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特許7595801情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241129BHJP
   G06V 20/62 20220101ALI20241129BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20241129BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20241129BHJP
【FI】
G06T7/00 510A
G06T7/00 350B
G06V20/62
G06V10/70
G06Q20/40
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024123478
(22)【出願日】2024-07-30
【審査請求日】2024-07-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神田 翔平
(72)【発明者】
【氏名】友添 祐一朗
【審査官】山田 辰美
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-181369(JP,A)
【文献】特開2020-021459(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2144464(KR,B1)
【文献】特開2022-143810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00-7/90
G06V 20/62
G06V 10/70
G06Q 20/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別コードを用いたコード決済を行うための各種機能が搭載された決済用のアプリケーションプログラムである決済アプリを通じて、予め指定される複数の撮影方法により、前記コード決済の利用環境をサービス利用者に提供する電子決済サービスにおける本人確認のために用いられるカード型の情報媒体である本人確認書類が撮影された本人確認用画像を取得する取得部と、
前記サービス利用者により前記決済アプリにおいて予め指定される前記本人確認書類の種類に基づいて、前記本人確認のための情報が映し出されている所定領域を前記本人確認用画像から抽出する抽出部と、
前記所定領域に含まれている情報に基づいて、前記本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定する判定部と
を有し、
前記取得部は、
前記本人確認用画像を取得する際に、前記本人確認の申請を行う前記サービス利用者により予め指定される前記本人確認書類の種類を示す指定書類情報を合わせて取得し、
前記抽出部は、
前記本人確認用画像において前記本人確認書類が映し出されている領域から、前記サービス利用者により指定される前記本人確認書類の種類ごとに予め規定される前記所定領域を特定するための情報に基づいて、前記所定領域を抽出し、
前記判定部は、
前記所定領域に含まれている情報の認識結果と、前記指定書類情報が一致することをもって、前記本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記所定領域に含まれる文字列の認識結果、及び前記所定領域に含まれる図案の認識結果のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、前記本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、
光学文字認識処理により、前記所定領域に含まれる文字列を認識する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記本人確認書類の種類ごとに、前記所定領域に含まれている図案を撮影した学習用画像の特徴を機械学習により予め学習した学習済みモデルを用いて、前記本人確認用画像の前記所定領域に含まれている図案の特徴と前記学習用画像の前記所定領域に含まれている図案の特徴との間の類似度を取得し、取得した類似度が所定の閾値を超えているか否かに基づいて、前記本人確認用画像の前記所定領域に含まれている図案を認識する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部により、前記本人確認書類が適正に提出されているという判定結果が導出された場合、前記本人確認の申請を行ったユーザに対して、前記本人確認のための情報を受領した旨を通知する通知部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
識別コードを用いたコード決済を行うための各種機能が搭載された決済用のアプリケーションプログラムである決済アプリを通じて、予め指定される複数の撮影方法により、前記コード決済の利用環境をサービス利用者に提供する電子決済サービスにおける本人確認のために用いられるカード型の情報媒体である本人確認書類が撮影された本人確認用画像を取得する取得工程と、
前記サービス利用者により前記決済アプリにおいて予め指定される前記本人確認書類の種類に基づいて、前記本人確認のための情報が映し出されている所定領域を前記本人確認用画像から抽出する抽出工程と、
前記所定領域に含まれている情報に基づいて、前記本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定する判定工程と
を含み、
前記取得工程は、
前記本人確認用画像を取得する際に、前記本人確認の申請を行う前記サービス利用者により予め指定される前記本人確認書類の種類を示す指定書類情報を合わせて取得し、
前記抽出工程は、
