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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】熱交換器および空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/00 20060101AFI20241129BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
F28F9/00 331
F28D1/053 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020192878
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022081720
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 敬三
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-146223(JP,A)
【文献】特開2007-024334(JP,A)
【文献】国際公開第95/008089(WO,A1)
【文献】特開2001-099592(JP,A)
【文献】特開2008-020085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/00-9/26
F28D 1/00-1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に配列された複数の第1伝熱管および、前記複数の第1伝熱管に接続された複数の第1フィンを有する第1熱交換器コアと、
前記複数の第1伝熱管それぞれの一端に接続され、前記複数の第1伝熱管それぞれに冷媒を流す第1ヘッダと、
前記複数の第1伝熱管それぞれの他端に接続され、前記複数の第1伝熱管それぞれから冷媒が流れ込む第2ヘッダと、
前記複数の第1伝熱管のうちの配列方向の端にある第1伝熱管の延在方向に延びると共に、該第1伝熱管に沿って配置され、該第1伝熱管を補強する補強部材と、
を備え、
前記第1ヘッダと前記第2ヘッダの少なくとも一方は、第1突起を有し、
前記補強部材は、前記一方向に板面を向け、前記延在方向へ延びる平面部と、該平面部の、前記一方向と前記延在方向とに垂直な方向の両端それぞれから前記一方向へ起立する2つの起立壁とを有し、
前記2つの起立壁それぞれの、前記延在方向の端部は、前記平面部よりも前記延在方向へ突出し、前記第1ヘッダと前記第2ヘッダの少なくとも一方を挟み込み、さらに、前記2つの起立壁それぞれの、前記延在方向の端面から内側かつ前記延在方向の反対側へ向かって凹んで、前記第1突起が嵌まった凹みを有し、
前記第1ヘッダと前記第2ヘッダの少なくとも一方は、前記第1突起が前記凹みの内部で前記延在方向へスライド可能であることにより、前記補強部材を、前記延在方向にスライド可能に保持する熱交換器。
【請求項2】
前記2つの起立壁は、前記起立壁同士の間に向かって延び、前記第1ヘッダと前記第2ヘッダの少なくとも一方の端部が当接して掛止する掛止部をそれぞれ有し、
前記補強部材は、前記平面部の前記延在方向の端部から前記2つの起立壁が起立する方向へ延びて、前記第1ヘッダと前記第2ヘッダの少なくとも一方の端部に当接する壁部を有する、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記補強部材は、第2突起を有し、
前記第1ヘッダと前記第2ヘッダの少なくとも一方は、前記第1伝熱管の延在方向に平行に延びる先端を備え、該先端が前記第2突起に引っ掛かる第2鈎状部を有する、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1ヘッダと前記第2ヘッダは、前記複数の第1伝熱管の配列方向に延在し、
前記第2鈎状部は、前記第1ヘッダと前記第2ヘッダの少なくとも一方の、延在方向の端面に形成され、該端面から内側に向かって凹んだ凹みの形状を有する、
請求項に記載の熱交換器。
【請求項5】
一方向に配列された複数の第1伝熱管および、前記複数の第1伝熱管に接続された複数の第1フィンを有する第1熱交換器コアと、
前記複数の第1伝熱管それぞれの一端に接続され、前記複数の第1伝熱管それぞれに冷媒を流す第1ヘッダと、
前記複数の第1伝熱管それぞれの他端に接続され、前記複数の第1伝熱管それぞれから冷媒が流れ込む第2ヘッダと、
前記複数の第1伝熱管のうちの配列方向の端にある第1伝熱管の延在方向に延びると共に、該第1伝熱管に沿って配置され、該第1伝熱管を補強する補強部材と、
前記一方向に配列され、一端に前記第2ヘッダが接続されて前記第2ヘッダから冷媒が流れ込む複数の第2伝熱管および、前記複数の第2伝熱管に接続された複数の第2フィンを有し、前記第1熱交換器コアの風下側に配置された第2熱交換器コアと、
前記複数の第2伝熱管それぞれの他端に接続され、前記複数の第2伝熱管それぞれから冷媒が流れ込む第3ヘッダと、
を備え、
前記第1ヘッダと前記第2ヘッダの少なくとも一方は、前記補強部材を、前記補強部材が延在する方向にスライド可能に保持し、
