(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】連結具及び浄水装置
(51)【国際特許分類】
F16L 37/113 20060101AFI20241129BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20241129BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20241129BHJP
【FI】
F16L37/113
C02F1/28 R
C02F1/44 B
(21)【出願番号】P 2020207020
(22)【出願日】2020-12-14
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】P 2019225643
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504346204
【氏名又は名称】三菱ケミカル・クリンスイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】河合 由修
(72)【発明者】
【氏名】亘 謙治
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-334453(JP,A)
【文献】特開平10-195946(JP,A)
【文献】特開2004-084956(JP,A)
【文献】特開平06-249381(JP,A)
【文献】特開平07-293772(JP,A)
【文献】特開2004-211891(JP,A)
【文献】国際公開第2015/199145(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3163317(JP,U)
【文献】特開平11-061905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/00-1/78
F16L37/00-37/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水管と浄水カートリッジとを通水可能に接続する接続部を保持する固定部と、
前記接続部を浄水カートリッジに接続した状態でロックするロック機構を保持するとともに、第一の方向において前記固定部に相対的に接近可能である移動部と、
前記移動部の前記固定部への相対的な接近を規制し、前記第一の方向とは異なる第二の方向に移動可能である規制部と、を有し、
前記移動部に対する前記規制部の所定の移動位置において前記移動部の前記固定部への相対的な接近の規制が解除され、前記移動部の前記固定部への相対的な接近により前記浄水カートリッジに対する前記接続部の接続が解除され、
前記規制部は、前記第一の方向において、前記固定部と前記移動部との間に配置され、かつ、第一の凹凸部を有し、
前記移動部又は固定部は、前記規制部の相対的な移動によって、前記第一の凹凸部に嵌合可能な状態になる第二の凹凸部を有し、
前記移動部は、周壁を有し、前記周壁の内周壁上に前記第二の凹凸部を有する、連結具。
【請求項2】
通水管と浄水カートリッジとを通水可能に接続する接続部を保持する固定部と、
前記接続部を浄水カートリッジに接続した状態でロックするロック機構を保持するとともに、第一の方向において前記固定部に相対的に接近可能である移動部と、
前記移動部の前記固定部への相対的な接近を規制し、前記第一の方向とは異なる第二の方向に移動可能である規制部と、を有し、
前記移動部に対する前記規制部の所定の移動位置において前記移動部の前記固定部への相対的な接近の規制が解除され、前記移動部の前記固定部への相対的な接近により前記浄水カートリッジに対する前記接続部の接続が解除され、
前記規制部は、前記第一の方向において、前記固定部と前記移動部との間に配置され、かつ、第一の凹凸部を有し、
前記移動部又は固定部は、前記規制部の相対的な移動によって、前記第一の凹凸部に嵌合可能な状態になる第二の凹凸部を有し、
前記移動部は、前記第二の方向に移動する前記規制部の前記第一の凹凸部を、前記第一の方向において、前記第二の凹凸部との嵌合位置まで漸次接近するように案内する案内部をさらに有する、連結具。
【請求項3】
通水管と浄水カートリッジとを通水可能に接続する接続部を保持する固定部と、
前記接続部を浄水カートリッジに接続した状態でロックするロック機構を保持するとともに、第一の方向において前記固定部に相対的に接近可能である移動部と、
前記移動部の前記固定部への相対的な接近を規制し、前記第一の方向とは異なる第二の方向に移動可能である規制部と、を有し、
前記移動部に対する前記規制部の所定の移動位置において前記移動部の前記固定部への相対的な接近の規制が解除され、前記移動部の前記固定部への相対的な接近により前記浄水カートリッジに対する前記接続部の接続が解除され、
前記規制部は、前記第一の方向において、前記固定部と前記移動部との間に配置され、かつ、第一の凹凸部を有し、
前記移動部又は固定部は、前記規制部の相対的な移動によって、前記第一の凹凸部に嵌合可能な状態になる第二の凹凸部を有し、
前記移動部は、前記第二の方向において前記第一の凹凸部に当接して、前記規制部が移動可能な範囲を規制する第一移動規制部をさらに有する、連結具。
【請求項4】
通水管と浄水カートリッジとを通水可能に接続する接続部を保持する固定部と、
前記接続部を浄水カートリッジに接続した状態でロックするロック機構を保持するとともに、第一の方向において前記固定部に相対的に接近可能である移動部と、
前記移動部の前記固定部への相対的な接近を規制し、前記第一の方向とは異なる第二の方向に移動可能である規制部と、を有し、
前記移動部に対する前記規制部の所定の移動位置において前記移動部の前記固定部への相対的な接近の規制が解除され、前記移動部の前記固定部への相対的な接近により前記浄水カートリッジに対する前記接続部の接続が解除され、
前記移動部は、前記第一の方向と交差する第三の方向に突き出ている第一の凸部を有し、
前記規制部は、
前記第二の方向における前記所定の移動位置において、前記第一の凸部に対向する第二の凸部を有し、
前記第一の凸部と前記第二の凸部とが当接した場合に、前記第一の方向における前記移動部の前記固定部とは反対側への移動を規制する、連結具。
【請求項5】
前記規制部は、前記第二の方向において前記第一の凸部に当接して、前記規制部の前記第二の方向における移動を規制する第二移動規制部をさらに有する、請求項4に記載の連結具。
【請求項6】
前記規制部の前記第一の方向における前記固定部とは反対側への移動を規制する第三移動規制部をさらに有する、請求項4または5に記載の連結具。
【請求項7】
前記規制部を固定可能であり、かつ、前記浄水カートリッジをその設置場所に支持するための架台をさらに有する、請求項4~6のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項8】
前記接続部が正常に接続された場合にのみ前記浄水カートリッジの凹凸部に嵌合する位置決め凹凸部をさらに有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項9】
通水管と浄水カートリッジとを通水可能に接続する接続部を保持する固定部と、
前記接続部を浄水カートリッジに接続した状態でロックするロック機構を保持するとともに、第一の方向において前記固定部に相対的に接近可能である移動部と、
前記移動部の前記固定部への相対的な接近を規制し、前記第一の方向とは異なる第二の方向に移動可能である規制部と、を有し、
前記移動部に対する前記規制部の所定の移動位置において前記移動部の前記固定部への相対的な接近の規制が解除され、前記移動部の前記固定部への相対的な接近により前記浄水カートリッジに対する前記接続部の接続が解除され、
前記規制部の前記第二の方向の移動範囲が規制されており、
前記規制部は、前記固定部の外縁から、前記第一の方向に交差する前記固定部の面方向に沿って突出するように設けられている、連結具。
【請求項10】
前記移動部には、前記規制部に対応する形状の切り欠き部が設けられており、当該切り欠き部を構成する各面が、移動部の内側から外側に向かって広がるテーパー形状である、請求項9に記載の連結具。
【請求項11】
通水管と浄水カートリッジとを通水可能に接続する接続部を保持する固定部と、
前記接続部を浄水カートリッジに接続した状態でロックするロック機構を保持するとともに、第一の方向において前記固定部に相対的に接近可能である移動部と、
前記移動部の前記固定部への相対的な接近を規制し、前記第一の方向とは異なる第二の方向に移動可能である規制部と、を有し、
前記移動部に対する前記規制部の所定の移動位置において前記移動部の前記固定部への相対的な接近の規制が解除され、前記移動部の前記固定部への相対的な接近により前記浄水カートリッジに対する前記接続部の接続が解除され、
前記規制部の前記第二の方向の移動範囲が規制されており、
前記接続部において前記浄水カートリッジが連結される側の二つの挿入口の一方の外周に、前記浄水カートリッジにおいて前記挿入口に挿入する二つの接続プラグの一方の根本に設けられた凸部に干渉するリブが設けられている、連結具。
【請求項12】
前記連結具及び前記浄水カートリッジをその設置場所に支持するための支持部を備える架台と、
前記架台上における前記移動部の位置ズレを防止する位置ズレ防止部と、をさらに備えている、請求項9~11の何れか一項に記載の連結具。
【請求項13】
前記位置ズレ防止部は、前記移動部の前記第二の方向への位置ズレを防止する、請求項12に記載の連結具。
【請求項14】
