(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】熱電発電モジュール実装基板
(51)【国際特許分類】
H10N 10/13 20230101AFI20241129BHJP
H10N 10/17 20230101ALI20241129BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
H10N10/13
H10N10/17 Z
H02N11/00 A
(21)【出願番号】P 2020215672
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 知紀
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0276566(US,A1)
【文献】特開2014-007376(JP,A)
【文献】特開2001-160632(JP,A)
【文献】特開2014-099544(JP,A)
【文献】特開2011-082250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 10/13
H10N 10/17
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを貫通する伝熱スルーホール22を有し、前記第2面で筐体と接触するプリント基板20と、
前記第1面に接触して前記プリント基板に実装された熱電発電モジュール10と、を備え
、
前記熱電発電モジュールは、
第1基板11と、
間隙を介して前記第1基板に対向する第2基板12と、
前記第1基板の前記第2基板が配置された側の面に配置された複数の第1電極14と、
前記第2基板の前記第1基板が配置された側の面に配置された複数の第2電極15と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極及び前記第2電極を介して直接に接続された熱電変換素子13と、
前記第1基板の前記第1電極が配置された側の面とは逆の面に配置され、前記伝熱スルーホールと接続された第1熱伝導層16と、を有し、
前記第1面には、前記伝熱スルーホールが接続される伝熱パッド21Aが設けられ、
前記第1熱伝導層16は、前記伝熱パッド21Aに固定され、
前記第1熱伝導層16は、前記熱電変換素子13、前記第1電極14、及び前記第2電極15に対して、電気的に絶縁される、
熱電発電モジュール実装基板。
【請求項2】
前記伝熱パッドは、前記第1
熱伝導層に半田30によって固定される、
請求項
1に記載の熱電発電モジュール実装基板。
【請求項3】
前記熱電発電モジュールは、
前記第1基板を貫通しかつ前記熱電変換素子の端部に配置された熱電変換素子に接続された前記第1電極に接続する電極スルーホール18と、
前記第1基板の前記第1電極が配置された側の面とは逆の面に配置されかつ前記電極スルーホールの他端に接続されるとともに前記プリント基板の電子回路と電気的に接続された第2導電層17と、を備える、
請求項
1又は
2に記載の熱電発電モジュール実装基板。
【請求項4】
前記電極スルーホールは、前記第1面に設けられる電極パッドに接続し、
前記電極パッドは、前記第2導電層に半田によって固定される、
請求項
3に記載の熱電発電モジュール実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱電発電モジュール実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電変換素子を利用した熱電発電モジュールが知られている。熱電発電モジュールは、一対の基板の間に熱電変換素子が配置されている。熱電発電モジュールは、基板間に温度差が与えられることにより、ゼーベック効果により発電する。
【0003】
例えば、特許文献1には、セラミック基板等に形成されたスルーホールを介して、外側基板の外表面上に形成された電力供給用の導電層に接続し、プリント基板等に実装する工程にいて生産効率の向上を可能にする熱電モジュールが開示されている。また、特許文献2には、プリント基板の配線パターンに熱電変換素子が半田により接合され、その配線パターンにプリント基板のスルーホールに収容された放熱部材を半田で接合することで放熱能力の低下を大幅に抑制するペルチェモジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-160632号公報
【文献】特開2000-091648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、熱電発電モジュールをプリント基板に実装する場合、発熱する機器等に設置する際には、熱電発電に必要な発熱部からの伝熱を確保する必要がある。しかしながら、特許文献1の熱電モジュールは、プリント基板の表面への実装が可能であるが、プリント基板の熱抵抗により放熱効率が抑制されてしまう可能性がある。また、特許文献2のペルチェモジュールは、熱電変換素子をプリント基板上に直接半田で接合するため、熱電モジュール自体を表面実装部品として扱うことができず、組立が困難であるという問題がある。
【0006】
