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特許7595542設計製造支援装置、設計製造支援方法、および設計製造支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】設計製造支援装置、設計製造支援方法、および設計製造支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241129BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20241129BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06F30/10 200
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021142735
(22)【出願日】2021-09-01
(65)【公開番号】P2023035697
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2024-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】片岡 一朗
(72)【発明者】
【氏名】古谷 了
(72)【発明者】
【氏名】昼田 聖一
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-092351(JP,A)
【文献】特開平09-141532(JP,A)
【文献】特開2013-097743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有した設計製造支援装置であって、
前記プロセッサは、
製造すべき個所について、製造指示情報が省略された第1の状態の個所と、当該第1の状態の個所と製造指示情報が省略されていない個所とに所定の関係性がある場合に、
前記省略された個所のチェック前後の状態として、前記第1の状態の前記省略された個所と、前記省略されていない個所に対応する製造指示情報を出力した第2の状態の前記省略された個所と、を出力し、面に表示する、
ことを特徴とする設計製造支援装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第1の状態が表示され、所定の操作がされた場合に、前記第2の状態を前記画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の設計製造支援装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第2の状態が表示され、所定の操作がされた場合に、前記関係性に応じて定められた、製造指示情報が省略された理由を前記画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の設計製造支援装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第2の状態が表示され、所定の操作がされた場合に、前記製造指示情報に含まれる、前記省略された個所についての製造情報を前記画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の設計製造支援装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記製造情報に基づいて行われる製造が所定の基準を満たす場合に、前記製造情報に対応して定められた前記所定の基準を前記画面に表示する、
ことを特徴とする請求項4に記載の設計製造支援装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
製造指示情報の重要度に応じて定められた優先度に基づいて、前記第2の状態の前記省略された個所を前記画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の設計製造支援装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記第2の状態の前記省略された個所との関係性が所定の条件を満たす箇所について、前記第1の状態と前記第2の状態とを、前記所定の条件を満たす箇所のチェック前後の状態として画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の設計製造支援装置。
【請求項8】
プロセッサを有した設計製造支援装置で行われる設計製造支援方法であって、
製造すべき個所について、製造指示情報が省略された第1の状態の個所と、当該第1の状態の個所と製造指示情報が省略されていない個所とに所定の関係性がある場合に、
前記省略された個所のチェック前後の状態として、前記第1の状態の前記省略された個所と、前記省略されていない個所に対応する製造指示情報を出力した第2の状態の前記省略された個所と、を出力し、面に表示する、
ことを特徴とする設計製造支援方法。
【請求項9】
コンピュータに、
製造すべき個所について、製造指示情報が省略された第1の状態の個所と、当該第1の状態の個所と製造指示情報が省略されていない個所とに所定の関係性がある場合に、
