(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/49 20070101AFI20241129BHJP
【FI】
H02M7/49
(21)【出願番号】P 2023539292
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 KR2021016641
(87)【国際公開番号】W WO2023013824
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0102747
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509329800
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ソル スンギ
(72)【発明者】
【氏名】ゴ サンギ
(72)【発明者】
【氏名】チョェ ソンフィ
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-303401(JP,A)
【文献】特開2019-140738(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0373851(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムにおいて、
正極端子と負極端子を有する主直流リンク(main DC link);
少なくとも1つの副直流リンクであって、前記主直流リンクの正極端子と接続された正極端子を有する第1の副直流リンク及び前記主直流リンクの負極端子と接続された負極端子を有する第2の副直流リンクのうちの少なくとも1つを含む、前記少なくとも1つの副直流リンク;
直列接続されて1つ以上のレッグをなす複数のセルであって、各セルが半導体ベースのスイッチング素子を含み、前記1つ以上のレッグのそれぞれが前記主直流リンクに並列接続される、前記複数のセル;及び
各レッグにおいて一部のセルからなるアームと他の一部のセルからなるアームとの間に形成された、相電流(phase current)を出力可能な1つ以上の相端子を含む、双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項2】
前記複数のセルは、少なくとも1つの第1のセル、少なくとも1つの第2のセル、及び複数の第3のセルを含み、
前記第1の副直流リンクは、前記少なくとも1つの第1のセルからなり、
前記第2の副直流リンクは、前記少なくとも1つの第2のセルからなり、
前記複数の第3のセルは、各レッグにおいて前記第1のセルと第2のセルとの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項3】
前記第1の副直流リンクと主直流リンクとが正極端子を共有するように、又は前記第2の副直流リンクと主直流リンクとが負極端子を共有するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項4】
前記第1のセルは、3つの出力端子を含み、
前記3つの出力端子のうちの1つの出力端子は、隣接する第3のセルと直列接続され、
前記3つの出力端子のうちの他の2つの出力端子は、第1の副直流リンクの正極出力端子及び負極出力端子にそれぞれ接続され、
前記第2のセルは3つの出力端子を含み、
前記3つの出力端子のうちの1つの出力端子は、隣接する第3のセルと直列接続され、
前記3つの出力端子のうちの他の2つの出力端子は、第2の副直流リンクの正極出力端子及び負極出力端子にそれぞれ接続され、
前記第1のセル及び第2のセルにおいて隣接する第3のセルと直列接続される前記1つの出力端子は、各セル内のスイッチング素子の直列接続上に位置することを特徴とする請求項2に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項5】
前記第3のセルは、2つの出力端子を含み、
前記2つの出力端子は、隣接する2つの他の第3のセルの1つの出力端子にそれぞれ接続されるか、隣接する他の第3のセルの1つの出力端子及び前記第1のセル又は第2のセルの1つの出力端子にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項2に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項6】
前記第3のセルは、前記第1のセル及び第2のセルとは異な
る回路構造を有することを特徴とする請求項5に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項7】
前記相端子は、接続される、電源又は負荷を含むN相交流リンクと接続され、
前記主直流リンク、第1の
副直流リンク、及び第2の
副直流リンクのうちの1つ以上の直流リンクのそれぞれから前記N相交流リンクに電力を供給するか、又は前記N相交流リンクから前記主直流リンク、第1の