前記本人確認用画像において前記本人確認書類が映し出されている領域から、前記サービス利用者により指定される前記本人確認書類の種類ごとに予め規定される前記所定領域を特定するための情報に基づいて、前記所定領域を抽出し、
前記判定工程は、
前記所定領域に含まれている情報の認識結果と、前記指定書類情報が一致することをもって、前記本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
識別コードを用いたコード決済を行うための各種機能が搭載された決済用のアプリケーションプログラムである決済アプリを通じて、予め指定される複数の撮影方法により、前記コード決済の利用環境をサービス利用者に提供する電子決済サービスにおける本人確認のために用いられるカード型の情報媒体である本人確認書類が撮影された本人確認用画像を取得する取得手順と、
前記サービス利用者により前記決済アプリにおいて予め指定される前記本人確認書類の種類に基づいて、前記本人確認のための情報が映し出されている所定領域を前記本人確認用画像から抽出する抽出手順と、
前記所定領域に含まれている情報に基づいて、前記本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定する判定手順と
を実行させ
前記取得手順は、
前記本人確認用画像を取得する際に、前記本人確認の申請を行う前記サービス利用者により予め指定される前記本人確認書類の種類を示す指定書類情報を合わせて取得し、
前記抽出手順は、
前記本人確認用画像において前記本人確認書類が映し出されている領域から、前記サービス利用者により指定される前記本人確認書類の種類ごとに予め規定される前記所定領域を特定するための情報に基づいて、前記所定領域を抽出し、
前記判定手順は、
前記所定領域に含まれている情報の認識結果と、前記指定書類情報が一致することをもって、前記本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出す
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手続きを行っているユーザが契約者本人であることを確認するために実施する「本人確認」を、オンライン上で完結できる仕組みが広く利用されている。たとえば、このような「本人確認」に関して、インターネットを介した銀行口座開設の申し込み時に、ユーザとオペレーターが直接通話をしながら登録処理を行うことにより、容易に口座開設を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-105938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には、本人確認の処理の省力化を図る上で改善の余地が残されている。たとえば、従来の技術では、本人確認書類の方式審査において、マンパワーに頼らざるを得ない場合が少なからず存在する。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、本人確認の処理の省力化を図ることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、抽出部と、判定部とを有する。取得部は、予め指定される複数の撮影方法により、電子決済サービスにおける本人確認のために用いられるカード型の情報媒体が撮影された本人確認用画像を取得する。抽出部は、情報媒体の種類に基づいて、本人確認のための情報が映し出されている所定領域を本人確認用画像から抽出する。判定部は、所定領域に含まれている情報に基づいて、情報媒体が適正に提出されているか否かを判定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、本人確認の処理の省力化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の概要を説明するための図である。
図2図2は、実施形態に係る書類審査処理の概要を説明するための図である。
図3図3は、実施形態に係る書類審査処理の概要を説明するための図である。
図4図4は、実施形態に係る書類審査処理の概要を説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る審査用画像情報DBに記憶される本人確認用画像に関する情報の概要を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る領域特定情報DBに記憶される領域特定情報の概要を示す図である。
図9図9は、実施形態に所定領域を特定するための情報の一例を説明するための図である。
図10図10は、実施形態に係る情報処理装置により実行される情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態または変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔実施形態〕
[1.実施形態に係る情報処理の概要]
以下、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の概要を説明するための図である。
【0011】
図1に示す端末装置10は、電子決済サービスのサービス利用者であるユーザUにより使用される。電子決済サービスは、たとえば、電子決済の1つである識別コードを用いたコード決済の利用環境をサービス利用者に提供するサービスである。ユーザUは、たとえば、コード決済を行うための各種機能が搭載された決済用のアプリケーションプログラムである決済アプリを端末装置10に予めインストールしておくことにより、決済アプリを通じて、代金の決済などの各種サービスを利用できる。
【0012】
図1に示す情報処理装置100は、ユーザUの電子決済サービスにおける本人確認に関する情報処理を実行する。情報処理装置100は、たとえば、電子決済サービスを運営する決済サービス事業者により運営および管理されていてもよい。
【0013】
