(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】油圧システム構造及びシステム構造内で使用可能な双方向比例弁
(51)【国際特許分類】
F15B 11/02 20060101AFI20241129BHJP
F15B 11/042 20060101ALI20241129BHJP
F15B 11/044 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
F15B11/02 F
F15B11/042
F15B11/044
(21)【出願番号】P 2022500053
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2020025310
(87)【国際公開番号】W WO2021004657
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-05-19
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505462622
【氏名又は名称】ダンフォス アクチ-セルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】スタール,ニーレシュ・アナント
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-017334(JP,A)
【文献】実開昭61-009603(JP,U)
【文献】特許第6067953(JP,B1)
【文献】特開平09-296802(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0220425(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0120297(US,A1)
【文献】特開平11-201106(JP,A)
【文献】特開2007-187315(JP,A)
【文献】特開2010-138925(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0212244(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22
F15B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧アクチュエータを介して構成要素を上昇及び下降させるための油圧システムであって、
油圧ポンプと、
前記構成要素を上昇中に前記油圧アクチュエータへの流量を比例制御するため、及び前記構成要素を下降中に前記油圧アクチュエータからの流量を比例制御するための単一の比例流量制御弁とを含み、
前記油圧アクチュエータは、油圧流線を介して前記油圧ポンプと連通し、
前記油圧ポンプは、前記構成要素が上昇及び下降する時に同一方向に流体を送
り出し、
前記単一の比例流量制御弁は、前記油圧流線からタンクに向けて分岐する分岐流線に沿って配設される、油圧システム。
【請求項2】
前記単一の比例制御弁は、前記比例制御弁を通して双方向の比例流量制御を提供するように構成される、請求項1に記載の油圧システム。
【請求項3】
前記構成要素を下降中に、前記油圧アクチュエータからの流れは、前記単一の比例制御弁を通って
前記タンクに向けられ、前記構成要素を上昇中に、前記単一の比例制御弁は、前記油圧アクチュエータと
前記タンクとの間で前記油圧ポンプからの流れを釣り合わせる、請求項1に記載の油圧システム。
【請求項4】
比例弁を備え、
前記比例弁は、比例流量制御を第1の流れ方向及び第2の反対の流れ方向に前記比例弁を通って提供するように構成され、
前記比例弁は、外弁体及び前記外弁体内の内弁体を含み、前記内弁体は前記外弁体に対して軸に沿って動くことができ、
前記外弁体は第1のポート及び第2のポートを画定し、前記外弁体は内弁座を画定し、比例流量界面は、前記外弁体と前記内弁体との間に画定され、前記比例流量界面は、前記第1のポートと前記第2のポートとの間に主要流路を画定し、前記内弁体は、閉じた弁位置と複数の比例流量位置との間で前記外弁体に対して前記軸に沿って動くことができ、前記内弁体は、前記内弁体が前記閉じた弁位置にある時に、前記主要流路を介して前記第1のポートと前記第2のポートとの間の流体連通を遮断するために前記内弁座を係合し、前記比例流量界面は、前記比例流量位置のそれぞれに対応する異なる断面積を持つ前記主要流路を提供し、前記比例弁は、前記内弁体を前記閉じた弁位置及び複数の異なる前記比例流量位置に動かすためのソレノイド配置を含み、前記ソレノイド配置は、前記ソレノイド配置のコイルに提供された電流の大きさに依存して、前記軸に沿って複数の異なる電機子位置に移動されるバネ付勢式電機子を有し、前記異なる電機子位置は、前記閉じた弁位置及び前記異なる比例流量位置に対応する、油圧デバイス。
【請求項5】
