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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】表示部の支持機構
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241202BHJP
   A63F 5/04 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
A63F7/02 352L
A63F5/04 691A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024104122
(22)【出願日】2024-06-27
【審査請求日】2024-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000128485
【氏名又は名称】株式会社オーイズミ
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】白倉 紀彦
【審査官】小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-23170(JP,A)
【文献】特開2019-93300(JP,A)
【文献】山田学,「長さや形状、支点を変えて、四節リンクを自由自在!」,[online],2011年06月20日,[検索日 2024.11.13], インターネット<URL: https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1106/20/news005.htm>,特に第1頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の側方に配置される台間機に用いられる表示部の支持機構であって、
前記支持機構は、
前記台間機に設けられ水平方向の長さを有する基部リンクと、
前記表示部に設けられ水平方向の長さが前記基部リンクよりも短い先部リンクと、
前記基部リンクの長さ方向の両端に長さ方向の一端が回転可能に結合されて前記台間機から離れる方向に突出し長さ方向の他端が前記先部リンクの両端に回転可能に結合された一対の揺動リンクと、からなる4節リンク機構で構成されている、
ことを特徴とする表示部の支持機構。
【請求項2】
前記基部リンクの長さ方向の一端と、前記一対の揺動リンクのうちの一方の揺動リンクの長さ方向の一端とは第1支軸を介して揺動可能に結合され、
前記基部リンクの長さ方向の他端と、前記一対の揺動リンクのうちの他方の揺動リンクの長さ方向の一端とは第2支軸を介して揺動可能に結合され、
前記先部リンクの長さ方向の一端と、前記一対の揺動リンクのうちの一方の揺動リンクの長さ方向の他端とは第3支軸を介して揺動可能に結合され、
前記先部リンクの長さ方向の他端と、前記一対の揺動リンクのうちの他方の揺動リンクの長さ方向の他端とは第4支軸を介して揺動可能に結合され、
前記第1支軸と前記第2支軸と前記第3支軸と前記第4支軸とは平行しており、
前記第1支軸と前記第2支軸とは上下方向の高さが異なり、
前記第1支軸と前記第3支軸とは同じ高さに設けられると共に、前記第2支軸と前記第4支軸とは同じ高さに設けられ、
前記一対の揺動リンクは、前記台間機から離れる方向に延在し、前記一対の揺動リンクの揺動時に互いに干渉しない、
ことを特徴とする請求項1記載の表示部の支持機構。
【請求項3】
前記一対の揺動リンクの長さ方向の一端寄りの箇所に、互いに近づく方向に突出する屈曲部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の表示部の支持機構。
【請求項4】
前記基部リンクは、台間機の水平方向において離れた箇所に設けられた一対の基端側ヒンジを含んで構成され、
前記先部リンクは、表示部の水平方向において離れた箇所に設けられた一対の先端側ヒンジを含んで構成され、
前記基端側ヒンジは、基端側支軸と、前記基端側支軸に揺動可能に結合され前記台間機に取り付けられる台間機取り付け用基端フランジと、前記基端側支軸に揺動可能に結合された基端側フランジとを有し、
先端側ヒンジは、先端側支軸と、前記先端側支軸に揺動可能に結合され前記表示部に取り付けられる表示部取り付け用先端フランジと、前記先端側支軸に揺動可能に結合された先端側フランジとを有し、
前記基端側フランジと前記先端側フランジとを連結する中間プレートが設けられ、
前記一対の揺動リンクは、前記基端側フランジと前記先端側フランジと前記中間プレートとを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の表示部の支持機構。
【請求項5】
前記中間プレートは、前記基端側フランジに取り付けられる基端側フランジ用取り付け板部と、前記先端側フランジに取り付けられる先端側フランジ用取り付け板部とを有し、
前記基端側フランジ用取り付け板部と前記先端側フランジ用取り付け板部とが屈曲部を介して接続され、
前記屈曲部により、前記一対の揺動リンクに互いに近づく方向に突出する屈曲部が形成されている、
ことを特徴とする請求項4記載の表示部の支持機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の台間機に用いられる表示部の支持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技店には、パチンコ台やスロット台のような遊技機が並べて配置され、各遊技機に隣接してパチンコ玉やメダル(遊技媒体)の払い出しを行なう遊技媒体貸出機(台間機)が配置されている。
遊技媒体貸出機は、筐体を備え、利用者が貨幣を貨幣投入口に投入することで、あるいは、所定のカード媒体をカード挿入口に挿入することで、筐体内部の払い出しホッパによりパチンコ玉やメダルの払い出しを行なう。
このような遊技媒体貸出機として、液晶モニタなどの表示部を設け、表示部に遊技媒体の払い出し数や獲得した遊技媒体の獲得数などの情報を表示させるようにしたものが提供されている。
【0003】
ところで、近年、遊技媒体を投入することなく遊技を行なうことができる遊技機が開発されており、このような遊技機がパチンコ台の場合は管理遊技機と呼ばれ、スロット台の場合はメダルレス遊技機と呼ばれている。
このような管理遊技機やメダルレス遊技機を利用する場合、遊技媒体を払い出す遊技媒体貸出機に代えて、貨幣を投入することで、あるいは、カードを挿入することで遊技価値情報を管理遊技機やメダルレス遊技機に送信し、管理遊技機やメダルレス遊技機での遊技を可能とする台間機をそれら遊技機に併設することになる。