前記補強部材は、前記第2ヘッダと前記第3ヘッダに接合されている熱交換器。
【請求項6】
請求項1からのいずれか1項に記載の熱交換器を備える空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は熱交換器および空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器には、一方向に配列された複数の伝熱管のうち、その末端にある伝熱管に沿って補強プレートを備えるものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、両端に形成された折り曲げ部と、それら折り曲げ部それぞれに形成され、伝熱管が嵌め込まれると共に伝熱管が接合された切欠部と、が設けられた補強プレートを備える熱交換器が開示されている。
【0004】
特許文献2には、伝熱管の両端それぞれが嵌挿されたチューブプレートに固定されると共に、伝熱管に沿って配置された補強プレートを備える熱交換器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭62-153691号公報
【文献】特開2006-52866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
熱交換器では、空気調和装置に組み込まれ、その空気調和装置が冷暖房運転をする場合に、伝熱管を流れる冷媒が高温になることがある。その結果、伝熱管が熱膨張してしまうことがある。
【0007】
この場合、特許文献1に記載の熱交換器では、伝熱管の両端それぞれが補強用のプレート両端それぞれの切欠部に接合されている。このため、伝熱管と補強用のプレートに熱応力が発生してしまうことがある。その結果、熱応力が降伏点を超えることにより熱交換器が破壊されたり、冷熱の繰り返しによって熱交換器に疲労破壊が発生したりすることがある。
【0008】
また、特許文献2に記載の熱交換器では、伝熱管の両端それぞれがチューブプレートそれぞれに固定され、さらに、チューブプレートそれぞれが補強用のプレートに固定されている。このため、特許文献2に記載の熱交換器でも熱応力が発生してしまい、その結果、熱交換器が破壊されてしまうことがある。
【0009】
本開示は上記の課題を解決するためになされたもので、熱応力による破壊が防止された熱交換器および空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本開示に係る熱交換器は、第1熱交換器コア、第1ヘッダ、第2ヘッダおよび、補強部材を備える。第1熱交換器コアは、一方向に配列された複数の第1伝熱管および、複数の第1伝熱管に接続された複数の第1フィンを有する。また、第1ヘッダは、複数の第1伝熱管それぞれの一端に接続され、複数の第1伝熱管それぞれに冷媒を流す。第2ヘッダは、複数の第1伝熱管それぞれの他端に接続され、複数の第1伝熱管それぞれから冷媒が流れ込む。さらに、補強部材は、複数の第1伝熱管のうちの配列方向の端にある第1伝熱管の延在方向に延びると共に、第1伝熱管に沿って配置され、第1伝熱管を補強する。また、第1ヘッダと第2ヘッダの少なくとも一方は、第1突起を有する。さらに、補強部材は、一方向に板面を向け、延在方向へ延びる平面部と、平面部の、一方向と延在方向とに垂直な方向の両端それぞれから一方向へ起立する2つの起立壁とを有する。2つの起立壁それぞれの、延在方向の端部は、平面部よりも延在方向へ突出し、第1ヘッダと第2ヘッダの少なくとも一方を挟み込み、さらに、2つの起立壁それぞれの、延在方向の端面から内側かつ延在方向の反対側へ向かって凹んで、第1突起が嵌まった凹みを有する。そして、第1ヘッダと第2ヘッダの少なくとも一方は、第1突起が凹みの内部で延在方向へスライド可能であることにより、補強部材を、延在方向にスライド可能に保持する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の構成によれば、補強部材が第1伝熱管の延在方向に延び、第1ヘッダと第2ヘッダの少なくとも一方が、その補強部材を、補強部材が延在する方向にスライド可能に保持する。このため、補強部材が第1伝熱管を延在方向に拘束しない。その結果、第1伝熱管と第1ヘッダおよび第2ヘッダの接合部および第1伝熱管に熱応力が発生しにくい。その結果、熱交換器の熱応力による破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施の形態1に係る熱交換器を備える空気調和装置の室外機の斜視図
図2】本開示の実施の形態1に係る熱交換器を備える空気調和装置の室外機のブロック図
図3】本開示の実施の形態1に係る熱交換器の斜視図
図4】本開示の実施の形態1に係る熱交換器の上部の拡大斜視図
図5】本開示の実施の形態1に係る熱交換器が備える熱交換器コアの概念図
図6】本開示の実施の形態1に係る熱交換器の右側面部の拡大斜視図
図7】本開示の実施の形態1に係る熱交換器が備えるサイドプレートの上端部の拡大斜視図