図1に示すように、端末装置10は、ユーザUによる決済アプリの操作に応じて、本人確認申請を情報処理装置100に送信する(ステップS01)。
【0014】
本人確認申請には、本人確認のために用いられるカード型の情報媒体である本人確認書類として、決済アプリ上でユーザUにより予め指定される本人確認書類の種類を示す指定書類情報が含まれる。本人確認書類としては、運転免許証やマイナンバーカード、運転経歴証明書などが例示される。
【0015】
また、本人確認申請には、ユーザUにより撮影された本人確認書類の画像である本人確認用画像が含まれる。ユーザUは、本人確認書類ごとに、要求される所定の撮影方法で本人確認書類を撮影し、本人確認用画像として本人確認申請に同封する。たとえば、運転免許証であれば、運転免許証の表面を正面から撮影した画像や、運転免許証の表面を斜め方向から撮影した画像や、運転免許証の裏面を正面から撮影した画像などが要求され得る。
【0016】
情報処理装置100は、端末装置10から本人確認申請を受信すると、本人確認書類が適正に提出されているか否かを審査する書類審査処理を実行する(ステップS02)。たとえば、情報処理装置100は、本人確認申請に含まれている本人確認用画像を取得する。また、情報処理装置100は、本人確認申請に含まれている指定書類情報に基づいて、本人確認のための情報が映し出されている所定領域を本人確認用画像から抽出する。また、情報処理装置100は、所定領域に含まれている情報に基づいて、本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定する。
【0017】
また、情報処理装置100は、書類審査処理の結果、本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出した場合、本人確認のための情報を受領した旨の通知を端末装置10に送信する(ステップS03)。
【0018】
図2図4を用いて、実施形態に係る書類審査処理の一例について具体的に説明する。図2図4は、実施形態に係る書類審査処理の概要を説明するための図である。
【0019】
まず、書類審査処理の一例として、図2を参照しつつ、運転免許証の表面を撮影した画像の書類審査処理について説明する。情報処理装置100は、端末装置10から受信した本人確認申請から本人確認用画像G1-1を取得する(ステップS11)。
【0020】
また、情報処理装置100は、取得した本人確認用画像G1-1から、たとえば、U-Netなどのセグメンテーションモデルを用いて、運転免許証の表面が映し出されている領域A1を切り取り、切り取った領域A1を、アフィン変換などを用いて、所定の姿勢(所定の向き)に変換する(ステップS12)。すなわち、情報処理装置100は、切り取った領域A1(画像)の方向を、後続の処理のために予め規定される所定の方向に調整する。
【0021】
また、情報処理装置100は、本人確認申請に含まれている指定書類情報(たとえば、「運転免許証(表面)」)に基づいて、本人確認書類の種類ごとに予め規定される所定領域を特定するための情報を参照する。そして、情報処理装置100は、運転免許証の表面が撮影された本人確認用画像G1-1から切り取った領域A1から、「免許の条件等」という文字列が含まれているはずの領域a1-1、「運転免許証」という文字列が含まれているはずの領域a1-2、及び「〇〇〇〇〇公安委員会」という文字列が含まれているはずの領域a1-3を所定領域としてそれぞれ抽出する(ステップS13)。
【0022】
また、情報処理装置100は、所定領域として抽出した領域a1-1、領域a1-2、及び領域a1-3に対する文字認識処理を実行する。情報処理装置100は、「OCR(Optical Character Recognition)」や、「AI(Artificial Intelligence)-OCR」などを用いて、所定領域として抽出した領域a1-1、領域a1-2、及び領域a1-3に対する文字認識処理を実行できる。
【0023】
情報処理装置100は、領域a1-1に対する文字認識処理の結果、「免許の条件等」という文字列のうち4文字以上の文字を読み取ることができた場合、領域a1-2に対する文字認識処理の結果、「運転免許証」という文字列のうち3文字以上の文字を読み取ることができた場合、又は領域a1-3に対する文字認識処理の結果、「〇〇〇〇〇公安委員会」の文字列のうち3文字以上の文字を読み取ることができた場合、「運転免許証(表面)」として提出された本人確認用画像G1-1がユーザUにより指定された本人確認書類の種類と一致しており、本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出する。
【0024】
また、情報処理装置100は、本人確認書類として、運転免許証の表面を斜め上方から撮影した運転免許証の厚みを示す本人確認用画像を取得した場合、「運転免許証」という文字列が含まれているはずの領域、及び「〇〇〇〇〇公安委員会」という文字列が含まれているはずの領域を所定領域として、本人確認用画像からそれぞれ抽出してもよい。そして、情報処理装置100は、抽出した所定領域に含まれる「運転免許証」という文字列のうち所定数以上の文字を読み取ることができた場合、又は「〇〇〇〇〇公安委員会」という文字列のうち所定数以上の文字を読み取ることができた場合、本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出してもよい。
【0025】
次に、書類審査処理の一例として、図3を参照しつつ、運転免許証の裏面を撮影した画像の書類審査処理について説明する。情報処理装置100は、端末装置10から受信した本人確認申請から本人確認用画像G1-2を取得する(ステップS21)。
【0026】
また、情報処理装置100は、取得した本人確認用画像G1-2から、たとえば、U-Netなどのセグメンテーションモデルを用いて、運転免許証の裏面が映し出されている領域A2を切り取り、切り取った領域A2を、アフィン変換などを用いて、所定の姿勢に変換する(ステップS22)。
【0027】
