(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】キートップ及びスイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 3/12 20060101AFI20241202BHJP
H01H 13/14 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
H01H3/12 C
H01H13/14 Z
(21)【出願番号】P 2024049016
(22)【出願日】2024-03-26
【審査請求日】2024-05-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤井 和樹
(72)【発明者】
【氏名】杉本 剛平
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-067401(JP,A)
【文献】国際公開第2023/095398(WO,A1)
【文献】特開2016-200866(JP,A)
【文献】国際公開第2009/110422(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 3/12
H01H 13/00 - 13/88
H01H 25/00 - 25/06
H01H 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キートップであって、
前記キートップは、押圧部と、支持部と、外周部とを有し、
前記外周部は、前記押圧部と前記支持部との間に配置されて、前記押圧部の周囲を囲んでおり、
少なくとも前記外周部は、弾性変形可能な材料からなり、変形部を有しており、
前記変形部は、前記外周部における複数の溝状の薄肉部分であり、
前記変形部は、前記キートップを上面又は底面側から見た場合に、前記押圧部を略中心とする大きさの異なる複数の仮想円のそれぞれに沿うように湾曲しており、前記複数の仮想円のそれぞれに薄肉部分が
複数配置され、
前記外周部には、さらに連結部を有し、
前記連結部は、前記押圧部の変位を抑制する抑制部として機能し、
前記連結部は、他の前記連結部と連続し、
前記連結部には共有連結部が含まれ、
前記複数の前記仮想円のそれぞれに、前記変形部と同数の前記共有連結部とをそれぞれ有し、
同一の前記仮想円上に配置されている前記変形部の長さは略等しく、
前記変形部の長さは同一の前記仮想円上に配置されている前記共有連結部より長く、
前記共有連結部は、前記複数の前記仮想円のそれぞれに略均等に配置され、
前記押圧部を押圧したときに、前記変形部の弾性変形により、前記押圧部が変位することを特徴とする、キートップ。
【請求項2】
前記変形部は、前記外周部のうち底面側のみが凹んだ形状となっていることを特徴とする、請求項
1に記載のキートップ。
【請求項3】
前記押圧部を押圧したときに、前記変形部の弾性変形により、前記押圧部が押圧した方向へ変位することを特徴とする、請求項1に記載のキートップ。
【請求項4】
前記外周部はドーム形状であることを特徴とする、請求項
3に記載のキートップ。
【請求項5】
前記変形部は、外周部に略均等に配置されることを特徴とする、
請求項1から
4のいずれかに記載のキートップ。
【請求項6】
前記押圧部を通る仮想線上の少なくとも1箇所以上に、前記変形部が配置されることを特徴とする、
請求項1から
4のいずれかに記載のキートップ。
【請求項7】
前記支持部が、前記押圧部を通る仮想線について略線対称形状であるときは、
前記変形部は、前記仮想線について略線対称となるように配置されることを特徴とする、
請求項1から
4のいずれかに記載のキートップ。
【請求項8】
請求項1から
4のいずれかのキートップを備えるスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キートップ及びスイッチに関し、特に操作感を有するキートップ及びこれを用いるスイッチの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、剛体のボタンを押下すると、湾曲部がたわんで、底面側のタクトスイッチを押下する、キートップ及びスイッチの構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のキートップは剛体であった。そのため、キートップを用いるスイッチにおいて、押下時にユーザーへ操作感を与えたい場合、キートップ以外に触覚部品(例えばスイッチ部品やスプリング等)を用いる必要があった。言い換えると、キートップのみで操作感を与えることはできなかった。
【0005】
