(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】鳥獣忌避装置
(51)【国際特許分類】
A01M 29/10 20110101AFI20241202BHJP
【FI】
A01M29/10
(21)【出願番号】P 2023111193
(22)【出願日】2023-07-06
【審査請求日】2023-07-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社エスクは、令和4年8月から令和5年6月にかけて、鳥獣忌避装置の構成について記載した資料を送付することで、公開を行った。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社エスクは、令和4年8月に、自社ホームページにて鳥獣忌避装置を公開した。
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591130113
【氏名又は名称】株式会社エスク
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】杉本 俊二
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-153427(JP,A)
【文献】登録実用新案第3215346(JP,U)
【文献】特開2006-166832(JP,A)
【文献】登録実用新案第3231761(JP,U)
【文献】特開平11-096804(JP,A)
【文献】特開平06-203966(JP,A)
【文献】実開平04-127912(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面又は天井面への取付構造を有する台座部と、
前記台座部に対し可動に取り付けられて、鳥獣が忌避する光を出射する光出射部と、
前記台座部に対し前記光出射部を横方向に回転させる第1駆動部と、
前記台座部に対し前記光出射部を縦方向に回転させる第2駆動部と、
前記第2駆動部を遠隔操作するための角度調節スイッチを有するリモコンとを備え、
前記取付構造により地面から離間して壁面又は天井面に前記台座部が取り付けられた使用状態で、前記光出射部
が、出射側に向かってビームが拡がるレーザー光を出射し、
運転状態の切替えスイッチの操作に伴って、前記光出射部が前記第1駆動部の駆動力によって横方向に回転しながら光を出射する運転状態に切り替わる、鳥獣忌避装置(但し、カメラの映像を見ながら前記第2駆動部の遠隔操作が可能な鳥獣忌避装置を除く。)。
【請求項2】
前記運転状態では、前記光出射部が、縦方向の角度が固定された状態で、前記第1駆動部の駆動力によって横方向に回転しながら光を出射する、請求項1に記載の鳥獣忌避装置。
【請求項3】
前記運転状態では、前記光出射部が、前記第2駆動部の駆動力によって縦方向の角度を変化させつつ、前記第1駆動部の駆動力によって横方向に回転しながら光を出射する、請求項1に記載の鳥獣忌避装置。
【請求項4】
取付構造を有する台座部と、
前記台座部に対し可動に取り付けられて、鳥獣が忌避する光を出射する光出射部と、
前記台座部に対し前記光出射部を横方向に回転させる第1駆動部と、
前記台座部に対し前記光出射部を縦方向に回転させる第2駆動部と、
前記第2駆動部を遠隔操作するための角度調節スイッチを有するリモコンとを備え、
前記第2駆動部によって、前記第1駆動部の回転軸を縦方向に回転させることが可能に構成され、
運転状態の切替えスイッチの操作に伴って、前記光出射部が前記第1駆動部の駆動力によって横方向に回転しながら光を出射する運転状態に切り替わる、鳥獣忌避装置。
【請求項5】
前記第1駆動部による前記光出射部の最大可動範囲として、横方向の回転が可能な角度範囲が決まっており、
設置現場に応じて、前記最大可動範囲に対し制約を設けて、使用時の可動範囲を設定可能である、請求項1に記載の鳥獣忌避装置。
【請求項6】
前記光出射部の最大可動範囲として、前記第2駆動部による縦方向の回転可能角度が決まっており、
設置現場に応じて、前記最大可動範囲に対し制約を設けて、使用時の可動範囲を設定可能である、請求項1に記載の鳥獣忌避装置。
【請求項7】
前記リモコンに加えて、前記光出射部が設けられた本体側にも、前記角度調節スイッチが設けられている、請求項1に記載の鳥獣忌避装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥獣が忌避する光を出射する鳥獣忌避装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
