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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/10 20060101AFI20241129BHJP
   H04N 5/14 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G09G5/10 B
H04N5/14 070
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020203686
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022091020
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】阿部 貴志
【審査官】薄井 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-032551(JP,A)
【文献】特開2006-050326(JP,A)
【文献】特開2008-059374(JP,A)
【文献】国際公開第2016/093160(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0198118(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101038719(CN,A)
【文献】特開2007-241172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/10
G09G 5/36
H04N 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレームで構成された入力画像をフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出部と、
前記シーンチェンジ検出部によってシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像の輝度値を設定する輝度値設定部と、
前記第1画像の輝度値に基づいて画像を表示部に表示させる表示制御部と、を含み、
前記輝度値設定部は、
前記第1画像と、前記シーンチェンジ検出部によってシーンチェンジ有りと検出されたフレームの直前のフレームに対する第2画像との明るさを比較する画像比較部と、
前記画像比較部によって前記第1画像が前記第2画像よりも暗いと判定されたとき、前記第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定部と、
前記領域判定部により判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定部と、
前記領域判定部により判定された前記第2領域の輝度値を、当該第1画像の当該第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定部と、を含ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記画像比較部は、
前記第1画像の輝度のヒストグラムにおける予め設定した閾値以下の輝度値の画素の割合が、前記第2画像の輝度のヒストグラムにおける前記閾値以下の輝度値の画素の割合以上であるとき、当該第1画像を当該第2画像よりも暗いと判断することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
複数のフレームで構成された入力画像をフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出部と、
前記シーンチェンジ検出部によってシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像の輝度値を設定する輝度値設定部と、
前記第1画像の輝度値に基づいて画像を表示部に表示させる表示制御部と、を含み、
前記輝度値設定部は、
前記第1画像が暗いか否かを判断する画像判断部と、
前記画像判断部によって前記第1画像が暗いと判断されたとき、前記第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定部と、
前記領域判定部により判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定部と、
前記領域判定部により判定された前記第2領域の輝度値を、当該第1画像の当該第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定部と、を含み
前記画像判断部は、
前記第1画像の輝度のヒストグラムにおいて、予め設定した輝度値以下の画素の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を暗いと判断することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
複数のフレームで構成された入力画像をフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出部と、
前記シーンチェンジ検出部によってシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像の輝度値を設定する輝度値設定部と、
前記第1画像の輝度値に基づいて画像を表示部に表示させる表示制御部と、を含み、
前記輝度値設定部は、
前記第1画像が暗いか否かを判断する画像判断部と、
前記画像判断部によって前記第1画像が暗いと判断されたとき、前記第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定部と、
前記領域判定部により判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定部と、
前記領域判定部により判定された前記第2領域の輝度値を、当該第1画像の当該第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定部と、を含み
前記画像判断部は、
前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を暗いと判断することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
複数のフレームで構成された入力画像をフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出部と、
前記シーンチェンジ検出部によってシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像の輝度値を設定する輝度値設定部と、
前記第1画像の輝度値に基づいて画像を表示部に表示させる表示制御部と、を含み、
前記輝度値設定部は、
前記第1画像が暗いか否かを判断する画像判断部と、
前記画像判断部によって前記第1画像が暗いと判断されたとき、前記第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定部と、
前記領域判定部により判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定部と、
前記領域判定部により判定された前記第2領域の輝度値を、当該第1画像の当該第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定部と、を含み
前記画像判断部は、
前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域が所定の形状であるときに、当該第1画像を暗い画像と判断することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記第1輝度値設定部は、前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域と同じ輝度値を設定し、
前記第2輝度値設定部は、当該第1画像に対応する第1画像情報と、当該第1画像に対するフレームより過去のフレームに対する第2画像に対応する第2画像情報とに基づいて、前記第2範囲を設定することを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