また、キートップと触覚部品とを組み合わせた際には、触覚部品側で操作感を与える必要があり、異なる操作感を与えるには、触覚部品側の操作感を異ならせる必要があった。すなわち、同じ触覚部品を用いた場合に、キートップによって異なる操作感を与えることはできなかった。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決し、キートップのみでも操作感を与えることのできるキートップ、及びこれを用いたスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のキートップは、押圧部と、支持部と、外周部とを有し、前記外周部は、前記押圧部と前記支持部との間に配置されて、前記押圧部の周囲を囲んでおり、少なくとも前記外周部は、弾性変形可能な材料からなり、変形部を有しており、前記変形部は、前記外周部における複数の溝状の薄肉部分であり、前記変形部は、前記キートップを上面又は底面側から見た場合に、前記押圧部を略中心とする大きさの異なる複数の仮想円のそれぞれに沿うように湾曲しており、前記複数の仮想円のそれぞれに薄肉部分が複数配置され、前記外周部には、さらに連結部を有し、前記連結部は、前記押圧部の変位を抑制する抑制部として機能し、前記連結部は、他の前記連結部と連続し、前記連結部には共有連結部が含まれ、前記複数の前記仮想円のそれぞれに、前記変形部と同数の前記共有連結部とをそれぞれ有し、同一の前記仮想円上に配置されている前記変形部の長さは略等しく、前記変形部の長さは同一の前記仮想円上に配置されている前記共有連結部より長く、前記共有連結部は、前記複数の前記仮想円のそれぞれに略均等に配置され、前記押圧部を押圧したときに、前記変形部の弾性変形により、前記押圧部が変位することを特徴とする。
【0008】
本発明は、上記のキートップを備えるスイッチである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のキートップによれば、押圧部を押圧したときに、変形部の弾性変形により、押圧部を変位させることができ、キートップに柔軟性を持たせることができるので、キートップのみでも操作感を与えることができる。
【0010】
本発明のキートップを有するスイッチによれば、キートップの変形部の形状等を変えることで、キートップのみでも異なる操作感を与えることができるので、同じ触覚部品を用いながら異なる操作感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るキートップを用いるスイッチの分解斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るキートップを示す図であり、(a)は底面側から見た図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)(d)は押圧による押圧部の変位を示すための模式的な要部断面図、(e)は同キートップを用いるスイッチの断面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係るキートップを示す図であり、(a)は底面側から見た図、(b)は(a)のB-B断面図である。
【
図4】本発明の第3実施形態に係るキートップを示す図であり、(a)は底面側から見た図、(b)は(a)のC-C断面図である。
【
図5】本発明の第1から第3実施形態に係るキートップの押圧荷重と変位量を示すグラフであり、縦軸は押圧部への押圧荷重、横軸は押圧に伴う変位量である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係るキートップを底面側から見た図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係るキートップの変形部周辺の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るキートップ及びスイッチについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に説明する実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0013】
以下の説明において、押圧部11の押圧方向を上下方向、上下方向に垂直な方向を側面方向と呼ぶ。
【0014】
(第1実施形態)
図1及び
図2(e)に示すスイッチ9は、第1実施形態に係るキートップ1と、スイッチ部品6と、支持体7と、ケース8からなる。
本実施形態に係るキートップ1は、
図2(a)から(d)に示されており、上下方向から見ると円形状であり、側面方向から見ると厚みを有するドーム形状である。キートップ1は、樹脂製の材料によって成形されている。例えば、ABS樹脂である。キートップ1は、押圧部11と、外周部12と、周縁部13とを備えている。
【0015】
押圧部11は、キートップ1の略中央に配置されている。押圧部11は、押圧面111と、接触部112と、内壁部113とを有している。押圧部11は、外周部12よりも厚い。尚、押圧部11の厚みは外周部12の厚みと同等程度であってもよい。
【0016】
押圧面111は、押圧部11の上面側の中央付近における平面形状部である。押圧面111は、キートップ1又はスイッチ9の操作のために押圧される面である。
【0017】
接触部112は、押圧部11の底面側の中央付近における突出部である。接触部112と押圧面111とは、上下方向において同一軸上に配置されている。接触部112は、後述するスイッチ部品6のクリック部61を押圧できる。尚、後述するスイッチ部品6が、導体の接触等による電気的接続で動作するものの場合、接触部112はクリック部61に接触するのみでもよく、接触部112にはスイッチ部品6が電気的接続されるための導体を有していてもよい。
【0018】
内壁部113は、押圧部11の底面側において、接触部112の外周を包囲する、突出した円形状の壁部である。内壁部113は、押圧部11に強い荷重がかけられた際に、内壁部113の底面がクリック部61以外に当接されることで、クリック部61に強い荷重がかかりスイッチ部品6が破損されることを防ぐことができる。尚、押圧部11、押圧面111、接触部112、及び内壁部113の形状は、上述の実施例に限定されず、キートップ1全体の形状や配置、設定荷重に合わせて適宜設定することができる。
