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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】半導体記憶装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 51/20 20230101AFI20241129BHJP
   H10B 43/20 20230101ALI20241129BHJP
   H10B 41/20 20230101ALI20241129BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241129BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20241129BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
H10B51/20
H10B43/20
H10B41/20
H01L29/78 371
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022079389
(22)【出願日】2022-05-13
(65)【公開番号】P2023167866
(43)【公開日】2023-11-24
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】521483777
【氏名又は名称】サンライズ メモリー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】SunRise Memory Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶本 実利
(72)【発明者】
【氏名】廣谷 太志
(72)【発明者】
【氏名】吉原 正浩
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0375919(US,A1)
【文献】特開2012-009512(JP,A)
【文献】特開2020-178111(JP,A)
【文献】特開2014-175348(JP,A)
【文献】特表2021-512494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0381450(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0375917(US,A1)
【文献】特開2010-130016(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0130862(US,A1)
【文献】特開2022-018104(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0399016(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0074726(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 51/20
H10B 43/20
H10B 41/20
H01L 29/788
H01L 29/792
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極膜と複数の絶縁膜が第1方向に沿って交互に積層されてなる、前記電極膜及び前記絶縁膜がそれぞれ1つおきの層をなす積層体と、
前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、第1導電形である第1半導体ピラーと、
前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、前記第1半導体ピラーから離隔し、第1導電形である第2半導体ピラーと、
前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーとの間に配置された絶縁体ピラーであって、前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー、及び前記絶縁体ピラーを含む柱状体が形成される、該絶縁体ピラーと、
第2導電形である複数の半導体部材であって、前記複数の半導体部材の各々は、前記積層体の対応する層において、前記複数の電極膜の1つと前記柱状体との間に配置され、前記柱状体を外囲する閉じたループをなす、該複数の半導体部材と、
各前記電極膜と各前記半導体部材との間に配置された強誘電体層と、
を備え、
前記複数の半導体部材のなかの、前記積層体の層の1つに設けられた半導体部材は、前記積層体の他の層にそれぞれ設けられた残りの半導体部材から離隔され、
前記複数の電極膜の各電極膜に対応する前記積層体の層において、前記柱状体と前記各電極膜との交差部分にメモリトランジスタが形成され、前記第1半導体ピラーは前記メモリトランジスタのソース領域となり、前記第2半導体ピラーは前記メモリトランジスタのドレイン領域となり、前記半導体部材は前記メモリトランジスタのチャネル領域となり、前記各電極膜は前記メモリトランジスタのゲート電極となる、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記柱状体は、前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記絶縁体ピラーのみを含み、
前記絶縁体ピラーは単一の組成の絶縁性材料からなる請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記絶縁体ピラーは、
前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記半導体部材に接したライナー絶縁膜と、
前記ライナー絶縁膜を介して前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記半導体部材から離隔したコア金属ピラーと、
を有する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記絶縁体ピラーは、前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記半導体部材に接したライナー絶縁膜を有し、
前記絶縁体ピラー内には、前記ライナー絶縁膜を介して前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記半導体部材から離隔したエアギャップが形成されている請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記半導体部材の形状は環状である請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1方向から見た断面において、前記第1半導体ピラーと前記絶縁体ピラーとの界面と、前記第2半導体ピラーと前記絶縁体ピラーとの界面は、相互に平行な直線である請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
基板と、
配線と、
をさらに備え、
前記第1方向において、前記積層体は前記基板と前記配線との間に配置されており、
前記第1半導体ピラーは前記基板に接続されており、
前記第2半導体ピラーは前記配線に接続されている請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1方向及び前記第1半導体ピラーから前記第2半導体ピラーに向かう第2方向に沿って拡がり、前記基板に接続され、前記積層体を前記第1方向及び前記第2方向に対して交差した第3方向に沿って分断する導電板と、
前記導電板と前記積層体との間に配置された絶縁板と、
