(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】入力デバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0346 20130101AFI20241129BHJP
【FI】
G06F3/0346 422
(21)【出願番号】P 2023549224
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 JP2021034845
(87)【国際公開番号】W WO2023047494
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南野 孝範
(72)【発明者】
【氏名】西川 憲三
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 健
(72)【発明者】
【氏名】奥山 功
(72)【発明者】
【氏名】河村 佳昭
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-154452(JP,A)
【文献】国際公開第2020/189450(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/213818(WO,A1)
【文献】特開2018-045338(JP,A)
【文献】特開2007-296248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指で操作される操作部材と、
それぞれが発光する複数の被トラッキングポイントと、
前記操作部材が配置されている操作部材領域と、前記操作部材領域の縁に沿って前記複数の被トラッキングポイントが配置されている被トラッキング領域とを有している前面を有し、
前記前面は
、前記操作部材領域と前記被トラッキング領域との間に段差を有し
、且つ前記被トラッキング領域において前記操作部材領域よりも前方に張り出している
入力デバイス。
【請求項2】
上下方向で延びているグリップをさらに有し、
前記被トラッキング領域は、前記操作部材領域よりも前記グリップから遠い位置に形成され、且つ前記操作部材領域の外縁の一部を取り囲んでいる
請求項
1に記載される入力デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使用時にカメラを通して位置や姿勢がトラッキングされる入力デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光する被トラッキングポイントを入力デバイスの外面に設け、カメラを通して被トラッキングポイントを検知することによって、入力デバイスの位置や姿勢をトラッキングする技術がある。下記特許文献1には、球状の被トラッキングポイントが設けられた、ゲーム操作用の入力デバイスが開示されている。特許文献1の入力デバイスは、例えばテレビに取り付けられているカメラによって撮影され、その映像から入力デバイスの位置や姿勢が算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなシステムにおいては、入力デバイスの位置や姿勢に依ることなく、カメラを通して被トラッキングポイントが検知されることが重要である。また、特許文献1とは異なり、入力デバイスを撮影するカメラをヘッドマウントディスプレイに搭載し、そのカメラを通して得られた映像から入力デバイスの位置や姿勢を算出するシステムが検討されている。このようなシステムにおいても、入力デバイスの位置や姿勢に依ることなく、カメラを通して被トラッキングポイントが検知されることが重要である。
【0005】
特許文献1とは異なり、間隔をあけて並ぶ複数の被トラッキングポイントを入力デバイスの外面に配置し、カメラを通して複数の被トラッキングポイントの位置を検知することで、入力デバイスの位置や姿勢を算出するシステムが検討されている。このような入力デバイスにおいて被トラッキングポイントの数を増すと、部品数が増え、入力デバイスの組み立ての作業性の悪化を招く。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示で提案する入力デバイスの一例は、第1の方向で伸びているグリップと、それぞれが発光する複数の被トラッキングポイントと、前記グリップに対して前記第1の方向における一方側に位置し、指で操作される操作部材が配置されている第1部分と、前記グリップに対して前記第1の方向における他方側に位置し、前記複数の被トラッキングポイントが配置されている第2部分とを有している。前記第1の方向に対して交差する第2の方向における前記第2部分の幅は、前記第2の方向での前記グリップの幅よりも大きい。
【0007】
この入力デバイスによると、第2部分に多くの被トラッキングポイントを配置できる。その結果、第2部分がカメラに向く姿勢に入力デバイスが配置された場合に、入力デバイスの位置や姿勢を良好に認識できる。
【0008】
(2)本開示で提案する入力デバイスの他の例は、第1の方向で伸びているグリップと、前記グリップに対して前記第1の方向における一方側に位置し、それぞれが発光する複数の被トラッキングポイントが配置されている第1部分と、前記グリップに対して前記第1の方向における他方側に位置し、それぞれが発光する複数の被トラッキングポイントが配置されている第2部分とを有している。前記第1の方向に交差している第2の方向での前記第1部分の幅は、前記第1の方向と前記第2の方向の双方に交差している第3の方向での前記第1の部分の幅よりも大きい。前記第3の方向での前記第2部分の幅は、前記第2の方向での前記第2の部分の幅よりも大きい。
【0009】
この入力デバイスによると、第1部分で被トラッキングポイントが並んでいる方向と、第2部分で被トラッキングポイントが並んでいる方向とを異ならせることが可能となる。その結果、一方の部分(例えば、第1部分)にある被トラッキングポイントでは入力デバイスの位置や姿勢が算出し難い場合でも、他方の部分(例えば、第2部分)にある被トラッキングポイントを利用して入力デバイスの位置や姿勢の算出が可能となり、入力デバイスの姿勢や位置の認識精度を向上できる。
【0010】
(3)本開示で提案する入力デバイスのさらに他の例は、上下方向で伸びているグリップと、それぞれが発光する複数の被トラッキングポイントとを有している。前記複数の被トラッキングポイントの少なくとも1つが前記グリップに設けられ、上下方向に沿っており且つ左右方向での前記グリップの中心を通る中心線に対して、右方又は左方のうち一方にずれている。ここにおいて、「上下方向」は入力デバイスの部位の相対位置を説明するために使用されており、使用時における入力デバイスの姿勢を特定するものではない。
【0011】
この入力デバイスによると、グリップの外面がカメラに向く姿勢に入力デバイスが配置された場合でも、グリップにある被トラッキングポイントを利用して入力デバイスの位置や姿勢を認識できるので、それらの認識精度を向上できる。
【0012】
(4)本開示で提案する入力デバイスのさらに他の例は、指で操作される操作部材と、それぞれが発光する複数の被トラッキングポイントと、前記操作部材が配置されている操作部材領域と前記操作部材領域の縁に沿って前記複数の被トラッキングポイントが配置されている被トラッキング領域とを有している前面とを有している。前記前面は前記操作部材領域と前記被トラッキング領域との間に段差を有している。
【0013】
この入力デバイスによると、入力デバイスの前面に配置されている操作部材を操作している指が被トラッキングポイントに重なることを防ぐことができる。
【0014】
(5)本開示で提案する入力デバイスのさらに他の例は、第1の方向で伸びているグリップと、それぞれが発光する複数の被トラッキングポイントと、前記グリップに対して前記第1の方向における一方側に位置し、前記複数の被トラッキングポイントの一部が配置されている第1部分と、前記グリップに対して前記第1の方向における他方側に位置している第2部分と前記第1部分から前記第2部分に向かって伸びており、且つ前記グリップから前記第1の方向に対して交差する第2の方向において離れており、前記複数の被トラッキングポイントの他の一部が配置されている延伸部と、前記複数の被トラッキングポイントの光源が実装され、前記第1部分から前記延伸部まで伸びているフレキシブル基板と、を有している。
【0015】
この入力デバイスによると、入力デバイスの部品数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示で提案する入力デバイスが利用されるシステムの例を説明するための図である。
【
図2A】本開示で提案する入力デバイスの第1の例を示す正面図である。
【
図2B】入力デバイスの第1の例を示す背面図である。
【
図2C】入力デバイスの第1の例を示す左面図である。
【
図2D】入力デバイスの第1の例を示す右面図である。
【
図2E】入力デバイスの第1の例を示す平面図である。
【
図2F】入力デバイスの第1の例を示す底面図である。
【
図3A】本開示で提案する入力デバイスの第2の例を示す正面図である。
【
図3B】入力デバイスの第2の例を示す背面図である。