副直流リンク、及び第2の
副直流リンクのうちの1つ以上の直流リンクのそれぞれに電力を供給するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項8】
前記複数のレッグの全てが各相端子を介してN相交流リンクに接続されると、前記主直流リンクと前記N相交流リンクとの間での電力交換が可能であり、
前記主直流リンクとN相交流リンクとの間での電力供給は、接続されたレッグの個数と同一の値のN相電流で行われることを特徴とする請求項7に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項9】
前記複数のレッグのうちの一部が各相端子を介してN相交流リンクに接続され且つ前記複数のレッグのうちの他の一部が前記第1の副直流リンク及び第2の副直流リンクのうちの少なくとも1つの副直流リンクに接続されると、前記主直流リンクとN相交流リンクとの間での電力交換及び前記少なくとも1つの副直流リンクと前記主直流リンクとの間での電力交換が可能であり、
前記主直流リンクから出力可能な交流定数は、前記他の一部のレッグの個数に対応して減少することを特徴とする請求項7に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項10】
前記主直流リンク及び少なくとも1つの副直流リンクの一部又は全てのそれぞれは相互間で電力を直接交換可能であることを特徴とする請求項1に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項11】
前記主直流リンクには少なくとも1つの副直流リンクのそれぞれに加えられる電圧よりも高い電圧が加えられることを特徴とする請求項1に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項12】
前記第1の副直流リンクに加えられる電圧と第2の副直流リンクに加えられる電圧との総和よりも高い電圧が加えられるように構成されることを特徴とする請求項11に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項13】
マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムにおいて、
正極端子と負極端子を有する複数の主直流リンク(main DC link)であって、該複数の主直流リンクが中性点を形成する、前記複数の主直流リンク;
少なくとも1つの副直流リンクであって、前記主直流リンクの正極端子と接続された正極端子を有する第1の副直流リンク及び前記主直流リンクの負極端子と接続された負極端子を有する第2の副直流リンクのうちの少なくとも1つを含む、前記少なくとも1つの副直流リンク;
直列接続されて1つ以上のレッグをなす複数のセルであって、各セルが半導体ベースのスイッチング素子を含み、前記1つ以上のレッグのそれぞれが当該主直流リンクに並列接続される、前記複数のセル;及び
各レッグにおいて一部のセルからなるアームと他の一部のセルからなるアームとの間に形成された、相電流(phase current)を出力可能な1つ以上の相端子を含む、双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項14】
前記第1の副直流リンクと前記2つの主直流リンクとは互いに異なる正極端子をそれぞれ有し、
前記第2の副直流リンクと前記2つの主直流リンクとは互いに異なる負極端子をそれぞれ有し、
前記第1の副直流リンクの負極端子と前記第2の副直流リンクの正極端子は前記中性点の端子と接続されるように、
構成されることを特徴とする請求項13に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項15】
前記第1の副直流リンクの負極端子と前記第2の副直流リンクの正極端子は、前記中性点の端子であることを特徴とする請求項14に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【請求項16】
2つの主直流リンクは、自分と並列接続されたレッグの数に対応した相端子をそれぞれ含むことを特徴とする請求項14に記載の双方向直流/交流電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、直流/交流電力変換システムに係り、より詳しくは、MMC(Modular Multi level Converter)構造を有する双方向直流/交流電力変換回路において、主直流リンク(main DC link)の正極に接続されたセルからなる第1の副直流リンク(Aux.DC link)及び/又は前記主直流リンクの負極に接続されたセルからなる第2の副直流リンクを含む、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の化石燃料ベースの船舶では、一定の周波数/電圧値の交流電力を主に使用するように構成された独立の電力系統が適用されていた。
【0003】
