(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム、携帯端末装置、及びコンピュータ
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20241129BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/00 301D
G07G1/01 301E
(21)【出願番号】P 2023174309
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2020020717の分割
【原出願日】2020-02-10
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 直人
(72)【発明者】
【氏名】金子 知樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光寿
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和希
(72)【発明者】
【氏名】マモントワ エカテリーナ
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-039545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00
G07G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録端末により商品を登録し、前記登録端末により登録された商品に対応する精算処理を精算装置が行う商品販売データ処理システムにおける精算装置であって、
一取引に応じて前記登録端末により登録された商品の精算を行う際に、客による商品の登録に関する状況を撮像可能なように前記登録端末に備えられる撮像手段により得られる撮像画像であって、一取引に応じた商品の登録が行われる間において商品の登録が不全とされる所定の登録不全状況を検出する検出手段により検出された登録不全状況に対応する撮像画像を表示させる表示制御手段を備え
、
前記表示制御手段は、前記検出手段により検出された登録不全状況の分類に応じて撮像対象が異なる撮像画像を表示させる
精算装置。
【請求項2】
登録端末により商品を登録し、前記登録端末により登録された商品に対応する精算処理を精算装置が行う商品販売データ処理システムにおける精算装置であって、
一取引に応じて前記登録端末により登録された商品の精算を行う際に、客による商品の登録に関する状況を撮像可能なように前記登録端末に備えられる撮像手段により得られる撮像画像であって、一取引に応じた商品の登録が行われる間において商品の登録が不全とされる所定の登録不全状況を検出する検出手段により検出された登録不全状況に対応する撮像画像を表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、商品の情報の読取が成功しなかったとの分類による登録不全状況である場合、商品の情報を読み取らせる操作が行われていたときの撮像画像を表示させ
る
精算装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、商品の情報が読み取られることなく当該商品が商品投入部に投入されたとの分類による登録不全状況である場合、前記商品投入部に当該商品が投入される前後の所定期間に対応する複数の撮像画像を表示させる
請求項1
または2に記載の精算装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記複数の撮像画像のうちの所定の撮像画像において他の撮像画像と相違する部分を示す表示を行う
請求項
3に記載の精算装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記精算装置にて登録不全商品としての保留商品を処理する画面とともに、当該登録不全商品に対応して撮像された撮像画像を表示させる
請求項1から
4のいずれか一項に記載の精算装置。
【請求項6】
登録端末により商品を登録し、前記登録端末により登録された商品に対応する精算処理を精算装置が行う商品販売データ処理システムにおける精算装置としてのコンピュータを、
一取引に応じて前記登録端末により登録された商品の精算を行う際に、客による商品の登録に関する状況を撮像可能なように前記登録端末に備えられる撮像手段により得られる撮像画像であって、一取引に応じた商品の登録が行われる間において商品の登録が不全とされる所定の登録不全状況を検出する検出手段により検出された登録不全状況に対応する撮像画像を表示させる表示制御手段
であって、前記検出手段により検出された登録不全状況の分類に応じて撮像対象が異なる撮像画像を表示させる表示制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
登録端末により商品を登録し、前記登録端末により登録された商品に対応する精算処理を精算装置が行う商品販売データ処理システムにおける精算装置としてのコンピュータを、
一取引に応じて前記登録端末により登録された商品の精算を行う際に、客による商品の登録に関する状況を撮像可能なように前記登録端末に備えられる撮像手段により得られる撮像画像であって、一取引に応じた商品の登録が行われる間において商品の登録が不全とされる所定の登録不全状況を検出する検出手段により検出された登録不全状況に対応する撮像画像を表示させる表示制御手段であって、前記表示制御手段は、商品の情報の読取が成功しなかったとの分類による登録不全状況である場合、商品の情報を読み取らせる操作が行われていたときの撮像画像を表示させる表示制御手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理システム、携帯端末装置、及びコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラを搭載した携帯端末を用いて顧客自ら商品を登録するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、携帯端末を用いて顧客自らが商品を登録するため、商品のバーコードを読み取ったつもりであっても実際には読み取れなかったり、悪意により意図的にバーコードを読み取らせることなく商品を買い物カゴに投入したりするなどの問題が生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、顧客自らが商品を登録する場合に生じる問題に適切に対応できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、携帯端末装置により商品を登録し、前記携帯端末装置により登録された商品に対応する精算処理を精算装置が行う商品販売データ処理システムであって、客による商品の登録に関する状況を撮像可能に設けられる撮像手段と、一取引に応じた商品の登録が行われる間において、商品の登録が不全とされる所定の登録不全状況を検出する検出手段と、前記精算装置にて前記一取引に応じて登録された商品の精算が行われる際に、前記撮像手段により得られる撮像画像に基づき、前記検出手段により検出された登録不全状況に対応する撮像画像を表示させる表示制御手段とを備える商品販売データ処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る商品販売データ処理システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る商品販売データ処理システムを導入した店舗の出入口付近の様子の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るショッピングカートへの携帯端末のセットの態様例について説明する図である。
【
図4】本実施形態に係る精算装置について説明する図である。
【
図5】本実施形態に係る携帯端末の構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る取引管理装置の構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る顧客情報、店舗情報、カート情報の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る保留商品の定義例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る携帯端末、精算装置、及び取引管理装置が、セルフ運用における一取引の会計に対応して実行する処理手順例を示すシーケンス図である。
【
図10】本実施形態に係る起動画面、商品登録初期画面、商品登録更新画面、コード表示画面の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る登録商品提示画面、商品登録画面、案内画像の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る携帯端末と取引管理装置とが、登録不全状況に対応する処理を含む商品登録に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係る精算画面の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態に係る保留商品処理画面の一例を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る保留商品処理画面の一例を示す図である。
【
図16】本実施形態に係る拡大撮像画像エリアの一態様例を示す図である。
【
図17】本実施形態に係る保留商品処理画面の一例を示す図である。
【
図18】本実施形態に係る拡大撮像画像エリアの一態様例を示す図である。
【
図19】本実施形態に係る精算装置が保留商品処理画面の表示に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図20】本実施形態の第1変形例に係る撮像画像エリアの一例を示す図である。
【
図21】本実施形態の第2変形例に係る精算画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
[商品販売データ処理システム全体構成例]
図1は、本実施形態の商品販売データ処理システム1の全体的な構成例を示している。
同図の商品販売データ処理システム1は、管理装置10(例えば、ストアコントローラ)、取引管理装置20(クラウドサーバ)、登録精算装置30、精算装置40、監視装置50(例えば、パーソナルコンピュータ等)、携帯端末60を含む。
なお、登録精算装置30を図示したが、1店舗にて設置される登録精算装置30の数は2台以上であってもよい。なお、同図において、2台の精算装置40を図示したが、1店舗内の精算装置40の数は1台であってもよいし3台以上であってもよい。なお、
図1において、1台の監視装置50を図示したが、1店舗内の監視装置50の数は2台以上であってもよい。なお、管理装置10は、1店舗に2台以上であってもよい。
同図の商品販売データ処理システム1は、種々の店舗等(スーパーマーケット、コンビニストア、ドラックストア、ホームセンタ、家電量販店等)に導入可能である。
【0009】
同図の商品販売データ処理システム1は、店員が登録精算装置30を使用して商品を登録する店員応対運用に対応可能とされる。店員応対運用には、登録された商品について、引き続き店員が登録精算装置30を使用して精算を行う運用と、登録された商品について、客が精算装置40を使用して精算を行う運用とが含まれる。
また、同図の販売システムは、客が携帯端末60を使用して商品を登録し、同じく客が精算装置40を使用して精算を行うセルフ運用に対応可能とされる。以下の説明では、セルフ運用が行われる場合を例に挙げる。
【0010】
管理装置10、登録精算装置30、精算装置40、監視装置50は、店舗内に設置される。また、管理装置10、登録精算装置30、精算装置40、監視装置50は、LAN19(有線でも無線でもよい)を介して通信可能に接続される。管理装置10は、取引管理装置20と通信可能とされる。