複数のフレームで構成された入力画像のシーンの切り替わりに応じて設定される出力輝度に基づき、当該入力画像に対する出力画像を表示装置に表示させる表示方法であって、
前記入力画像のフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出ステップと、
第1画像と、前記シーンチェンジ検出ステップでシーンチェンジ有りと検出されたフレームの直前のフレームに対する第2画像との明るさを比較する画像比較ステップと、
前記画像比較ステップで前記第1画像が前記第2画像よりも暗いと判定されたとき、前記シーンチェンジ検出ステップでシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する前記第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定ステップと、
前記領域判定ステップで判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定ステップと、
前記領域判定ステップで判定された前記第2領域の輝度値を、前記第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定ステップと、を含ことを特徴とする表示方法。
【請求項8】
複数のフレームで構成された入力画像のシーンの切り替わりに応じて設定される出力輝度に基づき、当該入力画像に対する出力画像を表示装置に表示させる表示方法であって、
前記入力画像のフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出ステップと、
第1画像が暗いか否かを判断する画像判断ステップと、
前記画像判断ステップで前記第1画像が暗いと判断されたとき、前記シーンチェンジ検出ステップでシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する前記第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定ステップと、
前記領域判定ステップで判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定ステップと、
前記領域判定ステップで判定された前記第2領域の輝度値を、前記第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定ステップと、を含み
前記画像判断ステップでは、
前記第1画像の輝度のヒストグラムにおいて、予め設定した輝度値以下の画素の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を暗いと判断することを特徴とする表示方法。
【請求項9】
複数のフレームで構成された入力画像のシーンの切り替わりに応じて設定される出力輝度に基づき、当該入力画像に対する出力画像を表示装置に表示させる表示方法であって、
前記入力画像のフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出ステップと、
第1画像が暗いか否かを判断する画像判断ステップと、
前記画像判断ステップで前記第1画像が暗いと判断されたとき、前記シーンチェンジ検出ステップでシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する前記第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定ステップと、
前記領域判定ステップで判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定ステップと、
前記領域判定ステップで判定された前記第2領域の輝度値を、前記第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定ステップと、を含み
前記画像判断ステップでは、
前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を暗いと判断することを特徴とする表示方法。
【請求項10】
複数のフレームで構成された入力画像のシーンの切り替わりに応じて設定される出力輝度に基づき、当該入力画像に対する出力画像を表示装置に表示させる表示方法であって、
前記入力画像のフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出ステップと、
第1画像が暗いか否かを判断する画像判断ステップを、さらに含み、
前記画像判断ステップで前記第1画像が暗いと判断されたとき、前記シーンチェンジ検出ステップでシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する前記第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定ステップと、
前記領域判定ステップで判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定ステップと、
前記領域判定ステップで判定された前記第2領域の輝度値を、前記第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定ステップと、を含み
前記画像判断ステップでは、
前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域が所定の形状であるときに、当該第1画像を暗い画像と判断することを特徴とする表示方法。
【請求項11】
請求項1に記載の表示装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記シーンチェンジ検出部、上記輝度値設定部、上記表示制御部、および画像比較部として機能させるための制御プログラム。
【請求項12】
請求項3~5のいずれか1項に記載の表示装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記シーンチェンジ検出部、上記輝度値設定部、上記表示制御部、および画像判断部として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像のシーンチェンジの有無に応じて出力画像の輝度設定を行う表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において、入力画像のシーンチェンジの有無に応じて出力画像の輝度設定を行う技術が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された画像処理装置では、以下のようにしてガンマカーブを生成する。シーンチェンジがない時は、前フレームに基づき第1の演算で、次フレーム以降のフレームに対するガンマカーブを生成する。一方、シーンチェンジがある時は、シーンチェンジされたフレームの統計量から、第1の演算より短時間で処理の出来る第2の演算によりガンマカーブを生成する。また、第2の演算により、第1の演算により求まるガンマカーブが推測される。つまり、第1の演算により求まるガンマカーブに近いガンマカーブが第2の演算によって生成される。そのため、一定の時定数を持たせて緩やかにガンマカーブを変更する時間方向変動抑制処理を行った場合に生じる明るさの遷移を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-11725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、明るいシーンから暗いシーンに変わった場合、以前のシーンから緩やかにガンマカーブを変えると、暗いシーンの黒いエリアが、以前のシーンの輝度から少しずつ黒くなるので、少し白く浮いたような状態から暗くなるのが視覚的に見えてしまう現象、所謂、白浮きが発生する。
【0005】
