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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】搬送システムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20241129BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20241129BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20241129BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20241129BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241129BHJP
   B60L 53/122 20190101ALI20241129BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20241129BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241129BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241129BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20241129BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/04 531D
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L50/60
B60L53/122
B60L53/62
B60L58/12
H02J7/00 P
H02J7/02 J
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022188869
(22)【出願日】2022-11-28
(65)【公開番号】P2023155878
(43)【公開日】2023-10-23
【審査請求日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0044495
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン,キ ソプ
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-215614(JP,A)
【文献】特開2002-351546(JP,A)
【文献】特開平08-324306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 1/04
B60M 7/00
B60L 5/00
B60L 50/60
B60L 53/122
B60L 53/62
B60L 58/12
H02J 7/00
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに設置された第1トラックと、
前記第1トラックに電力を供給する第1電力供給器と、
前記レールに沿って移動し、内部にバッテリが設けられ、前記第1トラックから電力の供給を受けて前記バッテリを充電する多数の搬送台車と、
前記第1トラックでの第1許容電力に基づいて、前記多数の搬送台車の作業を割り当てる制御器を含み、
前記第1許容電力が第1基準電力より大きく、前記制御器は前記第1トラックに位置して第1基準充電量より大きい充電量を有する搬送台車を、前記第1許容電力より小さい許容電力を有する他のトラックに移動させる、搬送システム。
【請求項2】
前記第1許容電力は、前記第1トラックでの第1限界電力から前記第1トラックでの第1使用電力を引いた値を含む、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記第1使用電力は、前記第1トラックに位置する多数の搬送台車の台数を基準として算出される、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記第1使用電力は、前記第1トラックに位置する多数の搬送台車の実使用電力の合計である、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記第1電力供給器は、第1トラックで使用する電力をセンシングするためのセンサを含み、前記第1使用電力は前記センサによって測定された値である、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記制御器は前記第1トラックに位置している多数の搬送台車のうち、第2基準充電量より小さい充電量を有する搬送台車から先に充電し、前記第2基準充電量は前記第1基準充電量より小さい、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項7】
レールに設置された第1トラックと、
前記第1トラックに電力を供給する第1電力供給器と、
前記レールに沿って移動し、内部にバッテリが設けられ、前記第1トラックから電力の供給を受けて前記バッテリを充電する多数の搬送台車と、
前記第1トラックでの第1許容電力に基づいて、前記多数の搬送台車の作業を割り当てる制御器を含み、
