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特許7595974ヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】ヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20241202BHJP
   H05B 6/42 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
H05B6/12 308
H05B6/42
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023136046
(22)【出願日】2023-08-24
(65)【公開番号】P2024031948
(43)【公開日】2024-03-07
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0106791
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520457546
【氏名又は名称】ピースワールド カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PEACEWORLD.CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】76,Hanam-daero,Hanam-si Gyeonggi-do 13026,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミョン オク
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ウ
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-353457(JP,A)
【文献】特開2016-48704(JP,A)
【文献】特開2002-43045(JP,A)
【文献】特開2013-118197(JP,A)
【文献】特開2014-203511(JP,A)
【文献】国際公開第2021/182669(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
H05B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つ以上のホールセンサが中央センサ部に配置される円形ベースプレート;
前記ベースプレートの下面から突出する閉隔壁によって形成され、前記中央センサ部を基準として環状に複数個が繰り返し配置され、フェライトコアが結合される単位装着溝部;
前記ベースプレートの上面に結合される巻き取られたヒーティングコイルが前記ベースプレートの上面から離隔配置されるように前記ベースプレートの上面に突出形成される突起部;および、
前記単位装着溝部の底面に形成される放熱開口;を含む
ことを特徴とするヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体。
【請求項2】
隣り合う前記単位装着溝部間には、
前記ヒーティングコイルが前記ベースプレートの上面に固定されるように前記中央センサ部を基準として放射方向に複数個が繰り返し配置されるヒーティングコイル結合部が形成される
請求項1に記載のヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体。
【請求項3】
前記放熱開口は前記中央センサ部を基準として環状に繰り返し配置され、前記ベースプレートの上側空間と下側空間を鉛直方向に連通させる
請求項1に記載のヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体。
【請求項4】
前記突起部は、
隣り合う前記放熱開口間を横切り、前記中央センサ部から前記ベースプレートの縁部まで放射方向に延長形成される一対のメイン突起部;および、
前記メイン突起部の間に配置され、前記放熱開口から離隔するいずれか一地点から前記縁部まで放射方向に延長形成されるサブ突起部;を含む
請求項1に記載のヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体。
【請求項5】
前記突起部は一定の幅と一定の高さを有して放射方向に延長形成される直線形であり、
前記サブ突起部の幅は前記メイン突起部の幅よりさらに大きい
請求項4に記載のヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体。
【請求項6】
前記中央センサ部の中心にはホールセンサが鉛直方向に貫通して固定設置されるように一定の半径を有する複数個の円形ホールが配置され、
前記円形ホールは一方向に羅列され、隣り合う円形ホールは一部が互いに重なる
請求項1に記載のヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体。
【請求項7】
前記ベースプレートの下側に配置される少なくとも一つ以上のクーリングファン;をさらに含み、
前記ベースプレートの上面にヒーティングコイルが結合されると、
前記クーリングファンによって発生して上昇する上昇風は前記放熱開口を通過した後、前記ヒーティングコイルと前記突起部によって形成される流路に沿って前記ベースプレートの放射方向に案内されて前記ベースプレートの外側に排出される