【0019】
外周部12は、押圧部11と周縁部13との間に配置されている。外周部12は、押圧部11を囲むドーム形状である。外周部12の厚みは、中央側よりも側面側が厚くなっている。尚、外周部12の厚みは、略一定か、側面側より中央側のほうが厚くなっていてもよい。外周部12は、弾性変形可能な材料であり、例えばABS等の樹脂材料からなる。外周部12には、変形部121と、連結部122とを有している。
【0020】
変形部121は、キートップ1を側面から見たときに薄肉となっている部分である。変形部121は、底面側のみが凹んだ形状となっている。以下の説明において、変形部121は、薄肉部分のうちの1つを指す場合と、複数の薄肉部分とを指す場合とがある。
【0021】
変形部121は、キートップ1を底面側から見たときに長円形状で溝状の薄肉部であり、押圧部11を略中心とする仮想円Cに沿うように湾曲した長円形状である。変形部121は、複数配置されている。変形部121は、外周部12の全体において、幾何学的に配置されている。
【0022】
例えば、同一の仮想円C上に配置されている変形部121は、同形状である。変形部121は、仮想円C上に、略均等に配置されている。同一の仮想円C上に配置されている変形部121は、押圧部11を中心として略点対称に配置され、又は等間隔に配置されている。以下の説明では、変形部121が配置されている仮想円Cを仮想円C1、変形部121が配置されない仮想円Cを仮想円C2と呼ぶこともある。複数の仮想円C1は、押圧部11を中心とする同心円形状であり、少なくとも一部の仮想円C1は、一定間隔で大きさが変わるように配置されている。
【0023】
各々の変形部121の幅と厚みは略同じであり、長さは異なっている。同一の仮想円C上に配置されている変形部121の長さは略等しい。異なる仮想円C上に配置されている変形部121の長さは異なっている。変形部121の長さは、各々の仮想円Cの円周の長さに対し一定の比率となっている。仮想円Cの円周の長さが長いほど、その仮想円C上の変形部121の長さは長くなっている。
尚、変形部121の形状(幅、厚み、長さ、大きさ、湾曲具合)や、溝部としての深さ、外周部12や仮想円Cとの関係(個数、配置の方法)、仮想円Cとの比率は、キートップ1の設定荷重や所望の柔軟性に合わせて適宜変更可能である。
【0024】
連結部122は、外周部12において変形部121ではない部分のことである。
キートップ1を側面から見たときに、連結部122の幅は、変形部121の幅と略同じである。連結部122の厚みは、外周部12の厚みと略同じである。
【0025】
キートップ1を底面側から見たときに、連結部122は、他の連結部122と連続している。連結部122は、押圧部11と、周縁部13と連続している。連結部122は、仮想円C上に、略均等に配置されている。連結部122は、複数の仮想円Cのそれぞれに、略均等に配置されている。以下の説明では、連結部122が配置されている仮想円Cを仮想円C1、連結部122のみが配置されている仮想円Cを仮想円C2と呼ぶこともある。尚、連結部122は、仮想円C上において変形部121の間に配置される場合と、当該仮想円C上に連結部122のみが配置される場合とがある。以降の説明において、前者を共有連結部122a、後者を単独連結部122bとする場合がある。
【0026】
押圧部11を略中心とする仮想円C1上には、変形部121と共有連結部122aが各々1つ以上配置されている。押圧部11を略中心とする仮想円C2上には、変形部121はなく、単独連結部122bのみが配置されている。単独連結部122bは、押圧部11の全周を囲む円形状である。
【0027】
仮想直線L1は、押圧部11と支持部131とを通る任意の仮想線である。仮想直線L1をどのように引いても、仮想直線L1上には、変形部121が少なくとも1つ以上配置されている。言い換えると、各々の仮想円C1上の共有連結部222aが、仮想直線L1上に並ぶように配置されている箇所がない。仮想線L2は、押圧部11から、共有連結部122aを通り、支持部131を結ぶ任意の仮想線である。言い換えると、仮想線L2は、変形部121を通らない、押圧部11と支持部131との最短経路である。仮想線L2の長さは、前述の仮想直線L1よりも長くなっている。
【0028】
周縁部13は、キートップ1の最外周にあり、外周部12の外周を囲む円形状の縁部である。周縁部13は、外周部12よりも厚みを有している。尚、周縁部13の厚みは、外周部12と同等程度か薄くてもよい。周縁部13には、外側周縁部132、内側周縁部133を有し、その間に支持部131を有している。
【0029】
外側周縁部132及び内側周縁部133の各々は、キートップ1の底面側から突出した円形状の壁部である。外側周縁部132の内側には、後述するケース8と当接可能な内側壁部132aを有し、内側周縁部133の外側には、後述するケース8と当接可能な外側壁部133aを有する。支持部131は、底面側から突出した円形状の壁部であり、特に下方向に向いた面を指すこともある。支持部131は、後述するケース8と当接する。尚、外側周縁部132、内側周縁部133、支持部131の形状、厚み、突出高さ、幅、数は、キートップ1の形状や配置、設定荷重、後述するケース8の当接部の形状に合わせて適宜選択できる。
【0030】
図2(e)は、上述のキートップ1を備えるスイッチ9を側面から見たときの断面図である。