前記第1許容電力が第2基準電力より小さく、前記制御器は前記第1トラックに位置して第2基準充電量より小さい充電量を有する搬送台車を、前記第1許容電力より大きい許容電力を有する他のトラックに投入させる、搬送システム。
【請求項8】
レールに設置された第1トラックと、
前記第1トラックに電力を供給する第1電力供給器と、
前記レールに沿って移動し、内部にバッテリが設けられ、前記第1トラックから電力の供給を受けて前記バッテリを充電する多数の搬送台車と、
前記第1トラックでの第1許容電力に基づいて、前記多数の搬送台車の作業を割り当てる制御器を含み、
前記第1許容電力は第2基準電力より小さく、前記制御器は前記第1トラックに位置する多数の搬送台車を基準充電速度より低い充電速度で充電する、搬送システム。
【請求項9】
前記第1許容電力が第3基準電力より小さく、前記第3基準電力は前記第2基準電力より小さく、前記制御器は前記第1トラックに位置する多数の搬送台車の少なくとも一つをバッテリによってのみ運行するように制御した後、待機中の搬送台車を前記第1トラックに移動させる、請求項8に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記第1トラックの第1最大充電台数は前記第1トラックで電力を供給できる搬送台車の最大台数を意味し、前記待機中の搬送台車が前記第1トラックに移動した後に前記第1トラックに位置する搬送台車の台数は、前記第1最大充電台数より大きい、請求項9に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記レールに設置された第2トラックと、前記第2トラックに電力を供給する第2電力供給器をさらに含み、前記第2電力供給器の動作が突然停止すると、前記制御器は前記第1電力供給器が前記第1トラックおよび前記第2トラックに電力を供給するように制御する、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記制御器は前記第1トラックおよび前記第2トラックに位置する多数の搬送台車の少なくとも一つをバッテリによってのみ運行するように制御し、前記第1トラックおよび前記第2トラックに位置する搬送台車を基準充電速度より低い充電速度で充電させる、請求項11に記載の搬送システム。
【請求項13】
レールに設置されたトラックと、
前記トラックに電力を供給する電力供給器と、
前記レールに沿って移動し、内部にバッテリが設けられ、前記トラックから電力の供給を受けて前記バッテリを充電する多数の搬送台車と、
多数の搬送台車の作業を割り当てる制御器を含み、
前記トラックに位置する搬送台車の台数が最大充電台数であるとき、
前記制御器は、
前記トラックに位置する多数の搬送台車のうち第1搬送台車がバッテリによってのみ運行するように制御し、
前記トラックに第2搬送台車を進入させるとともに、
前記トラックに位置する多数の搬送台車のうち第3搬送台車を他のトラックに移動させて、
前記第1搬送台車がバッテリによってのみ運行することを終了させることを含む、搬送システム。
【請求項14】
前記トラックに前記第2搬送台車が進入された後に、前記第3搬送台車が他のトラックに移動する前に、前記トラックに位置して基準充電量より小さい充電量を有する搬送台車を基準充電速度より低い充電速度で充電させることをさらに含む、請求項13に記載の搬送システム。
【請求項15】
レールに設置された第1トラックと、前記第1トラックに電力を供給する第1電力供給器と、前記レールに沿って移動して内部にバッテリが設けられた多数の搬送台車を含む搬送システムが提供され、
前記第1トラックの第1許容電力が第1基準電力より大きいと、第2基準充電量より小さい充電量を有する搬送台車を前記第1トラックに進入させて、
前記第1トラックの第1許容電力が第2基準電力より小さいと、前記第1トラックに位置して第2基準充電量より小さい充電量を有する搬送台車を他のトラックに移動させることを含む、搬送システムの制御方法。
【請求項16】
前記第1トラックの第1許容電力が前記第1基準電力より大きいと、前記第1トラックに位置する搬送台車を基準充電速度より大きい充電速度で充電させることをさらに含む、請求項15に記載の搬送システムの制御方法。
【請求項17】
前記第1トラックの第1許容電力が前記第2基準電力より小さいと、前記第1トラックに位置する搬送台車を基準充電速度より小さい充電速度で充電させることをさらに含む、請求項15に記載の搬送システムの制御方法。
【請求項18】
前記レールに設置された第2トラックと、前記第2トラックに電力を供給する第2電力供給器をさらに含み、前記第2電力供給器の動作が突然停止すると、前記第1電力供給器は前記第1トラックおよび前記第2トラックに電力を供給することをさらに含む、請求項15に記載の搬送システムの制御方法。
【請求項19】
前記第1トラックおよび前記第2トラックに位置する多数の搬送台車の少なくとも一つをバッテリによってのみ運行するように制御することをさらに含む、請求項18に記載の搬送システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程で、基板は無人搬送システムにより移送されることができる。特に、無人搬送システムはクリーンルームの天井または床に設置されたレールに沿って移動可能に構成された搬送台車(例えば、OHT(Overhead Hoist Transport)、RGV(Rail Guided Vehicle)など)を含むことができる。レールには電力が供給されるトラックが設置され、搬送台車は非接触方式でトラックから電力の供給を受けて動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、トラックを介して電力の提供を受けて動作する多数の搬送台車に作業を効率的に割り当てる搬送システムを提供することにある。