【0011】
管理装置10は、主に店舗に設置される各種装置を管理する装置である。例えば、管理装置10は、外部の装置との通信機能を有し、外部の装置(例えば、非図示の本部のサーバ、取引管理装置20であってもよい)から商品ファイル(商品マスタ)を受信して登録精算装置30等に供給したり、精算装置40等から取引情報を受信し外部の装置(例えば、取引管理装置20等)に送信したりする。
【0012】
取引管理装置20は、各種サービスを提供するサーバである。例えば、取引管理装置20は、セルフ運用に対応する各種情報(例えば、取引情報(カート情報)等)を管理する。
【0013】
登録精算装置30は、登録処理及び精算処理を実行する装置である。登録精算装置30は、店員によって使用される(店員の操作によって登録処理と精算処理とを実行する)。
【0014】
精算装置40は、精算処理を実行する装置である。精算装置40は、顧客によって使用される。つまり、精算装置40は、顧客による操作に応じて精算処理を実行する。なお、精算に際して、登録された商品に店員の対応が必要な商品(以下、保留商品とする)が含まれる場合には、店員が呼び出され、店員が精算装置40を操作することによって保留商品についての取り消しまたは登録等の処理を精算装置40に実行させる。
【0015】
監視装置50は、主にLAN19内の各種装置を監視する装置である。監視装置50は、他の装置(例えば、登録精算装置30、精算装置40等)の稼働状況等を監視し、他の装置における各種情報を表示したり、他の装置に対する各種命令を出力したりする。
【0016】
携帯端末60は、セルフ運用のもとで客が使用する端末である。本実施形態において、携帯端末60は、セルフ運用のもとで、ショッピングカート70に取り付けられた状態で使用される。
【0017】
携帯端末60は、通信機能、撮像機能(カメラ)の他に、各種コード(バーコード、2次元コード等)を認識する認識機能を備える。例えば、携帯端末60は、商品に付されているバーコードを認識する。換言すれば、携帯端末60は、商品識別情報(商品コード)を読み取る。また、携帯端末60は、所定情報がコード化されているバーコード(後述するマーカ73)を認識する。換言すれば、携帯端末60は、所定情報を読み取る。なお、携帯端末60は、撮像機能によって撮像されている撮像画像(スルー画像として取得している画像)内の特徴点を抽出し、オブジェクト(各種コード)を認識してもよい。
【0018】
携帯端末60は、顧客が所有するスマートフォン等である。なお、携帯端末60は、店舗側が所有し、買い物に際して客に貸与されるものであってもよい。なお、同図では2つの携帯端末60が示されているが、店舗にて商品登録のために使用される携帯端末60の数は、客の数に応じて変化する。
【0019】
携帯端末60には、本実施形態のセルフ運用に対応して商品登録を行う機能を有するショッピングアプリケーションがインストールされる。
【0020】
図2は、本実施形態の商品販売データ処理システム1を導入した店舗の出入口付近の様子の一例示している。同
図2に示ように出入口(入口と出口が別々の場合には入口)付近には、貸し出し用のショッピングカート70、貸し出し用の買い物カゴ80、販売用のショッピングバック90が用意される。顧客は、来店時に、ショッピングカート70に買い物カゴ80をセットし、買い物カゴ80にショッピングバック90等をセットし、店内へ進む。この際、客は、セルフ運用で買い物をしようとする場合、ショッピングカート70に携帯端末60をセットする。
【0021】
なお、顧客は、今回購入したショッピングバック90を次回以降の来店時にマイバックとして持参してもよいし、ショッピングバック90とは別のバックをマイバックとして持参してもよい。また、レジ袋を購入してもよい。
【0022】
また、同図では記載を省略したが、ショッピングカート70には、買い物カゴ80とは別に、保留商品(後述)を入れる保留商品用のバッグを取り付ける。
【0023】
[ショッピングカートへの携帯端末のセットの態様例]
図3を参照して、ショッピングカート70への携帯端末60のセットの態様例について説明する。
図3(A)はショッピングカート70において携帯端末60がセットされる部位を側面方向から見た図である。
図3(B)は、ショッピングカート70を上側から見た図である。
【0024】
図3(A)に示すように、ショッピングカート70には、携帯端末60をセットするホルダ71が取り付けられている。客は、ホルダ71に携帯端末60をセットするようにされる。ホルダ71にセットされた状態の携帯端末60は、
図3(B)に示されるようにして、撮像部606によりショッピングバック90やマイバック全体を撮像できる状態となる。
【0025】
[精算装置について]
図4は、精算装置40について説明する図である。
図4(A)は、精算装置40の外観例(顧客側から見た正面図)を示す図である。
図4(B)は、精算装置40の構成例を示す図である。
図4(A)及び
図4(B)において、同一部分には同一符号を付している。
【0026】
以下、
図4(A)を参照しつつ、
図4(B)に示した精算装置40の構成例を説明する。精算装置40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、表示部405と、スキャナ部406と、カード決済部408と、釣銭機409と、印刷部413と、音声出力部414と、通信部415と、撮像部416(カメラ)とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。なお、精算装置40は、キー操作部、報知部(例えば、サインポール等のランプ)をさらに設けていてもよい。
【0027】
CPU401は、中央演算処理装置であり、ROM402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置40の動作を制御する。
ROM402は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
【0028】
RAM403は、読み出し書き込みメモリであり、主記憶装置として種々の情報を記憶する。例えば、RAM403は、ROM402やハードディスク404から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶する。
【0029】
ハードディスク404は、補助記憶装置として種々の情報を記憶する。ハードディスク404は、例えば、ROM402に代えて、CPU401が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM403に代えて、ROM402から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶してもよい。なお、ハードディスク404に代えてSSD(Solid State Drive)等の記憶装置が備えられてもよい。
【0030】
表示部405は、タッチディスプレイであり、種々の情報を表示するとともに、種々の入力を受け付ける。
【0031】
スキャナ部406は、種々の情報を光学的に読み取る。例えば、スキャナ部406は、携帯端末60の表示部に表示されるコード(バーコード、2次元コード等)をスキャンし、精算処理に必要な情報を読み取る。また、スキャナ部406は、他の装置(例えば、登録精算装置30が発光したお会計券(登録商標)に印刷されているコードをスキャンし、精算処理に必要な情報を読み取ってもよい。また、スキャナ部406は、商品に付されているコードをスキャンし、商品コードを読み取ってもよい。また、スキャナ部406は、店員の名札に付されたコードをスキャンし、店員コードを読み取ってもよい。
【0032】
カード決済部408は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード、デビット支払時におけるキャッシュカード、ポイント支払時におけるポイントカード等)による決済機構である。カード決済部408は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。なお、カード認識部は、特典付与、割引等のために各種カード(例えば、ポイントカード、会員カード、株主カード等)を認識してもよい。
【0033】
釣銭機409(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。紙幣や硬貨が投入口に投入された場合にはセンサによって検出(投入があった旨の検出、金種別の枚数の検出等)される。
【0034】
印刷部413は、各種媒体(レシート、お会計券等)を印刷、発行する。
音声出力部414は、音声を出力する。例えば、音声出力部414は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部415は、他装置(管理装置10、登録精算装置30、他の精算装置40、監視装置50等)との間において情報を送受信する。
【0035】
撮像部416は、例えば釣銭機を操作する顧客の手元を撮像するように設けられる。
【0036】
[登録精算装置について]
また、登録精算装置30は、両側(店員側、顧客側)の夫々に表示部やスキャナ部を備えるとともに、一方側(顧客側)に決済部(カード決済部、現金決済部)を備える構成としてもよい。当該構成の登録精算装置30は、例えば稼働状況等に応じて、複数の動作態様(店員の操作によって登録処理を実行して顧客の操作によって精算処理を実行する態様、顧客の操作によって登録処理と精算処理とを実行する態様、店員及び顧客の操作によって登録処理を実行して顧客の操作によって精算処理を実行する態様等)のうちのいずれかの動作態様に切り替え可能な装置であってもよい。また、顧客の操作によって精算処理を実行する態様であれば、登録精算装置30をセルフ運用に利用可能である。すなわち、顧客は、登録処理を携帯端末60に実行させ、登録精算装置30に精算処理を実行させるようにして会計を行うことができる。
ただし、以下の説明では、精算装置40をセルフ運用に用いる場合を例に挙げる。
【0037】
[携帯端末の構成例]
図5は、携帯端末60の構成例を示している。同図の携帯端末60は、CPU601、記憶部602、RAM603、表示部604、操作部605、撮像部606、及びネットワーク対応通信部607を備える。
【0038】
CPU601は、中央演算処理装置であり、記憶部602に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末60の動作を制御する。
記憶部602は、CPU601の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU601が利用する各種の情報を記憶する。
RAM603は、CPU601の主記憶装置である。
【0039】
表示部604は、CPU601の表示制御に応じて画像を表示する。表示部604は、画面に対する操作が可能なタッチパネルとして構成されてよい。
操作部605は、携帯端末60に備えられる各種操作子や携帯端末60に接続される各種の入力デバイスなどを一括して示す。
【0040】
撮像部606は、CPU401の制御に応じて撮像を行う。また、本実施形態の撮像部606は、2次元コードを処理するコードリーダにおいて2次元コードを読み取る部位としても機能させることができる。
【0041】
ネットワーク対応通信部607は、無線によりネットワーク経由で通信を行う部位である。ネットワーク対応通信部607により、携帯端末60は、取引管理装置20と通信可能となる。
【0042】
[取引管理装置の構成例]
図6は、取引管理装置20の構成例を示している。同図の取引管理装置20は、CPU201、記憶部202、RAM203、及びネットワーク対応通信部204を備える。
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、取引管理装置20の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
