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特許7595559半導体製造装置および半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】半導体製造装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/607 20060101AFI20241129BHJP
   B23K 20/10 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
H01L21/607 C
H01L21/607 B
B23K20/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021206758
(22)【出願日】2021-12-21
(65)【公開番号】P2023091901
(43)【公開日】2023-07-03
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】家谷 祐輔
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-274296(JP,A)
【文献】特開2012-152792(JP,A)
【文献】特開2018-170344(JP,A)
【文献】特開2018-156841(JP,A)
【文献】実開昭54-120543(JP,U)
【文献】特開2001-334372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K20/00 -20/26
H01L21/447-21/449
H01L21/60 -21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属端子に荷重を加えながら超音波振動によって接合を行うツールを備え、
前記ツールは、前記金属端子に対面する先端部における矩形状の加圧面に第1の方向および前記第1の方向と交差する方向である第2の方向に沿って配列された複数の突起を備え、
複数の前記突起の間隔は、前記加圧面の前記第1の方向では等間隔であり、前記加圧面の前記第2の方向では外周側よりも内周側の方が大きい、半導体製造装置。
【請求項2】
複数の前記突起の前記第2の方向の幅は、前記加圧面の前記第2の方向における内周側よりも外周側の方が大きい、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記加圧面の前記第1の方向の一端部に渡って、前記金属端子側に突出する突出部が設けられた、請求項1または請求項2に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
複数の前記突起の幅は同じである、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
複数の前記突起は、前記加圧面の前記第1の方向に沿って間隔をあけずに設けられた、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記加圧面の前記第2の方向の両端部に設けられた複数の前記突起のうち、前記加圧面の前記第1の方向の両端部に設けられた前記突起と前記加圧面の外周端との間の溝は、前記加圧面の前記第1の方向の両端部以外に設けられた前記突起の間の溝よりも深い、請求項1または請求項3に記載の半導体製造装置。
【請求項7】
金属端子にツールで荷重を加えながら超音波振動によって接合を行い半導体装置を製造する製造方法であって、
前記ツールは、前記金属端子に対面する先端部における矩形状の加圧面に第1の方向および前記第1の方向と交差する方向である第2の方向に沿って配列された複数の突起を備え、
複数の前記突起の間隔は、前記加圧面の前記第1の方向では等間隔であり、前記加圧面の前記第2の方向では外周側よりも内周側の方が大きい、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
金属端子にツールで荷重を加えながら超音波振動によって接合を行い半導体装置を製造する製造方法であって、
前記ツールは、前記金属端子に対面する先端部における矩形状の加圧面に第1の方向および前記第1の方向と交差する方向である第2の方向に沿って配列された複数の突起を備え、
複数の前記突起の幅は、前記加圧面の外周側から内周側に行くにつれて小さくなる、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体製造装置および半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の金属端子等の被接合物を接合するに際して超音波接合が使用されている。超音波接合とは、被接合物にツールで荷重を加えながら超音波振動によって接合を行う方法である。
【0003】
例えば、特許文献1には、ツールの先端部である加圧面に幅が先端に行くにつれて細くなる形状の突起が複数設けられ、超音波振動によってツールが振幅し、複数の突起が金属端子を押圧することで金属接合を行う超音波接合装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-179435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の超音波接合装置では、金属端子にツールが接触したときに、金属端子を構成する金属が排斥され、ヒゲが発生する。ツールの先端の突起が金属端子に深く押圧されることで、隣り合う突起の間に留まるスペースがなくなったヒゲは、加圧面の外周側の広いスペースに向かって広がる。そのため、ヒゲの除去作業は容易ではなかった。