電気推進船舶に船舶電力系統の周波数/電圧値が固定された従来の化石燃料ベースの船舶の電力系統を適用すると、電気推進船舶の運航速度に応じた出力変動時に効率が低下するという短所がある。
【0004】
これを克服するために電気推進船舶では、直流配電による可変速エンジン発電システムが開発されて電気推進船舶用電力系統に適用されている。前記可変速エンジン発電システムでは可変速発電機の出力と推進電動機とを接続するために直流交流変換が求められ、且つ、電気推進船舶のホテル負荷及びその他電気負荷への電力供給のために一定の電圧の低電圧交流電源も求められる。
【0005】
近年、燃費の改善と共に、煤煙の低減といった環境問題を解決するために、船舶にバッテリーのようなエネルギー貯蔵装置を装着することについての需要が非常に増加している。このようなバッテリー連携のためには、電気推進船舶用電力系統内に別途の電力変換器が求められる。特に、船舶は電気車のような他のモビリティーアプリケーションに比べて負荷の電力消耗量が非常に大きいため、大型船舶の場合、大容量(数MW~数十MW)の電力変換が必須である。
【0006】
また、船舶では、推進用負荷への電力需要だけではなくホテル負荷、その他電力負荷への電力需要によって、種々の電圧の直流/交流電力が共存する必要がある。したがって、共存する直流/交流電力を統合的に連携することができる電力変換回路が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願の実施例によれば、大容量の電力変換が可能であり且つ共存する種々の電圧の直流/交流電力を連携することができる、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願の一態様に係るマルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムは、正極端子と負極端子を有する主直流リンク(main DC link);少なくとも1つの副直流リンクであって、前記主直流リンクの正極端子と接続された正極端子を有する第1の副直流リンク及び前記主直流リンクの負極端子と接続された負極端子を有する第2の副直流リンクのうちの少なくとも1つを含む、前記少なくとも1つの副直流リンク;直列接続されて1つ以上のレッグをなす複数のセルであって、各セルが半導体ベースのスイッチング素子を含み、前記1つ以上のレッグのそれぞれが前記主直流リンクに並列接続される、前記複数のセル;及び各レッグにおいて一部のセルからなるアームと他の一部のセルからなるアームとの間に形成された、相電流(phase current)を出力可能な1つ以上の相端子を含んでよい。
【0009】
一実施例において、前記複数のセルは、少なくとも1つの第1のセル、少なくとも1つの第2のセル、及び複数の第3のセルを含んでよい。前記第1の副直流リンクは、前記少なくとも1つの第1のセルからなり、前記第2の副直流リンクは、前記少なくとも1つの第2のセルからなる。前記複数の第3のセルは、各レッグにおいて前記第1のセルと第2のセルとの間に配置される。
【0010】
一実施例において、前記双方向直流/交流電力変換システムでは、前記第1の副直流リンクと主直流リンクとが正極端子を共有するように、又は前記第2の副直流リンクと主直流リンクとが負極端子を共有するように構成されてよい。
【0011】
一実施例において、前記第1のセルは、3つの出力端子を含んでよい。前記3つの出力端子のうちの1つの出力端子は、隣接する第3のセルと直列接続され、前記3つの出力端子のうちの他の2つの出力端子は、第1の副直流リンクの正極出力端子及び負極出力端子にそれぞれ接続されてよい。前記第2のセルは3つの出力端子を含んでよい。前記3つの出力端子のうちの1つの出力端子は、隣接する第3のセルと直列接続され、前記3つの出力端子のうちの他の2つの出力端子は、第2の副直流リンクの正極出力端子及び負極出力端子にそれぞれ接続されてよい。前記第1のセル及び第2のセルにおいて隣接する第3のセルと直列接続される前記1つの出力端子は、各セル内のスイッチング素子の直列接続上に位置する。
【0012】
一実施例において、前記第3のセルは、2つの出力端子を含んでよい。前記2つの出力端子は、隣接する2つの他の第3のセルの1つの出力端子にそれぞれ接続されるか、隣接する他の第3のセルの1つの出力端子及び前記第1のセル又は第2のセルの1つの出力端子にそれぞれ接続される。
【0013】
一実施例において、前記第3のセルは、前記第1のセル及び第2のセルとは異なる任意の回路構造を有してよい。
【0014】
一実施例において、前記相端子は、接続される、電源又は負荷を含むN相交流リンクと接続されてよい。前記双方向直流/交流電力変換システムは、前記主直流リンク、第1の直流リンク、及び第2の直流リンクのうちの1つ以上の直流リンクのそれぞれから前記N相交流リンクに電力を供給するか、又は前記N相交流リンクから前記主直流リンク、第1の直流リンク、及び第2の直流リンクのうちの1つ以上の直流リンクのそれぞれに電力を供給するように構成される。
