始状態を維持できる。スペーサ編物は、例えば、この場合において適切である。そのようなセンサーの表面は閉塞していてもよく、これにより容易に拭くことができるとともに消毒できる。これにより、調理室中の調理台およびトロリー上のトレーのような汚染され得る表面における、センサーの適合性を向上させる。さらに、柔軟な材料は敏感な用途に使用できる。例えば、センサーは、スペーサ織物がベッドの弾性支持を形成できる航空機のベッドに使用することもできる。
【0038】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記システムが、それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価(特に時刻歴としての値および評価)を格納するための、少なくとも1つのデータベース装置を備える。これにより、前記値が、例えば調理室および機上の倉庫中の品物に関して、後の評価、消費予測および物流(運搬、logistics)予測に利用可能となる。また、どの地上整備員が特に確実に働いているかについても分析できる。さらに、例えば、積載計画およびそのために増加した燃料消費がもたらす不適当な積載の場合、このように格納されたデータに基づいて、空港に対する要望を主張できる。また、それぞれの搭載域もしくは他の航空機部品に生ずる材料疲労を、保存されたデータによって予測または決定できる。それぞれの評価は、例えば、評価装置の決定および/または計算と関係し得る。
【0039】
さらに有利な実施形態のシステムでは、前記システムが、それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価の格納のために、特に無線通信による、少なくとも1つの伝送装置を備える。その結果、これらのデータを、陸上で、および航空機の外部装置中で使用できる。特に、これらのデータを、さらに着陸に先立って事前に(already)処理でき、例えば注文および/または調理室中の消耗品の補給を自動的に始めるなどして、事前に処理できる。
【0040】
本発明の第2態様は、本発明の第1態様によるシステムを備える航空機、特に、本発明の第1態様によるシステムを備える民間旅客機に関する。第1態様によるシステムに起因する特徴および利点は、第1態様中の記載から得られ、そこにおいては、第1態様の有利な実施形態は、第2態様においても有利な実施形態と見なされ、逆もまた同じである。
【0041】
本発明の第3態様は航空機を管理する(操作する、operate)方法に関し、特に第1態様によるシステムを備え、および/または第2態様によって航空機を管理する方法に関する。前記方法では、航空機の有料荷重室の搭載域に配置された有料荷重の少なくとも1つの重量およびその重心が検知される。
【0042】
本方法は、第1態様および/または第2態様による航空機によって、システムを制御するか操作するのにふさわしい。第1態様によるシステムおよび第2態様による航空機に起因する特徴と利点は、第1態様および第2態様中の記載から得られ、そこにおいては、第1態様および第2態様の有利な実施形態は、第3態様においても有利な実施形態と見なされ、逆もまた同じである。
【0043】
さらに有利な前記方法では、前記方法は、さらに任意に以下の少なくとも1つの工程を備える:
― それぞれに検知された値を出力する工程;
― それぞれに検知された重量およびそれらの重心を表示する工程;
― それぞれに検知された重量およびそれらの重心に応じて警告を出力する工程;
― それぞれに検知された重量およびそれらの重心に応じて航空機のトリムを調節する工程;
― それぞれに検知された重量およびそれらの重心に応じて離陸許可または離陸禁止を行う工程;
― それぞれに検知された重量およびそれらの重心に応じて航空機中のそれぞれの有料荷重を再配置する工程;
― それぞれに検知された重量およびそれらの重心に応じて消耗品を管理する工程;
― それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価を、記憶および/または送信する工程。
【0044】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、図面と同様に好ましい実施形態の以下の説明から明白になる。明細書中で記載された上記特徴およびこれらの特徴の組み合わせ、および図面の説明において明細書中で記載された、および/または図面単独に示された以下の特徴およびこれらの特徴の組み合わせは、本発明の範囲から外れることなく、それぞれ示された組み合わせだけでなく他の組み合わせの中で、またはこれら自身において、使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】航空機用の有料荷重モニタリングシステムの概略図を示す。