また、情報処理装置100は、本人確認申請に含まれている指定書類情報(たとえば、「運転免許証(裏面)」)に基づいて、本人確認書類の種類ごとに予め規定される所定領域を特定するための特定情報を参照する。そして、情報処理装置100は、運転免許証の裏面が撮影された本人確認用画像G1-2から切り取った領域A2から、「備考」という文字列が含まれているはずの領域a2-1、及び「3.私は臓器を提供しません。」という文字列が含まれているはずの領域a2-2を所定領域としてそれぞれ抽出する(ステップS23)。
【0028】
また、情報処理装置100は、所定領域として抽出した領域a2-1、及び領域a2-2に対する文字認識処理を実行する。情報処理装置100は、領域a2-1に対する文字認識処理の結果、「備考」という文字列を読み取ることができた場合、又は、領域a2-2に対する文字認識処理の結果、「3.私は臓器を提供しません。」という文字列を読み取ることができた場合、「運転免許証(裏面)」として提出された本人確認用画像G1-2がユーザUにより指定された本人確認書類の種類と一致しており、本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出する。
【0029】
次に、書類審査処理の一例として、図4を参照しつつ、マイナンバーカードを撮影した画像の書類審査処理について説明する。情報処理装置100は、端末装置10から受信した本人確認申請から本人確認用画像G1-3を取得する(ステップS31)。
【0030】
また、情報処理装置100は、取得した本人確認用画像G1-3から、たとえば、U-Netなどのセグメンテーションモデルを用いて、マイナンバーカードが映し出されている領域A3を切り取り、切り取った領域A3を、アフィン変換などを用いて、所定の姿勢に変換する(ステップS32)。すなわち、情報処理装置100は、切り取った領域A3の方向を、後続の処理のために予め規定される所定の方向に調整する。
【0031】
また、情報処理装置100は、本人確認申請に含まれている指定書類情報(たとえば、「マイナンバーカード」)に基づいて、本人確認書類の種類ごとに予め規定される所定領域を特定するための特定情報を参照する。そして、情報処理装置100は、マイナンバーカードが撮影された本人確認用画像から切り取った領域A3から、ロゴマークと「個人番号カード」という文字列が含まれているはずの領域a3-1、及び「電子証明書の有効期限」という文字列が含まれているはずの領域a3-2を所定領域としてそれぞれ抽出する(ステップS33)。
【0032】
また、情報処理装置100は、所定領域として抽出した領域a3-1に対して、文字認識処理および画像認識処理を実行するとともに、領域a3-2に対する文字認識処理を実行する。
【0033】
たとえば、情報処理装置100は、領域a3-1の画像認識処理を行う場合、本人確認書類の種類ごとに、所定領域に含まれている図案(記号、図形、符号、しるし、標章を含む)を撮影した学習用画像の特徴を機械学習により予め学習した学習済みモデルを用いて、本人確認用画像の所定領域に含まれている図案が真正な図案であるか否かを認識する処理を実行できる。たとえば、情報処理装置100は、学習済みモデルを用いて、本人確認用画像の所定領域に含まれている図案の特徴と学習用画像の所定領域に含まれている真正な図案の特徴との間の類似度を取得し、取得した類似度が所定の閾値を超えている場合、本人確認用画像の所定領域に含まれている図案が真正な図案であるという認識結果を導出する。なお、情報処理装置100は、領域a3-1および領域a3-2の文字認識処理は、「OCR」や、「AI-OCR」などを用いて実行できる。
【0034】
情報処理装置100は、領域a3-1に対する文字認識処理の結果、「個人番号カード」という文字列のうち3文字以上を読み取ることができた場合、領域a3-1に対する画像認識処理の結果、領域a3-1に含まれているロゴマーク(「図案」の一例)が真正なロゴマークであると認識した場合、又は領域a3-2に対する文字認識処理の結果、「電子証明書の有効期限」という文字列のうち6文字以上を読み取ることができた場合、「マイナンバーカード」として提出された本人確認用画像がユーザUにより指定された本人確認書類の種類と一致しており、本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出する。
【0035】
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、決済アプリを通じて、ユーザUから本人確認申請を受信した場合、本人確認申請に際して提出された本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定できる。このようなことから、実施形態に係る情報処理装置100によれば、本人確認申請において、本人確認書類が適正に提出されているか否かの作業にマンパワーが不要となり、本人確認の処理の省力化を図ることができる。
【0036】
[2.システム構成]
以下、実施形態に係る情報処理システムSYSの構成について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理システムSYSの構成例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、実施形態に係る情報処理システムSYSは、複数の端末装置10と、情報処理装置100とを含んで構成される。なお、図5に示す情報処理システムSYSの構成は一例であり、図5に例示される以外の他の装置が含まれていてもよい。
【0038】
端末装置10、及び情報処理装置100は、有線または無線によりネットワークNに接続される。端末装置10、及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して、他の装置との間で相互に通信できる。
【0039】