本発明の一態様は、シーンチェンジがあった場合に、シーンチェンジ後の出力画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きを抑制できる表示装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、複数のフレームで構成された入力画像をフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出部と、前記シーンチェンジ検出部によってシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像の輝度値を設定する輝度値設定部と、前記第1画像の輝度値に基づいて画像を表示部に表示させる表示制御部と、を含み、前記輝度値設定部は、前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定部と、前記領域判定部により判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定部と、前記領域判定部により判定された前記第2領域の輝度値を、当該第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定部と、を含んでいることを特徴としている。
【0007】
本発明の一態様に係る表示方法は、複数のフレームで構成された入力画像のシーンの切り替わりに応じて設定される出力輝度に基づき、当該入力画像に対する出力画像を表示装置に表示させる表示方法であって、前記入力画像のフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出ステップと、前記シーンチェンジステップによってシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定ステップと、前記領域判定ステップによって判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定ステップと、前記領域判定ステップによって判定された前記第2領域の輝度値を、前記第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定ステップと、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、シーンチェンジがあった場合に、シーンチェンジ後の出力画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る表示装置の概略構成ブロック図である。
図2図1に示す表示装置の外観を示す正面図である。
図3図1に示す表示装置におけるガンマカーブ生成処理の流れを示すフローチャートである。
図4】シーンチェンジ検出を説明するための図である。
図5】画像比較の処理を説明するための図である。
図6】シーンチェンジ前のフレームのガンマカーブである。
図7】シーンチェンジ後のフレームのガンマカーブである。
図8】輝度設定時の参照フレーム数を説明するための図である。
図9】画像比較の他の処理を説明するための図である。
図10】画像比較のさらに他の処理を説明するための図である。
図11】本発明の実施形態2に係る表示装置の概略構成ブロック図である。
図12図11に示す表示装置ガンマカーブ生成処理の流れを示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態3に係る表示装置の概略構成ブロック図である。
図14図13に示す表示装置ガンマカーブ生成処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。ただし、本実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
(表示装置の概要)
本実施形態に係る表示装置1について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。また、図2は、表示装置1の外観を示す斜視図である。
【0013】
表示装置1は、図1に示すように、画像取得部11、シーンチェンジ検出部12、輝度値設定部13、ガンマカーブ生成部14、パネル制御部15、表示パネル16を備えている。
【0014】
画像取得部11は、複数のフレームで構成された入力画像を取得する。なお、画像取得部11が取得する画像は、例えばHDR信号等の映像信号である。HDR信号は、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface:高精細度マルチメディアインターフェース)規格に基づくHDMI(登録商標)信号、Tuner信号(チューナーによって受信した信号)およびCVBS(Composite Video, Blanking, and Sync:コンポジット映像信号)信号等であり得る。
【0015】
画像取得部11は、取得した入力画像をフレームごとに一時的に記憶する記憶部111と、取得した入力画像を毎フレームごとに解析する解析部112とを有している。解析部112によって解析された解析情報の少なくとも一部は、後段のシーンチェンジ検出部12に送られる。解析情報には、輝度の最小値、輝度の最大値、APL(平均輝度レベル:Average Picture Level)、ヒストグラムが少なくとも含まれる。一方、画像取得部11によって取得され、記憶部111に一時的に記憶された入力画像は、フレームごとに補正前の入力輝度を示す情報として後段のガンマカーブ生成部14に送られる。
【0016】
シーンチェンジ検出部12は、画像取得部11から送られる毎フレームごとの解析情報の少なくとも一部の情報に基づき、入力画像のシーンの切り替わりの有無を検出する。シーンチェンジ検出部12による検出結果を示す信号は、後段の輝度値設定部13に送られる。
【0017】
輝度値設定部13は、シーンチェンジ検出部12から送られた検出結果を示す信号に応じて、シーンチェンジ検出対象であるフレームの出力画像における輝度値を設定する。輝度値設定部13は、設定した輝度値からガンマカーブを補正するための補正信号を生成し、生成した補正信号を後段のガンマカーブ生成部14に送る。なお、輝度値設定部13の詳細は、後述する。
【0018】
ガンマカーブ生成部14は、画像取得部11から送られた、記憶部111に記憶されたフレームごとの入力輝度を、輝度値設定部13から送られる補正信号に基づいて補正し、補正した入力輝度からフレームごとのガンマカーブを生成する。ガンマカーブ生成部14によって生成されたガンマカーブを示す情報は、後段のパネル制御部15に送られる。
【0019】
パネル制御部15は、表示パネル16の各画素の出力輝度を、ガンマカーブ生成部14によって生成されたガンマカーブを示す情報に基づいて設定する。これにより、映像信号が表す映像が本来の輝度で表示パネル16に表示される。
【0020】
なお、表示パネル16のフレームレートは、240FPS(1秒間に240回更新)とする。
【0021】
(輝度値設定部13)
輝度値設定部13は、画像比較部131、領域判定部132、第1輝度値設定部133、第2輝度値設定部134、第3輝度値設定部135、補正信号生成部136を含んでいる。輝度値設定部13において、第1輝度値設定部133および第2輝度値設定部134は、シーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する出力画像(第1画像)の輝度値を設定する。第3輝度値設定部135は、シーンチェンジ無しと検出されたフレームに対する出力画像(第2画像)の輝度値を設定する。補正信号生成部136は、第1輝度値設定部133および第2輝度値設定部134または第3輝度値設定部135によって設定された輝度値からガンマカーブを補正するための補正信号を生成する。
【0022】
画像比較部131は、シーンチェンジ検出部12からの検出結果を示す信号がシーンチェンジ有りを示す信号であるとき、シーンチェンジ前後の画像の比較を行う。具体的には、画像比較部131は、シーンチェンジ後の画像がシーンチェンジ前の画像よりも暗いか否かを判断する。そして、画像比較部131は、画像比較した結果を後段の領域判定部132および第3輝度値設定部135に送る。画像比較部131による画像比較の詳細については後述する。
【0023】
領域判定部132は、画像比較部131からの画像比較結果を示す信号がシーンチェンジ後の画像がシーンチェンジ前の画像よりも暗いことを示す信号であるとき領域の判定を行う。すなわち、シーンチェンジ検出の対象となったフレーム、すなわちシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対応する第1画像の所定の領域毎に、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か、第1領域以外の第2領域かを判定する。ここで、「所定の領域」は、シーンチェンジ後の画像の種類(夜景、海を含む風景等の画像)に応じて設定されていてもよいし、予め設定されたサイズに設定されていてもよい。また、「所定の領域」は、画像の全領域であってもよいし、一部の領域であってもよい。この「領域」は、一つの画素であってもよいし、複数の画素の集合であってもよい。
