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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20241129BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241129BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20241129BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H01M4/66 A
H02J7/10 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022509751
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(86)【国際出願番号】 IB2021052200
(87)【国際公開番号】W WO2021191736
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2024-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2020057843
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭
(72)【発明者】
【氏名】種村 和幸
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/020795(WO,A2)
【文献】特開2017-192124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/44
H01M 10/48
H01M 4/66
H02J 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、第1電池セルと、比較回路と、制御回路と、第1トランジスタと、容量素子と、を有し、
前記第1電池セルは、前記第1基板上の第1電極と、前記第1電極上の正極活物質層と、前記正極活物質層上の電解質層と、前記電解質層上の負極活物質層と、前記負極活物質層上の第2電極と、を有し、
前記比較回路は、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子と、第トランジスタと、を有し、
前記第1トランジスタのソースおよびドレインの一方は、前記第2入力端子と電気的に接続され、
前記第1トランジスタのソースおよびドレインの他方は、前記容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1トランジスタは、酸化物半導体を有し、
前記第トランジスタは、前記第1基板上の酸化物半導体と、前記酸化物半導体上の第1絶縁体と、前記第1絶縁体上のゲート電極と、を有し、
前記第1電極は、前記第トランジスタのゲート電極および前記第1入力端子と電気的に接続され、
前記比較回路は、前記第1電極の電位と所望の基準電位の比較結果に応じた第1信号を、前記出力端子から前記制御回路へ出力する機能を有し、
前記制御回路は、前記第1信号に応じて前記第1電池セルの充電を制御する機能を有する蓄電装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記出力端子は、前記第トランジスタのソースまたはドレインと電気的に接続される蓄電装置。
【請求項3】
請求項1において
化物半導体を有する第3トランジスタを有し
記出力端子は、前記第3トランジスタのソースまたはドレインと電気的に接続される蓄電装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記第トランジスタが有するゲート電極上の第2絶縁体と、前記第2絶縁体上の第3電極と、を有し、
前記第1電極は、前記第2絶縁体上に位置し、
前記第1電極と前記第3電極はそれぞれチタン化合物を有し、
前記第3電極は、前記第トランジスタのソースまたはドレインと電気的に接続される蓄電装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記第トランジスタは、ソース電極およびドレイン電極を有し、
前記第1電極と、前記第トランジスタが有するソース電極と、前記第トランジスタが有するドレイン電極と、はそれぞれチタン化合物を有する蓄電装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1電極と、前記第トランジスタが有するゲート電極と、はそれぞれチタン化合物を有する蓄電装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項のいずれか一において、
第2電池セルと、変換回路と、クロック生成回路と、昇圧回路と、電圧保持回路と、を有し、
前記第トランジスタはバックゲートを有し、
前記変換回路は、前記第2電池セルの正極電位を変換し、第2信号として前記クロック生成回路に与える機能を有し、
前記クロック生成回路は、前記第2信号を用いて、クロック信号である第3信号を生成する機能を有し、
前記昇圧回路は、前記第3信号を用いて第1電位を生成する機能を有し、
前記電圧保持回路は、前記第1電位を前記バックゲートに与えて保持する機能を有する蓄電装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項のいずれか一において、
前記第1基板は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、金属基板、半導体基板、SOI基板、およびプラスチック基板のいずれかである蓄電装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項のいずれか一において、
前記第1基板は、半導体基板であり、
前記第1基板は、シリコンを有し、
チャネル形成領域が前記第1基板に設けられるトランジスタを有する蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、半導体装置、及び半導体装置の動作方法に関する。また、本発明の一態様は、電池制御回路、電池保護回路、蓄電装置、及び電子機器に関する。
【0002】
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、表示装置、発光装置、蓄電装置、撮像装置、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
蓄電装置(バッテリ、二次電池ともいう)は、小型の電子機器から自動車に至るまで幅広い分野で利用されるようになっている。電池の応用範囲が広がるにつれて、複数の電池セルを直列に接続したマルチセル構成のバッテリスタックを使ったアプリケーションが増えている。
【0004】
蓄電装置は、過放電、過充電、過電流、または短絡といった充放電時の異常を把握するための回路を備えている。このように、電池の保護、及び制御を行う回路において、充放電時の異常を検知するため、電圧や電流等のデータを取得する。また、このような回路においては、観測されるデータに基づいて、充放電の停止やセル・バランシングなどの制御を行う。
【0005】
特許文献1は、電池保護回路として機能する保護ICについて開示している。特許文献1では、内部に複数のコンパレータ(比較器)を設け、参照電圧と、電池が接続された端子の電圧と、を比較して充放電時の異常を検出する保護ICについて開示している。
【0006】
また特許文献2では、二次電池の微小短絡を検出する電池状態検知装置及びそれを内蔵する電池パックを開示している。
【0007】
また特許文献3では、二次電池のセルが直列接続された組電池を保護する保護用半導体装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2011-267726号明細書
【文献】特開2010-66161号公報
【文献】特開2010-220389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一態様は、新規な、電池制御回路、電池保護回路、蓄電装置、半導体装置、車両、電子機器等を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、消費電力の低い、電池制御回路、電池保護回路、蓄電装置、半導体装置、車両、電子機器等を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、集積度の高い、電池制御回路、電池保護回路、蓄電装置、半導体装置、車両、電子機器等を提供することを課題の一とする。
【0010】
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び/又は他の課題のうち、少なくとも一つの課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、第1基板と、第1電池セルと、比較回路と、制御回路と、を有し、第1電池セルは、第1基板上の第1電極と、第1電極上の正極活物質層と、正極活物質層上の電解質層と、電解質層上の負極活物質層と、負極活物質層上の第2電極と、を有し、比較回路は、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子と、第1トランジスタと、を有し、第1トランジスタは、第1基板上の酸化物半導体と、酸化物半導体上の第1絶縁体と、第1絶縁体上のゲート電極と、を有し、第1電極は、第1トランジスタのゲートおよび第1入力端子に電気的に接続され、比較回路は、第1電極の電位と所望の基準電位の比較結果に応じた第1信号を、出力端子から制御回路へ、出力する機能を有し、制御回路は、第1信号に応じて第1電池セルの充電を制御する機能を有する蓄電装置である。
【0012】
また上記構成において、第2トランジスタと、容量素子と、を有し、第2トランジスタのソースおよびドレインの一方は、第2入力端子に電気的に接続され、第2トランジスタのソースおよびドレインの他方は、容量素子の一方の電極に電気的に接続され、第2トランジスタは、酸化物半導体を有することが好ましい。
【0013】
また上記構成において、出力端子は、第1トランジスタのソースまたはドレインと電気的に接続されることが好ましい。
【0014】
また上記構成において、酸化物半導体を有する第2トランジスタと、酸化物半導体を有する第3トランジスタと、容量素子と、を有し、第2トランジスタのソースおよびドレインの一方は、第2入力端子および第3トランジスタのゲートと電気的に接続され、第2トランジスタのソースおよびドレインの他方は、容量素子の一方の電極と電気的に接続され、出力端子は、第3トランジスタのソースまたはドレインと電気的に接続されることが好ましい。
【0015】
また、上記構成において、第1トランジスタが有するゲート電極上の第2絶縁体と、第2絶縁体上の第3電極と、を有し、第1電極は、第2絶縁体上に位置し、第1電極と第3電極はそれぞれチタン化合物を有し、第3電極は、第1トランジスタのソースまたはドレインと電気的に接続されることが好ましい。
【0016】
また、上記構成において、第1トランジスタは、ソース電極およびドレイン電極を有し、第1電極と、第1トランジスタが有するソース電極と、第1トランジスタが有するドレイン電極と、はそれぞれチタン化合物を有することが好ましい。
【0017】
また、上記構成において、第1電極と、第1トランジスタが有するゲート電極と、はそれぞれチタン化合物を有することが好ましい。
【0018】
また上記構成において、第2電池セルと、変換回路と、クロック生成回路と、昇圧回路と、電圧保持回路と、を有し、第1トランジスタはバックゲートを有し、変換回路は、第2電池セルの正極電位を変換し、第2信号としてクロック生成回路に与える機能を有し、クロック生成回路は、第2信号を用いて、クロック信号である第3信号を生成する機能を有し、昇圧回路は、第3信号を用いて第1電位を生成する機能を有し、電圧保持回路は、第1電位をバックゲートに与えて保持する機能を有することが好ましい。
【0019】
また上記構成において、第1基板は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、金属基板、半導体基板、SOI基板、およびプラスチック基板のいずれかであることが好ましい。
【0020】
また上記構成において、第1基板は、半導体基板であり、第1基板は、シリコンを有し、チャネル形成領域が第1基板に設けられるトランジスタを有することが好ましい。
【0021】
または、本発明の一態様は、第1基板と、第1基板上の酸化物半導体、酸化物半導体上の第1絶縁体および第1絶縁体上のゲート電極を有する第1トランジスタと、酸化物半導体上の第2絶縁体と、第2絶縁体上の第1電極、第1電極上の正極活物質層、正極活物質層上の電解質層、電解質層上の負極活物質層および負極活物質層上の第2電極を有する第1電池セルと、第2絶縁体上の第3電極と、を有し、第3電極は、第1トランジスタのソースまたはドレインに電気的に接続される蓄電装置である。
【0022】
また、上記構成において、第1電極および第3電極は、チタン化合物を有することが好ましい。
【0023】
また、上記構成において、第1トランジスタは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有することが好ましい。
【0024】
また、上記構成において、第3電極上の第4電極と、第3電極と第4電極に挟まれる第3絶縁体と、を有し、第1電極および第4電極はそれぞれ、チタン化合物を有することが好ましい。
【0025】
また、上記構成において、第3電極上の第4電極と、第3電極と第4電極に挟まれる圧電体層と、を有し、第1電極および第4電極はそれぞれ、チタン化合物を有することが好ましい。
【0026】
または、本発明の一態様は、第1基板と、第1基板上のソース電極およびドレイン電極、ソース電極およびドレイン電極上の酸化物半導体、酸化物半導体上の第1絶縁体、ならびに第1絶縁体上のゲート電極を有する第1トランジスタと、第1基板上の第1電極、第1電極上の正極活物質層、正極活物質層上の電解質層、電解質層上の負極活物質層および負極活物質層上の第2電極を有する第1電池セルと、を有し、ソース電極、ドレイン電極および第1電極はそれぞれ、チタン化合物を有する蓄電装置である。
【0027】
または、本発明の一態様は、第1基板と、第1の電池セルと、比較回路と、制御回路と、圧電素子と、を有し、第1の電池セルは、第1基板上の第1電極と、第1電極上の正極活物質層と、正極活物質層上の電解質層と、電解質層上の負極活物質層と、負極活物質層上の第2電極と、を有し、比較回路は、第1トランジスタを有し、第1トランジスタは、第1基板上の酸化物半導体と、酸化物半導体上の第1絶縁体と、第1絶縁体上のゲート電極と、を有し、圧電素子は、第3電極と、第3電極上の圧電体層と、圧電体層上の第4電極と、を有し、第1電極は、第1トランジスタのゲート電極と電気的に接続され、比較回路は、第1電極の電位と所望の電位の比較結果に応じた第1信号を制御回路へ出力する機能を有し、制御回路は、第1信号に応じて第1の電池セルの充電を制御する機能を有する電子機器である。
【0028】
また、上記構成において、第1電極および第3電極はそれぞれチタン化合物を有することが好ましい。
【0029】
または、本発明の一態様は、第1基板と、第1電池セルと、比較回路と、表示部と、駆動回路と、を有し、第1基板は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、金属基板、半導体基板、SOI基板、およびプラスチック基板から選ばれ、第1電池セルは、第1基板上の第1電極と、第1電極上の正極活物質層と、正極活物質層上の電解質層と、電解質層上の負極活物質層と、負極活物質層上の第2電極と、を有し、第1電極は、チタン化合物を有し、比較回路は、第1トランジスタを有し、第1トランジスタは、第1基板上の酸化物半導体と、酸化物半導体上のソース電極およびドレイン電極と、酸化物半導体上の第1絶縁体と、第1絶縁体上のゲート電極と、を有し、第1電極は、第1トランジスタのゲートに電気的に接続され、駆動回路は、表示部に画像信号を与える機能を有し、駆動回路は、酸化物半導体を有するトランジスタを複数有する電子機器である。
【0030】
または、本発明の一態様は、第1基板と、第1電池セルと、比較回路と、制御回路と、を有し、第1電池セルは、第1基板上の第1電極と、第1電極上の正極活物質層と、正極活物質層上の電解質層と、電解質層上の負極活物質層と、負極活物質層上の第2電極と、を有し、第1電極は、チタン化合物を有し、比較回路は、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子と、第1トランジスタと、を有し、第1トランジスタは、第1基板上の酸化物半導体と、酸化物半導体上のソース電極およびドレイン電極と、酸化物半導体上の第1絶縁体と、第1絶縁体上のゲート電極と、を有し、第1入力端子は、ゲート電極に電気的に接続され、第1電極は、第1の入力端子に電気的に接続され、比較回路は、第1電極の電位と、所望の基準電位と、の比較結果に応じた第1信号を、出力端子から制御回路へ、出力する機能を有し、制御回路は、第1信号に応じて第1の電池セルの充電を制御する機能を有する蓄電装置である。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一態様により、新規な電池制御回路、新規な電池保護回路、蓄電装置、半導体装置、車両、電子機器等を提供することができる。また、本発明の一態様により、消費電力の低い、電池制御回路、電池保護回路、蓄電装置、半導体装置、車両、電子機器等を提供することができる。また、本発明の一態様により、集積度の高い、電池制御回路、電池保護回路、蓄電装置、半導体装置、車両、電子機器等を提供することができる。