図2(e)のスイッチ9は、キートップ1と、スイッチ部品6と、支持体7と、ケース8とを備えている。
【0031】
スイッチ部品6は、クリック部61と、固定部62とを有する。クリック部61は、スイッチ部品6の本体から上方向へ突出しており、押圧により上下方向に変位可能である。固定部62は、スイッチ部品6の位置を規制するためのものである。固定部62は、スイッチ部品6の本体から支持体7のほうへ伸びており、後述する支持体7へ固定されている。固定部62は、例えば金属合金の端子や、接着シート、滑り止めである。スイッチ部品6は、例えば押しボタンスイッチや、メタルドームスイッチである。
尚、スイッチ部品6が、導体接触等の電気的接続により動作するものの場合、クリック部61は変位可能でなくてもよい。例えば、クリック部61は、プリント基板上で、短絡により電気的に接続させるために絶縁されている配線パターンの一部であってもよい。その場合、接触部112には短絡させるための導体を有することが望ましい。固定部62は、支持体7でなくキートップ1に固定されていてもよい。固定部62は、接触部112に固定されていてもよい。
【0032】
支持体7は、スイッチ部品6を固定し支持する板状体である。支持体7は、例えばスイッチ部品6が表面実装されるプリント基板である。支持体7には、固定部71を有する。固定部71は、例えば基板表面の導体からなるパッドである。支持体7の底面は、後述するケース8の上面に当接し固定されている。
【0033】
ケース8は、キートップ1や支持体7を支持する物である。ケース8には、当接部81を有する。当接部81は、支持部131と当接している。当接部81は、外側周縁部132や内側周縁部133とも当接していてもよい。尚、ケース8は、スイッチ部品6や支持体7を収納してもよい。ケース8は、スイッチ部品6を直接支持していてもよい。ケース8は、例えば電子機器の筐体であってもよい。
【0034】
押圧面111と、接触部112と、クリック部61とは、上下方向に同一軸上に配置されている。クリック部61は、接触部112に押圧されることができる。接触部112と、クリック部61とは、隙間を有している。尚、この隙間は必ずしも有していなくてもよい。
【0035】
キートップ1と、ケース8とは、支持部131と当接部81との当接により上下方向の位置が固定されている。外側周縁部132の内側壁部132aと、内側周縁部133の外側壁部133aとは、ケース8と当接可能に面しており、キートップ1の側面方向の変位が規制されている。スイッチ部品6の固定部62は、支持体7の固定部71に固定されている。固定方法として、例えば、はんだ付けや接着によることができる。支持体7とケース8とは、当接して位置が固定されている。当接部の固定方法は、例えば接着やねじ留めによることができる。これにより、キートップ1、スイッチ部品6、支持体7、ケース8の位置が固定されている。押圧部11と、外周部12とは、ケース8に支持されていない。
【0036】
よって、このキートップ1では、押圧部11を上方向から下向きに押圧すると、変形部121が弾性変形し、押圧部11を押圧した方向である下方向へ変位させることができる。押圧部11を押圧したときに、変形部121の弾性変形により、キートップ1に柔軟性を持たせることができるので、キートップ1のみでも操作感を与えることができる。
【0037】
変形部121は、外周部12において弾性変形しやすい部分である。
図2(c)に示すように、押圧部11を下方向(図の矢印方向)へ押圧すると、変形部121が弾性変形し、外周部12のうち弾性変形した変形部121よりも内側にある連結部122が下方向へ変位するので、押圧部11を下方向に変位させることができる。これにより、接触部112も下方向に変位されることができる。
【0038】
図2(d)は、押圧面111や接触部112が押圧により変位された後の状態を示す模式的な断面図である。H1は、接触部112の変位量H1を示す。H2は、押圧面111の変位量H2を示す。キートップ1のみ、すなわちスイッチ部品6がない状態では、変位量H1と変位量H2は同じとなる。スイッチ部品6がある状態では、接触部112がスイッチ部品6のクリック部61に当接した後の変位量H1は、スイッチ部品6の設定に伴い変化し得る。変位量H2も、変位量H1と同様に変化し得る。以下、変位量H1と変位量H2を、押圧部の変位量Hと呼ぶ場合がある。
【0039】
連結部122は、押圧部11の押圧時に、変形部121の弾性変形を抑制する抑制部として機能する。すなわち、連結部122は、押圧部11の押圧時に、押圧部11の変位を抑制する。変形部121と連結部122の組み合わせ、すなわち弾性変形力と抑制力とのつり合いにより、押圧荷重に対する押圧部11の下方への変位の方向や、変位量、押圧時の操作感を調整することができる。
【0040】
連結部122は、他の連結部122と連続しているので、押圧部11を押圧したときに、全ての連続している連結部122に略同時に力が加わる。押圧部11と、連結部122と、周縁部13とは連続しているので、押圧部11を押圧したときに、全ての変形部121と全ての連結部122とに同時に力が加わる。弾性変形力と抑制力とが同時に働き、滑らかな操作感を与える。例えば、連結部122が、複数の仮想円Cのそれぞれに略均等に配置されていれば、弾性変形力と抑制力とが外周部12全体でも略均等に働くので、滑らかな操作感を与える。
【0041】