本開示は、伝熱を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従えば、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを貫通する伝熱スルーホールを有し、前記第2面で筐体と接触するプリント基板と、前記第1面に接触して前記プリント基板に実装された熱電発電モジュールと、を備える、熱電発電モジュール実装基板が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、伝熱を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る熱電発電モジュール実装基板を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る熱電発電モジュールを模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る熱電変換素子及び第1電極の配置を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
実施形態においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向、所定面内においてX軸と直交するY軸と平行な方向をY軸方向、所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。X軸及びY軸を含むXY平面は、所定面と平行である。
【0012】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る熱電発電モジュール実装基板1を模式的に示す断面図である。
図2は、実施形態に係る熱電発電モジュール10を模式的に示す斜視図である。
図3は、実施形態に係る熱電変換素子13及び第1電極14の配置を説明する説明図である。熱電発電モジュール実装基板1は、筐体100に設置される。筐体100は、例えば工場のような産業施設に設けられる機器の筐体100である。筐体100は、熱伝導性を有する金属材料で設けられる。熱電発電モジュール実装基板1は、ねじ101によって筐体100に固定される。
【0013】
図1に示すように、熱電発電モジュール実装基板1は、熱電発電モジュール10と、熱電発電モジュール10が実装されるプリント基板20と、を含む。
【0014】
熱電発電モジュール10は、ゼーベック効果を利用して電力を発生する。筐体100は、熱電発電モジュール10の熱源として機能する。熱電発電モジュール10の-Z側の端面が加熱され、熱電発電モジュール10の-Z側の端面と+Z側の端面との間に温度差が与えられることによって、熱電発電モジュール10は電力を発生する。
図1及び
図2に示すように、熱電発電モジュール10は、第1基板11と、第2基板12と、熱電変換素子13と、第1電極14と、第2電極15と、第1導電層16と、第2導電層17と、電極スルーホール18と、を有する。
【0015】
第1基板11及び第2基板12は、電気絶縁材料で形成される。実施形態において、第1基板11及び第2基板12は、セラミック基板である。第1基板11及び第2基板12は、酸化物セラミック又は窒化物セラミックによって形成される。酸化物セラミックとして、酸化アルミニウム(Al2O3)又は酸化ジルコニウム(ZrO2)が例示される。窒化物セラミックとして、窒化珪素(Si3N4)又は窒化アルミニウム(AlN)が例示される。
【0016】
第1基板11は、間隙を介してプリント基板20に対向する。第1基板11は、+Z方向を向く第1面11Aと、-Z方向を向く第2面11Bとを有する。第1面11Aは、第1基板11と第2基板12との間の空間に面する。すなわち、第1面11Aは、熱電変換素子13が存在する空間に面する。第2面11Bは、プリント基板20が存在する空間に面する。第1面11A及び第2面11Bのそれぞれは、XY平面と実質的に平行である。
【0017】
第2基板12は、間隙を介して第1基板11に対向する。第2基板12は、+Z方向を向く第1面12Aと、-Z方向を向く第2面12Bとを有する。第1面12Aは、大気空間に面する。第2面11Bは、第1基板11と第2基板12との間の空間に面する。すなわち、第2面11Bは、熱電変換素子13が存在する空間に面する。第1面12A及び第2面12Bのそれぞれは、XY平面と実質的に平行である。
【0018】
熱電変換素子13は、第1基板11と第2基板12との間の空間に配置される。熱電変換素子13は、n型熱電半導体素子である第1熱電変換素子13Nと、p型熱電半導体素子である第2熱電変換素子13Pとを含む。第1熱電変換素子13N及び第2熱電変換素子13Pのそれぞれは、XY平面内に複数配置される。X軸方向において、第1熱電変換素子13Nと第2熱電変換素子13Pとは交互に配置される。Y軸方向において、第1熱電変換素子13Nと第2熱電変換素子13Pとは交互に配置される。第1熱電変換素子13N及び第2熱電変換素子13Pの下面は、第1電極14に接続される。第1熱電変換素子13N及び第2熱電変換素子13Pの上面は、第2電極15に接続される。
【0019】
熱電変換素子13は、例えばビスマステルル系化合物(Bi-Te)のような熱電材料によって形成される。熱電変換素子13を形成する熱電材料として、ビスマス(Bi)、ビスマステルル系化合物(Bi-Te)、ビスマスアンチモン系化合物(Bi-Sb)、鉛テルル系化合物(Pb-Te)、コバルトアンチモン系化合物(Co-Sb)、イリジウムアンチモン系化合物(Ir-Sb)、コバルト砒素系化合物(Co-As)、シリコンゲルマニウム系化合物(Si-Ge)、銅セレン系化合物(Cu-Se)、ガドリウムセレン系化合物(Gd-Se)、炭化ホウ素系化合物、テルル系ペロブスカイト酸化物、希土類硫化物、TAGS系化合物(GeTe-AgSbTe2)、ホイスラー型TiNiSn、FeNbSb、TiCoSb系物質等が例示される。
