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特許7595432周辺装置、周辺装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】周辺装置、周辺装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020134445
(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2022030413
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増澤 英樹
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-224689(JP,A)
【文献】特開2018-121131(JP,A)
【文献】特開2009-117966(JP,A)
【文献】特開2015-231094(JP,A)
【文献】特開2006-128948(JP,A)
【文献】特開2007-295283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信可能な情報処理装置からの要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた要求に応じて第1処理を行い、該第1処理により生成されたデータを記憶領域に記憶する第1処理手段と、
前記第1処理の後、前記記憶領域に前記データが保存された状態において前記情報処理装置から受け付けた操作に応じた前記データに対する第2処理を行う第2処理手段と、
前記第2処理が終了した場合に、前記データを前記記憶領域から消去する消去手段と
を備え、
前記受付手段は、前記要求に基づいた前記第1処理が全て終了するまでは該第1処理の要求元とは異なる他の情報処理装置からの要求を受け付けず、前記要求に基づいた第1処理が全て終了した場合には、前記第2処理の実行中であっても前記他の情報処理装置からの要求を受け付けることを特徴とする周辺装置。
【請求項2】
前記第1処理手段は前記第2処理と並行して前記他の情報処理装置からの要求に基づく前記第1処理を実行可能であり、前記第1処理において生成されるデータを前記記憶領域に記憶不可能な場合には、前記第1処理において生成されるデータが前記記憶領域に記憶可能になるまで該第1処理を中断することを特徴とする請求項1に記載の周辺装置。
【請求項3】
前記第1処理の要求元の情報処理装置に対して、該第1処理が終了した後に前記第1処理を追加して行うかどうかを確認する確認手段を有し、
前記受付手段は、前記要求された第1処理が終了し且つ前記確認手段により前記第1処理を追加して行わないことが確認されている場合に、前記要求された第1処理が全て終了したと判断する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の周辺装置。
【請求項4】
前記消去手段は、前記第1処理が終了してからの経過時間が所定時間に達した場合、該第1処理により生成されたデータを前記記憶領域から消去することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の周辺装置。
【請求項5】
前記消去手段は、所定の認証方法により管理者として認証されたユーザーからの指示に応じて、前記第1処理により生成されたデータを前記記憶領域から消去することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の周辺装置。
【請求項6】
前記周辺装置は、画像読取装置であり、
前記第1処理は、原稿を読み取って画像データを生成するスキャン処理であり、
前記第2処理は、少なくとも前記スキャン処理により生成された画像データを前記スキャン処理の要求元の前記情報処理装置に送信する処理を含む、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の周辺装置。
【請求項7】
前記情報処理装置で動作するウェブブラウザからの要求に応じて、該ウェブブラウザから処理を受け付けるための操作画面を該ウェブブラウザに提供し、該ウェブブラウザに表示される前記操作画面から処理を受け付け可能な提供手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の周辺装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、携帯端末であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の周辺装置。
【請求項9】
周辺装置の制御方法であって、
ネットワークを介して通信可能な情報処理装置からの要求を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた要求に応じて第1処理を行い、該第1処理により生成されたデータを記憶領域に記憶する第1処理ステップと、
前記第1処理の後、前記記憶領域に前記データが保存された状態において前記情報処理装置から受け付けた操作に応じた前記データに対する第2処理を行う第2処理ステップと、
前記第2処理が終了した場合に、前記データを前記記憶領域から消去する消去ステップと
を備え、
