IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱商事ライフサイエンス株式会社の特許一覧

特許7595423砂糖減量用組成物及びそれを用いた砂糖減量飲食品の甘味代替方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】砂糖減量用組成物及びそれを用いた砂糖減量飲食品の甘味代替方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20241129BHJP
   A23L 27/30 20160101ALI20241129BHJP
   A23L 27/21 20160101ALI20241129BHJP
【FI】
A23L27/00 E
A23L27/30 B
A23L27/30 Z
A23L27/21 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020058744
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2020162603
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2019068279
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519127797
【氏名又は名称】三菱商事ライフサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 静乃
(72)【発明者】
【氏名】下田 芙雪
(72)【発明者】
【氏名】桑山 拡樹
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2013/031746(JP,A1)
【文献】特開2009-044978(JP,A)
【文献】国際公開第2018/131225(WO,A1)
【文献】特開2005-087052(JP,A)
【文献】特開2017-093349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0088864(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、アラニンおよびアルギニンから選ばれる一種以上であるアミノ酸(ただし、酵母エキス中のアミノ酸を除く)およびマルチトールを含有し、前記アミノ酸が砂糖減量飲食品全体の0.0005~0.5%となるように用いることを特徴とする、砂糖減量用組成物。
【請求項2】
砂糖減量飲食品中の砂糖100重量部に対して、マルチトールとして10~500重量部となるように用いることを特徴とする、請求項1に記載の砂糖減量用組成物。
【請求項3】
さらに高甘味度甘味料を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の砂糖減量用組成物。
【請求項4】
砂糖を減量した飲食品において、請求項1~3のいずれか一つに記載の砂糖減量用組成物を含有させることを特徴とする、砂糖減量飲食品の砂糖の甘味代替方法。
【請求項5】
砂糖を減量した飲食品に、マルチトールおよびアミノ酸(ただし、酵母エキス中のアミノ酸を除く)を含有させることを特徴とする、砂糖減量飲食品の砂糖の甘味代替方法であって、前記アミノ酸が、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、アラニンおよびアルギニンから選ばれる一種以上であり、前記アミノ酸が砂糖減量飲食品全体の0.0005~0.5%となるように含有させることを特徴とする、砂糖減量飲食品の砂糖の甘味代替方法。
【請求項6】
砂糖減量飲食品中の砂糖100重量部に対して、マルチトールとして10~500重量部となるように含有させることを特徴とする、請求項5に記載の甘味代替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂糖を減量した飲食品において、砂糖を減量することによって失われる砂糖の甘味を、甘味の強さおよび甘味の質ともに代替しうる方法、および当該代替のために用いられる組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