このような台間機は、遊技媒体の払い出しを行なう必要がないため、管理遊技機用の台間機とメダルレス遊技機用の台間機とは、ソフトウェアの相違はあるもののハードウェアおよび外形寸法が同じ台間機を使用することができる。
【0004】
従来、遊技機がパチンコ台の場合、遊技媒体貸出機はパチンコ台の左側に配置されることが多く、遊技機がスロット台の場合、遊技媒体貸出機はスロット台の右側に配置されることが多い。これは、スロット台の左側に遊技媒体貸出機を配置した場合、スロット台の左側に設けられたヒンジを介してスロット台の扉を開放すると、スロット台の扉が構造的に分厚いため、スロット台の扉が遊技媒体貸出機のノズルと干渉するので、これを避けるためなどの理由による。
したがって、長年、パチンコ台、スロット台を利用してきた利用者にとっては、パチンコ台に対応する管理遊技機の場合はその左側に台間機を配置し、スロット台に対応するメダルレス遊技機の場合はその右側に台間機を配置することが違和感なく遊技を行なう上で有利である。
【0005】
そこで、本出願人は、台間機を遊技機の左側あるいは右側の何れにも配置できるようにした2種類の表示部の支持機構を提案している。
すなわち、1つ目の表示部の支持機構は、表示部の幅方向の一側に基部取り付け部を設けると共に、台間機の正面板に筐体取り付け部を設け、基部取り付け部を筐体取り付け部に対して表示部が上下反転した第1取り付け位置と第2取り付け位置との双方に切り替えて取り付け、かつ、基部取り付け部において表示部を左右方向に傾倒可能に設けたものである(特許文献1参照)。
また、2つ目の表示部の支持機構は、台間機の正面板から突設された表示部支承部によって表示部の鉛直方向の端部でかつ幅方向の中間部を鉛直方向の軸線回りに揺動可能に支持し、表示部を左右方向に傾倒可能にしたものである(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-093300公報
【文献】特開2019―093221公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前者のものでは、表示部を上下反転して取り付ける作業が発生することや、表示部に表示される画面の上下方向が正しく表示されるようにソフトウェアを切り替える操作を行なう必要があり、台間機の設置に要するコストがかかる不利がある。
また、後者のものでは、表示部を傾倒した状態で台間機の前面扉を開閉した際に、表示部のうち前面扉寄りの部分が前面扉に近接することから、表示部の幅が大きくなった場合に、表示部と前面扉が干渉するおそれがあり、遊技機のメンテナンス作業を効率よく行なう上で不利がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、台間機を遊技機の左側あるいは右側の何れにも配置できることは無論のこと、台間機の設置コストを削減すると共に、表示部の幅を大きく確保しても遊技機のメンテナンス作業を効率よく行なう上で有利な表示部の支持機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、遊技機の側方に配置される台間機に用いられる表示部の支持機構であって、前記支持機構は、前記台間機に設けられ水平方向の長さを有する基部リンクと、前記表示部に設けられ水平方向の長さが前記基部リンクよりも短い先部リンクと、前記基部リンクの長さ方向の両端に長さ方向の一端が回転可能に結合されて前記台間機から離れる方向に突出し長さ方向の他端が前記先部リンクの両端に回転可能に結合された一対の揺動リンクとからなる4節リンク機構で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記基部リンクの長さ方向の一端と、前記一対の揺動リンクのうちの一方の揺動リンクの長さ方向の一端とは第1支軸を介して揺動可能に結合され、前記基部リンクの長さ方向の他端と、前記一対の揺動リンクのうちの他方の揺動リンクの長さ方向の一端とは第2支軸を介して揺動可能に結合され、前記先部リンクの長さ方向の一端と、前記一対の揺動リンクのうちの一方の揺動リンクの長さ方向の他端とは第3支軸を介して揺動可能に結合され、前記先部リンクの長さ方向の他端と、前記一対の揺動リンクのうちの他方の揺動リンクの長さ方向の他端とは第4支軸を介して揺動可能に結合され、前記第1支軸と前記第2支軸と前記第3支軸と前記第4支軸とは平行しており、前記第1支軸と前記第2支軸とは上下方向の高さが異なり、前記第1支軸と前記第3支軸とは同じ高さに設けられると共に、前記第2支軸と前記第4支軸とは同じ高さに設けられ、前記一対の揺動リンクは、前記台間機から離れる方向に延在し、前記一対の揺動リンクの揺動時に互いに干渉しないことを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記一対の揺動リンクの長さ方向の一端寄りの箇所に、互いに近づく方向に突出する屈曲部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記基部リンクは、台間機の水平方向において離れた箇所に設けられた一対の基端側ヒンジを含んで構成され、前記先部リンクは、表示部の水平方向において離れた箇所に設けられた一対の先端側ヒンジを含んで構成され、前記基端側ヒンジは、基端側支軸と、前記基端側支軸に揺動可能に結合され前記台間機に取り付けられる台間機取り付け用基端フランジと、前記基端側支軸に揺動可能に結合された基端側フランジとを有し、先端側ヒンジは、先端側支軸と、前記先端側支軸に揺動可能に結合され前記表示部に取り付けられる表示部取り付け用先端フランジと、前記先端側支軸に揺動可能に結合された先端側フランジとを有し、前記基端側フランジと前記先端側フランジとを連結する中間プレートが設けられ、前記一対の揺動リンクは、前記基端側フランジと前記先端側フランジと前記中間プレートとを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記中間プレートは、前記基端側フランジに取り付けられる基端側フランジ用取り付け板部と、前記先端側フランジに取り付けられる先端側フランジ用取り付け板部とを有し、前記基端側フランジ用取り付け板部と前記先端側フランジ用取り付け板部とが屈曲部を介して接続され、前記屈曲部により、前記一対の揺動リンクに互いに近づく方向に突出する屈曲部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施の形態によれば、表示部を支持する支持機構を、台間機に設けられた基部リンクと、表示部に設けられ水平方向の長さが基部リンクよりも短い先部リンクと、基部リンクの長さ方向の両端に長さ方向の一端が回転可能に結合されて長さ方向の他端が先部リンクの両端に回転可能に結合された一対の揺動リンクとからなる4節リンク機構で構成したので、表示部が遊技機側に最も傾けられた状態で、先部リンクが遊技機から離れる方向に移動するので、表示部の幅を大きくした場合であっても、正面視した場合、遊技機側に位置する表示部の端部を台間機の輪郭内に収めることができる。