前記受付ステップでは、前記要求に基づいた前記第1処理が全て終了するまでは該第1処理の要求元とは異なる他の情報処理装置からの要求を受け付けず、前記要求に基づいた第1処理が全て終了した場合には、前記第2処理の実行中であっても前記他の情報処理装置からの要求を受け付ける、ことを特徴とする周辺装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から8のいずれか一項に記載の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末等の情報処理装置からネットワークを介して利用可能な周辺装置、周辺装置の制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置と同一のLAN(Local Area Network)等のネットワークに、スキャナーなどの周辺装置を接続し、複数の情報処理装置から周辺装置を共有して利用することが一般的になってきている。また、携帯型情報処理装置としてスマートフォンやタブレットPC等が普及し、携帯型情報処理装置から周辺装置を使用する要望が高まってきている。
【0003】
特許文献1には、周辺装置に表示されたコード情報を情報処理装置が読み取ることで、情報処理装置から周辺装置にアクセスし、文書データを送受信するための技術が提案されている。
【0004】
なお、情報処理装置から周辺装置を使用する際、すでに他の情報処理装置が周辺装置を使用している場合がある。そのため、周辺装置は現在使用中の情報処理装置以外からのリクエストを排他することが一般的に行われている。
【0005】
また、近年、ウェブアプリの技術を使って、情報処理装置のウェブブラウザから周辺装置に対してアクセスし、周辺装置の制御を行うことが可能となっている。ウェブアプリで排他処理を行う場合は、セッション管理により行うことが可能である。
【0006】
周辺装置の一例であるスキャナー(画像読取装置)では、原稿を搬送して画像データを読み取るスキャン処理、スキャン処理後の画像データの編集処理、及び、編集した画像データの転送処理の一連の処理を実行する装置である。なお、説明の便宜上、以降はスキャン処理を「前段処理」、編集処理および転送処理をまとめて「後段処理」と述べることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5822040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のスキャナーでは、前段処理と後段処理を合わせた全ての処理が完了するまで、次のユーザーが周辺装置を使用できなかった。しかし、前のユーザーの前段処理(スキャン処理)が完了し、後段処理(編集処理または転送処理)を行っているのであれば、次のユーザーの前段処理(スキャン処理)を、前のユーザーの後段処理と並行で行うことが、周辺装置の稼働率を向上させる観点から望ましい。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明は、周辺装置の稼働率を向上する仕組みを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記を鑑み、ネットワークを介して通信可能な情報処理装置からの要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた要求に応じて第1処理を行い、該第1処理により生成されたデータを記憶領域に記憶する第1処理手段と、前記第1処理の後、前記記憶領域に前記データが保存された状態において前記情報処理装置から受け付けた操作に応じた前記データに対する第2処理を行う第2処理手段と、前記第2処理が終了した場合に、前記データを前記記憶領域から消去する消去手段とを備え、前記受付手段は、前記要求に基づいた前記第1処理が全て終了するまでは該第1処理の要求元とは異なる他の情報処理装置からの要求を受け付けず、前記要求に基づいた第1処理が全て終了した場合には、前記第2処理の実行中であっても前記他の情報処理装置からの要求を受け付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、周辺装置の稼働率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態を示すシステムの構成の一例を示す図。
図2】UI提供部が備えるセッション管理テーブルの一例を示す図。
図3】UI提供部が備えるセッション管理テーブルの一例を示す図。
図4】UI提供部が備えるセッション管理テーブルの一例を示す図。
図5】UI提供部が備えるセッション管理テーブルの一例を示す図。
図6】携帯端末からスキャナー1を利用する場合の一連の処理の流れを説明するフローチャート。
図7】スキャナーのメニュー画面の一例を示す図。
図8】スキャナーのURL表示画面の一例を示す図。
図9】携帯端末に表示されるスキャン設定画面の一例を示す図。
図10】携帯端末に表示されるスキャン中画面の一例を示す図。
図11】携帯端末に表示される継続確認画面の一例を示す図。
図12】携帯端末に表示される画像編集画面の一例を示す図。
図13】携帯端末に表示される詳細編集画面の一例を示す図。
図14】携帯端末に表示される他ユーザー使用中画面の一例を示す図。
図15】携帯端末に表示される他ユーザー使用中画面の一例を示す図。
図16】本実施形態の受付処理の一例を示すフローチャート。
図17】本実施形態のスキャン処理の一例を示すフローチャート。
