(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物及びその調製方法、使用
(51)【国際特許分類】
C08L 67/02 20060101AFI20241129BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20241129BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20241129BHJP
C08K 7/14 20060101ALI20241129BHJP
C08K 5/13 20060101ALI20241129BHJP
C08K 5/524 20060101ALI20241129BHJP
C08K 5/41 20060101ALI20241129BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20241129BHJP
B29C 48/36 20190101ALI20241129BHJP
【FI】
C08L67/02
C08K3/013
C08K3/04
C08K7/14
C08K5/13
C08K5/524
C08K5/41
B23K26/00 B
B29C48/36
(21)【出願番号】P 2023524915
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2021082800
(87)【国際公開番号】W WO2022088598
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】202011182810.5
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520070792
【氏名又は名称】金発科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】KINGFA SCI. & TECH. CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.33 Kefeng Road, Science City, Hi-Tech Industrial Development Zone, Guangzhou, Guangdong 510663, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】莫 文杰
(72)【発明者】
【氏名】黄 険波
(72)【発明者】
【氏名】葉 南▲ビャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 文
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼ 徳君
(72)【発明者】
【氏名】馮 健
(72)【発明者】
【氏名】付 学俊
【審査官】内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-118416(JP,A)
【文献】特開2001-071645(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102719062(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102061071(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L67
C08K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物であって、成分として、重量部で、
PBT樹脂50~80部、
オパシフィア6~20部、
ガラス繊維15~30部、
酸化防止剤0.1~0.5部、及び
前記オパシフィアの重量の0.0033%~0.033%のカーボンブラック
を含む、レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
【請求項2】
成分として、重量部で、
PBT樹脂50~60部、
オパシフィア15~20部、
ガラス繊維15~30部、
酸化防止剤0.1~0.5部、及び
前記オパシフィアの重量の0.0033%~0.033%のカーボンブラック
を含む、請求項1に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
【請求項3】
前記オパシフィアは、チタン白、硫化亜鉛、及び三酸化アンチモンのうちの1種以上である、請求項2に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
【請求項4】
前記オパシフィアは、チタン白である、請求項3に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
【請求項5】
前記カーボンブラックは、アセチレンブラック又は黒鉛化カーボンブラックである、請求項2に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
【請求項6】
前記ガラス繊維は、直径が7~17μm、長さが3~5mmの無アルカリガラス繊維である、請求項2に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
【請求項7】
前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、及びチオエステル系酸化防止剤のうちの1種以上である、請求項2に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
【請求項8】
前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である、請求項7に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
【請求項9】
乾燥したPBT樹脂、ガラス繊維、オパシフィア、カーボンブラック及び酸化防止剤を均一に混合し、混合物を二軸押出機の主要供給ホッパ内に入れるステップS1と、
