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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】通信機器の作動方法、装置及び通信機器
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20241129BHJP
   H04W 76/27 20180101ALI20241129BHJP
   H04W 68/00 20090101ALI20241129BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W76/27
H04W68/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023548619
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2022077319
(87)【国際公開番号】W WO2022174839
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】202110199027.8
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】沈 曉冬
(72)【発明者】
【氏名】潘 學明
(72)【発明者】
【氏名】陳 力
(72)【発明者】
【氏名】李 娜
(72)【発明者】
【氏名】紀 子超
(72)【発明者】
【氏名】姜 大潔
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110958668(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0410067(US,A1)
【文献】特表2020-509627(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0220366(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0208523(US,A1)
【文献】Intel Corporation,Sidelink enhancements for UE power saving[online],3GPP TSG RAN WG1 #103-e R1-2008998,フランス,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_103-e/Docs/R1-2008998.zip>,2020年11月01日,[検索日 2024.06.25]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の通信機器によって実行される通信機器の作動方法であって、
第二の通信機器のスリープ状態変換命令を受信することと、
第一の通信機器が予め設定されるスリープ状態変換条件を満たすと判断することとのうちの少なくとも一つを満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換することを含み、
前記スリープ状態変換条件は、
前記第一の通信機器の受信信号品質が第一の閾値よりも高く、又は前記第一の通信機器の受信信号品質が第二の閾値よりも低いことと、
前記第一の通信機器が、第一の予め設定される時間帯内にセル再選択が発生していないことと、
前記第一の通信機器の受信信号品質の第二の予め設定される時間帯内における変動範囲が第三の閾値よりも小さいことと、
前記第一の通信機器が、第三の予め設定される時間帯内にページングメッセージ又はシステムメッセージを受信していなかったことと、
前記第一の通信機器がスリープ状態以外の他の少なくとも一つの状態で連続的に在圈する時間が、第一の予め設定される時間長を超えていることとのうちの少なくとも一つを含み、
前記スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号のみを検出する、通信機器の作動方法。
【請求項2】
記非スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号を検出せず、無線リソース制御RRCアイドル状態IDLE、非アクティブ化状態INACTIVE又は接続状態CONNECTEDにおける物理層プロセスを実行し、
前記ウェイクアップ信号により乗せられる情報は、
前記第一の通信機器のウェイクアップを指示するウェイクアップ指示情報と、
前記第一の通信機器のスリープを指示するスリープ指示情報と、
同期情報とのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の通信機器の作動方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記第二の通信機器が前記第一の通信機器にスリープ状態変換命令を送信するか否かを判断するための補助情報を前記第二の通信機器に報告することをさらに含み、前記補助情報は、
前記第一の通信機器の信号強度又は信号品質と、
前記第一の通信機器の移動性状況とのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の通信機器の作動方法。
【請求項4】
非スリープ状態からスリープ状態に変換する前又は変換した後に、前記方法は、
第一の指示情報を前記第二の通信機器に送信し、前記第一の通信機器がスリープ状態に入ることを指示することをさらに含み、
前記第一の指示情報は、
ランダムアクセスチャネルRACHと、
サウンディングリファレンス信号SRSと、
リファレンス信号SRと、
物理上りリンク共有チャネルPUSCHと、
予め定義される物理チャネルと、
予め定義される物理信号とのうちのいずれか一つによって乗せられる、請求項1に記載の通信機器の作動方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記第二の通信機器の第二の指示情報を受信し、スリープ状態に入ることを拒否することを指示することをさらに含む、請求項1に記載の通信機器の作動方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記第二の通信機器の第三のメッセージを受信することと、
前記第三のメッセージに基づいて前記ウェイクアップ信号の配置情報を取得することとをさらに含み、
前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を運び、前記配置情報は、
前記ウェイクアップ信号のシーケンス情報と、
前記ウェイクアップ信号の周波数領域情報と、
状態変換をトリガーするパラメータ配置と、
ビーコンBeacon信号の配置とのうちの少なくとも一つを含み、
又は、
前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を運び、又は前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報を運び、前記ウェイクアップ信号の配置情報は、
前記ウェイクアップ信号の時間領域リソースと、
前記ウェイクアップ信号の周波数領域リソースと、
前記ウェイクアップ信号のコードドメインリソースとのうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の通信機器の作動方法。
【請求項7】
スリープ状態に入った後に、前記方法は、
前記ウェイクアップ信号の配置情報に基づいてウェイクアップ信号を周期的に検出し、又はウェイクアップ信号を常に検出することをさらに含む、請求項6に記載の通信機器の作動方法。
【請求項8】
スリープ状態に入った後に、前記方法は、
非スリープ状態で下りリンク情報を受信するためのメイン受信機をオフにすることと、
スリープ状態でウェイクアップ信号を検出するための専用受信機をオンにすることとをさらに含む、請求項2に記載の通信機器の作動方法。
【請求項9】
前記方法は、
専用受信機によって下りリンク同期を行うことをさらに含み、下りリンク同期のための信号は、ウェイクアップ業務WUS信号と異なり、
又は、
前記方法は、
前記ウェイクアップ信号によって無線リソース測定と下りリンク同期とのうちの少なくとも一つを行うことをさらに含む、請求項8に記載の通信機器の作動方法。
【請求項10】
前記ウェイクアップ信号が前記第一の通信機器のウェイクアップを指示する場合、前記方法は、
非スリープ状態に入ることをさらに含む、請求項2に記載の通信機器の作動方法。
【請求項11】
第一の通信機器に用いられる通信機器の作動装置であって、
第二の通信機器のスリープ状態変換命令を受信することと、
第一の通信機器が予め設定されるスリープ状態変換条件を満たすと判断することとのうちの少なくとも一つを満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換するための処理モジュールを含み、
前記スリープ状態変換条件は、
前記第一の通信機器の受信信号品質が第一の閾値よりも高く、又は前記第一の通信機器の受信信号品質が第二の閾値よりも低いことと、
前記第一の通信機器が、第一の予め設定される時間帯内にセル再選択が発生していないことと、
前記第一の通信機器の受信信号品質の第二の予め設定される時間帯内における変動範囲が第三の閾値よりも小さいことと、
