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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】姿勢角導出装置及び姿勢角センサ
(51)【国際特許分類】
   G01C 1/00 20060101AFI20241129BHJP
   G01C 21/18 20060101ALI20241129BHJP
   G01C 19/00 20130101ALI20241129BHJP
【FI】
G01C1/00 Z
G01C21/18
G01C19/00 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021181568
(22)【出願日】2021-11-08
(65)【公開番号】P2023069581
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2024-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】小野 大騎
(72)【発明者】
【氏名】丸藤 竜之介
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 泰
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-185669(JP,A)
【文献】特開平11-33944(JP,A)
【文献】特表2017-513130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 1/00
19/00-19/72
G01C 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1座標系に関する回転角を取得可能な取得部であって、前記回転角は、対象物に設けられた角度センサから得られる、前記取得部と、
前記対象物の第2座標系に関する姿勢角と、前記回転角と、を記憶可能な記憶部と、
前記回転角及び前記姿勢角を取得して、前記回転角から導出される前記回転角の時間変化に基づいて、前記姿勢角を更新して、前記更新された姿勢角を出力可能な処理部と、
を備えた姿勢角導出装置。
【請求項2】
前記角度センサは、積分型ジャイロスコープを含む、請求項1に記載の姿勢角導出装置。
【請求項3】
前記回転角は、第1軸に関する第1回転角と、第2軸に関する第2回転角と、第3軸に関する第3回転角と、を含み、
前記第2軸は、前記第1軸と交差し、
前記第3軸は、前記第1軸及び前記第2軸を含む平面と交差する、請求項1または2に記載の姿勢角導出装置。
【請求項4】
前記第2軸は、前記第1軸と直交し、
前記第3軸は、前記第1軸及び前記第2軸と直交する、請求項3に記載の姿勢角導出装置。
【請求項5】
前記回転角は、第1時刻tにおける前記第1回転角Ax(t)、前記第1時刻tにおける前記第2回転角Ay(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第3回転角Az(t)と、を含み、
前記処理部は、前記回転角の前記時間変化として、第1時間変化dAx(t)、第2時間変化dAy(t)及び、第3時間変化dAz(t)を導出し、
前記第1時間変化dAx(t)、前記第2時間変化dAy(t)、前記第3時間変化dAz(t)、前記第1回転角Ax(t)、前記第2回転角Ay(t)、前記第3回転角Az(t)、前記第1時刻tの前の第2時刻(t-1)における前記第1回転角Ax(t-1)、前記第2時刻(t-1)における前記第2回転角Ay(t-1)、及び、前記第2時刻(t-1)における前記第3回転角Az(t-1)は、
【数1】

を満たす、請求項4に記載の姿勢角導出装置。
【請求項6】
前記姿勢角は、第1姿勢軸に関する第1姿勢角と、第2姿勢軸に関する第2姿勢角と、第3姿勢軸に関する第3姿勢角と、を含み、
前記第2姿勢軸は、前記第1姿勢軸と交差し、
前記第3姿勢軸は、前記第1姿勢軸及び前記第2姿勢軸を含む平面と交差する、請求項5に記載の姿勢角導出装置。
【請求項7】
前記第2姿勢軸は、前記第1姿勢軸と直交し、
前記第3姿勢軸は、前記第1姿勢軸及び前記第2姿勢軸と直交する、請求項6に記載の姿勢角導出装置。
【請求項8】
前記姿勢角は、前記第2時刻(t-1)における前記第1姿勢角φ(t-1)、前記第2時刻(t-1)における前記第2姿勢角θ(t-1)、及び、前記第2時刻(t-1)における前記第3姿勢角ψ(t-1)を含み、
前記処理部は、前記姿勢角の変化として、第1姿勢角変化dφ(t)、第2姿勢角変化dθ(t)、及び、第3姿勢角変化dψ(t)を導出し、
前記第1姿勢角変化dφ(t)、前記第2姿勢角変化dθ(t)、及び、前記第3姿勢角変化dψ(t)は、
【数2】

