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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】規制払い出しシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241129BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022550137
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 US2020055456
(87)【国際公開番号】W WO2021178007
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】62/985,882
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/026,000
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/080,577
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/075,814
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515293414
【氏名又は名称】ペイレンジ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パテル,パレッシュ,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】アナム,スリニヴァス
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-149258(JP,A)
【文献】特開2016-181013(JP,A)
【文献】特開2003-016482(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0137570(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有するか、又は前記表示画面と通信する自動販売機と、
前記自動販売機に通信可能に結合されたスキャニングデバイスと、
1つ以上のプロセッサ、及び前記1つ以上のプロセッサによって実行される1つ以上のプログラムを格納しているメモリと、を備え、前記1つ以上のプログラムは、
前記スキャニングデバイスを介して、前記自動販売機によって払い出すために要求された、1つ以上のそれぞれの規制製品の1つ以上の識別子を取得することと、
前記1つ以上の識別子の前記取得に基づいて、前記表示画面上のユーザインターフェースを更新することと、
前記1つ以上の規制製品が、消費者による1回の取引で払い出すことが許可される当該規制製品に関連付けられた、数量制限の最大数のまとめ制限を満たすかどうかを判定することと、
前記スキャニングデバイスを介して、消費者識別情報を取得することと、
前記消費者識別情報が年齢閾値、及び/又は前記1つ以上の規制製品に関連付けられた身元要件を満たすかどうかを判定することと、
バッジもしくアクセスカードのスキャン、又は個人識別番号(PIN)の入力から店員認証情報を取得し、前記1つ以上の規制製品の払い出しを検証することと、
前記店員認証情報の有効性を判定することと、
(i)前記1つ以上の規制製品が払い出しの前記まとめ制限を満たし、かつ(ii)前記消費者識別情報が前記年齢閾値及び/又は前記身元要件を満たし、かつ(iii)前記店員認証情報が有効であるという判定に従って、前記自動販売機に払い出し命令を送信して、前記1つ以上の規制製品を払い出すことと、を行うための命令を含む、
規制払い出しシステム。
【請求項2】
前記1つ以上のプログラムが、
払い出すために要求された、前記1つ以上の規制製品のそれぞれに関連付けられた複数の数量アフォーダンスを前記ユーザインターフェース上に表示することと、
前記複数の数量アフォーダンスの各々の利用可能性インジケータを表示することであって、前記複数の数量アフォーダンスの各々の前記利用可能性インジケータが、(i)それぞれのまとめ制限判定に基づいており、(ii)その後に選択された数量アフォーダンス、及び対応する更新されたまとめ制限判定に従って更新される、表示することと、を行うための命令を更に含む、
請求項1に記載の規制払い出しシステム。
【請求項3】
前記それぞれのまとめ制限判定が、要求された製品数量の、要求された製品の数量制限とのそれぞれの比較に基づいており、
前記数量制限は、特定の払い出し動作につき、いくつの製品が払い出され得るかを制限する、
請求項に記載の規制払い出しシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプログラムが、
前記消費者に関連付けられた健康上のリスクスコアに基づいて、リスク閾値を評価するための命令を更に含み、
前記払い出し命令を前記自動販売機に送信することが、前記リスク閾値評価に更に従う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の規制払い出しシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のプログラムが、
前記1つ以上の規制製品の前記払い出しに基づいて、前記消費者識別情報に関連付けられた前記リスクスコアを更新するための命令を更に含む、
請求項に記載の規制払い出しシステム。
【請求項6】
表示画面を有するか、又は前記表示画面と通信する自動販売機と、前記自動販売機に通信可能に結合されたスキャニングデバイスと、1つ以上のプロセッサ、及び前記1つ以上のプロセッサによって実行される1つ以上のプログラムを格納しているメモリと、を備えた規制払い出しシステムにおいて、
前記スキャニングデバイスを介して、前記自動販売機によって払い出すために要求された、1つ以上のそれぞれの規制製品の1つ以上の識別子を取得することと、
前記1つ以上の識別子の前記取得に基づいて、前記表示画面上のユーザインターフェースを更新することと、
前記1つ以上の規制製品が、消費者による1回の取引で払い出すことが許可される当該規制製品に関連付けられた、数量制限の最大数のまとめ制限を満たすかどうかを判定することと、
前記スキャニングデバイスを介して、消費者識別情報を取得することと、
前記消費者識別情報が年齢閾値、及び/又は前記1つ以上の規制製品に関連付けられた身元要件を満たすかどうかを判定することと、
バッジもしくアクセスカードのスキャン、又は個人識別番号(PIN)の入力から店員認証情報を取得し、前記1つ以上の規制製品の払い出しを検証することと、
前記店員認証情報の有効性を判定することと、
(i)前記1つ以上の規制製品が払い出しの前記まとめ制限を満たし、かつ(ii)前記消費者識別情報が前記年齢閾値及び/又は前記身元要件を満たし、かつ(iii)前記店員認証情報が有効であるという判定に従って、前記自動販売機に払い出し命令を送信して、前記1つ以上の規制製品を払い出すことと、を実行することを含む、
方法。
【請求項7】
規制払い出しシステムによる実行のために構成された1つ以上のプログラムを格納している非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記1つ以上のプログラムが、前記規制払い出しシステムにおいて、
スキャニングデバイスを介して、自動販売機によって払い出すために要求された、1つ以上のそれぞれの規制製品の1つ以上の識別子を取得することと、
前記1つ以上の識別子の前記取得に基づいて、表示画面上のユーザインターフェースを更新することと、
前記1つ以上の規制製品が、消費者による1回の取引で払い出すことが許可される当該規制製品に関連付けられた、数量制限の最大数のまとめ制限を満たすかどうかを判定することと、
前記スキャニングデバイスを介して、消費者識別情報を取得することと、
前記消費者識別情報が年齢閾値、及び/又は前記1つ以上の規制製品に関連付けられた身元要件を満たすかどうかを判定することと、
バッジもしくアクセスカードのスキャン、又は個人識別番号(PIN)の入力から店員認証情報を取得し、前記1つ以上の規制製品の払い出しを検証することと、
前記店員認証情報の有効性を判定することと、
(i)前記1つ以上の規制製品が払い出しの前記まとめ制限を満たし、かつ(ii)前記消費者識別情報が前記年齢閾値及び/又は前記身元要件を満たし、かつ(iii)前記店員認証情報が有効であるという判定に従って、前記自動販売機に払い出し命令を送信して、前記1つ以上の規制製品を払い出すことと、を実行するための命令を含む、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年9月18日に出願された「Controlled Dispensing System and Method」と題する米国特許出願第17/026,000号、2020年9月18日に出願された「Controlled Dispensing System and Method」と題する米国仮特許出願第63/080,577号、2020年9月8日に出願された「Controlled Dispensing System and Method」と題する米国仮特許出願第63/075,814号、及び2020年3月5日に出願された「Controlled Dispensing System and Method」と題する米国仮特許出願第62/985,882号に対する優先権を主張し、それらの各々は、その全体が参照により本明細書によって組み込まれる。
【0002】
本出願は、規制払い出しマシンの分野に関し、特に、それらの払い出しマシンを使用するために認証されている個人に対して規制製品の購入及び使用を制限するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
年齢制限された製品を販売することには、特有の問題が存在し、未成年である見込み客への販売を防止するための効果的なシステムが、実施されなければならない。若者は、年齢証明確認を回避し、年齢制限された製品を取得するための方式を見つけようとすることが多いため、そのような製品の販売では、従来から、その購入者が問題の製品を買うための最低年齢を上回っていることを確認するために、生身の人間が、販売場所で有効な年齢証明書を要求する必要があった。
【0004】
オンライン販売又はリモート販売の場合、小売業者は、年齢制限された製品の購入者に、詳細を登録するか又は将来の購入のためにアカウントを設定するように要求する場合があり、これは、年齢確認チェックがアカウントの初期設定時、又はウェブサイトからの最初の購入時にのみ必要であり得ることを意味する。しかしながら、製品の配送又は選択時には、年齢制限された製品を受け取る人物が、製品を購入するために使用されたアカウントを設定した人物の身元と一致することを確認するために、生身の人間が、依然として身元確認を行う必要がある。
【0005】
年齢制限された製品の販売業者が製品の受け取り時に購入者の年齢及び身元をうまく確認することができた場合であっても、その購入者は、未成年の人物にその製品の使用を許可する場合があり、販売業者は、このことがいつ又はどのくらいの頻度で起こっているかを知る術がないであろう。
【0006】
そのような製品の購入及び使用を、認証された個人に制限しないと、訴訟、処罰措置(例えば、販売上の地理的制限)、罰金、及び、更には懲役などの、販売業者及び製造業者に不利な結果を及ぼす可能性がある。そのため、年齢制限された製品の販売業者及び製造業者は、そのような製品が認証された個人のみによって購入され、当該個人のみに引き渡され、当該個人のみによって使用されることを確実にすることに関心がある。
【発明の概要】
【0007】
認証されたユーザに対して、規制製品の購入、引き渡し、及び使用を制限するための規制払い出しシステムが、本明細書に開示される。例示的な規制製品としては、使用が年齢制限によって規制されている製品(例えば、電子タバコ)がある。一態様では、消費者は、任意の電子デバイスを使用してアカウントを設定する。アカウント設定プロセスには、年齢確認ステップが含まれ、それにより、アカウントの設定時に、消費者の年齢が確認され、当該消費者の身元は、アカウントに紐付けられる。また、アカウント設定プロセスには、個人用電子デバイスの紐付けステップも含まれ、それにより、アカウントの設定時に、消費者の個人用電子デバイス(例えば、スマートフォン)が、そのアカウントに紐付けされる。
【0008】
ユーザのアカウント情報は、サーバ上に格納される。消費者が規制製品を購入すると、サーバは、その消費者によって購入された特定の規制製品に対応する一意の製品識別子を取得する。サーバは、購入された製品が消費者に引き渡されているときに、払い出しマシンが購入された製品をスキャンした結果として、一意の製品識別子を取得することができる。あるいは、サーバは、その製品が(製品の購入前に)払い出しマシンにストックされているときに、一意の製品識別子を先制的に取得することができる。