RAM203は、CPU201の主記憶装置である。
ネットワーク対応通信部204は、ネットワーク経由で通信を行う部位である。
【0043】
取引管理装置20の記憶部202は、顧客情報、店舗情報、商品情報、カート情報を記憶する。
【0044】
[取引管理装置が記憶する情報について]
記憶部202が記憶する顧客情報は、個々の顧客を管理するための情報である。取引管理装置20は、顧客登録時に顧客情報を生成する(ある顧客の顧客情報が記憶されることを以って当該顧客の顧客登録がなされたと解してもよい)。また、取引管理装置20は、カート情報等に基づいて、顧客情報を適宜更新する。取引管理装置20は、例えば毎日所定時刻にカート情報を参照し、顧客情報を更新してもよい。
【0045】
図7(A)は、取引管理装置20の記憶部602が記憶する顧客情報の一例を示している。同図の顧客情報は、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日、キャンセル情報、顧客ランク、ポイント数等を含む。
顧客識別情報は、顧客を一意に識別する識別情報である。
なお、顧客識別情報は、例えば本実施形態のショッピングアプリケーションがインストールされる際に、インストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に割り当てられるアプリケーション識別情報であってもよい。アプリケーション識別情報は、例えばインストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に(例えば、シーケンシャルに)付される番号であってよい。あるいは、アプリケーション識別情報は、ショッピングアプリケーションがインストールされた携帯端末60に固有の端末識別情報であってもよい。端末識別情報は、例えば携帯端末60のユーザである客に割り当てられた電話番号や、MAC(Media Access Control)アドレス等のように携帯端末60のハードウェアに固有となるように付されるハードウェア識別情報であってよい。
顧客名は、顧客の氏名やニックネームなどである。顧客登録日は、顧客登録した日時である。キャンセル情報は、登録後における登録商品のキャンセルに関する情報である。顧客ランクは、顧客の購入実績に応じたランクである。なお、新規の顧客の顧客情報の生成時には、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(キャンセル情報等)は生成されない。
【0046】
取引管理装置20は、例えば、顧客登録の際(例えば、携帯端末60が外部(例えば、アプリケーション全般を提供する所定のサーバ、当該取引管理装置20)から取引管理装置20によるショッピングサービスを利用するためショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に顧客識別情報を生成し、記憶する。また、取引管理装置20は、例えば、顧客登録の際に、携帯端末60を用いて、登録フォーム(入力フォーム)の氏名欄に入力された情報を取得し、顧客名として記憶する。また、取引管理装置20は、例えば、顧客登録の際の現在日時を取得し、顧客登録日として記憶する。
【0047】
なお、取引管理装置20は、自装置内の記憶部に顧客情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置20がアクセス可能なファイルサーバ等)に顧客情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0048】
図7(B)は、取引管理装置20の記憶部602が記憶する店舗情報の一例を示している。同図の店舗情報は、店舗識別情報、店舗名(支店名)、店舗特定情報1、店舗特定情報2を含む。
店舗識別情報は、店舗を一意に識別する識別情報である。
図7(B)に示した店舗識別情報は、店(屋号)もしくは企業のコードと、支店のコードとから構成される。
店舗名は、店舗の名称である。
図7(B)に示した店舗名は、店(屋号)もしくは企業と、支店名とから構成される。
店舗特定情報1は、取引する店舗(商品の売買が行われる店舗)を特定するための2次元コード(QRコード(登録商標)等)の情報である。
店舗特定情報2は、取引する店舗を特定するための店舗の位置情報(GPS情報)である。
なお、
図7(B)に示した例では、店舗識別情報と店舗特定情報1とは異なるが、店舗識別情報と店舗特定情報1とは同一であってもよい。
【0049】
なお、取引管理装置20は、外部(各店舗を統括する本部のサーバ(不図示)等)から店舗情報等を取得し、記憶してもよい。また、取引管理装置20は、自装置内の記憶部に店舗情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置20がアクセス可能なファイルサーバ等)に店舗情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0050】
商品情報は、例えば店舗の管理装置10から取得した情報であり、店舗にて販売する商品についての情報である。1つの商品の商品情報には、商品コード(商品識別子)、商品名、価格等の情報が含まれる。
【0051】
カート情報は、個々の取引を管理するための情報である。取引管理装置20は、取引の開始時にカート情報を生成する。また、取引管理装置20は、取引の進行にあわせて(商品が登録される度に)、カート情報を更新する(カート情報に商品が記憶されることを以って当該商品の登録がなされたと解してもよい)。
【0052】
図7(C)は、取引管理装置20の記憶部602が記憶するカート情報の一例である。
同図のカート情報は、カート識別情報、取引開始日時、取引終了日時、顧客識別情報、登録商品情報、保留商品情報、キャンセル情報等を含む。
【0053】
なお、会計状況情報は、後述する第2実施形態に対応する情報であることから、ここでの説明を省略する。
【0054】
カート識別情報は、カート情報を一意に識別する識別情報である。例えば、カート識別情報は、店舗識別情報と、日付と、シリアル番号(例えば店舗別日付別のシリアル番号)とを含む。
取引開始日時は、取引の開始日時である。取引開始日時は、例えば、当該カート情報の生成日時であってよい。なお、取引開始日時は、1品目の商品の登録日時(
図7(C)中の登録商品情報(登録商品1)を記憶した日時)としてもよい。カート情報の生成日時と1品目の商品の登録日時とを別々に両方記憶してもよい。
【0055】
取引終了日時は、取引の終了日時である。例えば、取引開始日時は、精算日時であってよい。顧客識別情報は、当該取引の顧客を識別する顧客識別情報である。なお、カート情報の生成時には、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引終了日時等)は生成されない。精算日時は、精算開始日時であってもよいし、精算終了日時であってもよい。取引終了日時として、精算開始日時と精算終了日時とを別々に両方記憶してもよい。
【0056】
登録商品情報(計)は、商品が登録されるごとに更新される情報である。登録商品情報(計)は、品数(商品数)、概算小計金額(例えば値引き等が反映される前の小計金額)、小計金額等を含む。登録商品情報(登録商品1)は、1品目の商品の登録情報である。登録商品情報(登録商品2)は、2品目の商品の登録情報である。なお、
図7(C)に示す例では、登録商品情報(登録商品3)~登録商品情報(登録商品5)の図示を省略している。登録商品情報(N;Nは整数)は、商品コード、品名(商品名)、価格等を含む。
【0057】
登録商品情報(N)は、当該N品目の商品の登録日時を含むものであってもよい。つまり、取引管理装置20は、登録商品情報として、当該登録商品の登録日時を記憶してもよい。各商品の登録日時は、タイムサービス等のサービス適用の要否や適用後の効果の判断材料としても用いてもよい。
【0058】
保留商品情報(計)は、保留商品(後述)が登録されるごとに更新される情報である。保留商品情報(計)は、保留商品の品数(商品数)、保留商品のうちのNO-FILEの品数、保留商品のうちの読取NG(要不正操作確認)の品数等を含む。
【0059】
NO-FILEとは、店舗においてバーコードもしくは商品コードのスキャンは成功したが(商品コードを読み取ることができたが)、商品コードが商品情報に記憶されていない、商品(商品情報未登録の商品)を示す。
【0060】
読取NGとは、店舗において商品コードのスキャンが失敗したこと(商品コードを読み取ることができなかったこと)、又は、店舗において商品コードのスキャンが失敗した商品のことである。つまり、読取NGとは、例えば画像認識技術により一定時間商品を撮像しているがバーコード認識に至らない場合を判別できる場合にタイムアウト処理すること、タイムアウト処理された商品である。
例えば、パッケージのシワ等、バーコード印字のカスレや汚れ、透明フィルムにバーコードが印刷されていること等の原因で、顧客がバーコードを読み取らせる操作を行ったにもかかわらず、正しくバーコードを取得(認識)できない場合に読取NGと判断される。
【0061】
保留商品情報(保留商品1)は、1品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品2)は、2品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品3)は、3品目の保留商品の情報である。
【0062】
保留商品情報(保留商品N;Nは整数)は、保留商品種別(当該保留商品がNO-FILEであるか読取NGであるかを示す情報)、画像データ(読取NG時に撮像された画像データ)を含む。例えば、N品目の商品がNO-FILEによる保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別「1(NO-FILE)」、画像データを含む。また、N品目の商品が読取NGによう保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別「2(読取NG)」、画像データを含む。
【0063】
図8は、本実施形態のカート情報に対応する保留商品の定義例を示している。同図では、保留商品が8つに分類される例を示している。8つの保留商品の分類ごとに「1」~「8」の分類番号が割り当てられる。
分類番号1の保留商品の分類は、
図7にて説明の「NO-FILE」である。
分類番号2の保留商品の分類は、
図7にて説明の「読取NG」である。
【0064】
分類番号3の保留商品の分類は「擬似的スキャン」である。「擬似的スキャン」の保留商品は、顧客が商品のコードを携帯端末60に読み取らせようとする行為は行ったが、携帯端末60が正常にコードの読取を行えなかった商品である。
【0065】
具体例として、「擬似的スキャン」には、商品を撮像部606の撮像範囲に入れるようにはしたものの、商品のコードまでは撮像部606の撮像範囲に入れなかったとの状況が該当する。
また、「擬似的スキャン」には、商品を撮像部606の撮像範囲に入れるようにはしたものの、コードの無い部分を撮像させたとの状況が該当する。
また、「擬似的スキャン」には、コードの部分が指などにより隠された状態で、商品を撮像部606の撮像範囲に入れるようにはしたとの状況が該当する。
また、「擬似的スキャン」には、商品のコードを撮像部606に撮像させたものの、携帯端末60がコードを読み取ることができない速さで商品を撮像部606の撮像範囲に通したといったような状況が該当する。
【0066】
分類番号4の保留商品の分類は「非スキャン投入」である。「非スキャン投入」の保留商品は、撮像部606の撮像範囲に商品を位置させる操作を行うことなく、商品を買い物カゴ80に入れられた商品である。
【0067】
分類番号5の保留商品の分類は「年齢確認商品」である。「年齢確認商品」は、例えば、アルコール類やタバコなどのように、販売にあたり店員が顧客の年齢を確認することが必要な商品である。
【0068】