前記省略された個所のチェック前後の状態として、前記第1の状態の前記省略された個所と、前記省略されていない個所に対応する製造指示情報を出力した第2の状態の前記省略された個所と、を出力し、画面に表示する処理
を実行させることを特徴とする設計製造支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計製造支援装置、設計製造支援方法、および設計製造支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の設計では、CAD(Computer Aided Design)と呼ばれる図面や3次元CAD(3D-CAD)を用いて形状を検討・作成し、製品の品質を評価することが広く行われている。また、検討・作成した形状が実際に加工や組み立て作業を行えるかどうかの製造性を、設計段階で確認することが行われている。設計段階で製造性を確認することにより、後工程での手戻りや不良設計を防止することが可能である。
【0003】
一方、設計者が3D-CADを用いて製品の構造を設計する際に、後工程となる製造工程においても3D-CADの情報を共有できるように、製造指示情報を設定することが多い。例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、3D-CADに加工手段や検査手段などの知識を関連づけて可視化することにより、設計と生産管理を支援する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-97743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、3D-CADに製造指示情報を関連付けているが、工数削減の観点からは、上記関連付けを省略することが望ましい。しかし、製造指示情報の関連付けを省略する場合、3D-CADが大規模・複雑になるほど省略個所が多くなり、製造指示情報の確認漏れが生じうる。そのため、確認漏れが生じないように、製造指示情報をユーザに提示することが重要となる。
【0006】
この点、単に製造指示情報を提示しただけでは、後工程に関係のない個所や、後工程において影響がない個所のように、本来は省略可能な製造指示情報まで確認しなければならない。そのため、このような必要がない確認作業が生じないように、適切に製造指示情報をユーザに提示する技術が求められている。
【0007】
本発明は、適切に製造指示情報をユーザに提示することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる設計製造支援装置は、プロセッサを有した設計製造支援装置であって、前記プロセッサは、製造すべき個所について、製造指示情報が省略された第1の状態の個所と、当該第1の状態の個所と製造指示情報が省略されていない個所とに所定の関係性がある場合に、前記省略されていない個所に対応する製造指示情報を出力した第2の状態の前記省略された個所と、を出力し、前記第1の状態と前記第2の状態とを、前記省略された個所のチェック前後の状態として画面に表示する、ことを特徴とする設計製造支援装置として構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、適切に製造指示情報をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】設計製造支援装置の一実施例の構成を示す図である。
図2】コンピュータの概略を示す図である。
図3】CAD/製造指示DBの一例を示す図である。
図4】省略理由DBの一例を示す図である。
図5】製造ルール/稼働・顧客DBの一例を示す図である。
図6】設計製造支援装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】省略された製造指示情報を検索する手法の一例を示す図である。
図8】出力装置に表示される画面(ユーザ提示画面)の一例を示す図である。
図9】製造指示情報抽出ボタン押下後の結果を示すユーザ提示画面の一例を示す図である。
図10】抽出されなかった製造指示情報を検索したときのユーザ提示画面の一例を示す図である。
図11】省略された製造指示情報を取得したときのユーザ提示画面の一例を示す図である。
図12】省略された部品座標の製造指示情報についての確認結果を示すユーザ提示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0012】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0013】
以下の説明では、「データベース」、「テーブル」、「リスト」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いた場合、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0014】
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0015】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでいてもよい。
【0016】