を満たす、請求項7に記載の姿勢角導出装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記更新された前記姿勢角として、前記第1時刻tにおける前記第1姿勢角φ(t)、前記第1時刻tにおける前記第2姿勢角θ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第3姿勢角ψ(t)を導出し、
前記第1時刻tにおける前記第1姿勢角φ(t)、前記第1時刻tにおける前記第2姿勢角θ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第3姿勢角ψ(t)は、
【数3】

を満たす、請求項8記載の姿勢角導出装置。
【請求項10】
前記姿勢角は、第1クォータニオン値と、第2クォータニオン値と、第3クォータニオン値と、第4クォータニオン値と、を含む、請求項5に記載の姿勢角導出装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1つに記載の姿勢角導出装置と、
前記角度センサと、
を備えた姿勢角センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、姿勢角導出装置及び姿勢角センサに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャイロセンサなどのセンサがある。センサにより、対象物の姿勢(姿勢角)が検出できる。高精度の姿勢角の検出が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-200512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、高精度の姿勢角の検出が可能な姿勢角導出装置及び姿勢角センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、姿勢角導出装置は、取得部、記憶部及び処理部を含む。前記取得部は、第1座標系に関する回転角を取得可能である。前記回転角は、対象物に設けられた角度センサから得られる。前記記憶部は、前記対象物の第2座標系に関する姿勢角と、前記回転角と、を記憶可能である。前記処理部は、前記回転角及び前記姿勢角を取得して、前記回転角から導出される前記回転角の時間変化に基づいて、前記姿勢角を更新して、前記更新された姿勢角を出力可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る姿勢角導出装置を例示する模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係る姿勢角導出装置を例示する模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る姿勢角導出装置を例示する模式図である。
図4図4は、第1実施形態に係る姿勢角導出装置を例示する模式図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図6図6は、第3実施形態に係る電子装置を例示する模式図である。
図7図7(a)~図7(h)は、電子装置の応用を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る姿勢角導出装置を例示する模式図である。
図1に示すように実施形態に係る姿勢角導出装置50は、取得部58、記憶部55及び処理部50Pを含む。
【0009】
取得部58は、角度センサ110から得られる角度(回転角DA1)を取得可能である。取得部58は、例えば、インターフェース回路(I/F)である。
【0010】
後述するように、角度センサ110は、対象物に設けられる。角度センサ110は、例えば、積分型ジャイロスコープ(例えば、RIG:Rate Integrating Gyroscope)を含む。角度センサ110は、RIGで良い。
【0011】
角度センサ110において、回転角DA1が直接検出されることが可能である。参考例のジャイロスコープにおいて、角速度が検出される。検出された角速度を積分することで角度が検出できる。
【0012】
実施形態においては、積分型ジャイロスコープが角度センサ110に適用される。これにより、例えば、積分における累積誤差が生じない。角度センサ110は、例えば、3軸の角度センサである。
【0013】
角度センサ110から得られる角度(回転角DA1)は、第1座標系に関する。第1座標系は、例えば、角度センサ110が設けられる位置が基準となる座標系である。第1座標系は、例えば、センサ座標系またはボディ座標系である。
【0014】
回転角DA1は、例えば、第1軸に関する第1回転角Aと、第2軸に関する第2回転角Aと、第3軸に関する第3回転角Aと、を含んで良い。第2軸は、第1軸と交差する。第3軸は、第1軸及び第2軸を含む平面と交差する。例えば、第1軸はX軸である。第2軸はY軸である。第3軸はZ軸である。例えば、第2軸は、第1軸と直交する。第3軸は、第1軸及び第2軸と直交する。