したがって、遊技機の扉を開閉する際、表示部が邪魔にならず、扉の開閉を円滑に行なえ、遊技機のメンテナンス作業を効率よく行なう上で有利となる。また、表示部を上下反転して取り付ける必要がなく、ソフトウェアの切り替え操作も不要となるため、台間機の設置に要するコストの低減を図る上で有利となる。
また、一対の揺動リンクが台間機から離れる方向に延在し、一対の揺動リンクの揺動時に互いに干渉しないように構成すると、表示部を遊技機側に大きく傾ける上で有利となり、遊技者が見やすい箇所に表示部を向ける上で有利となる。
また、一対の揺動リンクの長さ方向の一端寄りの箇所に、互いに近づく方向に突出する屈曲部を設けると、表示部を大きく傾けた際に表示部が一対の揺動リンクに干渉することはなく、表示部を遊技機側に大きく傾けることができ、遊技者が見やすい箇所に表示部を向ける上で有利となる。
また、一対の揺動リンクを、基端側フランジと先端側フランジと中間プレートとを含んで構成すると、市販品である2つの基端側ヒンジおよび2つの先端側ヒンジと、2枚の中間プレートにより簡単に確実に4節リンク機構を構成でき、安価な4節リンク機構からなる表示部の支持機構を簡単に確実に製造する上で有利となる。
また、一対の揺動リンクに互いに近づく方向に突出する屈曲部が形成されていると、表示部を大きく傾けた際に表示部が一対の揺動リンクに干渉することはなく、表示部を遊技機側に大きく傾ける上で有利となり、遊技者が見やすい箇所に表示部を向ける上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る台間機の斜視図であり、表示部を右側に傾倒させた状態を示す。
図2】実施の形態に係る台間機の斜視図であり、表示部を左側に傾倒させた状態を示す。
図3図2を表示部の背面側から見た台間機の斜視図である。
図4】遊技機の右側に台間機が設置された状態を示す斜視図である。
図5】遊技機の左側に台間機が設置された状態を示す斜視図である。
図6】(A)は遊技機の左側に台間機が設置された状態を示す平面図、(B)は(A)の正面図、(C)は遊技機の右側に台間機が設置された状態を示す平面図、(D)は(C)の正面図である。
図7】実施の形態における台間機および周辺装置の構成を示すブロック図である。
図8】実施の形態に係る表示部の支持機構の平面図であり、表示部がニュートラル位置に位置した状態を示す。
図9】実施の形態に係る表示部の支持機構の平面図であり、表示部がニュートラル位置よりも右側に傾倒した状態を示す。
図10】実施の形態に係る表示部の支持機構の平面図であり、表示部が最も右側に傾倒した状態を示す。
図11】実施の形態に係る表示部の支持機構の平面図であり、表示部がニュートラル位置よりも左側に傾倒した状態を示す。
図12】実施の形態に係る表示部の支持機構の平面図であり、表示部が最も左側に傾倒した状態を示す。
図13】実施の形態に係る表示部の支持機構を構成する4節リンク機構を示す模式図である。
図14】第1ヒンジと中間プレートの分解斜視図である。
図15】第1ヒンジおよび中間プレートに対する第1カバーの組み付けを説明する斜視図である。
図16】第1ヒンジ、中間プレート、第1カバーに対する第3ヒンジの組み付けを説明する斜視図である。
図17】第1ヒンジ、中間プレート、第1カバー、第3ヒンジの組み付け後の斜視図である。
図18】中間プレートに対する第2ヒンジの組み付けを説明する斜視図である。
図19】第2ヒンジおよび中間プレートに対する第3カバーの組み付けを説明する斜視図である。
図20】第2ヒンジ、中間プレート、第3カバーに対する第4ヒンジの組み付けを説明する斜視図である。
図21】第2ヒンジ、中間プレート、第3カバー、第4ヒンジの組み付け後の斜視図である。
図22】(A)は台間機に対する表示部の支持機構の組み付けを説明する斜視図、(B)は(A)の平面図である。
図23】台間機に対する表示部の支持機構の組み付けを説明する斜視図である。
図24】(A)は台間機に対する表示部の支持機構の組み付けを説明する斜視図、(B)は(A)を異なる向きから見た斜視図である。
図25】表示部の背面部に対する第3ヒンジ、第4ヒンジの組み付けを説明する斜視図である。
図26】表示部の前面部と台間機に組み付けられた後面部とを分解した状態を示す斜視図である。
図27】台間機側から見た表示部の支持機構の斜視図である。
図28】(A)は第1カバーに対する第2カバーの組み付けを説明する斜視図、(B)は(A)の平面図である。
図29】(A)は第3カバーに対する第4カバーの組み付けを説明する斜視図、(B)は(A)の平面図である。
図30】表示部の支持機構の分解斜視図であり、第1、第2、第3、第4カバーを省いたものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図4図6に示すように、台間機10は、遊技機12の側方に配置されるものである。
本実施の形態では、遊技機12が、メダル(遊技媒体)を投入することなく遊技を行なうスロット台であるメダルレス遊技機12Bである場合について説明するが、遊技機12は、パチンコ玉(遊技媒体)を投入することなく遊技を行なうパチンコ台である管理遊技機12であってもよいことは無論である。
図1図7に示すように、台間機10は、筐体14と、状態表示ランプ16と、紙幣硬貨処理部18と、制御部20と、カードリーダライタ22と、表示部24などを含んで構成されている。
【0012】
筐体14は、縦長直方体形状を呈し、底板1402と、底板1402の両側から起立する一対の側面板1404と、底板1402の前後から起立する正面板1406および背面板1408と、それら側面板1404、正面板1406、背面板1408の上端を接続する天板1410とを備え、中空状に構成されている。
筐体14の内部には、上から順番に紙幣硬貨処理部18、制御部20、カードリーダライタ22が収納され、正面板1406には、上から順番に状態表示ランプ16、貨幣投入口1412、表示部24、払い出しボタン1416、貸出ボタン1418、カード返却ボタン1420、カード挿入口1414が設けられている。なお、それらボタン1416、1418、1420は、図7に示す操作ボタン17を構成している。
