(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】ゲームシステム、プログラム、およびゲームシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
A63F9/00 508H
A63F9/00 513
(21)【出願番号】P 2023192227
(22)【出願日】2023-11-10
【審査請求日】2023-12-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 隆
(72)【発明者】
【氏名】菅 慎哉
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-065601(JP,A)
【文献】特開平09-140853(JP,A)
【文献】特開2022-018789(JP,A)
【文献】特開2017-035371(JP,A)
【文献】特開2004-275615(JP,A)
【文献】特開2007-289568(JP,A)
【文献】特開2010-194055(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0113161(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを進行するゲーム装置と、
前記ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体を払い出す払出部と、
前記払出部によって払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付ける媒体受付部と、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管する保管部と、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体を、報酬と交換するための交換処理に関する画像を表示装置に表示させる表示制御部と、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において前記交換処理に関する画像の表示とは異なる演出を実行する実行部と
、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が前記所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において前記演出を実行するか否かの選択を、前記ゲームのプレイヤから受け付ける選択受付部と、を備え、
前記実行部は、前記選択受付部が前記演出を実行する選択を受け付けた場合に、前記演出を実行する、
ゲームシステム。
【請求項2】
前記1以上の媒体は、複数の媒体であり、
前記実行部は、前記複数の媒体の種類が所定の組み合わせの場合に前記演出を実行する、
請求項1記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記実行部が前記演出を実行する間、前記ゲームの進行が中断される、
請求項1記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記媒体受付部は、前記ゲームのプレイヤから前記1以上の媒体の返却を受け付け、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体に対応する報酬を前記プレイヤに付与する付与部を更に備える、
請求項1記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記1以上の媒体は、複数の媒体であり、
前記付与部は、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記複数の媒体各々の種類が所定の組み合わせの場合に、前記複数の媒体各々の種類に応じた報酬の合計よりも多くの報酬を前記プレイヤに付与する、
請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記1以上の媒体は、複数の媒体であり、
前記所定の条件は、前記複数の媒体各々の種類が所定の組み合わせであることであり、
前記選択受付部は、前記媒体受付部によって1の媒体の返却を受け付ける都度、前記所定の組み合わせが成立するかを判断し、前記所定の組み合わせが成立した場合に、前記所定の組み合わせに対応する演出を実行するか否かの選択を受け付ける、
請求項
1記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記所定の組み合わせは、第1組み合わせと、第2組み合わせとを含み、
前記選択受付部は、
前記第1組み合わせが成立した場合に、前記第1組み合わせに対応する第1演出を実行するか否かの選択を受け付け、
前記第1演出を実行しない選択を受け付けた場合に、前記第1組み合わせが成立するまでに返却を受け付けた媒体と、前記第1組み合わせが成立した後、更に返却を受け付けた媒体とによって前記第2組み合わせが成立するか否かを判断し、
前記第2組み合わせが成立した場合に、前記第2組み合わせに対応する第2演出を実行するか否かの選択を受け付け、
前記実行部は、
前記選択受付部が前記第1演出を実行する選択を受け付けた場合に前記第1演出を実行し、
前記選択受付部が前記第2演出を実行する選択を受け付けた場合に前記第2演出を実行する、
請求項
6記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記ゲーム装置は、テーブルと、前記テーブル上を移動するプッシャー部とを備えたプッシャーゲーム装置であり、
前記1以上の媒体は、前記テーブルの上面または前記プッシャー部の上面に供給され、
前記1以上の媒体は、種類毎に外観が異なり、
前記払出部は、前記テーブルから落下した媒体を払い出す、
請求項1記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記実行部は、前記複数の媒体の種類の組み合わせに基づいて、前記演出を変化させる、
請求項2記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記ゲーム装置は表示装置を備え、
前記演出は、前記表示装置への画像の表示であり、
前記実行部は、前記複数の媒体の種類の組み合わせに基づいて、前記画像の内容を変化させる、
請求項
9記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記ゲーム装置は照明装置を備え、
前記演出は、前記照明装置の点灯であり、
前記実行部は、前記複数の媒体の種類の組み合わせに基づいて、前記照明の点灯態様を変化させる、
請求項
9記載のゲームシステム。
【請求項12】
ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体を払い出す払出部、
前記払出部によって払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付ける媒体受付部、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管する保管部、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体を、報酬と交換するための交換処理に関する画像を表示装置に表示させる表示制御部
、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において前記交換処理に関する画像の表示とは異なる演出を実行する実行部、および、
前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が前記所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において前記演出を実行するか否かの選択を、前記ゲームのプレイヤから受け付ける選択受付部、としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記実行部は、前記選択受付部が前記演出を実行する選択を受け付けた場合に、前記演出を実行する、
プログラム。
【請求項13】
ゲームを進行するゲーム装置を備えるゲームシステムの制御方法であって、
前記ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体を払い出し、
払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付け、
返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管し、
返却を受け付けた前記1以上の媒体を、報酬と交換するための交換処理に関する画像を表示装置に表示させ、
返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において前記交換処理に関する画像の表示とは異なる演出を実行するか否かの選択を、前記ゲームのプレイヤから受け付け、
前記演出を実行する選択を受け付けた場合に、前記演出を実行する、
ゲームシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、プログラム、およびゲームシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤがゲームをプレイすることにより、報酬と引き換え可能な遊技体を獲得できるゲーム装置が知られている。例えば、特許文献1には、テーブル上に載置された第1遊技体(遊技体B)をプッシャー台により押圧して移動させ、テーブルから落下させるプッシャーゲーム装置が開示されている。特許文献1において、テーブルには、第1遊技体と異なる第2遊技体(遊技体C)が投入される。第2遊技体がテーブルから落下すると、第2遊技体は排出口から排出される。プレイヤは、第2遊技体を景品として獲得することができる。また、プレイヤは、ゲーム装置に搭載された交換装置を利用して、自身が獲得した第2遊技体をチケット等の報酬に交換することが可能である。
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1において、ゲーム装置の設置者は、第2遊技体が報酬に交換される、すなわち、第2遊技体がプレイヤにより交換装置に投入されることを想定している。しかしながら、例えば収集等の目的により、第2遊技体を交換装置に投入せずに持ち帰るプレイヤが存在する。プレイヤに持ち帰られる第2遊技体の数が多くなると、ゲーム装置の設置者は、第2遊技体を補充しなければならず、手間とコストがかかるという課題がある。以上の事情を考慮して、本発明のひとつの態様は、プレイヤに払い出された媒体の回収率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係るゲームシステムは、ゲームを進行するゲーム装置と、前記ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体を払い出す払出部と、前記払出部によって払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付ける媒体受付部と、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管する保管部と、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において演出を実行する実行部と、を備える。