【0032】
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び/又は他の効果のうち、少なくとも一つの効果を有するものである。従って本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果を有さない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1Aは本発明の一態様の二次電池の上面図である。図1Bは本発明の一態様の二次電池の断面図である。
図2は本発明の一態様を示す断面図である。
図3は本発明の一態様を示す断面図である。
図4は本発明の一態様を示す断面図である。
図5は本発明の一態様を示す断面図である。
図6は本発明の一態様を示す断面図である。
図7Aは本発明の一態様のトランジスタを示す断面図である。図7Bは本発明の一態様のトランジスタを示す断面図である。
図8Aは本発明の一態様の二次電池の上面図である。図8Bは本発明の一態様の二次電池の上面図である。
図9は本発明の一態様を説明するブロック図である。
図10Aは本発明の一態様を説明する回路図である。図10Bは本発明の一態様の説明する回路図である。
図11は本発明の一態様を説明するブロック図である。
図12Aは本発明の一態様を説明するブロック図である。図12Bは本発明の一態様を説明する回路図である。
図13Aは本発明の一態様を説明する回路図である。図13Bは本発明の一態様を説明する回路図である。
図14Aは本発明の一態様を説明する回路図である。図14Bは本発明の一態様を説明する回路図である。図14Cは本発明の一態様を説明する回路図である。
図15Aは本発明の一態様を説明する回路図である。図15Bは本発明の一態様を説明する回路図である。
図16は電子機器の一例を説明する図である。
図17Aは電子機器の一例を説明する図である。図17Bは電子機器の一例を説明する図である。図17Cは電子機器の一例を説明する図である。
図18Aは電子機器の一例を説明する図である。図18Bは電子機器の一例を説明する図である。
図19Aは電子機器の一例を説明する図である。図19Bは電子機器の一例を説明する図である。図19Cは飛行体の一例を説明する図である。図19Dは車両の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0035】
なお本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
【0036】
なお図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0037】
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、発明の理解を容易とするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理によりレジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするために図に反映しないことがある。
【0038】
また、上面図(「平面図」ともいう)や斜視図などにおいて、図面をわかりやすくするために、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。
【0039】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0040】
また、本明細書等において「端子」は例えば、配線、あるいは配線に接続される電極を指す場合がある。また、本明細書等において「配線」の一部を「端子」と呼ぶ場合がある。
【0041】
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0042】
また、ソースおよびドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合など、動作条件などによって互いに入れ替わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。このため、本明細書においては、ソースおよびドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0043】
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、直接接続している場合と、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
【0044】
また、本明細書等において、「平行」とは、例えば、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」および「直交」とは、例えば、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0045】
なお、本明細書などにおいて、計数値および計量値に関して「同一」、「同じ」、「等しい」または「均一」などと言う場合は、明示されている場合を除き、プラスマイナス20%の誤差を含むものとする。
【0046】
また、本明細書において、レジストマスクを形成した後にエッチング処理を行う場合は、特段の説明がない限り、レジストマスクは、エッチング処理終了後に除去するものとする。
【0047】
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧と電位は互いに言い換えることが可能な場合が多い。
【0048】
なお、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分低い場合は「絶縁体」としての特性を有する。よって、「半導体」を「絶縁体」に置き換えて用いることも可能である。この場合、「半導体」と「絶縁体」の境界は曖昧であり、両者の厳密な区別は難しい。したがって、本明細書に記載の「半導体」と「絶縁体」は、互いに読み換えることができる場合がある。
【0049】
また、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分高い場合は「導電体」としての特性を有する。よって、「半導体」を「導電体」に置き換えて用いることも可能である。この場合、「半導体」と「導電体」の境界は曖昧であり、両者の厳密な区別は難しい。したがって、本明細書に記載の「半導体」と「導電体」は、互いに読み換えることができる場合がある。
【0050】
なお、本明細書等において、トランジスタの「オン状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡しているとみなせる状態(「導通状態」ともいう。)をいう。また、トランジスタの「オフ状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断しているとみなせる状態(「非導通状態」ともいう。)をいう。
【0051】
また、本明細書等において、「オン電流」とは、トランジスタがオン状態の時にソースとドレイン間に流れる電流をいう場合がある。また、「オフ電流」とは、トランジスタがオフ状態である時にソースとドレイン間に流れる電流をいう場合がある。
【0052】
また、本明細書等において、高電源電位VDD(以下、単に「VDD」または「H電位」ともいう)とは、低電源電位VSSよりも高い電位の電源電位を示す。また、低電源電位VSS(以下、単に「VSS」または「L電位」ともいう)とは、高電源電位VDDよりも低い電位の電源電位を示す。また、接地電位をVDDまたはVSSとして用いることもできる。例えばVDDが接地電位の場合には、VSSは接地電位より低い電位であり、VSSが接地電位の場合には、VDDは接地電位より高い電位である。
【0053】
また、本明細書等において、ゲートとは、ゲート電極およびゲート配線の一部または全部のことをいう。ゲート配線とは、少なくとも一つのトランジスタのゲート電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
【0054】
また、本明細書等において、ソースとは、ソース領域、ソース電極、およびソース配線の一部または全部のことをいう。ソース領域とは、半導体層のうち、抵抗率が一定値以下の領域のことをいう。ソース電極とは、ソース領域に接続される部分の導電層のことをいう。ソース配線とは、少なくとも一つのトランジスタのソース電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
【0055】
また、本明細書等において、ドレインとは、ドレイン領域、ドレイン電極、及びドレイン配線の一部または全部のことをいう。ドレイン領域とは、半導体層のうち、抵抗率が一定値以下の領域のことをいう。ドレイン電極とは、ドレイン領域に接続される部分の導電層のことをいう。ドレイン配線とは、少なくとも一つのトランジスタのドレイン電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
【0056】
(実施の形態1)
図1を用いて、本発明の一態様の二次電池について説明する。
【0057】
[二次電池の構成]
【0058】
図1Aおよび図1Bに本発明の一態様の二次電池200の具体的な一例を示す。ここでは基板110上に形成された二次電池200について説明する。
【0059】
図1Aは上面図であり、図1B図1A中の線A-A’で切断した断面図である。二次電池200は薄膜電池であり、図1B示すように基板110上に正極100及び固体電解質層203の積層が形成され、固体電解質層203上に負極210が形成されている。正極100は、正極集電体103と、正極集電体103上の正極活物質層101と、を有する。負極210は、負極活物質層204と、負極活物質層204上の負極集電体205と、を有する。固体電解質層203は正極活物質層101と負極活物質層204の間に設けられる。
【0060】
また、二次電池200には正極100、固体電解質層203および負極210上に保護層206が形成されていることが好ましい。
【0061】
これらの層を形成する膜は、それぞれメタルマスクを用いて形成することができる。スパッタ法を用いて正極集電体103、正極活物質層101、固体電解質層203、負極活物質層204、負極集電体205を選択的に形成することができる。また、共蒸着法を用い、メタルマスクを用いることで固体電解質層203を選択的に形成してもよい。
【0062】
図1Aに示すように負極集電体205の一部を露出させて負極端子部を形成している。また、正極集電体103の一部を露出させて正極端子部を形成している。負極端子部および正極端子部以外の領域は、保護層206で覆われている。
【0063】
正極集電体103としては導電性を有する材料を用いることが好ましい。また酸化を抑制しやすい材料を用いることが好ましい。例えばチタン化合物である酸化チタン、窒化チタン、一部窒素に置換された酸化チタン、一部酸素に置換された窒化チタン、または酸化窒化チタン(TiO、0<x<2、0<y<1)等を適用することができる。中でも窒化チタンは導電性が高くかつ酸化を抑制する機能が高いため特に好ましい。窒化チタンを用いることにより、正極活物質層101が有する結晶構造を安定化させることができる場合がある。
【0064】
また、正極集電体103として、積層構造を用いてもよい。例えば、金、白金、アルミニウム、チタン、銅、マグネシウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、銀、パラジウム等の金属、及びこれらの合金などの材料を有する第1層を設け、第1層上に積層して、チタン化合物を有する第2層を設けてもよい。
【0065】
固体電解質層203の材料としては、Li0.35La0.55TiO、La(2/3-X)Li3XTiO、LiPO、LiPO(4-Y)、LiNb(1-X)Ta(X)WO、LiLaZr12、Li(1+X)Al(X)Ti(2-X)(PO、Li(1+X)Al(X)Ge(2-X)(PO、LiNbO等があげられる。なお、X>0、Y>0である。成膜方法としては、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。
【0066】
固体電解質層203を積層構造としてもよく、積層とする場合、一層にリン酸リチウム(LiPO)に窒素を添加した材料(LiPO(4-Z):LiPONとも呼ばれる)を積層してもよい。なお、Z>0である。
【0067】
また、固体電解質層203は例えば、スパッタ法で形成することができる。
【0068】
正極活物質層101はリチウムと、遷移金属Mと、酸素と、を有する。正極活物質層101はリチウムと遷移金属Mを含む複合酸化物を有するといってもよい。
【0069】
正極活物質層101が有する遷移金属Mとしては、リチウムとともに空間群R-3mに属する層状岩塩型の複合酸化物を形成しうる金属を用いことが好ましい。遷移金属Mとして、例えばマンガン、コバルト、ニッケルのうち一つもしくは複数を用いることができる。つまり正極活物質層101が有する遷移金属としてコバルトのみを用いてもよいし、ニッケルのみを用いてもよいし、コバルトとマンガンの2種、またはコバルトとニッケルの2種を用いてもよいし、コバルト、マンガン、ニッケルの3種を用いてもよい。つまり正極活物質層101は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルトの一部がマンガンで置換されたコバルト酸リチウム、コバルトの一部がニッケルで置換されたコバルト酸リチウム、ニッケル-マンガン-コバルト酸リチウム等の、リチウムと遷移金属Mを含む複合酸化物を有することができる。
【0070】
また正極活物質層101は上記に加えて、マグネシウム、フッ素、アルミニウムをはじめとする遷移金属M以外の元素を有していてもよい。これらの元素が、正極活物質層101が有する結晶構造をより安定化させる場合がある。つまり正極活物質層101は、マグネシウムおよびフッ素が添加されたコバルト酸リチウム、マグネシウムおよびフッ素が添加されたニッケル-コバルト酸リチウム、マグネシウムおよびフッ素が添加されたコバルト-アルミニウム酸リチウム、ニッケル-コバルト-アルミニウム酸リチウム、マグネシウムおよびフッ素が添加されたニッケル-コバルト-アルミニウム酸リチウム等を有することができる。
【0071】
正極活物質層101がリチウム、コバルト、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム、酸素およびフッ素を有する場合、正極活物質層101が有するコバルトの原子数比を100としたときニッケルの原子数比は例えば0.05以上2以下が好ましく、0.1以上1.5以下がより好ましく、0.1以上0.9以下がさらに好ましい。正極活物質層101が有するコバルトの原子数比を100としたときアルミニウムの原子数比は例えば0.05以上2以下が好ましく、0.1以上1.5以下がより好ましく、0.1以上0.9以下がさらに好ましい。正極活物質層101が有するコバルトの原子数比を100としたときマグネシウムの原子数比は、例えば0.1以上6以下が好ましく、0.3以上3以下がより好ましい。また正極活物質層101が有するマグネシウムの原子数比を1としたときフッ素の原子数比は例えば2以上3.9以下が好ましい。
【0072】
上記のような濃度でニッケル、アルミニウムおよびマグネシウムを有することで、高電圧で充放電を繰り返しても安定した結晶構造を保つことができる。そのため高容量で充放電サイクル特性に優れた正極活物質層101とすることができる。
【0073】
コバルト、ニッケル、アルミニウムおよびマグネシウムのモル濃度は例えば誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)により評価することができる。フッ素のモル濃度は例えばグロー放電質量分析法(GD-MS)により評価することができる。
【0074】
正極活物質として例えば、スピネル型結晶構造を有する複合酸化物等を用いることができる。また、正極活物質として例えば、ポリアニオン系の材料を用いることができる。ポリアニオン系の材料として例えば、オリビン型の結晶構造を有する材料、ナシコン型の材料、等が挙げられる。また、正極活物質として例えば、硫黄を有する材料を用いることができる。
【0075】
スピネル型の結晶構造を有する材料として例えば、一般式LiMで表される複合酸化物を用いることができる。上記一般式LiMにおいて、元素MとしてMnを有することが好ましい。例えば、LiMnを用いることができる。また上記一般式LiMにおいて、元素Mとして、Mnに加えてNiを有することにより、二次電池の放電電圧が向上し、エネルギー密度が向上する場合があり、好ましい。また、LiMn等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有するリチウム含有材料に、少量のニッケル酸リチウム(LiNiOやLiNi1-x(M=Co、Al等))を混合することにより、二次電池の特性を向上させることができ、好ましい。