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【実施例
【0017】
図1を用いて、本実施例に係る設計製造支援装置の一実施例の構成図について説明する。本実施例の設計製造支援装置1000は、計算機で作動するものであり、入力部101、製造個所検索部102、製造情報省略原因推定部103、製造チェック部104、出力部105、CAD/製造指示DB(Data Base)106、省略理由DB107、製造ルール/稼働・顧客DB108を有して構成されている。
【0018】
図1に示した設計製造支援装置1000は、例えば、図2(コンピュータ概略図)に示すような、CPU1601と、メモリ1602と、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置1603と、CD(Compact Disk)やUSBメモリ等の可搬性を有する記憶媒体1608に対して情報を読み書きする読書装置1607と、スキャナ、キーボード、マウスといった入力装置1606と、ディスプレイ等の出力装置1605と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置1604と、これらを連結するシステムバス等の内部通信線(システムバスという)1609と、を備えた一般的なコンピュータ1600により実現できる。
【0019】
設計製造支援装置1000に記憶され、あるいは処理に用いられる様々なデータ(例えば、CAD/製造指示DB106、省略理由DB107、製造ルール/稼働・顧客DB108)は、CPU1601がメモリ1602または外部記憶装置1603から読み出して利用することにより実現可能である。また、各システムや装置が有する各機能部(例えば、入力部101、製造個所検索部102、製造情報省略原因推定部103、製造チェック部104、出力部105)は、CPU1601が外部記憶装置1603に記憶されている所定のプログラムをメモリ1602にロードして実行することにより実現可能である。
【0020】
上述した所定のプログラムは、読書装置1607を介して記憶媒体1608から、あるいは、通信装置1604を介してネットワークから、外部記憶装置1603に記憶(ダウンロード)され、それから、メモリ1602上にロードされて、CPU1601により実行されるようにしてもよい。また、読書装置1607を介して、記憶媒体1608から、あるいは通信装置1604を介してネットワークから、メモリ1602上に直接ロードされ、CPU1601により実行されるようにしてもよい。
【0021】
以下では、設計製造支援装置1000が、ある1つのコンピュータにより構成される場合を例示するが、これらの機能の全部または一部が、クラウドのような1または複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して互いに通信することにより同様の機能を実現してもよい。設計製造支援装置1000を構成する各部が行う具体的な処理については、フローチャートを用いて後述する。
【0022】
製造個所検索部102では、入力部101が入力装置1606から読み込んだ3D-CADと、CAD/製造指示DB106に記憶される製造情報とから、製造すべき個所を検索する。具体的には後述するが、製造すべき個所とは、3D-CADにおいて、製造指示情報が設定されている部品座標で示された個所、製造指示情報が設定されていない部品座標で示された個所の双方を含む。部品座標とは、部品の大きさや形状、加工や組み立て等の製造範囲を示す情報である。部品座標は、座標を示す場合もあれば、座標によって定められる形状や範囲を示すこともある。また、製造指示情報は、部品や製品の製造を指示するための情報であり、製造情報および製造位置を含む。製造情報は、製造位置における製造方法(例えば、隅肉溶接)を示す情報である。製造位置は、製造情報で示される製造方法により製造される位置(例えば、加工される部品や製品上での位置)を示す情報である。
【0023】
図3は、CAD/製造指示DB106の一例を示す図である。CAD/製造指示DB106は、過去に入力部101が読み込んだ3D-CADに含まれる製造指示情報を記憶したデータベースである。図3に示すように、CAD/製造指示DB106は、製造指示の対象となる部品の部品名と、当該部品の部品座標と、当該部品の製造指示情報である製造情報および製造位置とが対応付けて記憶されている。CAD/製造指示DB106の各項目はあらかじめ設定される。
【0024】
図3では、例えば、レコード301では、部品名「AA」で識別される部品の部品座標は(Xl,Yl,Zl)であることを示している。部品座標として、曲率を算出するための座標など、部品の形状を特定するための座標が記憶されてもよい。さらに、図3では、当該部品名「AA」で識別される部品が、「隅肉溶接」により、製造位置となる座標(x1,y1,z1)に加工されることを示している。
【0025】
さらに、図3では、製造位置となる座標とともに、製造指示情報をユーザに提示する優先度を示す情報が記憶されている。図3では、レコード301における製造位置の優先度は「1」として設定されている。また、優先度「1」として設定されている理由「台枠」が設定されている。車体の台枠に対する加工は、問題発生時の影響が大きいため重要であり、優先して製造指示情報を確認すべきためである。したがって、ユーザに提示される製造指示情報は、部品「AA」の製造指示情報が最も優先的に提示される。つまり、製造指示情報の重要度に応じて、製造指示情報を提示する順序を変化させる。これにより、優先度が高い重要な製造指示情報から順に効率的に確認することができる。
