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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】セパレータ及びその応用
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/414 20210101AFI20241129BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20241129BHJP
   C08L 101/02 20060101ALI20241129BHJP
   C08G 73/10 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 69/00 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 69/02 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 71/26 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 71/28 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 71/52 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 71/62 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 71/64 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 71/66 20060101ALI20241129BHJP
   B01D 71/68 20060101ALI20241129BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20241129BHJP
   H01M 50/497 20210101ALI20241129BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20241129BHJP
   H01M 50/434 20210101ALI20241129BHJP
   H01M 50/443 20210101ALI20241129BHJP
   H01M 50/446 20210101ALI20241129BHJP
   H01M 50/411 20210101ALI20241129BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20241129BHJP
【FI】
H01M50/414
C08L101/00
C08L101/02
C08G73/10
B01D69/00
B01D69/02
B01D71/26
B01D71/28
B01D71/52
B01D71/62
B01D71/64
B01D71/66
B01D71/68
H01M50/403 Z
H01M50/497
H01M50/489
H01M50/434
H01M50/443 M
H01M50/446
H01M50/411
H01M50/417
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023001213
(22)【出願日】2023-01-06
(65)【公開番号】P2023116400
(43)【公開日】2023-08-22
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】111101647
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506021156
【氏名又は名称】律勝科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100113398
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 直
(72)【発明者】
【氏名】イエ,チャン-チン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チィア ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジェン,シー-チ
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-068872(JP,A)
【文献】国際公開第2014/196435(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102188913(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0327704(US,A1)
【文献】特開昭56-022044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムの加水分解により形成されるセパレータであって、
前記樹脂フィルムは、
非加水分解性有機ポリマーと、
酸水溶液、アルカリ水溶液、および純水のうち少なくとも1つの処理で加水分解可能な加水分解性有機ポリマーとを含み、
前記加水分解性有機ポリマーの含有量は、前記樹脂フィルム100重量部に対し、10重量部から70重量部であり、
前記セパレータは、破断伸びが10%を超え、
前記加水分解性有機ポリマーは、式(1)で表される繰り返し単位を含み、
【化1】
ここで、X1は、少なくとも1つの芳香族基又は脂環式基を含む4価基であり、Y1は、少なくとも1つの芳香族基又は脂環式基を含む2価基であり、X1及びY1の少なくとも一方は、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、およびニトロ基のうちの少なくとも1つの官能基構造を含む、
前記セパレータ。
【請求項2】
前記非加水分解性有機ポリマーは、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記非加水分解性有機ポリマーは、側鎖に親水性官能基を有する、請求項2に記載のセパレータ。
【請求項4】
前記親水性官能基は、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、アミド基、又は水酸基を含む、請求項3に記載のセパレータ。
【請求項5】
X1は、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、又は式(6)で表される4価基から選択され、
【化2】
ここで、R1は、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖アルキル又はフェニルを表し;R2は、それぞれが独立して、炭素原子数2から36の直鎖又は分岐鎖炭化水素基又は炭素原子数3から20の環状炭化水素基を表し;R3は、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、又は炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し;L1は、それぞれが独立して、-O-、-S-、-SO2-、単結合、-NH-、-C(=O)-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-、-(CH22-、-C(CH32-、-C(CF32-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NH-、又は-NHC(=O)-を表し;nは、それぞれが独立して、0から5までの整数を表し;mは、1から5までの整数を表す、