図18】携帯端末に表示される記憶領域不足画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本例では周辺装置の一例としてスキャナーを用いるが、本発明は周辺装置としてスキャナーに限定されるものではなく、同様の環境において使用される周辺装置においても適用可能である。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態を示すシステムの構成の一例を示す図である。
スキャナー1と携帯端末2a、携帯端末2bは同一のLAN3に通信可能に接続されており、それぞれデータの送受信が可能である。
【0015】
例えば、スキャナー1のIPアドレスには「192.168.1.10」が割り当てられている。携帯端末2aのIPアドレスには「192.168.1.100」が割り当てられている。携帯端末2bのIPアドレスには「192.168.1.101」が割り当てられている。
【0016】
なお、携帯端末(携帯型の情報処理装置)をさらに増やすことや、携帯型の情報処理装置ではない通常の情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)を用いてもよいが、説明を簡潔にするために本例では上述の構成とする。以下、これらの情報処理装置を単に「端末」という場合もある。また、LAN3は、無線ネットワークであっても有線ネットワークであっても、無線と優先が混在したネットワークであってもよい。
【0017】
≪スキャナー≫
スキャナー1は、紙の原稿を読み取って画像データへと変換する機能である画像読取部11を備えた画像読取装置である。画像読取部11は、制御部13の制御の下、読み取った画像データを記憶部12に記憶する。
【0018】
制御部13は、制御部13内の図示しない記憶部や記憶部12に記憶されるプログラムを実行することにより、スキャナー1全体を制御する。
【0019】
UI(ユーザーインターフェース)部14は、不図示の表示パネル、OKキー、キャンセルキー、上キー、下キー、テンキーなどの各種キーを備える。表示パネルに表示される画面と各種キーの押下検知は、制御部13の制御の下に行われる。
【0020】
送受信部15は、端末から発行されるリクエストに応じて後述するUI提供部16で作成したUIを端末に送信する。また、送受信部15は、スキャン開始リクエスト、状況確認リクエスト、画像取得リクエストなどのリクエストの受信と、受信したリクエストに対するレスポンスの送信を行う。
【0021】
UI提供部16は、スキャン設定を変更するためのスキャン設定画面、スキャンした画像を編集するための画像編集画面および詳細編集画面、スキャン中などの現在の状況を表す状況表示画面などの操作画面や通知画面をhtml形式で作成し、端末に提供する。UI提供部16は、JavaScript(登録商標)等で書かれたプログラムを埋め込んだhtml形式のデータを作成してもよい。html形式で作成することで、UI提供部16で作成した画面を、端末で動作するウェブブラウザ上に表示することができる。
【0022】
また、UI提供部16は、スキャナー1が特定の端末から使用されている状態のときに、他の端末からのリクエストに対して排他処理する排他機能を有している。この排他機能は、セッション管理によって行われる。具体的には、端末のウェブブラウザからスキャナー1にアクセスがあった際に、スキャナー1はアクセスしてきた端末のIPアドレスを取得する。そして、スキャナー1は、アクセスしてきた端末のIPアドレスを、セッション管理のためのセッションIDとしてUI提供部16が備える不図示の記憶部に記憶されるセッション管理テーブル(例えば図2図5のようなテーブル)に記憶する。
【0023】
図2図5は、UI提供部16が備えるセッション管理テーブルの一例を示す図である。
セッション管理テーブルは、スキャナー1の使用順を管理するために複数のセッションIDとスキャン処理終了フラグとを紐付けて記憶できる構成となっており、各行には予め使用順が割り振られている。セッションIDの初期値は、初期状態であることを示す値として「0」が入っている。また、スキャン処理終了フラグの初期値は、初期状態であることを示す値として「-(ハイフン)」が入っている。
【0024】
UI提供部16は、図2のように全てのセッションIDが初期値のときに、UI提供部16に対してUI提供リクエストを最初に行った端末のIPアドレスを、セッション管理テーブルの使用順「1」の行にセッションIDとして記憶する。例えば、携帯端末2aからスキャナー1にアクセスされると、UI提供部16は、図3のように、使用順「1」のセッションIDを「192.168.1.100」、スキャン処理終了フラグを「No」として記憶する。
【0025】
以降、UI提供部16は、新たにアクセスしてきた端末のIPアドレスを、使用順「2」以降の行にセッションIDとして順次記憶していく。また、「スキャン処理」が全て終了した端末については、UI提供部16は、スキャン処理終了フラグを「Yes」に上書きする。
例えば、図3の状態で、携帯端末2bからスキャナーにアクセスされると、UI提供部16は、使用順「2」のセッションIDを「192.168.1.101」、スキャン処理終了フラグを「No」として記憶する。そして、携帯端末2aの「スキャン処理」が終了すると、UI提供部16は、使用順「1」のスキャン処理終了フラグを「Yes」に上書きする。これにより、セッション管理テーブルは、図4のような状態になる。
【0026】