【0015】
一実施例において、前記双方向直流/交流電力変換システムでは、前記複数のレッグの全てが各相端子を介してN相交流リンクに接続されると、前記主直流リンクと前記N相交流リンクとの間での電力交換が可能になるように構成されてよい。前記主直流リンクとN相交流リンクとの間での電力供給は、接続されたレッグの個数と同一の値のN相電流で行われる。
【0016】
一実施例において、前記双方向直流/交流電力変換システムでは、前記複数のレッグのうちの一部が各相端子を介してN相交流リンクに接続され且つ前記複数のレッグのうちの他の一部が前記第1の副直流リンク及び第2の副直流リンクのうちの少なくとも1つの副直流リンクに接続されると、前記主直流リンクとN相交流リンクとの間での電力交換及び前記少なくとも1つの副直流リンクと前記主直流リンクとの間での電力交換が可能になるように構成されてよい。前記主直流リンクから出力可能な交流定数は、前記他の一部のレッグの個数に対応して減少した値である。
【0017】
一実施例において、前記双方向直流/交流電力変換システムでは、前記主直流リンク及び少なくとも1つの副直流リンクの一部又は全てのそれぞれは相互間で電力を直接交換可能になるように構成されてよい。
【0018】
一実施例において、前記双方向直流/交流電力変換システムでは、前記主直流リンクには少なくとも1つの副直流リンクのそれぞれに加えられる電圧よりも高い電圧が加えられてよい。
【0019】
一実施例において、前記双方向直流/交流電力変換システムは、前記第1の副直流リンクに加えられる電圧と第2の副直流リンクに加えられる電圧との総和よりも高い電圧が加えられるように構成されてよい。
【0020】
本出願の他の態様に係るマルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムは、正極端子と負極端子を有する複数の主直流リンク(main DC link)であって、該複数の主直流リンクが中性点を形成する、前記複数の主直流リンク;少なくとも1つの副直流リンクであって、前記主直流リンクの正極端子と接続された正極端子を有する第1の副直流リンク及び前記主直流リンクの負極端子と接続された負極端子を有する第2の副直流リンクのうちの少なくとも1つを含む、前記少なくとも1つの副直流リンク;直列接続されて1つ以上のレッグをなす複数のセルであって、各セルが半導体ベースのスイッチング素子を含み、前記1つ以上のレッグのそれぞれが当該主直流リンクに並列接続される、前記複数のセル;及び各レッグにおいて一部のセルからなるアームと他の一部のセルからなるアームとの間に形成された、相電流(phase current)を出力可能な1つ以上の相端子を含んでよい。
【0021】
一実施例において、前記双方向直流/交流電力変換システムでは、前記第1の副直流リンクと前記2つの主直流リンクとは互いに異なる正極端子をそれぞれ有し、前記第2の副直流リンクと前記2つの主直流リンクとは互いに異なる負極端子をそれぞれ有し、前記第1の副直流リンクの負極端子と前記第2の副直流リンクの正極端子は前記中性点の端子と接続されるように構成されてよい。
【0022】
一実施例において、前記第1の副直流リンクの負極端子と前記第2の副直流リンクの正極端子は、前記中性点の端子であってよい。
【0023】
一実施例において、2つの主直流リンクは、自分と並列接続されたレッグの数に対応する相端子をそれぞれ含んでよい。
【発明の効果】
【0024】
本出願の直流/交流電力変換システムを使用すると、種々の直流電圧源と電気推進用電動機とを別途の変圧器、追加的な電力変換器を介さずに容易に接続することができる。特に、別途の電力変換器や変圧器を介さずに可変する電圧を有する種々の直流電源を交流出力に接続することができ且つ直流電源間又は直流/交流間の双方向電力交換が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明又は従来技術の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施例に関する説明で必要な図面を簡単に紹介することにする。なお、以下の図面は本明細書の実施例を説明するための目的から例示しただけのものであって、本発明を限定するための目的から例示したものではないと理解されるべきである。また、これらの図面では、説明の明瞭性のために誇張や省略などの種々の変形が適用された一部の要素が図示されることがある。
【
図1】本出願の特定の実施例に係る、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムの概略図である。
【
図2】本出願の一実施例に係る、第1タイプのセルの概略図である。
【
図3a】本出願の一実施例に係る、第2タイプのセルの概略図である。
【
図3b】本出願の一実施例に係る、第2タイプのセルの概略図である。
【
図3c】本出願の一実施例に係る、第2タイプのセルの概略図である。
【
図4】本出願の他の特定の実施例に係る、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムの概略図である。