野生の鳥獣による被害が問題となっている。例えば、鳥獣によって農作物が食い荒される被害や、倉庫や工場などの建物にカラス、ハトなどの鳥が侵入し、鳥の糞によって製品や保管物が汚されるといった被害が生じている。後者の対策としては、建物内の天井面に防鳥ネットを施工することが行われている。
【0003】
特許文献1には、シート状のシート光を投射する鳥獣忌避装置が記載されている。この鳥獣忌避装置では、シート光投射装置が、右端位置と左端位置との間で繰り返し往復可能に設けられている。また、台座固定部に対する投射装置固定部の屈曲具合を調整することにより、シート光投射装置から投射されるシート光の投射方向を、往復回動運動するクランクアームの運動面に対して垂直をなす平面上で調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の鳥獣忌避装置は、建物(例えば倉庫、工場)内の天井付近など高所に設置される場合がある。高所に設置される場合、鳥獣忌避装置の設置後に、高所作業にて、鳥が留まる場所に向けて光を照射するように、縦方向における光の出射角度を調節することになる。しかし、縦方向における光の出射角度の再調節が必要となった場合、再び高所作業が必要となる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高所作業を行うことなく、縦方向における光の出射角度を調節可能な鳥獣忌避装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、取付構造を有する台座部と、台座部に対し可動に取り付けられて、鳥獣が忌避する光を出射する光出射部と、台座部に対し光出射部を横方向に回転させる第1駆動部と、台座部に対し光出射部を縦方向に回転させる第2駆動部と、第2駆動部を遠隔操作するための角度調節スイッチを有するリモコンとを備えている、鳥獣忌避装置である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、当該鳥獣忌避装置の電源をONにすると、光出射部は、縦方向の角度が固定された状態で、第1駆動部の駆動力によって横方向に回転しながら光を出射する。
【0009】
第3の発明は、第1の発明において、当該鳥獣忌避装置の電源をONにすると、光出射部は、第2駆動部の駆動力によって縦方向の角度を変化させつつ、第1駆動部の駆動力によって横方向に回転しながら光を出射する。
【0010】
第4の発明は、第1の発明において、第2駆動部によって、第1駆動部の回転軸を縦方向に回転させることが可能に構成されている。
【0011】
第5の発明は、第1の発明において、第1駆動部による光出射部の最大可動範囲として、横方向の回転が可能な角度範囲が決まっており、設置現場に応じて、最大可動範囲に対し制約を設けて、使用時の可動範囲を設定可能である。
【0012】
第6の発明は、第1の発明において、光出射部の最大可動範囲として、第2駆動部による縦方向の回転可能角度が決まっており、設置現場に応じて、最大可動範囲に対し制約を設けて、使用時の可動範囲を設定可能である。
【0013】
第7の発明は、第1の発明において、リモコンに加えて、光照射部が設けられた本体側にも、角度調節スイッチが設けられている。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、高所の設置箇所に台座部が取り付けられると、台座部に取り付けられた光出射部から光が出射可能となる。ここで、本発明には、台座部に対し光出射部を縦方向に回転させる第2駆動部、及び、第2駆動部を遠隔操作するための角度調節スイッチを有するリモコンが設けられている。そのため、高所作業にて台座部を取り付けた後に、リモコンの角度調節スイッチによって第2駆動部を遠隔操作して、台座部に対し光出射部を縦方向に回転させることで、縦方向における光の出射角度の調節が可能である。本発明によれば、高所作業を行うことなく、縦方向における光の出射角度を調節可能な鳥獣忌避装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1(a)は、実施形態に係る鳥獣忌避装置の斜視図であり、
図1(b)は、光出射部12の横方向の最大可動範囲等を説明するための図であり、
図1(c)は、光出射部12の縦方向の最大可動範囲等を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る鳥獣忌避装置の設置状態を表す模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る鳥獣忌避装置の他の設置状態を表す模式図である。