分類番号6の保留商品の分類は「医薬品」である。「医薬品」は、例えば薬剤師等の資格を有するものが購入者に確認を求めることが必要な商品である。
【0069】
分類番号7の保留商品の分類は「防犯タグ商品」である。「防犯タグ商品」は、防犯タグが取り付けられているために、販売時に店員が商品から防犯タグを取り外すことが必要な商品である。
【0070】
分類番号8の保留商品の分類は「取消商品」である。「取消商品」は、一旦登録されたが、携帯端末60に対する客の取り消し操作によって取り消された商品である。「取消商品」は、例えば精算時に店員が客から引き取るようにされる。
【0071】
分類番号1~7のうちで、「読取NG」、「擬似的スキャン」、「非スキャン投入」の3つは、客が携帯端末60にて登録を行っていた際に、コードの読み取りが行われなかったとの結果を生じた商品が対応する。以降において、このように登録に際してコードの読み取りが行われることなくカート情報に保留商品として登録された状況を登録不全状況という。また、「読取NG」、「擬似的スキャン」、「非スキャン投入」の3つの分類のいずれかに該当することとなった商品については登録不全商品ともいう場合がある。
【0072】
なお、取引管理装置20は、自装置内の記憶部にカート情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置20がアクセス可能なファイルサーバ等)にカート情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0073】
[セルフ運用に対応する基本的な処理手順例]
図9のシーケンス図は、携帯端末60、精算装置40、及び取引管理装置20が、セルフ運用における一取引の会計に対応して実行する処理手順例を示している。具体的に、同図の処理は、客が、店舗に陳列されている商品のうちから購入対象とする商品を登録し、登録した商品についての精算が完了するまでにおける、携帯端末60、精算装置40、及び取引管理装置20の処理の一例を示したものである。
【0074】
ステップS1:携帯端末60は、店舗を特定する情報(店舗特定情報)を取得する。例えば、店舗の入口付近に当該店舗を特定するための2次元コードを表示(2次元コードを表示画面に出力、2次元コードを印刷した媒体を貼付等)しておき、来店した顧客が、携帯端末60で2次元コードをスキャンする(読み取る)ことにより、携帯端末60は店舗特定情報を取得してもよい。なお、来店した顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、起動画面として2次元コードのスキャンを該顧客に指示する画面を表示するようにしてもよいし、来店した顧客が携帯端末60で2次元コードをスキャンすると、ショッピングアプリケーションが起動し、起動画面として取引管理装置20に接続中である旨を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。
【0075】
また例えば、店舗は所在地で特定されるため、来店した顧客が、店舗において携帯端末60で位置情報(GPS情報)を取得してもよい(すなわち、店舗特定情報として当該店舗の位置情報を取得してもよい)。なお、来店した顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、位置情報を取得し、起動画面として取引管理装置20に接続中である旨を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。位置情報から複数店舗が検出され1つに特定できない場合には、選択画面を表示し顧客に選択させるようにしてもよい。もしくは強制的に2次元コードを取得させるモードに切り替えてもよい。
【0076】
図10(A)は、携帯端末60の表示部604にて表示される、ショッピングアプリケーションの起動画面の一例を示している。同図の起動画面においては、店舗名が表示されている。この店舗名は、当該ステップS1により取得された店舗特定情報に基づいて表示されたものである。
客は、買い物のために商品登録を開始させる場合には、起動画面において配置される取引開始指示ボタンBT10を操作する。
取引開始指示ボタンBT10が操作されたことに応じて、携帯端末60は、取得された店舗特定情報と顧客識別情報とを含む取引開始要求を取引管理装置20に送信する。取引開始要求は、上記のように携帯端末60に対する客の操作に応じて送信されてもよいし、特に操作を受け付けることなく、店舗特定情報が取得されたことに応じて送信が実行されるようにしてもよい。
顧客識別情報については、顧客登録の際(携帯端末60にショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に、携帯端末60を用いて登録フォームの氏名欄に入力された情報が取引管理装置20の顧客情報に記憶されてよいが、取引管理装置20に加え、携帯端末60の記憶部にも記憶しておいてもよい。なお、店舗が特定された場合には(後述する商品登録初期画面を取得したときには)、当該店舗の店舗名や実施中のサービス(その日に配布されているチラシ情報)、利用可能なクーポン情報を画面(商品登録初期画面又は商品登録初期画面とは別の画面)に表示してもよい。なお、サービスやクーポンの情報は、例えば画面情報として取引管理装置20から取得してもよい。
【0077】
また、送信先の情報(取引管理装置20のアドレス)についても、顧客登録の際(携帯端末60にショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に取得し、携帯端末60の記憶部に記憶しておいてもよい。なお、2次元コードをスキャンする態様とする場合には、店舗特定情報に加え、送信先の情報についても2次元コード化しておき、携帯端末60で2次元コードをスキャンすることにより、携帯端末60は店舗特定情報とともに送信先の情報も取得してもよい。
【0078】
ステップS2:携帯端末60から取引開始要求として顧客識別情報及び店舗特定情報を受信した取引管理装置20は、当該取引のカート情報を生成する。なお、カート情報は、生成された初期状態では、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報は格納されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引終了日時、商品情報(登録商品情報、保留商品情報)等)は格納されていない。
【0079】
取引管理装置20は、上述したように、
図7(B)に示したような店舗情報を記憶しているため、携帯端末60から取引開始要求として店舗特定情報を受信(顧客識別情報も受信するが)した場合、受信した店舗特定情報が2次元コードであった場合には、店舗特定情報1を参照して店舗識別情報を取得し、受信した店舗特定情報が位置情報(GPS情報)であった場合には店舗特定情報2を参照して店舗識別情報を取得する。なお、取引管理装置20は、携帯端末60から受信した店舗特定情報が店舗識別情報を2次元コード化したものであった場合には、そのまま取得すればよい。
【0080】
つまり、携帯端末60から取引開始要求として顧客識別情報及び店舗特定情報を受信した取引管理装置20は、携帯端末60から受信した店舗特定情報から店舗識別情報を取得し、さらに、現在日付を取得し、シリアル番号を発行(採番)し、店舗識別情報と現在日付とシリアル番号とを結合させて、カート情報内のカート識別情報として記憶する。また、携帯端末60から取引開始要求として店舗特定情報や顧客識別情報を受信した取引管理装置20は、現在日時を取得し、カート情報内の取引開始日時(生成日時)として記憶する。また、携帯端末60から取引開始要求として店舗特定情報や顧客識別情報を受信した取引管理装置20は、携帯端末60から受信した顧客識別情報をカート情報内の顧客識別情報として記憶する。
【0081】
ステップS3:当該取引のカート情報を生成した取引管理装置20は、商品登録初期画面情報(初期画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、携帯端末60に送信する。具体的には、取引管理装置20は、例えば、商品登録初期画面情報を生成し、生成した商品登録初期画面情報をカート識別情報とともに携帯端末60に送信する。
【0082】
ステップS4:取引管理装置20からカート識別情報及び商品登録初期画面情報を受信した携帯端末60は、カート識別情報を記憶するとともに、登録画面を表示部に表示する。具体的には、携帯端末60は、例えば
図10(B)に示すような商品登録初期画面を表示する。
【0083】
ステップS5:顧客の操作により携帯端末60は、商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。なお、同図では、バーコードのスキャンは成功したものとする。ステップS5~ステップS9は、商品に付されたバーコードをスキャンするごとに繰り返し実行される。
【0084】
バーコードを取得した携帯端末60は、カート識別情報と、スキャンによって得られた商品コードを含む商品登録情報を、取引管理装置20に送信する。
【0085】
ステップS6:携帯端末60から商品登録情報(カート識別情報及び商品コード)を受信した取引管理装置20は、受信された商品登録情報に含まれていたカート識別情報から当該取引のカート情報を特定する。
【0086】
ステップS7:取引管理装置20は、特定したカート情報内の商品データを更新する。具体的には、取引管理装置20は、受信された商品登録情報にN品目としての商品コードが含まれていた場合には、特定したカート情報において、当該商品コードを登録商品情報(登録商品N)の商品コードとして記憶し、当該商品コードに対応する品名及び価格を商品情報から取得し、登録商品情報(登録商品N)の商品及び価格として記憶する。また、取引管理装置20は、特定したカート情報において、登録商品情報(計)を更新する。
【0087】
ステップS8:カート情報内の商品データを更新した取引管理装置20は、商品登録更新画面情報(登録した商品が追加された更新画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、携帯端末60に送信する。具体的には、取引管理装置20は、例えば、携帯端末60において
図10(C)に示すような、登録商品リストにおいて今回登録された商品のリスト項目が追加された商品登録更新画面が表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに携帯端末60に送信する。
【0088】
なお、
図10(C)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「〇〇食パン」が登録された後に携帯端末60に表示されるものである。つまり、取引管理装置20は、1品目として「〇〇ヨーグルト」をカート情報に格納したときには、携帯端末60において「〇〇ヨーグルト」が表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに携帯端末60に送信し、2品目として「〇〇チョコレート」をカート内に記憶したときには、携帯端末60において「〇〇ヨーグルト」と「〇〇チョコレート」とが表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに携帯端末60に送信し、3品目として「〇〇食パン」をカート情報に格納したときには、
図10(C)に示すように、携帯端末60において「〇〇ヨーグルト」と「〇〇チョコレート」と「〇〇食パン」とが表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに携帯端末60に送信する。
【0089】
なお、1の商品が登録されたことに応じて、例えば
図11(A)に示されるように、今回登録された商品を提示する登録商品提示画面WD1が表示されるようにしてよい。また、同図の登録商品提示画面WD1においては、対象の商品がイートインに対応していることに応じて、イートインにより飲食するか否かを顧客に確認する「はい」ボタンBT1と「いいえ」ボタンBT2とが配置されている。この場合には、「はい」ボタンBT1が操作された場合と、「いいえ」ボタンBT2が操作された場合とで、対象の商品に係る消費税率が異なるようにして商品の価格が計算されることになる。