前記内弁体は、前記第1のポートからの圧力を介して前記内弁体の上の領域を加圧するための第1の加圧路を画定し、前記内弁体は、前記第2のポートから前記内弁体の上の前記領域を加圧するための第2の加圧路を画定し、前記内弁体は、前記第2のポートとの流体連通を介して前記内弁体の上の前記領域を減圧するための第1の減圧路を画定し、前記内弁体は、前記第1のポートとの流体連通を介して前記内弁体の上の前記領域を減圧するための第2の減圧路を画定し、前記油圧デバイスは、前記第1及び第2の減圧路を開閉するために前記バネ付勢式電機子に結合した弁部材を含む、請求項4に記載の油圧デバイス。
【請求項6】
前記第1の加圧路、前記第2の加圧路、前記第1の減圧路、及び前記第2の減圧路のそれぞれは、一方向逆止弁を含む、請求項5に記載の油圧デバイス。
【請求項7】
前記第1の加圧路及び前記第2の加圧路のそれぞれは、オリフィスを含む、請求項5又は6に記載の油圧デバイス。
【請求項8】
前記弁部材は前記軸と同軸である、請求項7に記載の油圧デバイス。
【請求項9】
前記第1及び第2の減圧路は、前記弁部材によって開閉される通路を共有する、請求項5~8のいずれか一項に記載の油圧デバイス。
【請求項10】
前記第1及び第2の減圧路によって共有された前記通路は、前記内弁体の頂端に上端を有し、前記弁部材は前記通路の前記上端を開閉するように適合され、前記弁部材と前記内弁体の前記頂端との間の接触は、前記内弁体の軸位置を制御する、請求項9に記載の油圧デバイス。
【請求項11】
前記構成要素の位置を監視するため、及び運動補正を提供するために前記単一の比例制御弁を電子的に調節するために使用する位置フィードバックを提供するためのセンサを含む、制御システムを更に含む、請求項1に記載の油圧システム。
【請求項12】
前記構成要素を下降中に、前記油圧アクチュエータからの流れは、前記単一の比例制御弁を通って
前記タンクに向けられ、前記構成要素を上昇中に、前記油圧ポンプからの流れは、前記単一の比例制御弁を通って前記油圧アクチュエータに向けられる、請求項1に記載の油圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に油圧アクチュエータを制御して電力供給する際に使用するための油圧システム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧システム構造は、油圧シリンダなどの油圧アクチュエータに電力供給して制御するために存在する。このような油圧システム構造は、典型的には所与の油圧アクチュエータへ及び所与の油圧アクチュエータからの油圧流体流れを制御するために、油圧ポンプ、圧力逃し弁、及び比例弁などの油圧構成要素を含む。油圧システム構造によって電力供給されて制御された油圧アクチュエータは、一般に建設機器及び農業機器などのオフロード機器の部品として一体化された機械要素を運転するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の一態様は、油圧シリンダなどの油圧アクチュエータへ及び油圧アクチュエータからの油圧流体流れを制御するために、単一の比例弁を利用する油圧システム構造に関する。油圧システム構造は、単一の比例弁と組み合わせて使用する電磁弁、逆止弁及び圧力逃し弁などの他の型の弁も含むことができる。比例弁は、可変電気信号によって制御される弁である。可変電気信号は、1つ又は複数の計量ポートに関する弁部材(例えばスプール、ポペット、若しくは他の部材)のストロークを制御するために、電機子と組み合わせて作用する電磁コイルに提供される。典型的には、弁部材は無限に位置付けることができ、電磁コイルに提供された電気信号の大きさに比例して動く。弁を通る流量は、弁部材の位置、ひいては電磁コイルに提供された電気信号の大きさに依存する。計量ポートに対する弁部材の位置を制御する機能により、弁を通る油圧流体流れの速度を変えて制御することができ、次いで比例弁によって制御されるアクチュエータの速度を変える能力を提供する。
【0004】
本開示の別の態様は、比例弁を通って第1の流れ方向及び第2の反対の流れ方向に比例流量制御を提供するように構成された弁に関する。
【0005】
種々の追加の態様は、以下の記述で説明される。態様は、個別の特徴及び特徴の組み合わせに関する。前述の概要及び以下の詳述は、どちらも例及び説明に過ぎず、それに本明細書に開示した例が基づく幅広い発明の概念を制限しないことを理解されたい。
【0006】
記載の一部に組み込まれ、説明の一部を構成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を示す。図面の簡単な説明は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の原理による油圧システム構造を概略的に描く。
【
図2】
図1の油圧システム構造の制御装置のための位置制御グラフである。
【
図3】
図1の油圧システム構造内で使用できる比例弁のための例示的構成を示す断面図である。
【
図4】本開示の原理による別の油圧システム構造を描き、システム構造はニュートラルの荷重保持状態で示されている。
【
図5】上昇状態の
図4の油圧システム構造を概略的に描く。
【
図7】閉状態の本開示の原理による双方向比例弁を描く断面図である。
【
図8】閉状態の
図7の双方向比例弁の別の断面図である。
【
図9】開状態の双方向比例弁を備えた
図7の断面図である。
【
図10】開状態の
図8の双方向比例弁の断面図である。
【
図11】
図7~10の双方向比例弁の内弁体の下端を描く。