【0006】
そこで、本開示は、ヒゲの除去作業を容易に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る半導体製造装置は、金属端子に荷重を加えながら超音波振動によって接合を行うツールを備え、前記ツールは、前記金属端子に対面する先端部における矩形状の加圧面に第1の方向および前記第1の方向と交差する方向である第2の方向に沿って配列された複数の突起を備え、複数の前記突起の間隔は、前記加圧面の前記第1の方向では等間隔であり、前記加圧面の前記第2の方向では外周側よりも内周側の方が大きいものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、加圧面の第2の方向では外周側よりも内周側の方が大きいため、接合時に発生したヒゲは加圧面の第2の方向の内周側に沿って第1の方向に向かって広がりやすくなる。これにより、ヒゲの発生方向を限定することができるため、ヒゲの除去作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る半導体製造装置が備えるツールの底面図および側面図である。
図2】実施の形態1に係る半導体製造装置が備えるツールで金属端子を押圧した状態を示す断面図および要部拡大図である。
図3】実施の形態2に係る半導体製造装置が備えるツールの底面図および側面図である。
図4】実施の形態3に係る半導体製造装置が備えるツールの底面図および側面図である。
図5】実施の形態4に係る半導体製造装置が備えるツールの底面図および側面図である。
図6】実施の形態5に係る半導体製造装置が備えるツールの底面図、側面図、およびA-A線断面図である。
図7】関連技術に係る半導体製造装置が備えるツールが金属端子を押圧する前の状態を示す断面図である。
図8】関連技術に係る半導体製造装置が備えるツールが金属端子に接触した状態を示す断面図および底面図である。
図9】関連技術に係る半導体製造装置が備えるツールが金属端子を押圧した状態を示す断面図および底面図である。
図10】関連技術に係る半導体製造装置が備えるツールが金属端子を深く押圧した状態を示す断面図および底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<関連技術>
最初に、実施の形態の関連技術について説明する。図7は、関連技術に係る半導体製造装置が備えるツール51が金属端子8を押圧する前の状態を示す断面図である。図8(a)は、ツール51が金属端子8に接触した状態を示す断面図である。図8(b)は、ツール51が金属端子8に接触した状態を示すツール51の底面図である。図9(a)は、ツール51が金属端子8を押圧した状態を示す断面図である。図9(b)は、ツール51が金属端子8を押圧した状態を示すツール51の底面図である。図10(a)は、ツール51が金属端子8を深く押圧した状態を示す断面図である。図10(b)は、ツール51が金属端子8を深く押圧した状態を示すツール51の底面図である。
【0011】
図7において、X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する。以下の図に示されるX方向、Y方向およびZ方向も、互いに直交する。以下においては、X方向と、当該X方向の反対の方向である-X方向とを含む方向を「X軸方向」ともいう。また、以下においては、Y方向と、当該Y方向の反対の方向である-Y方向とを含む方向を「Y軸方向」ともいう。また、以下においては、Z方向と、当該Z方向の反対の方向である-Z方向とを含む方向を「Z軸方向」ともいう。
【0012】
図7に示すように、関連技術に係る半導体製造装置は、半導体装置(図示しない)の金属端子8に荷重を加えながら超音波振動によって接合を行うツール51を備えている。ツール51における金属端子8に対面する先端部には加圧面52が形成されている。加圧面52には、幅が先端に行くにつれて細くなる四角錐状の突起53が複数設けられ、超音波振動によってツール51がX軸方向に振幅した状態で下方(-Z方向)に移動し、複数の突起53が金属端子8を押圧することで金属接合を行う。
【0013】
図8(a),(b)に示すように、ツール51が金属端子8に接触したときに、金属端子8を構成する金属が排斥され、ヒゲ9が発生する。図9(a),(b)に示すように、ツール51が金属端子8を押圧し、さらに、図10(a),(b)に示すように、ツール51が金属端子8を深く押圧したときに、隣り合う突起53の間に留まるスペースがなくなったヒゲ9は、加圧面52の外周側の広いスペースに向かって広がる。そのため、ヒゲ9の除去作業は容易ではなかった。実施の形態では、このような問題を解決するためになされたものであり、以下に詳細に説明する。
【0014】
<実施の形態1>
実施の形態1について、図面を用いて以下に説明する。図1(a)は、実施の形態1に係る半導体製造装置が備えるツール1の底面図である。図1(b),(c)は、ツール1の側面図である。図2は、ツール1で金属端子8を押圧した状態を示す断面図および要部拡大図である。
【0015】
図1(a),(b),(c)に示すように、実施の形態1に係る半導体製造装置は、半導体装置(図示しない)の金属端子8に荷重を加えながら超音波振動によって接合を行うツール1を備えている。
【0016】