図8】本開示の実施の形態2に係る熱交換器の下部の拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態に係る熱交換器および空気調和装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、熱交換器が備える伝熱管の延在方向を上下方向に向け、それら伝熱管が接続されるヘッダの延在方向を左右方向に向けたときの、左右方向がX軸、前後方向がY軸、X軸とY軸とに直交する方向がZ軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
【0014】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る熱交換器は、空気調和装置の室外機に用いられる熱交換器である。この熱交換器では、熱応力がかかることを防ぐため、サイドプレートが、伝熱管の延在方向にスライド可能に設けられている。
【0015】
まず、図1および図2を参照して、空気調和装置の室外機の構成について説明する。
【0016】
図1は、実施の形態1に係る熱交換器1Aを備える空気調和装置の室外機100の斜視図である。図2は、室外機100のブロック図である。
【0017】
図1に示すように、空気調和装置の室外機100は、いわゆるトップフロー型の室外機である。室外機100は、筐体110と、筐体110の上に載置されたベルマウス120と、を備える。
【0018】
筐体110は、直方体の箱の形状に形成されている。そして、その内部には、図2に示す圧縮機131、四方弁132、アキュムレータ133、熱交換器1A等の室外機100の部品が収容されている。
【0019】
ここで、圧縮機131は、冷媒を圧縮する部品である。四方弁132は、冷媒の流れを切り換える部品である。アキュムレータ133は、冷媒の液体部分を貯めて、気体部分を分離する部品である。熱交換器1Aは、冷媒を空気と熱交換させる部品である。
【0020】
これらの室外機100に収容された部品は、室内機200に接続されている。そして、これらの部品は、圧縮機131、四方弁132、熱交換器1A、室内機200、アキュムレータ133の順序で接続されている。これにより、これらの部品は、冷媒を循環させる冷媒回路を形成している。この冷媒回路では、四方弁132が冷媒の流れを切り換える。その結果、空気調和装置は、室内の空気を冷房または暖房する。
【0021】
詳細には、四方弁132が一方向に切り換えられると、冷媒は、矢印Aに示す方向へ流れる。冷媒は、圧縮機131で高温高圧の気体にされた後、熱交換器1Aに供給される。そして、冷媒は、熱交換器1Aで室外の空気と熱交換をして冷却され、続いて、図示しない膨張弁で膨張されて圧力が下げられ、低温の液体に変化する。その後、冷媒は、室内機200の熱交換器で室内の空気の熱を吸収する。その結果、空気調和装置は、室内を冷房する。冷媒は、その後、圧縮機131に戻る。
【0022】
これに対して、四方弁132がこの状態から切り換えられると、冷媒は逆方向に流れる。冷媒は、圧縮機131から室内機200の熱交換器へ流れ、その熱交換器で室内の空気に放熱する。その結果、空気調和装置は、室内を暖房する。続いて、冷媒は、図示しない膨張弁で膨張されて低温の液体に変化し、その後、室外機100の熱交換器1Aで室外の空気と熱交換をし、圧縮機131に戻る。
【0023】
このように、室外機100に収容された部品では、四方弁132の切り換えにより、冷媒の流れが変化する。以下、理解を容易にするため、空気調和装置が冷房動作をしているときの冷媒の流れを例に説明する。
【0024】
図1に戻って、筐体110の上面部111には、上述した部品が空気調和をするための空気を筐体110に取り込むため、ベルマウス120が設けられている。
【0025】
ベルマウス120は、図示しないが、筐体110の上面部111に形成された開口と繋がっている。そして、ベルマウス120の内部には、図2に示す送風機134が配置されている。ベルマウス120は、その送風機134が動作することにより、内部の空気を外へ排出する。これにより、ベルマウス120は、図1に示す筐体110内部の空気を吸い込み、その空気を筐体110の上部へ排出する。
【0026】
一方、筐体110の正面部112には、図示しないが通気口が開口している。これにより、上記のベルマウス120内の送風機134によって、正面部112から空気が吸い込まれる。その正面部112には、図1に示すように、吸い込まれた空気と熱交換をする熱交換器1Aが配置されている。続いて、図3および図4を参照して、熱交換器1Aの構成について説明する。
【0027】
図3は、熱交換器1Aの斜視図である。図4は、熱交換器1Aの上部の拡大斜視図である。図5は、熱交換器1Aが備える熱交換器コア20、30の概念図である。なお、図4では、理解を容易にするため、右上部を切断した熱交換器1Aを図示している。
【0028】
図3に示すように、熱交換器1Aは、冷媒が流出入するヘッダ11-13と、それらヘッダ11-13に接合された熱交換器コア20、30と、熱交換器コア20、30を補強するサイドプレート40、50を備える。
【0029】
ヘッダ11と13は、熱交換器コア20、30に冷媒を分配する、または熱交換器コア20、30からの冷媒を集約する部品である。ヘッダ11と13は、水平に延在する四角筒状の流路を有する。そして、ヘッダ11と13は、互いに前後方向に隣接する状態に配置されている。
【0030】