【0024】
なお、領域判定の精度を考慮した場合、領域判定については、第1画像の全領域における画素毎に行うのが好ましい。
【0025】
第1輝度値設定部133は、領域判定部132によって判定された第1領域の輝度値を、領域の判定対象となるフレームの出力画像における第1領域の輝度値から第1閾値の範囲内の輝度値に設定する。すなわち、第1輝度値設定部133は、シーンチェンジ検出部12からの検出結果を示す信号がシーンチェンジ有りを示す信号であるとき、シーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する出力画像(第1画像)における、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域の輝度値を、当該出力画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する。
【0026】
ここで、第1範囲は、輝度値を0から255の256階調で表し、0階調を黒とした場合、輝度値が0~3の間の範囲をいう。なお、第1範囲は、輝度値が0~3の間の範囲に限定されるものではなく、上限の輝度値が3よりも大きくてもよい。また、第1領域の輝度値を、第1画像の当該第1領域と同じ輝度値に設定してもよい。
【0027】
第2輝度値設定部134は、領域判定部132によって判定された第2領域の輝度値を、領域の判定対象となるフレームの出力画像における第2領域の輝度値から前記第1閾値より大きい第2閾値の範囲内の輝度値に設定する。すなわち、第2輝度値設定部134は、シーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する出力画像(第1画像)における、第1領域以外の第2領域の輝度値を、当該第1画像の当該第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する。
【0028】
ここで、第2範囲は、輝度値を0から255の256階調で表し、255階調を白とした場合、第1範囲で規定した上限の輝度値(上記の例では輝度値が3階調)より大きい輝度値が4~255の間の範囲をいう。なお、第1範囲の上限の輝度値が変れば、第2範囲の下限の輝度値も変る。また、第2範囲は、第1画像に対応する第1画像情報と、当該第1画像に対するフレームより過去のフレームに対する第2画像に対応する第2画像情報とに基づいて設定してもよい。
【0029】
第3輝度値設定部135は、シーンチェンジ検出部12からの検出結果を示す信号がシーンチェンジ無しを示す信号であるとき、フレームに対する出力画像(第3画像)における輝度値を設定する。また、第3輝度値設定部135は、画像比較部131からの画像比較結果を示す信号がシーンチェンジ後の画像がシーンチェンジ前の画像よりも暗くないことを示す信号であるとき、フレームに対する出力画像(第4画像)における輝度値を設定する。すなわち、第3輝度値設定部135は、シーンチェンジの無のフレームに対する第3画像、シーンチェンジ有りで、シーンチェンジ前の画像よりも暗くない第4画像それぞれの輝度値を設定する。
【0030】
第3輝度値設定部135は、参照フレーム数設定部1351、平均値算出部1352を含む。すなわち、参照フレーム数設定部1351は、シーンチェンジ検出部12から送られたシーンチェンジ有無を示す信号に応じて、入力輝度の補正に用いる参照フレーム数を設定する。ここで、参照フレームは、シーンチェンジ有無の検出対象の現フレームと、現フレームから連続して過去に遡った数フレームからなる過去フレームとを含む。そして、参照フレーム数設定部1351は、シーンチェンジ有りの場合の参照フレーム数を、シーンチェンジ無しの場合の参照フレーム数よりも少なくなるように設定する。具体的には、参照フレーム数設定部1351は、参照フレームを構成する過去フレームのフレーム数を、シーンチェンジ無しの場合よりもシーンチェンジ有の場合のほうが少なくなるように設定する。参照フレーム数設定部1351によって設定された参照フレーム数を示す信号は、後段の平均値算出部1352に送られる。
【0031】
平均値算出部1352は、参照フレーム数設定部1351から送られた参照フレーム数を示す信号に基づき、参照フレームを構成するそれぞれのフレームの解析情報のうちAPLを合算した後、合算したAPLを参照フレーム数で割ってAPLの平均値を求める。平均値算出部1352によって求められたAPLの平均値は、後段の補正信号生成部136に送られる。
【0032】
補正信号生成部136は、第1輝度値設定部133および第2輝度値設定部134、または第3輝度値設定部135において設定した輝度値からガンマカーブを補正するための補正信号を生成し、生成した補正信号を後段のガンマカーブ生成部14に送る。
【0033】
(ガンマカーブ生成処理)
上記構成の表示装置1により実行されるガンマカーブ生成処理の流れを、図3図8を参照して説明する。図3は、ガンマカーブ生成処理の流れを示すフローチャートである。図4は、シーンチェンジ検出を説明するための図である。図5は、シーンチェンジ前後の出力画像の暗さを比較するための図である。図6は、シーンチェンジ前のフレームの出力画像のガンマカーブを示す図である。図7は、シーンチェンジ後のフレームの出力画像のガンマカーブを示す図である。図8は、出力輝度設定時の参照フレーム数を説明するための図である。
【0034】
まず、シーンチェンジ検出部12は、シーンチェンジ有りか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、シーンチェンジ検出部12は、現フレームの入力画像が、前フレームの入力画像からシーンチェンジした画像か否か、すなわちシーンチェンジの有無を検出する。具体的には、シーンチェンジ検出部12は、画像取得部11から送られた解析情報のヒストグラムから、シーンチェンジ有無の検出を行う。例えば図4に示す4つの連続したフレームA、B、C、Dにおいて、前後のフレームのヒストグラムを各BIN(二値データの1ビット)で比較してBIN毎の度数の差を求める。そして求めた差の絶対値の合計が予め設定された設定値以上であれば、比較した2つのフレームのうち後段のフレームにシーンチェンジがあったと判断する。ここで、図4に示す例では、判断基準の設定値を3515とした場合、度数の差の絶対値の差の合計が4000であるフレームBとフレームCとの間でシーンチェンジがあったことをシーンチェンジ検出部12は検出する。また、度数の差の絶対値の差の合計が0の場合、3000の場合は、何れも3515よりも小さいため、フレームAとフレームBとの間、フレームCとフレームDとの間でシーンチェンジはなかったことをシーンチェンジ検出部12は検出する。なお、図4において想定するフレームサイズは、表示装置1が4KTVであれば3840×2160である。表示装置1が8KTVであれば7860×4320である。
【0035】
次に、輝度値設定部13は、ステップS11において、シーンチェンジ有りと検出された場合(YES)、ステップS12に移行する。ステップS12では、画像比較部131によってシーンチェンジが検出されたフレームに対応する第1画像が、当該シーンチェンジが検出されたフレームの直前のフレームに対応する第2画像よりも暗いか否かを判定する。ここで、画像比較部131は、画像の輝度ヒストグラムを用いて、第1画像が第2画像よりも暗いか否かを判定する。例えば図5の符号1051に示すシーンAの画像をシーンチェンジ前の第2画像、符号1052に示すシーンBの画像をシーンチェンジ後の第1画像とする。このとき、画像比較部131は、符号1053に示す第2の画像の輝度のヒストグラムと、符号1054に示す第1画像の輝度のヒストグラムとから、第1画像と第2画像との暗さを比較する。ここで、輝度を256階調とし、各輝度のヒストグラムにおいて輝度値(階調)の閾値Bを設定する。閾値Bは、例えば30階調とする。従って、画像比較部131は、第1画像の輝度のヒストグラムにおける予め設定した閾値B以下の輝度値の画素の割合が、第2画像の輝度のヒストグラムにおける閾値B以下の輝度値の画素の割合以上であるとき、第1画像は第2画像よりも暗いと判断する。