【
図3C】入力デバイスの第2の例を示す左面図である。
【
図3D】入力デバイスの第2の例を示す右面図である。
【
図3E】入力デバイスの第2の例を示す平面図である。
【
図3F】入力デバイスの第2の例を示す底面図である。
【
図4A】本開示で提案する入力デバイスの第3の例を示す正面図である。
【
図4B】入力デバイスの第2の例を示す背面図である。
【
図4C】入力デバイスの第2の例を示す左面図である。
【
図4D】入力デバイスの第2の例を示す右面図である。
【
図4E】入力デバイスの第2の例を示す平面図である。
【
図4F】入力デバイスの第2の例を示す底面図である。
【
図5A】本開示で提案する入力デバイスの第4の例を示す正面図である。
【
図5B】入力デバイスの第2の例を示す背面図である。
【
図5C】入力デバイスの第2の例を示す左面図である。
【
図5D】入力デバイスの第2の例を示す底面図である。
【
図6A】本開示で提案する入力デバイスの第5の例を示す正面図である。
【
図6B】入力デバイスの第2の例を示す背面図である。
【
図6C】入力デバイスの第2の例を示す左面図である。
【
図6D】入力デバイスの第2の例を示す右面図である。
【
図6E】入力デバイスの第2の例を示す平面図である。
【
図6F】入力デバイスの第2の例を示す底面図である。
【
図7A】本開示で提案する入力デバイスの第6の例を示す斜視図である。
【
図8A】本開示で提案する入力デバイスの第7の例を示す斜視図である。
【
図9】環状部を有している入力デバイスの例を示す図である。
【
図10】環状部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図11A】環状部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図11B】環状部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図12】環状部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図13】環状部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図14】環状部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図15】環状部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図16】環状部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図17】入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図18】入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図19A】傘部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す側面図である。
【
図20】球部を有している入力デバイスの例を示す図である。
【
図21】球部を有している入力デバイスのさらに他の例を示す図である。
【
図22】拡大上部を有している入力デバイスの例を示す正面図である。
【
図23】入力デバイスのさらに他の例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下において、本開示で提案する入力デバイスの例について説明する。本明細書では、
図2AのZ1及びZ2で示す方向をそれぞれ上方及び下方と称し、
図2AのX1及びX2で示す方向をそれぞれ右方及び左方と称し、
図2CのY1及びY2で示す方向をそれぞれ前方及び後方と称する。これらの方向は、入力デバイスを構成する部分や、部材、要素などの相対位置を説明するために使用されており、使用時における入力デバイスの姿勢や持ち方を特定するものではない。
【0018】
[システム概要]
図1で示すように、入力デバイス100は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)2とともに使用される。ユーザはHMD2を頭部に装着し、右手及び/又は左手に入力デバイス100を保持する。HMD2は前方に向いているカメラ2aを有している。入力デバイス100には、後述する複数の被トラッキングポイントHが設けられている。被トラッキングポイントHの位置はカメラ2aを通して検知され、検知された被トラッキングポイントの位置に基づいて、入力デバイス100の位置と姿勢(すなわち、ユーザの手の位置や向き)が算出される。入力デバイス100は、後述するように、ユーザが指で操作する複数の操作部材(例えば、操作ボタンや、操作スティック、タッチセンサなど)を有している。HMD2の表示部には、入力デバイス100の位置及び姿勢、並びに、操作部材に対してなされた操作に基づいて生成された動画像(例えば、ゲーム画像)が表示される。
【0019】
入力デバイス100の位置と姿勢の算出は、HMD2に搭載されている情報処理装置によって実行されてもよいし、外部の情報処理装置(例えば、HMD2とは別個のゲーム装置や、パーソナルコンピュータ)によって実行されてもよい。入力デバイス100は、モーションセンサー(例えば、加速度センサや、ジャイロセンサー)を有してもよい。情報処理装置は、被トラッキングポイントHの位置だけでなく、モーションセンサーの出力に基づいて、入力デバイス100の位置や姿勢を算出してもよい。また、動画像の生成も、HMD2に搭載されている情報処理装置によって実行されてもよいし、外部の情報処理装置によって実行されてもよい。入力デバイス100の位置等の算出と動画像の生成が、外部の情報処理装置によって実行される場合、カメラ2aで取得した画像情報は、外部の情報処理装置に無線または有線で送信され、生成された動画像情報は外部の情報処理装置から無線又は有線でHMD2に送信される。なお、
図1で例示するシステムとは異なり、入力デバイス100はHMD2とは別個に使用されてもよい。この場合、入力デバイス100の位置や姿勢をトラッキングするためのカメラは、入力デバイス100の位置と姿勢とに基づいて生成された動画像を表示する外部の表示装置(例えば、テレビジョンやパーソナルコンピュータのモニター)に取り付けられてもよい。
【0020】
右手用の入力デバイスの外形と左手用の入力デバイスの外形は左右対称である。入力デバイスに配置される操作部材の数や種類は、左右の入力デバイスにおいて相違していてよい。本明細書では、右手用の入力デバイスを中心にして説明する。
【0021】
[入力デバイスの外形及び操作部材]
図2Aで示すように、入力デバイス100は、グリップ11と、グリップ11の上側に位置している上部20と、グリップ11の下側に位置している下部30とを有している。グリップ11は、ユーザがこれを握っているとき、側面にユーザの掌が接し、例えば母指球、中指、薬指、及び小指によって保持される部分である。上部20と下部30はグリップ11の端部にそれぞれ接続している。複数の操作部材13~16は上部20に設けられ、グリップ11の上方に位置している。操作部材13~16は、例えば親指又は人指し指によって操作できる。
【0022】
図2Aで示すように、上部20には、操作部材として、例えば操作スティック13と操作ボタン14~16とが配置される。操作スティック13と操作ボタン14・15は上部20の前面21aに配置され、例えば親指で操作される。操作スティック13は径方向に倒したり、スライド可能な操作部材である。操作ボタン16は上部20の後側に配置され(
図2B参照)、例えば人指し指で操作される。上部20に設けられる操作部材は、ここで説明する例に限られず、例えば、タッチセンサや、トリガーボタン、タッチセンサ付きボタンがであってもよい。また、上部20に設けられる操作部材の数は、1つや、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
【0023】
入力デバイス100は、上部20と下部30のうちの一方から他方に向かって伸びており且つグリップ11から側方に離れている延伸部40を有している。言い換えれば、延伸部40は左右方向における外側に膨らむように湾曲しており、延伸部40の中途部はグリップ11から離れている。入力デバイス100の例において、延伸部40の中途部はグリップ11から右方に離れている。延伸部40の中途部とグリップ11との間に、ユーザの右手を入れることのできるスペースが確保されている。延伸部40の両端は上部20と下部30とにそれぞれ接続しており、延伸部40、上部20、下部30、及びグリップ11は全体として環状である。
【0024】
[被トラッキングポイント]
図2Aで示すように、入力デバイス100の外面に、複数の被トラッキングポイントHが配置されている(図において被トラッキングポイントは黒丸で示されている。)。各被トラッキングポイントHは発光する。後述するように、被トラッキングポイントHの光源として、例えばLight Emitting Diode(LED)を入力デバイス100は有する。被トラッキングポイントHの位置のそれぞれに光源が配置されてもよいし、光源の光を被トラッキングポイントHまで案内する導光管の位置(導光管の光出射面の位置)が被トラッキングポイントHの位置に対応していてもよい。