【0015】
第1回転角Aは、第1軸の周りの回転の角度に対応する。第2回転角Aは、第2軸の周りの回転の角度に対応する。第3回転角Aは、第3軸の周りの回転の角度に対応する。
【0016】
1つの時刻を第1時刻tとする。回転角DA1は、第1時刻tにおける第1回転角Ax(t)、第1時刻tにおける第2回転角Ay(t)、及び、第1時刻tにおける第3回転角Az(t)と、を含む。第1時刻tの前の1つの時刻を第2時刻(t-1)とする。第2時刻(t-1)における第1回転角Aを第1回転角Ax(t-1)とする。第2時刻(t-1)における第2回転角Aを第2回転角Ay(t-1)とする。第2時刻(t-1)における第3回転角Aを第3回転角Az(t-1)とする。回転角DA1は、第1回転角Ax(t-1)、第2回転角Ay(t-1)、第3回転角Az(t-1)を含んで良い。これらの回転角DA1が、角度センサ110から取得部58に供給される。
【0017】
記憶部55は、例えば、取得部58から供給された回転各DA1を記憶可能である。記憶部55は、角度センサ110が設けられる対象物の姿勢角DA2を記憶可能である。記憶部55は、メモリ(またはストレージ)である。記憶部55は、バッファメモリで良い。記憶部55は、回転角DA1を記憶可能である。
【0018】
姿勢角DA2は、対象物の第2座標系に関する姿勢角である。第2座標系は、第1座標系と異なって良い。1つの例において、第2座標系は、例えば、絶対座標系である。第2座標系は、例えば、重力加速度の向きを基準とした座標系で良い。第2座標系は、例えば、空間座標系または基準座標系で良い。第2座標系は、global coordinateで良い。
【0019】
姿勢角DA2は、例えば、3次元の姿勢角である。姿勢角DA2は、例えば、第1姿勢軸に関する第1姿勢角φと、第2姿勢軸に関する第2姿勢角θと、第3姿勢軸に関する第3姿勢角ψと、を含む。第2姿勢軸は、第1姿勢軸と交差する。第3姿勢軸は、第1姿勢軸及び第2姿勢軸を含む平面と交差する。例えば、第2姿勢軸は、第1姿勢軸と直交する。第3姿勢軸は、第1姿勢軸及び第2姿勢軸と直交する。第1~第3姿勢軸は、第1~第3軸と異なって良い。
【0020】
第1姿勢角φは、第1姿勢軸の周りの回転の角度に対応する。第2姿勢角θは、第2姿勢軸の周りの回転の角度に対応する。第3姿勢角ψは、第3姿勢軸の周りの回転の角度に対応する。
【0021】
記憶部55は、第2時刻(t-1)における姿勢角DA2を記憶して良い。姿勢角DA2は、第2時刻(t-1)における第1姿勢角φ(t-1)、第2時刻(t-1)における第2姿勢角θ(t-1)、及び、第2時刻(t-1)における第3姿勢角ψ(t-1)を含む。これらの姿勢角DA2が記憶部55から処理部50Pに供給されて良い。
【0022】
処理部50Pは、回転角DA1及び姿勢角DA2を取得する。例えば、処理部50Pは、取得部58から記憶部55に供給された回転角DA1を、記憶部55から取得する。例えば、処理部50Pは、記憶部55から姿勢角DA2を取得する。処理部50Pは、回転角DA1から導出される回転角DA1の時間変化に基づいて、姿勢角DA2を更新して、更新された姿勢角DA3を出力可能である。
【0023】
実施形態においては、角度センサ110から得られる角度(回転角DA1)を用いて、姿勢角DA3が導出される。上記の参考例のように、角速度に基づいて姿勢角が導出されない。これにより、角速度を積分する際の誤差が生じない。実施形態においては、高い精度で姿勢角を導出(検出)できる。例えば、姿勢角を高速で導出できる。
【0024】
既に説明したように、第1回転角Ax(t)、第2回転角Ay(t)、第3回転角Az(t)、第1回転角Ax(t-1)、第2回転角Ay(t-1)、及び、第3回転角Az(t-1)は、例えば、記憶部55に記憶されて良い。
【0025】
処理部50Pは、回転角DA1の時間変化として、第1時間変化dAx(t)、第2時間変化dAy(t)、及び、第3時間変化dAz(t)を導出する。
【0026】
第1時間変化dAx(t)、第2時間変化dAy(t)、第3時間変化dAz(t)、第1回転角Ax(t)、第2回転角Ay(t)、第3回転角Az(t)、第1回転角Ax(t-1)、第2回転角Ay(t-1)、及び、第3回転角Az(t-1)は、以下の第1式を満たす。
【数1】
【0027】
処理部50Pは、このような時間変化を導出する。
【0028】
処理部50Pは、導出された時間変化と、記憶部55から取得した第2時刻(t-1)の姿勢角DA2を更新する。処理部50Pは、例えば、第2時刻(t-1)における第1姿勢角φ(t-1)と、関数f1(dAx(t),dAy(t),dAz(t))と、の和から、第1時刻tの第1姿勢角φ(t)を導出する。処理部50Pは、例えば、第2時刻(t-1)における第2姿勢角θ(t-1)と、関数f2(dAx(t),dAy(t),dAz(t))と、の和から、第1時刻tの第2姿勢角θ(t)を導出する。処理部50Pは、例えば、第2時刻(t-1)における第3姿勢角ψ(t-1)と、関数f3(dAx(t),dAy(t),dAz(t))と、の和から、第1時刻tの第3姿勢角ψ(t)を導出する。