【0009】
一意の製品識別子を使用して、サーバは、購入された製品を消費者のアカウントに紐付ける。この紐付けプロセスの一部として、購入された製品は、消費者の個人用電子デバイスに関連付けられる。いくつかの態様では、この関連付けの結果として、購入されたデバイスは、ユーザの個人用電子デバイスの範囲内にあるときにのみ使用され得る。
【0010】
したがって、規制デバイスの購入は、消費者がアカウント設定プロセス中にその消費者の年齢を確認するため、年齢制限要件に準拠する。更に、いくつかの態様では、規制デバイスの機能性が消費者の個人用電子デバイスの範囲内にあるときにのみ有効であるため、規制デバイスの使用は、年齢制限要件に準拠する。これにより、消費者が購入完了後に未成年者にデバイスを渡した場合、そのデバイスが動作するのを防止する。
【0011】
重要なことは、このシステムの技術的側面(例えば、自動化された紐付け及びアクティブ化)により、生身の人間(例えば、店員)が販売時点で年齢確認を行う必要なしに、上述のように、購入及び使用制限を満たすことが可能になる。この技術的自動化は、より効率的なユーザ体験を提供し、規制デバイスに関する制限への準拠を保証し、規制デバイスがスタッフのいない払い出しデバイスによってリモートで販売されるのを可能にし、それによって、消費者の安全性、又は販売業者/製造業者の責任を犠牲にすることなく、規制デバイスの利用可能性を高めることが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】いくつかの実施態様による規制払い出し環境の略図である。
図2】いくつかの実施態様による規制払い出しマシンの略図である。
図3】いくつかの実施態様による規制デバイスの略図である。
図4】いくつかの実施態様によるモバイルデバイスの略図である。
図5】いくつかの実施態様によるサーバシステムの略図である。
図6A-6B】いくつかの実施態様による識別子間の様々な関連付けの略図である。
図7】いくつかの実施態様による規制払い出し環境に対応する方法を示すフロー図である。
図8】いくつかの実施態様による規制払い出し環境に対応する方法を示すフロー図である。
図9】いくつかの実施態様による製品パッケージの略図である。
図10】いくつかの実施態様による払い出しマシンの横列の略図である。
図11】いくつかの実施態様による製品パッケージの略図である。
図12】いくつかの実施態様による払い出しマシンの横列の略図である。
図13】いくつかの実施態様による規制払い出し環境の略図である。
図14】いくつかの実施態様による規制払い出し方法の略図である。
図15】いくつかの実施態様によるユーザインターフェースのアイドル画面の略図である。
図16A-16F】いくつかの実施態様による、製品選択に関連付けられたユーザインターフェースの取引画面の略図である。
図17A-17B】いくつかの実施態様による、店員確認に関連付けられたユーザインターフェースの取引画面の略図である。
図18】いくつかの実施態様による、消費者検証に関連付けられたユーザインターフェースの取引画面の略図である。
図19】いくつかの実施態様による規制払い出し環境の略図である。
【0013】
同様の参照数字は、図面のうちのいくつかの図全体にわたって対応する部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
規制製品を払い出し、かつアクティブ化するためのシステム及び方法、又は、より具体的には、規制製品の購入及び/又は使用を、それらの製品を使用するために認証されている個人に制限するためのシステム及び方法の様々な実施態様が、本明細書に開示される。
【0015】
図1は、いくつかの実施態様による規制払い出し環境100の略図である。この環境100は、規制払い出しマシン102、規制デバイス104、モバイルデバイス106、及びサーバシステム108を含む。その規制払い出しマシン102及びモバイルデバイス106は、インターネットなどの1つ以上の通信ネットワーク110を介して、サーバシステム108と通信する。その規制デバイス104は、ブルートゥースローエネルギー(BLE)などの短距離通信ネットワークを使用して、モバイルデバイス106と通信する。いくつかの実施態様では、環境100は、店舗内の勘定カウンタにあるコンピューティング端末などの小売業者マシン112を含み、このマシンは、通信ネットワーク110を介して、サーバシステム108と通信する。
【0016】
規制払い出しマシン102は、品物124などの複数の規制製品を格納し、それらを消費者に引き渡すように構成されたマシンである。このマシン102は、自動販売機、又は製品若しくはサービスを格納し、消費者が関与する取引の結果として、その製品又はサービスを払い出す任意の他のデバイスであり得る。マシン102は、壁取り付け自動販売機であり得るか、又は地面に設置され得る。いくつかの実施態様では、マシン102は、現金、硬貨、又はクレジットカードを受け付けず、その代わりに、サーバシステム108から受信した命令上で動作する(例えば、消費者が、モバイルデバイス106を使用して、品物124を選択した結果として)。年齢制限に関連付けられた規制デバイスでストックされたマシン102は、酒場、コンベンションセンター、ホテル、空港、クラブなどの大人向けの会場に設置され得る。各製品は、一意の製品識別子(例えば、整理番号)で関連付けられている。この一意の製品識別子は、品物124のラベル126上に配設され得る。マシン102は、複数の格納位置を含み、スロット122と称されることもある。このスロットは、マシン102の1つ以上の横列及び/又は縦列にわたって配設され得る。マシン102は、一意のマシン識別子に関連付けられている。一意のマシン識別子は、ラベル120(例えば、モバイルデバイス106によってスキャンされ得るQRコード又はバーコード)上に配設され得る。マシン102は、ネットワーク110を介して、サーバシステム108に通信可能に結合されている。
【0017】
規制デバイス104は、使用制限に関連付けられている任意の製品である。例示的な使用制限としては、年齢制限がある(例えば、18歳以上、21歳以上、又はそれぞれのケースに合わせた年齢の者によってのみ使用され得る)。更に又はあるいは、規制デバイス104は、他の方式で、例えば、身元(例えば、特定の個人によってのみ使用され得る)によって、又は1人以上の個人に関連付けられた任意の他のタイプの属性によって、制限され得る。例示的な規制デバイス104は、電子タバコ(e-cigs)、電子気化器(ベイピングペン又はベイプペン)、又はタバコ、ニコチン、アルコール、マリファナなどの規制物質を含む任意の他の製品を含む。規制デバイス104は、前述の例示的な製品のいずれかと整合するように構成された製品であってもよい。例えば、規制デバイス104は、規制物質を含んでも含まなくてもよいベイピングアクセサリーであってもよい。規制デバイス104は、医薬品、又は任意の他のタイプの年齢制限された物質に関連付けられ得る。規制デバイス104は、法的規制に関連付けられていない製品を含み得るが、販売業者若しくは製造業者によって追跡される必要がある個人、又はその取引自体が販売業者若しくは製造業者によって追跡される必要がある個人を対象とする場合がある(例えば、法令遵守の目的で)。例えば、規制デバイス104には、成人のみ、又は取引が追跡される必要がある個人に販売されることを意図された通信デバイス(電話、シムカードなど)が含まれ得る。
【0018】
モバイルデバイス106は、消費者に関連付けられた個人用電子デバイス(例えば、消費者のスマートフォン)である。このモバイルデバイス106には、スマートフォン、タブレット若しくはラップトップコンピュータ、又は携帯情報端末(PDA)、スマートカード、あるいは本明細書に記載のモバイルデバイスと同様の構造及び/若しくは機能を有する既知の若しくはまだ発見されていない他の技術(例えば、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ)が含まれるが、これらに限定されない。モバイルデバイス106には、ネットワーク110を介して通信するための長距離通信機能(例えば、モデム、送受信機など)、及び規制デバイス104と通信するための短距離通信機能(例えば、BLE)、並びにモバイルデバイス106の短距離無線(例えば、ブルートゥース無線)の範囲内にある他のデバイスが含まれる。モバイルデバイス106と規制デバイス104との間の通信は、短距離通信技術又は短距離通信プロトコル(例えば、ブルートゥース(ブルートゥース4.0、ブルートゥーススマート、ブルートゥースローエネルギー(BLE)など)、近距離無線通信(NFC)、超広帯域無線(UWB)、無線自動識別(RFID)、赤外無線、誘導無線、又は既知の若しくはまだ発見されていない、近距離(例えば、約100フィート程度)で通信するために使用され得る任意の有線若しくは無線技術を使用して行われる。本明細書に記載の通信技術は、代替の通信技術と置き換えることができ、したがって、特定の通信技術が限定的であることを意図されていない。例えば、Wi-Fi技術は、別の長距離通信技術に置き換えることができる。
【0019】
サーバシステム108は、通信ネットワーク110を介して、マシン102、モバイルデバイス106、及び小売業者マシン112と通信する。サーバシステム108は、規制デバイス104の消費者に関連付けられたユーザアカウントを格納し、図6~8を参照して以下に更に詳細に説明されるように、規制デバイス104及びモバイルデバイス106に関連付けられた様々な識別子をそれぞれのユーザアカウントに紐付ける。サーバシステム108は、規制デバイス104の販売業者に関連付けられた会社によって運営され得る1つ以上のホスト処理サーバを含む。各消費者毎に、サーバシステム108は、サーバシステム108が会計を保持する指定基金の残高(0ドルであり得る)を有する仮想財布を維持することができる。この残高は、例えば、現金を表す場合もあれば、又は特定の状況下で費やされ得る資金を表す販売促進価値である場合がある。これらの資金が枯渇し始めると、追加の資金が指示及び/又は移転される必要があることを消費者に通知することができる(例えば、モバイルデバイス106上のアプリケーションを介して、又は電子通信を介して)。あるいは、他の資金源(例えば、資金源サーバ)からの基金が、自動的に移転されて、所定の残高を回復することができる。
【0020】
通信ネットワーク110としては、進行中の接続(例えば、専用接続、専用オンライン接続、及び/若しくは固定有線接続)、又はオンデマンドでアクセス可能である接続(例えば、マシン102がサーバシステム108に一時的な接続を行う機能、若しくは消費者がモバイルデバイス106からサーバシステム108に連絡をとる機能)を容易にする有線及び/若しくは無線通信ネットワークが挙げられる。通常、ネットワーク接続は、長距離通信技術又は長距離通信プロトコル(例えば、固定有線、電話ネットワーク技術、移動電話技術(例えば、GSM、CDMAなど)、Wi-Fi技術、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又は、既知であるか若しくはまだ発見されていない、インターネット上の任意の有線又は無線通信技術を介して行われる。
【0021】
小売業者マシン112は、規制デバイス104の販売地点の近くに置かれた任意のコンピューティングデバイスである(例えば、店舗内の勘定カウンタにある端末コンピューティングデバイス)。小売業者マシン112は、上述したように、長距離通信技術を使用して、通信ネットワーク110を介してサーバシステム108と通信する。
【0022】
図2は、いくつかの実施態様による、規制払い出し環境100の例示的な規制払い出しマシン102を示すブロック図である。この規制払い出しマシン102は、1つ以上の処理ユニット(CPU)202、1つ以上のネットワークインターフェース204、メモリ206、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ以上の通信バス208を含む。CPU202、ネットワークインターフェース204、メモリ206、及びバス208は、電子処理ユニット(例えば、プリント回路基板)上に、かつ/又は規制払い出しマシン102内に設置又は別様に配設された任意の他のタイプのハードウェアハウジング内に実装され得る。
【0023】