図2図1におけるシステムを備える乗客キャビンの一部の概略平面断面図を示す。
図3図2による航空機の貨物倉の一部の概略平面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、航空機用の有料荷重モニタリングシステムの概略図を示す。システムは、本態様において、織物の表面センサーとして構成される、少なくとも1つの圧力センサー10を備える。航空機中のその配置は、図2および3においてより詳細に説明される。圧力センサー10は、例えば航空機の内蔵の電源に接続でき、またはさらに自律性の電源(例えばバッテリー)を有することができる。または、圧力センサー10は、受動的に(passively)作動して電源を要求しないように構成することもできる。システムはさらに複数の圧力センサー10を備えることができ、各圧力センサー10は、例えば航空機の異なる有料荷重の搭載域に、割り当てられる。
【0047】
圧力センサー10は、前記圧力センサー10が割り当てられる搭載域に置かれている有料荷重の重量、および任意に、その重心を検知するように構成される。重量は、有料荷重が重力により搭載域を圧する力であってもよい。有料荷重の大きさおよび配置に基づいて、圧力センサー10が検知できる重量配置(重量分布、weight force distribution)が結果として発生する。例えば、圧力センサー10は、搭載域上の複数の位置で力を測定するように構成できる。これらの力は、搭載域に作用する全体の力を決定するために統合できる(be aggregated)。同時に、これらの力は、搭載域上の有料荷重の重量のそれぞれのレバーアーム(応力中心距離、lever arms)の決定を可能とするために、統合された合計の力がどの位置で作用するかを決めるために評価される。
【0048】
システムのA/D変換器12は、圧力センサー10からのそれぞれのセンサーシグナルを変換できる。その後、評価装置16および/または航空機の外のレシーバーに、データ伝送モジュール(data transmission module)14によって、センサーシグナルを送信できる。例えば、データ伝送は、有線通信、またはワイヤレス通信(例えば無線通信)によって行われ得る。データ伝送は、例えば、WLANおよび既存の内蔵のWLANを使用することによって、または、電力消費量を大きく低減しうるブルートゥースローエネルギー(登録商標)(BLE)によって、または、RFID技術によって、提供され得る。圧力センサー10によって検知された重量およびその重心は、例えば、航空機の全体的な重心に対する検知された有料荷重の影響を決定するために、評価装置16によって評価できる。その結果、検知された有料荷重が、予測された有料荷重およびさらに航空機中のその計画された配置に相当するかどうかを照合することが可能である。そして、航空機のトリムを改善しおよび/または、危険な飛行状態を回避することが可能である。
【0049】
それぞれのセンサーシグナル、および評価装置16による評価の結果を、例えば、格納されるためにデータベース装置18に伝送できる。これは、これらのデータが後の評価に利用可能になり得ることを意味する。代替的にまたは付加的に、それぞれのセンサーシグナルおよび評価の結果は、例えば、航空機のコックピットの有料荷重配置を表示する出力装置20に伝送できる。それにより、これらのデータを航空機の乗組員が利用して、好ましくない有料荷重配置および/または最大積載量の超過について、データにしたがって対応できる。
【0050】
出力装置20またはディスプレイは、パイロットおよびそれぞれのフライトアテンダントへの実際のインターフェースになり得る。例えば、積載を、フライトアテンダントのために「赤-黄色-青」信号によって表示できる。正確な区域、それぞれの有料荷重、全重量、および結果として生じる重心を、パイロットおよび/またはタラップ要員のために提供できる。さらに、積載計画は、所望の積載に対する比較のために表示できる。対応する積載が、所定の閾値を大きく逸脱した場合には、搭載域が黄色または赤色に表示される。この評価は評価装置16によって行なうこともできる。
【0051】
図2は、旅客機の乗客キャビン22の一部の平面断面図を示す。この乗客キャビン22の境界は胴体24によって示される。各航空機座席26を有する複数の座席の列が乗客キャビン22に配置される。荷物入れ28は座席のそれぞれの列の上に配置される。トロリー32が位置する通路30は、座席の列の間に広がる。さらに、調理室34は乗客キャビン22に配置され、前記調理室34は、2つの調理台36および複数の収容場所(a plurality of stowage spaces)38を備えている。収容場所は、例えば、乗客のための食物を備えたそれぞれのアトラスコンテナを収容できる。トロリー32のための収容場所も、例えば、調理台36の下に提供される。
