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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020206863
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022094056
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2023-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 功二
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 卓人
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150976(JP,A)
【文献】特開2019-171083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
常時、遊技球が入球可能な第1始動口と、
遊技球が入球不能若しくは入球困難な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に所定の開放時間に亘って変化可能な第2始動口と、
遊技球が前記第1始動口に入球することに基づいて取得した第1数値データを、該第1数値データの記憶上限個数を限度に記憶可能な第1保留記憶手段と、
遊技球が前記第2始動口に入球することに基づいて取得した第2数値データを、該第2数値データの記憶上限個数を限度に記憶可能な第2保留記憶手段と、
前記取得した第1数値データ、若しくは、前記取得した第2数値データに基づいて当否判定を実行する当否判定実行手段と、
前記当否判定が実行されると設定される変動時間に亘って、特別図柄の変動を実行した後、前記当否判定の結果を停止表示する特別図柄変動表示手段と、
遊技状態を、前記第2始動口の前記開放時間が通常よりも延長された開放延長状態に所定の終了条件が成立するまで移行させる開放延長状態移行手段と、
を備え、
前記第2数値データに基づいて実行される前記当否判定の結果に基づいて遊技者に付与される遊技価値の方が、前記第1数値データに基づいて実行される前記当否判定の結果に基づいて遊技者に付与される遊技価値よりも、有利な遊技価値とされる可能性が高い遊技機であって、
前記終了条件は、前記開放延長状態で実行される前記特別図柄の特定の変動が終了した後に成立すると共に、
前記特定の変動中において前記第2保留記憶手段に記憶された前記第2数値データの個数が、該第2数値データの記憶上限個数となるように、前記第2始動口に遊技球を入球させることを所定時間指示する入球指示演出と、前記入球指示演出中に、前記入球指示演出終了までの残り時間及び時間の経過を示す演出を実行する入球指示演出実行手段と、
前記特定の変動中において、前記入球指示演出終了までの時間が経過した後のタイミングで、前記第2保留記憶手段に記憶される前記第2数値データの個数が、該第2数値データの記憶上限個数となったか否かを判定する上限個数判定手段と、
前記上限個数判定手段が前記第2保留記憶手段に記憶される前記第2数値データの個数が、該第2数値データの記憶上限個数となっていないと判定する場合には、前記特定の変動中に前記第2始動口に遊技球を入球させることを再度、指示する前記入球指示演出とは異なる演出である再入球指示演出を実行する再入球指示演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、本発明を「弾球遊技機」に対して好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
一般に弾球遊技機(パチンコ機)は、基本的な遊技状態としての通常遊技状態と、大当り遊技終了後に所定の終了条件が成立するまで移行させる特典遊技状態(高確率遊技状態、開放延長状態)を備える。
【0003】
そして、最近の弾球遊技機(パチンコ機)においては、通常遊技状態を遊技者にとって極めて不利な遊技状態とし、特典遊技状態(高確率遊技状態、開放延長状態)を遊技者にとって極めて有利な遊技状態としている。具体的に説明すると、例えば、(1)通常遊技状態(通常確率状態)において特別図柄に関する当否判定で大当りとなる確率よりも、高確率遊技状態において特別図柄に関する当否判定で大当りとなる確率を高くすること以外に、以下の方法で遊技者にとって極めて有利な遊技状態を構成している。
【0004】
つまり、遊技球が第1始動口に入球することに基づき実行される第1特別図柄に関する当否判定よりも、遊技球が第2始動口に入球することに基づき実行される第2特別図柄に関する当否判定の方が、有利な遊技価値が付与される可能性が高くなるように設定する。しかも、通常遊技状態では、入球が第2特別図柄の変動契機となる第2始動口への入球が困難で、且つ、第2特別図柄の変動時間を極めて長くすること等で、第1特別図柄を主体に変動させる遊技を行わせる。
そして、特典遊技状態では、第2特別図柄の変動を容易に実行可能とし、第2特別図柄の変動を主体に遊技を行うこととする。これにより、通常遊技状態を遊技者にとって極めて不利な遊技状態とし、大当り遊技終了後等に付与される特典遊技状態を遊技者にとって極めて有利な遊技状態としている。なお、一般的に、特典遊技状態は特別図柄に関する当否判定(特別図柄の変動表示)が所定回数行われることで終了する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-050608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の遊技機においては、第1特別図柄に関する当否判定(第1特別図柄の変動)は主に通常遊技状態で実行され、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)は主に特典遊技状態で実行される。
そして、遊技状態が通常遊技状態に制御される割合は、特典遊技状態に制御される割合よりも高いため、第1特別図柄に関する当否判定(第1特別図柄の変動)よりも、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスが少ないのが一般的である。
このため、そのように第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを十分に生かすことなく、逃してしまうことは、遊技者にとっては、大きな不利益となり、遊技興趣を低下させることになる。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを遊技者が逃してしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の遊技機は、
常時、遊技球が入球可能な第1始動口と、
遊技球が入球不能若しくは入球困難な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に所定の開放時間に亘って変化可能な第2始動口と、
遊技球が前記第1始動口に入球することに基づいて取得した第1数値データを、該第1数値データの記憶上限個数を限度に記憶可能な第1保留記憶手段と、
遊技球が前記第2始動口に入球することに基づいて取得した第2数値データを、該第2数値データの記憶上限個数を限度に記憶可能な第2保留記憶手段と、
前記取得した第1数値データ、若しくは、前記取得した第2数値データに基づいて当否判定を実行する当否判定実行手段と、
前記当否判定が実行されると設定される変動時間に亘って、特別図柄の変動を実行した後、前記当否判定の結果を停止表示する特別図柄変動表示手段と、
遊技状態を、前記第2始動口の前記開放時間が通常よりも延長された開放延長状態に所定の終了条件が成立するまで移行させる開放延長状態移行手段と、
を備え、
前記第2数値データに基づいて実行される前記当否判定の結果に基づいて遊技者に付与される遊技価値の方が、前記第1数値データに基づいて実行される前記当否判定の結果に基づいて遊技者に付与される遊技価値よりも、有利な遊技価値とされる可能性が高い遊技機であって、
前記終了条件は、前記開放延長状態で実行される前記特別図柄の特定の変動が終了した後に成立すると共に、
前記特定の変動中において前記第2保留記憶手段に記憶された前記第2数値データの個数が、該第2数値データの記憶上限個数となるように、前記第2始動口に遊技球を入球させることを指示する入球指示演出を実行する入球指示演出実行手段と、
前記特定の変動中において、前記入球指示演出が開始された後の所定タイミングで、前記第2保留記憶手段に記憶される前記第2数値データの個数が、該第2数値データの記憶上限個数となったか否かを判定する上限個数判定手段と、
前記上限個数判定手段が前記第2保留記憶手段に記憶される前記第2数値データの個数が、該第2数値データの記憶上限個数となっていないと判定する場合には、前記特定の変動中に前記第2始動口に遊技球を入球させることを再度、指示する再入球指示演出を実行する再入球指示演出実行手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によると、特定の変動中において入球指示演出を実行する。そして、入球指示演出が開始された後の所定タイミングで、第2保留記憶手段に記憶される第2数値データの個数が、当該第2数値データの記憶上限個数となっているか否かの判定(以下、上限個数判定という)を行う。そして、この上限個数判定で否定判定される場合に、再入球指示演出を実行する。このため、開放延長状態で、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを十分に生かすことなく、逃してしまうことを回避する上で有効である。
【0010】
例えば、遊技中、他のこと(遊技以外のこと)に気を取られてしまっていたり、遊技者がパチンコの初心者であり、当該遊技機で実行可能な遊技のことを十分に理解できていなかったりしても、再入球指示演出の出現により、異変に気付き、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを逃してしまう可能性を低減できる。
【0011】
ここで、本明細書において、例えば、(a)通常確率状態が通常遊技状態の具体例を構成する場合、高確率遊技状態が特典遊技状態の具体例を構成し、(b)非開放延長状態が通常遊技状態の具体例を構成する場合、開放延長状態が特典遊技状態の具体例を構成する。
また、以下の説明において、第2始動口に入球することに基づいて、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するケースを、第2特別図柄を主体に遊技を進行させるケースと称することがある。また、第1始動口に入球することに基づいて、第1特別図柄に関する当否判定(第1特別図柄の変動)を実行するケースを、第1特別図柄を主体に遊技を進行させるケースと称することがある。
【0012】
また、本発明において、第2数値データに基づいて実行される当否判定(以下、第2当否判定という)の結果に基づいて遊技者に付与される遊技価値の方が、第1数値データに基づいて実行される当否判定 (以下、第1当否判定という)の結果に基づいて遊技者に付与される遊技価値よりも、有利な遊技価値とされる可能性が高いとは、例えば、以下の場合を指す。
【0013】
例えば、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が、第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも有利な遊技価値が付与される可能性が高いことを例示できる。つまり、(1)大当りの発生に基づいて実行される大当り遊技において、多くの賞球が得られる可能性が高いこと、(2)大当りの発生に基づいて実行される大当り遊技を実行した後により有利な特典(例えば、後述する時短状態に基づく特典等)が付与される可能性が高かったり、その特典の付与期間が長かったりすること等のうちの少なくとも何れかの場合等を例示できる。
また、この(1)や(2)の場合と共に、或いは、この(1)や(2)の場合とは別に、以下の(3)や(4)等のうちの少なくとも何れかの場合等も例示できる。つまり、(3)当否判定の結果が大当りの発生の前提となる状態となる確率が高いこと(例えば、小当りの発生に基づいて実行される小当り遊技において、特定入賞を生ずると、大当りを発生する遊技機において、小当りの発生確率が第2当否判定の方が、第1当否判定よりも高いこと)、(4)第2当否判定の結果に基づいて遊技者に付与される遊技価値の方が、第1当否判定の結果に基づいて遊技者に付与される遊技価値よりも、有利な遊技価値とされる可能性が高いことには、第2当否判定の結果が小当りとなる可能性があるが、第1当否判定の結果が小当りとなる可能性がないこと(小当り確率が「ゼロ」であること)等のうちの少なくとも何れかの場合等も例示できる。
【0014】
本発明を好適に適用できる遊技機としては、例えば、後述する各実施例で示す、所謂「1種2種混合タイプの遊技機(以下、単に「混合機」という)」を例示できる。ここで、混合機は、始動口と、特定領域が設けられた大入賞口とを具備し、始動口への入球に起因して当否判定を実行し、当否判定の結果が大当り(以下、図柄大当りという)となると、大当り遊技(以下、「図柄大当り遊技」若しくは「直撃大当り遊技」という。)を実行する。
また、当否判定の結果が小当りとなると、特定領域が設けられた大入賞口を開放制御する小当り遊技を実行し、小当り遊技によって大入賞口に入賞した遊技球が特定領域に誘導されること(特定入賞すること)に基づき、大当り(以下、「役物大当り」という)を発生し、大当り遊技(以下、「役物大当り遊技」という)を実行する。
【0015】
この混合機では、一般に、第1当否判定に基づいて遊技者に付与される遊技価値よりも、第2当否判定に基づいて遊技者に付与される遊技価値の方が大きくなる可能性が高い。つまり、第1当否判定と第2当否判定とで、当否判定の結果が小当りとなる確率に、遊技者が得られる遊技価値に大きな差(「第2当否判定の結果が小当りとなる確率の方が第1当否判定の結果が小当りとなる確率よりも高くなるという小当り確率の差」、若しくは、「第2当否判定の結果が所定確率で小当りとなるが、第2当否判定の結果が小当りとならないという、小当りの発生の有無による差」等)を付けることができるので、この発明を適用することが最適である。すなわち、混合機において、入球指示演出及び再入球指示演出に基づいて、第2当否判定を実行するチャンスを遊技者が逃してしまうことを防止すること(本発明の目的)は特に大きな意義を有することとなる。
【0016】
また、本発明では、特別図柄の特定の変動を実行した後に、開放延長状態が終了するのであるから、特定の変動中は、まだ、開放延長状態は終了しない。
【0017】
開放延長状態の終了条件は、特別図柄の種類(第1特別図柄であるか、第2特別図柄であるかを問わず)、特別図柄の変動の合計回数が所定回数(時短回数)となると成立する。そして、「特定の変動」を実行することで開放延長状態が終了するケースは、終了条件が成立するケースの一態様を構成する。
この「特定の変動」は、(a)第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの、何れの特別図柄に関する変動であってもよいし、(b)第1特別図柄に関する変動のみであってもよいし、(c)第2特別図柄に関する変動のみであってもよい。
【0018】
更に、特定図柄(小当り図柄など)が確定表示される変動のみであっても、これらの変動(第1特別図柄に関する変動、第2特別図柄に関する変動、特定の図柄(小当り図柄など)が確定表示される変動)のうちの、複数の変動が対象であってもよい。
【0019】
また、「特定の変動」を特に入球指示演出及び再入球指示演出を実行する必要性が有る場合に限ってもよい。
つまり、「特定の変動」は、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの、第2特別図柄に関する変動のみであって、しかも、特別図柄に関する当否判定の結果が外れであるものに限定してもよい。
【0020】
本発明において、入球指示演出及び再入球指示演出の態様を種々選択可能であり、例えば、(1)第2始動口に遊技球を入球させることを促す文字情報を表示することによって行ってもよいし、(2)第2始動口に容易に入球できることを想起させる画像情報を表示することによって行ってもよいし、(3)第2始動口に遊技球を入球させることを促す音情報(例えば、第2始動口を狙えという音情報)によって行ってもよい。
【0021】
また、再入球指示演出の回数は、一回、実行可能であってもよいし、複数回、実行可能であってもよい。例えば、再入球指示演出を複数回、実行する場合では、1回目の再入球指示演出を実行した後、第1所定タイミングにおいて2回目の「上限個数判定」を行う。この場合、当該2回目の「上限個数判定」で否定的な判定がされた場合に、2回目の再入球指示演出を実行した後、3回目の「上限個数判定」を行い、当該判定で肯定的な判定がされた場合に、3回目の再入球指示演出を実行しないこととしてもよい。なお、3回目の「上限個数判定」を行い、当該判定で否定的な判定がされた場合に、3回目の再入球指示演出を実行することとし、以後、「上限個数判定」の肯定的な判定が得られるまで、再入球指示演出を繰り返してもよい。
【0022】
入球指示演出や再入球指示演出は、「特定の変動」で、必ず、実行されることとしてもよいし、必ずしも実行されないこととしてもよい。
例えば、「特定の変動」が第2特別図柄の変動であった場合にのみ行ってもよいし、乱数抽選等で当選し、実行すると決定される場合に行ってもよい。
或いは、開放延長状態は複数種類備える場合には、所定の開放延長状態のみ行ってもよいし、「特定の変動」の変動開始時に第2保留記憶手段に記憶されている第2数値データの個数が、所定数以下であった場合にのみ行うこととしてもよい。
なお、1回の開放延長状態で、「特定の変動」よりも前に実行される1回若しくは複数回の変動(以下、先行変動という)において「入球指示演出及び再入球指示演出のうち、少なくとも入球指示演出」が実行されることとしてもよい。また、「特定の変動」において乱数抽選等で当選し、実行すると決定される場合に入球指示演出や再入球指示演出が実行されることとしてもよい。
【0023】
ここで、本発明では、再入球指示演出を開始した後、第2保留記憶手段に記憶された第2数値データの個数が、第2数値データの記憶上限個数になったら(第2特別図柄の保留記憶が満杯になったら)、再入球指示演出を終了させることとしてもよいし、再入球指示演出を終了させないこととしてもよい。
また、再入球指示演出を開始した後、第2保留記憶手段に記憶された第2数値データの個数が、第2数値データの記憶上限個数にならなかった場合、特定の変動を終了するまで、再入球指示演出を継続させてもよい。
なお、再入球指示演出を実行中に、「特定の変動」を終了した場合には、再入球指示演出を終了させてもよいし、終了させないこととしてもよい。
【0024】
なお、第1数値データの記憶上限個数と、第2数値データの記憶上限個数は等しくてもよいし(例えば、共に4個)であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第2数値データの記憶上限個数が1個、第1数値データの記憶上限個数が4個とされてもよい。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明の遊技機によると、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを遊技者が逃してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】パチンコ機50の正面図。
図2】遊技盤1の正面図。
図3】(a)及び(b)は入球装置100の説明図。
図4】パチンコ機50の背面図。
