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特許7595987アナライト検査装置及びそれを用いたアナライト検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】アナライト検査装置及びそれを用いたアナライト検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20241202BHJP
   G01N 1/34 20060101ALI20241202BHJP
   G01N 35/08 20060101ALI20241202BHJP
   C12M 1/34 20060101ALN20241202BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALN20241202BHJP
【FI】
G01N1/28 J
G01N1/34
G01N35/08 Z
C12M1/34 Z
C12Q1/68
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023542542
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 KR2021020233
(87)【国際公開番号】W WO2022154332
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0005516
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519427848
【氏名又は名称】アラインド・ジェネティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIGNED GENETICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ、ゴン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ニョンチョル
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0121681(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0094245(US,A1)
【文献】特表2019-535008(JP,A)
【文献】特表2006-508343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00~1/44
G01N 35/38
C12M 1/34
C12Q 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側が開口し、サンプルが収容され得る主空間が形成される本体部;
前記主空間を区画する1つまたは複数の隔壁を含み、前記本体部の前記主空間に挿入され往復移動可能に設けられるピストン;及び
前記サンプルが流動するための通路を提供する交換流路を含み、
前記交換流路は、前記ピストンの位置に応じて前記1つまたは複数の隔壁によって区分される複数の区画のいずれかと連通可能であり
前記本体部には、前記ピストンが挿入される端部の反対側の端部から突出して形成される突出部が設けられ、
前記突出部の内側には前記ピストンの少なくとも一部が挿入可能な挿入空間が形成され、
前記突出部の内側幅は、前記本体部の内側幅よりも小さい、
アナライト検査装置。
【請求項2】
前記複数の区画のうち少なくとも1つは、前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液を充填するために設けられることを特徴とする請求項1に記載のアナライト検査装置。
【請求項3】
前記交換流路は、一側が前記主空間と連通し、
前記主空間に収容されたサンプルは、外部と連通するように構成された吐出部に加わる圧力差によって前記主空間から前記交換流路に流れることを特徴とする請求項1に記載のアナライト検査装置。
【請求項4】
前記本体部には、前記アナライトが前記交換流路に流れるための交換口と、前記主空間を外部に対して露出するための開放口とが形成され、
前記交換口と前記開放口とは、前記隔壁によって区画された主空間を介して互いに連通可能な位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載のアナライト検査装置。
【請求項5】
前記本体部には、前記突出部から所定距離離隔した位置に設けられ、前記主空間と前記本体部の外側とを連通させることができるブローバック部が形成されることを特徴とする請求項に記載のアナライト検査装置。
【請求項6】
前記ブローバック部は、
前記主空間の流体が排出される通路を提供するブローバック入口;
前記主空間に流体が流入する通路を提供するブローバック出口;及び
前記ピストンが移動する方向に延びて形成され、前記ブローバック入口と前記ブローバック出口とを連通させるブリッジ部を含むことを特徴とする請求項に記載のアナライト検査装置。
【請求項7】
前記本体部には、前記主空間において前記溶液と反応して所定の処理をされた前記アナライトが前記本体部から排出されるための排出口が形成され、
前記排出口は、前記突出部から所定距離離隔し、前記ブローバック部と対向する位置に形成されることを特徴とする請求項に記載のアナライト検査装置。
【請求項8】
前記ピストンは、
前記挿入空間の内側に移動することにより、前記挿入空間と前記主空間を遮断し、前記主空間内の気体がブローバックして前記主空間に収容されたアナライトを前記排出口に押し出すことを特徴とする請求項に記載のアナライト検査装置。
【請求項9】
前記ピストンは、中心柱;及び前記中心柱の一側端部から突出形成されたピストンヘッドをさらに含み、
前記ピストンヘッドは、前記中心柱の移動に応じて前記挿入空間に選択的に挿入されることを特徴とする請求項に記載のアナライト検査装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数の隔壁は複数個設けられ、複数の前記隔壁は前記中心柱の周面から放射状に延びて形成され、前記中心柱が移動する方向に沿って互いに離隔して配置されることを特徴とする請求項に記載のアナライト検査装置。
【請求項11】
前記ピストンは、
前記ピストンヘッドが前記挿入空間に挿入されたときに、前記突出部の内周面と前記ピストンヘッドとの間を密閉することにより、前記挿入空間と前記主空間を遮断することができるヘッドシール部材;及び
前記隔壁と前記本体部との間から溶液が漏れるのを防ぐために、前記隔壁の外周面に設けられる隔壁シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のアナライト検査装置。
【請求項12】
前記本体部には前記突出部から所定距離離隔した位置に設けられ、前記主空間と前記本体部の外側とを連通させることができるブローバック部が形成され、
前記ピストンヘッドには前記ピストンヘッドの外周面から引き込まれて形成されたヘッド溝が設けられ、
前記ヘッドシール部材は前記ヘッド溝に介在し、
前記ヘッド溝は、
前記ピストンヘッドの少なくとも一部が前記挿入空間に挿入されても、前記挿入空間、前記主空間、前記ブローバック部が連通することができるように、前記ピストンヘッドの一側端部から所定距離離隔した位置に形成されることを特徴とする請求項11に記載のアナライト検査装置。
【請求項13】
複数の前記区画のうち互いに隣接する前記区画の間には前記1つまたは複数の隔壁のうちいずれかが配置されることを特徴とする請求項2に記載のアナライト検査装置。
【請求項14】
各々の前記複数の区画には、所定の溶液が充填されたりサンプルが注入され、前記所定の溶液や前記サンプルに基づいて各々の前記複数の区画は所定の機能を行うことを特徴とする請求項13に記載のアナライト検査装置。
【請求項15】
