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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】石膏ベースの製品を作製する方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/14 20060101AFI20241129BHJP
   C04B 24/26 20060101ALI20241129BHJP
   C04B 14/42 20060101ALI20241129BHJP
   E04C 2/04 20060101ALI20241129BHJP
   B28C 5/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
C04B28/14
C04B24/26 C
C04B24/26 B
C04B14/42 Z
E04C2/04 F
B28C5/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021520192
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2019080599
(87)【国際公開番号】W WO2020099243
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】1818653.6
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520141081
【氏名又は名称】サン-ゴバン プラコ
【氏名又は名称原語表記】Saint-Gobain Placo
【住所又は居所原語表記】Tour Saint-Gobain, 12 Place de l’Iris, 92400 Courbevoie, France
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウォルトン,カースティ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】カトラー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ジャップ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス,ローラ
【審査官】大西 美和
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-536318(JP,A)
【文献】米国特許第04137198(US,A)
【文献】国際公開第2017/174991(WO,A1)
【文献】特表2018-503577(JP,A)
【文献】Mowilith DHS S1,2013年02月08日
【文献】萩原毅,酢ビエマルジョン,日本ゴム協会誌,日本,1963年,36巻2号,p. 144-147
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00-32/02
C04B 40/00-40/06
B28C 1/00- 9/04
E04C 2/00- 2/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏ベースの製品を作製する方法であって、焼き石膏をポリマー粒子および水と混合してスラリーを得る工程を含み、前記ポリマー粒子はポリ酢酸ビニルを、前記粒子の平均ポリ酢酸ビニル含有量が少なくとも80体積%であるように含み、
前記ポリマー粒子は、4.5μm以下の直径を有する粒子がその全粒子体積の少なくとも90%を占めるような、レーザー回折を用いて測定された粒径分布を有し、
前記粒子はポリビニルアルコールをさらに含み、かつ前記ポリビニルアルコール相は前記粒子の外面の周りに部分的もしくは全体的に延在する表面層として存在し、
前記ポリマー粒子は、前記焼き石膏に対して15wt%以下の量で前記スラリー中に存在する、
方法。
【請求項2】
前記ポリマー粒子は、4μm以下の直径を有する粒子がその全粒子体積の少なくとも90%を占めるような、レーザー回折を用いて測定された粒径分布を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー粒子は、3.5μm以下の直径を有する粒子がその全粒子体積の少なくとも90%を占めるような、レーザー回折を用いて測定された粒径分布を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記粒子の平均ポリ酢酸ビニル含有量は少なくとも90体積%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー粒子は水性乳濁液の形態で提供される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー粒子は前記焼き石膏に対して少なくとも1wt%の量で前記スラリー中に存在する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