前記第一の通信機器が、第三の予め設定される時間帯内にページングメッセージ又はシステムメッセージを受信していなかったことと、
前記第一の通信機器がスリープ状態以外の他の少なくとも一つの状態で連続的に在圈する時間が、第一の予め設定される時間長を超えていることとのうちの少なくとも一つを含み、
前記スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号のみを検出する、通信機器の作動装置。
【請求項12】
記非スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号を検出せず、無線リソース制御RRCアイドル状態IDLE、非アクティブ化状態INACTIVE又は接続状態CONNECTEDにおける物理層プロセスを実行し、
前記ウェイクアップ信号により乗せられる情報は、
前記第一の通信機器のウェイクアップを指示するウェイクアップ指示情報と、
前記第一の通信機器のスリープを指示するスリープ指示情報と、
同期情報とのうちの少なくとも一つを含む、請求項11に記載の通信機器の作動装置。
【請求項13】
前記装置は、
前記第二の通信機器が前記第一の通信機器にスリープ状態変換命令を送信するか否かを判断するための補助情報を前記第二の通信機器に報告するための報告モジュールをさらに含み、前記補助情報は、
前記第一の通信機器の信号強度又は信号品質と、
前記第一の通信機器の移動性状況とのうちの少なくとも一つを含む、請求項11に記載の通信機器の作動装置。
【請求項14】
前記装置は、
第一の指示情報を前記第二の通信機器に送信し、前記第一の通信機器がスリープ状態に入ることを指示するための送信モジュールをさらに含み、
前記第一の指示情報は、
ランダムアクセスチャネルRACHと、
サウンディングリファレンス信号SRSと、
リファレンス信号SRと、
物理上りリンク共有チャネルPUSCHと、
予め定義される物理チャネルと、
予め定義される物理信号とのうちのいずれか一つによって乗せられる、請求項11に記載の通信機器の作動装置。
【請求項15】
プログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年02月22日に中国で提出された中国特許出願No.202110199027.8の優先権を主張しており、同出願の内容のすべては、ここに参照として取り込まれる。
本出願は、通信技術分野に関し、特に通信機器の作動方法、装置及び通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムの設計には、端末(User Equipment、UE)の異なる状態、例えばアイドル状態(IDLE)と接続状態(CONNECTED)が導入されている。UEは、データを送受信した後に、省電力のために、CONNECTED状態からIDLE状態に移行することができる。IDLE状態において、UEは、必要な同期情報、ページング(Paging)情報及びシステムブロードキャスト情報(System Information Block、SIB)などのみを受信する必要がある。CONNECTED状態と比べて、パワーをかなり下げることができ、一般的には、十数mWレベルに達することができ、これは、CONNECTED状態の10分の1以下である。
【0003】
しかしながら、上記IDLE状態の設計では、依然として端末が送受信機及び該当するモデム(MODEM)の信号処理モジュールを定期的にオンにして受信した信号を適切に処理する必要がある。しかし、これらの無線周波数(RF)及びMODEMモジュールを実際に完全にオフにすることができないため、IDLE状態における通信消費電力は、低減されることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の実施例は、通信機器の消費電力を低減することができる通信機器の作動方法、装置及び通信機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、第一の通信機器によって実行される通信機器の作動方法を提供し、前記方法は、
第二の通信機器のスリープ状態変換命令を受信することと、
第一の通信機器が予め設定されるスリープ状態変換条件を満たすと判断することとのうちの少なくとも一つを満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換することを含む。
【0006】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、第一の通信機器に用いられる通信機器の作動装置を提供し、前記装置は、
第二の通信機器のスリープ状態変換命令を受信することと、
第一の通信機器が予め設定されるスリープ状態変換条件を満たすと判断することとのうちの少なくとも一つを満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換するための処理モジュールを含む。
【0007】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、通信機器をさらに提供し、前記通信機器は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラム又は命令とを含み、前記プログラム又は命令が前記プロセッサにより実行される時、以上に記載の方法のステップを実現する。
【0008】
第四の態様によれば、本出願の実施例は、可読記憶媒体を提供し、前記可読記憶媒体には、プログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、以上に記載の方法のステップを実現する。
【0009】
第五の態様によれば、本出願の実施例は、チップを提供し、前記チップは、プロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記通信インターフェースは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、プログラム又は命令を運行し、第一の態様に記載の方法を実現するために用いられる。
【0010】
第六の態様によれば、本出願の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品は、記憶媒体に記憶されており、前記コンピュータプログラム製品は、少なくとも一つのプロセッサにより実行されて、第一の態様に記載の方法のステップを実現する。
【0011】
第七の態様によれば、本出願の実施例は、通信機器を提供し、前記通信機器は、第一の態様に記載の方法のステップを実行するように構成される。
【発明の効果】
【0012】
本出願の実施例では、第一の通信機器は、予め設定される条件を満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換し、スリープ状態で第一の通信機器が、ウェイクアップ信号を検出し、他の物理層プロセスを実行する必要がなく、通信機器の消費電力を節約することができ、スリープ状態を解除する必要がある場合、ウェイクアップ信号は、非スリープ状態に変換するよう第一の通信機器に指示し、第一の通信機器の通信品質を保証することができる。
【0013】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例の記述において使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下の記述における図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】無線通信システムの概略図を表す。
図2】本出願の実施例の通信機器の作動方法のフローチャートを表す。
図3】本出願の実施例の通信機器の作動装置の構造概略図を表す。
図4】本出願の実施例の端末の構成概略図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭に記述し、明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者により得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0016】
本出願の明細書と特許請求の範囲における用語である「第一」、「第二」などは、類似している対象を区別するものであり、特定の順序又は前後手順を記述するためのものではない。理解すべきこととして、このように使用されるデータは、適切な場合に交換可能であり、それにより本出願の実施例は、ここで図示又は記述されたもの以外の順序で実施されることが可能である。なお、明細書及び請求項における「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも一つを表し、文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0017】
