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特許7595628車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/30 20060101AFI20241129BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20241129BHJP
   B60W 30/14 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G01C21/30
B60W40/06
B60W30/14
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022187200
(22)【出願日】2022-11-24
(65)【公開番号】P2024075927
(43)【公開日】2024-06-05
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】和田 康一郎
【審査官】宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-045406(JP,A)
【文献】特開2021-032663(JP,A)
【文献】特開平06-249653(JP,A)
【文献】特開2015-069339(JP,A)
【文献】特開2012-018132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮像された画像に基づいて、車両の前方に存在する道路区画線を認識する認識部と、
前記認識の結果に基づいて得られる区画線情報と、道路区画線の分布が記述された地図情報とをマッチングし、道路の延在方向に関する前記車両の位置を特定するマッチング部と、
マッチングされた結果に基づいて、前記車両を走行させる走行制御を行う走行制御部と、を備え、
前記マッチング部は、前記車両が現在走行している走行車線から隣接する隣接車線への車線変更が完了した際に、前記車両の前後方向に関して所定距離にわたる区間、前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わず、前記区間の範囲外でありかつ前記区間よりも前方側と後方側を含む範囲で前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行う、
車両制御装置。
【請求項2】
前記マッチング部は、前記区間の範囲外における前記前方側については前記隣接車線の地図情報を用いて前記マッチングを行い、前記区間の範囲外における前記後方側については前記走行車線の地図情報を用いて前記マッチングを行う、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記区画線情報は、前記前方側に存在する前記道路区画線を表す前方情報と、前記前方情報と前記車両の重心を基準として横方向に延在させた基準線と前記道路区画線との間の交点として算出された前記後方側の点列を表す後方情報とを含む、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記区画線情報は、前記道路区画線と前記車両の中心までの横距離に基づいて生成された情報を含む、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記マッチング部は、前記マッチングに用いる前記地図情報を、前記地図情報を管理する装置から複数回にわたって受信した地図情報を接続することによって取得する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記マッチング部は、前記マッチングに用いる前記区画線情報を、前記前方側については認識された前記道路区画線として取得し、前記後方側については前記車両の重心を基準として横方向に延在させた基準線と前記道路区画線との間の交点として生成された過去の区画線情報として取得する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記マッチング部は、前記車線変更の際に、前記区画線情報の取得を停止し、前記車線変更が完了して所定距離の走行後に、前記区画線情報を出力して前記地図情報とのマッチングを行う
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項8】
コンピュータが、
カメラによって撮像された画像に基づいて、車両の前方に存在する道路区画線を認識し、
前記認識の結果に基づいて得られる区画線情報と、道路区画線の分布が記述された地図情報とをマッチングし、道路の延在方向に関する前記車両の位置を特定し、
マッチングされた結果に基づいて、前記車両を走行させる走行制御を行い、
前記車両が現在走行している走行車線から隣接する隣接車線への車線変更が完了した際に、前記車両の前後方向に関して所定距離にわたる区間、前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わず、前記区間の範囲外でありかつ前記区間よりも前方側と後方側を含む範囲で前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行う、
車両制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
カメラによって撮像された画像に基づいて、車両の前方に存在する道路区画線を認識させ、
前記認識の結果に基づいて得られる区画線情報と、道路区画線の分布が記述された地図情報とをマッチングし、道路の延在方向に関する前記車両の位置を特定させ、
マッチングされた結果に基づいて、前記車両を走行させる走行制御を行わせ、