【0026】
以下では、製造指示情報に含まれる製造位置について優先度を設定したが、製造方法によって重要度が変わる場合には、製造情報に優先度を設定してもよい。例えば、隅肉溶接が他の溶接よりも重要である場合には、製造情報「隅肉溶接」に対して優先度「1」を設定してもよい。これにより、製造方法の重要度に応じた順序で製造指示情報をユーザに提示することができる。
【0027】
また、以下では、上記提示の一例として、優先度が高い製造指示情報から順に画面に提示する場合を例示するが、音声など、ユーザが認識可能な他の態様で提示してもよい。優先的な提示の例としては、複数の製造指示情報のなかで最初に提示する、複数の製造指示情報のなかで最も大きいサイズで画面表示する、などの方法がある。
【0028】
また、例えば、レコード302では、レコード301と同じ部品名「AA」で識別される部品の部品座標(Xr,Yr,Zr)が記憶される一方、製造指示情報については、「-」(null)であるとして、レコード301のように記憶されていない。具体的には後述するが、省略理由DB107に製造指示情報の設定を省略した理由が登録されている場合、製造指示情報は記憶されず、「-」(null)が記憶される。
【0029】
製造情報省略原因推定部103では、製造個所検索部102で検索した結果を参照し、部品座標に製造指示情報が関連づけられていない場合、製造指示情報が省略されている理由を推定して、付与する。製造情報省略原因推定部103は、製造指示情報が省略されている理由について、省略理由DB107に蓄積されている省略理由データを読み込んで、推定する。
【0030】
図4は、省略理由DB107の一例を示す図である。省略理由DB107は、製造すべき個所について、製造指示情報の省略理由を定めたデータベースである。図4に示すように、省略理由DB107は、省略ルールを識別するための連番と、当該連番で識別される省略ルールと、省略理由および省略理由による省略の可否を示す判定結果とが対応付けて記憶されている。省略理由DB107の具体的な内容については、フローチャートを用いた説明の中で後述する。省略理由DB107の各項目はあらかじめ設定される。
【0031】
また、製造チェック部104では、製造指示情報が省略されていた部品座標に製造指示情報が関連づけられた後、問題がないかを確認する。この確認のため、関連付けられた製造指示情報を、過去の製造指示情報、稼働情報、顧客要求などの基準を考慮して提示する。当該基準については、製造ルール/稼働・顧客DB108に登録しておき、製造チェック時に読み込めるようにする。製造チェック部104は、製造チェックを行った結果を出力部105に出力し、出力部105がディスプレイ等の出力装置1605に表示することにより、ユーザがチェック結果を確認することが可能である。製造チェックは、関連付けられた製造指示情報に従って後工程となる製造工程において問題が生じないかをチェックする工程である。以下では、製造チェックに用いる基準として、製造指示情報が所定の製造基準を満たしているか否かについて説明するが、例えば、過去の製造指示情報に基づく基準、顧客ごとの要求基準、製品の稼動実績に基づく基準等、他の基準を用いてもよい。
【0032】
図5は、製造ルール/稼働・顧客DB108の一例を示す図である。製造ルール/稼働・顧客DB108は、関連付けられた製造指示情報が所定の基準を満たすか否かを判定するためのデータベースである。図5に示すように、製造ルール/稼働・顧客DB108は、関連付けられた製造指示情報に対応する部品座標と当該関連付けられた製造指示情報の元となった部品座標により形成される対象形状と、当該対象形状の製造基準と、当該対象形状の製造方法を示す製造情報とが対応付けて記憶されている。
【0033】
図5では、例えば、レコード501として、対象形状が、関連付けられた製造指示情報に対応する部品座標(例えば、ある部品P1)と、当該関連付けられた製造指示情報の元となった部品座標(例えば、ある部品P2)で形成される対象形状は、「隅肉溶接」により製造位置に加工されることを示している。また、これらの部品座標の距離Lは、ある閾値r未満でなければならないことを示している。さらに、これらの部品座標により形成される角度は、90°未満でなければならないことを示している。
【0034】
図6に、本実施例に係る設計製造支援装置の処理の流れについて説明する。図6は、設計製造支援装置1000で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、同じ部品について所定の関係性があるか否かを判定するが、必ずしも部品名に基づいて判定しなくてもよい。すなわち、少なくとも部品座標について所定の関係性があるか否かを判定すればよい。
【0035】
まず、入力部101が3D-CADデータを読み込むと(ステップ601)、製造個所検索部102は、ステップ601で読み込まれた3D-CADデータに含まれる部品名および部品座標を抽出する(ステップ602)。
【0036】