請求項1に記載のヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体。
【請求項8】
前記単位装着溝部の底面にはフェライトコアが結合される
請求項1に記載のヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインダクションレンジに専用されるベースプレート構造体に関し、さらに詳細には、磁場透過率を高めるために使われるヒーティングコイルで熱が容易に排出され得るようにする、ヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
最近飲食物の調理のための加熱装置としてインダクションレンジ(Induction range)の使用が増加している。インダクションレンジは電磁誘導加熱方式を採択した調理器具であって、高いエネルギー効率と安定性などにおいて大きな長所を有する。また、インダクションレンジは酸素の消耗がなく、排ガスの排出がないという長所を有する。このようなインダクションレンジは高周波電流を流すと発生する磁力線がインダクションレンジの天板の上に置かれた専用容器の底を通過する時、抵抗成分によって生成される渦電流を利用して専用容器そのもののみ発熱させる。
【0003】
このために、インダクションレンジには円板の形態で巻いたヒーティングコイルが使われる。そして、ヒーティングコイルはベースプレートの上面に固定される。ヒーティングコイルは単位面積当たりターン(turn)数などにより磁場透過率が変わる。しかし、インダクションレンジがテーブルの天板の下に設置されるアンダーインダクションレンジである場合、ベースプレートと専用容器の間の距離が一般的なインダクションレンジより増加することになるところ、特にさらに高い磁場透過率が要請される。その結果、2段以上積層された形態のヒーティングコイルが使われる。また、ベースプレートの下面には磁場の増大のためにフェライトコアが追加的に使われる。
【0004】
従来のアンダーインダクションレンジの場合、2段以上積層された構造を有するヒーティングコイルを使用することにより、熱の発生量の増加による火災などの事故が発生する問題点があった。また、フェライトコアが熱に持続的に露出されると、壊れるなどのクラックによる問題点があった。これは、アンダーインダクションレンジの品質に関するもので、メーカーのイメージを失墜させ、AS費用を上昇させるなどの問題点を引き起こした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】大韓民国登録特許第10-2187884号 「ワークコイルベース」
【文献】大韓民国登録特許第10-1531215号 「コイルベース」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は前記のような問題点を解決するために案出されたもので、少なくとも2段以上積層されたヒーティングコイルに対する放熱を容易にするベースプレート構造体を提供しようとする。
【0007】
より具体的には、磁場透過率が高い形態のヒーティングコイルをより効果的に空冷させることができる構造を提供しようとする。
【0008】
また、熱露出によりフェライトコアがクラックなどで破損する現象を防止できる構造を提供しようとする。また、ヒーティングコイルで発熱が集中する領域を効果的に冷却させることができる構造を提供しようとする。
【0009】
これを通じて、ヒーティングコイルの発熱による各種故障、事故などの品質イシューを解決できるベースプレート構造体を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例は前記のような課題を解決するために、少なくとも一つ以上のホールセンサが中央センサ部に配置される円形ベースプレート;前記ベースプレートの下面から突出する閉隔壁によって形成され、前記中央センサ部を基準として環状に複数個が繰り返し配置され、フェライトコアが結合される単位装着溝部;前記ベースプレートの上面に結合される巻き取られたヒーティングコイルが前記ベースプレートの上面から離隔配置されるように前記ベースプレートの上面に突出形成される突起部;および前記単位装着溝部の底面に形成される放熱開口;を含むヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体を提供する。
【0011】
隣り合う前記単位装着溝部間には、前記ヒーティングコイルが前記ベースプレートの上面に固定されるように前記中央センサ部を基準として放射方向に複数個が繰り返し配置されるヒーティングコイル結合部が形成されることが好ましい。
【0012】
前記放熱開口は前記中央センサ部を基準として環状に繰り返し配置され、前記ベースプレートの上側空間と下側空間を鉛直方向に連通させることが好ましい。
【0013】
前記突起部は、隣り合う前記放熱開口間を横切り、前記中央センサ部から前記ベースプレートの縁部まで放射方向に延長形成される一対のメイン突起部;および前記メイン突起部の間に配置され、前記放熱開口から離隔するいずれか一地点から前記縁部まで放射方向に延長形成されるサブ突起部;を含むことが好ましい。
【0014】
前記突起部は一定の幅と一定の高さを有して放射方向に延長形成される直線形であり、前記サブ突起部の幅は前記メイン突起部の幅よりさらに大きいことが好ましい。
【0015】
前記中央センサ部の中心にはホールセンサが鉛直方向に貫通して固定設置されるように一定の半径を有する複数個の円形ホールが配置されるものの、前記円形ホールは一方向に羅列され、隣り合う円形ホールは一部が互いに重なることが好ましい。