【0004】
本発明が解決しようとする他の課題は、前記搬送システムの制御方法を提供することにある。
【0005】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するための本発明の搬送システムの一面(aspect)は、レールに設置された第1トラックと、前記第1トラックに電力を供給する第1電力供給器と、前記レールに沿って移動し、内部にバッテリが設けられ、前記第1トラックから電力の供給を受けて前記バッテリを充電する多数の搬送台車と、前記第1トラックでの第1許容電力に基づいて、前記多数の搬送台車の作業を割り当てる制御器を含む。
【0007】
前記課題を達成するための本発明の搬送システムの他の面は、レールに設置されたトラックと、前記トラックに電力を供給する電力供給器と、前記レールに沿って移動し、内部にバッテリが設けられ、前記トラックから電力の供給を受けて前記バッテリを充電する多数の搬送台車と、多数の搬送台車の作業を割り当てる制御器を含み、前記トラックに位置する搬送台車の台数が最大充電台数であるとき、前記制御器は前記トラックに位置する多数の搬送台車のうち第1搬送台車がバッテリによってのみ運行するように制御し、前記トラックに第2搬送台車を進入させて、前記トラックに位置する多数の搬送台車のうち第3搬送台車を他のトラックに移動させて、前記第1搬送台車がバッテリによってのみ運行することを終了させることを含むことができる。
【0008】
前記他の課題を達成するための本発明の搬送システムの製造方法の一面は、レールに設置された第1トラックと、前記第1トラックに電力を供給する第1電力供給器と、前記レールに沿って移動して内部にバッテリが設けられた多数の搬送台車を含む搬送システムが提供され、前記第1トラックの第1許容電力が前記第1基準電力より大きいと、第2基準充電量より小さい充電量を有する搬送台車を前記第1トラックに進入させて、前記第1トラックの第1許容電力が前記第2基準電力より小さいと、前記第1トラックに位置して第2基準充電量より小さい充電量を有する搬送台車を他のトラックに移動させることを含む。
【0009】
その他の実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のいくつかの実施形態による搬送システムを説明するためのブロック図である。
図2図1の搬送システムを概略的に示す構成図である。
図3】レールに設置されたトラックを説明するための概念図である。
図4図1に示す搬送台車の構造を説明するためのブロック図である。
図5】本発明の一実施形態による搬送システムの制御方法を説明するためのフローチャートである。
図6】第1許容電力の算出方式を説明するための図である。
図7】第1許容電力が属する区間を説明するための図である。
図8】搬送台車の充電量が属する区間を説明するための図である。
図9】第1許容電力が電力十分区間EPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。
図10】第1許容電力が電力十分区間EPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。
図11】第1許容電力が電力不足区間SPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。
図12】第1許容電力が電力不足区間SPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。
図13】第1許容電力が電力不足区間SPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。
図14】第1許容電力が最大電力使用区間FPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。
図15】本発明の他の実施形態による搬送システムの制御方法を説明するための図である。
図16】本発明の他の実施形態による搬送システムの制御方法を説明するための図である。
図17】本発明のまた他の実施形態による搬送システムの制御方法を説明するためのフローチャートである。
図18】本発明のまた他の実施形態による搬送システムの制御方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0012】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0013】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0014】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0015】
図1は本発明のいくつかの実施形態による搬送システムを説明するためのブロック図である。図2図1の搬送システムを概略的に示す構成図である。図3はレールに設置されたトラックを説明するための概念図である。図4図1に示す搬送台車の構造を説明するためのブロック図である。
【0016】