前記位置ズレ防止部は、前記移動部の前記第一の方向への位置ズレを防止する、請求項12又は13に記載の連結具。
【請求項15】
前記位置ズレ防止部は、前記架台の一部と、前記連結具のうち前記架台以外の構成及び前記浄水カートリッジのうち少なくとも一方の一部であって当該架台に契合する一部と、から構成される、請求項12~14のいずれか1項に記載の連結具。
【請求項16】
前記支持部は、その内側への前記連結具の挿入及び抜出するための離間した部分を有しており、
前記架台は、前記支持部により前記連結具を保持した際に、前記支持部の離間した部分を繋げて固定する落下防止部を備えている、請求項12~15の何れか一項に記載の連結具。
【請求項17】
浄水カートリッジと、請求項1~16のいずれか一項に記載の連結具と、を有する浄水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結具、浄水カートリッジ、浄水装置、及びアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
浄水装置として、流し台の下に浄水カートリッジを設置し、流し台上の水栓と浄水カートリッジとをホースのような通水管で連結するアンダーシンク型の浄水装置が知られている。当該浄水装置には、浄水装置の設置場所が流し台の下であることなどの理由から、浄水カートリッジと通水管との着脱における操作性を向上させることが望まれている。
【0003】
浄水カートリッジと通水管との接続操作性を向上させる技術には、通水管と浄水カートリッジとを通水可能に接続するワンタッチジョイントを保持する固定プレートに対して、ワンタッチジョイントのロック機構を保持する操作プレートを接近させて当該ロック機構によるロックを解除する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、当該技術には、上記ワンタッチジョイントを操作可能な取手部をさらに有し、当該取手部を操作することによりワンタッチジョイントのロック機構によるロックを解除する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-084956号公報
【文献】特開平11-138151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された浄水器では、他の作業中に、意図せず操作プレートが押し上がり、ワンタッチジョイントが誤って外れてしまう恐れがある。また、特許文献2に記載された浄水器でも、連結具の外部に設けられた取手部に意図せず接触することで、ワンタッチジョイントが誤って外れてしまう恐れがある。
【0006】
本発明の一態様は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は浄水カートリッジが意図せず外れることが防止された浄水カートリッジ用の連結具を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る連結具は、通水管と浄水カートリッジとを通水可能に接続する接続部を保持する固定部と、前記接続部を浄水カートリッジに接続した状態でロックするロック機構を保持するとともに、第一の方向において前記固定部に相対的に接近可能である移動部と、前記移動部の前記固定部への相対的な接近を規制し、前記第一の方向とは異なる第二の方向に移動可能である規制部と、を有し、前記移動部に対する前記規制部の所定の移動位置において前記移動部の前記固定部への相対的な接近の規制が解除され、前記移動部の前記固定部への相対的な接近により前記浄水カートリッジに対する前記接続部の接続が解除される。
本発明の一態様に係る連結具において、前記規制部は、前記第一の方向において、前記固定部と前記移動部との間に配置され、かつ、第一の凹凸部を有し、前記移動部又は固定部は、前記規制部の相対的な移動によって、前記第一の凹凸部に嵌合可能な状態になる第二の凹凸部を有してもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記移動部は、周壁を有し、前記周壁の内周壁上に前記第二の凹凸部を有してもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記移動部は、前記第二の方向に移動する前記規制部の前記第一の凹凸部を、前記第一の方向において、前記第二の凹凸部との嵌合位置まで漸次接近するように案内する案内部をさらに有してもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記移動部は、前記第二の方向において前記第一の凹凸部に当接して、前記規制部が移動可能な範囲を規制する第一移動規制部をさらに有してもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記移動部は、前記第一の方向と交差する第三の方向に突き出ている第一の凸部を有し、前記規制部は、前記第二の方向における前記所定の移動位置において、前記第一の凸部に対向する第二の凸部を有し、前記第一の凸部と前記第二の凸部とが当接した場合に、前記第一の方向における前記移動部の前記固定部とは反対側への移動を規制してもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記規制部は、前記第二の方向において前記第一の凸部に当接して、前記規制部の前記第二の方向における移動を規制する第二移動規制部をさらに有してもよい。
本発明の一態様に係る連結具は、前記規制部の前記第一の方向における前記固定部とは反対側への移動を規制する第三移動規制部をさらに有してもよい。
本発明の一態様に係る連結具は、前記規制部を固定可能であり、かつ、前記浄水カートリッジをその設置場所に支持するための架台をさらに有してもよい。
本発明の一態様に係る連結具は、平面視したときの外形が、平面視したときの前記浄水カートリッジの外形と実質的に同じであってもよい。
本発明の一態様に係る連結具は、前記接続部が正常に接続された場合にのみ前記浄水カートリッジの凹凸部に嵌合する位置決め凹凸部をさらに有してもよい。
本発明の一態様に係る連結具は、前記規制部の前記第二の方向の移動範囲が規制されていてもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記規制部は、前記固定部の外縁から、前記第一の方向に交差する前記固定部の面方向に沿って突出するように設けられていてもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記移動部には、前記規制部に対応する形状の切り欠き部が設けられており、当該切り欠き部を構成する各面が、移動部114の内側から外側に向かって広がるテーパー形状であってもよい。
本発明の一態様に係る連結具は、前記接続部において前記浄水カートリッジが連結される側の挿入口の一方の外周に、前記浄水カートリッジにおいて前記挿入口に挿入する接続プラグの一方の根本に設けられた凸部に干渉するリブが設けられていてもよい。
本発明の一態様に係る連結具は、前記連結具及び前記浄水カートリッジをその設置場所に支持するための支持部を備える架台と、前記架台上における前記移動部の位置ズレを防止する位置ズレ防止部と、をさらに備えていてもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記位置ズレ防止部は、前記移動部の前記第二の方向への位置ズレを防止してもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記位置ズレ防止部は、前記移動部の前記第一の方向への位置ズレを防止してもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記位置ズレ防止部は、前記架台の一部と、前記連結具のうち前記架台以外の構成及び前記浄水カートリッジのうち少なくとも一方の一部であって当該架台に契合する一部と、から構成されてもよい。
本発明の一態様に係る連結具において、前記支持部は、その内側への前記連結具の挿入及び抜出するための離間した部分を有しており、前記架台は、前記支持部により前記連結具を保持した際に、前記支持部の離間した部分を繋げて固定する落下防止部を備えていてもよい。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る浄水装置は、浄水カートリッジと、上記の連結具とを有する。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る浄水カートリッジは、前記接続部が正常に接続された場合にのみ前記連結具と連結可能である。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアダプタは、上記の位置決め凹凸部を有さない連結具における前記接続部を前記浄水カートリッジに接続したときに前記連結具に対向する前記浄水カートリッジの表面部分の形状に追従する表面形状を有し、前記連結具において前記表面形状を前記浄水カートリッジ側に向けて配置可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、浄水カートリッジが意図せず外れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る連結具の外観を示す概略側面図である。
【
図2】実施形態1に係る連結具の内部構造を示す概略断面図である。
【
図3】実施形態1に係る連結具の外観を示す概略図である。
【
図4】実施形態1に係る連結具の内部構造を示す概略断面図である。
【