【0006】
本発明の他の態様に係るプログラムは、ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体を払い出す払出部、前記払出部によって払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付ける媒体受付部、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管する保管部、および、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において演出を実行する実行部、としてコンピュータを機能させる。
【0007】
本発明の他の態様に係るゲームシステムの制御方法は、ゲームを進行するゲーム装置を備えるゲームシステムの制御方法であって、前記ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体を払い出し、払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付け、返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管し、返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において演出を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るゲームシステム1を例示する外観図である。
【
図2】遊技体Bおよび遊技体Cの経路を例示する模式図である。
【
図3】ゲームシステム1の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図4】制御装置81の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図5】遊技体Cの絵柄の組み合わせに応じたボーナスの特典を例示する表である。
【
図6】交換処理における表示装置15の表示を例示する模式図である。
【
図7】交換処理における表示装置15の表示を例示する模式図である。
【
図8】交換処理における表示装置15の表示を例示する模式図である。
【
図9】ボーナスXに対応する特典の画像P14を例示する模式図である。
【
図10】ゲームシステム1の動作中に制御装置81が定常的に実行する処理の手順を例示するフローチャートである。
【
図11】ゲームシステム1の動作中に制御装置81が定常的に実行する処理の手順を例示するフローチャートである。
【
図12】変形例にかかるゲームシステム2を例示する外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下に記載する実施形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[A.実施形態]
[A-1.ゲームシステム1の構成]
図1は、実施形態に係るゲームシステム1を例示する外観図である。ゲームシステム1は、ゲーム装置100と、交換装置200とを備える。本実施形態では、交換装置200がゲーム装置100に内蔵されている。ゲームシステム1は、例えば娯楽施設(例えばゲームセンターまたはカジノ等)または商業施設(例えばショッピングセンター等)に設置される。カジノにおいて利用される場合、ゲームシステム1(ゲーム装置100)は、ゲーミングマシンと称呼されることもある。
【0011】
プレイヤは、遊技価値を消費することでゲーム装置100によるゲームをプレイすることができる。遊技価値は、例えばメダル(トークンコイン)、コイン(貨幣)等の有体の媒体、または、クレジットもしくはポイント等の無体の価値である。無体の遊技価値の数量は、例えばICカード等の記録媒体にデータとして記憶される。複数種の遊技価値の何れかをプレイヤが選択して消費してもよい。遊技価値の消費は、遊技価値の投入とも換言される。
【0012】
プレイヤは、ゲームの結果に応じた報酬(特典)を獲得する。すなわち、報酬の獲得がゲームの目的のひとつである。プレイヤに付与される報酬は、例えばチケット(すなわち景品)である。チケットは、例えば各種の物品と交換可能な媒体である。なお、チケットがゲームをプレイするための価値を有するか否かは不問である。有体または無体の遊技価値を報酬としてプレイヤに付与してもよい。報酬の付与は、報酬の払出とも換言される。ゲームのプレイのためにプレイヤが消費する遊技価値とゲームの結果に応じた報酬とは、同種および異種の何れでもよい。例えば、無体の遊技価値であるクレジットの消費によりプレイヤがゲームをプレイした結果に応じて、所定数のチケットを報酬としてプレイヤに付与してもよいし、所定の数量のクレジット(すなわち同種の遊技価値)を報酬としてプレイヤに付与してもよい。
【0013】
図1に例示される通り、実施形態のゲーム装置100は、テーブル21と、テーブル21上を移動するプッシャー部22とを備えたプッシャーゲーム装置である。ゲーム装置100は、操作パネル10と表示装置15とゲーム機構20とを具備する。以下の説明では、ゲーム装置100の左右方向をX方向と表記し、前後方向をY方向と表記する。X方向の正側がプレイヤからみて右側であり、X方向の負側がプレイヤからみて左側である。また、Y方向の正側が前方(プレイヤからみて手前側)であり、Y方向の負側が後方(プレイヤからみて奥側)である。X-Y平面は水平面に相当する。
【0014】
操作パネル10は、操作部11Lと操作部11Rと受付部12と付与部13とを具備する。操作部11Lおよび操作部11Rの各々は、プレイヤが操作可能な操作ボタンである。受付部12は、遊技価値の投入を受け付ける。例えば、メダル等の有体の遊技価値の投入を受け付ける投入口、または、クレジット等の無体の遊技価値を例えばICカード等の記録媒体から取得する読出回路が、受付部12として利用される。付与部13は、ゲームの結果に応じた報酬をプレイヤに付与する。例えばチケットを報酬として放出する放出口、または、クレジット等の無体の遊技価値を記録媒体に書込む書込回路が、付与部13として利用される。表示装置15は、例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の表示パネルを含んで構成され、抽選処理を表す画像等の各種の画像を表示する。
【0015】
ゲーム機構20は、プレイヤにゲームを提供する機構である。
図1に例示される通り、ゲーム機構20は、テーブル21とプッシャー部22と支持構造体23と投入機構24Lと投入機構24Rと投入機構25とを具備する。テーブル21は、略水平に設置された平板状の部材である。プッシャー部22は、テーブル21の面上で往復する立体的な構造体(プッシャーテーブル)である。具体的には、プッシャー部22は、
図1に矢印αで表現される通り、テーブル21の面上でY方向に沿って反復的に往復する。プッシャー部22が往復する方向をY方向と定義し、水平面内でY方向に直交する方向をX方向と定義してもよい。
【0016】
支持構造体23は、ゲーム機構20の各要素を支持する構造体であり、側壁部231Lと側壁部231Rと前壁部232と後壁部234とを含んで構成される。側壁部231Lおよび側壁部231Rは、相互に対向するようにゲーム機構20の左右に設置される。前壁部232は、テーブル21におけるY方向の正側の縁部(以下「前縁」という)Eから離間した位置でX方向に延在する部材である。テーブル21の前縁Eに沿う方向をX方向と定義してもよい。前壁部232とテーブル21の前縁Eとの間にはX方向に長尺な開口(以下「落下口」という)Qが形成される。後壁部234は、プッシャー部22の上面に対向するX方向に長尺な部材である。
【0017】
図1に例示される通り、投入機構24Lおよび投入機構24Rは、プッシャー部22の上面に向けて遊技体Bを投入する機構である。投入機構24Lは、
図1に例示される通り、プッシャー部22の左側からX方向の正側に向けて遊技体Bを投入する。投入機構24Rは、プッシャー部22の右側からX方向の負側に向けて遊技体Bを投入する。実施形態の遊技体Bは球体である。遊技体Bは、例えばアクリル樹脂またはガラス等の光透過性の材料で形成される。
【0018】
投入機構24Lおよび投入機構24Rの各々が遊技体Bを投入する方向および時点は可変である。プレイヤは、投入機構24Lによる遊技体Bの投入の方向を操作部11Lに対する操作に応じて変更可能であり、投入機構24Rによる遊技体Bの投入の方向を操作部11Rに対する操作に応じて変更可能である。また、投入機構24Lおよび投入機構24Rによる遊技体Bの投入の時点は、制御装置81の投入部812(
図4参照)によって制御される。なお、投入機構24Lおよび投入機構24Rの一方のみを設置してもよい。
【0019】
図1に例示される通り、テーブル21およびプッシャー部22の上面には多数の遊技体Bが稠密に載置される。プッシャー部22の上面に載置された遊技体Bは、プッシャー部22が後方(Y方向の負側)に移動するときに後壁部234により押圧される。後壁部234により押圧されることで複数の遊技体Bが順次に前方に移動し、プッシャー部22の前縁の近傍に位置する余剰の遊技体Bが、プッシャー部22の上面からテーブル21の上面に落下する。テーブル21の上面の複数の遊技体Bは、前方(Y方向の正側)に移動するプッシャー部22により押圧されることで順次に前方に移動し、テーブル21の前縁Eの近傍に位置する余剰の遊技体Bが当該前縁Eから落下口Qに落下する。
【0020】
図1に例示される通り、側壁部231Lと側壁部231Rとの間には架設体27が設置される。架設体27は、遊技体Bの直径を上回る間隔だけテーブル21の上面から離間した高さに設置される。架設体27には複数の抽選孔Hが形成される。各抽選孔Hは、遊技体Bの直径を上回る内径に形成された略円形の貫通孔である。他方、プッシャー部22の前面(Y方向の正側の壁面)には、相異なる抽選孔Hに対応する複数の誘導路28が設置される。各誘導路28は、プッシャー部22の上面から落下した遊技体Bを受容して抽選孔Hに誘導する構造体である。プッシャー部22が架設体27に充分に接近した時点で誘導路28から落下した遊技体Bは、抽選孔Hを通過してからテーブル21の表面に落下する。他方、プッシャー部22が架設体27から離間した時点で誘導路28から落下した遊技体Bは、抽選孔Hを通過することなくテーブル21の表面に落下する。各抽選孔Hの内周面には、遊技体Bの通過を検出するための検出器(図示略)が設置される。検出器による遊技体Bの検出を契機として所定の抽選処理が実行され、抽選処理の結果に応じた各種の報酬がプレイヤに付与される。
【0021】
実施形態の抽選処理は、複数の要素(以下「抽選要素」という)の何れかを演算処理により無作為に選択する電子抽選である。具体的には、抽選処理においては、