請求項1に記載のセパレータ。
【請求項6】
請求項1に記載のセパレータにおいて、Y1は、式(7)、式(8)、又は式(9)で表される2価基であり、
【化3】
ここで、L2は、それぞれが独立して、-O-、-S-、-SO2-、単結合、-NH-、-C(=O)-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-、-(CH22-、-C(CH32-、-C(CF32-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NH-、又は-NHC(=O)-を表し;R4は、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素数1から6の直鎖又は分岐鎖炭化水素又はフェニルを表し;R5は、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素数1から6の直鎖又は分岐鎖炭化水素基又はフェニルを表し;R6及びR7は、それぞれが独立して、炭素数1から9の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し;nは、0から5までの整数を表す、
請求項5に記載のセパレータ。
【請求項7】
厚さが0.1μmから100μmである、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記樹脂フィルムは、更に、前記樹脂フィルムの100重量部に対し、含有量が0重量部を超え60重量部以下の充填剤を含む、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項9】
前記充填剤は、難燃剤、酸性物質とアルカリ性物質とで構成される親水性材料、セラミック酸化物、リチウム塩、有機酸、イオン性液体、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項8に記載のセパレータ。
【請求項10】
前記樹脂フィルムは、前記非加水分解性有機ポリマー、前記加水分解性有機ポリマー、及び任意の有機溶媒を含む組成物から形成される、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項11】
請求項1に記載のセパレータを含む複合フィルム。
【請求項12】
アノード層と、
カソード層と、
前記アノード層と前記カソード層の間に配置された請求項1に記載のセパレータと、
を備える電池。
【請求項13】
前記電池は、燃料電池、フロー電池、又はリチウム電池から選ばれる請求項12に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータ及びその用途、特にイオン伝導率セパレータ及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界で一般的に使用されているエネルギー貯蔵装置として、例えば、水素燃料電池、全バナジウムフロー電池、リチウムイオン、その他の化学的エネルギー貯蔵等が挙げられる。エネルギー貯蔵システムは、再生可能エネルギーの開発の成功の可否に影響する重要な要素の1つである。エネルギー貯蔵は、調整効果、予備的負荷容量、瞬間的電力供給能力を有するため、電力供給システムの瞬間的な変更による電力網への影響を遅らせることができ、したがって、不可欠かつ重要な部分となる。
【0003】
様々なエネルギー貯蔵方法には、それぞれ長所と短所があり、セパレータは、電池(battery)において重要な役割を果たす。電池の安全性や性能に対する市場の要求が高まるにつれ、セパレータは、高いイオン伝導率を有し、正と負の電子の通過を防ぎ、静電容量の低下を招く、固体、液体又は気体の通過による漏れを防ぎ、破裂、液漏れ、空気漏れ、燃焼等の安全性の問題を防ぐことが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の課題を踏まえ、本発明の目的は、イオン伝導率の高いセパレータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、樹脂フィルムの加水分解によって形成されるセパレータを提供し、当該樹脂フィルムは、
非加水分解性有機ポリマーと、
酸水溶液、アルカリ水溶液及び純水のうち少なくとも1つの処理で加水分解可能な加水分解性有機ポリマーとを含み、
加水分解性有機ポリマーの含有量は、樹脂フィルム100重量部に対し、10重量部から70重量部である。
【0006】
好ましくは、非加水分解性有機ポリマーは、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン又はこれらの組み合わせを含む。より好ましくは、非加水分解性有機ポリマーは、側鎖に親水性官能基を有する。特に好ましくは、親水性官能基は、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、アミド基又は水酸基を含む。
【0007】
好ましくは、加水分解性有機ポリマーは、式(1)で表される繰り返し単位を含み、
【化1】
ここで、X1は、少なくとも1つの芳香族基又は脂環式基を含む4価基であり、Y1は、少なくとも1つの芳香族基又は脂環式基を含む2価基であり、X1及びY1の少なくとも一方は、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、ニトロ基のうち少なくとも1つの官能基構造を含む。
【0008】
X1は、より好ましくは、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)又は式(6)で表される4価基から選択され、
【化2】
ここで、R1は、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖アルキル又はフェニルを表し;R2は、それぞれが独立して、炭素原子数2から36の直鎖又は分岐鎖炭化水素基又は炭素原子数3から20の環状炭化水素基を表し;R3は、それぞれが独立して、-H,-F,-CF3,-SO3H,-PO32,-COOH,-OH、又は炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し;L1は、それぞれが独立して、-O-、-S-、-SO2-、単結合、-NH-、-C(=O)-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-、-(CH22-、-C(CH32-、-C(CF32-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NH-、又は-NHC(=O)-を表し;nは、それぞれが独立して、0から5までの整数を表し;mは、1から5までの整数を表す。
【0009】
Y1は、より好ましくは、式(7)、式(8)又は式(9)で表される2価基であり、
【化3】