続いて、製造情報省略原因推定部103は、省略理由DB107を読み込む(ステップ603)。製造情報省略原因推定部103は、ステップ602で抽出された部品名および部品座標のうち、CAD/製造指示DB106の中で、製造指示情報が省略された部品名および部品座標を検索する(ステップ604)。
【0037】
製造情報省略原因推定部103は、検索した上記製造指示情報が省略された部品名および部品座標があるか否かを判定する(ステップ605)。製造情報省略原因推定部103は、上記製造指示情報が省略された部品名および部品座標がないと判定した場合(ステップ605;No)、処理を終了する。この場合は、製造指示情報は省略されずにCAD/製造指示DB106に登録されている。したがって、本処理を終了し、登録されている製造指示情報に従って、加工や組み立て作業等の後工程に進むこととなる。
【0038】
一方、製造情報省略原因推定部103は、製造指示情報が省略された部品名および部品座標があると判定した場合(ステップ605;Yes)、製造指示情報が省略された部品名および部品座標と、CAD/製造指示DB106に記憶されている同じ部品名および部品座標との間の関係性を判断する(ステップ606)。当該関係性が所定のルールを満たすものである場合には、登録漏れ等のミスではなく、省略されたことについての正当な理由があると判断することが妥当であるためである。
【0039】
例えば、製造情報省略原因推定部103は、図3に示したCAD/製造指示DB106に記憶されている、いずれも同じ部品名「AA」であるレコード301の部品座標「Xl,Yl,Zl」とレコード302の部品座標「Xr,Yr,Zr」との関係性を判断する。つまり、同じ部品について、製造指示情報が記憶されたレコード301の部品座標と、製造指示情報が記憶されていないレコード302の部品座標との関係性を判断する。
【0040】
製造情報省略原因推定部103は、製造指示情報が省略された部品名および部品座標と、CAD/製造指示DB106に記憶されている同じ部品名および部品座標との間に所定の関係性があるか否かを判定する(ステップ607)。例えば、製造情報省略原因推定部103は、上記レコード301に記憶されている部品座標「Xl,Yl,Zl」と、上記レコード302に記憶されている部品座標「Xr,Yr,Zr」との関係性が、省略ルールとして省略理由DB107に記述されている関係性であるか否かを判定する。
【0041】
製造情報省略原因推定部103は、これらの関係性が省略ルールとして記述されていると判定した場合(ステップ607;Yes)、製造指示情報が省略されている理由は、当該省略ルールに基づくものであると推定する(ステップ608)。図4に示した例では、省略理由DB107のレコード401には、部品座標「Xl,Yl,Zl」と部品座標「Xr,Yr,Zr」との関係性を示す式DL=|(Xl,Yl,Zl)-(xc,yc,zc)|、DR=|(Xr,Yr,Zr)-(xc,yc,zc)|が記憶されている。したがって、製造情報省略原因推定部103は、これらの式と同じ項目に記憶されている省略ルールである「左右対称」が、製造指示情報が省略されている理由であると推定する。
【0042】
一方、製造情報省略原因推定部103は、これらの関係性が省略ルールとして記述されていないと判定した場合(ステップ607;No)、正当ではない他の何らかの理由で省略されていると推定し、処理を終了する。この場合は、製造指示情報が所定の省略ルールに従って省略されていないため、後工程に進む前に、所定の省略ルールに従って省略されていない旨がディスプレイ等の出力装置1605に表示され、ユーザにより確認される。
【0043】
ステップ608において省略理由が推定されると、製造情報省略原因推定部103は、ステップ606で関係性を判断した部品名の部品座標に対応付けて記憶されている製造指示情報を、省略された製造指示情報として取得する(ステップ609)。さらに、製造情報省略原因推定部103は、取得した上記省略された製造指示情報を、製造指示情報の候補として、ディスプレイ等の出力装置1605に表示する(ステップ610)。表示される画面は、後述するユーザ提示画面に表示される。当該ユーザ提示画面において、省略された製造指示情報を付与するためのボタンが押下されると、製造情報省略原因推定部103は、取得した製造指示情報を、製造指示情報が省略されていた部品の製造指示情報として付与する(ステップ611)。
【0044】
さらに、製造チェック部104は、付与された上記製造指示情報が所定の基準にてらして問題がないことをチェックする(ステップ612)。例えば、製造チェック部104は、製造ルール/稼働・顧客DB108を参照し、付与された上記製造指示情報により加工される部品が、所定の製造基準を満たすことをチェックする。当該所定の製造基準は、例えば、図5に示した製造基準「部品間距離L<Thr(閾値)、部品間角度θ<90°」である。この場合の部品間距離は、例えば、レコード301で示した製造指示情報が省略されていない部品「AA」の部品座標と、レコード302で示した部品、すなわち省略されていた製造指示情報が付与された部品「AA」の部品座標との距離である。
【0045】