【
図4】
図4は、実施形態の変形例に係る鳥獣忌避装置を模式的に表す断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態の変形例に係る別の鳥獣忌避装置を模式的に表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態及び変形例は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0017】
[鳥獣忌避装置の構成]
本実施形態は、鳥獣が忌避する光を出射する鳥獣忌避装置10である。鳥獣忌避装置10は、
図1(a)に示すように、壁面又は天井面などの所望の設置箇所への取付構造33を有する台座部11と、台座部11に対し可動に取り付けられて鳥獣が忌避する光を出射する光出射部12と、台座部11に対し光出射部12を横方向(例えば水平方向)に回転させる第1駆動部13と、台座部11に対し光出射部12を縦方向(例えば垂直方向)に回転させる第2駆動部14と、第2駆動部14を遠隔操作するための角度調節スイッチ52が設けられたリモコン15とを備えている。
【0018】
台座部11は、上述の取付構造33を有する台座本体21と、台座本体21に一体化された箱状のケーシング22とを備えている。台座本体21は、表側にケーシング22が取り付けられた平板状のケース設置部31と、ケース設置部31を支持する複数の脚部32とを備えている。本実施形態では、矩形の金属板を4箇所で折り曲げることにより(
図1(a)参照)、ケース設置部31と一対の脚部32とが形成されている。各脚部32は、設置箇所に当たる当接部32aと、ケース設置部31から裏側に延びて当接部32aに接続する接続部32bとを有する。当接部32aは、細長い平板状を呈し、ネジを挿通させる複数の貫通孔33が取付構造として形成されている。
【0019】
ケーシング22は、扁平な直方体状を呈する。ケーシング22内には、制御基板などの電装品が収容されている(図示省略)。ケーシング22の外面(例えば側面)には、第1電源スイッチ41と第1角度調節スイッチ42とが設けられている。また、ケーシング22の表側には、透明カバー25が取り付けられている。透明カバー25は、略半球状に形成され、光出射部12、第1駆動部13及び第2駆動部14を被覆している。
【0020】
光出射部12は、例えばレーザー光を出射するレーザー装置である。すなわち、鳥獣が忌避する光は、レーザー光である。光出射部12には、暗室(例えば屋根裏)にて100m程度の照射距離を有する出力の装置を用いることができる。また、光出射部12には、所定のビーム拡がり角のレーザー光を出射する装置を用いることができる。
【0021】
第1駆動部13は、縦方向(高さ方向)に延びる第1回転軸61を中心に回転する回転台座16と、第1回転軸61を中心に回転台座16を回転させる第1モータ17とを備えている。第1モータ17は、ケーシング22に固定されている。
【0022】
第1駆動部13による光出射部12の最大可動範囲(回転台座16の可動範囲)として、横方向の回転が可能な角度範囲は、270度以上である。本実施形態では、この角度範囲を300度としている。但し、鳥獣忌避装置10は、横方向に大きく回転させる必要がない設置場所などでは、
図1(b)に示すように、最大可動範囲に制約を設けて、最大可動範囲よりも狭い範囲で、使用時の可動範囲を設定可能である。この設定は、物理的に制約を設けるストッパーによって行ってもよいし、第1モータ17の制御によって行ってもよい(制御的に制約を行ってもよい)。
【0023】
なお、鳥獣忌避装置10では、上記の角度範囲の中心位置における光出射部12のレーザー光の出射側が「前側」(
図1(a)の右側)、その反対側が「後側」となる。
【0024】
第2駆動部14は、横方向に延びる第2回転軸62を中心に回転台座16に対し回転自在に連結された可動部材18と、第2回転軸62を中心に可動部材18を回転させる第2モータ19とを備えている。可動部材18は、光出射部12の載置面を有し、その載置面にて光出射部12が固定されている。
【0025】
第2駆動部14による光出射部12の可動範囲(可動部材18の可動範囲)として、縦方向の回転が可能な角度範囲は80度以上である。本実施形態では、この角度範囲を90度としており、縦方向における光出射部12の角度(レーザー光の出射角度)は、水平から仰角の90度まで調整可能である。但し、鳥獣忌避装置10は、縦方向に大きく回転させる必要がない設置場所などでは、
