(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】ブルーカーボンシステム
(51)【国際特許分類】
B63B 35/44 20060101AFI20241129BHJP
A01K 61/75 20170101ALI20241129BHJP
【FI】
B63B35/44 Z
A01K61/75
(21)【出願番号】P 2024071210
(22)【出願日】2024-04-25
【審査請求日】2024-06-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715008687
【氏名又は名称】廣田 祐次
(72)【発明者】
【氏名】廣田 祐次
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】特許第7456701(JP,B1)
【文献】特開平08-150989(JP,A)
【文献】特開2005-245374(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0042738(KR,A)
【文献】中国実用新案第216443758(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/75
B63B 35/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木枠で構成された木造人工島に藻を養殖するための培養土ユニットを乗せ、該木造人工島に付帯する複数の密閉木箱の浮力と、該培養土ユニットの重量とをバランスさせ、また該藻の最もよい育成条件となるよう水深を考慮し、該密閉木箱の上側30cmが露出するように設定されたブルーカーボンシステムであって、該密閉木箱の上側にも木枠を設定し、さらに該木枠の上に、
子供の遊び場、スポーツ競技場、テント又は仮設住宅を設けるための透明なアクリル板が設定されたブルーカーボンシステムであって、海岸側の
2m以下の浅瀬にコンクリート製のガイドを複数設定し、該ガイドごとに該木造人工島に連結した横柱を通し、該横柱には二つのストッパーを設置し、該ガイド及び該ストッパーによって、該木造人工島は水平方向には移動しないが、潮の満ち干や津波に対して順応するよう、上下に該木造人工島の移動が可能なブルーカーボンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海上や湖上に浮遊型の木造人工島を浮かべ、該木造人工島の木枠の上の培養土ユニットで海藻又は淡水藻を育成し、該海藻又は淡水藻の光合成によってCO2を削減するブルーカーボン技術に関する提案であり、該海藻又は淡水藻の上側にも木枠を設定し、さらに透明なアクリル板を設定し、子供の遊び場や各種スポーツ競技が行えるようにし、震災時には仮設住宅を設定できるようにする技術の提案でもある。
ブルーカーボンとは、海洋生物の働きによって海洋環境に吸収・貯留されている炭素のことである。人間活動によるCO2の排出量は炭素換算にして年間約94億tにのぼりますが、陸上の森林などの植物は約19億t吸収し、海洋全体で約25億t、そのうちブルーカーボン生態系によるCO2吸収が約11億tであることがわかってきている。
陸上の植物によって固定化された炭素は、数十年単位で微生物によって再び分解されてCO2として大気中に放出されます。一方、海底に蓄積された炭素は、無酸素状態のため微生物による分解が抑制されることで、その分解が数千年単位と非常にゆっくりとしたものとなっている。
このような特徴から、ブルーカーボンは、地球温暖化の原因とされるCO2の新たな吸収源として注目されている。
【背景技術】
【0002】
従来では、ブルーカーボンを生み出す海藻類は自然環境での育成にゆだねられ、太陽光がいきわたる浅瀬にごく限られており(=海洋全体の0.2%)、港の設置や海水浴場等の観光開発・商業施設の拡張により、育成域が減ることはあっても、増加することはなかった。
また、天候や潮の満ち引きにて太陽光が十分に届かないときがあり、十分な育成状態とはいえなかった。さらに赤潮の発生によっても、藻の育成が阻害されることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
□12mの木造人工島ユニットの木枠の4つの各隅に密閉木箱を設置し、また該木枠の上に、藻を養殖するための培養土ユニットを乗せ、4個の該密閉木箱の浮力と、該培養土ユニットの重量とをバランスさせ、また該藻の最もよい育成条件となるよう水深を考慮したうえで、4個の該密閉木箱の上側30cm程度が露出するように設定する。このシステムを「木造人工島のブルーカーボン」と呼称する。
次に、「木造人工島のブルーカーボン+」の考え方であるが、4個の該密閉木箱の上側にも木枠を設定し、さらに該木枠の上に、劣化しにくく厚くて透明なアクリル板を設定し、子供の遊び場や各種スポーツ競技が可能なようにし、震災時にはテントや仮設住宅を設置できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
□12mの木造人工島ユニットの木枠の4つの各隅に密閉木箱を設置し、また該木枠の上に、藻を養殖するための培養土ユニットを乗せ、4個の該密閉木箱の浮力と、該培養土ユニットの重量とをバランスさせ、また該藻の最もよい育成条件となるよう水深を考慮したうえで、4個の該密閉木箱の上側30cm程度が露出するように設定する。このシステムを「木造人工島のブルーカーボン」と呼称する。
次に、「木造人工島のブルーカーボン+」の考え方であるが、4個の該密閉木箱の上側にも木枠を設定し、さらに該木枠の上に、劣化しにくく厚くて透明なアクリル板を設定し、子供の遊び場や各種スポーツ競技が可能なようにし、震災時にはテントや仮設住宅を設置できるようにする。