【0076】
ポリアニオン系の材料として例えば、酸素と、金属Aと、金属Mと、元素Zと、を有する複合酸化物を用いることができる。上記ポリアニオン系の材料が有する金属AはLi、Na、Mgの一以上であり、上記ポリアニオン系の材料が有する金属MはFe、Mn、Co、Ni、Ti、V、Nbの一以上であり、元素ZはS、P、Mo、W、As、Siの一以上である。
【0077】
オリビン型の結晶構造を有する材料として例えば、複合材料(一般式LiMPO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等のリチウム化合物を用いることができる。
【0078】
また、一般式Li(2-j)MSiO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等の複合材料を用いることができる。一般式Li(2-j)MSiOの代表例としては、Li(2-j)FeSiO、Li(2-j)NiSiO、Li(2-j)CoSiO、Li(2-j)MnSiO、Li(2-j)FeNiSiO、Li(2-j)FeCoSiO、Li(2-j)FeMnSiO、Li(2-j)NiCoSiO、Li(2-j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2-j)FeNiCoSiO、Li(2-j)FeNiMnSiO、Li(2-j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2-j)FeNiCoMnSiO(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
【0079】
また、A(XO(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるナシコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe(MnO、Fe(SO、LiFe(PO等がある。また、正極活物質として、LiMPOF、LiMP、LiMO(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物を用いることができる。
【0080】
また、正極活物質として、NaFeF、FeF等のペロブスカイト型フッ化物、TiS、MoS等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO等の逆スピネル型の結晶構造を有する酸化物、バナジウム酸化物系(V、V13、LiV等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いてもよい。
【0081】
また、正極活物質として、一般式LiMBO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II))で表されるホウ酸塩系材料を用いてもよい。
【0082】
ナトリウムを有する材料として例えば、NaFeOや、Na2/3[Fe1/2Mn1/2]O、Na2/3[Ni1/3Mn2/3]O、NaFe(SO、Na(PO、NaFePOF、NaVPOF、NaMPO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II))、NaFePOF、NaCo(PO、などのナトリウム含有酸化物を正極活物質として用いてもよい。
【0083】
また、正極活物質として、リチウム含有金属硫化物を用いてもよい。例えば、LiTiS、LiNbSなどが挙げられる。
【0084】
本発明の一態様の正極活物質として、上記に挙げる材料のうち、二以上を混合して用いてもよい。
【0085】
負極活物質層204としてはシリコン、炭素、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニッケルなどを用いることができる。またスズ、ガリウム、アルミニウムなどLiと合金化する材料を用いる事ができる。またこれら合金化する金属酸化物を用いても良い。また、リチウムチタン酸化物(LiTi12、LiTiなど)を用いても良い。中でも、負極活物質層204として、シリコン及び酸素を含む材料(SiO膜ともいう)を用いることが好ましい。また、負極活物質層204としてLi金属を用いてもよい。
【0086】
なお、二次電池200において、正極、固体電解質層および負極を一組とし、複数組積層して直列に接続することにより、二次電池の電圧を高めてもよい。
【0087】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0088】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置の構成例を説明する。
【0089】
本発明の一態様の蓄電装置は、二次電池と、電池制御回路と、を有する。該電池制御回路は例えば、二次電池を保護する機能を有する。また、該電池制御回路は例えば、二次電池の充電を制御する機能を有する。また、該電池制御回路は例えば、二次電池の電圧を監視する機能を有する。
【0090】
本発明の一態様の電池制御回路は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を有することが好ましい。OSトランジスタを有する電池制御回路の詳細については後述する。また、本発明の一態様の電池制御回路は、OSトランジスタに加えて、チャネル形成領域にシリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、シリコンカーバイド、等を有するトランジスタを有してもよい。
【0091】
図2には、本発明の一態様の蓄電装置に適用可能な構成例を示す。図2に示す構成例は、二次電池200と、電池制御回路が有するOSトランジスタであるトランジスタ500と、を基板599上に積層して設ける例を示す。なお、図2には基板599上に二次電池が一つ、設けられる例を示すが、基板599上に2以上の二次電池を設けてもよい。そのような場合には例えば、互いの正極または負極のいずれかを共通して用いてもよい。また、互いの正極、負極、電解質、等について、共通の材料を用いることが好ましい。
【0092】
基板599として、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、金属基板(例えば、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板など)、半導体基板(例えば、単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、または化合物半導体基板など)SOI(SOI:Silicon on Insulator)基板、プラスチック基板、等を用いることができる。また、基板として、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、または基材フィルムなどを用いることができる。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の合成樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、またはポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド樹脂、エポキシ樹脂、無機蒸着フィルム、または紙類などがある。
【0093】
図2において、基板599上には絶縁体514が設けられる。絶縁体514として、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。絶縁体514として例えば、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
【0094】
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
【0095】
<トランジスタ500>
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物530として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。
【0096】
具体的には、酸化物530aとして、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]、または1:1:0.5[原子数比]の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530bとして、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]、または1:1:1[原子数比]の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cとして、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]、Ga:Zn=2:1[原子数比]、またはGa:Zn=2:5[原子数比]の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cを積層構造とする場合の具体例としては、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]と、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]との積層構造、Ga:Zn=2:1[原子数比]と、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]との積層構造、Ga:Zn=2:5[原子数比]と、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]との積層構造、酸化ガリウムと、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]との積層構造などが挙げられる。
【0097】
また、酸化物530bは、結晶性を有していてもよい。例えば、後述するCAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)を用いることが好ましい。CAAC-OSなどの結晶性を有する酸化物は、不純物や欠陥(酸素欠損など)が少なく、結晶性の高い、緻密な構造を有している。よって、ソース電極またはドレイン電極による、酸化物530bからの酸素の引き抜きを抑制することができる。また、加熱処理を行っても、酸化物530bから酸素が、引き抜かれることを低減できるので、トランジスタ500は、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対して安定である。
【0098】
酸化物530においてチャネル形成領域にとして機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0099】
酸化物530は、酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
【0100】
なお、酸化物530は、各金属原子の原子数比が異なる複数の酸化物層の積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530cは、酸化物530a又は酸化物530bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
【0101】
また、酸化物530a及び酸化物530cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物530bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物530a及び酸化物530cの電子親和力が、酸化物530bの電子親和力より小さいことが好ましい。
【0102】
ここで、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
【0103】
具体的には、酸化物530aと酸化物530b、酸化物530bと酸化物530cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn-Ga-Zn酸化物の場合、酸化物530a及び酸化物530cとして、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
【0104】
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物530bとなる。酸化物530a、酸化物530cを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は高いオン電流を得られる。
【0105】
酸化物530b上には、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電体542a、及び導電体542bが設けられる。導電体542a、及び導電体542bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンから選ばれた金属元素、又は上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。更に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素又は酸素に対するバリア性があるため好ましい。
【0106】
また、図2では、導電体542a、及び導電体542bを単層構造として示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、窒化タンタル膜とタングステン膜を積層するとよい。また、チタン膜とアルミニウム膜を積層してもよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
【0107】
また、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
【0108】
また、図2に示すように、酸化物530の、導電体542a(導電体542b)との界面とその近傍には、低抵抗領域として、領域543a、及び領域543bが形成される場合がある。このとき、領域543aはソース領域又はドレイン領域の一方として機能し、領域543bはソース領域又はドレイン領域の他方として機能する。また、領域543aと領域543bに挟まれる領域にチャネル形成領域が形成される。
【0109】
酸化物530と接するように上記導電体542a(導電体542b)を設けることで、領域543a(領域543b)の酸素濃度が低減する場合がある。また、領域543a(領域543b)に導電体542a(導電体542b)に含まれる金属と、酸化物530の成分とを含む金属化合物層が形成される場合がある。このような場合、領域543a(領域543b)のキャリア密度が増加し、領域543a(領域543b)は、低抵抗領域となる。
【0110】
絶縁体544は、導電体542a、及び導電体542bを覆うように設けられ、導電体542a、及び導電体542bの酸化を抑制する。このとき、絶縁体544は、酸化物530の側面を覆い、絶縁体524と接するように設けられてもよい。
【0111】
絶縁体544として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、ネオジム、ランタン又は、マグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。また、絶縁体544として、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなども用いることができる。
【0112】
特に、絶縁体544として、アルミニウム、又はハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム、及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、導電体542a、及び導電体542bが耐酸化性を有する材料、又は、酸素を吸収しても著しく導電性が低下しない場合、絶縁体544は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
【0113】
絶縁体544を有することで、絶縁体580に含まれる水、及び水素などの不純物が酸化物530c、絶縁体550を介して、酸化物530bに拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580が有する過剰酸素により、導電体560が酸化するのを抑制することができる。
【0114】
絶縁体550は、第1のゲート絶縁膜として機能する。絶縁体550は、酸化物530cの内側(上面、及び側面)に接して配置することが好ましい。絶縁体550は、上述した絶縁体524と同様に、過剰に酸素を含み、かつ加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。