本明細書に記述された技術は、ロングタームエボリューション型(Long Term Evolution、LTE)/LTEの進化(LTE-Advanced、LTE-A)システムに限らず、且つ様々な無線通信システム、例えば符号分割多重接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多重接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、周波数分割多重接続(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、直交周波数分割多重接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)、単一キャリア周波数分割多重接続(Single-carrier Frequency-Division Multiple Access、SC-FDMA)と他のシステムにも適用できる。用語である「システム」と「ネットワーク」は、常に交換可能に使用される。CDMAシステムは、例えばCDMA2000、ユニバーサル地上ラジオアクセス(Universal Terrestrial Radio Access、UTRA)などのラジオ技術を実現することができる。UTRAは、ブロードバンドCDMA(Wideband Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標))と、他のCDMA変形とを含む。TDMAシステムは、例えばグローバル移動通信システム(Global System for Mobile Communication、GSM)のようなラジオ技術を実現することができる。OFDMAシステムは、例えばウルトラモバイルブロードバンド(UltraMobile Broadband、UMB)、進化型UTRA(Evolution-UTRA、E-UTRA)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash-OFDMなどのラジオ技術を実現することができる。UTRAとE-UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)の部分である。LTEとより高級なLTE(例えばLTE-A)は、E-UTRAを使用する新しいUMTSバージョンである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A及びGSMは、「第3世代のパートナープロジェクト」(3rd Generation Partnership Project、3GPP(登録商標))という組織からの文献に記述される。CDMA2000とUMBは、「第3世代のパートナープロジェクト2」(3GPP2)という組織からの文献に記述される。本明細書に記述された技術は、以上に言及されたシステムとラジオ技術に用いられてもよく、他のシステムとラジオ技術に用いられてもよい。以下の記述は、例示のためにNRシステムを記述したとともに、以下の大部分の記述においてNR用語を使用しているが、これらの技術は、NRシステム応用以外の応用に用いられてもよい。
【0018】
以下の記述は、例を提供するが、請求項に記述される範囲、適用性又は配置を限定するものではない。本開示の精神と範囲を逸脱することなく、討論される要素の機能と配置を変えることができる。様々な例は、適切に省略され、代替、又は様々な規程又はアセンブリを追加してもよい。例えば、記述されたものとは異なる手順で記述された方法を実行してもよいとともに、様々なステップを追加し、省略し、又は組み合わせてもよい。また、いくつかの例を参照して記述された特徴は、他の例で組み合わせられることができる。
【0019】
図1を参照すると、図1は、本出願の実施例が適用可能な無線通信システムのブロック図を示す。無線通信システムは、端末11と、ネットワーク側機器12とを含む。ここで、端末11は、端末機器又はユーザ端末(User Equipment、UE)と呼ばれてもよく、端末11は、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、モバイルインターネットディバイス(Mobile Internet Device、MID)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)又は車載機器などの端末側機器であってもよく、説明すべきこととして、本出願の実施例において、端末11の具体的なタイプを限定するものではない。ネットワーク側機器12は、基地局又はコアネットワークであってもよく、ここで、上記基地局は、第5世代移動通信(5th-Generation、5G)及びそれ以降のバージョンの基地局(例えば、NR ノード(gNB)、5G NR NBなど)、又は他の通信システムにおける基地局(例えば、進化型Bノード(eNB)、ワイアレスローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Networks、WLAN)アクセスポイント、又は他のアクセスポイントなど)、又は位置サーバ(例えば、進化型サービングモバイルロケーションセンター(Enhanced Serving Mobile Location Centre、E-SMLC)又は位置管理機能(Location Manager Function、LMF))であってもよく、ここで、基地局は、ノードB、進化ノードB、アクセスポイント、ベーストランシーバステーション(Base Transceiver Station、BTS)、ラジオ基地局、ラジオ送受信機、ベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)、拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)、Bノード、進化型Bノード(eNB)、家庭用Bノード、家庭用進化型Bノード、WLANアクセスポイント、ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、WiFi)ノード又は当分野における他のある適切な用語と呼ばれてもよく、同じ技術的効果が達成される限り、前記基地局は、特定の技術用語に限らず、説明すべきこととして、本出願の実施例において、NRシステムにおける基地局のみを例にするが、本出願の実施例は、基地局の具体的なタイプと具体的な通信システムを限定するものではない。本出願の実施例の記述において、端末と基地局との間の送受信であってもよく、二つの端末間の送受信、即ち端末1と端末2、又は他の非携帯電話通信システムの送受信ノード、例えばセンサ受信装置と発射装置などとして記述されてもよい。
【0020】
携帯電話とネットワークが、無線チャネルによって互いに通信し、互いに大量の情報を交換するため、両方は、配置情報を交換して合意を得るための制御メカニズムを必要とし、このような制御メカニズムは、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)である。端末が相対的に固定された通信状態を維持するために、関連する通信システムにおいて、異なるRRC状態が導入されており、例えば、
ニューラジオ(New Radio、NR)においてRRCは、IDLE、非アクティブ化状態(INACTIVE)、CONNECTEDという3種類の状態がある。
【0021】
ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)は、RRC IDLEとRRC CONNECTEDという二つのRRC状態のみあり、NRには、新しい状態--RRC INACTIVEが導入されている。
【0022】
上記各状態間は、互いに変換可能である。
【0023】
上記のIDLE状態の設計では、依然として端末が送受信機及び該当するMODEMの信号処理モジュールを定期的にオンにして受信した信号を適切に処理する必要がある。しかし、これらのRF及びMODEMモジュールを確かに完全にオフにすることができないため、IDLE状態における通信消費電力は、低減されることができない。
【0024】
RRC IDLE状態における受信活動を減らし、RFとMODELモジュールを確かにオフにすることによって通信受信の消費電力を大幅に低減するために、端末の受信モジュールにパワーが「ゼロ」に近い受信機を導入することができる。このパワーが「ゼロ」に近い受信機は、複雑なRFモジュールの信号検出(例えば増幅、フィルタリング、量子化など)とMODEMの信号処理を必要とせず、受動的なマッチドフィルタリングと比較的に小さい消費電力の信号処理のみに頼っている。
【0025】
基地局側では、オン・デマンド(on-demand)でウェイクアップ信号(Wake-up signal、WUS)をトリガーすることによって、パワーが「ゼロ」に近い受信機がアクティブ化の通告を知るようにアクティブ化することができ、それによって端末内部の一連のフロー、例えば無線周波数送受信及びベースバンド処理などのモジュールをオンにすることをトリガーすることができる。
【0026】
このようなウェイクアップ信号は、一般的には、いくつかの比較的に簡単なオンオフキーイング信号(on-off keying)であり、このように受信機は、簡単なエネルギー検出、及び以降の可能なシーケンス検出識別などのプロセスによってウェイクアップ通告を知ることができる。
【0027】
本出願の実施例は、第一の通信機器によって実行される通信機器の作動方法を提供し、図2に示すように、以下のステップを含む。
【0028】
ステップ101:
第二の通信機器のスリープ状態変換命令を受信することと、
第一の通信機器が予め設定されるスリープ状態変換条件を満たすと判断することとのうちの少なくとも一つを満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換する。