【0020】
第1電極14及び第2電極15は、熱電変換素子13に電力を与える。第1電極14は、第1基板11の第1面11Aに接続される。第1電極14は、第1基板11の第1面11Aに複数設けられる。第1電極14は、隣接する第1熱電変換素子13N及び第2熱電変換素子13Pのそれぞれに接続される。第2電極15は、第2基板12の第2面12Bに接続される。第2電極15は、第1熱電変換素子13N及び第2熱電変換素子13Pのそれぞれに接続される。第2電極15は、隣接する第1熱電変換素子13N及び第2熱電変換素子13Pのそれぞれに接続される。
【0021】
図2に示すように、第1熱電変換素子13Nと第2熱電変換素子13Pとは、第1電極14及び第2電極15を介して直列に接続される。
図2及び
図3に示すように、実施形態において、直接に接続された熱電変換素子13の端部に配置される熱電変換素子13に接続される第1電極14を、第1電極14Aとする。
【0022】
図1及び
図2に示すように、第1導電層16は、第1基板11の第2面11B側に設けられる。第1導電層16は、第1基板11の第2面11Bの一部分に設けられる。第1導電層16の上面は、第1基板11の第2面11B側に接続される。第1導電層16は、金属等の導電材料で形成される。第1導電層16は、後述の電極スルーホール18が形成されない位置に設けられる。すなわち、第1導電層16は、熱電変換素子13、第1電極14、第2電極15、第2導電層17及び電極スルーホール18に対して、電気的に絶縁される。
【0023】
第2導電層17は、第1基板11の第2面11B側に設けられる。第2導電層17は、第1基板11の第2面11Bの一部分に設けられる。第2導電層17の上面は、第1基板11の第2面11B側に接続される。第2導電層17は、金属等の導電材料で形成される。第2導電層17は、電極スルーホール18を介して、端部に位置する熱電変換素子13に接続される第1電極14Aに接続される。第2導電層17は、第1導電層16に対して、電気的に絶縁される。
【0024】
電極スルーホール18は、第1基板11の第1面11Aと第2面11Bとを貫通する貫通孔である。電極スルーホール18の内周面には、銅めっきが施される。電極スルーホール18は、第1基板11の第1面11A側で、第1電極14Aに接する。電極スルーホール18は、第1基板11の第2面11B側で第2導電層17に接する。これにより、電極スルーホール18は、第1基板11の第1面11Aに設けられる第1電極14Aと、第2面11Bに設けられる第2導電層17とを電気的に導電させている。電極スルーホール18は、内部に導電材料が充填されてもよい。
【0025】
プリント基板20は、電気絶縁材料で形成される。実施形態において、プリント基板20は、ガラスエポキシ基板である。プリント基板20は、パッド21と、伝熱スルーホール22とを有する。
【0026】
プリント基板20は、熱電発電モジュール10に対向する。プリント基板20は、ねじ101によって筐体100に固定される。プリント基板20は、+Z方向を向く第1面20Aと、-Z方向を向く第2面20Bとを有する。第1面20Aは、熱電発電モジュール10が設置される側の空間に面する。第2面20Bは、筐体100の上面に面する。第1面20A及び第2面20Bのそれぞれは、XY平面と実質的に平行である。
【0027】
パッド21は、プリント基板20に熱電発電モジュール10のような表面実装部品を実装するための半田付け用銅箔である。パッド21は、プリント基板20の第1面20A側に複数設けられる。熱電発電モジュール10は、半田30によって固定されることによって、プリント基板20上に実装される。実施形態において、パッド21は、伝熱パッド21Aと、電極パッド21Bと、を含む。熱電発電モジュール10は、第1導電層16が伝熱パッド21Aに半田30によって固定される。熱電発電モジュール10は、第2導電層17が電極パッド21Bに半田30によって固定される。
【0028】
伝熱スルーホール22は、プリント基板20の第1面20Aと第2面20Bとを貫通する複数の貫通孔である。伝熱スルーホール22の内周面には、銅めっきが施される。伝熱スルーホール22は、プリント基板20の第1面20A側で、第1導電層16に半田30を介して接続されるパッド21に接続する。伝熱スルーホール22は、プリント基板20の第2面20B側で、筐体100の上面に接する。
【0029】
これにより、伝熱スルーホール22は、熱電発電モジュール10の第1基板11の第2面11Bに設けられる第1導電層16と、筐体100とで熱の授受が可能である。伝熱スルーホール22は、伝熱性を向上させるために、1つ辺りの伝熱スルーホール22の直径を小さくすると共に伝熱スルーホール22の数を多くして、面積当たりのスルーホール密度を大きくすることが好ましい。
【0030】
上記のような構成の熱電発電モジュール実装基板1において、筐体100が発熱すると、伝熱スルーホール22、パッド21、半田30及び第1導電層16を介して、筐体100の上面から第1基板11に伝熱し、熱電発電モジュール10の第1基板11が加熱される。
【0031】
