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▶ エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッドの特許一覧

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  • 特許-MEMSマイクロフォン 図1
  • 特許-MEMSマイクロフォン 図2
  • 特許-MEMSマイクロフォン 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】MEMSマイクロフォン
(51)【国際特許分類】
   H04R 19/04 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H04R19/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022578986
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2022125144
(87)【国際公開番号】W WO2024045283
(87)【国際公開日】2024-03-07
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】202222343985.0
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】A-Block, Nanjing University Research Center Shenzhen Branch, No.6 Yuexing 3rd Road, South Hi-Tech Industrial Park, Nanshan District, Shenzhen Guangdong 518057 People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】王 琳琳
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 睿
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲凱▼杰
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲転▼▲転▼
(72)【発明者】
【氏名】阮 玉明
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102244832(CN,A)
【文献】中国実用新案第214381392(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第112929804(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111131987(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104105040(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104853300(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102264019(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEMSマイクロフォンであって、バックチャンバを有するベースと、前記ベースに設置されたコンデンサシステムとを含み、前記コンデンサシステムは、バックプレートと、前記バックプレートに対向して設置された振動膜とを含み、前記バックプレートは、本体部と、前記本体部と前記ベースとを接続する固定部とを含み、前記バックプレートには、さらに前記本体部から突出する複数のストリップ状補強リブが設置され
前記バックプレートには、さらに前記固定部と本体部との接続部に位置する接続ブロックが設置され、前記接続ブロックは、前記固定部と本体部のみにそれぞれ接続されている、ことを特徴とするMEMSマイクロフォン。
【請求項2】
各前記補強リブは、前記本体部における対向して設置された二つのエッジに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項3】
少なくとも一つの前記補強リブは、前記バックプレートの中心を通過することを特徴とする請求項2に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項4】
前記補強リブは、前記バックプレートの中心に対して中心対称となるように設置されることを特徴とする請求項3に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項5】
前記補強リブは、前記バックプレートの本体部の径方向に沿って延在することを特徴とする請求項4に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項6】
前記補強リブは、間隔を隔てて平行に設置された複数の横ストリップ補強リブと、前記横ストリップ補強リブに垂直でありかつ間隔を隔てて平行に設置された複数の縦ストリップ補強リブとを含むことを特徴とする請求項4に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項7】
前記固定部は、前記本体部に垂直であり、前記接続ブロックは、楔形であることを特徴とする請求項に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項8】
前記補強リブは、前記本体部の前記ベースに近い側に位置することを特徴とする請求項に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項9】
前記バックプレートには、前記本体部を貫通する貫通孔が複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のMEMSマイクロフォン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の分野に関し、特にMEMSマイクロフォンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動通信技術は急速に発展し、消費者はますます多くの移動通信装置、例えば携帯電話、インターネットにアクセス可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント又は専用通信ネットワークを使用して通信を行う他の装置であり、ここでマイクロフォンはその中で重要な部品の一つであり、特にMEMSマイクロフォンである。
【0003】
微小電気機械システム(Micro-Electro-Mechanical System、MEMS)マイクロフォンはマイクロ機械加工技術を利用して製造された電気音響変換器であり、それは体積が小さく、周波数応答特性が高く、ノイズが低いなどの特徴を有する。電子機器の小型化、薄型化発展に伴い、MEMSマイクロフォンはこれらの装置にますます広く応用される。