【0115】
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
【0116】
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体550として、酸化物530cの上面に接して設けることにより、絶縁体550から、酸化物530cを通じて、酸化物530bのチャネル形成領域に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
【0117】
また、絶縁体550が有する過剰酸素を、効率的に酸化物530へ供給するために、絶縁体550と導電体560との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体550から導電体560への酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体550から導電体560への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。当該金属酸化物としては、絶縁体544に用いることができる材料を用いればよい。
【0118】
なお、絶縁体550は、第2のゲート絶縁膜と同様に、積層構造としてもよい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合があるため、ゲート絶縁膜として機能する絶縁体を、high-k材料と、熱的に安定している材料との積層構造とすることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
【0119】
第1のゲート電極として機能する導電体560は、図2では2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
【0120】
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、導電体560aとして、酸化物530に適用できる酸化物半導体を用いることができる。その場合、導電体560bをスパッタリング法で成膜することで、導電体560aの電気抵抗値を低下させて導電体にすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼ぶことができる。
【0121】
また、導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560bは、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタンまたは窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
【0122】
絶縁体580は、絶縁体544を介して、導電体542a、及び導電体542b上に設けられる。絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。例えば、絶縁体580として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
【0123】
絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体580を、酸化物530cと接して設けることで、絶縁体580中の酸素を、酸化物530cを通じて、酸化物530へと効率良く供給することができる。なお、絶縁体580中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
【0124】
絶縁体580の開口は、導電体542aと導電体542bの間の領域に重畳して形成される。これにより、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に、埋め込まれるように形成される。
【0125】
半導体装置を微細化するに当たり、ゲート長を短くすることが求められるが、導電体560の導電性が下がらないようにする必要がある。そのために導電体560の膜厚を大きくすると、導電体560はアスペクト比が高い形状となりうる。本実施の形態では、導電体560を絶縁体580の開口に埋め込むように設けるため、導電体560をアスペクト比の高い形状にしても、工程中に導電体560を倒壊させることなく、形成することができる。
【0126】
絶縁体574は、絶縁体580の上面、導電体560の上面、及び絶縁体550の上面に接して設けられることが好ましい。絶縁体574をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体550、及び絶縁体580へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物530中に酸素を供給することができる。
【0127】
例えば、絶縁体574として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
【0128】
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、及び窒素の拡散を抑制することができる。したがって、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムは、酸素供給源であるとともに、水素などの不純物のバリア膜としての機能も有することができる。
【0129】
また、絶縁体574の上に、層間膜として機能する絶縁体581を設けることが好ましい。絶縁体581は、絶縁体524などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
【0130】
また、絶縁体581、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に形成された開口に、導電体540a、及び導電体540bを配置する。導電体540a及び導電体540bは、導電体560を挟んで対向して設ける。
【0131】
絶縁体581上に、導電体610および二次電池200が設けられる。導電体610は、導電体540aと接続する配線として機能する。
【0132】
導電体610には、正極集電体103と同じ材料を用いることが好ましい。導電体610と正極集電体103として同じ材料を用いることにより、同じ工程を用いて形成することができ、製造が容易である。
【0133】
図3は、図2と比較して、絶縁体581上に容量素子600およびセンサ素子660を有する点などが異なる。
【0134】
図3に示す構成例は、基板599上に絶縁体514を有し、絶縁体514上にトランジスタ500を有し、トランジスタ500上に絶縁体574および絶縁体581を有し、絶縁体580、絶縁体574および絶縁体581に埋め込まれるように導電体540aおよび導電体540bが形成され、導電体540aは導電体542aと接続するプラグとして機能し、導電体540bは導電体542bと接続するプラグとして機能する。
【0135】
図3において、絶縁体581上に導電体610bが設けられ、導電体610bおよび絶縁体581上に絶縁体611が設けられ、絶縁体611上に、導電体610bと重畳して導電体610が設けられる。導電体610および導電体610bは容量素子600の電極として機能し、絶縁体611において導電体610と導電体610bに挟まれる領域は、容量素子600の誘電体として機能する。
【0136】
また図3において、絶縁体611上に二次電池200およびセンサ素子660が設けられる。
【0137】
センサ素子660は、絶縁体611上の導電体660aと、導電体660a上の導電体660cと、導電体660aと導電体660cに挟まれた層660bと、を有する。
【0138】
導電体610および導電体660aとして、正極集電体103と同じ材料を用いることが好ましい。
【0139】
センサ素子660として例えば、圧力センサ、ピエゾセンサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、光センサ、赤外線センサ、距離センサ、脈拍センサ、超音波センサ、タッチセンサ、指紋センサ、等を用いることができる。
【0140】
センサ素子660としてピエゾセンサを用いる例を以下に示す。ピエゾセンサを用いることにより、圧力、変位、等の検知を行うことができる。
【0141】
導電体660aとしてチタン化合物を用いることが好ましい。具体的には例えば、窒化チタンを用いることが好ましい。あるいは、チタンを用いることが好ましい。窒化チタンを用いることにより、層660bの結晶性が高まる場合がある。また、導電体660a上にさらに第2の導電層を設けてもよい。例えば、チタンと、チタン上の白金を積層して用いてもよい。チタンと、チタン上の白金を積層して用いることにより、層660bの結晶性が高まる場合がある。
【0142】
層660bとして、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、等の圧電セラミックスを用いることができる。チタン酸ジルコン酸鉛はPb(ZrTi1-x)Oと表される場合がある。チタン酸バリウムはBaTiOと表される場合がある。
【0143】
導電体660aと層660bの間に緩衝層として、ストロンチウムを有する化合物(例えばLa0.5Sr0.5CoO、SrTiO、SrRuOなど)、ランタンを有する化合物(LaNiO)、(Bi,La)Ti12など)、イットリウムを有する化合物(例えばYBaCu7-xなど)、等から選ばれる一以上を積層して設けてもよい。
【0144】
図4に示す構成例のように、絶縁体514と絶縁体574に挟まれる領域に、OSトランジスタであるトランジスタ500と、二次電池200と、を設けてもよい。
【0145】
図4に示すトランジスタ500は、ボトムコンタクト型の構造を有する。図4において、絶縁体524上に導電体542aおよび導電体542bが設けられる。また図4に示すトランジスタ500は、絶縁体524、導電体542aおよび導電体542b上に酸化物530を有し、酸化物530上に絶縁体550を有し、絶縁体550上に導電体560を有する。また、図4において、酸化物530を挟んで、導電体560と導電体503が重畳して設けられる。導電体503と酸化物530の間には絶縁体520、絶縁体522および絶縁体524が設けられる。
【0146】
図4において、二次電池200は絶縁体524上に設けられる。二次電池200の保護層206上には絶縁層550が設けられ、絶縁層550上には絶縁体580が設けられ、絶縁体580上には絶縁体574が設けられる。
【0147】
導電体542aおよび導電体542bは、トランジスタ500のソース電極およびドレイン電極として機能する。導電体542aおよび導電体542bとして、正極集電体103と同じ材料を用いることが好ましい。
【0148】
なお、図4および後述する図5において、トランジスタ500として図2等に示すトランジスタの構造を用いてもよい。
【0149】
図5に示す構成例のように、基板599上に二次電池200を設け、二次電池200上に絶縁体580bを設け、絶縁体580b上に絶縁体514を設け、絶縁体514上にトランジスタ500を設けてもよい。絶縁体580bに用いることのできる材料等は、絶縁体580を参照することができる。
【0150】
図6に示すように、基板599としてシリコン、シリコンゲルマニウム、またはシリコンカーバイドを用い、基板599にトランジスタ300を設け、トランジスタ300上に絶縁体514、トランジスタ500、容量素子600、センサ素子660、等を設けてもよい。本発明の一態様の電池制御回路が有するトランジスタの一部を例えば、トランジスタ300を用いて構成してもよい。
【0151】
図6に示すトランジスタ300は、基板599上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板599の一部からなる半導体領域313、低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bを有する。低抵抗領域314aおよび低抵抗領域314bの一方はソース領域として、他方はドレイン領域としてそれぞれ機能する。
【0152】
トランジスタ300は、半導体領域313の上面およびチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大し、オン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
【0153】
なお、トランジスタ300は、pチャネル型のトランジスタ、あるいはnチャネル型のトランジスタのいずれでもよい。
【0154】
低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、またはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
【0155】
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
【0156】
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
【0157】
トランジスタ300は、SOI(Silicon on Insulator)基板などを用いて形成してもよい。
【0158】
また、SOI基板としては、鏡面研磨ウエハに酸素イオンを注入した後、高温加熱することにより、表面から一定の深さに酸化層を形成させるとともに、表面層に生じた欠陥を消滅させて形成されたSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)基板や、水素イオン注入により形成された微小ボイドの熱処理による成長を利用して半導体基板を劈開するスマートカット法、ELTRAN法(登録商標:Epitaxial Layer Transfer)などを用いて形成されたSOI基板を用いてもよい。単結晶基板を用いて形成されたトランジスタは、チャネル形成領域に単結晶半導体を有する。
【0159】
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326が順に積層して設けられている。
【0160】
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
【0161】
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
【0162】
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
【0163】
また、絶縁体324には、基板599、またはトランジスタ300などから、トランジスタ500が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
【0164】
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
【0165】
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm以下、好ましくは5×1015atoms/cm以下であればよい。
【0166】
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
【0167】
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326には導電体328、および導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、および導電体330は、プラグまたは配線としての機能を有する。また、プラグまたは配線としての機能を有する導電体は、複数の構成をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、および導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
【0168】
各プラグおよび配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
【0169】
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体330は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成されることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
【0170】
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構成であることが好ましい。
【0171】
絶縁体350上には絶縁体512が設けられ、絶縁体512上には絶縁体514が設けられている。絶縁体512に用いることのできる材料については例えば、絶縁体326を参照することができる。
【0172】
図7Aに示すトランジスタ500は、図2に示すトランジスタ500の変形例であって、図7Aは、トランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図7Bは、図7Aに示すトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図である。