ヘッダ11は、図2に示す圧縮機131と図示しない冷媒管によって接続されている。そして、その圧縮機131から冷媒の供給を受ける。一方、熱交換器コア20は、図4に示すように、多数の伝熱管21を備える。ヘッダ11は、これら伝熱管21に接続されている。これにより、ヘッダ11は、圧縮機131から供給された冷媒をこれら伝熱管21に分配する。
【0031】
熱交換器コア20は、図5に示すように、上述した多数の伝熱管21を備える。また、熱交換器コア20は、伝熱管21それぞれに接続されたフィン22を備える。
【0032】
伝熱管21それぞれは、図4に示すように、上下方向に延在している。そして、左右方向に配列している。伝熱管21それぞれの下端は、図示しないが、ヘッダ11に接続されている。これにより、伝熱管21それぞれは、ヘッダ11から冷媒を受け入れる。伝熱管21それぞれは、図5に示すフィン22に冷媒の熱を伝え、フィン22が外気に触れることにより、その熱を放出する。これにより、伝熱管21それぞれは、冷媒の熱を冷却する。一方、伝熱管21それぞれの上端は、図4に示すように、ヘッダ12に接続されている。
【0033】
ヘッダ12は、熱交換器コア20と30の間に冷媒を流通させるための部品である。ヘッダ12には、上述したように、熱交換器コア20の伝熱管21それぞれの上端が接続されている。一方、熱交換器コア30も、熱交換器コア20と同様に、上下方向に延在する多数の伝熱管31を有する。ヘッダ12には、その熱交換器コア30の伝熱管31それぞれの上端が接続されている。ヘッダ12は、水平方向に延在する四角筒の形状を有し、その内部に、図示しないが、リターン管として機能する流路が設けられている。ヘッダ12は、熱交換器コア20の伝熱管21から流れ込む冷媒を熱交換器コア30の伝熱管31へ流す。
【0034】
熱交換器コア30は、図4に示すように、上下方向に延在し、かつ左右方向に配列する、上述した多数の伝熱管31を備える。また、熱交換器コア30は、図5に示すように、伝熱管31それぞれに設けられたフィン32を備える。
【0035】
熱交換器コア30の伝熱管31は、図5に示すように、熱交換器コア20の伝熱管21の背面側に配置されている。また、熱交換器コア30のフィン32も、熱交換器コア20のフィン22の背面側に配置されている。図1に示す室外機100では、正面側は、空気を吸い込まれる側、換言すると、風上側である。熱交換器コア30の伝熱管31とフィン32は、風下側で、冷媒から伝わった熱を外気に放出する。これにより、冷媒を冷却する。伝熱管31の下端は、図3に示すヘッダ13に接続され、冷却された冷媒は、ヘッダ13に排出される。
【0036】
ヘッダ13は、図2に示す室内機200の熱交換器に接続されている。ヘッダ13は、熱交換器コア30の伝熱管31それぞれから冷媒を集め、集めた冷媒を室内機200の熱交換器に供給する。
【0037】
一方、図3に示すように、熱交換器コア20、30の右側面部には、熱交換器コア20、30の最も右に配列された伝熱管21、31を保護するため、サイドプレート40が設けられている。また、それらの左側面部には、熱交換器コア20、30の最も左に配列された伝熱管21、31を保護するため、サイドプレート50が設けられている。
【0038】
サイドプレート40は、図4に示すように、上面視逆コの字状に折り曲げられたプレートの形状を有する。詳細には、サイドプレート40は、前後方向に延在する平面部41と、平面部41の前端側と後端側で、プレートが直角に折り曲げられた形状の起立壁42F、42Bと、を有する。
【0039】
平面部41は、熱交換器コア20、30の最も右に配列された伝熱管21、31を右側から覆って、それら伝熱管21、31を保護する。これに対して、起立壁42F、42Bには、図3に示すように、ネジを通すための貫通孔43F、43Bが形成されている。貫通孔43F、43Bには、図1に示す筐体110に取り付けられるネジが通される。これにより、起立壁42F、42Bは、筐体110に固定される。
【0040】
なお、図示しないが、サイドプレート50は、サイドプレート40と左右対称であることを除いて、サイドプレート40と同様の構成である。このため、サイドプレート50の構成の説明を省略する。
【0041】
図3に戻って、サイドプレート40、50の上端は、ヘッダ12と隣接している。また、サイドプレート40、50の下端は、ヘッダ11、13と隣接している。そこで、熱交換器1Aの強度を高めるため、サイドプレート40、50をヘッダ11-13に接合することが考えられる。
【0042】
しかし、上述したように、熱交換器1Aには、空気調和装置の冷房運転時に、圧縮機131から高温高圧の冷媒が供給される。このため、ヘッダ11とその近傍にある伝熱管21の下端部分は、高温となりやすく、その結果、伝熱管21が熱膨張してしまうことがある。
【0043】
このような場合に、伝熱管21の下端と上端がヘッダ11と12に接合されているとすると、冷房運転時に伝熱管21とサイドプレート40、50に熱応力が発生してしまう。その結果、発生した熱応力が降伏点を超えてしまうと、伝熱管21とサイドプレート40、50が破損してしまう。また、冷熱を繰り返すことにより、伝熱管21とサイドプレート40、50に疲労破壊が発生するおそれもある。
【0044】