【0090】
ステップS9:取引管理装置20からカート識別情報及び商品登録更新画面情報を受信した携帯端末60は、登録画面に商品を追加する。具体的には、携帯端末60は、例えば
図10(C)に示すような商品登録更新画面を表示する。なお、上述したように、
図10(C)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「〇〇食パン」が登録された後に携帯端末60に表示されるものである。
【0091】
ステップS10:携帯端末60は、顧客の操作として精算移行指示操作を受け付ける。例えば、
図10(C)に示した「お会計へ進む」ボタンのタッチを受け付ける。
【0092】
ステップS11:精算移行指示操作を受け付けた携帯端末60は、2次元コードを生成する。つまり、携帯端末60は、当該携帯端末60による買上商品について精算処理を実行するために必要となる情報(例えば、カート識別情報)を2次元コード化する。2次元コードを生成した携帯端末60は、生成した2次元コードを表示部に表示する。例えば、
図10(D)に示したような2次元コードを配置したコード表示画面を表示部に表示する。
【0093】
ステップS12:精算装置40は、携帯端末60の表示部に表示されている2次元コードをスキャンする(読み取る)。例えば、精算装置40は、顧客によってスキャナ部406による認識範囲内に向けられた携帯端末60の表示部に表示されている2次元コードをスキャンする。
【0094】
ステップS13:携帯端末60の表示部に表示されている2次元コードを読み取った精算装置40は、取引管理装置20に小計金額の算出を要求する。例えば、精算装置40は、小計金額の算出を要求する算出要求(小計算出要求情報)を2次元コードから取得したカート識別情報とともに取引管理装置20に送信する。
【0095】
ステップS14:携帯端末60からカート識別情報及び小計算出要求情報を受信した取引管理装置20は、カート識別情報から当該取引のカート情報を特定する。
【0096】
ステップS15:カートを特定した取引管理装置20は、特定したカート情報に対応するカート情報に含まれる登録商品情報における価格等の情報を利用して、小計金額を算出する。
【0097】
ステップS16:小計金額を算出した取引管理装置20は、カート情報を更新(小計金額(算出後小計金額)を記憶)するとともに、算出した小計金額を示す小計情報をカート識別情報とともに精算装置40に送信する。
【0098】
ステップS17:取引管理装置20からカート識別情報及び小計情報を受信した精算装置40は、表示部405に小計金額(小計金額を含む精算画面)を表示する。
【0099】
ステップS18:表示部405に小計金額を表示した精算装置40は、支払い(精算)を実行する。具体的には、精算装置40は、決済種別の選択を受け付ける。現金の場合には、預り金の投入を受け付けて、釣り銭金額を算出し、釣り銭がある場合には、釣り銭を放出するとともに、レシートを発行する。また、精算装置40は、精算が完了した場合には、精算完了情報をカート情報とともに取引管理装置20に送信し、取引管理装置20は当該カートの取引終了日時(精算日時)を記憶する。
【0100】
[登録不全状況に対応する構成について]
ここで、
図9では、ステップS5にて商品コードの読み取りが成功する場合に対応した処理が示されている。しかしながら、ステップS5に対応する商品コードの読み取り処理の段階にて、携帯端末60が、
図8の分類番号2~4のいずれかの登録不全に該当する状況(登録不全状況)が発生したと判定する場合がある。
【0101】
具体例として、
図11(B)は、分類番号3の擬似的スキャンとしての登録不全状況が発生したと携帯端末60が判定した場合に対応する一事例を、商品登録画面の撮像画像により示している。同図には、携帯端末60にて表示される商品登録画面が示されている。同図の商品登録画面においては、指によってバーコード部分が隠されてしまっている状態で客が商品のバーコードを携帯端末60に読み取らせようとしている様子の撮像画像が表示された状態が示されている。
【0102】
このような場合、携帯端末60は、撮像画像からバーコードの存在は認識したが、バーコードからコードを抽出できなかったとの処理結果を得る。このような処理結果は、擬似的スキャンにおける処理結果の一類型に含まれることから、携帯端末60は、擬似的スキャンとしての登録不全状況が発生したことを検出する。この場合、携帯端末60は、分類番号3の擬似的スキャンが行われた商品であることを示す商品登録情報を、取引管理装置20に送信する。
【0103】
また、携帯端末60は、このように登録不全状況の発生に応じて商品登録情報を送信する際には、発生した登録不全状況に対応する撮像画像を送信する。送信される撮像画像は、商品コードの読み取りのために撮像部606が撮像している撮像画像を例えば一定時間バッファリングするようにされたうえで、バッファリングされた撮像画像から抽出するようにされてよい。また、送信される撮像画像は、例えば所定枚数による静止画像であってもよいし、登録不全状況の発生に応じた所定期間の動画像であってもよい。
【0104】
また、上記のようにして擬似的スキャンを含む登録不全状況が発生した場合、携帯端末60は、登録不全状況に対応して登録不全となった商品(登録不全商品)を、保留商品として扱う。この場合の携帯端末60は、登録不全状況が発生したと判定したタイミングで、
図11(C)に示すように、登録不全商品については保留商品とし、保留商品用のバッグに入れてもらうことを促す案内画像WD2を表示させてよい。具体的に、同図の案内画像WD2においては、「スキャンできない場合は、専用バッグに商品を入れてください」とのメッセージが表示されている。なお、案内画像WD2の態様としては特に限定されない。案内画像WD2に表示されるメッセージとしては、例えば「スキャンに失敗しました」、「商品が登録不全と判定されました」といった内容であってよい。
同図の案内画像WD2は、商品登録画面上に重畳するように表示された態様である。同図の案内画像WD2においては、確認ボタンBT3が配置されている。この場合、案内画像WD2は、確認ボタンBT3に対する操作が行われることに応じて消去される。あるいは、案内画像WD2は、表示の開始から一定時間経過したことに応じて消去されてもよい。案内画像WD2が消去された後は、例えば
図10(B)または
図10(C)の商品登録画面に戻るようにされてよい。
【0105】
登録不全商品は、上記のように保留商品として扱われる。商品登録画面においては、
図10(C)に例示したように登録商品リストが表示されるが、保留商品のうち登録不全商品に分類される商品については、登録商品リストにおいてリスト項目は表示されなくともよい。登録不全商品似分類されない保留商品については、登録商品リストにおいてリスト項目として表示される。なお、登録不全商品についても、登録不全商品であることを示すようにして登録商品リストにおいてリスト項目が表示されてもよい。
【0106】
図12のフローチャートを参照して、本実施形態の携帯端末60と取引管理装置20とが、登録不全状況に対応する処理を含む商品登録に関連して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、
図9との対応では、ステップS5~S11の処理過程を、登録不全状況に対応する処理を含むものとして、より具体的に示すものとなる。
【0107】
まず、携帯端末60が実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:携帯端末60は、商品登録画面を表示させた状態のもとで、商品コードの読み取りが正常に完了したか否かについて判定している。
【0108】
ステップS102:携帯端末60は、商品コードの読み取りが正常に完了した場合、読み取った商品コードとカート識別情報とを含む商品登録情報を取引管理装置20に送信する。
ステップS103:携帯端末60は、ステップS102による商品登録情報の送信に応じて取引管理装置20から送信された登録完了通知の受信に応じて、例えば
図10(C)に例示したように、商品登録画面を更新する。
【0109】
ステップS104:携帯端末60は、商品コードの読み取りのために撮像部606に撮像を実行させることにより得られている撮像画像に基づいて、登録不全状況を検出するようにされている。携帯端末60は、ステップS101にて商品コードの読み取りが正常に完了していないことが判定された場合、あるいはステップS103の処理の後、登録不全状況についての検出結果に基づき、登録不全状況が発生したか否かを判定する。
【0110】
携帯端末60は、以下のように登録不全状況を検出するようにされてよい。
まず、携帯端末60は、撮像画像において商品のバーコードの全体が撮像されていることが認識された状態でありながら、バーコードの読み取りが正常に完了(成功)せずに一定時間を経過した場合に、読取NGに分類される登録不全状況が発生したと判定する。
【0111】
また、携帯端末60は、撮像画像において商品は認識されたが、バーコードが全く認識できないためにバーコードの読み取りが正常に完了しなかった場合に、擬似的スキャンに分類される登録不全状況が発生したと判定する。
あるいは、携帯端末60は、
図11(B)に例示したように、撮像画像において商品のバーコードの一部しか認識できないためにバーコードの読み取りが正常に完了しなかった場合にも、擬似的スキャンに分類される登録不全状況が発生したと判定する。
あるいは、携帯端末60は、撮像画像において商品のバーコードは認識できたものの、商品の移動が速すぎるために、バーコードの読み取りが正常に完了しなかった場合にも、擬似的スキャンに分類される登録不全状況が発生したと判定する。
このような擬似的スキャンに分類される登録不全状況は、客が商品のバーコードを読み取らせる操作を行っているふりをしただけで商品を買い物カゴ80に入れてしまうような不正が行われている可能性がある。
【0112】
また、
図3に例示した態様でセットされた携帯端末60は、ショッピングカート70に載せられた買い物カゴ80の中身を撮像することができる。携帯端末60は、撮像画像において、商品のバーコードを読み取らせようとする様子が認識されないのに関わらず、買い物カゴ80の中に新規の商品が追加的に投入された状態が検出された場合に、非スキャン投入に分類される登録不全状況が発生したと判定する。
なお、例えば客が、買い物カゴ80の中身を整理するためにすでに登録された商品を買い物カゴ80内で移動させる場合がある。携帯端末60は、撮像画像に基づいて、このような商品の移動と、非スキャン投入としての登録不全状況に対応する新規の商品の追加的投入とをそれぞれ識別できるようにされてよい。
このような非スキャン投入に分類される登録不全状況の発生は、客が、商品のバーコードを携帯端末60に読み取らせることなく、そのまま買い物カゴ80に入れてしまうような不正が行われている可能性がある。
【0113】
ステップS105:ステップS104にて登録不全状況が発生したと判定された場合、携帯端末60は、今回の登録不全状況が発生に対応する保留商品について、ステップS104に対応して検出した登録不全状況としての分類に応じた分類番号を付与する。一例として、ステップS104にて読み取りNGに分類される登録不全状況が発生したと判定された場合には、対応の保留商品について分類番号2(
図8参照)を付与する。
【0114】
ステップS106:携帯端末60は、撮像部606により撮像されている撮像画像のうちから、今回発生した登録不全状況に対応する撮像画像を取得(抽出)する。ここで携帯端末60が取得する撮像画像は、店員に対して発生した登録不全状況を視覚的に認識してもらうためのものである。このため、携帯端末60が取得する撮像画像の形式(動画、静止画)、撮像画像の数、取得対象となる撮像画像の時刻、期間等は、検出された登録不全状況の分類に応じて異なるようにされてよい。