図5】パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図。
図6】パチンコ機50の作動内容を示す図表。
図7】(a)~(h)は 実施例1において遊技状態と平均変動時間の関係を示す説明図(変動パターンテーブルの概略図)、(i)は 実施例2の変動パターンテーブルの特徴を示す概略図。
図8】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート。
図9】普図始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャート。
図10】普図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
図11】普図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャート。
図12】(a)は普図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャート、(b)は普図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャート。
図13】普通図柄遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
図14】(a)は普通図柄遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャート、(b)は普通図柄遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャート。
図15】特図始動入賞確認処理のフローチャート。
図16】特別図柄に関する当否判定処理の第1のフローチャート。
図17】特別図柄に関する変動パターン選択処理のフローチャート。
図18】特別変動管理処理を示すフローチャート。
図19】特別図柄に関する当否判定処理の第2のフローチャート。
図20】(a)は時短カウンタ減算処理を示すフローチャート、(b)は時短状態終了処理を示すフローチャート。
図21】(a)は特別図柄に関する当否判定処理の第3のフローチャート、(b)は特別遊技処理の内容を示す第1のフローチャート。
図22】特別遊技処理の内容を示す第2のフローチャート。
図23】特別遊技処理の内容を示す第3のフローチャート。
図24】特別遊技処理の内容を示す第4のフローチャート。
図25】特別遊技処理の内容を示す第5のフローチャート。
図26】特別遊技処理の内容を示す第6のフローチャート。
図27】特別遊技処理の内容を示す第7のフローチャート。
図28】図柄大当りを説明するための説明図。
図29】役物大当りを説明するための説明図。
図30】特定の変動(特定の変動を特定する変動パターン)に対応する演出表示を示す説明図。
図31】特定の変動(特定の変動を特定する変動パターン)に対応する演出表示を示す説明図。
図32】残留保留が外れのケースを示す演出表示と、残留保留が小当りのケースを示す演出表示の示す説明図。
図33】サブ統合制御装置83が実行する保留数指示コマンド受信処理を示すフローチャート。
図34】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート。
図35】サブ統合制御装置83が実行する演出中処理を示すフローチャート。
図36】サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理を示すフローチャート。
図37】特別図柄の変動表示、演出表示、特定の変動、入球指示演出、再入球指示演出の関係等を示すタイムチャート。
図38】本発明の特徴を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0028】
(1)実施例1
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には内枠70(図4を参照)が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0029】
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0030】
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0031】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0032】
この遊技領域3を、便宜上、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域(左打ち領域3L)と第2遊技領域(右打ち領域3R)とに分けることができる。
【0033】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する)の画面を臨ませる窓等を備えている。
【0034】
センターケース5の直下には、常時遊技球が入球可能な第1始動口11が配設されている。そして、第1始動口11の下方には特定役物100が配置されているが、その詳細に関しては後述する。
【0035】
また、センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な一対の翼片12tを備えた普通電動役物12Aを備えており、一対の翼片12tが開放しないと、普通電動役物12Aの近傍に到達した遊技球が規制部材12aに阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。なお、本実施例において、第2始動口12は翼片12tが駆動し、第2始動口12が開放状態でなければ遊技球が入球不可能となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。
【0036】
つまり、第2始動口12は、遊技球が入球不能な閉鎖状態から、この閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に変化可能な可変式の始動口である。そして、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づいて普通図柄の当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。
【0037】
また、普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄の当否判定(普通図柄抽選)での当選時に、所定時間、開放状態となる。なお、本実施例と異なり、第1状態においても遊技球の入球が可能とされ、開放状態であるときは、閉鎖状態であるときよりも遊技球の入球容易とされてもよい。
【0038】
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第1大入賞口14および第2大入賞口15(第2大入賞口15が上側)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、第2大入賞口15の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない一般入賞口である。
【0039】
第1大入賞口14の右下には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄表示装置10と、第2特別図柄保留数表示装置19と、が配置されている。
【0040】
そして、遊技領域3において、センターケース5の右側の右打ち領域3Rには、第1大入賞口14、第2大入賞口15、普図作動ゲート17、第2始動口12が設けられている。そして、これらには、遊技盤1に植設された遊技釘4及びセンターケース5の成型形状により、右打ち領域3Rを流下した遊技球のみが入球可能となっている。
つまり、遊技球の発射強度が所定未満であると遊技球は左打ち領域3Lを流下し、遊技球の発射強度が所定以上であると、遊技球は右打ち領域3Rを流下する可能性が高くなっている。
【0041】
また、第1始動口11はセンターケース5の直下に設けられ、遊技釘4の配置態様によって、センターケース5の左側の左打ち領域3Lを流下する遊技球が入球する可能性が高くなっている。更に、第1始動口11の下方には、前述の特定役物100が配置されている。
【0042】
次に、前述の特定役物100に関し、図3を用いて説明する。
この特定役物100の内側上部にはワープ出口101が設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は全てワープ出口101から特定役物100内に流れ込む。つまり、第2大入賞口15の内部に設けられたワープ入口から、遊技盤1の裏側に向かった後、ワープ出口101で遊技盤1の表側に至る管状若しくは樋状のワープ経路15Kが設けられている(図2を参照)。
【0043】
そして、ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回して図示しない孔から落下し、振分け口103から流出する。振分け口103の下方には一対の振分け羽根105が設けられている。振分け羽根105が開放されているとき(図3(b)の状態)に振分け口103から流出した遊技球は、特定領域106に入球し、これが特定入球口スイッチ(特定領域スイッチ)106a(図5も参照)に検出されると、大当り(特別遊技ともいう)が発生する。振分け羽根105が閉鎖されているとき(図3(a)の状態)に振分け口103から流出した遊技球は、ハズレ口104に到達して大当りは発生しない。
【0044】
但し、本実施例では、第2大入賞口15が開放状態(遊技球が入球可能な状態)になるタイミングで振分け羽根105が開放される。そして、第2大入賞口15が閉鎖状態(遊技球が入球不可能な状態)になるまで、羽根105が開放した状態を維持する。このため、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率は、ほぼ50%となっている。
なお、本実施例と異なり、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率をほぼ50%とは異なる確率としてもよい。例えば、振分け羽根105が開閉する周期を変更し、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率を50%よりも低い確率(例えば、25%)としたり、50%よりも高い確率(例えば、ほぼ100%)としたりしてもよい。また、発生する小当りの内容(確定表示される小当り図柄(後述する))に応じて、振分け羽根105が開放される周期を変更し、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率を変更してもよい。
【0045】
本実施例のパチンコ機50は、特別図柄として第1始動口11への入球に基づいて変動する第1特別図柄(以下、第1特図ともいう)と、第2始動口12への入球に基づいて変動する第2特別図柄(以下、第2特図ともいう)とを備える。そして、第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶(抽出情報)として記憶され、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶(抽出情報)として記憶される。ここで、第1保留記憶(抽出情報)は第1数値データの具体例を構成し、第2保留記憶(抽出情報)は第2数値データの具体例を構成する。
【0046】
第1大入賞口(第1大入賞装置)14は、大当り遊技を実行していないときには、閉鎖状態とされ、遊技球の入球を許容しない状態とされている。また、大当り遊技時(役物大当り生起後の大当り遊技も含む)に大当り用の開放パターンで開放され、遊技球の入球を許容する状態とされる。
また、前述の第2大入賞口15は小当り遊技時に小当り用の開放パターンで開放される。
【0047】
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図5参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(第1特柄)が変動を開始し、所定時間後に停止する。
また、遊技球を右打ち領域3Rに遊技球を流下させ(所謂、右打ちを行い)、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図5参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図5参照)を駆動させる。
普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物16に設けられた一対の翼片12tが開放状態となり、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図5参照)の検出)が可能となるように構成されている。そして、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0048】
第1特別図柄(第1特図)及び第2特別図柄(第2特図)の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様(変動演出)を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
【0049】
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する第1大入賞口ソレノイド14b(図5参照)、又は第2大入賞口ソレノイド15b(図5参照)が駆動する。第1大入賞口ソレノイド14bが駆動(大当り遊技時)すると、ほぼ同期して第1大入賞口14の扉部材が開放し、第1大入賞口14への遊技球の入球(第1カウントスイッチ14a(図5参照)が遊技球を検出)が可能となる。また、第2大入賞口ソレノイド15bが駆動(小当り遊技時)すると、ほぼ同期して第2大入賞口15の扉部材が開放し、第2大入賞口15への遊技球の入球(第2カウントスイッチ15a(図5参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
【0050】
第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15は、右打ち領域3R(センターケース5の右側)に配置されているため、遊技状態が電サポ状態(開放延長状態)に移行した場合、大当り遊技に移行した場合、小当り遊技に移行した場合は、発射した遊技球の全てが右打ち領域3Rに到達するように発射ハンドル6Eの回動操作量を調整することになる。
【0051】
パチンコ機50の裏面は図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図5も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。
【0052】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0053】
このパチンコ機50の電気的構成は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0054】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ15a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a、特定領域106に入球した遊技球を検出する特定入球口スイッチ106aの検出信号が入力される。
【0055】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10、普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0056】
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15bを制御することで第2大入賞口15の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図5では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、振分け羽根ソレノイド105aを制御することで、振分け羽根105を一定時間開放する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0057】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0058】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ16a、内枠開放スイッチ16b、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0059】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払い出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0060】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0061】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0062】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者がボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0063】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
【0064】
次に、図6の図表を用いて、実施例1のパチンコ機50の作動内容について説明する。実施例1のパチンコ機50において、遊技状態として、非開放延長状態と開放延長状態を備える。
開放延長機能未作動時(非開放延長状態)において、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物(第2始動口12)は、0.2秒の開放動作を1回行うよう設定されている。一方、開放延長機能作動時(開放延長状態)において、普通図柄の1回の当りに対して、普通電動役物(第2始動口12)は2秒の開放動作を1回行うよう設定されている。
【0065】
本実施例のパチンコ機50では、特別図柄として、第1始動口11への入賞に基づいて当否判定が実行されると変動表示する第1特別図柄と、第2始動口12への入賞に基づいて当否判定が実行されると変動表示する第2特別図柄を備える。
【0066】
また、開放延長機能が作動する開放延長状態においては、開放延長機能が未作動の非開放延長状態に比べて、特別図柄の平均変動時間が短くなる傾向がある。つまり、開放延長状態において高頻度に第2特別図柄を変動表示させることを目指す遊技性となっている。但し、開放延長状態の利益を保持しつつ最後に実行される変動であって、第2特別図柄に関する変動(つまり、特定の変動)の変動時間は、非開放延長状態よりも長くされている。なお、特別図柄の平均変動時間に関しては、図7を用いて後述する。
【0067】
また、本実施例のパチンコ機50の大当り確率は1/100で、特別図柄の当否判定に係る確率変動機能は備えない。
そして、第1始動口11若しくは第2始動口12への入賞に基づいて当否判定を実行し、当該当否判定の結果が大当りとなると、「図柄大当り遊技」を実行する。
【0068】
但し、第1特別図柄に関する当否判定(第1当否判定)の結果が大当りとなると、第1大入賞口14が26.0秒の開放動作を、所定のインターバルを挟み、計6回行うことを内容とする大当り遊技(つまり、図柄大当り遊技)を実行する。また、第2特別図柄に関する当否判定(第2当否判定)の結果が大当りとなると、第1大入賞口14が26.0秒の開放動作を、所定のインターバルを挟み、計10回行うことを内容とする大当り遊技(図柄大当り遊技)を実行する。