前記主空間に注入される溶液は、溶解/結合バッファー(Lysis/bindingBuffer)、生体のサンプルを含む溶液、及び環境由来のサンプルを含む溶液のうちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項4に記載のアナライト検査装置。
【請求項16】
前記アナライトは、核酸、タンパク質、小胞、脂質、炭水化物、細胞、組織、およびそれらから分離することができる物質のうち1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項2に記載のアナライト検査装置。
【請求項17】
主空間が形成された本体部を含むアナライト検査装置を用いたアナライト検査方法であって、
前記主空間にサンプルまたはこれを含む溶液を注入するサンプル注入段階;
前記主空間に注入された前記サンプルに含まれたアナライトを精製するアナライト精製段階;及び
前記精製されたアナライトを前記主空間から排出させて検査チャンバーに供給することができるアナライト排出段階を含み、
前記アナライト検査装置は、前記主空間を区画する1つまたは複数の隔壁を含むピストン;及び前記サンプルが流動するための通路を設ける交換流路を含み、
前記交換流路は前記ピストンの位置に応じて前記1つまたは複数の隔壁によって区分される複数の区画のうちいずれかと連通することができ
前記本体部には、前記ピストンが挿入される端部の反対側の端部から突出して形成される突出部が設けられ、
前記突出部の内側には前記ピストンの少なくとも一部が挿入可能な挿入空間が形成され、
前記突出部の内側幅は、前記本体部の内側幅よりも小さく形成されることを特徴とするアナライト検査方法。
【請求項18】
前記アナライト精製段階は、
溶解溶液で前記主空間に注入されたサンプルを溶解してアナライトを抽出し、前記アナライトを磁性材料および内部対照物質の少なくとも1つと結合させるアナライト溶解段階;
洗浄溶液で前記アナライトを洗浄することができるアナライト洗浄段階;及び
溶出溶液で前記洗浄されたアナライトを前記磁性材料から溶出することができるアナライト溶出段階を含むことを特徴とする請求項17に記載のアナライト検査方法。
【請求項19】
前記本体部には、前記主空間と前記本体部の外側とを連通させることができるブローバック部が形成され、
前記アナライト排出段階は、
前記ブローバック部によって前記主空間内の気体をブローバックすることにより、前記アナライト精製段階を通して精製されたアナライトを排出することを特徴とする請求項17に記載のアナライト検査方法。
【請求項20】
前記サンプル又はそれを含有する溶液は、
前記主空間に前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液が充填されている場合、生体又は環境由来のサンプル及びそれを含有する溶液のうち少なくとも1つを含み、
前記主空間に前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液が充填されていない場合、生体または環境由来のサンプルおよびそれを含有する溶液の少なくとも1つと、前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液とを含むことを特徴とする請求項17に記載のアナライト検査方法。
【請求項21】
前記洗浄液は、洗浄バッファー(Washing Buffer)、アルコール(alcohol)、及び精製水(Distilled water)のうち1つ以上を含むことを特徴とする請求項18に記載のアナライト検査方法。
【請求項22】
前記溶出溶液は、溶出バッファー(Elution Buffer)、キレート試薬(chelating agent)、および精製水のうちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項18に記載のアナライト検査方法。
【請求項23】
前記アナライト溶解段階は、
前記複数の区画のうちいずれかと交換流路とが連通している間に磁力を利用してアナライトを前記交換流路に固定して前記溶液から分離する第1分離段階を含み、
前記アナライト洗浄段階は、
前記複数の区画のうち他の1つと交換流路とが連通している間に前記アナライトを前記交換流路に固定して前記洗浄溶液から分離する2次分離段階を含み、
前記アナライト溶出段階は、
前記アナライトを排出する前に、前記複数の区画のうちまた他の1つに充填された溶出溶液を用いて前記アナライトを分離する第3分離段階を含むことを特徴とする請求項18に記載のアナライト検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナライト検査装置及びアナライト検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、人体または動物の身体から採取されたサンプルを実験室で精製して所定の検査を行う場合がある。このような場合、通常、サンプルに対して所定の装置を用いて化学的、物理的方法により前処理、精製等の処理が行われ、このように精製されたサンプルをアナライト(analyte)として最終収集して所定の検査を行うことができる。このようなアナライト検査装置および方法と、細胞、タンパク質、核酸など様々な生体成分を検出するアナライト検査システムの一例として、核酸の精製装置、精製方法および精製された核酸の検査システムが挙げられる。
【0003】
核酸の精製および検出技術は、遺伝子工学、分子生物学で広く使用されている必須の技術であり、バイオテクノロジー研究、医療、工業目的で広く使用されてきた。これらの技術は、特に微生物感染検出、バイオマーカー検出、遺伝子配列検出、突然変異遺伝子検出など、非常に多様な分野で利用されており、遺伝子に基づく診断に不可欠な要素である。核酸の精製は、従来、超音波、熱、タンパク質加水分解酵素(proteinase)、アルコール(alcohols)、特殊試薬などを活用した物理化学的方法によって生体物質を溶解させた後、正電荷を帯びたイオン交換樹脂または磁性粒子に核酸を選択的に結合させることにより行われる。この過程で、研究者は溶解(lysis)、結合(binding)、洗浄(washing)、溶出(elution)の各段階で溶液を交換しなければならず、核酸精製はサンプル数に応じて手作業または自動化されたロボットを利用して行わなければならない。さらに、精製された核酸は一般に、検出のための別途の検出容器であるチューブまたはウェルプレートに移され、該当容器で核酸増幅反応のために酵素反応液と混合されなければならない。該当検出容器は、再び核酸増幅などの反応および検出のための装置に移送されてこそ、核酸の精製および検出が完了することができる。このようなプロセスには、多数の複雑なピペッティングと、相異なる反応液の逐次混合および攪拌、移送が必ず伴う。診断目的の核酸精製および検出の場合、これらの方法は一般に検査室で行われ、多くの時間と労力を要する。特にサンプルの数が多い場合、自動化ロボットを利用して該当プロセスを実行することになるが、このとき多くのスペースとコスト投資が不可欠である。また、一定数のサンプルが準備されたときに装置を稼動することになるため、少数のサンプルに対する検査時間が遅延されるという欠点がある。このような検査システムは、特に迅速な診断結果を必要とする医療現場には適用できない。
【0004】
特に、このような検査室ベースの診断方式は、COVID-19をはじめとしたパンデミックなど広範な感染性疾患の検査および拡散を制御するにおいてその限界が見えるため、非専門人員が現場で直ちに検査を行い、結果を獲得する現場検査(point- of-care-testing,POCT)とそれを可能にする装備の必要性が台頭している。
【0005】