さらに、使用順「1」に記憶されている端末からのスキャンに関する一連の処理が完了すると、UI提供部16は、使用順「1」のセッションIDを削除し、使用順「2」以降のセッションIDを繰り上げる。これにより、セッション管理テーブルは、図5のような状態になる。なお、使用順「1」に記憶されている端末からのスキャンに関する一連の処理が完了したことの判定は、後述する図11に示す継続確認画面220において、「いいえ」ボタン222が押下され、制御部23がスキャナー1に対して送信するスキャン処理を継続しない旨の情報を送受信部15によって受信したことによって行う。
【0027】
スキャナー1は、端末からアクセスされたとき、セッション管理テーブルの使用順「1」に保存されているセッションIDとアクセス元のIPアドレスとを比較し、比較結果が同じであればリクエストに対してスキャン処理が継続されるレスポンスを返す。一方、比較結果が異なれば、スキャナー1は、スキャナー1の使用状況に応じたレスポンスを返すが、詳細は後述する「受付処理」で説明する。
なお、図2図5に例示したセッション管理テーブルは、5行分のセッションIDを記憶できる構成で記載しているが、必要に応じて記憶できる個数は増減してよい。
また、上記説明ではアクセス順に使用順を決定する構成について説明したが、例えば他のユーザーの使用順を追い越して、使用順「2」等に割り込み可能にしてもよい。
【0028】
≪携帯端末≫
携帯端末2a、携帯端末2bは、スマートフォンやタブレットPCなどの携帯可能な端末であり、同様の構成を有する。以下、携帯端末2a、携帯端末2bに共通の機能を説明する場合には「携帯端末2」と記載し、同じ符号を用いて説明する場合がある。
【0029】
送受信部21は、LAN3上のデバイスと各種データの送受信を行う。
記憶部22は、携帯端末のOS(Operating System)やウェブブラウザなどのアプリケーションプログラムが記憶されている。制御部23は、記憶部22に記憶されるプログラムを実行し、携帯端末2全体を制御する。
【0030】
UI部24はタッチパネルを備え、ホーム画面やウェブブラウザ画面などを表示する。タッチパネルに表示されている画面にボタンが表示されている場合、UI部24はタップの検出が可能である。また、UI部24はホームキーを備え、ホームキーが押下されることでタッチパネルにホーム画面が表示される。ホーム画面では、ウェブブラウザなどのアプリケーションの選択ができる。タッチパネルの画面表示やタップ検出、ホームボタンの押下検出は、制御部23の制御の下に行われる。
【0031】
携帯端末2にはカメラ25が搭載される。携帯端末2は、制御部23の制御の下、カメラ25で読み取った二次元コード(例えばQRコード(登録商標))等のコードを読み取る機能を有していてもよい。携帯端末2にて二次元コード等の読み取りが可能な場合は、二次元コード等から得られたURL情報を使ってURL先にアクセスすることができる。
【0032】
<全体の処理フロー>
図6は、携帯端末2aからスキャナー1を利用する場合の一連の処理の流れを説明するフローチャートである。
スキャナー1に電源が投入されると、スキャナー1の制御部13は、UI部14の表示パネルに、図7のようなメニュー画面100を表示する。
【0033】
図7は、スキャナー1のメニュー画面100の一例を示す図である。
図7に示すメニュー画面100におけるメニューの項目としては、「ウェブアプリモード」、「本体設定」の2つが存在する。ユーザーは、UI部14の上キー、下キーを押して、いずれかの項目を選択し、OKキーを押すことで項目を決定することができる。
【0034】
このメニュー画面100で「ウェブアプリモード」が選択されると、スキャナー1は、図6のステップS1000に続くウェブアプリモードを開始する。一方、「本体設定」が選択されると、本体設定に関わる項目が表示されるが、これについては説明を省略する。
【0035】
図6のステップS1000において、スキャナー1の制御部13は、ウェブアプリモードを開始すると、UI部14の表示パネルに、図8のようなURL表示画面110を表示する。
図8は、スキャナー1のURL表示画面110の一例を示す図である。この画面にはURLとURLの内容が埋め込まれた二次元コード(例えばQRコード)が表示されており、ウェブアプリモードのときは本画面がUI部14の表示パネルに表示される。
【0036】
ユーザーが携帯端末2aのウェブブラウザを起動し、UI部のタッチパネルから、スキャナー1のUI部14の表示パネルに表示されているURLを入力する。この操作に応じて、携帯端末2aの制御部23が実行するウェブブラウザは、該URLの入力を受け付け(S1001)、該URLを用いてスキャナー1にアクセスする。なお、端末装置2aにカメラが搭載され、二次元コードを読み取ることができる場合は、カメラからの二次元コード読み取りでURLの入力を代用してもよい。
【0037】
携帯端末2aからのアクセスに応じて、スキャナー1のUI提供部16は受付処理を行う(S1002)。受付処理の詳細は、後述する図16に示す。ここでは、スキャナー1において他のユーザーのスキャン処理が全て終了しているものとして説明する。すなわち、図2のように全てのセッションIDが初期値の状態として説明する。この場合、スキャナー1のUI提供部16は、図3のように、使用順「1」のセッションIDを「192.168.1.100」、スキャン処理終了フラグを「No」として記憶し、携帯端末2aからの要求を受け付ける。そして、UI提供部16は、携帯端末2aのウェブブラウザに図9のようなスキャン設定画面200を送信する。これにより、携帯端末2aのウェブブラウザ上に図9のようなスキャン設定画面200が表示される。
図9は、携帯端末に表示されるスキャン設定画面200の一例を示す図である。
【0038】