図1(c)に示すように、最大可動範囲に制約を設けて、最大可動範囲よりも狭い範囲で、使用時の可動範囲を設定可能である。この設定は、物理的に制約を設けるストッパーによって行ってもよいし、第2モータ19の制御によって行ってもよい(制御的に制約を行ってもよい)。
【0026】
リモコン15は、接続コード23を介してケーシング22に接続されている。接続コード23の長さは、例えば3m以上である。本実施形態では、リモコン15は、有線方式であるが、無線方式であってもよい。
【0027】
リモコン15には、電源コード24が接続され、電源コード24を介して電力が供給される。リモコン15に供給された電力は、接続コード23及びケーシング22内の制御基板(図示省略)を介して、光出射部12、第1モータ17及び第2モータ19に供給される。リモコン15には、第2電源スイッチ51と第2角度調節スイッチ52とが設けられている。第2電源スイッチ51の操作対象は、第1電源スイッチ41と同じである。第2角度調節スイッチ52の操作対象は、第1角度調節スイッチ42と同じである。
【0028】
[鳥獣忌避装置の操作]
各電源スイッチ41,51は、例えば2接点スイッチであり、ON状態、及び、OFF状態の切り替えが可能である。電源スイッチ41,51がON状態に切り替えられると、鳥獣忌避装置10は、光出射部12からレーザー光が出射される運転状態に切り替わる。運転状態では、光出射部12及び第1モータ17にそれぞれ電力が供給されるが、第2モータ19に電力は供給されない。運転状態において、光出射部12は、縦方向の角度が固定された状態で、第1モータ17の駆動力によって横方向(水平回転)に連続的に回転しながらレーザー光を出射する。
【0029】
運転状態では、第1モータ17が、一定の回転角度(横方向の回転が可能な角度範囲の角度(使用時の可動範囲の角度))ごとに回転方向が切り替わり、光出射部12も、一定の回転角度ごとに回転方向が切り替わる。例えば、
図2に示す設置状態の場合、天井面6に沿って延びる梁(鳥1が留まる部材)9の長さ方向に沿って、レーザー光Lの照射スポットが往復する。
【0030】
なお、運転状態において、第2モータ19にも電力が供給されるようにして、光出射部12は、第2駆動部14の駆動力によって縦方向の角度を変化させつつ、第1駆動部13の駆動力によって横方向に連続的に回転しながら光を出射するようにしてもよい。この場合に、運転状態において、第2駆動部14の駆動力によって光出射部12の縦方向の角度を変化させるか否かを、スイッチによってオON/OFFの切り替えができるようにしてもよい。
【0031】
また、各角度調節スイッチ42,52は、3接点スイッチであり、第1ON状態、第2ON状態、及び、OFF状態に切り替え可能である。各角度調節スイッチ42,52が第1ON状態に切り替えられると、光出射部12の仰角が大きくなる第1回転方向に第2モータ19が回転する。角度調節スイッチ42,52が第2ON状態に切り替えられると、光出射部12の仰角が小さくなる第2回転方向(第1回転方向とは反対方向)に第2モータ19が回転する。各角度調節スイッチ42,52の操作によって、縦方向における光出射部12の角度(レーザー光Lの出射角度)の調節が可能である。なお、この調節は、運転状態において光出射部12の縦方向の角度を変化させる場合にも適用可能である。この場合、例えば、光出射部12の縦方向の可動範囲(使用時の可動範囲)における中心角度を調節することになる。
【0032】
[鳥獣忌避装置の設置及び角度調節、本実施形態の効果]
鳥獣忌避装置10は、例えば建物5の天井面6付近に設置される。鳥獣忌避装置10は、
図2(a)では、その表側が上側を向くように設置されている。鳥獣忌避装置10は、脚部32の各貫通孔33に通したボルト34によって、建物5に固定された部材8に固定されている。
【0033】
そして、鳥獣忌避装置10が設置された後に、角度調節スイッチ42,52によって、縦方向における光出射部12の角度が所望の角度(例えば鳥1が留まる箇所を向く角度)に調節される。この光出射部12の角度調節により、縦方向におけるレーザー光Lの出射角度(仰角の大きさ)が調節される。例えば、高所作業にて鳥獣忌避装置10を設置した作業者が、第1角度調節スイッチ42の操作によって、縦方向における光出射部12の角度を調節可能である。
【0034】
しかし、この調節後に、縦方向における光出射部12の角度の再調節が必要となることがあり得る。例えば、最初の調節時には鳥1はおらず、高所作業が終了した後に鳥1が飛来した時に、建物の管理者が、建物5の床側から見た時に、縦方向における光出射部12の角度の再調節したいと考えることがあり得る。