そこで、熱応力による破壊を防止するため、サイドプレート40、50は、ヘッダ11-13に、伝熱管21が延びる方向の上下方向へスライド可能に保持されている。次に、図6および図7を参照して、サイドプレート40、50の構成について説明する。
【0045】
図6は、熱交換器1Aの右側面部の拡大斜視図である。図7は、熱交換器1Aが備えるサイドプレート40の上端部の拡大斜視図である。
【0046】
図6に示すように、サイドプレート40は、起立壁42F、42Bの右端に形成された掛止部44F、44Bと、起立壁42F、42Bの上端に形成された凹み45F、45Bと、を有する。
【0047】
掛止部44F、44Bそれぞれは、図7に示すように、左右方向に垂直な平板かつ矩形の形状に形成されている。そして、掛止部44F、44Bそれぞれは、起立壁42F、42Bの右端の上端側に配置されている。掛止部44F、44Bそれぞれは、その起立壁42F、42Bの右端の上端側から起立壁42Fと42Bの間に向かって延びている。詳細には、掛止部44Fは、起立壁42Fから後方へ延びている。また、掛止部44Bは、起立壁42Bから前方へ延びている。なお、掛止部44F、44Bの下には、平面部41から右側に水平に延在する水平壁46が設けられている。
【0048】
これに対して、ヘッダ12は、図6に示すように、四角筒状に形成され、その右端部は、サイドプレート40の上にまで延在している。そして、ヘッダ12の右端部は、起立壁42F、42Bの間に差し込まれている。その上下方向の位置、すなわち、ヘッダ12の右端部のZ座標は、ヘッダ12の底がサイドプレート40の水平壁46に当接することにより、決められている。
【0049】
掛止部44F、44Bは、この状態で、ヘッダ12の右側の端面と当接している。これにより、掛止部44F、44Bは、ヘッダ12の左右方向の位置、すなわち、ヘッダ12のX座標を決めている。
【0050】
一方、凹み45F、45Bそれぞれは、図7に示すように、起立壁42F、42Bそれぞれの上端に形成されている。その形状は、起立壁42F、42Bそれぞれの上端から下に矩形に凹んだ形状である。
【0051】
これに対して、ヘッダ12の右端側には、図6に示すように、突起121F、121Bが形成されている。詳細には、ヘッダ12は、上述したように、起立壁42F、42Bの間に差し込まれている。ヘッダ12の前後方向の幅は、起立壁42F、42Bの前後方向の距離と同じである。これにより、ヘッダ12の正面壁122Fと背面壁122Bは、起立壁42Fと42Bに当接している。その正面壁122Fの、凹み45Fと前後方向に重なる領域に突起121Fが形成されている。また、背面壁122Bの、凹み45Bと前後方向に重なる部分に突起121Bが形成されている。
【0052】
突起121F、121Bは、直方体状の形状に形成されている。そして、矩形状の先端面を前方と後方に向けている。突起121F、121Bの先端面の左右方向の幅は、矩形状の凹み45F、45Bの左右方向の幅と嵌め込み可能な程度に実質的に同じである。また、突起121F、121Bの先端面の上下方向の長さは、凹み45F、45Bの上下方向の長さよりも小さい。これにより、突起121F、121Bは、凹み45F、45Bに嵌め込み可能な形状を有する。
【0053】
また、突起121F、121Bの前後方向の長さは、起立壁42F、42Bの厚みよりも大きい。そして、突起121F、121Bは、凹み45F、45Bに嵌められている。その結果、突起121F、121Bは、凹み45F、45Bの内部空間を通って、凹み45F、45Bの外側に突出している。そして、凹み45F、45Bの内壁を引っ掛けている。これにより、ヘッダ12は、サイドプレート40を保持している。
【0054】
また、上述したように、突起121F、121Bの先端面の上下方向の長さは、凹み45F、45Bの上下方向の長さよりも小さい。このため、突起121F、121Bは、凹み45F、45Bに嵌められた状態で、凹み45F、45B内で上下方向にスライド可能である。そして、突起121F、121Bは、右面と左面それぞれが凹み45F、45Bの内壁に接しているので、静止摩擦力または動摩擦力を超える力が加わったときにスライド可能である。そのスライド可能な距離は、凹み45F、45Bの上側が開放されているので、凹み45F、45Bの上下方向の長さと同じである。これにより、熱交換器コア20、30の伝熱管21、31が熱膨張して、ヘッダ12が上下方向の位置が変化したとしても、突起121F、121Bが凹み45F、45B内を上下方向にスライドする。その結果、サイドプレート40は、ヘッダ12の上下方向への変動を吸収することができる。
【0055】
このように、ヘッダ12は、サイドプレート40によって上下方向に拘束されない。これにより、ヘッダ12とヘッダ12に接合された伝熱管21、31に熱応力がかからない。また、これらの接合部に熱応力がかからない。その結果、ヘッダ12と伝熱管21、31の熱応力による破壊を防ぐことができる。
【0056】
また、突起121F、121Bが凹み45F、45B内を上下方向にスライドすることができる結果、サイドプレート40がヘッダ12によって上下方向に拘束されない。これにより、サイドプレート40に熱応力がかからない。その結果、サイドプレート40の熱応力による破壊を防ぐことができる。
【0057】
