(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】バックパック
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20241129BHJP
A45F 3/02 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
A45F3/04
A45F3/02 420
(21)【出願番号】P 2022542206
(86)(22)【出願日】2021-01-18
(86)【国際出願番号】 KR2021000691
(87)【国際公開番号】W WO2021149989
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0008066
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522273425
【氏名又は名称】ユウ、サイモン エス
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】ユウ、テファン
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02801283(EP,A1)
【文献】実公昭35-005384(JP,Y1)
【文献】特開2001-238716(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0030015(US,A1)
【文献】特開平10-229908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/00 - 3/12
A45C 1/00 -15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側にショルダーストラップを備える第1バックパック部材と、前記第1バックパック部材の背面に構成される第2バックパック部材と、前記第1バックパック部材と第2バックパック部材の底面に所定の幅を有するように固定される補助積載部とを備えるバックパックであって、
前記第1バックパック部材と前記第2バックパック部材の両側部とを連結するバックルを備え、
前記補助積載部は少なくとも下部が前記第1バックパック部材と第2バックパック部材の外部に常時露出され、その補助積載部の両側縁に形成された紐誘導路に入れ込まれる紐の両端を引っ張って前記補助積載部の幅をコンパクトに縮小して固定したり前記紐誘導路に入れ込まれる紐の両端を引っ張って前記補助積載部の幅が任意の幅になるように固定したりしている状態でも、前記第1バックパック部材と第2バックパック部材が互いに反対方向に広げられ、前記紐によって任意の幅に固定された補助積載部に物品を積載したときに前記バックパックの重心が変形しないように構成されることを特徴とするバックパック。
【請求項2】
前記第1バックパック部材は背もたれ部からなり、前記第2バックパック部材には収納部が構成されることを特徴とする請求項1に記載のバックパック。
【請求項3】
前記第1バックパック部材と第2バックパック部材には収納部がそれぞれ構成されることを特徴とする請求項1に記載のバックパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバックパックに関し、さらに詳しくはバックパック内の収納部の空間に入らないものなどをバックパックに容易かつ安定的に固定することができるバックパック構造を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に物を収め、手軽に保管及び携帯するために使用されるバックパックは消費者のニーズに応じてその用途及び形態が多様化されている。
一般的なバックパックの一例として大韓民国特許登録第10-1255673号に記載されている構造を見ると、
図1及び
図2のように両側にショルダーストラップ110を備えている背板部100と、前記背板部と左側又は右側の一方側120を共有して連結され、前記一方側を除いた残り側は前記背板部から分離された状態で内部に物品を収納する空間を含む収納部200と、前記背板部と前記収納部とを連結し、ファスナー、リング、ボタンおよびベルクロ(登録商標)から選択されるいずれかが使用される連結部300で構成されている。
【0003】
前記のように背板部100と収納部200とを分離可能に構成し、背中に着用したバックパックから物を取り出すときは前記連結部300を緩めて収納部200のみを自由に回転させることによりバックパックを背中から分離せずに収納部から物を自由に取り出すことができる長所がある。
【0004】