【0025】
入力デバイス100の例では、後述するように、延伸部40、上部20、下部30、及びグリップ11のそれぞれに被トラッキングポイントHが配置されている。本明細書及び図では、延伸部40にある被トラッキングポイントについて符号H1が付与され、上部20にある被トラッキングポイントについて符号H2が付与され、下部30にある被トラッキングポイントについて符号H3が付与され、グリップ11にある被トラッキングポイントについて符号H4が付与されている。本明細書では、被トラッキングポイントH1・H2・H3・H4を区別しない以下の説明では、被トラッキングポイントについて符号Hを用いる。
【0026】
[延伸部]
図2Dで示すように、延伸部40は、その外面に複数の被トラッキングポイントH1を有している(ここで「外面」とは、左右方向においてグリップ11とは反対側の面である)。被トラッキングポイントH1は延伸部40の外面の全体に分散している。このことによって、カメラ2aを通した、入力デバイス100の位置及び姿勢の認識精度を向上できる。被トラッキングポイントH1は複数の列で上下方向に並んでいる。入力デバイス100の例では、被トラッキングポイントH1は2列で並んでいる。前側の列にある被トラッキングポイントH1の位置(高さ)と、後側の列にある被トラッキングポイントH1の位置(高さ)は互いに異なっている。具体的には、前側の列にある被トラッキングポイントH1の高さは、後側の列にある2つの被トラッキングポイントH1の高さの概ね中間である。このことによって、カメラ2aを通して被トラッキングポイントH1を見たときに、2つの被トラッキングポイントH1が重なりにくくなる。延伸部40における被トラッキングポイントH1の配置は、図に示す例に限られず、例えば被トラッキングポイントH1は1列で並んでもよいし、3列以上で並んでもよい。
【0027】
[入力デバイスの上部]
上部20は、その外面に複数の被トラッキングポイントH2を有している。
図2Aで示すように、左右方向での上部20の幅W21は、入力デバイス100の正面視において、グリップ11の幅W11よりも大きい。このことによって、隣り合う2つの被トラッキングポイントH2の距離を隠しながら、被トラッキングポイントH2の数を確保できる。その結果、カメラ2aを通した、入力デバイス100の位置及び姿勢の認識精度を向上できる。
【0028】
入力デバイス100の例では、上部20は、延伸部40とは反対側に突出している左突出部20aを有している。左突出部20aはグリップ11の左側面よりも左方に突出している。上部20のこの形状によると、被トラッキングポイントH2が配置される領域の面積を確保することが容易となる。また、上部20はグリップ11の右側面よりも右方に突出している右突出部20bを有している。右突出部20bに延伸部40が接続している。入力デバイス100の例とは異なり、上部20は、左突出部20aと右突出部20bのうちの一方だけを有してもよい。
【0029】
左右方向での上部20の幅W21(
図2A参照)は、前後方向での上部20の幅W22(
図2C参照)よりも大きい。そのため、複数の被トラッキングポイントH2を上部20において左右方向に並ばせることが容易となる。なお、この説明において、「前後方向での上部20の幅W22」は、突出部20a・20bの前面と突出部20a・20bの背面までの距離に対応している。入力デバイス100の例では、前後方向での上部20の幅W22は、入力デバイス100の側面視において、前後方向でのグリップ11の幅12と実質的に同じ、或いは、前後方向でのグリップ11の幅W12よりも小さい(
図2C参照)。
【0030】
図2Eで示すように、上部20は複数の操作部材13~15が配置されている前面21aを有している。複数の被トラッキングポイントH2は、前面21aの縁に沿って並んでいる。入力デバイス100の例において、上部20は正面視において略楕円形状であり、前面21aの縁と背面21b(突出部20a・20bの背面)の縁との間に湾曲面21cを有している。湾曲面21cは、上部20の左側面、上面、及び右面を構成する部分を有している。湾曲面21cに、平面視において左右方向で並ぶ複数の被トラッキングポイントH2が配置されている。被トラッキングポイントH2は、例えば、入力デバイス100の平面視において、1列で並んでいる。
【0031】
上部20の形状と被トラッキングポイントH2の配置は、ここで説明する形状に限られない。例えば、上部20は正面視において矩形でもよいし、円形でもよい。被トラッキングポイントH2は、湾曲面21cだけでなく、前面21aや、背面21bに配置されてもよい。被トラッキングポイントH2は、2列や3列で並んでもよい。
【0032】
[入力デバイスの下部]
下部30は、その外面に複数の被トラッキングポイントH3を有している。このため、下部30がカメラ2aに向く姿勢に入力デバイス100が配置された場合でも、入力デバイス100の位置及び姿勢が認識できる。
図2Cで示すように、前後方向での下部30の幅W32は、入力デバイス100の側面視において、グリップ11の幅W12よりも大きい。このことによって、隣り合う2つの被トラッキングポイントH3の距離を隠しながら、被トラッキングポイントH3の数を確保できる。その結果、カメラ2aを通した、入力デバイス100の位置及び姿勢の認識精度を向上できる。
【0033】
入力デバイス100の例では、下部30はグリップ11の背面12bよりも後方に突出している後突出部30aを有している。下部30のこの形状によると、被トラッキングポイントH3が配置される領域の面積を確保することが容易となる。入力デバイス100とは異なり、下部30は、後突出部30aに代えて、或いは、後突出部30aとともに、グリップ11の前面12aよりも前方に突出している前突出部を有してもよい。
【0034】
前後方向での下部30の幅W32(
図2C参照)は、左右方向での下部30の幅W31(
図2A参照)よりも大きい。そのため、被トラッキングポイントH3を下部30において前後方向に並ばせることが容易となる。また、入力デバイス100の例では、左右方向での下部30の幅W31は、入力デバイス100の正面視において、左右方向でのグリップ11の幅W11と実質的に同じ、或いは、グリップ11の幅W11よりも小さい(
図2A参照)。
【0035】
図2Cで示すように、下部30は、グリップ11の前面12aから、入力デバイス100の下端を通ってグリップ11の背面12bに伸びている湾曲面31cを有している。下部30は入力デバイス100の側面視において略楕円形状であり、湾曲面31cは、下部30の前面、下面、及び背面を構成する部分を有している。下部30は、湾曲面31cに配置され前後方向で並んでいる被トラッキングポイントH3を有している。この被トラッキングポイントH3は、入力デバイス100の側面視において、視認できるように配置されている。下部30の左側面31bにも、被トラッキングポイントH3が配置されてもよい。
【0036】
下部30の形状と被トラッキングポイントH3の配置は、ここで説明する形状に限られない。例えば、下部30は側面視において矩形でもよいし、円形でもよい。被トラッキングポイントH3は下部30の右側面31aに配置されてもよい。
【0037】
[上部の向きと下部の向き]
左右方向での上部20の幅W21(
図2A参照)は、前後方向での上部20の幅W22(
図2C参照)よりも大きい。一方、前後方向での下部30の幅W32(
図2C参照)は、左右方向での下部30の幅W31(
図2A参照)よりも大きい。このように、上部20と下部30は、互いに異なる方向において大きな幅を有している。この入力デバイス100によると、上部20で被トラッキングポイントH2が並んでいる方向と、下部30で被トラッキングポイントH3が並んでいる方向とを異ならせることが可能となる。その結果、一方の部分(例えば、上部20)にある被トラッキングポイントH2では入力デバイス100の位置や姿勢が算出し難い場合でも、他方の部分(例えば、下部30)にある被トラッキングポイントH3を利用して入力デバイス100の位置や姿勢の算出が可能となり、入力デバイス100の姿勢や位置の認識精度を向上できる。
【0038】
上部20の幅と下部30の幅との関係は、入力デバイス100の例に限られない。前後方向での上部20の幅W22が、左右方向での上部20の幅W21よりも大きい一方で、左右方向での下部30の幅W31が、前後方向での下部30の幅W32よりも大きくてもよい。さらに他の例では、下部30の長手方向は前後方向でなく、例えば前後方向と左右方向の双方に対して傾斜した方向であってもよい。同様に、上部20の長手方向は左右方向でなく、例えば前後方向と左右方向の双方に対して傾斜した方向であってもよい。
【0039】
[グリップの被トラッキングポイント]
入力デバイス100の例では、グリップ11に被トラッキングポイントH4が設けられている。これによって、グリップ11の外面がカメラ2aに向く姿勢に入力デバイス100が配置された場合でも、グリップ11にある被トラッキングポイントH4を利用して入力デバイス100の位置や姿勢を認識できるので、それらの認識精度を向上できる。