【0016】
前記ベースプレートの下側に配置される少なくとも一つ以上のクーリングファン;をさらに含み、前記ベースプレートの上面にヒーティングコイルが結合されると、前記クーリングファンによって発生して上昇する上昇風は前記放熱開口を通過した後、前記ヒーティングコイルと前記突起部によって形成される流路に沿って前記ベースプレートの放射方向に案内されて前記ベースプレートの外側に排出されることが好ましい。
【0017】
前記単位装着溝部の底面にはフェライトコアが結合されることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上で詳察したような本発明の課題の解決手段によると、次のような事項を含む多様な効果が期待できる。ただし、本発明は下記のような効果をすべて発揮してこそ成立されるものではない。
【0019】
本発明の一実施例に係るベースプレート構造体は、少なくとも2段以上積層されたヒーティングコイルに対する放熱を容易にすることができる。より具体的には、磁場透過率が高い形態のヒーティングコイルをより効果的に空冷させることができる構造を提供することができる。
【0020】
また、熱露出によりフェライトコアがクラックなどで破損する現象を防止できる構造を提供することができる。また、ヒーティングコイルで発熱が集中する領域を効果的に冷却させることができる構造を提供することができる。
【0021】
これを通じて、インダクションレンジでヒーティングコイルの発熱による各種の故障、事故などの品質イシューを効果的に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係るヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体に対する斜視図である。
図2図1の平面図である。
図3図1を異なる方向から見た斜視図である。
図4図1でベースプレートの上面にヒーティングコイルが結合された様子を示す図面である。
図5図4のヒーティングコイルが上昇風によって熱排出される様子を示す図面である。
図6図4のベースプレートの下面にフェライトコアが結合された様子を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の構成および効果を十分に理解するために、添付した図面を参照して本開示の好ましい実施例を説明する。しかし、本開示は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、多様な形態で具現され得、多様な変更を加えることができる。以下、本発明を説明するにおいて関連した公知機能について、この分野の技術者に自明な事項であって本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0024】
第1、第2等の用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われ得る。例えば、本開示の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名され得る。
【0025】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しない。
【0026】
本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本開示の実施例で使われる用語は異なって定義されない限り、該当技術分野で通常の知識を有する者に通常的に知られている意味で解釈され得る。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施例に係るヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体に対する斜視図であり、図2図1の平面図であり、図3図1を異なる方向から見た斜視図である。図4図1でベースプレートの上面にヒーティングコイルが結合された様子を示す図面であり、図5図4のヒーティングコイルが上昇風によって熱排出される様子を示す図面であり、図6図4のベースプレートの下面にフェライトコアFCが結合された様子を示す図面である。
【0029】
図1図6を参照すると、本発明の一実施例に係るヒーティングコイルの放熱が容易なベースプレート構造体はベースプレート100、単位装着溝部200、突起部300、放熱開口400、ヒーティングコイル結合部500、クーリングファンCF等を含むことができる。
【0030】
ベースプレート100は円形の平板状を有する。ベースプレート100は中央センサ部120を含み、少なくとも一つ以上のホールセンサ(図示されず)が中央センサ部120に配置される。一実施例において、中央センサ部120の中心にはホールセンサが鉛直方向に一部が挿入されて固定設置されるように一定の半径を有する円形ホール122が形成される。一方、このような円形ホール122は複数個が形成され得る。この時、円形ホール122は一方向に羅列され、隣り合う円形ホール122は一部が互いに重なり得る。その結果、メーカーはホールセンサの数量、インダクションレンジの設計目的などを考慮してホールセンサの位置を変更させることができる。
【0031】