をさらに備えた請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記導電板を介して前記第1半導体ピラーに任意の電位を印加可能である請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記配線は複数設けられており、各前記配線は前記第3方向に延び、
前記導電板によって分断された前記積層体の各部分には、複数の前記柱状体が配置されており、
前記複数の柱状体は、第3方向に沿って配列された複数の列に属し、各前記列においては、複数の前記柱状体が前記第2方向に沿って一列に配列されており、
複数の前記列間において、前記第2方向における前記柱状体の位置は相互に異なっており、
前記積層体の前記部分に配置された前記複数の柱状体の前記第2半導体ピラーは、相互に異なる前記配線に接続されている請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1方向及び前記第1方向に対して直交する第2方向に沿って拡がり、前記基板に接続され、前記積層体を前記第1方向及び前記第2方向に対して交差した第3方向に沿って分断する導電板と、
前記導電板と前記積層体との間に配置された絶縁板と、
をさらに備え、
前記第1方向から見て、前記柱状体の形状は楕円形であり、その長径が延びる方向は前記第2方向に対して傾斜している請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記配線は複数設けられており、各前記配線は前記第3方向に延び、
前記導電板によって分断された前記積層体の各部分には、複数の前記柱状体が配置されており、
前記複数の柱状体は、第3方向に沿って配列された複数の列に属し、各前記列においては、複数の前記柱状体が前記第2方向に沿って一列に配列されており、
複数の前記列間において、前記第2方向における前記柱状体の位置は相互に異なっており、
前記積層体の前記部分に配置された前記複数の柱状体の前記第2半導体ピラーは、相互に異なる前記配線に接続されている請求項11に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
複数の犠牲膜と複数の絶縁膜とを第1方向に沿って交互に積層させることにより、前記犠牲膜及び前記絶縁膜がそれぞれ1つおきの層をなす積層体を作製する工程と、
前記積層体に前記第1方向に延びる貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔の側面において前記犠牲膜をエッチングすることにより、凹部を形成する工程と、
前記貫通孔の側面上に第1導電形の半導体層を形成する工程と、
前記半導体層に対して異方性エッチングを施すことにより、前記半導体層における前記凹部内に配置されていない部分を除去して、前記半導体層における前記凹部内に配置された部分を相互に分断する工程であって、前記凹部内に配置された前記部分が複数の半導体部材を形成する、該工程と、
前記貫通孔内に第2導電形の半導体ピラーを形成する工程と、
前記半導体ピラーを前記第1方向に延びる第1半導体ピラーと前記第1方向に延びる第2半導体ピラーに分割する工程と、
前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーとの間に、絶縁体ピラーを形成する工程と、
前記積層体において1つおきの層をなす前記犠牲膜を除去する工程と、
前記犠牲膜が除去された後の空間における前記半導体層が露出した面上に強誘電体層を形成する工程と、
前記積層体において1つおきの層をなす前記空間内に電極膜を形成する工程と、を含み、
前記複数の電極膜の各電極膜に対応する前記積層体の層において、前記第1半導体ピラー及び前記第2半導体ピラーと前記各電極膜との交差部分にメモリトランジスタが形成され、前記第1半導体ピラーは前記メモリトランジスタのソース領域となり、前記第2半導体ピラーは前記メモリトランジスタのドレイン領域となり、前記半導体部材は前記メモリトランジスタのチャネル領域となり、前記各電極膜は前記メモリトランジスタのゲート電極となる、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項14】
前記絶縁体ピラーを形成する工程は、前記貫通孔内における前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーを除く空間に単一の組成の絶縁性材料を埋め込む工程を有する請求項13に記載の半導体記憶装置の製造方法。
【請求項15】
前記積層体に、前記第1方向及び前記第1半導体ピラーから前記第2半導体ピラーに向かう第2方向に沿って拡がるトレンチを形成する工程をさらに備え、
前記犠牲膜を除去する工程は、前記トレンチを介して前記犠牲膜をエッチングする工程を有し、
前記強誘電体層を形成する工程は、前記トレンチを介して前記空間の内面上に強誘電体材料を堆積させる工程を有し、
前記電極膜を形成する工程は、
前記トレンチ及び前記空間の内面上に導電性材料を堆積させる工程と、
前記導電性材料に対して異方性エッチングを施すことにより、前記導電性材料における前記トレンチ内に配置された部分を除去する工程と、
を有する請求項13に記載の半導体記憶装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体記憶装置の高集積化を図るために、メモリセルを3次元的に集積させた積層型記憶装置が開発されている。積層型記憶装置においては、動作の信頼性の向上が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許公報2021/0074726
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の目的は、動作の信頼性が高い半導体記憶装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態に係る半導体記憶装置は、複数の電極膜と複数の絶縁膜が第1方向に沿って交互に積層された積層体と、前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、第1導電形である第1半導体ピラーと、前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、前記第1半導体ピラーから離隔し、第1導電形である第2半導体ピラーと、前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーとの間に配置された絶縁体ピラーと、前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記絶縁体ピラーを含む柱状体と前記複数の電極膜との間にそれぞれ配置され、第2導電形である複数の半導体部材と、各前記電極膜と各前記半導体部材との間に配置された強誘電体層と、を備える。前記複数の半導体部材は相互に離隔している。
【0006】
本発明の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法は、複数の犠牲膜と複数の絶縁膜とを第1方向に沿って交互に積層させることにより、積層体を作製する工程と、前記積層体に前記第1方向に延びる貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔の側面において前記犠牲膜をエッチングすることにより、凹部を形成する工程と、前記貫通孔の側面上に第1導電形の半導体層を形成する工程と、前記半導体層に対して異方性エッチングを施すことにより、前記半導体層における前記凹部内に配置されていない部分を除去して、前記半導体層における前記凹部内に配置された部分を相互に分断する工程と、前記貫通孔内に第2導電形の半導体ピラーを形成する工程と、前記半導体ピラーを前記第1方向に延びる第1半導体ピラーと前記第1方向に延びる第2半導体ピラーに分割する工程と、前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーとの間に、絶縁体ピラーを形成する工程と、前記犠牲膜を除去する工程と、前記犠牲膜が除去された後の空間における前記半導体層が露出した面上に強誘電体層を形成する工程と、前記空間内に電極膜を形成する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、動作の信頼性が高い半導体記憶装置及びその製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置を示す平面図である。