図5】実施形態1に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【
図6】実施形態1に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【
図7】実施形態1に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【
図8】実施形態2に係る連結具の構造を説明する分解斜視図である。
【
図9】実施形態2に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【
図10】実施形態2に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【
図11】実施形態3に係る連結具の構造を説明する分解斜視図である。
【
図12】実施形態3に係る連結具の移動部を説明する概略斜視図である。
【
図13】実施形態3に係る連結具の構造を説明する部分透過図である。
【
図14】実施形態4に係る連結具の構造を説明する部分透過図である。
【
図15】実施形態4に係る連結具の構造を説明する部分透過図である。
【
図16】実施形態5に係る連結具の構造を説明する概略斜視図である。
【
図17】実施形態5に係る連結具に接続される浄水カートリッジを示す概略斜視図である。
【
図18】実施形態5に係る連結具に連結された浄水カートリッジを示す概略斜視図である。
【
図19】実施形態6に係る、連結具に連結された浄水カートリッジが設置された架台を示す概略斜視図である。
【
図20】実施形態7に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【
図21】実施形態7に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【
図22】実施形態8に係る連結具の外観を示す概略上面図である。
【
図23】実施形態8に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【
図24】実施形態9に係る連結具において、浄水カートリッジが連結される部分を示す概略斜視図である。
【
図25】実施形態9に係る連結具に連結される浄水カートリッジを示す概略斜視図である。
【
図26】実施形態10に係る、連結具に連結された浄水カートリッジが設置された架台を示す概略斜視図である。
【
図27】実施形態10に係る、連結具に連結された浄水カートリッジが設置された架台を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態において、浄水装置は、浄水カートリッジを流し台(シンク)の上に設置するオーバーシンク型の浄水装置、並びに、浄水カートリッジを流し台の下に設置するアンダーシンク型の浄水装置のいずれであってもよい。本実施形態に係る連結具は、浄水カートリッジ用の連結具である。連結具は、浄水カートリッジを流し台上の水栓に連結するために用いられる。
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、
図1~7を参照して説明する。
図1は、実施形態1に係る連結具の外観を示す概略側面図である。
図2は、実施形態1に係る連結具の内部構造を示す概略断面図である。
図3は、実施形態1に係る連結具の外観を示す概略図である。
図4は、実施形態1に係る連結具の内部構造を示す概略断面図である。
図5は、実施形態1に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
図6は、実施形態1に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
図7は、実施形態1に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の浄水装置100は、浄水カートリッジ11及び連結具10を有する。浄水カートリッジ11に連結する連結具10は、固定部3、移動部4、及び規制部5を有している。連結具10は、例えば、水道管から原水を供給する管を浄水カートリッジ11に、また浄水を水栓に供給する管を浄水カートリッジ11にそれぞれ連結し、浄水カートリッジ11で浄水を生成して水栓(図示せず)に供給するために用いられる。
【0013】
[浄水カートリッジ]
浄水カートリッジ11は、筐体内に収容されるフィルタ13を有する。フィルタ13は、濾材を含む構成となっている。濾材は、例えば、原水の流路となるようにフィルタ13において配置され、あるいはフィルタ13そのものを構成する。濾材には、例えば、従来公知の水の浄化に用いられるものを用いることができる。濾材は一種でもそれ以上でもよく、その例には、吸着剤及び中空糸膜が含まれる。吸着剤の例には、粉末状吸着剤、この粉末吸着剤を造粒した粒状吸着剤、及び、繊維状吸着剤が含まれる。吸着剤の材料は無機でも有機でもよく、また吸着剤は天然物でも合成物でもよい。中空糸膜には、種々の多孔質かつ管状の樹脂製の中空糸膜を使用することができる。中空糸膜を構成する材料の樹脂は、中空糸膜の材料として公知の樹脂から適宜に選ぶことができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンであってよい。
【0014】
上記筐体は、フィルタ13を収容する。筐体の形状は限定されず、例えば略円柱形状であってよい。筐体は、浄化対象となる水の通水路の一部をフィルタ13が構成するようにフィルタ13を保持する。例えば、筐体は、筐体内において、原水が供給される原水供給部と、原水供給部からの原水が通過可能なフィルタ13を収容するとともにフィルタ13を通過した浄水が排出される浄水出水部とを有している。
【0015】
筐体内において、原水供給部及び浄水出水部は、実質的に通水できないように区切られている。浄水カートリッジ11は、原水供給部及び浄水出水部と連結具10とをそれぞれ通水可能に接続するための二つのプラグ15を備えている。フィルタ13は、原水供給部と浄水出水部とを連通するように配置される。なお、フィルタ13は、水の浄化における所期の機能を発現する公知のフィルタから適宜に選ばれる。
【0016】
[連結具の構成]
連結具10及び浄水カートリッジを有する浄水装置100は、通水管12を介して水道管又は水栓に接続され、流し台の上又は下に設置される。通水管12として、浄水を水栓に供給する浄水通水管12a及び原水を浄水装置100に供給する原水通水管12bが設けられている。水道管からの水は、原水通水管12bを介して浄水カートリッジ11内に流入する。流入した水はフィルタ13を通って浄化され、浄水通水管12aを通って浄水カートリッジ11外に流出する。なお、本実施形態において、原水は、浄化対象となる水であり、浄水は、フィルタ13を通過した浄化後の水である。
【0017】
なお、浄水通水管12a及び原水通水管12bの2本の通水管12が設けられているため、接続部1も、浄水通水管12a用の接続部1a及び原水通水管12b用の接続部1bがある。また、浄水カートリッジ11のプラグ15も、浄水通水管12a用のプラグ15a及び原水通水管12b用のプラグ15bがある。接続部1aにはプラグ15aが接続され、接続部1bにはプラグ15bが接続される。
【0018】
図2に示すように、通水管12と浄水装置100の浄水カートリッジ11とは、接続部1を介して通水可能に接続される。通水管12と浄水カートリッジ11とは、ワンタッチジョイントで接続及び接続解除される。接続部1は、ジョイント形状の接続部であり、例えば、浄水カートリッジ11側のプラグ15に外嵌するように、またプラグ15に向けて押し付けることによってプラグ15に接続されて嵌合するロック機構14を有している。接続部1のロック機構14は、接続部1を浄水カートリッジ11に接続した状態でロックする機構であり、例えば、雄型ジョイントピース14aと雌型ジョイントピース14bにより構成される。接続部1に浄水カートリッジ11のプラグ15を差し込むと、接続部1にプラグ15が係止され、通水管12と浄水カートリッジ11とが接続される。接続部1による浄水カートリッジ11の係止は、雌型ジョイントピース14bを雄型ジョイントピース14aに沿って浄水カートリッジ11から離れる方向に押し上げることにより外れる。これにより、通水管12に対する浄水カートリッジ11の接続が解除される。
【0019】
[固定部]
固定部3は、通水管12と浄水カートリッジ11とを通水可能に接続する接続部1を保持するように構成されている。固定部3は、接続部1のロック機構14の雌型ジョイントピース14bを雄型ジョイントピース14aに沿って浄水カートリッジ11から離れる方向に押し上げ可能なように、接続部1を保持する。固定部3は、ロック機構14の雄型ジョイントピース14aを保持するように構成されていてもよい。
【0020】
[移動部]
移動部4は、ロック機構14を保持する。移動部4は、接続部1のロック機構14が有する雌型ジョイントピース14bを保持すればよい。移動部4は、例えば、ロック機構14を保持するプレート状の構造物と、当該プレート状の構造物の周囲に設けられた周壁とから構成されている。これにより、連結具10は、平面視したときの外形が、平面視したときの浄水カートリッジ11の外形と実質的に同じである。ここで、実質的に同じであるとは、外観上同一視できる範囲であることを意味している。
【0021】
移動部4は、浄水カートリッジ11から離れる方向、すなわち固定部に相対的に接近可能である。例えば、移動部4は、接続部1のロック機構14を保持した状態で、第一の方向D2において固定部3に接近可能になっている。第一の方向D2は、移動部4が浄水カートリッジ11から離れる方向である。