ホールセンサは磁場と反応する時に発生する少量の電圧を検出した後、これをトランジスタによって増幅する方法でセンサの役割をする。このようなホールセンサはヒーティングコイルHCの中心に配置されることが好ましい。一方、一実施例において、ホールセンサとヒーティングコイルHCはインダクションレンジのハウジングH内で同一高さに位置することが好ましい。また、一実施例に係るホールセンサは非接触式を採択して半永久的な使用が可能である。また、ホールセンサは電線等を通じて印刷回路基板と連結され得る。
【0032】
一方、中央センサ部120の上面には円形ホール122を囲み、上側に突出して円形の隔壁形態を有するコイル離脱防止部124が形成されている。コイル離脱防止部124はベースプレート100の上面に結合されるヒーティングコイルHCの中心が嵌合されて離脱することを防止することができる。
【0033】
また、ベースプレート100の外側縁部140には結合ブラケット部600が配置され得る。結合ブラケット部600はベースプレート100がインダクションレンジのハウジングHの内部空間に固定配置され得るようにする。一実施例において、結合ブラケット部600はベースプレート100に一体に形成され得る。一方、結合ブラケット部600には少なくとも一つ以上の締結孔が形成され得る。その結果、ベースプレート100はボルトなどの締結部材(図示されず)によりハウジングHに堅固に固定され得る。また、ベースプレート100の外側縁部140にはヒーティングコイルHCの両側終端が固定されるコイル固定部が形成され得る。また、ベースプレート100の下面には中央センサ部120を基準として放射方向に最外側に縁溝部700が形成され得る。
【0034】
単位装着溝部200はベースプレート100の下面から突出する閉隔壁210により形成され、中央センサ部120を基準として複数個が環状に繰り返し配置される。すなわち、単位装着溝部200はベースプレート100の下面に形成される。このような単位装着溝部200は中央センサ部120から放射方向に形成され、扇状に近い。
【0035】
そして、単位装着溝部200の底面にはフェライトコアFCが結合され得る。その結果、フェライトコアFCは単位装着溝部200の内側に安定的に収容され得る。このようなフェライトコアFCはヒーティングコイルHCで発生する磁場の大きさを増加させる機能をする。また、フェライトコアFCはヒーティングコイルHCから伝達される磁力が下方に漏洩することを防止する。一実施例において、フェライトコアFCは別途の接合工程を通じて単位装着溝部200に装着され得る。一実施例において、単位装着溝部200の底面は中央センサ部120に隣接して形成される放熱開口400によってその位置が外側の一部分に限定されている。
【0036】
一実施例において、隣り合う単位装着溝部200の間にはヒーティングコイルHCがベースプレート100の上面に固定されるように、中央センサ部120を基準として放射方向に複数個が繰り返し配置されるヒーティングコイル結合部500が形成され得る。ヒーティングコイルHCはコイル離脱防止部124とヒーティングコイル結合部500によりベースプレート100の上面に安定的に結合され得る。
【0037】
一実施例において、ヒーティングコイル結合部500は収容空間部520、接着開口540等を含むことができる。この時、収容空間部520は単位装着溝部200を形成する閉隔壁210のうち、特に中央センサ部120を基準として放射方向に配置される放射隔壁220を含んで形成される。すなわち、収容空間部520はベースプレート100の下面に形成され得る。一方、収容空間部520には接着剤AH等が予め設定される一定の厚さを有するように注入される。一実施例において、接着剤AHは一定範囲の粘性度を有するシリコンが使われ得る。一実施例において、シリコンは容易に流れないことが好ましい。
【0038】
一実施例において、接着開口540は収容空間部520の底面が全部開口されて形成される。接着開口540はベースプレート100の上側空間と下側空間が互いに連通するようにする。ヒーティングコイルHCがベースプレート100の上面に配置されると、収容空間部520に注入される接着剤AHは接着開口540を通過した後、ヒーティングコイルHCの下面に塗布され得る。この時、接着剤AHは接着開口540の形状に対応する形状でヒーティングコイルHCの下面に塗布される。
【0039】
ヒーティングコイルHCは単位面積対比ターン(turn)数を高くして被加熱容器に対する加熱効率を最大化させる必要がある。このために、ヒーティングコイルHCは複数回以上巻き取られ、少なくとも一つ以上の段(層)を有するように形成される。その結果、ヒーティングコイルHCで発生する熱は増大する。これは、単位装着溝部200に収容されるフェライトコアFCが熱変形によるクラックなどで損傷する原因を提供する。また、これはヒーティングコイルHCの過熱によるインダクションレンジの故障などを引き起こす原因となる。
【0040】
一方、ヒーティングコイルHCの中心には空いた空間が形成されている。一実施例において、ヒーティングコイルHCは2段で積層されているが、2階にはコイルが一部のみ巻かれ得る。ヒーティングコイルHCはその中心の空いた空間がコイル離脱防止部124に差し込まれ、その下面が塗布される接着剤AHにより接着されてベースプレート100の上面に安定的に固定され得る。
【0041】
放熱開口400は単位装着溝部200の底面に形成される。このような放熱開口400は単位装着溝部200ごとにそれぞれ形成されることが好ましい。一実施例において、単位装着溝部200の底面は放熱開口400によってその面積が減少し得る。これは、フェライトコアFCのサイズがそれだけ縮小されることを意味する。一方、放熱開口400の大きさが増加すればヒーティングコイルHCの熱排出はより円滑になる。