図示しないが、サイドプレート40の下端側は、ヘッダ11、13それぞれの右端部と接合されている。その接合手段は、例えば、ろう付けである。しかし、上記のように、サイドプレート40の上端側は、ヘッダ12に上下方向に拘束されていない。このため、伝熱管21、31とサイドプレート40に熱応力がかからず、熱応力による破壊が防がれている。
【0058】
なお、熱交換器コア20、30が備える伝熱管21、31とフィン22、32は、アルミニウム合金で作製されるとよい。そして、ろう付けにより接合されるとよい。
【0059】
また、突起121F、121Bは、サイドプレート40、50を形成する材料よりも軟質の材料、すなわち軟らかい材料で形成されているとよい。このような材料であれば、熱膨張により突起121F、121Bの位置が変動しても、その変動に追従して変形することができるからである。その結果、サイドプレート40、50を拘束しないで、熱応力を発生しにくくすることができるからである。例えば、突起121F、121Bは、樹脂材料で形成されるとよい。サイドプレート40、50が金属で形成されている場合、突起121F、121Bは、その金属よりも軟らかい軟質樹脂、例えば、合成ゴム、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)樹脂、PS(polystyrene)樹脂、AS(acrylonitrile styrene copolymer)樹脂、PC/ABS(polycarbonate/acrylonitrile butadiene styrene)アロイで例示される混合樹脂で形成されているとよい。
【0060】
以上のように、実施の形態1に係る熱交換器1Aでは、サイドプレート40、50が伝熱管21、31の延在方向になる上下方向に延在し、ヘッダ12が、サイドプレート40、50を、その上下方向にスライド可能に保持する。このため、サイドプレート40、50が、伝熱管21、31を上下方向に拘束しない。その結果、伝熱管21、31とヘッダ12の接合部および、伝熱管21、31それ自体に熱応力が発生しにくい。その結果、熱交換器1Aの熱応力による破壊を防止することができる。
【0061】
例えば、外気温が低いときの冷房運転では、外気温が低いのに対して、冷媒が高温になる。その結果、伝熱管21、31が熱膨張により伸びる。しかし、そのような場合でも熱交換器1Aの熱応力による破壊を防止することができる。
【0062】
より詳細な例を挙げると、外気温が-10℃のときの冷房運転では、ヘッダ11に流入する冷媒温度が100℃となることがある。この場合に、伝熱管21、31のZ方向長さが800mmであり、伝熱管21、31の材質が日本規格協会で規格する合金番号A3003のアルミニウム合金であって、その線膨張係数が23.7である場合に、伝熱管21の、ヘッダ11から上方に100mmまでの部分を流れる冷媒の温度が100℃のままであるとすると、伝熱管21、31は、熱膨張によって上下方向に0.26mmだけ伸びる。しかし、このような場合でも、上述した突起121F、121Bのスライド可能な距離を0.26mmよりも大きく設定することにより、熱交換器1Aの熱応力による破壊を防止することができる。
【0063】
また、熱交換器1Aが暖房運転時に着霜した場合に、潜熱および顕熱で霜を融解する、いわゆるホットガスデフロストを行うことがある。そのときに、ヘッダ11付近の温度が急激に上昇して、伝熱管21、31が熱膨張することがある。しかし、そのような場合でも、熱交換器1Aの熱応力による破壊を防止することができる。
【0064】
なお、熱交換器コア20、30は、本明細書でいうところの第1熱交換器コア、第2熱交換器コアの一例である。伝熱管21とフィン22は、本明細書でいうところの第1伝熱管および第1フィンの一例である。伝熱管31とフィン32は、本明細書でいうところの第2伝熱管および第2フィンの一例である。また、伝熱管21の下端と上端は、本明細書でいうところの第1伝熱管の一端と他端の一例であり、伝熱管31の上端と下端は、本明細書でいうところの第2伝熱管の一端と他端の一例である。伝熱管21が並ぶ左方向または右方向は、本明細書でいうところの第1伝熱管が配列する一方向の一例である。また、第1伝熱管の配列方向の一例である。また、ヘッダ11-13は、本明細書でいうところの第1ヘッダ、第2ヘッダ、第3ヘッダの一例である。サイドプレート40、50は、本明細書でいうところの補強部材の一例である。突起121F、121Bは、本明細書でいうところの第1突起の一例である。
【0065】
また、凹み45F、45Bは、突起121F、121Bの下側から突起121F、121Bに引っ掛かることから、フックまたは鍵として機能する。このため、本明細書では、凹み45F、45Bは、フックまたは鍵ともいう。なお、凹み45F、45Bは、本明細書でいうところの第1鈎状部の一例である。
【0066】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る熱交換器1Aでは、図示されていないが、サイドプレート40、50がヘッダ11、13に接合されている。しかし、サイドプレート40、50は、ヘッダ11、13に接合されていなくてもよい。換言すると、サイドプレート40、50は、ヘッダ11、13に固定されていなくてもよい。
【0067】