まず、図1および図2を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による搬送システムは、制御器(またはOCS(OHT Control System,10)、多数の搬送台車20、レール40を含む。
【0017】
レール40は半導体製造ライン内に設置される。レール40は半導体製造ラインの天井に設置されるが、これに限定されない。
【0018】
搬送台車20はレール40に沿って移動して基板が収納された容器を運ぶ。搬送台車20は、例えば、OHT(Overhead Hoist Transport)であり得るが、これに限定されない。運搬される容器は例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)であり得るが、これに限定されない。
【0019】
搬送台車20と制御器10は無線通信方式でインターフェースすることができる。制御器10は搬送台車20に、作業工程による命令を提供する。具体的には、制御器10は効率的に搬送作業が完了できるように出発地から目的地までの最短経路を探索し、前記搬送作業を行うための最適位置の搬送台車20を選定して搬送命令を提供する。
【0020】
ここで、図3を参照すると、レール40には多数のトラックT1,T2が設置される。
【0021】
多数のトラックT1,T2は第1トラックT1と第2トラックT2を含む。第1トラックT1と第2トラックT2は互いに物理的に分離されることができる。第1電力供給器PSU1は第1トラックT1と連結され、第1トラックT1に電力PW1を供給する。第2電力供給器PSU2は第2トラックT2と連結され、第2トラックT2に電力PW2を供給する。
【0022】
搬送台車20は第1トラックT1および/または第2トラックT2から電力PW1,PW2を非接触方式で供給を受ける。搬送台車20は供給された電力PW1,PW2を用いて積み卸し動作、走行動作、加速動作および待機動作などを行い、内部のバッテリを充電することができる。
【0023】
図3では例示的に2個のトラックT1,T2が設置された場合を説明したが、これに限定されない。
【0024】
トラック(例えば、T1)に電力を供給する電力供給器PSU1の容量と、トラックT1から同時に電力の供給を受けることができる搬送台車20の個数、レール40の配置および構造などを考慮して、トラックT1の単位長さを決定することができる。レール40の全体長さが増えるにつれて設置されるトラックの個数も増加する。例えば、トラックの単位長さが50mである場合を仮定する。レール40が100mの場合はトラックが2個設置され、レール40が150mの場合はトラックが3個設置され、レール40が200mの場合はトラックが4個設置されることができる。
【0025】
ここで図4を参照すると、搬送台車20はマイクロコントローラ22、把持ユニット23、通信ユニット24、走行ユニット25、電力受信ユニット26、バッテリ28などを含む。
【0026】
把持ユニット23は容器を把持するためのものであり、走行ユニット25は搬送台車20がレール40に沿って移動するためのものである。通信ユニット24は制御器(図1の10を参照)と通信するためのものであり、電力受信ユニット26はトラックT1,T2から電力PW1,PW2の供給を受けるためのものである。バッテリ28はトラックT1,T2から供給された電力PW1,PW2を充電するためのものである。マイクロコントローラ22は把持ユニット23、通信ユニット24、走行ユニット25、電力受信ユニット26、バッテリ28などを制御する。
【0027】
搬送台車20は通信ユニット24を介して制御器10の指示(instructions)を受ける。指示は例えば、移動指示、搬送指示、電力モード指示、充電方式指示などを含むことができる。移動指示は制御器10が指定した位置に移動せよという指示であり、搬送指示は出発地で容器をピックアップして目的地まで移動せよという指示である。電力モード指示はトラックT1,T2から電力PW1,PW2の供給を受けて動作するか、トラックT1,T2から電力PW1,PW2の供給を受けずにバッテリ28に充電された電力だけで動作せよという指示、トラックT1,T2から供給された電力PW1,PW2とバッテリ28に充電された電力をすべて使用せよという指示などであり得る。また、充電方式指示は、バッテリ28の充電速度と関連するものであり、基準充電速度でバッテリ28の充電、基準充電速度より遅い充電速度でバッテリ28の充電または基準充電速度より速い充電速度でバッテリ28の充電などを示すことができる。マイクロコントローラ22はこのような制御器10の指示を解釈して、指示に従って他のユニット23,24,25,26,28などを制御する。
【0028】
また、マイクロコントローラ22は、搬送台車20の現在状態を通信ユニット24を介して制御器10に提供することができる。搬送台車20の現在状態は例えば、積み卸し状態、走行状態、加速状態、待機状態の少なくとも一つを含むことができる。選択的に、搬送台車20の現在状態は、バッテリ28の充電量、バッテリ28の充電速度、バッテリ28の放電量(すなわち、使用量)の少なくとも一つをさらに含むこともできる。
【0029】
再び図1ないし図4を参照すると、多数の搬送台車20はレール40に沿って移動する。また、多数の搬送台車20のうちいくつかの搬送台車20は第1トラックT1上に位置し、他のいくつかの搬送台車20は第2トラックT2上に位置することができる。
【0030】