ネットワークNは、たとえば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)や、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、及び5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの移動体通信網などを含む。
【0040】
端末装置10は、移動体通信網や、Bluetooth(登録商標)や、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信によりネットワークNに接続し、ネットワークNを通じて、情報処理装置100などの他の装置と通信できる。
【0041】
また、端末装置10は、電子決済サービスのサービス利用者(たとえば、図1に示すユーザU)により使用される。複数の端末装置10の各々は、互いに異なるサービス利用者によって使用される。
【0042】
また、端末装置10は、たとえば、典型的にはスマートフォンであるが、かかる例には限られず、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC、タブレットPC、又はウェアラブルデバイスなどであってもよい。ウェアラブルデバイスとして、スマートグラスやスマートウォッチなどが例示されるが、かかる例には限られない。
【0043】
端末装置10を使用するサービス利用者は、端末装置10に予めインストールされている決済アプリを利用できる。サービス利用者は、端末装置10を操作することにより決済アプリを起動し、決済アプリに搭載されている各種機能を利用することにより、情報処理装置100と連携して、コード決済による決済処理を含む電子決済サービスに関する各種処理を実行できる。
【0044】
また、端末装置10を使用するサービス利用者は、決済アプリに搭載されている各種機能を利用することにより、決済アプリを通じて、電子決済サービスにおける本人確認申請をオンラインで実施することができる。
【0045】
端末装置10は、たとえば、決済アプリに搭載されている機能により、情報処理装置100から配信される種々のウェブコンテンツを表示できる。なお、端末装置10は、情報の表示処理を実現する制御情報を情報処理装置100から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0046】
また、端末装置10は、所定の情報処理を実現する制御情報を情報処理装置100から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、たとえば、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語や、CSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語や、Java(登録商標)などのプログラミング言語や、HTML(HyperText Markup Language)などのマークアップ言語などにより記述される。なお、情報処理装置100などから配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0047】
情報処理装置100は、電子決済サービスのサービス利用者について、電子決済サービスにおける本人確認に関する情報処理を実行する。情報処理装置100がサーバ装置で構成される場合、単独のサーバ装置により実現されてもよいし、複数のサーバ装置および複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0048】
[3.情報処理装置100の構成]
以下、図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の機能構成の一例を説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図6に示すように、実施形態に係る情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0049】
(通信部110)
通信部110は、たとえば、通信モジュールやNIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置10などの他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0050】
(記憶部120)
記憶部120は、たとえば、制御部130による制御および演算に用いられるプログラムおよびデータを記憶する。記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。図6に示すように、記憶部120は、審査用画像情報DB(Data Base)121と、領域特定情報DB122とを有する。
【0051】
(審査用画像情報DB121)
審査用画像情報DB121は、電子決済サービスのサービス利用者(たとえば、図1に示すユーザU)が、本人確認に用いることができる本人確認用画像に関する情報を記憶する。図7は、実施形態に係る審査用画像情報DB121に記憶される本人確認用画像に関する情報の概要を示す図である。
【0052】
図7に示すように、審査用画像情報DB121に記憶される本人確認用画像に関する情報は、「書類名称」の項目や、「表面画像」の項目や、「裏面画像」の項目や、「厚み画像」の項目や、「自撮り画像」の項目や、「自撮り動画」の項目といった複数の項目を有している。本人確認用画像に関する情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0053】
「書類名称」の項目には、電子決済サービスのサービス利用者が本人確認申請に用いることができる本人確認書類の名称が記憶される。
【0054】