前記車両が現在走行している走行車線から隣接する隣接車線への車線変更が完了した際に、前記車両の前後方向に関して所定距離にわたる区間、前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わず、前記区間の範囲外でありかつ前記区間よりも前方側と後方側を含む範囲で前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラによって認識された道路区画線と、地図情報に記憶された道路区画線とをマッチングすることによって、車両の自己位置を推定し、当該車両の走行制御に活用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、周辺認識センサによって認識されたレーンマーカと、高精度地図から算出されたレーンマーカとをマッチングして高精度地図における自車両の位置を推定し、高精度地図上の自車位置データを出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-198566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、車両が車線変更を行う際に、当該タイミングがカメラおよび地図によって認識される区画線形状の特徴点として処理され、正しく自己位置が推定できない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、車両が車線変更を行う場合であっても、正しく自己位置を推定することができる車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両制御装置は、カメラによって撮像された画像に基づいて、車両の前方に存在する道路区画線を認識する認識部と、前記認識の結果に基づいて得られる区画線情報と、道路区画線の分布が記述された地図情報とをマッチングし、道路の延在方向に関する前記車両の位置を特定するマッチング部と、マッチングされた結果に基づいて、前記車両を走行させる走行制御を行う走行制御部と、を備え、前記マッチング部は、前記車両が現在走行している走行車線から隣接する隣接車線への車線変更が完了した際に、前記車両の前後方向に関して所定距離にわたる区間、前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わず、前記区間の範囲外でありかつ前記区間よりも前方側と後方側を含む範囲で前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行うものである。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記マッチング部は、前記区間の範囲外における前記前方側については前記隣接車線の地図情報を用いて前記マッチングを行い、前記区間の範囲外における前記後方側については前記走行車線の地図情報を用いて前記マッチングを行うものである。
【0008】
(3):上記(1)の態様において、前記区画線情報は、前記前方側に存在する前記道路区画線を表す前方情報と、前記前方情報と前記車両の横位置に基づいて算出された前記後方側の点列を表す後方情報とを含むものである。
【0009】
(4):上記(1)の態様において、前記区画線情報は、前記道路区画線と前記車両の中心までの横距離に基づいて生成された情報を含むものである。
【0010】
(5):上記(1)の態様において、前記マッチング部は、前記地図情報を管理する装置から複数回にわたって受信した地図情報を接続することによって取得するものである。
【0011】
(6):上記(1)の態様において、前記マッチング部は、前記マッチングに用いる前記区画線情報を、前記前方側については認識された前記道路区画線として取得し、前記後方側については前記道路区画線と前記車両に関する情報に基づいて生成された過去の区画線情報として取得するものである。
【0012】
(7):上記(1)の態様において、前記マッチング部は、前記車線変更が完了して所定距離の走行後に、前記道路区画線と前記車両に関する情報に基づいた前記区画線情報を出力するものである。
【0013】
(8):上記(1)から(7)の態様において、前記マッチング部と前記走行制御部は、前記車線変更の種別に関わらず、前記マッチングおよび前記走行制御を行うものである。
【0014】
(9):この発明の一態様に係る車両制御方法は、コンピュータが、カメラによって撮像された画像に基づいて、車両の前方に存在する道路区画線を認識し、前記認識の結果に基づいて得られる区画線情報と、道路区画線の分布が記述された地図情報とをマッチングし、道路の延在方向に関する前記車両の位置を特定し、マッチングされた結果に基づいて、前記車両を走行させる走行制御を行い、前記車両が現在走行している走行車線から隣接する隣接車線への車線変更が完了した際に、前記車両の前後方向に関して所定距離にわたる区間、前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わず、前記区間の範囲外でありかつ前記区間よりも前方側と後方側を含む範囲で前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行うものである。
【0015】
(10):この発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、カメラによって撮像された画像に基づいて、車両の前方に存在する道路区画線を認識させ、前記認識の結果に基づいて得られる区画線情報と、道路区画線の分布が記述された地図情報とをマッチングし、道路の延在方向に関する前記車両の位置を特定させ、マッチングされた結果に基づいて、前記車両を走行させる走行制御を行わせ、前記車両が現在走行している走行車線から隣接する隣接車線への車線変更が完了した際に、前記車両の前後方向に関して所定距離にわたる区間、前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わず、前記区間の範囲外でありかつ前記区間よりも前方側と後方側を含む範囲で前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わせるものである。
【発明の効果】
【0016】
(1)~(10)の態様によれば、車両が車線変更を行う場合であっても、正しく自己位置を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る車両制御装置を利用した車両システム1の構成図である。
図2】マッチング用区画線情報152の一例を示す図である。
図3】マッチング用地図情報154の一例を示す図である。
図4】マッチング部120によって実行されるマッチングの一例を示す図である。
図5】自車両Mの車線変更時に取得されるカメラ道路区画線CLおよび軌道点TPの一例を示す図である。