制御器10は第1トラックT1での第1許容電力と第2トラックT2での第2許容電力の少なくとも一つに基づいて、このような多数の搬送台車20の作業を割り当てることができる。第1許容電力は第1トラックT1でさらに使用可能な電力の大きさであり、第2許容電力は第2トラックT2でさらに使用可能な電力の大きさを示す。例えば、制御器10は第1許容電力と第2許容電力の少なくとも一つに基づいて、第1トラックT1に位置して予め設定した条件を満たす搬送台車20を第2トラックT2に移動させるか、第1トラックT1に位置した搬送台車20の充電速度を調節するか、予め設定した条件を満たす搬送台車20を選別的に第1トラックT1に進入させることができる。
【0031】
以下では図5ないし図18を参照して、多数の搬送台車20の作業割り当て方法について説明する。
【0032】
図5は本発明の一実施形態による搬送システムの制御方法を説明するためのフローチャートである。図6は第1許容電力の算出方式を説明するための図である。図7は第1許容電力が属する区間を説明するための図である。図8は搬送台車の充電量が属する区間を説明するための図である。図9および図10は第1許容電力が電力十分区間EPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。図11ないし図13は第1許容電力が電力不足区間SPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。図14は第1許容電力が最大電力使用区間FPSに属する場合の作業割り当て方法を説明するための図である。
【0033】
まず、図5を参照すると、第1トラックT1での第1許容電力AP1を算出する(図5のS110)。
【0034】
具体的に説明すると、図6に図示するように、第1許容電力AP1は第1トラックT1でさらに使用可能な電力の大きさを意味する。第1許容電力AP1は第1トラックT1での第1限界電力LP1から第1トラックT1での第1使用電力UP1を引いた値であり得る。第1限界電力LP1は第1電力供給器PSU1が第1トラックT1に提供する電力を意味する。第1使用電力UP1は第1トラックT1に位置する多数の搬送台車20によって使用された電力を意味する。すなわち、第1許容電力AP1は、第1トラックT1に提供された電力から既に使用された電力を引いた残りに該当する。
【0035】
例えば、第1電力供給器PSU1が30kWを第1トラックT1に供給し、第1トラックT1に位置する多数の搬送台車20が使用した電力を8kWとする。このような場合、第1限界電力LP1は30kWであり、第1使用電力UP1は8kWであるから、第1許容電力AP1は22kWであり得る。
【0036】
第1使用電力UP1(すなわち、多数の搬送台車20が使用する電力)は、多数の搬送台車20それぞれで使用される実使用電力を合わせて得ることができる。例えば、多数の搬送台車20それぞれが実使用電力を制御器10に伝送し、制御器10は伝送された実使用電力をすべて合わせて得ることができる。
【0037】
または、第1使用電力UP1は、第1トラックT1に位置する多数の搬送台車20の台数を基準として算出されることができる。例えば、第1電力供給器PSU1が30kWを第1トラックT1に供給し、一台の搬送台車20が使用できる最大電力は1kWであると仮定する。多数の搬送台車20それぞれがどれだけ電力を使用したのかを具体的に考慮せず、第1トラックT1に位置する搬送台車20の台数のみを考慮して、第1使用電力UP1を得ることができる。第1トラックT1に位置した搬送台車20の台数が8台の場合、第1使用電力UP1は8kWであると判断することができる。
【0038】
また、前述した例で、第1トラックT1に位置し得る搬送台車20の最大台数(すなわち、第1トラックT1で充電され得る搬送台車20の最大台数)は30台となる(∵30=30kW/1kW)。制御器10は、第1許容電力AP1が22kW(∵22kW=30kW-8kW)の場合、第1トラックT1で22台の搬送台車20が追加で充電され得るということがわかる。
【0039】
前述した点などを考慮すると、第1使用電力UP1、第1許容電力AP1、第1限界電力LP1はすべて、搬送台車20の台数で表現することもできる。前述した例で、第1限界電力LP1は30台、第1使用電力UP1は8台であり、したがって、第1許容電力AP1は22台(∵22=30-8)で表示することもできる。
【0040】
このような方式を用いると、搬送台車20から制御器10に伝送する状態データが小さくなる。すなわち、搬送台車20は実使用電力を制御器10に伝送せず、搬送台車20がどのトラックに存在するのか(すなわち、搬送台車20の位置情報)のみを制御器10に伝送すれば良い。このようにすると、搬送台車20の伝送誤り、制御器10の演算誤りなどが発生する可能性が低くなる。
【0041】
または、第1電力供給器PSU1に電力センシング用センサが設置された場合は、センサは第1トラックT1で使用した電力(すなわち、第1使用電力UP1)を測定することができる。第1電力供給器PSU1はセンサによって測定された第1使用電力UP1を制御器10に伝送し、そのため、制御器10は別途の演算を行うことなく、第1使用電力UP1を把握することができる。結果的に、制御器10は第1トラックT1での第1許容電力AP1を迅速に算出することができる。
【0042】
次に、算出された第1許容電力AP1が属する区間をチェックする(図5のS120)。
【0043】