携帯端末2aのウェブブラウザは、UI部24のタッチパネルを介してスキャン設定画面200からスキャン設定を受け付ける(S1003)。ユーザーが携帯端末2aのウェブブラウザに表示されたスキャン設定画面200をUI部24のタッチパネルを介して操作し、スキャン設定を行う。図9の例では、カラーモードを「カラー」、原稿サイズを「A4」、解像度を「300dpi」とする例を示しているが、この設定に限定されるものではなく、スキャナー1の有する機能に応じて適宜スキャン設定項目・内容を追加・変更してもよい。
【0039】
そして、ユーザーが「スキャン開始」ボタン204を押下してスキャン設定を決定すると、携帯端末2aの制御部23は、S1004に処理を進める。
【0040】
S1004において、携帯端末2aの制御部23は、スキャナー1にスキャン開始リクエストを送信する。このスキャン開始リクエストには、上記S1003で受け付けたスキャン設定が含まれる。
【0041】
スキャナー1の制御部13は、送受信部15を介して上記スキャン開始リクエストを受信すると、該リクエストに含まれるスキャン設定に基づきスキャン処理を開始する(S1005)。スキャン処理の詳細は、後述する図17に示す。なお、スキャン設定画面200を端末に送信してから一定時間経過してもスキャン開始リクエストを受信しない場合には、スキャナー1の制御部13は、タイムアウトして、セッション管理テーブルにおける当該端末のセッションIDを削除し、使用順を繰り上げ、つぎのセッションIDに処理を移行するものとする。なお、スキャン設定画面200を端末に送信してからではなく、セッション管理テーブルにおける使用順「1」に当該セッションIDが記憶されてから一定時間経過した場合にタイムアウトするようにしても良い。
【0042】
また図示しないが、スキャン開始を指示した携帯端末2aは、定期的にスキャン処理の状況についてスキャナー1に問い合わせる状況確認リクエストを発行する。このリクエストに対して、スキャナー1のUI提供部16は、現在の状況を表す状況表示画面を作成し、携帯端末2aのウェブブラウザに提供する。上記スキャン開始リクエストに対応するスキャン処理が終わっていなければ、図10のようなスキャン中であることを示すスキャン中画面210を提供する。
図10は、携帯端末に表示されるスキャン中画面210の一例を示す図である。
【0043】
一方、上記スキャン開始リクエストに対するスキャン処理が終了すると、スキャナー1のUI提供部16は、図11のような継続確認画面220を携帯端末2aのウェブブラウザに送信する。これにより、ウェブブラウザに図11のような継続確認画面220が表示される。
【0044】
図11は、携帯端末に表示される継続確認画面220の一例を示す図である。
ユーザーにより継続確認画面220の「はい」ボタン221が押下された場合(S1007でYesの場合)、制御部23は、追加スキャンを行うためにS1004に処理を戻す。
【0045】
一方、「いいえ」ボタン222が押下された場合(S1007でNoの場合)、制御部23は、スキャナー1に対して、スキャン処理を継続しない旨の情報を送信する。これに応じて、スキャナー1のUI提供部16は、携帯端末2aのスキャン処理が全て終了したと判断し、対応するスキャン処理終了フラグを「Yes」に上書きする。そして、UI提供部16は、図12のような画像編集画面230を作成して、携帯端末2aのウェブブラウザに提供する(S1008)。これにより、ウェブブラウザに図12のような画像編集画面230が表示され、携帯端末2aの制御部23は、UI部24を介してスキャンした画像の編集操作を受け付ける。
【0046】
図12は、携帯端末に表示される画像編集画面230の一例を示す図である。
図12の例は、4枚の画像をスキャンしたときの画像編集画面230を表示しており、4枚のスキャン画像に対応する4つのサムネイル231、232、233、234が表示されている。画像編集画面230では、ユーザーが画像をドラッグすることで、画像の順番を入れ替えることができる。また、画像をタップすることで、図13のような詳細編集画面240が携帯装置2aのウェブブラウザに表示される。
【0047】
図13は、携帯端末に表示される詳細編集画面240の一例を示す図である。
S1009において、携帯装置2aの制御部23は、詳細編集画面240での編集操作を受け付ける。編集操作があると、携帯装置2aの制御部23は、該編集操作をスキャナー1に通知する。この通知に応じて、スキャナー1では、該通知された編集操作に応じた編集処理を行い(S1010)、編集結果を携帯装置2aに送信する。例えば、ユーザーが「90度回転」ボタン242を押下することで、現在表示されている画像を時計回りに90度回転する処理が行われる。また、「トリミング」ボタン243を押すことで画像のトリミングモードが開始され、ユーザーに選択された領域の画像にトリミング処理される。「完了」ボタン244を押すことで、詳細編集処理を終了し、携帯装置2aのウェブブラウザの画面は、画像編集画面230に遷移する。ここで、画像編集画面230において再度、画像がタップされた場合(S1011でYesの場合)、携帯端末2aは、S1009に処理を戻し、画像の編集を可能にする。
【0048】