【0022】
移動部4が接続部1の雌型ジョイントピース14bを保持し、第一の方向D2に固定部3へ接近することで、雌型ジョイントピース14bが雄型ジョイントピース14aに沿って浄水カートリッジ11から離れる方向に押し上げられる。その結果、浄水カートリッジ11のプラグ15に対する接続部1の係止が外れ、通水管12に対する浄水カートリッジ11の接続が解除される。
【0023】
[規制部]
規制部5は、移動部4の固定部3への相対的な接近を規制し、第一の方向D2とは異なる第二の方向D3に移動可能なものである。そして、移動部4に対する規制部5の所定の移動位置において移動部4の固定部3への相対的な接近の規制が解除され、移動部4の固定部3への相対的な接近により浄水カートリッジ11に対する接続部1の接続が解除される。
【0024】
図1を参照して、本実施形態における規制部5の構成について説明する。規制部5は、第一の方向D2において、固定部3と移動部4との間に配置されている。また、規制部5は、例えば、移動部4と一体の環状構造物であり、第一の方向D2に沿って設けられた凸部(第一の凹凸部)5aを有している。本実施形態において、凸部5aは、
図1に示すように、第一の方向D2に沿って固定部3側に設けられている。そして、固定部3は、第二の方向D3における規制部5の移動によって凸部5aに嵌合可能な状態になる凹部(第二の凹凸部)3aを有している。なお、
図1において、規制部5側に凸部5aが設けられ、固定部3側に凹部3aが設けられているが、規制部5側に凹部が設けられ、固定部3側に凸部が設けられてもよい。
【0025】
[作用効果]
図1~
図4を参照して、規制部5により規制されている状態と、規制が解除されている状態とについて説明する。
図1及び
図2は、移動部4の固定部3への接近が規制部5により規制されている状態を示しており、
図3及び4は、移動部4の固定部3への接近に対する規制部5の規制が解除されている状態を示している。
【0026】
図1に示すように、規制部5により規制されている状態では、規制部5の凸部5aの先端が固定部3に当接し、規制部5と固定部3とは、凸部5aの高さ分の距離D1だけ離間している。この状態においては、
図2に示すように、移動部4が保持する雌型ジョイントピース14bは雄型ジョイントピース14aに沿って浄水カートリッジ11から離れる方向に押し上がらない。その結果、接続部1の係止が外れず、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除されない。
【0027】
一方、
図3に示すように、規制部5による規制が解除されている状態では、凸部5aが凹部3aに嵌合しているので、規制部5と固定部3との間に存在していた距離D1分だけ、移動部4及び規制部5が固定部3に接近している。この状態においては、
図4に示すように、移動部4が保持する雌型ジョイントピース14bが雄型ジョイントピース14aに沿って浄水カートリッジ11から離れる方向に押し上がる。その結果、接続部1の係止が外れ、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除される。
【0028】
図5~
図7を参照して、規制部5による規制の解除についてさらに説明する。
図5は、移動部4の固定部3への接近が規制部5により規制されている状態を示している。
図6は、第二の方向D3において規制部5を所定の移動位置に移動させた状態を示している。
図7は、移動部4の固定部3への接近に対する規制部5の規制が解除されている状態を示している。
【0029】
図5に示すように、規制部5により規制されている状態では、規制部5の凸部5aの先端が固定部3に当接し、規制部5は、これ以上固定部3に接近することができない。そのため、移動部4を第一の方向D2に沿って固定部3に接近させようとしても、規制部5に当接し、固定部3に接近させることができない。そして、移動部4を固定部3に接近させることができないと、移動部4が保持する雌型ジョイントピース14bを雄型ジョイントピース14aに沿って浄水カートリッジ11から離れる方向に押し上げることができない。その結果、接続部1の係止が外れず、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除されない。したがって、この状態において移動部4に誤って接触したとしても、雌型ジョイントピース14bが押し上げられることがないため、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が意図せず解除されることを防ぐことができる。
【0030】
規制部5による規制を解除する場合、まず、
図5に示す規制部5により規制されている状態から、第二の方向D3に規制部5を移動させる。これにより、
図6に示すように、規制部5を、第二の方向D3に移動させ、凸部5aと凹部3aとが対向する所定の移動位置とする。第二の方向D3の所定の移動位置にある規制部5を、第一の方向D2に沿って固定部3に接近させると、
図7に示すように、凸部5aが凹部3aに嵌合するまで、規制部5を固定部3に接近させることができる。これにより、第一の方向D2に沿って移動部4を固定部3に接近させることができる。その結果、移動部4が保持する雌型ジョイントピース14bが雄型ジョイントピース14aに沿って浄水カートリッジ11から離れる方向に押し上がり、接続部1の係止が外れ、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除される。このように、規制部5が第二の方向D3における所定の移動位置にある場合にのみ、雌型ジョイントピース14bが押し上げられるので、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続を意図した場合にのみ解除することができる。
【0031】
従来の浄水装置では、ワンタッチジョイントにおける各ジョイントピースの移動が規制されていないため、使用者が意図せず雌型ジョイントピースが押し上げられ、通水管に対する浄水カートリッジの接続が意図せず解除されてしまう恐れがある。特に、浄水カートリッジを流し台の下に設置した場合には、流し台の下における作業中の手元の視認性が悪いため、雌型ジョイントピースに誤って接触してしまい、雌型ジョイントピースが意図せず押し上げられやすい。これにより、通水管に対する浄水カートリッジの接続が意図せず解除されてしまい、使用者がこれを認識せずに浄水装置の使用を継続すると、通水管からの水漏れの原因となってしまう。
【0032】
これに対して、本実施形態では、前述したように、第二の方向D3において規制部5が所定の移動位置にある場合においてのみ、第一の方向D2における移動部4の固定部3への接近が可能となる。そして、第二の方向D3において規制部5が所定の移動位置にない場合には、第一の方向D2における移動部4の固定部3への接近が規制される。したがって、移動部4に保持された雌型ジョイントピース14bが意図せず押し上げられるのが防止される結果、通水管12に対する浄水カートリッジ11の接続が意図せず解除されてしまうことが防止される。
【0033】
連結具10によれば、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続を意図した場合にのみ外すことができ、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が意図せず解除されることを防ぐことができる。
【0034】
また、連結具10によれば、規制部5を第二の方向D3に移動させて、第一の方向D2に沿って移動部4を固定部3に接近させるのみで接続部1から浄水カートリッジ11を外すことができる。したがって、特許文献1に記載された浄水器のように、結合プレートを押えつつ、操作プレートを結合プレートの方向に押し上げるように操作してワンタッチジョイントを取り外すような煩雑な操作が不要である。
【0035】
さらに、連結具10は、特許文献2に記載された浄水器のように、連結具の外部に取手部を設ける必要がないため、浄水カートリッジの意匠性を損なうことがない。また、連結具10は、このような取手部が不要であるため、設置スペースが狭くてもよく、流し台の下のように狭いスペースであっても設置スペースを確保することができる。
【0036】
また、連結具10は、平面視したときの外形が、平面視したときの浄水カートリッジ11の外形と実質的に同じであるので、意匠性が高く、浄水カートリッジ11を流し台の上に設置しても景観を損なわない。
【0037】
なお、連結具10において、移動部4が雌型ジョイントピース14bを保持する形態以外にも、移動部4と雌型ジョイントピース14bとを一体形成してもよい。また、雄型ジョイントピース14a等の接続部1の一部と、固定部3とを一体形成してもよい。また、移動部4と雌型ジョイントピース14bとを一体形成し、固定部3と接続部1の雌型ジョイントピース14b以外の部分とを一体形成して、接続部1を連結具10の構成要素としてもよい。また、移動部4を規制部5と共に第二の方向D3に移動可能なように構成することで、移動部4と規制部5とを一体形成してもよい。これにより、各部材間を連結する固定ビス、保持部材等の部品の点数や、製造工程及び組立工程を減らすことができるという利点がある。
【0038】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
以下、本実施形態について、
図8~
図10を参照して説明する。
図8は、実施形態2に係る連結具の構造を説明する分解斜視図である。
図9は、実施形態2に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