【0052】
図3は、航空機の貨物倉40の一部の平面断面図を示す。貨物倉40の境界も胴体24によって示される。貨物倉40は床域を備えており、この態様では、床域は、3つの床域セクター42へ分割され、割り当てられた貨物専用コンテナの載置のために、そのそれぞれが使用される。代替的にまたは付加的に、貨物倉40は、例えば、束ねられていない数片の手荷物または他の物を収容するように構成され得る。
【0053】
前述の区域は有料荷重のモニタリングシステムによってモニターできる。したがって、それぞれ割り当てられた圧力センサー10が提供され、前記圧力センサーは、前述の搭載域に置かれている有料荷重の重量およびその重心をそれぞれ検知する。したがって、例えば、座席26および通路30上のそれぞれの乗客の重量およびその作用点を検知できる。同様に、荷物入れ28の搭載域は、それぞれ圧力センサー10として織物の表面センサーを備えることができる。したがって、荷物入れ28における、数片の手荷物の重量および位置のそれぞれを検知できる。このセンサーにより、さらに、機内持ち込み手荷物1個が容認される最大重量を超過する否かを決定することもでき、乗組員はその決定にしたがって助言できる。このように、機内持ち込み手荷物の落下(falling)により引き起こされる危険を、最小化できる。
【0054】
有料荷重は、調理室34においてモニターすることもできる。例えば、圧力センサー10は、この目的のために調理台36のそれぞれの上に提供され得る。したがって、圧力センサー10は、例えば、束ねていない物が、未だそこに格納されているかについても検知でき、乗組員は、それについて乱気流の場合、および/または着陸と離陸に先立って助言できる。したがって、この有料荷重による危険を抑制できる。同様に、積み込みスペース38の有料荷重を、対応する圧力センサー10によって検知できる。それにより、圧力センサー10は、食糧供給の荷積みを自動的にチェックできる。飛行終了後、消費も検知でき、また、それにしたがって、自動的に再注文を行うこともできる。トロリー32の床域上の圧力センサー10によって、トロリー32が満たされている場合、同様のことを検知することもできる。さらに、トロリー32が適切に積まれていない場合、警告を発行することもできる。さらに、有料荷重モニタリングシステムの一部であり得るトロリー32では、それぞれの圧力センサー10を提供できる。特に、高解像度の圧力分布に対応する場合(correspondingly high resolution of the pressure distribution)、例えば、それぞれどの消耗品が、どの程度までトロリー32で消費されたかを検知できる。その場合、水が十分に利用可能であっても、ソーダ水が消費されており補充されなければならないことを検知できる。
【0055】
さらに、それぞれの有料荷重の重量およびそれらの重心の検知によって、システム10は、航空機の全体的な重心に対する影響を決定できる。一方では、この決定は、それぞれの航空機を調節すること(trimming)により考慮に入れることができる。または、それは離陸に先立って、もしくは移動の後に、有料荷重の位置を所望のように変えるために使用できる。さらに、それはモニタリングする上で正確な積載を与える。例えば、貨物倉40の重量貨物の妥当でない積載は、離陸の間に、航空機のテールストライクを引き起こす場合がある。したがって、有料荷重モニタリングシステムでは、飛行が始まる前においてさえ、不適当な積載を検知できる。ただし、例えば有料荷重の故意でない移動(例えば、乱気流による移動)を、飛行中に検知することもできる。必要な場合、有料荷重による危険を抑制でき、および/または穏当な位置へ移動できる。さらに、故意でない移動を、パイロットに示すことができ、それにより、航空機の異常な飛行特性の場合にパイロットが問題を解消するのを支援できる。例えば、パイロットは、有料荷重が移動したのか、航空機の操縦面のうちの1つが破損されたのか、いずれが発生したのかを、より正確に識別できる。
【0056】
航空機中の有料荷重配置に起因する重心は、飛行特性および安全性にとって重要である。例えば、有料荷重の重量配置が好ましくない場合、飛行中の燃料消費を増加させ得るため、航空機の調節が行われるよう強く要求され得る。それぞれの圧力センサー10を使用して、できるだけ多くの搭載域を広範囲に検知することによって、この影響を、非常に正確に検知できる。または、最も重いと予測された荷物を有する最も重要な搭載域だけについて、それぞれの圧力センサー10によってモニターできる。例えば、貨物倉40だけをモニターできる。このように、システムは特に軽量で費用効率を高くすることができる。