一方、S1011でNoとなった場合のうち、画像編集画面230の「保存して終了」ボタン235が押下されたことを検知した場合には、携帯端末2aは、スキャナー1に対して、画像取得リクエストを送信する。このリクエストに応じて、スキャナー1の制御部13は、上記S1005のスキャン処理で記憶部12に記憶された画像データを、携帯端末2aに対して送信する(S1012)。これにより画像データの携帯端末2aへのダウンロードが行われる。携帯端末2aは、スキャナー1から送信された画像データを受信し、携帯端末2aの記憶部22に保存する(S1013)。なお、スキャナー1の制御部13は、携帯端末2aへのダウンロードが完了した画像データを記憶部12から消去し、ウェブアプリモードの一連の処理が終了する。この際、UI提供部16は、使用順「1」のセッションIDを削除し、使用順「2」以降のセッションIDを繰り上げる。
【0049】
また、S1011でNoとなった場合のうち、画像編集画面230の「保存せず終了」ボタン236が押下されたことを検知した場合、携帯端末2aは、保存せず終了する旨の通知をスキャナー1に対して行う。この通知に応じて、スキャナー1の制御部13は、上記S1005のスキャン処理で記憶部12に記憶された画像データを消去することが許諾されたと判断し、該画像データの保存を行わずに(記憶部12から消去し)、ウェブアプリモードの一連の処理が終了する。この際、UI提供部16は、使用順「1」のセッションIDを削除し、使用順「2」以降のセッションIDを繰り上げる。
【0050】
なお、画像編集画面230の残り時間237、又は、詳細編集画面240の残り時間245は、スキャン処理が終了してからの経過時間を所定時間から減算することにより算出される残り時間である。制御部13は、この残り時間がゼロになると、タイムアウトとなり、そのスキャン処理に対応する画像データを記憶部12から消去し、対応する端末とのセッションも終了させる。これにより、そのスキャン処理を依頼した携帯端末が電池切れやプログラムのエラーなどのトラブルにより処理が継続できなくなった場合や、ユーザーがスキャン処理後に処理を進めず放置している場合などに、そのスキャン処理の画像データが記憶部12の記憶領域を圧迫し続けることを防止できる。
【0051】
≪受付処理、スキャン処理≫
上述の説明では、携帯端末2aのみからスキャナー1にアクセスがあった場合の処理の流れを例に説明した。次に携帯端末2aがスキャナー1を利用している際に携帯端末2bからスキャナー1にアクセスがあった場合に起きる受付処理、スキャン処理の流れを説明する。
【0052】
例えば、携帯端末2aに対応する図6のステップS1003~S1007の処理を行われている間に、携帯端末2bからアクセスされると、スキャナー1のUI提供部16は携帯端末2aのスキャン処理が継続されていると判断し、携帯端末2bに対して図14のような他ユーザー使用中画面250を表示させる。なお、セッション管理テーブルを参照し使用順「1」のセッションのスキャン処理が「No」になっていることから他の携帯端末のスキャン処理が継続されていると判断しても良い。この他ユーザー使用中画面は、自分以外に複数人の待ちが発生しているときでも対応でき、その場合は、図15のような待ち人数が表示される画面260を表示させてもよい。待ち人数の計算は、UI提供部16のセッション管理テーブルを参照することで行える。例えば、アクセスしてきた端末のセッション管理テーブルにおける使用順よりも前の順番の端末のうちスキャン処理終了フラグが「Yes」でない端末の数が待ち人数となる。
図14図15は、携帯端末に表示される他ユーザー使用中画面の一例を示す図である。
【0053】
以下、受付処理の流れについてフローチャートを用いて説明する。
図16は、本実施形態の受付処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、スキャナー1のUI提供部16がUI提供部16内の図示しない記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0054】
スキャナー1に対して端末(ここでは携帯端末2bとする)からアクセスがあると、スキャナー1のUI提供部16は、携帯端末2bのIPアドレスがセッション管理テーブルで管理されていない場合にはセッション管理テーブルのセッションIDに追加する。セッション管理テーブルに変化があると、UI提供部16は、本フローチャートの処理を開始する。
【0055】
まず、UI提供部16は、他ユーザーのスキャン処理が全て終了したか判定する(S3000)。この判定は、UI提供部16がセッション管理テーブルを参照することで可能である。この判定では、アクセスしてきた端末のセッション管理テーブルにおける使用順が「1」の場合又はアクセスしてきた端末の使用順よりも前の順番の端末のスキャン処理終了フラグがすべて「Yes」の場合には、他ユーザーのスキャン処理が全て終了していると判定し、そうでない場合には他ユーザーのスキャン処理が継続していると判定する。
【0056】
他ユーザーのスキャン処理が全て終了していると判定した場合(S3000でYesの場合)、UI提供部16は、S3001に処理を進める。
S3001において、UI提供部16は、携帯端末2bのセッション管理テーブルにおけるスキャン処理終了フラグを「No」に上書きし、スキャン設定画面200を作成し、携帯端末2bに対して提供(送信)する。この場合、UI提供部16の以降の処理は後述するスキャン処理に合流する。
【0057】
一方、他ユーザーのスキャン処理が継続していると判定した場合(S3000でNoの場合)、UI提供部16は、S3002に処理を進める。
S3002において、UI提供部16は、他ユーザー使用中画面250(又は260)を作成し、携帯端末2bに対して提供(送信)する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のスキャナー1は、要求を受け付けた端末(例えば携帯端末2a)のスキャン処理が全て終了するまでは、該スキャン処理の要求元とは異なる端末(例えば携帯端末2b)からの要求を受け付けず、前記要求を受け付けたスキャン処理が全て終了した場合には、該要求を受け付けた端末の編集処理や転送処理の実行中であっても他の端末からの要求を受け付けることができる。