図2Aで示すように、被トラッキングポイントH4は、上下方向に沿っているグリップ11の中心線C1に対して、左方にずれている(中心線C1は、グリップ11の左右方向及び前後方向での中心を通る直線である。)。上述したように、
図2A等で示す入力デバイス100は右手用のデバイスである。右手でグリップ11を握った時、グリップ11の右側が手で覆われる一方で、グリップ11の左側は部分的に手から露出する。したがって、被トラッキングポイントH4のこの配置によれば、被トラッキングポイントH4が手で覆われることを防ぐことができる。被トラッキングポイントH4は中心線C1に対して左方にずれているものの、中心線C1と交差していてもよい。左手用の入力デバイスにおいては、被トラッキングポイントH4は、グリップ11の中心を通る中心線C1に対して、右方にずれているのが良い。
【0040】
被トラッキングポイントH4は、
図2Cで示すように、上下方向に沿っている中心線C1に対して、前方にずれている。すなわち、被トラッキングポイントH4は、中心線C1に対して、操作部材が突出している方向にずれている。被トラッキングポイントH4のこの配置によれば、被トラッキングポイントH4が手で覆われることを、効果的に防ぐことができる。被トラッキングポイントH4は中心線C1から前方に離れており、中心線C1と交差していない。被トラッキングポイントH4は、入力デバイス100の正面視と側面視(左側面視)のいずれにおいても視認できるように配置されている。
【0041】
図2Aで示すように、被トラッキングポイントH4は、上下方向におけるグリップ11の中心C3よりも下方に位置している。被トラッキングポイントH4のこの配置によれば、被トラッキングポイントH4が手で覆われることを、さらに効果的に防ぐことができる。
【0042】
グリップ11には複数の被トラッキングポイントH4が配置されてよい。この場合、グリップ11に配置される被トラッキングポイントH4の数は、上部20に配置される被トラッキングポイントH2の数より少なく、また、下部30に配置される被トラッキングポイントH3の数より少ない。入力デバイス100の例では、2つの被トラッキングポイントH4が上下方向で離れて配置されている。
【0043】
[光源]
被トラッキングポイントHの光源は、例えばLight Emitting Diode(LED)である。入力デバイス100は、例えば、LEDが実装されている複数の基板(不図示)を有している。基板は、例えば、1又は複数のLEDが実装されたリジット基板である。リジット基板は、例えば、紙フェノール基板や、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ基板などである。リジット基板は、複数のLEDの位置が複数の被トラッキングポイントHの位置にそれぞれ対応するように配置される。入力デバイス100は、その外面を構成し、且つLED及びリジット基板を覆うカバーを有してもよい。カバーは、全体的に光透過性を有する部材、又は被トラッキングポイントHの位置だけに光透過性を有する部材である。LEDの光はカバーにおける被トラッキングポイントHの位置を通過する。入力デバイス100は、LEDの光をカバーにおける被トラッキングポイントHの位置まで案内する導光部材を有してもよい。
【0044】
後において説明するように、LEDが実装されている基板は、フレキシブル基板であってもよい。この場合、入力デバイス100はフレームを有し、フレームの表面に沿ってフレキシブル基板が湾曲して配置されてもよい。そして、フレキシブル基板とフレームは上述したカバーによって覆われてもよい。
【0045】
[第2の例]
図3A~
図3Fは、入力デバイスの第2の例である入力デバイス200を示す図である。以下の説明においては、入力デバイス100と入力デバイス200との相違点を中心にして説明する。入力デバイス200の構造に関して説明のない事項については、入力デバイス100の構造が適用されてよい。
【0046】
入力デバイス200は、入力デバイス100と同様、グリップ211と、上部220と、下部230と、延伸部240とを有している。延伸部240に複数の被トラッキングポイントH1が設けられ、上部220に複数の被トラッキングポイントH2が設けられ、下部230に複数の被トラッキングポイントH3が設けられている。
【0047】
図3Aで示すように、左右方向での上部220の幅W21は、入力デバイス200の正面視において、グリップ211の幅11よりも大きい。上部220は左突出部220aを有しているものの、入力デバイス100の例とは異なり、グリップ211の右側面よりも右方に突出している部分を有していない。左右方向での上部220の幅W21(
図3A参照)は、前後方向での上部220の幅W22(
図3C参照)よりも大きい。この説明において、「前後方向での上部220の幅W22」は、突出部220aの前面と突出部220aの背面までの距離に対応している。
【0048】
入力デバイス200は、下部の姿勢について、入力デバイス100とは異なっている。詳細には、
図3Aで示すように、左右方向での下部230の幅W31は、入力デバイス200の正面視において、グリップ211の幅W11よりも大きい。下部230は左突出部230aを有している。下部230はグリップ211の右側面よりも右方に突出している部分を有していない。左右方向での下部230の幅W31(
図3A参照)は、前後方向での下部230の幅W32(
図3C参照)よりも大きい。そのため、被トラッキングポイントH2を下部230において左右方向に並ばせることが容易となる。このように、入力デバイス200の例では、上部220と下部230は、同じ方向(すなわち、左右方向)において大きな幅を有している。
【0049】
入力デバイス100と同様、グリップ211に被トラッキングポイントH4が配置されている。被トラッキングポイントH4の位置は入力デバイス100と同様であり、
図3Aで示すように、被トラッキングポイントH4は、上下方向に沿っている中心線C1に対して、左方にずれている。また、被トラッキングポイントH4は、
図3Cで示すように、上下方向に沿っている中心線C1に対して、前方にずれている。さらに、被トラッキングポイントH4は、上下方向におけるグリップ211の中心よりも下方に位置している。入力デバイス200の例では、グリップ211に配置されている被トラッキングポイントH4の数は1つである。被トラッキングポイントH4の数は2つ以上であってもよい。
【0050】
[第3の例]
図4A~
図4Fは、入力デバイスの第3の例である入力デバイス300を示す図である。以下の説明においては、入力デバイス100・200と入力デバイス300との相違点を中心にして説明する。入力デバイス300の構造に関して説明のない事項については、入力デバイス100・200の構造が適用されてよい。
【0051】
入力デバイス300は、グリップ311と、上部320と、下部330とを有している。上部320に複数の被トラッキングポイントH2が設けられ、下部330に複数の被トラッキングポイントH3が設けられている。
【0052】
入力デバイス300は、入力デバイス100・200とは異なり、入力デバイス100・200の延伸部40・240に相当する部分を有していない。したがって、上部320と下部330はグリップ311だけを介して繋がっている。入力デバイス300は、グリップ311と直交し且つグリップ311以外の部位では入力デバイス300とは交差しない平面P(
図3A参照)を有している。入力デバイス300のこの形状によると、入力デバイス300の部品数(入力デバイス300のフレームを構成する部品数)を減らすことができる。
【0053】
図4Aで示すように、左右方向での上部320の幅W21は、入力デバイス300の正面視において、グリップ311の幅W11よりも大きい。また、上部320はグリップ311の左側面よりも左方に突出している左突出部320aと、グリップ311の右側面よりも右方に突出している右突出部320bとを有している。右突出部320bは、より具体的には、右方且つ上方に斜めに突出している。左右方向での上部320の幅W21(
図4A参照)は、前後方向での上部320の幅W22(
図4C参照)よりも大きい。そのため、被トラッキングポイントH2を左右方向に並ばせることが容易となる。この説明において、「前後方向での上部320の幅W22」は、突出部320a・320bの前面と突出部320a・320bの背面との距離に対応している。また、
図4Cで示すように、前後方向での上部320の幅W22は前後方向でのグリップ311の幅W12と実質的に同じ、或いは、グリップ311の幅W12よりも小さい。
【0054】
図4A及び
図4Bで示すように、上部320は前面321a、背面321b、及び湾曲面321cを有している。入力デバイス100の例とは異なり、入力デバイス300においては、前面321a、背面321b、及び湾曲面321cのそれぞれに複数の被トラッキングポイントH2が配置されている。前面321aにおいて、複数の被トラッキングポイントH2(3つの被トラッキングポイントH2)が左右方向で並んでいる。湾曲面321cにおいても、複数の被トラッキングポイントH2が左右方向で並んでいる(
図4参照)。背面321bは、グリップ311を挟んで互いに反対側に配置される2つの被トラッキングポイントH2を有している。