【0029】
このように、実施形態においては、角度センサ110から得られる角度(回転角DA1)から回転角DA1の時間変化が導出される。導出された回転角DA1の時間変化に基づいて、姿勢角DA2が更新され、更新された姿勢角DA3が導出される。姿勢角DA3は、例えば、第1姿勢角φ(t)、第3姿勢角θ(t)及び第3姿勢角ψ(t)を含む。
【0030】
以下、処理部50Pのいくつかの例について説明する。
図2は、第1実施形態に係る姿勢角導出装置を例示する模式図である。
図2に示すように実施形態に係る姿勢角導出装置50Aにおいて、処理部50Pは、第1演算部分51を含んで良い。第1演算部分51は、回転角DA1の時間変化を導出可能である。第1演算部分51においては、上記の第1式の演算が行われる。
【0031】
処理部50Pは、第2演算部分52をさらに含んで良い。第1演算部分51で導出された時間変化が、第2演算部分52に供給される。第2演算部分52は、第1演算部分51が導出した時間変化と、記憶部55から取得した姿勢角DA2と、に基づいて、姿勢角の変化を導出可能である。
【0032】
姿勢角の変化は、例えば、第1姿勢角変化dφ(t)、第2姿勢角変化dθ(t)、及び、第3姿勢角変化dψ(t)を含む。第1姿勢角変化dφ(t)、第2姿勢角変化dθ(t)、及び、第3姿勢角変化dψ(t)は、以下の第2式を満たす。
【数2】
【0033】
処理部50Pは、第3演算部分53をさらに含んで良い。第2演算部分52で導出された姿勢角の変化が、第3演算部分53に供給される。第3演算部分53は、第2演算部分52が導出した姿勢角の変化と、記憶部55から取得された姿勢角DA2と、を加算して、更新された姿勢角DA3を導出可能である。
【0034】
例えば、第3演算部分53では、以下の第3式の演算が行われる。
【数3】
【0035】
このように、処理部50P(例えば、第3演算部分53)は、更新された姿勢角DA3として、第1時刻tにおける第1姿勢角φ(t)、第1時刻tにおける第2姿勢角θ(t)、及び、第1時刻tにおける第3姿勢角ψ(t)を導出可能である。第1姿勢角φ(t)、第2姿勢角θ(t)、及び、第3姿勢角ψ(t)は、上記の第3式を満たす。第3式の演算の結果が、導出されるべき姿勢角DA3に対応する。
【0036】
実施形態において、処理部50P(例えば第3演算部分53)は、更新された姿勢角DA3を記憶部55に供給しても良い。記憶部55は、更新された姿勢角DA3を記憶可能である。上記の処理が繰り返して実施されても良い。更新された姿勢角DA3を用いて後の任意の時刻の姿勢角が導出されても良い。
【0037】
実施形態において、上記のように、オイラー角が用いられて良い。実施形態において、以下のように、姿勢角として、クォータニオンが適用されても良い。
【0038】
例えば、姿勢角DA2は、第1クォータニオン値αと、第2クォータニオン値βと、第3クォータニオン値γと、第4クォータニオン値δと、で表されることができる。例えば、姿勢角DA2は、第1クォータニオン値αと、第2クォータニオン値βと、第3クォータニオン値γと、第4クォータニオン値δと、を含む。
【0039】
図3は、第1実施形態に係る姿勢角導出装置を例示する模式図である。
図3に示すように実施形態に係る姿勢角導出装置50Bにおいて、処理部50Pは、第1~第3演算部分51~53を含む。第1演算部分51では、上記と同様の演算が行われる。
【0040】
姿勢角DA2は、第2時刻(t-1)における第1クォータニオン値α(t-1)、第2時刻(t-1)における第2クォータニオン値β(t-1)、第2時刻(t-1)における第3クォータニオン値γ(t-1)、及び、第2時刻(t-1)における第4クォータニオン値δ(t-1)を含む。これらのクォータニオン値が処理部50P(第2演算部分52及び第3演算部分53)に供給される。
【0041】
処理部50P(第2演算部分52)は、姿勢角DA2の変化として、第1クォータニオン値変化dα(t)、第2クォータニオン値変化dβ(t)、第3クォータニオン値変化dγ(t)、及び、第4クォータニオン値変化dδ(t)を導出する。
【0042】
第1クォータニオン値変化dα(t)、第2クォータニオン値変化dβ(t)、第3クォータニオン値変化dγ(t)、及び、第4クォータニオン値変化dδ(t)は、以下の第4式を満たす。
【数4】
【0043】
例えば、第2演算部分52は、回転角の時間変化(第1時間変化dAx(t)、第2時間変化dAy(t)、及び、第3時間変化dAz(t))と、記憶部55から取得される姿勢角DA2と、を用いて、上記の第4式の演算を行う。
【0044】