図1に例示される通り、複数の抽選要素が円周方向に配置された円形状の抽選体G(すなわちルーレット)が表示装置15に表示される。遊技体Bが抽選孔Hを通過することを契機として抽選体Gが回転し、所定の時間の経過により抽選体Gが停止した時点で特定の位置にある抽選要素が抽選結果として選択される。抽選処理により選択される抽選要素としては、
抽選要素1:所定個の遊技体Bの投入
抽選要素2:所定量の遊技価値の付与
抽選要素3:特別抽選の実施
抽選要素4:遊技体Cの投入
が例示される。抽選要素1が選択された場合、所定個の遊技体Bがプッシャー部22またはテーブル21の上面に投入される。抽選要素2が選択された場合、所定量の遊技価値がプレイヤに付与される。抽選要素3が選択された場合、物理抽選機構(図示略)を利用した特別抽選が実行される。物理抽選機構は、例えば複数の抽選孔が形成された皿状の抽選機構である。特別抽選では、物理抽選機構の複数の抽選孔のうち遊技体Bが進入した抽選孔に応じて当選/非当選が選択される。特別抽選で当選した場合には、多数の遊技体Bがテーブル21またはプッシャー部22の上面に投入される(いわゆるジャックポット)。
【0022】
抽選要素4における遊技体Cは、遊技体Bとは別種の遊技体である。遊技体Cは、媒体の一例である。
図1に例示される通り、遊技体Bが転動可能な球体であるのに対し、遊技体Cは、略矩形状の平面形状に成形された平板状のカードである。遊技体Cは、いわゆる「リデンプションカード」である。遊技体Cの長辺および短辺の長さは遊技体Bの直径を上回る。それぞれの遊技体Cには、例えばキャラクタ等の各種の絵柄が描画される。本実施形態では、異なる絵柄が描画された遊技体Cは、異なる種類の遊技体Cとして取り扱われる。すなわち、遊技体Cは、複数の種類のいずれかに属し、遊技体Cの種類は、絵柄によって特定される。遊技体Cは絵柄によって種類が特定されることから、遊技体Cは種類毎に外観が異なる、とも言える。実施形態の遊技体Cは、当該遊技体Cの絵柄を示す識別情報が記憶された記憶回路(例えばICタグ)を搭載する。識別情報を表すバーコードまたはQRコード(登録商標)を遊技体Cの表面に印刷してもよい。識別情報を磁気的に遊技体Cに記憶してもよい。遊技体Cをカメラで撮影し、遊技体Cの絵柄を画像認識処理で認識することにより、遊技体Cの種類が特定されてもよい。
【0023】
なお、例えば同一の対象が描かれた遊技体Cは、描画された対象の姿勢や形態が異なっても同じ種類として取り扱われてもよい。より具体的には、例えば同じキャラクタが描画された遊技体Cは、遊技体Cに描かれたキャラクタのポーズや表情が異なっていても、同じ種類として取り扱われてもよい。反対に、同一の対象が描かれた遊技体Cであっても、描画された対象の姿勢や形態が異なっている場合には、異なる種類として取り扱われてもよい。
【0024】
図1の投入機構25は、遊技体Cをテーブル21の上面に投入する。すなわち、1以上の遊技体Cは、テーブル21の上面に供給される。具体的には、投入機構25は、前述の抽選処理において抽選要素4が選択されるたびに1枚の遊技体Cをテーブル21の面上に投入する。投入機構25による遊技体Cの投入は、制御装置81の投入部812(
図4参照)によって制御される。
図1に例示される通り、遊技体Cは、架設体27からみて前方側(Y方向の正側)の空間に投入される。実施形態の投入機構25は、複数の遊技体Cを収容する収容体251と、収容体251に収容された遊技体Cを順次に投入するための投入路252とを具備する。投入路252は、遊技体Cが滑落する傾斜面を具備する。収容体251には複数種の遊技体Cが無作為な順番で収容されている。投入機構25は、収容体251に収容された遊技体Cを1枚ずつ順番に投入する。したがって、複数種類の遊技体Cの何れかが投入機構25から投入される。投入機構25から投入された遊技体Cは、テーブル21の面上の複数の遊技体Bに載置される。したがって、遊技体Cは、複数の遊技体Bとともにテーブル21の面上で前方に順次に移動し、最終的には前縁Eから落下口Qに落下する。落下口Qに落下した遊技体Cは、遊技体Bとは異なる経路に供給され、排出口14から排出される。すなわち、テーブル21から落下した遊技体Cが、ゲームのプレイヤに払い出される。プレイヤは、排出口14から排出された遊技体Cを獲得する。なお、投入機構25は、遊技体Cをプッシャー部22の上面に投入してもよい。
【0025】
図2は、遊技体Bおよび遊技体Cの経路を例示する模式図である。
図2に例示される通り、テーブル21の前縁Eから共通の落下口Qに落下した遊技体Bと遊技体Cとは、選別機構31により選別されたうえで各々が別個の経路に供給される。具体的には、遊技体Bは経路Pbに供給され、遊技体Cは経路Pcに供給される。遊技体Cは、経路Pcを経由して
図1の排出口14から排出される。プレイヤは、排出口14から排出された遊技体Cを獲得する。
【0026】
遊技体Bは、経路Pbに設置された計数器32(計数ホッパー)により個数が計数されたうえで搬送装置33に供給される。計数器32により計数された個数に応じた数量の報酬がプレイヤに付与される。搬送装置33は、遊技体Bを鉛直方向の上方に搬送する機構である。搬送装置33により搬送された遊技体Bは投入機構24Lまたは投入機構24Rに供給される。すなわち、遊技体Bは、投入機構24Lまたは投入機構24R→プッシャー部22の上面→テーブル21の上面→落下口Q→経路Pb(計数器32)→搬送装置33→投入機構24Lまたは投入機構24R、という経路により循環する。
【0027】
他方、遊技体Cは、投入機構25→テーブル21の上面→落下口Q→経路Pc→排出口14、という経路で排出される。言い換えると、投入機構25→テーブル21の上面→落下口Q→経路Pc→排出口14、という経路と、投入機構25を制御する投入部812とは、ゲーム装置100におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の遊技体Cを払い出す払出部30として機能する。払出部30は、テーブル21から落下した遊技体Cを払い出す。
【0028】
交換装置200の詳細については、
図3を併せて用いて説明する。
【0029】
[A-2.機能的な構成]
図3は、ゲームシステム1の機能的な構成を例示するブロック図である。上述の通り、ゲームシステム1は、ゲーム装置100と、交換装置200とを備える。ゲーム装置100は、制御装置81と記憶装置82と表示装置15と操作パネル10とを具備する。表示装置15および操作パネル10の構成および機能は前述の通りである。
【0030】
制御装置81は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の処理回路で構成され、ゲーム装置100の各要素を統括的に制御する。記憶装置82は、制御装置81が実行するプログラムと制御装置81が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組み合わせが、記憶装置82として任意に採用される。
【0031】
交換装置200は、挿入口201と、読取機構202と、排出口204と、排出機構205とを備える。読取機構202および排出機構205は、ゲーム装置100の制御装置81と、図示しないインターフェースで接続されている。
【0032】
前述の通り、ゲーム装置100によりゲームをプレイすることで、プレイヤは遊技体Cを獲得することが可能である。プレイヤは、ゲーム装置100に内蔵された交換装置200を利用して、自身が獲得した遊技体Cをチケット(すなわち報酬)に交換することが可能である。挿入口201および排出口204は、
図1に例示される通り、ゲーム装置100の前面に設置される。
【0033】
チケットの取得を希望するプレイヤは、自身が獲得した1枚以上の遊技体Cを挿入口201に挿入する。チケットは、遊技体Cと引き換えにプレイヤに付与される。チケットの取得に利用された遊技体Cは、交換装置200の保管スペース203に保持され、プレイヤの手元には戻らない。よって、遊技体Cの挿入口201への挿入は、プレイヤからの遊技体Cの返却であると言える。
【0034】
読取機構202は、挿入口201に挿入された遊技体Cから、当該遊技体Cの絵柄を示す識別情報を読み取る。読取機構202は、読み取った識別情報をゲーム装置100の制御装置81に送信する。制御装置81は、識別情報に基づいて遊技体Cの絵柄を特定し、遊技体Cの絵柄に応じた枚数のチケットを払い出すよう排出機構205を制御する。
【0035】
排出機構205は、制御装置81の制御に基づいて、挿入口201に挿入された遊技体Cの絵柄に応じた枚数のチケットを排出口204から排出する。なお、チケットがICカード等の記録媒体に記憶されることで払い出される場合は、付与部13によって付与されたチケットの枚数が記録媒体に記録される。遊技体Cの絵柄に応じた枚数のチケットに加えて、計数器32による遊技体Bの計数の結果に応じた枚数のチケットが排出機構205から排出されてもよい。以上に説明した通り、交換装置200は、プレイヤが挿入した遊技体Cの絵柄に応じたチケットを排出する処理(以下「交換処理」という)を実行する。
【0036】
図2に示すように、読取機構202で読み取られた遊技体Cは、経路Pdを通り、保管スペース203に格納される。保管スペース203は、プレイヤから返却された遊技体Cを保管するスペースである。ゲームシステム1の管理者は、所定のタイミングで保管スペース203内の遊技体Cを取り出し、投入機構25の収容体251に格納する。
【0037】
図4は、制御装置81の機能的な構成を例示するブロック図である。ゲーム装置100の制御装置81は、記憶装置82に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(抽選処理部811、投入部812、遊技体受付部813、選択受付部814、付与部815、実行部816および表示制御部817)を実現する。なお、制御装置81の一部の機能を専用の電子回路で実現してもよい。また、制御装置81の機能を複数の装置に搭載してもよい。
【0038】
抽選処理部811は、複数の抽選要素の何れかを無作為に選択する前述の抽選処理を実行する。
【0039】
投入部812は、抽選処理部811における抽選結果に応じて、プッシャー部22またはテーブル21の上面に、遊技体Bまたは遊技体Cを投入する。上述のように、抽選処理部811における抽選結果は、選択された抽選要素が抽選要素1~4のうちいずれであるかによって示される。抽選要素1が選択された場合、投入部812は、所定個の遊技体Bをプッシャー部22またはテーブル21の上面に投入する。抽選要素2が選択された場合は、所定量の遊技価値がプレイヤに付与される。抽選要素3が選択された場合、物理抽選機構(図示略)を利用した特別抽選が実行される。抽選要素4が選択された場合、投入部812は、遊技体Cをテーブル21の上面に投入する。
【0040】
遊技体受付部813は、払出部30によって払い出された1以上の遊技体Cの返却を受け付ける。遊技体受付部813は、媒体受付部の一例である。遊技体受付部813は、読取機構202から出力された識別情報を取得すると、当該識別情報が付された遊技体Cが返却されたものとして受け付ける。上述のように、遊技体Cの返却は、プレイヤが挿入口201に遊技体Cを挿入することによって行われる。よって、遊技体受付部813は、ゲームのプレイヤから1以上の遊技体Cの返却を受け付ける、とも言える。以下、本実施形態では、プレイヤから複数の遊技体Cが返却されたものとする。