この規制払い出しマシン102は、内部に格納された製品(品物124)を解放するための1つ以上の払い出し機構210を含む。例としては、スロット122内の次の品物124を解放する回転要素、又は消費者が解放された製品にアクセスすることができるマシン102の領域に品物124を移動させることによって、その品物を物理的に操作する任意の他のタイプの機械的構成要素(例えば、解放レバー又はアーム)が含まれる。いくつかの実施態様では、払い出し機構210は、製品を引き渡し領域に移動させる前に、その製品を中間領域に移動させる(例えば、製品識別子などの、製品についての情報をスキャン又は別様に取得するために)。
【0024】
規制払い出しマシン102は、任意選択的に、製品についての情報(例えば、製品識別子)を取得するためのスキャニングデバイス212を含む。いくつかの実施態様では、スキャニングデバイスは、画像化デバイス、レーザスキャニングデバイス、又は順に払い出されている製品の表面上のバーコード若しくは任意の他のタイプの視覚標識をスキャンして製品識別子を取得するように構成された任意の他のタイプのスキャナである。いくつかの実施態様では、スキャニングデバイスは、製品が順に払い出されているときに、その製品の中又は別様にその製品に関連付けられたNFCタグをスキャンして製品識別子を取得するように構成された近距離無線通信(NFC)スキャニングデバイスである。
【0025】
メモリ206としては、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセス半導体メモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリが挙げられ、任意選択的に、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、1つ以上の光ディスク記憶デバイス、1つ以上のフラッシュメモリデバイス、又は1つ以上の他の不揮発性半導体記憶デバイスなどの不揮発性メモリが挙げられる。メモリ206は、任意選択的に、1つ以上の処理ユニット202から遠隔に配置された1つ以上の記憶デバイスを含む。メモリ206、又はあるいはメモリ206内の不揮発性メモリとしては、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。いくつかの実施態様では、メモリ206、又はメモリ206の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、以下のプログラム、モジュール、及びデータ構造、又はそれらのサブセット若しくは上位セットを格納する。
●様々な基本的なシステムサービスを処理するための手順、及びハードウェアに依存するタスクを実行するための手順を含むオペレーティングシステム216。
●1つ以上のネットワークインターフェース204(有線又は無線)、及びインターネット、他のワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワークなどの1つ以上の通信ネットワーク110を介して、規制払い出しマシン102を他のデバイス(例えば、サーバシステム108)に接続するための通信モジュール218。
●サーバシステム108から受信した払い出し命令に従って、払い出し機構210を制御するための払い出しモジュール220。
●スキャン及び払い出し動作に従って、スキャニングデバイス212を制御するためのスキャニングモジュール222。
●スキャン及び払い出しされた製品に関連付けられた製品識別子を、スキャン及び払い出しされた製品の購入に関連付けられたユーザ識別子に紐付けするための関連付けモジュール224。
●以下を含むマシンデータ226。
○マシン102内に格納された利用可能な製品の一覧表を含む在庫表228。
○マシン102内に格納された製品の現在及び/又は過去の購入に関与したユーザ識別子及び製品識別子を含む取引データ230。
【0026】
上記の識別された要素の各々は、前述のメモリデバイスのうちの1つ以上に格納され得、上述の機能を実行するための命令セットに対応する。上記の識別されたモジュール又はプログラム(すなわち、命令セット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、モジュール、又はデータ構造として実装される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々なサブセットは、様々な実施態様において組み合わされるか、又は別様に再配列されてもよい。いくつかの実施態様では、メモリ206は、任意選択的に、上で識別されたモジュール及びデータ構造のサブセットを格納する。更に、メモリ206は、任意選択的に、上で説明されていない追加のモジュール及びデータ構造を格納する。
【0027】
図3は、いくつかの実施態様による規制払い出し環境100の例示的な規制デバイス104を示すブロック図である。この規制デバイスは、1つ以上の処理ユニット(CPU)302、1つ以上のネットワークインターフェース304、メモリ306、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ以上の通信バス308を含む。CPU302、ネットワークインターフェース304、メモリ306、及びバス308は、電子処理ユニット(例えば、プリント回路基板)上に、かつ/又は規制払い出しマシン104内に設置又は別様に配設された任意の他のタイプのハードウェアハウジング内に実装され得る。
【0028】
この規制デバイス104は、規制デバイス104の中央に位置する、1つ以上の機能を制御するための第1の電子回路310を含む。例えば、規制デバイスがベイピングペンである場合、第1の回路は、そのベイピングペンの気化機能(例えば、加熱素子及び/又は温度感知回路)を制御することができる。
【0029】
規制デバイス104は、その規制デバイス104に付随する1つ以上の機能を制御するための第2の電子回路312を含む。例えば、規制デバイスがベイピングペンである場合、第2の回路は、ベイピングペンのステータス表示又はバッテリー寿命インジケータを制御することができる。
【0030】
メモリ306としては、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセス半導体メモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリが含まれ、任意選択的に、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、1つ以上の光ディスク記憶デバイス、1つ以上のフラッシュメモリデバイス、又は1つ以上の他の不揮発性半導体記憶デバイスなどの不揮発性メモリが挙げられる。メモリ306は、任意選択的に、1つ以上の処理ユニット302から遠隔に配置された1つ以上の記憶デバイスを含む。メモリ306、又はあるいはメモリ306内の不揮発性メモリとしては、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。いくつかの実施態様では、メモリ306、又はメモリ306の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、以下のプログラム、モジュール、及びデータ構造、又はそれらのサブセット若しくは上位セットを格納する。
●1つ以上のネットワークインターフェース304(有線又は無線)、及びBLEネットワークなどの1つ以上の短距離通信ネットワークを介して、規制デバイス104を他のデバイス(例えば、モバイルデバイス106)に接続するための通信モジュール318。
●規制デバイス104の第1の回路310をアクティブ化及び非アクティブ化させるためのアクティブ化モジュール320。
●例えば、モバイルデバイス106との正常なペアリングに基づいて、規制デバイス104を特定のモバイルデバイス106に紐付けするための関連付けモジュール322。
●以下を含むデバイスデータ324。
○規制デバイス104に関連付けられた一意の製品識別子である品物ID326。
○特定のモバイルデバイス106に関連付けられた一意のモバイルデバイス識別子であるモバイルID328。
【0031】
上記の識別された要素の各々は、前述のメモリデバイスのうちの1つ以上に格納され得、上述の機能を実行するための命令セットに対応する。上記の識別されたモジュール又はプログラム(すなわち、命令セット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、モジュール、又はデータ構造として実装される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々なサブセットは、様々な実施態様において組み合わされるか、又は別様に再配列されてもよい。いくつかの実施態様では、メモリ306は、任意選択的に、上で識別されたモジュール及びデータ構造のサブセットを格納する。更に、メモリ306は、任意選択的に、上で説明されていない追加のモジュール及びデータ構造を格納する。
【0032】
図4は、いくつかの実施態様による規制払い出し環境100の例示的なモバイルデバイス106を示すブロック図である。このモバイルデバイス106は、1つ以上の処理ユニット(CPU)402、1つ以上のネットワークインターフェース404、メモリ406、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ以上の通信バス408を含む。
【0033】
モバイルデバイス106は、ユーザ入力を受信するための1つ以上の入力デバイス410(例えば、タッチ画面、キーボード、マウス、マイクロフォンなど)、及び出力をユーザに表示するための1つ以上の出力デバイス412(例えば、表示画面、スピーカーなど)を含む。
【0034】
メモリ406としては、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセス半導体メモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリが含まれ、任意選択的に、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、1つ以上の光ディスク記憶デバイス、1つ以上のフラッシュメモリデバイス、又は1つ以上の他の不揮発性半導体記憶デバイスなどの不揮発性メモリが挙げられる。メモリ406は、任意選択的に、1つ以上の処理ユニット402から遠隔に配置された1つ以上の記憶デバイスを含む。メモリ406、又はあるいはメモリ406内の不揮発性メモリとしては、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。いくつかの実施態様では、メモリ406、又はメモリ406の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、以下のプログラム、モジュール、及びデータ構造、又はそれらのサブセット若しくは上位セットを格納する。
●様々な基本的なシステムサービスを処理するための手順、及びハードウェアに依存するタスクを実行するための手順を含むオペレーティングシステム416。
●1つ以上のネットワークインターフェース404(有線又は無線)、及びインターネット、他のワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワークなどの1つ以上の通信ネットワーク110を介して、モバイルデバイス106を他のデバイス(例えば、サーバシステム108)に接続するための通信モジュール418。
●入力デバイス410を介してユーザから入力を受信し、出力デバイス412を介して出力をそのユーザに表示するためのユーザインターフェースモジュール420。
●1つ以上の通信ネットワーク110を介したインターネット閲覧を容易にするためのブラウザアプリケーション422。
図7~8を参照して以下に説明されるような製品購入を容易にするための払い出しアプリケーション424。
●モバイルデバイス106に関連付けられた一意のモバイルデバイス識別子(モバイルID428)を含むデバイスデータ426。
●モバイルデバイス106のユーザに関連付けられた一意のユーザアカウント識別子(ユーザlD432)を含むユーザデータ430。
【0035】
上記の識別された要素の各々は、前述のメモリデバイスのうちの1つ以上に格納され得、上述の機能を実行するための命令セットに対応する。上記の識別されたモジュール又はプログラム(すなわち、命令セット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、モジュール、又はデータ構造として実装される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々なサブセットは、様々な実施態様において組み合わされるか、又は別様に再配列されてもよい。いくつかの実施態様では、メモリ406は、任意選択的に、上で識別されたモジュール及びデータ構造のサブセットを格納する。更に、メモリ406は、任意選択的に、上で説明されていない追加のモジュール及びデータ構造を格納する。
【0036】