ガラス繊維を二軸押出機の側面供給ホッパ内に入れるステップS2と、
二軸押出機の温度を220~250℃、供給量を300~500kg/h、メインエンジン回転数を300~400rpmに設定するステップS3と、
押出機によって溶融体を押し出した後、加工してレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物を得るステップS4と
を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物の調製方法。
【請求項10】
ランプカップ筐体、コンデンサ、コネクタ、又はリレー製品の製造に適用する、請求項1~8のいずれか一項に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジニアリングプラスチックに関し、より具体的には、照明産業用のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物並びにその調製方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、半透明から不透明な乳白色の結晶性熱可塑性ポリエステルであり、5つの主要なエンジニアリングプラスチックの重要なメンバの1つであり、PBTは、照明産業におけるランプカップ筐体によく使用される。ランプカップ筐体の性能要件は、通常、難燃性、冷熱衝撃サイクル、遮光、レーザーマーキング及び耐熱などを含む。現在、遮光性能を解決する方法は、主に、大量のオパシフィア(不透明化剤、遮光剤)を加えることであり、レーザーマーキング性能を解決する方法は、主に、レーザーマーキング剤を加えることであり、しかし、レーザーマーキング剤は高価であるため、低価格で遮光性能及びレーザーマーキング性能に優れた材料を調製することは困難である。
【0003】
中国特許出願(CN107201011A)は、レーザーマーキングが可能な高遮光性LED用ポリエステル複合材料を開示し、具体的には、ポリエステル、ガラス繊維、酸化防止剤、オパシフィア及びレーザーマーキング粉末を開示し、しかし、該特許出願におけるレーザーマーキング粉末は、酸化スズ、三酸化アンチモン及び酸化ネオジムのうちの少なくとも1種であり、その価格が高いため、工業化大規模生産に不利である。
【0004】
従って、現在のレーザーマーキング材料は高価で大規模な工業化生産を実現できないため、低価格でレーザーマーキングに優れた複合材料の開発は急務である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、従来技術におけるレーザーマーキング材料が高価で大規模な工業化生産を実現できないという欠陥を克服するために、レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物を提供することであり、前記PBT組成物は、レーザーマーキング効果及び遮光効果の両方に優れる。
【0006】
本発明の別の1つの目的は、レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物の調製方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の1つの目的は、レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物の応用を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、以下の技術的解決手段によって実現される。
【0009】
レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物は、成分として、重量部で、
PBT樹脂50~80部、
オパシフィア6~20部、
ガラス繊維15~30部、
酸化防止剤0.1~0.5部、
及び前記オパシフィアの重量の0.0033%~0.033%のカーボンブラックを含む。
【0010】
本発明は、オパシフィアとカーボンブラックとの配合により、PBT組成物のレーザーマーキング効果を改善する。組成物では、オパシフィアの作用は、光を反射することであり、カーボンブラックは、レーザーを吸収すると同時に、樹脂を炭化させ、炭化層を形成し、レーザーマーキング剤として使用される。しかし、カーボンブラックも色素であり、その添加量が高すぎると、地色を変更し、その添加量が低すぎると、コントラスト比が不足するため、マーキングの作用を果たすことができない。本発明のオパシフィアは、コントラスト比を更に向上させるため、レーザーマーキングはよりはっきりし、白度値が90を超えて厚さが3mm以下の遮光効果を達成し、レーザーマーキングの前と後の色差の値が15以上に達する。
【0011】
好ましくは、前記組成物は、成分として、重量部で、
PBT樹脂50~60部、
オパシフィア15~20部、
ガラス繊維15~30部、
酸化防止剤0.1~0.5部、
及び前記オパシフィアの重量の0.0033%~0.033%のカーボンブラックを含む。
【0012】
好ましくは、前記オパシフィアは、チタン白(二酸化チタン)、硫化亜鉛、及び三酸化アンチモン(アンチモンホワイト)のうちの1種以上である。
【0013】
好ましくは、前記オパシフィアは、チタン白である。
【0014】
オパシフィアを加えると、樹脂の遮光性能を向上させるだけでなく、微量のカーボンブラックと相乗作用し、レーザーマーキング効果を向上させることができる。
【0015】
好ましくは、前記カーボンブラックは、アセチレンブラック又は黒鉛化カーボンブラック(導電性カーボンブラック)であり、カーボンブラックの投入量がオパシフィアの重量の0.033%を超えると、材料の色は濃すぎ、白度値が90未満であり、「白打黒」の性能(即ち、薄色のポリマには、暗色のマークを表示する)を実現できず、カーボンブラックがオパシフィアの重量の0.033%未満であることはできず、カーボンブラックの重量が低すぎると、炭化層が浅くなり、バックグラウンド部分とレーザーマーキング部分とのコントラスト比は低下し、レーザーマーキング効果を達成でき、なお、カーボンブラックは、オパシフィアと相乗作用し、遮光効果を向上させることができる。