ツール1は、四角錐状の複数の突起3a,3b,3cを備えている。ツール1における金属端子8に対面する先端部には矩形状の加圧面2が形成されている。複数の突起3a,3b,3cは、加圧面2のX軸方向およびY軸方向に沿って配列されている。具体的には、複数の突起3a,3b,3cは、X軸方向に5列、Y軸方向に5列配列されている。
【0017】
加圧面2におけるY軸方向中央部には、X軸方向に沿って5列の突起3cが配列されている。加圧面2における突起3cよりもY軸方向の外周側には、それぞれX軸方向に沿って5列の突起3bが配列されている。加圧面2における突起3bよりもY軸方向の外周側には、それぞれX軸方向に沿って5列の突起3aが配列されている。
【0018】
なお、突起3a,3b,3cの形状は、四角錐状ではなく、例えば円錐状または六角錐状であってもよい。ここで、X軸方向が第1の方向に相当し、Y軸方向が第1の方向と交差する方向である第2の方向に相当する。
【0019】
突起3a,3b,3cの間隔は、加圧面2のX軸方向では等間隔である。また、突起3a,3b,3cの間隔は、加圧面2のY軸方向では外周側よりも内周側の方が大きい。具体的には、突起3aと隣り合う突起3aとの間隔d1と、突起3bと隣り合う突起3bとの間隔d1と、突起3cと隣り合う突起3cとの間隔d1は同じである。突起3cとY軸方向で隣り合う突起3bとの間隔d3は、突起3bとY軸方向で隣り合う突起3aとの間隔d2よりも大きい。さらに、間隔d2は間隔d1よりも大きい。ここで、加圧面2のY軸方向の内周側とは、加圧面2のY軸方向の中央側である。
【0020】
また、突起3aのY軸方向の幅は、Y軸方向における内周側の突起3bの幅よりも大きく形成されている。突起3bのY軸方向の幅は、Y軸方向における内周側の突起3cの幅よりも大きく形成されている。また、突起3a,3b,3cのX軸方向の幅は同じであり、突起3a,3b,3cの頂点も同じ高さ位置にある。
【0021】
間隔d3は間隔d2よりも大きいため、接合時に発生するヒゲ9(図2参照)は、加圧面2におけるY軸方向の内周側に沿ってX軸方向に向かって広がりやすくなる。ヒゲ9の発生方向を限定することができるため、ヒゲ9の除去作業を容易に行うことができる。
【0022】
また、図1図2に示すように、加圧面2におけるX方向の端部(X軸方向の一端部)には、X方向の端部に渡って、金属端子8側に突出する突出部5が設けられている。突出部5の高さ位置は突起3a,3b,3cの頂点の高さ位置よりも高くなっている。突出部5により、X方向に向かって広がるヒゲ9を堰き止めることができる。
【0023】
以上のように、実施の形態1に係る半導体製造装置は、金属端子8に荷重を加えながら超音波振動によって接合を行うツール1を備え、ツール1は、金属端子8に対面する先端部における矩形状の加圧面2にX軸方向およびY軸方向に沿って配列された複数の突起3a,3b,3cを備え、複数の突起3a,3b,3cの間隔は、加圧面2のX軸方向では等間隔であり、加圧面2のY軸方向では外周側よりも内周側の方が大きい。
【0024】
したがって、加圧面2のY軸方向では外周側よりも内周側の方が大きいため、接合時に発生したヒゲ9は加圧面2のY軸方向の内周側に沿ってX軸方向に向かって広がりやすくなる。これにより、ヒゲ9の発生方向を限定することができるため、ヒゲ9の除去作業を容易に行うことができる。以上より、半導体製造装置で製造される半導体装置の歩留りを向上させることができる。
【0025】
また、複数の突起3a,3b,3cのY軸方向の幅は、加圧面2のY軸方向における内周側よりも外周側の方が大きいため、ツール1の外形寸法を小さくすることができる。これにより、細い金属端子8への接合を効果的に行うことができる。
【0026】
また、加圧面2のX軸方向の一端部に渡って、金属端子8側に突出する突出部5が設けられている。したがって、接合時に発生したヒゲ9は、突出部5により堰き止められるため、ヒゲ9が半導体装置内の電極等に接触し電極等がショートすることを抑制できる。
【0027】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2に係る半導体製造装置について説明する。図3(a)は、実施の形態2に係る半導体製造装置が備えるツール1の底面図である。図3(b),(c)は、ツール1の側面図である。なお、実施の形態2において、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0028】
図3(a),(b),(c)に示すように、実施の形態2では、複数の突起3a,3b,3cの幅が同じである。なお、間隔d1,d2,d3の関係については、実施の形態1の場合と同様である。ここで、幅が同じとは、X軸方向の幅およびY軸方向の幅が同じであることをいう。
【0029】
以上のように、実施の形態2に係る半導体製造装置では、複数の突起3a,3b,3cの幅は同じであるため、実施の形態1の場合と同様に、ヒゲ9の発生方向を限定することができることから、ヒゲ9の除去作業を容易に行うことができる。
【0030】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3に係る半導体製造装置について説明する。図4(a)は、実施の形態3に係る半導体製造装置が備えるツール1の底面図である。図4(b),(c)は、ツール1の側面図である。なお、実施の形態3において、実施の形態1,2で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0031】