図10は、実施形態2に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【0040】
[構成]
図8~
図10に示すように、浄水カートリッジ11に連結する連結具40は、固定部43、移動部44、及び規制部45を有している。連結具40において、規制部45には、第一の方向D2に沿って凸部(第一の凹凸部)45aが設けられている。そして、凸部45aは、規制部45において、移動部44側に設けられている。さらに、連結具40において、移動部44には、規制部45の移動によって凸部45aに嵌合可能な状態になる凹部(第二の凹凸部)44aが設けられている。連結具40は、これらの構成において連結具10と異なっているが、他の構成は同様である。
【0041】
[作用効果]
図9に示すように、移動部44の固定部43への接近が規制部45により規制されている状態では、規制部45の凸部45aの先端が移動部44に当接する。これにより、規制部45と移動部44とは凸部45aの高さ分だけ離間した状態になり、移動部44をこれ以上規制部45に接近させることができない。そのため、移動部44を第一の方向D2に沿って固定部43に接近させようとしても、規制部45に当接し、固定部43に接近させることができない。その結果、移動部44が保持する雌型ジョイントピース14bが、固定部43が保持する雄型ジョイントピース14aに沿って押し上がらず、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除されない。このように、規制部45が第二の方向D3における所定の移動位置にない場合には、雌型ジョイントピース14bが押し上げられないので、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が意図せず解除されることを防ぐことができる。
【0042】
規制部45による規制を解除する場合、
図10に示すように、凸部45aと凹部44aとが対向する所定の移動位置になるように、規制部45を第二の方向D3に移動させる。この状態において、凸部45aが凹部44aに嵌合するまで移動部44を第一の方向D2に沿って規制部45に接近させることができる。これにより、移動部44と固定部43とが接近し、移動部44が保持する雌型ジョイントピース14bが、固定部43が保持する雄型ジョイントピース14aに沿って押し上げられ、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除される。このように、規制部45が第二の方向D3における所定の移動位置にある場合にのみ、雌型ジョイントピース14bが押し上げられるので、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が意図せず解除されることを防ぐことができる。
【0043】
なお、移動部44を第二の方向D3に移動可能なように構成し、移動部44を第二の方向D3に移動させることで、規制部45を第二の方向D3において移動部44に対して相対的に移動させるように構成してもよい。この場合、規制部45は第二の方向D3に移動しなくてもよいので、固定部43と規制部45とを一体形成してもよい。これにより、各部材間を連結する固定ビス、保持部材等の部品の点数や、製造工程及び組立工程を減らすことができるという利点がある。
【0044】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0045】
以下、本実施形態について、
図11~
図13を参照して説明する。
図11は、実施形態3に係る連結具の構造を説明する分解斜視図である。
図12は、実施形態3に係る連結具の移動部を説明する概略斜視図である。
図13は、実施形態3に係る連結具の構造を説明する部分透過図である。
【0046】
[構成]
図11~
図13に示すように、浄水カートリッジ11に連結する連結具50は、固定部53、移動部54、及び規制部55を有している。連結具50において、規制部55には、第一の方向D2に沿って凸部(第一の凹凸部)55aが設けられている。そして、凸部55aは、規制部55において、移動部54側に設けられている。さらに、移動部54は、接続部1のロック機構14を保持する保持部57と、保持部57の周囲に設けられた周壁56とを有している。また、移動部54は、周壁56の内周壁上に凹部54a(第二の凹凸部)を有している。また、移動部54は、規制部55に当接する当接部54bを有している。また、連結具50は、凸部55aを第一の方向D2において、凹部54aとの嵌合位置まで漸次接近するように案内するスロープ(案内部)59を有している。さらに、移動部54は、第二の方向D3において、凸部55aに当接して、規制部55が移動可能な範囲を規制する移動規制部(第一移動規制部)58が設けられている。連結具50は、これらの構成において連結具10及び連結具40と異なっているが、他の構成は同様である。
【0047】
[作用効果]
図11及び
図12に示すように、移動部54は、周壁56の内周壁上に当接部54bを有しているので、規制部55の凸部55aの先端が当接部54bに当接する。これにより、規制部55と移動部54とは、凸部55aの高さ分だけ離間した状態になり、移動部54をこれ以上規制部55に接近させることができない。そのため、移動部54を第一の方向D2に沿って固定部53に接近させようとしても、規制部55に当接し、固定部43に接近させることができない。その結果、移動部54が保持する雌型ジョイントピース14bが、固定部53が保持する雄型ジョイントピース14aに沿って押し上がらず、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除されない。このように、規制部55が第二の方向D3における所定の移動位置にない場合には、雌型ジョイントピース14bが押し上げられないので、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が意図せず解除されることを防ぐことができる。
【0048】
規制部55による規制を解除する場合、凸部55aが凹部54aと対向する所定の移動位置になるように、規制部55を第二の方向D3に移動させる。この状態において、凸部55aが凹部54aに嵌合するまで移動部54を第一の方向D2に沿って規制部55に接近させることができる。これにより、移動部54と固定部53とが接近し、移動部54が保持する雌型ジョイントピース14bが、固定部53が保持する雄型ジョイントピース14aに沿って押し上げられ、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除される。このように、規制部55が第二の方向D3における所定の移動位置にある場合にのみ、雌型ジョイントピース14bが押し上げられるので、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が意図せず解除されることを防ぐことができる。
【0049】
また、連結具50は、
図13に示すように、周壁56の内周壁上に設けられた当接部54bから凹部54aの底までを滑らかに繋ぐように設けられたスロープ59を有している。
図13は、凸部55aとスロープ59との関係を説明するために、便宜上、周壁56の外周壁を透過させた状態を示している。この構造において、凸部55aがスロープ59に対向する位置まで規制部55を第二の方向D3に移動させ、移動部54を第一の方向D2に沿って規制部55に接近させる。これにより、凸部55aは、第一の方向D2において、凹部54aとの嵌合位置までスロープ59に沿って漸次接近するように移動する。その結果、移動部54が第一の方向D2において固定部53に漸次接近する。
【0050】
このように、連結具50は、第一の方向D2において、凸部55aが凹部54aとの嵌合位置まで漸次接近するように、スロープ59により案内される。したがって、規制部55が第二の方向D3における所定の移動位置にあり、移動部54を第一の方向D2に沿って固定部53に接近させることが可能か否かの判断が容易である。その結果、浄水カートリッジを流し台の下に設置した場合のように、浄水カートリッジと連結具との接続位置が視認しづらい状態であっても、浄水カートリッジを容易に着脱させることができる。
【0051】
さらに、連結具50は、周壁56の当接部54bに設けられた回転規制部58を有している。回転規制部58は、第二の方向D3において凸部55aに当接して、規制部55の第二の方向D3における移動可能な範囲を規制する。回転規制部58は、第二の方向D3において、スロープ59及び凹部54aを挟むように2つ設けられている。したがって、規制部55は、凸部55aがスロープ59及び凹部54aに対向する範囲で、第二の方向D3に移動可能なように規制される。その結果、規制部55が第二の方向D3に移動しすぎることを防ぐことができる。
【0052】
なお、移動部54を第二の方向D3に移動可能なように構成し、移動部54を第二の方向D3に移動させることで、規制部55を第二の方向D3において移動部54に対して相対的に移動させるように構成してもよい。この場合、規制部55は第二の方向D3に移動しなくてもよいので、固定部53と規制部55とを一体形成してもよい。これにより、各部材間を連結する固定ビス、保持部材等の部品の点数や、製造工程及び組立工程を減らすことができるという利点がある。
【0053】
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0054】
以下、本実施形態について、
図14及び
図15を参照して説明する。