ここで、L2は、それぞれが独立して、-O-、-S-、-SO2-、単結合、-NH-、-C(=O)-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-、-(CH22-、-C(CH32-、-C(CF32-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NH-、又は-NHC(=O)-を表し;R4は、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖炭化水素又はフェニルを表し;R5は、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖炭化水素基又はフェニルを表し;R6及びR7は、それぞれが独立して、炭素原子数1から9の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し;nは、0から5までの整数を表す。
【0010】
セパレータは、加水分解後のイオン伝導率が10%以上向上していることが好ましい。
【0011】
セパレータは、破断伸びが10%を超えることが好ましい。
【0012】
セパレータの厚さは、0.1μmから100μmであることが好ましい。
【0013】
樹脂フィルムは、更に、樹脂フィルムの100重量部に対し、含有量が0重量部を超え60重量部以下の充填剤を含むことが好ましい。充填剤は、好ましくは、難燃剤、酸性物質とアルカリ性物質からなる親水性材料、セラミック酸化物、リチウム塩、有機酸、イオン性液体又はこれらの組み合わせから選択される。
【0014】
樹脂フィルムは、非加水分解性有機ポリマー、加水分解性有機ポリマー及び任意の有機溶媒を含む組成物から形成されることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上述したセパレータを含む複合フィルムも提供する。
【0016】
また、本発明は、電池を提供し、当該電池は、
アノード層と、
カソード層と、
アノード層とカソード層の間に配置された上述のセパレータとを備える。
【0017】
電池としては、燃料電池、フロー電池、又はリチウム電池を構成することに好適である。
【0018】
本発明のセパレータは、加水分解性ポリマーと用量の設計により、高いイオン伝導性と低膨潤性を有し、フロー電池の電解液中のバナジウムイオンや燃料電池中の水素の通過を効果的に防止できるため、低バナジウムイオン透過性及び低水素透過性を有することとなり、電池の安全性を高めることに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例1に基づくセパレータの加水分解前のFTIRスペクトルを示す図である。
【0020】
図2】本発明の実施例1に基づくセパレータ(加水分解後)のFTIRスペクトルを示す図である。
【0021】
図3】本発明の実施例9に基づくセパレータの加水分解前のFTIRスペクトルを示す図である。
【0022】
図4】本発明の実施例9に基づくセパレータ(加水分解後)のFTIRスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明が提供するセパレータは、従来のものと異なり、イオン伝導率が高く、膨潤性が低く、体積安定性が高く、機械的性質に優れ、バナジウムイオン透過性が低く、水素透過性が低い。
【0024】
本発明のセパレータは、樹脂フィルムを加水分解して形成され、樹脂フィルムは、非加水分解性有機ポリマーと、酸水溶液、アルカリ水溶液及び純水の少なくとも1つ(例えば、2つ又は3つ)の処理で加水分解可能な加水分解性有機ポリマーとを含み、加水分解性有機ポリマーの含有量は、樹脂フィルム100重量部に対し、10重量部から70重量部(好ましくは、20から70重量部、より好ましくは、30から70重量部、特に好ましくは、40から70重量部)である。
【0025】
非加水分解性有機ポリマーは、非加水分解性共有結合、例えば、イミダゾール結合、オキサゾール結合、炭素-炭素結合、スルホン結合、ビフェニル、フッ素基、ケトン基、エーテル基等を有するため、加水分解を受けても構造に影響がない。非加水分解性有機ポリマーとしては、以下に限定されるものではないが、ポリベンズイミダゾール(polybenzimidazole:PBI)、ポリベンゾオキサゾール(polybenzoxazole:PBO)、ポリベンゾチアゾール(polybenzothiazole:PBT)、ポリエーテルケトン(polyetherketone:PEEK)、ポリフェニレンオキシド(polyphenylene oxide:PPO)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone:PES)、ポリスルホン(polysulfone)、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide:PPS)、ポリプロピレン(polypropylene:PP)、ポリエチレン(polyethylene:PE)、及びポリスチレン(polystyrene:PS)などが挙げられる。非加水分解性有機ポリマーは、単独で使用でき、又は2つ以上(例えば、3つ又は4つ)を組み合わせて使用することもできる。
【0026】
本発明において、非加水分解性有機ポリマーは、好ましくは、本発明の加水分解性ポリマーの加水分解反応を補助する親水性官能基を側鎖に有する。親水性官能基として好ましくは、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、アミド基、又は水酸基が挙げられる。
【0027】
本発明では、非加水分解性有機ポリマーの含有量は、樹脂フィルムの100重量部に対し、30重量部から90重量部(好ましくは、30から80重量部、より好ましくは、30から70重量部、特に好ましくは、30から60重量部)の範囲であってもよい。
【0028】
本発明において、加水分解性有機ポリマーは、好ましくは、式(1)で表される繰り返し単位を含む。
【化4】
【0029】
式(1)において、X1は、少なくとも1つの芳香族基又は脂環式基を含む4価基であり、Y1は、少なくとも1つの芳香族基又は脂環式基を含む2価基であり、X1及びY1の少なくとも一方は、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、ニトロ基のうちの少なくとも1つの官能基構造を含む。例えば、X1は、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、及びニトロ基のうちの少なくとも1つの官能基構造を含み、Y1は、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、及びニトロ基のうちのいずれの官能基構造も含まない。あるいは、Y1は、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、及びニトロ基のうちの少なくとも1つの官能基構造を含み、X1は、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、及びニトロ基のうちのいずれの官能基構造も含まない。あるいは、X1もY1も、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、及びニトロ基のうちの少なくとも1つの官能基構造を含む。更に、より具体的には、加水分解性有機ポリマーは、式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ)含んでもよい。
【0030】