【
図5】本出願の他の特定の実施例に係る、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムの概略図である。
【
図6】本出願のまた他の特定の実施例に係る、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施例について詳しく説明することにする。
【0027】
しかし、これらは本開示を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本開示の実施例の種々の変更(modification)、均等物(equivalent)、及び/又は代替物(alternative)を含むものと理解されるべきである。図面の説明に関して、類似の構成要素に対しては類似の参照符号が付されることがある。
【0028】
本明細書において、「有する」、「有してよい」、「含む」、又は「含んでよい」などの表現は、当該特徴(例:数値、機能、動作、段階、部品、要素及び/又は成分などの構成要素)の存在を示し、さらなる特徴の存在や付加を排除することではない。
【0029】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」又は「接続されている」と言及されているときは、その他の構成要素に直接連結されているか又は接続されていてもよいが、それらの間にまた他の構成要素が介在していてもよいと理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」又は「直接接続されている」と言及されているときは、それらの間にまた他の構成要素が介在していないと理解されるべきである。
【0030】
種々の実施例において用いられた「第1」、「第2」、「一番目」、又は「二番目」などの表現は、種々の構成要素を順序及び/又は重要度に関係なく修飾してよく、当該構成要素を限定することではない。これらの表現はある構成要素を他の構成要素と区分するために用いられてよい。例えば、第1の構成要素と第2の構成要素とは、順序又は重要度に関係なく、互いに異なる構成要素を表してよい。
【0031】
本出願の実施例に係る双方向直流/交流電力変換システム(以下、直流/交流電力変換システム)は、MMC(Modular Multi level Converter)構造を有する双方向直流/交流電力変換回路を含む。前記MMC構造を有する双方向直流/交流電力変換回路は複数の直流リンクを含む。
【0032】
図1は、本出願の特定の実施例に係る、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムの概略図である。
【0033】
図1を参照すると、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システム(以下、直流/交流電力変換システム)1000は、MMC(Modular Multi level Converter)構造を有する双方向直流/交流電力変換回路を含む。前記MMC構造を有する双方向直流/交流電力変換回路は、主直流リンク(main DC link)1;少なくとも1つの副直流リンク;及び複数のセル200、203、205を含む。特定の実施例において、前記直流/交流電力変換システム1000は、第1の副直流リンク3及び第2の副直流リンク5を含む。
【0034】
主直流リンク1は、正極端子X1と負極端子X2を有する。前記主直流リンク1は、主DC電力を提供する主電源に並列で接続される。例えば、主直流リンク1は、燃料電池出力直流リンクであってよい。船舶でエンジンによって発電された電力が主直流リンク1の電力として使用されてよい。
【0035】
副直流リンク3、5は、主直流リンク1とは異なる電力系統のリンクであって、例えば、交流発電機の出力を整流した直流リンク、又はバッテリー直流リンクであってよい。
【0036】
副直流リンク3、5のそれぞれの電圧は、主直流リンク1の電圧よりも低い。主直流リンク1の電圧は、副直流リンク3及び5の電圧の和よりも高くてよい。主直流リンク1に加えられる電圧は、例えば数千Vであってよい。一方、副直流リンク3、5に加えられる電圧は、例えば1000V以下であってよい。
【0037】
セル200、203、205は、複数の電力用半導体210;及び少なくとも1つのエネルギー貯蔵部220を含む。電力用半導体210は互いに直列で接続される。エネルギー貯蔵部220は、DC電力を貯蔵してよい。複数の電力用半導体210は、エネルギー貯蔵部220にブリッジ状に並列で接続される。
【0038】
前記電力用半導体210は、ターンオン(turn-on)/ターンオフ(turn-off)制御可能なパワー半導体スイッチ211及びこれに並列接続された還流ダイオード212を含む。電力用半導体210は、制御部(図示せず)の制御信号によってターンオン/ターンオフが制御される。
【0039】