社会的な糖尿病予防政策や健康意識が高まる中、砂糖が使用されている飲食品は、砂糖不使用とすることや砂糖を減量することが求められている。しかしながら、砂糖の甘さは人類にとって最も好ましい味の一つであり、甘さを減らすことは受け入れられ難く、そのため、多種の甘味料により砂糖を代替する試みが多くなされている。
【0003】
様々な試みの良く知られた方法は、高甘味剤の使用であるが、砂糖の数百~数千倍の甘味を持つ高甘味剤は、強い甘さとともに、不快な後味を持つことが知られている。また、各種の糖アルコールの使用も従来知られているが、糖アルコールの甘味も砂糖とは異なることが知られており、概して砂糖に比べ甘味が弱く、また甘味の質も砂糖に比べると物足りない味質になるという課題があった。
【0004】
糖アルコールの中でも、2糖の糖アルコールであるマルチトールは、他の糖アルコールに比べると砂糖(ショ糖)と近い味質であることから、砂糖不使用の甘味系飲食品へ多く使用されているが、やはり、砂糖には、甘味の強さも甘味の質も及ばないものであった。
【0005】
このような課題に対し、例えば、以下のような提案がされている。
【0006】
特開昭53-3571号公報では、アセスルファムカリウムにアスパルテームなどの他の高甘味剤を混合することにより、アセスルファムカリウムのショ糖類似性を改善した甘味料が開示されている。
【0007】
また、特開2002-101844号公報では、高甘味度甘味料の中でも、スクラロースがきわめて砂糖に近い甘味質を有するとされ、その甘味の改善にアセスルファムカリウムを用いることが開示されている。
【0008】
このように、高甘味度甘味料を複数組み合わせることは数多く行われており、高甘味度甘味料の味質改善や、後味の改善の効果が得られることは開示されているが、砂糖と区別できない程度、つまり、甘味の強さおよび甘味の質が、砂糖を減量しない場合と同レベルの甘味と代替できる程に改善されたことは記載されていない。
【0009】
その他にも、特開2010-178683号公報には、D-ソルボースに糖アルコールおよび/または高甘味度甘味料および/またはヘキソースおよび/またはショ糖を含有せしめたことを特徴とする味質の改良された甘味料が開示されており、低カロリーでしかも砂糖に比べて遜色のない呈味性を有する甘味料であるとの記載がある。しかしながら、D-ソルボースは一般には入手が困難で、砂糖を代替できる低カロリー甘味料として簡便には使用できない。
【0010】
なお、砂糖の味に近似させる方法として本出願人は、国際公開第2013/031746号において、糖アルコール及び/又は高甘味度甘味料と、ペプチドを含有する酵母エキスとからなる、砂糖様甘味質を有する甘味料を開示している。しかしながら、酵母エキスを含有した甘味料は、清澄性の求められる飲食品には適用できない場合があり、汎用性の面で課題があった。
【0011】
また、本出願人の上記の開示のように、甘味の改善に、甘味ではない味を持つ物質を用いる試みもされており、例えば、特開2013-31435号公報では、スクラロースなどの高甘味度甘味料に対して、グルタミン酸アンモニウム、グルタミン酸マグネシウム又はグルタミン酸カリウムを添加することで、高甘味度甘味料の味質、特に甘味の後引き感を改善し、ボディー感を付与する方法が開示されている。
【0012】
さらに、特開2014-93981号公報では、高甘味度甘味料などの甘味の持続性向上および/または後味の苦味の低減といった甘味の味質改善に、D-アミノ酸を用いる方法が開示されている。しかしながら、砂糖を減量しない場合と同レベルにまで改善できる方法は見つかっていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開昭53-3571号公報
【文献】特開2002-101844号公報
【文献】特開2010-178683号公報
【文献】国際公開第2013/031746号
【文献】特開2013-31435号公報