処理部50P(第3演算部分53)は、更新された姿勢角DA3として、第1時刻tにおける第1クォータニオン値α(t)、第1時刻tにおける第2クォータニオン値β(t)、第1時刻tにおける第3クォータニオン値γ(t)、及び、第1時刻tにおける第4クォータニオン値δ(t)を導出する。
【0045】
第1時刻tにおける第1クォータニオン値α(t)、第1時刻tにおける第2クォータニオン値β(t)、第1時刻tにおける第3クォータニオン値γ(t)、及び、第1時刻tにおける第4クォータニオン値δ(t)は、以下の第5式を満たす。
【数5】
【0046】
第3演算部分53において、上記の第5式の演算が行われ、更新された姿勢角DA3として第1クォータニオン値α(t)、第2クォータニオン値β(t)、第3クォータニオン値γ(t)、及び、第4クォータニオン値δ(t)が導出される。
【0047】
以下に説明するように、クォータニオン値がオイラー角に変換されても良い。
【0048】
図4は、第1実施形態に係る姿勢角導出装置を例示する模式図である。
図4に示すように実施形態に係る姿勢角導出装置50Cにおいて、処理部50Pは、第4演算部分54を含む。これを除く姿勢角導出装置50Cの構成は、姿勢角導出装置50Bと同様で良い。
【0049】
姿勢角導出装置50Cにおいて、処理部50P(第4演算部分54)は、第1時刻tにおける第1クォータニオン値α(t)、第1時刻tにおける第2クォータニオン値β(t)、第1時刻tにおける第3クォータニオン値γ(t)、及び、第1時刻tにおける第4クォータニオン値δ(t)に基づいて、更新された姿勢角DA3として、第1時刻tにおける第1姿勢角φ(t)、第1時刻tにおける第2姿勢角θ(t)、及び、第1時刻tにおける第3姿勢角ψ(t)を導出する。
【0050】
第1時刻tにおける第1姿勢角φ(t)、第1時刻tにおける第2姿勢角θ(t)、及び、第1時刻tにおける第3姿勢角ψ(t)は、以下の第6式を満たす。
【数6】
【0051】
例えば、第4演算部分54により、上記の第6式の演算が行われる。これにより、クォータニオン値がオイラー角に変換される。
【0052】
実施形態において、処理部50Pとして、例えば、デジタル演算装置が適用されて良い。実施形態において、処理部50Pの少なくとも一部は、アナログ回路を含んでも良い。実施形態において、処理部50Pの構成は、任意である。
【0053】
実施形態において、更新された姿勢角DA3は、取得部58(例えばインターフェース)を介して出力されて良い。取得部58は、出力部として機能しても良い。
【0054】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る姿勢角センサ210(図1図4参照)は、実施形態に係る姿勢角導出装置(姿勢角導出装置50~50Cなど)と、角度センサ110と、を含む。実施形態に係る姿勢角センサ210によれば、高精度の姿勢角の検出が可能な姿勢角センサが提供できる。
【0055】
以下、角度センサ110の例について説明する。
図5(a)及び図5(b)は、実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図5(a)は、平面図である。図5(b)は、図5(a)のA1-A2線断面図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、実施形態に係る角度センサ110は、基体60と、構造体60Aと、制御装置70と、を含む。角度センサ110は、対象物90に設けられる。例えば、角度センサ110は、対象物90に固定される。
【0056】
基体60は、第1面60Fを含む。構造体60Aは、例えば、RIGである。
【0057】
構造体60Aは、可動部材10を含む。可動部材10は、振動可能である。可動部材10の振動は、第1成分及び第2成分を含む。第1成分は、第1方向D1に沿う成分である。第2成分は、第2方向D2に沿う成分である。第1方向D1は、第1面60Fに沿う。第2方向D2は、第1方向D1と交差し、第1面60Fに沿う。
【0058】
第1面60FをX1-Y1平面とする。X1-Y1平面内の1つの方向をX1軸方向とする。X1-Y1平面に沿い、X軸1方向に対して垂直な方向をY1軸方向とする。X1軸方向及びY1軸方向に対して垂直な方向をZ1軸方向とする。第1方向D1は、例えば、X1軸方向である。第2方向D2は、例えば、Y1軸方向である。
【0059】
制御装置70は、第1成分及び第2成分に基づいて得られた可動部材10の回転角Av1を出力することが可能である。
【0060】
例えば、制御装置70は、可動部材10の振動の第1成分の振幅及び第2成分の振幅を検出する。これらの振幅の比が、回転角Av1に対応する。
【0061】