図3図3は、図2に示すA-A’線による端面図である。
図4図4は、図2に示すB-B’線による端面図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置を示す一部拡大端面図であり、図5(a)は図2の領域Cに相当する領域を示し、図5(b)は図3の領域Dに相当する領域を示す。
図6図6は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置を示す回路図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図8図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図9図9(a)及び図9(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図10図10(a)及び図10(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図11図11(a)及び図11(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図12図12(a)~図12(c)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図13図13(a)~図13(c)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図14図14(a)~図14(c)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図15図15(a)及び図15(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図16図16(a)及び図16(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図17図17(a)及び図17(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図18図18(a)及び図18(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図19図19(a)及び図19(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図20図20(a)及び図20(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図21図21(a)及び図21(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す端面図である。
図22図22は、第2の実施形態に係る半導体記憶装置を示す平面図である。
図23図23(a)及び図23(b)は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置を示す一部拡大端面図である。
図24図24(a)及び図24(b)は、第4の実施形態に係る半導体記憶装置を示す一部拡大端面図である。
図25図25(a)及び図25(b)は、第5の実施形態に係る半導体記憶装置を示す一部拡大端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
<半導体記憶装置の構成>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体記憶装置を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る半導体記憶装置を示す平面図である。
図3は、図2に示すA-A’線による端面図である。
図4は、図2に示すB-B’線による端面図である。
図5(a)及び図5(b)は、本実施形態に係る半導体記憶装置を示す一部拡大端面図であり、図5(a)は図2の領域Cに相当する領域を示し、図5(b)は図3の領域Dに相当する領域を示す。
図6は、本実施形態に係る半導体記憶装置を示す回路図である。
【0010】
なお、図1においては、図を見やすくするために、導電性の部分のみを示し、絶縁性の部分は省略している。また、図1においては、後述するソースピラー41に文字「SL」を付し、ドレインピラー42に文字「BL」を付し、電極膜31のうちメモリセルトランジスタ100のゲートとして機能するものに文字「WL」を付し、プリチャージ100aのゲートとして機能するものに文字「PCH」を付し、下部選択ゲート電極膜23及び上部選択ゲート電極膜73に文字「SG」を付している。
【0011】
図1図6に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置1においては、基板10、下部構造体20、積層体30、柱状体40、半導体部材50、強誘電体層60、上部構造体70、ビット線80、及び、ST構造体90が設けられている。積層体30においては、複数の電極膜31、及び、複数の電極間絶縁膜32が設けられている。柱状体40においては、ソースピラー41、ドレインピラー42、及び、絶縁体ピラー43が設けられている。
【0012】
以下、説明の便宜上、本実施形態においては、XYZ直交座標系を採用する。基板10から積層体30に向かう方向を「Z方向」とする。また、柱状体40において、ソースピラー41からドレインピラー42に向かう方向を「Y方向」とする。Z方向及びY方向に対して直交する方向を「X方向」とする。なお、Z方向のうち、基板10から積層体30に向かう方向を「上」ともいい、その逆方向を「下」ともいうが、この表現も便宜的なものであり、重力の方向とは無関係である。半導体記憶装置1においては、下から上に向かって、基板10、下部構造体20、積層体30、上部構造体70及びビット線80がこの順に配列されている。
【0013】
基板10は、例えば、単結晶のシリコン(Si)からなる。基板10において、少なくとも上層部分の一部には不純物が導入されており、導電性となっている。下部構造体20は、基板10上に配置されている。下部構造体20においては、絶縁膜21、複数の下部半導体ピラー22、下部選択ゲート電極膜23及び複数の下部選択ゲート絶縁膜24が設けられている。
【0014】
絶縁膜21は、例えば、シリコン酸化物(SiO)からなる。下部半導体ピラー22は半導体材料からなる。下部半導体ピラー22は絶縁膜21中に配置されており、Z方向に延び、その下端は基板10に接続されている。なお、本明細書において「接続」とは、電気的な接続をいう。下部選択ゲート電極膜23は導電性材料からなる。下部選択ゲート電極膜23は絶縁膜21中に配置されており、XY平面に沿って拡がっている。下部選択ゲート絶縁膜24は絶縁性材料からなる。下部選択ゲート絶縁膜24は下部半導体ピラー22の周囲に配置されており、下部半導体ピラー22と下部選択ゲート電極膜23との間に介在している。
【0015】
積層体30は、下部構造体20上に配置されている。積層体30においては、Z方向に沿って電極膜31と電極間絶縁膜32が1枚ずつ交互に積層されている。電極膜31は導電性材料からなり、例えば、不純物を含有するポリシリコン又はタングステン(W)等の金属材料からなる。電極間絶縁膜32は絶縁性材料からなり、例えば、シリコン酸化物からなる。
【0016】