【
図14】内弁体の側面及び下端を示す
図11の内弁体の別の斜視図である。
【
図15】内弁体の下端内に載せたチェックシートの上側面を示す斜視図である。
【
図16】
図15のチェックシートの下側面を示す斜視図である。
【
図17】内弁体の下端で使用することができる、例示的流量制御ノッチ形状を描く。
【
図18】内弁体の下端で使用することができる、別の例示的流量制御ノッチ形状を描く。
【
図19】内弁体の下端で使用することができる、更なる例示的流量制御ノッチ形状を描く。
【
図20】
図7の弁のための流量に対する弁位置を表す例示的プロットを描くグラフであり、異なる例示的プロットは、内弁体の下端に提供された異なる流量制御ノッチ形状に対応する。
【
図21】内弁体に加えられた間隙サイズ/弁位置に対する電磁力を示すグラフであり、内弁体は、電磁力がバネ力線300と所与の制御コマンドに対応する電磁力との間の交点によって示されたように、内弁体に加えられたバネ力に等しい時に特定の間隙サイズで停止する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本開示の原理による油圧システム構造20を描く。油圧システム構造20は、機械装置24に結合したアクチュエータ22(例えば油圧シリンダ)に電力供給して制御する。ある特定の例では、機械装置24は、トラクター又は建設機械などのオフロード車両の部品として一体化することができる。ある特定の例では、機械装置24は、アクチュエータ22によって動かされる1つ又は複数の枢動結合部を含むことができる。ある特定の例では、機械装置24は枢動アーム又はブームを含むことができ、枢動アーム又はブームは、ある特定の例ではバケツ、羽、シャベル、農業機器、若しくは同種のものに連結されてもよい。
【0009】
図1を再度参照すると、油圧システム構造20は電子制御装置26を含み、電子制御装置26は1つ又は複数のプロセッサを有することができ、ソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアと連動することができる。プロセッサはデジタル・アナログ処理機能を含むことができ、メモリ(例えばランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、又は他のデータ記憶装置)と連動することができる。ある特定の例では、プロセッサはプログラマブル論理制御装置、1つ若しくは複数のマイクロプロセッサ、又は同様の構造を含むことができる。
【0010】
依然として
図1を参照すると、電子制御装置26は、機械装置24の位置に関するフィードバック情報を提供する位置センサ28と連動する。一例では、位置センサ28は、機械装置24の構成要素の回転位置を感知する回転センサ、又は機械装置の直線運動を感知することができるリニアセンサを含むことができる。
【0011】
油圧システム構造20は、油圧ポンプ30、油圧タンク32(例えば貯蔵器)、圧力逃し弁34、一方向逆止弁36、オリフィス38、電磁弁40、及び単一の比例弁42も含む。ポンプ30は、タンク32に接続した入力側面、及びポンプ30をアクチュエータ22に油圧接続するための油圧流線44に結合した出力側面を有する。オリフィス38及び一方向逆止弁36は、油圧流線44に沿って位置付けられる。一方向逆止弁36は、油圧流体をアクチュエータ22に向かう方向に油圧流線44を通って流すことができ、油圧流体がアクチュエータ22から離れる方向に流線44を通ってポンプ30に向かって流れることを防ぐ。油圧システム構造20は、ポンプ30と一方向逆止弁36との間の場所で油圧流線44から分岐する再循環流線46を更に含む。電磁弁40は、再循環流線46に沿って置かれ、開位置(
図1参照)と閉位置との間で動くことができる。油圧システム構造20は、一方向逆止弁36とオリフィス38との間の場所で油圧流線44から分岐し、タンク32に延在する分岐流線48も含む。比例弁42は、分岐流線48に沿って位置付けられる。比例弁42は閉位置(
図1参照)にあることが可能であり、又は閉位置から比例弁42を通る油圧流体の流量を変えるために複数の比例流量位置の1つに動かすことができる。
【0012】
図3は、比例弁42の例示的構成の断面図である。一例では、比例弁42は、Model No.ESV1-10-Cを有するEaton Corporationによって販売されている比例弁であり、これは通電している時に比例流量制御を提供し、通電していない時に通常は閉じ、ポペット型構成を含む。
図3に示されたように、比例弁42は、パイロットポペット52に結合した電機子50を含む。コイル54は電機子50を包囲する。電機子50及びパイロットポペット52は、バネ56によって下方に付勢される。パイロットポペット52は、弁体60内に置かれたメインポペット58内に位置付けられる。弁体60は、第1のポート62及び第2のポート64を画定する。比例弁42が通電していない位置にある時に、第2のポート64から第1のポート62への流れは遮断され、第1のポート62から第2のポート64に流れることができる。比例弁42が通電している時に、第2のポート64から第1のポート62に流れることができ、弁流れはコイル54に加えた電気制御信号の大きさ(例えば電流の大きさ)に比例する。第1及び第2のポート62、64も