つまり、第2当否判定を行うことに基づいて実行される図柄大当り遊技の方が、第1当否判定を行うことに基づいて実行される図柄大当り遊技よりも遊技者にとって有利な大当り遊技となっている。
【0069】
また、本パチンコ機50では、第2始動口12に遊技球が入賞すると、「1/2」の確率で小当りを発生する。そして、小当りを発生すると、第2大入賞口15が1.8秒の開放動作を1回行うことを内容とする小当り遊技を実行する。
小当り遊技を行っている際に、第2大入賞口15に入球した遊技球が有効期間内に特定領域106に誘導されると大当り遊技(つまり、役物大当り遊技)を実行する。以下、「第2大入賞口15に入球した遊技球が有効期間内に特定領域106を通過すること」を「特定入賞(或いは、V入賞)」と称する。
【0070】
なお、本実施例では、第2当否判定が行われると、高確率(「1/2」の確率)で小当りを発生するが、第1当否判定が行われても、小当りを発生することはない。但し、本実施例において第1当否判定においても小当りを発生することとしてもよい。かかる場合においては、第1当否判定の結果が小当りとなる確率(例えば、1/50)よりも、第2当否判定の結果が小当りとなる確率(例えば、1/2)が高くされる。
【0071】
「役物大当り遊技」は、第1大入賞口14が26.0秒の開放動作を、所定のインターバルを挟み、複数回(計10回)行うことを内容とする大当り遊技である。
なお、本実施例では、「図柄大当り遊技」と「役物大当り遊技」とを同一の大入賞口(第1大入賞口14)を用いて行うが、「図柄大当り遊技」を行う大入賞口と「役物大当り遊技」を行う大入賞口が異なっていてもよい。
【0072】
また、本実施例のパチンコ機50では、「図柄大当り遊技」を実行した後には、所定の割合で(例えば、「50%」の割合)で開放延長機能が作動する。
つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなると、大当り図柄(大当りの種類)を決定するための乱数抽選が実行され、特別図柄表示手段9で確定表示する大当り図柄(大当りの種類)が決定される。このとき、大当り図柄が特定大当り図柄に決定されると、「図柄大当り遊技」を実行した後、遊技状態が開放延長状態となる。また、大当り図柄が非特定大当り図柄に決定されると、「図柄大当り遊技」を実行した後、遊技状態が非開放延長状態となる。
【0073】
なお、「特定大当り図柄」とは確定表示されることが、図柄大当り遊技実行後に、遊技状態を開放延長状態に移行する契機となる大当り図柄であり、「非特定大当り図柄」とは確定表示されることが、図柄大当り遊技実行後に、遊技状態を開放延長状態に移行する契機とならない大当り図柄である。
また、「役物大当り遊技」を実行した後には、一律に開放延長機能が作動し、遊技状態が開放延長状態(時短状態)となる。但し、「役物大当り遊技」を実行した後には、所定の割合(例えば、80%の割合)で開放延長機能が作動することとしてもよい。
【0074】
「図柄大当り遊技」若しくは「役物大当り遊技」を実行した後に、遊技状態が開放延長状態(時短状態)に移行すると、(1)第2当否判定の実行回数が10回になるか、(2)第1当否判定の実行回数と第2当否判定の実行回数とを合算した回数(以下、合算回数という)が50回になるか、(3)第1当否判定若しくは第2当否判定の結果が大当りになると、開放延長状態(時短状態)が終了する。このため、開放延長状態を終了する変動は、極めて高い確率で第2特別図柄に関する変動となる。
【0075】
このように、本実施例では、(1)~(3)のうちの何れかの条件が成立すると、開放延長状態が終了する。なお、(1)~(3)の条件が、「開放延長状態の終了条件」の具体例を構成する
また、右打ち領域3Rに普通図柄作動ゲート17、第1大入賞口14、第2大入賞口15及び第2始動口12が設けられている。しかも、開放延長状態では第2始動口12が開放状態となる頻度が高く、第2当否判定で、小当りを発生する確率が高いため、開放延長状態において、遊技者は遊技球の発射強度を所定以上(右打ち)とする傾向が強くなる。
【0076】
図7(a)~(h)は、特別図柄に関する当否判定を実行するときの遊技状態(以下、単に遊技状態という)と、当該当否判定の結果との関係において、特別図柄の変動表示の時間(平均変動時間若しくは一律な変動時間)の関係を示す図表である。つまり、図7(a)~(h)は、特別図柄に関する当否判定が実行さると、参照する変動パターンテーブルの概略を示す説明図である。なお、図7(i)は、実施例2の特徴を示す図表である。
図7(a)は、遊技状態が開放延長状態で、且つ非特定の変動(以下、開放延長状態の最終変動以外の変動を、遊技状態が開放延長状態で、非特定の変動という)であり、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合の特別図柄の平均変動時間を示しており、当該平均変動時間は「35秒」とされている。
ここで、開放延長状態の最終変動とは、開放延長状態の利益を保持しつつ実行される最終の変動(終了すると時短フラグが解除されることとなる変動)である(図19図20(b)のS475cを参照)。なお、本実施例では、当該最終の変動が特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなる変動(大当り変動)である場合や、小当りとなる変動(小当り変動)である場合も、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能とするが、特別図柄に関する当否判定の結果がハズレとなる変動(ハズレ変動)に限定し、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能としてもよい(実施例2を参照)。
【0077】
図7(b)は、遊技状態が開放延長状態で、且つ非特定の変動であり、特別図柄に関する当否判定の結果が小当りである場合の特別図柄の平均変動時間を示しており、当該平均変動時間は「20秒」とされている。
図7(c)は、遊技状態が開放延長状態で、且つ非特定の変動であり、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合の特別図柄の平均変動時間を示している。この場合、リーチ演出を伴わない場合の平均変動時間は「8秒」とされ、リーチ演出を伴う場合の平均変動時間は「20秒」とされている。
【0078】
図7(d)は、遊技状態が開放延長状態で、且つ特定の変動(開放延長状態の最終変動)である場合の変動時間を示しており、当該変動時間は一律に「70秒」とされている。
なお、この場合、特別図柄に関する当否判定の結果は、大当りあっても、小当りであっても、ハズレであってもよいが、特定の変動を行う際の特別図柄に関する当否判定の結果を、何れかの結果(実施例2を参照)に限定してもよい。
【0079】
図7(e)は、遊技状態が非開放延長状態で、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合の特別図柄の平均変動時間を示しており、当該平均変動時間は「38秒」とされている。
図7(f)は、遊技状態が非開放延長状態で、特別図柄に関する当否判定の結果が小当りである場合の特別図柄の平均変動時間を示しており、当該平均変動時間は「25秒」とされている。
【0080】
図7(g)は、遊技状態が非開放延長状態で、且つ特別変動である場合に、第2特別図柄に関する当否判定の結果がハズレである場合の特別図柄の変動時間を示しており、当該変動時間は一律に「5秒」とされている。
なお、特別変動とは、遊技状態が開放延長状態から非開放延長状態に移行した後において、開放延長状態で記憶された第2保留記憶を消化して実行される変動であって、第2特別図柄に関する当否判定(第2当否判定)の結果がハズレであるものを示している。
【0081】
図7(h)は、遊技状態が非開放延長状態で、且つ非特別変動であり、特別図柄に関する当否判定の結果がハズレである場合の特別図柄の平均変動時間を示している。以下の説明において、遊技状態が非開放延長状態で実行される変動のうち、特別変動以外変動を「遊技状態が非開放延長状態で、且つ非特別変動」という。
この場合、リーチ演出を伴わない場合の平均変動時間は「13秒」とされ、リーチ演出を伴う場合の平均変動時間は「30秒」とされている。
ここで、本実施例において、遊技状態が開放延長状態から非開放延長状態に移行した後において、開放延長状態で記憶された第1保留記憶を消化して実行される変動であって、第1特別図柄に関する当否判定の結果がハズレである場合は、非特別変動として、図7(h)の変動パターンテーブルを参照し、変動時間が決定される。また、遊技状態が開放延長状態から非開放延長状態に移行した後において、開放延長状態で記憶された第1保留記憶若しくは第2保留記憶を消化して実行される変動であって、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合は、図7(e)の変動パターンテーブルを参照し、変動時間が決定される。更に、遊技状態が開放延長状態から非開放延長状態に移行した後において、開放延長状態で記憶された第1保留記憶若しくは第2保留記憶を消化して実行される変動であって、特別図柄に関する当否判定の結果が小当りである場合は、図7(f)の変動パターンテーブルを参照し、変動時間が決定される。
【0082】
次に、図8を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10~S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0083】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0084】
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
【0085】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄決定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
【0086】
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、第1大入賞口14、第2大入賞口15への入賞、一般入賞口31~34への入賞及び普通図柄作動ゲート17、特定領域106への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
【0087】
普通図柄作動ゲート17及び各始動口11、12への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)については、図9及び図15を用いて後述する。
続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
【0088】
次に、図9を用いて、主制御装置80が実行する「普通図柄の始動入賞確認処理」を説明する。本処理は、図8に示した入賞確認処理(S60)のサブルーチンの一つと構成されている。
以後、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。なお、普図保留記憶の上限数を4個とする。
【0089】
普通図柄始動入賞確認処理が起動すると、普通図柄作動ゲート17への入球があるか否かを判定し(S100)、入球があれば(S100:yes)、普通図柄の保留記憶が満杯であるか否かを判定する(S102)。否定判定の場合には(S102:no)、S104の処理で普通図柄の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数(普図決定用乱数)などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリ(内蔵RAMに設けられた普図用の保留記憶領域)に記憶される(最大4つ)。そして、普通図柄保留数表示装置8の表示制御、演出図柄表示装置6やサブ統合制御装置83への普通図柄保留数コマンド送信処理を行い(S106)、本処理を終了(リターン)する。
【0090】
また、S100の処理で普通図柄作動ゲート17への遊技球の入球がなかったと判定される場合(S100:no)及び普通図柄の保留記憶が満杯であった場合には(S102:yes)、そのままリターンとなる。
【0091】
図10図12を用いて、普通図柄当否判定処理について説明する。本処理は、図8に示した当否判定処理(S65)のサブルーチンの一つと構成されている。なお、普通図柄当否判定処理の実行後には、後述する普通図柄遊技処理が実行される。
普通図柄当否判定処理を開始すると、第2始動口12を開放させるための普通電動役物が作動中であるか否かを判定する(S110)。普通電動役物が作動中である場合には(S110:yes)、そのまま普通図柄遊技処理へ移行する。また、普通電動役物が作動していない場合には(S110:no)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(S112)。変動中でなければ(S112:no)、確定図柄が表示されているかを判定する(S114)。
【0092】
確定図柄が表示中でなければ(S114:no)、普通図柄の保留記憶があるか否かを判定し(S116)、普通図柄の保留記憶があれば(S116:yes)、普通図柄の保留記憶数をデクリメントし(S118)、S120に移行する。なお、普通図柄の保留記憶がなければ(S116:no)、そのまま普通図柄遊技処理に移行する。
【0093】
S120では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、時短フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで時短フラグが1とは、現在のパチンコ機50が、開放延長機能が作動する遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S120:yes)、読み込んだ普通図柄の当り決定用乱数を時短テーブル(開放延長状態に参照するテーブル)に記録されている当り値と照合し(S122)、図11のS130に移行する。否定判断された場合(S120:no)は、S124にて当り決定用乱数を通常テーブル(非開放延長状態に参照するテーブル)に記録されている当り値と照合し、図11のS130へと移行する。
【0094】
なお、本実施例では非開放延長状態の普通図柄の当選確率を3/10に設定し、開放延長状態での普通図柄確率を1/2に設定している(図6を参照)。但し、本実施例と異なり、非開放延長状態と開放延長状態において、普通図柄の当選確率が等しくされても(例えば、遊技状態に関わらず普通図柄の当選確率を一定(例えば、非開放延長状態と開放延長状態で「1/2」))としてもよい。
また、本実施例では、第2始動口に遊技球が入賞すると、高い確率(1/2)で小当りを発生するため(小当り遊技若しくは大当り遊技を既に実行等でない限り小当りを発生するため)、開放延長状態における普通図柄確率(当りとなる確率)が高いと小当りの発生確率が高くなり、その分、役物大当りを発生する確率が高くなる。
【0095】
図11のS130では普通図柄に関する当否判定の結果が当りか否かを判定し、当りであれば(S130:yes)、当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し(S132)、変動パターンを決定する(S134)。なお、本実施例のS132の処理で普通図柄の当り図柄が何れに決定されても、S134で同様な処理を行う。
【0096】
その後、普通図柄当り設定処理を行う(S136)。一方、普通図柄に関する当否判定の結果が当りでなければ(S130:no)、ハズレの変動パターンを決定する(S138)。なお、本実施例の普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選で当り又はハズレと判定されるか否かに関係なく、また、当り図柄に関係なく、パチンコ機50の遊技状態が非開放延長状態であれば常に10.8秒であり、パチンコ機50の遊技状態が開放延長状態であれば常に180秒である(図6を参照)。
【0097】
つまり、本パチンコ機50では、非遊技状態であるにも関わらず、右打ちを行い、普通図柄作動ゲート17に遊技球を通過させても、普通図柄がなかなか変動を停止しない状態となり、遊技効率を著しく低下させる状態となる。このため、非遊技状態であるには、専ら左打ちを行い、第1始動口11への入球を狙う遊技を行うことが好ましいこととなる。つまり、本パチンコ機50は、非遊技状態で右打ちを抑制する機能(以下、右打ち抑制機能という)を備えることとなる。なお、本実施例と異なり、非遊技状態であるにおいて、第2特別図柄の平均変動時間を長くして(例えば、10分として)、非遊技状態における右打ちを抑制してもよいし、第2特別図柄の平均変動時間とともに普通図柄の変動時間を長くして非遊技状態における右打ちを抑制してもよい。
【0098】
その後、S140に移行し、普通図柄表示装置7の変動開始、およびサブ統合制御装置83へ普通図柄変動開始コマンドを送信し(S140)、普通図柄遊技処理に移行する。本実施例の普通図柄当り設定処理(S136)では、非電サポ状態中(非開放延長状態中)に、S130で肯定判定される場合には、普通電動役物を0.2秒で1回の開放パターンを設定する。また、開放延長状態中にS130で肯定判定される場合には、普通電動役物を2秒で1回の開放パターンを設定する(図6を参照)。
【0099】
図10のS112において、普通図柄が変動中の場合には(S112:yes)、図12(a)に示すS146に移行する。S146では、普通図柄の変動時間を経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S146:yes)、対応した普通図柄の確定図柄表示処理を行い(S148)、普通図柄遊技処理に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、普通図柄表示装置7にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。なお、図柄変動時間を経過していない場合には(S146:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0100】
図10のS114において、確定図柄表示中の場合には(S114:yes)、図12(b)に示すS150に移行する。S150で確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了した場合には(S150:yes)、確定図柄の表示を終了し(S152)、普通図柄の当りの組合せであるか否かを判定する(S154)。普通図柄の組合せが当りである場合には(S154:yes)、普通図柄当り開始演出処理を行い(S156)、普通図柄遊技処理へと移行する。確定図柄表示時間を終了していない場合(S150:no)、普通図柄の組合せがハズレである場合は(S154:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0101】
図13図15を用いて、第2始動口12を開放することで行われる普通図柄遊技処理について説明する。なお、普通図柄遊技処理は、普通図柄当否判定処理の実行後に実行される処理である。
図13に示すように、普通図柄遊技処理が開始されると、先ず、普通電動役物が作動中であるか否かを判定する(S160)。普通電動役物が作動中の場合には(S160:yes)、普通電動役物が開放中か否かを判定する(S162)。一方、普通電動役物が作動中ではない場合には(S160:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。