【0059】
次に、携帯端末2aに対応する図6のステップS1008~S1012の処理が行われている間に、携帯端末2bからアクセスされた場合、スキャナー1は、携帯端末2aの編集処理または保存処理の実行中であり、これらの処理に並行して携帯端末2bのスキャン処理を行うことができると判断する。なお、セッション管理テーブルを参照し使用順「1」のセッションのスキャン処理が「Yes」になっていることから他の携帯端末のスキャン処理が完了し、編集処理または保存処理の実行中であると判断しても良い。以下、本実施形態のスキャン処理の流れを説明する。
【0060】
図17は、本実施形態のスキャン処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、スキャナー1の制御部13が記憶部12又は制御部13内の図示しない記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。なお、後のユーザーのスキャン処理は、前のユーザーの編集処理又は転送処理と並行して実行可能である。上述の例で説明すると、携帯端末2bのスキャン処理は、携帯端末2aの編集処理や転送処理と並行して実行可能である。
【0061】
携帯端末2bからのスキャン開始リクエストを受信すると、スキャナー1の制御部13は、本フローチャートの処理を開始する。まずステップS2000において、制御部13は、上記受信したスキャン開始リクエストに対応するスキャン処理を開始する(S2000)。
【0062】
次にステップS2001において、制御部13は、記憶部12に画像データを記憶可能な空きがあるかどうかを判定する。この判定では、スキャン設定から計算された画像データのサイズと記憶部12の空きサイズを比較し、空きサイズが画像データのサイズ以上の場合に、空きがあると判定し、それ以外の場合に空きがないと判定する。記憶部12に画像データを記憶するための空きがある場合(S2001でYesの場合)、制御部13は、ステップS2002に処理を進め、スキャンを実行する。これにより、不図示の原稿トレイから搬送された一枚の原稿が読み取られ、生成される画像データが記憶部12に記憶される。
【0063】
一方、上記S2001において、記憶部12に画像データを記憶可能な空きがない場合(S2001でNoの場合)、制御部13は、記憶部12に画像データを記憶可能な空きができるまで待機する。この待機中、携帯端末2bから定期的に発行される状況確認リクエストに対して、UI提供部16は、携帯端末2bに、図18のような、記憶領域が不足している状況を示す記憶領域不足画面270を提供する。これにより、携帯端末2bのウェブブラウザに記憶領域不足画面270が表示され、携帯端末2bのユーザーに、スキャナー1の記憶領域が不足しているため、他のユーザーの処理完了待ちであることを通知することができる。
図18は、携帯端末に表示される記憶領域不足画面270の一例を示す図である。
【0064】
記憶部12に記憶されている画像データは、図6のS1011で携帯端末(上述の例では携帯端末2a)に画像データが転送されることに応じて、制御部13により消去される。また、記憶部12に記憶されている画像データは、図12の残り時間237又は図13の残り時間245が経過したこと(タイムアウト)に応じて、制御部13により消去される。また、記憶部12に記憶されている画像データは、管理者(例えばUI部14から行われる所定の認証方法により管理者として認証されたユーザー)からの指示に応じて、制御部13により消去される。例えば携帯端末の電池切れ等のような何らかのアクシデント等により原稿読み取り処理が完了する前にウェブアプリケーション等が終了・中断されてしまってスキャンセッションが正常に終了されなかったとしても、タイムアウト、又は、タイムアウトを待つことなく管理者等が強制終了させることにより、別の端末からスキャナー1を使用することを可能にすることができる。これらにより、記憶部12に画像データを記憶可能な空きができると、制御部13は、ステップS2002に処理を進める。
【0065】
S2002のスキャンが完了すると、制御部13は、S2003に処理を進める。
ステップS2003では、制御部13は、不図示の原稿トレイに原稿があるか否かを判定する。原稿トレイに原稿がある場合(S2003でYesの場合)、制御部13は、ステップS2001に処理を戻す。
【0066】
一方、原稿トレイに原稿がない場合(S2003でNoの場合)、制御部13は、ステップS2004に処理を進める。S2004では、制御部13は、上記受信したスキャン開始リクエストに対応するスキャン処理を終了し、本フローチャートの処理を終了する。なお、この時点では、携帯端末2bのスキャン処理は継続される可能性があり、上述した図16のS3000においては、「携帯端末2bのスキャン処理が全て終了した」とは判定されない。
【0067】
なお、上記S2001の説明では、スキャン設定から計算された画像データのサイズと記憶部12の空きサイズを比較し、空きがある場合にはS2002に処理を進めてスキャンを実行し、空きがない場合にはS2010に処理を進めスキャンを中断するものとして説明した。しかし、スキャン設定から計算された画像データのサイズと記憶部12の空きサイズを比較する構成に限定されるものではない。例えば、ラインセンサによるスキャン実行時に、1ラインの画像データを記憶部12に記憶可能な場合にS2002に処理を進めてスキャンを実行し、1ラインの画像データを記憶不可能な場合にスキャンを中断するものとしてもよい。