【0057】
航空機での安全な旅行は、飛行で最も重要な要求である。常に増加する生産性の要求および常に減少する航空機の地上での時間(ground time)のために、安全に確実に積載することが可能でなければならない。したがって、各飛行に先立って、どのセクションにどの積荷が積載されたか、通常正確に決定される。しかしながら、これが正確に行われたか否かは、通常地上整備員によって全く点検されず、または十分に速く点検できない。パイロットは、積載ゾーンでの前もって確定された荷重に基づいて航空機のバランスを計算する。トリムはそれにより調節され、また、限界が遵守されるよう点検される。しかしながら、乗組員および/またはパイロットは、航空機が実際に計画通りに積載されたという事実に頼らなければならない。これに代えて、本発明に記載されたシステムによって、実際の制御を行うことができ、それにより、航空交通中の安全性および効率を向上できる。
【0058】
離陸中に、または強い乱気流の場合に、力は荷重を移動させる場合がある。このような移動も本明細書に記載されたシステムによって検知でき、それに応じて目標とされた対抗策を可能にする。
【0059】
本明細書に記載された積荷制御のインテリジェントモニタリングシステムにより、それぞれのモニターされたスペースまたは航空機の表面の座標の有料荷重の搭載域の重心を決定でき、そして、コックピットおよび/または例えばタブレットへそれらを転送できる。
【0060】
同様に、配膳する乗組員が、リモート送信および/またはタブレットを介して、消費された品物について前もって通知を受けることができるので、インテリジェントな荷重モニタリングシステムは、調理室、コンテナ、トロリーおよび/またはキッチン貯蔵所中の箱の内容をモニターし、保守時間を低減できる。したがって、消耗品の積載を最適化でき、また、それぞれの配膳するコストを下げることができる。
【0061】
システムは、いわゆるパントリーコードモニタリング(pantry code monitoring)に使用できる。配膳する積載または消耗品の構成にはそれぞれパントリーコードがある。このコードにより、例えば、それぞれの積載の重量およびタイプに関して推定を行うことが可能となる。例えば、配膳する荷重を量ることは必要ではない。代わりに、例えば、積載は、特定のフライトについて1回定義でき、航空機には、常にこの配膳する積載を搭載できる。この積載の名目上の重量は、例えば1.5トンであると知られている。その後、提供する積載がそれぞれ正確に荷積みされ、および/または提供されたかについて、航空機中のシステムによって最終的に照合できる。前記システムは付加的なセンサーを備えることができ、前記付加的なセンサーにより、それぞれの有料荷重のパントリーコードを、例えばバーコードリーダによって検知できる。このように、コントロールとモニタリングは、この点においても可能である。さらに、例えば、提供する(配膳する、catering)積載の内容は正しくても、航空機中の間違った位置に配置されたことについても、考慮に入れることができる。評価装置16は、そのような照合用に構成することもできる。
【0062】
同様に、システムは、飛行中にコックピットへ、モニターされた場所のそれぞれの重心の変化について、通知を与えることができる。この情報を元に、必要ならば、パイロットは、対象となる方法で(in a targeted way)航空機のトリムに介入し、差し迫った被害を回避できる。航空会社による安全な旅行への高い需要および航空機の高額な取得コストにより、航空機の地上での時間(空き時間、ターンアラウンドタイムなど)を最小化する要望が存在している。したがって、本システムは、航空会社と保険会社のために利点を有している。
【0063】
システムは、リアルタイムで重量配置を示し記録できる、積載制御および情報システムである。航空機の個々のセクターの有料荷重が量られる。これにより、1つの区域当たりのそれぞれの圧力に関する情報、およびそれぞれの測定された搭載域の区域における重心に関する情報が提供される。データはコックピットへ送られ、および/または、それらを航空会社が評価のために利用可能にするために、およびそれらをさらなる処理および検索のために利用可能にするために、保存される。例えば、これらのデータは、それぞれの空港運営者(airport operators)に対しても利用可能であり、特にそれぞれの地上クルー(例えば積載クルー)の工程作業を改善するために販売することもできる。
【0064】