【0013】
状態表示ランプ16は、台間機10の状態を表示するものであり、正面板1406の上端に設けられている。
紙幣硬貨処理部18は、貨幣投入口1412を含んで構成され、貨幣投入口1412から利用者が投入する紙幣や硬貨等の通貨を識別すると共に、通貨価値や当該紙幣硬貨処理部18におけるステータス情報を出力する。
制御部20は、台間機10の各種制御を行なうものであり、具体的な構成については後述する。
カードリーダライタ22は、カード挿入口1414から利用者により挿入されたカードの識別情報や遊技価値、通貨価値等の情報を読み取って後述する情報処理部20A(図7参照)に出力すると共に、当該カードリーダライタ22におけるステータス情報を情報処理部20Aに出力する。また、情報処理部20Aの指令に基づいて、各種情報をカードに書き込む処理を行う。
また、カードリーダライタ22内に一般カードのストック部を設けることによって、一般カードの発行や回収を行うこともできる。
また、カード取込式のカードリーダライタ22に代えて、一般的にNFC(Near Field Communication:近距離無線通信規格)で用いられているカードリーダライタ(近距離無線通信用のアンテナが筐体14の表面に設けられている形式)を用いることも可能である。その場合には、利用者により筐体14の表面に配置されているアンテナにかざされた非接触式ICカードに関して上記と同様の処理を行なう。
【0014】
表示部24は、利用者に提供すべき情報を表示するものであり、本発明に係る表示部の支持機構を介して筐体14の正面板1406に傾倒可能に支持されている。
【0015】
次に図7を参照して台間機10と周辺装置の構成について詳細に説明する。
台間機10の制御部20は、情報処理部20Aと、遊技価値管理部20Bと、通信IF20Cと、入出力ポート(I/O)20Dとを備えている。
【0016】
情報処理部20Aは、CPU(中央情報処理装置)、ROM、RAM等から構成され、台間機10に搭載されている周辺機器に対する各種の制御や処理をプログラムに基づいて行う。
【0017】
遊技価値管理部20Bは、遊技機12との間で情報の送受信を行う。遊技価値管理部20Bが遊技価値情報を遊技機12に送信すると、当該遊技価値情報を受信した遊技機12において遊技の実行が可能となる。遊技機12において遊技が終了した際には、遊技機12が遊技価値情報を出力するので、遊技価値管理部20Bは当該遊技価値情報を受信する。また、接続されている遊技機12の遊技機情報(機種情報、性能情報、設置情報、遊技価値のIN・OUT情報、不正監視情報等)や、遊技状態情報(ボーナス情報、アシストタイム情報、確変情報、時短情報等)を取得することもできる。
【0018】
通信IF20Cは、上位の装置100、102(持玉あるいは持メダルサーバ、貯玉あるいは貯メダルサーバ、プリペイドサーバ、呼出ボタン、ホールコンピュータ等)と各種情報の送受信を行うポートである。
通信IF20Cにて送受信する情報は、例えば紙幣硬貨処理部18に挿入又は投入された通貨の通貨価値情報、紙幣硬貨処理部18におけるステータス情報、カードリーダライタ22が読み取ったカード情報、カードに書き込む書込情報、カードリーダライタ22におけるステータス情報、遊技価値管理部20Bが遊技機12に出力した遊技価値情報、遊技価値管理部20Bが遊技機12から取得した遊技価値情報や遊技機12情報、遊技状態情報、会員情報、持玉あるいは持メダル情報、当該台間機10に対して利用者が行った操作情報、当該台間機10におけるステータス情報、その他の情報が含まれる。
【0019】
入出力ポート20Dは、利用者が操作する後述する表示部24に表示される不図示の操作ボタンの押下状況や、スイッチ等の接点状況を読み取って、その情報を情報処理部20Aに伝達する。
また、入出力ポート20Dは、状態表示ランプ16等の点灯や、音の発生を制御する。
また、入出力ポート20Dは、外部表示器104に表示情報を出力したり、外部の紙幣硬貨搬送装置106との間で紙幣、硬貨の搬送に関する情報の入出力を行うことができる。
また、入出力ポート20Dは、表示部24に利用者に提供すべき情報を出力する。
【0020】
利用者が遊技機12を用いて遊技を行う場合には、例えば紙幣を紙幣硬貨処理部18に挿入して、通貨価値を台間機10に移行させる。次に、利用者が貸出ボタン1418を操作すると、台間機10は通貨価値を遊技価値に変換した遊技価値情報を生成して遊技機12に出力する。遊技機12では、台間機10から取得した遊技価値情報に基づいて遊技を実行することが可能となる。
なお、台間機10は、カードと関連付けられている通貨情報、持玉あるいは持メダル情報、又は貯玉あるいは貯メダル情報に基づいて遊技価値情報を生成して遊技機12に出力することもできる。
【0021】
遊技が終了して利用者が遊技機12に設けられている計数ボタンを押すと、遊技機12は遊技価値情報を台間機10に出力する。台間機10は、遊技機12から取得した遊技価値情報を持玉あるいは持メダル情報に変換する。利用者がカード返却ボタン1420を押すと、持玉あるいは持メダル情報を会員カード又は一般カードに書き込んで排出する。また、カードリーダライタ22が非接触型ICカードに対応したものであった場合には、利用者がカードリーダライタ22にかざしたカード(非接触型ICカード)に持玉あるいは持メダル情報を書き込むこともできる。
【0022】
図1図3に示すように、表示部24は、表示部用筐体28と、表示器30と、タッチパネル32とを含んで構成され、表示部24は、筐体14に設けられた支持機構により傾倒可能に支持されている。
図1図3に示すように、表示部用筐体28は、上下に縦長の矩形板状を呈し、矩形板状の背面部2802と、背面部2802の長さ方向の両端から起立する上面部2804および下面部2806と、背面部2802の長さ方向と直交する幅方向の両端から起立する一対の側面部2808と、上面部2804、下面部2806、一対の側面部2808を接続する矩形枠状の前面部2810とを備え、前面部2810の内側に矩形状の開口部2812が形成されている。
【0023】
表示器30は、例えば、液晶パネルや有機ELパネルで構成され、細長の矩形板状を呈し、長手方向を一致させて表示部用筐体28の内部に収容保持されている。
表示器30は、利用者に提供すべき情報を表示する表示面30Aを有し、表示面30Aは矩形状を呈し、開口部2812から露出され、表示面30Aは表示部用筐体28の厚さ方向の一方の面に設けられている。