積層体30には、Z方向において積層体30を貫通する貫通孔33が複数形成されており、各貫通孔33内には柱状体40が配置されている。貫通孔33及び柱状体40の形状は柱状であり、例えば、楕円柱形である。例えば、Z方向から見た柱状体40の形状は、Y方向を長径方向とし、X方向を短径方向とする楕円形である。但し、柱状体40の形状はこれには限定されず、例えば、円柱形又は角柱形等でもよい。なお、本明細書において、「楕円」は数学的に厳密な楕円には限定されず、長円等も含む。柱状体40の直径は、Z方向において一定であってもよく、下に向かうほど小さくなっていてもよい。
【0017】
各柱状体40において、ソースピラー41とドレインピラー42はY方向において相互に離隔しており、ソースピラー41とドレインピラー42との間に絶縁体ピラー43が配置されている。ソースピラー41、ドレインピラー42、絶縁体ピラー43はZ方向に延び、積層体30を貫通している。ソースピラー41の下端は下部半導体ピラー22の上端に接続されている。したがって、ソースピラー41は下部半導体ピラー22を介して基板10に接続されている。
【0018】
絶縁体ピラー43はソースピラー41及びドレインピラー42に接している。ソースピラー41と絶縁体ピラー43との界面47は、例えば、XZ平面に沿って拡がる平面状であり、ドレインピラー42と絶縁体ピラー43との界面48も、例えば、XZ平面に沿って拡がる平面状である。したがって、界面47と界面48とは略平行である。すなわち、Z方向から見たXY断面において、界面47と界面48は、X方向に延びる相互に平行な2本の直線である。
【0019】
ソースピラー41及びドレインピラー42は半導体材料、例えばシリコンからなり、その導電形は例えばn形である。絶縁体ピラー43は単一の組成の絶縁性材料からなり、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物(SiN)又はLow-k材料からなる。柱状体40にはソースピラー41、ドレインピラー42及び絶縁体ピラー43のみが含まれている。
【0020】
半導体部材50は、各柱状体40と各電極膜31との間にそれぞれ配置されている。半導体部材50の形状は例えば柱状体40を囲む環状である。「環状」とは閉じたループであり、柱状体40の形状に合わせて、例えば、楕円環状、長円環状、円環状、矩形等の多角形の枠状でありうる。各柱状体40の周囲には、複数、例えば、電極膜31と同数の半導体部材50が設けられており、Z方向に沿って相互に離隔して配列されている。
【0021】
半導体部材50は半導体材料、例えば、p型のシリコン、又は、酸化物半導体であるn型のIGZO(InGaZnO)、IWO(InWO)若しくはIGZTO(InGaZnSnO)等からなる。半導体部材50の材料として酸化物半導体を用いることにより、リーク電流の低減やオン電流の増加を見込むことができる。半導体部材50は、柱状体40のソースピラー41、ドレインピラー42及び絶縁体ピラー43に接している。ソースピラー41、ドレインピラー42及び絶縁体ピラー43は、半導体部材50及び電極間絶縁膜32に接している。
【0022】
強誘電体層60は、電極膜31と半導体部材50との間に配置されており、例えば、電極膜31の表面上に配置されている。強誘電体層60は強誘電体材料からなる。強誘電体材料の例としては、HfZrO、HfSiO、HfAlO又はPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)などが挙げられる。
【0023】
強誘電体層60と半導体部材50との間、及び、強誘電体層60と電極間絶縁膜32との間には、界面絶縁層61が設けられている。界面絶縁層61は、絶縁性材料、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)等により形成されている。なお、界面絶縁層61は設けられていなくてもよい。例えば、半導体部材50がシリコンからなり、強誘電体層60がHfSiOからなる場合、界面絶縁層61を設けることにより、半導体部材50を形成するシリコンが強誘電体層60中に拡散することを抑制でき、強誘電体層60の分極性能の劣化を抑制できる。一方、半導体部材50が酸化物半導体からなる場合は、シリコンと比較して強誘電体層60中に拡散する懸念が少ない。この場合は、界面絶縁層61を設けないことにより、強誘電体層60に電界を効果的に印加することができ、また、界面絶縁層61に高電界が印加されることによる素子の劣化を回避できる。
【0024】
上部構造体70は、積層体30上に配置されている。上部構造体70においては、絶縁膜71、複数の上部半導体ピラー72、上部選択ゲート電極膜73及び複数の上部選択ゲート絶縁膜74が設けられている。絶縁膜71は、例えば、シリコン酸化物からなる。上部半導体ピラー72は半導体材料からなる。上部半導体ピラー72は絶縁膜71中に配置されており、Z方向に延び、その下端は、ドレインピラー42の上端に接続されている。
【0025】
上部選択ゲート電極膜73は導電性材料からなる。上部選択ゲート電極膜73は絶縁膜71中に配置されており、XY平面に沿って拡がっている。上部選択ゲート絶縁膜74は絶縁性材料からなる。上部選択ゲート絶縁膜74は上部半導体ピラー72の周囲に配置されており、上部半導体ピラー72と上部選択ゲート電極膜73との間に介在している。
【0026】
ビット線80は、上部構造体70上に配置されている。ビット線80は複数設けられており、Y方向に沿って配列されている。各ビット線80はX方向に延びている。Y方向におけるビット線80の配列周期は、例えば数十nm程度である。ビット線80は上部半導体ピラー72の上端に接続されている。これにより、ビット線80は上部半導体ピラー72を介してドレインピラー42に接続されている。複数のビット線80は、上部構造体70上に配置された絶縁膜(図示せず)によって覆われている。
【0027】
半導体記憶装置1においては、基板10上に複数のST構造体90が設けられており、X方向に沿って配列されている。各ST構造体90の形状は、YZ平面に沿って拡がる板状である。ST構造体90は、下部構造体20及び積層体30をX方向に沿って複数の部分に分断している。
【0028】
各ST構造体90においては、1枚の導電板91及び2枚の絶縁板92が設けられている。導電板91及び絶縁板92の形状は、YZ平面に沿って拡がる板状である。絶縁板92は、導電板91のX方向両側に配置されており、導電板91と積層体30との間に配置されている。導電板91は導電性材料からなり、例えば、不純物を含有したポリシリコン又は金属材料からなる。導電板91の下端は基板10に接続されている。これにより、導電板91は、基板10及び下部半導体ピラー22を介してソースピラー41に接続されている。
【0029】
ST構造体90によって分断された積層体30の各部分34には、複数の柱状体40が配置されている。部分34に配置された複数の柱状体40は、X方向に沿って配列された複数の列46のいずれかに属する。各列46においては、複数の柱状体40がY方向に沿って一列に配列されている。複数の列46間において、Y方向における柱状体40の位置は相互に異なっている。これにより、あるビット線80は、部分34毎に1つのドレインピラー42の直上域のみを通過する。このため、あるビット線80は、部分34毎に1つのドレインピラー42のみと接続される。換言すれば、ある部分34に配置された複数の柱状体40のドレインピラー42は、相互に異なるビット線80に接続されている。
【0030】
<半導体記憶装置の製造方法>
次に、本実施形態に係る半導体記憶装置1の製造方法について説明する。
図7(a)~図21(b)は、本実施形態に係る半導体記憶装置1の製造方法を示す端面図である。
【0031】
より具体的には、図7(b)は図7(a)に示すE-E’線による端面図であり、図7(a)は図7(b)に示すF-F’線による端面図である。図8(a)及び図8(b)、図9(a)及び図9(b)、図10(a)及び図10(b)、図11(a)及び図11(b)、図15(a)及び図15(b)、図16(a)及び図16(b)、図17(a)及び図17(b)、図18(a)及び図18(b)、図19(a)及び図19(b)、図20(a)及び図20(b)、並びに、図21(a)及び図21(b)についても、それぞれ同様である。