図5は、いくつかの実施態様による規制払い出し環境100の例示的なサーバシステム108を示すブロック図である。このサーバシステム108は、1つ以上の処理ユニット(CPU)502、1つ以上のネットワークインターフェース504、メモリ506、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ以上の通信バス508を含む。
【0037】
サーバシステム108は、ユーザ入力を受信するための1つ以上の入力デバイス510(例えば、タッチ画面、キーボード、マウス、マイクロフォンなど)、及び出力をユーザに表示するための1つ以上の出力デバイス512(例えば、表示画面、スピーカーなど)を含む。
【0038】
メモリ506としては、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセス半導体メモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリが挙げられ、任意選択的に、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、1つ以上の光ディスク記憶デバイス、1つ以上のフラッシュメモリデバイス、又は1つ以上の他の不揮発性半導体記憶デバイスなどの不揮発性メモリが挙げられる。メモリ506は、任意選択的に、1つ以上の処理ユニット502から遠隔に配置された1つ以上の記憶デバイスを含む。メモリ506、又はあるいはメモリ506内の不揮発性メモリとしては、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。いくつかの実施態様では、メモリ506、又はメモリ506の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、以下のプログラム、モジュール、及びデータ構造、又はそれらのサブセット若しくは上位セットを格納する。
●様々な基本的なシステムサービスを処理するための手順、及びハードウェアに依存するタスクを実行するための手順を含むオペレーティングシステム516。
●1つ以上のネットワークインターフェース504(有線又は無線)、及びインターネット、他のワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワークなどの1つ以上の通信ネットワーク110を介して、モバイルデバイス106を他のデバイス(例えば、マシン102及びモバイルデバイス106)に接続するための通信モジュール518。
●アカウント設定プロセスの一部として、消費者に対して1つ以上の年齢確認プロセスを実行するための年齢確認モジュール520。
●ユーザアカウントが、規制デバイス購入及び/又は使用に関する数量閾値を満たす(例えば、所与の時間内に購入されたデバイスの閾値数よりも多くないか、又は、所与の時間内のデバイスの閾値使用回数よりも多くない)ことを確認するための数量確認モジュール522。
●取引(例えば、口座残高を管理すること、資金調達口座に請求することなど)の間に支払い機能を実行するための支払い処理モジュール524。
●規制デバイス104がその規制デバイス104の購入の一部として特定のモバイルデバイス106に紐付けされることを許可する前に、購入された規制デバイス104がいずれの他のモバイルデバイス106にも紐付けされていないことを検証するための検証モジュール526。
図7~8に関して以下に説明されるように、ユーザアカウントとそれぞれの規制デバイス104との間の購入を容易にするための取引モジュール528
●複数のユーザアカウントのデータ532を含むユーザアカウントデータ530であって、各ユーザアカウントについて、以下を含むもの。
○ユーザアカウントに関連付けられた一意の識別子であるユーザID534。
○ユーザアカウントに紐付けされている、モバイルデバイス106に関連付けられた一意の識別子であるモバイルID536。
○ユーザアカウントに紐付けされた規制デバイス104の使用統計情報(例えば、特定のデバイスが所与の時間内にどのくらい多くの量を、かつ/又はどのくらいの頻度で使用されているか)を記述する使用データ538。
●複数のマシン102のデータ542を含むマシンデータ540であって、各マシンについて、以下を含むもの。
○そのマシンに関連付けられた一意の識別子であるマシンID544。
○そのマシンにストックされている規制デバイス104に関連付けられたスキャンされた品物ID548を含むスロットデータ546。
【0039】
上記の識別された要素の各々は、前述のメモリデバイスのうちの1つ以上に格納され得、上述の機能を実行するための命令セットに対応する。上記の識別されたモジュール又はプログラム(すなわち、命令セット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、モジュール、又はデータ構造として実装される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々なサブセットは、様々な実施態様において組み合わされるか、又は別様に再配列されてもよい。いくつかの実施態様では、メモリ506は、任意選択的に、上で識別されたモジュール及びデータ構造のサブセットを格納する。更に、メモリ506は、任意選択的に、上で説明されていない追加のモジュール及びデータ構造を格納する。
【0040】
以前のセクションでは、いくつかの実施態様による、規制払い出しマシン102、規制デバイス104、モバイルデバイス106、及びサーバシステム108の詳細について説明した。このセクションは、取引中の規制払い出し環境100におけるこれらのデバイス間の様々な連携について説明する。具体的には、サーバシステム108に格納されたユーザアカウントに関連付けられた消費者がモバイルデバイス106を使用して、規制払い出しマシン102から規制デバイス102を購入する場合、これらのデバイスは、互いに連携し、取引の様々な構成要素に紐付けして、ユーザアカウントに関連付けられた消費者のみが、規制払い出しマシンから規制デバイスを購入することができるように、規制デバイスの購入及び使用を制限し、当該消費者のモバイルデバイスのみが、規制デバイスをその消費者によって使用されることを可能にするであろう。
【0041】
図6Aは、いくつかの実施態様によるこれらの紐付けをより詳細に描いている。第1の横列602を参照すると、消費者は、モバイルデバイス106(又はサーバシステム108にアクセス可能な任意の他の電子デバイス)を使用して、サーバシステム108上にアカウントを設定する。アカウント設定プロセス中に、サーバシステムは、本明細書では「ユーザID」と称される、一意のユーザ識別子を有するユーザアカウントを識別する。このプロセスは、消費者が年齢確認プロセスに合格することを条件としている。また、アカウント設定プロセスの一部として、消費者は、モバイルデバイス106を登録する。この登録ステップの間、サーバシステム108は、一意の識別子をモバイルデバイス106に割り当て、この識別子は、本明細書では、「モバイルID」と称される。したがって、サーバシステムは、消費者のユーザアカウントを介して、消費者の年齢を確認し、ユーザIDをモバイルIDに関連付ける。本出願全体にわたって、用語「関連付け」は、紐付け、関連付け、接続、接合、結合などと同義である。言い換えると、ユーザID及びモバイルIDは、ともに紐付けられているもの、又は両方とも同じユーザアカウントに紐付けられているもの、又は両方ともユーザアカウントを介して同じ消費者に紐付けられているものとして、説明される場合がある。
【0042】
第2の横列604を参照すると、消費者は、特定のマシン102内の規制デバイス104(本明細書では、「品物」とも称される)を選択することへ進む。マシン102が入力又は金銭受領機能のいずれも有さない実施態様の場合、消費者は、モバイルデバイス上の専用アプリケーションを使用して、又はサーバシステム108上に格納された、消費者のユーザアカウントに関連付けられたウェブサイトを指し示している、モバイルデバイス上のウェブブラウザを介して、その選択を行う。サーバシステムは、消費者の選択に識別子(本明細書では、選択IDと称される)を割り当てる。この選択IDは、所望の製品を収容する、マシン内の特定の格納位置(例えば、スロット122)と対応することができる。その選択の結果、サーバシステム108は、消費者の選択IDをユーザIDに関連付ける。言い換えると、消費者の選択は、消費者のユーザアカウントに紐付けられる。
【0043】
第3の横列606を参照すると、サーバシステム108は、払い出し命令をマシン102に送信する。この払い出し命令は、マシンが払い出されている正確な品物(例えば、品物124)を(複数の品物の中で)識別する動作を含む払い出しプロセスを開始する。その品物に対応する一意の識別子(本明細書では、品物IDと呼ばれる)を取得すると、マシン102は、ユーザIDを品物IDに関連付けて、この関連付けをサーバシステム108に伝達し返す。
【0044】
第4の横列608を参照すると、サーバシステム108は、ユーザIDと品物IDとの関連付けを有する伝達を受信する。ユーザIDに基づいて、サーバシステムは、消費者のユーザアカウントにアクセスして、(アカウント設定中に取得した)消費者のモバイルIDを取得する。次いで、サーバシステムは、消費者のモバイルIDを、販売された品物の品物IDに関連付けて、この関連付けを消費者のモバイルデバイス106に伝達する。この最終的な関連付けにより、消費者のモバイルデバイス106(及びその消費者のユーザアカウントに登録されていない他のモバイルデバイスを除くもの)は、品物IDに関連付けられた品物をアクティブ化することができる。したがって、規制デバイスは、年齢確認された消費者のモバイルデバイスによってのみ有効であり得、それによって、規制デバイスの購入だけでなく、規制デバイスの使用も制限することができる。
【0045】
図6Bは、代替の実施態様による前述の関連付けを描いている。第1の横列612を参照すると、消費者は、横列602を参照して上述したアカウント設定プロセスと同様のアカウントを設定する。したがって、サーバシステム108は、消費者のユーザIDを消費者のモバイルIDに関連付ける。
【0046】
しかしながら、第2の横列614を参照すると、サーバシステム108は、消費者が更に選択を行う前に、マシン102内の様々な品物にアクセスすることができる。例えば、ある人がマシン102をストックしている間、その人は、各品物の品物IDをスキャンして、それらの品物IDがスキャンされた順序でそれらの品物IDをサーバシステム108にアップロードすることができ、その順序は、それらの品物がストックされた順序に対応する。したがって、サーバシステム108は、特定のマシンに対応する品物IDのリストを単に調べるだけで、マシン102が払い出し動作中に最初に品物をスキャンする必要がなく、選択された品物の一意の識別情報を知る。このため、消費者が製品選択を行う前に、サーバシステム108は、特定のマシン(例えば、スロット122)内の各選択IDを、特定の製品(例えば、各特定のスロット122内の各特定の品物124)に対応する品物IDに関連付けることができる。
【0047】
第3の横列616を参照すると、消費者が選択を行うときまで、サーバシステム108は、マシン102が品物IDを伝達するのを最初に待つ必要なく、品物IDをユーザIDに関連付けることができ、その理由は、品物IDが既にサーバシステムに格納され、既にそれぞれの選択IDに関連付けられているからである。したがって、サーバシステム108は、払い出されている品物の正確な品物IDを既に知っているため、払い出し命令をマシン102に送信する。
【0048】
第4の横列618を参照すると、サーバシステム108は、消費者のユーザアカウントに格納された情報に基づいて、販売された製品の品物IDを消費者のモバイルデバイス106のモバイルIDに関連付ける。サーバシステムは、この関連付けを、モバイルIDに対応するモバイルデバイス106に送信し、それによって、消費者のモバイルデバイス106が、販売された規制デバイスをアクティブ化することを可能にする。したがって、規制デバイスは、年齢確認された消費者のモバイルデバイスによってのみ有効であり得、それによって、規制デバイスの購入だけでなく、規制デバイスの使用も制限することができる。
【0049】
図7は、いくつかの実施態様による規制払い出し環境100に対応する方法700を示すフロー図である。この方法700は、以前のセクションで説明された様々な関連付けを行うためのより具体的な一連の動作を含む。
【0050】