前記セル200、203、205は、ハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路構造を有してよい。セル構造については、下記の
図2及び
図3を参照してより詳述する。
【0040】
前記電力用半導体210は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、FET(Field effect transistor)、トランジスタ、ゲートターンオフサイリスタ(Gate turn-off Thyristor、GTO、IGCT)、ダイオード、又はその他電流の流れをスイッチングする半導体ベースのスイッチング素子であってよい。エネルギー貯蔵部220は、キャパシタ、バッテリー、燃料電池などであってよい。
【0041】
前記複数のセル200、203、205は、MMCコンバータのサブモジュール(submodule)に対応する構成要素である。前記複数のセル200、203、205は、少なくとも1つのレッグ(Leg)2を形成する。各レッグ2には、複数のセル200、203、205が直列で接続される。各レッグ2は、副直流リンク3の正極に直接接続されるセル203、副直流リンク5の負極に直接接続されるセル205、及びこれらのセル203、205の間に配置されるセル200を含む。一実施例において、副直流リンク3が主直流リンク1と正極を共有する場合、セル203は、
図1に示されたように主直流リンク1の正極に直接接続されてよい。副直流リンク5が主直流リンク1と負極を共有する場合、セル205は、
図1に示されたように主直流リンク1の負極に直接接続されてよい。
【0042】
全体の電力変換回路はn個のレッグ2を含んでよい。各レッグ2は、主直流リンク1に共通で接続される。各レッグ2の一方の端(terminal)は前記主直流リンク1の正極に接続され、他方の端は前記主直流リンク1の負極に接続される。
【0043】
各レッグ2は、交流相(phase)電流を伝達可能な相端子(phase terminal)を含む。相端子は、各レッグ2内のアーム22とアーム22との間に形成される。
【0044】
各レッグ2において各相端子から前記主直流リンクの正極まで配置されたセル、そして各相端子から前記主直流リンクの負極まで配置されたセルは、それぞれアーム(Arm)22と称される。すなわち、各レッグ2は、一対のアーム(Arm)22を形成する。一対のアーム22は、同じレッグ2上で直列接続される。
【0045】
図1に示されたように、各レッグ2から相電流が流れていく相(phase)端子がそれぞれ接続される。直流/交流電力変換システム1000は、n個のレッグ2を含む場合、最大のN相電流を提供することもできる。
【0046】
副直流リンク3は、前記少なくとも1つのセル203からなる。
【0047】
一実施例において、副直流リンク3の正極は、主直流リンク1の正極と接続されてよい。すると、各レッグにおいて主直流リンクの正極に最も近いセル203は、レッグ内のセルのうちの主直流リンク1の正極に直接接続される。
【0048】
図1に示されたように、副直流リンク3は、主直流リンク1と正極端子X1を共有するように形成されてよい。副直流リンク3は、主直流リンク1の正極に一方の端が接続されたセル203の他方の端に接続された負極端子X3を有する。
【0049】
副直流リンク5は、前記少なくとも1つのセル205からなる。
【0050】
一実施例において、各レッグにおいて主直流リンクの負極に最も近い副直流リンク5の負極は、主直流リンク1の負極と接続されてよい。すると、セル205は、レッグ内のセルのうちの主直流リンク1の負極に直接接続される。
【0051】
図1に示されたように、副直流リンク5は、主直流リンク1と負極端子X2を共有するように形成されてよい。副直流リンク5は、主直流リンク1の負極に一方の端が接続されたセル203の他方の端に接続された正極端子X5を有する。
【0052】
複数のセル200、203、205において副直流リンク3、5に直接接続されるセル203、205とそれらの間のセル200とは、異なる構造を有してよい。副直流リンク3、5に直接接続されるセル203、205は、第1タイプの構造のセル(以下、「第1タイプのセル」)であってよく、それらの間のセル200は、第2タイプの構造のセル(以下、第2タイプのセル)であってよい。副直流リンク3、5に直接接続されるセル203、205は、それらの間のセル200とは異なる回路を含む。
【0053】
図2は、本出願の一実施例に係る、第1タイプのセルの概略図である。
【0054】
図2を参照すると、前記主直流リンク1の正極に直接接続されるセル203;及び主直流リンク1の負極に直接接続されるセル205は、3つの出力端子Y
L、Y
P、Y
Nを含む。前記3つの出力端子のうちの1つの端子Y
Lは、他のセル200と直列接続される端子である。
図1及び
図2に示されたように、端子Y
Lは、電力用半導体210の直列接続上に位置してよい。セル203、205は、端子Y
Lを介してセル200と接続されてレッグ2を形成する。
【0055】