【0016】
前記カーボンブラックの含有量の測定方法は、オパシフィアの投入量を一定にし、含有量が異なるカーボンブラックを加え、組成物の白度値を測定し、標準曲線を作成し、標準方程式を得るステップS1と、ICP-AES誘導結合プラズマ発光分光分析法を使用し、投入量が異なる組成物におけるオパシフィアの含有量を測定するステップS2と、既知のオパシフィアの含有量及び白度値に基づいてカーボンブラックの含有量を計算するステップS3とを含む。
【0017】
好ましくは、前記ガラス繊維は、直径が7~17μm、長さが3~5mmの無アルカリガラス繊維である。
【0018】
重量が同じガラス繊維では、ガラス繊維の直径が小さければ小さいほど、ガラス繊維の数が多く、材料の力学的性質に優れる。ガラス繊維の直径が7μm未満である場合、その生産コストが高くなり、ガラス繊維の直径が17μmを超える場合、材料の力学的性質が低下する。
【0019】
好ましくは、前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、及びチオエステル系酸化防止剤のうちの1種以上である。
【0020】
より好ましくは、前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である。
【0021】
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、RIANOX 1010又はSONOX 1010であり、
【0022】
前記ホスファイト系酸化防止剤は、RIANOX 168又はSONOX 168であり、
【0023】
前記チオエステル系酸化防止剤は、RIANOX 412Sである。
【0024】
本発明は、レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物の調製方法を更に提供し、該方法は、
【0025】
乾燥したPBT樹脂、ガラス繊維、オパシフィア、カーボンブラック及び酸化防止剤を均一に混合し、混合物を二軸押出機の主要供給ホッパ内に入れるステップS1と、
【0026】
ガラス繊維を二軸押出機の側面供給ホッパ内に入れるステップS2と、
【0027】
二軸押出機の各領域の温度を220~250℃、供給量を300~500kg/h、メインエンジン回転数を300~400rpmに設定するステップS3と、
【0028】
押出機によって溶融体を押し出した後、加工してレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物を得るステップS4とを含む。
【0029】
前記加工は、水槽を介して冷却し、空冷で乾燥し、粒子状に切り、包装することである。
【0030】
本発明は、ランプカップ筐体、コンデンサ、コネクタ、又はリレー製品の製造での前記レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物の使用を更に提供する。
【0031】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0032】
本発明は、レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物を提供し、発明者は、オパシフィアとカーボンブラックとの相乗効果を予期せず発見し、それは、組成物のレーザーマーキング性能及び遮光効果を大幅に向上させ、カーボンブラックの含有量がオパシフィアの重量の0.0033%~0.033%の範囲にあると、得られたレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物は、厚さが3mm以下の遮光効果を達成でき、レーザーマーキングの前と後の色差の値が15以上に達し、白度値が90を超える。また、本発明は、レーザーマーキング剤を含有しないため、材料のコストを大幅に削減し、経済的実際性を向上させる。該組成物は、照明産業におけるランプカップ筐体、コンデンサ、コネクタ、又はリレー製品の製造分野に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施例における技術的解決手段を明確、完全に説明し、しかし、本発明の実施形態は、これらに限定されない。
【0034】
以下の実施例及び比較例の原料は、以下のとおりである。
【0035】
A.PBT樹脂:1200~211M、台湾長春、
B.オパシフィア:チタン白TR-33(上海顔▲タイ▼実業有限公司)、
C.カーボンブラック:黒鉛化カーボンブラックDENKA BLACK(上海中仲栄)、
D.ガラス繊維:無アルカリガラス繊維ECS13-3.0-T436W(ガラス繊維:直径13μm、長さ3.0mm、泰山玻璃繊維有限公司)、
E.酸化防止剤:ヒンダードフェノール系酸化防止剤RIANOX 1010(Rionlon社)。
【0036】
以下の実施例及び比較例はいずれも以下の方法によってPBT樹脂を調製し、表1~5の重量部に応じて各成分を量り、具体的なステップは、
【0037】
乾燥したPBT樹脂、ガラス繊維、オパシフィア、カーボンブラック及び酸化防止剤を均一に混合し、混合物を二軸押出機の主要供給ホッパ内に入れるステップS1と、
【0038】
ガラス繊維を二軸押出機の側面供給ホッパ内に入れるステップS2と、
【0039】
二軸押出機の各領域の温度を220~250℃、供給量を300~500kg/h、メインエンジン回転数を300~400rpmに設定するステップS3と、
【0040】
押出機によって溶融体を押し出した後、加工してレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物を得るステップS4とを含む。
【0041】
【0042】
比較例1~3と実施例2を比較すると、比較例1では、オパシフィア及びカーボンブラックを加えず、比較例2では、カーボンブラックを加えず、比較例3では、オパシフィアを加えず、また、カーボンブラックの含有量は表5に記載のとおりであり、比較例4及び比較例5では、カーボンブラックの含有量はそれぞれオパシフィアの0.0005%及び0.1%である。
【0043】