手荷物預かり所のそれぞれの荷重ステータスを、信号により、パイロットに伝えることができる。必要であれば、パイロットは、初期段階で措置に着手でき、例えば、離陸に先立って有料荷重の再配置を行うことができる。伝送された後に、得られた調査結果は、より正確な評価を行なうために、コンピューター、タブレット、スマートフォンまたはスマートウォッチにおいて詳細に表示できる。さらに、得られた調査結果を遠隔に伝送することもできる。
【0065】
それぞれの圧力センサー10は搭載域の表面材またはカバーとして用いることができ、それによりコストとスペースの要求を最小化できる。例えば、通路30のカーペットは織物の表面センサーによって形成できる。それによって、圧力センサー10は、床のカバーへ統合される。得られたセンサーデータによって、意図されるように手荷物が収容されているかについての情報、または荷重に移動があるのか、および/または移動があったのかについての情報を得ることができる。
【0066】
システムによって、サービスが完了した後に、どの程度の飲料および/またはどのタイプの食事が利用可能であるかを検知することもでき、ケータリング業者から補充されるべき量を自動的に要求できる。
【0067】
有料荷重モニタリングシステムによって、下記を達成し、および/または自動化できる:
― 燃料消費を最適化するために、手荷物預かり所区域の重心の決定;
― テールストライクの回避;
― 移動された手荷物の識別およびパイロットへの通知(特に即時の通知);
― 貯蔵能力の正確な決定および自動的な再整理;
― 乗客の消費行動の分析;
― 耐用年数を超える、荷重の関数としての材料疲労(material fatigue as a function of load over lifetime);
― トリムの最適化。
【0068】
例えば、圧力センサー10は、明白な信号を(例えば電気抵抗の形式で)発生する。それは、荷重位置および重量とその重心に関する推定を可能にする。そこから、手荷物がどのように積まれたか、それが全飛行中において、その位置を維持したかについての情報を引き出すことができる。対応する評価は、評価装置16によって行なうことができる。同様に、トロリーおよび/または調理室中の積み込みスペースが、適切におよび/または十分に蓄えられているかどうかに関して、情報を引き出すことができる。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
航空機の有料荷重モニタリングシステムであって、
前記システムが、有料荷重用の少なくとも1つの搭載域(42)、および少なくとも1つの圧力センサー(10)を備え、
前記少なくとも1つの圧力センサー(10)が、前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知するように構成され、
前記システムが、搭載域(42)として前記航空機の貨物倉(40)の中に少なくとも1つの床域を備え、
前記システムが、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置を決定するのに適している、システム。
[態様2]
態様1に記載のシステムであって、前記貨物倉(42)の前記床域が、複数の、好ましくは少なくとも3つの、床域セクター(42)を備え、前記システムが複数の圧力センサー(10)を備え、それぞれの圧力センサーが、複数の床域セクター(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心をそれぞれ検知するために、前記複数の床域セクター(42)に割り当てられており、1つ以上のセンサーを、1つの床域セクター(42)に割り当てることができる、システム。
[態様3]
態様2に記載のシステムであって、前記床域セクター(42)のそれぞれが、少なくとも1つの貨物専用コンテナを収容するのに適している、システム。
[態様4]
態様2または3に記載のシステムであって、それぞれに割り当てられた圧力センサー(10)を有する、少なくとも5つの、好ましくは少なくとも10の、特に好ましくは少なくとも15の、床域セクター(42)を備えた、システム。
[態様5]
態様1~4のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記搭載域に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知できるように、圧力センサーを装備している搭載域の合計が、少なくとも20m 、好ましくは少なくとも50m 、特に好ましくは少なくとも100m 、からなる、システム。
[態様6]
態様1~5のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記システムが、飛行中に、好ましくは連続的に、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置を決定するのに適している、システム。