具体的に説明すると、図7に示すように、第1許容電力AP1が第3基準電力SP3より小さい区間は、最大電力使用区間FPSである。前述した例で、第1トラックT1に30台の搬送台車20が位置し、第1トラックT1で追加で充電可能な搬送台車20が0台である場合であり得る。設計によって、第1トラックT1に29台の搬送台車20が位置し、第1トラックT1で追加で充電可能な搬送台車20が1台である場合も、最大電力使用区間FPSに含ませることができる。すなわち、最大電力使用区間FPSは第1許容電力AP1が非常に小さい区間に該当する。
【0044】
第1許容電力AP1が第3基準電力SP3より大きくて第2基準電力SP2より小さい区間は、電力不足区間SPSである。前述した例で、第1トラックT1に27台~28台の搬送台車20が位置し、第1トラックT1で追加で充電可能な搬送台車20が2台~3台である場合であり得る。設計によっては、第1トラックT1に追加で充電可能な搬送台車20が1台である場合を、電力不足区間SPSに含ませることもできる。
【0045】
第1許容電力AP1が第1基準電力SP1より大きい区間は、電力十分区間EPSである。前述した例で、第1トラックT1で追加で充電可能な搬送台車20が15台以上である場合であり得る。第1基準電力SP1の大きさは設計によって異なるように調節することができ、例えば、第1基準電力SP1と第2基準電力SP2は同じであってもよい。
【0046】
一方、第1許容電力AP1が属する区間をチェックした結果、第1許容電力AP1が電力十分区間EPSにある場合、次のように搬送台車20の作業を割り当てる(図5のS130)。
【0047】
具体的には、図9を参照すると、第1トラックT1に多数の搬送台車OHT1~OHT10が位置する。例えば、第1電力供給器PSU1は30kWの電力を供給し、第1トラックT1に10台の搬送台車OHT1~OHT10が位置する。第1トラックT1の第1許容電力AP1は第1基準電力SP1より大きいので、第1許容電力AP1は電力十分区間EPSに該当する。
【0048】
このような場合、制御器10は充電量が十分な搬送台車OHT10を他のトラック(例えば、第2トラックT2)に移動および投入させる(図面符号A1を参照)。
【0049】
また、第1トラックT1に位置する多数の搬送台車OHT1~OHT10のうち、充電量が不足した搬送台車OHT1を優先的に充電させる(図面符号B1を参照)。
【0050】
ここで、充電量が十分な搬送台車(例えば、OHT10)は、該当搬送台車OHT10内に設置されたバッテリ(図4の28を参照)の充電量が十分であることを意味する。充電量が不足した搬送台車(例えば、OHT1)は、該当搬送台車OHT1内に設置されたバッテリ28の充電量が不足することを意味する。また、バッテリ28の充電量が「十分」であることと「不足」することは、次のように定義することができる。図8に示すように、バッテリ28の充電量が第2基準充電量CP2より小さいと、バッテリ28は充電不足区間SCPに属し、すなわち、バッテリ28の充電量が不足したと判断することができる。また、バッテリ28の充電量が第1基準充電量CP1より大きいと、バッテリ28は充電十分区間ECPに属し、すなわち、バッテリ28の充電量が十分であると判断することができる。
【0051】
図10を参照すると、第1トラックT1に多数の搬送台車OHT1~OHT10が位置する。第1許容電力AP1は電力十分区間EPSに該当する。
【0052】
第1トラックT1に進入するために、数台の搬送台車が待期中であり得る。このような場合、待機中の搬送台車の充電量をチェックして、充電量が不足した搬送台車(例えば、OHT11)を先に第1トラックT1に投入させる(図面符号D1を参照)。例えば、充電量が10%の搬送台車、充電量が60%の搬送台車および充電量が80%の搬送台車が待機している場合、最も低い充電量を有する搬送台車(すなわち、充電量が10%の搬送台車)を先に第1トラックT1に投入させる。このようにすることで、充電量が不足した搬送台車OHT11を優先的に充電させることができる。
【0053】
一方、第1許容電力AP1が属する区間をチェックした結果、第1許容電力AP1が電力不足区間SPSにある場合、次のように搬送台車20の作業を割り当てる(図5のS140)。
【0054】
具体的には、図11および図12を参照すると、第1トラックT1に多数の搬送台車OHT1~OHT27が位置する。例えば、第1電力供給器PSU1は30kWの電力を供給し、第1トラックT1に27台の搬送台車OHT1~OHT27が位置する。第1トラックT1の第1許容電力AP1は第3基準電力SP3より大きくて第2基準電力SP2より小さいので、第1許容電力AP1は電力不足区間SPSに該当する。
【0055】
このような場合、制御器10は充電量が不足した搬送台車OHT27を他のトラック(すなわち、許容電力が十分なトラック)に移動および投入させる(図11のC1を参照)。
【0056】
または、制御器10は充電量が不足した搬送台車OHT1~OHT3を基準充電速度より低い充電速度で充電する(図12のB2を参照)。
【0057】
すなわち、他のトラックに隣接して配置された搬送台車OHT27は第1トラックT1で充電させず、他のトラックに移動させてそのトラックで充電するようにする。反面、搬送台車OHT1~OHT3は前に位置する他の搬送台車OHT4~OHT27が他のトラックに移動する前までは第1トラックT1に位置しなければならない。したがって、搬送台車OHT1~OHT3を充電するが、基準充電速度より低い充電速度で充電する。
【0058】
図13を参照すると、第1トラックT1に多数の搬送台車OHT1~OHT27が位置する。第1許容電力AP1は電力不足区間SPSに該当する。
【0059】