【0042】
一方、放熱開口400は中央センサ部120に隣接して形成される。放熱開口400は中央センサ部120を基準として放射方向に形成される。また、放熱開口400は中央センサ部120を基準として環状に繰り返し配置される。この時、放熱開口400の大きさ、形などはヒーティングコイルHCにより変更され得る。
【0043】
一実施例において、放熱開口400の大きさが増加すれば、単位装着溝部200の底面の大きさは小さくなる。すなわち、ヒーティングコイルHCの放熱効果が増大するほどフェライトコアFCによるヒーティングコイルHCの磁場の増大効果は相対的に減少する。
【0044】
放熱開口400はベースプレート100の上側空間と下側空間を鉛直方向に連通させる。放熱開口400はベースプレート100の下側空間でクーリングファンCF等によって発生する上昇風CWがヒーティングコイルHCに接触するようにする。その結果、上昇風CWに直接露出されるヒーティングコイルHCの接触面は温度が下降しながら熱が排出される効果を得ることになる。
【0045】
突起部300はベースプレート100の上面に結合される巻き取られたヒーティングコイルHCがベースプレート100の上面から離隔配置されるようにする。すなわち、ヒーティングコイルHCはベースプレート100の上面で一定の高さhを有して位置することになる。その結果、突起部300はヒーティングコイルHCとベースプレート100の上面の間に流路を形成することができる。
【0046】
突起部300はベースプレート100の上面に突出形成される形状を有する。突起部300は点、直線、曲線、面のうちいずれか一形態であるか、2つ以上を組み合わせた形態であり得る。一実施例において、突起部300は一定の幅と一定の高さを有して放射方向に延長形成される直線形であり得る。この時、突起部300の高さは放射方向に延びて次第に増加する形状であり得る。
【0047】
一実施例において、突起部300はメイン突起部320およびサブ突起部340を含むことができる。この時、メイン突起部320およびサブ突起部340は直線形であり得る。メイン突起部320は一対からなる。メイン突起部320は隣り合う放熱開口400の間を横切る。また、メイン突起部320は中央センサ部120からベースプレート100の縁部140まで放射方向に延長形成される。また、一対のメイン突起部320の間には接着開口540が配置され得る。この時、メイン突起部320は接着開口540の両側の角に沿ってそれぞれ延長形成され得る。
【0048】
サブ突起部340はメイン突起部320の間に配置される。一実施例において、サブ突起部340は隣り合うメイン突起部320の間に配置される。具体的には、サブ突起部340は放熱開口400から離隔するいずれか一地点から縁部140まで放射方向に延長形成され得る。一方、一実施例において、サブ突起部340の幅w2はメイン突起部320の幅w1よりさらに大きいものであり得る。
【0049】
一実施例に係るベースプレート構造体は、クーリングファンCFをさらに含むことができる。クーリングファンCFは電気モータなどによって駆動され、被対象体に向かって空気を送風することができる。一実施例において、クーリングファンCFはインダクションレンジのハウジングH内に配置される。一実施例において、クーリングファンCFはベースプレート100の下側に少なくとも一つ以上配置される。この時、クーリングファンCFは空気が鉛直上方に送風されるように配置される。
【0050】
一実施例において、ベースプレート100の上面にヒーティングコイルHCが結合されると、クーリングファンCFにより発生して上昇する上昇風CWは放熱開口400を通過した後、ヒーティングコイルHCと突起部300により形成される流路に沿ってベースプレート100の放射方向に案内されてベースプレート100の外側に排出される。
【0051】
すなわち、上昇風CWは放熱開口400を通過してヒーティングコイルHCの下面と垂直にぶつかる。ここで、ヒーティングコイルHCには、1)放熱開口400の鉛直上側に位置し、放熱開口400を通過して速度が増加した上昇風CWが衝突して熱排出が集中的になされる第1放熱領域A1と、2)上昇風CWがベースプレート100の放射方向に移動しながらヒーティングコイルHCの熱排出が次第になされる第2放熱領域A2が形成され得る。一方、第2放熱領域A2はヒーティングコイルHCで第1放熱領域A1を除いた領域を意味する。
【0052】
以上では本発明の好ましい実施例を例示的に説明したが、本発明の範囲はこのような特定の実施例にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範疇内で適切に変更可能なものである。
【符号の説明】
【0053】
100:ベースプレート
200:単位装着溝部
300:突起部
400:放熱開口
500:ヒーティングコイル結合部
120:中央センサ部
140:縁部
122:円形ホール
124:コイル離脱防止部
210:閉隔壁
220:放射隔壁
320:メイン突起部
340:サブ突起部
520:収容空間部
540:接着開口
600:結合ブラケット
700:縁溝部
w1:メイン突起部の幅
w2:サブ突起部の幅
HC:ヒーティングコイル
FC:フェライトコア
CF:クーリングファン
H:ハウジング
CW:上昇風
AH:接着剤
A1:第1放熱領域
A2:第2放熱領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6