[態様7]
態様1~6のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記システムが、飛行中に、好ましくは連続的に、前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知するのに適している、システム。
[態様8]
態様1~7のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記システムが、前記貨物倉への積載中に、前記貨物倉および/または前記航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および/または着陸に先立って、前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心を検知するのに適している、システム。
[態様9]
態様1~8のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記システムが、前記貨物倉への積載中に、前記貨物倉および/または前記航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および/または着陸に先立って、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置を決定するのに適している、システム。
[態様10]
態様1~9のいずれか一態様に記載のシステムであって、評価装置を備え、前記評価装置が、それぞれに検知された重量および/または重心に基づいて、検知された前記有料荷重が前記航空機の全体的な重心に与える影響を決定するように構成されている、システム。
[態様11]
態様10に記載のシステムであって、検知された前記有料荷重が前記航空機の全体的な重心に与えると決定された前記影響に応じて、前記評価装置が、さらに、これに対応する前記航空機のトリムを決定するように構成され、任意に、前記システムが、決定されたトリムを、特に水平安定板の迎え角の調節によって、それぞれの昇降舵の調節によって、および/またはそれぞれのトリムタブの調節によって、調節する制御装置を備えた、システム。
[態様12]
態様1~11のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記システムが評価装置(16)を備え、前記評価装置が、それぞれに検知された重量および/または重心を、それぞれに所定の重量および/または重心と比較し、最大偏差を上回る場合に警告信号を出力するように構成されている、特に、検知された前記有料荷重が前記航空機の全体的な重心に与えると決定された前記影響を、前記有料荷重が前記航空機の全体的な重心に与える所定の影響と比較し、最大影響を上回る場合に警告信号を出力するように構成されている、システム。
[態様13]
態様12に記載のシステムであって、前記評価装置(16)が、
前記航空機の積載計画の関数として、前記それぞれに所定の重量および/または重心、および/または前記航空機の全体的な重心に与える前記所定の影響を決定するように構成されている、および/または、
前記それぞれに所定の重量および/または重心、および/または前記航空機の全体的な重心に与える前記所定の影響が、それぞれに所定の最大値に一致するか否かを照合するように構成されている、および/または、
前記それぞれに所定の重量および/または重心、および/または前記航空機の全体的な重心に与える前記所定の影響が、前記評価装置によってそれぞれに前もって決定された値に一致するか否かを照合するように構成されている、特に、航空機への積載が完了した直後、離陸に先立って、または巡航高度に達した際などの特定の時点で、一致するか否かを照合するように構成されている、システム。
[態様14]
態様1~13のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記システムが評価装置(16)を備え、前記評価装置が、航空機の姿勢の関数として、前記それぞれに検知された重量および/またはそれぞれに検知された重心に基づいて、実際のそれぞれの重量および/または実際のそれぞれの重心を検知するように構成されている、システム。
[態様15]
態様1~14のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記システムが、それぞれの搭載域(42)の横方向の境界となる側面よりも内側またはその側面に配置された少なくとも1つの圧力センサーを備え、その少なくとも1つの、側面にそって配置されたセンサーが、前記側面が対応する有料荷重の重量および/またはその重心を検知するように構成されている、システム。