図1に符号が付けられている。
【0013】
弁体60は、メインポペット58の端部63と接合する弁座61を画定する。メインポペット58の端部63は、第1のポート62とメインポペット58の内部容積との間に流体連通を提供するための開口65を画定する。メインポペット58は、パイロットポペット52が開口65を開閉する機能をするように、パイロットポペット52の端部69と接合する内部弁座67を画定する。メインポペット58は、第2のポート64とメインポペット58の内部との間に流体連通を提供する側面オリフィス71も画定する。
【0014】
比例弁42が通電していない時に、比例弁42は、第1のポート62から第2のポートの方向に弁42を通って流れることができるが、第2のポート64から第1のポート62の方向に弁42を通って流れることを防ぐ一方向逆止弁として作用する。詳細には第1のポート62における圧力が第2のポート64より高いことより、メインポペット58をバネ56の付勢に抗して弁座61から上昇させる。これにより、油圧流体を弁座61とメインポペット58の端部63との間で第1のポート62から第2のポートに流すことができる。第2のポート64の圧力がより高いことにより、側面オリフィス71を介してメインポペット58の内部を加圧し、それによってメインポペット58を弁座61に対して下端63で閉位置に押し付ける。弁42は通電していないので、バネ56はパイロットポペット52の端部69を内部弁座67に付勢するため、開口65は遮断され、それによって油圧をメインポペット58の内部に維持することができる。
【0015】
弁42が通電している時、電機子50は、パイロットポペット52を内部弁座67から所定の距離だけ上昇させるために、電気制御信号の大きさに比例して動く。所定の距離は、制御信号の大きさによって決定される。第2のポート64における圧力が第1のポート62におけるより大きい場合、パイロットポペット52を上昇することにより、メインポペット58の内部の圧力は、オリフィス71を通って圧力を補充できるより速く開口65を通して軽減される。このことが起きた時に、メインポペット58の外部に作用する第2のポート64における油圧は、メインポペット58を弁座61から上昇させ、第1のポート62と第2のポート64との間の流体連通を開くのに十分な力を提供する。次いで第2のポート64からメインポペット58の下端と弁座61との間に画定された領域を通って第1のポート62への流れが起きる。メインポペット58は、メインポペット58がパイロットポペット52の端部69を再係合するまで上昇する。こうしてメインポペット58が動く量は、パイロットポペット52の動く量に依存し、パイロットポペット52の動く量は、コイル54に提供された制御信号の大きさに依存する。弁座61及び/又はメインポペット58は、メインポペット58が弁座61に対して上昇される量に基づいて、メインポペット58の下端と弁座61との間の流路の大きさを変える対向形状(例えばノッチ形状)を有する。こうして接合形状は、第2のポート64から第1のポート61への流量を弁座61に対するメインポペット58の位置に比例して制御することができる。異なる対向形状(例えば正方形のノッチ、丸いノッチ、三角形のノッチ、長方形のノッチ、及びそれらの組み合わせ)並びに形状の大きさを使用して、異なる比例流量特徴を提供することができる。上に示したように、メインポペット58の位置は、コイル54に提供された電気制御信号の大きさによって決定されるパイロットポペット52の位置によって制御される。こうして第2のポート64から第1のポート62への流量は、コイル54に提供された制御信号の大きさに基づいて制御することができる。
【0016】
図1に戻って参照すると、圧力逃し線66は、再循環流線46とポンプ30との間の場所で油圧流線44から分岐する。圧力逃し線66は、油圧流線44からタンク32に延在する。圧力逃し弁34は圧力逃し線66に沿って位置付けられる。油圧流線44内の圧力が圧力逃し弁34の圧力設定を超えると、圧力逃し弁34は開いて、油圧流体が圧力逃し線66を通ってタンク32に放出することができる。そうでなければ圧力逃し弁34は閉じて、油圧流線44とタンク32との間の流体連通を遮断する。
【0017】
電子制御装置26は、機械装置24の位置に関するフィードバックを受信するために位置センサ28と連動する。電子制御装置26は、電磁弁40及び比例弁42とも連動してこれらの弁の作動を制御する。電子制御装置26は、比例弁42を通る流量を制御するために弁42に提供された電流の大きさを制御することができることが認識されよう。電子制御装置26は、電磁弁40の開閉を制御することもできる。電磁弁40は通常開くことができるが、通電している時に閉じることができる。
【0018】
図2は、機械装置24の位置付けを制御するために、電子制御装置26によって使用された例示的運動制御グラフを示す。実線68は、比例弁42に提供された電流レベルに依存して経時的に機械装置24の予想した位置を表す。機械装置24の速度が線69aによって示されたように予測した速度より遅い場合、線69bによって示されたように速度補償を提供するために、比例弁42に増加した電流を提供することができる。これと対照的に機械装置24の検知された速度が予想した速度より速い場合、比例弁42に提供される電流は減らすことができる。線70aは予測した速度より速い検知した速度を表し、線70bは比例弁42への電流を減らすることによって生じた速度補償を示す。