図14は、実施形態4に係る連結具において、第一の方向における移動部の固定部への接近が規制された状態を説明する部分透過図である。
図15は、実施形態4に係る連結具において、第一の方向における移動部の固定部への接近の規制が解除された状態を説明する部分透過図である。
図14及び
図15は、移動部64と規制部65との関係を説明するために、便宜上、規制部65の外周壁を透過させた状態を示している。
【0055】
[構成]
図14及び
図15に示すように、浄水カートリッジ11に連結する連結具60は、固定部63、移動部64、及び規制部65を有している。連結具60は、規制部65が第二の方向D3における所定の移動位置にある場合に、浄水カートリッジ11を、第一の方向D2において連結具60から離れる方向に引っ張ることで、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続を解除するように構成されている。すなわち、連結具60においては、浄水カートリッジ11を、第一の方向D2において連結具60から離れる方向に引っ張ることで、第一の方向D2に沿って移動部64を固定部63に相対的に接近させる。
【0056】
連結具60において、移動部64は、接続部1を保持するプレート状の部材であり、規制部65は、移動部64の周囲に設けられた周壁である。移動部64は、第一の方向D2と交差する第三の方向D4に突き出ている凸部(第一の凸部)64aを有している。規制部65は、第二の方向D3における所定の移動位置において、凸部64aに対向する凸部(第二の凸部)65aを有している。凸部65aは、規制部65の内周壁上において内側に突き出ており、第二の方向D3に延伸している。
【0057】
また、規制部65は、第二の方向D3において凸部64aに当接して、規制部65の第二の方向D3における移動を規制する移動規制部(第二移動規制部)68aが設けられている。さらに、連結具60は、規制部65の第一の方向D2における固定部63とは反対側への移動を規制する移動規制部(第三移動規制部)69を有している。また、規制部65の内周壁上には、移動規制部69の凸部69aに当接する凸部68bが設けられている。連結具60は、これらの構成において連結具10、連結具40、及び連結具50と異なっているが、他の構成は同様である。
【0058】
[作用効果]
図14に示すように、規制部65の凸部65aが移動部64の凸部64aに対して第一の方向D2に沿って対向していない場合には、浄水カートリッジ11を第一の方向D2に連結具60から離れる方向に引っ張っても、凸部64aが凸部65aに当接しない。そのため、移動部64の第一の方向D2における固定部63とは反対側への移動が許容され、移動部64は第一の方向D2に沿って固定部63に接近しない。その結果、固定部63が保持する雄型ジョイントピース14aに沿って移動部64が保持する雌型ジョイントピース14bが押し上がらず、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除されない。
【0059】
図15に示すように、規制部65の凸部65aが、移動部64の凸部64aに対して、第一の方向D2に沿って対向している場合には、浄水カートリッジ11を第一の方向D2において連結具60から離れる方向に引っ張れば、凸部64aが凸部65aに当接する。そのため、移動部64の第一の方向D2における固定部63とは反対側への移動が規制され、移動部64は第一の方向D2に沿って固定部63に接近する。これにより、固定部63が保持する雄型ジョイントピース14aが、移動部64が保持する雌型ジョイントピース14b側に引っ張られ、雄型ジョイントピース14aに沿って雌型ジョイントピース14bが押し上がる。その結果、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除される。
【0060】
このように、規制部65の第二の方向D3における移動位置が、凸部65aと凸部64aとが第一の方向D2において対向する位置にある場合、第一の方向D2における移動部64の固定部63への相対的な接近が許容される。一方、規制部65の第二の方向D3における移動位置が、凸部65aと凸部64aとが第一の方向D2において対向しない位置にある場合、第一の方向D2における移動部64の固定部63への相対的な接近が規制される。その結果、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が意図せず解除されることを防ぐことができる。
【0061】
また、規制部65における回転規制部68aは、第二の方向D3において移動部64の凸部64aに当接する凸形状である。回転規制部68aは、例えば、第二の方向D3において、規制部65の第二の方向D3における所定の移動範囲を挟むように2つ設けられている。回転規制部68aは、第二の方向D3において凸部64aに当接して、規制部65の第二の方向D3における移動可能な範囲を規制する。これにより、規制部65が第二の方向D3に移動しすぎることを防ぐことができ、浄水カートリッジ11の着脱における作業性の観点からより一層好適である。
【0062】
さらに、連結具60における移動規制部69は、第一の方向D2において規制部65の内周壁上に設けられた凸部68bに当接する凸部69aを有している。よって、規制部65の第一の方向D2における固定部63とは反対側への移動が凸部69aによって規制される。このため、規制部65の抜けが防止され、浄水カートリッジ11の着脱における作業性の観点からより一層好適である。
【0063】
なお、連結具60において、移動部64が雌型ジョイントピース14bを保持する形態以外にも、移動部64と雌型ジョイントピース14bとを一体形成してもよい。また、雄型ジョイントピース14a等の接続部1の一部と、固定部63とを一体形成してもよい。また、移動部64と雌型ジョイントピース14bとを一体形成し、固定部63と接続部1の雌型ジョイントピース14b以外の部分とを一体形成して、接続部1を連結具10の構成要素としてもよい。
【0064】
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について、
図16~
図18を参照して説明する。
図16は、実施形態5に係る連結具の構造を説明する概略斜視図である。
図17は、実施形態5に係る連結具に接続される浄水カートリッジを示す概略斜視図である。
図18は、実施形態5に係る連結具に連結した浄水カートリッジを示す概略斜視図である。本実施形態に係る浄水カートリッジ71は、連結具70と連結可能な浄水カートリッジである。連結具70は、接続部1が正常に接続された場合にのみ浄水カートリッジ71の凹凸部71aに嵌合する位置決め凹凸部74aを有している点において、連結具60と異なっているが、他の構成は同様である。なお、接続部が正常に接続された場合とは、接続部と浄水カートリッジとが連結具を介して、通水可能かつ水もれなく接続された状態を意味している。
【0065】
位置決め凹凸部74aは、移動部74における浄水カートリッジ71側に設けられている。位置決め凹凸部74aは凹状であり、
図18に示すように、接続部1と浄水カートリッジ71のプラグ72とが正常に接続された場合には、浄水カートリッジ71に設けられた凸状の凹凸部71aに嵌合する。
図18は、説明の便宜上、規制部75を取り除いた状態を示している。このように、位置決め凹凸部74aと凹凸部71aとは、接続部1と浄水カートリッジ71とが予め定められた位置関係にある場合にのみ、通水可能かつ水もれなく、正常に接続される。
【0066】
浄水カートリッジ71には、浄水通水管用のプラグ72a及び原水通水管用のプラグ72bの2つのプラグ72がある。プラグ72bが接続部1bに接続され、プラグ72aが接続部1aに接続されることで、浄水装置を適切に使用可能となる。
【0067】
したがって、例えば、位置決め凹凸部74aを接続部1a側に設け、凹凸部71aをプラグ72a側に設ける。これにより、プラグ72aが接続部1aに接続された場合にのみ、接続部1と浄水カートリッジ71とが適切に接続される。このように、位置決め凹凸部74aによれば、プラグ72bが接続部1aに接続され、プラグ72aが接続部1bに接続される逆接を防止することができる。
【0068】
本実施形態において、連結具70は、アダプタを介して浄水カートリッジに接続されてもよい。本実施形態におけるアダプタは、連結具70において、接続部1を浄水カートリッジに接続したときに連結具に対向する浄水カートリッジの表面部分の形状に追従する表面形状を有し、連結具70において当該表面形状を浄水カートリッジ側に向けて配置可能に構成されている。これにより、アダプタに接続可能な浄水カートリッジであれば、表面部分の形状が浄水カートリッジ71とは異なる浄水カートリッジであっても、連結具70に連結させることができる。
【0069】
〔実施形態6〕
本発明のさらに他の実施形態について、
図19を参照して説明する。
図19は、実施形態6に係る、連結具に連結された浄水カートリッジが架台に設置された架台を示す概略斜視図である。連結具60は、規制部65を把持し、かつ、浄水カートリッジ11をその設置場所に支持するための架台80に支持されている点において、他の実施形態の連結具と異なっている。
図19に示すように、架台80は、固定部81と支持部82とを有している。固定部81は、例えば、流し台の下の収納内の壁面に取り付けられる。支持部82は、例えば、実施形態4の連結具60を保持する。架台80は、連結具60が支持部82に保持された状態で、連結具60に連結された浄水カートリッジ11を支持する支持部83をさらに有していてもよい。
【0070】