【0029】
本出願の実施例では、第一の通信機器は、予め設定される条件を満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換し、スリープ状態で第一の通信機器が、ウェイクアップ信号を検出し、他の物理層プロセスを実行する必要がなく、通信機器の消費電力を節約することができ、スリープ状態を解除する必要がある場合、ウェイクアップ信号は、非スリープ状態に変換するよう第一の通信機器に指示し、第一の通信機器の通信品質を保証することができる。
【0030】
いくつかの実施例では、
前記スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号を少なくとも検出し、ここで、スリープ状態は、RRC IDLE、INACTIVE又はCONNECTEDと異なる状態であり、選択的に、スリープ状態で、MODEMモジュールは、電気エネルギーを節約するためにオフ状態になっている。
【0031】
前記非スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号を検出せず、無線リソース制御RRCアイドル状態IDLE、非アクティブ化状態INACTIVE又は接続状態CONNECTEDにおける物理層プロセスを実行する。
【0032】
本実施例では、スリープ状態で、第一の通信機器は、ウェイクアップ信号のみを検出することができ、通信機器の消費電力を節約する目的を達成することができる。非スリープ状態で、第一の通信機器は、他の状態における物理層プロセスを実行する。
【0033】
ここで、各状態に対して、実行する物理層プロセスは、以下の通りである。
【0034】
1、RRC_IDLE(アイドルモード):
UEが公衆陸上移動網(Public Land Mobile Network、PLMN)選択を行い、
UEがブロードキャストシステム情報を受信し、
セル再選択移動性、
移動終了データのページングが5Gコアネットワーク(5th Generation Mobile Communication Technology Core Network、5GC)によって開始され、
移動終端データ領域のページングが5GCによって管理され、
非アクセス層(Non Access Stratum、NAS)によって配置されるコアネットワーク(Core Network、CN)ページングのための非連続受信(Discontinuous Reception、DRX)。
【0035】
2、RRC_INACTIVE(非アクティブ化モード):
PLMN選択、
ブロードキャストシステム情報、
セル再選択移動性、
ページングがNG-RAN(RANページング)によって開始され、
無線アクセスネットワーク(wireless access network、RAN)に基づく通知領域(RNA)がNG-RANによって管理され、
NG-RANによって配置されるRANページングDRX、
UEのために5GC-NG-RAN接続(制御プレーン及び/又はユーザプレーンを含む)を確立し、
UEアクセス層(Access Stratum、AS)メッセージがNG-RANとUEに記憶され、
NG-RANがUEの属するRNAを知る。
【0036】
3、RRC_CONNECTED(接続モード):
UEのために5GC-NG-RAN接続(制御プレーン及び/又はユーザプレーンを含む)を確立し、
UE ASメッセージがNG-RANとUEに記憶され、
NG-RANがUEの属するセルを知り、
UEにユニキャストデータを伝送し、
測定を含み、ネットワークが移動性を制御する。
【0037】
いくつかの実施例では、前記スリープ状態変換条件は、
前記第一の通信機器の受信信号品質が第一の閾値よりも高く、又は前記第一の通信機器の受信信号品質が第二の閾値よりも低いことと、
前記第一の通信機器が、第一の予め設定される時間帯内にセル再選択が発生していないことと、
前記第一の通信機器の受信信号品質の第二の予め設定される時間帯内における変動範囲が第三の閾値よりも小さいことと、
前記第一の通信機器が、第三の予め設定される時間帯内にページングメッセージ又はシステムメッセージを受信していなかったことと、
前記第一の通信機器がスリープ状態以外の他の少なくとも一つの状態で連続的に在圈する時間が、第一の予め設定される時間長を超えていることとのうちの少なくとも一つを含む。
【0038】
ここで、上記第一の閾値、第二の閾値、第一の予め設定される時間帯、第二の予め設定される時間帯、第三の閾値、第三の予め設定される時間帯、第一の予め設定される時間長は、予め配置され、又はネットワーク側によって配置され、又はプロトコルによって定義されてもよい。
【0039】
受信信号品質は、リファレンス信号受信パワー(Reference Signal Receiving Power、RSRP)、リファレンス信号受信品質(Reference Signal Receiving Quality、RSRQ)、受信信号強度指示(Received Signal Strength Indication、RSSI)、経路損失(Pathloss)又は信号対干渉雑音比(Signal to Interference plus Noise Ratio、SINR)などによって測定されてもよいが、上記パラメータを採用して測定することに限らない。
【0040】
上記の、スリープ状態以外の他の少なくとも一つの状態は、IDLE状態又はINACTIVE状態であってもよい。
【0041】
いくつかの実施例では、前記方法は、
前記第二の通信機器が前記第一の通信機器にスリープ状態変換命令を送信するか否かを判断するための補助情報を前記第二の通信機器に報告することをさらに含み、前記補助情報は、
前記第一の通信機器の信号強度又は信号品質と、
前記第一の通信機器の移動性状況とのうちの少なくとも一つを含む。
【0042】
第二の通信機器は、補助情報を受信した後に、補助情報に基づいてスリープ状態に入るよう第一の通信機器に指示するか否かを判断することができ、補助情報が第一の通信機器の通信品質に関連することによって、通信品質に影響を与える場合に第一の通信機器がスリープ状態に入ることを回避し、このように第一の通信機器の通信品質を保証することができるとともに、第一の通信機器の消費電力を節約することができる。
いくつかの実施例では、非スリープ状態からスリープ状態に変換する前又は変換した後に、前記方法は、
第一の指示情報を前記第二の通信機器に送信し、前記第一の通信機器がスリープ状態に入ることを指示することをさらに含む。
【0043】
この実施例では、第一の通信機器は、非スリープ状態からスリープ状態に変換する前に、第二の通信機器に第一の指示情報を送信することができ、この方式において、第一の指示情報はさらに、第一の通信機器が非スリープ状態からスリープ状態への変換を希望する要求としてもよい。又は、第一の通信機器は、非スリープ状態からスリープ状態に変換した後に、第二の通信機器に第一の指示情報を送信することができ、この方式において、第一の指示情報は、第一の通信機器が非スリープ状態からスリープ状態へ変換されることの通知としてもよい。
【0044】
選択的に、第一の通信機器が、予め設定されるスリープ状態変換条件を満たすと判断する場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換する。この方式が第一の通信機器が自律的に変換される方式であるため、第一の通信機器は、非スリープ状態からスリープ状態に変換する前又は変換した後に、第二の通信機器に第一の指示情報を送信することができる。具体的には、第一の通信機器は、非スリープ状態からスリープ状態に変換する前に、第二の通信機器に第一の指示情報を送信することができ、又は、第一の通信機器は、非スリープ状態からスリープ状態に変換した後に、第二の通信機器に第一の指示情報を送信することができる。
【0045】
このように第一の通信機器がスリープ状態に入った後に、第一の通信機器は、自体がすでにスリープ状態に入ったことを第二の通信機器に通知することができ、それによって第二の通信機器が第一の通信機器の状態をタイムリーに知り、第二の通信機器が第一の通信機器に必要のないシグナリングを送信することを回避することができる。
【0046】
いくつかの実施例では、前記第一の指示情報は、
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel、RACH)と、
サウンディングリファレンス信号(Sounding Reference Signal、SRS)と、
リファレンス信号(Reference Signal、SR)と、
物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)と、
予め定義される物理チャネルと、
予め定義される物理信号とのうちのいずれか一つによって乗せられる。
【0047】
いくつかの実施例では、前記方法は、
前記第二の通信機器の第二の指示情報を受信し、スリープ状態に入ることを拒否することを指示することをさらに含む。
【0048】
この実施例では、第二の通信機器は、第一の通信機器が非スリープ状態からスリープ状態に変換されることを拒否することができる。選択的に、第一の通信機器は、非スリープ状態からスリープ状態に変換する前に、第二の通信機器に第一の指示情報を送信してもよく、この第一の指示情報は、非スリープ状態からスリープ状態への変換の要求とし、このとき、第二の通信機器は、第一の通信機器に、第一の通信機器がスリープ状態に入ることを拒否することを指示するための第二の指示情報を送信することができる。指摘すべきこととして、第二の通信機器は、さらにスリープ状態変換命令を送信して、第一の通信機器がスリープ状態に入ることに同意することを指示することができる。