【0019】
油圧システム構造20が荷重保持状態にある時、比例弁42は閉じて電磁弁40は開くので、ポンプ30からの流れは再循環流線46を通ってタンク32に向けられる。一方向逆止弁36及び閉じた比例弁42は、アクチュエータ22を油圧係止するために協同する。
【0020】
油圧システム構造20が、流れがアクチュエータ22に向けられる上昇状態にある時、電磁弁40は、ポンプ30から線46を介したタンク32への流れを閉じるために通電される。同時に比例弁42は制御信号で通電され、その大きさは弁42を通ることができる流量を決定する。比例弁42に提供された制御信号は、好ましくはアクチュエータ22に、及びタンク32に向けられるポンプからの流れの比を制御するために大きさが変わる。アクチュエータ22への流量を低減するために、比例弁42を通る比例流量は増加するので、タンク32に向けられる流れは多くなり、アクチュエータに向けられる流れは少なくなる。これと対照的にアクチュエータ22への流量を増やすために、比例弁42を通る比例流量は低減されるので、タンクに向けられる流れは少なくなり、アクチュエータに向けられる流れは多くなる。このやり方で、上昇中のアクチュエータ22の移動速度は、比例弁42の位置に基づいて制御することができる。
【0021】
油圧システム構造20は、油圧流体がアクチュエータ22から出される下降状態で作動することもできる。下降状態では、電磁弁40は開くので、ポンプ30からの流れはタンクに再循環される。更に比例弁42は、弁42を通ってタンク32に流れる量を制御するために比例制御される。このやり方で、下降中のアクチュエータ22の移動速度は、比例弁42の位置に基づいて制御することができる。
【0022】
図4~6は、本開示の原理による別の油圧システム構造120を描く。油圧システム構造120は、アクチュエータ122に電力供給してアクチュエータ122の速度及び方向を制御するために適応される。油圧システム構造20はポンプ130、タンク132、高圧逃し弁134、パイロット操作圧力逃し弁136、電磁弁140、及び単一の双方向比例弁142を含む。主要油圧流線144は、ポンプ130の外側からアクチュエータ122に延在する。ポンプ130の入力側面はタンクに結合される。双方向比例弁142は、主要油圧流線144を通る流れを制御する。パイロット操作圧力逃し弁136は、主要油圧流線144からタンク132に延在する圧力逃し線146に沿って位置付けられる。圧力逃し線146は、双方向比例弁142とポンプ130との間の場所で主要油圧流線144に連結する。
【0023】
油圧システム構造120は、再循環線148及び第2の圧力逃し線150も含む。電磁弁140は再循環線148に沿って位置付けられ、再循環線148を開閉するように適応される。線148は、電磁弁140が通電していない時に開き、電磁弁140が通電している時に閉じる。再循環線148は主要油圧流線144からタンク132に延在し、第1の圧力逃し線146とポンプ130との間の場所で油圧流線144に連結する。第2の圧力逃し線150は、主要油圧流線144からタンクに延在し、再循環線148とポンプ130との間の場所で主要油圧流線144に連結する。高圧逃し弁134は、第2の圧力逃し線150に沿って位置付けられる。高圧逃し弁134は、主要油圧流線144内の圧力が高圧逃し弁134の圧力設定を超えると、タンクと主要油圧流線144との間の流体連通を開くように構成される。そうでなければ高圧逃し弁134は閉じるので、第2の圧力逃し線150が閉じる。
【0024】
図4は、アクチュエータ122とポンプ130との間の流体連通が遮断するように、双方向弁142が閉じた荷重保持状態にある油圧システム構造120を示す。この構成では、アクチュエータ122は適所で油圧係止される。この構成では、電磁弁140は、ポンプ130からの流体出力が再循環線148を通ってタンクに向けられることができる開位置にあるように通電されないことが可能である。
【0025】
図5は、ポンプ130からアクチュエータ122に提供された油圧流体流れの量を制御するために双方向弁142が通電される、上昇モードにある油圧システム構造120を示す。こうしてアクチュエータ122に提供された流量、ひいてはアクチュエータ122の速度は、双方向比例弁142に提供された電流を変えることによって変えることができる。電流の量は、弁142を通る流路の大きさを制御し、弁を通る第1の状態方向に弁を通る流量を制御する。上昇モードで、電磁弁140は閉じ、ポンプ130からの超過流れはパイロット操作圧力逃し弁136を通ってタンク132に向けられる。効率性のために、パイロット操作圧力逃し弁136は、弁136のバネマージン圧力に依存してアクチュエータ122の作動圧力(例えば頭部圧力)の少し上に維持されるパイロット可変逃し圧力値を有する。上昇中に、位置センサはシステム制御装置に上昇速度を通信することができ、制御装置は、所望の上昇速度に達するために、弁を通る流量を調節するように弁142への制御コマンドを調節することができる。
【0026】