【0102】
普通電動役物が開放中でなければ(S162:no)、普通図柄当り終了演出中か否かを判定し(S164)、普通図柄当り終了演出中でなければ(S164:no)、普通図柄当り開始演出時間が経過したか否かを確認し(S166)、普通図柄当り開始演出時間が経過していれば(S166:yes)、普通電動役物開放処理(S168)へ移行し、終了となる。
本実施例の普通電動役物開放処理(S168)は、上述したS134で設定した普通電動役物の開放パターンに基づいて普通電動役物を開放する(閉鎖状態から開放状態とする)。
【0103】
図13のS162の処理で普通電動役物が開放中であれば(S162:yes)、図14(a)のS170に移行する。そして、普通電動役物に10個(規定数)の入球があったか否かを判定する(S170)。規定数に達した場合には(S170:yes)、普通電動役物閉鎖処理(S174)を行い、普通図柄当り終了演出処理を実行して(S176)、終了となる。一方、普通電動役物に10個(規定数)の入球がない場合には(S170:no)、普通電動役物の開放時間が終了となったか否かを判定する(S172)。肯定判定の場合には(S172:yes)、S174に移行する。なお、否定判定の場合には(S172:no)、そのまま終了となる。
【0104】
図13のS164の処理で普通図柄当り終了演出中であれば(S164:yes)、図14(b)に示すS180に移行し、普通図柄当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S180)。普通図柄当り終了演出時間が経過していれば(S180:yes)、普通図柄当り終了コマンド送信の処理(S182)を実行し、この処理でサブ統合制御装置83に普通図柄当り終了コマンドを送信し、普通図柄遊技を終了する。なお、普通図柄当り終了演出時間が経過していない場合には(S180:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了する。
【0105】
次に、図15を用いて、主制御装置80が実行する「特別図柄の始動入賞確認処理」を説明する。本処理は、図8に示した入賞確認処理(S60)のサブルーチンの一つとなる(保留記憶手段、先読判定手段、保留記憶数送信手段、入賞信号送信手段を含む)。
以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。なお、本実施例では第1保留記憶の上限数を4個、第2保留記憶の上限数を4個、普図保留記憶の上限数を4個とする。
【0106】
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否かを判定する(S200)。肯定判定であれば(S200:yes)、主制御装置80に既に格納されている第1保留記憶数が上限数(本実施例では4個)未満であるか否か判定する(S205)。肯定判定であれば(S205:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、第1保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S210)。
【0107】
S210に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S215)。具体的には、大当り決定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、小当り値なら小当り図柄の種類を確認する。大当りでも小当りでもないハズレなら、ハズレ図柄の種類を確認する(先読判定手段)。
【0108】
続いて、S215の先読判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S220)、S210で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S225)。本実施例では、第1先読判定コマンドと第1保留数指示コマンドとを個別のコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信しているが、この二つのコマンド内容を一つのコマンドに生成してサブ統合制御装置83に送信する構成も考えられる。
【0109】
S225の処理、又はS200、S205の否定判定(S200:no、S205:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S230)。否定判定なら(S230:no)リターンし、肯定判定なら(S230:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限数(本実施例では4個)未満か否かを判定する(S235)。否定判定なら(S235:no)リターンし、肯定判定であれば(S235:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、第2保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第2保留記憶の数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S240)、S215と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S245)。
【0110】
続いて、S245の判定結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置83に送信し(S250)、S240で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S255)、リターンする。
【0111】
サブ統合制御装置83は第1保留記憶数指示コマンド若しくは第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよい。
【0112】
なお、図15に示すように、本実施例では、抽出乱数記憶処理(S210、S240)を先読判定処理(S215、S245)よりも前に行う。つまり、第1始動口スイッチ11a若しくは第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出し、保留記憶を行う場合において、保留記憶した乱数(記憶済みの乱数)を先読判定する構成を採用するが、本実施例と異なり、先読判定処理(S215、S245)を行ってから、保留記憶処理(S210、S240)を行うこととしてもよい。その場合、例えば、図15に示すS215の処理の肯定判定の後、抽出した乱数を一時的に記憶して先読判定を行い、その後、一時記憶していた乱数を第1保留記憶として保留記憶する。同様に、図15に示すS235の処理の肯定判定の後、抽出した乱数を一時的に記憶して先読判定を行い、その後、一時記憶していた乱数を第2保留記憶として保留記憶することとしてもよい。
【0113】
次に、図16図20図21(a)に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する当否判定処理(特別図柄の当否判定処理)を説明する。本処理は、第1保留記憶と第2保留記憶の当否判定及び該当否判定の結果に応じた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間選択、確定図柄選択、大当り遊技の内容設定、大当り遊技終了後の遊技状態設定を行う処理となり、当否判定の結果が小当りであるか否かを判定する小当り判定手段を含む。
【0114】
本処理を開始すると、条件装置が作動中、即ち大入賞口が作動中か否かを判定し(S300)、肯定判定なら(S300:yes)、リターンし、否定判定なら(S300:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定する(S305)。そして、変動中でなければ(S305:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否かを判定し(S310)、確定表示中でなければ(S310:no)、第2保留記憶が有るか否かを判定する(S315)。
そして、S315の処理で否定判定されると(S315:no)、第1保留記憶が有るか否かを判定し(S320)、否定判定なら(S320:no)リターンする。
【0115】
S315又はS320の処理で肯定判定されると(S315:yes,S320:yes)、S330の処理に移行する。この「S315とS320の判定順序」は、本パチンコ機50において第1保留記憶と第2保留記憶が記憶されている場合、第2保留記憶を優先的に処理(当否判定)することを示している。
【0116】
S330の処理では保留記憶のシフト処理を行う(S330)。これにより最も古い(保留記憶されてから最も時間が経過している)第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、該当する保留記憶を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
【0117】
S330の処理に続いて、S345の大当り判定用乱数比較処理を実行する。この大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が当否判定テーブル内の判定値と一致するかを比較する(S345)。
【0118】
S345の処理に続くS350の処理では、S345の結果が大当り(大当り判定値と同一)であるか否かを判定する。S350の処理で肯定判定なら(S350:yes)、図柄モード設定処理を行う(S355)。このS355の図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。つまり、図柄大当り遊技の内容(大当りラウンド数)と図柄大当り遊技後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。
【0119】
S355の処理に続くS360の処理では、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S360)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。
【0120】
本実施例のパチンコ機50では、当否判定の結果が大当りとなると(S350:yes)、乱数抽選によって大当り図柄が決定される。
なお、本実施例の「S355の処理及びS360の処理」を統合してもよい。つまり、S350の処理で肯定判定される場合には、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選で、確定表示させる大当り図柄を決定する。そして、決定された大当り図柄に応じて、実行する図柄大当り遊技の内容と、図柄大当り遊技後の遊技状態を決定(設定)してもよい。
【0121】
次にS355で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S365)。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
【0122】
次に、S365の処理を経て移行するS368の処理では、S355の処理で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技(図柄大当り遊技)の内容となる第1大入賞口14の開放パターン設定処理を行う。このS368の処理では、第1大入賞口14を26秒間、開放させる開放動作を、所定のインターバルを挟み、計6回(第1当否判定を経た大当りの場合)、若しくは、10回(第2当否判定を経た大当りの場合)行う開放パターンが設定される。
【0123】
S350の処理の肯定判定、S355~S365、S368の処理を経ると、S370の処理に移行し、当否判定の対象とした第1又は第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間を特定する変動パターンを選択する変動パターン選択処理を行う(S370)。
【0124】
ここで、S370の変動パターン選択処理について簡単に説明する。
本実施例では、開放延長状態で参照する変動パターン選択テーブルとして、(1)開放延長状態で特定の変動を行う際に参照する変動パターンテーブル(以下、特定変動パターンテーブルという)と、(2)開放延長状態で非特定変動を行う際に参照する変動パターンテーブル(以下、非特定変動パターンテーブルという)を備えている。
S370では、その時点の遊技状態(非開放延長状態若しくは開放延長状態)に対応する大当り用の変動パターン選択テーブルを参照しつつ、判定対象となる第1又は第2保留記憶の変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選によって、大当り用の変動パターンを決定する。このS370の変動パターンによって、大当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が大当りの場合に実行される変動(以下、大当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。このため、パチンコ機50の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
【0125】
なお、非開放延長状態で参照する大当り用の変動パターン選択テーブルと、開放延長状態で参照する大当り用の変動パターン選択テーブルには、それぞれ変動パターン乱数に対応づけられた複数個のパターンが格納されている。そして、S370で選択される変動パターンによって特定される特別図柄の変動時間は、遊技状態が開放延長状態で、非特定の変動である場合に平均で「35秒」とされ、特定の変動である場合に一律に「70秒」とされている(図7(a)、(d)を参照)。
【0126】
S350の処理の肯定判定、S355、S360、S365、S368、S370の処理を行うと、S396の処理で変動指示コマンド(変動開始コマンド)を送信する。
このS350の処理の肯定判定を経たS396の変動指示コマンド(変動開始コマンド)には、変動時間を特定する変動パターンのデータ(変動パターンコマンド)の他に、当否判定の結果が大当りであることを特定する「大当り情報」と、選択した大当り図柄に関する情報、変動を開始した特別図柄の種類を特定する情報(第1特別図柄か、第2特別図柄を特定する情報)が含まれる。
【0127】
この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた演出図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0128】
S350の処理で否定判定される場合には(S350:no)、S345の比較処理の結果が小当りであるか否かを判定する(S372)。つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が、小当りであるか否かを判定する(S372)。
【0129】
ここで、本実施例では、第1当否判定の結果が小当りとなることは無く、第2当否判定で小当りとなる確率は「1/2」とされている(図6を参照)。つまり、当否判定の結果が、大当りでない場合には略33%の割合で、当否判定の結果が小当りとなる)。但し、当否判定の結果が小当りとなる確率を更に高く(略小当り確定)してもよい。例えば、当否判定の結果が、大当りでない場合には、外れと判定される確率よりも高く(小当り確率;198/199)してもよい。
【0130】
S372の処理で肯定判定されると(S372:yes)、S375の処理に移行する。このS375の処理では、S210若しくはS240の処理で取得(記憶)した小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を選択する処理を行う(S375)。このS375の処理を経ると、S378の処理に移行し、S375の処理で選択された小当り図柄の種類に基づいて、小当り遊技における第2大入賞口15の開放パターンを設定する処理を行う(S378)。
ここで、本実施例では、小当り遊技の開放パターンとして、S375の処理で選択された小当り図柄が何れであっても、第2大入賞口15を1.8秒に亘って、1回開放するパターンが設定される(図6を参照)。
【0131】
S372の処理の肯定判定、S375及びS378の処理を経ると、S380の処理に移行し、当否判定の対象とした第1又は第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間を特定する変動パターンを選択する変動パターン選択処理を行う(S380)。
【0132】
ここで、S380の変動パターン選択処理について簡単に説明する。
S380では、その時点の遊技状態(非開放延長状態若しくは開放延長状態)
に対応する小当り用の変動パターン選択テーブルを参照しつつ、判定対象となる第1又は第2保留記憶の変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選によって、小当り用の変動パターンを決定する。このS380の変動パターンによって、小当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が小当りの場合に実行される変動(以下、小当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。つまり、本実施例では、S210若しくはS240で取得したリーチ判定用乱数が何れであっても、小当り変動において、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。但し、本実施例においては、小当り変動において一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行わないこととしたり、S210若しくはS240で取得したリーチ判定用乱数に基づいて、リーチを行ったり、行わないこととしたりしてもよい。
【0133】
また、非開放延長状態で参照する小当り用の変動パターン選択テーブルと、開放延長状態で参照する小当り用の変動パターン選択テーブルには、それぞれ変動パターン乱数に対応づけられた複数個のパターンが格納されている。そして、S380で選択される変動パターンによって特定される特別図柄の変動時間は、遊技状態が開放延長状態で、非特定の変動である場合に平均で「20秒」とされ、特定の変動である場合に一律に「70秒」とされている(図7(b)、(d)を参照)。また、遊技状態が非開放延長状態である場合は、平均で「25秒」とされている(図7(f)を参照)。
【0134】
そして、S372の処理の肯定判定、S375、S378、S380の処理を行うと、特別変動管理処理(S394)を経て、S396の処理で変動指示コマンド(変動開始コマンド)を送信する。なお、特別変動管理処理(S394)に関しては後述する。
このS372の処理の肯定判定を経たS396の変動指示コマンド(変動開始コマンド)には、変動時間を特定する変動パターンのデータ(変動パターンコマンド)の他に、当否判定の結果が小当りであることを特定する「小当り情報」と、選択した小当り図柄に関する情報と、時短状態(開放延長状態)で実行可能な当否判定の残り回数を特定する情報と、変動を開始した特別図柄の種類を特定する情報(第1特別図柄か、第2特別図柄を特定する情報)が含まれる。
【0135】
この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S372の処理で否定判定される場合(S372:no)、ハズレ図柄を選択し(S385)、続いてS390の処理に移行し、ハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S390)、S396の処理に移行する。