繊維を前記スラリー中に組み込む工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記繊維は前記焼き石膏に対して少なくとも1wt%の量で前記スラリー中に存在する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記石膏ベースの製品はボードである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ボードには少なくとも1つの面にライナーが設けられている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スラリーを成形する工程と、それを硬化させて石膏ボードを得る工程とをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリマー添加剤を含む石膏ベースの製品を作製する方法に関し、特にポリ酢酸ビニルを含む石膏ベースの製品を作製する方法に関する。
【0002】
プラスターボード(例えば石膏ボード)、ポリスチレンボードおよびファイバーボードなどの軽量パネルは建物内に仕切りを提供するためによく使用されている。本出願に関するそれらの利点としては軽くて設置が速いという点が挙げられる。
【0003】
しかし特定の場合にそのような軽量パネルは、固定手段(例えばネジ)をパネルの中に直接挿入した場合、すなわち壁プラグまたはアンカーなどのインサートが存在しない状態では、据え付け品(例えば、流し台、テレビ、ラジエータ、消火器、棚およびパネルへの取り付けを必要とするあらゆる他の物品)を支持するのに十分な程に強度がないという欠点を有する場合がある。そのような場合には、据え付け品の重量により固定手段(例えばネジ)がパネルから引き抜かれる場合があるため、据え付け品が仕切りから外れ落ちる。
【0004】
典型的にこの問題は、パネルの固定強度を高めるために合板シートを設けることにより対処されてきた。この場合、合板シートは据え付け品が設置される側面とは反対のパネルの側面に設けられる。合板シートにより、据え付け品をパネルに固定するために用いられる1つ以上の固定手段(例えばネジ)を保持するための強度を高めることができる。典型的には、合板シートは仕切りの骨組の中に配置され、次いでプラスターボードが仕切りの骨組の外側に位置するように合板に固定される。
【0005】
代わりとして金属支持手段を設けてもよい。これらは固定プレート、溝形鋼、ストラップまたは金属留め具を含んでもよい。合板シートの場合のように、金属支持手段は一般に据え付け品が固定される側面とは反対側のパネルの側面に配置され、固定手段、例えば据え付け品を当該パネルに取り付けるために使用される固定ネジを受け入れて固定するように機能する。
【0006】
これらの構成はどちらもパネルおよびさらなる支持構成要素を現場で互いに取り付ける必要があるという欠点を有する。さらに金属支持手段が使用される場合、据え付け品をパネルに固定するために必要とされる一式の固定手段を支持するために、複数のそのような支持手段が必要とされる場合がある。従って設置プロセスは時間がかかり、かつ高価になる場合がある。
【0007】
さらに、金属支持手段または合板シートの追加は仕切りの重量および厚さを増加させ、かつ/または中空壁空間の減少を引き起こす。一般に合板それ自体を現場で大きさに合わせて切断しなければならず、従って設置のために必要な時間が増加し、場合により粉塵や潜在的に有害な成分の放出が生じる。
【0008】
従って、固定手段を保持して据え付け品を支持することができ、かつ時間がかかる設置プロセスを必要としない改良されたパネルを提供することが必要とされている。
【0009】
以前に、ポリマーおよび/または繊維を石膏ボードの石膏マトリックス中に組み込むことにより当該ボードの固定強度を高めるのに役立ち得ることが見出された。典型的には、ポリマーおよび/または繊維成分を使用される石膏スラリー中に混合してプラスターボードを形成する。
【0010】
驚くべきことに、ポリ酢酸ビニルを石膏ベースの製品の石膏マトリックスに組み込んだ場合に、ポリ酢酸ビニルを微粒子分布の形態で提供すれば石膏ベースの製品の固定強度をなおさらに高めることができることを見出した。
【0011】
従って第1の態様では、本発明は石膏ベースの製品を作製する方法であって、焼き石膏をポリマー粒子および水と混合してスラリーを得る工程を含み、ポリマー粒子は主にポリ酢酸ビニルを含み、ポリマー粒子は4.5μm以下の直径を有する粒子がその全粒子体積の少なくとも90%を占めるような、レーザー回折を用いて測定された粒径分布を有することを特徴とする方法を提供することができる。
【0012】
典型的には、ポリマー粒子を水性乳濁液の形態でスラリー中に組み込む。そのような場合、本方法は水性乳濁液に加えてさらなる量の水をスラリー中に組み込む工程をさらに含んでもよい。
【0013】
あまり好ましくない代替形態では、ポリマー粒子を乾燥形態でスラリー中に組み込んでもよく、水を別々に提供してスラリーを形成してもよい。
【0014】
ポリマー粒子の粒径分布は、当該粒子を水性乳濁液に懸濁させた際にその粒径のレーザー回折測定を用いて決定する。
【0015】
好ましくは、ポリマー粒子は、4μm以下の直径を有する粒子がその全粒子体積の少なくとも90%を占めるような、レーザー回折を用いて測定された粒径分布を有する。