図6は、油圧流線144を開くために双方向比例弁142が再度通電した下降状態における油圧システム構造120を示す。アクチュエータ122からの油圧流体は、双方向比例弁142を通り、電磁弁140を通ってタンク132に向けられる。電磁弁140は開状態のために通電されない。比例弁142は、双方向弁142に提供された電流を変えることにより、アクチュエータ122から出る流量、ひいてはアクチュエータ122の下降速度を制御することができる。双方向比例弁142への電流を変えることにより、アクチュエータ122が下降する際に弁142を通る流路の大きさ、ひいては双方向弁142を通る流量を制御できることが認識されよう。下降中に弁142を通る流量は、弁142によって制御され、第1の方向と反対の第2の方向である。下降中に位置センサは、システム制御装置に下降速度を通信することができ、制御装置は、所望の下降速度に達するために、弁を通る流量を調節するように弁142への制御コマンドを調節することができる。
【0027】
図7及び8は、双方向比例弁142に対する例示的構成を示す。双方向弁142は、コイル202によって包囲された可動電機子200を含むソレノイド配置を含む。可動電機子200は、可動電機子200とコイル202との間に置かれた非磁気コア管203内に位置付けられる。可動電機子200は、バネ204によって下方に付勢され、軸207に沿ってコア管203内でコイル202に対して軸方向に可動である。可動電機子200の上端は、固定電機子205から間隙gだけ軸方向に分離される。間隙gの大きさは、可動電機子200が軸207に沿ってコイル202に対して動くにつれて変化する。固定電機子205は、コア管203の上端内に嵌合する。弁部材206(例えばバルブピン)は、弁部材206が軸207に沿って可動電機子200と共に軸方向に動くように、可動電機子200の下端に固定される。
【0028】
ソレノイド配置は、第1のポート212及び第2のポート214を画定する外弁体210上に搭載される。外弁体210は、第1及び第2の弁体部210a、210bを含む。外部シール211は、外弁体210が弁マニホールドの開口の中に挿入された(例えば螺合された)時に、第2のポート214の上又は下を封止するために外弁体210上に搭載される。内弁体216は、外弁体210内に位置付けられる。内弁体216(例えばメインポペット)は、チェックボール220によってその下端で開閉することができる中央通路218(
図7~10参照)を画定する。チェックボール220は、油圧流体を通路210の下端から出すことができるが、油圧流体が通路の下端に入ることを防ぐ。こうしてチェックボール220は、内弁体216の頂部から中央通路218を通って第1のポート212に流れることを可能にし、反対方向に流れることを防ぐ。側部通路219(
図7及び9参照)は、第2のポート214と中央通路218との間に流体連通を提供する。チェックボール215は、第2のポート214から側部通路219を通って中央通路218に流れることを可能にし、側部通路219を通って反対方向に流れることを防ぐ。
【0029】
内弁体216は、第2のポート214と内弁体216の頂側面との間に流体連通を提供する通路222(
図8及び10参照)も画定する。通路222の上端は、第2のポート214から通路222を通って内弁体216の頂側面に流れることを可能にし、通路222を通って反対方向に流れることを防ぐ、逆止弁224によって開閉される。通路222はオリフィス223を含む。内弁体216は、内弁体216の底部から内弁体216の頂部に延在する通路226(
図7及び9参照)も画定する。通路226の下端は、第1のポート212と流体連通する。通路226の頂端におけるチェックボール228は、第1のポート212から通路226を通って内弁体216の頂側面に流れることを可能にし、通路226を通って反対方向に流れることを防ぐ。通路226はオリフィス225を含む。保持リング409は、内弁体216(
図12参照)の頂部にチェックボール224、228を保持する。
【0030】
チェックボール220は、スナップリング(
図13参照)などの保持リング323によって内弁体216の下端内に保持されたチェックシート321によって内弁体216内に保持される。チェックシート321は、油圧流体が中央通路から軸方向にチェックシート323を通って第1のポート212に流れることを可能にするため、及び流体が第1のポート212から軸方向チェックシート223を通って通路226に流れることを可能にするために、周辺ノッチ325(
図13、15及び16参照)を含む。Oリングなどのシール327は内弁体216の外部に搭載され、外弁体210の内部に対して封止するように適合される。シール327は、バックアップワッシャ411の間で軸方向に搭載され、第2のポート214と内弁体216の上側面の上に置かれた上部チャンバとの間で内弁体216の外部に沿って軸方向に油圧流体が漏れることを防ぐ機能をする。外弁体210は内弁座231を画定する。
【0031】