また、製造チェック部104は、上記チェックにおいて、CAD/製造指示DB106の製造位置に含まれる優先度を示す情報を参照し、製造指示情報をユーザに提示する順序を算出する。例えば、製造チェック部104は、図3に示したレコード301において省略されている製造指示情報に対応する優先度は「1」として設定されている。したがって、所定の関係性を満たすレコード301の部品から付与されたレコード302の製造指示情報が、省略された製造指示情報が付与された他の製造指示情報のなかで最も優先的にユーザに提示すべきと判断される。
【0046】
その後、製造チェック部104は、所定の基準にてらして問題ないことがチェックされた製造指示情報を、上記順序でユーザに提示する(ステップ613)。つまり、ステップ610で候補とされた製造指示情報がある場合には、それらの製造指示情報を、上記順序で表示する。このとき、どのようなチェックが行われたのかを示すチェック基準を、これらの製造指示情報とともにユーザに提示してもよい。これにより、ユーザは重要度の高い順に、省略された製造指示情報を確認することができる。また、これらの製造指示情報により加工される部品が、どのような基準でチェックされたのかを一見して把握することができる。
【0047】
図7は、省略された製造指示情報を検索する手法の一例を示す図である。図7では、複数の部品が製品1301に加工される場合を例示している。
【0048】
ステップ602で説明したように、製造個所検索部102が、入力装置1606から読み込まれた3D-CADデータから抽出した部品名および部品座標を抽出する。図7では、抽出された部品名および部品座標1302、1303、1304、1306を示している。これらの部品名および部品座標が抽出されると、ステップ604、605で説明したように、製造情報省略原因推定部103が、抽出された部品名および部品座標1302、1303、1304、1306のうち、CAD/製造指示DB106の中で、製造指示情報が省略された部品名および部品座標を検索する。図7の例では、抽出された部品名および部品座標のうち、製造指示情報701、703が省略されていない部品名および部品座標1302、1304以外の部品名および部品座標1303、1306を検索する。
【0049】
さらに、ステップ606、607で説明したように、製造情報省略原因推定部103は、検索した上記製造指示情報が省略された部品名および部品座標1303、1306と、CAD/製造指示DB106に記憶されている同じ部品名および部品座標1302、1304との間の関係性が、それぞれ所定の省略ルールを満たすものであるのかについて、省略理由DB107を用いて判断する。
【0050】
図7では、例えば、省略されていない部品名「AA」の製造指示情報701を含む部品座標1302は「Xl,Yl,Zl」(図3のレコード301参照)である一方、製造指示情報が省略された同じ部品名「AA」の部品座標1303は「Xr,Yr,Zr」(図3のレコード302参照)である。この例では、図7に示す中心線1305の中央を示す座標(xc,yc,zc)と部品座標1302の座標「Xl,Yl,Zl」との間の距離DLと、上記中心線1305の中央を示す座標(xc,yc,zc)と部品座標1303の座標「Xr,Yr,Zr」との間の距離DRが同じ距離であり、「中心線1305に対して左右対称である」という省略ルールが満たされている。
【0051】
したがって、ステップ608で説明したように、製造情報省略原因推定部103は、部品座標1303において省略された製造指示情報は、「左右対称」という理由で省略されたと推定する。そして、ステップ609、610において、製造情報省略原因推定部103は、製造指示情報が省略されていない部品座標1302に含まれる製造指示情報701を取得し、部品座標1303における製造指示情報としてユーザに提示する。この例では、部品座標1304において省略された製造指示情報として、「隅肉溶接」および製造位置の座標(X1,Y1,Z1)が取得される。
【0052】
同様に、製造情報省略原因推定部103は、ステップ608において、部品座標1306において省略された製造指示情報は、「付近に同じ形状」という理由で省略されたと推定する。そして、ステップ609、610において、製造情報省略原因推定部103は、製造指示情報が省略されていない部品座標1304に含まれる製造指示情報703を取得し、部品座標1306における製造指示情報としてユーザに提示する。この例では、部品座標1306において省略された製造指示情報として、「隅肉溶接」および製造位置の座標(X2,Y2,Z2)が取得される。
【0053】
より具体的には、ステップ606、607において、省略されていない部品名「BB」の製造指示情報703を含む部品座標1304は「Xa,Ya,Za」(図3のレコード303参照)である一方、製造指示情報が省略された同じ部品名「BB」の部品座標1306は「Xb,Yb,Zb」(図3のレコード304参照)である。したがって、製造情報省略原因推定部103は、部品座標1304と部品座標1306との間の距離が一定の閾値r未満であり、「付近に同じ形状がある」という省略ルールが満たされていると判断する。上記「付近」は、所定の範囲702の範囲内であることを意味する。図7では、製造すべき個所の部品座標1304の下辺と、製造すべき個所306の上辺とが、所定の範囲702に含まれていることがわかる。
【0054】
これらの製造指示情報は、製造情報省略原因推定部103による処理結果として、ユーザに提示される。ユーザへの提示内容については、図8以降の図面を用いて後述する。