[態様16]
態様1~15のいずれか一態様に記載のシステムであって、前記圧力センサー(10)のうちの少なくとも1つが、表面センサー、特に織物の表面センサー、として構成されている、システム。
[態様17]
態様1~16のいずれか一態様に記載のシステムであって、
前記システムが少なくとも1つのデータベース装置(18)を備え、前記データベース装置が、それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価を、特に時刻歴として、格納し、および/または、
前記システムが少なくとも1つの伝送装置(14)を備え、前記伝送装置が、それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価を、特に無線通信によって、格納する、システム。
[態様18]
態様1~17のいずれか一態様に記載のシステムを備えた航空機、特に民間旅客機。
[態様19]
航空機、特に態様1~17のいずれか一態様に記載の有料荷重モニタリングシステムを備えた航空機、および/または態様18に記載の航空機、を管理する方法であって、航空機の貨物倉(40)の搭載域に配置された有料荷重の少なくとも1つの重量および/またはその重心が検知され、それに基づいて、前記貨物倉(42)の実際の有料荷重配置が決定される、方法。
[態様20]
態様19に記載の方法であって、前記貨物倉(42)の前記床域が、複数の、好ましくは少なくとも3つの、床域セクター(42)を備え、前記床域セクター(42)のそれぞれに置かれている有料荷重の少なくとも1つの重量および/またはその重心が検知される、方法。
[態様21]
態様20に記載の方法であって、少なくとも1つの、好ましくは複数の、特に好ましくはすべての、前記床域セクター(42)に貨物専用コンテナが載置される、方法。
[態様22]
態様19~21のいずれか一態様に記載の方法であって、飛行中に、好ましくは連続的に、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置が決定される、方法。
[態様23]
態様19~22のいずれか一態様に記載の方法であって、飛行中に、好ましくは連続的に、前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心が検知される、方法。
[態様24]
態様19~23のいずれか一態様に記載の方法であって、前記貨物倉への積載中に、前記貨物倉および/または前記航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および/または着陸に先立って、前記搭載域(42)に置かれている有料荷重の重量および/またはその重心が検知される、方法。
[態様25]
態様19~24のいずれか一態様に記載の方法であって、前記貨物倉への積載中に、前記貨物倉および/または前記航空機への積載が完了した直後に、離陸に先立って、巡航高度に達した際に、および/または着陸に先立って、前記貨物倉(40)の実際の有料荷重配置が決定される、方法。
[態様26]
態様19~25のいずれか一態様に記載の方法であって、さらに任意に以下の少なくとも1つの工程:
― それぞれに検知された値を出力する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心を表示する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、警告を出力する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、前記航空機のトリムを調節する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、離陸許可もしくは離陸禁止を行う工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、前記航空機中のそれぞれの有料荷重を再配置する工程;
― それぞれに検知された重量および/またはそれらの重心に応じて、消耗品を管理する工程;
― それぞれに検知された値および/またはそれぞれの評価を、記憶および/または送信する工程、
を備えた、方法。
【符号の説明】
【0069】
10 圧力センサー
12 A/D変換器
14 伝送装置
16 評価装置
18 データベース装置
20 出力装置
22 乗客キャビン
24 胴体
26 航空機座席
28 荷物入れ
30 通路
32 トロリー
34 調理室
36 調理台
38 積み込みスペース
40 貨物倉
42 床域
図1
図2
図3