図5(a)及び図5(b)に示すように、構造体60Aは、例えば、固定部10Fと、接続部10Sと、を含む。固定部10Fは、基体60に固定される。接続部10Sは、固定部10Fに支持される。接続部10Sは、可動部材10と接続される。この例では、X1-Y1平面において、可動部材10は、固定部10Fの周りに設けられる。可動部材10は、環状である。複数の接続部10Sにより、可動部材10が支持される。可動部材10と基体60との間に間隙g1が設けられる。接続部10Sは、例えば、折れ曲がり形状を有する。接続部10Sは、例えば、ミアンダ形状を有しても良い。接続部10Sは、例えば、ばね構造体である。接続部10Sは、変形可能である。
【0062】
可動部材10及び接続部10Sは、例えば、導電性である。
【0063】
図5(a)及び図5(b)に示すように、例えば、構造体60Aは、第1対向電極部材20Mを含む。この例では、複数の第1対向電極部材20Mが設けられる。これらの複数の第1対向電極部材20Mにより可動部材10の振動が制御されて良い。第1対向電極部材20Mに印加される電圧(例えば交流成分を含む電圧)により、可動部材10の振動が制御されて良い。電圧は、例えば、第1対向電極部材20Mと、可動部材10と、の間に印加される。
【0064】
振動している可動部材10が外力などにより回転すると、振動状態が変化する。振動状態の変化は、例えば、コリオリ力の作用によると考えられる。例えば、可動部材10は、バネ機構(例えば接続部10S)により振動する。第1方向D1に振動している可動部材10に、回転の角速度Ωによるコリオリ力が作用する。これにより、可動部材10に第2方向D2に沿う振動の成分が生じる。制御装置70は、第2方向D2に沿う振動の振幅を検出する。一方、第2方向D2に振動している可動部材10に、回転の角速度Ωによるコリオリ力が作用する。これにより、可動部材10に第1方向D1に沿う振動の成分が生じる。制御装置70は、第1方向D1に沿う振動の振幅を検出する。例えば、第1方向D1の第1成分の振幅を「A1」とし、第2方向D2の第2成分の振幅を「A2」としたとき、回転角は、例えば、tan-1(-A2/A1)に対応する。
【0065】
このような角度センサ110により、回転角(例えば回転角Av1)が得られる。異なる複数の軸に関しての回転角を求めることで、図1などに例示した回転角DA1が得られる。
【0066】
実施形態においては、例えば、角速度を用いるのではなく、回転角(角度)がそのまま姿勢角導出装置に入力される。これにより、姿勢角を導出可能である。例えば、角速度を用いる参考例においては、積分誤差によるドリフトまたは高周波ノイズが発生し易い。実施形態においては、ドリフトまたは高周波ノイズが抑制され、姿勢角を高精度で検出可能である。実施形態においては、姿勢角の導出に時間情報が不要である。これにより、非定期サンプリングにおいても、姿勢角を高精度で検出可能である。
【0067】
(第3実施形態)
第3実施形態は、電子装置に係る。電子装置は、例えば、対象物90の少なくとも一部で良い。
図6は、第3実施形態に係る電子装置を例示する模式図である。
図6に示すように、実施形態に係る電子装置310は、実施形態に係るセンサと、回路制御部170と、を含む。図6の例では、センサとして、姿勢角センサ210(及び角度センサ110)が描かれている。回路制御部170は、センサから得られる信号S1に基づいて回路180を制御可能である。回路180は、例えば駆動装置185の制御回路などである。実施形態によれば、高精度の検出結果に基づいて、駆動装置185を制御するための回路180などを高精度で制御できる。
【0068】
図7(a)~図7(h)は、電子装置の応用を例示する模式図である。
図7(a)に示すように、電子装置310は、ロボットの少なくとも一部でも良い。図7(b)に示すように、電子装置310は、製造工場などに設けられる工作ロボットの少なくとも一部でも良い。図7(c)に示すように、電子装置310は、工場内などの自動搬送車の少なくとも一部でも良い。図7(d)に示すように、電子装置310は、ドローン(無人航空機)の少なくとも一部でも良い。図7(e)に示すように、電子装置310は、飛行機の少なくとも一部でも良い。図7(f)に示すように、電子装置310は、船舶の少なくとも一部でも良い。図7(g)に示すように、電子装置310は、潜水艦の少なくとも一部でも良い。図7(h)に示すように、電子装置310は、自動車の少なくとも一部でも良い。電子装置310は、例えば、ロボット及び移動体の少なくともいずれかを含んでも良い。
【0069】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
第1座標系に関する回転角を取得可能な取得部であって、前記回転角は、対象物に設けられた角度センサから得られる、前記取得部と、
前記対象物の第2座標系に関する姿勢角と、前記回転角と、を記憶可能な記憶部と、
前記回転角及び前記姿勢角を取得して、前記回転角から導出される前記回転角の時間変化に基づいて、前記姿勢角を更新して、前記更新された姿勢角を出力可能な処理部と、
を備えた姿勢角導出装置。
【0070】
(構成2)