図6】自車両Mの車線変更時にマッチング部120によって実行される処理の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る車両制御装置によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0019】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る車両制御装置を利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
【0020】
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、LIDAR(Light Detection and Ranging)14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Map Positioning Unit)60と、運転操作子80と、自動運転制御装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
【0021】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される車両(以下、自車両M)の任意の箇所に取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
【0022】
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
【0023】
LIDAR14は、自車両Mの周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDAR14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。LIDAR14は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
【0024】
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14の検出結果をそのまま自動運転制御装置100に出力してよい。
【0025】
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi-Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
【0026】
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。
【0027】
車両センサ40は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
【0028】
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備える。ナビゲーション装置50は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。地図上経路は、MPU60に出力される。ナビゲーション装置50は、地図上経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置50は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。
【0029】
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61を含み、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。また、MPU60は、自動運転制御装置100からの要求に応じて第2地図情報62から所定範囲の情報を切り出して自動運転制御装置100に送信する機能を有している。
【0030】
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、GPS座標情報、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。第2地図情報62は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
【0031】
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイール、異形ステアリングホイール、ジョイスティックその他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。
【0032】
自動運転制御装置100は、例えば、認識部110と、マッチング部120と、行動計画生成部130と、走行制御部140と、記憶部150と、を備える。認識部110と、マッチング部120と、行動計画生成部130と、走行制御部140は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。記憶部150は、例えば、マッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154とを記憶する。記憶部150は、例えば、RAM、フラッシュメモリ、SDカード等によって実現される。自動運転制御装置100は、「車両制御装置」の一例である。
【0033】
認識部110は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14から物体認識装置16を介して入力された情報に基づいて、自車両Mの周辺にある物体の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、自車両Mの代表点(重心や駆動軸中心など)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、表現された領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。
【0034】
また、認識部110は、例えば、自車両Mが走行している走行車線(道路区画線)を認識する。例えば、認識部110は、カメラ10によって撮影された画像に基づいて、当該画像に含まれる道路区画線を走行車線として認識する。認識部110は、カメラ10によって撮影された画像が入力されると、当該画像に含まれる道路区画線を抽出するように学習された学習済みモデルを用いて、道路区画線を認識することができる。なお、認識部110は、道路区画線に限らず、道路区画線や路肩、縁石、中央分離帯、ガードレールなどを含む走路境界(道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。また、認識部110は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識する。