【0068】
以上により、携帯端末2aに対応する編集処理または保存処理が行われている間に、携帯端末2bのスキャン処理を並行して行うことができる。また、携帯端末2bのスキャン処理により生成される画像データを記憶可能な記憶領域が不足している場合は、該記憶領域が空くまで、携帯端末2bに対応するスキャン処理を中断する。これにより、効率的にスキャナー1を稼働させることが可能となる。
【0069】
なお、本実施形態では、携帯端末2a、2bにインストールされているウェブブラウザを用いてスキャナー1にアクセスし、スキャナー1を利用する構成について説明した。しかし、携帯端末2a、2bにスキャナー1のスキャンアプリケーションをインストールして、スキャンアプリケーションを用いてスキャナー1を利用する構成でもよい。また、携帯端末2a、2bからウェブブラウザを用いてスキャナー1にアクセスして、スキャナー1からスキャンアプリケーションをダウンロードして利用する構成でもよい。
【0070】
なお、残り時間237又は245によりタイムアウトとする構成について説明した。しかし、スキャン中にジャムなどのエラーが発生した場合、ユーザーがエラーを解消している間にタイムアウトしてしまい、スキャナー1の使用権限が他の端末に移行してしまう可能性がある。このような場合、ジャムを解消したユーザーは、上記他の端末のユーザーがスキャンを終了するまで待機する必要があり、そのスキャン作業をすみやかに完了することができなくなる。そこで、例えば携帯端末2aからスキャナー1を利用していた場合にジャム等のエラーが発生した場合には、エラー解消(例えば搬送路の開放状態が閉成状態に遷移した)後にスキャンを継続するか否かを確認するための画面(「継続する」ボタン、「終了する」ボタンを有する)を、スキャナー1から携帯端末2aに送信する。そして、携帯端末2aにおいて「継続する」ボタンが選択されたことを確認した場合には、スキャナー1はそのスキャンのセッションを継続しタイムアウトしないように制御してもよい。その場合、その時点でタイマーをリセットすることが好ましい。一方、携帯端末2aにおいて「終了する」ボタンが選択された場合、又は、一定時間経過しても「継続する」又は「終了する」のいずれのボタン選択もなかったことを確認した場合には、スキャナー1はそのスキャンのセッションを継続しタイムアウトするように制御する。
【0071】
ただし、ハードウェアエラーのように、処理が再開されないと予測されるエラーの場合には、そのスキャンのセッションを終了させるようにしてもよい、このように、発生したエラーの種類に応じて処理を切り換えるように制御してもよい。また、エラーの種類に応じて、タイムアウト時間を変更するようにしてもよい。例えば、ステープル検知エラーの場合、処理の再開まで時間がかかることが予測されるため、タイムアウト時間を通常のタイムアウト時間よりも長く設定するようにしてもよい。なお、ステープル検知エラーは、原稿の搬送路に設けられた図示しないセンサにより原稿の跳ね上がりを検知したり、図示しない金属センサによりステープル針を検知することにより検知可能である。
【0072】
以上のように、スキャン中にジャム(原稿詰まり)などのエラーが発生したとしても、現在の端末とのセッション確立を継続し、タイムアウトの防止等をすることで、ユーザーにスキャン作業(原稿読み取り作業)を完結させることができる。
【0073】
また、上記各実施形態において、スキャンセッションIDとしてIPアドレスを用いる例について説明したが、例えば、端末のデバイスの名称、IPアドレスなどの端末に関する他の情報を用いて特定のルールを用いて生成してもよい。
【0074】
以上、画像読取装置を例に説明したが、画像読取装置以外の周辺装置であってもよい。画像読取装置の場合、前段処理(第1処理)はスキャン処理、後段処理(第2処理)は編集処理および転送処理であったが、他の周辺装置の場合、前段処理と、該前段処理の後に実行される該前段処理に関連する後段処理であればよい。なお、前段処理により生成されて記憶部12に記憶されたデータは、該前段処理に関連する後段処理が終了した場合に記憶部12から消去されるものとする。なお、画像読取装置の場合、後段処理として編集処理と転送処理を行うものとして説明したが、編集処理を有さないものであっても良い。また、転送処理において、転送先を指定できるように構成しても良く、その場合にも編集処理と同様にタイムアウト時間などが設定されていても良い。
【0075】
以上、前のユーザーの前段処理後に、すみやかに次のユーザーの前段処理を行えるようにすることができる。また、端末側のバッテリー無しやエラー等の発生により前のユーザーのデータが記録領域を圧迫し続けることを防止することができる。したがって、周辺装置の稼働率を向上し、生産性の向上につなげることができる。
【0076】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0077】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 スキャナー
2a、2b 携帯端末
3 LAN
11 画像読取部
12 記憶部
13 制御部
16 UI提供部
図1
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