【0036】
つまり、画像比較部131は、第1画像の輝度のヒストグラムにおける予め設定した閾値B以下の輝度値の画素の割合が、第2画像の輝度のヒストグラムにおける閾値B以下の輝度値の画素の割合以上であるとき、第1画像は第2画像よりも暗いと判断する。
【0037】
従って、ステップS12において、画像比較部131によって第1画像が第2画像よりも暗いと判断(YES)されれば、ステップS13に移行する。
【0038】
ステップS13において、領域判定部132は、シーンチェンジ有りと検出されたフレームに対応する第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か、第1領域以外の第2領域かを判定する。ここで、輝度を256階調とした場合、予め設定された階調を輝度値3とする。従って、第1領域は輝度値が0~3の画素で構成された領域となる。例えば、図5の符号1052に示す第1画像では、符号1052aで示した領域が第1領域の一つとなる。一方、第2領域は、輝度値4以上の画素で構成された領域となる。このように、各領域は、一つの画素であってもよいし、複数の画素の集合であってもよい。領域判定部132によって領域判定した後、ステップS14とステップS15に移行する。
【0039】
ステップS14では、第1輝度値設定部133によってステップS13において判定された第1領域の輝度値を設定する。第1輝度値設定部133は、第1画像の第1領域の輝度値を、当該第1画像の第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する。ここで、輝度値を0~255の256階調としたときに、輝度値3を上限値とし、第1範囲を、輝度値0~3の範囲とする。
【0040】
ステップS15では、第2輝度値設定部134によってステップS13において判定された第2領域の輝度値を設定する。第2輝度値設定部134は、第1画像の第2領域の輝度値を、当該第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値よりも高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する。ここで、輝度値を0~255の256階調としたときに、輝度値4を下限値とし、第2範囲を、輝度値4~255の範囲とする。
【0041】
次に、ステップS14において設定された第1輝度値、ステップS15において設定された第2輝度値から、補正信号生成部136によってガンマカーブを補正する補正信号を生成する(ステップS18)。
【0042】
続いて、ガンマカーブ生成部17は、ステップS18において生成された補正信号に基づいてシーンチェンジの有無を検出されたフレームの入力輝度を補正したガンマカーブを生成する(ステップS19)。ガンマカーブの生成は、具体的には、以下のようにして行われる。例えば図5の符号1051に示すシーンAの画像のガンマカーブ(y=f(x))を図6に示すガンマカーブとする。ここで、yは出力輝度値、xは入力輝度値である。そして、シーンチェンジ後の画像である図5の符号1052に示すシーンBの画像のガンマカーブ(y=f(x))は、入力輝度値が閾値Xblkを境に低階調側と高階調側とで出力輝度値の設定を異ならせる。例えば低階調側では、シーンBの出力輝度値から算出された値を出力輝度値とする。具体的には、第1輝度値設定部133によって設定された輝度値(輝度値3を第1閾値とし、輝度値0~3の範囲)を出力輝度値とする。一方、高階調側では、シーンAの出力輝度値とシーンBの出力輝度値との間の出力輝度値とする。具体的には、第2輝度値設定部134によって設定された輝度値(第1閾値より大きい輝度値4を第2閾値とし、輝度値4~255の範囲)を出力輝度値とする。これらの出力輝度値によってシーンBのガンマカーブを補正する。ここで、閾値Xblkは、例えば30階調である。
【0043】
このように補正されたガンマカーブでは、閾値Xblk以上の輝度は急激な変化を抑えるために前フレームの影響を残しておくが、閾値Xblk未満の場合は現フレームから算出される輝度に置き換えている。
【0044】
パネル制御部15は、ガンマカーブ生成部14が生成したガンマカーブから表示パネル16の各画素の輝度(出力輝度)を設定する。
【0045】
以上の処理により、シーンチェンジ有りと判定され、且つ暗い画像と判定された第1画像に対して適正なガンマカーブにする。これにより、第1画像における低階調領域である第1領域を直ぐに暗くすることが可能となり、低階調領域以外の領域である第2領域の輝度を緩やかに変化させることが可能となる。この結果、シーンチェンジ後の第1画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きを抑制できるという効果を奏する。
【0046】
一方、シーンチェンジ有りと判定され、且つ暗い画像と判定された第1画像に対して適正なガンマカーブにするための処理は、以下のようになる。
【0047】
ステップS12において、画像比較部131によって第1画像が第2画像よりも暗くないと判定(NO)されれば、ステップS16に移行する。ここで、第1画像が第2画像よりも暗くない画像を第4画像とする。
【0048】
ステップS16では、第3輝度値設定部135によって第4画像の輝度値を設定する。具体的には、第3輝度値設定部135は、参照フレーム数設定部1351によって参照フレーム数をMと設定し、平均値算出部1352によってこの参照フレーム数MでAPLの平均値を算出し、算出したAPLの平均値を輝度値として設定する。
【0049】
次に、ステップS18に移行し、ステップS16において設定した第4画像の輝度値に基づいて、補正信号生成部136によって第1画像のガンマカーブの入力輝度を補正するための補正信号を生成する。
【0050】
続いて、ガンマカーブ生成部17は、ステップS18において生成された補正信号に基づいてシーンチェンジの有無を検出されたフレームの入力輝度を補正したガンマカーブを生成する(ステップS19)。パネル制御部15は、ガンマカーブ生成部14が生成したガンマカーブから表示パネル16の各画素の輝度(出力輝度)を設定する。
【0051】
ここまでのガンマカーブの生成処理の説明は、ステップS11においてシーンチェンジ有りと判定した場合であるが、以下に、ステップS11においてシーンチェンジ無しと判定した場合(NO)のガンマカーブの生成処理について説明する。
【0052】
すなわち、ステップS11において、シーンチェンジ無しと判定(NO)された場合、ステップS17に移行して第3画像の輝度値を設定する。第3画像は、シーンチェンジ無しと判定された画像とする。
【0053】
ステップS17では、第3輝度値設定部135によって第3画像の輝度値を設定する。具体的には、第3輝度値設定部135は、参照フレーム数設定部1351によって参照フレーム数をNと設定し、平均値算出部1352によってこの参照フレーム数NでAPLの平均値を算出し、算出したAPLの平均値を輝度値として設定する。
【0054】
ここで、ステップS16,S17で算出するAPLの平均値とは、参照フレームを構成する、フレームごとのAPLを参照フレーム数分加算して、当該参照フレーム数で割ることで求めた平均値である。ここで、ステップS16の場合、シーンチェンジ有りと検出された場合の参照フレーム数は、以下のようになる。例えば図8の符号1082に示すように、シーンチェンジ有無の検出対象となったフレーム(n+1)を現フレームとし、この現フレームと、現フレームから過去に遡ったM-1個の過去フレームとを合わせたM個となる。また、ステップS17の場合、シーンチェンジ無しと検出された場合の参照フレーム数は、以下のようになる。例えば図8の符号1081に示すように、シーンチェンジ有無の検出対象となったフレーム(n)を現フレームとし、この現フレームと、現フレームから過去に遡ったN-1個の過去フレームとを合わせたN個となる。ここで、N>Mである。
【0055】
次に、ステップS18に移行し、ステップS17において設定した第3画像の輝度値に基づいて、補正信号生成部136によって第1画像のガンマカーブの入力輝度を補正するための補正信号を生成する。
【0056】
続いて、ガンマカーブ生成部17は、ステップS18において生成された補正信号に基づいてシーンチェンジの有無を検出されたフレームの入力輝度を補正したガンマカーブを生成する(ステップS19)。パネル制御部15は、ガンマカーブ生成部14が生成したガンマカーブから表示パネル16の各画素の輝度(出力輝度)を設定する。