熱電発電モジュール10では、第1基板11が加熱されることによって、第1熱電変換素子13N及び第2熱電変換素子13Pのそれぞれの+Z側の端部と-Z側の端部との間に温度差が与えられる。第1熱電変換素子13Nの+Z側の端部と-Z側の端部との間に温度差が与えられると、第1熱電変換素子13Nにおいて電子が移動する。第2熱電変換素子13Pの+Z側の端部と-Z側の端部との間に温度差が与えられると、第2熱電変換素子13Pにおいて正孔が移動する。電子と正孔とによって第1電極14と第2電極15との間に電位差が発生する。第1電極14と第2電極15との間に電位差が発生することにより、熱電発電モジュール10は電力を発生する。
【0032】
熱電発電モジュール10は、直接に接続された熱電変換素子13の端部に配置される熱電変換素子13に接続される第1電極14Aから電極スルーホール18及び第2導電層17を介して電力を出力する。これにより、熱電発電モジュール10から出力された電力が、半田30及びパッド21を介して、プリント基板20の電子回路に供給される。
【0033】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、プリント基板20が第1面20Aと第2面20Bとを貫通する伝熱スルーホール22を有する。プリント基板20の第2面20Bは筐体100と接触する。プリント基板20は、第1面20A側に熱電発電モジュール10が実装される。プリント基板20は、筐体100が発熱すると、第2面20Bから筐体100の熱を受け取り、伝熱スルーホール22を介して熱電発電モジュール10へ伝熱させる。これにより、熱電発電モジュール10は、筐体100の熱によって電力を発生する。
【0034】
プリント基板20に熱電発電モジュール10を実装して一体にすることによって、熱電発電モジュール10の発熱部材(筐体100)へのグリスでの固定が不要になる。また、熱電発電モジュール10は、プリント基板20を筐体100へねじ等で固定することによって、筐体100に固定できるため、位置決めが容易になる。
【0035】
熱電発電モジュール10を設置する際には、筐体100からの伝熱性を向上させる必要がある。実施形態によれば、伝熱スルーホール22によって、筐体100に接する第2面20Bと熱電発電モジュール10に接続する第1面20Aとの間で熱を授受するので、プリント基板20の基材の熱抵抗による伝熱効率の低下を抑制できる。
【0036】
実施形態において、熱電発電モジュール10は、第1基板11の第2面11Bに配置され、伝熱スルーホール22と接続された第1導電層16を備える。第1導電層16は、第1電極14及び第2電極15と絶縁される。これにより、熱電発電モジュール10は、プリント基板20の基材の熱抵抗による伝熱効率の低下を抑制しつつ、第1導電層16及び伝熱スルーホール22を介して筐体100から熱を受け取ることができる。
【0037】
実施形態において、伝熱スルーホール22は、プリント基板20の第1面20Aに設けられる伝熱パッド21Aに接続する。伝熱パッド21Aは、熱電発電モジュール10の第1導電層16に半田30によって固定される。これにより、熱電発電モジュール10は、プリント基板20の基材の熱抵抗による伝熱効率の低下を抑制しつつ、第1導電層16及び伝熱スルーホール22を介して筐体100から熱を受け取ることができる。
【0038】
実施形態において、熱電発電モジュール10は、第1基板11を貫通する電極スルーホール18と、第1基板11の第2面11Bに配置され、プリント基板20の電子回路と電気的に接続された第2導電層17とを備える。電極スルーホール18は、第1基板11の第1面11Aに配置された第1電極14Aと第2導電層17とを電気的に接続する。これにより、熱電発電モジュール10で発生した電力をプリント基板20の電子回路に供給するための配線が不要であるので、製造時の工数を削減できるとともに、リード線又はワイヤーの断線による不良リスクを回避できる。
【0039】
実施形態において、プリント基板20は、第1面20Aに設けられる電極パッド21Bを有する。電極パッド21Bは、熱電発電モジュール10の第2導電層17に半田30によって固定される。これにより、プリント基板20と熱電発電モジュール10との間を電気的に接続するためのリード線又はワイヤー等の配線が不要であるので、製造時の工数を削減できるとともに、リード線又はワイヤーの断線による不良リスクを回避できる。
【0040】
[その他の実施形態]
なお、上述の実施形態においては、第1基板11設けた電極スルーホール18によって、熱電発電モジュール10が発電した電力をプリント基板20の電子回路に出力することとした。熱電発電モジュール10は、第1基板11の第1電極14Aとプリント基板20の電極パッド21Bとを接続するように設けられるリード線又はリード線を介して電力を出力してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…熱電発電モジュール実装基板、10…熱電発電モジュール、11…第1基板、11A…第1面、11B…第2面、12…第2基板、12A…第1面、12B…第2面、13…熱電変換素子、13N…第1熱電変換素子、13P…第2熱電変換素子、14、14A…第1電極、15…第2電極、16…第1導電層、17…第2導電層、18…電極スルーホール、20…プリント基板、20A…第1面、20B…第2面、21…パッド、21A…伝熱パッド、21B…電極パッド、22…伝熱スルーホール、30…半田、100…筐体、101…ねじ。