例えば、変形部121又は連結部122が、押圧部11に対し略均等に配置されている場合、押圧部11の変位の方向と、接触部112の変位の方向とを一致させることができる。略均等に配置する方法は、
図2(a)のように変形部を略点対称に配置するなど、キートップ1の操作感を調整するために適宜設定できる。尚、変形部121又は連結部122の配置を均等に配置しなくてもよい。押圧部11の変位の方向と、接触部112の変位の方向とを異ならせることを禁止するものではない。
【0042】
変形部121を変更して、押圧部11への押圧荷重に対する変位量Hを調整できる。例えば、
図2(a)のように、仮想直線L1上に、必ず1つ以上の変形部121を配置すると、押圧部11から共有連結部122aを通り支持部131へと至る仮想線L2の長さは、仮想直線L1よりも長くなる。
図2(a)のように変形部121の配置を、仮想円C毎に回転移動させて互い違いとすることの他、変形部121の長さをさらに長くして、異なる仮想円C上にある共有連結部122a同士がより離れて配置されるようにして、仮想線L2の長さをさらに長くすることもできる。仮想線L2が長いほど、低い押圧荷重で押圧部11を変位させることができる。低い押圧荷重で押圧部11を変位させることができるので、より柔軟な操作感や、より軽い操作感を与えることができる。尚、変形部121の変更は、上記以外の様々な手段を取ることができ、仮想線L2の長さを適宜設定して、操作感を適宜調整できる。
【0043】
例えば、仮想円C上に変形部121と共有連結部122aとが各々少なくとも1つ以上配置されている場合は、そうでない場合に比べて、安定した操作感を得ることができる。共有連結部122aが、外周部12に略均等に配置されている場合、例えば略回転対称に配置されている場合、安定した操作感を得ることができる。変形部121の弾性変形と、連結部122による弾性変形の抑制とが同時に起こることにより、押圧部11が荷重に対し滑らかに変位するので、柔軟な操作感を与えることができるためである。
【0044】
例えば、外周部12がドーム形状なので、変形部121が弾性変形しやすくなり、柔軟な操作感を与えることができる。
【0045】
変形部121を側面から見たときに、外周部12のうち底面側のみが凹んだ形状となっている。上面側に形状が現れないので、キートップ1の表面のデザインの自由度を高めることができる。例えば、複数のキートップがあるときに、各々のキートップ1の変形部121の違いや、それによる操作感の違いがあっても、表面に形状が現れないので、外観を揃えることができる。尚、外周部12の上面側に凹形状又は凸形状を設けたり、外周部12に貫通孔を設けたりすることを禁止するものではない。
【0046】
本実施形態に係るキートップ1を用いるスイッチ9は、支持部131がケース8に支持されており、押圧部11が押圧されても支持部は上下方向に変位しないので、接触部112は、押圧部11の変位に伴い変位し、スイッチ9のクリック部61を押圧することができる。外側周縁部132、内側周縁部133がケース8と当接可能なので、支持部131の側面方向への変位も規制されている。これにより、操作感を安定させることができる。
【0047】
スイッチ9は、キートップ1の変形部121の形状等を変えることで、キートップ1のみでも異なる操作感を与えることができるので、同じスイッチ部品6を用いながら、異なる操作感を与えることができる。さらに、スイッチ9は、スイッチ部品6の操作感を変えることで、キートップ1の操作感とスイッチ部品6の操作感を組み合わせた操作感を与えることができる。
【0048】
(第2実施形態)
図3に示されている、本発明の第2実施形態に係るキートップ2について説明する。尚、本実施形態のキートップも、基本的には第1実施形態と同様なので、以下は両者の差異点を中心に説明し、同様の箇所については説明を省略する。また、第1実施形態と対応する箇所には、同一の符号を付して説明する。
【0049】
本実施形態に係るキートップ2は、押圧部11と、外周部22と、周縁部13とを備えている。外周部22には、変形部221と、連結部222とを有している。連結部222は、外周部22において変形部221ではない部分のことである。尚、連結部222は、仮想円C上において変形部221の間に配置される場合と、当該仮想円C上に連結部222のみが配置される場合とがある。以降の説明において、前者を共有連結部222a、後者を単独連結部222bとする場合がある。
【0050】
本実施形態に係る外周部22は、第1実施形態に係る外周部12と比べて、変形部221の配置が異なり、外周部22における連結部222の配置が異なる。
【0051】
変形部221は、キートップ2を側面から見たときに薄肉となっている部分である。変形部221は、底面側のみが凹んだ形状となっている。以下の説明において、変形部221は、薄肉部分のうちの1つを指す場合と、複数の薄肉部分とを指す場合がある。
【0052】
変形部221は、キートップ2を底面側から見たときに長円形状で溝状の薄肉部であり、押圧部11を略中心とする仮想円Cに沿うように湾曲した長円形状である。変形部221は、複数配置されている。変形部221は、外周部22の全体において、幾何学的に配置されている。
【0053】
例えば、同一の仮想円C上に配置されている変形部221は、同形状である。変形部221は、仮想円C上に、略均等に配置されている。同一の仮想円C上に配置されている変形部221は、押圧部11を中心として略点対称に配置され、又は等間隔に配置されている。以下の説明では、変形部221が配置されている仮想円Cを仮想円C1、変形部221が配置されない仮想円Cを仮想円C2と呼ぶこともある。複数の仮想円C1は、押圧部11を中心とする同心円形状であり、少なくとも一部の仮想円C1は、一定間隔で大きさが変わるように配置されている。