【文献】特開2014-93981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、通常は砂糖が使用される多種多様な飲食品の砂糖を減量した飲食品、すなわち砂糖減量飲食品において、砂糖の減量により損なわれる甘味の強さおよび甘味の質を、簡便に入手できる原料によって、砂糖を減量しない場合と同レベル(すなわち、区別不能なレベル)まで改善しうる方法、および該方法に用いられる組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、砂糖減量飲食品において、減量した砂糖の代わりに、マルチトールおよびアミノ酸を含有させることで、砂糖の減量により失われる砂糖の甘味の強さおよび甘味の質を代替しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0016】
すなわち、本発明は第一に、マルチトールおよびアミノ酸を含有することを特徴とする、砂糖減量用組成物である。
第二に、アミノ酸が、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、アラニンおよびアルギニンから選ばれる一種以上であることを特徴とする、上記第一に記載の砂糖減量用組成物である。
第三に、さらに高甘味度甘味料を含有することを特徴とする、上記第一または第二に記載の砂糖減量用組成物である。
第四に、砂糖を減量した飲食品において、上記第一から第三のいずれか一つに記載の砂糖減量用組成物を含有させることを特徴とする、砂糖減量飲食品の砂糖の甘味代替方法である。
第五に、砂糖減量用組成物を、アミノ酸が砂糖減量飲食品全体の0.0005~0.5%となるように用いることを特徴とする、上記第四に記載の甘味代替方法である。
第六に、砂糖減量用組成物を、砂糖減量飲食品中の砂糖100重量部に対して、マルチトールとして10~500重量部となるように用いることを特徴とする、上記第四または第五に記載の甘味代替方法である。
第七に、砂糖を減量した飲食品に、マルチトールおよびアミノ酸を含有させることを特徴とする、砂糖減量飲食品の砂糖の甘味代替方法である。
第八に、砂糖を減量した砂糖減量飲料において、マルチトール、場合によっては高甘味度甘味料、および苦味系アミノ酸または甘味系アミノ酸の一種以上を含有させることによる、砂糖減量飲食品の砂糖の甘味の代替方法である。
第九に、砂糖を減量した砂糖減量デザート食品において、マルチトール、場合によっては高甘味度甘味料、および苦味系アミノ酸または甘味系アミノ酸の一種以上を含有させることによる、砂糖減量飲食品の砂糖の甘味の代替方法である。
【0017】
本発明の砂糖減量の対象とし得る飲食品は、通常砂糖を使用する飲食品であればいずれの飲食品でもよい。詳細には、飲食品全体として主体となる味が甘味である飲食品のほかに、主体となる味が甘味ではない、つまり、主体となる味が、酸味、塩味であっても、甘味を感じられるものであれば、甘酸っぱい、甘辛いなどの味である飲食品でもよい。また、すでにアミノ酸が含まれている飲食品であってもよい。
【0018】
飲食品の中でも、飲料、菓子、デザート食品などが好ましく適用される。飲料としては、コーヒー、紅茶、緑茶、ブレンド茶、ココア、乳飲料、炭酸飲料、果汁入り飲料、粉末飲料、麦芽飲料、栄養ドリンク、菓子としては、チョコレート、チョコレートコーティング菓子、クッキー、ケーキ、クリーム、和菓子、餡、デザート食品としては、アイスクリーム、ヨーグルト、ゼリー、ムース、プリン、各種フルーツソース、みたらしのたれなどが挙げられる。特に好ましく適用される飲食品は、甘味を有する飲料とデザート食品である。
【0019】
本発明における「砂糖を減量しない場合と同レベル」とは、通常、砂糖を好ましい甘味の強さおよび甘味の質となるように添加する場合と比較して、砂糖の量が減量されているにもかかわらず、甘味の強さおよび甘味の質が、砂糖の減量前と区別しがたい状態であることをいう。
【0020】
本発明における「砂糖減量用組成物」とは、減量された砂糖の甘味の強さと甘味の質を代替するための組成物をいう。また、本発明における「砂糖減量飲食品の砂糖の甘味代替」とは、砂糖減量飲食品において、砂糖を減量することで失われる砂糖の甘味を、甘味の強さおよび甘味の質に関して、砂糖を減量しない場合と同レベルに代替することをいう。
【0021】
ここで、甘味の強さとは、甘さそのものを指し、砂糖の甘さを基準とした甘さの強度である。一方、甘味の質は、甘さの発現の速さや持続性、消失性、口中での甘さの広がり、砂糖にはない不快な味の有無を意味し、砂糖における甘味の質が基準となる。
【0022】