【0115】
なお、撮像部606の撮像画像が取引管理装置20に送信されるようにしたうえで、取引管理装置20側で、登録不全状況の発生した時刻、分類結果、画像解析結果等に応じて、登録不全状況に対応する撮像画像を取得するようにされてもよい。
【0116】
ステップS107:携帯端末60は、登録不全情報を取引管理装置20に送信する。登録不全情報は、ステップS105により付与された保留商品の分類番号と、ステップS106により取得された撮像画像とを含む。
【0117】
ステップS108:携帯端末60は、ステップS102による商品登録情報の送信に応じて取引管理装置20から送信された登録完了通知の受信に応じて、商品登録画面を更新する。携帯端末60は、例えばステップS103の商品登録画面の更新に応じたタイミングで、
図11(C)に例示したように案内画像WD2を表示させてよい。
【0118】
ステップS109:ステップS104にて登録不全状況が発生していないと判定された場合、あるいはステップS108の処理の後、携帯端末60は、精算移行指示操作を受け付けたか否かについて判定する。
精算移行指示操作を受け付けていない場合、ステップS101に処理が戻される。
【0119】
ステップS110:精算移行指示操作を受け付けると、携帯端末60は、例えば、カート識別情報を2次元コード化し、生成された2次元コードを例えば、
図10(D)に例示したコード表示画面により表示部604に表示させる。
【0120】
次に、取引管理装置20が実行する処理手順例について説明する。
ステップS201:取引管理装置20は、ステップS102により携帯端末60から送信される商品登録情報が受信されたか否かを判定する。
【0121】
ステップS202:取引管理装置20は、商品登録情報が受信されると、受信された商品登録情報に含まれるカート識別情報が示すカート情報を特定する。
ステップS203:取引管理装置20は、ステップS202により特定されたカート情報を更新する。つまり、取引管理装置20は、ステップS201に対応して受信された商品登録情報に含まれる商品コードに基づく登録商品情報を、特定されたカート情報に追加する。これにより、カート情報にて1商品が登録される。
【0122】
なお、ステップS202によるカート情報の更新には、保留商品のうちで登録不全状況に対応しない商品の登録が含まれる。つまり、ステップS202によるカート情報の更新は、保留商品のうちで商品コードの読み取りが正常に完了した商品の登録を含む。保留商品のうちで商品コードの読み取りが正常に完了した商品は、NO-FILE、年齢確認商品、医薬品、防犯タグ商品である。また、取消商品については、同図の処理に反映されていないが、携帯端末60に対して取消操作が行われたことに応じて、取引管理装置20は、該当商品が取消商品として管理されるように、カート情報における該当商品の登録商品情報を更新する。
【0123】
ステップS204:取引管理装置20は、ステップS203の処理の後、登録完了通知を携帯端末60に送信する。
【0124】
ステップS205:ステップS204の処理の後、あるいはステップS201にて商品登録情報が受信されないと判定された場合、取引管理装置20は、ステップS107により携帯端末60から送信される登録不全情報が受信されたか否かを判定する。登録不全情報が受信されない場合、ステップS201に処理が戻される。
【0125】
ステップS206:取引管理装置20は、登録不全情報が受信されると、受信された商品登録情報に含まれるカート識別情報が示すカート情報を特定する。
ステップS207:取引管理装置20は、ステップS206により特定されたカート情報を更新する。この場合、取引管理装置20は、ステップS205に対応して受信された登録不全情報に含まれる分類番号を含む登録商品情報を、特定されたカート情報に追加する。これにより、カート情報にて登録不全状況の発生に対応する1の保留商品(登録不全商品)が登録される。
【0126】
ステップS208:取引管理装置20は、ステップS207の処理の後、登録完了通知を携帯端末60に送信する。
【0127】
顧客は、購入対象の商品の全ての登録を終えると精算移行指示操作を行い、携帯端末60に表示された2次元コードを精算装置40に読み取らせる。2次元コードを読み取った精算装置40は、
図9のステップS13として示したように、取引管理装置20に小計金額の算出を要求する。ここで、本実施形態の精算装置40は、小計金額の算出を要求するにあたり、精算画面を用いた精算処理に利用される精算情報を要求する。
【0128】
取引管理装置20は、精算情報の要求に応じて、該当のカート情報を特定し、特定されたカート情報に基づいて精算情報を生成する。精算情報には、カート情報における登録商品情報と、登録された商品に応じた小計金額等の情報が含まれる。また、精算情報に含まれる登録商品情報のうち、登録不全商品に対応する登録商品情報には、登録不全状況に対応する撮像画像が含まれる。取引管理装置20は、生成された精算情報を精算装置40に送信する。
精算装置40は、精算情報を受信すると、受信された精算情報の内容が反映された精算画面を表示部405に表示させる。
【0129】
図13は、精算装置40の表示部405に表示される精算画面の一例を示している。
同図の精算画面においては、登録商品リストエリアAR3が配置されている。登録商品リストエリアAR3は、携帯端末60により登録された商品のリストを提示するエリアである。
【0130】
登録された商品のうちに保留商品が含まれる場合には、保留商品のリスト項目を優先させて左欄の上側から配置するようにされる。同図の例では、登録された商品のうちに6つの保留商品が含まれていたことに応じて、登録商品リストエリアAR3においては、左上から6つの保留商品のリスト項目を含む保留商品リストエリアAR31が形成される。保留商品リストエリアAR31のリスト項目は、例えば背景色等の態様が他の商品のリスト項目と異なるようにされている。
【0131】
登録商品リストエリアAR3のリスト項目においては、対応の商品の商品名、登録個数、登録個数に応じた価格等が示されている。そのうえで、例えば保留商品が対応するリスト項目においては、保留商品としての分類番号、分類名等が示されてもよい。
【0132】
保留商品リストエリアAR31における保留商品ごとのリスト項目においては、呼出ボタンBT31が配置されている。呼出ボタンBT31においては、それぞれ、対応の商品が該当する保留商品としての分類の名称が示されている。
【0133】
また、精算画面においては、顧客モニタエリアAR32が配置されている。顧客モニタエリアAR32は、撮像部416により撮像して得られている撮像画像をリアルタイムでモニタ画像として表示するエリアである。顧客モニタエリアAR32においては、顧客が精算のために精算装置40を操作している手元の様子がリアルタイムで表示される。精算装置40が、このような画像を顧客モニタエリアAR32において表示することで、顧客は、自分の様子が撮像されていることを意識することになり、顧客による支払い時の不正を抑止する効果が得られる。
なお、精算装置40は、顧客モニタエリアAR32での表示に用いられる画像を記憶(保存)するようにされてよい。
【0134】
ここで、同図のように、精算画面において登録商品リストエリアAR3において、保留商品リストエリアAR31が形成されている場合、店員が保留商品を処理するための操作を行う必要がある。このように保留商品リストエリアAR31が形成された精算画面が表示された場合、精算装置40は、店員に保留商品の処理の操作を行わせるために店員呼出を実行する。店員呼出として、精算装置40は、例えば、精算装置40がサインポール等の表示器を所定の態様で表示させたり、店員が所持あるいは監視する端末装置に店員呼出の通知を送信するようにされてよい。
店員呼出に応じて精算装置40に赴いた店員は、表示されている精算画面の保留商品リストエリアAR31において示されるリスト項目ごとに対応して、保留商品を処理する操作を行うようにされる。
【0135】
1の保留商品を処理するにあたり、店員は、処理対象の保留商品のリスト項目における呼出ボタンBT31を操作する。この場合、店員は、保留商品リストエリアAR31において、缶ビールに対応する1行目のリスト項目の呼出ボタンBT31に対する操作を行う。呼出ボタンBT31に対する操作が行われたことに応じて、精算画面上に、操作された呼出ボタンBT31を含むリスト項目が対応する保留商品を処理する保留商品処理画面が表示される。
なお、処理対象の保留商品のリスト項目全体がタッチ操作可能なようにされていてもよい。
【0136】
例えば、店員が、年齢確認商品である缶ビールに対応する1行目のリスト項目の呼出ボタンBT31に対する操作を行った場合には、精算画面上に、缶ビールについての保留商品処理画面が表示される。
【0137】
図14は、年齢確認商品である缶ビールについての保留商品処理画面AR4の一例である。
保留商品処理画面AR4においては、商品情報エリアAR41、入力操作エリアAR42、登録ボタンBT41、取消ボタンBT42が配置される。
【0138】
商品情報エリアAR41は、対応の保留商品に関する情報を示すエリアである。同図の商品情報エリアAR41は、商品名、商品コード、価格、登録個数等が示されている。年齢確認商品の場合、商品情報エリアAR41に表示される内容は、精算情報に含まれる対応の商品の登録商品情報の内容が反映される。
【0139】
入力操作エリアAR42は、商品情報エリアAR41における商品の情報を入力するためのソフトウェアキーボードが配置されるエリアである。入力操作エリアAR42は、数値入力に応じたキー配列のキーボードと、文字入力に応じたキー配列のキーボードとを、操作に応じて切り替え可能とされている。また、入力操作エリアAR42には例えば「プリセット」と表示されたプリセット呼び出しキーが配置されている。プリセット呼び出しキーを操作することによっては、商品ごとに対応するプリセットキーが配置されたプリセットキー画面が表示される。店員は、プリセットキー画面において配置されたプリセットキーを操作することで、操作されたプリセットキーに対応する商品の情報を、商品情報エリアAR41に入力させることができる。
【0140】
登録ボタンBT41は、対応の商品の登録の保留を解除して、顧客の購入対象として登録する操作が行われるボタンである。
取消ボタンBT42は、登録が保留状態にある商品について、登録の取り消しを指示する操作が行われるボタンである。
【0141】
店員は、例えば客の年齢を確認したうえで、問題がなければ、缶ビールの登録を確定させるため、登録ボタンBT41に対する操作を行う。これにより、精算装置40は、これまでの缶ビールについての登録保留状態を解除し、登録商品に含めるように処理する。あるいは、店員は、缶ビールを登録すべきでないと判断した場合には、缶ビールの登録を取り消すため、取消ボタンBT42に対する操作を行い、缶ビールの商品を回収する。
【0142】
また、登録不全商品の場合、保留商品リストエリアAR31のリスト項目における呼出ボタンBT31には、例えば「未スキャン」と表示される。店員は、登録不全商品を処理する場合には、登録不全商品のリスト項目において「未スキャン」と表示された呼出ボタンBT31を操作する。
【0143】
なお、例えば「NO-FILE」に分類される保留商品の場合には、保留商品処理画面AR4の初期表示状態では、商品情報エリアAR41には、商品の情報が示されていない。この場合、店員は、入力操作エリアAR42に対する数値入力操作、文字入力操作によって、商品情報エリアAR41に商品コードとしての数字列や、商品名としての文字列を入力したうえで商品の登録を行うことができる。
このように登録された商品の情報は、取引管理装置20に送信される。取引管理装置20は、カート情報における対応の商品の登録商品情報について、商品情報エリアAR41に入力された情報が反映されるように、「NO-FILE」の状態から更新するようにして、カート情報の同期を行う。
【0144】
なお、保留商品処理画面において、対応の保留商品の分類番号、分類名等が示されてもよい。
【0145】