【0054】
キートップ2を底面側から見たときに、連結部222は、他の連結部222と連続している。連結部222は、押圧部11と、周縁部13と連続している。
【0055】
仮想直線L1は、押圧部11と支持部131とを通る任意の仮想線である。仮想線L2は、押圧部11から、共有連結部222aを通り、支持部131を結ぶ任意の仮想線である。言い換えると、仮想線L2は、変形部221を通らない、押圧部11と支持部131との最短経路である。仮想直線L1を引いた際に、仮想直線L1上に、変形部221が1つも配置されない箇所がある。言い換えると、各々の仮想円C1上の共有連結部222aが、仮想直線L1上に並ぶように配置されている箇所がある。そのような箇所では、仮想線L2の長さと、前述の仮想直線L1は等しくなる。第1実施形態と比べると、本実施形態の仮想線L2の長さは短くなる。
【0056】
支持部131が、押圧部11を通る仮想線L3について略線対称形状であり、変形部221は、仮想線L3について略線
対称となっている。
図3(a)において、仮想線L3は、変形部221にかからない位置に示されているが、変形部221にかかる位置に引かれていてもよい。
【0057】
尚、変形部221の形状(幅、厚み、長さ、大きさ、湾曲具合)や、溝部としての深さ、外周部22や仮想円Cとの関係(個数、配置の方法)、仮想円Cとの比率は、キートップ2の設定荷重や所望の柔軟性に合わせて適宜変更可能である。
【0058】
よって、本実施形態に係るキートップ2は、第1実施形態に係るキートップ1と同様の効果を得られることの他に、第1実施形態と比べて、押圧部11の変位量を抑えることができる。第1実施形態の仮想線L2に比べて、本実施形態の仮想線L2が短いので、押圧時に変位されにくいためである。本実施形態のように押圧部11から支持部131を通る仮想直線L1上に変形部221が無い場合の仮想線L2の長さは、第1実施形態のような仮想直線L1上に変形部221がある場合の仮想線L2の長さに比べると短くなるので、押圧部11を押圧したときの、変形部221の弾性変形が抑制されやすい。そのため、押圧部11を同じ荷重で押圧した場合、第1実施形態に比べて、本実施形態の押圧部11の変位量は抑えられる。押圧部11の変位量Hを第1実施形態と同等にするには、第1実施形態よりも荷重を大きく設定することとなる。第1実施形態に比べて、本実施形態のキートップ2は、重い操作感を与えることができる。
【0059】
変形部221は、押圧部11を通る仮想線L3について略線対称となっているので、安定した操作感を与えることができる。
【0060】
(第3実施形態)
図4に示されている、本発明の第3実施形態に係るキートップ3について説明する。尚、本実施形態のキートップも、基本的には第1実施形態と同様なので、以下は両者の差異点を中心に説明し、同様の箇所については説明を省略する。また、第1実施形態と対応する箇所には、同一の符号を付して説明する。
【0061】
本実施形態に係るキートップ3は、押圧部11と、外周部32と、周縁部13とを備えている。外周部32には、変形部321と、連結部322とを有している。連結部322は、外周部32において変形部321ではない部分のことである。尚、本実施形態に係るキートップ3には、第1実施形態でいう共有連結部は存在しない。
【0062】
変形部321は、キートップ3を側面から見たときに薄肉となっている部分である。変形部321は、底面側のみが凹んだ形状となっている。以下の説明において、変形部321は、薄肉部分のうちの1つを指す場合と、複数の薄肉部分とを指す場合がある。
【0063】
変形部321は、キートップ3を底面側から見たときにドーナツ形状で溝状の薄肉部であり、押圧部11を略中心とする仮想円Cに沿うように湾曲した形状である。変形部321は、複数配置されている。変形部321は、外周部32の全体において、幾何学的に配置されている。
【0064】
例えば、各々の変形部321は、押圧部11を中心とする、同心円形状である。同一の仮想円C上には、1つの変形部321のみが配置されている。各々の変形部321は、押圧部11を中心として略点対称に配置されている。各々の変形部321の幅と厚みは略同じである。変形部321の長さは、各々の仮想円Cの円周の長さと同一である。以下の説明では、変形部321が配置されている仮想円Cを仮想円C1、変形部321が配置されない仮想円Cを仮想円C2と呼ぶこともある。複数の仮想円C1は、押圧部11を中心とする同心円形状であり、少なくとも一部の仮想円C1は、一定間隔で大きさが変わるように配置されている。
【0065】
連結部322と、他の連結部322とは連続していない。押圧部11と、連結部322と、周縁部13とは連続していない。同一の仮想円C上には、1つの連結部322のみが配置されている。
【0066】
押圧部11を略中心とする仮想円C1上には、変形部321のみが1つ配置されている。押圧部11を略中心とする仮想円C2上には、連結部322のみが1つ配置されている。
【0067】
仮想直線L1は、押圧部11と支持部131とを通る任意の仮想線である。仮想直線L1をどのように引いても、仮想直線L1上には、変形部321が少なくとも1つ以上配置されている。共有連結部がないので、仮想線L2は想定されない。