【0049】
このように第二の通信機器が、第一の通信機器がスリープ状態に入ることができないと考えた場合、第二の通信機器は、第二の指示情報を送信してスリープ状態に入らないよう第一の通信機器に指示することができ、それによって第一の通信機器の通信品質を保証する。
【0050】
いくつかの実施例では、前記方法は、
前記第二の通信機器の第三のメッセージを受信することと、
前記第三のメッセージに基づいて前記ウェイクアップ信号の配置情報を取得することと、をさらに含む。
【0051】
このように第一の通信機器は、第三のメッセージによってウェイクアップ信号の配置情報を取得し、ウェイクアップ信号の配置情報に基づいてウェイクアップ信号の検出を行うことができる。
【0052】
いくつかの実施例では、前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を運び、前記配置情報は、
前記ウェイクアップ信号のシーケンス情報(例えば基本シーケンス、スクランブルコード情報など)と、
前記ウェイクアップ信号の周波数領域情報と、
状態変換をトリガーするパラメータ配置(例えばタイマー配置など)と、
ビーコン(Beacon)信号の配置とのうちの少なくとも一つを含む。
【0053】
ここで、第三のメッセージは、専用シグナリング又は公衆シグナリングであってもよい。第三のメッセージは、少なくとも一つのウェイクアップ信号の配置情報を含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を運び、又は前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報を運び、前記ウェイクアップ信号の配置情報は、
時間上の受信周期とオフセット量などを含む前記ウェイクアップ信号の時間領域リソースと、
周波数領域上の密度などを含む前記ウェイクアップ信号の周波数領域リソースと、
前記ウェイクアップ信号のコードドメインリソースとのうちの少なくとも一つを含む。
【0055】
ここで、第三のメッセージは、専用シグナリング又は公衆シグナリングであってもよい。第三のメッセージは、少なくとも一つのウェイクアップ信号の配置情報を含んでもよい。
【0056】
第三のメッセージには、ウェイクアップ信号の配置情報が直接に運ばれてもよく、ウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報が運ばれてもよく、第三のメッセージにウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報が運ばれる場合、第一の通信機器は、「ウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報」に基づいて第一の通信機器の識別子などの情報と結びつけて、時間位置、周波数領域位置、コードリソースなどを含むウェイクアップ信号を受信するリソース情報を計算することができる。
【0057】
いくつかの実施例では、スリープ状態に入った後に、前記方法は、
前記ウェイクアップ信号の配置情報に基づいてウェイクアップ信号を周期的に検出し、又はウェイクアップ信号を常に検出することをさらに含む。
【0058】
ウェイクアップ信号の検出を行う場合、第一の通信機器は、既定の周期に従ってウェイクアップ信号を検出することができ、ウェイクアップ信号を常に検出することもできる。ここで、既定の周期は、ネットワーク側により配置され、又は予め配置され、又はプロトコルによって定義されてもよく、既定の周期に従ってウェイクアップ信号を検出することで、第一の通信機器の消費電力をさらに節約することができる。いくつかの具体的な例において、第一の通信機器は、ターゲット時間周波数リソース上でウェイクアップ信号を周期的に検出することができる。
【0059】
いくつかの実施例では、スリープ状態に入った後に、前記方法は、
非スリープ状態で下りリンク情報を受信するためのメイン受信機をオフにすることと、
スリープ状態でウェイクアップ信号を検出するための専用受信機をオンにすることと、をさらに含む。
【0060】
このようにスリープ状態に入った後に、第一の通信機器は、専用受信機のみをオンにし、第一の通信機器の消費電力を節約することができる。
【0061】
いくつかの実施例では、前記方法は、
専用受信機によって下りリンク同期を行うことをさらに含み、下りリンク同期のための信号は、ウェイクアップ業務WUS信号と異なる。
【0062】
このようにスリープ状態に入った後に、第一の通信機器は、依然として専用受信機を利用して下りリンク同期を行うことができ、第一の通信機器の通信品質を保証することができる。
【0063】
いくつかの実施例では、前記方法は、
前記ウェイクアップ信号によって無線リソース測定と下りリンク同期とのうちの少なくとも一つを行うことをさらに含む。
【0064】
このように第一の通信機器は、さらにウェイクアップ信号を利用して無線リソース測定又は下りリンク同期を行うことができ、ウェイクアップ信号の利用率を向上させることができるとともに、余分な信号を追加して無線リソース測定又は下りリンク同期を行う必要がなく、シグナリングオーバヘッドを節約することができる。ウェイクアップ信号を利用して下りリンク同期を行う場合、ネットワーク側は、一定時間ごとにウェイクアップ信号を一回送信し、このとき、ウェイクアップ信号は、第一の通信機器をウェイクアップせずに、ウェイクアップ信号を同期させるものだけであってもよい。
【0065】
いくつかの実施例では、前記ウェイクアップ信号により乗せられる情報は、
前記第一の通信機器のウェイクアップを指示するウェイクアップ指示情報と、
前記第一の通信機器のスリープを指示するスリープ指示情報と、
同期情報とのうちの少なくとも一つを含む。
【0066】
いくつかの実施例では、前記ウェイクアップ信号が前記第一の通信機器のウェイクアップを指示する場合、前記方法は、
非スリープ状態に入ることをさらに含む。
【0067】
本出願の実施例では、前記第一の通信機器は、移動端末であってもよく、前記第二の通信機器は、ネットワーク側機器又は移動端末又はネットワークノードであってもよく、又は
前記第一の通信機器は、通信システムの受信ノードであってもよく、前記第二の通信機器は、通信機器の送信ノードであってもよく、例えば第一の通信機器は、センサ受信装置であり、第二の通信機器は、センサ発射装置などである。
【0068】
説明すべきこととして、本出願の実施例による通信機器の作動方法では、実行本体は、通信機器の作動装置、又はこの通信機器の作動装置における通信機器の作動方法を実行してロードするためのモジュールであってもよい。本出願の実施例において、通信機器の作動装置による通信機器の作動方法の実行とロードを例にして、本出願の実施例による通信機器の作動方法を説明する。
【0069】
本出願の実施例は、第一の通信機器300に用いられる通信機器の作動装置を提供し、図3に示すように、前記装置は、
第二の通信機器のスリープ状態変換命令を受信することと、
第一の通信機器が予め設定されるスリープ状態変換条件を満たすと判断することとのうちの少なくとも一つを満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換するための処理モジュール310を含む。
【0070】
本出願の実施例では、第一の通信機器は、予め設定される条件を満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換し、スリープ状態で第一の通信機器が、ウェイクアップ信号を検出し、他の物理層プロセスを実行する必要がなく、通信機器の消費電力を節約することができ、スリープ状態を解除する必要がある場合、ウェイクアップ信号は、非スリープ状態に変換するよう第一の通信機器に指示し、第一の通信機器の通信品質を保証することができる。
【0071】
いくつかの実施例では、
前記スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号を少なくとも検出し、
前記非スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号を検出せず、無線リソース制御RRCアイドル状態IDLE、非アクティブ化状態INACTIVE又は接続状態CONNECTEDにおける物理層プロセスを実行する。
【0072】
本実施例では、スリープ状態で、第一の通信機器は、ウェイクアップ信号のみを検出することができ、通信機器の消費電力を節約する目的を達成することができる。非スリープ状態で、第一の通信機器は、他の状態における物理層プロセスを実行する。
【0073】
ここで、各状態に対して、実行する物理層プロセスは、以下の通りである。
【0074】
1、RRC_IDLE(アイドルモード):
UEが公衆陸上移動網(Public Land Mobile Network、PLMN)選択を行うこと、
UEがブロードキャストシステム情報を受信し、
セル再選択移動性、
移動終了データのページングが5Gコアネットワーク(5GC)によって開始され、
移動終端データ領域のページングが5GCによって管理され、