しかし、前記のように構成されるバックパックはそのサイズが限られているためにバックパックの収納スペースに入れることができずバックパックの外にぶら下げて持ち運ばなければならない場合もあってバックパックの外にぶら下げている物品によってバックパックの積載空間のなかから物品を取り出すとき時間遅延などの問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであって、バックパックの収納空間に収まらないサイズの大きい柱状の物品や「T」字型の物品などを携帯する場合、その物品を手軽に積載できるバックパック構造を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、バックパックにサイズの大きい物品が積載されても着用感とバランスが維持され、安定して肩に着けることができるバックパック構造を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、バックパックにサイズの大きい物品が積載されてもバックパックの収納空間の開閉に影響を与えないバックパック構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明のバックパックは、両側にショルダーストラップを備える第1バックパック部材と、前記第1バックパック部材の背面に構成される第2バックパック部材と、前記第1バックパック部材と第2バックパック部材の底面に所定の幅を有するように固定される補助積載部とを備えるバックパックであって、前記第1バックパック部材と前記第2バックパック部材の両側部とを連結するバックルを備え、前記補助積載部は少なくとも下部が前記第1バックパック部材と第2バックパック部材の外部に常時露出され、その補助積載部の両側縁に形成された紐誘導路に入れ込まれる紐の両端を引っ張って前記補助積載部の幅をコンパクトに縮小して固定したり前記紐誘導路に入れ込まれる紐の両端を引っ張って前記補助積載部の幅が任意の幅になるように固定した状態でも前記第1バックパック部材と第2バックパック部材が互いに反対方向に広げられ、前記紐によって任意の幅に固定された補助積載部に物品を積載したときに前記バックパックの重心が変形しないように構成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のバックパックは、両側にショルダーストラップを備える第1バックパック部材と、前記第1バックパック部材の背面に構成される第2バックパック部材と、前記第1バックパック部材と第2バックパック部材の底面とを互いに固定して前記第1バックパック部材と第2バックパック部材が互いに反対方向に広げられ、前記第1バックパック部材と第2バックパック部材の外側に露出して構成される補助積載部と、少なくとも前記第1バックパック部材と前記第2バックパック部材の両側部とを結合するバックルを備え、前記補助積載部は複数のパネルが第1ヒンジで連結され、前記第1ヒンジで連結された複数のパネルのうち一方のパネルは前記第1バックパック部材に回転可能に第2ヒンジを介して固定され、前記第1ヒンジで連結された複数のパネルのうち他方のパネルは第2バックパック部材に回転可能に第3ヒンジを介して固定されるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記第1バックパック部材は背もたれ部からなり前記第2バックパック部材には収納部が構成されることを特徴とする。
また、前記第1バックパック部材と第2バックパック部材には収納部がそれぞれ構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のバックパックは、両側にショルダーストラップを備える第1バックパック部材と、前記第1バックパック部材の背面に構成される第2バックパック部材と、前記第1バックパック部材と第2バックパック部材の底面とを互いに固定して前記第1バックパック部材と前記第2バックパック部材は互いに反対方向に広げられ、前記第1バックパック部材と前記第2バックパック部材の外側に露出して構成される補助積載部と、前記第1バックパック部材と前記第2バックパック部材の両側部を互いに係合するバックルを備え、前記補助積載部は前記第1バックパック部材と第2バックパック部材との間に積載される物品に応じて間隔を調節できる間隔調節手段を備えることによりバックパック部材の収納部に入らないサイズの大きい物品もバックパックに手軽に積載できる効果が得られる。
また、サイズの大きい物品がバックパックに積載された状態でもバックパックの収納部の開閉が容易であってバックパックの収納部から物品を取り出したり入れたりするとき支障をきたさない効果が得られる。
また、サイズの大きい物品をバックパックに積載してもバックパックの重心のバランスを保つ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来のバックパックの背板部と収納部とを分離した状態を示す立体図である。
【
図2】従来のバックパックの背板部と収納部が結合された状態を示す立体図である。
【
図3】本発明の第1バックパック部材と第2バックパック部材が結合された状態を示すバックパックの一例を示す立体図である。
【
図4】
図3の第1バックパック部材と第2バックパック部材が広がった状態を示す立体図である。
【
図5】本発明の補助積載部の間隔調整を説明するための図である。
【
図6】本発明の補助積載部の他の例を説明するための図である。
【
図7】本発明のバックパックにサイズの大きい物品が積載された状態を示す立体図である。
【
図8】本発明のバックパックにサイズの大きい物品が積載された状態を示す他の例の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のバックパックの技術構成及び作用について、
図3~