利用者に提供すべき情報は、例えば、紙幣硬貨処理部18に紙幣が挿入されている状況や硬貨が投入されている状況、挿入又は投入された通貨価値、カードリーダライタ22によるカードの読み取り状況、カードの種別、カードに記録されている情報、会員情報、持玉あるいは持メダルの情報、持玉共有あるいは持メダル共有に関する情報、貯玉あるいは貯メダル情報、貯玉あるいは貯メダル乗入れに関する情報、遊技機12にて使用可能な遊技価値に関する情報、遊技機12から取得した遊技価値に関する情報、次に利用者が行う操作に関する情報、当該台間機10の状態、通信状況、エラー情報、メンテナンス情報、広告、案内等である。
【0024】
タッチパネル32は、表示面30Aの表面に重ね合わせて設けられており、表示面30Aに不図示の操作ボタンが表示されることで、利用者がそれら操作ボタンをタッチすることにより、操作がなされるように構成されている。
すなわち、表示面30Aに表示される操作ボタンは、例えば、カード返却ボタン、遊技価値の貸出ボタン、会員カード等の暗証番号入力ボタン、取消ボタン、決定ボタン、カーソルキー、表示切替ボタン、持玉あるいは持メダルの共有ボタン、貯玉あるいは貯メダル乗入れに関する操作ボタン、メンテナンス用のカード回収ボタン、情報表示ボタン、休憩モードに関するボタン、リセットボタン等である。
【0025】
次に、表示部の支持機構について詳細に説明する。
表示部の支持機構は、図8図13に示すように、台間機10に設けられ水平方向の長さを有する基部リンク34と、表示部24に設けられ水平方向の長さが基部リンク34よりも短い先部リンク36と、基部リンク34の長さ方向の両端に長さ方向の一端が回転可能に結合されて台間機10から離れる方向に突出して水平方向に延在し、長さ方向の他端が先部リンク36の両端に回転可能に結合された一対の揺動リンク38とからなる4節リンク機構40で構成されている
【0026】
(基部リンク34)
図22(A)に示すように、基部リンク34は、台間機10の取付板の水平方向において離れた箇所に設けられた一対の基端側ヒンジ42を含んで構成されている。
一対の基端側ヒンジ42は、市販品である第1ヒンジ42Aと第2ヒンジ42Bであり、第1ヒンジ42Aと第2ヒンジ42Bは同一形状である。
一対の基端側ヒンジ42と台間機10の取付板1002とは金属製または合成樹脂製であり、本実施の形態では、金属製である。
第1ヒンジ42Aと第2ヒンジ42Bは、基端側支軸4202であり鉛直方向に延在する第1支軸4202A、第2支軸4202Bと、第1支軸4202A、第2支軸4202Bに揺動可能に結合され台間機10の取付板1002に取り付けられる台間機取り付け用基端フランジ4204と、第1支軸4202A、第2支軸4202Bに揺動可能に結合された基端側フランジ4206とを有している。
【0027】
台間機10の取付板1002は水平方向の幅と上下方向の長さを有し、図22(A)、(B)に示すように、取付板1002の上部で幅方向の一端に第1ヒンジ42Aの台間機取り付け用基端フランジ4204がボルトBを介して取り付けられ、第1ヒンジ42Aよりも下方の取付板1002の箇所で幅方向の他端に第2ヒンジ42Bの台間機取り付け用基端フランジ4204がボルトBを介して取り付けられている。
第1ヒンジ42Aと第2ヒンジ42Bは、取付板1002に取付けられた状態で鉛直線に対して左右対称である。
したがって、第1支軸4202Aと第2支軸4202Bは水平方向に離れた箇所に位置し、かつ、上下方向に離れた箇所に位置している。
ここで、上下方向に離れた箇所とは、後述する一対の揺動リンク38が揺動した際、一対の揺動リンク38が互いに干渉しない箇所である。
第1支軸4202Aと第2支軸4202Bは、一対の揺動リンク38の基端が水平方向に揺動可能に支持される箇所であり、第1支軸4202Aを支持する第1ヒンジ42Aの箇所と、第2支軸4202Bを支持する第2ヒンジ42Bの箇所と、それらを接続する取付板1002の箇所により基部リンク34が構成されている。
【0028】
(先部リンク36)
図24に示すように、先部リンク36は、表示部24の背面部2802の水平方向において離れた箇所に設けられた一対の先端側ヒンジ44を含んで構成されている。
一対の先端側ヒンジ44は市販品である第3ヒンジ44Aと第4ヒンジ44Bである。
一対の先端側ヒンジ44と表示部24の背面部2802とは金属製または合成樹脂製であり、本実施の形態では、金属製である。
第3ヒンジ44Aと第4ヒンジ44Bは、先端側支軸4402であり鉛直方向に延在する第3支軸4402A、第4支軸4402Bと、第3支軸4402A、第4支軸4402Bに揺動可能に結合され表示部24の背面部2802に取り付けられる表示部取り付け用先端フランジ4404と、第3支軸4402A、第4支軸4402Bに揺動可能に結合された先端側フランジ4406とを有している。
【0029】
図24図25図30に示すように、表示部24の背面部2802は水平方向の幅と上下方向の長さを有し、表示部24の背面部2802の上部で幅方向の一端側に第3ヒンジ44Aの表示部取り付け用先端フランジ4404がボルト付きプレート45とナットNを介して取り付けられ、第3ヒンジ44Aよりも下方の取付板1002の箇所で幅方向の他端側に第4ヒンジ44Bの表示部取り付け用先端フランジ4404がボルト付きプレート45とナットNを介して取り付けられている。
なお、図中、符号47は、台間機10の正面板1002に取り付けられ一対の揺動リンク38の基部リンク34寄りの部分を覆う枠部材を示す。
第3ヒンジ44Aと第4ヒンジ44Bは同一形状である。
第3支軸4402Aと第4支軸4402Bは、一対の揺動リンク38の先端が揺動可能に支持される箇所であり、一対の揺動リンク38は水平方向に揺動する。
第3支軸4402Aを支持する第3ヒンジ44Aの箇所と、第4支軸4402Bを支持する第4ヒンジ44Bの箇所と、それらを接続する表示部24の背面部2802の箇所により先部リンク36が構成されている。
【0030】
ここで図13に示すように、4節リンク機構40において、理論的には、第1支軸4202Aの中心と第2支軸4202Bの中心とを接続する想像線が基部リンク34であり、この基部リンク34の長さをL1とし、第3支軸4402Aの中心と第4支軸4402Bの中心とを接続する想像線は先部リンク36であり、この先部リンク36の長さをL2とすると、先部リンク36の長さL2は基部リンク34の長さL1よりも小さい寸法で形成されている。
【0031】
(一方の揺動リンク38)
一対の揺動リンク38は水平方向に延在しており、一対の揺動リンク38のうちの一方の揺動リンク38は、図14図17に示すように、第1ヒンジ42Aの基端側フランジ4206と、中間プレート46と、第3ヒンジ44Aの先端側フランジ4406とで構成されている。