【0136】
このS372の処理の否定判定、S385、S390の処理を行うと、特別変動管理処理(S394)を経て、S396の処理で変動指示コマンド(変動開始コマンド)を送信する。
このS372の処理の否定判定を経たS396の変動指示コマンド(変動開始コマンド)には、変動時間を特定する変動パターンのデータ(変動パターンコマンド)の他に、当否判定の結果がハズレであることを特定する「ハズレ情報」と、選択したハズレ図柄に関する情報と、時短状態(開放延長状態)で実行可能な当否判定の残り回数を特定する情報と、変動を開始した特別図柄の種類を特定する情報(第1特別図柄か、第2特別図柄を特定する情報)が含まれる。
【0137】
ここで、S390の変動パターン選択処理について簡単に説明する。
S390では、その時点の遊技状態(非開放延長状態若しくは開放延長状態)に対応するハズレ用の変動パターン選択テーブルを参照しつつ、判定対象となる第1又は第2保留記憶の変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選によって、ハズレ用の変動パターンを決定する。このS390の変動パターンによって、ハズレ図柄が停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果がハズレの場合に実行される変動(以下、ハズレ変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、リーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行うケース(以下、リーチハズレのケースという)と、リーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を実行しないケース(以下、リーチ無しハズレのケースという)がある。
【0138】
このため、S372の否定判定を経て移行するS390においては、先ず、S210若しくはS240で取得したリーチ判定用乱数に基づく乱数抽選でリーチの実行判定を行い、「リ-チ表示及びリーチ演出」の可否を決定する。そして、リーチの実行判定で否定判定されると、非リーチ用(リ-チ表示及びリーチ演出を行わないとき)の変動パターンテーブルと、S210若しくはS245で取得した変動パターン決定用乱数を用いて、非リーチ用の変動パターンを決定する。これに対して、リーチの実行判定で肯定判定されると、リーチ用(リ-チ表示及びリーチ演出を行うとき)の変動パターンテーブルと、S210若しくはS240を取得した変動パターン決定用乱数を用いて、リーチ用の変動パターンを決定するのが原則である。
【0139】
また、開放延長状態で特定の変動を行う場合には、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。つまり、本実施例では、S210若しくはS240で取得したリーチ判定用乱数が何れであっても、特定の変動としてのハズレ変動において、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。つまり、S210若しくはS240で取得したリーチ判定用乱数が何れであっても、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。
【0140】
そして、特定の変動としてのハズレ変動においても、特定変動パターンテーブルを参照して乱数抽選によって変動パターンを決定する。但し、特定変動パターンテーブルには、単一の変動パターンが格納されているだけであるため、判定対象となる第1又は第2保留記憶の変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選が何れであっても、一律に単一の変動パターンに決定される。具体的には、図7(d)に示すように、当該変動パターンによって特定される特別図柄の変動時間は、「70秒」とされている。
なお、本実施例において、特定の変動としてのハズレ変動において、一律にリーチを行わなかったり、S210若しくはS240で取得したリーチ判定用乱数に基づいて、リーチを行ったり、行わないこととしたりしてもよい。
【0141】
一方、開放延長状態で非特定の変動(最終変動以外の変動)を行う場合には、原則通り、先ず、S210若しくはS240で取得したリーチ判定用乱数に基づく乱数抽選でリーチの実行判定を行い、「リ-チ表示及びリーチ演出」の可否を決定する。
具体的には、開放延長状態で非特定の変動を行う場合に参照するハズレ用の変動パターン選択テーブルとして、(3)リーチの実行判定で否定判定されると、選択される非リーチ用の変動パターンテーブルと、(4)リーチの実行判定で肯定判定されると、選択されるリーチ用の変動パターンテーブルを備える。
【0142】
そして、(3)の非リーチ用の変動パターンテーブルを参照し、S210若しくはS245で取得した変動パターン決定用乱数を用いて、変動パターンを選択すると、当該選択される変動パターンによって特定される特別図柄の平均変動時間は、「8秒」とされる(図7(c)を参照)。また、(4)のリーチ用の変動パターンテーブルを参照し、S210若しくはS245で取得した変動パターン決定用乱数を用いて、変動パターンを選択すると、当該選択される変動パターンによって特定される特別図柄の平均変動時間は、「20秒」とされる(図7(c)を参照)。
【0143】
また、非開放延長状態で参照するハズレ用の変動パターン選択テーブルとして、(a)非開放延長状態で特別変動(遊技状態が、開放延長状態から非開放延長状態に移行した後、開放延長状態時に記憶した第2保留記憶を消化するまでの変動)を行う際の変動パターンテーブル(以下、特別変動パターンテーブルという)と、(b)非開放延長状態で非特別変動(当該特別変動以外の変動)を行う際の変動パターンテーブル(以下、非特別変動パターンテーブルという)を備えている。なお、本明細書において、保留記憶を消化するとは、当該保留記憶に関する当否判定(特別図柄に関する当否判定)を行うことを指す。
【0144】
また、非開放延長状態で特別変動を行う場合には、対応する演出表示が、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を伴わない演出表示とされる。つまり、本実施例では、S210若しくはS240で取得したリーチ判定用乱数が何れであっても、特別変動としてのハズレ変動において、一律にリーチを行わない。そして、この非リーチ用の変動パターンテーブル(特別変動パターンテーブル)を参照し、S210若しくはS245で取得した変動パターン決定用乱数を用いて、変動パターンを選択すると、当該選択される変動パターンによって特定される特別図柄の変動時間は、一律に「5秒」とされる(図7(g)を参照)。
この場合、遊技状態が、開放延長状態から非開放延長状態に移行したケースでは、開放延長状態時に記憶した第2保留記憶を素早く消化することを意図している。
【0145】
また、非開放延長状態で非特別変動を行う場合に参照するハズレ用の変動パターン選択テーブルとして、(c)リーチの実行判定で否定判定されると、選択される非リーチ用の変動パターンテーブル(非リーチ用の非特別変動パターンテーブル)と、(d)リーチの実行判定で肯定判定されると、選択されるリーチ用の変動パターンテーブル(リーチ用の非特別変動パターンテーブル)を備える。
そして、(c)の非リーチ用の変動パターンテーブル(非リーチ用の非特別変動パターンテーブル)を参照し、S210若しくはS245で取得した変動パターン決定用乱数を用いて、変動パターンを選択すると、当該選択される変動パターンによって特定される特別図柄の平均変動時間は、「13秒」とされる(図7(h)を参照)。また、(d)のリーチ用の変動パターンテーブル(リーチ用の非特別変動パターンテーブル)を参照し、S210若しくはS245で取得した変動パターン決定用乱数を用いて、変動パターンを選択すると、当該選択される変動パターンによって特定される特別図柄の平均変動時間は、「30秒」とされる(図7(h)を参照)。
【0146】
この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0147】
ここで、図17を用いて、変動パターン選択処理(S370、S380、S390の処理)について説明する。
変動パターン選択処理を起動すると、時短フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S393a)。
S393aで肯定判定される場合には(S393a:yes)、S393b以降に移行し、開始する特別図柄に関する変動表示が、開放延長状態(時短状態)で最後に実行される変動表示であるか否かを判定する処理を行う。
【0148】
具体的には、時短フラグがセット(値が「1」と)されている場合には(S393a:yes)、393bに移行し、第1カウンタの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S393bで肯定判定される場合には(S393b:yes)、S393dに移行し、S393bで否定判定される場合には(S393b:no)、S393cに移行し、第2カウンタの値が「1」であるか否かを判定する。
そして、S393cで肯定判定されると(S393c:yes)、S393dに移行し、S393cで否定判定されると(S393c:no)、S393eに移行する。
【0149】
ここで、第1カウンタは第2特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタであり、第2カウンタは「第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算回数」をカウントするためのカウンタである。そして、第1カウンタは第2特別図柄が変動する毎に-1され、第2カウンタは第1特別図柄若しくは第2特別図柄が変動する毎に-1される(図19のS460を参照、図20(a)を参照)。
つまり、本実施例では、特別図柄の変動開始時に、第1カウンタ若しくは第2カウンタの値が「1」であるか否か(特別図柄の変動停止時に第1カウンタ若しくは第2カウンタの値が「0」になるか否か)を判定することによって、開放延長状態(時短状態)で最後に実行される変動表示であるか否かを判定する。
【0150】
そして、開放延長状態(時短状態)で最後に実行される変動表示である場合には(S393b:yes、若しくは、S393c:yes)である場合には、図7(d)の特定変動パターンテーブルを参照し、変動パターンを選択した後(393d)、変動パターン選択処理をリターンする。
また、開放延長状態(時短状態)で最後に実行される変動表示でない場合には(S393b:no、及び、S393c:no)、図7(a)~(c)の何れかに示す非特定変動パターンテーブルを参照し、変動パターンを選択した後(S393e)、変動パターン選択処理をリターンする。
【0151】
一方、時短フラグがセット(値が「1」と)されていない場合には(S393a:no)、S393fに移行し、第2特別図柄に関する当否判定の結果が「ハズレ」であるか否かを判定する。そして、S393fで肯定判定される場合には(S393f:yes)、S393gに移行し、特別変動フラグの値が「1」であるか否かを判定する。
S393gで肯定判定される場合には(S393g:yes)、図7(g)の特別変動パターンテーブルを参照し、変動パターン(ハズレ用の変動パターン)を選択した後(S393h)、変動パターン選択処理をリターンする。
【0152】
S393fで否定判定される場合には(S393f:no)には、S393iで、非開放延長状態用の変動パターンテーブルを参照し、変動パターンを選択した後(S393i)、変動パターン選択処理をリターンする。
つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合には、図7(e)に示す変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択した後(S393i)、変動パターン選択処理をリターンし、当該結果が小当りである場合には、図7(f)に示す変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択した後(S393i)、変動パターン選択処理をリターンする。
また、第1特別図柄に関する当否判定の結果がハズレの場合と、S393gで否定判定される場合には(S393g:no)には、図7(h)の非開放延長状態用で、且つ、非特別変動パターンテーブルを参照し、変動パターンを選択した後(S393i)、変動パターン選択処理をリターンする。
【0153】
次に、図18を用いて、特別変動管理処理について説明する。
特別変動管理処理を起動すると、特別変動フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S394a)。そして、S394aで否定判定される場合には(S394a:no),特別変動管理処理をリターンする。
S394aで肯定判定される場合には(S394a:yes)、S394bに移行し、変動を開始した特別図柄が第2特別図柄であるか否かを判定する。このS394bで否定判定される場合には(S394b:no)、特別変動管理処理をリターンする。
【0154】
これに対して、S394bで肯定判定される場合には(S394b:yes)、S394cに移行し、特別変動カウンタの値を「1」減算する処理を行う。そして、S394dで特別変動カウンタの値が「0」となったか否かを判定する。
【0155】
S394dで肯定判定される場合には(S394d:yes)、特別変動フラグの値を「0」とした後(S394e)、特別変動管理処理をリターンする。
これに対して、S394dで否定判定される場合には(S394d:no)、そのまま、特別変動管理処理をリターンする。
【0156】
ここで、時短フラグとは、特別図柄に関する当否判定(特別図柄に関する変動表示)の実行時の遊技状態が開放延長状態(時短状態)であることを示すフラグであり、遊技状態が開放延長状態である場合には時短フラグの値が「1」とされ、遊技状態が非開放延長状態である場合には時短フラグの値が「0」とされる。
更に、特別変動フラグとは、遊技状態が開放延長状態から非開放延長状態に移行した場合において、遊技状態が開放延長状態であるときに記憶されていた第2保留記憶を処理する期間であることを示すフラグである。
【0157】
また、特別変動カウンタの上限値には、遊技状態が開放延長状態から非開放延長状態に移行したとき、記憶されていた第2保留記憶の個数がセットされる。そして、非開放延長状態に移行したときに記憶されていた第2保留記憶が処理される毎に特別変動カウンタの値は「1」減算され、当該記憶されていた最後の第2保留記憶が消化されると特別変動カウンタの値が「0」とされる。そして、特別変動カウンタの値が「0」とされ、特別変動フラグの値が「0」となると、以後の変動(特別図柄に関する変動)は、非特別変動として実行される。
【0158】
次に、図16のS305が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S305:yes)、図19のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S370、S380若しくはS390の処理で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S400)。
このS400の処理で否定判定されると(S400:no)リターンし、肯定判断されると(S400:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS360,S375又はS385で選択した図柄(当否判定の結果を示す結果図柄)を確定表示させる(S405)。
【0159】
そして、確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して演出図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。
【0160】
S405に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が大当り図柄か否かを判定し(S410)、肯定判定なら(S410:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行う(S415)。そして、時短フラグが1か否かを判定し(S420)、肯定判定なら(S420:yes)、時短フラグに0をセットする(S425)。つまり、時短フラグを解除する。
【0161】
そして、S425の処理を行うか、S420の処理で否定判定されると(S420:no)、条件装置作動開始処理(S430)と、役物連続作動装置作動開始処理(S435)と、大当りフラグに1をセットする処理(S440)を行うことで大当り遊技を開始する。そして、大当り遊技開始処理を実行し(S455)、S488に移行する。
【0162】
ここで、大当り遊技開始処理(S445)では、大当り遊技の開始を示すコマンド及び開始する大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、S410で肯定判定された大当りの種類等)をサブ統合制御装置83に送信する。
そして、S488で状態指定コマンドをサブ統合装置83に送信する処理を行うと、特別図柄に関する当否判定処理をリターンする。
【0163】
一方、S410が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S410:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S450)、時短フラグが1か否かを判定する(S455)。
そして、S455の処理で肯定判定されると(S455:yes)、S460で時短カウンタ減算処理を経て、S465に移行する。
【0164】
ここで、図20(a)を用いて、時短カウンタ減算処理について説明する。
時短カウンタ減算処理では、まず、停止表示された特別図柄(変動していた特別図柄)が、第2特別図柄であるか否かを判定する(S460a)。
そして、S460aで肯定判定される場合(S460a:yes)、S460bで第1カウンタの値を「1」減算する処理を行った後、S460cに移行する。また、S460aで否定判定される場合(S460a:no)、S460bをスキップしてS460cに移行する。
このS460cでは、第2カウンタの値を「1」減算する処理を行う。
【0165】
このように、時短カウンタ減算処理では、(1)停止表示された特別図柄(変動していた特別図柄)が第2特別図柄である場合には、第1カウンタ及び第2カウンタ値を「1」デクリメントし、(2)停止表示された特別図柄(変動していた特別図柄)が第1特別図柄である場合には、第2カウンタ値を「1」デクリメントする。
【0166】
ここで、遊技状態が開放延長状態(時短状態)である場合、遊技者は、右打ちを行う傾向が高く、第2始動口12に遊技球が入球する可能性が、第1始動口11に遊技球が入球する可能性よりも遙かに高い。しかも、遊技状態が開放延長状態(時短状態)を終了させる第2特別図柄の上限変動回数が、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動回数の合算値よりも遙かに少なくなっている。このため、本実施例では、開放延長状態(時短状態)を終了させる特別図柄の種類は、第2特別図柄である可能性が高くなっている。
【0167】
時短カウンタ減算処理(S460)を行うと、図19のS465に移行し、第1カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S465)。つまり、開放延長状態(時短状態)で実行された第2特別図柄に関する変動回数が10回になったか否かを判定する。
S465で肯定判定される場合には(S465:yes)、S475の時短状態終了処理(開放延長状態終了処理)を経てS480に移行する。
