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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】断熱ボックス
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/38 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
B65D81/38 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022195166
(22)【出願日】2022-12-06
(65)【公開番号】P2024081496
(43)【公開日】2024-06-18
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】593057263
【氏名又は名称】多田プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100217881
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 由美
(72)【発明者】
【氏名】向井 周平
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-097898(JP,A)
【文献】登録実用新案第3153217(JP,U)
【文献】特開2001-151282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5枚のパネル体(4)を相互に連結一体化した上方開口箱型の断熱ボックス本体(1)と、該断熱ボックス本体(1)の開口部(2)を施蓋する1枚のパネル体(4)と位置ずれ防止材(5)から成る断熱蓋(3)とを、備え、
上記断熱蓋(3)は、断熱ボックス本体(1)から独立しており、
上記パネル体(4)が、段ボール素材(10)を折り曲げた扁平状中空箱体(6)と、該中空箱体(6)の内部に発泡充填された発泡樹脂(7)から成り、
上記扁平状中空箱体(6)の少なくとも4つの角部に、内部の上記発泡樹脂(7)が発泡の際外部へ漏れるのを防止する漏止め小片(8)を有することを特徴とする断熱ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生鮮食品や医療品等を低温で運搬するために、断熱ボックスが用いられる(例えば、特許文献1参照)。あるいは、温かいお弁当を保温状態で運搬するために、断熱ボックスが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2016-509664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の断熱ボックスは、中空体がプラスチックから成るので、持運び時に重いという欠点があった。また、一般的に、プラスチックの中空体の内部に充填される発泡樹脂は発泡スチロールであって、全体として、断熱性が低いという問題があった。さらに、高価であるとともに、リサイクル不可で非エコ的だという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、軽量な断熱ボックスを提供することを目的とする。また、断熱性の高い断熱ボックスを提供することを目的とする。さらに、安価であるとともに、リサイクル可能で環境に優しい断熱ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る断熱ボックスは、5枚のパネル体を相互に連結一体化した上方開口箱型の断熱ボックス本体と、該断熱ボックス本体の開口部を施蓋する1枚のパネル体と位置ずれ防止材から成る断熱蓋とを、備え、上記断熱蓋は、断熱ボックス本体から独立しており、上記パネル体が、段ボール素材を折り曲げた扁平状中空箱体と、該中空箱体の内部に発泡充填された発泡樹脂から成り、上記扁平状中空箱体の少なくとも4つの角部に、内部の上記発泡樹脂が発泡の際外部へ漏れるのを防止する漏止め小片を有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の断熱ボックスによれば、軽量であって、容易に持ち運ぶことができる。また、本発明の断熱ボックスは、断熱性が高い。さらに、安価であるとともに、リサイクル可能で環境に優しい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態の断熱ボックス本体を示す簡略斜視図である。
図2】断熱蓋を示す簡略斜視図である。
図3】断熱ボックス本体の分解図である。
図4】パネル体を示す正面図である。
図5図4のA-A断面拡大簡略図である。
図6】扁平状中空箱体の展開図である。
図7】段ボール素材を示す断面図である。
図8本発明と関係が深い参考例を示す斜視図である。
図9】パネル体を外箱へ投入する前の状態を示す斜視図である。
図10】外箱の展開図である。
図11】第の実施の形態のアルミ袋体の開口状態を示す斜視図である。
図12】アルミ袋体の閉状態を示す斜視図である。
図13】第の実施の形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図示の実施の形態に基づいて本発明を詳説する。
図1図3は、本発明の第1の実施の形態を示す。
本発明の断熱ボックスは、保冷及び保温の両方に用いることができる。保冷に用いる例としては、食品や医薬品を収容する。また、保温に用いる例としては、弁当を収容する。一般家庭で用いたり、アウトドアで用いたり、あるいは、引越業者が用いることもできる。
【0010】
図1に示すような上方開口型の断熱ボックス本体1と、断熱ボックス本体1の開口部2を施蓋する図2に示すような断熱蓋3とを、備える。断熱ボックス本体1は、図3に示すような5枚のパネル体4が相互に連結一体化されている。断熱蓋3は、1枚のパネル体4と位置ずれ防止材5から成る。