サンプルを精製してアナライトとして定量収集するためのアナライト検査装置は、現場検査(point-of-care testing,POCT)のために、精製過程に要する人員を最小化しなければならず、精製のための所定の溶液が充填されなければならず、サイズが小さく移動性が確保されなければならない。また、生体物質による汚染を防止するために一回性を確保しなければならないことから、低コストの装置として実現される必要があるが、まだこれらの条件を完全に満たすアナライト検査装置、これを用いた方法の研究は微細な実情である。
【発明の概要】
【0006】
【技術的課題】
【0007】
本発明の一実施例は、上記のような背景に着目して発明されたものであり、サンプルのアナライトを精製し、精製されたアナライトを一つの装置を通じて検査することができるアナライト検査装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、装置が小型化し、コストが低く、経済的にサンプルの検査を行うことができるアナライト検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、一側が開口し、サンプルが収容され得る主空間が形成される本体;前記主空間を区画する1つまたは複数の隔壁を含み、前記本体の前記主空間に挿入され往復移動可能に設けられるピストン;及び前記サンプルが流動するための通路を提供する交換流路を含み、前記交換流路は、前記ピストンの位置に応じて前記1つまたは複数の隔壁によって区分される複数の区画のいずれかと連通可能なアナライト検査装置が提供されることができる。
【0010】
また、前記複数の区画のうち少なくとも1つは、前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液を充填するために設けられることができる。
【0011】
(削除)
【0012】
また、前記交換流路は、一側が前記主空間と連通し、前記主空間に収容されたサンプルは、外部と連通するように構成された吐出部に加わる圧力差によって前記主空間から前記交換流路に流れることができる。
【0013】
また、前記本体には、前記アナライトが前記交換流路に流れるための交換口と、前記主空間を外部に対して露出するための開放口とが形成され、前記交換口と前記開放口とは、前記隔壁によって区画された主空間を介して互いに連通可能な位置に形成されることができる。
【0014】
また、前記本体には、前記ピストンが挿入される端部の反対側の端部から突出して形成される突出部が設けられ、前記突出部の内側には前記ピストンの少なくとも一部が挿入可能な挿入空間が形成されることができる。
【0015】
また、前記本体には、前記突出部から所定距離離隔した位置に設けられ、前記主空間と前記本体の外側とを連通させることができるブローバック部が形成されることができる。
【0016】
また、前記ブローバック部は、前記主空間の流体が排出される通路を提供するブローバック入口;前記主空間に流体が流入する通路を提供するブローバック出口;及び前記ピストンが移動する方向に延びて形成され、前記ブローバック入口と前記ブローバック出口とを連通させるブリッジ部を含むことができる。
【0017】
また、前記本体には、前記主空間において前記溶液と反応して所定の処理をされた前記アナライトが前記本体から排出されるための排出口が形成され、前記排出口は、前記突出部から所定距離離隔し、前記ブローバック部と対向する位置に形成されることができる。
【0018】
また、前記ピストンは、前記挿入空間の内側に移動することにより、前記挿入空間と前記主空間を遮断し、前記主空間内の気体がブローバックして前記主空間に収容されたアナライトを前記排出口に押し出すことができる。
【0019】
また、前記ピストンは、中心柱;及び前記中心柱の一側端部から突出形成されたピストンヘッドをさらに含み、前記ピストンヘッドは、前記中心柱の移動に応じて前記挿入空間に選択的に挿入されることができる。
【0020】
さらに、前記1つまたは複数の隔壁は複数個設けられ、複数の前記隔壁は前記中心柱の周面から放射状に延びて形成され、前記中心柱が移動する方向に沿って互いに離隔して配置されることができる。
【0021】
また、前記ピストンは、前記ピストンヘッドが前記挿入空間に挿入されたときに、前記突出部の内周面と前記ピストンヘッドとの間を密閉することにより、前記挿入空間と前記主空間を遮断することができるヘッドシール部材;及び前記隔壁と前記本体との間から溶液が漏れるのを防ぐために、前記隔壁の外周面に設けられる隔壁シール部材をさらに含むことができる。
【0022】
また、前記本体には前記突出部から所定距離離隔した位置に設けられ、前記主空間と前記本体の外側とを連通させることができるブローバック部が形成され、前記ピストンヘッドには前記ピストンヘッドの外周面から引き込まれて形成されたヘッド溝が設けられ、前記ヘッドシール部材は前記ヘッド溝に介在し、前記ヘッド溝は、前記ピストンヘッドの少なくとも一部が前記挿入空間に挿入されても、前記挿入空間、前記主空間、前記ブローバック部が連通することができるように、前記ピストンヘッドの一側端部から所定距離離隔した位置に形成されることができる。
【0023】
さらに、複数の前記区画のうち互いに隣接する前記区画の間には前記1つまたは複数の隔壁のうちいずれかが配置されることができる。
【0024】
また、各々の前記複数の区画には、所定の溶液が充填されたりサンプルが注入され、前記所定の溶液や前記サンプルに基づいて各々の前記複数の区画は所定の機能を行うことができる。
【0025】
(削除)
【0026】
また、前記主空間に注入される溶液は、溶解/結合バッファー(Lysis/binding Buffer)、生体のサンプルを含む溶液、及び環境由来のサンプルを含む溶液のうちの1つ以上を含むことができる。
【0027】
さらに、前記アナライトは、核酸、タンパク質、小胞、脂質、炭水化物、細胞、組織、およびそれらから分離することができる物質のうち1つまたは複数を含むことができる。
【0028】
本発明の他の態様によれば、主空間が形成された本体を含むアナライト検査装置を用いたアナライト検査方法であって、前記主空間にサンプルまたはこれを含む溶液を注入するサンプル注入段階;前記主空間に注入された前記サンプルに含まれたアナライトを精製するアナライト精製段階;及び前記精製されたアナライトを前記主空間から排出させて検査チャンバーに供給することができるアナライト排出段階を含み、前記アナライト検査装置は、前記主空間を区画する1つまたは複数の隔壁を含むピストン;及び前記サンプルが流動するための通路を設ける交換流路を含み、前記交換流路は前記ピストンの位置に応じて前記1つまたは複数の隔壁によって区分される複数の区画のうちいずれかと連通することができる、アナライト検査方法を提供することができる。
【0029】
また、前記アナライト精製段階は、溶解溶液で前記主空間に注入されたサンプルを溶解してアナライトを抽出し、前記アナライトを磁性材料および内部対照物質の少なくとも1つと結合させるアナライト溶解段階;洗浄溶液で前記アナライトを洗浄することができるアナライト洗浄段階;及び溶出溶液で前記洗浄されたアナライトを前記磁性材料から溶出することができるアナライト溶出段階を含むことができる。
【0030】
また、前記本体には、前記主空間と前記本体の外側とを連通させることができるブローバック部が形成され、前記アナライト排出段階は、前記ブローバック部によって前記主空間内の気体をブローバックすることにより、前記アナライト精製 段階を通して精製されたアナライトを排出することができる。
【0031】
また、前記サンプル又はそれを含有する溶液は、前記主空間に前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液が充填されている場合、生体又は環境由来のサンプル及びそれを含有する溶液のうち少なくとも1つを含み、前記主空間に前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液が充填されていない場合、生体または環境由来のサンプルおよびそれを含有する溶液の少なくとも1つと、前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液とを含むことができる。