【0041】
遊技体受付部813は、遊技体Cの返却を受け付けた場合、当該遊技体Cを保管スペース203に搬送するよう制御する制御信号を交換装置200に出力する。よって、保管スペース203は、遊技体受付部813によって返却を受け付けた1以上の遊技体Cを保管する保管部として機能する。また、遊技体受付部813は、挿入口201に挿入された物体から識別情報が読み取れない場合、または、物体から読み取られた情報が遊技体Cに対応付けられた識別情報と一致しない場合、当該物体の返却を受け付けず、当該物体を挿入口201から排出させる制御信号を交換装置200に出力する。これは、例えば異なる種類のゲーム装置で用いられるリデンプションカードが、誤って挿入された可能性があるためである。
【0042】
また、遊技体受付部813で遊技体Cの返却を受け付けた場合、ゲーム装置100におけるゲームの進行が中断される。ゲームの進行が中断する、とは、状態に段階があるゲームにおいて、状態が次の段階に進まないことを意味する。具体的には、ゲームの進行の中断中は、例えば遊技価値の投入の受け付け、投入機構24Lおよび投入機構24Rからの遊技体Bの投入、または抽選処理等は行われない。一方で、ゲームの進行が中断されていても、例えばテーブル21上の遊技体Bが落下口Qに落下した場合、計数器32による計数の値が増加し、この結果、プレイヤへの報酬が増加する場合がある。
【0043】
選択受付部814は、遊技体受付部813によって返却を受け付けた複数の遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせ(いわゆる役)である場合に、当該組み合わせに対応して設定された特典を受け付けるか否かの選択を、プレイヤから受け付ける。所定の組み合わせとは、
図5に例示するボーナスを成立させる組み合わせである。言い換えると、所定の条件とは、プレイヤから返却された遊技体Cの種類が
図5に例示する組み合わせであること、である。以下、所定の組み合わせが成立することを「ボーナスが成立する」という場合がある。
【0044】
本実施形態では、ボーナスの成立に対応する特典として、プレイヤへのチケットの付与(より詳細には、複数の遊技体C各々の種類に応じたチケットの合計よりも多くのチケットの付与、以下「チケット割増」という場合がある)と、ゲーム装置100における演出の実行(より詳細には、表示装置15への画像の表示)が行われる。
【0045】
よって、選択受付部814は、遊技体受付部813によって返却を受け付けた複数の遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせである場合に、ゲーム装置100において演出を実行するか否かの選択を、ゲームのプレイヤから受け付ける、ともいえる。選択受付部814は、遊技体受付部813によって1の遊技体Cの返却を受け付ける都度、所定の組み合わせが成立するかを判断し、所定の組み合わせが成立した場合に、所定の組み合わせに対応する演出を実行するか否かの選択を受け付ける。また、選択受付部814は、遊技体受付部813によって返却を受け付けた複数の遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせである場合に、複数の遊技体C各々の種類に応じたチケットの合計よりも多くのチケットを受け取るか否かの選択を、ゲームのプレイヤから受け付ける、ともいえる。
【0046】
選択受付部814で特典を受け取るか否かの選択を受け付けるのは、ボーナスの特典を受け取ると、それまで挿入した遊技体Cは交換装置200に返却され、他のボーナスを成立させるために使用できないからである。例えばプレイヤがコンプリートボーナス(
図5参照)を受け取るつもりで遊技体Cを挿入している途中で、他のボーナスが成立する可能性がある。この時、プレイヤに対して確認のないまま当該他のボーナスの特典を付与してしまうと、それまで挿入した遊技体Cは交換装置200に返却されてしまい、プレイヤはコンプリートボーナスを獲得することができない。本実施形態では、このような状況を避けるため、選択受付部814で選択を受け付ける。
【0047】
選択受付部814は、例えば、プレイヤが返却した遊技体Cが所定のボーナスを成立させる組み合わせに該当する旨を示すメッセージ、および、当該ボーナスに対応する特典を獲得するか否かの選択をプレイヤに促すメッセージを、表示装置15に表示させる。選択受付部814は、例えば、特典を獲得する場合には操作部11Lを、特典を獲得しない場合には操作部11Rを、操作するようにプレイヤに促し、操作部11L,11Rに対する操作結果を、プレイヤの選択結果として受け付ける。
【0048】
図5は、遊技体Cの絵柄の組み合わせに応じたボーナスの特典を例示する表である。本実施形態では、遊技体Cは、絵柄A~Fの6種類を有する。絵柄A~Fの遊技体Cを単一で返却した場合(組み合わせが成立しない場合)にプレイヤに付与されるチケットの枚数(以下「付与数」という)は、いずれも50枚である。なお、絵柄A~Fに応じて、単一で返却した場合の付与数が異なってもよい。例えば絵柄Aは10枚、絵柄Bは20枚、等であってもよい。
【0049】
一方で、例えば絵柄A~Fの遊技体Cを1枚ずつ、計6枚返却した場合は、全ての絵柄が揃っているため「コンプリートボーナス」が成立する。コンプリートボーナス成立時の付与数は、3000枚である。この付与数は、6枚の遊技体Cを個々に返却した場合の付与数である300枚(50枚×6枚)よりも多い。
【0050】
また、例えば絵柄A,B,Cの遊技体Cを1枚ずつ、計3枚返却した場合は、「ボーナスX」が成立する。ボーナスX成立時の付与数は、450枚である。この付与数は、3枚の遊技体Cを個々に返却した場合の付与数である150枚(50枚×3枚)よりも多い。
【0051】
また、例えば絵柄A,D,E,Fの遊技体Cを1枚ずつ、計4枚返却した場合は、「ボーナスY」が成立する。ボーナスY成立時の付与数は、800枚である。この付与数は、4枚の遊技体Cを個々に返却した場合の排出数である200枚(50枚×4枚)よりも多い。
【0052】
このように、プレイヤから返却された複数の遊技体Cの絵柄について、所定の組み合わせが成立した場合には、当該組み合わせを構成する各絵柄の遊技体Cを1枚ずつ交換した場合の排出数の合計値を上回る排出数が設定される。すなわち、遊技体受付部813によって返却を受け付けた複数の遊技体C各々の種類が所定の組み合わせの場合に、複数の遊技体C各々の種類に応じた付与数の合計よりも多くのチケットがプレイヤに付与される。
【0053】
また、
図5に示すように、本実施形態では、ボーナスに対応する特典として、表示装置15への画像の表示が実行される。例えばコンプリートボーナスの成立時には、画像P1が表示装置15に表示される。ボーナスXの成立時には画像P2が表示装置15に表示される。ボーナスYの成立時には画像P3が表示装置15に表示される。
【0054】
付与部815は、遊技体受付部813によって返却を受け付けた複数の遊技体Cに対応するチケットをプレイヤに付与する。付与部815は、ボーナス成立時においては、挿入口201に挿入された複数の遊技体Cの絵柄の組み合わせに応じて、プレイヤに付与するチケットの枚数(付与数)を決定する。付与部815は、ボーナスの非成立時においては、挿入口201に挿入された遊技体Cの枚数に応じて付与数を決定する。付与数は、排出口204から排出すべきチケットの枚数と言い換えることができる。
【0055】
上述のように、各遊技体Cの絵柄は、遊技体受付部813が読取機構202から取得した識別情報により特定される。記憶装置82は、
図5に例示するように、遊技体Cの1枚当たりの付与数、および、遊技体Cの絵柄の組み合わせ毎に付与数を事前に記憶する。付与部815は、記憶装置82の記憶内容を参照することで、挿入口201に挿入された遊技体Cに応じた付与数を決定する。付与部815は、決定した付与数のチケットを排出させる制御信号を排出口204に送信する。
【0056】
実行部816は、後述する遊技体受付部813によって返却を受け付けた複数の遊技体Cの絵柄が所定の条件を満たす場合に、ゲーム装置100において演出を実行する。本実施形態では、実行部816は、複数の遊技体Cの絵柄が所定の条件を満たし、かつ、選択受付部814が演出を実行する選択を受け付けた場合に、演出を実行する。
【0057】
上述のように、所定の条件とは、プレイヤから返却された遊技体Cの種類が
図5に例示する組み合わせであること、である。すなわち、実行部816は、複数の遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせである場合に演出を実行する。所定の組み合わせとは、
図5に示したボーナスが成立する組み合わせである。
【0058】
実行部816は、複数の遊技体Cの絵柄の組み合わせに基づいて、演出を変化させる。上述のように、本実施形態では、演出は、表示装置15への画像の表示である。画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。画像とともに、音声が出力されてもよい。実行部816は、複数の遊技体Cの種類の組み合わせに基づいて、画像の内容を変化させる。
図5に示すように、コンプリートボーナスが成立した場合、実行部816は、画像P1を表示装置15に表示する。ボーナスXが成立した場合、実行部816は、画像P2を表示装置15に表示する。コンプリートボーナスが成立した場合、実行部816は、画像P3を表示装置15に表示する。画像P1~P3の内容はそれぞれ異なる。
【0059】
画像P1~P3の内容は任意であるが、例えば遊技体Cにキャラクタが描かれている場合、ボーナスの成立に必要な遊技体Cに描かれたキャラクタが画像P1~P3に登場してもよい。また、例えばゲーム装置100のゲームにストーリーがある場合、画像P1~P3は、当該ストーリーに即した内容であってもよい。
【0060】
上述のように、遊技体受付部813で遊技体Cの返却を受け付けた場合、ゲーム装置100におけるゲームの進行が中断される。よって、実行部816が演出を実行する間、ゲームの進行は中断されている。
【0061】
表示制御部817は、表示装置15に画像を表示させる。本実施形態では、表示制御部817は、抽選処理に関する画像と、交換処理に関する画像と、演出に関する画像とを、表示装置15に表示させる。抽選処理に関する画像は、
図1を参照して前述した通り、例えば複数の抽選要素が配置された抽選体Gの画像である。交換処理に関する画像は、例えば後述する
図6に例示される通り、プレイヤが挿入口201に挿入した遊技体Cについて成立した組み合わせと当該組み合わせに対応する排出数とを表す画像である。演出に関する画像は、例えば後述する
図9に示されるように、成立したボーナスの特典として表示される画像である。
【0062】
図6~
図8は、交換処理における表示装置15の表示を例示する模式図である。プレイヤが遊技体Cを挿入口201に挿入すると、表示装置15の表示が例えば
図6に示す交換処理に関する画像P11に切り替わる。プレイヤが挿入した遊技体Cは、例えば絵柄Aであったものとする。画像P11は、ボーナス名N1、絵柄の種類N2、獲得チケット枚数N3、現在チケット枚数N4、交換方法N5を含む。ボーナス名N1は、挿入された遊技体Cによって成立する可能性のあるボーナスの名称を示す。