【0011】
図4図5に示すように、パネル体4が、(紙製)段ボール素材10(図7参照)を折り曲げた扁平状中空箱体6と、中空箱体6の内部に発泡充填された発泡樹脂7から成る。発泡樹脂7は、例えば、発泡ウレタンである。図6は、扁平状中空箱体6の展開図の一例を示す。パネル体4(扁平状中空箱体6)の少なくとも4つの角部に、内部の発泡樹脂7が発泡の際外部へ漏れるのを防止する漏止め小片8(図6の点々部)を有する。漏止め小片8によって、発泡樹脂7が扁平状中空箱体6内へ確実に充填される。また、外観が美しい。
【0012】
図3図5に示すように、断熱ボックス本体1を形成する5枚のパネル体4の一部乃至全部が、隣り合うパネル体4に連結一体化するための鍔部9を有し、鍔部9を接着することにより5枚のパネル体4が連結一体化されている。パネル体4が撥水加工されている。パネル体4の表面が、抗菌インクにて印刷されている(図示省略)。パネル体4の表面が、抗菌インクにて印刷されていることにより、衛生的である。
【0013】
次に、パネル体4の製法の一例について説明する。扁平状中空箱体6の展開状態ないし組立途中状態に於て、ウレタン発泡用の2液混合液(すなわち、イソシアネートとポリオール)を垂らして、扁平状中空箱体6(図5参照)を組立てる。その後、発泡促進のために35℃~45℃に加熱する。発泡ウレタンは、発泡すると、段ボール素材10(図7参照)と接着状態となる。
【0014】
図8図9は、本発明と関係が深い参考例を示す。上方開口箱型の形状保持用外箱11と、外箱11の内部空間16に内面に接するように投入して上方開口箱型の形状に保持される5枚の分離状のパネル体4と、内周側壁4枚のパネル体4の上部の4辺13を施蓋する1枚のパネル体4と位置ずれ防止材5から成る断熱蓋3とを、備える。5枚のパネル体4は、各々独立している。すなわち、パネル体4は相互に連結一体化されていない。図10は、外箱11の展開図の一例を示す。外箱11が防水加工されている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0015】
図11図12は、第の実施の形態を示す。すなわち、図11に示すような上方開口状箱型アルミニウム袋体14を、備える。アルミニウム袋体14は、図12に示すように、閉状態に折曲げることができる。そして、アルミニウム袋体14を、第1の実施の形態の断熱ボックス本体1の内部に収納状に配設するように構成される。アルミニウム袋体14によって、断熱性を高めることができる。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0016】
図13は、第の実施の形態を示す。すなわち、断熱ボックス本体1の外側に配設されて断熱ボックス本体1を吊下げ可能とする吊下ベルト体15を備える。吊下ベルト体15は、金具を具備しない。従って、断熱ボックス本体1が破損することを防止できる。また、吊下ベルト体15がリサイクルの邪魔になることがない。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0017】
なお、本発明は、設計変更可能である。
【0018】
以上のように、本発明は、5枚のパネル体4を相互に連結一体化した上方開口箱型の断熱ボックス本体1と、該断熱ボックス本体1の開口部2を施蓋する1枚のパネル体4と位置ずれ防止材5から成る断熱蓋3とを、備え、上記パネル体4が、段ボール素材10を折り曲げた扁平状中空箱体6と、該中空箱体6の内部に発泡充填された発泡樹脂7から成るので、軽量であって、容易に持ち運ぶことができる。また、安価であるとともに、リサイクル可能で環境に優しい。また、金具が不要であって、容易にリサイクルすることができる。さらに、金具等の突出部が無いので、トラック(車両)に積重ねた状態で(ぐらぐらせず)安定姿勢で運ぶことが可能である。
【0019】
また、上記断熱ボックス本体1を形成する5枚の上記パネル体4の一部乃至全部が、隣り合う上記パネル体4に連結一体化するための鍔部9を有し、該鍔部9を接着することにより上記5枚のパネル体4を連結一体化したので、断熱性が高い。
【0020】
また、上方開口箱型の形状保持用外箱11と、該外箱11の内部空間16に内面に接するように投入して上方開口箱型の形状に保持される5枚の分離状のパネル体4と、内周側壁4枚の上記パネル体4の上部の4辺13を施蓋する1枚のパネル体4と位置ずれ防止材5から成る断熱蓋3とを、備え、上記パネル体4が、段ボール素材10を折り曲げた扁平状中空箱体6と、該中空箱体6の内部に発泡充填された発泡樹脂7から成るので、軽量であって、容易に持ち運ぶことができる。また、安価であるとともに、リサイクル可能で環境に優しい。また、金具が不要であって、容易にリサイクルすることができる。また、金具等の突出部が無いので、トラック(車両)に積重ねた状態で(ぐらぐらせず)安定姿勢で運ぶことが可能である。さらに、不使用時には、コンパクトに収納することができる。
【0021】
また、上記発泡樹脂7が発泡ウレタンであるので、断熱性が高い。例えば、従来のプラスチックの中空体の内部に発泡スチロールを充填した断熱ボックスでの保冷可能時間は3時間であるのに対し、本発明の(第3の実施の形態の)断熱ボックスでの保冷可能時間は15.5時間であって、保冷可能時間が従来の5倍以上である。
【0022】
また、上記外箱11が防水加工されており、かつ、上記パネル体4が撥水加工されているので、内部に水が浸入することを防止できる。
【符号の説明】
【0023】
1 断熱ボックス本体
2 開口部
3 断熱蓋
4 パネル体
5 位置ずれ防止材
6 (扁平状)中空箱体
7 発泡樹脂
8 漏止め小片
10 段ボール素材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13