【0032】
また、前記洗浄液は、洗浄バッファー(Washing Buffer)、アルコール(alcohol)、及び精製水(Distilled water)のうち1つ以上を含むことができる。
【0033】
また、前記溶出溶液は、溶出バッファー(Elution Buffer)、 キレート試薬(chelating agent)、および精製水のうちの1つ以上を含むことができる。
【0034】
また、前記アナライト溶解段階は、前記複数の区画のうちいずれかと交換流路とが連通している間に磁力を利用してアナライトを前記交換流路に固定して前記溶液から分離する第1分離段階を含み、前記アナライト洗浄段階は、前記複数の区画のうち他の1つと交換流路とが連通している間に前記アナライトを前記交換流路に固定して前記洗浄溶液から分離する2次分離段階を含み、前記アナライト溶出段階は、前記アナライトを排出する前に、前記複数の区画のうちまた他の1つに充填された溶出溶液を用いて前記アナライトを分離する第3分離段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の実施例によれば、サンプルのアナライトを精製し、精製されたアナライトを1つの装置を通じて検査することができる効果がある。
【0036】
また、装置が小型化し、コストが低くなり、経済的にサンプルの検査を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、本発明の一実施例によるアナライト検査装置の斜視図である。
図2図2は、図1の分解斜視図である。
図3図3は、図1のIII-IIIに沿って切断した断面図である。
図4図4は、図3のBを拡大した拡大図である。
図5A図5Aは、図1のアナライト検査装置においてブローバックが発生する過程を示す図である。
図5B図5Bは、図1のアナライト検査装置においてブローバックが発生する過程を示す図である。
図6図6は、図5AのCを拡大した拡大図である。
図7図7は、図5AのDを拡大した拡大図である。
図8図8は、図1流動チャンバー調節部の底面斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施例によるアナライト検査装置を用いてアナライトを検査する方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下において、本発明の技術的思想を実現するための具体的な実施例について添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0039】
なお、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨をぼかす可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0040】
また、ある構成要素が他の構成要素に「接続」、「支持」、「流入」、「供給」、「流動」、「結合」されると言及されている場合は、その他の構成要素に直接接続、支持、流入、供給、流動、結合されることもできるが、間にまた他の構成要素が存在してもよいことを理解すべきである。
【0041】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0042】
さらに、第1、第2などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用されることができるが、該当構成要素はそのような用語によって限定されない。これらの用語は、ある構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ使用される。
【0043】
本明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、定数、段階、動作、要素および/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、定数、段階、動作、要素、成分および/またはグループの存在や付加を除外するものではない。
【0044】
なお、本明細書において上部、側面、底面などの表現は、図面における図示を参照して説明したものであり、該当対象の方向が変化すれば異なって表現できることを予め明らかにしておく。
【0045】
以下、図面を参照して本発明の一実施例によるアナライト検査装置1の具体的な構成を説明する。
【0046】
以下、図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例によるアナライト検査装置1は、生体または環境由来のサンプルを精製して所定の検査を実施するために使用されることができる。例えば、生体または環境由来のサンプルは、人体、動物、または植物のサンプルであり得る。このようなアナライト検査装置1は、ケース100、本体200、ピストン300、および流動チャンバー調節部400を含むことができる。例えば、アナライト検査装置1のケース100、本体200、ピストン300及び流動チャンバー調節部400は、プラスチック、ゴム、セラミック、無機化合物、金属のいずれかの物質又はその組み合わせで構成されることができる。
【0047】
また、ケース100、本体200、ピストン300、及び流動チャンバー調節部400は、ブロー成形(Blow molding)、圧縮成形(Compression molding)、押出成形(Extrusion molding)、射出成形(Injection molding)、ラミネート加工(Laminating)、反応射出成形(Reaction injection molding)、マトリックス成形(Matrix molding)、回転成形(Rotational molding)、スピンキャスティング(Spin casting)、 トランスファー成形(Transfer molding)、熱成形(Thermoforming)、3Dプリント(3D printing)などの工程によって製造されることができる。このようなケース100、本体200、ピストン300、および流動チャンバー調節部400は、既に設備された自動化施設によって大量生産されることができ、一例として使い捨てとして製造されることができる。また、それぞれ別に製造されて組み立てることにより、1つのアナライト検査装置1を構成することができる。
【0048】
図2および図3を参照すると、ケース100は、本体200、ピストン300、および流動チャンバー調節部400の少なくとも一部を収容することができる。このようなケース100は流動チャンバー調節部400に支持されることができる。また、ケース100は、ケースカバー部110及び蓋部120を含むことができる。
【0049】
ケースカバー部110は、本体200、ピストン300および流動チャンバー調節部400の少なくとも一部を収容することができ、流動チャンバー調節部400に支持されることができる。このようなケースカバー部110の一面には、蓋部120と噛み合うことができる噛合具111が形成されることができる。
【0050】
蓋部120は、ケースカバー部110の噛合具111に噛み合うことができ、後述する本体200の注入口230を開閉することができる。言い換えれば、蓋部120が噛合具111から分離されると注入口230は開放され、蓋部120が噛合具111と噛み合うと注入口230は閉鎖される。このような蓋部120は、アナライト検査装置1の未使用時には注入口230を密閉させて外部の異物が本体200の後述する主空間210に浸透するのを防止することができる。また、蓋部120は、サンプルが注入口230を通して主空間210に注入された後には再び噛合具111に噛み合って注入口230を密閉することができる。これにより、蓋部120は、外部の異物がアナライト処理前はもちろん処理過程の進行中にも主空間210に浸透するのを防止することができる。