方法700は、規制払い出しマシン102、規制デバイス104、モバイルデバイス106、及びサーバシステム108によって実行される。方法700は、任意選択的に、コンピュータメモリ又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ206、306、406、及び/又は506)に格納されている命令、及び1つ以上のプロセッサ(例えば、CPU202、302、402、及び/又は502)によって実行されている命令によって管理される。コンピュータ可読記憶媒体は、磁気もしくは光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリなどの固体記憶デバイス、又は他の1つ以上の不揮発性メモリデバイスを含み得る。コンピュータ可読記憶媒体に格納された命令は、ソースコード、アセンブリ言語コード、オブジェクトコード、又は1つ以上のプロセッサによって解釈される他の命令フォーマットのうちの1つ以上を含み得る。方法700におけるいくつかの動作を組み合わせることができ、かつ/又はいくつかの動作の順序を変更することができる。
【0051】
方法700は、消費者がアカウントを作成したときに開始する(702)。消費者は、モバイルデバイス106を使用してアカウントを作成することができるが、これは、必須ではない。消費者が、アカウント作成中のある時点で、任意の販売されたデバイス102をアクティブ化するために最終的に必要とされることになるモバイルデバイスであるものとしてモバイルデバイス106を登録する限り、その消費者は、サーバシステム108が利用可能な任意の電子デバイスを使用して、アカウントを作成することができる。アカウント作成中に、サーバシステム108は、年齢確認プロセスを実行し(704)、いくつかの実施態様では、身元確認プロセスを実行する。消費者の年齢を確認するために必要な書類が消費者の身元も確認する場合、これらのプロセスを組み合わせることができる。年齢確認プロセスの一例としては、消費者が運転免許証などの消費者の写真を有する身分証明書の画像をサーバシステム108にアップロードする要件が挙げられる。次いで、サーバシステム108は、識別文書の信憑性を確認する(例えば、その文書をデータベース内の文書と比較すること、及び/又は人工知能を使用して信憑性を判定することによって)。サーバシステム108は、その識別文書に基づいて、消費者の年齢を確認する。消費者が該当年齢要件を満たす場合、サーバシステム108は、消費者がアカウントを作成することを許可する。アカウント作成プロセスの一部として、消費者を識別するユーザID、及び消費者のモバイルデバイス106を識別するモバイルIDが、関連付けられ(すなわち、紐付けられ)、この関連付けは、ユーザのアカウントとともにサーバシステム108に格納される。
【0052】
アカウント作成の後のある時点で、消費者は、特定のマシンから、規制デバイス(品物と称される)を選択する(708)。選択プロセスの一部として、消費者は、モバイルデバイス106を使用して、特定のマシンをサーバシステム108に識別させるマシン識別子であるマシンID(例えば、ラベル120)をスキャンする。消費者は、モバイルデバイス106を使用して選択を行い、その選択は、所望の品物の格納位置(例えば、スロット122)に対応する。モバイルデバイス106は、マシンID及び選択IDをサーバシステム108に送信する。サーバシステムは、取引を検証し(710)、上述したように、選択IDをユーザIDに関連付ける。サーバシステムは、その選択ID及びユーザIDを、マシンIDによって識別されたマシン102に送信する。マシン102は、選択された品物をスキャンして(712)、品物の識別子(品物ID)を判定し、品物IDをユーザIDに紐付ける(714)。マシン102は、紐付けられた品物ID及びユーザIDをサーバシステム108に送信し、選択された製品(選択された規制デバイス104)を販売する(716)。
【0053】
サーバシステム108は、品物IDを検証し(718)(例えば、その品物IDが以前に別のユーザアカウント又はモバイルデバイスに紐付けられていないことを確認する)、ユーザのアカウントに格納された情報(登録されたモバイルデバイス識別子)に基づいて、品物IDを消費者のモバイルIDに紐付ける(720)。
【0054】
消費者が規制デバイス104を使用する準備ができると(722)、サーバシステム108は、品物IDを、紐付けられたモバイルIDによって識別されたモバイルデバイス106に送信する(724)。いくつかの実施態様では、サーバシステムは、消費者が規制デバイス104を使用する準備が整う前に、品物IDを送信し、その結果、消費者が使用セッションを開始するときに、モバイルデバイス106は、既に品物IDへのアクセスを有する。モバイルデバイス106は、品物IDを使用して、規制デバイス104とペアリングする(726)。正常なペアリングが行われると、制御デバイス104は、その主要な機能をアクティブ化する(728)(例えば、第1の回路310をアクティブ化又は有効にする)。規制デバイス104は、モバイルデバイス106がセッションを終了した(730)結果(ユーザがモバイルデバイス106の電源をオフにする、ないし使用セッションを積極的に終了する場合)、又はモバイルデバイス106が規制デバイス104の範囲外にある結果のいずれかとして、モバイルデバイス106からペアリング解除されるまで、アクティブ化されたままであり得る。ペアリング解除の結果、規制デバイス104の主要な機能は、非アクティブ化される(732)(例えば、第1の回路310を非アクティブ化又は無効化する)。
【0055】
図8は、いくつかの実施態様による規制払い出し環境100に対応する方法800を示すフロー図である。方法800は、以前のセクションで説明された様々な関連付けを行うための代替的な一連の動作を含む。
【0056】
方法800は、規制払い出しマシン102、規制デバイス104、モバイルデバイス106、及びサーバシステム108によって実行される。方法700は、任意選択的に、コンピュータメモリ又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ206、306、406、及び/又は506)に格納される命令、及び1つ以上のプロセッサ(例えば、CPU202、302、402、及び/又は502)によって実行される命令によって管理される。コンピュータ可読記憶媒体は、磁気もしくは光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリなどの固体記憶デバイス、又は他の1つ以上の不揮発性メモリデバイスを含み得る。コンピュータ可読記憶媒体に格納された命令は、ソースコード、アセンブリ言語コード、オブジェクトコード、又は1つ以上のプロセッサによって解釈される他の命令フォーマットのうちの1つ以上を含み得る。方法700におけるいくつかの動作を組み合わせることができ、かつ/又はいくつかの動作の順序を変更することができる。
【0057】
この方法は、方法700に説明したように、消費者がアカウントを作成し(702)、サーバシステムは、確認を実行し(704)、そしてユーザIDをモバイルIDに紐付けた(706)ときに開始する。しかしながら、方法800では、サーバシステム108は、品物がマシン中にロードされたときに、その品物の品物IDを先制的に取得する。上の図6Bを参照して説明されたように、個人は、マシンにストックしている間、品物をスキャンし(802)、それらの品物は、それらのそれぞれのスロット中にロードされ、サーバシステム108は、それらの品物がロード及びスキャンされた順序に品物IDを格納する(804)。そのようにして、消費者が品物を選択して(708)、サーバシステムがその取引を検証すると(710)、サーバシステムは、払い出しマシン102が品物を販売するのを待たずに消費者の選択に対応する品物IDを取得し(806)、品物IDをスキャンし、そして品物IDをアップロードすることができる。その方法の残りの部分は、方法700に説明した同様の番号が付けられた動作に対応する。
【0058】
代替の実施態様
上述の規制払い出し方法に対する代替のアプローチとしては、それらの動作のうちの1つ以上が人によって実行されるシナリオが挙げられる。例えば、いくつかの実施態様では、消費者は、特定の規制デバイス(例えば、104)を購入する意図を小売業者(例えば、小売業者マシン112を使用する従業員)に対して伝えることができる。その消費者は、(i)カウンタ越しに、又はアプリケーション(例えば、消費者のモバイルデバイス106上又は小売業者マシン112で実行する)を介して小売業者に代金を支払うこと、及び/又は(ii)カウンタ越しにその消費者の身元を小売業者に示すか、又はアプリケーション(例えば、消費者のモバイルデバイス106上又は小売業者マシン112上で実行する)を介してその消費者の身元及び/若しくは年齢を確認すること、ができる。小売業者は、購入を承認し、そして取引コード(例えば、QRコード)を消費者に提供する。この取引コードは、(i)小売業者マシン112から印刷される(若しくはその小売業者マシンに印刷させる)か、又は(ii)(例えば、カード上に)予め印刷され得る。消費者は、マシン102のところに進み、マシン識別子(例えば、ラベル120)をスキャンする(例えば、モバイルデバイス106を使用して)。マシン102及びモバイルデバイス106の任意の組み合わせにより、取引コード及びマシン識別子をサーバシステム108に送信し、これは、図6A~8を参照して上述した動作のいずれかを使用して取引を検証する。取引が検証されると、サーバシステム108は、(ネットワーク110を介して)マシン102に命令して、規制製品(例えば、取引コードによって指定された製品)を払い出す。あるいは、サーバシステム108は、小売業者マシン112に連絡を送信して、その取引が検証されたことを小売業者に知らせ、それに応答して、その小売業者は、規制デバイスを消費者に渡すことができる。いくつかの実施態様では、規制デバイスをアクティブ化するために、消費者は、小売業者によって提供された取引コードを使用する。
【0059】
別の代替アプローチでは、消費者は、オンラインで購入された製品のための選択端末として、規制払い出しマシン102を使用する。いくつかの実施態様では、消費者は、モバイルデバイス106及びネットワーク110を介して、ウェブサイト又はアプリケーション上の特定の規制デバイスを購入する。支払い及び識別確認は、上述したように、ウェブサイト又はアプリケーションを通じて処理される。正常な支払い及び識別確認が行われると、ウェブサイト又はアプリケーションは、消費者を特定のマシン102(例えば、距離及び/又は製品利用可能性に基づいて)、又は任意のマシン102(例えば、その消費者が使用することを決定することができる)に導いて、規制デバイスを受け取る。マシン102において、消費者は、モバイルデバイス106を使用して、マシン識別子(例えば、ラベル120)をスキャンし、サーバシステム108は、図6A~8を参照して上で説明された動作のうちのいずれかに基づいて、マシン102に命令して規制デバイスを払い出させる。いくつかの実施態様では、図6A~8を参照して上で説明したように、払い出されたデバイスは、その後、消費者(ユーザのアカウントを介して)及び/又は消費者のモバイルデバイスに関連付けられる。
【0060】
規制デバイスのパッケージング
上述のアプローチでは、規制デバイス104は、ユーザアカウント及び/又はモバイルデバイスに払い出され、かつ関連付けられると、アクティブ化され得る。いくつかの実施態様では、規制デバイス104は、アクティブ化され得るか、又は別様に、払い出しの前に、(その規制デバイスがまだマシン102内に存在している間に)ロック解除され得る。そのような実施態様では、認証された消費者は、規制デバイスが払い出されるとすぐに、その規制デバイスを使用することができる。
【0061】
図9は、いくつかの実施態様による製品パッケージ900の正面図及び側面図を示している。規制デバイス(例えば、104)が、パッケージ900の棚板902の内側に配設されている。規制デバイス104は、(例えば、それぞれの配線を介して)2つの電源接点904及び906に電気的に結合されている。この電源接点は、パッケージ900をマシン102の中に配置するときに適切な極性を確実にするように、垂直方向に配設され得る。例えば、接点904は、正の電源接点とすることができ、接点906は負の電源接点とすることができる。これらの電源接点は、任意の導電性材料を含む。電力が接点904及び906を介して印加されると、規制デバイス104は、電力供給され得る(例えば、アクティブ化信号を受信する目的で)。パッケージ棚板902は、任意選択的に、1つ以上の通信接点(図示せず)(例えば、シリアル周辺インターフェース通信用の2つの接点)を含み、それらは、規制デバイス104の通信回路に電気的に結合されている。
【0062】