図15は、「未スキャン」と表示された呼出ボタンBT31を操作したことに応じて表示された、登録不全商品を処理するための保留商品処理画面AR4の一例である。
登録不全商品に対応する保留商品処理画面AR4の初期表示状態では、まだ商品に関する情報は取得されていないことから、商品情報エリアAR41には、図示するように商品に関する情報は提示されていない。
【0146】
また、登録不全商品に対応する保留商品処理画面AR4においては、商品情報エリアAR41、入力操作エリアAR42、登録ボタンBT41、取消ボタンBT42に加えて、撮像画像エリアAR43が配置される。
【0147】
撮像画像エリアAR43においては、対応の登録不全状況の発生に応じた撮像画像が表示される。この撮像画像は、
図12のステップS106により携帯端末60が取得したものである。
【0148】
具体的に、同図の撮像画像エリアAR43の撮像画像は、非スキャン投入に分類される登録不全状況を示している。同図の撮像画像エリアAR43においては、2つの撮像画像G1、G2が配置されている。撮像画像G1は、買い物カゴ80に商品が追加投入される前の状態を示す撮像画像である。撮像画像G2は、撮像画像G1より後において、買い物カゴ80に商品が追加投入された状態を示す画像である。
【0149】
店員は、同図の撮像画像エリアAR43の撮像画像を見ることで、処理対象の登録不全商品は、バーコードを読み取らせることなく買い物カゴ80に入れられたものであることを把握できる。また、撮像画像G2においては、追加投入された商品の部分にフレームFLが配置されている。これにより、店員は、登録されることなく追加投入された商品が何であるのかを容易に特定できる。
追加投入された商品の特定とフレームFLの配置は、携帯端末60と精算装置40とのいずれによって行われてもよい。
【0150】
また、店員は、撮像画像エリアAR43における撮像画像をより詳細に確認したい場合には、例えば撮像画像エリアAR43における任意の位置をタップするなどによる、撮像画像拡大操作を行うことができる。
撮像画像拡大操作が行われたことに応じて、精算装置40は、
図16に示されるように、保留商品処理画面AR4上に、拡大撮像画像エリアAR431を配置させる。拡大撮像画像エリアAR431は所定の操作に応じて消去する(閉じる)ことができる。
【0151】
説明を
図15に戻す。店員は、顧客に該当の登録不全商品を購入するか否かの意思確認を行う。購入するとの意志がなければ、店員は、取消ボタンBT42を操作し、該当の登録不全商品を回収する。購入するとの意志がある場合、店員は、入力操作エリアAR42を操作して商品情報エリアAR41に商品の情報を入力したうえで、登録ボタンBT41を操作し、商品の登録を行う。
【0152】
また、
図17の保留商品処理画面AR4は、登録不全商品が、「擬似的スキャン」に分類されるものである場合の一例を示している。
同図の撮像画像エリアAR43においては、1枚の撮像画像が表示されている。このように表示された撮像画像エリアAR43の撮像画像によっては、登録不全状況の発生に際して、指によってバーコードの一部が隠された状態で撮像されていたことが示されている。このような撮像画像エリアAR43の撮像画像を見ることで、店員は、処理対象の登録不全商品が、擬似的スキャンに分類されるものであることを把握できる。
【0153】
また、この場合にも、撮像画像エリアAR43に対する操作が行われることで、
図18に示されるように、保留商品処理画面AR4上に、拡大撮像画像エリアAR431を表示させることができる。
【0154】
この場合にも、店員は、顧客に該当の登録不全商品を購入するか否かの意思確認を行い、購入の意志の有無に応じて、商品の登録または取り消しの操作を行う。
【0155】
また、擬似的スキャンは、撮像部606の撮像範囲(バーコードの読み取り可能範囲)に商品をかざしてもバーコードまでは撮像範囲に入っていない状況を含む。この場合、撮像画像エリアAR43においては、撮像範囲に商品の一部が入っているものの、バーコードまでは撮像範囲に入っていない状態の撮像画像が表示されるようにしてよい。
【0156】
また、擬似的スキャンは、撮像部606の撮像範囲に対して、商品コードの読み取りができない速さで商品を素通りさせた状況を含む。この場合、撮像画像エリアAR43においては、撮像範囲を商品が通っているときにキャプチャした静止画としての撮像画像、あるいは、撮像範囲を商品が通っているときの動画による撮像画像を表示させてもよい。
【0157】
図19のフローチャートを参照して、精算装置40が保留商品処理画面の表示に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0158】
ステップS301:精算画面を表示させている状態のもとで、精算装置40は、処理対象とする保留商品を指定する操作(保留商品指定操作)が行われるのを待機している。
【0159】
ステップS302:保留商品指定操作が行われると、精算装置40は、保留商品指定操作により指定された商品が登録不全商品であるか否かについて判定する。
なお、本実施形態の場合、取引管理装置20から送信される精算情報に含まれる登録商品情報に撮像画像が含まれる保留商品は、登録不全商品に限定される。そこで、当該ステップS302の処理として、精算装置40は、保留商品指定操作により指定された商品の登録商品情報に撮像画像が含まれているか否かを判定してもよい。
【0160】
ステップS303:ステップS302により登録不全商品であることが判定された場合、精算装置40は、処理対象として指定された登録不全商品についての、撮像画像エリアAR43を含む保留商品処理画面を生成する。精算装置40は、撮像画像エリアAR43の撮像画像を、精算情報における該当商品の登録商品情報から取得してよい。精算装置40は、生成した保留商品処理画面を表示させる。
【0161】
ステップS304:一方、ステップS302により登録不全商品でないことが判定された場合、精算装置40は、処理対象として指定された保留商品についての、撮像画像エリアAR43を含まない保留商品処理画面を生成する。精算装置40は、生成した保留商品処理画面を表示させる。
【0162】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0163】
[第1変形例]
上記実施形態においては、保留商品が登録不全商品である場合に表示される撮像画像エリアAR43においては、1つもしくは2つの撮像画像(
図15、
図17)が提示される例を挙げた。しかしながら、撮像画像エリアAR43において提示される撮像画像の数は、3以上であってよい。
【0164】
図20は、保留商品処理画面AR4の撮像画像エリアAR43において3つの撮像画像G11、G12、G13が配置された例を示している。同図の保留商品処理画面AR4は、処理対象の登録不全商品が非スキャン投入に分類される場合の例を挙げている。
【0165】
同図の撮像画像G11、G12、G13は、以下の様子を示す。撮像画像エリアAR43においては左から右にかけて撮像画像G11、G12、G13の順で配置されている。この撮像画像G11、G12、G13の配置順は、撮像が行われた時間経過に対応している。
1番目の撮像画像G11は、処理対象の登録不全商品が追加投入される前の買い物カゴ80の中を撮像したときのものである。2番目の撮像画像G12は、撮像画像G11が次の3番目の撮像画像G13に変化する過程を撮像したときのものである。3番目の撮像画像G13は、処理対象の登録不全商品が買い物カゴ80に追加投入された状態を撮像したときのものである。
なお、2番目の撮像画像G12は、例えば投入されようとする商品が含まれる撮像画像のうちから抽出されてもよいし、撮像画像G11、G13が撮像された時刻間において、例えばちょうど中間の時刻というように定められたタイミングでの時刻の撮像画像であってもよい。
また、撮像画像G13においても、買い物カゴ80に追加投入された商品の部分にフレームFLが配置される。
【0166】
[第2変形例]
上記実施形態において、精算装置40の表示部405の表示面については、横長である場合を例に挙げた。しかしながら、精算装置40の表示部405の表示面は、縦長であってよい。
図21(A)は、本変形例に対応する縦長の表示面の表示部405にて表示される精算画面の一例を示している。同図において、
図13と同一となる部分については同一符号を付している。同図と
図13とを比較して分かるように、精算画面として提示される情報は同様であるが、表示面のサイズが縦長とされたことに応じて、精算画面において提示される情報のレイアウトが異なるようにされている。
ただし、
図21(A)の精算画面においても、登録商品リストエリアAR3において、左上に保留商品のリスト項目を含む保留商品リストエリアAR31が形成され、保留商品以外のリスト項目と背景色等が異なるようにされている点は、
図13の精算画面と同様である。
【0167】
本変形例の場合には、例えば
図21(A)における保留商品リストエリアAR31を拡大させるようにして、
図21(B)に示すように拡大保留商品リストエリアAR311として表示させることができる。拡大保留商品リストエリアAR311を表示させる操作は、保留商品リストエリアAR31内の任意の位置に対するタッチする操作であってよい。あるいは、
図21(A)の精算画面において配置される保留商品数エリアAR33をタッチする操作であってもよい。
【0168】
このように拡大保留商品リストエリアAR311が表示されることで、店員は保留商品のリスト項目が見やすくなり、どのような保留商品があるのかを把握しやすくなる。
また、例えば、精算装置40における表示部405の配置位置によっては、表示部405の位置が高くなり、特に表示部405の表示面が縦長である場合には、表示部405の表示面の上側に対する操作がしにくくなるような場合がある。そこで、
図21(B)の例では、表示面における下側に拡大保留商品リストエリアAR311を配置するようにしている。これにより、店員が拡大保留商品リストエリアAR311に対する操作を行いやすくなる。
【0169】
店員が保留商品に対応する処理を行うにあたっては、
図21(B)のように表示された拡大保留商品リストエリアAR311におけるリスト項目のうちで、処理対象の保留商品のリスト項目に配置された呼出ボタンBT31を操作するようにされる。
呼出ボタンBT31が操作されたことに応じて、
図21(C)に示されるように、拡大保留商品リストエリアAR311に代えて、保留商品処理画面AR4を表示させる。このように表示された保留商品処理画面AR4は、操作された呼出ボタンBT31のリスト項目により示される保留商品を処理対象とするものである。
【0170】
また、処理対象とされた保留商品が登録不全商品であった場合には、精算装置40は、同じ
図21(C)に示されるように、保留商品処理画面AR4とともに、撮像画像エリアAR43を同一画面上に表示させる。
なお、同図では撮像画像エリアAR43において1つの撮像が表示された例を挙げている。しかしながら、このように縦長の画面の場合においても、撮像画像エリアAR43において、
図15、
図20のように、登録不全商品(登録不全状況)の分類に応じて、所定の複数の撮像画像が表示されてよい。
【0171】
例えば
図15等の例では、撮像画像エリアAR43は、保留商品処理画面AR4内に配置されていた。これに対して、
図21(C)では、表示部405の表示面が縦長であることに応じて、撮像画像エリアAR43は、保留商品処理画面AR4には含まれないようにされている。
これにより、撮像画像エリアAR43は、保留商品処理画面AR4内に配置される場合よりも大きいサイズに拡大して配置することができるので、撮像画像が見やすくなる。また、
図21(C)に示すように、縦長の表示面において、撮像画像エリアAR43が上側に配置され、保留商品処理画面AR4が下側に配置される。これにより、店員が保留商品処理画面AR4に対する操作を行いやすい。
【0172】
[第3変形例]
上記実施形態においては、保留商品のうち登録不全商品を処理対象とする保留商品処理画面に撮像画像エリアAR43が配置され、登録不全商品ではない保留商品の保留商品処理画面においては、撮像画像エリアAR43が配置されない例を挙げた。