非アクセス層(Non Access Stratum、NAS)によって配置されるコアネットワーク(Core Network、CN)ページングのための非連続受信(Discontinuous Reception、DRX)。
【0075】
2、RRC_INACTIVE(非アクティブ化モード):
PLMN選択、
ブロードキャストシステム情報、
セル再選択移動性、
ページングがNG-RAN(RANページング)によって開始され、
無線アクセスネットワーク(wireless access network、RAN)に基づく通知領域(RNA)がNG-RANによって管理され、
NG-RANによって配置されるRANページングDRX、
UEのために5GC-NG-RAN接続(制御プレーン及び/又はユーザプレーンを含む)を確立し、
UEアクセス層(Access Stratum、AS)メッセージがNG-RANとUEに記憶され、
NG-RANがUEの属するRNAを知る。
【0076】
3、RRC_CONNECTED(接続モード):
UEのために5GC-NG-RAN接続(制御プレーン及び/又はユーザプレーンを含む)を確立し、
UE ASメッセージがNG-RANとUEに記憶され、
NG-RANがUEの属するセルを知り、
UEにユニキャストデータを伝送し、
測定を含み、ネットワークが移動性を制御する。
【0077】
いくつかの実施例では、前記スリープ状態変換条件は、
前記第一の通信機器の受信信号品質が第一の閾値よりも高く、又は前記第一の通信機器の受信信号品質が第二の閾値よりも低いことと、
前記第一の通信機器が、第一の予め設定される時間帯内にセル再選択が発生していないことと、
前記第一の通信機器の受信信号品質の第二の予め設定される時間帯内における変動範囲が第三の閾値よりも小さいことと、
前記第一の通信機器が、第三の予め設定される時間帯内にページングメッセージ又はシステムメッセージを受信していなかったことと、
前記第一の通信機器がスリープ状態以外の他の少なくとも一つの状態で連続的に在圈する時間が、第一の予め設定される時間長を超えていることとのうちの少なくとも一つを含む。
【0078】
ここで、上記第一の閾値、第二の閾値、第一の予め設定される時間帯、第二の予め設定される時間帯、第三の閾値、第三の予め設定される時間帯、第一の予め設定される時間長は、予め配置され、又はネットワーク側によって配置され、又はプロトコルによって定義されてもよい。
【0079】
受信信号品質は、リファレンス信号受信パワー(Reference Signal Receiving Power、RSRP)、リファレンス信号受信品質(Reference Signal Receiving Quality、RSRQ)、受信信号強度指示(Received Signal Strength Indication、RSSI)、経路損失(Pathloss)又は信号対干渉雑音比(Signal to Interference plus Noise Ratio、SINR)などによって測定されてもよいが、上記パラメータを採用して測定することに限らない。
【0080】
上記の、スリープ状態以外の他の少なくとも一つの状態は、IDLE状態又はINACTIVE状態であってもよい。
【0081】
いくつかの実施例では、前記装置は、
前記第二の通信機器が前記第一の通信機器にスリープ状態変換命令を送信するか否かを判断するための補助情報を前記第二の通信機器に報告するための報告モジュールをさらに含み、前記補助情報は、
前記第一の通信機器の信号強度又は信号品質と、
前記第一の通信機器の移動性状況とのうちの少なくとも一つを含む。
【0082】
第二の通信機器は、補助情報を受信した後に、補助情報に基づいてスリープ状態に入るよう第一の通信機器に指示するか否かを判断することができ、補助情報が第一の通信機器の通信品質に関連することによって、通信品質に影響を与える場合に第一の通信機器がスリープ状態に入ることを回避し、このように第一の通信機器の通信品質を保証することができるとともに、第一の通信機器の消費電力を節約することができる。
【0083】
いくつかの実施例では、前記装置は、
第一の指示情報を前記第二の通信機器に送信し、前記第一の通信機器がスリープ状態に入ることを指示するための送信モジュールをさらに含む。
【0084】
第二の通信機器は、補助情報を受信した後に、補助情報に基づいてスリープ状態に入るよう第一の通信機器に指示するか否かを判断することができ、補助情報が第一の通信機器の通信品質に関連することによって、通信品質に影響を与える場合に第一の通信機器がスリープ状態に入ることを回避し、このように第一の通信機器の通信品質を保証することができるとともに、第一の通信機器の消費電力を節約することができる。
【0085】
いくつかの実施例では、前記第一の指示情報は、
ランダムアクセスチャネルRACHと、
サウンディングリファレンス信号SRSと、
リファレンス信号SRと、
物理上りリンク共有チャネルPUSCHと、
予め定義される物理チャネルと、
予め定義される物理信号とのうちのいずれか一つによって乗せられる。
【0086】
いくつかの実施例では、前記装置は、
前記第二の通信機器の第二の指示情報を受信し、スリープ状態に入ることを拒否することを指示するための受信モジュールをさらに含む。
【0087】
このように第二の通信機器が、第一の通信機器がスリープ状態に入ることができないと考えた場合、第二の通信機器は、第二の指示情報を送信してスリープ状態に入らないよう第一の通信機器に指示することができ、それによって第一の通信機器の通信品質を保証する。
【0088】
いくつかの実施例では、前記装置は、
前記第二の通信機器の第三のメッセージを受信し、前記第三のメッセージに基づいて前記ウェイクアップ信号の配置情報を取得するための受信モジュールをさらに含む。
【0089】
このように第一の通信機器は、第三のメッセージによってウェイクアップ信号の配置情報を取得し、ウェイクアップ信号の配置情報に基づいてウェイクアップ信号の検出を行うことができる。
【0090】
いくつかの実施例では、前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を運び、前記配置情報は、
前記ウェイクアップ信号のシーケンス情報と、
前記ウェイクアップ信号の周波数領域情報と、
状態変換をトリガーするパラメータ配置と、
ビーコン(Beacon)信号の配置とのうちの少なくとも一つを含む。
【0091】
ここで、第三のメッセージは、専用シグナリング又は公衆シグナリングであってもよい。第三のメッセージは、少なくとも一つのウェイクアップ信号の配置情報を含んでもよい。
【0092】
いくつかの実施例では、前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を運び、又は前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報を運び、前記ウェイクアップ信号の配置情報は、
時間上の受信周期とオフセット量などを含む前記ウェイクアップ信号の時間領域リソースと、
周波数領域上の密度などを含む前記ウェイクアップ信号の周波数領域リソースと、
前記ウェイクアップ信号のコードドメインリソースとのうちの少なくとも一つを含む。
【0093】
ここで、第三のメッセージは、専用シグナリング又は公衆シグナリングであってもよい。第三のメッセージは、少なくとも一つのウェイクアップ信号の配置情報を含んでもよい。
【0094】
第三のメッセージには、ウェイクアップ信号の配置情報が直接に運ばれてもよく、ウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報が運ばれてもよく、第三のメッセージにウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報が運ばれる場合、第一の通信機器は、「ウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報」に基づいて第一の通信機器の識別子などの情報と結びつけて、時間位置、周波数領域位置、コードリソースなどを含むウェイクアップ信号を受信するリソース情報を計算することができる。
【0095】
いくつかの実施例では、前記装置は、
前記ウェイクアップ信号の配置情報に基づいてウェイクアップ信号を周期的に検出し、又はウェイクアップ信号を常に検出するための検出モジュールをさらに含む。
【0096】
ウェイクアップ信号の検出を行う場合、第一の通信機器は、既定の周期に従ってウェイクアップ信号を検出することができ、ウェイクアップ信号を常に検出することもできる。ここで、既定の周期は、ネットワーク側により配置され、又は予め配置され、又はプロトコルによって定義されてもよく、既定の周期に従ってウェイクアップ信号を検出することで、第一の通信機器の消費電力をさらに節約することができる。いくつかの具体的な例において、第一の通信機器は、ターゲット時間周波数リソース上でウェイクアップ信号を周期的に検出することができる。
【0097】
いくつかの実施例では、
前記処理モジュールはさらに、非スリープ状態で下りリンク情報を受信するためのメイン受信機をオフにし、スリープ状態でウェイクアップ信号を検出するための専用受信機をオンにするために用いられる。
【0098】
このようにスリープ状態に入った後に、第一の通信機器は、専用受信機のみをオンにし、第一の通信機器の消費電力を節約することができる。