図10は、いくつかの実施態様によるマシン102の横列1000の正面図及び側面図を示している。この横列は、1つ以上の棚板1002を含み、各棚板1002は、パッケージ棚板902内に1つ以上の規制デバイスを含む。各棚板1002は、電源接点1004及び1006(パッケージ棚板902の接点906及び904に対応する)、並びにガイド1008及び1010に電気的に結合された電源レール1014(規制デバイスの各側面上に1つずつ)とともに並んでいる。それらの電源接点1006は、パッケージ棚板902に対して張力を保持するためのばねを含み得、それらのガイドは、製品棚板90sを棚板1002上に整列し続けるようにサイズ設計され得る。電源レール1014は、電源接点1004及び1006を、マシン102の電源バスによって供給された電源に電気的に結合する。いくつかの実施態様では、棚板1002は、製品を払い出すための払い出し螺旋1012又は他のタイプの押し付け機構を含む。各棚板1002は、任意選択的に、パッケージ棚板902の通信接点に物理的に結合されるように構成された接点を有する1つ以上の通信レール(図示せず)を含む。いくつかの実施態様では、最前部のスロット内のパッケージのみが通信レールと接触しているため、レールを介して送られた連絡は、払い出されようとしているパッケージによってのみ受信される。
【0063】
図11は、いくつかの実施態様による製品パッケージ1100の正面図及び側面図を示している。この製品パッケージ1100は、製品パッケージ900に対応し、それは、図9の接点904及び906を参照して説明したような電源接点(図示せず)を含む。ただし、電源レール1014から電力を受け取る接点ではなく、それらの接点は、規制デバイスのパッケージングに統合化された(又は物理的に接触している)太陽光モジュール1102(例えば、太陽電池、又は任意の他のタイプの太陽光電力生成材料)から電力を受け取る。上述したように、パッケージ棚板は、任意選択的に、1つ以上の通信接点(図示せず)(例えば、シリアル周辺インターフェース通信用の2つの接点)を含み、その通信接点は、規制デバイス104の通信回路に電気的に結合されている。いくつかの実施態様では、パッケージ1100の太陽光モジュール1102は、規制デバイス104が払い出された後であっても、(例えば、パッケージ1100を日光又は他のタイプの光に当てるユーザによって)その規制デバイスを充電し続けることができる。
【0064】
図12は、いくつかの実施態様によるマシン102の横列1200の正面図を示している。この横列は、1つ以上の棚板1202を含み、各棚板1202は、太陽光モジュール1102を有するパッケージ棚板に1つ以上の規制デバイスを含む。マシン102は、内部光源1204を含み、その内部光源は、消費者がマシン内部の製品を見るための照明を提供するだけでなく、太陽光モジュール1102のための照明も提供する。太陽光モジュール1102に到達する光の量を最適化するために、各棚板1202は、任意選択的に、反射性材料を含む照明ストリップを含み、マシンの内部表面の部分は、任意選択的に、反射性塗料1208、又は任意の他の種類の反射性材料で覆われている。各棚板1002は、任意選択的に、パッケージ棚板902の通信接点に物理的に結合されるように構成された接点を有する1つ以上の通信レール(図示せず)を含む。いくつかの実施態様では、最前部のスロット内のパッケージのみが通信レールと接触しているため、レールを介して送られた連絡は、払い出されようとしているパッケージによってのみ受信される。
【0065】
上述した規制デバイスパッケージは、それぞれの規制デバイスに電力を供給し、また任意選択的に通信を提供する。いくつかの実施態様では、規制デバイス104は、それらがマシン102の中にロードされるときに、ロックされる(又は別様に非アクティブ化される)。規制デバイス104毎のパッキングにより、それぞれの規制デバイスを充電された状態に保持する。図6A~8を参照して上述したように、消費者は、特定の規制デバイス104を購入する。しかしながら、非アクティブ化されたデバイスが払い出され(例えば、動作716において)、マシン102の外部でアクティブ化される(例えば、動作728において)代わりに、そのデバイスは、払い出される前にアクティブ化され得る。マシン102は、払い出されようとしているデバイスと通信し、ロック解除コードをデバイスのファームウェアに送信することができる。これにより、規制デバイスがモバイルデバイス106にペアリングされる必要なしに、規制デバイスは、ロック解除される。いくつかの実施態様では、規制デバイス106は、恒久的にロック解除され得る。いくつかの実施態様では、規制デバイスをロック解除するための通信は、無線であってもよく(例えば、ブルートゥースを使用する、例えば、マシン102の無線通信モジュールを介して)、又は有線であってもよい(例えば、上述したようなパッケージング内の通信接点を介したシリアル通信バスを介して)。
【0066】
規制払い出し
図13は、いくつかの実施態様による規制払い出し環境1300の略図である。環境1300では、規制払い出しマシン1302(スマート営業用据付器具とも称される)は、(i)製品識別及び検証、(ii)消費者検証及び/若しくはリスク評価、並びに/又は(iii)店員認証、を伴う規制払い出しプロセス1400(以下の図14を参照して説明される)に従って、規制製品1304を払い出す。払い出し環境1300及び払い出しプロセス1400は、消費者に対する安全保護、並びに小売業者及び製造業者に対する責任保護を提供する。
【0067】
規制払い出し環境は、販売時点でのデバイス、又は店員などのサービスプロバイダによって操作される任意の他の種類のコンピューティングデバイスなどの小売業者マシン1312を含み得る。この小売業者マシン1312は、規制製品1304に関する取引の払い出し態様(例えば、払い出しマシン1302を制御すること)、及び/又は規制製品1304に関する取引の非払い出し態様(例えば、支払い処理)をサポートすることができる。
【0068】
払い出しマシン1302は、(i)表示画面1314上のユーザインターフェース(以下の図15~18を参照して説明される)、(ii)任意選択のスキャニングデバイス1306(スキャニングデバイスは、規制払い出しプロセスに効率を追加するのに対して、ユーザインターフェースを介した手動のデータ入力は、代替手段として機能し得る)、及び(iii)処理回路の要素によって実行されたときに、図14~19を参照して以下に説明される機能のうちの1つ以上を実行するプログラムを格納するメモリを含むか、又はそのメモリと通信する処理回路1316、を介して制御される。表示画面1314、スキャニングデバイス1306、及び処理回路1316は、以下の考察で説明されるように、払い出しマシン1302及び小売業者マシン1312の任意の組み合わせの中で分配され得る。
【0069】
いくつかの実施態様では、表示画面1314、スキャニングデバイス1306、及び処理回路1316は、払い出しマシン1302の中に統合される。これらの実施態様の場合、小売業者マシン1312は、規制製品1304に関する取引の払い出し態様を実行する必要がない場合がある。スキャニングデバイス1306は、払い出しマシン1302の構造に統合化されてもよく、又は別個の構成要素(例えば、リモートバーコードスキャナ)であってもよい。例えば、スキャニングデバイス1306は、有線又は無線通信回線(例えば、USB、イーサネット、Wi-Fi、ブルートゥースなど)を使用して、払い出しマシン1302に通信可能に結合(ペアリング)された手持ち式スキャナであってもよい。
【0070】
いくつかの実施態様では、表示画面1314は、小売業者マシン1312内に含まれ、スキャニングデバイス1306及び処理回路1316は、払い出しマシン1302中に統合される(又は別様に、それと通信する)。これらの実施態様の場合、小売業者マシン1312は、払い出しマシン1302内の処理回路1316と対話するための手段(例えば、表示画面及び関連するUI)を提供する。
【0071】
いくつかの実施態様では、表示画面1314、スキャニングデバイス1306、及び処理回路1316は、小売業者マシン1312中に統合される(又は別様に、それと通信する)。これらの実施態様の場合、小売業者マシン1312は、処理回路1316と対話する手段(例えば、表示画面及び関連するUI)を提供し、払い出しマシン1302のコントローラとして機能する(例えば、払い出し命令を払い出しマシン1302に提供することによって)。
【0072】
小売業者マシン1312が規制製品1304に関する取引の払い出し態様に関与する(例えば、処理回路1316の少なくとも一部分が小売業者マシン1312内に統合されている)実施態様の場合、小売業者マシン1312は、セキュリティ保護された接続の有線又は無線のいずれかを使用して、払い出しマシン1302と通信することができる。いくつかの実施態様では、セキュリティ保護された接続は、暗号化されるため、追加のセキュリティを提供して、規制製品1304の認証されていない払い出しを防止する。いくつかの実施態様では、小売業者マシン1312は、払い出しマシン1302と無線で通信するように構成された手持ち式コンピューティングデバイスである。
【0073】
いくつかの実施態様では、処理回路1316(払い出しマシン1302及び/又は小売業者マシン1312中に統合化される)は、1つ以上のローカルエリア通信ネットワーク及び/又はワイドエリア通信ネットワーク1310(例えば、WiFi、インターネットなど)を介して、サーバシステム1308と通信する。サーバシステム1308は、払い出しマシン1302と同じ場所に(例えば、同じ店舗内に)配置されてもよく、又は遠隔地に(例えば、規制製品1304の製造業者によって運営された、又は別様にその製造業者に関連する操作を有するサーバファームに)配置されてもよい。
【0074】
規制製品1304は、この開示全体にわたって説明されているように、年齢制限され得る(例えば、タバコ、ベイピング製品、アルコール、大麻など)。規制製品1304は、年齢制限されない場合があり、代わりに、あらゆる年齢の消費者が購入することができるが、消費者が製品(例えば、スプレー塗料、名刺、医薬品など)の購入時に身元を示す必要がある製品など、身元管理される場合がある。規制製品1304は、年齢制限及び身元管理の両方が行われる場合がある。規制製品1304は、任意の規制デバイス(例えば、この開示全体にわたって説明されている規制デバイス)及び/若しくは付属品、カートリッジ、詰め替え容器、ポッド、又はそのようなデバイスとともに使用するために設計された任意の他の製品を含み得る。
【0075】
図14は、いくつかの実施態様による規制払い出し方法1400のフロー図である。この方法1400は、任意選択的に、コンピュータメモリ又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納され、かつ1つ以上のプロセッサ(例えば、処理回路1316)によって実行される命令によって管理される。コンピュータ可読記憶媒体は、磁気もしくは光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリなどの固体記憶デバイス、又は他の1つ以上の不揮発性メモリデバイスを含み得る。コンピュータ可読記憶媒体に格納された命令は、ソースコード、アセンブリ言語コード、オブジェクトコード、又は1つ以上のプロセッサによって解釈される他の命令フォーマットのうちの1つ以上を含み得る。方法1400におけるいくつかの動作は、組み合わされ得、かつ/又はいくつかの動作の順序は、変更され得る。任意選択の動作は、破線を用いて伝達される。
【0076】
方法1400は、消費者が規制製品1304を購入しようとするその消費者の意図を信号伝達した結果として、開始することができる。消費者は、その消費者が選択した製品を識別する、店舗内のプレースホルダ(例えば、空のパッケージング、紙、又は厚紙)を使用して、規制製品1304を識別している場合がある。消費者は、モバイルアプリケーション又はウェブサイト上で買い物カードを作成している場合があり、そのようなアプリケーション又はウェブサイトは、その買い物カート又は製品選択に関連付けられた識別子(例えば、バーコード)を提供することができる。消費者は、払い出しマシン1302又は小売業者マシン1312のディスプレイ上の特定の規制製品1304を指し示すことができる。消費者は、製品名若しくは画像を有する看板又はカウンタートップマット上の特定の規制製品1304を指し示すことができる。消費者は、購入を希望している特定の規制製品1304を店員に口頭で伝えることができる。製品識別方法とは関係なく、特定の規制製品1304が識別された結果として、払い出し方法1400は、実行され得る。払い出し方法1400によって必要とされる入力(動作1402、1404、及び1406を参照して以下に説明される)は、店員、消費者、又はその任意の組み合わせによって提供され得る。
【0077】