第1トラックT1に進入するために、数台の搬送台車が待期中であり得る。このような場合、待機中の搬送台車の充電量をチェックして、充電量が十分な搬送台車(例えば、OHT28)を先に第1トラックT1に投入させる(図面符号D2を参照)。例えば、充電量が10%の搬送台車、充電量が60%の搬送台車および充電量が80%の搬送台車が待機している場合、最も高い充電量を有する搬送台車(すなわち、充電量が80%の搬送台車)を先に第1トラックT1に投入させる。このようにすることで、第1トラックT1での電力使用負荷を高めないことができる。
【0060】
一方、第1許容電力AP1が属する区間をチェックした結果、第1許容電力AP1が最大電力使用区間FPSにある場合、次のように搬送台車20の作業を割り当てる(図5のS150)。
【0061】
具体的には、図14を参照すると、第1トラックT1に多数の搬送台車OHT1~OHT30が位置する。例えば、第1電力供給器PSU1は30kWの電力を供給し、第1トラックT1に30台の搬送台車OHT1~OHT30が位置する。第1トラックT1の第1許容電力AP1は第3基準電力SP3より小さいので、第1許容電力AP1は最大電力使用区間FPSに該当する。
【0062】
第1トラックT1に30台の搬送台車OHT1~OHT30が位置し、30台は第1トラックT1で電力を供給できる搬送台車20の最大台数(すなわち、最大充電台数)であり得る。
【0063】
しかし、第1トラックT1に進入するために、搬送台車OHT31が待期中であり得る。
【0064】
搬送台車OHT31を進入させるために、先に搬送台車OHT1~OHT30の少なくとも一つの搬送台車(例えば、OHT3)をバッテリによってのみ運行するように制御する(図面符号E1を参照)。第1トラックT1に過負荷がかかることを防止するためである。
【0065】
その後、待機中の搬送台車OHT31を第1トラックT1に進入させる(図面符号D3を参照)。ここで、第1トラックT1には31台の搬送台車OHT1~OHT31が位置するようになる。したがって、第1トラックT1に位置する搬送台車OHT1~OHT31の台数(すなわち、31台)は、第1トラックT1の最大充電台数(すなわち、30台)より大きくなる。
【0066】
また、選択的に、多数の搬送台車OHT1~OHT31のうちいくつかの搬送台車(例えば、OHT1)の充電量が不足すると、前記搬送台車OHT1は基準充電速度より低い充電速度で充電させることができる。
【0067】
次に、搬送台車OHT1~OHT30の少なくとも一つの搬送台車(例えば、OHT30)を他のトラックに移動させる(図面符号C2を参照)。
【0068】
次に、搬送台車OHT3がバッテリによってのみ運行することを終了させる。搬送台車OHT30が第1トラックT1の外に出て行ったので、第1トラックT1にある搬送台車OHT1~OHT29,OHT31は30台となる。すなわち、第1トラックT1に位置する搬送台車OHT1~OHT29,OHT31の台数(すなわち、30台)は、第1トラックT1の最大充電台数(すなわち、30台)と同一になる。したがって、搬送台車OHT3をバッテリによってのみ運行させる必要がなくなったからである。
【0069】
図15および図16は本発明の他の実施形態による搬送システムの制御方法を説明するための図である。
【0070】
まず図15を参照すると、第1電力供給器PSU1は第1トラックT1に電力を供給し、第1トラックT1には多数の搬送台車OHT1~OHT10が位置する。多数の搬送台車OHT1~OHT10は第1トラックT1が供給する電力によって充電される。
【0071】
第2電力供給器PSU2は第2トラックT2に電力を供給し、第2トラックT2には多数の搬送台車OHT11~OHT20が位置する。多数の搬送台車OHT11~OHT20は第2トラックT2が供給する電力によって充電される。
【0072】
次に図16を参照すると、第2電力供給器PSU2が突然動作を停止する。このような場合、電源バックアップ(power backup)が行われる。第1トラックT1と第2トラックT2は連結トラックを介して互いに連結されている。このような場合、第1電力供給器PSU1は連結トラックを介して、第1トラックT1だけでなく第2トラックT2にも電力を供給することができる。第1電力供給器PSU1は第2トラックT2上にある搬送台車OHT11~OHT20に電力を供給して動作できるようにする。したがって、第1電力供給器PSU1から電力を受ける搬送台車が10台(すなわち、OHT1~OHT10)から20台(すなわち、OHT1~OHT20)に突然増える。ここで、負荷増加が突然に起きることを防止するために、次のような作業の割り当てが行われる。
【0073】
まず、第1トラックT1および第2トラックT2に位置する多数の搬送台車OHT1~OHT20の少なくとも一つ(例えば、OHT10)がバッテリによってのみ運行するようにする(図面符号D2を参照)。選択された搬送台車OHT10の充電量は充電十分区間(ECP)に属し得る。
【0074】
また、多数の搬送台車OHT1~OHT20の少なくとも一つ(例えば、OHT20)は許容電力が十分な他のトラックに移動させる(図面符号C3を参照)。
【0075】
また、多数の搬送台車OHT1~OHT20を基準充電速度より低い充電速度で充電するように制御することができる。特に、多数の搬送台車OHT1~OHT20のうち一部の搬送台車(例えば、OHT11,OHT12)を基準充電速度より低い充電速度で充電するように制御する(図面符号B3を参照)。
【0076】