【0068】
支持部131が、押圧部11を通る仮想線L3について略線対称形状であり、変形部321は、仮想線L3について略線対称となっている。
【0069】
尚、変形部321の形状(幅、厚み、大きさ、湾曲具合)や、溝部としての深さ、外周部32や仮想円Cとの関係(個数、配置方法)は、キートップ3の設定荷重や所望の柔軟性に合わせて適宜変更可能である。
【0070】
よって、本実施形態に係るキートップ3は、押圧部11を上方向から下向きに押圧すると、変形部321が弾性変形し、押圧部11を押圧した方向である下方向へ変位させることができる。押圧部11を押圧したときに、変形部321の弾性変形により、キートップ3に柔軟性を持たせることができるので、キートップ3のみでも操作感を与えることができる。
【0071】
第1実施形態と比べて、押圧部11の変位量Hを大きくできる。本実施形態に係るキートップ3には共有連結部が存在しないので、共有連結部によって変形部321の変形が抑制されることがない。そのため、同じ荷重で押圧された場合、第1実施形態よりも押圧部11の変位量を大きくすることができる。従って、変位量H1を第1実施形態と同等にするには、第1実施形態より荷重を小さく設定することができる。
【0072】
連結部322と、他の連結部322とは連続していない。押圧部11と、連結部322と、周縁部13とが連続していない。そのため、押圧部を押圧したときに、全ての変形部321と全ての連結部322とに同時に力が加わるとは限らない。変形部321の弾性変形と、連結部322による弾性変形の抑制とが同時に起こらない場合がある。
【0073】
押圧部11を押圧すると、押圧部に近い変形部321から、押圧部から遠い変形部321へと、段階的に弾性変形が開始される。各々の変形部321の弾性変形の開始時点が異なるので、押圧部の変位も段階的となる。第1実施形態に比べて、本実施形態のキートップ3は、段階的な操作感を与えることができる。
【0074】
図5は、第1から第3に係る実施形態のキートップの押圧部11を下方向へ押圧したときの押圧荷重と、接触部112の下方向への変位量Hを表すグラフである。接触部112を約0.3mm変位させるのに必要な荷重は、第1実施形態に係るキートップ1は約6.4N、第2実施形態に係るキートップ2は約7.5N、第3実施形態に係るキートップ3は約4.9Nである。
【0075】
変形部又は連結部の違いにより、荷重に対する変位量Hを異ならせることができる。
【0076】
第1実施形態又は第2実施形態に係るキートップは、上述の通り、同一の仮想円C上に変形部121(221)と連結部122(222)とを有しているので、変形部121(221)の弾性変形と、連結部122(222)による弾性変形の抑制とが同時に働くことにより、柔軟な操作感を与えることができる。連結部122(222)同士が連続しているので、柔軟な操作感を与えることができる。押圧部11と、連結部122(222)と、周縁部13とが連続しているので、柔軟な操作感を与えることができる。
【0077】
第2実施形態に係るキートップ2は、第1実施形態に係るキートップ1と比べると、変形部221の配置が異なるので、第1実施形態に係るキートップ1よりも高い荷重を必要とする。変形部221は、押圧部11を通る仮想線L3について略線対称となっているので、安定した操作感を与えることができる。
【0078】
第3実施形態に係るキートップ3は、仮想円C上に共有連結部が配置されていないので、変形部321の弾性変形に対し連結部322の抑制力が働きにくく、より低い荷重で押圧部11を変位させることができる。また、押圧部11と、連結部322と、周縁部13とが連続していないので、段階的な操作感を与えることができる。変形部321は、押圧部11を通る仮想線L3について略線対称となっているので、安定した操作感を与えることができる。
【0079】
<他の実施形態>
図6に示すように、キートップ4を底面側から見たときに、変形部421は、外周部42の一部にのみ配置してもよい。
図6では、変形部421を外周部42の周縁部13側に配置しているが、外周部42の押圧部11側など任意の場所に配置できる。変形部421は、丸穴形状であっても良い。又は他の形状であってもよい。異なる形状を組み合わせて用いても良い。外周部42に、変形部421と共有連結部422aが配置され、単独連結部が配置されないようにしてもよい。
【0080】
図7(a)に示すように、変形部521aは、キートップを側面から見たときに、上面側が凹んだ形状であってもよい。又は、
図7(b)に示すように、変形部521bは、上面側と底面側が共に凹む形状であってもよい。異なる形状の変形部を組み合わせて用いても良い。
【0081】
キートップは、底面側から見たときに、円形状でなくてもよい。例えば、長円形状や、四角形状であっても良い。複数の連結部のうち、一部の連結部のみを連続させてもよい。押圧部と、連結部とを連続させ、他の連結部と周縁部とを連続させてもよい。押圧部は、キートップの略中央以外の位置にあってもよい。円形状のキートップの押圧部が、略中央以外の位置にあるときに、仮想円は、押圧部を中心としてもよいし、他の方法で仮想円を決めても良い。例えば、押圧部と支持部との距離の比率に基づく仮想等比線とすることもできる。押圧部の位置に関わらず、仮想円は、外周部の高さに基づく仮想等高線としてもよい。仮想円は、実際には円形状でなくてもよい。例えば多角形状であってもよい。外周部はドーム形状でなくても良い。例えば平坦であってもよい。支持部は、複数あってもよい。各々の支持部がケースの各々の当接部に当接して、キートップを支えることができる。キートップは、ドーム形状でなくても良い。例えば平坦であってもよい。キートップは、樹脂以外の材料により成形されていてもよい。押圧部や支持部は、外周部とは異なる材料で成形されていてもよい。