中間プレート46は、金属製または合成樹脂製であり、本実施の形態では、金属製である。
【0032】
一対の揺動リンク38のうちの一方の揺動リンク38について詳細に説明すると、中間プレート46は、図14に示すように、基端側フランジ用取り付け板部4602と、基端側フランジ用取り付け板部4602に屈曲部4604を介して接続された先端側フランジ用取り付け板部4606とを有し、基端側フランジ用取り付け板部4602に挿通されたボルトBの先部が第1ヒンジ42Aの基端側フランジ4206上でナットNにより締結されることで中間プレート46と第1ヒンジ42Aの基端側フランジ4206が結合されている。
また、図16図17に示すように、第3ヒンジ44Aの先端側フランジ4406が中間プレート46の先端側フランジ用取り付け板部4606上に重ねられ、先端側フランジ用取り付け板部4606に挿通されたボルトBの先部が、先端側フランジ4406に設けられた長溝4408上でナットNにより締結することで中間プレート46の先端側フランジ用取り付け板部4606と第3ヒンジ44Aの基端側フランジ4406とが結合されている。
したがって、一対の揺動リンク38のうちの一方の揺動リンク38は、第1ヒンジ42Aの基端側フランジ4206と、中間プレート46と、第3ヒンジ44Aの先端側フランジ4406とで構成されている。
【0033】
なお、本実施の形態では、図16図17に示すように、外側板部4802と、外側板部4802の上端に設けられた上板部4804と、上板部4804よりも下方に変位した外側板部4802の箇所に設けられた中間板部4806と、外側板部4802の下端に設けられた下板部4808とを備える第1カバー48と、図28に示すように、第1カバー48に合わされる第2カバー50が設けられ、第1カバー48と第2カバー50により、中間プレート46の先端側フランジ用取り付け板部4606と第3ヒンジ44Aの先端側フランジ4406との結合箇所を覆うようにしている。
なお、第1カバー48と第2カバー50は合成樹脂製である。
【0034】
図16図17に示すように、中間プレート46の先端側フランジ用取り付け板部4606上での第3ヒンジ44Aの先端側フランジ4406の重ね合わせは、第1カバー48の外側板部4802の内面上で行なわれている。
詳細には、図15図16に示すように、先端側フランジ用取り付け板部4606の位置決め孔4608に外側板部4802の内面の凸部4810が結合され、また、中間板部4806と下板部4808との間に設けられた縦壁4812と、外側板部4802の内面との間に先端側フランジ用取り付け板部4606と第3ヒンジ44Aの先端側フランジ4406が重ね合わされた状態で挿通されている。
なお、上板部4804と中間板部4806との間は、図26に示す表示部24と制御部20(図7)とを接続するケーブルCを配設するための配線スペースとして形成され、上板部4804の先部には配線取り出し用の欠部4814が設けられている。
【0035】
また、図29に示すように、表示部24の背面部2802の上下には、配線を隠すための凸部2814が設けられている。
図28(A)、(B)に示すように、第2カバー50は、外側板部4802に対向する内側板部5002を有し、内側板部5002に設けられたガイド板5004が中間板部4806と下板部4808とのガイド溝4816(図15)に挿入され、内側板部5002に設けられた一対の爪5006が縦壁4812の開口部4818(図15)に係脱可能に結合することで第2カバー50は第1カバー48に取り付けられている。
この第2カバー50は、図28(A)、(B)に示すように、第1ヒンジ42Aの基端側フランジ4206と中間プレート46とを結合するナットN(図14)や、台間機10の取付板1002と台間機取り付け用基端フランジ4204を結合するボルトB(図22)などの内部構造が外部から視認されないように隠蔽するために設けられている。
【0036】
(他方の揺動リンク38)
一対の揺動リンク38のうちの他方の揺動リンク38について詳細に説明すると、図18図21に示すように、一方の揺動リンク38と同様に他方の揺動リンク38は、第2ヒンジ42Bの基端側フランジ4206と、中間プレート46と、第4ヒンジ44Bの先端側フランジ4406とで構成されている。
中間プレート46は、図18に示すように、基端側フランジ用取り付け板部4602と、基端側フランジ用取り付け板部4602に屈曲部4604を介して接続された先端側フランジ用取り付け板部4606とを有し、基端側フランジ用取り付け板部4602に挿通されたボルトBの先部が第2ヒンジ42Bの基端側フランジ4206上でナットNにより締結されることで中間プレート46と第2ヒンジ42Bの基端側フランジ4206が結合されている。
【0037】
また、図20図21に示すように、第4ヒンジ44Bの基端側フランジ4406が中間プレート46の先端側フランジ用取り付け板部4606上に重ねられ、先端側フランジ用取り付け板部4606に挿通されたボルトBの先部が、基端側フランジ4406に設けられた長溝4408上でナットNにより締結することで中間プレート46の先端側フランジ用取り付け板部4606と第2ヒンジ42Bの基端側フランジ4206とが結合されている。
したがって、一対の揺動リンク38のうちの他方の揺動リンク38は、第2ヒンジ42Bの基端側フランジ4206と、中間プレート46と、第4ヒンジ44Bの先端側フランジ4406とで構成されている。
また、図14図18に示すように、一対の揺動リンク38の中間プレート46が屈曲部4604を有することにより、図8図12に示すように、一対の揺動リンク38の基部リンク34寄りの箇所に互いに近づく方向に突出する屈曲部3810が形成されている。
【0038】
なお、本実施の形態では、図20図21に示すように、外側板部5202と、外側板部5202の上端に設けられた上板部5204と、外側板部5202の下端に設けられた下板部5206とを備える第3カバー52と、図29に示すように、第3カバー52に合わされる第4カバー54が設けられ、第3カバー52と第4カバー54により、中間プレート46の先端側フランジ用取り付け板部4606と第4ヒンジ44Bの先端側フランジ4406との結合箇所を覆うようにしている。
なお、第3カバー52と第4カバー54とは合成樹脂製である。
【0039】
詳細には、図19図20に示すように、先端側フランジ用取り付け板部4606の位置決め孔4608に外側板部5202の内面の凸部5208が結合され、また、上板部5204と下板部5206との間に設けられた縦壁5210と、外側板部5202の内面との間に先端側フランジ用取り付け板部4606と第4ヒンジ44Bの先端側フランジ4406が重ね合わされた状態で挿通されている。