【0055】
前面321aは、複数の操作部材13~15が配置される領域R1(操作部材領域)と、複数の被トラッキングポイントH2が配置される領域R2(被トラッキング領域)とを有している。被トラッキング領域R2は操作部材領域R1よりもグリップ311から遠い領域(操作部材領域R1の上側の領域)であり、操作部材領域R1の外縁の一部を取り囲んでいる。これによると、被トラッキング領域R2の面積が確保しやすくなるので、被トラッキング領域R2に配置する被トラッキングポイントH2の数が確保し易くなる。
【0056】
前面321aは、操作部材領域R1と被トラッキング領域R2との間に形成されている段差321gを有している。これによると、操作部材13~15を操作している指が被トラッキングポイントH2に重なることを、段差321gによって防ぐことができる。前面321aは、段差321gによって、被トラッキング領域R2において操作部材領域R1よりも前方に張り出している。これによると、操作部材13~15を操作する指が被トラッキング領域R2に入ることを、段差321gによって防ぐことができる。
【0057】
前面321aにある被トラッキングポイントH2は、操作部材領域R1の縁に沿って、操作部材領域R1を取り囲むように並んでいる。図で示す例では、前面321aは、操作部材領域R1の上側に位置する被トラッキングポイントH2と、操作部材領域R1の右側に位置する被トラッキングポイントH2とを有している。段差321gも操作部材領域R1を取り囲むように形成されている。詳細には、段差321gも、操作部材領域R1の上側に位置する部分と、操作部材領域R1の右側に位置する部分とを含んでいる。なお、前面321aにおける被トラッキングポイントH2の配置や段差321gは、本明細書で開示する他の入力デバイスに適用されてもよい。
【0058】
図4Aで示すように、左右方向での下部330の幅W31は、入力デバイス300の正面視において、グリップ311の幅W11よりも大きい。下部330は、グリップ311の左側面よりも左方に突出している左突出部330aと、グリップ311の右側面よりも右方に突出している右突出部330bとを有している。左右方向での下部330の幅W31(
図4A参照)は、前後方向での下部330の幅W32(
図4C参照)よりも大きい。そのため、被トラッキングポイントH3を下部230において左右方向に並ばせることが容易となる。また、
図4Cで示すように、前後方向での下部230の幅W32は、入力デバイス100の側面視において、前後方向でのグリップ311の幅12よりも大きい。
【0059】
図4A~
図4Eで示すように、下部330は、前面331a、背面331b、及び湾曲面331cを有している。前面331a、背面331b、及び湾曲面331cのそれぞれに複数の被トラッキングポイントH3が配置されている。湾曲面321cにおいては複数の被トラッキングポイントH2が2列で並んでいる。
【0060】
[第4の例]
図5A~
図5Fは、入力デバイスの第4の例である入力デバイス400を示す図である。以下の説明においては、入力デバイス100~300と入力デバイス400との相違点を中心にして説明する。入力デバイス400の構造に関して説明のない事項については、入力デバイス100~300の構造が適用されてよい。
【0061】
図5Aで示すように、入力デバイス400は、グリップ411と、上部420と、下部430とを有している。上部420と下部430のそれぞれに複数の被トラッキングポイントHが設けられている。また、グリップ411の下部にも被トラッキングポイントH4が配置されている。
【0062】
また、
図5Aで示すように、入力デバイス400は、上部420から側方に伸びている延伸部440を有している。延伸部440は上部420から側方に伸び、下側に湾曲している。延伸部440は、入力デバイス100の例とは異なり、下部430には達していない。そのため、入力デバイス400は、グリップ411と直交し且つグリップ411以外の部位では入力デバイス400とは交差しない平面P(
図5A参照)を有している。延伸部440に複数の被トラッキングポイントH1が配置されている。被トラッキングポイントH1は延伸部440において左右方向で並んでいる。被トラッキングポイントH1は1列で並んでもよいし、複数の列で並んでもよい。
【0063】
入力デバイス400は、図で示す例とは異なり、延伸部440に代えて、或いは、延伸部440とともに、下部430から側方に伸びている延伸部を有してもよい。この場合、延伸部は下部430から側方に伸び、上側に湾曲してもよい。そして、被トラッキングポイントH4はこの延伸部にも配置されてもよい。
【0064】
[第5の例]
図6A~
図6Fは、入力デバイスの第5の例である入力デバイス500を示す図である。以下の説明においては、入力デバイス100~400と入力デバイス500との相違点を中心にして説明する。入力デバイス500の構造に関して説明のない事項については、入力デバイス100~400の構造が適用されてよい。なお、
図6A~
図6Fにおいては、入力デバイス500の外面を構成するカバーが取り外されており、カバーの内側に配置されているフレームや、フレームに沿って配置されるフレキシブル基板550が露出している。
【0065】
入力デバイス500は、グリップ511と、上部520と、下部530とを有している。上部520と下部530のそれぞれに複数の被トラッキングポイントHが設けられている。
【0066】
また、入力デバイス500は、上部520と下部530のうちの一方から他方に向かって伸びており且つグリップ511から側方に離れている延伸部540を有している。延伸部540は左右方向における外側に膨らむように湾曲しており、延伸部540の中途部はグリップ511から離れている。入力デバイス100・200の例とは異なり、延伸部540の中途部はグリップ511から左方に離れている。延伸部540には複数の被トラッキングポイントH1が配置されている。
【0067】
入力デバイス500はフレキシブル基板550を有している。フレキシブル基板550に、被トラッキングポイントHの光源である複数のLED551が実装されている。入力デバイス500のフレームFm2・Fm3・Fm4を有している。(以下では、フレームの部位を区別しない説明では、フレームについて符号Fmを用いる。)フレームFmは、上部520、下部530、及び延伸部540を構成している。フレキシブル基板550は、フレームFmに沿って配置されている。入力デバイス500の例では、フレキシブル基板550は、上部520から延伸部540を通って下部530まで伸びている。すなわち、フレキシブル基板550は、上部520のフレームFm2に配置されている部分550a(
図6E参照)と、下部530のフレームFm3に配置されている部分550b(
図6F参照)と、延伸部540のフレームFm4に配置されている部分550c(
図6C)とを有している。そして、複数のLED551はそれぞれ複数の被トラッキングポイントHの位置に配置されている。このように、上部520、下部530、及び延伸部540のそれぞれに位置するLED551のいずれもが、1つのフレキシブル基板550に実装されている。このことによって、入力デバイス500の部品数を低減できる。
【0068】
なお、フレキシブル基板550の数は1つでなくてもよい。例えば、1つのフレキシブル基板は上部520と延伸部540とに配置され、他の1つのフレキシブル基板が下部530に配置されてもよい。これとは異なり、1つのフレキシブル基板は下部530と延伸部540とに配置され、他の1つのフレキシブル基板が上部520に配置されてもよい。
【0069】
図6Cで示すように、フレキシブル基板550は、複数のLED551がそれぞれ実装されている複数の突部550sと、複数の突部550sを連結している主延伸部550Aを有している。入力デバイス500の例では、この主延伸部550Aが上部520から下部530まで伸びている。
【0070】
突部550sは、主延伸部550Aの互いに反対側に位置する2つの縁のそれぞれに形成されている。そして、突部550sは、主延伸部550Aの縁から被トラッキングポイントHの位置に向かって突出している。これによると、フレキシブル基板550(言い換えると、主延伸部550A)を細くできるので、入力デバイス500の外形に合わせてフレキシブル基板550を湾曲させることが容易となる。突部550sは、例えば、延伸部540に配置されている主延伸部550Aの前側の縁と後側の縁とに形成される。前側の縁に形成されている突部550aと、後側の縁に形成されている突部550aは、交互に配置される。
【0071】
主延伸部550A及び/又は突部550sは、例えば螺子によって、フレームFm2・Fm3・Fm4に取り付けられてよい。フレキシブル基板550の一部は、入力デバイス500の内部に収容されている回路基板に接続されている。入力デバイス500のフレームには、フレキシブル基板550の一部が入力デバイス500の内部に向けて通る開口が形成されてよい。入力デバイス500の例では、
図6Dで示すように、上部520のフレームFmに開口522が形成されている。
【0072】
入力デバイス100の例と同様、上部520と下部530は、互いに異なる方向において大きな幅を有している。具体的には、左右方向での上部520の幅W21(