【0082】
スイッチ部品は、他の触覚部品であってもよい。例えば、押圧による入力切替を必要としない場合、スイッチ部品は単なるスプリングやゴム等の弾性体であってもよい。スイッチ部品は、押圧による操作感を有していなくてもよい。例えば、近接により動作するものであってもよい。
【0083】
キートップと、スイッチ部品との間に、さらに触覚部品を配置してもよい。キートップの操作感とスイッチの操作感とに加えて、追加の触覚部品の操作感を組み合わせた操作感を与えることができてもよい。キートップや支持体、ケースは同一部品であっても良い。例えば、キートップがケースの一部となっていてもよい。キートップとケースとの間の隙間が減ることで、ケース内部に水や油、埃等が入りにくくなる。キートップの支持部に相当する部分は、押圧操作により不必要な変位や変形を生じないよう、十分な剛性を有することが望ましい。スイッチ部品や支持体、ケースは同一部品であっても良い。スイッチ部品と支持体、スイッチ部品とケース、又は支持体とケースとが同一部品でもよい。いずれの場合も、部品点数の削減となる。また、組立が容易となる。
【0084】
以上説明した各実施形態から、キートップ及びスイッチを次のように構成することができる。
(構成1)
キートップであって、前記キートップは、押圧部と、支持部と、外周部とを有し、前記外周部は、前記押圧部と前記支持部との間に配置されて、前記押圧部の周囲を囲んでおり、少なくとも前記外周部は、弾性変形可能な材料からなり、変形部を有しており、前記変形部は、前記外周部における複数の溝状の薄肉部分であり、前記変形部は、前記キートップを上面又は底面側から見た場合に、前記押圧部を略中心とする大きさの異なる複数の仮想円のそれぞれに沿うように湾曲しており、前記複数の仮想円のそれぞれに薄肉部分が複数配置され、前記外周部には、さらに連結部を有し、前記連結部は、前記押圧部の変位を抑制する抑制部として機能し、前記連結部は、他の前記連結部と連続し、前記連結部には共有連結部が含まれ、前記複数の前記仮想円のそれぞれに、前記変形部と同数の前記共有連結部とをそれぞれ有し、同一の前記仮想円上に配置されている前記変形部の長さは略等しく、前記変形部の長さは同一の前記仮想円上に配置されている前記共有連結部より長く、前記共有連結部は、前記複数の前記仮想円のそれぞれに略均等に配置され、前記押圧部を押圧したときに、前記変形部の弾性変形により、前記押圧部が変位することを特徴とする、キートップ。
(構成2)
前記変形部は、前記外周部のうち底面側のみが凹んだ形状となっていることを特徴とする、請求項1に記載のキートップ。
(構成3)
前記押圧部を押圧したときに、前記変形部の弾性変形により、前記押圧部が押圧した方向へ変位することを特徴とする、請求項1又は2に記載のキートップ。
(構成4)
前記外周部はドーム形状であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のキートップ。
(構成5)
前記変形部は、外周部に略均等に配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のキートップ。
(構成6)
前記押圧部を通る仮想線上の少なくとも1箇所以上に、前記変形部が配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のキートップ。
(構成7)
前記支持部が、前記押圧部を通る仮想線について略線対称形状であるときは、前記変形部は、前記仮想線について略線対称となるように配置されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のキートップ。
(構成8)
請求項1から7のいずれかのキートップを備えるスイッチ。
【符号の説明】
【0085】
1、2、3、4、5 キートップ
11 押圧部
111 押圧面
112 接触部
113 内壁部
12、22、32、42、52 外周部
121、221、321、421、521a、521b 変形部
122、222、322、422 連結部
122a、222a、422a 共有連結部
122b、222b 単独連結部
13 周縁部
131 支持部
132 外側周縁部
132a 内側壁部
133 内側周縁部
133a 外側壁部
6 スイッチ部品
61 クリック部
62 固定部
7 支持体
71 固定部
8 ケース
81 当接部
9 スイッチ
C、C1、C2 仮想円
L、L1、L2、L3 仮想線(仮想直線)
H、H1、H2 変位量
【要約】
【課題】剛体であったキートップを弾性変形可能とすることにより、所望の操作感を得ることのできるキートップ及びスイッチを提供する。
【解決手段】キートップ1は、押圧部11と、支持部131と、外周部12とを有し、前記外周部12は、前記押圧部11と前記支持部131との間に配置されて、前記押圧部11の周囲を囲んでおり、少なくとも前記外周部12は、弾性変形可能な材料からなり、変形部121を有しており、前記変形部121は、前記外周部12における薄肉部分であり、前記押圧部11を押圧したときに、前記変形部121の弾性変形により、前記押圧部11が変位する。
【選択図】
図2