【0016】
より好ましくは、ポリマー粒子は、3.5μm以下の直径を有する粒子がその全粒子体積の少なくとも90%を占めるような、レーザー回折を用いて測定された粒径分布を有する。
【0017】
特定の場合に、ポリマー粒子の粒径分布は単峰性(一峰性としても知られている)である。
【0018】
典型的には、当該粒子の平均ポリ酢酸ビニル含有量は少なくとも80体積%、好ましくは85体積%、より好ましくは90体積%である。
【0019】
特定の場合に、当該粒子はポリビニルアルコールをさらに含み、これは当該粒子の外面の周りに部分的もしくは全体的に延在する表面層として存在してもよい。ポリビニルアルコールの存在は典型的にはポリ酢酸ビニルの部分加水分解によるものであると考えられている。ポリビニルアルコールの存在はポリマー粒子を安定化させるのに役立ち得ると考えられている。
【0020】
典型的には、ポリマー粒子は焼き石膏に対して少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも3wt%、最も好ましくは少なくとも4wt%の量でスラリー中に存在する。
【0021】
典型的には、ポリマー粒子は焼き石膏に対して25wt%以下、好ましくは20wt%以下、最も好ましくは15wt%以下の量でスラリー中に存在する。
【0022】
焼き石膏は典型的には、硫酸カルシウム半水和物および/または硫酸カルシウム硬石膏を含む。硫酸カルシウム半水和物はα型および/またはβ型で存在してもよい。
【0023】
典型的には、スラリーの水含有量(ポリマー粒子の乳濁液の一部として提供されるあらゆる水および別々に提供されるあらゆる水を含む)は、焼き石膏に対して少なくとも40wt%、好ましくは少なくとも50wt%、最も好ましくは焼き石膏に対して少なくとも60wt%である。一般により低い水含有量(例えば40wt%未満)は、硫酸カルシウム半水和物の全体もしくは大部分がα型で存在する場合、例えば硫酸カルシウム半水和物の少なくとも50wt%がα型で存在する場合に達成可能である。典型的にはより高い水含有量(例えば少なくとも60wt%)は、硫酸カルシウム半水和物の全体もしくは大部分がβ型で存在する場合、例えば硫酸カルシウム半水和物の少なくとも50wt%がβ型で存在する場合に必要とされる。
【0024】
典型的には、スラリーの水含有量は焼き石膏に対して120wt%未満、好ましくは100wt%未満である。
【0025】
典型的には、本方法は繊維強化材、例えばガラス繊維をスラリー中に組み込む工程をさらに含む。特定の場合に、繊維強化材の繊維は2~20mm、典型的には5~15mmの範囲の平均長さを有する。一般に繊維強化材は、焼き石膏に対して少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも1.5wt%、より好ましくは少なくとも2wt%の量でスラリー中に存在する。
【0026】
典型的には、繊維強化材は焼き石膏に対して15wt%以下、好ましくは10wt%以下、最も好ましくは5wt%以下の量でスラリー中に存在する。
【0027】
典型的には、本方法を使用してその芯部が石膏マトリックスを有するボードを作製する。典型的には、当該ボードには少なくとも1つの面にライナー、例えば紙ライナーまたはガラス繊維マットが設けられている。当該ライナーは典型的には部分的もしくは全体的に当該ボードに埋め込まれている。すなわち、石膏スラリーを硬化させて当該ボードを形成する間に、石膏スラリーは典型的には部分的もしくは全体的に当該ライナーに浸透する。
【0028】
典型的には、当該ボードは少なくとも550N、好ましくは少なくとも600Nのネジ引き抜き強度を有する。
【0029】
他の非有害性材料、補助剤および成分を必要に応じてスラリー中に含めてもよい。そのような非有害性材料は、ポリ酢酸ビニルまたはポリビニルアルコール以外のポリマー(他の合成ポリマーおよび/または澱粉を含む)、硬化促進剤および遅延剤、変形阻害剤(垂れ防止剤など)、収縮防止添加剤、再か焼阻害剤、泡安定剤、殺菌剤、殺真菌剤、pH調整剤、着色剤、難燃剤、疎水性添加剤および充填剤(いくつかの実施形態では発泡型であってもよい粒子状無機材料もしくはプラスチックなど)などの任意のさらなる成分を含んでもよい。
【0030】
次に以下の図を参照しながら本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1a】実施例1の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1b】実施例2の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1c】実施例3の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1d】実施例4の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1e】実施例5の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1f】実施例6の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1g】実施例7の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1h】実施例8の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1i】比較例9の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1j】比較例10の粒径分布のグラフ表示を示す。