【0168】
S465で否定判定される場合には(S465:no)、S470に移行し、第2カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S470)。つまり、第2カウンタは「第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算回数(トータル回数)」をカウントするためのカウンタであり、S470で第2カウンタの値が「0」になると、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算回数(トータル回数)が「50回」になる。
【0169】
S470で肯定判定される場合には(S470:yes)、S475の時短状態終了処理(開放延長状態終了処理)を経てS480に移行する。一方、S470で否定判定される場合には(S470:no)、そのまま(時短状態終了処理を経ることなく)、S480に移行する。
【0170】
ここで、図20(b)を用いて。時短状態終了処理について説明する。
時短状態終了処理では、まず、特別図柄が停止表示されたとき、記憶されている第2保留記憶の個数が正数であるか否かを判定する(S475a)。
そして、S475aで肯定判定される場合(S475a:yes)、S475bで、特別変動フラグの値を「1」とする処理と、その時点(特別図柄の変動表示を終了した時点)の第2保留記憶の記憶個数を特別変動カウンタの初期値(上限値)としてセットする処理を行い、S475cに移行する。一方、S475aで否定判定される場合(S475a:no)、S475bをスキップして、S475cに移行する。
【0171】
S475cでは、時短フラグを「0」にし、これにより、時短状態(開放延長状態)を終了し、遊技状態は非時短状態(非開放延長状態)に移行する。これにより、時短状態終了処理をリターンし、図19のS480に移行する。
つまり、S475の処理を実行するか、S455及びS470が否定判定されると(S455:no,S470:no)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判定する(S480)。
【0172】
S480の処理で否定判定される場合には(S480:no)、S488で状態指定コマンドをサブ統合装置83に送信する処理を行うと、特別図柄に関する当否判定処理をリターンする。
一方、S480の処理で肯定判定される場合には(S480:yes)、特別電動役物の作動を開始し(S482)、小当りフラグを「1」にセットする(S484)。そして、S486において小当り遊技開始処理(S486)を行い、S488の処理で状態指定コマンドをサブ統合装置83に送信する処理を行うと、特別図柄に関する当否判定処理をリターンする。
小当り遊技開始処理(S486)では、小当り遊技の開始を示すコマンド及び開始する小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間、S480で肯定判定された小当りの種類等)をサブ統合制御装置83に送信する。そして、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報を取得したサブ統合制御装置83は、当該小当り遊技係る情報に基づいて、先読み演出(保留連予告等)の実行の可否を判定することができる。
【0173】
また、S486の処理、若しくはS480の否定判定に続いて移行するS488では上記各処理の結果(上記各処理後の時短フラグの値)に基づく遊技状態(電サポ状態、非電サポ状態)を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。
【0174】
図16に戻り、S310が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S310:yes)、図21(a)のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定する(S492)。そして、否定判定なら(S492:no)リターンし、肯定判定なら(S492:yes)、確定図柄表示終了処理(S496)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に演出図柄(擬似図柄)の確定表示を終了させる指示を行う。
【0175】
次に、図21(b)、図22から図27を用いて、本実施例において主制御装置80が実行する特別遊技処理を説明する。
図21(b)に示すように、特別遊技処理を開始すると、大当りフラグの値が0か否か判定する(S500)。肯定判定されると(S500:yes)、小当りフラグの値が「0」か否か判定する(S505)。
そして、S505の処理で肯定判定されると(S505:yes)、特別遊技処理をリターンする。一方、S505の処理で否定判定されると(S505:no)、即ち小当り遊技中である場合には(S505:no)、図22のS510の処理に進む。
【0176】
S510の処理では、小当り開始インターバル中であるか否かを判定する(S510)。そして、S510の処理で否定判定されると(S510:no)、第2大入賞口15が開放中か否かを判定する(S515)。
そして、S515の処理で否定判定されると(S515:no)、S525の処理に移行し、特定領域106が有効か(遊技球を検出すると役物連続作動装置が作動する期間か)否かを判定する(S525)。
【0177】
S525の処理で否定判定される場合には(S525:no)、小当り終了演出中か否か判定する(S530)。そして、肯定判定されると(S530:yes)、小当り終了演出終了時間が経過したか否かを判定する(S535)。
このS535の処理で肯定判定されると(S535:yes)、条件装置の作動終了処理を行い、小当りフラグに0をセットする処理(S540)と、特定領域有効フラグ0をセッする処理(S545)と、を行いリターンする。また、S535の処理で否定判定される場合(S535:no)も、同様にリターンする。
【0178】
S530の処理で否定判定されると(S530:no)、小当り開始インターバル開始処理を行い(S580)、サブ統合制御装置83へ小当り開始コマンドを送信し、リターンする。なお、S525の処理で肯定判定される場合には(S525:yes)、そのまま図24のS600の処理に移行する。
S510の処理で肯定判定される場合(S510:yes)、S560の処理に移行し、小当り開始インターバル時間が終了した否かを判定する(S560)。そして、S560の処理で肯定判定されると(S560:yes)、第2大入賞口15を開放する処理(第2大入賞口開放処理)を行い(S565)、続いて特定領域106を有効化する処理(有効化処理)を行う(S570)。S570の処理を行うか、S560の処理で否定判定されると(S560:no)、リターンする。
【0179】
なお、本実施例のパチンコ機50では、第2大入賞口15を開放するタイミングで、特定領域106を有効化するが、特定領域106を有効化する時期はこれに限定されない。
【0180】
また、本実施例では、第2大入賞口15が開放状態(遊技球が入球可能な状態)になるタイミングで振分け羽根105が開放されることとし、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率は、ほぼ50%としている。但し、本実施例と異なり、周期的に振分け羽根105が開放すること等によって、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率を50%よりも低い確率としたり、高い確率としたりしてもよい。例えば、確定表示される小当り図柄に応じて、振分け羽根105の開閉タイミングを変更し、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率を約1/3等(50%よりも低い確率)としたり、ほぼ100%(50%よりも高い確率)としたりしてもよい。
【0181】
S515の処理で肯定判定される場合、即ち第2大入賞口15が開放中であると(S515:yes)、図23のS585に進み、第2大入賞口15への入賞数(入球数)が上限数(規定入球数の10個)未満か否かを判定する(S585)。そして、肯定判定されると(S585:yes)、小当り遊技における第2大入賞口15の開放限度時間(本実施例では、1.8秒)が終了したか否かを判定する(S590)。
S590の処理で肯定判定される場合(S590:yes)と、S585の処理で否定判定される場合は(S585:no)、第2大入賞口15の閉鎖処理を行い(S595)、リターンする。
【0182】
S590の処理で否定判定される場合には(S590:no)、図24のS600に進み、特定領域スイッチ106aが遊技球を検出したか否か判定する(S600)。
S600の処理で否定判定されると(S600:no)、特定領域有効化期間が終了したか否か判定し(S660)、肯定判定される場合には(S660:yes)、小当り終了演出処理を行う(S665)。この小当り終了演出処理では、サブ統合制御装置83へ小当り終了コマンドを送信する。小当り終了コマンドを受信したサブ統合制御装置83側では演出図柄制御装置82の制御により演出図柄表示装置6に演出(例えば、役物大当りが生起せずに小当り遊技が終了したことを報知する内容)が表示される。
なお、特定領域有効化期間の終了時期として、小当り遊技における第2大入賞口15の開放限度時間を終了した後、所定時間(本実施例では7秒経過後)を例示することができる。
【0183】
S600の処理で肯定判定される場合(S600:yes)、即ち、遊技球が特定領域106に入球すると(S600:yes)、役物連続作動装置の作動開始処理を行う(S610)。そして、第2大入賞口15が開放中か否か判定し(S615)、肯定判定されると(S615:yes)、第2大入賞口15を閉鎖する処理(第2大入賞口閉鎖処理)を行う(S620)。
S620の処理を実行するか、S615の処理で否定判定されると(S615:no)、図16のS375の処理で設定した小当り図柄を参照し、参照した小当り図柄の種類に基づいて、大当り遊技(役物大当り遊技)の内容と、大当り遊技終了後の遊技状態(非開放延長状態、開放延長状態)を決定する図柄モードを設定する(S630)。そして、S630の処理で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理(図16のS365と同様の内容)を行い(S635)、S630の処理で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技(役物大当り遊技)の内容となる第1大入賞口14の開放パターンを設定する処理を行う(S640)。
【0184】
S640の処理に続いて、特定領域無効化処理を行った後(S645)、大当り開始演出指示コマンド(大当り遊技の開始を示すコマンド)をサブ統合制御装置83に送信する(S650)。そして、大当りフラグに1をセットし(S655)、役物大当り遊技(特別遊技)に移行する。
S655の処理若しくはS665の処理を実行するか、S660の処理で否定判定(S660:no)されると、小当りフラグに0をセットし(S670)、リターンする。以上が小当り遊技に係る処理構成となる。
【0185】
図21(b)のフローチャートに戻り、S500の処理で否定判定、即ち、大当りフラグの値が「1」であると(S500:no)、図25のフローチャートに進み、第1大入賞口14が開放中か否かを判定する(S700)。そして、否定判定されると(S700:no)、開放間インターバル中か否か判定する(S705)。
S705の処理で否定判定されると(S705:no)、大当り終了演出中か否かを判定し(S710)、否定判定されると(S710:no)、大当り開始演出中か否かを判定する(S715)。
【0186】
S715の処理で肯定判定されると(S715:yes)、大当り開始演出時間が経過したか否かを判定し(S720)、否定判定されると(S720:no)リターンし、肯定判定されると(S720:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行い(S725)、リターンする。
S705の処理で肯定判定されると(S705:yes)、インターバル時間が終了したか否かを判定する(S730)。そして、S730の処理で否定判定されると(S730:no)リターンし、肯定判定されると(S730:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行い(S735)、リターンする。
【0187】
S715の処理で否定判定されると(S715:no)、大当り開始演出処理を行ない(S740)、リターンする。大当り開始演出処理(S740)ではサブ統合制御装置83へ大当り開始コマンドを送信する。
【0188】
S700の処理で肯定判定されると(S700:yes)、図26のフローチャートに進み、第1大入賞口14への入賞が規定数である10個を満たしたか否かを判定する(S750)。そして、否定判定されると(S750:no)、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する(S755)。
S755の処理で否定判定されると(S755:no)、リターンする。また、肯定判定されるか(S755:yes)、S750の処理で肯定判定されると(S750:yes)、第1大入賞口14の閉鎖処理を行う(S760)。
そして、S760の処理を実行すると、S765の処理に移行し、大当り遊技の最終ラウンドが終了したか否か判定する(S765)。
S765の処理で肯定判定されると(S765:yes)、大当り終了演出処理を行い(S770)、リターンする。一方、否定判定されると(S765:no)、開放間インターバル処理を行い(S775)、リターンする。
【0189】
大当り終了演出処理(S770)ではサブ統合制御装置83へ大当り終了演出指示コマンドを送信し、開放間インターバル処理(S775)では、同様にインターバルコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。大当り終了演出指示コマンド又はインターバルコマンドを受信したサブ統合制御装置83側では演出図柄制御装置82の制御により演出図柄表示装置6に演出が表示される。
【0190】
図25に戻り、S710の処理で肯定判定されると(S710:yes)、即ち大当り終了演出中であれば(S710:yes)、図27のフローチャートに進み、大当り終了演出の終了時間を経過したか否かを判定し(S800)、否定判定されると(S800:no)、リターンする。
一方、S800の処理で肯定判定されると(S800:yes)、役物連続作動装置停止処理(S805)と、条件装置作動停止処理(S810)を行い、設定されているモードバッファを参照する(S815)。
【0191】
そして、参照したモードバッファの内容に基づいて、大当り遊技(図柄大当り遊技、役物大当り遊技)を実行した後に時短状態(開放延長状態)に移行するか否かを判定する(S818)。つまり、(1)「第1特図6R開放延長有り大当り」若しくは「第2特図10R開放延長有り大当り」に基づく図柄大当り遊技を実行した後と、(2)小当り遊技で、特定入賞(V入賞)して実行される役物大当り遊技を実行した後においては、遊技状態が時短状態(開放延長状態)に移行するため、S818の処理で肯定判定される。そして、時短フラグと時短カウンタを設定し(S820、S825)、S830に移行する。
なお、「第1特図6R開放延長無し大当り電サポ無し大当り」若しくは「第2特図10R開放延長無し大当り」に基づく図柄大当り遊技を実行した後においては、遊技状態が時短状態(開放延長状態)に移行しない。
【0192】
ここで、本実施例では、時短カウンタが第1カウンタと第2カウンタとで構成されている。そして、(1)「第1特図6R開放延長有り大当り」若しくは「第2特図10R開放延長有り大当り」に基づく図柄大当り遊技を実行した後と、(2)「小当り」に基づく役物大当り遊技を実行した後には、第1カウンタに「10」、第2カウンタに「50」がセットされる。
【0193】
一方、(1)「第1特図6R開放延長無し大当り」若しくは「第2特図10R開放延長無し大当り」に基づく図柄大当り遊技を実行した後においては、遊技状態が時短状態に移行しないため、S818の処理で否定判定される。この場合、S818の処理を行うと、S830に移行する。
【0194】
S830では、特別変動フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S830で肯定判定される場合には(S830:yes)、特別変動フラグの値を「0」とした後(S835)、S840に移行する。
一方、S830で否定判定される場合には(S830:no)、S835をスキップしてS840に移行する。
【0195】
S840では、モードバッファをクリアする。この後、終了コマンドと、大当り遊技終了後の遊技状態を指示する状態指定コマンドとをサブ統合制御装置83に送信する(S845、S850)。更に、大当りフラグに0をセットして(S855)、リターンする。
【0196】
次に、図28図32を用いて本実施例のパチンコ機50で実行される演出制御等について説明する。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御する。
【0197】
また、演出図柄表示装置6の画面6aには、演出図柄の変動及び停止表示を行う主表示領域6Hと、関連演出を表示するための関連事項表示部6Fと、第1保留記憶数表示部6Aと、第2保留記憶数表示部6Bが出現する。また、関連事項表示部6Fでは、例えば、キャラクタ、動画、実写画像等を用いて、演出図柄の変動及び停止表示を盛り上げるための関連演出を実行したり、遊技者に発するコメント、警告等を表示したりする。例えば、「特別図柄に関する当否判定の結果」を示唆する演出(味方キャラクタと、敵キャラクタが戦うバトル演出であって、バトルの勝敗等が「当否判定の結果」に呼応する演出)を実行する。
【0198】
特別図柄の当否判定が実行されることに基づき、第1特別図柄表示装置9若しくは第2特別図柄表示装置10において特別図柄の変動が開始される。また、特別図柄の変動開始に呼応して、演出図柄表示装置6の主表示領域6Hにおいて左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)を開始する。そして、主表示領域6Hでは、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。なお、本実施例では、演出図柄の変動を主表示領域6Hにおいて3桁の構成図柄を表示して行うが、構成図柄の数は特に問わず、1個であってもよいし、3以外の複数であってもよいし、スクロール方向が横方向であってもよい。ここで、主表示領域6Hにおいて、左側に表示され構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cという。
【0199】
なお、第1保留記憶数表示領域6Aは、画面6aの左側縁側に出現し、第1保留記憶の記憶数を表示される保留図柄a1の個数で表示する。また、第2保留記憶数表示領域6Bは、画面6aの右側縁側に出現し、第2保留記憶の記憶数を表示される保留図柄(保留図柄a1と同様な保留図柄であって、以下、第2保留記憶に対応する保留図柄を保留図柄b1と表記する)の個数で表示する。なお、図28では、保留記憶数表示領域6A、6Bに保留図柄が表示されていることを「黒丸」で示し、表示されていないことを「白丸」で示している。更に、本パチンコ機50において、遊技者が左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射すると第1保留記憶は貯まるが第2保留記憶は貯まり難くなっている。一方、遊技者が右打ち領域3Rを狙って遊技球を発射すると、第2保留記憶は貯まるが第1保留記憶は貯まり難くなっている。