前記角度センサは、積分型ジャイロスコープを含む、構成1に記載の姿勢角導出装置。
【0071】
(構成3)
前記角度センサは、振動可能な可動部材を含み、前記可動部材の前記振動は、第1方向に沿う第1成分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿う第2成分と、を含み、
前記角度センサは、前記第1成分及び前記第2成分に基づいて得られた前記可動部材の回転角を前記回転角として出力可能である、構成1または2に記載の姿勢角導出装置。
【0072】
(構成4)
前記処理部は、第1演算部分を含み、
前記第1演算部分は、前記回転角の前記時間変化を導出可能である、構成1~3のいずれか1つに記載の姿勢角導出装置。
【0073】
(構成5)
前記処理部は、第2演算部分をさらに含み、
前記第2演算部分は、前記第1演算部分が導出した前記時間変化と、前記記憶部から取得した前記姿勢角と、に基づいて、前記姿勢角の変化を導出可能である、構成4に記載の姿勢角導出装置。
【0074】
(構成6)
前記処理部は、第3演算部分をさらに含み、
前記第3演算部分は、前記第2演算部分が導出した前記姿勢角の変化と、前記記憶部から取得された前記姿勢角と、を加算して前記更新された前記姿勢角を導出可能である、構成5に記載の姿勢角導出装置。
【0075】
(構成7)
前記処理部は、前記更新された前記姿勢角を前記記憶部に供給し、
前記記憶部は、前記更新された前記姿勢角を記憶可能である、構成1~6のいずれか1つに記載の姿勢角導出装置。
【0076】
(構成8)
前記回転角は、第1軸に関する第1回転角と、第2軸に関する第2回転角と、第3軸に関する第3回転角と、を含み、
前記第2軸は、前記第1軸と交差し、
前記第3軸は、前記第1軸及び前記第2軸を含む平面と交差する、構成1~7のいずれか1つに記載の姿勢角導出装置。
【0077】
(構成9)
前記第2軸は、前記第1軸と直交し、
前記第3軸は、前記第1軸及び前記第2軸と直交する、構成8に記載の姿勢角導出装置。
【0078】
(構成10)
前記回転角は、第1時刻tにおける前記第1回転角Ax(t)、前記第1時刻tにおける前記第2回転角Ay(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第3回転角Az(t)と、を含み、
前記処理部は、前記回転角の前記時間変化として、第1時間変化dAx(t)、第2時間変化dAy(t)及び、第3時間変化dAz(t)を導出し、
前記第1時間変化dAx(t)、前記第2時間変化dAy(t)、前記第3時間変化dAz(t)、前記第1回転角Ax(t)、前記第2回転角Ay(t)、前記第3回転角Az(t)、前記第1時刻tの前の第2時刻(t-1)における前記第1回転角Ax(t-1)、前記第2時刻(t-1)における前記第2回転角Ay(t-1)、及び、前記第2時刻(t-1)における前記第3回転角Az(t-1)は、
【数1】

を満たす、構成9に記載の姿勢角導出装置。
【0079】
(構成11)
前記姿勢角は、第1姿勢軸に関する第1姿勢角と、第2姿勢軸に関する第2姿勢角と、第3姿勢軸に関する第3姿勢角と、を含み、
前記第2姿勢軸は、前記第1姿勢軸と交差し、
前記第3姿勢軸は、前記第1姿勢軸及び前記第2姿勢軸を含む平面と交差する、構成10に記載の姿勢角導出装置。
【0080】
(構成12)
前記第2姿勢軸は、前記第1姿勢軸と直交し、
前記第3姿勢軸は、前記第1姿勢軸及び前記第2姿勢軸と直交する、構成11に記載の姿勢角導出装置。
【0081】
(構成13)
前記姿勢角は、前記第2時刻(t-1)における前記第1姿勢角φ(t-1)、前記第2時刻(t-1)における前記第2姿勢角θ(t-1)、及び、前記第2時刻(t-1)における前記第3姿勢角ψ(t-1)を含み、
前記処理部は、前記姿勢角の変化として、第1姿勢角変化dφ(t)、第2姿勢角変化dθ(t)、及び、第3姿勢角変化dψ(t)を導出し、
前記第1姿勢角変化dφ(t)、前記第2姿勢角変化dθ(t)、及び、前記第3姿勢角変化dψ(t)は、
【数2】

を満たす、構成12に記載の姿勢角導出装置。
【0082】
(構成14)
前記処理部は、前記更新された前記姿勢角として、前記第1時刻tにおける前記第1姿勢角φ(t)、前記第1時刻tにおける前記第2姿勢角θ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第3姿勢角ψ(t)を導出し、
前記第1時刻tにおける前記第1姿勢角φ(t)、前記第1時刻tにおける前記第2姿勢角θ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第3姿勢角ψ(t)は、
【数3】

を満たす、構成13記載の姿勢角導出装置。
【0083】
(構成15)
前記姿勢角は、第1クォータニオン値と、第2クォータニオン値と、第3クォータニオン値と、第4クォータニオン値と、を含む、構成10に記載の姿勢角導出装置。