図6の例では、成立に絵柄Aが必要な「ボーナスX」が表示されている。絵柄の種類N2は、ボーナス名N1で表記されたボーナスの成立に必要な絵柄の種類を示す。ボーナスXの成立には、絵柄A,BおよびCが必要なため、これらを示す表記が表示される。このうち、遊技体受付部813によって返却が受け付けられた絵柄Aの表記は、他の絵柄の種類の表記と異なる表示態様(例えば色が異なる等)で表示される。
【0063】
獲得チケット枚数N3は、ボーナス名N1で表記されたボーナスの成立時に獲得可能なチケットの枚数を示す。
図6では、ボーナスXの成立によりチケットが450枚獲得可能な旨が表示される。現在チケット枚数N4は、プレイヤが挿入した遊技体Cによって払い出されるチケットの枚数の累計を示す。
図6では、遊技体Cの挿入枚数は1枚なので、現在チケット枚数N4には「50チケット」と表示される。交換方法N5は、遊技体Cの挿入を完了し、チケットと交換する方法を示す。
図6では、操作部11Rに対応する「Rボタン」を操作する旨が表示されている。
【0064】
プレイヤが所定の操作(例えば操作部11Lの操作)を行うと、表示装置15の表示が例えば
図7に示す画像P12に切り替わる。画像P12は、絵柄Aによって成立する可能性がある他のボーナスの内容を示す。画像P12では、ボーナス名N1は「コンプリートボーナス」、絵柄の種類N2は「絵柄A,B,C,D,E,F」、獲得チケット枚数N3は「3000枚」と表記される。現在チケット枚数N4および交換方法N5は、画像P11と同様である。
【0065】
プレイヤが、絵柄Aの遊技体Cに続き、絵柄Bの遊技体Cおよび絵柄Cの遊技体Cを挿入すると、
図8に示すように、ボーナスXが成立した旨を示す画像P13に表示装置15の表示が切り替わる。画像P13は、絵柄の種類N2の他、成立ボーナス名N6、確認メッセージN7、操作方法N8を含む。成立ボーナス名N6は、今回成立したボーナスの名称を示す。
図8の例では、「ボーナスX」が表示されている。確認メッセージN7は、ボーナス成立に対する特典を受け取るか否かを確認するメッセージである。操作方法N8は、ボーナス成立に対する特典を受け取るか否かの選択操作の方法を示す。
図8では、特典を受け取る場合には操作部11Lに対応する「Lボタン」を操作し、特典を受け取らない場合には操作部11Rに対応する「Rボタン」を操作する旨が表示されている。
【0066】
プレイヤが、特典を受け取ることを選択した場合、付与部815は、ボーナスに応じた枚数のチケットをプレイヤに付与する。また、実行部816は、ボーナスに応じた画像を表示装置15に表示させる。
図9は、ボーナスXに対応する特典の画像P14を例示する模式図である。画像P14には、プレイヤがボーナスXを獲得した旨、ボーナスXによってプレイヤに付与されたチケットの枚数、遊技体Cに描かれたキャラクタ等が表示される。
【0067】
また、プレイヤが、特典を受け取らないことを選択した場合には、表示装置15の表示が、これまで挿入された遊技体Cによって成立する可能性があるボーナスを示す画面(図示なし)に切り替わる。
【0068】
このように、遊技体Cの絵柄の組み合わせは、例えばボーナスXを成立させる第1組み合わせと、コンプリートボーナスを成立させる第2組み合わせとを含む。選択受付部814は、第1組み合わせが成立した場合に、ボーナスXに対応する特典を受け取るか否かの選択を受け付ける。また、選択受付部814は、ボーナスXに対応する特典を受け取らない選択を受け付けた場合に、第1組み合わせが成立するまでに返却を受け付けた遊技体Cと、第1組み合わせが成立した後、更に返却を受け付けた遊技体Cとによって第2組み合わせが成立するか否かを判断する。選択受付部814は、第2組み合わせが成立した場合には、コンプリートボーナスに対応する特典を受け付けるか否かの選択を受け付ける。実行部816は、選択受付部814がボーナスXに対応する特典を受け取る選択を受け付けた場合に、画像P2(
図5参照)を表示する。また、実行部816は、選択受付部814がコンプリートボーナスに対応する特典を受け付ける選択を受け付けた場合に画像P1(
図5参照)を表示する。
【0069】
[A-3.フローチャート]
図10および
図11は、ゲームシステム1の動作中に制御装置81が定常的に実行する処理の手順を例示するフローチャートである。例えばプレイヤによる価値媒体の投入を契機として
図10の処理が開始される。ゲームシステム1の動作中においては
図10および
図11の処理が反復的に実行される。
【0070】
まず、
図10のフローチャートについて説明する。
図10のフローチャートは、主に遊技体Cの排出に関する処理に着目した制御装置81の動作を示す。処理が開始されると、制御装置81は、プレイヤによりゲームが開始されるまで待機する(ステップS1:NO)。ゲームが開始されると(ステップS1:YES)、制御装置81は投入部812として機能し、プッシャー部22に遊技体Bを投入する(ステップS2)。遊技体Bが抽選孔Hを通過するまでは(ステップS3:NO)、制御装置81は、処理をステップS2に戻す。遊技体Bが抽選孔Hを通過すると(ステップS3:YES)、制御装置81は抽選処理部811として機能し、抽選処理を実行する(ステップS4)。
【0071】
抽選処理で抽選要素4が選択されると(ステップS5:YES)、制御装置81は投入部812として機能し、テーブル21の上面に遊技体Cを投入させる(ステップS6)。また、抽選処理で抽選要素4が選択されなかった場合(ステップS5:NO)、制御装置81は、処理をステップS7に進める。
【0072】
遊技体Cがテーブル21から落下すると(ステップS7:YES)、制御装置81は、排出口14から遊技体Cを排出させる(ステップS8)。排出口14から排出された遊技体Cは、プレイヤが保持する。また、遊技体Cがテーブル21から落下しない場合(ステップS7:NO)、制御装置81は、処理をステップS8に進める。
【0073】
遊技体Cが交換装置200の挿入口201に挿入されると(ステップS9:YES)、制御装置81は、交換処理を実行する(ステップS10)。交換処理の詳細は、
図11のフローチャートを用いて説明する。遊技体Cが交換装置200の挿入口201に挿入されない場合(ステップS9:NO)、制御装置81は、処理をステップS11に進める。
【0074】
ゲームが終了するまでは(ステップS11:NO)、制御装置81は処理をステップS2に戻し、以降の処理を繰り返す。ゲームが終了すると(ステップS11:YES)、制御装置81は本フローチャートの処理を終了する。
【0075】
つぎに、
図11のフローチャートについて説明する。
図11のフローチャートは、遊技体Cの交換処理に関する制御装置81の動作を示す。遊技体Cが交換装置200の挿入口201に挿入されて交換処理が開始されると、制御装置81は遊技体受付部813として機能し、読取機構202から出力された識別情報を取得する(ステップS21)。制御装置81は、表示制御部817として機能し、表示装置15に交換処理の画像(例えば
図6)を表示させる(ステップS22)。
【0076】
挿入された遊技体Cによりボーナスが成立した場合(ステップS23:YES)、制御装置81は選択受付部814として機能し、ボーナスの特典を受け取るか否かの選択画面(例えば
図8)を表示装置15に表示し、プレイヤからの選択を受け付ける(ステップS24)。プレイヤがボーナスの特典を受け取ることを選択した場合(ステップS25:YES)、制御装置81は付与部815として機能し、成立したボーナスに応じた枚数のチケットをプレイヤに付与する(ステップS26)。また、制御装置81は実行部816として機能し、成立したボーナスに応じた演出を実行する(ステップS27)。具体的には、例えば
図9に示す画像P14を表示する。なお、チケットの付与のステップと演出の実行のステップとが入れ替わってもよいし、同時に行われてもよい。その後、制御装置81は、本フローチャートの処理を終了する。また、プレイヤがボーナスの特典を受け取らないことを選択した場合(ステップS25:NO)、制御装置81は処理をステップS21に戻す。
【0077】
また、ステップS23において、挿入された遊技体Cによりボーナスが成立しない場合(ステップS23:NO)、制御装置81は挿入された遊技体Cの枚数に応じたチケットの付与をプレイヤから受け付ける(ステップS28)。付与が指示された場合(ステップS28:YES)、制御装置81は付与部815として機能し、挿入された遊技体Cの枚数に応じたチケットをプレイヤに付与する(ステップS29)。その後、制御装置81は、本フローチャートの処理を終了する。付与が指示されない場合(ステップS28:NO)、制御装置81は処理をステップS21に戻す。
【0078】
[A-4.実施形態まとめ]
以上説明したように、実施形態にかかるゲームシステム1は、ゲームの結果に応じて払い出された遊技体Cが返却され、当該遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせの場合に、ゲーム装置100の表示装置15に特典の画像が表示される。よって、プレイヤに遊技体Cを返却する動機づけを与え、遊技体Cの返却率を向上させることができる。より詳細には、プレイヤが遊技体Cを交換装置200に投入せずに持ち帰ることにより、ゲームシステム1内の遊技体Cの数が減少し、遊技体Cを補充しなければならない場合があった。これに対して、ゲームシステム1においては、遊技体Cを返却することより、プレイヤは、報酬であるチケットのみならず、特典の画像を見ることができる。よって、プレイヤにとって遊技体Cを返却するメリットが増加し、プレイヤからの遊技体Cの返却率を向上させることができる。この結果、遊技体Cの購入や補充にかかる手間やコストを削減することができる。
【0079】
また、ゲームシステム1によれば、プレイヤのゲームに対するモチベーションを高めることができる。すなわち、報酬であるチケットの獲得以外にも、演出を見ることを目的として遊技体Cを獲得する意欲をプレイヤに与えることができる。
【0080】
また、ゲームシステム1においては、ゲーム装置100に交換装置200が内蔵されている。よって、他のゲーム装置で払い出される媒体と、遊技体Cとが混ざるのを防止することができ、遊技体Cの取り扱いを容易にすることができる。例えばゲーム装置と交換装置とが別体の場合、複数の種類のゲーム装置でプレイヤに払い出される複数種類の媒体を1つの交換装置で受け付けることがある。この場合、交換装置に返却された媒体を、ゲームの種類毎に分けて、再度各ゲーム装置に補充する必要がある。この作業は、ゲームの種類毎に仕分ける負担が大きい、間違った種類の媒体をゲーム装置に補充してしまう等、手間がかかるものであった。ゲームシステム1においては、上記の手間を解消し、ゲームシステム1の管理者の業務効率を向上させることができる。
【0081】
また、ゲームシステム1においては、遊技体Cの絵柄の組み合わせに基づいて演出が決定される。よって、プレイヤは、獲得した遊技体Cの組み合わせに応じて異なる演出を楽しむことができ、ゲームの興趣性が向上する。また、プレイヤが様々な演出を見たい場合、様々な組み合わせの遊技体Cを獲得するまでゲームを継続することが予想される。よって、プレイヤにゲームを継続させる動機づけを与えることができる。また、所定の組み合わせの遊技体Cが返却されやすくなる。例えば、希少性が高い遊技体Cは返却率が低いことが予想されるが、当該希少性が高い遊技体Cを含む組み合わせを返却した場合に希少性の高い演出を実行することにより、返却率を向上させることができる。