なお、図28では、遊技状態が非遊技状態であり、遊技者が左打ちを行う傾向にあるため、第2保留記憶は記憶される可能性が低いことを反映し、第2保留記憶数表示領域6Bには保留図柄b1が表示されない状態を示しているが、第2保留記憶は記憶されると第2保留記憶の記憶数に対応する保留図柄b1が表示される。
【0200】
特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合には、主表示領域6Hにおいて、演出図柄の大当り図柄を確定表示することとなる変動(以下、大当り変動演出という)が実行される。
大当り変動演出においては、サブ統合制御装置83が変動開始コマンドを受信すると、図28(a)に示すように、左演出図柄6Lと、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動を開始する。
【0201】
そして、リーチ表示の実行時期になると、図28(b)に示すように、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一数字で停止表示してリーチ表示を実行する。このとき、画面6aに「リーチ」という文字情報が表示され、リーチ演出(前述したバトル演出等の煽り演出)を開始する。
【0202】
また、大当り変動演出の実行時間を経過すると、図28(c)に示すように、変動中の中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一数字で停止表示して大当り図柄の確定表示が実行される。この大当り図柄の確定表示によって図柄大当りの発生が報知され、大当り遊技(図柄大当り遊技)が実行される。
【0203】
そして、大当り遊技(図柄大当り遊技)を実行した後、開放延長状態に移行する場合と、移行しない場合がある。
この場合、開放延長状態に移行する確率は50%とされ、延長状態に移行しない確率は50%とされている。
【0204】
特別図柄に関する当否判定の結果が小当りである場合には、主表示領域6Hにおいて、演出図柄の小当り図柄を確定表示することとなる変動(以下、小当り変動演出という)が実行される。
小当り変動演出においても、サブ統合制御装置83が変動開始コマンド(変動指示コマンド)を受信すると、図29(a)に示すように、左演出図柄6Lと、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動を開始させる。そして、図29(b)に示すように、リーチ表示の実行時期になると、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一の小当り図柄(演出図柄)を停止表示してリーチ表示を実行する
【0205】
ここで、図29(b)に示すように、小当り図柄(演出図柄)の態様として、「アルファベット文字で」構成される図柄を例示するが、小当り図柄(演出図柄)の態様は、これに限定されない。例えば、算用数字等によって小当り図柄(演出図柄)を構成してもよい。
【0206】
更に、小当りの実行時間を経過すると、図29(c)に示すように、変動中の中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一図柄(同一の小当り図柄)で停止表示して小当り図柄の確定表示が実行される。この小当り図柄の確定表示によって小当りを発生し、小当りの発生が報知される。
【0207】
小当りが発生すると、図29(d)に示すように、小当り遊技の開始を報知する演出(小当り遊技開始演出)を経て、図29(e)に示すように、小当り遊技が開始される。
この小当り遊技は、第2大入賞口15に1.8秒に亘って開放する開放動作を1回行うことを内容とする遊技である。
【0208】
小当り遊技を行っている際に(第2大入賞口15が1.8秒の開放動作を1回行う際に)、第2大入賞口15に入球した遊技球が誘導有効期間内に特定領域106を通過すると「V入賞」を生じ(図29(f))、小当り遊技が「役物大当り遊技」に移行する(図29(g))。
一方、第2大入賞口15に入球した遊技球が誘導有効期間内に特定領域106に誘導さない場合には、ほぼ「特定入賞(V入賞)」を生ずることはなく、特別図柄の変動表示を実行可能な状態となる。
【0209】
但し、本パチンコ50では、小当り遊技の際に第2大入賞口15の開放時間(1.8秒)が遊技球を第2大入賞口15に入球させる上で十分な時間である。しかも、誘導有効期間が第2大入賞口15の開放時間よりも遅く終了し、第2大入賞口15に入球した遊技球が、ほぼ「1/2」の確率で「特定入賞(V入賞)」する。このため、小当り遊技中に右打ちを実行する場合には、ほぼ「50%」の確率で「役物大当り遊技」が実行される。
【0210】
そして、大当り遊技(役物大当り遊技)を実行した後、開放延長状態に移行する。この場合、開放延長状態に移行する確率は100%とされている。
なお、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合(大当り及び小当り以外である場合)には、主表示領域6Hにおいて、演出図柄の外れ図柄を確定表示することとなる変動(以下、外れ変動演出という)が実行される。この場合、本パチンコ機50において特別遊技(大当り遊技若しくは小当り遊技)が開始されることはない。
【0211】
次に、図30及び図31を用いて、特定の変動パターンに対応する演出表示(以下、特定演出表示という)について説明する。
開放延長状態で実行される最終変動を開始したとき、主制御装置80からサブ統合制御装置83に、特定の変動パターンが選択されたことを示す情報を含む変動開始コマンド(変動指示コマンド)が送信される。
ここで、特定の変動パターンは、長時間(70秒)の変動時間を特定する変動パターンである(図7(d)を参照)。
【0212】
特定演出表示においても、サブ統合制御装置83が変動開始コマンド(変動指示コマンド)を受信すると、図30(a)に示すように、左演出図柄6Lと、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動を開始する。
但し、特定演出表示では、演出表示を開始すると同時に「狙え!」という文字情報J1の表示と、「狙えという音情報」の出力が実行される。この文字情報J1の表示と、音情報出力によって「入球指示演出」が構成される。
また、特定演出表示を開始すると、「入球指示演出」の残り時間を示す文字情報J2が表示される。
この「入球指示演出」は、特定演出表示を開始後、5秒を経過するまで実行される。そして、特定演出表示の実行時間が、1秒経過する毎に文字情報J2が示す残り時間が1秒ずつ減算して表示される。つまり、特定演出表示を開始後、5秒を経過するまで、1秒を経過する毎に残り時間をウントダウンして表示される(図30(b)、(c))。
【0213】
サブ統合制御装置83は、特定演出表示を開始後、22秒を経過すると、第2保留記憶の記憶個数が上限個数であるか否かを判定する。
そして、上限個数である場合には、図31(a)に示すように、再入球指示演出を伴わない態様(以下、通常態様という)で、特定演出表示を継続する。
これに対して、上限個数でない場合には、図31(d)に示すように、再入球指示演出を伴う態様(以下、再入球指示態様という)で、特定演出表示を継続する。
【0214】
つまり、通常態様では、図31(a)に示すように、画面6aに「準備完了」という文字情報J4が表示される。この文字情報J4によって、第2保留記憶の記憶個数が上限個数であることが報知される。
そして、今回の特別図柄に関する当否判定の結果と、記憶されている第2保留記憶の先読みの結果等を考慮し、演出移行画面1~3(J5~J7)を表示する(図31(b)、図31(c)、図31(g))。この後、今回の特別図柄に関する当否判定の結果(大当り図柄若しくは外れ図柄)を表示して、特定演出表示を終了する(図31(h))。
【0215】
一方、再指示態様では、図31(d)に示すように、画面6aに「再チャレンジ準備!」という文字情報K4(つまり、入球指示を再度、行うことを予告する文字情報K4)が表示される。そして、今回の特別図柄に関する当否判定の結果と、記憶されている第2保留記憶の先読みの結果等を考慮し、演出移行画面J5を表示する(図31(e))。
この後、「再度狙え!」という文字情報K6の表示と、「再度狙えという音情報」の出力が実行される。この文字情報K6の表示と、音情報出力によって「再入球指示演出」が構成される。
【0216】
そして、今回の特別図柄に関する当否判定の結果と、記憶されている第2保留記憶の先読みの結果等を考慮し、演出移行画面(演出移行画面3)を表示する(図31(g))。この後、今回の特別図柄に関する当否判定の結果(大当り図柄若しくは外れ図柄)を表示して、特定演出表示を終了する(図31(h))。
【0217】
次に、図32を用いて、特別変動フラグの値が「1」である場合の演出表示(以下、特別演出表示という)について説明する。
開放延長状態を終了し、遊技状態が非開放延長状態に移行した後、開放延長状態で記憶されていた第2保留記憶を処理(消化)して実行される演出表示が特別演出表示である。
遊技状態が非開放延長状態に移行したとき、主制御装置80からサブ統合制御装置83に、特別変動パターンが選択されたことを示す情報を含む変動開始コマンド(変動指示コマンド)が送信される。
ここで、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合、特別変動パターンは、ごく短時間(外れの場合は5秒)の変動時間を特定する変動パターンである(図7(g)を参照)。
【0218】
特別演出表示は、開放延長状態で記憶した第2保留記憶を一挙に消化するために実行される。つまり、記憶した第2保留記憶について、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合、極短時間に「さくさく」と外れ図柄を停止表示するための演出を行う。
本実施例では、個々の第2保留記憶に対応する演出表示が開始する度に味方キャラクタ6Aと、敵キャラクタ6Bが戦うバトル演出を開始し、当該演出表示を終了する度に敵キャラクタ6Bが勝利して演出表示を終了する(図32(b))。そして、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである限りは、開放延長状態で記憶した第2保留記憶が消化されるまで、このバトル演出が繰り返される(図32(c)(d))。
【0219】
一方、記憶した第2保留記憶について、特別図柄に関する当否判定の結果が小当りである場合、特別変動パターンは、リーチ演出を実行可能な時間(25秒)の変動時間を特定する変動パターンである(図7(f)を参照)。
この場合も、第2保留記憶に対応する演出表示が開始する度に味方キャラクタ6Aと、敵キャラクタ6Bが戦うバトル演出を開始し、リーチ演出を経て味方キャラクタ6Aが勝利して演出表示を終了する(図32(g))。
【0220】
次に、図33のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0221】
本処理を開始すると、第1保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S1000)。ここで、第1保留数指示コマンドとは、第1始動口11に遊技球が入球することに基づき、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンドである(図15のS225を参照)。
このS1000の処理で否定判定されると(S1000:no)、S1020に移行する。
【0222】
S1000の処理で肯定判定されると(S1000:yes)、サブ統合制御装置83が備える第1保留数カウンタに「+1」インクリメントし(S1005)、演出図柄制御装置82に第1保留数表示指示信号を送信し(S1010)、S1020に移行する。
【0223】
なお、この第1保留数カウンタの値は、後述する変動開始処理において、第1特別図柄に関する変動指示コマンド(変動開始コマンド)を受信する毎に「1」デクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置80が記憶する第1保留記憶の数と同一数が管理される。
【0224】
前述の図28に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aには、第1保留記憶数表示領域6Aと、第2保留記憶数表示領域6Bが出現する。そして、サブ統合制御装置83が「第1保留数コマンド送信処理」で送信された第1保留数コマンドを受信した場合には、第1保留記憶表示領域6Aで、保留図柄a1がインクリメントされる。
【0225】
S1020では、第2保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S1020)。ここで、第2保留数指示コマンドとは、第2始動口12に遊技球が入球することに基づき、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンドである(図15のS255を参照)。
このS1020の処理で否定判定されると(S1020:no)、保留数指示コマンド受信処理をリターンする。
【0226】
S1020の処理で肯定判定されると(S1020:yes)、サブ統合制御装置83が備える第2保留数カウンタに「+1」インクリメントした後、S1030に移行する。
S1030では、第2保留記憶の個数が上限個数(4個)になったか否かを判定する。つまり、今回の第2保留数指示コマンドの受信で第2保留記憶を満杯になったか否かを判定する。
【0227】
このS1030で肯定判定される場合には(S1030:yes)、満杯フラグの値を「1」とした後(S1035)、S1040に移行する。また、S1030で否定判定される場合には(S1030:no)、S1035の処理をスキップしてS1040に移行する。
【0228】
S1040では、演出図柄制御装置82に第2保留数表示指示信号を送信し(S1040)。この後、保留数指示コマンド受信処理をリターンする。
【0229】
なお、この第2保留数カウンタの値は、後述する変動開始処理において、第2特別図柄に関する変動指示コマンド(変動開始コマンド)を受信する毎に「1」デクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置80が記憶する第2保留記憶の数と同一数が管理される。
前述の図28に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aには、第2保留記憶数表示領域6Bが出現する。そして、サブ統合制御装置83が「第2保留数コマンド送信処理」で送信された第2保留数コマンドを受信した場合には、第2保留記憶表示領域6Bで、保留図柄b1がインクリメントされる。
【0230】
次に、図34のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。この演出開始処処理は、「特別図柄の変動表示に対応する演出(以下、特別図柄対応演出という)」の実行態様(演出パターン)を決定し、対応演出を開始させる処理である。
【0231】
演出開始処を起動すると、サブ統合制御装置83が変動指示コマンド(変動開始コマンド)を受信したか否かを判定する(S1100)。ここで、変動指示コマンド(変動開始コマンド)は、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図16のS396の処理を参照)。
【0232】
この変動開始コマンドには、特別図柄の当否判定の結果(大当り、小当り、外れ)を示すデータと、変動時間を指定する変動パターンを示すデータが含まれる。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、変動開始コマンドには、大当り図柄を指定する図柄指定コマンド(大当り種類を示すデータ)も送信される。更に、特別図柄の当否判定の結果が小当りの場合、変動開始コマンドには、小当り図柄を指定する図柄指定コマンド(小当り種類を示すデータ)も送信される。
【0233】
そして、S1100の処理で否定判定の場合(S1100:no)、演出開始処理をそのまま終了し、肯定判定の場合(S1100:yes)、振分用の乱数(演出態様抽選用の乱数である)を抽出する処理(S1105)を行った後、S1110の処理に移行する。
【0234】
このS1110の処理では、変動を開始した特別図柄が第1特別図柄であるか否かを判定し、肯定判定される場合(S1110:yes)には、S1115に移行して、第1保留数カウンタの値を「1」デクリメントした後(S1115)、S1125に移行する。
また、S1110の処理で否定判定される場合(S1110:no)には、S1120」に移行して、第2保留数カウンタの値を「1」デクリメントした後(S1120)、S1125に移行する。
【0235】
S1125では、満杯フラグの値が「1」であるか否かを判定し、肯定判定される場合には(S1125:yes)、S1130で満杯フラグの値を「0」とした後、S1135に移行する。また、S1125で否定判定される場合には(S1125:no)、S1130をスキップしてS1135に移行する。
【0236】
S1135では、S1100で受信した変動指示コマンド(変動開始コマンド)によって特定される変動パターンに関するデータ(変動パターンコマンド)が、「特定の変動を特定する変動パターン」を示すデータであるか否かを判定する。
つまり、S1100で受信された変動パターンが、開放延長状態で実行される最終変動であるか否かを判定する。
【0237】
そして、S1135で肯定判定される場合には(S1135:yes)、特定演出表示を実行するための演出パターンを設定する処理と、再入球指示演出準備フラグの値を「1」とする処理を実行した後(S1140)、S1160に移行する。ここで、特定演出表示を実行するための演出パターンでは、演出表示を開始する同時に入球指示演出を実行する演出パターンが設定される(図30(a)を参照)。
【0238】
また、S1135で否定判定される場合には(S1135:no)、S1100で受信した変動指示コマンド(変動開始コマンド)によって特定される変動パターンに関するデータ(変動パターンコマンド)が特別変動パターンであるか否かを判定する(S1145)。つまり、S1100で受信された変動パターンが、開放延長状態から非開放延長状態に移行した後の第2特別図柄に関するハズレ変動であって、開放延長状態で記憶された第2保留記憶を処理(消化)して開始されたものであるか否かを判定する。
【0239】
S1145で肯定判定される場合には(S1145:yes)、特別演出に関する演出表示を実行するための演出パターンを設定する処理を実行した後(S1150)、S1160に移行する。
また、S1145で否定判定される場合には(S1145:no)、一般演出に関する演出表示を実行するための演出パターンを設定する処理を実行した後(S1155)、S1160に移行する。
ここで、一般演出に関する演出表示とは、一般的な演出を伴う演出パターンを設定した後(S1155)、演出開始処理をリターンする。つまり、遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)と、特別図柄に関する当否判定の結果に応じて演出パターンを設定した後(S1155)、S1160に移行する。
S1140、S1150若しくはS1155を経て移行するS1160では、演出を開始する処理を行う。そして、S1160を実行すると演出開始処理をリターンする。
【0240】
次に、図35のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出中処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。この処理は、特定演出表示を実行中に実行される処理である。