本発明では、X1及びY1の少なくとも一方は、エステル結合、アミド結合、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、水酸基、及びニトロ基のうちの少なくとも1つ(例えば、2つ又は3つ)の官能基構造を含む。例えば、X1及びY1の少なくとも一方がエステル結合と水酸基の両方を含み、又はX1及びY1の少なくとも一方がエステル結合とスルホン酸基の両方を含み、又はX1及びY1の少なくとも一方がエステル結合とリン酸基の両方を含み、又はX1及びY1の少なくとも一方がエステル結合とカルボン酸基の両方を含む。
【0031】
X1は、二無水物単量体に由来する4価基であってもよい。X1は、出現毎に同じであってもよく、異なっていてもよい。X1は、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)又は式(6)で表される4価基から選択してもよい。
【化5】
【0032】
式(2)から式(4)において、R1は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖アルキル又はフェニルを表してもよい。R2は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して、炭素原子数2から36の直鎖又は分岐鎖炭化水素基又は炭素原子数3から20の環状炭化水素基を表してもよい。R3は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、又は炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表してもよい。L1は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して、-O-、-S-、-SO2-、単結合、-NH-、-C(=O)-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-、-(CH22-、-C(CH32-、-C(CF32-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NH-、又は-NHC(=O)-を表してもよい。「n」は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して0から5までの任意の整数(1、2、3、又は4等)を独立して表してもよい。「m」は、1から5までの任意の整数(1、2、3、又は4等)を表す。
【0033】
次に、X1の幾つかの例を示す。
【0034】
例えば、nが0のとき、X1は、以下のような4価基であってもよい。
【化6】
【0035】
X1は、以下に例示する4価基であってもよい。
【化7】
【0036】
加水分解性有機ポリマーは、上記のように1つ又は2つ以上(3、4、5等)の4価基を有していてもよい。
【0037】
式(1)において、Y1は、式(7)、式(8)又は式(9)で表される2価基である。
【化8】
【0038】
L2は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、-O-、-S-、-SO2-、単結合、-NH-、-C(=O)-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-、-(CH22-、-C(CH32-、-C(CF32-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NH-、又は-NHC(=O)-を独立して表してもよく、R4は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素原子数1から6の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を又はフェニルを表してもよく、R5は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して、-H、-F、-CF3、-SO3H、-PO32、-COOH、-OH、炭素原子数1から6個の直鎖又は分岐鎖炭化水素基又はフェニルを表してもよく、R6は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して、炭素原子数1から9の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表していてもよく、R7は、出現毎に同じであっても異なっていてもよく、それぞれが独立して、炭素原子数が1から9の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表してもよく、nは、0から5までの任意の整数(1、2、3、又は4等)を表す。
【0039】
Y1の幾つかの例を以下に示す。
【0040】
例えば、nが0の場合、Y1は、以下のような2価基であってもよい。
【化9】
【0041】
例えば、nが1の場合、Y1は、以下のような2価基であってもよい。
【化10】
【0042】
Y1は、以下に例示する2価基であってもよい。
【化11】
【0043】
加水分解性有機ポリマーは、上記のように1つ又は2つ以上(3つ、4つ、5つ等)の2価基を有していてもよい。
【0044】
本発明において、加水分解性有機ポリマーは、酸水溶液、アルカリ水溶液、又は純水中で加水分解されるいずれかの場合において、常に加水分解性であることが好ましい。本発明において、加水分解性有機ポリマーは、酸水溶液、アルカリ水溶液、及び純水の3つの条件全てにおいて加水分解性であることが好ましい。
【0045】
イオン伝導率を考慮すると、加水分解性ポリマーは、構造中にイミド結合を有することが好ましい。加水分解後に1つのカルボン酸基と1つの水酸基を生成するアミド結合又は1つのカルボン酸基と1つの水酸基を生成するエステル結合と比較して、2つのカルボン酸基と1つのアミン基を生成するイミド結合は、アミド結合とエステル結合よりも多くの親水性官能基を生成するため、イオン伝導率に優れる。
【0046】
本発明の幾つかの実施形態では、水、酸溶液、又はアルカリ溶液に浸漬された後のセパレータの平衡膨潤比は、1.1未満である。
【0047】
本発明では、樹脂フィルムは、非加水分解性有機ポリマー、加水分解性有機ポリマー、及び任意の有機溶媒を含む組成物から形成してもよい。樹脂フィルムの調製プロセスには、有機溶媒が含まれていることが好ましい。樹脂フィルム(セパレータ前駆体)は、組成物を塗布した後、熱処理して有機溶媒を除去することで形成しうる。幾つかの実施形態では、組成物において、加水分解性有機ポリマーの含有量は、有機溶媒の400重量部に対し、10から70重量部である。幾つかの実施形態では、組成物において、非加水分解性有機ポリマーの含有量は、有機溶媒の400重量部に対し、30から90重量部である。幾つかの実施形態では、加水分解性有機ポリマーの含有量は、組成物の500重量部に対し、10から70重量部である。幾つかの実施形態では、非加水分解性有機ポリマーの含有量は、組成物の500重量部に対し、30から90重量部である。
【0048】
本発明のセパレータ前駆体の調製方法は、非加水分解性有機ポリマー、加水分解性有機ポリマー、及び有機溶媒を混合して混合物(組成物)を得る工程と、基材上に混合物の塗膜を形成する工程と、塗膜に熱処理を施す工程とを含みうる。
【0049】