【0173】
図7Aに示すトランジスタ500は、酸化物530cを有していない点で、図2Aに示す構成のトランジスタ500と異なる。絶縁体580の、導電体542aと導電体542bとの間に形成された開口部の底面、および側面には、絶縁体550が配置され、絶縁体550の形成面には、導電体560が配置されている。図7Aに示す構成のトランジスタ500は、酸化物530cを有していないため、絶縁体550を介して、酸化物530cと導電体560との間の寄生容量を無くすことができる。
【0174】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0175】
(実施の形態3)
薄膜二次電池の出力電圧を大きくするために、二次電池を直列接続することができる。実施の形態2ではセルが1つである二次電池の例を示したが、本実施の形態では複数のセルを直列接続させた薄膜二次電池を作製する例を示す。
【0176】
図8Aに1つ目の二次電池を形成直後の上面図を示し、図8Bは、2つの二次電池が直列接続されている上面図を示す。なお、図8A及び図8Bにおいて、実施の形態2に示す図5Aと同一の部分には同一の符号を用いる。
【0177】
図8Aは、負極集電体205を成膜した直後の状態を示している。図5Aとは負極集電体205の上面形状が異なっている。図8Aに示す負極集電体205は、固体電解質層側面と一部接し、基板の絶縁表面とも接している。
【0178】
そして、図8Bに示すように、1つめの負極活物質層と重ならない負極集電体205の領域上に第2の負極活物質層を形成する。そして、第2の固体電解質層213を形成し、その上に第2の正極活物質層及び第2の正極集電体215を形成する。最後に保護層206を形成する。
【0179】
図8Bは2つの固体二次電池が平面上に並び、直列接続している構成を示している。
【0180】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0181】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置の一例を示す。
【0182】
<蓄電装置の一例1>
図9には蓄電装置90の一例を示す。図9に示す蓄電装置90は、電池制御回路91および組電池120を有する。電池制御回路91には、上述のOSトランジスタを用いた回路が搭載されることが好ましい。
【0183】
電池制御回路91は、回路91aおよび回路91bを有する。
【0184】
回路91aは、セルバランス回路130、検出回路185、検出回路186、検出回路MSD、検出回路SD、温度センサTSおよび論理回路182を有する。
【0185】
また、回路91bは、トランジスタ140およびトランジスタ150を有する。トランジスタ140およびトランジスタ150として様々なトランジスタを用いることができる。なお、図9に示すようにトランジスタ140およびトランジスタ150はそれぞれ、寄生ダイオードを有することが好ましい。
【0186】
回路91aが有するセルバランス回路130、検出回路185、検出回路186、検出回路MSD、検出回路SD、温度センサTSおよび論理回路182が有するトランジスタとしてOSトランジスタを用いることができる。
【0187】
回路91bが有するトランジスタ140およびトランジスタ150の一例として、単結晶シリコンをチャネル形成領域に有するトランジスタを用いる例を考える。このような場合には例えば、シリコン基板上にトランジスタ140およびトランジスタ150を形成し、その上に、成膜プロセスを用いてOSトランジスタを形成することができ、回路91aと回路91bを同じ基板上に形成することができる。これにより例えば、コストの低減を行うことができる。また、回路の集積化が可能となり、回路面積を縮小することができる。また、同一基板上に積層して回路91aおよび回路91bを設けることにより、配線の引き回しの抵抗を削減することができる。トランジスタ140およびトランジスタ150には大電流が流れる場合があり、配線抵抗を下げることが好ましい。
【0188】
組電池120は複数の電池セル121を有する。図9ではn個の電池セル121を有する例を示す。第kの電池セル(kは1以上n以下の整数)を電池セル121(k)と表す場合がある。組電池120が有する複数の電池セルは電気的に直列に接続される。ここで図9においては組電池120が直列に接続された複数の電池セル121を有する例を示すが、組電池120は一つの電池のみを有してもよい。あるいは、組電池120が複数の電池を有し、該複数の電池が並列に接続されてもよい。
【0189】
ここで電池セルとして例えば、後述する実施の形態に示す二次電池を用いることができる。例えば、捲回された電池素子を有する二次電池を用いることができる。また、電池セルは外装体を有することが好ましい。例えば、円筒型の外装体や、角型の外装体等を用いることができる。外装体の材料として絶縁体に覆われた金属板や、絶縁体に挟まれた金属フィルム等を用いることができる。電池セルは例えば、一対の正極と負極を有する。また、電池セルは正極に電気的に接続される端子、および負極に電気的に接続される端子を有してもよい。また、電池セルが本発明の一態様の電池制御回路の一部の構成を有する場合がある。
【0190】
セルバランス回路130は、組電池120が有する個々の電池セル121の充電を制御する機能を有する。検出回路185は組電池120の過充電および過放電を検出する機能を有する。検出回路186は組電池120の放電過電流および充電過電流を検出する機能を有する。
【0191】
検出回路MSDはマイクロショートを検出する機能を有する。
【0192】
マイクロショートとは、二次電池の内部の微小な短絡のことを指しており、二次電池の正極と負極が短絡して充放電不可能の状態になるというほどではなく、微小な短絡部で短絡電流が短期間流れてしまう現象を指している。マイクロショートの原因は、充放電が複数回行われることによって、リチウムやコバルトなどの金属元素が電池内部で析出し、析出物が成長することにより、正極の一部と負極の一部で局所的な電流の集中が生じ、セパレータの一部が機能しなくなる箇所が発生すること、または副反応物が発生することにあると推定されている。
【0193】
検出回路SDは例えば、組電池120を用いて動作させる回路の短絡を検出する。また、検出回路SDは例えば、組電池120の充電電流および放電電流を検出する。
【0194】
電池制御回路91は、組電池120が有するn個の電池セル121のそれぞれの正極に電気的に接続される端子VC1乃至端子VCNと、第nの電池セル121の負極に電気的に接続される端子VSSSと、を有する。
【0195】
論理回路182は、検出回路185、検出回路186、検出回路SD、検出回路MSDおよび温度センサTSからの出力信号に応じて、トランジスタ140およびトランジスタ150の制御を行う機能を有する。また、論理回路182は、電池制御回路91の外部または内部に設けられる充電回路へ信号を与えてもよい。この場合には例えば、論理回路182から該充電回路に与えられる信号に応じて、二次電池の充電が制御される。ここで充電回路は例えば、電池の充電の条件を制御する機能を有する。あるいは、電池の充電の条件を制御する信号を、他の回路、例えば本発明の一態様が有するセルバランス回路、過充電検出回路、トランジスタ140、トランジスタ150、トランジスタ140およびトランジスタ150を制御する回路、等に与える。
【0196】
トランジスタ140およびトランジスタ150は、組電池120への充電または放電を制御する機能を有する。一例としては、トランジスタ140は、論理回路182が与える制御信号T1によって導通状態または非導通状態が制御され、組電池120を充電させるか否かが制御される。またトランジスタ150は、論理回路182が与える制御信号T2によって導通状態または非導通状態が制御され、組電池120を放電するか否かが制御される。また図9に示す例において、トランジスタ140のソースおよびドレインの一方は、端子VSSSに電気的に接続される。トランジスタ140のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ150のソースおよびドレインの一方に電気的に接続される。トランジスタ150のソースおよびドレインの他方は、端子VMに電気的に接続される。端子VMは例えば、充電器のマイナス極に電気的に接続される。また、端子VMは例えば、放電の際の負荷に電気的に接続される。
【0197】
電池制御回路91は、組電池120が有する電池セル121の各端子の電圧値(モニタ電圧)、および組電池に流れる電流値(モニタ電流)を観測する機能を有してもよい。例えばトランジスタ140またはトランジスタ150のオン電流をモニタ電流として観測する構成としてもよい。あるいは、トランジスタ140等に直列に抵抗素子を設け、該抵抗素子の電流値を観測してもよい。
【0198】
温度センサTSは、電池セル121の温度を測定し、測定された温度に基づき電池セルの充電および放電を制御する機能を有してもよい。例えば低い温度においては二次電池の抵抗が増加する場合があるため、充電電流密度および放電電流密度を小さくする場合がある。また高い温度においては二次電池の抵抗が減少する場合があるため、放電電流密度を高くする場合がある。また、高い温度において充電電流を高くすることにより、二次電池特性の劣化が懸念される場合には例えば、劣化が抑制される充電電流に制御すればよい。充電条件、放電条件等のデータは、本発明の一態様の電池制御回路91が有する記憶回路等に格納されることが好ましい。また、充電により電池制御回路91、あるいは組電池120の温度が上昇する場合がある。このような場合には、測定される温度に合わせて、充電の制御を行うことが好ましい。例えば温度の上昇に伴い、充電電流を抑制すればよい。
【0199】
セルバランス回路130、検出回路185、検出回路186、検出回路MSD、検出回路SDおよび温度センサTSは、記憶素子を有することが好ましい。記憶素子は例えば、電池の上限電圧、下限電圧、過電流に対応する電圧、温度に対応する電圧、などを保持することができる。
【0200】
記憶素子として、図10Aに示す記憶素子114の構成を用いることができる。図10Aに示す記憶素子114は、容量素子161およびトランジスタ162を有する。
【0201】
トランジスタ162として、OSトランジスタを用いることが好ましい。本発明の一態様の構成では、OSトランジスタを有する記憶素子114を用いる構成とすることで、オフ時にソースとドレイン間を流れるリーク電流(以下、オフ電流)が極めて低いことを利用して、所望の電圧を記憶素子に保持させることができる。
【0202】
図10Bは、記憶素子114が有するトランジスタ162が第2のゲートを有する点が図10Aと異なる。第2のゲートはバックゲート、あるいはボトムゲートと呼ばれる場合がある。OSトランジスタが有する第2のゲートについては、後の実施の形態で詳述する。
【0203】
次に、セルバランス回路130および検出回路185の構成要素を説明する。
【0204】
図11は、一の電池セル121に対応するセルバランス回路130aおよび検出回路185aを示す。
【0205】
図9に示すセルバランス回路130は複数のセルバランス回路130aを有し、一の電池セルに対して一のセルバランス回路130aが接続される。複数の電池セル121が直列に接続された構成において、一ずつの電池セル121に対してそれぞれ、セルバランス回路130aおよびトランジスタ132を設け、トランジスタ132を直接に接続することにより、直列に接続された複数の該電池セル121を充電する際に、電池セル121の間の充電電圧のばらつきを低減することができる。
【0206】
図11に示す検出回路185aは、回路185cと回路185dを有する。検出回路185cは過充電を検出する機能を有し、検出回路185dは過放電を検出する機能を有する。
【0207】
図9に示す検出回路185は複数の検出回路185aを有し、一の電池セルに対して一の検出回路185aが接続される。あるいは、図9に示す検出回路は、複数の電池セル121が直列に接続された構成に対して、一の検出回路185aが設けられてもよい。
【0208】
図11において、トランジスタ132および抵抗素子131が直列に接続され、トランジスタ132のソースおよびドレインの一方は電池セル121の負極に、他方は抵抗素子の一方の電極にそれぞれ電気的に接続される。抵抗素子の他方の電極は、二次電池の正極に電気的に接続される。
【0209】
ここで、トランジスタ132のソースおよびドレインの一方が電池セル121の正極に、他方が抵抗素子131の一方の電極に、抵抗素子131の他方の電極が電池セル121の負極に、それぞれ電気的に接続されてもよい。
【0210】
また図11において、セルバランス回路130a、回路185cおよび回路185dはそれぞれ、コンパレータ113および記憶素子114を有する。記憶素子114は、容量素子161およびトランジスタ162を有する。セルバランス回路130a、回路185cおよび回路185dが有するそれぞれのコンパレータ113の非反転入力端子または反転入力端子の一方には、記憶素子114が電気的に接続される。記憶素子114において、それぞれの記憶素子114が有するトランジスタ162のソースおよびドレインの一方に、共通の端子、ここでは端子VTが電気的に接続される。また、記憶素子114において、それぞれの記憶素子114が有するトランジスタ162のゲートに、端子(セルバランス回路a130においては端子SH6、回路185cにおいては端子SH1、回路185dにおいては端子SH2)が電気的に接続される。
【0211】
図11において、セルバランス回路130aは電池セル121の正極および負極に電気的に接続される。電池セル121の正極は端子VC1に電気的に接続され、負極は端子VC2に電気的に接続される。セルバランス回路130aにおいて、記憶素子114が有するトランジスタ162のソースおよびドレインの他方にはコンパレータ113の反転入力端子が電気的に接続される。またセルバランス回路130aにおいて、コンパレータ113の非反転入力端子は端子VC1に電気的に接続されることが好ましい。あるいは図11に示すように、コンパレータ113の非反転入力端子には端子VC1と端子VC2の間が抵抗分割された電圧が与えられてもよい。セルバランス回路130aにおいて、記憶素子114が有するトランジスタ162のソースおよびドレインの他方に接続されるノードをノードN6とする。
【0212】
図11において、検出回路185aは電池セル121の正極および負極に電気的に接続される。回路185cにおいて、トランジスタ162のソースおよびドレインの他方にはコンパレータの反転入力端子が電気的に接続される。また回路185cにおいて、コンパレータ113の非反転入力端子は端子VC1に電気的に接続されることが好ましい。あるいは図11に示すように、コンパレータ113の非反転入力端子には端子VC1と端子VC2の間が抵抗分割された電圧が与えられてもよい。回路185cにおいて、トランジスタ162のソースおよびドレインの他方に接続されるノードをノードN1とする。
【0213】
回路185dにおいて、トランジスタ162のソースおよびドレインの他方にはコンパレータの非反転入力端子が電気的に接続される。また回路185dにおいて、コンパレータ113の反転入力端子は端子VC1に電気的に接続されることが好ましい。あるいは図11に示すように、コンパレータ113の反転入力端子には端子VC1と端子VC2の間が抵抗分割された電圧が与えられてもよい。回路185dにおいて、トランジスタ162のソースおよびドレインの他方に接続されるノードをノードN2とする。
【0214】
セルバランス回路130aおよび検出回路185aにおいて、それぞれの回路が有する容量素子161の他方の電極が接続されるノード(ここではノードN6、ノードN1およびノードN2)はトランジスタ162をオフ状態にすることにより保持される。
【0215】
端子VTはセルバランス回路130a、回路185cおよび回路185dに順次、アナログ信号を与える。ノードN6、ノードN1およびノードN2に順次、アナログ信号が与えられ、保持される。ノードN6、ノードN1およびノードN2のうち、第1のノードにアナログ信号を与えた後、ノードに接続されるトランジスタ162をオフ状態とすることにより、第1のノードの電位が保持される。その後、第2のノードに電位を与えて保持し、その後、第3のノードの電位を与えて保持する。トランジスタ162のオンとオフの制御は、端子SH1、端子SH2および端子SH6に与えられる信号により制御される。
【0216】
図11に示すセルバランス回路130aおよび検出回路185aは、組電池120が有する電池セル121の一に対してそれぞれ、設けることにより、複数の電池セル121のそれぞれにおいて、個別に、その両端の電圧差(正極と負極との電圧の差)を制御することができる。またセルバランス回路130aは、電池セル121毎に、正極の第1の上限電圧として好ましい値を、記憶素子114に保持させることができる。
【0217】
セルバランス回路130aは、電池セル121の正極の電圧と、コンパレータ113の非反転入力端子の電圧と、の関係に応じて、トランジスタ132をオン状態にするか、あるいはオフ状態にするか、の制御を行う。トランジスタ132の制御を行うことにより、抵抗素子131に流れる電流量と、電池セル121に流れる電流量と、の比を調整することができる。例えば、電池セル121の充電を停止する場合には、抵抗素子131に電流を流し、電池セル121に流れる電流を制限する。