実施の形態2に係る熱交換器1Bでは、サイドプレート60がヘッダ13に固定されているが、ヘッダ11には固定されていない。
【0068】
以下、図8を参照して、実施の形態2に係る熱交換器1Bについて説明する。実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
【0069】
図8は、実施の形態2に係る熱交換器1Bの下部の拡大斜視図である。なお、図8では、熱交換器1Bの左端部の構成が、熱交換器1Bの右端部と左右対称であることを除いて、同じであることから、熱交換器1Bの右端部だけを図示している。
【0070】
図8に示すように、熱交換器1Bが備えるサイドプレート60は、下端部に、水平壁66を有する。
【0071】
詳細には、サイドプレート60は、実施の形態1で説明したサイドプレート40と同様に、前後方向に延在する平面部61と、平面部61の前端側と後端側で、プレートが直角に折り曲げられた形状の起立壁62F、62Bと、を有する。そして、それら起立壁62Fと62Bの間には、平面部61の下端から右方向へ折り曲げられた形状の水平壁66が設けられている。
【0072】
これに対して、ヘッダ11、13それぞれは、四角筒の形状に形成されている。そして、ヘッダ11と13は、互いに前後方向に隣接している。ただし、ヘッダ11と13は、互いに接合されておらず、前後方向に隣接するだけである。
【0073】
また、ヘッダ11と13は、前後方向に隣接した状態で、左右方向に延在している。それらの右端部は、サイドプレート60の水平壁66によって上下方向に位置決めされた状態で、起立壁62Fと62Bの間に差し込まれている。差し込まれたヘッダ11と13の右端部のうち、ヘッダ13の右端部には、右側に延在したのち上へ折れ曲がりさらに左に折り返された折り返し部14が形成されている。そして、この折り返し部14には、水平壁66が挟み込まれている。これにより、ヘッダ13は、サイドプレート60を保持している。さらに、図示しないが、折り返し部14と水平壁66は、ろう付けされている。これにより、ヘッダ13とサイドプレート60は接合されている。その結果、ヘッダ13には、サイドプレート60が固定されている。
【0074】
一方、ヘッダ11は、プレート60と接合されていない。図示しないが、ヘッダ11は、実施の形態1で説明したヘッダ12に接続された伝熱管21に接合されている。その結果、ヘッダ11は、ヘッダ12に、伝熱管21を介して吊り下げられた状態にある。このため、伝熱管21が熱膨張すると、ヘッダ11は、その熱膨張に応じて上下方向に位置が変動する。
【0075】
このように、ヘッダ11は、プレート60に拘束されない。これにより、伝熱管21、31が熱膨張しても、ヘッダ11に熱応力がかからない。その結果、ヘッダ11の熱応力による破壊が防止されている。
【0076】
以上のように、実施の形態2に係る熱交換器1Bでは、ヘッダ11がプレート60に接合されておらず、プレート60に拘束されない。その結果、熱交換器1Bが熱応力によって破壊されることを防ぐことができる。
【0077】
ヘッダ11は、冷房運転時に高温の冷媒が供給され、高温となりやすい。その結果、ヘッダ11に接続された伝熱管21は、熱膨張しやすい。また、伝熱管21は、風上側に配置されている。これにより、伝熱管21は、温度変化が大きく、疲労破壊が生じやすい環境にある。熱交換器1Bでは、ヘッダ11がプレート60に拘束されないので、疲労破壊をより効果的に防止できる。
【0078】
なお、熱交換器1Bでも、図示しないが、ヘッダ12が、サイドプレート60を伝熱管21、31が延在する上下方向にスライド可能に保持する。その結果、サイドプレート60に熱応力が発生せず、また、伝熱管21、31にも熱応力が発生しない。これにより、熱交換器1Bの熱応力による破壊が防止されている。
【0079】
以上、本開示の実施の形態に係る熱交換器1A、1Bおよび空気調和装置について説明したが、熱交換器1A、1Bおよび空気調和装置は、これに限定されない。
【0080】
例えば、実施の形態1、2では、熱交換器1A、1Bが、熱交換器コア20、30を補強するサイドプレート40、50、60を備えている。しかし、熱交換器1A、1Bはこれに限定されない。サイドプレート40、50、60は、熱交換器コア20、30が備える伝熱管21、31が延在する方向に延びて伝熱管21、31を補強する補強部材であればよい。サイドプレート40、50、60は、例えば、角柱、円柱等の形状を有する柱状部材であってもよい。この場合、柱状部材は、金属、合成樹脂等で形成されているとよい。
【0081】
また、実施の形態1、2では、サイドプレート40、50、60は、上面視コの字状に折り曲げられたプレートの形状であるが、折り曲げられていない平板の形状であってもよい。なお、サイドプレート40、50、60は、単にプレートと呼ばれてもよい。
【0082】
実施の形態1、2では、ヘッダ12が突起121F、121Bを有し、サイドプレート40、50、60が凹み45F、45Bを有している。しかし、ヘッダ12とサイドプレート40、50、60はこれに限定されない。熱交換器1A、1Bでは、サイドプレート40、50、60が突起121F、121Bを有し、ヘッダ12が凹み45F、45Bを有していてもよい。この場合、サイドプレート40、50、60の突起がヘッダ12の凹み45F、45Bに嵌まり、それら凹み45F、45B内で、伝熱管21、31の延在方向へスライド可能であるとよい。