図8を参照して具体的に説明する。
本発明のバックパックサック500は
図3、
図4に示すように第1バックパック部材510と、第2バックパック部材520と、第1バックパック部材に構成される一対のショルダーストラップ530と、前記第1バックパック部材と第2バックパック部材の底面を互いに連結して固定する補助積載部540からなる。
【0013】
第1バックパック部材510はジッパー511等により開放可能な収納部512が構成される。第1バックパック部材510の背面に構成される第2バックパック部材520にもジッパー521等により開放可能な収納部522が構成される。
もちろん、第1バックパック部材510と第2バックパック部材520に必ず収納部512、522をそれぞれ構成する必要はなく、第1バックパック部材510には収納部512の構成を省略してもよい。
【0014】
第1バックパック部材510に収納部512構成を省略する場合には第1バックパック部材510が実質的に背もたれの役割のみを行うことができる構造で構成してもよい。
特に、補助積載部540は第1バックパック部材510と第2バックパック部材520の底面を互いに固定して第1バックパック部材と第2バックパック部材とが互いに反対方向に広がるように構成されて第1バックパック部材510と第2バックパック部材520の外側に露出する構造をなす。前記補助積載部540は一例として
図4のように長方形のフレキシブルな部材(革、不織布、布等)を用いて第1バックパック部材510と第2バックパック部材520の底面を互いに固定するように形成されており、補助積載部540の両側縁には紐541、541などを入れ込むことができる紐誘導路541a、542aが構成されている。
【0015】
また、第1バックパック部材510と第2バックパック部材520は周囲に長さ調整が可能な多数のバックル550を固定して第1バックパック部材510と第2バックパック部材520とを互いに結合できるように構成されている。
【0016】
前記補助積載部540を使用する際は、
図5に示すように第1バックパック部材510と第2バックパック部材520を両側に広げた後、紐541a、542aを緩めて補助積載部540の幅を十分確保した後その上にサイズの大きい物品を積載し、第1バックパック部材510と第2バックパック部材520を元の位置に立てた後、バックル550で第1バックパック部材510と第2バックパック部材520をしっかりと固定する。逆に、補助積載部540を使用しないときは、紐541a、542aを引っ張って補助積載部540をコンパクトに縮小させることにより第1バックパック部材510と第2バックパック部材520の隙間が広がらないようにするとともに補助積載部540が第1バックパック部材510と第2バックパック部材520の外部に過度に露出されないようにする。
【0017】
以上のように構成される本発明のバックパックサック500は、
図6及び
図7に示すように第1バックパック部材510と第2バックパック部材520との間に位置する補助積載部540にバックパックの収納部に入らないサイズの大きい物品600を簡単に積載して固定することができる。
サイズの大きい物品600は、「I」字型「T」字型等に拘束されずに容易に積載することができ、その物品が積載されてもバックパックの重心が変形しないという長所がある。
【0018】
本発明の補助積載部は
図4及び
図5の構造に限定されず、
図8のように折り畳み式に構成してもよい。
補助積載部640を折り畳み式に構成する場合には2つのパネル641、641をヒンジ641bで連結し、一方のパネルは第1バックパック部材510に回転可能にヒンジ641aを介して固定する。そして、他方のパネルは第2バックパック部材520に回転可能にヒンジ641cを介して固定する。
【0019】
補助積載部640を使用しないときはパネル641、641を折って間隔をコンパクトにすることにより第1バックパック部材510と第2バックパック部材520の隙間が広がらないようにする。逆に補助積載部640を使用するときはパネル641、641を広げた後その上にサイズの大きい物品600を積載することができる。
【0020】
図8には、補助積載部640を構成するパネルが一対のみ示された構造を例示したが、3個以上のパネルをヒンジ結合してその幅を必要に応じて調節できるように構成してもよい。すなわち、複数のパネルのうち必要な幅だけ広げて使用し残りのパネルは重ねて立てたままにすればよい。
【0021】
以上説明した本発明のバックパック500は前記例示した図面構造及び説明内容に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及び目的の範囲内で種々変形して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明はサイズの大きい物品を容易に積載することができるバックパックに関する。
【符号の説明】
【0023】
500: バックパック
510: 第1バックパック部材
511、521: ジッパー
512、522: 収納部
520: 第2バックパック部材
530: ショルダーストラップ
540、560: 補助積載部
541、542: 紐
541a、542a: 紐誘導路
550: バックル
641: パネル
641a、641b、641c: ヒンジ