【0051】
本体200は、サンプル(sample)またはそれを含む溶液が投入されるように、内部に主空間210が形成されることができる。また、本体200の一側端部はピストン300が挿入されるように開口されており、主空間210は一側が外側に向かって開いていてもよい。例えば、本体200は内部に中空を有する円柱形状であってもよい。また、主空間210は、ピストン300が主空間210に挿入されて往復運動可能になるように、ピストン300に対応する形状を有することができる。
【0052】
一方、主空間210に投入されるサンプルは、一例として、細胞、ウイルス、組織、エキソソーム(exosome)、タンパク質、核酸、抗原、抗体の一部または全部を含む液状、固状、またはその混合物からなることができる。より具体的な例として、主空間210に投入されるサンプルは、生体または環境から採取されたサンプルであることができ、この場合、アナライト検査装置1を用いてサンプル中に存在する細胞内核酸の精製が行われることができる。
【0053】
さらに、本体200の主空間210は、複数の区画211、212、213、214を含むことができる。このような複数の区画211、212、213、214の少なくとも1つには、サンプルを精製してアナライトに処理することができる溶液が充填されることができる。例えば、溶液は磁性材料を含む溶液であることができる。
【0054】
一方、このような複数の区画211、212、213、214は、後述するピストン300の1つ以上の隔壁330によって区画されることができ、例えば、第1区画211、第2区画212、第3区画213および第4区画214を含むことができる。このような第1区画211、第2区画212、第3区画213、および第4区画214には相異なる溶液が充填されることができる。ただし、本明細書において、主空間210は4つの区画に区画されると述べたが、これは例示に過ぎず、主空間210は2つ、3つまたは5つ以上の区画に区画されてもよく、本発明の思想がこれに限定されるのではない。言い換えれば、主空間210に含まれる各々の前記複数の区画には、所定の溶液が充填されたりサンプルが注入され、前記所定の溶液や前記サンプルに基づいて各々の前記複数の区画は所定の機能を行うことができる
【0055】
第1区画211は、複数の区画211、212、213、214のうち本体200の開口した一側端部に最も近く形成されることができる。このような第1区画211には、サンプルの検査のために注入口230を介して溶解溶液とサンプルまたはそれを含む溶液とが一緒に注入されることができる。例えば、溶解溶液は、アナライトの少なくとも一部と磁性材料とを結合させる溶液を意味し、アナライトは、サンプルに含まれている生体物質が溶解されたときに生体物質中に存在する物質を意味する。より具体的には、第1区画211に注入される溶解溶液は、溶解/結合バッファー(Lysis/binding Buffer)を含むことができ、さらに具体的には磁性微粒子(Magnetic nano/micro particles)、塩(salts; ex. Tris-HCl)、キレート試薬(chelating agent; ex. Ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA))、界面活性剤/洗浄剤(detergent; ex. Sodium dodecyl sulfate (SDS), Triton X-100)、還元剤(reductant;ex. Dithiothreitol(DTT))、Chaotropic agent (ex. Guanidine thiocyanate)、酵素(enzyme; ex. Proteinase K)、および精製水(Distilled water)の一部または全部を含むことができる。
【0056】
ただし、これは例示に過ぎず、溶解溶液は第1区画211に予め充填されていてもよく、サンプルまたはそれを含む溶液のみが注入口230を介して注入されてもよい。
【0057】
また、アナライト検査装置1を介して収集されるアナライトは、核酸、タンパク質、エキソソーム(Exosomeなど)、脂質、炭水化物、細胞(血液細胞、免疫細胞、腫瘍細胞、病原性微生物など)などであって、サンプルに含有された生体物質自体またはそれから物理的および化学的方法のうち1つまたは複数で分離することができる物質を含むことができる。また、アナライト検査装置1を用いてサンプル中に存在する細胞内核酸の精製が行われる場合、アナライト検査装置1を介して収集されるアナライトは精製された核酸を含むことができる。
【0058】
第2区画212は、1つ以上の隔壁330のうち1つを挟んで第1区画211に隣接して形成されることができる。このような第2区画212は、第1区画211と第3区画213との間の空間であることができる。また、第2区画212内には、磁性材料に結合したアナライトの少なくとも一部を洗浄する洗浄溶液が充填されることができる。例えば、第2区画212内に充填される洗浄溶液は洗浄バッファー(Washing Buffer)を含むことができ、より具体的には、Diethyl pyrocarbonate(DEPC)、Sodium citrate tribasic dehydrate、アルコール(alcohol; ex. Ethanol,2-propanol)および精製水(Distilled water)の一部または全部を含むことができる。このような洗浄溶液は、第1区画211にサンプルおよび溶液が注入される前に予め第2区画212に充填されていてもよい。
【0059】
第3区画213は、1つ以上の隔壁330のうち1つを挟んで第2区画212と隣接して形成されることができる。このような第3区画213は、第2区画212と第4区画214との間の空間であることができる。また、第3区画213内には、磁性材料に結合したアナライトの少なくとも一部を磁性材料から溶出する溶出溶液を充填することができる。例えば、第3区画213内に充填される溶出溶液は溶出バッファー(Elution Buffer)を含むことができ、より具体的には塩(salts; ex. Tris-HCl)、キレート試薬(chelating agent; ex. Ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA))、ジエチルピロカルボン酸(Diethyl pyrocarbonate(DEPC))および精製水(Distilled water)の一部または全部を含むことができる。このような溶出溶液は、サンプルおよび溶液が第1区画211に注入される前に第3区画213に予め充填されていることができる。
【0060】
第4区画214は、1つ以上の隔壁330のうち1つを挟んで第3区画213と隣接して形成されることができる。このような第4区画214は、複数の区画211、212、213、214のうち本体200の開口した一側端部から最も遠い位置に設けられることができる。
【0061】
一方、本体200には突出部220が設けられることができる。このような突出部220は、本体200のピストン300が挿入される側の反対側の端部から突出形成されることができる。例えば、本体200及び突出部220は、内部が中空形状になっていてもよい。また、突出部220の内側幅は、本体200の内側幅よりも小さく形成されてもよい。また、突出部220の内側幅は、後述するピストンヘッド320の厚さより大きくてもよい。したがって、ピストンヘッド320が突出部220の内側に挿入されたとき、ピストンヘッド320は突出部220の内周面から所定距離離隔することができる。
【0062】
このような突出部220には、ピストンヘッド320を挿入可能な挿入空間221が形成されることができる。このような挿入空間221は、本体200の主空間210と連通することができる。言い換えれば、挿入空間221は本体200の第4区画214と連通することができる。このような挿入空間221は、ピストンヘッド320および後述するヘッドシール部材352によって主空間210と遮断されることができる。ヘッドシール部材352が挿入空間221と主空間210とを遮断する構成については後半で具体的に説明する。