連結具60と連結された浄水カートリッジ11を架台80に設置することで、例えば、流し台の下等において、浄水カートリッジ11を横向きに設置したり、収納場所の底面から離れた位置に設置したりすることができる。また、例えば、浄水カートリッジ11が横向きになるように、流し台の下に架台80を設ければ、浄水カートリッジを第一の方向において連結具60から離れる方向に引っ張りやすい。そのため、浄水カートリッジ11の着脱における作業性の観点からより一層好適である。
【0071】
〔実施形態7〕
本発明のさらに他の実施形態について、
図20及び
図21を参照して説明する。
図20及び
図21は、実施形態7に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
図20に示すように、連結具90は、四角柱形状の周壁を有していてもよい。これにより、連結具90を連結した浄水カートリッジ11を横に倒して設置した場合に、設置の安定性が高い。また、
図20では、連結具90の上面に接続部91が位置しているが、
図21に示すように、連結具101の側面に接続部102が位置していてもよい。連結具101には、接続部102が設けられた側面に背向する側面にも接続部が位置している。これにより、連結具に対する接続部の位置を、浄水カートリッジの設置場所や用途に応じて選択することができる。
【0072】
〔実施形態8〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0073】
以下、本実施形態について、
図22及び
図23を参照して説明する。
図22は、実施形態8に係る連結具の外観を示す概略上面図である。
図23は、実施形態8に係る連結具の外観を示す概略斜視図である。
【0074】
[構成]
図22及び
図23に示すように、浄水カートリッジ11に連結する連結具110は、固定部113、移動部114、及び規制部115を有している。連結具110において、規制部115は、固定部113の外縁から固定部113の面方向に沿って突出するように設けられている。ここで、固定部113の面方向は、第一の方向D2に交差する方向である。連結具110において、移動部114の外周壁には、凸部116及びフランジ部117が設けられている。凸部116及びフランジ部117の詳細については、後述する他の実施形態において説明する。
【0075】
移動部114の固定部113側には、規制部115に対応する形状の切り欠き部114aが設けられている。ここで、切り欠き部114における規制部115に対応する形状とは、規制部115を切り欠き部114内に収容して、移動部114と固定部113との相対的な距離を近づけることが可能な形状が意図される。切り欠き部114aは、切り欠き部114aを構成する各面が、移動部114の内側から外側に向かって広がるテーパー形状であってもよい。
【0076】
また、連結具110において、移動部114の固定部113側には、規制部115の第二の方向D3の移動範囲の境界を表す目印114bが設けられている。連結具110においては、切り欠き部114aに対応する位置から目印114bに対応する位置までの間が、規制部115の第二の方向D3の移動範囲となる。すなわち、規制部115の第二の方向D3の移動範囲が規制されている。規制部115の第二の方向D3の移動範囲の規制は、例えば、移動範囲の両端に規制部115の移動を妨げるための突起部等を設けることにより実現できる。
【0077】
さらに、連結具110においては、規制部115が切り欠き部114aに対向する位置及び目印114bに対向する位置に移動した際にクリック感が生じさせるように構成してもよい。
【0078】
目印114bは、
図22及び
図23に示すように、移動部114の表面が窪んだ形状であってもよいが、突起が設けられていたり、矢印のようなマークが表示されていたりしてもよい。すなわち、目印114bは、その位置が視認できるような構成であればよい。目印114bが移動部114の表面が窪んだ形状である場合、その窪みの側面が移動部114の内側から外側に向かって広がるテーパー形状であってもよい。また、目印114bが移動部114の表面が窪んだ形状である場合、その窪みの深さは、規制部115が入り込んで移動部114と固定部113との接近を許容しない程度の深さである。
【0079】
連結具110には、固定部113の面方向に対向する位置に2つの規制部115が設けられている。また、連結具110には、規制部115の数に対応する数、すなわち、2つの切り欠き部114aが設けられている。なお、連結具110に設けられる規制部115及び切り欠き部114aの数はこれに限定されず、1つずつであってもよいし、3つずつ又はそれ以上であってもよい。
【0080】
さらに、移動部114の浄水カートリッジ11に連結される側には、浄水カートリッジ11の挿入位置を表す目印114cが設けられている。
【0081】
連結具110は、これらの構成において他の実施形態の連結具と異なっているが、他の構成は同様である。
【0082】
[作用効果]
図22及び23に示すように、規制部115と切り欠き部114aとが対向する所定の移動位置になるように、規制部115を第二の方向D3に移動させると、規制部115による規制が解除された状態になる。すなわち、この状態において、移動部114を第一の方向D2に沿って規制部115に接近させることにより、移動部114と固定部113とが接近し、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除される。
【0083】
規制部115を第二の方向D3に目印114b側に移動させると、移動部114の切り欠き部114aが設けられていない部分と規制部115とが対向する位置となる。この状態において、移動部114を第一の方向D2に沿って固定部113に接近させようとすると、移動部114が規制部115に当接し、固定部113に接近させることができない。これにより、接続部1に対する浄水カートリッジ11の接続が解除されない。
【0084】
連結具110においては、規制部115が固定部113の外縁から固定部113の面方向に沿って突出するように設けられているので、規制部115の位置が視認しやすい。したがって、浄水カートリッジ11の接続を解除する場合に、切り欠き部114aと対向する所定の移動位置まで規制部115が移動したか否かが分かりやすい。また、浄水カートリッジ11の接続が解除されないように、移動部114の切り欠き部114aが設けられていない部分に対向する位置まで規制部115が移動したか否かが分かりやすい。これにより、浄水カートリッジ11の着脱が容易であり、浄水カートリッジ11を流し台の下に設置するような場合でも、浄水カートリッジ11の着脱における操作性を向上させることができる。
【0085】
連結具110には、規制部115の第二の方向D3の移動範囲の境界を表す目印114bが設けられているので、目印114bに対向する位置まで規制部115を移動させれば、移動部114の移動が規制されることが分かる。これにより、規制部115を第二の方向D3に移動させ過ぎることを防ぐことができる。
【0086】
また、連結具110においては、切り欠き部114aに対向する所定の移動位置から目印114bに対向する位置までの間でのみ、規制部115が第二の方向D3に移動可能なように構成されているので、規制部115を第二の方向D3に移動させ過ぎることを防ぐことができる。
【0087】
さらに、連結具110においては、切り欠き部114a及び目印114bは、それぞれを構成する各面が、移動部114の内側から外側に向かって広がるテーパー形状であるので、切り欠き部114a及び目印114bを視認しやすい。これにより、規制部115を第二の方向D3に移動させ過ぎることを防ぐことができる。
【0088】
また、連結具110において、規制部115が切り欠き部114aに対向する位置及び目印114bに対向する位置に移動した際にクリック感が生じるように構成することによって、規制部115を第二の方向D3に移動させ過ぎることを防ぐことができる。
【0089】
さらに、連結具110において、移動部114の浄水カートリッジ11に連結される側には、浄水カートリッジ11の挿入位置を表す目印114cが設けられているので、浄水カートリッジ11の挿入位置を把握しやすい。これにより、浄水カートリッジ11の着脱が容易であり、浄水カートリッジ11を流し台の下に設置するような場合でも浄水カートリッジ11の着脱における操作性を向上させることができる。
【0090】
〔実施形態9〕
本発明のさらに他の実施形態について、
図24及び
図25を参照して説明する。
図24は、実施形態9に係る連結具において、浄水カートリッジが連結される部分を示す概略斜視図である。
図25は、実施形態9に係る連結具に連結される浄水カートリッジを示す概略斜視図である。
【0091】
[構成]
図24及び
図25に示すように、連結具120は、浄水カートリッジ130が連結される側の挿入口121の一方の外周にリブ122が設けられている。挿入口121aの外周にはリブ122は設けられておらず、挿入口121bの外周にのみリブ122が設けられている。リブ122は、挿入口121bを囲むように設けられているが、挿入口121bの外周部分の少なくとも一部に設けられていればよい。
【0092】
連結具120に連結される浄水カートリッジ130は、挿入口121に挿入されるプラグ(接続プラグ)131の一方の根本に凸部132が設けられている。プラグ131bの根本には凸部132は設けられておらず、プラグ131aの根本にのみ凸部132が設けられている。浄水カートリッジ130には、浄水通水管用のプラグ131a及び原水通水管用のプラグ131bの2つのプラグ131がある。浄水カートリッジ130において、プラグ131aの根本には、プラグ131aを挟んで対向する位置に2つの凸部132が設けられているが、凸部132の数はこれに限定されず、3つ以上であってもよい。凸部132は、プラグ131aの外周に等間隔に設けられていることが好ましい。