【0035】
認識部110は、走行車線を認識する際に、走行車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。認識部110は、例えば、自車両Mの基準点の車線中央からの乖離、および自車両Mの進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部110は、走行車線のいずれかの側端部(道路区画線または道路境界)に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。マッチング部120については後述する。
【0036】
マッチング部120は、認識部110によって認識された道路区画線と第2地図情報62とに基づいて、後述するマッチングを行い、自車両Mの位置(現在位置)を特定する。マッチング部120の詳細については後述する。
【0037】
行動計画生成部130は、原則的には推奨車線決定部61により決定された推奨車線を走行し、更に、自車両Mの周辺状況に対応できるように、自車両Mが自動的に(運転者の操作に依らずに)将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含み、マッチング部120によって特定された自車両Mの位置を起点として生成されるものである。例えば、目標軌道は、自車両Mの到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、道なり距離で所定の走行距離(例えば数[m]程度)ごとの自車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
【0038】
走行制御部140は、行動計画生成部130によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。
【0039】
走行制御部140は、行動計画生成部130により生成された目標軌道(軌道点)の情報を取得し、メモリ(不図示)に記憶させる。走行制御部140は、メモリに記憶された目標軌道に付随する速度要素に基づいて、走行駆動力出力装置200またはブレーキ装置210を制御する。操舵制御部166は、メモリに記憶された目標軌道の曲がり具合に応じて、ステアリング装置220を制御する。速度制御部164および操舵制御部166の処理は、例えば、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせにより実現される。一例として、操舵制御部166は、自車両Mの前方の道路の曲率に応じたフィードフォワード制御と、目標軌道からの乖離に基づくフィードバック制御とを組み合わせて実行する。
【0040】
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)とを備える。ECUは、走行制御部140から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0041】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、走行制御部140から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、走行制御部140から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0042】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、走行制御部140から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0043】
[マッチング部の処理]
マッチング部120は、認識部110によって認識された道路区画線に基づくマッチング用区画線情報152と、MPU60の第2地図情報62から抽出されたマッチング用地図情報154とをマッチングし、走行車線の延在方向(縦方向)に関する自車両Mの位置(より具体的には、第2地図情報62上の位置)を特定する。マッチングは、所定の制御サイクル(例えば、数ミリ秒ごと)に繰り返し実行されるものである。
【0044】
図2は、マッチング用区画線情報152の一例を示す図である。図2は、自車両Mが車線L1上を、カメラ10によって撮影された画像に基づいて認識された道路区画線CL(以下、「カメラ道路区画線CL」と称する)に沿って走行している状況を表している。マッチング部120は、まず、認識部110によって認識された、自車両Mの前方側(例えば、自車両Mの重心Oを起点とした進行方向側)に存在するカメラ道路区画線CLを取得し、マッチング用区画線情報152として記憶する。マッチング部120は、さらに、自車両Mの重心Oを基準として横方向に延在させた基準線RLとカメラ道路区画線CLとの間の交点を軌跡点TPとして取得し、自車両Mの後方側のマッチング用区画線情報152として記憶する。より詳細には、マッチング部120は、認識部110によって認識されたカメラ道路区画線CLに関する自車両Mの横位置を、自車両Mの移動量で座標変換してサンプリングバッファリングすることによって、自車両Mの後方側に軌跡点TPを延長し、マッチング用区画線情報152として記憶する。このように、マッチング部120は、マッチング用区画線情報152として、自車両Mの前方側については、認識部110によって認識されたカメラ道路区画線CL(「前方情報」の一例である)を取得し、自車両Mの後方側については、自車両Mの横距離に基づいて生成された軌跡点TP(「後方情報」の一例である)を取得する。
【0045】
なお、図2を参照した上記の説明において、マッチング部120は、自車両Mの重心Oを基準とした自車両Mの進行方向側を自車両Mの前方側と定義するとともに、自車両Mの重心Oを起点として横方向に延在させた基準線RLとカメラ道路区画線CLとの間の交点を軌跡点TPとして取得している。しかし、本発明は、そのような構成に限定されず、マッチング部120は、自車両Mの重心Oに代えて、自車両M上の任意の位置を基準点として設定し、自車両Mの前方側を定義したり、軌跡点TPを取得してもよい。