【0063】
一方、本体200には、主空間210と本体200の外部とを連通させることができる注入口230が形成されることができる。このような注入口230を介してサンプルおよび磁性材料を含む溶液は、外部から主空間210に注入されることができる。さらに、注入口230は、ピストン300が主空間210内を一方向に移動するにつれて、複数の区画211、212、213、214と順次連通することができる。例えば、ピストン300が本体200に対して所定距離移動し、第1区画211が注入口230と連通する位置に配置されると、注入口230を介して第1区画211は外部から溶液およびサンプルまたはそれを含む溶液を注入してもらうことができる。
【0064】
このような注入口230は、蓋部120によって選択的に開閉されることができる。すなわち、注入口230は、蓋部120がケースカバー部110の噛合具111から離脱すると外部に対して開放され、蓋部120が噛合具111に噛み合うと外部に対して閉鎖されることができる。また、注入口230は、一部が上面が広く下方に向かって狭くなる形状で設けられることができ、一例として漏斗形状を有してもよい。ただし、本発明の思想は、このような注入口230の形状によって限定されるのではない。
【0065】
また、注入口230は、複数の区画211、212、213、214のうち少なくとも1つの区画と連通したとき、このような区画を介して交換口260と連通できる位置に配置されることができる。一例では、注入口230は後述する交換口260と対向するように形成されてもよい。他の例では、注入口230は交換口260と同一線上に形成されてもよい。また他の例として、このような注入口230は、ピストンヘッド320に最も隣接する隔壁330がブローバック出口243及び排出口250の開放状態を維持する範囲内でピストン300が主空間210に最も深く挿入されたとき、第1区画211に注入口230と交換口260が同時に連通できる位置に配置されることができる。ただし、これは一例に過ぎず、交換口260が注入口230と複数の区画211、212、213、214のいずれかとに対して同時に連通できない位置に形成されることも可能である。
【0066】
一方、本体200にはブローバック部240が形成されることができる。このようなブローバック部240は、本体200のピストン300が挿入される側の反対側の端部に設けられることができ、両端部が主空間210と連通することができる。このようなブローバック部240は、本体200の一面に形成されることができる。言い換えれば、ブローバック部240は本体200の上面に形成されることができるが、本発明の思想がこれに限定されるのではなく、本体200の側面または底面に形成されてもよい。このようなブローバック部240は、ピストン300が突出部220に向かって前進する際に、第4区画214に存在する空気等の気体をブローバック部240を介してブローバック(blowback)させることができる。このように、第4区画214に存在する気体がブローバックして第3区画213に流れることにより、第3区画213に存在する精製完了したアナライトが後述する排出口250を介して後述する供給流路413に流れることができる。また、ブローバック部240は必要に応じて第1区画211と第2区画222とを連通するようにしたり、第2区画222と第3区画223とを連通するようにすることができる。すなわち、ブローバックブ240は隣接する2つの区画を互いに連通するようにすることができる
【0067】
図4を参照すると、ブローバック部240は、ブローバック入口241、ブリッジ242、およびブローバック出口243を含むことができる。ブローバック入口241とブローバック出口243は、主空間210に一端が連通するように形成され、ブリッジ242を介してブローバック入口241とブローバック出口243の他端とは連通することができる。また、ブリッジ242は、上面が開口した形状に形成されることができる。ただし、ブリッジ242の開口部は、ケース100によって外部と遮断されることができる。したがって、ブローバック部240は、ブローバック入口241、ブリッジ242、およびブローバック出口243によって「U」字型チャネルとして形成されることができる。一方、ブローバック部240によって形成されるチャネルの形成にはフィルムを用いることができる。例えば、ブリッジ242の開口部をフィルムを使用して、「U」字形状を有することができるブローバック部240が外部から遮断されるように構成することができる。
【0068】
このようなブローバック入口241は、ブローバック出口243よりも主空間210の突出部220側に近接して形成されることができる。これにより、ピストン300が第4区画214を狭くする方向に移動すると、第4区画214にあった空気等の気体が圧力によってブローバック入口241に流入し、ブリッジ242、 ブローバック出口243を通過した後、第4区画214に隣接する第3区画213に入ることができる。このように、第3区画213に流入した気体の圧力によって第3区画213に収容されたアナライトは、排出口250を介して押し出され、供給流路413に流れることができる。このような排出口250から排出されたアナライトは、供給流路413を介して後述する検査チャンバー412に収容されるこ都ができる。
【0069】
以下では、図5A図7を参照して、第4区画214にあった空気等の気体がブローバックする過程をより具体的に説明する。まず、ピストン300が突出部220に向かって一方向(例えば、図5Aの右側)に移動すると、第4区画214にあった気体はブローバック部240及び挿入空間221に流れる。この場合、ブローバック部240のブローバック出口243は第3区画213と連通し、ブローバック入口241は第4区画214と連通する(図5A参照)。
【0070】
また、第4区画214内の気体は、ブローバック部240だけでなく、ピストンヘッド320と突出部220の内側との間の空間を通って挿入空間221に流れ続けることができる(図6参照)。この場合、排出口250の少なくとも一部は第3区画213と連通することができる(図7参照)。このように、ピストン300が挿入空間221に挿入されても、第4区画214内の気体が挿入空間221及びブローバック部240に分散して流れることにより、ブローバック部240に流れる気体の圧力は、第3区画213のアナライトを排出口250に押し出すことができる臨界圧力よりも低い可能性がある。したがって、ピストン300が移動して排出口250の一部と第3区画213が連通し始める時にも、主空間210の気体はブローバックせず、主空間210内の溶液は排出口250および供給流路413に流れないことができる。
【0071】
その後、ピストン300が突出部220の挿入空間221に向かってさらに移動し、ヘッドシール部材352が突出部220の内周面とピストンヘッド320との間をシールすることにより、挿入空間221と第4区画214とは遮断されることができる。このとき、第4区画214内の気体は、挿入空間221に流れることなくブローバック部240を通じてブローバックし始め、第3区画213に流入する。さらに、ピストン300は、次第に主空間210の内側に挿入されることによって、第3区画213内のアナライトおよび溶液を排出口250に押し出すことができる。言い換えれば、ピストン300が挿入空間221に向かってさらに移動し、排出口250の所定範囲以上が第3区画213と連通したとき、主空間210の気体はブローバックし始め、溶液は排出口250を通って供給流路413に流れることができる(図5B参照)。
【0072】