【0093】
なお、連結具120の挿入口121の外周部分に凸部が設けられ、浄水カートリッジ130のプラグ131の根本にリブが設けられていてもよい。また、挿入口121aの外周にリブを設け、プラグ131bの根本に凸部をもうけてもよい。
【0094】
また、連結具120において、浄水カートリッジ130内で浄化した水を浄水カートリッジ外に流出させる側の接続部1に逆止弁が設けられていてもよい。
【0095】
さらに、連結具120において浄水カートリッジ130が連結される側の内径と、浄水カートリッジ130の外径とを略一致させてもよい。上記内径と上記外径との差は、1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2mm以上、0.6mm以下であり、例えば、0.5mmである。
【0096】
連結具120及び浄水カートリッジ130は、これらの構成において他の実施形態の連結具及び浄水カートリッジと異なっているが、他の構成は同様である。
【0097】
[作用効果]
連結具120と浄水カートリッジ130とは、プラグ131bが接続部1bに接続され、プラグ131aが接続部1aに接続されることで、浄水装置を適切に使用可能となる。挿入口121bの外周にはリブ122が設けられており、プラグ131aの根本には凸部132が設けられているので、プラグ131aを挿入口121bに接続しようとすると、リブ122と凸部132とが干渉する。ここで、「干渉」とは、リブ122と凸部132とが接触し、プラグ131aの挿入口121bへの侵入が妨げられることを意味している。すなわち、挿入口に121bとプラグ131aとを接続しようとした場合、プラグ131aを挿入口121bに適切に挿入することができないため、プラグ131aと挿入口121bとを接続することができない。これにより、連結具120と浄水カートリッジ130とを接続することができない。挿入口121aにプラグ131aを接続し、挿入口121bにプラグ131bを接続した場合にのみ、連結具120と浄水カートリッジ130とを接続することができる。このように、連結具120と浄水カートリッジ130とが正常に接続されない誤接続を防止することができる。
【0098】
また、連結具120においては、浄水カートリッジ130内で浄化した水を流出させる側の接続部1に逆止弁を設けることによって、通水管12の誤った側に連結具120を接続した場合には通水されない。これにより、連結具120と通水管12とのご接続を防止することができる。
【0099】
さらに、連結具120において浄水カートリッジ130が連結される側の内径と、浄水カートリッジ130の外径とを略一致させることによって、上記内径よりも大きい外径の浄水カートリッジを連結させることができない。これにより、外径の大きい別の浄水カートリッジを誤って連結させることを防ぐことができる。また、上記内径と上記外径とを完全には一致させず、例えば1mm程度の遊びを確保することによって、連結具120と浄水カートリッジ130との着脱を容易にする。また、連結具120及び浄水カートリッジ130の破損を防ぐことができる。
【0100】
〔実施形態10〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0101】
以下、本実施形態について、
図26及び
図27を参照して説明する。
図26は、実施形態10に係る、連結具に連結された浄水カートリッジが設置された架台を示す概略斜視図である。
図27は、実施形態10に係る、連結具に連結された浄水カートリッジが設置された架台を示す概略斜視図である。
【0102】
[構成]
図26及び
図27に示すように、浄水カートリッジ11を連結した連結具110は、架台140に支持されている。架台140は、連結具110及び浄水カートリッジ11をその設置場所に支持するものである。架台140は、固定部141、支持部142、及びロック(落下防止部)143を備えている。固定部141は、例えば、流し台の下の収納内の壁面に取り付けられる。固定部141は、壁面に略水平方向に取り付けられてもよい。支持部142は、連結具110を保持する。架台140は、連結具110が支持部142に保持された状態で、連結具110に連結された浄水カートリッジ11を支持する支持部144をさらに有していてもよい。
【0103】
連結具110の凸部116及びフランジ部117と、架台140の支持部142とにより、架台140上における移動部114の位置ズレが防止されている。このように本実施形態では、架台140の一部と、連結具110のうち架台140以外の構成の一部とによって、本発明の連結具における位置ズレ防止部の一態様が実現されている。しかし、本発明における位置ズレ防止部はこのような形態に限定されず、移動部の位置ズレを防止するものであればよい。例えば、位置ズレ防止部は、架台のみの構成によって実現されてもよく、架台以外の連結具の構成によって実現されてもよく、本実施形態のように架台と、連結具における架台以外の構成の一部とによって実現されてもよい。
【0104】
また、本実施形態においては、連結具110の凸部116及び架台140の支持部142が、移動部114の第二の方向D3への位置ズレを防止する位置ズレ防止部として機能する。
【0105】
また、本実施形態においては、連結具110のフランジ部117及び架台140の支持部142が、移動部114の第一の方向D2への位置ズレを防止する機構として機能する。
【0106】
支持部142は、連結具110の凸部116を保持し、連結具110のフランジ部117間に位置するように構成されている。フランジ部117は、移動部114の外周壁に沿って支持部142を挟むように設けられている。支持部142は、その内側への連結具110の挿入及び抜出するための離間した部分を有している。支持部142は、その外側から連結具110を押し付けることで、連結具110が支持部142の離間した部分から内側に入り込む。支持部142は、離間した部分から連結具110が内側に入り込むことを許容する可撓性を有している。ロック143は、支持部142の離間した部分を繋げて固定するものである。ロック143は、浄水カートリッジ11を支持する支持部144にも設けられていてもよい。これにより、通水時のガタツキを防止することができる。また、ロック143は、支持部142の離間した部分を繋げることが可能な構成であればよく、例えば、離間した部分の一方に固定されたリングを他方に引っ掛けるような構成であってもよい。また、ロック143は、ピンフック、キャッチクリップ等の留め具、又はスプリング、輪ゴム等の伸縮可能な留め具で、離間した部分を固定する構成であってもよい。
【0107】
浄水カートリッジ11には、浄水カートリッジの商品名、品番、使用期間等が記載されたラベル11aが貼りつけられている。ラベル11aは、浄水カートリッジ11を連結具110に連結して接続させた際に支持部142の離間した部分から視認しやすい位置に貼りつけられている。
【0108】
[作用効果]
連結具110は、凸部116が支持部142に保持されているので、凸部116が支持部142に引っ掛かり、移動部114の第二の方向D3への位置ズレ、すなわち、回転方向の位置ズレが防止される。したがって、浄水カートリッジ11を第二の方向D3に移動させた際に、移動部114が一緒に移動してしまうことを防ぐことができる。これにより、操作者は浄水カートリッジ11のみを把持して着脱させることが可能であり、連結具110を手で押さえる必要がない。
【0109】
また、連結具110は、支持部142がフランジ部117の間に位置するように保持されているので、フランジ部117が支持部142に引っ掛かり、連結具110の第一の方向D2への位置ズレ、すなわち、軸方向の位置ズレが防止される。したがって、浄水カートリッジ11を第一の方向D2に引っ張って接続部1に対する接続を解除する際に、連結具110が一緒に移動してしまうことを防ぐことができる。これにより、操作者は浄水カートリッジ11のみを把持して着脱させることが可能であり、連結具110を手で押さえる必要がない。
【0110】
さらに、ロック143により、支持部142の離間した部分を繋げることにより、支持部142により連結具110を保持している状態において、連結具110が外れたり落下したりすることを防ぐことができる。また、支持部142から連結具110を取り外す際には、ロックを外して支持部142の離間した部分を開放することができる。
【0111】
固定部141は、壁面に略水平方向に取り付けられることにより、浄水カートリッジ11を第一の方向D2に引っ張るためのスペースが確保される。これにより、架台140から連結具110及び浄水カートリッジ11を取り外さずに、浄水カートリッジ11を引っ張って抜き取ることができる。
【0112】
ラベル11aは、連結具110に連結して接続させた際に支持部142の離間した部分から視認しやすい位置に貼りつけられているので、ラベル11aを確認するために浄水カートリッジ11を第二の方向D3に回転させたりする必要がない。
【0113】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
3、43、53、63 固定部
4、44、54、64、74 移動部
5、45、55、65、75 規制部
10、40、50、60、70、90、110、120 連結具
11、71、130 浄水カートリッジ
80、140 架台
100 浄水装置