図17は本発明のまた他の実施形態による搬送システムの制御方法を説明するためのフローチャートである。説明の便宜上、図5ないし図16を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0077】
図17を参照すると、第1トラックでの第1許容電力AP1と第2トラックでの第2許容電力AP2を算出する(S210)。
【0078】
第1トラックでの第1許容電力AP1は、図6を用いて説明したように、第1トラックでの第1限界電力LP1から第1トラックでの第1使用電力UP1を引いた値であり得る。ここで、第1使用電力UP1は、第1トラックに位置する多数の搬送台車の実使用電力の合計で算出されることができる。または、第1使用電力UP1は、第1トラックに位置する多数の搬送台車の台数を基準として算出されることができる。また、第1使用電力UP1は、第1電力供給器に設置された電力センシング用センサによって測定された値で算出されることができる。
【0079】
第2トラックでの第2許容電力AP2も、前述した方法と同様の方法で算出することができる。すなわち、第2許容電力AP2は第2トラックでの第2限界電力LP2から第2トラックでの第2使用電力UP2を引いた値であり得る。ここで、第2使用電力UP2は、第2トラックに位置する多数の搬送台車の実使用電力の合計で算出されることができる。または、第2使用電力UP2は、第2トラックに位置する多数の搬送台車の台数を基準として算出されることができる。また、第2使用電力UP2は、第2電力供給器に設置された電力センシング用センサによって測定された値で算出されることができる。
【0080】
次に、第1許容電力AP1と第2許容電力AP2を比較する(S220)。
【0081】
第1許容電力AP1が第2許容電力より大きく(S220のyes)、第1トラックに位置する多数の搬送台車のうち充電量が十分な搬送台車を第2トラックに移動させることができる(S230)。すなわち、第2トラックの第2許容電力AP2が不足した状態で、第2トラックに先に進入する搬送台車は充電量が十分なものであり得る。
【0082】
また、第2トラックに位置する多数の搬送台車のうち充電量が不足した搬送台車を第1トラックに移動させることができる。充電量が不足した搬送台車は第1トラックで充電される。すなわち、第1トラックの第1許容電力AP1が十分な状態で、第1トラックに先に進入する搬送台車は充電量が不足したものであり得る。
【0083】
第2許容電力AP2が第1許容電力より大きく(S220のno)、第2トラックに位置する多数の搬送台車のうち充電量が十分な搬送台車を第1トラックに移動させることができる(S240)。すなわち、第1トラックの第1許容電力AP1が不足した状態で、第1トラックに先に進入する搬送台車は充電量が十分なものであり得る。
【0084】
また、第1トラックに位置する多数の搬送台車のうち充電量が不足した搬送台車を第2トラックに移動させることができる。充電量が不足した搬送台車は第2トラックで充電される。すなわち、第2トラックの第2許容電力AP2が十分な状態で、第2トラックに先に進入する搬送台車は充電量が不足したものであり得る。
【0085】
図18は本発明のまた他の実施形態による搬送システムの制御方法を説明するためのフローチャートである。説明の便宜上、図5ないし図16を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0086】
図18を参照すると、搬送システムが提供される(S310)。例えば、搬送システムはレールに設置された第1トラックと、第1トラックに電力を供給する第1電力供給器と、レールに沿って移動して内部にバッテリが設けられた多数の搬送台車などを含む。
【0087】
次に、第1トラックでの第1許容電力AP1が電力十分区間EPSに属するかをチェックする(S320)。
【0088】
電力十分区間EPSに属する場合(S320のyes)、第2基準充電量CP2より小さい充電量を有する第1搬送台車を第1トラックに進入させる(S322)。または、第1トラックに位置する搬送台車を基準充電速度より大きい充電速度で充電させることができる。
【0089】
次に、第1トラックでの第1許容電力AP1が電力不足区間SPSに属するかをチェックする(S330)。
【0090】
電力不足区間SPSに属する場合(S330のyes)、第1トラックに位置して第2基準充電量CP2より小さい充電量を有する第2搬送台車を他のトラック(許容電力が十分なトラック)に移動させる(S332)。また、第1基準充電量CP1より大きな充電量を有する搬送台車を第1トラックに先に投入させる。第1トラックに位置してバッテリ残量が不足した搬送台車は、充電速度を低くして(すなわち基準充電速度より小さい充電速度で)充電する。
【0091】
次に、第1トラックでの第1許容電力AP1が最大電力使用区間FPSに属するかをチェックする(S340)。
【0092】
最大電力使用区間FPSに属する場合(S340のyes)、多数の搬送台車の少なくとも一つの第3搬送台車をバッテリによってのみ運行させて、第4搬送台車を第1トラックに進入させる(S342)。このようにすることで、第1トラックに位置する搬送台車の台数は、第1トラックの最大充電台数より大きくなることができる。また、第1トラックにある多数の搬送台車のうち第5搬送台車を他のトラックに移動させて、第3搬送台車がバッテリによってのみ運行することを終了させる。
【0093】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18