このように、排出口250の一部が主空間210と連通し始めても、挿入空間221と第4区画214とが完全に遮断される前にはブローバックが開始されず、排出口250へアナライトが流動しないことができる。また、挿入空間221と第4区画214とが遮断され、排出口250の所定範囲以上が主空間210と連通するとき、アナライトは排出口250に流動することができる。この場合、供給流路413に流れるアナライトおよび溶液は連続的に流れることができ、液体片が形成されるのを防止することができる。
【0073】
ここで液体片が形成される過程について簡単に説明すると、一例として排出口250のうち極小面積のみ開放されて主空間210と連通する場合、極少量のアナライト及び溶液が供給流路413 に流れるようになる。このとき、溶液の粘性及び供給流路413に残留する空気等の要因により供給流路413を流れる溶液が不連続的に流動することにより、液体片が形成される可能性がある。このような液体片は、検査チャンバー412に供給されたとき、不完全な反応を起こしたり、検査結果の精度を低下させる可能性がある。ただし、上記のブローバック部240によれば、供給流路413の内側に液体片が形成されず、アナライト及び溶液が連続的に供給流路413に沿って流れて検査チャンバー412に供給されることができる。
【0074】
一方、ブローバック部240により、使用者はピストン300を押圧する程度を調整してブローバック部240を介してブローバックする気体の量を微調整することができる。このように、ブローバックする気体の量を調整することにより、排出口250から排出されるアナライトの量を微調整することができる。このように、本実施例によれば、ピストン300の加圧程度を微調整することにより供給流路413に流れるアナライトの量を微細に制御することが可能であるため、本実施例に係るアナライト検査装置1は、アナライトの定量分配が非常に重要な検査を行う場合に特に有用に利用されることができる。
【0075】
一方、本体200には、主空間210で溶液と反応して所定の処理を経たサンプルがアナライトとして本体200の主空間210から排出され得る排出口250が形成されることができる。このような排出口250は、本体200のピストン300が挿入される側の反対側の端部に位置することができ、ブローバック部240と対向する位置に形成されることができる。ただし、これは一例に過ぎず、排出口250はブローバック部240と対向しない位置に形成されることも可能である。また、排出口250は、重力の影響によりアナライトが容易に排出されるように主空間210の底面に形成されることができる。これは一例に過ぎず、主空間210の側面または上面に形成されてもよい。
【0076】
また、排出口250は流動チャンバー調節部400の供給流路413と連通することができ、排出口250から排出されるアナライトは供給流路413を介して検査チャンバー412に流れることができる。
【0077】
一方、本体200には、主空間210の溶液およびサンプルが流入または排出され得る交換口260および主空間210を外部に露出させる開放口270がさらに形成されることができる。
【0078】
交換口260は交換流路411と連通することができる。例えば、主空間210の溶液およびサンプルまたはそれを含む溶液は、交換口260を通って交換流路411に流れることができる。より詳細な例として、シリンダー(図示せず)に圧力差が発生すると、交換流路411に加わる加圧量または減圧量に比例して開放口270の空気が主空間210に入ったり出たりすることができる。これにより、溶液およびサンプルは、交換口260を介して主空間210から交換流路411に流れることができ、交換流路411から主空間210に流れることができる。
【0079】
また、交換口260は、注入口230または開放口270と対向する位置に形成されることができ、注入口230または開放口270と同一線上に形成されることができる。また、交換口260は、少なくとも第1区画211に注入口230及び開放口270の少なくとも一方と同時に連通可能な範囲内の位置に形成されることができる。このような交換口260は、ピストン300が主空間210内で一方向に移動するにつれて、複数の区画211、212、213、214と順次連通することができる。
【0080】
一方、本明細書において、シリンダーは、主空間210が交換流路411と溶液およびサンプルを交換するにおいて必要な圧力差を加えるために提供されることができる。さらに、シリンダーは内部空間の圧力が変化するように構成され、一例として、シリンダーは注射器であってもよい。したがって、シリンダー内の圧力の変化に応じて、溶液およびサンプルまたはそれを含む溶液は、主空間210および交換流路411のいずれか一方から他方へ流れることができる。ただし、これは例示に過ぎず、アナライト検査装置1はシリンジポンプ(Syringe Pump)と接続されてもよい。
【0081】
図2および図3を再び参照すると、ピストン300は、本体200に形成された開口部を介して主空間210に挿入可能に設けられ、主空間210内で往復移動可能に設けられる。また、ピストン300は、中心柱310、ピストンヘッド320、隔壁330、ピストン把持部340、及びシール部材350を含むことができる。
【0082】
中心柱310は本体200の主空間210に挿入されることができ、ピストンヘッド320、隔壁330、およびピストン把持部340を連結することができる。このような中心柱310は円柱状に設けられることができ、その厚さは位置によって異なって形成されることができる。また、中心柱310は、ピストン把持部340と隔壁330とを連結する部分と、複数の隔壁330の間を連結する部分との厚さが異なって形成されることができる。例えば、ピストン把持部340と隔壁330とを接続する部分の厚さよりも、複数の隔壁330を接続する部分の厚さが薄く形成されることができる。これは、中心柱310が複数の区画211、212、213、214の空間を最小限に占めるためである。ただし、これは一例に過ぎず、中心柱310が全体的に同じ厚さで設けられることも、ピストン把持部340と隔壁330とを連結する部分の厚さよりも複数の隔壁330間を連結する部分の厚さがより厚く形成されることも可能である。
【0083】
ピストンヘッド320は、複数の隔壁330のうち中心柱310の先端に接続された隔壁330から突出形成されることができる。このようなピストンヘッド320は、ピストン300が本体200の内側に挿入されると、突出部220の挿入空間221に挿入されることができる。また、ピストンヘッド320の厚さは、中心柱310のうち複数の隔壁330の間の部分の厚さより大きく形成されることができ、突出部220の内側幅よりも小さく形成されることができる。したがって、ピストンヘッド320が挿入空間221に挿入されたとき、ピストンヘッド320の外周面は、突出部220の内周面と所定距離離隔することができ、このような所定距離離隔した空間を介して第4区画214の気体は挿入空間221に流れることができる。すなわち、ピストンヘッド320によって第4区画214内の気体はブローバックすることができる。また、ピストンヘッド320の長さ(中心柱310から突出した長さ)でブローバックが始まる時点は調整されることができる。
【0084】
また、ピストンヘッド320には、ヘッドシール部材352を挿入可能なヘッド溝321が形成されることができる。このようなヘッド溝321は、ピストンヘッド320の外周面から引き込んで形成されることができる。また、ヘッド溝321は、ヘッドシール部材352が嵌合するように所定の幅を有することができる。
【0085】
1つ以上の隔壁330は主空間210を区画することができる。このような隔壁330は複数個設けられることができ、複数の隔壁330は中心柱310の周面から放射状に延びて形成されることができる。また、複数の隔壁330は、中心柱310が移動する方向に沿って互いに離隔して配置されることができる。このような隔壁330は円盤状に設けられることができ、隔壁330の直径は本体200の内側幅以下であることができる。本明細書において、隔壁330は4つ提供されるものと説明したが、これは例示に過ぎず、4つではなく任意の数で提供されることも可能である。