【0032】
また、図12(b)は図12(a)に示すE-E’線による端面図であり、図12(c)は図12(a)に示すG-G’線による端面図であり、図12(a)は図12 (b)及び図12(c)に示すF-F’線による端面図である。図13(a)~(c)及び図14(a)~(c)についても、それぞれ同様である。
【0033】
先ず、図3及び図4に示すように、基板10上に絶縁膜21を形成し、絶縁膜21内に複数の下部半導体ピラー22、下部選択ゲート電極膜23及び複数の下部選択ゲート絶縁膜24を形成する。下部半導体ピラー22の下端は基板10に到達させる。これにより、基板10上に下部構造体20を作製する。
【0034】
次に、図3図4図7(a)及び図7(b)に示すように、下部構造体20上に、電極間絶縁膜32と犠牲膜36をZ方向に沿って交互に積層させる。犠牲膜36は電極間絶縁膜32とは異なる材料によって形成する。例えば、電極間絶縁膜32はシリコン酸化物により形成し、犠牲膜36はシリコン窒化物により形成する。これにより、下部構造体20上に積層体30を作製する。
【0035】
図8(a)及び図8(b)に示すように、積層体30に対して、例えばRIE(反応性イオンエッチング)等の異方性エッチングを施すことにより、積層体30にZ方向に延びる貫通孔33を形成する。図2に示すように、積層体30には複数の貫通孔33を形成する。貫通孔33には積層体30を貫通させる。
【0036】
図8(a)に示すように、Z方向から見て、各貫通孔33の形状は楕円形又は長円形とする。なお、貫通孔33の形状は円形又は矩形等としてもよい。貫通孔33の直径、例えば、Y方向における長さは、Z方向において一定とすることが好ましいが、下方に向かうほど小さくなってもよい。
【0037】
次に、図9(a)及び図9(b)に示すように、例えばウェットエッチングを施すことにより、貫通孔33の側面において、犠牲膜36を電極間絶縁膜32に対して選択的にエッチングする。これにより、貫通孔33の側面において、犠牲膜36をリセスし、犠牲膜36が露出した領域に凹部37を形成する。各貫通孔33において、複数の凹部37が形成され、Z方向に沿って配列される。各凹部37の形状は貫通孔33を囲む環状となる。
【0038】
次に、図10(a)及び図10(b)に示すように、半導体材料、例えば、導電形がp形のポリシリコンを堆積させる。これにより、貫通孔33の側面上に半導体層50aを形成する。半導体層50aは凹部37内にも配置される。
【0039】
次に、図11(a)及び図11(b)に示すように、半導体層50aに対して例えばRIE等の異方性エッチングを施すことにより、半導体層50aにおける凹部37内に配置されていない部分を除去すると共に、凹部37内に配置された部分を残留させる。これにより、半導体層50aにおける凹部37内に配置された部分が相互に分断されて、複数の半導体部材50となる。
【0040】
次に、図12(a)~図12(c)に示すように、貫通孔33内に半導体材料、例えば、導電形がn形のポリシリコンを埋め込む。これにより、貫通孔33内に半導体ピラー45を形成する。半導体ピラー45の形状は貫通孔33の形状に対応した形状であり、例えば、楕円柱形又は長円柱形である。半導体ピラー45は半導体部材50及び電極間絶縁膜32に接する。また、半導体ピラー45の下端は下部半導体ピラー22に接続される。
【0041】
次に、図13(a)~図13(c)に示すように、積層体30上にレジストマスク101を形成する。レジストマスク101には開口部102を形成する。Z方向から見て、開口部102は各半導体ピラー45のY方向中央部を露出させるように形成する。各半導体ピラー45のY方向両端部はレジストマスク101によって覆われる。例えば、Z方向から見て、開口部102には、X方向に延び相互に平行な直線状の2辺を設ける。
【0042】
次に、レジストマスク101をマスクとしてRIE等の異方性エッチングを施す。これにより、半導体ピラー45におけるY方向中央部が除去されて、Y方向両端部が残留する。この結果、半導体ピラー45がソースピラー41とドレインピラー42に分割される。上述の如く、ソースピラー41及びドレインピラー42はZ方向に延び、Y方向において相互に離隔している。半導体ピラー45における下部半導体ピラー22が接続された部分は、ソースピラー41となる。
【0043】
次に、図14(a)~図14(c)に示すように、絶縁性材料を堆積させることにより、貫通孔33内におけるソースピラー41とドレインピラー42を除く空間に、単一の組成の絶縁性材料を埋め込む。これにより、ソースピラー41とドレインピラー42との間に絶縁体ピラー43を形成する。
【0044】
次に、図15(a)及び図15(b)に示すように、RIE等の異方性エッチングを施すことにより、積層体30及び下部構造体20に、YZ平面に沿って拡がるトレンチ95を形成する。トレンチ95は、積層体30及び下部構造体20を貫通し、基板10に到達させる。トレンチ95により、積層体30及び下部構造体20はX方向に沿って複数の部分に分断される。
【0045】
次に、図16(a)及び図16(b)に示すように、例えばウェットエッチング等の等方性エッチングを施すことにより、トレンチ95を介して犠牲膜36を除去する。これにより、犠牲膜36が除去されたあとに、トレンチ95に繋がる空間96が形成される。
【0046】
次に、図17(a)及び図17(b)に示すように、トレンチ95及び空間96の内面上に、界面絶縁層61を形成する。なお、界面絶縁層61は形成しなくてもよい。以後の図において、界面絶縁層61は図示を省略する。
【0047】
次に、図18(a)及び図18(b)に示すように、強誘電体材料を堆積させる。これにより、トレンチ95を介して、トレンチ95及び空間96の内面上に強誘電体層60を形成する。界面絶縁層61が形成されている場合には、強誘電体層60は界面絶縁層61の表面上に形成される。
【0048】
次に、図19(a)及び図19(b)に示すように、トレンチ95及び空間96の内面上に、導電性材料を堆積させる。次に、この導電性材料に対してRIE等の異方性エッチングを施すことにより、導電性材料におけるトレンチ95内に配置された部分を除去すると共に、空間96内に配置された部分を残留させる。この結果、空間96内に残留した導電性材料により、電極膜31が形成される。なお、このとき、トレンチ95の側面上において、導電性材料と共に強誘電体層60及び界面絶縁層61を除去してもよい。図1及び図3は、強誘電体層60を除去した場合を示している。
【0049】
次に、図20(a)及び図20(b)に示すように、トレンチ95の内面上に絶縁性材料を堆積させる。次に、この絶縁性材料に対してRIE等の異方性エッチングを施すことにより、トレンチ95の底面上から絶縁性材料を除去すると共に、トレンチ95の側面上に残留させる。これにより、トレンチ95の側面上に絶縁板92を形成する。
【0050】
次に、図21(a)及び図21(b)に示すように、トレンチ95内に導電性材料を埋め込む。これにより、トレンチ95内における絶縁板92間に導電板91を形成する。導電板91の下端は基板10に接続させる。このようにして、ST構造体90を作製する。
【0051】
次に、図1図4に示すように、積層体30上に絶縁膜71を形成する。次に、絶縁膜71内に複数の上部半導体ピラー72、上部選択ゲート電極膜73及び複数の上部選択ゲート絶縁膜74を形成する。上部半導体ピラー72の下端はドレインピラー42の上端に接続させる。これにより、積層体30上に上部構造体70を作製する。次に、絶縁膜71上に複数のビット線80を形成する。ビット線80は上部半導体ピラー72の上端に接続させる。次に、上部構造体70上にビット線80を覆う絶縁膜(図示せず)を形成する。このようにして、本実施形態に係る半導体記憶装置1が製造される。
【0052】
<動作>
次に、本実施形態の動作について説明する。