【0004】
関連技術におけるMEMSマイクロフォンはバックチャンバを有するベース及び前記ベースに設置されたコンデンサシステムを含み、前記コンデンサシステムは、バックプレートと、前記バックプレートに対向して設置された振動膜とを含む。バックプレートの強度は、MEMSマイクロフォンの信頼性に重要であり、また、バックプレートには複数の貫通孔が設けられ、バックプレートの強度をさらに低下させ、それにより製品の信頼性に影響を与える。
【0005】
したがって、上記問題を解決するために、改良されたMEMSマイクロフォンを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的問題は、バックプレートの強度が高いMEMSマイクロフォンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的問題を解決するために、MEMSマイクロフォンを提供し、前記MEMSマイクロフォンは、バックチャンバを有するベースと、前記ベースに設置されたコンデンサシステムとを含み、前記コンデンサシステムは、バックプレートと、前記バックプレートに対向して設置された振動膜とを含み、前記バックプレートは、本体部と、前記本体部と前記ベースとを接続する固定部を含み、前記バックプレートには、さらに前記本体部から突出する複数のストリップ状補強リブが設置される。
【0008】
好ましくは、各前記補強リブは、前記本体部における対向して設置された二つのエッジに接続される。
【0009】
好ましくは、少なくとも一つの前記補強リブは、前記バックプレートの中心を通過する。
【0010】
好ましくは、前記補強リブは、前記バックプレートの中心に対して中心対称となるように設置される。
【0011】
好ましくは、前記補強リブは、前記バックプレートの本体部の径方向に沿って延在する。
【0012】
好ましくは、前記補強リブは、間隔を隔てて平行に設置された複数の横ストリップ補強リブと、前記横ストリップ補強リブに垂直でありかつ間隔を隔てて平行に設置された複数本の縦ストリップ補強リブとを含む。
【0013】
好ましくは、前記バックプレートには、さらに前記固定部と本体部との接続部に位置する接続ブロックが設けられ、前記接続ブロックは、それぞれ前記固定部と本体部に接続される。
【0014】
好ましくは、前記固定部は、前記本体部に垂直であり、前記接続ブロックは、楔形である。
【0015】
好ましくは、前記補強リブは、前記本体部の前記ベースに近い側に位置する。
【0016】
好ましくは、前記バックプレートには、前記本体部を貫通する貫通孔が複数設けられる。
【発明の効果】
【0017】
関連技術に比べて、バックプレートには複数のストリップ状の補強リブが設置されるため、バックプレートの強度を補強し、MEMSマイクロフォンの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0019】
図1】本発明の第1実施形態によるMEMSマイクロフォンの断面図である。
図2】本発明の第1実施形態によるMEMSマイクロフォンのバックプレート構造を模式的に示す図である。
図3】本発明の第2実施形態によるMEMSマイクロフォンのバックプレート構造を模式的に示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確で完全に説明し、明らかなように、記述される実施例は、本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0021】
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態のMEMSマイクロフォン100は、バックチャンバ11を有するベース10と、前記ベース10に設置されたコンデンサシステム302とを含む。コンデンサシステム302は、バックプレート20と、前記バックプレート20に対向して設置された振動膜30とを含み、前記振動膜30は、バックプレート20の前記ベース10に近い側に位置する。音圧が振動膜30に作用する場合、振動膜30のバックプレート20に対向する面と振動膜30のバックプレート20に背向する面との両面に圧力差が生じることにより、振動膜30がバックプレート20に対して近接・離間するように運動して、振動膜30とバックプレート20との間の容量の変化を引き起こし、音声信号の電気信号への変換を実現する。
【0022】
前記バックプレート20は、穿設された複数の貫通孔210が設けられた本体部21と、前記本体部21とベース10とを接続する固定部22とを含む。本実施形態では、バックプレート20には、さらに前記本体部21から突出する複数のストリップ状補強リブ23が設けられ、補強リブ23は、バックプレート20の強度を向上させ、MEMSマイクロフォン100の信頼性を向上させることができる。具体的には、各補強リブ23は、前記本体部21における対向して設置された二つのエッジに接続され、すなわち、補強リブ23は、バックプレート20全体に亘って形成され、補強リブ23の両端は、それぞれ本体部21の対向する二つのエッジまで延在する。また、少なくとも一つの補強リブ23は、バックプレート20の中心を通過することにより、バックプレート20の中心の強度を向上させる。
【0023】
本実施形態において、補強リブ23は、バックプレート20の径方向に沿って延在し、すなわち、全ての補強リブ23は、いずれもバックプレート20の中心を通過し、かつ補強リブ23は、バックプレート20の中心に対して中心対称となるように設置される。
【0024】
さらに、バックプレート20には、さらに前記固定部22と本体部21との接続部に位置する接続ブロック24が設けられ、前記接続ブロック24は、バックプレート20の前記ベース10に近い側に位置し、かつ前記固定部22と本体部21とにそれぞれ接続される。すなわち、接続ブロック24は、前記固定部22と本体部21との間に係止され、バックプレート20の強度をより一層強化させることができる。本実施形態において、前記固定部22は、前記本体部21に垂直であり、前記接続ブロック24は、楔形である。
【0025】
(第2実施形態)
図3に示すのは、本発明の第2実施形態のMEMSマイクロフォンのバックプレート20’であり、第2実施形態と第1実施形態との相違は、補強リブ23’の配置方式が異なる点のみである。第2実施形態において、補強リブ23’は、間隔を隔てて平行に設置された複数の横ストリップ補強リブ231’と、前記横ストリップ補強リブ231’に垂直でありかつ間隔を隔てて平行に設置された複数の縦ストリップ補強リブ232’とを含む。
【0026】
関連技術に比べて、バックプレートには複数のストリップ状の補強リブが設置されるため、バックプレートの強度を補強し、MEMSマイクロフォンの性能を向上させることができる。
【0027】
前記のようなことは本発明の実施形態だけであり、当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、さらに改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。
図1
図2
図3