【0099】
いくつかの実施例では、前記装置は、
専用受信機によって下りリンク同期を行うための同期モジュールをさらに含み、下りリンク同期のための信号は、ウェイクアップ業務WUS信号と異なる。
【0100】
このようにスリープ状態に入った後に、第一の通信機器は、依然として専用受信機を利用して下りリンク同期を行うことができ、第一の通信機器の通信品質を保証することができる。
【0101】
いくつかの実施例では、前記装置は、
前記ウェイクアップ信号によって無線リソース測定と下りリンク同期とのうちの少なくとも一つを行うための実行モジュールをさらに含む。
【0102】
このように第一の通信機器は、さらにウェイクアップ信号を利用して無線リソース測定又は下りリンク同期を行うことができ、ウェイクアップ信号の利用率を向上させることができるとともに、余分な信号を追加して無線リソース測定又は下りリンク同期を行う必要がなく、シグナリングオーバヘッドを節約することができる。ウェイクアップ信号を利用して下りリンク同期を行う場合、ネットワーク側は、一定時間ごとにウェイクアップ信号を一回送信し、このとき、ウェイクアップ信号は、第一の通信機器をウェイクアップせずに、ウェイクアップ信号を同期させるものだけであってもよい。
【0103】
いくつかの実施例では、前記ウェイクアップ信号により乗せられる情報は、
前記第一の通信機器のウェイクアップを指示するウェイクアップ指示情報と、
前記第一の通信機器のスリープを指示するスリープ指示情報と、
同期情報とのうちの少なくとも一つを含む。
【0104】
いくつかの実施例では、前記ウェイクアップ信号が前記第一の通信機器のウェイクアップを指示する場合、前記処理モジュールはさらに、非スリープ状態に入るために用いられる。
【0105】
本出願の実施例では、前記第一の通信機器は、移動端末であってもよく、前記第二の通信機器は、ネットワーク側機器又は移動端末又はネットワークノードであってもよく、又は
前記第一の通信機器は、通信システムの受信ノードであってもよく、前記第二の通信機器は、通信機器の送信ノードであってもよく、例えば第一の通信機器は、センサ受信装置であり、第二の通信機器は、センサ発射装置などである。
【0106】
本出願の実施例における通信機器の作動装置は、装置であってもよく、端末における部材、集積回路、又はチップであってもよい。この装置は、移動電子機器であってもよく、非移動電子機器であってもよい。例示的には、移動電子機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、車載電子機器、ウェアラブルデバイス、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ネットブック又はパーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)などであってもよく、非移動電子機器は、ネットワーク接続型ストレージ(Network Attached Storage、NAS)、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)、テレビ(television、TV)、預入支払機又はセルフサービス機などであってもよく、本出願の実施例は、具体的に限定しない。
【0107】
本出願の実施例における通信機器の作動装置は、オペレーティングシステムを有する装置であってもよい。このオペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)(Android)オペレーティングシステムであってもよく、iosオペレーティングシステムであってもよく、他の可能なオペレーティングシステムであってもよく、本出願の実施例は、具体的に限定しない。
【0108】
選択的に、本出願の実施例は、通信機器をさらに提供し、プロセッサ、メモリと、メモリ上に記憶されており且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラム又は命令を含み、このプログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、上記通信機器の作動方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0109】
注意すべきこととして、本出願の実施例における通信機器は、以上に記載の移動電子機器と非移動電子機器を含む。
【0110】
本実施例の通信機器は、端末であってもよい。図4は、本出願の各実施例を実現する端末のハードウェア構造概略図であり、この端末50は、無線周波数ユニット51、ネットワークモジュール52、オーディオ出力ユニット53、入力ユニット54、センサ55、表示ユニット56、ユーザ入力ユニット57、インターフェースユニット58、メモリ59、プロセッサ510、及び電源511などの部材を含むが、それらに限らない。当業者であれば理解できるように、図4に示す端末構造は、端末に対する限定を構成せず、端末は、図示された部材の数よりも多く又は少ない部材、又はいくつかの部材の組み合わせ、又は異なる部材の配置を含んでもよい。本出願の実施例では、端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、車載端末、ウェアラブルデバイス、及び歩数計などを含むが、それらに限らない。
【0111】
理解すべきこととして、本出願の実施例では、無線周波数ユニット51は、情報の送受信又は通話中の信号の送受信に用いられてもよい。具体的には、基地局からの下りリンクのデータを受信してから、プロセッサ510に処理させ、また、上りリンクのデータを基地局に送信する。一般的には、無線周波数ユニット51は、アンテナ、少なくとも一つの増幅器、送受信機、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限らない。なお、無線周波数ユニット51は、無線通信システムやネットワークを介して他の機器との通信を行うこともできる。
【0112】
メモリ59は、ソフトウェアプログラム及び様々なデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ59は、主にプログラム記憶領域とデータ記憶領域を含んでもよい。ここで、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができ、データ記憶領域は、携帯電話の使用により作成されたデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができる。なお、メモリ59は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、非揮発性メモリ、例えば少なくとも一つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の揮発性ソリッドステートメモリデバイスを含んでもよい。
【0113】
プロセッサ510は、端末の制御センターであり、様々なインターフェースと線路によって端末全体の各部分に接続され、メモリ59内に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを運行又は実行し、またメモリ59内に記憶されたデータを呼び出し、端末の様々な機能を実行し、データを処理することにより、端末全体をモニタリングする。プロセッサ510は、一つ又は少なくとも二つの処理ユニットを含んでもよく、好ましくは、プロセッサ510は、アプリケーションプロセッサとモデムプロセッサを統合してもよい。ここで、アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインタフェース及びアプリケーションプログラムなどを処理するためのものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するためのものである。理解できるように、上記モデムプロセッサは、プロセッサ510に統合されなくてもよい。
【0114】
端末50は、各部材に給電する電源511(例えば、電池)をさらに含んでもよく、好ましくは、電源511は、電源管理システムによってプロセッサ510にロジック的に接続されてもよく、それにより電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。
【0115】
また、端末50は、いくつかの示されていない機能モジュールを含み、ここでこれ以上説明しない。
【0116】
いくつかの実施例では、プロセッサ510は、
第二の通信機器のスリープ状態変換命令を受信することと、
第一の通信機器が予め設定されるスリープ状態変換条件を満たすと判断することとのうちの少なくとも一つを満たす場合、非スリープ状態からスリープ状態に変換するために用いられる。
【0117】
いくつかの実施例では、前記スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号を少なくとも検出し、
前記非スリープ状態で、前記第一の通信機器は、ウェイクアップ信号を検出せず、無線リソース制御RRCアイドル状態IDLE、非アクティブ化状態INACTIVE又は接続状態CONNECTEDにおける物理層プロセスを実行する。
【0118】
いくつかの実施例では、前記スリープ状態変換条件は、