本発明のセパレータの調製方法は、非加水分解性有機ポリマー、加水分解性有機ポリマー、及び有機溶媒を混合して混合物(組成物)を得る工程と、基材上に混合物の塗膜を形成する工程と、塗膜に熱処理を施す工程と、熱処理した塗膜上で加水分解を行う工程とを含みうる。本発明では、加水分解は、酸水溶液、アルカリ水溶液、又は純水中で行うことができる。幾つかの実施形態では、加水分解は、まずアルカリ水溶液で行われ、次に酸水溶液で行われる。幾つかの実施形態では、加水分解は、まず酸水溶液で行われ、次にアルカリ水溶液で行われる。
【0050】
混合処理の条件(温度や時間等)は、非加水分解性有機ポリマー、加水分解性有機ポリマー、及び有機溶媒の種類によって調整される。本発明の幾つかの実施形態では、混合処理の温度範囲は、60℃から100℃であり、時間は、2時間から4時間の範囲である。有機溶剤は、単独で使用でき、又は2種以上(例えば、3種又は4種)を組み合わせて使用することもできる。有機溶媒は、以下に限定されるものではないが、N-メチルピロリドン、2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、γ-ブチロラクトン、ジクロロベンゼン、ジオキサン、トルエン、キシレン、クロロホルム、アセトン、ブタノン、エタノール、メタノールが挙げられる。有機溶媒の総量を100重量部とすると、非加水分解性有機ポリマーと加水分解性有機ポリマーの総量は、2重量部から55重量部の範囲が好ましい。
【0051】
塗膜は、ブレード塗布法、スピン塗布法、又はスプレー塗布法によって形成してもよい。本発明の幾つかの実施形態では、基材上に混合物を塗布することによって塗膜を形成する。熱処理の目的は、有機溶媒を除去し、セパレータ前駆体を高密度化することである。熱処理温度は、混合物の成分に応じて調整される。本発明の幾つかの実施形態では、熱処理の温度は、60℃から250℃の範囲であり、例えば、80℃、100℃、120℃、150℃、180℃、210℃又は230℃である。
【0052】
本発明のセパレータの製造方法は、加水分解工程を含み、これによって、得られたセパレータの特性を改善でき、より高いイオン伝導率を得ることができる。幾つかの実施形態では、加水分解工程は、酸又はアルカリ水溶液中で行われる。具体的には、以下の方法で加水分解工程を行う。まず、高濃度セパレータ前駆体(樹脂フィルム)を、4M水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ)に25℃から70℃で24時間浸漬、又は4M水酸化リチウム水溶液に24時間浸漬、又は4M硫酸水溶液(酸)に24時間浸漬する。次に、脱イオン水で3回洗浄する。次に、120℃で1時間乾燥を行いセパレータを得る。好ましい実施形態では、セパレータ前駆体は、純水中で加水分解される。
【0053】
好ましい一実施形態におけるセパレータは、非加水分解型セパレータ(樹脂フィルム)と比較して、イオン伝導率が10%以上向上する。別の好ましい一実施形態では、セパレータの破断伸びは、10%を超える。
【0054】
本発明では、セパレータの厚さは、特に制限されず、実際の用途に応じて調整してよいが、、好ましくは0.1μmから100μmの範囲である。
【0055】
本発明において、樹脂フィルムは、更に充填剤を含んでいてもよく、充填剤の含有量は、樹脂フィルムの100重量部に対し、0重量部を超え60重量部以下であり、好ましくは、10重量部から60重量部、より好ましくは、20重量部から60重量部の範囲である。
【0056】
本発明において、組成物は、更に充填剤を含んでいてもよく、充填剤の含有量は、組成物の500重量部に対し、0重量部を超え60重量部以下であり、好ましくは、10重量部から60重量部の範囲であり、より好ましくは、20重量部から60重量部の範囲である。
【0057】
本発明における充填剤は、難燃剤、酸性物質とアルカリ性物質からなる親水性材料、セラミック酸化物、リチウム塩、有機酸、イオン性液体、又はこれらの任意の組み合わせでありうる。親水性物質は、酸性物質(ルイス酸等)とアルカリ性物質(ルイス塩基)で構成されていてもよい。親水性材料は、以下に限定されるものではないが、硫酸メラミン、塩酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、シュウ酸メラミン、オルトリン酸金属、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0058】
また、本発明は、上述したセパレータを含む複合フィルムも提供する。
【0059】
また、本発明は、電池を提供し、この電池は、アノード層と、アノード層とカソード層の間に配置された上述のセパレータとを備える。電池としては、燃料電池、フロー電池、又はリチウム電池を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0060】
以下の実施例を用いて本発明を更に説明するが、これらの実施例は、説明のためにのみ用いられるものであり、本発明の実施を制限するものではない。
【0061】
実施例における材料源と調製:
【0062】
調製例1:ポリベンズイミダゾールの調製
【0063】
500mLの4口反応フラスコを準備し、反応フラスコに乾燥窒素ガスを通した後、2gの2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン(TCIより購入)、6gの2-スルホテレフタレート一ナトリウム(TCIより購入)、6gの3,3’-ジアミノベンジジン(TCIより購入)、30gのP25(シグマアルドリッチより購入)、及び460gのポリリン酸(ARCOSより購入)を順次添加した。これをメカニカルモーターで均一に撹拌し、200℃まで温度を上げて24時間反応させた。得られた反応溶液に大量の脱イオン水を流し込んで固体を沈殿させた。固体を10wt%NaOH水溶液でアルカリ洗浄した後、中性になるまで大量の脱イオン水で繰り返し洗浄し、140℃のオーブンで24時間乾燥してポリベンズイミダゾール粉末を得た。
【0064】
調製例2:ポリベンゾオキサゾールの調製
【0065】
500mLの4口反応フラスコを準備し、反応フラスコに乾燥窒素ガスを通した後、9.1gの2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(TCIより購入)、9.8gの2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン(TCIより購入)、30gのP25(シグマアルドリッチより購入)、及び460gのポリリン酸(ARCOSより購入)を順次添加した。これをメカニカルモーターで均一に撹拌し、200℃まで温度を上げて24時間反応させた。得られた反応溶液に大量の脱イオン水を流し込んで固体を沈殿させた。固体を10wt%NaOH水溶液でアルカリ洗浄した後、中性になるまで大量の脱イオン水で繰り返し洗浄し、140℃のオーブンで24時間乾燥してポリベンゾチアゾール粉末を得た。
【0066】
調製例3:ポリアミド-イミドの調製
【0067】
500mLの4口反応フラスコを準備し、反応フラスコ内に乾燥窒素ガスを通した後、24gの4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)(TCIより購入)、12gの4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)(TCIより購入)、及び140gのN-メチルピロリドン(シャイニーケミカルインダストリアル(SHINY CHEMICAL INDUSTRIAL CO., LTD)より購入)を順次添加した。これをメカニカルモーターで均一に撹拌し、24時間反応させ、温度を180℃に上げて4時間保持して熱閉環反応(thermal ring closing reaction)を行った。得られた反応溶液に大量のメタノールを流し込んで固体を沈殿させた。固体をメタノールで洗浄した後、140℃のオーブンで24時間乾燥させ、ポリアミド-ポリイミド粉末を得た。