【0218】
図9において、複数の電池セル121が端子VC1と端子VSSSとの間に直列に電気的に接続されている。端子VC1と端子VSSSとの間に電流を流すことにより、複数の電池セル121の充電を行う。
【0219】
複数の電池セル121のうち一の電池セル121において、正極が所定の電圧に達し、電流が制限される場合を考える。このような場合には、該電池セルに並列に接続されるトランジスタ132および抵抗素子131に電流を流すことにより、端子VC1と端子VSSSとの間の電流の経路が遮断されることなく、正極が所定の電圧に達していないその他の電池セル121の充電を継続することができる。すなわち、充電が完了した電池セル121においては、トランジスタ132をオン状態とすることにより充電を停止し、充電が完了していない電池セル121においては、トランジスタ132をオフ状態として充電を継続する。
【0220】
電池セル121毎に例えば抵抗のばらつきがある場合、抵抗の低いある電池セル121の充電が先に完了し、ある電池セル121と比べて抵抗の高い電池セル121の充電が不充分となる場合がある。ここで、充電が不充分とは例えば、正極と負極の電圧差が所望の電圧より低いことを指す。セルバランス回路130を用いることにより、充電における電池セル121の正極の電圧を、それぞれの電池セルの負極の電圧を基準として制御することができる。
【0221】
本発明の一態様のセルバランス回路において、電池制御回路91の外部に設けられる回路、例えばMPUあるいはMCU等の演算回路を用いることなく、一の電池セル、あるいは複数の電池セルの充電電圧、あるいは充電容量、等を制御することができる。
【0222】
すなわち、N個のセルバランス回路130aを用いることにより、複数の電池セル121の充電後の状態、例えば満充電時のばらつきを小さくすることができる。よって、組電池120全体としての容量が高まる場合がある。また、容量を高めることにより、電池セル121の充放電サイクルの回数を減少させることができる場合があるため、組電池120の耐久性が高まる場合がある。
【0223】
回路185cは、電池セル121毎に、電池セル121の充電における正極の第2の上限電圧を記憶素子114に保持させることができる。該第2の上限電圧は、過充電電圧と呼ばれる場合がある。回路185dは、放電における正極の下限電圧を記憶素子114に保持させることができる。該下限電圧は、過放電電圧と呼ばれる場合がある。
【0224】
なお、検出回路185を構成するコンパレータは、出力がLレベルからHレベルに変化する場合と、HレベルからLレベルに変化する場合とで閾値が異なる、すなわちヒステリシスコンパレータとしてもよい。ヒステリシスコンパレータの参照電位の入力部に接続される記憶素子は2つの閾値を保持する機能を有することが好ましい。
【0225】
検出回路185において、電池制御回路91の外部に設けられる回路、例えばMPUあるいはMCU等の演算回路を用いることなく、一の電池セル、あるいは複数の電池セルの過充電および過放電を検知し、電池セルの保護を行うことができる。過放電による電圧の低下が検知されると、本発明の一態様の制御回路は放電電流を遮断し、電圧の低下を防止する。放電電流の遮断が不充分な場合、リーク電流が生じ、電圧の低下が生じてしまう場合がある。パワーゲーティングを用いた回路構成により、リーク電流が抑制される場合がある。また、OSトランジスタを用いた回路構成により、リーク電流が抑制される場合がある。
【0226】
電池セルは、該電池セルに接続されるセルバランス回路と、過充電を検出する回路と、においてそれぞれ、上限の電圧が制御される。セルバランス回路が検出する上限電圧は例えば、過充電を検出する回路が検出する上限電圧よりも低い。よって、充電を行う過程で、第1のステップによりセルバランス回路が電池セルの上限電圧への到達を検知し、充電条件を変更する。ここでは例えば、充電の電流密度を低くする。あるいは、放電を開始してもよい。その後、電池セルの充電電圧の上昇に伴い、過充電を検出する回路が検出する上限電圧への到達が検知される場合には、第2のステップにより電池セルの充電条件を変更する。ここでは例えば、充電を停止し、放電を開始する。
【0227】
<蓄電装置のさらなる構成要素>
以下に、本発明の一態様の蓄電装置が有するさらなる構成要素の一例を説明する。
【0228】
また、電池制御回路91は端子群AHを有する。端子群AHは一の端子、または複数の端子を有する。
【0229】
図12に示すように、端子群AHは、論理回路182に接続される。端子群AHは、論理回路182に信号を与える機能、および論理回路182からの信号を電池制御回路91の外部に設けられる回路に与える機能を有することが好ましい。
【0230】
図12Aには、論理回路182の一例を示す。図12Aに示す論理回路182は、インターフェース回路IF、カウンタ回路CND、ラッチ回路LTCおよびトランジスタ172を有する。トランジスタ172としてOSトランジスタを用いることが好ましい。なお、図12Aに示す構成は、本発明の一態様の電池制御回路が有するOSトランジスタのみで構成されてもよいし、図12Aに示す構成の一部のみが本発明の一態様の電池制御回路が有するOSトランジスタにより構成されてもよい。図12Aに示す構成の一部のみが本発明の一態様の電池制御回路が有するOSトランジスタにより構成される場合には、他の一部が例えば単結晶シリコンを有するトランジスタ等により構成される。
【0231】
インターフェース回路IFには、検出回路185の出力端子OUT11および出力端子OUT12からの信号、検出回路186の出力端子OUT31および出力端子OUT32からの信号、および検出回路SDの出力端子OUT41からの信号が与えられる。出力端子OUT11は例えば、過充電に対応する信号を与える。出力端子OUT12は例えば、過放電に対応する信号を与える。出力端子OUT31は例えば、充電時の過電流に対応する信号を与える。出力端子OUT32は例えば、放電時の過電流に対応する信号を与える。
【0232】
インターフェース回路IFは、異常を検知する信号、例えば過充電、過放電および過電流の少なくともいずれかに対応する信号の検知する場合に、信号PGをトランジスタ172のゲートに与える。
【0233】
トランジスタ172はカウンタ回路CNDに接続される。
【0234】
カウンタ回路CNDは、信号PGがトランジスタ172をオン状態とする信号、より具体的には例えば高電位信号を出力する場合には、カウンタと、遅延回路と、を動作させる。一方、信号PGがトランジスタ172をオフ状態とする信号、より具体的には例えば低電位信号を出力する場合には、カウンタ回路CNDの動作を停止、あるいはカウンタ回路CNDを待機状態とすることができる。インターフェース回路IFからカウンタ回路CNDおよびラッチ回路LTCに信号resが与えられる。信号resはリセット信号である。カウンタ回路CNDに信号resが与えられ、カウントを開始する。信号enはイネーブル信号である。カウンタ回路CNDは信号enにより動作を開始、あるいは動作を停止する。
【0235】
インターフェース回路IFに異常を検知する信号が与えられる場合には、カウンタ回路CNDで一定期間、カウントを行った後、検知した異常に対応する信号が、カウンタ回路CNDを介してラッチ回路LTCに与えられる。
【0236】
ラッチ回路LTCは検知した異常に応じてトランジスタ140またはトランジスタ150のゲートに、トランジスタをオフ状態とする信号を与える。
【0237】
図13Aには検出回路186の回路図の一例を示す。検出回路186は2つのコンパレータ113を有する。
【0238】
一方のコンパレータ113の非反転入力端子には放電過電流検出に対応する電圧が保持される記憶素子114が電気的に接続される。記憶素子114が有するトランジスタのゲートには端子SH3が電気的に接続される。また、反転入力端子には端子SENSが電気的に接続される。反転入力端子に与えられる電圧により過電流を検出すると、出力端子OUT32からの出力が反転する。
【0239】
他方のコンパレータ113の非反転入力端子には端子SENSが電気的に接続される。また、反転入力端子には充電過電流検出に対応する電圧が保持される記憶素子114が電気的に接続される。記憶素子114が有するトランジスタのゲートには端子SH4が電気的に接続される。非反転入力端子に与えられる電圧により過電流を検出すると、出力端子OUT31からの出力が反転する。
【0240】
温度センサTSは、組電池120、あるいは組電池120を含む蓄電装置90の温度を測定する機能を有する。図13Bは温度センサTSの一例を示す回路図である。なお、図13Bに示す回路図は、温度センサTSの一部の回路を表す場合がある。
【0241】
図13Bにおいて、温度センサTSはコンパレータ113を3つ有し、それぞれのコンパレータの反転入力端子には異なる温度に対応する電圧VT(VT=Tm1、Tm2、Tm3)がそれぞれ与えられる。与えられたそれぞれの電圧VTは、反転入力端子に電気的に接続された記憶素子114により保持される。電圧Tm1、Tm2、Tm3は例えば電池制御回路91から与えられてもよい。
【0242】
入力端子Vtには測定された温度に対応する電圧が与えられる。入力端子Vtは3つのコンパレータ113のそれぞれの非反転入力端子に与えられる。
【0243】
入力端子Vtに与えられた電圧とそれぞれのコンパレータ113の反転入力端子の電圧との比較結果に対応し、それぞれのコンパレータの出力端子(出力端子OUT51、出力端子OUT52、出力端子OUT53)から信号が出力され、温度を判定することができる。
【0244】
OSトランジスタは温度が上昇すると抵抗値が小さくなる性質を有する。この性質を利用して、環境温度を電圧に変換することができる。この電圧を例えば、入力端子Vtに与えればよい。
【0245】
論理回路182は、温度センサTSの出力を検知し、組電池120の動作可能な温度範囲を超えた場合、トランジスタ140および(または)トランジスタ150を非導通とし、充電および(または)放電を停止する構成としてもよい。
【0246】
<電池セル>
電池セル121として、先の実施の形態に示す二次電池200を用いることができる。
【0247】
<トランジスタ>
本発明の一態様の構成では、OSトランジスタを有する記憶素子を用いる構成とすることで、オフ時にソースとドレイン間を流れるリーク電流(以下、オフ電流)が極めて低いことを利用して、参照電圧を記憶素子に保持させることができる。このとき、記憶素子の電源をオフ状態にすることができるため、OSトランジスタを有する記憶素子を用いることにより、極めて低い消費電力で、参照電圧を保持させることができる。
【0248】
また、OSトランジスタを有する記憶素子は、アナログ電位を保持することができる。例えば、二次電池の電圧を、アナログ-デジタル変換回路を用いてデジタル値に変換することなく、記憶素子に保持することができる。変換回路が不要となり、回路面積を縮小することができる。
【0249】
加えてOSトランジスタを用いた記憶素子では、電荷を充電又は放電することによって参照電圧の書き換えおよび読み出しが可能となるため、実質的に無制限回のモニタ電圧の取得および読み出しが可能である。OSトランジスタを用いた記憶素子は、磁気メモリあるいは抵抗変化型メモリなどのように原子レベルでの構造変化を伴わないため、書き換え耐性に優れている。またOSトランジスタを用いた記憶素子は、フラッシュメモリのように繰り返し書き換え動作でも電子捕獲中心の増加による不安定性が認められない。
【0250】
またOSトランジスタは、オフ電流が極めて低く、高温環境下においてもスイッチング特性が良好といった特性を有する。そのため、高温環境下においても、組電池120への充電または放電の制御を誤動作なく行うことができる。
【0251】
またOSトランジスタを用いた記憶素子は、Siトランジスタを用いた回路上などに積層することで自由に配置可能であるため、集積化を容易に行うことができる。またOSトランジスタは、Siトランジスタと同様の製造装置を用いて作製することが可能であるため、低コストで作製可能である。
【0252】
またOSトランジスタは、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極に加えて、バックゲート電極を含むと、4端子の半導体素子とすることができる。ゲート電極またはバックゲート電極に与える電圧に応じて、ソースとドレインとの間を流れる信号の入出力が独立制御可能な電気回路網で構成することができる。そのため、LSIと同一思考で回路設計を行うことができる。加えてOSトランジスタは、高温環境下において、Siトランジスタよりも優れた電気特性を有する。具体的には、100℃以上200℃以下、好ましくは125℃以上150℃以下といった高温下においてもオン電流とオフ電流の比が大きいため、良好なスイッチング動作を行うことができる。
【0253】
トランジスタ162としてOSトランジスタを用いることが好ましい。また、トランジスタ132としてOSトランジスタを用いてもよい。
【0254】
また、コンパレータをOSトランジスタを用いて構成してもよい。
【0255】
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
【0256】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の電池制御回路が有する検出回路の一例について説明する。本発明の一形態に係わる半導体装置は、充放電中の二次電池において、二次電池の正極負極間電位を所定の時間ごとにサンプリングし(取得し)、サンプリングした電位と、サンプリング後の正極負極間電位とを比較することで、マイクロショートによる瞬間的な電位変動(ここでは、電位が下がる)を検知する機能を有する。所定時間ごとのサンプリングを繰り返すことで、充放電中における二次電池の電位変動に対応し、また、当該半導体装置は、二次電池の正極負極間電位を用いて動作させることができる。
【0257】
なお、本実施の形態では、充電中の二次電池において、二次電池および半導体装置の電位変動を、タイミングチャート等を用いて説明する。放電中の電位変動については、当業者であれば容易に理解できるため、その説明は省略する。
【0258】
<検出回路の一例>
図14Aは、検出回路MSDの構成例を示す回路図である。検出回路MSDは、トランジスタ11乃至トランジスタ15、容量素子C11、および、コンパレータ50を有する。なお、本明細書等で説明する図面においては、主な信号の流れを矢印または線で示しており、電源線等は省略する場合がある。検出回路MSDが有するコンパレータ50として、ヒステリシスコンパレータを用いてもよい。なお、検出回路MSDは複数の直列に接続された電池セルにおいて検出を行ってもよいし、電池セルの一毎に検出をおこなってもよい。
【0259】
また、図14Aに示す検出回路MSDは、端子VC1、所定の電位VB1が供給される配線VB1_IN、所定の電位VB2が供給される配線VB2_IN、サンプリング信号が供給される配線SH_IN、および、出力端子S_OUTを有する。
【0260】
ここで、所定の電位VB1は、所定の電位VB2より高い電位であり、所定の電位VB2は、端子VSSSの電位より高い電位である。
【0261】
図14Bは検出回路MSDが有するトランジスタ11乃至トランジスタ15が第2のゲートを有する点が図14Aと異なる。
【0262】
図14Cは端子VSSSを有する点、配線VB1_INに接続される記憶素子114を有する点と、配線VB2_INに接続される記憶素子114を有する点と、が図14Bと異なる。また図14Cにおいて、トランジスタ11のソースおよびドレインの一方と、トランジスタ13のソースおよびドレインの一方と、容量素子C11の一方の電極と、は端子VSSSに電気的に接続される。電位VB1および電位VB2が記憶素子114を介してそれぞれ配線VB1_INおよび配線VB2_INに与えられるため、記憶素子114により与えた電位を保持することができる。よって、電位VB1および電位VB2を供給する電圧生成回路の電源をオフとする、あるいは待機状態とすることができる。
【0263】
トランジスタ11乃至トランジスタ15は、nチャネル型のトランジスタである。本明細書等では、検出回路MSDを、nチャネル型のトランジスタを用いて構成した例を示すが、pチャネル型のトランジスタであってもよい。nチャネル型のトランジスタを用いて構成した回路図から、トランジスタをpチャネル型に変更することは、当業者であれば容易に理解できるため、その説明は省略する。
【0264】
検出回路MSDにおいて、トランジスタ11のソースおよびドレインの一方は、端子VSSSと電気的に接続され、トランジスタ11のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ12のソースおよびドレインの一方、および、トランジスタ15のソースおよびドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタ11のゲートは、配線VB1_INと電気的に接続され、トランジスタ12のソースおよびドレインの他方、および、トランジスタ12のゲートは、端子VC1と電気的に接続される。