該木造人工島ユニット同士を、木勢リベットを通したうえで、接着でつないでいき、木造人工島を大型化し、また海岸側の浅瀬(2m以下)にコンクリート製のガイドを複数個設定し、該ガイドごとに大型化した該木造人工島に連結した横柱を通し、該横柱には二つのストッパーを設置し、該ガイド及び該ストッパーによって、該木造人工島は水平方向には移動しないが、潮の満ち干や津波に対して順応するよう、上下に該木造人工島が移動できるようにする。
【発明の効果】
【0006】
世界中に木造人工島のブルーカーボンあるいはブルーカーボン+を展開することで、ブルーカーボンの研究をする研究所が増加し、効率のよい光合成を行う藻の種類や育成条件が見つかり、世界中でCO2の大幅削減がなされ、2050年を待たずに、カーボンニュートラルを達成する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
□12mの木造人工島ユニットの木枠の4つの各隅に密閉木箱を設置し、また該木枠の上に、藻を養殖するための培養土ユニットを乗せ、4個の該密閉木箱の浮力と、該培養土ユニットの重量とをバランスさせ、また該藻の最もよい育成条件となるよう水深を考慮したうえで、4個の該密閉木箱の上側30cm程度が露出するように設定する。このシステムを「木造人工島のブルーカーボン」と呼称する。
次に、「木造人工島のブルーカーボン+」の考え方であるが、4個の該密閉木箱の上側にも木枠を設定し、さらに該木枠の上に、劣化しにくく厚くて透明なアクリル板を設定し、子供の遊び場や各種スポーツ競技が可能なようにし、震災時にはテントや仮設住宅を設置できるようにする。
該木造人工島ユニット同士を、木勢リベットを通したうえで、接着でつないでいき、木造人工島を大型化し、また海岸側の浅瀬(2m以下)にコンクリート製のガイドを複数個設定し、該ガイドごとに大型化した該木造人工島に連結した横柱を通し、該横柱には二つのストッパーを設置し、該ガイド及び該ストッパーによって、該木造人工島は水平方向には移動しないが、潮の満ち干や津波に対して順応するよう、上下に該木造人工島が移動できるようにする。
【0009】
図1にて、□12mの木造人工島ユニットの木枠の4つの各隅に密閉木箱を設置し、また該木枠の上に、藻を養殖するための培養土ユニットを乗せ、4個の該密閉木箱の浮力と、該培養土ユニットの重量とをバランスさせ、また該藻の最もよい育成条件となるよう水深を考慮したうえで、4個の該密閉木箱の上側30cm程度が露出するように設定する。このシステムを「木造人工島のブルーカーボン」と呼称する。
該4個の密閉木箱の30cm程度露出している部分に種々の色を設定し、船などの衝突の防止を防ぐとともに、ドローン撮影や銀河鉄道での「色メッセージ」の景観を楽しめるようにし、また藻の種類により海水浴が可能なエリアと設定することができる。
次に、「木造人工島のブルーカーボン+」の考え方であるが、4個の該密閉木箱の上側にも木枠を設定し、さらに該木枠の上に、劣化しにくく厚くて透明なアクリル板を設定し、子供の遊び場や各種スポーツ競技が可能なようにし、震災時にはテントや仮設住宅を設置できるようにする。
該木造人工島ユニット同士を、木勢リベットを通したうえで、接着でつないでいき、木造人工島を大型化し、また海岸側の浅瀬(2m以下)にコンクリート製のガイドを複数設定し、該ガイドごとに大型化した該木造人工島に連結した横柱を通し、該横柱には二つのストッパーを設置し、該ガイド及び該ストッパーによって、該木造人工島は水平方向には移動しないが、潮の満ち干や津波に対して順応するよう、上下に該木造人工島が移動できるようにする。
ノアの箱舟作戦:該ガイドと該木造人工島を50mのワイヤーでつなぎ、50m以下の大津波に対して(ちょうど碇を下して船舶が停泊すると同様に)水平移動をほとんどすることなく、ほぼ同じ位置を保つ。
図2に、木造人工島の概要を示す。
木材で□12mのアングルを組み、木造人工島の基本ユニットとする。また
図2では該木造人工島の基本ユニットは6個であるが、該木造人工島の基本ユニットを矢印の方向に継ぎ足し拡張し、□数キロメートル以上の大型の人工島にすることができる。
該木造人工島の基本ユニットの該アングルの側面に穴をあけ、木製リベットで位置決めをした上で、該アングル同士の接着にて、拡張をする。
すなわち、該木造人工島の拡張により、ブルーカーボン及びブルーカーボン+が拡大し、より大規模なCO2の削減を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
世界中に木造人工島のブルーカーボンあるいはブルーカーボン+を展開することで、ブルーカーボンの研究をする研究所が増加し、効率のよい光合成を行う藻の種類や育成条件が見つかり、世界中でCO2の大幅削減がなされ、2050年を待たずに、カーボンニュートラルを達成する可能性がある。
【要約】 (修正有)
【課題】従来では、ブルーカーボンを生み出す海藻類は自然環境での育成にゆだねられ、太陽光がいきわたる浅瀬にごく限られており(=海洋全体の0.2%)、港の設置や海水浴場等の観光開発・商業施設の拡張により、育成域が減ることはあっても、増加することはなかった。
また、天候や潮の満ち引きにて太陽光が十分に届かないときがあり、十分な育成状態とはいえなかった。さらに赤潮の発生によっても、藻の育成が阻害されることがあった。
【解決手段】12mの木造人工島ユニットの木枠の4つの各隅に密閉木箱を設置し、また該木枠の上に、藻を養殖するための培養土ユニットを乗せ、4個の該密閉木箱の浮力と、該培養土ユニットの重量とをバランスさせ、また該藻の最もよい育成条件となるよう水深を考慮したうえで、4個の該密閉木箱の上側30cm程度が露出するように設定する。
【選択図】
図1