【0068】
調製例4:ポリエステルイミドの調製
【0069】
500mLの4口反応フラスコを準備し、反応フラスコに乾燥窒素ガスを通した後、22gのエチレングリコールビス(無水トリメリット酸)(TMEG)(TCIより購入)、11gの4,4’-オキシジアニリン(ODA)(TCIより購入)、及び140gのN-メチルピロリドン(シャイニーケミカルインダストリアルより購入)を順次添加した。これをメカニカルモーターで均一に撹拌し、24時間反応させ、温度を180℃に上げて4時間保持して熱閉環反応を行った。得られた反応溶液に大量のメタノールを流し込んで固体を沈殿させた。固体をメタノールで洗浄した後、140℃のオーブンで24時間乾燥させ、ポリエステル-ポリアミドイミド粉末を得た。
【0070】
調製例5:ポリベンゾスルホナートイミド(polybenzosulfonate-imide)の調製
【0071】
500mLの4口反応フラスコを準備し、反応フラスコに乾燥窒素ガスを通した後、24gの4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)(TCIより購入)、19gの4,4’-ジアミノベンジジン-2,2’-ジスルホン酸(BDSA)(TCIより購入)、及び140gのN-メチルピロリドン(シャイニーケミカルインダストリアルより購入)を順次添加した。これをメカニカルモーターで均一に撹拌し、24時間反応させ、温度を180℃に上げて4時間保持して熱閉環反応を行った。得られた反応溶液に大量のメタノールを流し込んで固体を沈殿させた。固体をメタノールで洗浄した後、140℃のオーブンで24時間乾燥させ、ヘキサフルオロポリイミド粉末を得た。
【0072】
調製例6:ポリ安息香酸イミド(polybenzoate-imide)の調製
【0073】
500mLの4口反応フラスコを準備し、反応フラスコ内に乾燥窒素ガスを通した後、24gの4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)(TCIより購入)、15gの6,6’-ビサミノ-3,3’-メチリデン二安息香酸(MBAA)(TCIより購入)、及び140gのN-メチルピロリドン(シャイニーケミカルインダストリアルより購入)を順次添加した。これをメカニカルモーターで均一に撹拌し、24時間反応させ、温度を180℃に上げて4時間保持して熱閉環反応を行った。得られた反応溶液に大量のメタノールを流し込んで固体を沈殿させた。固体をメタノールで洗浄した後、140℃のオーブンで24時間乾燥し、透明なポリイミド粉末を得た。
【0074】
充填剤の調製
【0075】
難燃剤:メラミンシアヌレート(海王化学(Haiwang Chemical)より購入)
【0076】
リチウム塩:HQ-115(3Mより購入)
【0077】
イオン性液体:イミダゾリウム1-ヘキシル-3-メチルテトラフルオロメタンスルホン酸塩(シグマアルドリッチより購入)
【0078】
セラミック酸化物:リチウムランタン酸化ジルコニウムLi7La3Zr212(LLZO)の調製
【0079】
実験では、Li7La3Zr212(LLZO)を従来の固相法で調製した。具体的な工程は、以下の通りであった。LiOH・H2O(95%、アルファ)、ZrO2(99%、アルファ)、La23(99.95%、アルファ)を化学量論比に従って電子天秤で正確に計量し、ここで、高温焼結中のLi元素の損失を補うためにLiOH・H2Oを10%過剰に計量した。材料を準備した後、ボールミリング及びディスチャージング(discharging)を行った。調製した原料を一度にボールミルタンクに入れ、その後無水エタノールを一定量添加した。ボールミルのタンクを密閉した後、遊星ボールミルに入れて12時間ボールミリングを行った。ボールミリングが完了した後、均一に混合されたスラリーを清浄なモルタルに流し込み、ベーキングランプの下に置いて乾燥させた。乾燥した粉末をるつぼに入れ、これを高温の炉に入れて1100℃で12時間焼結させ、所定の結晶構造の前駆体を得た。焼結が完了した後、得られた粉末に対して、2回目のボールミリングを12時間行い、続いてふるい分けしてリチウムランタンジルコニウム酸化物Li7La3Zr212(LLZO)粉末を得た。
【0080】
実施例1
【0081】
7g(70重量部)のポリベンズイミダゾール、3g(30重量部)のポリアミド-ポリイミド、40g(400重量部)のN-メチルピロリドンを、混合器を用いて120℃、1気圧下で2時間混合し、コロイド状混合物を調製した。コロイド状混合物をガラス基板上に塗布し、ガラス基板上に厚さ200μmの塗膜を形成した。塗膜を熱処理し、90℃から150℃で5分間乾燥処理を行った。その後、温度を250℃まで上げ、この温度で1時間のエージング処理を行い、厚さ20μmのセパレータ前駆体(すなわち、樹脂フィルム)を得た。
【0082】
実施例2~7及び比較例1~4
【0083】
表1に示すように各成分の種類と用量を変更した以外は、実施例1と同様の手順で、実施例2~7及び比較例1~4のセパレータ前駆体(すなわち、加水分解されていないセパレータ)を得た。
【0084】
実施例8
【0085】
4g(40重量部)のポリベンズイミダゾール、4g(40重量部)のポリアミド-ポリイミド、2g(20重量部)のメラミンシアヌレート、40g(400重量部)のN-メチルピロリドン(シャイニーケミカルインダストリアルより購入)を混合器を用いて120℃、1気圧下で2時間混合し、コロイド状混合物を調製し、3個のドラムで3回、粉砕及び分散させた。コロイド状混合物をガラス基板上に塗布し、ガラス基板上に厚さ200μmの塗膜を形成した。150℃から250℃で30分間の乾燥処理を行うことによってこの塗膜を熱処理して熱処理塗膜を形成し、厚さ20μmのセパレータ前駆体(樹脂フィルム)を得た。
【0086】
実施例9~11及び比較例5~7
【0087】
表2に示すように各成分の種類と用量を変更した以外は、実施例8と同様の手順で、実施例9~例11及び比較例5~7のセパレータ前駆体(すなわち、加水分解されていないセパレータ)を得た。
【0088】
実施例12
【0089】
4g(40重量部)のポリベンズイミダゾール、4g(40重量部)のポリアミド-ポリイミド、2g(20重量部)のリチウム塩、及び40g(400重量部)のN-メチルピロリドン(シャイニーケミカルインダストリアルより購入)を120℃、1気圧、2時間混合器を用いて混合し、コロイド状混合物を調製した。コロイド状混合物をガラス基板上に塗布し、ガラス基板上に厚さ200μmの塗膜を形成した。窒素雰囲気下150℃から250℃で30分間の乾燥処理を行うことによってこの塗膜を熱処理して熱処理塗膜を形成し、厚さ20μmのセパレータ前駆体(樹脂フィルム)を得た。
【0090】
実施例13及び比較例8~9
【0091】
表2に示すように各成分の種類及び用量を変更した以外は、実施例12と同様の手順で、実施例13及び比較例8~9のセパレータ前駆体(すなわち、加水分解されていないセパレータ)を得た。
【0092】
上記の実施例及び比較例のセパレータ前駆体に対する加水分解法として、4M硫酸水溶液に25℃で24時間浸漬し、脱イオン水で3回洗浄し、120℃で1時間乾燥を行い、セパレータの加水分解を完了した。
【0093】
評価項目