しかしながら、本変形例としては、登録不全商品ではない保留商品の保留商品処理画面においても、撮像画像エリアAR43が配置されるようにしてよい。この場合、携帯端末60は、バーコードの読み取りが成功した登録商品についても撮像画像を含めた商品登録情報を送信するようにされてよい。
【0173】
[第4変形例]
撮像画像エリアAR43は、例えば店員の精算装置40に対する操作等に応じて、保留商品処理画面とは異なる独立した画面として表示されてよい。
【0174】
[第5変形例]
なお、携帯端末60は、例えば
図10(A)の起動画面に配置される取引開始指示ボタンBT10が操作されて商品登録を開始するにあたり、例えば、「商品登録時の画像を精算装置で表示させる場合がある」旨を事前に顧客に伝える警告画面を表示させてよい。このような警告画面を表示させることで、例えば不正に商品登録を行うことの抑止が図られる。あるいは、携帯端末は、警告画面に代えて、「商品登録時の画像を精算装置で表示させる場合がある」ことについての同意を顧客に確認する同意画面を表示させてもよい。同意画面においては、例えば「はい」ボタン、「いいえ」ボタンにより、意思確認の操作を受け付けるボタンが配置される。そのうえで、「はい」ボタンが操作された場合には、不正を行わない客として扱って、例えば取消商品などについては保留商品として登録せずに、そのまま取り消しが確定されるようにしてもよい。
【0175】
[第6変形例]
上記実施形態では、バーコードの読み取りが行われない登録不全状況を商品登録エラーとして扱っているといえる。本変形例としては、登録不全状況に加えて、例えばバーコードの読み取りは成功したが、対象の商品が買い物カゴ80に入れられなかったという状況も、商品登録エラーの1つであるとして判定するようにされてよい。なお、例えば一定重量以上の米や6本単位の缶飲料等は、カートの下部に置かれることが多い。そこで、このような商品については、買い物カゴ80に入れられないことが検出されたとしても、商品登録エラーではないと判定してよい。
【0176】
[第7変形例]
例えば通信エラーや携帯端末60に設定された通信速度制限などによって、例えば
図12のステップS107にて登録不全情報を送信した際に、撮像画像を取引管理装置20に送信できない可能性がある。このような場合、取引管理装置20は、撮像画像は含まないものの、登録不全状況の分類を示す登録不全情報については受信できているので、登録不全状況の分類を示す登録商品情報をカート情報に登録できる。
これにより、精算装置40は、カート情報に基づく精算情報を利用することで、例えば撮像画像エリアAR43に撮像画像は表示されないが、
図15等のような登録不全商品についての保留商品処理画面を表示することができる。この場合、保留商品処理画面において撮像画像エリアAR43が表示されることなく空白となった領域に、「スキャン忘れの商品はございませんか」等のように、登録不全商品であることを店員向けに伝えることのできる内容のメッセージを表示させてもよい。
【0177】
[第8変形例]
登録不全状況が発生したことが、例えば監視装置50等の精算装置40以外で店舗にて稼働する端末(店舗稼働端末)で表示されるようにしてもよい。
例えば店舗稼働端末の1つである監視装置50は、例えば取引管理装置20と通信を行うことで、店舗における取引ごとの状況を監視可能である。そこで、監視装置50は、保留商品の登録が発生した場合には、対象の保留商品が対応する顧客を特定する情報や、保留商品の登録発生タイミングで、対象商品の商品情報、金額の情報等を取得し、取得した情報を表示するようにされてよい。そのうえで、例えば監視装置50により監視業務を行う店員が、表示された商品について問題がないことを確認した場合には、例えば、保留商品としての登録を解除し、通常商品として登録しなおすような操作を行えるようにされてもよい。
【0178】
[第9変形例]
なお、商品登録に対応して使用する撮像装置は、商品のバーコードの読み取りが可能で、買い物カゴ80等の中身が撮像可能に設けられるものであって、携帯端末60等に撮像画像を出力可能な者であれば特に限定されない。このような撮像装置は、例えば店舗側が提供する買い物カゴ80ではなく、顧客が持参したマイバッグの中を撮像可能なようにされたものであってもよい。
【0179】
[第10変形例]
なお、本実施形態の構成は、携帯端末60ショッピングカート70にセットされることなく顧客が手に持って商品登録を行うようにされた場合にも、適用可能な範囲で適用されてよい。このような場合には、例えば携帯端末60は、登録不全状況として、読取NG、擬似的スキャンについて検出し、検出された登録不全状況に対応する撮像画像を出力することができる。
【0180】
[第11変形例]
なお、上記実施形態において携帯端末60が実行する処理の一部を、携帯端末60と通信経由で接続される取引管理装置20等の上位装置が実行するようにされてよい。また、上記実施形態において精算装置40が実行する処理の一部を、精算装置40と通信経由で接続される取引管理装置20等の上位装置が実行するようにされてよい。
【0181】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、商品販売データ処理システムに関する。
[背景技術]
カメラを搭載した携帯端末を用いて顧客自ら商品を登録するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2018-147252号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかし、携帯端末を用いて顧客自らが商品を登録するため、商品のバーコードを読み取ったつもりであっても実際には読み取れなかったり、悪意により意図的にバーコードを読み取らせることなく商品を買物カゴに投入したりするなどの問題が生じる可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、顧客自らが商品を登録する場合に生じる問題に適切に対応できるようにすることを目的とする。
【0182】
[課題を解決するための手段]
(1)上述した課題を解決する本実施形態の一態様は、携帯端末装置(例えば、携帯端末60)により商品を登録し、前記携帯端末装置により登録された商品に対応する精算処理を精算装置(40)が行う商品販売データ処理システム(1)であって、客による商品の登録に関する状況を撮像可能に設けられる撮像手段(例えば、撮像部606)と、一取引に応じた商品の登録が行われる間において、商品の登録が不全とされる所定の登録不全状況を検出する検出手段と、前記精算装置にて前記一取引に応じて登録された商品の精算が行われる際に、前記撮像手段により得られる撮像画像に基づき、前記検出手段により検出された登録不全状況に対応する撮像画像(例えば、撮像画像エリアAR43内の撮像画像)を表示させる表示制御手段とを備える商品販売データ処理システムである。
【0183】
上記構成によれば、顧客が携帯端末60により商品を登録している際に、登録不全状況が発生した場合には、登録不全状況を撮像した画像を表示させることができる。これにより、例えば登録不全状況の防止(例えば、商品登録についての不正行為の防止)や登録不全状況に対応する商品について的確に対処できることとなり、顧客自らが商品を登録する場合に生じる問題に適切に対応できる。
【0184】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記表示制御手段は、登録不全状況の分類として、商品の情報が読み取られることなく当該商品が商品投入部(例えば、買い物カゴ80)に投入された場合、前記商品投入部に当該商品が投入される前後の所定期間に対応する複数の撮像画像を表示させる。
【0185】
上記構成によれば、登録不全状況の分類が非スキャン投入である場合に、対象の商品が投入される前から投入されるまでの間の買い物カゴ80の中身を撮像した撮像画像を表示させることができる。これにより、非スキャン投入されたときの買い物カゴ80の中身の状態遷移を的確に把握できる。
【0186】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載の商品販売データ処理システムであって前記複数の撮像画像のうちの所定の撮像画像において他の撮像画像と相違する部分を示す表示を行う。
【0187】
上記構成によれば、登録不全状況の分類が非スキャン投入である場合に表示される複数の撮像画像のうちで追加投入された商品が撮像された撮像画像において、追加投入された商品の部分を示すフレームFLを配置させることができる。これにより、追加投入された商品をすぐに把握することができる。
【0188】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記表示制御手段は、前記検出手段により検出された登録不全状況の分類に応じて撮像対象が異なる撮像画像を表示させる。
【0189】
上記構成によれば、登録不全状況の分類に応じた撮像対象を撮像した撮像画像を表示させることで、登録不全状況に応じて、証拠として的確な撮像画像を表示させることができる。
【0190】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記表示制御手段は、商品の情報の読取が成功しなかったとの分類による登録不全状況である場合、商品の情報を読み取らせる操作が行われていたときの撮像画像を表示させる。
【0191】
上記構成によれば、例えば登録不全状況の分類が読取NGや擬似的スキャンである場合には、登録不全状況と判定された際に撮像部606の撮像範囲に収まっていた商品を撮像した撮像画像を表示させることができる。これにより、読取NGや擬似的スキャン等の登録不全状況において、バーコードの読み取りが行われるべきであった商品を特定することが可能になる。
【0192】
(6)本実施形態の一態様は、(1)から(5)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記表示制御手段は、前記精算装置にて登録不全商品としての保留商品を処理する画面(例えば、保留商品処理画面AR4)とともに、当該登録不全商品に対応して撮像された撮像画像を表示させる。
【0193】
上記構成によれは、保留商品が登録不全商品である場合には、店員が保留商品を処理する操作のために表示させる保留商品処理画面AR4とともに撮像画像エリアAR43を表示させることができる。これにより、店員は、登録不全商品としての保留商品を適切に処理することができる。
【0194】
(6)本実施形態の一態様は、商品の登録が可能な携帯端末装置(例えば、携帯端末60)であって、客による商品の登録に関する状況を撮像可能に設けられる撮像手段と、一取引に応じた商品の登録が行われる間において、商品の登録が不全とされる所定の登録不全状況を検出する検出手段と、登録された商品の商品情報と前記撮像手段により撮像して得られた撮像画像と(例えば、商品登録画面)を表示させ、前記検出手段により前記登録不全状況が検出されたことに応じて、検出された登録不全状況に関する表示(例えば、案内画像WD2)を行う表示制御手段とを備える携帯端末装置である。
【0195】
上記構成によれば、登録不全状況が発生したことに応じて、携帯端末60において、登録不全状況に関連した表示が行われる。これにより、客は登録不全状況となったことを把握できる。さらに、不正を行おうとする顧客に対しては抑制効果が得られる。
【0196】
なお、上述の取引管理装置20、携帯端末60、精算装置40、管理装置10、登録精算装置30等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の各装置の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0197】
1 商品販売データ処理システム、10 管理装置、20 取引管理装置、40 精算装置、60 携帯端末、70 ショッピングカート、80 買い物カゴ