【0035】
このような場合、本実施形態では、光出射部12を縦方向に回転させる第2駆動部14、及び、第2駆動部14を遠隔操作するための第2角度調節スイッチ52を有するリモコン15が設けられているため、第2駆動部14の遠隔操作によって、縦方向における光出射部12の角度の再調節が可能である。
【0036】
なお、鳥獣忌避装置10は、建物5の状況などに応じて様々な設置状態の選択が可能である。例えば、
図3(a)に示すように、鳥獣忌避装置10は、天井面6に設置してもよい。鳥獣忌避装置10は、その表側が下側を向くように設置されている。この場合に、鳥獣忌避装置10は、光出射部12が横方向に回転可能な角度範囲が270度以上であるため、天井面6の中央付近に配置することで、レーザー光Lの照射スポットを広範囲に移動させることができ、天井6における防鳥ネットの施工面積を大幅に削減することができる。
【0037】
また、
図3(b)に示すように、鳥獣忌避装置10は、壁面7に設置してもよい。鳥獣忌避装置10は、その前側が下側を向くように設置されている。この場合に、本実施形態では、光出射部12が縦方向に回転可能な角度範囲が、水平から仰角の90度であるため、
図2(a)ではレーザー光Lの出射角度を上向きにしか調節することができないが、
図3(b)ではレーザー光Lの出射角度を下向きに調節可能である。なお、本実施形態では、縦方向における光出射部12の角度を仰角側にしか調節できないが、伏角側にも調節できるようにしてもよい。
【0038】
[本実施形態の変形例]
本変形例に係る鳥獣忌避装置10は、第2駆動部14によって、第1駆動部13の回転軸61を縦方向に回転させることが可能に構成されている。
【0039】
例えば
図4に示すように、第2駆動部14が、可動部材18と第2モータ19に加え、ケーシング22に固定された固定部材40と、第1モータ17が固定されたモータ設置部45と、固定部材40に対しモータ設置部45を縦方向に回転させる第3モータ46とを備えるようにしてもよい。この場合、モータ設置部45は、固定部材40に対し、横方向に延びる第3回転軸63を中心に回転自在に連結される。なお、
図5に示すように、可動部材18と第2モータ19を省略した構成としてもよい。
【0040】
本変形例によれば、側方から見て縦方向と横方向の2次元に、光照射部12によるレーザー光Lの照射スポットを容易に移動させることが可能である。この場合に、第1モータ17及び第3モータ46の制御により、運転状態において、レーザー光Lの照射スポットがランダムに移動するようにしてもよいし、レーザー光Lの照射スポットが波打つように移動するようにしてもよいし、レーザー光Lの照射スポットが縦方向における様々な角度で水平方向に走査されようにしてもよい。
【0041】
[その他の変形例]
上述の実施形態において、鳥獣忌避装置10の電源として、太陽光発電システムを接続可能としてもよい。
【0042】
上述の実施形態において、鳥獣忌避装置10は、タイマー、及び、タイマーを操作するスイッチをさらに備えていてもよい(図示省略)。例えば、このスイッチがON状態に切り替えられることで、タイマーが動作し、タイマーの設定時間(例えば24時間)が経過すると、電源がOFFになる。これにより、使用電力の削減が可能となる。
【0043】
上述の実施形態において、光出射部12の出射光による照射スポットの通過領域に鳥1がいない場合に、運転が停止し、鳥1が飛来した場合に運転が再開されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、鳥獣が忌避する光を出射する鳥獣忌避装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 鳥獣忌避装置
11 台座部
12 光出射部
13 第1駆動部
14 第2駆動部
15 リモコン
21 台座本体
22 ケーシング
25 透明カバー
31 ケース設置部
32 脚部
33 貫通孔(取付構造)
41,51 電源スイッチ
42,52 角度調節スイッチ
【要約】
【課題】高所作業を行うことなく、縦方向における光の出射角度を調節可能な鳥獣忌避装置を実現する。
【解決手段】鳥獣忌避装置10は、取付構造33を有する台座部11と、台座部11に対し可動に取り付けられて鳥獣が忌避する光を出射する光出射部12と、台座部11に対し光出射部12を横方向に回転させる第1駆動部13と、台座部11に対し光出射部12を縦方向に回転させる第2駆動部14と、第2駆動部13を遠隔操作するための角度調節スイッチ52を有するリモコン15とを備えている。
【選択図】
図2