図6A参照)は、前後方向での上部520の幅W22(
図6D参照)よりも大きい。一方、前後方向での下部530の幅W32(
図6D参照)は、左右方向での下部530の幅W31(
図6A参照)よりも大きい。このため、上部220で被トラッキングポイントH2が並んでいる方向と、下部530で被トラッキングポイントH3が並んでいる方向とを異ならせることが可能となる。
図6Eで示すように、フレキシブル基板550の部分550a(上部520に沿っている部分)は、上部520の湾曲面521cに沿って左右方向で伸びている。
図6Fで示すように、フレキシブル基板550の部分550c(下部530に沿っている部分)は、下部530の湾曲面531cに沿って前後方向で伸びている。
【0073】
なお、入力デバイス500において、上部520の幅と下部530の幅との関係はここで説明したものに限られない。例えば、入力デバイス200と同様、上部520と下部530は、同じ方向(例えば左右方向)において大きな幅を有してもよい。また、フレキシブル基板550は入力デバイスの他の例(上述した入力デバイス100~400)に適用されてもよい。
【0074】
[第6の例]
図7A~
図7Dは、入力デバイスの第6の例である入力デバイス600を示す図である。以下の説明においては、入力デバイス100~500と入力デバイス600との相違点を中心にして説明する。入力デバイス600の構造に関して説明のない事項については、入力デバイス100~500の構造が適用されてよい。
【0075】
図7Aで示すように、入力デバイス600は、グリップ611と、グリップ611の上側に位置している上部620を有している。グリップ611は、ユーザがこれを握っているとき、側面にユーザの掌が接し、例えば母指球、中指、薬指、及び小指によって保持される部分である。上部620はグリップ611の上端に位置している。複数の操作部材13・16・17が上部620に設けられ、これらはグリップ611の上方に位置している。操作部材13・16・17は、例えば親指又は人指し指によって操作できる。
【0076】
図7Bで示すように、上部620は、操作部材として、例えば操作スティック13と操作ボタン16・17とを有する。操作スティック13と操作ボタン17は上部620の前面621aに配置され、例えば親指で操作される。操作スティック13は径方向に倒したり、スライド可能な操作部材である。操作ボタン17は、例えば、十字の端部に位置する4つのボタン17a~17dを有している。操作ボタン16は上部620の後側に配置され(
図7C参照)、例えば人指し指で操作されるトリガーボタンである。上部620に設けられる操作部材は、ここで説明する例に限られず、例えば、タッチセンサや、タッチセンサ付きボタンであってもよい。また、上部620に設けられる操作部材の数は、1つでもよい。
【0077】
また、
図7Dで示すように、グリップ611にも1又は複数の操作ボタン18aが設けられてもよい。入力デバイス600の例では、上下方向で並んでいる3つの操作ボタン18aがグリップ611の左側面に設けられている。これら3つの操作ボタン18aは、例えば、中指、薬指、小指で操作され得る。
【0078】
図7Aで示すように、入力デバイス600は延伸部640を有している。延伸部640の外面には、それぞれが発光する複数の被トラッキングポイントHが配置されている(図において被トラッキングポイントは黒丸で示されている。)。延伸部640は、延伸部640の前面641aに配置されている複数の被トラッキングポイントHと、延伸部640の後面641c(
図7C参照)に配置されている複数の被トラッキングポイントHと、前面641aと後面641cとの間の面641b(
図7C参照)に配置されている複数の被トラッキングポイントHとを有している。複数の被トラッキングポイントHは、延伸部640の全体に分散して配置されている。延伸部640を利用することによって、被トラッキングポイントHを配置するための領域(表面積)が確保できる。その結果、隣り合う2つの被トラッキングポイントHの距離を確保しながら、十分な数の被トラッキングポイントHを入力デバイス600に設けることができる。このことによって、入力デバイスの姿勢や位置の認識精度を向上できる。
【0079】
入力デバイス600の例において、被トラッキングポイントHは延伸部640にだけ設けられている。これとは異なり、被トラッキングポイントHは、例えば、上部620の外面(前面621aを含む)、及び/又はグリップ611の外面に設けられてもよい。
【0080】
被トラッキングポイントHの光源として、例えばLight Emitting Diode(LED)が利用される。被トラッキングポイントHの位置のそれぞれに光源が配置されてよい。これとは異なり、光源の光は被トラッキングポイントHの位置まで導光管によって案内されてもよい。
【0081】
延伸部640は、上部620の前面621aを含む平面P1(
図7C参照)に沿って伸びている。より具体的には、
図7Cで示すように、上部620の前面621aは、入力デバイス600の側面視において、前面621aの上端から下方且つ後方に斜めに伸びている。延伸部640も、入力デバイス600の側面視において、延伸部640の上端から下方且つ後方に斜めに伸びている。このため、例えば延伸部640が上部620の前面621aに対して直交する方向に伸びている形態に比して、入力デバイス600の外観を構成する部材(ハウジング)の構造を簡単化できる。例えば、上部620の前面621aを構成する部材と延伸部640の前面641aを構成する部材とを一体化できる。
【0082】
図7Bで示すように、延伸部640は、上部620の前面621aを含む平面P1に沿った方向で伸びている弧状の部分を含んでいる。入力デバイス600の例では、延伸部640の全体が弧状である。延伸部640のこの形状によると、延伸部640の長さを確保することが容易となる。その結果、被トラッキングポイントHを配置するための領域(表面積)を確保することが容易となる。なお、上部620の前面621aは湾曲していてもよい。この場合、平面P1は前面621aの一部だけを含む平面であってもよい。
【0083】
上部620の上端(言い換えれば、前面621aと延伸部640との境)には、凸部623(
図7A参照)が形成されている。この凸部623によって、ユーザの指が延伸部640に達し、被トラッキングポイントHのいずれかを覆うことを防ぐことができる。
【0084】
図7Bで示すように、延伸部640は、上部620の上側に接続されている。そして、延伸部640は、上部620から右方に伸びている部分640Rと、上部620から左方に伸びている部分640Lとを有している。(以下では、部分640Rを右延伸部と称し、部分640Lを左延伸部と称している。)このように、延伸部640は上部620から右方と左方の双方に伸びているので、延伸部640の長さを確保することが、さらに容易となる。
【0085】
図7Bで示すように、入力デバイス600の例において、右延伸部640Rと左延伸部640Lのそれぞれが弧状である。右延伸部640Rは、上部620から右方に伸び且つ下側に湾曲している。左延伸部640Lは、上部620から左方に伸びるとともに、下側に湾曲している。右延伸部640Rと左延伸部640Lのこの形状によると、右延伸部640Rの左右方向でのサイズと上下方向でのサイズを抑えながら、右延伸部640Rの長さが確保でき、同様に、左延伸部640Lの左右方向でのサイズと上下方向でのサイズを抑えながら、左延伸部640Lの長さが確保できる。入力デバイス600の例において、右延伸部640Rと左延伸部640Lは、共通の中心点C1を有する。すなわち、右延伸部640Rと左延伸部640Lは、1つの中心点C1の周りに形成される仮想円弧に沿って伸びている。延伸部640は仮想円弧に沿って180度以上にわたって形成されている。
【0086】
図7Bで示すように、入力デバイス600の例においては、右延伸部640Rの端部640eと、左延伸部640Rの端部640fの双方が、グリップ611に接続していない。入力デバイス600の例とは異なり、右延伸部640Rの端部640eと、左延伸部640Rの端部640fのいずれか一方は、グリップ11に接続していてもよい。例えば、左延伸部640の端部640fはグリップ611に接続していてもよい。
【0087】
図7Cで示すように、右延伸部640Rは上部620の右側面を覆うように形成されている。グリップ611の右側面611aは、右延伸部640Rによって覆われていない。言い換えれば、右延伸部640Rの端部640eの位置は、グリップ611の右側面611aよりも高い。このため、ユーザがグリップ611を右手で握ったり、グリップ611から右手を離すときに、延伸部640の右延伸部640Rが邪魔とならない。
【0088】
図7Bで示すように、左延伸部640Lは上部620の左側面を覆うように形成されている。入力デバイス600の例において、上部620は左方に伸びている突出部622を有している。突出部622は左延伸部640Lの中途部に接続している。従って、延伸部640は、2つの位置で、上部620に接続している。この構造によると、延伸部640の支持強度を向上できる。
【0089】
図7Bで示すように、左延伸部640Lは、右延伸部640Rよりも長い。左延伸部640Lの端部640fの位置はグリップ11の上端の高さよりも低い。