図5(b)及び図6に示すように、半導体記憶装置1においては、柱状体40と電極膜31との交差部分毎に、メモリセルトランジスタ100が形成される。メモリセルトランジスタ100においては、ソースピラー41がソースとなり、ドレインピラー42がドレインとなり、半導体部材50がチャネルとなり、電極膜31がゲートとなる。ドレインピラー42にはビット線80から上部半導体ピラー72を介して電位が印加され、ソースピラー41には導電板91から基板10及び下部半導体ピラー22を介して電位が印加される。そして、強誘電体層60の分極の向きを変化させることにより、メモリセルトランジスタ100の閾値を変化させる。これにより、メモリセルトランジスタ100にデータを記憶する。なお、強誘電体層60をドメイン毎に分極させたり、反誘電体材料によって形成することにより、メモリセルトランジスタ100の多値化を図ることも可能である。
【0053】
メモリセルトランジスタ100の一部は、プリチャージ100aとして機能する。プリチャージ100aは、ドレインピラー42とソースピラー41とを接続し、ドレインピラー42の電位をソースピラー41に転送することができる。
【0054】
また、下部構造体20においては、下部半導体ピラー22と下部選択ゲート電極膜23との交差部分毎に、ソース側選択トランジスタ25が形成される。ソース側選択トランジスタ25においては、下部半導体ピラー22がチャネルとなり、下部選択ゲート電極膜23がゲートとなり、下部選択ゲート絶縁膜24がゲート絶縁膜となる。そして、ソースピラー41を基板10に接続するか否かを制御する。
【0055】
さらに、下部半導体ピラー22が接続している基板10をチャネルとして使用することも可能である。この場合、基板10における導電板91に接触する部分を例えばn型とし、基板10におけるそれ以外の部分をp型とすることで、基板容量も含めてソース容量とすることができる。これにより、読出動作時のソース側の容量不足による性能劣化を抑制することが可能となる。また、ソースピラー41が十分な容量を持つ場合には、下部選択ゲート電極膜23を設けることなく、半導体装置1を動作させることも可能である。
【0056】
さらに、上部構造体70においては、上部半導体ピラー72と上部選択ゲート電極膜73との交差部分毎に、ドレイン側選択トランジスタ75が形成される。ドレイン側選択トランジスタ75においては、上部半導体ピラー72がチャネルとなり、上部選択ゲート電極膜73がゲートとなり、上部選択ゲート絶縁膜74がゲート絶縁膜となる。そして、ドレインピラー42をビット線80に接続するか否かを制御する。
【0057】
これにより、図6に示すように、半導体記憶装置1においては、ビット線80と基板10との間に、ドレイン側選択トランジスタ75、複数のメモリセルトランジスタ100、及び、ソース側選択トランジスタ25が直列に接続されたメモリストリングが実現される。各メモリセルトランジスタ100はデータを記憶する。複数のメモリセルトランジスタ100のうちの一部は、ドレインピラー42とソースピラー41とを接続するプリチャージ100aとして機能する。プリチャージ100aはデータを記憶しない。
【0058】
なお、ソースピラー41はソース側選択トランジスタ25を介して基板10に接続されているが、ソースピラー41には、基板10全体に印加する電位とは異なる電位を印加することもできる。例えば、基板10の上層部分にNウェルを形成し、その中にPウェルを形成し、このPウェルに下部半導体ピラー22及び導電板91を接続する。これにより、導電板91からPウェル及び下部半導体ピラー22を経てソースピラー41に至る経路を、基板10の他の部分から電気的に分離することができる。この結果、基板10にはVSS、例えば、接地電位を印加しつつ、導電板91には任意の電位、例えば、任意の正の電位を印加し、この電位をソースピラー41に印加できる。
【0059】
なお、本実施形態においては、全てのソース側選択トランジスタ25が基板10に共通に接続される例を示したが、本発明はこれには限定されず、基板10と下部構造体20との間に複数のソース線を設け、このソース線にソース側選択トランジスタ25を介してソースピラー41を接続してもよい。例えば、各ソース線がX方向に延び、X方向に沿って一列に配列された複数の柱状体40のソースピラー41が、共通のソース線に接続されてもよい。これにより、Y方向において異なる位置にあるソースピラー41に個別に電位を印加することができる。また、この場合は、各ソースピラー41にソース線を介して電位を印加できるため、プリチャージ100aが不要となり、積層体30の積層数を低減することができる。
【0060】
<効果>
次に、本実施形態の効果について説明する。
半導体記憶装置1においては、半導体部材50を電極膜31毎に独立して設けている。これにより、各メモリセルトランジスタ100に対して、1つの半導体部材50が設けられる。換言すれば、複数のメモリセルトランジスタ100が1つの半導体部材50を共有することがない。この結果、Z方向において隣接するメモリセルトランジスタ100間において、リーク電流を低減することができる。これにより、半導体記憶装置1の動作の信頼性が向上する。
【0061】
また、半導体記憶装置1においては、ソースピラー41と絶縁体ピラー43との界面47と、ドレインピラー42と絶縁体ピラー43との界面48とが略平行である。このため、ソースピラー41とドレインピラー42との距離が略一定である。これにより、メモリセルトランジスタ100の閾値が安定すると共に、オン電流及びオフ時のリーク電流が安定する。これによっても、半導体記憶装置1の動作の信頼性が向上する。
【0062】
さらに、本実施形態においては、図12(a)~図12(c)に示す工程において半導体ピラー45を形成し、図13(a)~図13(c)に示す工程において半導体ピラー45をソースピラー41とドレインピラー42に分割している。これにより、少ない工程数でソースピラー41及びドレインピラー42を形成することができる。この結果、半導体記憶装置1の製造コストを低減できる。
【0063】
なお、本実施形態においては、ソースピラー41を導電板91に接続する例を示したが、これには限定されない。基板10に回路を形成し、この回路にソースピラー41を接続してもよい。
【0064】
また、ソースピラー41をフローティング状態としてもよい。このような場合は、ST構造体90に導電板91を設けず、トレンチ95内を絶縁板92によって埋め込んでもよい。また、図15(a)及び図15(b)に示す工程においてトレンチ95を形成する際に、トレンチ95を基板10まで到達させず、下端を絶縁膜21内に位置させてもよい。
【0065】
さらに、強誘電体層60の替わりに、ONO膜(酸化物-窒化物-酸化物膜)を設けてもよい。この場合は、図18(a)及び図18(b)に示す強誘電体層60を形成する工程において、強誘電体層60に替えてONO膜を形成する。このような半導体記憶装置においては、ONO膜に電荷を蓄積させることにより、メモリセルトランジスタの閾値を変えることができる。
【0066】
(第2の実施形態)
図22は、本実施形態に係る半導体記憶装置を示す平面図である。
図22に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置2は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置1(図1図6参照)と比較して、柱状体40を斜めに配置している点が異なっている。
【0067】
すなわち、図22に示すように、柱状体40の形状は楕円柱形であり、Z方向から見た形状は楕円形である。そして、柱状体40の長径40Lが延びる方向は、導電板91が延びるY方向に対して、角度θで傾斜している。角度θは、例えば、3度以上45度以下であることが好ましく、10度以上20度以下であることがより好ましい。Z方向から見て、柱状体40の長径40Lの長さは、例えば、80nm以上200nm以下であり、柱状体40の短径40Sの長さは、例えば、50nm以上120nm以下である。但し、短径40Sは長径40Lよりも短い。なお、本実施形態において、「Y方向」は、Z方向に対して直交する方向であって、導電板91が延びる方向である。