厚さが異なる100*100mmの角板を射出成形し、その厚さはそれぞれ0.8、1.0、1.5、2.0、2.5及び3.0mmである。
【0044】
(1)携帯のライトをオンにし、厚さが異なる角板に密着させ、角板が光を完全に遮蔽するかどうかを観察し、その遮光厚さhを評価する。
【0045】
(2)分光比色計で角板の白度値Lを測定する。
【0046】
(3)レーザーマーキング装置によって角板に対してレーザーマーキングを行い、分光比色計により、レーザーマーキングの前と後の角板の色差△Eを測定する。使用されたレーザーマーキング装置のタイプは、TFL-M20(深▲セン▼市泰徳激光科技有限公司)であり、マーキングパラメータは、以下のとおりである。その出力が定格出力の60%であり、その周波数が20KHzであり、その速度が1500mm/sである。
【表6】
【0047】
本発明の各実施例は、白度値が90を超えて厚さが3mm未満の遮光効果を実現し、また、レーザーマーキングの前と後の色差の値が15以上に達することができる。ここで、実施例5~12から分かるように、遮光厚さ及び白度値は、オパシフィア及びカーボンブラックの両者の含有量の影響を受け、要するに、カーボンブラックを加えると、遮光厚さを向上させ、白度値を低下させることができ、オパシフィアを加えると、白度値及び遮光厚さを向上させることができ、オパシフィアとカーボンブラックとの配合は、レーザーマーキング効果を大幅に向上させることができ、ここで、オパシフィアの好ましい含有量が15~20の場合、そのレーザーマーキング効果は、実施例5~8のレーザーマーキング効果よりも優れ、比較例1では、オパシフィア及びカーボンブラックを加えない条件下で、その遮光厚さ及び色差の値は、各実施例よりも低く、比較例2では、カーボンブラックを加えない場合、そのレーザーマーキング効果は悪く、比較例3では、オパシフィアを加えない場合、そのレーザーマーキング効果は、実施例2よりも低く、また、遮光厚さは、3mmよりも大きい。比較例4及び比較例5から分かるように、カーボンブラックの含有量がオパシフィアの0.0033%~0.033%にない場合、レーザーマーキングの色差の値は、各実施例よりも低い。
【0048】
明らかに、本発明の上記実施例は、本発明を明確に説明するための単なる例であり、本発明の実施形態を限定することを意図するものではない。当業者にとって、上記説明に基づいて他の異なる形式の変更又は修正を行うこともできる。ここでは全ての実施形態を網羅する必要はなく、網羅することもできない。本発明の精神及び原則の範囲内で行われた修正、同等の交換及び改良などは、本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
本発明の特許請求の範囲に記載されていた態様は以下を包含する。
〔1〕 レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物であって、成分として、重量部で、
PBT樹脂50~80部、
オパシフィア6~20部、
ガラス繊維15~30部、
酸化防止剤0.1~0.5部、及び
前記オパシフィアの重量の0.0033%~0.033%のカーボンブラック
を含む、レーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
〔2〕 成分として、重量部で、
PBT樹脂50~60部、
オパシフィア15~20部、
ガラス繊維15~30部、
酸化防止剤0.1~0.5部、及び
前記オパシフィアの重量の0.0033%~0.033%のカーボンブラック
を含む、〔1〕に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
〔3〕 前記オパシフィアは、チタン白、硫化亜鉛、及び三酸化アンチモンのうちの1種以上である、〔2〕に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
〔4〕 前記オパシフィアは、チタン白である、〔3〕に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
〔5〕 前記カーボンブラックは、アセチレンブラック又は黒鉛化カーボンブラックである、〔2〕に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
〔6〕 前記ガラス繊維は、直径が7~17μm、長さが3~5mmの無アルカリガラス繊維である、〔2〕に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
〔7〕 前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、及びチオエステル系酸化防止剤のうちの1種以上である、〔2〕に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
〔8〕 前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である、〔7〕に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物。
〔9〕 乾燥したPBT樹脂、ガラス繊維、オパシフィア、カーボンブラック及び酸化防止剤を均一に混合し、混合物を二軸押出機の主要供給ホッパ内に入れるステップS1と、
ガラス繊維を二軸押出機の側面供給ホッパ内に入れるステップS2と、
二軸押出機の温度を220~250℃、供給量を300~500kg/h、メインエンジン回転数を300~400rpmに設定するステップS3と、
押出機によって溶融体を押し出した後、加工してレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物を得るステップS4と
を含む、〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物の調製方法。
〔10〕 ランプカップ筐体、コンデンサ、コネクタ、又はリレー製品の製造に適用する、〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載のレーザーマーキング用の遮光強化PBT組成物の使用。