図7Aで示すように、左延伸部640Lの端部640fは、グリップ611に設けられているボタン18aよりも前方に位置している。そのため、ユーザが右手でグリップ611を握るときに、左延伸部640Lと右手の指とが干渉することを防ぎながら、左延伸部640Lの長さを十分に確保できる。
【0090】
延伸部640の形状は、入力デバイス600の例に限られない。例えば、延伸部640は、直線的に伸びている部分を有してもよい。延伸部640の前面641aと、上部620の前面621aは必ずしも共通の平面P1上に位置していなくてもよい。例えば、延伸部640の前面641aは、上部620の前面621aを含む平面P1よりも前方に位置し平面P1と平行な平面上に位置していてもよい。さらに他の例として、右延伸部640Rの中心点と、左延伸部640Lの中心点は、異なっていてもよい。
【0091】
[第7の例]
図8A~
図8Cは、入力デバイスの第7の例である入力デバイス700を示す図である。以下の説明においては、入力デバイス600と入力デバイス700との相違点を中心にして説明する。入力デバイス700の構造に関して説明のない事項については、入力デバイス600やその他の入力デバイス100~500の構造が適用されてよい。
【0092】
図8Bで示すように、入力デバイス700は、グリップ711と、複数の操作部材13・16・17が設けられている上部720と、複数の被トラッキングポイントHが設けられている延伸部740とを有している。
【0093】
延伸部740は、上部720から右方に伸び且つ下側に湾曲している。そして、延伸部40の端部はグリップ711の下端に接続している。したがって、グリップ711と、上部720と、延伸部740は、全体として環状である。ユーザは、延伸部740とグリップ711との間に右手を入れることができる。入力デバイス700のこの形状によると、入力デバイス700の強度・耐久性を向上できる。また、入力デバイス700の外観を構成する部材(ハウジング)の構造を簡単化できる。入力デバイス700は、上述した入力デバイス100とは異なり、上部720から左方に伸びている部分を有していない。
【0094】
また、延伸部740は、上部720の前面721aを含む平面に沿って伸びている。延伸部740の前面741aは、上部720の前面721aと共通の平面上に存在している。入力デバイス700の例では、延伸部740の前面741aと、上部720の前面721aと、グリップ711の前面711aは、共通の平面上に位置している。このため、入力デバイス700の外観を構成する部材(ハウジング)の構造を、さらに簡単化できる。
【0095】
延伸部740の全体は、上部720の前面721aに沿った方向で伸びている弧状である。延伸部740のこの形状によると、延伸部740の左右方向でのサイズが大きくなることを抑えながら、延伸部740の長さを確保できる。
【0096】
なお、入力デバイス700の形状は、図で示す例に限られず、例えば、延伸部740は、上部720の前面721aを含む平面に対して交差する方向で伸びていてもよい。また、上部720の前面721aは湾曲していてもよい。この場合、延伸部740は、前面721aの一部だけを含む平面に沿って伸びていてもよい。
【0097】
[その他の案]
図9は入力デバイス10Aを示す図である。
図10は入力デバイス10Bを示す図である。
図11A及び
図11Bは、入力デバイス10Cを示す図である。上述した入力デバイス100~700の構造・要素は、入力デバイス10A~10Cの構造・要旨に組み合わされてよい。
【0098】
入力デバイス10A・10B・10Cのそれぞれは、グリップ10gpと、複数の操作部材が設けられている上部10uと、複数の被トラッキングポイントHが設けられている環状部(延伸部)10rgとを有している。
【0099】
入力デバイス10A(
図9参照)において、上部10uとグリップ10gpは環状部10rgの内側に配置されている。上部10uの上端は環状部10rgの内面に接続し、グリップ10gpの下端も環状部10rgの内面に接続している。環状部10rgは、中心線Ax1を中心とする円形である。入力デバイス10Aにおいて、中心線Ax1は、左右方向に対して直交する平面に沿った直線である。
【0100】
入力デバイス10B(
図10参照)においても、上部10uとグリップ10gpは環状部10rgの内側に配置されている。上部10uの上端は環状部10rgの内面に接続し、グリップ10gpの下端も環状部10rgの内面に接続している。環状部10rgは、中心線Ax2を中心とする円形である。入力デバイス10Bにおいて、中心線Ax2は、左右方向に沿った直線である。
【0101】
入力デバイス10C(
図11A及び
図11B参照)においては、環状部10rgは、中心線Ax3(
図11A参照)を中心とする円形である。入力デバイス10Cにおいて、中心線Ax3は、左右方向に対して直交する平面に沿った直線である。詳細には、中心線Ax3は前方且つ上方に斜めに伸びている線である。グリップ10gpの下端は環状部10rgの内面に接続している。入力デバイス10A・10Bとは異なり、環状部10rgの上端は、上部10uから前方に離れている。
【0102】
図12は入力デバイス20Aを示す図である。
図13は入力デバイス20Bを示す図である。
図14は入力デバイス20Cを示す図である。
図15は入力デバイス20Dを示す図である。
図16は入力デバイス20Eを示す図である。上述した入力デバイス100~700の構造・要素は、入力デバイス20A~20Eの構造・要旨に組み合わされてよい。
【0103】
入力デバイス20A~20Eのそれぞれは、グリップ20gpと、複数の操作部材が設けられている上部20uと、複数の被トラッキングポイントHが設けられている環状部(延伸部)20rgとを有している。
【0104】
入力デバイス20A(
図12参照)において、上部20uは環状部20rgの外側に配置されている。より詳細には、環状部20rgは上部20uの上側に位置し、上部20uは環状部20rgの外面(外面の下側)に接続している。環状部20rgは、中心線Ax4を中心とする円形である。入力デバイス20Aにおいて、中心線Ax4は、左右方向に対して直交する平面に沿った直線である。具体的には、中心線Ax4は、上方且つ後方に斜めに伸びている線である。
【0105】
入力デバイス20B(
図13参照)においても、上部20uは環状部20rgの外側に配置されている。より詳細には、環状部20rgは上部20uの上側に位置し、上部20uは環状部20rgの外面に接続している。環状部20rgは、中心線Ax5を中心とする円形である。入力デバイス20Bにおいて、中心線Ax5は、左右方向に沿った直線である。
【0106】
入力デバイス20C(
図14参照)においても、上部20uは環状部20rgの外側に配置されている。環状部20rgは上部20uの前側に位置し、上部20uは環状部20rgの外面(外面の後側)に接続している。環状部20rgは、中心線Ax6を中心とする円形である。入力デバイス20Cにおいて、中心線Ax6は、左右方向に沿った直線である。
【0107】
入力デバイス20D(
図15参照)において、中心線Ax7は、左右方向に対して直交する平面に沿った直線である。具体的には、中心線Ax7は、概ね上下方向に沿った直線である。環状部20rgは上部20uの上側に位置し、上部20uは環状部20rgの前部に接続している。環状部20rgの下方にグリップ20gpが位置している。
【0108】
入力デバイス20E(
図16参照)は、上述した環状部20rgに加えて、環状部21rgを有している。環状部21rgは、グリップ20gpの下側に位置し、グリップ20gpに接続している。環状部21rgは、中心線Ax8を中心とする円形である。入力デバイス20Eにおいて、中心線Ax8は、左右方向に沿った直線である。また、上部20uに接続している環状部20rgは、入力デバイス20Bの例と同様に、左右方向に沿った中心線Ax5を中心とする環状である。
【0109】
図17は入力デバイス30Aを示す図である。入力デバイス30Aは、グリップ30gpと、複数の操作部材が設けられている上部30uと、複数の被トラッキングポイントHが設けられている延伸部30xとを有している。延伸部30xは、上部30uの上側に接続している。延伸部30xは、上部30uの右側面と左側面とを覆うように形成されている。具体的には、延伸部30xは、入力デバイス30Aの正面視において、上部30uから右方に伸び且つ下側に湾曲している右部30Rと、上部30uから左方に伸び且つ下側に湾曲している左部30Lとを有している。右部30Rは上部30uの右側面を覆い、左部30Lは上部30uの左側面を覆っている。右部30Rの下端と左部30Lの下端は、グリップ30gpよりも前方に位置したり、後方に位置してもよい。なお、上述した入力デバイス100~700の構造・要素は、入力デバイス30Aの構造・要旨に組み合わされてよい。
【0110】