【0068】
本実施形態によれば、柱状体40の長径40Lが延びる方向を導電板91が延びるY方向に対して傾斜させることにより、Y方向における柱状体40の長さを短縮し、ビット線80の配列周期を短くすることができる。この結果、半導体記憶装置2の高集積化を図ることができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法、動作及び効果は、第1の実施形態と同様である。
【0069】
(第3の実施形態)
図23(a)及び図23(b)は、本実施形態に係る半導体記憶装置を示す一部拡大端面図である。
図23(a)は図2の領域Cに相当する領域を示し、図23(b)は図3の領域Dに相当する領域を示す。
【0070】
図23(a)及び図23(b)に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置3においては、絶縁体ピラー43に、コア絶縁ピラー43a及びライナー絶縁膜43bが設けられている。コア絶縁ピラー43aの形状はZ方向に延びる柱状である。ライナー絶縁膜43bは、ソースピラー41、ドレインピラー42及び半導体部分50に接している。コア絶縁ピラー43aはライナー絶縁膜43bを介してソースピラー41、ドレインピラー42及び半導体部分50から離隔している。
【0071】
例えば、コア絶縁ピラー43aはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)により堆積されたシリコン酸化物からなり、ライナー絶縁膜43bはソースピラー41、ドレインピラー42及び半導体部材50を熱酸化することにより形成されたシリコン酸化物からなる。なお、ライナー絶縁膜43bはアルミナ(AlO)等のHigh-k材料により形成してもよい。
【0072】
本実施形態によれば、絶縁体ピラー43のうち、メモリセルトランジスタ100のチャネルである半導体部材50に接する部分に、欠陥準位が少ない高品質なライナー絶縁膜43bを配置することができる。これにより、ソースピラー41とドレインピラー42の間に固定電荷が蓄積されることを抑制し、メモリセルトランジスタ100の特性を改善することができる。一方、コア絶縁ピラー43aはCVD等により効率よく形成することができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法、動作及び効果は、第1の実施形態と同様である。
【0073】
(第4の実施形態)
図24(a)及び図24(b)は、本実施形態に係る半導体記憶装置を示す一部拡大端面図である。
図24(a)は図2の領域Cに相当する領域を示し、図24(b)は図3の領域Dに相当する領域を示す。
【0074】
図24(a)及び図24(b)に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置4は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置3と比較して、コア絶縁ピラー43aの替わりにエアギャップ43cが形成されている点が異なっている。エアギャップ43c内には大気又は不活性ガス等の気体が存在している。上述の如く、ライナー絶縁膜43bは、ソースピラー41、ドレインピラー42及び半導体部分50に接している。エアギャップ43cはライナー絶縁膜43bを介してソースピラー41、ドレインピラー42及び半導体部分50から離隔している。
【0075】
本実施形態によれば、絶縁体ピラー43内にエアギャップ43cを形成することにより、ソースピラー41とドレインピラー42との間、ソースピラー41と半導体部材50(チャネル)との間、及び、ドレインピラー42と半導体部材50との間の寄生容量を低減することができる。この結果、メモリセルトランジスタ100の高速化を図ることができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法、動作及び効果は、第3の実施形態と同様である。
【0076】
(第5の実施形態)
図25(a)及び図25(b)は、本実施形態に係る半導体記憶装置を示す一部拡大端面図である。
図25(a)は図2の領域Cに相当する領域を示し、図25(b)は図3の領域Dに相当する領域を示す。
【0077】
図25(a)及び図25(b)に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置5は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置3と比較して、コア絶縁ピラー43aの替わりにコア金属ピラー43dが設けられている点が異なっている。コア金属ピラー43dは、例えば、チタン窒化物(TiN)又はタングステン(W)等の導電性材料からなる。上述の如く、ライナー絶縁膜43bは、ソースピラー41、ドレインピラー42及び半導体部分50に接している。コア金属ピラー43dはライナー絶縁膜43bを介してソースピラー41、ドレインピラー42及び半導体部分50から離隔している。コア金属ピラー43dの上端部又は下端部は、配線(図示せず)に接続されている。
【0078】
酸化物半導体はバンドギャップが大きく、酸化物半導体内ではホールがほとんど生成しないため、半導体部材50を酸化物半導体により形成した場合は、強誘電体層60に効率よく電界を印加できない場合がある。本実施形態においては、絶縁体ピラー43内にコア金属ピラー43dを配置することにより、コア金属ピラー43dをメモリセルトランジスタ100のバックゲートとして使用することができる。この結果、コア金属ピラー43d及び電極膜31により、強誘電体層60に効果的に電界を印加し、強誘電体層60を確実に分極させることができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法、動作及び効果は、第3の実施形態と同様である。
【0079】
前述の各実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、前述の各実施形態において、いくつかの構成要素又は工程を追加、削除又は変更したものも本発明に含まれる。例えば、各部の材料は上述の例には限定されない。また、ソースピラー41、ドレインピラー42、半導体部材50の導電形は逆でもよい。
【0080】
実施形態は以下の態様を含む。
【0081】
(付記1)
複数の電極膜(31)と複数の絶縁膜(32)が第1方向(Z)に沿って交互に積層された積層体(30)と、
前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、第1導電形(n)である第1半導体ピラー(41)と、
前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、前記第1半導体ピラーから離隔し、第1導電形である第2半導体ピラー(42)と、
前記積層体内に配置され、前記第1方向に延び、前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーとの間に配置された絶縁体ピラー(43)と、
前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記絶縁体ピラーを含む柱状体(40)と、前記複数の電極膜(31)との間にそれぞれ配置され、第2導電形(p)である複数の半導体部材(50)と、
各前記電極膜と各前記半導体部材との間に配置された強誘電体層(60)と、
を備え、
前記複数の半導体部材(50)は相互に離隔している半導体記憶装置(1)。
【0082】
(付記2)
前記柱状体(40)は、前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記絶縁体ピラーのみを含み、
前記絶縁体ピラーは単一の組成の絶縁性材料からなる付記1に記載の半導体記憶装置。
【0083】
(付記3)
前記絶縁体ピラー(43)は、