図1k】比較例11の粒径分布のグラフ表示を示す。
図2】実施例1~8および比較例9~11のネジ引き抜きデータを示す。
【実施例
【0032】
水性ポリ酢酸ビニル乳濁液の11種の試料の体積ベースの粒径分布を決定し、かつそれを使用して各試料のD90値を計算した。
【0033】
その後にこれらの乳濁液を焼き石膏に対して4.5wt%のポリ酢酸ビニル含有量(ポリ酢酸ビニルの乾燥重量で測定)を提供するのに十分な量でそれぞれの石膏ベースのスラリー中に組み込んだ。スラリーは焼き石膏に対して2.3wt%の量で繊維も含み、かつ焼き石膏に対して80wt%の水含有量を提供するのに十分な総水含有量を有していた。次いで各スラリーをそれぞれの石膏ボードに形成した。各ボードのネジ引き抜き強度を決定した。
【0034】
それらの結果が表1に示されている。さらに各ポリ酢酸ビニル試料の体積ベースの粒径分布のグラフ表示が図1(a)~(k)に示されており、ネジ引き抜きの結果は図2にグラフで表示されている。
【表1】
【0035】
90値の測定
水性ポリ酢酸ビニル分散系の体積ベースの粒径分布をMalvern Mastersizer 3000レーザー回折粒径分布測定装置を用いるレーザー回折を用いて測定した。
【0036】
ポリ酢酸ビニル試料を水に希釈して4.5wt%の固形分換算ポリ酢酸ビニルを含む乳濁液を生成した。この乳濁液を手作業で1分間振盪させて当該ポリマーの分散を一様にした後、当該測定装置の分散ユニットの中にピペットで移した。このポリマー乳濁液は1%~4%の遮蔽を生じるような量で添加した。この分散ユニットを3000±50rpmで撹拌した。
【0037】
当該測定装置は球形粒子モードで動作させた。
【0038】
各実施例および比較例について3つの試料を試験し、各試料について6回の粒径分布追跡を行った。従って各実施例および比較例について18回の試験を行った。表1のD90値はこれらの18回の試験からとった平均を表す。図1(a)~1(k)に示されている粒径分布のグラフ表示は当該試料の1つからとった6回の追跡の平均を示す。
【0039】
石膏ボード試料の作製
石膏ボード試料の作製では、スタッコ(焼き石膏)、6mmの平均長さを有するガラス繊維、水性ポリ酢酸ビニル乳濁液およびさらなる水から石膏スラリーを調製した。
【0040】
スラリーの繊維含有量はスタッコに対して2.3wt%であった。ポリ酢酸ビニル乳濁液は、乳濁液中に存在する水を除いてスタッコに対して4.5wt%のポリ酢酸ビニル含有量を得るような量でスラリーに添加した。スラリーの水含有量(ポリ酢酸ビニル乳濁液からの水およびさらなる水を含む)はスタッコに対して80wt%であった。
【0041】
必要とされる量の水性ポリ酢酸ビニル乳濁液とさらなる水とを手作業で混合することによりスラリーを調製した。その後に当該繊維を希釈した乳濁液に添加し、Kenwoodミキサーを用いて30秒間混合した。この後にスタッコをKenwoodミキサー中の水性ポリ酢酸ビニル/繊維混合物に添加し、30秒間混合した。
【0042】
スラリーを対向する面を有する平らな空洞を画定した型に注ぎ入れた。空洞の対向する面を水で飽和した紙で裏打ちした。この型をその空洞が上向きになるように支持した。この型の外面を軽く叩いてスラリー中のあらゆる空気ポケットを除去し、さらなるスラリーをその空洞がいっぱいになるまで必要に応じてその中に注ぎ入れた。
【0043】
スラリーを15~20分間放置して硬化させ、その後にこの型を開放して石膏ボードを取り出した。あらゆる過剰な紙を当該ボードの縁から切り取り、マスキングテープを当該ボードの縁の周りに巻き付けた。
【0044】
スラリーを型の中に注ぎ入れた時間から25分後に、当該ボードを160℃で1時間乾燥器の中に置いた。その後に当該ボードを乾燥器から取り出し、マスキングテープを当該ボードの縁から除去し、当該ボードを恒量に達するまで別の乾燥器の中に40℃でおよそ24時間置いた。
【0045】
この後に、恒量に達するまで、およそ24時間、当該ボードを23℃および50%の相対湿度に調整した。
【0046】
ネジ引き抜き強度の測定
ネジ引き抜き試験では、ネジがボードから取り外された状態になるまで万能試験機を用いて当該ボードに埋め込まれているネジに引き抜き力を加える。
【0047】
ネジ引き抜き試験は、50mmの長さおよび5mm直径のシャフトを有するUnifix1条ネジを用いて、調整したボードに対して行った。引き抜き試験を開始する前に、ネジの10mm(±1mm)が当該ボードの後部から延在するようにネジを当該ボードに挿入した。10Nの予荷重をかけた後、破壊するまで10mm/秒のクロスヘッド速度で荷重を増加させた。ピーク破壊荷重を記録して引き抜き強度を得た。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図1h
図1i
図1j
図1k
図2