【0094】
空隙率の測定(%):水銀ポロシメータ(ブランド:Micromeritics、モデル:AutoPore(商標)IV9520)を用いて実施例1~13及び比較例1~9のセパレータを測定した。
【0095】
引張強度(MPa)及び破断伸び(%)の測定:引張試験機(ブランド:LLOYD、モデルLRX)を使用し、牽引速度を100mm/minとして、実施例1~13及び比較例1~9のセパレータを測定した。
【0096】
酸含量(%)の測定:実施例1~13及び比較例1~9のセパレータを計量し(W1、グラム単位)、25±3℃の硫酸水溶液(硫酸及び水を含み、硫酸の濃度は3M)に7日間浸漬した。その後、セパレータを取り出し、表面に付着した硫酸水溶液を拭き取った後、重量を測定した(W2、グラム単位)。酸含量(%)は[(W2-W1)/W1]×100%とした。
【0097】
含水率(%)の測定:実施例1~13及び比較例1~9のセパレータを計量し(W1、グラム単位)、80℃の水溶液に1日浸漬した。その後、セパレータを取り出し、表面に付着した水溶液を拭き取って吸水セパレータを形成し、計量した(W2、グラム単位)。含水率(%)は[(W2-W1)/W1]×100%とした。
【0098】
イオン伝導率(mS/cm)の測定:実施例1~13及び比較例1~9のセパレータに対し、米国BekkTECH LLC社の四極カラム伝導率測定器(quadrupole column conductivity measuring instrument)及びインピーダンス解析装置Autolabの交流インピーダンス解析法を用いて、25℃以下でインピーダンス値測定を行った。イオン伝導率(S/cm)は、1/[(インピーダンス値×セパレータ幅×セパレータ厚さ)/基準電極間隔]であり、セパレータ幅、セパレータ厚さ、基準電極間隔の単位は、cmとした。
【0099】
バナジウムイオン拡散率(%):濃度2.5Mの硫酸水溶液をVOSO4と混合して、VOSO4の濃度が1M、硫酸の濃度が2.5Mの第1の混合溶液を作製した。濃度2.5Mの硫酸水溶液をMgSO4と混合して、MgSO4の濃度が1M、硫酸の濃度が2.5Mの第2の混合溶液を作製した。実験環境温度は、25±3℃であった。実施例1~13及び比較例1~9のセパレータを、第1の収容空間部分(左側)と第2の収容空間部分(右側)に分かれた収容空間を有する容器に入れた。第1の混合溶液を第1の収容空間部分に、第2の混合溶液を第2の収容空間部分に、それぞれ投入した。第1の混合溶液と第2の混合溶液に波長766nmの光を照射し、UV-Vis分光計、フィック(Fick)の法則及びベール(Beer)の法則を用いて、第1の混合溶液の吸光度(AV)と第2の混合溶液の吸光度(AMg)を算出した。その後、バナジウムイオンがセパレータを通過し始め、異なる測定時間(t)で上記のステップを繰り返し、異なる測定時間における第1混合溶液の吸光度(AV)と第2混合溶液の吸光度(AMg)を求めた。測定時間に対してln(AV-2AMg)の値をプロットして第1の式を取得し、これを用いて物質移動係数(ks)を算出した。次に、物質移動係数を第2の式に代入してバナジウムイオン拡散率(D)を算出した。第1の式は、ln(AV-2AMg)=lnAV-(2×ks×A×t)/VA、第2の式は、D=ks×dであり、ここで、Aはセパレータの接触面積(単位:cm2)、tは測定時間、VAは第2の収容空間部分の体積(単位:cm3)、dは、セパレータの厚さ(単位:cm)である。
【0100】
ガス透過率(%):この試験では、差圧法の原理に基づいて、酸素ガス透過性試験を行った。上下の試験チャンバーの間に前処理された試験片を設置し、クランプした。まず、低圧チャンバー(下側チャンバー)を真空処理し、その後システム全体を真空にした。規定の真空度に達すると、下側試験チャンバーを閉じ、高圧室(上側チャンバー)に試験ガスを一定の圧力で充填して、試験片の両側に一定の圧力差ができるようにし、圧力差勾配の作用で高圧側から低圧側にガスが浸透するようにした。低圧側の内圧を監視することによって、試験片の各種バリアパラメータ(barrier parameters)を求めた。微量酸素透過分析器、製品モデル:8001、モデル8001酸素透過アナライザーを主に用いて、関連するサンプルの酸素透過率(oxygen transmission rate:OTR)を測定した。室温において、セパレータの一方を真空にし、セパレータの他方に酸素を供給する条件下で、微量酸素透過分析装置装置によって、単位時間における、単位面積あたりの試料を透過する酸素量を求めた。Q=K・A・Δp、ここで、Qはセパレータを透過する気体の透過率、Kはある気体がセパレータを透過する際の透過係数、Aはセパレータの面積、Δpはセパレータの両側の気体圧力差である。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
実施例1のセパレータの加水分解前のFTIRスペクトルを図1に示す。このFTIRスペクトルから、波長1777cm-1と1722cm-1において、それぞれ対称イミドと非対称アミドのC=O結合吸収ピークである2つの特徴的なピークを観測できる。実施例1のセパレータの加水分解後のFTIRスペクトルを図2に示す。酸処理による加水分解後、FTIRスペクトルの波長1771cm-1と1714cm-1の2つの特徴的なピークが明らかに減少し、これは、アミド-イミド結合の含有量が減少し、セパレータが加水分解されたことを示している。
【0104】
実施例9のセパレータの加水分解前のFTIRスペクトルを図3に示す。図3から、波長1780cm-1と1739cm-1において、それぞれ対称イミドと非対称アミドのC=O結合吸収ピークである2つの特徴的なピークを観測できる。実施例9のセパレータの加水分解後のFTIRスペクトルを図4に示す。酸処理による加水分解後、FTIRスペクトルの波長1774cm-1と1715cm-1の2つの特徴的なピークが明らかに減少し、これは、アミド-イミド結合の含有量が減少し、セパレータが加水分解されたことを示している。
【0105】
表1及び表2に示すように、4M硫酸溶液に浸漬する加水分解処理の後の実施例1及び実施例7のセパレータは、イオン伝導率が高く、破断伸びが大きく、バナジウムイオン拡散率が低く、ガス透過率が低い。これにより、バナジウムレドックスフロー電池の電解質中のバナジウムイオンや燃料電池内の燃料ガスの通過を効果的に防止でき、電池の安全性や寿命を効果的に向上させることができるため、本発明の目的を達成できる。実施例8及び実施例13のセパレータには、充填剤が添加されており、4M硫酸溶液に浸漬して加水分解した後のイオン伝導率が高いが、バナジウムイオンの拡散率とガス透過率は、実施例1及び実施例7のセパレータよりも若干高い。
【0106】
表1と表2に示すように、比較例1及び比較例2のセパレータは、非加水分解性構造の有機ポリマー成分のみを用いており、加水分解処理のために室温で4M硫酸溶液への浸漬後のイオン伝導率は測定できない。比較例3のセパレータは、加水分解構造を有する有機ポリマーを80%(重量比)含有した。室温における4M硫酸溶液による加水分解後、セパレータは破損して使用不可となり、検出用の膜を形成できなかった。比較例5のセパレータは、重量比で70%の充填剤を含有した。室温における4M硫酸溶液による加水分解後、セパレータが破損して使用不可となった。比較例4及び比較例6~9のセパレータは、室温において4M硫酸溶液に浸漬する加水分解処理を行っておらず、イオン伝導率を測定できなかった。
【0107】