【0265】
トランジスタ13のソースおよびドレインの一方は、端子VSSSと電気的に接続され、トランジスタ13のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ14のソースおよびドレインの一方、および、コンパレータ50の反転入力端子と電気的に接続され、トランジスタ13のゲートは、配線VB2_INと電気的に接続され、トランジスタ14のソースおよびドレインの他方、および、トランジスタ14のゲートは、端子VC1と電気的に接続される。
【0266】
また、トランジスタ15のソースおよびドレインの他方は、容量素子C11の他方の端子、および、コンパレータ50の非反転入力端子と電気的に接続され、トランジスタ15のゲートは、配線SH_INと電気的に接続され、容量素子C11の一方の端子は、端子VSSSと電気的に接続され、コンパレータ50の出力端子は、出力端子S_OUTと電気的に接続される。なお、容量素子C11の一方の端子は、所定の電位が供給される配線であれば、端子VSSS以外の配線と電気的に接続されてもよい。
【0267】
ここで、トランジスタ11のソースおよびドレインの他方、トランジスタ12のソースおよびドレインの一方、および、トランジスタ15のソースおよびドレインの一方が、電気的に接続された接続部をノードN11と呼称し、トランジスタ13のソースおよびドレインの他方、トランジスタ14のソースおよびドレインの一方、および、コンパレータ50の反転入力端子が、電気的に接続された接続部をノードN12と呼称し、トランジスタ15のソースおよびドレインの他方、容量素子C11の他方の端子、および、コンパレータ50の非反転入力端子が、電気的に接続された接続部をノードN13と呼称する。
【0268】
また、トランジスタ11およびトランジスタ12は、第1ソースフォロワを構成し、トランジスタ13およびトランジスタ14は、第2ソースフォロワを構成する。すなわち、トランジスタ11のゲートは、第1ソースフォロワの入力に相当し、第1ソースフォロワはノードN11に出力する。トランジスタ13のゲートは、第2ソースフォロワの入力に相当し、第2ソースフォロワはノードN12に出力する。
【0269】
検出回路MSDの動作の一例を図14Cに示す回路を用いて説明する。
【0270】
組電池において充電が開始されると、配線SH_INへ与えられるサンプリング信号は所定の時間ごとにハイレベルとなる。電位VB1として電位VB2より高い電位を与える。充電に伴い、ノードN11の電位およびノードN12の電位が上昇する。
【0271】
マイクロショートの発生により正極電位が瞬間的に低下すると、ノードN11およびノードN12の電位は瞬間的に低下する。一方、配線SH_INへ与えられるサンプリング信号がローレベルの場合、ノードN13の電位はノードN11の電位に影響されず、ノードN12の電位がノードN13の電位より低くなる。すると、コンパレータ50の出力が反転し、マイクロショートが検出される。
【0272】
また、マイクロショートの検出精度を高めるため、二次電池の電圧をアナログデジタル変換回路によりデジタルデータに変換し、プロセッサユニット等を用いて該デジタルデータを基に演算を行い、充電の波形または放電の波形を解析し、マイクロショートの検出、またはマイクロショートの予測を行ってもよい。例えば、充電の波形または放電の波形において、各時間ステップの電圧誤差の変位を用いてマイクロショートの検出、あるいは予測を行う。電圧誤差の変位とは、電圧誤差を算出し、前のステップとの差を算出することにより求められる。
【0273】
マイクロショートの検出精度を高めるため、ニューラルネットワークを用いてもよい。
【0274】
ニューラルネットワークとは手法であり、ニューラルネットワーク部(例えば、CPU(Central Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)、メモリなどを含む)で行うニューラルネットワーク処理である。なお、APUは、CPUとGPUを一つに統合したチップを指している。
【0275】
デバイスに搭載される二次電池は、放電に関しては使用者の使用方法に依存しやすいためランダムであるが、充電に関しては充電条件が決まっているため、放電に比べれば充電のカーブは予想しやすいといえる。ある程度多くの充電カーブを学習用のデータとすることで正確な値をニューラルネットワークを用いて予測することができる。充電カーブを取得すれば、ニューラルネットワークを利用してSOC(State of charge)等を得ることができる。ニューラルネットワークの演算には例えばマイクロプロセッサ等を用いればよい。
【0276】
具体的には、得られる様々なデータを機械学習または人工知能を用いて評価、及び学習し、予想される二次電池の劣化度合いを解析し、異常があれば二次電池への充電を停止、または定電流充電の電流密度を調整する。
【0277】
例えば、電気自動車において、走行中に学習データの取得ができ、二次電池の劣化状態を把握することができる。なお、二次電池の劣化状態の予測にはニューラルネットワークを用いる。ニューラルネットワークは、隠れ層を複数有するニューラルネットワーク、すなわち、ディープニューラルネットワークによって構成することができる。なお、ディープニューラルネットワークにおける学習を、ディープラーニングと呼ぶことがある。
【0278】
機械学習は、まず、学習データから特徴値を抽出する。時間によって変化する相対的変化量を特徴値として抽出し、抽出された特徴値に基づいてニューラルネットワークを学習させる。学習手段は時間区間ごとに互いに異なる学習パターンに基づいてニューラルネットワークを学習させることができる。学習データに基づいた学習結果に従ってニューラルネットワークに適用された結合重みを更新することができる。
【0279】
ニューラルネットワークを用いて行う二次電池の充電状態推定方法としては、回帰モデル、例えばカルマンフィルタなどを用いて計算処理して得ることもできる。
【0280】
カルマンフィルタは、無限インパルス応答フィルタの一種である。また、重回帰分析は多変量解析の一つであり、回帰分析の独立変数を複数にしたものである。重回帰分析としては、最小二乗法などがある。回帰分析では観測値の時系列が多く必要とされる一方、カルマンフィルタは、ある程度のデータの蓄積さえあれば、逐次的に最適な補正係数が得られるメリットを有する。また、カルマンフィルタは、非定常時系列に対しても適用できる。
【0281】
二次電池の内部抵抗及び充電率(SOC)を推定する方法として、非線形カルマンフィルタ(具体的には無香料カルマンフィルタ(UKFとも呼ぶ))を利用することができる。また、拡張カルマンフィルタ(EKFともよぶ)を用いることもできる。SOCとは、充電状態(充電率ともよぶ)を示しており、満充電時を100%、完全放電時を0%とする指標である。
【0282】
最適化アルゴリズムにより得られた初期パラメータをn(nは整数、例えば50)サイクル毎に集め、それらのデータ群を教師データに用いてニューラルネットワーク処理することで高精度のSOCの推定を行うことができる。
【0283】
学習システムは、教師データ作成装置及び学習装置を有する。教師データ作成装置は、学習装置が学習する際に利用する教師データを作成する。教師データとは処理対象データと認識対象が同一のデータと、そのデータに対応するラベルの評価とを含む。教師データ作成装置は、入力データ取得部、評価取得部、教師データ作成部を有する。入力データ取得部は、記憶装置に記憶されたデータから取得してもよいし、インターネットを介して学習の入力データを取得してもよく、入力データとは学習に用いるデータであり、二次電池の電流値や電圧値を含む。また、教師データとしては、実測のデータでなくともよく、初期パラメータを条件振りすることで多様性を持たせ、実測に近いデータを作成し、それらの所定の特性データベースを教師データに用いてニューラルネットワーク処理することで充電率(SOC)を推定してもよい。ある一つの電池の充放電特性を基に、実測に近いデータを作成し、それらの所定の特性データベースを教師データに用いてニューラルネットワーク処理することで、同種の電池のSOC推定を効率よく行うこともできる。
【0284】
二次電池の劣化が進んだ場合、初期パラメータのFCCが大きく変化するとSOCの誤差が生じる恐れがあるため、SOCの推定のための演算に用いる初期パラメータを更新してもよい。更新する初期パラメータは、予め実測した充放電特性のデータを用いて最適化アルゴリズムにより算出する。更新された初期パラメータを用いた回帰モデル、例えばカルマンフィルタで計算処理することで、劣化後であっても高精度のSOCの推定を行うことができる。本明細書ではカルマンフィルタを用いて計算処理することをカルマンフィルタ処理するとも表現する。
【0285】
初期パラメータを更新するタイミングは任意でよいが、高い精度でSOCの推定を行うためには、更新頻度は多い方が好ましく、定期的、連続的に更新するほうが好ましい。なお、二次電池の温度が高い状態において、SOCが高いと劣化が進みやすい場合がある。このような場合には、二次電池の放電を行い、SOCを低くすることにより二次電池の劣化を抑制することが好ましい。
【0286】
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
【0287】
(実施の形態6)
本実施の形態は、コンパレータの構成例を示す。
【0288】
図15Aには、先の実施の形態で述べたコンパレータ50の構成の一例を示す。コンパレータ50はトランジスタ21乃至トランジスタ25を有する。またコンパレータ50は、二次電池の負極電位が供給される配線VBM_IN、二次電池の正極電位VBPが供給される配線VBP_IN、所定の電位VB3が供給される配線VB3_IN、入力端子CP1_IN、入力端子CM1_IN、出力端子CP1_OUT、および、出力端子CM1_OUTを有する。
【0289】
図15Aのコンパレータ50をセルバランス回路130および検出回路185に適用する場合には例えば、配線VBP_INには端子VC1から、配線VBM_INには端子VC2から、それぞれ電位が接続される。
【0290】
ここで、所定の電位VB3は、負極電位VBMより高い電位であり、また、コンパレータ50において、正極電位VBPは高電源電位であり、負極電位VBMは低電源電位である。
【0291】
コンパレータ50において、トランジスタ21のソースおよびドレインの一方は、配線VBM_INと電気的に接続され、トランジスタ21のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ22のソースおよびドレインの一方、および、トランジスタ24のソースおよびドレインの一方と電気的に接続され、トランジスタ21のゲートは、配線VB3_INと電気的に接続される。
【0292】
トランジスタ22のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ23のソースおよびドレインの一方、および、出力端子CM1_OUTと電気的に接続され、トランジスタ23のソースおよびドレインの他方、および、トランジスタ23のゲートは、配線VBP_INと電気的に接続され、トランジスタ22のゲートは、入力端子CP1_INと電気的に接続される。
【0293】
トランジスタ24のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ25のソースおよびドレインの一方、および、出力端子CP1_OUTと電気的に接続され、トランジスタ25のソースおよびドレインの他方、および、トランジスタ25のゲートは、配線VBP_INと電気的に接続され、トランジスタ24のゲートは、入力端子CM1_INと電気的に接続される。
【0294】
また、図15Aに示す回路を並列に複数接続して、コンパレータ50として用いてもよい。すなわち、図15Aに示すコンパレータの出力を次段のコンパレータ50に入力し、複数のコンパレータを接続して用いてもよい。
【0295】
なお、図15Aに示す回路が有するトランジスタは、図15Bに示すように、バックゲートを有してもよい。保持回路99によりバックゲートに電圧を与え、保持することができる。保持回路99において、トランジスタ99aのソースおよびドレインの一方は端子SH_99に、他方はトランジスタ22のバックゲート、トランジスタ24のバックゲートおよび容量素子99bの一方の電極に電気的に接続される。
【0296】
保持回路99において、端子SH_99にバックゲートに与える電圧を与え、トランジスタ99aをオン状態としてトランジスタ22およびトランジスタ24のバックゲートに電圧を与えた後、トランジスタ99aをオフ状態とすることにより、バックゲートの電圧を保持することができる。トランジスタ99aとしてOSトランジスタを用いることにより、オフ時にソースとドレイン間を流れるリーク電流(以下、オフ電流)が極めて低いため、所望の電圧をトランジスタ22およびトランジスタ24のバックゲートに保持させることができる。
【0297】
端子SH_99に与える電圧は例えば、二次電池99fから変換回路99eに与えられ、変換回路99eを経た後、昇圧回路99cに与えられ、昇圧回路99cにて昇圧された後、端子SH_99に与えられる。昇圧回路99cにはクロック生成回路99dからの信号が与えられる。変換回路99e、昇圧回路99c、クロック生成回路99dは、OSトランジスタを用いて構成することができる。
【0298】
本発明の一態様の蓄電装置において、基板上に二次電池を2以上設けてもよい。例えば、蓄電装置から後述する電子機器等に電力を共有するための二次電池(ここでは第1の二次電池と呼ぶ)とは別に、二次電池99fを設けてもよい。そのような場合、二次電池99fは、第1の二次電池よりも容量が小さくてもよく、例えば、0.1倍以下、あるいは0.01倍以下である。
【0299】
図12Bには昇圧回路99cおよびクロック生成回路99dからの信号が与えられるクロックバッファ回路99gの構成の一例を示す。
【0300】
(クロックバッファ回路)
クロックバッファ回路99gは、インバータ70乃至75、端子a1乃至a3を有する。クロックバッファ回路99gは、信号CLK_cpから信号CK1_cp、CKB1_cpを生成する機能を有する。端子a1は信号CLK_cpの入力端子であり、端子a2、a3は、信号CK1_cp、CKB1_cpの出力端子である。信号CLK_cpは、クロック信号である。本発明の一態様の蓄電装置は、基準クロック信号を分周して、信号CLK_cpを生成する機能を有してもよい。信号CK1_cpと信号CKB1_cpとは相補関係にあるクロック信号である。
【0301】
(昇圧回路)
昇圧回路99cは、降圧型チャージポンプであり、電位GNDを降圧して、電位Vcp1を生成する機能を有する。なお、入力電位は電位GNDに限定されない。昇圧回路99cは、トランジスタMN61乃至MN65、容量素子C61乃至C65を有する。昇圧回路99cの段数は5であるが、段数はこれに限定されない。
【0302】
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
【0303】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置を用いた電子機器の例について図16及び図17A乃至図17Cを用いて説明する。本発明の一態様の蓄電装置は、二次電池と、電池制御回路と、を同一基板上に設けることができるため、電子機器の小型化が可能となり、かつ、二次電池の安全性を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電装置は基板上に設けることができるため、薄いという特徴がある。
【0304】
図16は、本発明の一態様の蓄電装置を用いた応用機器の一例であるICカードである。電波3005からの給電により得られた電力を蓄電装置が有する薄膜型二次電池3001に充電することができる。ICカード3000内部にはアンテナ及びIC3004や、薄膜型二次電池3001が配置されている。ICカード3000上には、管理バッジを装着する作業者のID3002及び写真3003が表示されている。薄膜型二次電池3001に充電した電力を用いてアンテナから認証信号などの信号を発信することもできる。
【0305】
本発明の一態様の蓄電装置は、ID3002および写真3003の表示のために、表示装置を有してもよい。表示装置は例えば、表示部と、表示部に画像信号を与える駆動回路と、を有する。該駆動回路は例えば、先の実施の形態に示すOSトランジスタを複数用いた構成とすることができる。本発明の一態様の蓄電装置では、二次電池とOSトランジスタとを、同一基板上に設けることができる。よって、OSトランジスタを用いて該駆動回路を設けることにより、同一基板上に二次電池と駆動回路、あるいは駆動回路の少なくとも一部を設けることができる。よって、ICカードの薄膜化、軽量化、丈夫さの向上、等が可能となる。
【0306】
表示装置として例えば、アクティブマトリクス表示装置を設けてもよい。アクティブマトリクス表示装置としては反射型液晶表示装置や有機EL表示装置や電子ペーパーなどがある。アクティブマトリクス表示装置に映像(動画または静止画)や時間を表示させることもできる。アクティブマトリクス表示装置の電力は、薄膜型二次電池3001から供給することができる。
【0307】
ICカードはプラスチック基板が用いられるため、フレキシブル基板を用いた有機EL表示装置が好ましい。