所望の規制製品1304を払い出すために、払い出しマシン1302又は小売業者マシン1312の処理回路1316は、動作1402、1404、及び1406のうちの少なくとも1つが実行されることを必要とする。それらの動作は、任意の順序で実行され得る。例えば、動作1402が実行され得、任意選択的に、その後、動作1404及び/若しくは1406(又は1406及び/若しくは1404)が続く。あるいは、動作1404が実行され得、任意選択的に、その後、動作1402及び/若しくは1406(又は1406及び/若しくは1402)が続く。あるいは、動作1406が実行され得、任意選択的に、その後、動作1402及び/若しくは1404(又は1404及び/若しくは1402)が続く。払い出し動作1408を実行するために必要とされる動作1402、1404、及び1406のサブセットは、所望のレベルの安全性及び/又は責任保護に基づいて、カスタマイズ可能であり得る(例えば、店舗運営者によって、製造業者によって、など)。
【0078】
動作1402において、処理回路1316は、規制製品1304を識別する。その製品は、製品識別を提供することに関して上述した消費者又は店員の行動のいずれかに基づいて、識別され得る。例えば、製品を表すバーコード又は画像などの製品識別子が、スキャニングデバイス1306を使用して、(ユーザインターフェース上で)選択されるか、又はスキャンされ得る(例えば、利用可能な製品を表すバーコードのシート上のバーコードをスキャンすることによって、又は消費者のモバイルデバイス上のコードをスキャンすることによって)。
【0079】
いくつかの実施態様では、製品識別子を受信すると、処理回路1316は、識別された製品の在庫状況をチェックし(1402A)、かつ/又は識別された製品のまとめ販売制限をチェックする(1402B)まとめ販売制限は、(i)消費者による1回の取引で、かつ/又は(ii)所定の時間内に1人の消費者によって、購入され得る製品の数を制限することができる。そのような制限は、製品基準毎(例えば、取引毎に特定の製品の4つのみを購入することができる)、製品カテゴリー基準毎(例えば、取引毎に第1のタイプの製品を1つのみ、及び第2のタイプの製品を4つのみを購入することができる)、品物総数基準毎(例えば、取引毎に品物総数8つのみを購入することができる)などに対して適用され得る。そのような制限は、特定の消費者の購入間隔に基づいて適用され得る(例えば、消費者が、1日又は1ヶ月当たり4つの品物のみを購入することができる)。
【0080】
まとめ制限処理によれば、処理回路1316は、消費者の身元(以下の動作1406において取得される)を追跡することによって、消費者の取引(ひいては、どの製品がいくつ購入されたか)を追跡することができる。消費者の取引は、ローカルで(例えば、特定の払い出しマシン1302又は小売業者マシン1312の処理回路1316において)、又はネットワークを介して(例えば、複数の払い出しマシン1302及び/又は小売業者マシン1312の処理回路1316と通信するサーバシステム1308に実装された追跡プロセスによって)、追跡することができる。
【0081】
まとめ制限処理によれば、処理回路1316は、消費者のリスクスコアに基づいて、特定の消費者のまとめ制限を調整することができる。処理回路1316は、以下の動作1406において、消費者のリスクスコアを評価することができる。リスクスコアが高いほど、特定の取引のまとめ制限が、低く調整され得る。同様に、リスクスコアが低いほど、特定の取引のまとめ制限が、高く調整され得る。
【0082】
動作1404において、処理回路1316は、店員を識別及び確認する。この動作は、任意選択であり、あらゆる取引に必要とは限らない。処理回路1316は、スキャニングデバイス1306を使用して、店員のバッジ又はアクセスカードをスキャンすることによって、その店員を認証することができる。そのようなスキャンを行うと、店員は、払い出しマシン1302及び/又は小売業者マシン1312にログインすることができ、その結果、認証された店員に関連付けられた払い出し動作は、払い出しマシン1302及び/又は小売業者マシン1312に対してロック解除(認証)され得る。動作1404は、動作1402の前に実行され得る。いくつかの実施態様では、動作1404を実行すると、店員は、所定の時間の間(例えば、4時間シフト)、認証され得、その間、店員は、後続の取引及び払い出し動作について認証されたままである。あるいは、動作1404は、後続の払い出し動作毎に実行される必要があり得、その結果、規制製品1304の払い出し動作毎の承認プロセスに関する、より詳細な記録を提供することができる。
【0083】
動作1406において、処理回路1316は、消費者を識別及び検証する。処理回路1316は、消費者を識別し、消費者の身分証明書上の情報(例えば、氏名、生年月日、有効期限、及び/又は消費者の自動車免許証の免許証番号)に基づいて消費者の年齢及び/又は身分証明書の有効性を検証することができる(1406A)。この情報は、スキャニングデバイス1306によって取得され得るか、又は表示画面1314上のユーザインターフェースを使用して手動で入力され得る。この動作の一部として、店員は、消費者の身分証明証上の画像が消費者の外見と一致することを物理的に確認するための機会を有する。したがって、店員認証動作(1404)は、特定の取引及び払い出し動作についての消費者の身元及び/又は年齢を確認した店員のデジタル署名又は電子記録として機能することができる。
【0084】
いくつかの実施態様では、消費者を識別し、かつ/又は消費者の身元を確認すると、処理回路1316は、消費者のリスクスコア(1406B)を評価、決定、又は別様に取得することができる。このリスクスコアは、消費者の購入履歴(例えば、どのくらいの数の製品及びどの製品が、取引毎に、1日毎に、1ヶ月毎などに購入されたか)に基づいて、ローカルに決定され得る。リスクスコアは、リモートで(例えば、複数の払い出しマシン1302及び/又は小売業者マシン1312の処理回路1316と通信するサーバシステム1308に実装されたリスク決定プロセスによって)決定され得る。消費者のリスクスコアは、特定の時間帯に購入された製品の数、特定の時間帯における取引回数に基づく場合がある。購入した製品の数が多いほど、又は取引の回数が多いほど、リスクスコアは高い。同様に、購入した製品の数が少ないほど、又は取引の回数が少ないほど、リスクスコアは低い。リスクスコアは、購入活動(例えば、製品が短期間にわたって異なる状態で購入されたかどうか)及び/又は購入場所の特性(例えば、歴史的に重大な犯罪、及び/若しくは医療活動が伴う場所、又は学校に近い場所)などの他のリスク要因によって影響を受ける場合がある。
【0085】
消費者のリスクスコアを取得すると、処理回路1316は、動作1402において識別された(又はその後識別される予定の)製品の数及び/又はタイプを、リスクスコアに応じて設定されている閾値と比較することによって、リスクスコアを評価することができる。より高いリスクスコアは、より低い閾値に関連付けられ得、より低いリスクスコアは、より高い閾値に関連付けられ得る。閾値が高いほど、消費者は、より多くの製品を購入することができ、かつ/又は取引が多いほど、消費者は、所定の期間内(例えば、1日毎、1週間毎、1ヶ月毎など)に、より多くの取引を完了することができる。それらの閾値は、場所毎の基準に基づいて決定され得る。例えば、店舗、及び店舗の管理者が進んで引き受けるリスクの程度に応じて、当該店舗の閾値が、それに応じて調整され得る。
【0086】
リスクスコアに関連付けられた閾値を、動作1402において識別された製品と比較することによってリスクスコアを適用すると、処理回路1316は、要望された製品が払い出されるのを許可し、又は不許可にすることができる。要望された製品が払い出されるのを許可されない場合、消費者は、払い出しのために動作1402において識別された製品の数を減らすか、又は払い出し動作を完全に取り消すことができる。取引が完了すると、処理回路1316は、払い出された製品の数及び/又はタイプに基づいて、消費者のリスクスコアを更新する(又は消費者のリスクスコアを更新させる)ことができる。
【0087】
動作1408において、処理回路1316は、動作1402において識別された規制製品1304を払い出すことを承認する。払い出しが承認されると、処理回路1316は、ユーザインターフェース(例えば、「払い出し」要素の選択)を介してコマンドを受信すると、承認された製品を払い出すか、又は払い出させることができる。処理回路1316は、動作1402、1404、及び/又は1406の正常な完了に応じて(それらの動作のうちのどれが必要とされたかに応じて)、払い出すための識別された製品を承認する。例えば、3つの動作全てが要求された場合、処理回路1316は、(任意選択的に、年齢及び/若しくは身元の検証、並びに/又はリスク閾値を満たしている要求された製品に起因する正のリスク評価の際に)店員が動作1404において認証され、かつ消費者が動作1406において検証されている限り、(任意選択的に、正の在庫表及びまとめ制限判定の際に)動作1402において識別された製品を払い出すことを承認する。これらの必要な動作のうちの少なくとも1つが正常に完了しなかった場合、処理回路1316は、動作1402において識別された製品を払い出すことを承認しない。そのようなシナリオでは、処理回路1316は、どの動作が正常な完了に失敗したか、及び/又は特定の動作を正常に完了させるために実行する必要がある任意のステップに関して、ユーザインターフェースを介して表示画面1314上にメッセージを提供することができる。
【0088】
規制払い出し方法1400は、消費者によって開始された取引に応じて、規制製品1304の払い出しを管理する。支払い処理などの、そのような取引の他の側面は、払い出しマシン1302に関与させても、又はさせなくてもよい。
【0089】
いくつかの実施態様では、払い出し及び支払い動作は、同じプロセスの中に統合することができる。例えば、動作1402における製品の識別、又は動作1408におけるそのような製品の払い出しの承認が行われると、処理回路1316は、それらの製品を提供することができ(例えば、識別及び/又は承認された製品に関連付けられた製品識別子を送信することによって)、又はそれらの製品に関連付けられた価格を小売業者マシン1312に提供することができ、その小売業者マシンは、支払い機能を実行する(例えば、製品の価格、税金、割引率などに基づいて支払われる金額を決定すること、クレジットカード取引を処理することによって支払いを回収すること、領収証を提供することなど)。
【0090】
いくつかの実施態様では、払い出し及び支払い動作は、並行して、又は順序立てて、別個に処理され得る。例えば、払い出しマシン1302の処理回路1316が払い出し動作を実行している間(方法1400)、小売業者マシン1312は、支払い動作を実行することができる(例えば、店員が、請求された金額を手動で入力するか、又は識別された製品を選択すること、及び上述した他の支払い動作を実行することを含む)。あるいは、店員は、まず、小売業者マシン1312を使用して支払いを処理し、支払いの正常な受領が行われると、払い出しマシン1302に払い出し動作を実行させることができる。あるいは、店員は、まず、払い出しマシン1302に払い出し動作を実行させ、要求された製品の正常な払い出しが行われると、小売業者マシン1312に支払い動作を実行させることができる。
【0091】
図15~18は、いくつかの実施態様による(例えば、表示画面1314上に表示するための)例示的なユーザインターフェース画面を示している。例示的なユーザインターフェースは、タッチ対話又は音声対話をサポートすることができる。タッチ対話の実施態様の場合、例示的な画面は、選択時に、以下に説明されている1つ以上のコマンドを実行する1つ以上の選択可能なアフォーダンスを表示することができる。
【0092】
図15は、製品画像(製品X、製品Y、製品Z)及び対応するラベル(A~F)を有するアイドル画面を示している。これらの製品画像及びラベルは、選択可能なアフォーダンスであり得、それらの選択は、動作1402において説明されたように、製品を識別する。それらのラベルは、消費者による、店員への所望の製品の識別に役立ち、製品画像は、アニメーション風であってもよい。アイドル画面はまた、価格設定も含み、その価格設定は、払い出しマシン1302若しくは小売業者マシン1312上でローカルに、又はサーバシステム1308においてリモートで変更することができる。所与の製品に対して、いくつかの異なる製品別種(例えば、ベイピング製品の味、又はスプレー塗料の色)が存在する場合がある。
【0093】
アイドル画面内で製品を選択すると、ユーザインターフェースは、図16Aに図示してあるように、取引画面に進む。例えば、アイドル画面で製品Yの別種Iを選択すると(図15)、数量アフォーダンス「1」が強調表示され、1つの製品Yの別種Iが選択されたことを示す(図16A)。取引画面には、一連の数量アフォーダンス(例えば、製品毎の数字1、2、3、及び4)、製品画像、文字、及び価格が含まれる。前述の要素の各々は、選択可能であり得る。各製品は、対応する製品の異なる数量を表す複数の数量アフォーダンスに関連付けられている。