そして本発明では、砂糖を減量した飲食品に、マルチトールとアミノ酸を含有させることにより、砂糖を減量しているにも関わらず、甘味の強度および甘味の質が砂糖の減量前と区別し難いものとなる。
【0023】
本発明に用いられるマルチトールは、従来良く知られた2糖の糖アルコールの一種であり、マルトースを水素添加することにより調製され、本発明に用いられる砂糖と同様に、液体状・シロップ状、粉末状など様々な形態の製品を市場で入手可能である。そして、本発明においてはマルチトールを様々な形態で使用することができる。
【0024】
また、本発明の効果を表す限り、本発明に用いるマルチトールは、実質的にマルチトーからなるものでもよいし、還元麦芽糖シロップなどのマルチトール含有物に含まれた状態であってもよい。マルチトール含有物は、本発明の効果を阻害しない限り、ソルビトールや還元澱粉糖化物、エリスリトール、キシリトールなどの他の糖アルコールを含有してもよい。
【0025】
そして、本発明においては、砂糖が添加されるべき飲食品において、好ましい甘味となるように添加するべき量の砂糖を設定したうえで、その砂糖を減量し、その減量分の一部量または全量をマルチトールおよびアミノ酸で代替する。ただし、本発明においては、砂糖を全く添加しない場合はどのような甘味料を用いても、砂糖の甘味を代替することは出来ないため、最低量の砂糖は必要である。
【0026】
詳細には、砂糖は好ましい甘味となるように添加するべき量、すなわち通常使用される砂糖の量の少なくとも10%は必要である。ここで、本願における%はすべて、重量%を意味する。つまり、飲食品において、例えば、好ましい甘味となるように添加するべき量の砂糖が100重量部であった場合は、10重量部またはそれ以上の砂糖が必要である。
【0027】
そして、マルチトールは、減量後の砂糖100重量部に対して、マルチトールの固形分として10~500重量部となれば甘味の強さおよび甘味の質を補う面で効果的である。
【0028】
さらに、減量後の砂糖100重量部に対してマルチトールが50~200重量部であるとコストの面と甘味の両面から好ましい。なお、マルチトールの甘味の強さは、砂糖の約8割程度と言われており、マルチトールが120重量部より少ない場合は、甘味の強度の補助のため、高甘味度甘味料を併用してもよい。特に、減量後の砂糖100重量部に対してマルチトールが80~120重量部であると、より好ましい。
【0029】
また、甘味の強度の補助のために用いる高甘味度甘味料は、アセスルファムカリウム、ステビア、スクラロース、ソーマチン、アスパルテーム、サッカリン、アドバンテーム、ネオテームなど従来知られたものを一種類以上併用することが可能である。高甘味度甘味料を用いる場合の添加量は、その甘味の強さによって適宜変更すればよく、通常使用される砂糖の甘味強度を100としたときに、マルチトールと高甘味度甘味料の甘味強度が合わせて80~120となるように添加されればよい。具体的には、甘味強度によって換算すればよい。
【0030】
そして、本発明において、マルチトール単独や、マルチトールと高甘味度甘味料だけでは、砂糖の甘味の強さおよび甘味の質を代替することはできず、課題解決のためにアミノ酸を用いる。
【0031】
本発明に用いるアミノ酸としては、従来知られたアミノ酸であればよいが、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジン、アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸などを用いることができ、好ましくは苦味系アミノ酸または甘味系アミノ酸が用いられる。
【0032】
その中でも特に好ましくは、アラニン、バリン、ロイシン、プロリン、アルギニン、イソロイシンのいずれか一種以上を用いるとよい。もっとも好適に用いられるアミノ酸はバリン、プロリン、アルギニンのいずれか一種以上である。なお、いずれのアミノ酸もL体が好ましい。
【0033】
また、アミノ酸の量は、食品により添加量は適宜変更してよいが、飲食品に対して0.0005~0.5%添加するのが好ましい。より好ましいアミノ酸の添加量としては0.01~0.1%が飲食品の適応範囲が広く、マルチトールおよびアミノ酸によって、砂糖の甘味を代替できる味となる。
【0034】