【0308】
また、写真3003に代えて太陽電池を設けてもよい。外光の照射により光を吸収し、電力を発生させ、その電力を薄膜型二次電池3001に充電することができる。
【0309】
また、薄膜型二次電池は、ICカードに限定されず、車載に用いるワイヤレスセンサの電源、MEMSデバイス用の二次電池などに用いることができる。
【0310】
図17Aは、ウェアラブルデバイスの例を示している。ウェアラブルデバイスは、電源として二次電池を用いる。また、使用者が生活または屋外で使用する場合において、防沫性能、耐水性能または防塵性能を高めるため、接続するコネクタ部分が露出している有線による充電だけでなく、無線充電も行えるウェアラブルデバイスが望まれている。
【0311】
例えば、図17Aに示すような眼鏡型デバイス400に本発明の一態様である蓄電装置を搭載することができる。眼鏡型デバイス400は、フレーム400aと、表示部400bを有する。湾曲を有するフレーム400aのテンプル部に、二次電池を有する蓄電装置を搭載することで、軽量であり、且つ、重量バランスがよく継続使用時間の長い眼鏡型デバイス400とすることができる。本発明の一態様である二次電池を備えることで、筐体の小型化に伴う省スペース化に対応できる構成を実現することができる。
【0312】
また、ヘッドセット型デバイス401に本発明の一態様である二次電池を搭載することができる。ヘッドセット型デバイス401は、少なくともマイク部401aと、フレキシブルパイプ401bと、イヤフォン部401cを有する。フレキシブルパイプ401b内やイヤフォン部401c内に二次電池を設けることができる。本発明の一態様である二次電池を備えることで、筐体の小型化に伴う省スペース化に対応できる構成を実現することができる。
【0313】
また、身体に直接取り付け可能なデバイス402に本発明の一態様である二次電池を搭載することができる。デバイス402の薄型の筐体402aの中に、二次電池を有する蓄電装置402bを設けることができる。本発明の一態様である二次電池を備えることで、筐体の小型化に伴う省スペース化に対応できる構成を実現することができる。
【0314】
また、衣服に取り付け可能なデバイス403に本発明の一態様である蓄電装置を搭載することができる。デバイス403の薄型の筐体403aの中に、二次電池が搭載された蓄電装置403bを設けることができる。本発明の一態様である二次電池を備えることで、筐体の小型化に伴う省スペース化に対応できる構成を実現することができる。
【0315】
また、ベルト型デバイス406に本発明の一態様である蓄電装置を搭載することができる。ベルト型デバイス406は、ベルト部406aおよびワイヤレス給電受電部406bを有し、ベルト部406aの内部に、二次電池を有する蓄電装置を搭載することができる。本発明の一態様である蓄電装置を備えることで、筐体の小型化に伴う省スペース化に対応できる構成を実現することができる。
【0316】
また、腕時計型デバイス405に本発明の一態様である蓄電装置を搭載することができる。腕時計型デバイス405は表示部405aおよびベルト部405bを有し、表示部405aまたはベルト部405bに、蓄電装置を設けることができる。本発明の一態様である蓄電装置を備えることで、筐体の小型化に伴う省スペース化に対応できる構成を実現することができる。
【0317】
表示部405aには、時刻だけでなく、メールや電話の着信等、様々な情報を表示することができる。
【0318】
また、腕時計型デバイス405は、腕に直接巻きつけるタイプのウェアラブルデバイスであるため、使用者の脈拍、血圧等を測定するセンサを搭載してもよい。使用者の運動量および健康に関するデータを蓄積し、健康を管理することができる。
【0319】
図17Bに腕から取り外した腕時計型デバイス405の斜視図を示す。
【0320】
また、側面図を図17Cに示す。図17Cには、内部に二次電池を有する蓄電装置913を内蔵している様子を示している。蓄電装置913は表示部405aと重なる位置に設けられており、小型、且つ、軽量である。
【0321】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0322】
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置を用いた電子機器について、図18Aおよび図18B、および図19A乃至図19Dを用いて説明する。本発明の一態様の蓄電装置は、二次電池と、電池制御回路と、を同一基板上に設けることができるため、電子機器の小型が可能となり、かつ、二次電池の安全性を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電装置は基板上に設けることができるため、薄いという特徴がある。
【0323】
図18Aに、腕時計型の携帯情報端末(スマートウォッチ(登録商標)とも呼ぶ)700の斜視図を示す。携帯情報端末700は、筐体701、表示パネル702、留め金703、バンド705A、705B、操作ボタン711、712を有する。
【0324】
表示パネルとして例えば、アクティブマトリクス表示装置を設けてもよい。アクティブマトリクス表示装置としては反射型液晶表示装置や有機EL表示装置や電子ペーパーなどがある。アクティブマトリクス表示装置に映像(動画または静止画)や時間を表示させることもできる。アクティブマトリクス表示装置の電力は、薄膜型二次電池から供給することができる。また、フレキシブル基板を用いた有機EL表示装置を用いてもよい。
【0325】
上記表示装置は、表示パネルと、表示パネルに画像信号を与える駆動回路を有する。該駆動回路は例えば、先の実施の形態に示すOSトランジスタを複数用いた構成とすることができる。本発明の一態様の蓄電装置では、二次電池とOSトランジスタと、同一基板上に設けることができる。よって、OSトランジスタを用いて該駆動回路を設けることにより、同一基板上に二次電池と駆動回路、あるいは駆動回路の少なくとも一部を設けることができる。よって、本発明の一態様の携帯情報端末の小型化、軽量化、丈夫さの向上、等が可能となる。
【0326】
ベゼル部を兼ねる筐体701に搭載された表示パネル702は、矩形状の表示領域を有している。また、該表示領域は曲面を構成している。表示パネル702は可撓性を有すると好ましい。なお、表示領域は非矩形状であってもよい。
【0327】
バンド705Aおよびバンド705Bは、筐体701と接続される。留め金703は、バンド705Aと接続される。バンド705Aと筐体701とは、例えばピンを介して接続部が回転できるように接続される。バンド705Bと筐体701、ならびにバンド705Aと留め金703の接続についても同様である。
【0328】
図18Bにバンド705Aの斜視図を示す。バンド705Aは蓄電装置を有する。蓄電装置には、例えば先の実施の形態で説明した蓄電装置を用いることができる。蓄電装置はバンド705Aの内部に埋め込まれ、蓄電装置が有する二次電池の正極リード751および負極リード752はそれぞれ一部がバンド705Aから突出している(図18B参照)。正極リード751および負極リード752は、表示パネル702と電気的に接続される。なお、上記のピンが電極の機能を有していてもよい。具体的には、正極リード751および表示パネル702、ならびに負極リード752および表示パネル702が、それぞれバンド705Aと筐体701とを接続するピンを介して電気的に接続されていてもよい。このようにすることで、バンド705Aおよび筐体701の接続部における構成を簡略化できる。
【0329】
蓄電装置は可撓性を有する。そのためバンド705Aは、蓄電装置と一体形成することで作製できる。例えば、バンド705Aの外形に対応する金型に蓄電装置をセットし、バンド705Aの材料を該金型に流し込み、該材料を硬化させることで図18Bに示すバンド705Aを作製できる。
【0330】
バンド705Aの材料としてゴム材料を用いる場合、加熱処理によってゴムを硬化させる。例えばゴム材料としてフッ素ゴムを用いる場合、170℃、10分の加熱処理によって硬化させる。また、ゴム材料としてシリコーンゴムを用いる場合、150℃、10分の加熱処理によって硬化させる。
【0331】
バンド705Aに用いる材料としては、フッ素ゴム、シリコーンゴムのほか、フロロシリコーンゴム、ウレタンゴムが挙げられる。
【0332】
なお、図18Aに示す携帯情報端末700は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示領域に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示領域に表示する機能、等を有することができる。
【0333】
また、筐体701の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。なお、携帯情報端末700は、発光素子をその表示パネル702に用いることにより作製することができる。
【0334】
なお、図18Aでは蓄電装置がバンド705Aに含まれる例を示したが、蓄電装置がバンド705Bに含まれていてもよい。バンド705Bとしてはバンド705Aと同様の材料を用いることができる。
【0335】
図19Aは、掃除ロボットの一例を示している。掃除ロボット6300は、筐体6301上面に配置された表示部6302、側面に配置された複数のカメラ6303、ブラシ6304、操作ボタン6305、各種センサなどを有する。図示されていないが、掃除ロボット6300には、タイヤ、吸い込み口等が備えられている。掃除ロボット6300は自走し、ゴミ6310を検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
【0336】
例えば、掃除ロボット6300は、カメラ6303が撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシ6304に絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシ6304の回転を止めることができる。掃除ロボット6300は、その内部に本発明の一態様に係る蓄電装置と、半導体装置または電子部品を備える。本発明の一態様に係る蓄電装置を掃除ロボット6300に用いることで、掃除ロボット6300を稼働時間が長く信頼性の高い電子機器とすることができる。
【0337】
図19Bは、ロボットの一例を示している。図19Bに示すロボット6400は、蓄電装置6409、照度センサ6401、マイクロフォン6402、上部カメラ6403、スピーカ6404、表示部6405、下部カメラ6406および障害物センサ6407、移動機構6408、演算装置等を備える。
【0338】
マイクロフォン6402は、使用者の話し声及び環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ6404は、音声を発する機能を有する。ロボット6400は、マイクロフォン6402およびスピーカ6404を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
【0339】
表示部6405は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット6400は、使用者の望みの情報を表示部6405に表示することが可能である。表示部6405は、タッチパネルを搭載していてもよい。また、表示部6405は取り外しのできる情報端末であっても良く、ロボット6400の定位置に設置することで、充電およびデータの受け渡しを可能とする。
【0340】
上部カメラ6403および下部カメラ6406は、ロボット6400の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ6407は、移動機構6408を用いてロボット6400が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット6400は、上部カメラ6403、下部カメラ6406および障害物センサ6407を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
【0341】
ロボット6400は、その内部に本発明の一態様に係る蓄電装置6409と、電子部品を備える。本発明の一態様に係る蓄電装置をロボット6400に用いることで、ロボット6400を稼働時間が長く信頼性の高い電子機器とすることができる。
【0342】
図19Cは、飛行体の一例を示している。図19Cに示す飛行体6500は、プロペラ6501、カメラ6502、および蓄電装置6503などを有し、自律して飛行する機能を有する。
【0343】
例えば、カメラ6502で撮影した画像データは、電子部品6504に記憶される。電子部品6504は、画像データを解析し、移動する際の障害物の有無などを察知することができる。また、蓄電装置6503は、二次電池の蓄電容量の変化から、残量を推定することができる。飛行体6500は、その内部に本発明の一態様に係る蓄電装置6503を備える。本発明の一態様に係る蓄電装置を飛行体6500に用いることで、飛行体6500を稼働時間が長く信頼性の高い電子機器とすることができる。
【0344】
図19Dは、自動車の一例を示している。自動車7160は、蓄電装置7161、エンジン、タイヤ、ブレーキ、操舵装置、カメラなどを有する。自動車7160は、その内部に本発明の一態様に係る蓄電装置7161を備える。本発明の一態様に係る蓄電装置を自動車7160に用いることで、車両の重量を軽くすることができる。また、車両に占める二次電池の容積を小さくすることができる。また、自動車7160を航続距離が長く、安全性が高く、信頼性が高い自動車とすることができる。
【0345】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0346】
11:トランジスタ、12:トランジスタ、13:トランジスタ、14:トランジスタ、15:トランジスタ、21:トランジスタ、22:トランジスタ、23:トランジスタ、24:トランジスタ、25:トランジスタ、50:コンパレータ、90:蓄電装置、91:電池制御回路、91a:回路、91b:回路、99:保持回路、99a:トランジスタ、99b:トランジスタ、100:正極、101:正極活物質層、103:正極集電体、110:基板、113:コンパレータ、114:記憶素子、120:組電池、121:電池セル、130:セルバランス回路、130a:セルバランス回路、131:抵抗素子、132:トランジスタ、140:トランジスタ、150:トランジスタ、161:容量素子、162:トランジスタ、172:トランジスタ、182:論理回路、185:検出回路、185a:検出回路、185c:回路、185d:回路、186:検出回路、200:二次電池、203:固体電解質層、204:負極活物質層、205:負極集電体、206:保護層、210:負極、213:固体電解質層、215:正極集電体、300:トランジスタ、313:半導体領域、314a:低抵抗領域、314b:低抵抗領域、315:絶縁体、316:導電体、320:絶縁体、322:絶縁体、324:絶縁体、326:絶縁体、328:導電体、330:導電体、350:絶縁体、400:眼鏡型デバイス、400a:フレーム、400b:表示部、401:ヘッドセット型デバイス、401a:マイク部、401b:フレキシブルパイプ、401c:イヤフォン部、402:デバイス、402a:筐体、402b:蓄電装置、403:デバイス、403a:筐体、403b:蓄電装置、405:腕時計型デバイス、405a:表示部、405b:ベルト部、406:ベルト型デバイス、406a:ベルト部、406b:ワイヤレス給電受電部、500:トランジスタ、503:導電体、512:絶縁体、514:絶縁体、520:絶縁体、522:絶縁体、524:絶縁体、530:酸化物、530a:酸化物、530b:酸化物、530c:酸化物、540a:導電体、540b:導電体、542a:導電体、542b:導電体、543a:領域、543b:領域、544:絶縁体、550:絶縁体、560:導電体、560a:導電体、560b:導電体、574:絶縁体、580:絶縁体、580b:絶縁体、581:絶縁体、599:基板、600:容量素子、610:導電体、610b:導電体、611:絶縁体、660:センサ素子、660a:導電体、660b:層、660c:導電体、700:携帯情報端末、701:筐体、702:表示パネル、703:留め金、705A:バンド、705B:バンド、711:操作ボタン、712:操作ボタン、751:正極リード、752:負極リード、913:蓄電装置、3000:ICカード、3001:薄膜型二次電池、3002:ID、3003:写真、3004:IC、3005:電波、6300:掃除ロボット、6301:筐体、6302:表示部、6303:カメラ、6304:ブラシ、6305:操作ボタン、6310:ゴミ、6400:ロボット、6401:照度センサ、6402:マイクロフォン、6403:上部カメラ、6404:スピーカ、6405:表示部、6406:下部カメラ、6407:障害物センサ、6408:移動機構、6409:蓄電装置、6500:飛行体、6501:プロペラ、6502:カメラ、6503:蓄電装置、6504:電子部品、7160:自動車、7161:蓄電装置
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図19D