【0094】
いくつかの実施態様では、数量アフォーダンスの各々は、それが選択されたか否かに基づいて、選択ステータスを示すことができる。例えば、選択された数量アフォーダンスが、強調表示又は質感を伴って表示され得る(例えば、製品Bの場合、1アフォーダンス)。いくつかの実施態様では、既に選択された数量アフォーダンスを選択すると、その数量アフォーダンスは、選択解除され、選択された製品の数量は、それに応じて調整される。
【0095】
いくつかの実施態様では、数量アフォーダンスの各々は、(i)対応する製品の数量制限、又は取引の数量制限、及び(ii)既に選択された製品の数、に基づいて利用可能性ステータスを示すことができる。特定の数量アフォーダンスの選択により、選択された製品の数が、関連する製品制限又は取引制限を上回る場合、当該特定のアフォーダンスは、その利用不可能性を(例えば、灰色表示させることによって)示すことができ、選択不可能であることを示すことができる(例えば、製品C~Fの場合、4アフォーダンス)。そのような表示は、本明細書では、利用可能性表示と称される。
【0096】
いくつかの実施態様では、数量アフォーダンスの利用可能性ステータスは、上述したように、リアルタイムで更新して、どの数量アフォーダンスが依然として選択されることができるかを示す。図16A~16Fは、リアルタイムの数量アフォーダンスの一例を示している。この例では、製品Xについて、1つの数量制限(本明細書では、まとめ制限とも称される)があり、並びに製品Y及びZについて、組み合わされた4つの製品制限がある。このため、1つのみの製品Xが選択され得、最大4つの製品Y及び/又はZが、1回の払い出し取引の場合に選択され得る。
【0097】
図16Aでは、1つの製品Yが選択されている。このため、選択された製品Y及びZの数が4つ(数量制限)を上回る原因となる全ての数量アフォーダンスが、灰色表示される。この場合、4つの数量アフォーダンスは、他の製品Y及びZについて灰色表示されている。この4は、選択された製品については、灰色表示されておらず、その理由は、この4の選択により、選択された1が選択解除され、新しく選択された総数量が4になり、それが数量制限を満たすからである。
【0098】
図16Bでは、更に2つの製品Yが選択され、選択された製品Y/Zの総数が3つになっている。このため、追加の数量アフォーダンスが灰色表示されている。
【0099】
図16Cでは、更に1つの製品Yが選択され、選択された製品Y/Zの総数が、数量制限である4になっている。このため、他の製品Y/Zについての他の全ての数量アフォーダンスが、製品Yの別種IIの1アフォーダンスを除いて、灰色表示されており、その理由は、このアフォーダンスの選択により、2アフォーダンスが選択解除され、選択された製品Y/Zの総量が3つに戻ったからである。
【0100】
図16Dでは、1つの製品Xが選択され、それによって、製品Xの数量制限を満たしている。
【0101】
図16Eでは、1つの製品Yの別種IIIが選択解除され、選択された製品Y/Zの総数が3つに戻り、これにより、追加の数量アフォーダンスが選択可能であることを示している。
【0102】
図16Fでは、製品Yの別種IIについての3アフォーダンスが選択され、当該製品についての2アフォーダンスを選択解除させて、選択された製品Y/Zの総数が、数量制限である4に戻っている。選択された製品Y/Zが数量制限4に達した結果、他の製品に関連付けられた数量アフォーダンスは、灰色表示され、それらが選択不可能であることを示している。
【0103】
図16Aに戻ると、取引画面は、ステータスセクション1602を含むことができ、このステータスセクションは、払い出しに必要な動作(例えば、動作1402、1404、及び1406)の完了ステータスを示すステータス要素(例えば、ID、店員、及び製品のチェックボックス)を含む。各動作が完了すると、対応するステータス要素は、更新されて、当該動作の完了を示す(例えば、ボックスは、チェック済みになる)。
【0104】
取引画面は、命令ボックス1604を含むことができ、どの動作がまだ完了していないかを店員に伝える命令を含む。ただし、どの命令が表示されているかにかかわらず、上述したように、動作は、任意の順序で完了され得る。命令ボックス1604によって提供されるガイダンスにより、訓練されていない店員が規制払い出し方法1400を完了することが可能になる。
【0105】
取引画面は、識別(ID)セクション1606を含むことができ、この識別セクションは、スキャンされたか、又は手動で入力(タイプ打ち)された消費者IDを含む。手入力アフォーダンス(「タイプID」)により、店員が消費者のID(例えば、生年月日、有効期限、ライセンス番号など)から情報を手動で入力することが可能になる。あるいは、店員は、上述したように、ストレージコントローラ124を使用して、消費者のIDをスキャンすることができる。入力方法に関係なく、IDセクションは、更新されて、消費者のIDに関連付けられた情報を示すことができる(図18を参照)。IDセクションの近くに「によって確認された」というメッセージがあってもよく(図18を参照)、このメッセージは、その店員が消費者のID上の写真を、スキャンされている情報を用いて物理的に確認する責任があることをその店員に伝える。「によって確認された」という横列には、動作1404において取得された店員の氏名又は他の識別情報が含まれてもよい。
【0106】
取引画面には、製品概要セクション1608が含まれてもよく、上述したように、それには、数量制限、及び各数量制限に関連付けられた選択された製品の数が含まれる。取引画面は、取り消しアフォーダンス1610を含むことができ、その選択により、払い出しセッションが終了する。取り消しアフォーダンスの近くに、一時停止アフォーダンスが表示されてもよく、その選択により、払い出しセッションが延長される(例えば、店員が電話の呼び出し、又は他の注意散漫を受ける場合に)。取引画面は、払い出しアフォーダンス1612を含むことができる(図18を参照)。払い出しアフォーダンスは、必要な各動作(例えば、1402、1404、及び1406)が完了した後にのみ現れる(例えば、1つ以上の製品が選択されている、有効な年齢である消費者が有効なIDを有している、店員がログインしている、選択された製品が制限内にある、という各動作である)。払い出しアフォーダンスの選択により、払い出しマシン1302に、選択された製品を払い出させる(例えば、処理回路1316に、選択された各製品に関連付けられた払い出し機構に命令を送信させて、指定された数量のそれぞれの各製品を払い出させる)。
【0107】
図16Fに戻ると、5つの製品が選択されている-1つの製品X(そのような製品の数量制限を満たしている)、及び4つの製品Y/Z(そのような製品の数量制限を満たしている)。払い出しプロセスのこの時点で、数量アフォーダンスが選択解除されるか、又は代替の数量アフォーダンスが選択されて、払い出しの所望の製品の数量及びタイプを変更することができる。少なくとも1つの製品が選択されている限り、ステータスセクション1602の製品ステータス要素は、チェックされる。この時点で、(又は、上述したように製品選択の前に、又は消費者検証の後に)、店員は、動作1404を参照して上述したように、ストレージコントローラ124を使用して、バッジ又はアクセスカードをスキャンすることができる。この動作の一部として、ユーザインターフェースは、PIN入力画面を表示することができる(図17A)。店員のPINが入力されると(又はPINが不要である場合、店員のバッジがスキャンされると)、ユーザインターフェースのステータスセクション1602は、店員認証動作1404の完了を伝える(例えば、店員要素がチェックされる、図17Bを参照)。払い出し動作内のこの時点で(又は上述したように、店員認証動作及び/若しくは製品選択動作の前に)、消費者のIDは、ストレージコントローラ124を使用してスキャンするか、又は手動で入力することができる。IDセクション1606は、有効なID(図18)、又はそのIDが期限切れであるか、又は別様に無効であると見出された場合には「無効なID」メッセージ、又は消費者の年齢が選択された製品の年齢閾値を満たしていない場合には「未成年」メッセージ、の確認を表示することができる。有効な消費者IDの正常なスキャニング又は入力が行われると、ステータスセクション1602は、消費者検証動作の完了を伝える(例えば、IDボックスに、チェックが入る)。3つの動作1402、1404、及び1404の全てが完了すると(又はそれらの動作のサブセットが、どの動作が必要であるかに従うと)、払い出しアフォーダンス1612が表示され、その選択により、選択された製品が払い出される。
【0108】
図19は、規制払い出し環境1900の略図である。規制払い出し環境1300(図13)内の品物に対応する品物は、同様に番号付けされ、いくつかのものは、簡潔にするために、これ以上説明しない。規制払い出し環境1900では、複数の副次的な払い出しマシン1902A~Nが、マスター払い出しマシン1302に通信可能に結合され得る。この相互接続された払い出しマシンは、単一のコントローラ、又は、より具体的には、処理回路1316の単一のインスタンスと通信することができる。この相互接続された払い出しマシンは、単一のスキャニングデバイス1306及び/又は単一の小売業者マシン1312に、更に結合することができる。例えば、スキャンされた製品識別子(例えば、バーコード)が、払い出しマシン1302又は小売業者マシン1312の処理回路1316に伝えられ得、処理回路1316は、どの払い出しマシンが所望の規制製品1304を収容しているかを判定する。所望の製品を含む払い出しマシンは、必要な払い出し動作(例えば、1402、1404、及び/又は1406)が正常に完了したときに、処理回路1316から「払い出し」命令を受信するマシンである。いくつかの実施態様では、処理回路1316は、払い出しマシン1302又は小売業者マシン1312の表示画面1314上にメッセージを伝えることができ、店員に、特定の払い出しマシンに進んで、払い出された製品を取り出すように指示する。いくつかの実施態様では、処理回路1316のメモリ内に、経路選択テーブルが含まれ、この経路選択テーブルは、それぞれの規制製品1304を、当該それぞれの規制製品が収容されているそれぞれの払い出しマシン(1302又は1902A~N)に経路選択する。払い出しマシン1302及び1902A~Nは、上述したように、有線又は無線のローカルエリアネットワークを介して、又はワイドエリアネットワークを介して(例えば、上述したように、通信ネットワーク1310及びサーバシステム1308を介して)通信可能に結合することができる。したがって、複数の払い出しマシンが、それぞれの払い出しマシンについて別個のスキャニングデバイスを必要とせずに、規制払い出し環境1900内で使用され得、どの払い出しマシンが、払い出される製品を取り出すべきかに関する混乱を回避することができる。
【0109】
その他
前述の説明は、特定の実施態様を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的考察は、網羅的であること、又は特許請求の範囲を、開示された厳密な形態に限定することを意図されていない。上記の技術に鑑みて、多くの変形例が可能である。それらの実施態様は、動作原理及び実際のアプリケーションを最もよく説明するために選択及び記載され、それによって、当業者による実施を可能にした。
【0110】
様々な図面は、特定の順序でいくつかの要素を例示している。ただし、順序に左右されない要素は、並べ替えることができ、他の要素は、組み合わされるか、又は分離され得る。一部の並べ替え又は他のグループ分けが具体的に記述されているが、他の例も、当業者にとっては明らかであり、したがって、本明細書に提示された順序付け及びグループ分けは、代替例の網羅的な列挙ではない。
【0111】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそれ以外の場合を示していない限り、複数形も更に含み、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された品物のうちの1つ以上の可能な全ての組み合わせを包含し、「第1」、「第2」などの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用され、それらの要素自体を限定するものではなく、「場合」という用語は、文脈に応じて、「とき」、「すぐに」、「に応答して」、又は「に従って」を意味するように解釈することができ、「含む」、「含んでいる」、「備える」、及び「備えている」という用語は、特定の機能又は動作を指定しているが、追加の機能又は動作を排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図17A
図17B
図18
図19