【0082】
また、ゲームシステム1においては、演出がゲームの進行と独立して行われるので、ゲームの進行状態に関わらず演出を実行することができる。
【0083】
また、ゲームシステム1においては、返却した遊技体Cに応じたチケットがプレイヤに付与される。よって、プレイヤに遊技体Cを返却する動機づけを与えることができる。
【0084】
また、ゲームシステム1においては、返却した遊技体Cの絵柄の組み合わせに応じたチケットがプレイヤに付与される。組み合わせに応じたチケットは、各々の遊技体C単体に対して付与されるチケットの合計よりも多い。よって、遊技体Cの組み合わせを揃えることを目的としてゲームを継続する動機づけをプレイヤに与えることができる。
【0085】
また、ゲームシステム1においては、プレイヤは、演出を実行させるか否かを選択することができ、利便性が向上する。
【0086】
また、ゲームシステム1においては、返却した遊技体Cの絵柄の組み合わせに応じた演出を実行可能であるとともに、プレイヤは、当該演出を実行させるか否かを選択可能である。よって、遊技体Cの絵柄の組み合わせを揃えることを目的としてゲームを継続する動機づけをプレイヤに与えることができる。
【0087】
また、ゲームシステム1においては、例えばボーナスXの特典を取得しない選択を受け付けた場合に、ボーナスXを成立させる第1組み合わせが成立するまでに返却を受け付けた遊技体Cと、第1組み合わせが成立した後、更に返却を受け付けた遊技体Cとによってコンプリートボーナスを成立させる第2組合せが成立するか否かが判断される。よって、プレイヤは、獲得した遊技体Cが、第1組み合わせと第2組み合わせに共通して含まれる種類の場合に、当該遊技体CをボーナスXの特典の獲得に使用するか、コンプリートボーナスの特典の獲得に使用するかを選択することができ、利便性が向上する。
【0088】
また、ゲームシステム1においては、プレイヤは、遊技体Cの絵柄を外観から識別することができる。また、ゲーム装置100がプッシャーゲーム装置であることによって、獲得したい遊技体Cを狙ってゲームを進行することができる。よって、プレイヤは、特定の絵柄の遊技体Cを狙って獲得することが可能となる。
【0089】
また、ゲームシステム1においては、遊技体Cの絵柄の組み合わせに基づいて演出が変化するので、単に遊技体Cの種類に基づいて演出を変化させる場合と比較して、演出のバリエーションを増やすことができる。また、プレイヤに対して、様々な組み合わせの遊技体Cを獲得することを目的としてゲームを継続する動機づけを与えることができる。
【0090】
また、ゲームシステム1においては、演出として表示装置15への画像の表示が行われる。よって、演出の自由度が向上する。また、画像の内容は遊技体Cの絵柄の組み合わせに基づいて変化する。よって、遊技体Cの絵柄の組み合わせを揃えることを目的としてゲームを継続する動機づけをプレイヤに与えることができる。
【0091】
[B.変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。上述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0092】
(1)上述した形態では、演出として、表示装置15への画像の表示を行った。これに限らず、例えばゲーム装置100が照明装置を備える場合に、演出として照明装置の点灯を行ってもよい。この場合、実行部816は、複数の遊技体Cの絵柄の組み合わせに基づいて、照明の点灯態様を変化させる。このような構成によれば、演出が行われていることがプレイヤ以外の遊技者にも分かりやすく、ゲームシステム1に対する興味を引きやすくすることができる。
【0093】
また、演出は、ゲーム装置100の動作であれば、どのような態様であってもよい。例えばプッシャー部22が通常とは異なる速度で移動する、投入機構24L,24Rがプレイヤの操作なしで移動する、または、投入機構24L,24Rから遊技体Bが投入される、等であってもよい。
【0094】
(2)
図12は、変形例にかかるゲームシステム2を例示する外観図である。図の視認性を確保するため、
図12では一部の符号の図示を省略している。ゲームシステム2は、2台のゲーム装置100Rおよび100Lが、単一の筐体に収容されている。ゲーム装置100Rは、ゲームシステム2に対向するプレイヤから見て右側に配置され、ゲーム装置100Lは、ゲームシステム2に対向するプレイヤから見て左側に配置される。ゲーム装置100Rおよびゲーム装置100Lをそれぞれ用いて、2人のプレイヤが同時にゲームをプレイすることが可能である。
【0095】
また、ゲームシステム2では、2台のゲーム装置100Rおよび100Lにそれぞれに交換装置200が設けられるのではなく、2台のゲーム装置100Rおよび100Lに対して1台の交換装置200が設けられる。交換装置200の挿入口201および排出口204の近傍には、操作ボタン206Rおよび操作ボタン206Lが設けられる。操作ボタン206Rは、ゲーム装置100R側に配置され、操作ボタン206Lは、ゲーム装置100L側に配置される。
【0096】
ゲーム装置100Rでゲームをプレイするプレイヤが遊技体Cの返却を行いたい場合、操作ボタン206Rを押下した上で、挿入口201に遊技体Cを挿入する。遊技体受付部813は、操作ボタン206Rの押下により、挿入された遊技体Cは、ゲーム装置100Rのプレイヤが挿入したことを認識する。また、ゲーム装置100Lでゲームをプレイするプレイヤが遊技体Cの返却を行いたい場合、操作ボタン206Lを押下した上で、挿入口201に遊技体Cを挿入する。
【0097】
ゲーム装置100Rのプレイヤから返却された複数の遊技体Cによってボーナスが成立した場合、特典の演出である画像の表示は、ゲーム装置100Rの表示装置15Rで行われる。また、ゲーム装置100Lのプレイヤから返却された複数の遊技体Cによってボーナスが成立した場合、特典の演出である画像の表示は、ゲーム装置100Lの表示装置15Lで行われる。チケットの払い出しは、共用の排出口204から行われる。
【0098】
なお、例えばコンプリートボーナス等、希少性の高いボーナスの成立時には、ゲームシステム2全体で演出を行うようにしてもよい。例えば、ゲーム装置100Rの表示装置15Rおよびゲーム装置100Lの表示装置15Lに対して、特典の画像が表示されるようにしてもよい。
【0099】
このように、複数のゲーム装置100R,100Lにおいて1台の交換装置を共用することによって、複数のゲーム装置100R,100Lのプレイヤから返却された遊技体Cが1つの保管スペース203に集約される。よって、遊技体Cの回収の手間が削減される。また、複数のゲーム装置100を演出に利用することができ、演出の幅が広がり、ゲームの興趣性が向上する。なお、
図12では2台のゲーム装置100Rおよび100Lで1台の交換装置200を共用するものとしたが、3台以上のゲーム装置100で1台の交換装置200を共用してもよい。
【0100】
(3)上述した形態では、プレイヤに払い出された遊技体Cは、排出口14から排出され、プレイヤが物理的に保持できるものとした。これに限らず、例えば遊技体Cのプレイヤへの払い出しが、ゲーム装置100に収容された状態で行われてもよい。例えば、落下口Qから落下した遊技体Cが、プレイヤから視認可能な収容スペース(図示なし)に搬送され、当該収容スペース内に保持されてもよい。この時、読取機構202によって当該遊技体Cの識別情報が読み取られた上で収容スペースに収容されてもよい。プレイヤは、収容スペース内に収容された遊技体Cを、自身が保持する遊技体Cであると認識する。
【0101】
または、落下口Qから落下した遊技体Cが、プレイヤから視認できない保管スペース203に保持されるとともに、読取機構202によって読み取られた識別情報に基づく当該遊技体Cの外観(絵柄)が表示装置15に表示されてもよい。この場合、プレイヤは、表示装置15に外観が表示された遊技体Cを、自身が保持する遊技体Cであると認識する。
【0102】
プレイヤは、例えば操作部11Lまたは操作部11Rに対して所定の操作(返却の指示)を行うことにより、任意のタイミングで遊技体Cの返却を行うことができる。または、落下口Qから落下した遊技体Cの識別情報を読取機構202読み取り、プレイヤがこれまでに獲得した遊技体Cによってボーナスが成立するかを制御装置81で判断し、ボーナスが成立する場合には、プレイヤの操作を経ずに、交換処理に移行してもよい。
【0103】
また、本変形例においては、投入機構25から投入される遊技体Cは、種類が特定されていなくてもよい。例えば、無地のカードが遊技体Cとして投入されてもよい。この場合、例えば落下口Qから遊技体Cが落下したタイミングで抽選が行われ、抽選の結果によって当該遊技体Cの種類が決定されてもよい。
【0104】
本変形例によれば、遊技体Cがゲーム装置100から排出されず、ゲーム装置100内に留まる。よって、遊技体Cがプレイヤから返却されないことによる遊技体Cの不足、および、遊技体Cがプレイヤに保持されることによる破損や劣化を防止することができる。
【0105】
(4)上述した形態では、主にチケットが物理的にプレイヤに払い出される場合について説明した。これに対して、ICカード等の記録媒体を用いてチケットの払い出しを受ける場合について説明する。
【0106】
プレイヤは、自身を識別するIDを記録したIDカード(例えばICチップが搭載されたICカード)を各々保有している。プレイヤは、ゲームをプレイする前に、IDカードに遊技価値をチャージする。具体的には、娯楽施設等に設置されたチャージ機にIDカードと現金(または他の価値媒体)を投入する。これにより、投入した現金の額に応じた量の遊技価値が、プレイヤのIDに対応付けられる。遊技価値は、IDカード自体に記録されるのではなく、娯楽施設等の管理サーバでプレイヤのIDに紐づけて記録される。
【0107】
ゲームをプレイする場合、プレイヤは、ゲームシステム1に備え付けられているスワイパーユニット(受付部12に対応)にIDカードをスワイプする。1回のスワイプで消費される遊技価値と、ゲーム装置100でのプレイ回数(例えば、投入機構24Lおよび投入機構24Rからの遊技体Bの投入回数)が予め設定されている。プレイヤがスワイプした回数分の遊技価値がプレイヤのIDから減算され、ゲーム装置100でのプレイ回数が加算される。
【0108】
IDカードのスワイプにより、当該ゲームシステム1を使用するプレイヤのIDが特定される。遊技体Cを返却したい場合、プレイヤは、ゲームのプレイ中、または、ゲームのプレイ後、他のプレイヤのIDカードがスワイプされる前に、挿入口201に遊技体Cを挿入する。これにより、上述した交換処理が開始される。遊技体Cの返却によって付与されるチケットの枚数(ボーナスの特典として付与されるチケットの枚数を含む)は、プレイヤのIDに対応付け管理サーバに記憶される。チケットを景品に交換したい場合、プレイヤは、娯楽施設等のカウンターに行き、店員にIDカードを渡してチケット枚数を確認する。そして、チケット枚数内で交換可能な景品とチケットを交換する。すなわち、景品と引き換えに、プレイヤのIDに対応付けられたチケットの枚数が減算される。