【0055】
図7では、所定の省略ルールを満たすことを条件に、製造指示情報が省略された部品座標に対して、同じ部品の製造指示情報を付与することとした。しかし、製造指示情報が付与された部品座標との間で所定の関係性を満たす部品座標についても製造指示情報が省略されてもよい。例えば、図7において、「左右対称」という理由で製造指示情報が省略された部品座標1303との関係性が所定の条件を満たす部品座標1303’についても同様に、製造指示情報が省略された理由を推定してもよい。この場合は、部品座標1303’に対する製造指示情報として、製造指示情報が省略されていない部品座標1302に含まれる製造指示情報701を取得し、部品座標1303’における製造指示情報としてユーザに提示すればよい。上記部品座標1303と部品座標1303’との関係性が所定の条件を満たすとは、例えば、上記部品座標1303と部品座標1303’との間の距離が所定の範囲704よりも短く、加工される製品に対して略同じ座標と見做せる場合がある。これにより、より一層、製造指示情報を省略することができるようになる。
【0056】
図8は、出力装置1605に表示される画面(ユーザ提示画面)の一例を示す図である。ユーザ提示画面1501は、入力部101が3D-CADデータを読み込むためのデータ読込ボタン502と、読み込まれた3D-CADデータを3D-CADモデルとして表示する表示エリア503と、表示された3D-CADモデルから部品名および部品座標に対応する製造指示情報を抽出する製造指示情報抽出ボタン504と、抽出されなかった製造指示情報を検索する製造指示情報検索ボタン505と、検索された製造指示情報を取得する製造指示情報取得ボタン506とを含む。図8では、ユーザ提示画面1501において、データ読込ボタン502が押下され、部品座標801および802を含む3D-CADデータが読み込まれて表示エリア503に表示された後、製造指示情報抽出ボタン504が押下された状態を示している。
【0057】
図9は、製造指示情報抽出ボタン押下後の結果を示すユーザ提示画面の一例を示す図である。図9では、部品座標801に対応する製造指示情報が抽出され、当該製造指示情報がハイライト表示901されている。また、当該製造指示情報の種類が、詳細画面902に表示されている。図9では、ハイライト表示901された製造指示情報として、「隅肉溶接」が表示されている。また、図9では、部品座標802に対応する製造指示情報は抽出されていない状態であることを示している。このように、3D-CADモデルのうちの部品座標に対応する製造指示情報に関する詳細画面902が表示された状態、あるいは部品座標802のように、製造指示情報が抽出されていない状態で、製造指示情報検索ボタン505が押下されると、その製造指示情報をプログラムが検索する。
図9では、製造指示情報として製造情報が表示される場合を例示したが、さらに/または製造位置が表示されてもよい。
【0058】
図10は、抽出されなかった製造指示情報を検索したときのユーザ提示画面の一例を示す図である。図10では、上記抽出されなかった部品座標802がハイライト表示1001される。また、ハイライト表示された部品座標802に対応する製造指示情報が省略された理由が省略理由DB107から検索され、理由画面1002に表示される。図10では、理由画面1002に、製造指示情報が省略された理由として、「左右対称」であることが示されている。このように、製造指示情報の省略理由が表示された状態で製造指示情報取得ボタン506が押下されると、省略された部品座標に付与すべき製造指示情報を取得する。
【0059】
図11は、省略された製造指示情報を取得したときのユーザ提示画面の一例を示す図である。図11では、ハイライト表示1001された部品座標802に対応する製造指示情報の取得結果が、候補画面1101に表示される。図11では、候補画面1101に、部品座標802との間で、省略ルールとして記述された所定の関係性を満たす部品座標801の製造指示情報と同じ製造情報「隅肉溶接」が示されている。このように、本実施例では、部品座標の製造指示情報が省略されている場合でも、その省略理由と省略された製造指示情報が表示される。したがって、省略された部品座標の製造指示情報について、その省略理由を確認した上で、当該製造指示情報に基づく加工や組み立て作業等の後工程を行うことができる。
【0060】
さらに、省略された部品座標の製造指示情報に問題がないかを確認するため、製造チェック部104が製造ルール/稼働・顧客DB108を参照して製造基準を満たしていることを確認し、その確認結果を提示した上で、上記後工程を行うことができる。
【0061】
図12は、省略された部品座標の製造指示情報についての確認結果を示すユーザ提示画面の一例を示す図である。図12では、条件を満たしていることが確認できた製造基準「部品間距離L<Thr(閾値)、部品間角度θ<90°」が、確認画面1201に表示されている。このように、省略された部品座標についての製造指示情報が製造基準を満たしていることについての情報がユーザに提示されるので、上記後工程においても、製造基準を満たした製造指示情報に基づいて、加工や組み立て等の作業を行うことができる。
【0062】