前記3つの端子のうちの他の2つの端子YP、YNは、当該副直流リンク3、5の正極/負極に接続される端子である。例えば、セル203の端子YPは、副直流リンク3の正極端子X1に接続される。セル203の端子YNは、副直流リンク3の負極端子X3に接続される。セル205の端子YPは、副直流リンク5の正極端子X5に接続される。セル205の端子YNは、副直流リンク5の負極端子X2に接続される。
【0056】
図3a~
図3cは、本出願の一実施例に係る、第2タイプのセルの概略図である。
【0057】
図3a~
図3cを参照すると、セル203、205の間のセル200は、2つの出力端子Y
L1、Y
L2を含む。前記2つの端子Y
L1、Y
L2のそれぞれは、他のセル200の端子Y
L1、Y
L2にそれぞれ接続されるか、セル203及び205の端子Y
L;及び他のセル200の端子Y
L1又はY
L2に接続される。
【0058】
一実施例において、セル200は、
図2中のセル203、205の回路とは異なる回路構造を有してよい。特に、セル200は、
図2中の構造を除いた任意の構造の回路で具現されてよい。例えば、
図3a~
図3c中のセル200は、ハーフブリッジ回路又はフルブリッジ回路の他、直流と交流とを接続する種々のスイッチング回路構造を有してよい。結局として、セル200は、高い回路構成自由度を有する。
【0059】
各直流リンク1、3、5は、直流/交流電力変換部(図示せず)を介して、可変電圧/可変周波数の交流負荷又は交流電源、又は一定の電圧/一定の周波数の常用周波数の交流負荷又は交流電源と接続されてよい。前記直流/交流電力変換部は、通常の直流/交流電力変換回路であって、例えばインバータ、SFC(static frequency converter)、交流変圧器を含んでよい。前記直流/交流電力変換部は、高電圧電力を、接続された構成要素(負荷又は電源)に対応する低電圧電力に変換する。
【0060】
主直流リンク1は、相対的に電力消耗量の大きい負荷、例えばスラスタモータ、推進モータのような船舶推進用負荷に電力を供給してよい。
【0061】
また、副直流リンク3、5は、前記推進用負荷とは異なる交流負荷、例えばホテル負荷(hotel load)に電力を供給してよい。副直流リンク3、5は、交流負荷に定格電力を供給するために、インバータ、SFC(static frequency converter)、交流変圧器と並列接続されてよい。このような別途の副直流リンク3、5に直流電源装置(バッテリー、燃料電池、交流発電機の整流された出力、インバータを介した交流電源の直流リンク)が接続されると、
図1中の回路はさらなる電力変換が可能な回路として具現される。
【0062】
前記直流/交流電力変換システム1000は、各レッグ2の上段/下段のアーム22が接続された部分(例えば、相端子)から交流電流を出力してよい。
【0063】
n個のレッグのうちの一部又は全ては、相端子を介してN相交流リンクと接続されてよい。N相においてNの値は、レッグ2の個数(すなわち、nの値)と同一であるか、それより小さくてよい。
【0064】
前述したように、直流/交流電力変換システム1000は、N個のレッグ2を含む場合、最大N相(phase)の交流電流を出力してよい。N相の交流電流は、接続された交流リンク(図示せず)に供給される。前記N相の交流リンクは、推進用負荷としてN相交流推進電動機を含んでよい。N相交流出力は、N相の交流推進電動機と接続されて船舶の推進に使用される。
【0065】
また、
図1において直流/交流電力変換システム1000のN相の交流出力は、主直流リンク1、及び副直流リンク3、5のうちの1つ以上の直流リンクのそれぞれと電力交換が可能である。前記複数の直流リンクのうちの1つ以上の直流リンクのそれぞれ(例えば、1、3、又は5)からN相の交流リンクに電力を供給するか、又はN相の交流リンクから前記複数の直流リンクのうちの1つ以上の直流リンクのそれぞれ(例えば、1、3、又は5)に電力を供給してよい。
【0066】
一実施例において、主直流リンク1は、N相交流出力の供給を受けるN相負荷を含むN相交流リンク(図示せず)と接続されてよい。前記複数のレッグの全てが各相端子を介してN相交流リンクに接続されると、前記主直流リンクとN相交流リンクとの間での電力交換が可能である。この電力交換は、主直流リンク1からN相交流リンクへの電力供給又は前記N相交流リンクから前記主直流リンク1への電力供給を含む。
【0067】
一実施例において、直流/交流電力変換システム1000は、n個のレッグ2のうちの一部は副直流リンク3、5と電力を交換する目的から使用されて、N相交流リンクに交流出力を供給しないように構成されてよい。前記主直流リンクとN相交流リンクとの間での電力交換及び前記少なくとも1つの副直流リンクと前記主直流リンクとの間での電力交換が可能である。
【0068】
この場合、主直流リンク1から出力可能な交流定数は、全てのレッグ2が接続された場合に比べて、前記他の一部のレッグの個数に対応して減少する。例えば、接続されていない他の一部のレッグ2の出力比重分減少する。
【0069】