「表面画像」の項目には、対応する本人確認書類を用いて本人確認申請を行う場合に、該当の書類の表面を撮影した画像が必要であるか否かを示す情報が記憶される。「裏面画像」の項目には、対応する本人確認書類を用いて本人確認申請を行う場合に、該当の書類の裏面を撮影した画像が必要であるか否かを示す情報が記憶される。「厚み画像」の項目には、対応する本人確認書類を用いて本人確認申請を行う場合に、該当の書類の厚みを撮影した画像が必要であるか否かを示す情報が記憶される。
【0055】
「自撮り画像」の項目には、対応する本人確認書類を用いて本人確認申請を行う場合に、申請者であるサービス利用者自身の自撮りの画像が必要であるか否かを示す情報が記憶される。「自撮り動画」の項目には、対応する本人確認書類を用いて本人確認申請を行う場合に、申請者であるサービス利用者自身の短時間の自撮りの動画が必要であるか否かを示す情報が記憶される。
【0056】
図7に示す例では、本人確認書類が「運転免許証」である場合、「表面画像」の項目や、「裏面画像」の項目や、「厚み画像」の項目や、「自撮り画像」の項目や、「自撮り動画」の全てが必要とされる。
【0057】
(領域特定情報DB122)
領域特定情報DB122は、本人確認用画像において、本人確認のための情報が映し出されている領域を特定するための領域特定情報を記憶する。図8は、実施形態に係る領域特定情報DB122に記憶される領域特定情報の概要を示す図である。
【0058】
図8に示すように、審査用画像情報DB121に記憶される領域特定情報は、「書類名称」の項目や、「処理領域」の項目や、「処理方法」の項目といった複数の項目を有している。領域特定情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0059】
「書類名称」の項目には、電子決済サービスのサービス利用者が本人確認申請に用いることができる本人確認書類の名称が記憶される。「処理領域」の項目には、本人確認書類において、本人確認のための情報が映し出されている所定領域を特定するための情報が記憶される。図9は、実施形態に所定領域を特定するための情報の一例を説明するための図である。
【0060】
図9は、本人確認用画像から切り取った運転免許証の表面が映し出されている領域(たとえば、図2に示す領域A1など)を模式的に示している。図9に示すように、「処理領域」の項目に記憶される所定領域を特定するための情報は、運転免許証の表面が映し出されている領域をXY平面と見做し、このXY平面上に設定される基準点Pから、領域a1-1、領域a1-2、及び領域a1-3の4つの頂点の相対的な位置を示す座標値で構成できる。
【0061】
「処理方法」の項目には、所定領域に対する処理方法を示す情報が記憶されている。たとえば、運転免許証の表面を撮影した本人確認用画像の領域a1-1に対応する処理方法は、文字認識であることが示されている。
【0062】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(実施形態に係る「情報処理プログラム」の一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0063】
また、制御部130は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)などの集積回路により実現され得る。
【0064】
図6に示すように、制御部130は、取得部131と、抽出部132と、判定部133と、通知部134とを有し、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130には、情報処理装置100が実行する各種処理の拡張などに応じて、図6に示す各部とは異なる新たな機能部が導入されてもよい。
【0065】
(取得部131)
取得部131は、通信部110を通じて、予め指定される複数の撮影方法により、電子決済サービスにおける本人確認のために用いられるカード型の情報媒体である本人確認書類が撮影された本人確認用画像を取得する。たとえば、取得部131は、運転免許証や、マイナンバーカードなどの本人確認書類を撮影した本人確認用画像を取得できる。
【0066】
また、取得部131は、本人確認画像を取得する際に、本人確認を行う電子決済サービスのサービス利用者(たとえば、図1に示すユーザU)により予め指定される本人確認書類の種類(たとえば、運転免許証やマイナンバーカード)を示す指定書類情報を合わせて取得できる。取得部131は、本人確認用画像と指定書類情報とを抽出部132に受け渡す。
【0067】
(抽出部132)
抽出部132は、本人確認書類の種類に基づいて、本人確認のための情報が映し出されている所定領域を本人確認用画像から抽出する。たとえば、抽出部132は、本人確認用画像において本人確認書類(たとえば、運転免許証やマイナンバーカード)が映し出されている情報媒体領域を切り取る。具体的には、抽出部132は、U-Netなどのセグメンテーションモデルを用いて、本人確認書類である運転免許証やマイナンバーカードなどが映し出されている領域を切り取り、切り取った領域を、アフィン変換などを用いて、所定の姿勢に変換する。すなわち、情報処理装置100は、切り取った領域(画像)の方向を、後続の処理のために予め規定される所定の方向に調整する。
【0068】
また、抽出部132は、指定書類情報においてサービス利用者に指定される本人確認書類の種類に対応する領域特定情報を領域特定情報DB122から取得し、取得した領域特定情報を用いて、情報媒体領域から所定領域を抽出する。抽出部132は、たとえば、取得部131から受け取った指定書類情報が「運転免許証(表面)」である場合、本人確認用画像から切り取った領域から、「免許の条件等」という文字列が含まれているはずの領域a1-1(たとえば、図2参照)、「運転免許証」という文字列が含まれているはずの領域a1-2(たとえば、図2参照)、及び「〇〇〇公安委員会」という文字列が含まれているはずの領域a1-3(たとえば、図2参照)を所定領域としてそれぞれ抽出する。抽出部132は、指定書類情報と、所定領域の情報を判定部133に受け渡す。
【0069】
(判定部133)