図11、12で示した候補画面1101や確認画面1201は、ある1つの部品座標について説明したが、このような候補画面1101や確認画面1201が複数ある場合、製造チェック部104は、ステップ612、613で説明した優先度に従った順序で、これらの画面を表示し、ユーザに提示する。
【0063】
以上説明したように、本実施例では、プロセッサ(例えば、CPU1601)を有した設計製造支援装置1000において、上記プロセッサは、製造すべき個所について、製造指示情報が省略された第1の状態(例えば、図9に示した部品座標802の状態)の個所と、当該第1の状態の個所と製造指示情報が省略されていない個所(例えば、図9に示した部品座標801)とに所定の関係性がある場合に、上記省略されていない個所に対応する製造指示情報を出力した第2の状態(例えば、図10に示した部品座標802の状態)の上記省略された個所と、を出力し、上記第1の状態と上記第2の状態とを、上記省略された個所のチェック前後の状態として画面(例えば、図9図10に示したユーザ提示画面)に表示する。すなわち、製造すべき個所について、製造指示情報が省略された第1の状態と、当該第1の状態の個所と製造指示情報が省略されていない個所との関係性に基づいて製造指示情報が得られた第2の状態とを、チェック前後の状態として表示画面表示する。したがって、後工程に関係のない個所や、後工程において影響がない個所の製造指示情報のように、本来は省略可能な製造指示情報が提示されることなくなり、所定の関係性を満たす製造指示情報のみが画面表示される。したがって、ユーザとって確認すべき製造指示情報を確認することができる。その結果、従来に比べて、省略された製造指示情報の確認漏れを低減することができるようになる。
【0064】
また、上記プロセッサは、上記第1の状態が表示され、所定の操作(例えば、図9に示したユーザ提示画面における製造指示情報検索ボタン505の押下)がされた場合に、上記第2の状態を上記画面に表示する。したがって、ユーザは、所定の関係性がある個所について製造指示情報が省略された状態を把握した上で、省略された製造指示情報を確認することができる。
【0065】
また、上記プロセッサは、上記第2の状態が表示され、所定の操作(例えば、図9に示したユーザ提示画面における製造指示情報検索ボタン505の押下)がされた場合に、上記関係性に応じて定められた、製造指示情報が省略された理由(例えば、図10に示した理由画面1002)を上記画面に表示する。したがって、製造指示情報の省略理由を容易に確認することができる。
【0066】
また、上記プロセッサは、上記第2の状態が表示され、所定の操作(例えば、図10に示したユーザ提示画面における製造指示情報取得ボタン506の押下)がされた場合に、上記製造指示情報に含まれる、上記省略された個所についての製造情報(例えば、図11に示した候補画面1101)を上記画面に表示する。したがって、省略された製造情報を容易に確認することができる。
【0067】
なお、本実施例では、上記所定の操作は、ユーザによるボタン操作である前提で説明した。しかし、このようなインタフェースに対する操作に限らず、入力装置1606としてマイクのような音声入力装置を有する場合には、当該装置を通じた音声による指示等、設計製造支援装置1000が認識可能な他の態様のインタフェースにより操作してもよい。
【0068】
また、上記プロセッサは、上記製造情報に基づいて行われる製造が所定の基準(例えば、図5に示した製造基準)を満たす場合に、上記製造情報に対応して定められた上記所定の基準(例えば、図12に示した確認画面1201)を上記画面に表示する。したがって、当該所定の基準を満たした製造情報に基づく加工や組み立て等の作業が可能であることを事前に確認することができる。
【0069】
また、上記プロセッサは、製造指示情報の重要度に応じて定められた優先度(例えば、図3のレコード301における製造位置の優先度「1」)に基づいて、上記第2の状態の上記個所を上記表示画面に表示する。したがって、重要な製造指示情報を他の製造指示情報に優先して確認することができる。
【0070】
また、上記プロセッサは、上記第2の状態の上記省略された個所(例えば、図7に示した、製造指示情報701が付与された部品座標1303)との関係性が所定の条件(例えば、所定の範囲704の範囲内)を満たす箇所(例えば、図7に示した部品座標1303’)について、上記第1の状態(例えば、部品座標1303’の状態)と上記第2の状態(例えば、製造指示情報701が付与された部品座標1303’)とを、上記所定の条件を満たす箇所のチェック前後の状態として画面に表示する。これにより、製造指示情報が付与された個所との間で一定の条件を満たす個所についても、製造指示情報が付与された個所と同様に、省略された製造指示情報を容易に確認することができる。
【0071】
本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0072】
1000 設計製造支援装置
101 入力部
102 製造個所検索部
103 製造情報省略原因推定部
104 製造チェック部
105 出力部
106 CAD/製造指示DB
107 省略理由DB
108 製造ルール/稼働・顧客DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図12