【0057】
なお、ステップS11では、前後のフレームのヒストグラムを各BINで比較して階調差を求め、この階調差の合計と予め設定した値とを比較してシーンチェンジを判定する方法について説明したが、シーンチェンジの判断は、これに限定されるものではない。他のシーンチェンジの判断方法であっても構わない。
【0058】
〔変形例〕
画像比較部131による画像比較は、上述したように、シーンチェンジ前後の画像の輝度のヒストグラムによって行い、シーンチェンジ後の第1画像がシーンチェンジ前の第2画像よりも暗いか否かを判定していた。しかしながら、第1画像が第2画像よりも暗いか否かの判定は、輝度のヒストグラムによって行うのではなく、第1画像の全領域において、予め設定した階調以下の領域の割合が所定の割合以上か否かによって行ってもよい。
【0059】
具体的には、図9に示すように、シーンチェンジ後の第1画像1091の全領域において、予め設定した階調(例えば256階調の階調3)以下の領域(第1領域)1091aの割合が所定の割合(例えば全面積の4分の1)以上であれば、第1画像1091はシーンチェンジ前の画像よりも暗いと判定する。例えば、第1画像1091の全領域における、階調3以下の第1領域1091aの面積が、残りの領域(第2領域)1091bの面積の3分の1以上であれば、第1画像1091はシーンチェンジ前の第2画像よりも暗いと判定する。ここで、図9では、説明の便宜上、第1領域1091aと第2領域1091bは、幅が同じで高さHの異なる長方形状の領域としている。よって、黒いエリアである第1領域1091aは、高さの割合が1/4Hであるので、第1画像1091の面積の1/4であることが分る。
【0060】
また、図9に示すように、黒いエリアである第1領域1091aが第1画像1091の上側にあれば、当該第1画像1091に帯状に写り込んでいるものとして、夜空、その他、墨文字の線、字幕の領域などがあると想定できる。また、黒いエリアである第1領域1091aが第1画像1091の下側にあれば、当該第1画像1091に夜の海や、帯があると想定できる。
【0061】
ところで、前記実施形態1では、シーンチェンジ後の第1画像がシーンチェンジ前の第2画像よりも暗いときに、黒いエリアの白浮きを生じ難くさせるために、第1輝度値設定部133による輝度値設定を行うようにしている。しかしながら、第1画像が第2画像よりも暗くなくても、第1輝度値設定部133による輝度値設定を行ってもよい。例えば、黒いエリアが存在すれば、存在している黒いエリアに白浮きが生じる虞があるので、このような場合に、第1輝度値設定部133による輝度値設定を行う。
【0062】
例えば、シーンチェンジ後の第1画像が、シーンチェンジ前の第2画像より暗くなくても、所定の形状の黒いエリアが存在すれば、この黒いエリアが白浮きしてしまう。この場合の黒いエリアの所定の形状としては、例えば図10の符号1101に示す「山」の形状、符号1102に示す「木」の形状、符号1103に示す「人」の形状、あるいは符号1104に示す四角形状、符号1105に示す三角形状等がある。従って、黒いエリアが所定の形状であれば、当該黒いエリアの白浮きを生じ難くさせるため、第1画像が第2画像に比べて暗くなくても、当該黒いエリアの輝度値を、第1輝度値設定部133によって設定する必要がある。この場合、画像比較部131は、シーンチェンジ有りと判定された第1画像において、予め設定した階調以下の領域が所定の形状であるときに、当該第1画像を第2画像よりも暗い画像と判断する。これにより、第1輝度値設定部133は、所定の形状の輝度値を設定する。
【0063】
以下の実施形態2では、シーンチェンジ有りであるが、第1画像が第2画像に比べて暗くなく、且つ、第1画像に所定の形状の黒いエリア、あるいは所定の面積以上の黒いエリアが存在する場合の出力画像の輝度値を設定する例について説明する。
【0064】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0065】
(表示装置の概要)
本実施形態に係る表示装置2について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る表示装置2の構成を示すブロック図である。
【0066】
表示装置2は、図11に示すように、前記実施形態1の表示装置1とほぼ同じ構成であり、異なるのは輝度値設定部23の構成である。従って、本実施形態では、表示装置2の輝度値設定部23以外の構成の詳細については省略する。
【0067】
(輝度値設定部23)
輝度値設定部23は、図11に示すように、前記実施形態1の輝度値設定部13と異なり、画像比較部131を含まず、画像判断部231、領域判定部132、第1輝度値設定部133、第2輝度値設定部134、第3輝度値設定部135、補正信号生成部136を含んでいる。ここでは、画像判断部231について説明する。なお、領域判定部132、第1輝度値設定部133、第2輝度値設定部134、第3輝度値設定部135、補正信号生成部136の動作については、前記実施形態1と同じであるため説明は省略する。
【0068】
画像判断部231は、シーンチェンジ検出部12からの検出結果を示す信号がシーンチェンジ有りを示す信号であるとき、シーンチェンジ検出の対象となったフレーム、すなわちシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像が暗いか否かを判断する。つまり、画像判断部231は、第1画像が暗いか否かを相対的に比較して判断するのではなく、任意の基準を用いて絶対的に判断する。
【0069】
例えば、画像判断部231は、出力画像の輝度のヒストグラムにおいて、予め設定した輝度値以下の画素の割合が所定の割合以上のときに、当該出力画像を暗いと判断するようにしてもよい。
【0070】
あるいは、画像判断部231は、第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を暗いと判断するようにしてもよい。
【0071】
また、画像判断部231は、第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域が所定の形状であるときに、当該第1画像を暗い画像と判断するようにしてもよい。ここで、所定の形状とは、例えば前記実施形態1で説明した図10の符号1101に示す「山」の形状、符号1102に示す「木」の形状、符号1103に示す「人」の形状、あるいは符号1104に示す四角形状、符号1105に示す三角形状等がある。
【0072】
(ガンマカーブ生成処理)
上記構成の表示装置2により実行されるガンマカーブ生成処理の流れを、図12を参照して説明する。図12は、ガンマカーブ生成処理の流れを示すフローチャートである。なお、本ガンマカーブ生成処理は、前記実施形態1の図3に示すフローチャートとほぼ同じである。従って、ここでは、前記実施形態1の図3に示すフローチャートと異なるステップS22のみ説明する。
【0073】
輝度値設定部23の画像判断部231は、ステップS22において、シーンチェンジ有りと検出された画像を第1画像が暗いか否かを判断する。ここで、画像判断部231は、第1画像の輝度のヒストグラムにおいて、予め設定した輝度値以下の画素の割合が所定の割合以上のときに、第1画像を暗いと判断する。
【0074】
ステップS22において、画像判断部231によって第1画像が暗いと判断された(YES)後の処理、第1画像が暗くないと判断された(NO)後の処理、およびステップS11において、シーチェンジ無しと検出された画像に対する処理については、前記実施形態1の図3に示すフローチャートと同じであるので説明は省略する。
【0075】
以上の処理により、シーンチェンジ有りと判定され、且つ暗いと判断された第1画像に対して適正なガンマカーブにすることができる。これにより、第1画像における低階調領域である第1領域を直ぐに暗くすることが可能となり、低階調領域以外の領域である第2領域の輝度を緩やかに変化させることが可能となる。この結果、シーンチェンジ後の出力画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きを抑制できるという効果を奏する。
【0076】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0077】
(表示装置の概要)