また、図29(A)、(B)に示すように、第4カバー54は、外側板部5202に対向する内側板部5402を有し、内側板部5402に設けられたガイド板5404が上板部5204と下板部5206とのガイド溝5212(図19)に挿入され、内側板部5402に設けられた一対の爪5406が縦壁5210の開口部5214(図19)に係脱可能に結合することで第4カバー54は第3カバー52に取り付けられている。
この第4カバー54は、中間プレート46と第2ヒンジ42Bの基端側フランジ4206を結合するナットN(図18)や、台間機10の取付板1002と台間機取り付け用フランジ4204を結合するボルトB(図22)などの内部構造が外部から視認されないように隠蔽するために設けられている。
【0040】
ここで図13に示すように、4節リンク機構40において、理論的には、一方の揺動リンク38は、第1支軸4202Aの中心と第3支軸4402Aの中心とを接続する想像線であり、一方の揺動リンク38の長さは、この想像線の長さであり、他方の揺動リンク38は、第2支軸4202Bの中心と第4支軸4402Bの中心とを接続する想像線であり、他方の揺動リンク38の長さは、この想像線の長さであり、一方の揺動リンク38の長さと他方の揺動リンク38の長さとは等しい。
また、第1支軸4202Aと第2支軸4202Bと第3支軸4402Aと第4支軸4402Bとは互いに平行し、鉛直方向に延在している。
第1支軸4202Aと第2支軸4202Bは水平方向において離れた箇所に位置し、また、上下方向の高さも異なっており、第3支軸4402Aと第4支軸4402Bは水平方向において離れた箇所に位置し、また、上下方向の高さも異なっている。
また、第1支軸4202Aと第3支軸4402Aとは同じ高さに設けられ、第2支軸4202Bと第4支軸4402Bとは同じ高さに設けられている。
【0041】
次に、4節リンク機構40の動きについて説明する。
図8に示すように、台間機10の正面板1406の前方で正面板1406の幅方向の中央に、表示部24がその幅方向の中央を一致させた状態で表示部24が上下方向に延在した状態を表示部24のニュートラル位置とする。
この状態を平面視すると、図8に示すように、一対の揺動リンク38は線対称の形状で正面板1406の前方に延在し、また、一対の揺動リンク38が揺動した際、互いに干渉しない箇所に位置している。
また、この状態を平面視すると、第1支軸4202Aと第2支軸4202Bとを接続する想像線(基部リンク34)と、第3支軸4402Aと第4支軸4402Bとを接続する想像線(先部リンク36)は、台間機10の幅方向に平行する方向に延在している。
【0042】
次に、図6(A)、(B)に示すように、遊技機12の左側に台間機10が配置されている場合、図8に示すニュートラル位置から図9図10に示すように、遊技機12側に表示面30Aが向くように表示部24を掴み、表示部24を傾けると、一対の揺動リンク38が遊技機12から離れる方向に揺動し、第3支軸4402Aと第4支軸4402Bとを接続する想像線(先部リンク36)が傾き、表示部24が遊技機12側に向けられる。
同様に、図6(C)、(D)に示すように、遊技機12の右側に台間機10が配置されている場合、図8に示すニュートラル位置から図11図12に示すように、遊技機12側に表示面30Aが向くように表示部24を掴み、表示部24を傾けると、一対の揺動リンク38が遊技機12から離れる方向に揺動し、第3支軸4402Aと第4支軸4402Bとを接続する想像線(先部リンク36)が傾き、表示部24が遊技機12側に向けられる。
同様に、図6(A)、(B)の状態から図6(C)、(D)の状態へ、また、図6(C)、(D)の状態から図6(A)、(B)の状態へも同様になされる。
【0043】
本実施の形態では、表示部24を支持する支持機構を、台間機10に設けられ水平方向の長さを有する基部リンク34と、表示部24に設けられ水平方向の長さが基部リンク34よりも短い先部リンク36と、基部リンク34の長さ方向の両端に長さ方向の一端が回転可能に結合されて台間機10から離れる方向に突出し長さ方向の他端が先部リンク36の両端に回転可能に結合された一対の揺動リンク38とからなる4節リンク機構40で構成したので、図10図12に示すように、表示部24が遊技機12側に最も傾けられた状態で、先部リンク36が遊技機12から離れる方向に移動するので、表示部24の幅を大きくした場合であっても、正面視した場合、遊技機12側に位置する表示部24の端部を台間機10の輪郭内に収めることができる。
したがって、遊技機12の扉を開閉する際、表示部24が邪魔にならず、扉の開閉を円滑に行なえ、遊技機12のメンテナンス作業を効率よく行なう上で有利となる。
また、表示部24を上下反転して取り付ける必要がなく、ソフトウェアの切り替え操作も不要となるため、台間機10の設置に要するコストの低減を図る上で有利となる。
【0044】
また、本実施の形態では、基部リンク34の長さ方向の一端と、一対の揺動リンク38のうちの一方の揺動リンク38の長さ方向の一端とは第1支軸4202Aを介して揺動可能に結合され、基部リンク34の長さ方向の他端と、一対の揺動リンク38のうちの他方の揺動リンク38の長さ方向の一端とは第2支軸4202Bを介して揺動可能に結合され、先部リンク36の長さ方向の一端と、一対の揺動リンク38のうちの一方の揺動リンク38の長さ方向の他端とは第3支軸4402Aを介して揺動可能に結合され、先部リンク36の長さ方向の他端と、一対の揺動リンク38のうちの他方の揺動リンク38の長さ方向の他端とは第4支軸4402Bを介して揺動可能に結合され、第1支軸4202Aと第2支軸4202Bと第3支軸4402Aと第4支軸4402Bとは平行しており、第1支軸4202Aと第2支軸4202Bとは上下方向の高さが異なり、第1支軸4202Aと第3支軸4402Aとは同じ高さに設けられると共に、第2支軸4202Bと第4支軸4402Bとは同じ高さに設けられ、一対の揺動リンク38は、台間機10から離れる方向に延在し、一対の揺動リンク38の揺動時に互いに干渉しないように構成されている。
本発明では、第1支軸4202Aと第2支軸4202Bと第3支軸4402Aと第4支軸4402Bとを同一の高さにしてもよいが、第1支軸4202Aと第2支軸4202Bと第3支軸4402Aと第4支軸4402Bとを上述のような高さに設定すると、一対の揺動リンク38の揺動時に互いに干渉しないため、表示部24を遊技機12側に大きく傾ける上で有利となり、遊技者が見やすい箇所に表示部24を向ける上で有利となる。
【0045】