演出中処理を起動すると、サブ統合制御装置83は、再入球指示演出準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1200)。そして、S1200処理で否定判定される場合(S1200:no)には、演出中処理を終了する。
【0241】
一方、S1200の処理で肯定判定される場合(S1200:yes)には、サブ統合制御装置83は、第2保留記憶の記憶個数を確認するタイミングであるか判定する(S1205)。ここで、本実施例では、特定演出表示(特別図柄の変動)を開始した後、22秒のタイミングを経過すると、第2保留記憶の記憶個数を確認するタイミングが到来する。
【0242】
S1205で否定判定されると(S1205:no)、一旦、演出中処理を終了する。そして、再入球指示演出準備フラグの値が「1」である状態(再入球指示演出準備フラグがセットされている状態)で、S1205の処理を繰り返し実行するうちにS1205の処理の肯定判定を得ると(S1205:yes)、S1210に移行する。
【0243】
S1210では、満杯フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S1210で否定判定される場合には(S1210:no)、再入球演出処理(再入球演出を実行する処理)を行った後(S1215)、S1220で再入球指示演出準備フラグの値を「0」とした後、演出中処理をリターンする。
一方、S1210で肯定判定される場合には(S1210:yes)、S1215をスキップして、S1220で再入球指示演出準備フラグの値を「0」とした後、演出中処理をリターンする。
【0244】
次に、図36のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1300)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置40から送信されるコマンドである(図21(a)のS496の処理を参照)。
【0245】
そして、否定判定される場合には(S1300:no)、演出停止処理をそのまま終了する。
一方、肯定判定される場合には(S1300:yes)、演出図柄確定表示指示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理を行う。そして、演出停止処理を終了する。
【0246】
次に、図37及び図38を用いて、本発明の特徴を説明する。
図37(a)は、開放延長状態(時短フラグ=1)の最終変動(特定の変動)aが第2特別図柄の変動となるケースを示している。つまり、第1カウンタの値を「0」とする変動が特定の変動aとなるケースを示している。なお、図37(a)中の下向き矢印に付した「10」は、開放延長状態(時短フラグ=1)において「10回目」の「第2特別図柄の変動」を示している。また、特定の変動aの変動時間は「70秒」であることを示している。
【0247】
図37(b)は、特定の変動を開始すると同時に入球指示演出を実行し、入球指示演出を開始した後の所定のタイミング(特定の変動開始後、22秒のタイミング)で、第2保留が記憶される個数が、第2保留記憶の上限個数となったか否かを判定する。そして、この判定で肯定判定されたため、保留満杯フラグがセットされ(保留満杯フラグ=「1」とし)、再入球指示演出を実行しないケースを示している。
【0248】
図37(c)は、特定の変動を開始すると同時に入球指示演出を実行し、入球指示演出を開始した後の所定のタイミング(特定の変動開始後、22秒のタイミング)で、第2保留が記憶される個数が、第2保留記憶の上限個数となったか否かを判定する。そして、この判定で否定判定されたため、保留満杯フラグがセットされず(保留満杯フラグ=「0」とし)、再入球指示演出を実行する。そして、再入球指示演出を実行した後、第2保留が記憶される個数が、第2保留記憶の上限個数となり、当該判定で肯定判定されるケースを示している。
【0249】
図38は、遊技状態が開放延長状態から非開放延長状態に移行した後において、開放延長状態で記憶された第2保留記憶(以下、残留保留という)を処理する様子を示している。この残留保留の個数は、上限個数の4個であるものとする。
そして、全残留保留のうち、最初に記憶されたものに関する当否判定(特別図柄に関する当否判定)の結果がハズレ、2番目に記憶されたものに関する当否判定の結果が小当り、3番目に記憶されたものに関する当否判定の結果がハズレ、4番目に記憶されたものに関する当否判定の結果が小当りである、場合を示している。
【0250】
つまり、図38は、第2当否判定の結果が「1/2」の確率で小当りとなるため、その小当り確率を反映したケースを示している。
そして、2番目に記憶されたものに関する当否判定の結果が小当りになることに基づいて、実行される小当り遊技では特定入賞(図中「V」を参照)を発生しなかった。
【0251】
一方、4番目に記憶されたものに関する当否判定の結果が小当りになることに基づいて、実行される小当り遊技では特定入賞を発生し、役物大当り遊技を実行するケースを示している。この場合、遊技状態が開放延長状態から非開放延長状態に移行した後においても、開放延長状態で記憶された残留保留で、小当りを発生し、当該小当りの発生に基づいて実行される小当り遊技において、特定入賞を生じさせ、役物大当り遊技を実行するケースを示している。
【0252】
このため、役物大当り遊技を実行した後に遊技状態を再び、開放延長状態とし、高確率で小当りを発生させ、役物大当り遊技を実行し、その後、遊技状態が開放延長状態に再度、移行するという遊技者によって有利なループを実行する可能性を生じ、遊技興趣を向上させることができる。
【0253】
以上の実施例1のパチンコ機50によると、記憶された第2保留記憶の個数が、その上限個数(4個)となっていない状態であっても、再入球指示演出が出現する。このため、開放延長状態で、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを十分に生かすことなく、逃してしまうことを回避する上で有効である。
例えば、遊技中、他のことに気を取られてしまっていたり、遊技者がパチンコ初心者であり、当該遊技機で実行可能な遊技のことを十分に理解できていなかったりしても、再入球指示演出の出現により、異変に気付き、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを逃してしまう可能性を低減できる。
【0254】
なお、本実施例では、入球指示演出が開始された後(つまり、特定演出表示を開始した後)の所定タイミング(22秒を経過するタイミング)で、第2保留記憶が記憶される個数が、第2保留記憶の上限個数となったか否かを1回、判定し、第2保留記憶が記憶される個数が上限個数となっていないと判定する場合には、再入球指示演出を1回行う態様を例示した。
但し、本発明においては、第2保留記憶が記憶される個数が、第2保留記憶の上限個数となったか否か判定する「上限個数判定」の実行回数や、再入球指示演出の実行回数は1回に限定されない。
【0255】
例えば、1回目の再入球指示演出を実行した後、「上限個数判定」を再び実行し、「上限個数判定」で否定的に判定される場合、再入球指示演出を再度、実行してもよい。また、1回目の再入球指示演出を実行した後、「上限個数判定」を、再び実行し、「上限個数判定」で否定的に判定される場合、再入球指示演出を再度、実行してもよい。そして、「上限個数判定」と、「再入球指示演出」を、「上限個数判定」で肯定的に判定されるまで繰り返し行ってもよい。
【0256】
例えば、図35のS1205の処理を所定間隔(例えば、10秒間隔)で行ってもよい。
特に、特定の変動を特定する変動パターンに従う変動時間を長時間(70秒を例示)として、この長時間の間に上限個数判定と、再入球指示演出を複数回、実行することとすれば、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを遊技者が逃してしまうことをより確実に防止することができる。
【0257】
また、本発明では、再入球指示演出を、第2保留記憶が記憶される個数が、第2保留記憶の上限個数になるか(満タンになるか)、或いは、特定の変動が終了するまで継続することとしてもよい。
【0258】
なお、本実施例では、開放延長状態の終了条件が(1)第2特別図柄の変動回数が10回になるか、(2)第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算回数が50回になるか、或いは、(3)特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなると成立する態様を例示したが、開放延長状態の終了条件として以下の条件を例示することもできる。
例えば、第2特別図柄の変動が1回行われると終了条件が成立してもよい。より具体的に説明すると、(4)第2特別図柄の変動回数が1回になるか、(5)第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算回数が5回になるか、或いは、(6)特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなると成立すると、開放延長状態の終了条件が成立する態様を例示することもできる。この場合、遊技者は、開放延長状態に移行すると、一回の第2当否判定で大当り(図柄大当り)若しくは小当りを狙う。但し、第2当否判定の結果が、たとえ、ハズレであっても、一回の第2当否判定を実行することに基づき開始される第2特別変動が、特定の変動として実行されるため、当該変動中に入球指示演出や再入球指示演出を実行することで、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを遊技者が逃してしまうことを防止することができる。
【0259】
(2)実施例2
次に実施例2のパチンコ機50について説明する。
実施例2では、図7(i)に示すように、「特定の変動」を第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの、第2特別図柄に関する変動のみであって、しかも、特別図柄に関する当否判定の結果が外れであるものに限定している。
つまり、開放延長状態の最終変動であって、第2特別図柄に関する変動のうち、特別図柄に関する当否判定の結果が外れである場合に限定している。
【0260】
このように、開放延長状態で、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを十分に生かすことなく、最終変動としての特別図柄に関する当否判定の結果が外れであることを示す演出表示であると、遊技者のがっかり感がより一層、大きくなる。ところが、実施例2によると、特別図柄に関する当否判定の結果が外れであることを示す演出表示が実行されているときに、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能とする。
つまり、遊技者が特に必要性を感ずるケースに、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能とするため、入球指示演出及び再入球指示演出に遭遇することで、遊技興趣を特に高めることができる。
【0261】
なお、図示を省略するが、特定の変動を第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの、第1特別図柄に関する変動に限定してもよい(以下、変形例1という)。
つまり、開放延長状態で、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを十分に生かすことなく実行される最終変動が、第1特別図柄に関する変動である場合には(例えば、第2保留記憶の記憶個数が「0」で、イレギュラーに第1始動口11に遊技球が入球した場合には)、遊技者のがっかり感がより一層、大きくなる。ところが、この変形例1によると、最終変動として開始された「第1特別図柄に関する変動に対応する演出表示」が実行されているときに、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能とする。
この場合も、実施例2と同様に、遊技者が特に必要性を感ずるケースに、入球指示演出及び再入球指示演出に遭遇することができるため、遊技興趣を特に高めることができる。
【0262】
また図示を省略するが、特定の変動を第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの、第2特別図柄に関する変動に限定し、特別図柄に関する当否判定の結果が小当りである場合としてもよい(以下、変形例2という)。
開放延長状態で、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを十分に生かすことなく実行される最終変動が、小当りを報知する演出表示であるときに、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能とする。
この場合、遊技者が小当りを発生する場合に入球指示演出及び再入球指示演出に遭遇することができるため、役物大当り遊技移行のチャンスと共に、第2保留記憶獲得のチャンスが得られるため、遊技興趣を更に高めることができる。
【0263】
また、本発明においては、特定の変動を開放延長状態で実行される最終変動と、最終変動に先行するの他の変動(例えば、最終変動の1つ前の変動)とし、入球指示演出を他の変動で実行し、最終変動で上限個数判定を行う。そして、上限個数判定が否定判定を行う場合に再入球指示演出を実行してもよい。
【0264】
或いは、本発明の遊技機では、開放延長状態の最終変動に対応する演出表示に加え、それに先行する変動に対応する演出表示おいても、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能とし、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスを遊技者が逃してしまうことをより一層、確実に防止することとしてもよい。
【0265】
また、本発明の遊技機が複数種類の開放延長状態を備える場合、所定の開放延長状態の最終変動で入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能とし、その他の開放延長状態の最終変動で入球指示演出及び再入球指示演出を実行不可能としてもよい。例えば、各実施例に示す開放延長状態(以下、第1開放延長状態という)と、第1開放延長状態とは異なる他の開放延長状態(以下、第2開放延長状態という)を備える場合、第1開放延長状態の最終変動で、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能とし、第2開放延長状態の最終変動で、入球指示演出及び再入球指示演出を実行不可能としてもよい。
特に、第2開放延長状態としては、第1開放延長状態よりも、第2特別図柄に関する当否判定(第2特別図柄の変動)を実行するチャンスが多く、遊技者が逃してしまう可能性が低いものを例示できる。
例えば、第2開放延長状態として、(1)第1開放延長状態よりも継続期間が長い場合(第2特別図柄の変動を「20回」行うか、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算回数が「100回」になるか、或いは、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなると、第2開放延長状態の終了条件が成立する場合)であって、(2)第2開放延長状態の第2始動口の開放時間が、第1開放延長状態の第2始動口の開放時間よりも長い場合等を例示できる。
【0266】
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例や変形例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
【0267】
すなわち、各実施例では、開放延長状態(時短状態)として大当り遊技を介して移行する開放延長状態(以下、a時短状態という)を例示した。但し、本発明が対象とする開放延長状態(時短状態)は、a時短状態に限定されず、(1)本発明を他の態様の開放延長状態(時短状態)に適用してもよいし、(2)a時短状態とともに他の開放延長状態(時短状態)に適用してもよい。
【0268】
ここで、他の態様の開放延長状態(時短状態)としては、(a)特別図柄に関する当否判定の結果が、特定結果(時短当選)になることに基づいて、大当り遊技を介することなく移行する開放延長状態(以下、c時短状態という)や、(b)所定の計数手段が計数する計数値が、所定回数を示す値に到達することに基づいて大当り遊技を介することなく移行する開放延長状態(以下、b時短状態という)を例示することができる。
【0269】
ここで、「所定の計数手段」とは、所定条件の下、特別図柄に関する当否判定の判定結果が大当りとなることなく実行される当否判定の回数を計数する計数手段である。なお、「所定条件」とは、例えば、(1)特別図柄に関する当否判定において大当りとなる確率を通常確率から高確率に変動させる機能(以下、確率変動機能という。)を備える遊技機において、当否判定において大当りとなる確率が通常確率であることを「所定条件」とし、時短状態に移行しているか否かを特に問わない。なお、計数手段が計数する回数は、主制御装置80に搭載されたRAMを初期化する「ラムクリアの処理」を実行するか、大当りを発生すると(大当り遊技を実行すると)、クリアされる。
【0270】
また、本発明の遊技機は、a時短状態と、b時短状態と、c時短状態とのうち、2以上の時短状態(開放延長状態)を備えてもよい。
更に、本発明の遊技機が複数の時短状態(開放延長状態)を備える場合において、当該複数の時短状態の最終変動で、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能としてもよいし、当該複数の時短状態の一部の最終変動で、入球指示演出及び再入球指示演出を実行可能としてもよい。
【0271】
また、各実施例及び各変形例では。本発明の遊技機の適用例として、所謂「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50に関し、説明したが、これに限らず、一般的なデジパチタイプのパチンコ機50や、所謂「Vチャレタイプ」のパチンコ機50等の他のタイプのパチンコ機50にも本発明を好適に適用することができる。例えば、「第2当否判定の結果が大当りとなることに基づき実行される大当り遊技の方が、第1当否判定の結果が大当りとなることに基づき実行される大当り遊技よりも、遊技球の賞球払い出し量が多くなる可能性が高い」デジパチタイプのパチンコ機50に対しても、本発明を好適に適用できる。
【0272】
更に、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
【0273】
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「遊技機」の一例に相当する。
【0274】
図2及び図5の第1特別図柄表示装置9と第2特別図柄表示装置10が、特別図柄表示手段の一例に相当する。
図16のS300~S350、S372に至る処理が当否判定実行手段の一例に相当する。
図27のS820のが処理が開放延長状態移行手段の一例に相当する。
図34のS1140の処理が入球指示演出実行手段の一例に相当する。
図35のS1210の処理が上限個数判定手段の一例に相当する。
図35のS1215の処理が再入球指示演出実行手段の一例に相当する。
【符号の説明】
【0275】
1;遊技盤、3;遊技領域、3L:左打ち領域、3R:右打ち領域、6;演出図柄表示装置、11;第1始動口、12;第2始動口、14;第1大入賞口、15;第2大入賞口、80;主制御装置、82;演出図柄制御装置、83;サブ統合制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38