本実施形態に係る表示装置3について、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る表示装置3の構成を示すブロック図である。
【0078】
表示装置3は、図13に示すように、前記実施形態1の表示装置1とほぼ同じ構成であり、異なるのは輝度値設定部33の構成である。従って、本実施形態では、表示装置3の輝度値設定部33以外の構成の詳細については省略する。
【0079】
(輝度値設定部33)
輝度値設定部33は、図13に示すように、前記実施形態1の輝度値設定部13と異なり、画像比較部131を含まず、領域判定部331、第1輝度値設定部133、第2輝度値設定部134、第3輝度値設定部332、補正信号生成部136を含んでいる。ここでは、領域判定部331と第3輝度値設定部332とについて説明する。第1輝度値設定部133、第2輝度値設定部134、補正信号生成部136の動作については、前記実施形態1と同じであるため説明は省略する。
【0080】
領域判定部331は、シーンチェンジ検出部12からの検出結果を示す信号がシーンチェンジ有りを示す信号であるとき、以下のようにして領域を判定する。シーンチェンジ検出の対象となったフレーム、すなわちシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対応する第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か、第1領域以外の第2領域かを判定する。ここで、所定の領域は、画像の全領域であってもよいし、一部の領域であってもよい。また、領域は、一つの画素であってもよいし、複数の画素の集合であってもよい。
【0081】
第1輝度値設定部133は、領域判定部331によって判定された第1領域の輝度値を設定する。第2輝度値設定部134は、領域判定部331によって判定された第2領域の輝度値を設定する。
【0082】
第3輝度値設定部332は、シーンチェンジ検出部12から送られたシーンチェンジ無を示す信号を受け取ったときに、現フレームと、現フレームから連続して過去に遡った数フレームからなる過去フレームとを参照して現フレームの第3画像の輝度値を設定する。
【0083】
(ガンマカーブ生成処理)
上記構成の表示装置3により実行されるガンマカーブ生成処理の流れを、図14を参照して説明する。図14は、ガンマカーブ生成処理の流れを示すフローチャートである。なお、本ガンマカーブ生成処理は、前記実施形態1の図3に示すフローチャートとほぼ同じである。従って、前記実施形態1の図3に示すフローチャートと異なるステップS32のみ説明する。
【0084】
輝度値設定部33の領域判定部331は、ステップS32において、シーンチェンジ有りと検出されたフレームに対応する第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か、第1領域以外の第2領域かを判定する。ここで、輝度を256階調とした場合、予め設定された階調を輝度値3とする。従って、第1領域は輝度値が0~3の画素で構成された領域となる。領域判定部331によって領域判定した後、ステップS33とステップS34に移行する。
【0085】
ここで、ステップS33、ステップS34における処理、およびその後のステップS36、ステップS37における処理は、上述した通り、それぞれ前記実施形態1の図3のステップS14、S15,S18、S19と同じ処理であるので説明は省略する。さらに、ステップS31においてシーンチェンジ無しと判断された後の処理、すなわちステップS35における処理も、前記実施形態1の図3のステップS17と同じ処理であるので説明は省略する。
【0086】
以上の処理により、シーンチェンジ有りと判定され、且つ暗いと判定された領域を有する入力画像に対して適正なガンマカーブにする。これにより、第1画像における低階調領域である第1領域を直ぐに暗くすることが可能となり、低階調領域以外の領域である第2領域の輝度を緩やかに変化させることが可能となる。この結果、シーンチェンジ後の出力画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きを抑制できるという効果を奏する。
【0087】
〔ソフトウェアによる実現例〕
表示装置1の制御ブロック(特に輝度値設定部13、ガンマカーブ生成部14およびパネル制御部15)、表示装置2の制御ブロック(特に輝度値設定部23、ガンマカーブ生成部14およびパネル制御部15)および表示装置3の制御ブロック(特に輝度値設定部33、ガンマカーブ生成部14およびパネル制御部15)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0088】
後者の場合、表示装置1,2,3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0089】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、複数のフレームで構成された入力画像をフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出部12と、前記シーンチェンジ検出部12によってシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像の輝度値を設定する輝度値設定部13と、前記第1画像の輝度値に基づいて画像を表示部に表示させる表示制御部(ガンマカーブ生成部14,パネル制御部15)と、を含み、前記輝度値設定部13は、前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定部132と、前記領域判定部132により判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定部133と、前記領域判定部132により判定された前記第2領域の輝度値を、当該第1画像の当該第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定部134と、を含んでいることを特徴とする。
【0090】
上記構成によれば、第1輝度値設定部は、シーンチェンジが検出されたフレームに対する第1画像における、予め設定した階調よりも低い階調の第1領域(低階調領域)の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定し、第2輝度値設定部は、当該第1画像における前記第1領域以外の第2領域の輝度値を、当該第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する。これにより、第1画像における低階調領域である第1領域を直ぐに暗くすることが可能となり、低階調領域以外の領域である第2領域の輝度を緩やかに変化させることが可能となるので、シーンチェンジ後の第1画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きを抑制できる。
【0091】
本発明の態様2に係る表示装置は、上記態様1において、前記第1輝度値設定部133は、前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域と同じ輝度値を設定し、前記第2輝度値設定部134は、当該第1画像に対応する第1画像情報と、当該第1画像に対するフレームより過去のフレームに対する第2画像に対応する第2画像情報とに基づいて、前記第2範囲を設定してもよい。
【0092】
上記の構成によれば、第1輝度値設定部は、前記第1領域の輝度値を、第1画像の当該第1領域と同じ輝度値を設定し、前記第2輝度設定部は、当該第1画像に対応する第1画像情報と、当該第1画像に対するフレームより過去のフレームに対する第2画像に対応する第2画像情報とに基づいて前記第2範囲を設定する。これにより、第1画像における低階調領域である第1領域を第1画像の当該第1領域と同じように直ぐに暗くすることが可能となり、低階調領域以外の領域である第2領域の輝度を緩やかに変化させることが可能となるので、シーンチェンジ後の出力画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きをより確実に抑制できる。
【0093】