【0109】
(5)上述した形態では、交換装置200がゲーム装置100に内蔵されていた。これに限らず、交換装置200がゲーム装置100と別体の装置として設置されてもよい。この場合、プレイヤが演出を見やすくするため、交換装置200とゲーム装置100とは、例えば隣接または近接して設置されるのが好ましい。
【0110】
(6)上述した形態では、交換装置200は、制御装置81に対して識別情報を出力した。これに限らず、例えば交換装置200において、返却された遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせであるか否かを識別情報に基づいて判断してもよい。この場合、所定の組み合わせが成立した場合に、演出を実行させるための制御信号、または、演出を実行するか否かの選択(ボーナスの特典を受け取るか否かの選択)をプレイヤに行わせるための制御信号が、交換装置200から制御装置81に出力される。
【0111】
(7)上述した形態では、ボーナスの成立に対する特典として、チケット割増と演出の実行とが行われた。これに限らず、ボーナスの成立に対する特典として、チケット割増または演出の実行のいずれか一方のみが行われてもよい。または、ボーナスの成立に対する特典として、チケット割増または演出の実行のいずれかを、プレイヤが選択できてもよい。
【0112】
(8)上述した形態では、プレイヤからの遊技体Cの返却は、ゲームの進行と関連なく行われた。これに限らず、ゲームの進行と遊技体Cの返却とが関連付けられてもよい。例えば、ゲームの進行中に遊技体Cの返却(挿入口201への挿入)が求められ、所定の絵柄の遊技体Cを返却することで、さらにゲームが進行されてもよい。すなわち、ゲームの段階を進めるためのアイテムとして、遊技体Cが使用されてもよい。
【0113】
また、返却する遊技体Cの絵柄によってゲーム進行のルートが異なってもよい。所定のルートで最後までゲームを進めた場合(所定の順序で所定の組み合わせの遊技体Cを返却した場合)に、ボーナス成立に対する特典としてのチケット割増以上に上乗せされたチケットがプレイヤに付与されてもよい。この場合、遊技体Cの1枚当たりの付与数が設定されていなくてもよい。
【0114】
(9)上述した形態では、ゲーム装置100において、ボーナスの成立の有無の判定が行われた。これに限らず、例えばゲーム装置100をネットワークに接続し、当該ネットワークに接続されたサーバにおいて、ボーナスの成立の有無の判定が行われてもよい。この場合、ゲーム装置100は、読取機構202から出力された識別情報をサーバに送信する。サーバは、識別情報に基づいて、ボーナスが成立するか否かを判定し、ボーナスが成立する場合に、演出を実行するための制御信号をゲーム装置100に送信する。
【0115】
(10)上述した形態では、遊技体Cはカードであった。これに限らず、遊技体Cは、遊技体Bと識別可能な物体であればよく、例えばボールまたはメダル等であってもよい。
【0116】
(11)上述した形態では、遊技体Cは各種の物品と交換可能なチケットと交換された。これに限らず、遊技体Cが、例えば有体または無体の遊技価値に交換されてもよい。
【0117】
(12)上述した形態では、選択受付部814が設けられていた。これに限らず、選択受付部814を設けずに、プレイヤから返却された遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせの場合には(ボーナスが成立した場合には)、プレイヤの選択を経ることなくボーナスの特典がプレイヤに付与されてもよい。
【0118】
(13)上述した形態では、複数の遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせ(いわゆる役)である場合に演出が行われた。複数の遊技体Cの絵柄が所定の組み合わせとは、所定の条件の一例であり、これ以外の条件が成立することによって演出が行われてもよい。例えば、プレイヤから返却された遊技体Cの数が所定数以上である場合に演出が行われてもよい。また、プレイヤから返却される遊技体Cは1以上であればよく、所定の条件は、例えばプレイヤから返却された1つの遊技体Cが所定の絵柄(種類)であること、であってもよい。
【0119】
また、上述した形態では、遊技体Cの種類は、遊技体Cの絵柄によって特定された。遊技体Cの種類は絵柄に限らず、遊技体Cに関連付けられた遊技体Cの種類の情報によって特定されてもよい。例えば遊技体Cの色、または遊技体Cに表記された数字、記号または文字(文字列)によって、遊技体Cの種類が特定されてもよい。
【0120】
(14)上述した形態では、1回の返却において、プレイヤが特典を受け取れるのは1つのボーナスのみであった。これに限らず、1回の返却において、複数のボーナスが成立した場合に(いわゆるコンボボーナスが成立した場合に)、複数のボーナスに対する特典および更なる特典(コンボボーナス成立に対する特典)を受け取れるようにしてもよい。例えば、1回の返却において、ボーナスXおよびボーナスYが成立した場合に、ボーナスXに対するチケット450枚+ボーナスYに対するチケット800枚+コンボボーナス成立に対するチケット(例えば1000枚等)、がプレイヤに付与されてもよい。また、コンボボーナス成立に対する特典をプレイヤに付与するとともに、成立した全てのボーナスについての特典を付与するのではなく、一部のボーナス(上記の例においては、ボーナスXまたはボーナスYのいずれか)についての特典を付与してもよい。
【0121】
また、ボーナス成立の特典のうち、演出に関しては、例えば最後に成立したボーナスに対応する演出が実行されてもよいし、コンボボーナス用の演出が用意されていてもよいし、いずれのボーナスの演出を実行するかをプレイヤが選択できてもよいし、成立した全てのボーナスの演出が順次実行されてもよい。
【0122】
なお、コンボボーナスの成立に際して、1枚の遊技体Cを複数のボーナスに対して重複して使用しないことが要件とされてもよい。例えば、ボーナスXとボーナスYのコンボボーナスの成立に際しては、絵柄Aが2枚、絵柄B,C,D,E,Fが各1枚ずつ必要とされ、絵柄Aが1枚の場合には、ボーナスXまたはボーナスYのいずれかのみが成立するようにしてもよい。
【0123】
(15)1度の交換処理において、返却可能な遊技体Cの最大数が設定されていてもよい。例えば最大数が20枚であるものとすると、20枚目の遊技体Cが返却されると、交換処理が一旦終了する。また、20枚目の遊技体Cが返却されると、最も遅く(20枚目の返却に最も近いタイミングで)成立したボーナスに対応する特典が強制的にプレイヤに付与されるようにしてもよい。
【0124】
(16)上述した形態では、遊技施設に設置されてゲームに専用されるゲームシステム1を例示したが、例えばスマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の汎用の情報装置により、ゲームシステム1の機能が実現されてもよい。また、ゲームシステム1は、仮想空間内のアミューズメント施設において、仮想的なゲーム装置として実現されてもよい。
【0125】
(17)前述の各形態に係るゲームシステム1の機能は、制御装置81を構成する1以上のプロセッサと記憶装置82に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0126】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0127】
[付記1]
本発明のひとつの態様(付記1)に係るゲームシステム(1)は、ゲームを進行するゲーム装置(100)と、前記ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体(遊技体C)を払い出す払出部(30)と、前記払出部によって払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付ける媒体受付部(813)と、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管する保管部(203)と、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において演出を実行する実行部(816)と、を備える。
【0128】
以上の構成においては、ゲームの結果に応じて払い出された媒体が返却され、当該媒体が所定の条件を満たす場合に、ゲーム装置で所定の演出が実行される。よって、プレイヤに媒体を返却する動機づけを与え、媒体の返却率を向上させることができる。
【0129】
「ゲームの結果」は、例えばプッシャーゲームにおいて媒体がテーブルから落下することであってもよい。また、ゲームの結果は、例えばゲーム内で行われる抽選の結果であってもよいし、バトルゲームにおける勝敗であってもよいし、アクションゲームまたは音楽ゲームにおいて所定のステージをクリアできたか否かであってもよい。
【0130】
「媒体」は、ゲームで用いられる物体である。媒体は、例えば紙またはプラスチック等で形成されたカードであってもよい。カードは、リデンプションカードであってもよい。また、媒体は、プラスチックまたは金属等で形成された立体構造物であってもよい。立体構造物の形状は、球体または立方体等の多角形であってもよいし、キャラクタの形状を模していてもよい。
【0131】
「種類」とは、ゲームにおける媒体の効果の違いを示してもよい。種類とは、媒体がカードである場合に、カードに描かれた図柄、文字、数字、記号の違いであってもよいし、カードの色彩、形状または大きさの違いであってもよい。また、種類とは、媒体が立体構造物である場合に、当該立体構造物の形状、色彩または大きさの違いであってもよいし、立体構造物に描かれた図柄、文字、数字、記号の違いであってもよい。また、種類とは、媒体にデータが関連付けられている場合、それぞれに関連付けられているデータの違いであってもよい。
【0132】
「払い出し」とは、プレイヤに媒体を提供し、プレイヤに媒体を獲得させることを意味する。払い出された媒体は、プレイヤが物理的に保持できてもよい。また、払い出された媒体は、プレイヤが物理的に保持するのではなく、ゲーム装置内に保持されてもよい。この場合、プレイヤによって獲得された媒体は、プレイヤによって獲得されていない媒体と異なるスペースに収容されてもよいし、ゲーム装置に設けられた表示装置にその種類および数が表示されてもよい。
【0133】
「媒体の返却」は、払い出された媒体が、プレイヤの指示により、プレイヤの管理下から離れることを意味する。媒体の返却は、例えばプレイヤが物理的に保持する媒体が、所定の投入口に投入されることであってもよい。また、媒体の返却は、例えば媒体がゲーム装置内で保持される場合において、プレイヤが媒体の返却を指示する操作を行うことであってもよい。返却された媒体は、所定の場所に保管されてもよい。
【0134】