チェックシート321は、中央部421及び中央部から半径方向外方に突起する複数の歯423を備えた、概して歯車形状の構成を有する。ノッチ325は歯423の間で周方向に画定され、第1のポート212における油圧が内弁体216の上のチャンバにおける油圧より高い時に、油圧流体を第1のポート212から通路226に流すことができるための流路を画定するように機能する。ノッチ325は、弁206が通路218を開き、内弁体216の上のチャンバにおける油圧が第1のポート212における圧力より高い時に、油圧流体を通路218から第1のポート212に流すこともできる。チェックボール220は、流体が第1のポート212から通路218の中に流れることを防ぐ。チェックシート321及びリング323は、内弁体216の下端内にチェックボール220を保持するために協同する。チェックシート321の頂側面は、チェックボール220が通路218からノッチ325を通って第1のポート212に流れることを可能にするために開位置に動く時に、チェックボール220を係合するように適合された中心軸突起425を含む。
【0032】
内弁体216の上側面に画定された中央通路218の上端は、弁部材206の下端によって開閉することができる。ソレノイド配置が通電していない時、バネ204は、中央通路218の上端が遮断され/閉じるように、中央通路218の上端における弁座407に対して下方に弁部材206を付勢する。こうして通路218は通常閉じる。ソレノイド配置が通電していない時に、中央通路218は遮断され、弁142は閉じる(
図7及び8参照)。弁142が閉じている時、リング部233は、内弁体216が第1のポート212と第2のポート214との間の流体連通を遮断し、流れが第1のポート212から弁142を通って第2のポート214に動くことを防止され、逆も同様に防止されるように、内弁座231に対して着座する。ソレノイドが通電していない状態で、バネ204は、内弁体216がバネ204により閉位置に向かって付勢されるように、内弁体216の頂側面に対して弁部材206を付勢する。追加として弁が通電されず中央通路218が遮断された状態で、第1のポート212であっても第2のポート214であっても弁142の高圧側は、内弁体216の上にパイロット圧力を発生し、これにより内弁体216を閉位置に保持する。
【0033】
ソレノイド配置が通電している時、弁142は比例流量モードで作動し、比例流量モードでは、第1のポート212と第2のポート214との間で弁142を通る流れは、第1のポート212から第2のポート214の第1の方向に比例制御することができ、第2のポート214から第1のポート212の第2の方向に比例制御することができる。ソレノイド配置が通電している時、弁部材206は、ソレノイド配置を通電するために使用した制御信号の大きさに比例する距離だけ内弁体216から上昇し、間隙gは、弁部材206の動く距離に等しい距離だけ短くなる。弁部材206が内弁体216から上昇すると、中央通路218は開き、パイロット圧力により内弁体216が弁部材206に追従し、それによってリング部233が内弁座231から上昇し、それによって外弁体210の内部と内弁体216の外部領域235(
図9及び10参照)との間に画定された流路を介して、第1のポート212と第2のポート214との間の流体連通が開く。流路の断面積は、弁部材206の位置によって決定される内弁体216の位置によって変化し、弁部材206の位置は、内弁体216が弁座231から上昇する時に停止部として機能する。弁部材206の位置は、ソレノイド配置を通電するために使用した制御信号(例えば電流)の大きさに依存する。
【0034】
内弁体216の外部領域235は、外弁体210と内弁体216との間に画定された流路の断面積を外弁体210に対して内弁体216の軸位置によって変化させる形状を有する。
図14に描かれたように、形状界面によりノッチ237が湾曲している。弁142の流量制御特性は、外部領域235に異なる形状及び大きさを有する流量制御形状を使用することによって変化することができることが認識されよう。例えば形状は、制御コマンド/弁位置と流量との間に異なる依存関係を提供するために、三角形のノッチ237a(
図17参照)、正方形若しくは長方形のノッチ(
図18参照)、組み合わせた形状を有するノッチ237c(
図19参照)又は他の形状などの異なる形状のノッチを含むことができる。
図20は、流量と弁位置との間の異なる例示的依存関係250a、250b、250c、250dを示す。例示的依存関係は、直線関係、湾曲関係、異なる傾斜を有する直線関係、及びそれらの組み合わせであることが可能である。異なる関係は、弁通路断面積の異なる変化率、ひいては内弁体の直線運動の所与の距離に対する流量の異なる変化率を有する弁をもたらす。
【0035】
図21は、弁が通電して/比例流量制御モードで作動している時、制御信号の大きさ(例えばソレノイドのコイルに提供された電流の大きさ)と内弁体の位置との間の例示的比例関係を示す。詳細には、
図21は、バネ204により電機子200に加えた軸力に対する間隙gの大きさとコイル202との間の関係を示す。間隙gの大きさは、電機子200、弁部材206及び内弁体216の位置に対応する。電機子200は、電機子に加えたバネ力が、電力がコイル202を通して加えられた時に発生した電磁力と等しく、対向する時に動きを停止する。