図4(a),(b),(c)に示すように、実施の形態3では、加圧面2におけるY軸方向中央部とその外周側には、それぞれX軸方向に沿って5列の突起3bが配列されている。加圧面2における突起3bよりもY軸方向の外周側には、それぞれX軸方向に沿って5列の突起3aが配列されている。複数の突起3a,3bは、加圧面2のX軸方向に沿って間隔をあけずに設けられている。突起3bとY軸方向で隣り合う突起3bとの間隔d3は、突起3bとY軸方向で隣り合う突起3aとの間隔d2よりも大きい。
【0032】
また、突起3aのY軸方向の幅は、突起3bのY軸方向の幅よりも大きく形成されている。また、突起3a,3bのX軸方向の幅は同じであり、突起3a,3bの頂点も同じ高さ位置にある。
【0033】
以上のように、実施の形態3に係る半導体製造装置では、複数の突起3a,3bは、加圧面2のX軸方向に沿って間隔をあけずに設けられているため、実施の形態1の場合と同様に、ヒゲ9の発生方向を限定することができることから、ヒゲ9の除去作業を容易に行うことができる。
【0034】
<実施の形態4>
次に、実施の形態4に係る半導体製造装置について説明する。図5(a)は、実施の形態4に係る半導体製造装置が備えるツール1の底面図である。図5(b),(c)は、ツール1の側面図である。なお、実施の形態4において、実施の形態1~3で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0035】
図5(a),(b),(c)に示すように、実施の形態4では、加圧面2におけるY軸方向中央部とその外周側には、それぞれX軸方向に沿って5列の突起3bが配列されている。加圧面2における突起3bよりもY軸方向の外周側には、それぞれX軸方向に沿って5列の突起3aが配列されている。また、加圧面2のY軸方向の両端部に設けられた複数の突起3aのうち、加圧面2のX軸方向の両端部に設けられた突起3aの外周側の溝10は、加圧面2のX軸方向の両端部以外に設けられた突起3aの間の溝11よりも深い。溝11は溝10よりも浅くなっているため、接合時に、溝11と金属端子8との隙間が埋まる。
【0036】
突起3bとY軸方向で隣り合う突起3bとの間隔d3は、突起3bとY軸方向で隣り合う突起3aとの間隔d2よりも大きい。さらに、突起3aと隣り合う突起3aとの間隔d1は間隔d3よりも大きい。
【0037】
また、突起3aのY軸方向の幅は、突起3bのY軸方向の幅と同じに形成され、突起3aのX軸方向の幅は、突起3bのX軸方向の幅よりも小さく形成されている。また、突起3a,3bの頂点は同じ高さ位置にある。
【0038】
以上のように、実施の形態4では、加圧面2のY軸方向の両端部に設けられた複数の突起3aのうち、加圧面2のX軸方向の両端部に設けられた突起3aの外周側の溝10は、加圧面2のX軸方向の両端部以外に設けられた突起3aの間の溝11よりも深い。したがって、接合時に、溝11と金属端子8との隙間が埋まるため、実施の形態1の場合よりも、ヒゲ9の発生方向をさらに限定できることから、ヒゲ9の除去作業をさらに容易に行うことができる。
【0039】
<実施の形態5>
次に、実施の形態5に係る半導体製造装置について説明する。図6(a)は、実施の形態5に係る半導体製造装置が備えるツール1の底面図である。図6(b)は、ツール1の側面図である。図6(c)は、図6(a)のA-A線断面図である。なお、実施の形態5において、実施の形態1~4で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0040】
図6(a),(b),(c)に示すように、実施の形態5では、複数の突起3a,3b,3cの幅は、加圧面2の外周側から内周側に行くにつれて小さくなっている。
【0041】
具体的には、加圧面2の中央部には、1個の突起3cが配列されている。加圧面2における突起3cの外周側には、1個の突起3cを囲むように8個の突起3bが配列されている。加圧面2における8個の突起3bの外周側には、8個の突起3bを囲むように16個の突起3cが配列されている。突起3aの幅は、突起3bの幅よりも小さく形成されており、突起3bの幅は、突起3cの幅よりも小さく形成されている。
【0042】
突起3cとY軸方向で隣り合う突起3bとの間隔d3は、突起3bとY軸方向で隣り合う突起3aとの間隔d2よりも大きい。また、突起3a,3b,3cの頂点は同じ高さ位置にある。
【0043】
複数の突起3a,3b,3cの幅は、加圧面2の外周側から内周側に行くにつれて小さくなっているため、ヒゲ9の発生方向を加圧面2の内周側に限定することができる。そのため、加圧面2におけるX方向の端部には、突出部5が設けられていない。
【0044】
以上のように、実施の形態5に係る半導体製造装置では、金属端子8に荷重を加えながら超音波振動によって接合を行うツール1を備え、ツール1は、金属端子8に対面する先端部における矩形状の加圧面2にX軸方向およびY軸方向に沿って配列された複数の突起3a,3b,3cを備え、複数の突起3a,3b,3cの幅は、加圧面2の外周側から内周側に行くにつれて小さくなっているため、ヒゲ9の発生方向を加圧面2の内周側に限定することができる。これにより、実施の形態1の場合と同様に、ヒゲ9の除去作業を容易に行うことができるだけでなく、加圧面2の内周側にヒゲ9が留まるため、ヒゲ9の除去作業が不要になる可能性がある。
【0045】
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ツール、2 加圧面、3a,3b,3c 突起、5 突出部、8 金属端子、10,11 溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10