本発明の態様3に係る表示装置は、上記態様1において、前記第1画像と、前記シーンチェンジ検出部12によってシーンチェンジ有りと検出されたフレームの直前のフレームに対する第2画像との明るさを比較する画像比較部131を備え、前記画像比較部131によって前記第1画像が前記第2画像よりも暗いと判定されたとき、前記領域判定部132は、前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定し、前記第1輝度値設定部133は、前記領域判定部132により判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1範囲内の輝度値に設定し、前記第2輝度値設定部134は、前記領域判定部132により判定された前記第2領域の輝度値を、前記第2範囲内の輝度値に設定してもよい。
【0094】
上記の構成によれば、第1画像が第2画像よりも暗いと判定されたとき、第1輝度値設定部は、前記第1画像における、第1領域の輝度値を、前記出力画像の当該第1領域の輝度値を含む前記第1範囲内の輝度値に設定し、第2輝度値設定部は、前記第1画像における、前記第1領域以外の第2領域の輝度値を、当該出力画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する。これにより、シーンチェンジ前よりも暗い出力画像における低階調領域である第1領域を出力画像の当該第1領域と同じように直ぐに暗くすることが可能となり、低階調領域以外の領域である第2領域の輝度を緩やかに変化させることが可能となるので、シーンチェンジ後の出力画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きをより確実に抑制できる。
【0095】
本発明の態様4に係る表示装置は、上記態様3において、前記画像比較部131は、前記第1画像の輝度のヒストグラムにおける予め設定した閾値以下の輝度値の画素の割合が、前記第2画像の輝度のヒストグラムにおける前記閾値以下の輝度値の画素の割合以上であるとき、当該第1画像を当該第2画像よりも暗いと判断してもよい。
【0096】
上記の構成によれば、画像比較部は、第1画像の輝度のヒストグラムにおいて、予め設定した輝度値以下の画素の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を前記第2画像よりも暗い画像と判断するので、第1画像全体が暗いときに有効な判断方法となる。
【0097】
本発明の態様5に係る表示装置は、上記態様1または2において、前記第1画像が暗いか否かを判断する画像判断部231を、さらに備え、前記画像判断部231によって前記第1画像が暗いと判断されたとき、前記領域判定部132は、前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定し、前記第1輝度値設定部133は、前記領域判定部132により判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1範囲内の輝度値に設定し、前記第2輝度値設定部134は、前記領域判定部132により判定された前記第2領域の輝度値を、前記第2範囲内の輝度値に設定してもよい。
【0098】
上記の構成によれば、画像判断は、第1画像の全領域において、予め設定した階調以下の領域の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を第2画像よりも暗い画像と判断するので、画像全体が暗くなくても、一部の領域が暗いときに有効な判断方法となる。
【0099】
本発明の態様6に係る表示装置は、上記態様5において、前記画像判断部231は、前記第1画像の輝度のヒストグラムにおいて、予め設定した輝度値以下の画素の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を暗いと判断してもよい。
【0100】
上記の構成によれば、画像判断部は、第1画像の輝度のヒストグラムにおいて、予め設定した輝度値以下の画素の割合が所定の割合以上のときに、当該出力画像を暗いと判断するので、画像全体が暗いことを適切に判断することができる。
【0101】
本発明の態様7に係る表示装置は、上記態様5において、前記画像判断部231は、前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を暗いと判断してもよい。
【0102】
上記の構成によれば、画像判断部は、第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域の割合が所定の割合以上のときに、当該第1画像を暗いと判断するので、画像全体が暗いことを適切に判断することができる。
【0103】
本発明の態様8に係る表示装置は、上記態様5において、前記画像判断部231は、前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域が所定の形状であるときに、当該第1画像を暗い画像と判断してもよい。
【0104】
上記の構成によれば、画像判断部は、前記第1画像の所定の領域に対して、予め設定した階調以下の領域が所定の形状であるときに、当該第1画像を暗い画像と判断するので、画像全体が暗くなくても、暗い領域が所定の形状であるときに有効な判断方法となる。
【0105】
本発明の態様9に係る表示方法は、複数のフレームで構成された入力画像のシーンの切り替わりに応じて設定される出力輝度に基づき、当該入力画像に対する出力画像を表示装置に表示させる表示方法であって、前記入力画像のフレーム単位でシーンの切り替わりの有無を検出するシーンチェンジ検出ステップと、前記シーンチェンジ検出ステップによってシーンチェンジ有りと検出されたフレームに対する第1画像の所定の領域に対して、予め設定された階調よりも低い階調の第1領域か当該第1領域以外の第2領域かを判定する領域判定ステップと、前記領域判定ステップによって判定された前記第1領域の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む低い階調の第1範囲内の輝度値に設定する第1輝度値設定ステップと、前記領域判定ステップによって判定された前記第2領域の輝度値を、前記第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する第2輝度値設定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0106】
上記の構成によれば、第1輝度値設定ステップは、シーンチェンジが検出されたフレームに対する第1画像における、予め設定した階調よりも低い階調の第1の領域(低階調領域)の輝度値を、前記第1画像の当該第1領域の輝度値を含む第1範囲内の輝度値に設定し、第2輝度値設定ステップは、当該第1画像における前記第1領域以外の第2領域の輝度値を、当該第1画像の第2領域の輝度値を含み、且つ、前記第1範囲の上限値より高い輝度値を下限値とする第2範囲内の輝度値に設定する。これにより、第1画像における低階調領域である第1領域を直ぐに暗くすることが可能となり、低階調領域以外の領域である第2領域の輝度を緩やかに変化させることが可能となるので、シーンチェンジ後の出力画像において、画面のチラツキを抑えつつ、低階調領域における白浮きを抑制できる。
【0107】
本発明の各態様に係る表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記表示装置をコンピュータにて実現させる表示装置の表示制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0108】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0109】
1,2,3 表示装置
11 画像取得部
12 シーンチェンジ検出部
13 輝度値設定部
14 ガンマカーブ生成部(表示制御部)
15 パネル制御部(表示制御部)
16 表示パネル
17 ガンマカーブ生成部
23 輝度値設定部
33 輝度値設定部
111 記憶部
112 解析部
131 画像比較部
132 領域判定部
133 第1輝度値設定部
134 第2輝度値設定部
135 第3輝度値設定部
1351 参照フレーム数設定部
1352 平均値算出部
136 補正信号生成部
231 画像判断部
331 領域判定部
332 第3輝度値設定部
B 閾値
Xblk 閾値
図1
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