【0046】
図3は、マッチング用地図情報154の一例を示す図である。図2と同様、図3は、自車両Mが車線L1上を走行している状況を表している。マッチング部120は、MPU60に第2地図情報62のうち所定範囲の情報(道路区画線情報)を要求し、これをMPU60から受信する。ここで、所定範囲とは、自車両Mの現在位置を少なくとも含む範囲を表す。マッチング部120は、例えば、GNSS衛星から受信した信号に基づいて特定された自車両Mの位置情報をMPU60に送信し、MPU60は、受信した位置情報をキーとして第2地図情報62を参照し、所定範囲の情報を取得して、自動運転制御装置100に送信する。
【0047】
マッチング部120は、自車両Mが走行中、所定の制御サイクル(マッチングの制御サイクルと同一であってもよいし、それよりも細かい制御サイクルであってもよい)で、複数回にわたって受信した所定範囲の情報を接続することによって、マッチング用地図情報154を取得する。より具体的には、例えば、図3に示す通り、マッチング部120は、例えば、制御サイクルにおけるk-2番目のサイクルにおいて地図区画線ML(k-2)を取得し、その後、次のk-1番目のサイクルにおいて地図区画線ML(k-1)を取得した場合、マッチング部120は、地図区画線ML(k-2)と地図区画線ML(k-1)とを接続することによって、マッチング用地図情報154を得る。その後、次のk番目の制御サイクルにおいて、地図区画線ML(k)を取得した場合、マッチング部120は、前回サイクルまでに取得されたマッチング用地図情報154と地図区画線ML(k)とを接続することによって、マッチング用地図情報154を更新する。このように、マッチング部120は、MPU60から受信した地図区画線MLを繋ぎ合わせることによってマッチング用地図情報154を更新する。マッチング部120は、地図区画線MLの接続によって得られたマッチング用地図情報154を、自車両Mの後方に関して所定距離(例えば、数百メートルから数キロ)分、マッチングのために保持する。このように、マッチング用地図情報154をMPU60から一括に受信することなく、複数のサイクルにわたって所定範囲の地図区画線情報を受信および接続してマッチング用地図情報154を取得することにより、自動運転制御装置100とMPU60との間の通信負荷を低減することができる。
【0048】
図4は、マッチング部120によって実行されるマッチングの一例を示す図である。図4において、符号MLは、自車両Mの後方に関して所定距離分(所定サイクル分)、地図区画線ML(k)を接続することによって得られた地図区画線を表す。図4に示す通り、マッチング部120は、マッチング用区画線情報152に含まれるカメラ道路区画線CLおよび軌道点TPと、マッチング用地図情報154に含まれる地図区画線MLとの間の誤差を任意の手法によって算出し、算出した誤差を最小化するようにマッチングを行う。例えば、図4の左部は、カメラ道路区画線CLおよび軌道点TPと地図区画線MLとの間の誤差が、自車両Mの進行方向に関して発生している状態を表している。マッチング部120は、例えば、自車両Mの進行方向に関する自車両Mの移動量を考慮してマッチングを実行することにより、図4の右部の通り、誤差が最小化される。マッチング部120は、誤差が最小化された時点における、第2地図情報62上の自車両Mの位置を、自車両Mの現在位置として特定する。このとき、マッチング部120は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて特定された自車両Mの位置情報を、マッチングによって特定された現在位置を用いて、自車両Mの縦方向に関して、補正することもできる。これにより、衛星測位の精度を向上させ、自動運転の制御に有効に活用することができる。
【0049】
[車線変更時の処理]
このように、マッチング部120は、自車両Mが走行中、マッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154とをマッチングすることによって自車両Mの位置を特定し、行動計画生成部130は、特定された自車両Mの現在位置を起点として目標軌道を生成し、走行制御部140は、生成された目標軌道に沿って、自車両Mを走行させる。しかしながら、このようなマッチング手法は、自車両Mが単一の車線に沿って走行している場合には有効ではあるが、自車両Mが車線変更する際には、例えば、カメラ道路区画線CLの認識に失敗すること、マッチング対象として参照する道路区画線の切り替えタイミングを実挙動と一致させるのが難しいことなどに起因して、マッチングが失敗することがあり得る。以下、自車両Mの車線変更時にマッチング部120によって実行される処理について説明する。
【0050】
図5は、自車両Mの車線変更時に取得されるカメラ道路区画線CLおよび軌道点TPの一例を示す図である。図5の左部は、自車両Mが走行車線L1から隣接車線L2に車線変更を行っている状況を表し、図5の右部は、走行車線L1から隣接車線L2への車線変更に伴って取得されるカメラ道路区画線CLおよび軌道点TPを表す。図5の右部に示す通り、自車両Mが車線変更を行う際、自車両Mは走行車線L1と隣接車線L2との間の境界である道路区画線を横断することとなる。その場合、横断された道路区画線は、カメラ画像に写されず、認識部110は、当該道路区画線の認識に失敗することがあり得る。例えば、マッチング部120は、軌道点TP1と軌道点TP1’の組み合わせと、軌道点TP2と軌道点TP2’の組み合わせが、それぞれ単一の車線を表すものとしてマッチングを行い、マッチングに失敗する場合がある。
【0051】
このような事情を背景にして、マッチング部120は、自車両Mによる車線変更が完了した際に、自車両Mの前後方向に関して、所定距離dにわたる区間、マッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154とのマッチングを行わず、当該区間の範囲外かつ自車両Mの前方側と後方側を含む範囲でマッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154とのマッチングを行う。マッチング部120は、例えば、自車両Mが隣接車線L2の中央または中央付近に位置した場合、車線変更が完了したと判定する。
【0052】