前記第一の通信機器の受信信号品質が第一の閾値よりも高く、又は前記第一の通信機器の受信信号品質が第二の閾値よりも低いことと、
前記第一の通信機器が、第一の予め設定される時間帯内にセル再選択が発生していないことと、
前記第一の通信機器の受信信号品質の第二の予め設定される時間帯内における変動範囲が第三の閾値よりも小さいことと、
前記第一の通信機器が、第三の予め設定される時間帯内にページングメッセージ又はシステムメッセージを受信していなかったことと、
前記第一の通信機器がスリープ状態以外の他の少なくとも一つの状態で連続的に在圈する時間が、第一の予め設定される時間長を超えていることとのうちの少なくとも一つを含む。
【0119】
いくつかの実施例では、プロセッサ510はさらに、前記第二の通信機器が前記第一の通信機器にスリープ状態変換命令を送信するか否かを判断するための補助情報を前記第二の通信機器に報告するために用いられ、前記補助情報は、
前記第一の通信機器の信号強度又は信号品質と、
前記第一の通信機器の移動性状況とのうちの少なくとも一つを含む。
【0120】
いくつかの実施例では、非スリープ状態からスリープ状態に変換する前又は変換した後に、プロセッサ510はさらに、第一の指示情報を前記第二の通信機器に送信し、前記第一の通信機器がスリープ状態に入ることを指示するために用いられる。
【0121】
いくつかの実施例では、前記第一の指示情報は、
ランダムアクセスチャネルRACHと、
サウンディングリファレンス信号SRSと、
リファレンス信号SRと、
物理上りリンク共有チャネルPUSCHと、
予め定義される物理チャネルと、
予め定義される物理信号とのうちのいずれか一つによって乗せられる。
【0122】
いくつかの実施例では、プロセッサ510はさらに、前記第二の通信機器の第二の指示情報を受信し、スリープ状態に入ることを拒否することを指示するために用いられる。
【0123】
いくつかの実施例では、プロセッサ510はさらに、前記第二の通信機器の第三のメッセージを受信し、前記第三のメッセージに基づいて前記ウェイクアップ信号の配置情報を取得するために用いられる。
【0124】
いくつかの実施例では、前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を運び、前記配置情報は、
前記ウェイクアップ信号のシーケンス情報と、
前記ウェイクアップ信号の周波数領域情報と、
状態変換をトリガーするパラメータ配置と、
ビーコン(Beacon)信号の配置とのうちの少なくとも一つを含む。
【0125】
いくつかの実施例では、前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を運び、又は前記第三のメッセージは、ウェイクアップ信号の配置情報を計算するための情報を運び、前記ウェイクアップ信号の配置情報は、
前記ウェイクアップ信号の時間領域リソースと、
前記ウェイクアップ信号の周波数領域リソースと、
前記ウェイクアップ信号のコードドメインリソースとのうちの少なくとも一つを含む。
【0126】
いくつかの実施例では、スリープ状態に入った後に、プロセッサ510はさらに、前記ウェイクアップ信号の配置情報に基づいてウェイクアップ信号を周期的に検出し、又はウェイクアップ信号を常に検出するために用いられる。
【0127】
いくつかの実施例では、スリープ状態に入った後に、プロセッサ510はさらに、非スリープ状態で下りリンク情報を受信するためのメイン受信機をオフにし、
スリープ状態でウェイクアップ信号を検出するための専用受信機をオンにするために用いられる。
【0128】
いくつかの実施例では、プロセッサ510はさらに、専用受信機によって下りリンク同期を行うために用いられ、下りリンク同期のための信号は、ウェイクアップ業務WUS信号と異なる。
【0129】
いくつかの実施例では、プロセッサ510はさらに、前記ウェイクアップ信号によって無線リソース測定と下りリンク同期とのうちの少なくとも一つを行うために用いられる。
【0130】
いくつかの実施例では、前記ウェイクアップ信号により乗せられる情報は、
前記第一の通信機器のウェイクアップを指示するウェイクアップ指示情報と、
前記第一の通信機器のスリープを指示するスリープ指示情報と、
同期情報とのうちの少なくとも一つを含む。
【0131】
いくつかの実施例では、前記ウェイクアップ信号が前記第一の通信機器のウェイクアップを指示する場合、プロセッサ510はさらに、非スリープ状態に入るために用いられる。
【0132】
本出願の実施例では、前記第一の通信機器は、移動端末であり、前記第二の通信機器は、ネットワーク側機器又は移動端末又はネットワークノードであり、又は
前記第一の通信機器は、通信システムの受信ノードであり、前記第二の通信機器は、通信機器の送信ノードである。
【0133】
本出願の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供し、前記可読記憶媒体上にはプログラム又は命令が記憶されており、このプログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、上記通信機器の作動方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0134】
ここで、前記プロセッサは、上記実施例に記載の通信機器におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体、例えばコンピュータリードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどを含む。
【0135】
本出願の実施例は、チップをさらに提供し、前記チップは、プロセッサと通信インターフェースとを含み、前記通信インターフェースは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、プログラム又は命令を運行し、上記通信機器の作動方法の実施例の各プロセスを実現するために用いられ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0136】
理解すべきこととして、本出願の実施例に言及されたチップは、システムレベルチップ、システムチップ、チップシステム又はシステムオンチップなどと呼ばれてもよい。
【0137】
本出願の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供し、前記プログラム製品が非揮発性の記憶媒体に記憶されており、前記プログラム製品が少なくとも一つのプロセッサにより実行されて、上記方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0138】
本出願の実施例は、通信機器を提供し、この通信機器は、上記のような方法の各実施例の各プロセスを実行するように構成され、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0139】
説明すべきこととして、本明細書では、用語である「含む」、「包含」又はその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それによって一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確にリストアップされていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合に、「……を1つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品又は装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。なお、指摘すべきこととして、本出願の実施の形態における方法と装置の範囲は、図示又は討論された順序で機能を実行することに限らず、関わる機能に基づいて基本的に同時である方式又は逆の順序で機能を実行することを含んでもよく、例えば記述されたものとは異なる手順で記述された方法を実行することができるとともに、様々なステップを追加、省略又は組み合わせることができる。また、いくつかの例を参照して記述された特徴は、他の例で組み合わせられることができる。
【0140】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されることができる。無論、ハードウェアによって実現されてもよいが、多くの場合、前者は、より好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質には又は従来の技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって具現化されてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の命令を含む。
【0141】
以上は、図面を結び付けながら、本出願の実施例を記述したが、本出願は、上記の具体的な実施の形態に限らない。上記の具体的な実施の形態は、例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本出願の示唆で、本出願の趣旨と特許請求の範囲から逸脱しない限り、多くの形式を行うこともでき、いずれも本出願の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4