また、本実施の形態では、一対の揺動リンク38の長さ方向の一端寄りの箇所に、互いに近づく方向に突出する屈曲部3810が設けられているので、図10図12に示すように、表示部24を大きく傾けた際に表示部24が一対の揺動リンク38に干渉することはなく、表示部24を遊技機12側に大きく傾けることができ、遊技者が見やすい箇所に表示部24を向ける上で有利となる。
【0046】
また、本実施の形態では、基部リンク34は、台間機10の水平方向において離れた箇所に設けられた一対の基端側ヒンジ42を含んで構成され、先部リンク36は、表示部24の水平方向において離れた箇所に設けられた一対の先端側ヒンジ44を含んで構成され、基端側ヒンジ42は、基端側支軸4202と、基端側支軸4202に揺動可能に結合され台間機10に取り付けられる台間機取り付け用基端フランジ4204と、基端側支軸4202に揺動可能に結合された基端側フランジ4206とを有し、先端側ヒンジ44は、先端側支軸4402と、先端側支軸4402に揺動可能に結合され表示部24に取り付けられる表示部取り付け用先端フランジ4404と、先端側支軸4402に揺動可能に結合された先端側フランジ4406とを有し、基端側フランジ4206と先端側フランジ4406とを連結する中間プレート46が設けられ、一対の揺動リンク38は、基端側フランジ4206と先端側フランジ4406と中間プレート46とを含んで構成されている。
すなわち、本実施の形態では、市販品である2つの基端側ヒンジ42および2つの先端側ヒンジ44と、2枚の中間プレート46により簡単に確実に4節リンク機構40を構成でき、安価な4節リンク機構40からなる表示部24の支持機構を簡単に確実に製造する上で有利となる。
【0047】
また、本実施の形態では、中間プレート46は、基端側フランジ4206に取り付けられる基端側フランジ用取り付け板部4602と、先端側フランジ4406に取り付けられる先端側フランジ用取り付け板部4606とを有し、基端側フランジ用取り付け板部4602と先端側フランジ用取り付け板部4606とが屈曲部4604を介して接続され、屈曲部4604により、一対の揺動リンク38に互いに近づく方向に突出する屈曲部3810が形成されている。
すなわち、中間プレート46に屈曲部4604を設けることで一対の揺動リンク38に互いに近づく方向に突出する屈曲部3810を簡単に形成でき、表示部24を大きく傾けた際に表示部24が一対の揺動リンク38に干渉することはなく、表示部24を遊技機12側に大きく傾ける上で有利となり、遊技者が見やすい箇所に表示部24を向ける上で有利となる。
【0048】
なお、表示部24に、顔認証のために利用者(遊技者)の顔を撮像するカメラを設けるなど任意であり、その際、カメラは、表示部24の前面部2810の上部の幅方向の中央部に設ければよい。
カメラによる利用者(遊技者)の顔の撮影は、例えば、遊技者によるタッチパネル32の操作時になされ、カメラで撮影された画像情報は通信IF20Cに送信され、台間機10の情報処理部20Aが読み取ってその後の処理を行っても良いし、上位のカメラサーバを設け、このカメラサーバが撮影画像を管理する構成を用いることもできる。
また、カメラによる撮影は、定期的に行うこともできるし、現金挿入時やカード挿入時、カード返却時、エラー検出時、不正検出時、貸出ボタン操作時等のイベント発生時の撮影画像を用いて、利用者の認証や利用者の交代を判断することもできる。
【符号の説明】
【0049】
10 台間機
1002 取付板
12 遊技機
14 筐体
1402 底板
1404 側面板
1406 正面板
1408 背面板
1410 天板
1412 貨幣投入口
1414 カード挿入口
1416 払出ボタン
1418 貸出ボタン
1420 カード返却ボタン
16 状態表示ランプ
17 操作ボタン
18 紙幣硬貨処理部
20 制御部
20A 情報処理部
20B 遊技価値管理部
20C 通信IF
20D 入出力ポート(I/O)
22 カードリーダライタ
24 表示部
28 表示部用筐体
2802 背面部
2804 上面部
2806 下面部
2808 側面部
2810 前面部
2812 開口部
2814 凸部
30 表示器
30A 表示面
32 タッチパネル
34 基部リンク
36 先部リンク
38 揺動リンク
3810 屈曲部
40 4節リンク機構
42 一対の基端側ヒンジ
42A 第1ヒンジ
42B 第2ヒンジ
4202 基端側支軸
4202A 第1支軸
4202B 第2支軸
4204 台間機取り付け用基端フランジ
4206 基端側フランジ
44 一対の先端側ヒンジ
44A 第3ヒンジ
44B 第4ヒンジ
4402 先端側支軸
4402A 第3支軸
4402B 第4支軸
4404 表示部取り付け用先端フランジ
4406 先端側フランジ
4408 長溝
45 ボルト付きプレート
46 中間プレート
4602 基端側フランジ用取り付け板部
4604 屈曲部
4606 先端側フランジ用取り付け板部
4608 位置決め孔
48 第1カバー
4802 外側板部
4804 上板部
4806 中間板部
4808 下板部
4810 凸部
4812 縦壁
4814 欠部
4816 ガイド溝
4818 開口部
50 第2カバー
5002 内側板部
5004 ガイド板
5006 一対の爪
5008 湾曲面部
5010 傾斜板部
52 第3カバー
5202 外側板部
5204 上板部
5206 下板部
5208 凸部
5210 縦壁
5212 ガイド溝
5214 開口部
54 第4カバー
5402 内側板部
5404 ガイド板
5406 一対の爪
5408 傾斜板部
100、102 上位の装置
104 外部表示器
106 紙幣硬貨搬送装置
B ボルト
N ナット
C ケーブル
【要約】
【課題】台間機の設置コストを削減すると共に、表示部の幅を大きく確保しても遊技機のメンテナンス作業を効率よく行なう上で有利な表示部の支持機構を提供する。
【解決手段】表示部24を支持する支持機構を、台間機10に設けられ水平方向の長さを有する基部リンク34と、表示部24に設けられ水平方向の長さが基部リンク34よりも短い先部リンク36と、基部リンク34の長さ方向の両端に長さ方向の一端が回転可能に結合されて台間機10から離れる方向に突出し長さ方向の他端が先部リンク36の両端に回転可能に結合された一対の揺動リンク38とからなる4節リンク機構40で構成した。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
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図28
図29
図30