図6は、自車両Mの車線変更時にマッチング部120によって実行される処理の一例を示す図である。図6に示す通り、マッチング部120は、自車両Mによる車線変更が完了したと判定した場合、当該判定地点(以下、車線変更完了地点P)を基準にして、自車両Mの前後方向に関して、所定距離dにわたる区間、マッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154をマッチング対象から除外する。図6の場合、マッチング部120は、上述した軌道点TP1、TP1’、TP2、TP2’をマッチング対象から除外することとなる。これにより、マッチング部120は、正常に取得されたマッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154のみを用いて、マッチングを実行することができる。すなわち、車両が車線変更を行う場合であっても、正しく自己位置を推定することができる。
【0053】
なお、上記の説明では、マッチング部120は、自車両Mの走行中、継続的にマッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154とを取得する例について説明した。しかし、本発明は、そのような構成に限定されず、マッチング部120は、自車両Mが車線変更を行う際に、一時的にマッチング用区画線情報152の取得を停止しても良い。その場合、マッチング部120は、自車両Mによる車線変更が完了して所定距離の走行後に、マッチング用区画線情報152の取得を再開し、出力してもよい。
【0054】
さらに、上記では、一例として、自車両Mを自動運転によって走行される場合に本発明を適用する例について説明した。しかし、本発明は、そのような構成に限定されず、自車両Mの乗員が手動運転を行っている場合にも、本発明を適用することができる。その場合、例えば、マッチング部120によって特定された自車両Mの正確な位置をナビHMI52に表示させることによって、当該乗員は位置情報を自身の運転に活用することができる。また、本発明は、自動運転のレベルなどの、いかなる種別のモードにおいて実行された車線変更であるかによらず、マッチングによって自車両Mの位置を特定することができる。
【0055】
[処理の流れ]
次に、図7を参照して、車両制御装置によって実行される処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係る車両制御装置によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、自車両Mの走行中、繰り返し、実行されるものである。
【0056】
まず、認識部110は、カメラ10によって撮影された画像に基づいて、道路区画線CLを認識する(ステップS100)。次に、マッチング部120は、認識された道路区画線CLに基づいて、マッチング用区画線情報152を取得する(ステップS102)。次に、マッチング部120は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて特定された自車両Mの位置情報をキーとして第2地図情報62を参照し、自車両Mの周辺に関するマッチング用地図情報154を取得する(ステップS104)。
【0057】
次に、マッチング部120は、自車両Mによる車線変更が実行されたか否かを判定する(ステップS106)。自車両Mによる車線変更が実行されたと判定された場合、マッチング部120は、車線変更が完了した地点から、前後方向に所定距離分、マッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154をマッチング対象から除外する(ステップS108)。次に、マッチング部120は、マッチング用区画線情報152とマッチング用地図情報154のマッチングを実行して、自車両Mの位置を特定する(ステップS110)。
【0058】
次に、行動計画生成部130は、特定された自車両Mの位置を起点とする目標軌道を生成する(ステップS112)。次に、走行制御部140は、生成された目標軌道に沿って自車両Mを走行させる。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
【0059】
以上の通り説明した本実施形態によれば、車両が現在走行している走行車線から隣接する隣接車線への車線変更が完了した際に、車両の前後方向に関して所定距離にわたる区間、区画線情報と地図情報とのマッチングを行わず、当該区間の範囲外であり、かつ当該区画よりも前方側と後方側を含む範囲で区画線情報と地図情報とのマッチングを行う。これにより、車両が車線変更を行う場合であっても、正しく自己位置を推定することができる。
【0060】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)
カメラによって撮像された画像に基づいて、車両の前方に存在する道路区画線を認識し、
前記認識の結果に基づいて得られる区画線情報と、道路区画線の分布が記述された地図情報とをマッチングし、道路の延在方向に関する前記車両の位置を特定し、
マッチングされた結果に基づいて、前記車両を走行させる走行制御を行い、
前記車両が現在走行している走行車線から隣接する隣接車線への車線変更が完了した際に、前記車両の前後方向に関して所定距離にわたる区間、前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行わず、前記区間の範囲外でありかつ前記区間よりも前方側と後方側を含む範囲で前記区画線情報と前記地図情報とのマッチングを行う、
ように構成されている、車両制御装置。
【0061】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0062】
10 カメラ
12 レーダ装置
14 LIDAR
16 物体認識装置
20 通信装置
30 HMI
40 車両センサ
50 ナビゲーション装置
60 MPU
80 運転操作子
100 自動運転制御装置
110 認識部
120 マッチング部
130 行動計画生成部
140 走行制御部
150 記憶部
152 マッチング用区画線情報
154 マッチング用地図情報
200 走行駆動力出力装置
210 ブレーキ装置
220 ステアリング装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7