判定部133は、所定領域に含まれている情報に基づいて、本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定する。たとえば、所定領域に含まれる文字列の認識結果、及び所定領域に含まれる図案の識別結果のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定できる。
【0070】
具体的には、判定部133は、抽出部132から受け取った指定書類情報が「運転免許証(表面)」である場合、抽出部132から受け取った領域a1-1、領域a1-2、及び領域a1-3に対して、領域特定情報DB122に設定されている文字認識処理を実行する。そして、判定部133は、領域a1-1に対する文字認識処理の結果、「免許の条件等」という文字列のうち4文字以上の文字を読み取ることができた場合、領域a1-2に対する文字認識処理の結果、「運転免許証」という文字列のうち3文字以上の文字を読み取ることができた場合、又は領域a1-3に対する文字認識処理の結果、「〇〇〇公安委員会」の文字列のうち3文字以上の文字を読み取ることができた場合、「運転免許証(表面)」として提出された本人確認用画像がサービス利用者により指定された本人確認書類の種類と一致しており、本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出する。
【0071】
(通知部134)
通知部134は、判定部133により、本人確認書類が適正に提出されているという判定結果が導出された場合、本人確認の申請を行った電子決済サービスのサービス利用者(たとえば、図1に示すユーザU)に対して、本人確認のための情報を受領した旨を通知する。
【0072】
[4.処理手順例]
以下、図10を用いて、実施形態に係る情報処理装置100により実行される情報処理の流れについて説明する。図10は、実施形態に係る情報処理装置100により実行される情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示す処理手順は、情報処理装置100が有する制御部130により実行される。
【0073】
図10に示すように、取得部131は、端末装置10から本人確認用画像を取得する(ステップS101)。
【0074】
また、抽出部132は、電子決済サービスのサービス利用者であり、本人確認申請の申請者である端末装置10のユーザUにより決済アプリを通じて指定された本人確認書類の種類に基づいて、本人確認のための情報が映し出されている領域を本人確認用画像から抽出する(ステップS102)。
【0075】
また、判定部133は、所定領域に含まれている情報に基づいて、本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0076】
また、通知部134は、判定部133により、電子決済サービスのサービス利用者であり、本人確認申請の申請者である端末装置10のユーザUに対して、本人確認のための情報を受領した旨を通知し(ステップS104)、図10に示す処理手順を終了する。
【0077】
[5.変形例]
(5-1.本人確認書類が適正に提出されているか否かの判定条件について)
上記実施形態において、情報処理装置100の判定部133は、本人確認書類が適正に提出されているか否かの判定条件を、単一条件ではなく、複合条件としてもよい。たとえば、判定部133は、本人確認書類の種類として「運転免許証(表面)」がユーザUにより指定されている場合、本人確認用画像の領域a1-1において「免許の条件等」という文字列のうち4文字以上の文字を読み取ることができ、かつ、領域a1-2において「運転免許証」という文字列のうち3文字以上の文字を読み取ることができ、かつ領域a1-3において「〇〇〇公安委員会」の文字列のうち3文字以上の文字を読み取ることができた場合、「運転免許証(表面)」として提出された本人確認用画像G1-1がユーザUにより指定された本人確認書類の種類と一致しており、本人確認書類が適正に提出されているという判定結果を導出してもよい。
【0078】
(5-2.機微情報のマスキングについて)
また、上記実施形態において、実施形態に係る情報処理装置100は、本人確認用画像に機微情報(たとえば、氏名や住所など)が含まれている場合、本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定する書類審査処理を実行する際、機微情報をマスキングしてもよい。この場合、情報処理装置100の判定部133は、本人確認のための情報が映し出されている所定領域を抽出した際、抽出した所定領域の位置を基準として、本人確認用画像において機微情報が映し出されている領域を特定し、マスキング処理を実行できる。
【0079】
(5-3.システム構成等)
また、上記実施形態において、情報処理装置100が実行する情報処理は、たとえば、電子決済サービスを利用したコード決済の決済処理を実行するサーバ装置が実行してもよい。この場合、決済処理を実行するサーバ装置が、実施形態に係る実施形態に係る情報処理を実現するための機能を備えていればよい。
【0080】
また、上述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0081】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0082】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0083】
[6.ハードウェア構成]