図18は入力デバイス30Bを示す図である。入力デバイス30Bは、グリップ30gpと、複数の操作部材が設けられている上部30uと、複数の被トラッキングポイントHが設けられている延伸部30yとを有している。延伸部30yは、上部30uの右側面と左側面とを覆うように形成されている。延伸部30yは、入力デバイス30Bの正面視において三角形であり、上部30uは、延伸部30yの内側に位置している。延伸部30yは、その頂部が上部30uの上側に位置するように形成されている。延伸部30yの右部は上部30uの右側に接続し、延伸部30yの左部は上部30の左側に接続している。なお、上述した入力デバイス100~700の構造・要素は、入力デバイス30Bの構造・要旨に組み合わされてよい。
【0111】
図19A及び
図19Bは入力デバイス40Aを示す図である。入力デバイス40Aは、グリップ40gpと、複数の操作部材が設けられている上部40uと、複数の被トラッキングポイントHが設けられている傘部40mとを有している。傘部40mは、球面の一部を構成する形状である。傘部40mの外面に複数の被トラッキングポイントHが配置されている。傘部40mは上部40u(
図19B参照)とグリップ40gpの上部とを覆っている。より詳細には、傘部40mは、例えば、上部40uの前面及び側面と、グリップ40gpの上部の前面及び側面とを覆う。傘部40mのこのような配置によると、HMD2に搭載されたカメラを通して、傘部40mに配置された被トラッキングポイントHを適切に検知できる。傘部40mの内面に、例えば上部40uの上端が接続される。なお、上述した入力デバイス100~700の構造・要素は、入力デバイス40Aの構造・要旨に組み合わされてよい。
【0112】
図20は、入力デバイス50Aを示す図である。
図21は、入力デバイス50Bを示す図である。入力デバイス50A・50Bのそれぞれは、グリップ50gpと、複数の操作部材が設けられている上部50uと、複数の被トラッキングポイントHが設けられている球部50sとを有している。入力デバイス50A・50Bのそれぞれにおいて、球部50sの外面に複数の被トラッキングポイントHが分散して配置されている。球部50sは上部50uの上端に取り付けられている。入力デバイス50B(
図21参照)は、球部50sに加えて、球部51sを有している。球部51sの外面に複数の被トラッキングポイントHが分散して配置されている。球部51sはグリップ50gpの下端に取り付けられている。なお、上述した入力デバイス100~700の構造・要素は、入力デバイス50A・50Bの構造・要旨に組み合わされてよい。
【0113】
図22は、入力デバイス60Aを示す図である。入力デバイス60Aは、グリップ60gpと、複数の操作部材が設けられている上部60uと、複数の被トラッキングポイントHが設けられている拡大上部60mとを有している。拡大上部60mの外面に複数の被トラッキングポイントHが分散して配置されている。拡大上部60mは上部60uの上端に取り付けられている。拡大上部60mは右側に膨らんでおり、上部60uの右側面に対して右方に位置する部分60nを有している。拡大上部60mは、その中心部に凹部60pを有している。入力デバイス60Aは、グリップ部60gpの下部に被トラッキングポイントHを有している。なお、上述した入力デバイス100~700の構造・要素は、入力デバイス60Aの構造・要旨に組み合わされてよい。
【0114】
図23は、入力デバイス70Aを示す図である。入力デバイス70Aは、筒状であり、その内側に手を入れることができる。入力デバイス70Aは、その使用時において、ユーザの手首を取り囲む。入力デバイス70Aは、親指を入れるための開口70aを有してもよい。入力デバイス70Aの外面に、複数の被トラッキングポイントHが分散して配置される。なお、上述した入力デバイス100~700の構造・要素は、入力デバイス70Aの構造・要旨に組み合わされてよい。
【0115】
[まとめ]
以上説明したように、入力デバイス100~500は、上下方向で伸びているグリップ11・211・311・411・511と、グリップより上方に位置し、指で操作される操作部材13~15が配置されている上部20・220・320・420・520と、グリップより下方に位置し、複数の被トラッキングポイントH(H3)が配置されている下部30・230・330・430・530とを有している。上下方向に対して交差する方向(左右方向又は前後方向)における下部の幅は、前記同じ方向でのグリップの幅よりも大きい。このため、下部30・230・330・430・530に多くの被トラッキングポイントHを配置することが容易となる。その結果、下部30・230・330・430・530がカメラ2aに向く姿勢に入力デバイス100~500が配置された場合でも、入力デバイス100~500の位置や姿勢を良好に認識できる。
【0116】
入力デバイス100・500では、左右方向での上部20・520の幅W21は、前後方向での上部20・520の幅W22よりも大きい。前後方向での下部30・530の幅W32は、左右方向での下部30・530の幅W31よりも大きい。この入力デバイス100・500によると、上部20・520で被トラッキングポイントHが並んでいる方向と、下部30・530で被トラッキングポイントHが並んでいる方向とを異ならせることが可能となる。その結果、一方の部分(例えば、上部20・520)にある被トラッキングポイントHでは入力デバイス100・500の位置や姿勢が算出し難い場合でも、他方の部分(例えば、下部30・530)にある被トラッキングポイントHを利用して入力デバイス100・500の位置や姿勢の算出が可能となり、入力デバイスの姿勢や位置の認識精度を向上できる。
【0117】
入力デバイス100・200では、複数の被トラッキングポイントHの一部がグリップ11・211に設けられている。この入力デバイスによると、グリップ11・211の外面がカメラ2aに向く姿勢に入力デバイス100・200が配置された場合でも、グリップ11・211にある被トラッキングポイントHを利用して入力デバイス100・200の位置や姿勢を認識できるので、それらの認識精度を向上できる。
【0118】
入力デバイス300では、上部320の前面321aは、操作部材13~15が配置されている操作部材領域R1と操作部材領域R1の縁に沿って複数の被トラッキングポイントHが配置されている被トラッキング領域R2とを有している。前面321aは操作部材領域R1と被トラッキング領域R2との間に段差321gを有している。この入力デバイス300によると、入力デバイス300の前面321aに配置されている操作部材13~15を操作している指が被トラッキングポイントHに重なることを防ぐことができる。
【0119】
入力デバイス500では、フレキシブル基板550に光源であるLED551が実装され、このフレキシブル基板550が上部520から延伸部540を通って下部530まで伸びている。これにより、入力デバイス500の部品数を低減できる。フレキシブル基板550は上部520から延伸部540まで伸び、これとは別に、下部530に配置されるフレキシブル基板をさらに有してもよい。他の例では、フレキシブル基板550は下部530から延伸部540まで伸び、これとは別に、上部520に配置されるフレキシブル基板をさらに有してもよい。
【0120】
入力デバイス600・700は、操作部材13・16・17が配置されている前面621a・721aを有している上部620・720と、前面621a・721aを含む平面に沿って伸びており複数の被トラッキングポイントHが設けられている延伸部640・740とを有している。延伸部640・740を利用することによって、被トラッキングポイントHを配置するための領域(表面積)を確保することが容易となる。その結果、隣り合う2つの被トラッキングポイントHの距離を確保しながら、十分な数の被トラッキングポイントHを入力デバイス500・600に設けることができる。これによって、入力デバイスの姿勢や位置の認識精度を向上できる。また、例えば延伸部640・740が上部620・720の前面621a・721aを含む平面に対して直交する方向に伸びている形態に比して、入力デバイス600・700の外観を構成する部材(ハウジング)の構造を簡単化できる。
【0121】
なお、入力デバイス100~700及び10A~70Aを参照して説明した特徴的構造は、本開示で提案する他の入力デバイスに適用されよい。例えば、
図4Aを参照して説明した入力デバイス300の段差321gは、他の入力デバイス100・200・400~700及び10A~70Aの特徴を維持しながら、それらに適用されてもよい。同様に、
図6Aを参照して説明した入力デバイス500のフレキシブル基板550は、他の入力デバイス100~700及び10A~70Aの特徴を維持しながら、それらに提供されてもよい。
【0122】
さらに他の例では、入力デバイス100~700及び10A~70Aは操作部材13~17を有していなくてもよい。この場合でも、ユーザは、グリップを握っている状態で、入力デバイスを動かすことによって、HMD2に表示される動画像にその動きを反映させることができてよい。
【0123】
入力デバイス100~700及び10A~70Aの位置や姿勢をトラッキングするためのカメラは、必ずしもHMD2に設けられていなくてもよい。上述したように、例えば、入力デバイス100~700及び10A~70Aの位置や姿勢に基づいて生成された動画像が、外部の表示装置(例えば、テレビジョンやパーソナルコンピュータのモニター)で表示される場合、カメラはこの表示装置に取り付けられてもよい。