図21では、線300はバネ204の力を描く。更に線301は、最高制御コマンドの25パーセントの値を有する制御信号が加えられた時に、コイル202によって電機子200に加えられた電磁力を描く。線302は、最高制御コマンドの50パーセントの値を有する制御信号が加えられた時に、コイル202によって電機子200に加えられた電磁力を描く。線303は、最高制御コマンドの75パーセントの値を有する制御信号が加えられた時に、コイル202によって電機子200に加えられた電磁力を描く。線304は、最高制御コマンドの100パーセントの値を有する制御信号が加えられた時に、コイル202によって電機子200に加えられた電磁力を描く。電機子の位置は、所与の制御コマンドの大きさに対応する力線がバネ力線300と交差する場所で画定される。内弁体216の多数(例えば無限)の位置及び対応する複数の異なる流量は、制御コマンドの大きさ、ひいては電機子に加えた電磁力の大きさを変えることによって画定することができる。
【0036】
上に示したように、弁142を通る流量は、第1のポート212から第2のポート214に延在する第1の方向、及び第2のポート214から第1のポート212への第2の反対方向に制御することができる。比例流量制御は、所望の流量に対応する大きさを有する制御信号で弁142のソレノイドを通電することによって提供される。制御信号の大きさを調節することによって、ポート212と214との間の弁通路の断面積の大きさを調節することができ、それによってポート212と214との間の流量を調節することができる。弁142によって制御される油圧アクチュエータの動きは監視することができ、油圧アクチュエータが所望の速度で動くことを確実にするように、制御信号を修正するためのフィードバックループを提供するために使用することができる。通路218、219、222、及び226は、ソレノイドが通電され、弁部材206が中心通路218から上昇すると、内弁体216が閉位置から、内弁体216が弁部材206に接触し、制御された流量が第1のポート212と第2のポート214との間で弁142を通ることができる比例流量位置にパイロット圧力によって動くように構成された弁パイロット流路を画定する。
【0037】
弁142が通電していない時、弁部材206は、内弁体216の頂部と通路218との間の流体連通を遮断するために中央通路218の頂端を閉じる。更に弁142が通電していない状態で、内弁体216は、流体流れが第1のポート212と第2のポート214との間で両方向に流れることを内弁体216によって防止される閉位置にある。第1のポート212は第2のポート214より高圧を有する第1の条件では、内弁体216の上の領域は、第1のポート212から通路226を通るパイロット圧力によって加圧される。内弁体216の上の圧力は、内弁部材216を閉位置に保持するために内弁体216の頂部に作用する。この第1の条件では、第1のポート212から第2のポート214に比例制御された流量を提供するために、弁が通電することにより弁部材206が中央通路218の頂部から上昇する。これが起きると、内弁体216の上の領域は、中央通路218及び側部通路219を通る第2のポート214との流体連通を介して減圧する。オリフィス225は、第1のポート212から内弁体216の上の領域への流れを制限することにより、この減圧を支援する。内弁体216の上の領域が減圧した状態で、第1のポート212の圧力がより高いことによって内弁体が弁座231から上昇し、第1のポート212から第2のポート214に所望の流量に対応する弁位置で弁部材206と接触するように動く。弁が通電していない時、バネ204は、弁部材206を内弁体216の頂部と接触させたままにし、それによって中央通路218の遮断を維持する。これにより内弁体216の上の領域は再加圧して、内弁体216の頂部に作用するパイロット圧力を介して内弁体216を閉位置に戻して留まらせることができる。
【0038】
第2のポート214が第1のポート212より高い圧力を有する第2の条件では、内弁体216の上の領域は、第2のポート214から通路222を通るパイロット圧力によって加圧される。内弁体216の上の圧力は、内弁体216を閉位置に保持するために内弁体216の頂部に作用する。この第2の条件では、第2のポート214から第1のポート212に比例制御された流量を提供するために、弁は通電して弁部材206が中央通路218の頂部から上昇する。これが起きると、内弁体216の上の領域は、中央通路218を通る第1のポート212との流体連通を介して減圧する。オリフィス223は、第2のポート214から内弁体216の上の領域への流れを制限することにより、この減圧を支援する。内弁体216の上の領域が減圧した状態で、第2のポート214のより高い圧力が内弁体216の外側に作用して、内弁体216が弁座231から上昇し、第2のポート214から第1のポート212に所望の流量に対応する弁位置で弁部材206と接触するように動く。弁が通電していない時、バネ204は、弁部材206を内弁体216の頂部と接触させたままにし、それによって中央通路218の遮断を維持する。これにより内弁体216の上の領域は再加圧して、内弁体216の頂部に作用するパイロット圧力を介して内弁体216を閉位置に戻して留まらせることができる。
【0039】
前述の詳細から、修正及び変形が本開示の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができることが明らかになろう。