なお、飲食品にマルチトールおよびアミノ酸を含有させる方法としては、飲食品の原料に混合する方法でもよいし、飲食品完成後あとから添加する方法でもよく、飲食品中で均一になるように含有させる方法であれば、その手段は問わない。また、マルチトールおよびアミノ酸は、飲食品に同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、砂糖を減量した飲食品の甘味の強さおよび甘味の質を、砂糖を減量しない場合と同レベルのものとすることができるため、無理のない減糖活動に資することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0037】
また、以下の実施例で用いるマルチトールは、マルチトール含量が99.5%以上の三菱商事ライフサイエンス社のLESYSを、マルチトール含有シロップは、マルチトール含量が60%の三菱商事ライフサイエンス社のAmalty Syrup 70/85を用いた。また、アセスルファムKは、三菱商事ライフサイエンス社のサネット、スクラロースは、三栄源エフ・エフ・アイ社のスクラロースを用いた。そしてアミノ酸は、協和発酵バイオ社のL-バリン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-プロリン、DL-アラニン協和およびL-アルギニン協和を用いた。また、乳化剤はショ糖脂肪酸エステル、pH調整剤は重曹、その他素材は市販で入手できるものを用いた。
【実施例1】
【0038】
表1の配合からなる水溶液を調整し、砂糖を用いた基準例1と味の比較を行った。比較は6名のパネルによる官能評価で行い、6名全員が基準例と有意に区別できない場合を「○」、基準例とは異なる甘味の強さおよび/または甘味の質の場合を「×」とした。
【0039】
【表1-1】
【表1-2】
【0040】
表1の評価から、砂糖減量水溶液に、砂糖減量用組成物であるマルチトールとアミノ酸を配合することで、砂糖を減量しない場合と同レベルの水溶液が得られた。
【実施例2】
【0041】
紅茶を熱湯で抽出した紅茶液を用意し、表2の配合により、好ましい甘さとなるように砂糖を配合した基準例2と味の比較を行った。比較は実施例1と同様に行った。
【0042】
【表2-1】
【表2-2】
【0043】
表2の評価から、砂糖減量紅茶に、砂糖減量用組成物であるマルチトールとアミノ酸を配合することで、砂糖を減量しない場合と同レベルの紅茶が得られた。
【実施例3】
【0044】
コーヒーを熱湯で抽出したコーヒー液を用意し、表3の配合により、好ましい甘さとなるように砂糖を配合した基準例3と味の比較を行った。比較は実施例1と同様に行った。
【0045】
【表3-1】
【表3-2】
【0046】
表3の評価から、砂糖減量コーヒーに、砂糖減量用組成物であるマルチトールとアミノ酸を配合することで、砂糖を減量しない場合と同レベルのコーヒーが得られた。
【実施例4】
【0047】
市販の無糖ヨーグルトを用意し、表4の配合により、好ましい甘さとなるように砂糖を配合した基準例4と味の比較を行った。比較は実施例1と同様に行った。
【0048】
【表4】
【0049】
表4の評価から、砂糖減量ヨーグルトに、砂糖減量用組成物であるマルチトールとアミノ酸を配合することで、砂糖を減量しない場合と同レベルのヨーグルトが得られた。
【実施例5】
【0050】
アイスクリームを表5の配合により作製し、好ましい甘さとなるように砂糖を配合した基準例5と味の比較を行った。比較は実施例1と同様に行った。
【0051】
【表5】
【0052】
表5の評価から、砂糖減量アイスクリームに、砂糖減量用組成物であるマルチトールとアミノ酸を配合することで、砂糖を減量しない場合と同レベルのアイスクリームが得られた。
【実施例6】
【0053】
クッキーを表6の配合により作製し、好ましい甘さとなるように砂糖を配合した基準例6と味の比較を行った。比較は実施例1と同様に行った。
【0054】
【表6】
【0055】
表6の評価から、砂糖減量クッキーに、砂糖減量用組成物であるマルチトールとアミノ酸を配合することで、砂糖を減量しない場合と同レベルのクッキーが得られた。
【0056】
以上のことから、本発明によれば、砂糖を減量した飲食品において、砂糖を減量したことによって失われた砂糖の甘味を、簡便に入手できるマルチトールとアミノ酸を用いることで、甘味の強さおよび甘味の質ともに、代替可能である。