また、上述してきた実施形態または変形例に係る情報処理装置100は、たとえば、図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図11は、実施形態または変形例に係る情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0084】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0085】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0086】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0087】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0088】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0089】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0090】
たとえば、コンピュータ1000が実施形態または変形例に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラムの一例)との協働により、実施形態または変形例に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0091】
[7.効果]
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と、抽出部132と、判定部133とを有する。取得部131は、予め指定される複数の撮影方法により、電子決済サービスにおける本人確認のために用いられるカード型の情報媒体が撮影された本人確認用画像を取得する。抽出部132は、情報媒体の種類に基づいて、本人確認のための情報が映し出されている所定領域を本人確認用画像から抽出する。判定部133は、所定領域に含まれている情報に基づいて、情報媒体が適正に提出されているか否かを判定する。
【0092】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、本人確認用画像を取得する際に、本人確認の申請を行うユーザにより予め指定される情報媒体の種類を示す情報を合わせて取得する。抽出部132は、本人確認用画像において情報媒体が映し出されている領域から、ユーザにより指定される情報媒体の種類ごとに予め規定される所定領域を特定するための情報に基づいて、所定領域を抽出する。
【0093】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、判定部133は、所定領域に含まれる文字列の認識結果、及び所定領域に含まれる図案の認識結果のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、情報媒体が適正に提出されているか否かを判定する。
【0094】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、判定部133は、光学文字認識処理により、所定領域に含まれる文字列を認識する。
【0095】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、判定部133は、情報媒体の種類ごとに、所定領域に含まれている図案を撮影した学習用画像の特徴を機械学習により予め学習した学習済みモデルを用いて、本人確認用画像の所定領域に含まれている図案の特徴と学習用画像の所定領域に含まれている図案の特徴との間の類似度を取得し、取得した類似度が所定の閾値を超えているか否かに基づいて、本人確認用画像の所定領域に含まれている図案を認識する。
【0096】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、判定部133により、情報媒体が適正に提出されているという判定結果が導出された場合、本人確認の申請を行ったユーザに対して、本人確認のための情報を受領した旨を通知する通知部134をさらに有してもよい。
【0097】
このようにして、実施形態に係る情報処理装置100は、決済アプリを通じて、電子決済サービスのサービス利用者(たとえば、図1に示すユーザU)から本人確認申請を受信した場合、本人確認申請に際して提出されたカード型の情報媒体である本人確認書類が適正に提出されているか否かを判定できる。このようなことから、実施形態に係る情報処理装置100によれば、本人確認申請において、本人確認書類が適正に提出されているか否かの作業にマンパワーが不要となり、本人確認の処理の省力化を図ることができる。
【0098】
上述の効果は、上述した各部により実行される処理、又は各部により実行される処理のいずれかの組合せにより実現され得る。
【0099】
[8.その他]
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0100】
また、上述した情報処理装置100は、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0101】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0102】
SYS 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 審査用画像情報DB
122 領域特定情報DB
130 制御部
131 取得部
132 抽出部
133 判定部
134 通知部
【要約】
【課題】本人確認の処理の省力化を図ること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、取得部と、抽出部と、判定部とを有する。取得部は、予め指定される複数の撮影方法により、電子決済サービスにおける本人確認のために用いられるカード型の情報媒体が撮影された本人確認用画像を取得する。抽出部は、情報媒体の種類に基づいて、本人確認のための情報が映し出されている所定領域を本人確認用画像から抽出する。判定部は、所定領域に含まれている情報に基づいて、情報媒体が適正に提出されているか否かを判定する。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11