【0084】
(構成16)
前記姿勢角は、前記第2時刻(t-1)における前記第1クォータニオン値α(t-1)、前記第2時刻(t-1)における前記第2クォータニオン値β(t-1)、前記第2時刻(t-1)における前記第3クォータニオン値γ(t-1)、及び、前記第2時刻(t-1)における前記第4クォータニオン値δ(t-1)を含み、
前記処理部は、前記姿勢角の変化として、第1クォータニオン値変化dα(t)、第2クォータニオン値変化dβ(t)、第3クォータニオン値変化dγ(t)、及び、第4クォータニオン値変化dδ(t)を導出し、
前記第1クォータニオン値変化dα(t)、前記第2クォータニオン値変化dβ(t)、前記第3クォータニオン値変化dγ(t)、及び、前記第4クォータニオン値変化dδ(t)は、
【数4】

を満たす、構成15に記載の姿勢角導出装置。
【0085】
(構成17)
前記処理部は、前記更新された前記姿勢角として、前記第1時刻tにおける前記第1クォータニオン値α(t)、前記第1時刻tにおける前記第2クォータニオン値β(t)、前記第1時刻tにおける前記第3クォータニオン値γ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第4クォータニオン値δ(t)を導出し、
前記第1時刻tにおける前記第1クォータニオン値α(t)、前記第1時刻tにおける前記第2クォータニオン値β(t)、前記第1時刻tにおける前記第3クォータニオン値γ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第4クォータニオン値δ(t)は、
【数5】

を満たす、構成16に記載の姿勢角制御装置。
【0086】
(構成18)
前記処理部は、前記第1時刻tにおける前記第1クォータニオン値α(t)、前記第1時刻tにおける前記第2クォータニオン値β(t)、前記第1時刻tにおける前記第3クォータニオン値γ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第4クォータニオン値δ(t)に基づいて、前記更新された前記姿勢角として、前記第1時刻tにおける前記第1姿勢角φ(t)、前記第1時刻tにおける前記第2姿勢角θ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第3姿勢角ψ(t)を導出し、
前記第1時刻tにおける前記第1姿勢角φ(t)、前記第1時刻tにおける前記第2姿勢角θ(t)、及び、前記第1時刻tにおける前記第3姿勢角ψ(t)は、
【数6】

を満たす、構成17に記載の姿勢角導出装置。
【0087】
(構成19)
構成1~18のいずれか1つに記載の姿勢角導出装置と、
前記角度センサと、
を備えた姿勢角センサ。
【0088】
実施形態によれば、高精度の姿勢角の検出が可能な姿勢角導出装置及び姿勢角センサが提供できる。
【0089】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0090】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、姿勢角導出装置及び姿勢角センサに含まれる各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0091】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0092】
その他、本発明の実施の形態として上述した姿勢角導出装置及び姿勢角センサを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての姿勢角導出装置及び姿勢角センサも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0093】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
10…可動部材、 10F…固定部、 10S…接続部、 20M…対向電極部材、 50、50A~50C…姿勢角導出装置、 50P…処理部、 51~54…第1~第4演算部分、 55…記憶部、 58…取得部、 60…基体、 60A…構造体、 60F…第1面、 70…制御装置、 90…対象物、 α、β、γ、δ…クォータニオン値、 θ、φ、ψ…姿勢角、 110…角度センサ、 170…回路制御部、 180…回路、 185…駆動装置、 210…姿勢角センサ、 310…電子装置、 Av1…回転角、 A、A、A…第1~第3回転角、 D1、D2…第1、第2方向、 DA1…回転角、 DA2、DA3…姿勢角、 S1…信号、 dα、dβ、dγ、dδ…クォータニオン値変化、 dθ、dφ、dψ…姿勢角変化、 dA、dA、dA…時間変化、 g1…間隙、 t…第1時刻
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7