なお、比較例4及び比較例6~9のセパレータは、本発明の非加水分解性有機ポリマー及び加水分解性有機ポリマーの成分を使用していたが、加水分解用の4M硫酸溶液に浸漬していなかったため、これらのセパレータのイオン伝導率を測定できず、これらのセパレータは電池に使用できなかった。他方、本発明の実施例1~7のセパレータには、本発明の非加水分解性有機ポリマー及び加水分解性有機ポリマーの成分が含まれていた。室温において4M硫酸溶液に浸漬して加水分解した後、セパレータの親水性が高まり、イオン伝導率が向上したので、このセパレータは、フロー電池、燃料電池、又はリチウム電池等の用途に有益である。
【0108】
適用例1及び適用例2
【0109】
フローバッテリの生産及び試験:
【0110】
フロー電池のクーロン効率(%)、電圧効率(%)、及びエネルギー効率(%)の測定:実施例2と実施例3のセパレータ、黒鉛フェルト電極、バイポーラプレート、及び電解質100mlを、ポリ塩化ビニル板とフレームを用いて組み立て、有効面積5cm×5cmの単一の電池を構成した。電解質は、VOSO4粉末456グラムと硫酸水溶液1000ミリリットルから調製され、硫酸水溶液の硫酸濃度は、3Mとした。電池充放電テスター[ブランド:クロマ(Chroma)、モデル:17011]を用いてこの単一の電池を充放電して電力を測定し、電流密度が100mA/cm2、カットオフ電圧が0.7Vから1.6V、流量が50mL/minの電力を基に、クーロン効率、エネルギー効率、電圧効率を算出した。適用例1及び適用例2についての電気試験結果を表3に示す。
【0111】
【表3】
【0112】
表1、表2、表3に示すように、実施例2及び実施例3のセパレータは、クーロン効率が高く、バナジウムイオンの拡散率が低いため、フロー電池のバナジウムイオンがセパレータを介して相互拡散することを防止できる。表3の適用例1及び適用例2の試験結果が示すように、加水分解性有機ポリマーを含むセパレータは、フロー電池に適用した場合、加水分解後に優れた電気的特性を示す。
【0113】
適用例3及び適用例4
【0114】
燃料電池用膜電極アセンブリの調製:
【0115】
実施例2と実施例13のセパレータ前駆体(樹脂フィルム)を4M硫酸溶液に浸漬して加水分解処理した後、10Mリン酸に60℃で1時間浸漬して6×6cm2の面積のリン酸化セパレータを得た。膜電極素子のガス拡散電極には、カソードガス拡散層とアノードガス拡散層として5×5cm2のカーボン紙を使用し、その厚さは、280ミクロンであった。次に、カソードガス拡散層とアノードガス拡散層を市販のPt/C触媒スラリーで被覆し、160℃で乾燥して、ガス拡散電極内に電極触媒層を形成した。電極触媒層は、カソードガス拡散層とアノードガス拡散層の上にそれぞれ形成された。電極触媒層を有するカソードガス拡散層がここでのカソードガス拡散電極、電極触媒層を有するアノードガス拡散層がここでのアノードガス拡散電極であり、総Pt含有量は、約1mg/cm2であった。次に、前述のリン酸化セパレータ(リン酸化PBI電解質膜)の両側にカソードガス拡散電極の電極触媒層とアノードガス拡散電極の電極触媒層をそれぞれ配置した後、例えば、130~160℃の温度、及び、例えば、20~30MPaの圧力でホットプレス処理を行って膜電極素子を形成した。燃料電池の電気試験結果を表4の適用例3及び適用例4に示す。
【0116】
燃料電池の電力密度テスト:まず、準備したセルを、以下のような工程によって活性化した。(1)開回路電圧(OCV)状態で、アノード端に200cc/minで水素を供給し、カソード端に500cc/minで空気を供給し、セルを120℃まで加熱した。(2)セル温度が120℃に達したとき、200mA/cm2の一定電流を負荷し、セル温度を180℃まで連続的に上昇させた。(3)セル温度が180℃に達したとき、反応ガス流量を1.2(水素)対2(空気)の等価比に変更した。(4)セル電圧が安定状態になるまで24時間から72時間動作を続けた。セルを活性化した後、100~180℃の温度の動作条件下で、水素及び空気(用量比、約1:2)を導入した。この条件下で、0.6Vにおける電池の電流密度と電力値を測定した。
【0117】
【表4】
【0118】
表1、表2、及び表4に示すように、実施例2及び実施例13のセパレータは、加水分解されるため、イオン伝導率が高く、ガス透過率が低いので、燃料電池の燃料ガスがセパレータ内で相互拡散することを効果的に防ぐことができる。燃料電池への適用例3及び適用例4のそれぞれの電気試験結果が示すように、燃料電池に適用した場合、適用例3の加水分解セパレータの方が電流密度が高かった。
【0119】
適用例5及び適用例6
【0120】
リチウム電池の調製:
【0121】
PEO(MW=300,000、シグマアルドリッチ)とLiTFSI(HQ-115、3M)(PEO:LiTFSi=10:1)、及びアセトニトリル(無水、シグマアルドリッチ)を高速ミキサーを用いて混合することにより、固体ポリマー電解質(solid polymer electrolyte:SPE)を調製した。LiFePO4(LFP)粉末(MTIから購入)、PEO/LiTFSI、カーボンブラック(w:w:w=60:25:15)を高速ミキサーを用いてアセトニトリルと混合した。LFP活物質負荷量は、1.5mg/cm2とした。その後、ドクターブレードでスラリーをアルミホイルにキャストした。その後、電極を60℃の真空オーブンで少なくとも48時間乾燥させた。実施例3及び実施例11のセパレータ前駆体を4M硫酸溶液に浸漬した後、4MLiOH水溶液(シグマアルドリッチ)に24時間浸漬し、脱イオン水で3回洗浄し、200℃で1時間真空焼成することにより加水分解した。次に、リチウム箔/SPE/セパレータ/SPE/LFPをボタン電池(リチウム箔、シグマアルドリッチ)に圧入した。適用例5及び適用例6のリチウム電池の電気試験結果を表5に示す。60℃の温度で、電池充放電テスター[ブランド:クロマ(Chroma)、モデル:17011]を用いて、単一のセルを異なるレートC/10、C/5、C/2、1Cで充放電し、10サイクルの平均電力を測定した。
【0122】
【表5】
【0123】
表1、表2、及び表5に示すように、実施例3及び実施例11のセパレータ前駆体を4M水酸化リチウム水溶液(アルカリ性)に浸漬して加水分解した後、電池を作製した。準備した電池をリチウム電池に適用した。適用例5及び適用例6の電気試験結果が示すように、リチウム電池は、充電と放電の両方が可能である。
【0124】
要約すると、本発明によって提供されるセパレータは、非加水分解性ポリマー、加水分解性ポリマー、及び用量設計によって、イオン伝導率が高く、破断伸びが大きく、バナジウムイオン拡散性が低く、ガス透過性が低く、このため、電解質中のバナジウムイオンの通過を効果的に防止するのみでなく、バナジウムイオンの透過率を低下させることができる。フロー電池に適用すると、クーロン効率が高まり、燃料電池やリチウム電池に適用すると、電気的性質が良好となり、電池の安全性や寿命が効果的に向上する。したがって、本発明のセパレータは、全バナジウムフロー電池、燃料電池、又はリチウム電池に使用できる。
【0125】
以上は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、すなわち、本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容に基づいて行われる全ての単純かつ等価な変更及び修正は、本発明の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4