前記第1半導体ピラー(41)、前記第2半導体ピラー(42)及び前記半導体部材(50)に接したライナー絶縁膜(43b)と、
前記ライナー絶縁膜を介して前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記半導体部材から離隔したコア金属ピラー(43d)と、
を有する付記1に記載の半導体記憶装置。
【0084】
(付記4)
前記絶縁体ピラー(43)は、前記第1半導体ピラー(41)、前記第2半導体ピラー(42)及び前記半導体部材(50)に接したライナー絶縁膜(43b)を有し、
前記絶縁体ピラー(43)内には、前記ライナー絶縁膜を介して前記第1半導体ピラー、前記第2半導体ピラー及び前記半導体部材から離隔したエアギャップ(43c)が形成されている付記1に記載の半導体記憶装置。
【0085】
(付記5)
前記半導体部材の形状は環状である付記1~4のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【0086】
(付記6)
前記第1方向(Z)から見た断面(XY)において、前記第1半導体ピラーと前記絶縁体ピラーとの界面(47)と、前記第2半導体ピラーと前記絶縁体ピラーとの界面(48)は、相互に平行な直線である付記1~5のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【0087】
(付記7)
基板(10)と、
配線(80)と、
をさらに備え、
前記第1方向において、前記積層体は前記基板と前記配線との間に配置されており、
前記第1半導体ピラー(41)は前記基板に接続されており、
前記第2半導体ピラー(42)は前記配線に接続されている付記1~6のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【0088】
(付記8)
前記第1方向(Z)及び前記第1半導体ピラーから前記第2半導体ピラーに向かう第2方向(Y)に沿って拡がり、前記基板に接続され、前記積層体を前記第1方向及び前記第2方向に対して交差した第3方向(X)に沿って分断する導電板(91)と、
前記導電板と前記積層体との間に配置された絶縁板(92)と、
をさらに備えた付記7に記載の半導体記憶装置。
【0089】
(付記9)
前記導電板(91)を介して前記第1半導体ピラーに任意の電位を印加可能である付記8に記載の半導体記憶装置。
【0090】
(付記10)
前記配線(80)は複数設けられており、各前記配線は前記第3方向(X)に延び、
前記導電板(91)によって分断された前記積層体の各部分(34)には、複数の前記柱状体(40)が配置されており、
前記複数の柱状体は、第3方向に沿って配列された複数の列(46)に属し、各前記列においては、複数の前記柱状体が前記第2方向(Y)に沿って一列に配列されており、
前記積層体(30)の前記部分(34)に配置された複数の前記列間において、前記第2方向における前記柱状体の位置は相互に異なっており、
前記複数の柱状体の前記第2半導体ピラー(42)は、相互に異なる前記配線(80)に接続されている付記8または9に記載の半導体記憶装置。
【0091】
(付記11)
前記第1方向(Z)及び前記第1方向に対して直交する第2方向(Y)に沿って拡がり、前記基板(10)に接続され、前記積層体(30)を前記第1方向及び前記第2方向に対して交差した第3方向(X)に沿って分断する導電板(91)と、
前記導電板と前記積層体との間に配置された絶縁板(92)と、
をさらに備え、
前記第1方向から見て、前記柱状体(40)の形状は楕円形であり、その長径(40L)が延びる方向は前記第2方向に対して傾斜している付記7に記載の半導体記憶装置。
【0092】
(付記12)
前記配線(80)は複数設けられており、各前記配線は前記第3方向(X)に延び、
前記導電板(91)によって分断された前記積層体の各部分(34)には、複数の前記柱状体(40)が配置されており、
前記複数の柱状体は、第3方向に沿って配列された複数の列(46)に属し、各前記列においては、複数の前記柱状体が前記第2方向(Y)に沿って一列に配列されており、
複数の前記列間において、前記第2方向における前記柱状体の位置は相互に異なっており、
前記積層体(30)の前記部分(34)に配置された前記複数の柱状体の前記第2半導体ピラー(42)は、相互に異なる前記配線(80)に接続されている付記11に記載の半導体記憶装置。
【0093】
(付記13)
複数の犠牲膜(36)と複数の絶縁膜(32)とを第1方向(Z)に沿って交互に積層させることにより、積層体(30)を作製する工程と、
前記積層体に前記第1方向に延びる貫通孔(33)を形成する工程と、
前記貫通孔の側面において前記犠牲膜をエッチングすることにより、凹部(37)を形成する工程と、
前記貫通孔の側面上に第1導電形(p)の半導体層(50a)を形成する工程と、
前記半導体層に対して異方性エッチングを施すことにより、前記半導体層における前記凹部内に配置されていない部分を除去して、前記半導体層における前記凹部内に配置された部分を相互に分断する工程と、
前記貫通孔内に第2導電形(n)の半導体ピラー(45)を形成する工程と、
前記半導体ピラーを前記第1方向に延びる第1半導体ピラー(41)と前記第1方向に延びる第2半導体ピラー(42)に分割する工程と、
前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーとの間に、絶縁体ピラー(43)を形成する工程と、
前記犠牲膜(36)を除去する工程と、
前記犠牲膜が除去された後の空間(96)における前記半導体層が露出した面上に強誘電体層(60)を形成する工程と、
前記空間内に電極膜(31)を形成する工程と、
を備えた半導体記憶装置の製造方法。
【0094】
(付記14)
前記絶縁体ピラーを形成する工程は、前記貫通孔内における前記第1半導体ピラーと前記第2半導体ピラーを除く空間に単一の組成の絶縁性材料を埋め込む工程を有する付記13に記載の半導体記憶装置の製造方法。
【0095】
(付記15)
前記積層体(30)に、前記第1方向(Z)及び前記第1半導体ピラーから前記第2半導体ピラーに向かう第2方向(Y)に沿って拡がるトレンチ(95)を形成する工程をさらに備え、
前記犠牲膜を除去する工程は、前記トレンチを介して前記犠牲膜をエッチングする工程を有し、
前記強誘電体層を形成する工程は、前記トレンチを介して前記空間(96)の内面上に強誘電体材料を堆積させる工程を有し、
前記電極膜を形成する工程は、
前記トレンチ及び前記空間の内面上に導電性材料を堆積させる工程と、
前記導電性材料に対して異方性エッチングを施すことにより、前記導電性材料における前記トレンチ内に配置された部分を除去する工程と、
を有する付記13又は14に記載の半導体記憶装置の製造方法。
【符号の説明】
【0096】
1、2、3、4、5:半導体記憶装置
10:基板
20:下部構造体
21:絶縁膜
22:下部半導体ピラー
23:下部選択ゲート電極膜
24:下部選択ゲート絶縁膜
25:ソース側選択トランジスタ
30:積層体
31:電極膜
32:電極間絶縁膜
33:貫通孔
34:部分
36:犠牲膜
37:凹部
40:柱状体
40L:長径
40S:短径
41:ソースピラー
42:ドレインピラー
43:絶縁体ピラー
43a:コア絶縁ピラー
43b:ライナー絶縁膜
43c:エアギャップ
43d:コア金属ピラー
45:半導体ピラー
46:列
47、48:界面
50:半導体部材
50a:半導体層
60:強誘電体層
61:界面絶縁層
70:上部構造体
71:絶縁膜
72:上部半導体ピラー
73:上部選択ゲート電極膜
74:上部選択ゲート絶縁膜
75:ドレイン側選択トランジスタ
80:ビット線
90:ST構造体
91:導電板
92:絶縁板
95:トレンチ
96:空間
100:メモリセルトランジスタ
100a:プリチャージ
101:レジストマスク
102:開口部
図1
図2
図3
図4
図5
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