また、各直流リンク1、3、又は5は、N相の交流リンクを介さずに相互間で電力を直接交換してよい。主直流リンク1が接続されていなくても、副直流リンク3、5が相互間で電力を交換してよい。副直流リンク3、5のいずれか1つだけがN相交流リンクに電力を供給し、又は副直流リンク3、5の全てがN相交流リンクに電力を供給してもよい。
【0070】
各電流リンク1、3、5の電圧は互いに独立して制御されてよい。
【0071】
前述したように、前記直流/交流電力変換システム1000は、複数の副直流リンクを有するものに制限されない。他の特定の実施例において、前記直流/交流電力変換システム1000は、主直流リンク1と単一の副直流リンク3又は5を含むように変更されてよい。
【0072】
図4及び
図5は、本出願の他の特定の実施例に係る、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムの概略図である。
【0073】
前記直流/交流電力変換システム1000は、
図4に示されたように、主直流リンク1;及び前記主直流リンク1の正極端子X1に接続されたセル203を含む副直流リンク3を含んでよい。
【0074】
または、前記直流/交流電力変換システム1000は、
図5に示されたように、主直流リンク1;及び前記主直流リンク1の負極端子X2に接続されたセル205を含む副直流リンク5を含んでよい。
【0075】
図6は、本出願のまた他の特定の実施例に係る、マルチ直流リンクを有する双方向直流/交流電力変換システムの概略図である。
【0076】
図6を参照すると、前記直流/交流電力変換システム1000は、2つの主直流リンク1及び2つの副直流リンク3、5を含んでよい。
図6中のシステム1000は、
図4及び
図5中のシステム1000の組み合わせにて具現されてよい。
図6において主直流リンク1は、正極、中性点X
N、負極を有する双方向(Bipolar)直流リンクから構成される。2つの直流リンク1は、それぞれの正極端子及び負極端子で中性点X
Nを形成する。
【0077】
図6中のシステム1000において前記第1の副直流リンク3と主直流リンク1は、正極端子を共有せずにそれぞれの異なる正極端子X
1、X
3を有する。前記第2の副直流リンク5と主直流リンク1は、負極端子を共有せずにそれぞれの異なる負極端子X
2、X
5を有する。
【0078】
前記第1の副直流リンク3の負極端子と前記第2の副直流リンクの正極端子は、前記中性点XNの端子と接続されて同一の電位を有する。
【0079】
一実施例において、前記第1の副直流リンク3の負極端子と前記第2の副直流リンク5の正極端子は、前記中性点X
Nの端子であってよい。
図6に示されたように、2つの主直流リンク1が共有する端子X
Nが第1の副直流リンク3の負極端子、第2の副直流リンク5の正極端子及びシステム1000の中性点としてそれぞれ機能するように、2つの主直流リンク1及び2つの副直流リンク3、5が構成されてよい。
【0080】
この場合、
図6中のシステム1000は、
図1、
図4及び
図5中のシステム1000に比べて、同一の絶縁耐力に対して2倍の電力変換容量を有することができる。
【0081】
このように、前記直流/交流電力変換システム1000は、マルチ直流リンクによって数MW~数十MWの直流又は交流電力を相互変換し且つ複数の直流電源が接続されるように構成される。前記直流/交流電力変換システム1000は、多様な回路を含むセル200を含むことができ、多様な電圧、電力に対応して柔軟なシステム設計が可能である。特に船舶のように独立した電力系統において、多様な電圧の直流/交流電圧及び船舶の大きさに応じた多様な容量の電力連携に有用である。
【0082】
さらに、主直流リンク1と共に少なくとも1つの副直流リンク3、5を含むので、主直流リンク1又は副直流リンク3、5が電力供給不能状態に置かれても負荷制限(load shedding)のような供給障害問題を最小化することができる。
【0083】
上述した本発明を図面に示された実施例を参考にして説明したが、これらの実施例は例示的なものに過ぎず、当該分野における通常の知識を有する者であればかかる実施例から多様な変形及び実施例の変形が可能である点が理解できるはずである。なお、かかる変形は本発明の技術的保護範囲内にあるとみるべきである。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本出願の実施例に係る、別途の電力変換器や変圧器を介さずに可変する電圧を有する種々の直流電源を交流出力に接続することができ且つ直流電源間又は直流/交流間の双方向電力交換が可能な、双方向直流/交流電力変換システムは、多様な直流、交流電圧が連携されなければならないシステム産業に利用可能である。特に、電気推進船舶の電力変換システム産業に対して高い産業上の利用可能性があるものと見込まれる。
【符号の説明】
【0085】
1:主直流リンク
2:レッグ
3、5:副直流リンク
22:アーム
200、203、205:セル
1000:双方向直流/交流電力変換システム