【0083】
また、実施の形態1、2では、ヘッダ12が突起121F、121Bを有し、ヘッダ11、13は、突起121F、121Bを有していないが、ヘッダ11、13が突起121F、121Bを有していてもよい。この場合、そのヘッダ11、13にある突起121F、121Bが嵌まる凹み45F、45Bをサイドプレート40、50、60が有するとよい。この場合、ヘッダ11、13にある突起121F、121Bは、それら凹み45F、45B内で、伝熱管21、31の延在方向へスライド可能であるとよい。
【0084】
さらに、ヘッダ11、13が凹み45F、45Bを有し、サイドプレート40、50、60が突起121F、121Bを有してもよい。この場合、サイドプレート40、50、60の突起121F、121Bが、ヘッダ11、13の凹み45F、45Bに嵌まり、それら凹み45F、45B内で、伝熱管21、31の延在方向へスライド可能であるとよい。
【0085】
このように、熱交換器1A、1Bでは、ヘッダ11-13とサイドプレート40、50、60のいずれか一方が、突起121F、121Bを有し、ヘッダ11-13とサイドプレート40、50、60のいずれか他方が、凹み45F、45Bを有しているとよい。
【0086】
なお、凹み45F、45Bは、突起121F、121Bに引っ掛かることから、鈎状部と呼ばれてもよい。また、ヘッダ11-13が突起121F、121Bを有し、サイドプレート40、50、60が凹み45F、45Bを有する場合に、その場合の突起121F、121Bを第1突起と呼び、その場合の凹み45F、45Bを第1鈎状部と呼んでもよい。さらに、サイドプレート40、50、60が突起121F、121Bを有し、ヘッダ11-13が凹み45F、45Bを有する場合に、その場合の突起121F、121Bを第2突起と呼び、その場合の凹み45F、45Bを第2鈎状部と呼んでもよい。
【0087】
また、実施の形態1、2では、熱交換器1A、1Bでは、凹み45F、45Bがサイドプレート40、50、60の端面からプレート内側に向かって凹む形状である。しかし、凹み45F、45Bは、これに限定されない。熱交換器1A、1Bでは、ヘッダ11-13の少なくとも1つが、サイドプレート40、50、60を伝熱管21、31の延在方向へスライド可能に保持していればよい。このため、凹み45F、45Bは、長手方向が伝熱管21、31の延在方向である長孔に置き換わってもよい。
【0088】
また、凹み45F、45Bは、実施の形態1、2では、サイドプレート40、50、60を貫通しているが、サイドプレート40、50、60の厚み方向に凹んでいるだけでもよい。
【0089】
実施の形態1、2では、サイドプレート40、50、60が起立壁42F、42Bに配置された掛止部44F、44Bを備える。また、サイドプレート40、50、60が水平壁46、66を備える。しかし、サイドプレート40、50、60はこれに限定されない。起立壁42F、42B、掛止部44F、44Bおよび水平壁46、66は、任意の構成である。例えば、サイドプレート40、50、60は、掛止部44F、44Bを備えていなくてもよい。実施の形態2で説明したサイドプレート60の下端部と同様に、起立壁42F、42Bだけであってもよい。なお、任意の構成であることから、起立壁42F、42B、掛止部44F、44Bおよび水平壁46、66の数も任意である。これらは、熱交換器1A、1Bのサイドプレート40だけに設けられてもよいし、サイドプレート40、50の両方に設けられてもよい。
【0090】
実施の形態1、2では、熱交換器1A、1Bは、空気調和装置が備える室外機100に組み込まれている。しかし、熱交換器1A、1Bは、はこれに限定されない。熱交換器1A、1Bは、熱交換が必要な装置全般に適用可能である。なお、熱交換器1A、1Bは、補強部材を有し、剛性が高いことから、ある程度の剛性が要求される装置に組み込まれて使用されるとよい。
【0091】
また、熱交換器1A、1Bは、トップフロー型の室外機100に組み込まれている結果、ヘッダ11-13が左右方向に延在している。また、サイドプレート40、50、60が上下方向に延在している。しかし、これらの向きは、サイドプレート40、50、60が伝熱管21、31の延在方向に延びている限りにおいて、任意である。ヘッダ11-13、サイドプレート40、50、60は、熱交換器1A、1Bそれ自体の向きに応じた向きであればよい。
【符号の説明】
【0092】
1A、1B 熱交換器、11-13 ヘッダ、14 折り返し部、20,30 熱交換器コア、21,31 伝熱管、22,32 フィン、40,50,60 サイドプレート、41,61 平面部、42F,42B,62F,62B 起立壁、43F,43B 貫通孔、44F,44B 掛止部、45F,45B 凹み、46,66 水平壁、100 室外機、110 筐体、111 上面部、112 正面部、120 ベルマウス、121F,121B 突起、122F 正面壁、122B 背面壁、131 圧縮機、132 四方弁、133 アキュムレータ、134 送風機、200 室内機、A 矢印。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8