「演出」とは、プレイヤに視覚的または聴覚的な効果を与えるゲーム装置の動作である。演出は、例えばゲーム装置がディスプレイを有する場合において、ディスプレイに映像を表示することであってもよい。演出は、例えばゲーム装置がスピーカを有する場合において、スピーカから音楽または音声を出力することであってもよい。演出は、例えばゲーム装置の筐体に照明装置が取り付けられている場合において、照明装置を通常とは異なる色、通常とは異なる点滅態様、または通常とは異なる輝度で点灯させることであってもよい。また、演出は、例えばゲーム装置がプッシャーゲーム装置である場合において、プッシャー台を通常とは異なる態様で移動させることであってもよい。
【0135】
「所定の条件」とは、例えば媒体の種類が所定の組み合わせであることであってもよいし、媒体の種類が所定の種類であることであってもよいし、媒体の数が所定の個数であることであってもよい
【0136】
。
[付記2]
付記1の具体例(付記2)において、前記1以上の媒体は、複数の媒体であり、前記実行部は、前記複数の媒体の種類が所定の組み合わせの場合に前記演出を実行する。以上の構成によれば、媒体の種類の組み合わせに基づいて演出が決定される。よって、プレイヤは、獲得した媒体の種類の組み合わせに応じて異なる演出を楽しむことができ、ゲームの興趣性が向上する。また、プレイヤが様々な演出を見たい場合、様々な組み合わせの媒体を獲得するまでゲームを継続することが予想される。よって、プレイヤにゲームを継続させる動機づけを与えることができる。また、所定の組み合わせの媒体が返却されやすくなる。
【0137】
「組み合わせ」は、媒体の種類および個数によって定められる。組み合わせは、異なる種類の媒体がそれぞれに定められた所定数ずつ揃うことによって成立してもよいし、同じ種類の媒体が所定個数揃うことによって成立してもよい。
【0138】
。
[付記3]
付記1の具体例(付記3)において、前記実行部が前記演出を実行する間、前記ゲームの進行が中断される。以上の構成によれば、演出がゲームの進行と独立して行われるので、ゲームの進行状態に関わらず演出を実行することができる。
【0139】
「ゲームの進行を中断」とは、状態に段階があるゲームにおいて、状態が次の段階に進まないことを意味する。
【0140】
。
[付記4]
付記1の具体例(付記4)において、前記媒体受付部は、前記ゲームのプレイヤから前記1以上の媒体の返却を受け付け、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体に対応する報酬を前記プレイヤに付与する付与部(815)を更に備える。以上の構成によれば、返却した媒体に応じた報酬がプレイヤに付与される。よって、プレイヤに媒体を返却する動機づけを与えることができる。
【0141】
「媒体に対応する報酬」は、媒体に種類がある場合に媒体の種類に応じた報酬であってもよいし、媒体の個数に応じた報酬であってもよい。
【0142】
「報酬」は、ポイントまたはクレジットのような数量で表される価値媒体であってもよい。価値媒体は、例えばゲーム中のキャラクタの経験値または体力値のようにゲーム内で所定の効果を生じさせるものであってもよいし、現実世界において貨幣または商品等に交換可能なものであってもよい。また、報酬は、ゲームで利用可能なアイテム、または、現実空間においてプレイヤが利用可能なアイテム等であってもよい。
【0143】
。
[付記5]
付記1の具体例(付記5)において、前記1以上の媒体は、複数の媒体であり、前記付与部は、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記複数の媒体各々の種類が所定の組み合わせの場合に、前記複数の媒体各々の種類に応じた報酬の合計よりも多くの報酬を前記プレイヤに付与する。以上の構成によれば、返却した媒体の種類の組み合わせに応じた報酬がプレイヤに付与される。組み合わせに応じた報酬は、各々の媒体単体の報酬の合計よりも多い。よって、媒体の組み合わせを揃えることを目的としてゲームを継続する動機づけをプレイヤに与えることができる。
【0144】
[付記6]
付記1の具体例(付記6)において、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が前記所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において前記演出を実行するか否かの選択を、前記ゲームのプレイヤから受け付ける選択受付部(814)を更に備え、前記実行部は、前記選択受付部が前記演出を実行する選択を受け付けた場合に、前記演出を実行する。以上の構成によれば、プレイヤは、演出を実行させるか否かを選択することができ、利便性が向上する。
【0145】
[付記7]
付記6の具体例(付記7)において、前記1以上の媒体は、複数の媒体であり、前記所定の条件は、前記複数の媒体各々の種類が所定の組み合わせであることであり、前記選択受付部は、前記媒体受付部によって1の媒体の返却を受け付ける都度、前記所定の組み合わせが成立するかを判断し、前記所定の組み合わせが成立した場合に、前記所定の組み合わせに対応する演出を実行するか否かの選択を受け付ける。以上の構成によれば、返却した媒体の種類の組み合わせに応じた演出を実行可能であるとともに、プレイヤは、当該演出を実行させるか否かを選択可能である。よって、媒体の種類の組み合わせを揃えることを目的としてゲームを継続する動機づけをプレイヤに与えることができる。
【0146】
[付記8]
付記7の具体例(付記8)において、前記所定の組み合わせは、第1組み合わせと、第2組み合わせとを含み、前記選択受付部は、前記第1組み合わせが成立した場合に、前記第1組み合わせに対応する第1演出を実行するか否かの選択を受け付け、前記第1演出を実行しない選択を受け付けた場合に、前記第1組み合わせが成立するまでに返却を受け付けた媒体と、前記第1組み合わせが成立した後、更に返却を受け付けた媒体とによって前記第2組み合わせが成立するか否かを判断し、前記第2組み合わせが成立した場合に、前記第2組み合わせに対応する第2演出を実行するか否かの選択を受け付け、前記実行部は、前記選択受付部が前記第1演出を実行する選択を受け付けた場合に前記第1演出を実行し、前記選択受付部が前記第2演出を実行する選択を受け付けた場合に前記第2演出を実行する。以上の構成によれば、第1演出を実行しない選択を受け付けた場合に、第1組み合わせが成立するまでに返却を受け付けた媒体と、第1組み合わせが成立した後、更に返却を受け付けた媒体とによって第2組合せが成立するか否かが判断される。よって、プレイヤは、獲得した媒体が、第1組み合わせと第2組み合わせに共通して含まれる種類の場合に、当該媒体を第1演出の実行に使用するか、第2演出の実行に使用するかを選択することができ、利便性が向上する。
【0147】
[付記9]
付記1の具体例(付記9)において、前記ゲーム装置は、テーブル(21)と、前記テーブル上を移動するプッシャー部(22)とを備えたプッシャーゲーム装置であり、前記1以上の媒体は、前記テーブルの上面または前記プッシャー部の上面に供給され、前記1以上の媒体は、種類毎に外観が異なり、前記払出部は、前記テーブルから落下した媒体を払い出す。以上の構成によれば、プレイヤは、媒体の種類を外観から識別することができる。また、ゲーム装置がプッシャーゲーム装置であることによって、獲得したい媒体を狙ってゲームを進行することができる。よって、プレイヤは、特定の種類の媒体を狙って獲得することが可能となる。
【0148】
[付記10]
付記2の具体例(付記10)において、前記実行部は、前記複数の媒体の種類の組み合わせに基づいて、前記演出を変化させる。以上の構成によれば、媒体の種類の組み合わせに基づいて演出が変化するので、単に媒体の種類に基づいて演出を変化させる場合と比較して、演出のバリエーションを増やすことができる。また、プレイヤに対して、様々な種類の媒体を獲得することを目的としてゲームを継続する動機づけを与えることができる。
【0149】
[付記11]
付記10の具体例(付記11)において、前記ゲーム装置は表示装置を備え、前記演出は、前記表示装置への画像の表示であり、前記実行部は、前記複数の媒体の種類の組み合わせに基づいて、前記画像の内容を変化させる。以上の構成によれば、演出は表示装置への画像の表示である。よって、演出の自由度が向上する。また、画像の内容は媒体の種類の組み合わせに基づいて変化する。よって、媒体の組み合わせを揃えることを目的としてゲームを継続する動機づけをプレイヤに与えることができる。
【0150】
[付記12]
付記10の具体例(付記12)において、前記ゲーム装置は照明装置を備え、前記演出は、前記照明装置の点灯であり、前記実行部は、前記複数の媒体の種類の組み合わせに基づいて、前記照明の点灯態様を変化させる。以上の構成によれば、演出は照明装置の点灯である。よって、演出が行われていることがプレイヤ以外の遊技者にも分かりやすく、ゲーム装置に対する興味を引きやすくすることができる。
【0151】
[付記13]
本発明のひとつの態様(付記13)に係るプログラムは、ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体を払い出す払出部、前記払出部によって払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付ける媒体受付部、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管する保管部、および、前記媒体受付部によって返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において演出を実行する実行部、としてコンピュータを機能させる。
【0152】
[付記14]
本発明のひとつの態様(付記14)に係るゲームシステムの制御方法は、ゲームを進行するゲーム装置を備えるゲームシステムの制御方法であって、前記ゲーム装置におけるゲームの結果に応じて、複数の種類のいずれかに属する1以上の媒体を払い出し、払い出された前記1以上の媒体の返却を受け付け、返却を受け付けた前記1以上の媒体を保管し、返却を受け付けた前記1以上の媒体の種類が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム装置において演出を実行する。
【符号の説明】
【0153】
1…ゲームシステム、10…操作パネル、11L,11R…操作部、12…受付部、13…付与部、14…排出口、15…表示装置、20…ゲーム機構、21…テーブル、22…プッシャー部、24L,24R…投入機構、25…投入機構、81…制御装置、82…記憶装置、100…ゲーム装置、200…交換装置、201…挿入口、202…読取機構、203…保管スペース、204…排出口、205…排出機構、811…抽選処理部、812…投入部、813…遊技体受付部、814…選択受付部、815…付与部、816…実行部、817…表示制御部、B,C…遊技体、Q…落下口。
【要約】
【課題】プレイヤに払い出された媒体の回収率を向上させる。
【解決手段】払出部30は、ゲーム装置100におけるゲームの結果に応じて、複数の絵柄のいずれかが描かれた1以上の遊技体Cを払い出す。遊技体受付部813は、払出部30によって払い出された1以上の遊技体Cの返却を受け付ける。保管スペース203は、遊技体受付部813によって返却を受け付けた1以上の遊技体C媒体を保管する。実行部816は、遊技体受付部813によって返却を受け付けた1以上の遊技体Cの種類が所定の条件を満たす場合に、ゲーム装置100において演出を実行する。
【選択図】
図4