【0086】
また、隔壁330には、隔壁シール部材351が挿入可能な隔壁溝331が形成されることができる。このような隔壁溝331は、隔壁330の外周面から引き込んで形成されることができる。また、隔壁溝331は、隔壁シール部材351が挿入されるように所定の幅を有することができる。
【0087】
ピストン把持部340は、中心柱310の端部に接続され、使用者によってピストン300が把持される部分を提供することができる。このようなピストン把持部340は円盤状に備えられることができ、中心柱310に対してフランジ状に設けられることができる。
【0088】
シール部材350は、ピストン300と本体200の内側面との間の隙間をシールすることができる。例えば、シール部材350は、ゴムなどの材質からなるOリング(O-ring)であってもよい。このようなシール部材350は、隔壁シール部材351及びヘッドシール部材352を含むことができる。
【0089】
隔壁シール部材351は、複数の区画211、212、213、214に収容された物質が該当区画から漏出するのを防止することができる。言い換えれば、隔壁シール部材351は、複数の区画211、212、213、214に収容された相異なる物質が混ざるのを防止することができる。このような隔壁シール部材351は、本体200の内周面に接触するように隔壁溝331に配置されることができる。また、隔壁シール部材351により、隔壁330と本体200の内周面との間の隙間を封止することができる。このような隔壁シール部材351は、隔壁330の隔壁溝331に嵌合することで、隔壁330から離脱することなく、隔壁330と本体200の内周面との間の隙間を塞ぐことができる。
【0090】
ヘッドシール部材352は、挿入空間221と主空間210とを遮断することができる。言い換えれば、ヘッドシール部材352は挿入空間221と第4区画214とを遮断することができる。このようなヘッドシール部材352は、突出部220の内周面に接触するようにヘッド溝321に配置されることができる。また、ヘッドシール部材352により、ピストンヘッド320と突出部220の内周面との間の隙間がシールされることができる。ヘッドシール部材352は、ピストンヘッド320のヘッド溝321に嵌合することにより、ピストンヘッド320から離脱せず、ピストンヘッド320と突出部220の内周面との間の隙間を塞ぐことができる。
【0091】
図3および図8を参照すると、流動チャンバー調節部400はケース100、本体200、ピストン300を支持することができる。さらに、流動チャンバー調節部400は流動チャンバー410を含むことができ、流動チャンバー410はアナライトおよび溶液が流れるための流路を提供することができ、アナライトが酵素と反応して検査が行われる空間を提供することができる。流動チャンバー調節部400は、主空間210内に収容されたサンプルを移送してアナライトの分離反応を誘発するように設けられることができる。例えば、流動チャンバー調節部400で発生するアナライトの分離反応は、サンプルと磁性材料との接触を誘導し、流動チャンバー調節部400に磁場を印加して磁性材料を収集することによって行われることができる。
【0092】
流動チャンバー調節部400は複数の部材で形成されることができる。例えば、流動チャンバー調節部400は、射出成形などで形成された1つ以上のベース本体と、このようなベース本体の底面に取り付けられて流動チャンバー410を形成するベースフィルムとを含むことができる。
【0093】
流動チャンバー410は、交換流路411、検査チャンバー412、供給流路413、吐出部414を含むことができる。
【0094】
交換流路411は、本体200の主空間210とシリンダーとの間に溶液およびアナライトが流れるための通路を提供することができる。このような交換流路411の一側には、交換口260と連通するための連通口411aが設けられることができ、交換流路411は、連通口411aを介して主空間210と連通することができる。
【0095】
例えば、主空間210において交換口260から排出された溶液およびアナライトは、シリンダーが加える圧力差に応じて流動チャンバー410の連通口411aを介して流動チャンバー410の内部流れることができる。また、流動チャンバー410で磁気分離によってアナライトと分離された溶液は、交換口260を通って再び主空間210に流入することができる。また、流動チャンバー410の吐出口414を通じて、主空間210において交換口260から排出された溶液及びアナライトが外部のシリンダーに流れることができる。このように、流動チャンバー410が主空間210とシリンダーとを連結することにより、主空間210内の溶液及びアナライトは自由に流動チャンバー410に流動してから、主空間210または外部のシリンダーに流れることができる。
【0096】
また、交換流路411には拡張流路411bが形成されることができる。このような拡張流路411bには、検査に必要な内部対照物質(internal control material)が予め注入されて固定されることができる。例えば、拡張流路411bは交換流路411の少なくとも一部に沿って延びるが、交換流路よりも大きな幅を有することができる。また、交換流路411の下方には磁性材料に磁力を加えることができる磁石が配置されることができ、交換流路411内の磁性材料と結合されたアナライトは、磁石から発生する磁力によって交換流路411に固定されることができる。これにより、注入されるサンプルの構成に対する多様性を提供することができる。また、拡張流路411bは、流動チャンバー410内の溶液を収容し、内部の溶液が外部に漏れるのを防止することができる程度の体積を有するように構成されることができる。例えば、拡張流路411bは、アナライトおよび溶液が許容範囲(閾値容量)を超えて流れるとき、許容範囲を超えたアナライトおよび溶液を収容し、流動チャンバー調節部400の外部に漏れるのを防ぐことができる。したがって、流動チャンバー410内を流れる溶液は、拡張流路411bを経て流動チャンバー調節部400の外部に漏れない。一方、流動チャンバー410内を流れる溶液の、本体200の外部への漏れを拡張流路411bによって防止することができる。また、このような拡張流路411bに加えて、あるいはこのような拡張流路411bとは別に、流動チャンバー410内に綿などの繊維で構成されるパッド部を配置して溶液の外部への漏れを防止することもできる。例えば、パッド部は、アナライト及び溶液が交換流路411及び流動チャンバー40の許容範囲(臨界容量)を超えて流れるとき、許容範囲を超えたアナライト及び溶液を吸収して外部へ漏れるのを防ぐことができる。
【0097】
以下では、交換流路411を通じてアナライトを溶液から分離する磁気分離過程について説明する。まず、シリンダーを減圧すると、第1区画211に収容された溶液およびアナライトは交換口260を介して交換流路411に流れる。その後、外部から磁場を印加すると、磁性材料に結合したアナライトは交換流路411の内部に固定され、流れる溶液から分離される。このようなアナライトが分離された溶液は、第1区画211に戻るか、または流動チャンバー410に流れることができる。
【0098】
また、磁性粒子と結合したアナライトが交換流路411内に残った状態で、使用者が交換口260と第2区画212とが連通するようにピストン300を移動させてシリンダーを減圧した後、磁場の印加を中止した場合、アナライトは第2区画212に充填されていた溶液に再懸濁されることができる。
【0099】
一方、第1区画211に充填された溶液の一部を交換流路411に残した状態でピストン300を移動する場合、第2区画212に充填された溶液と第1区画211の溶液の一部または全部が混合されることもできる。
【0100】
検査チャンバ412は、精製されたアナライトと酵素が反応して検査が行われる空間を提供することができる。このような検査チャンバー412は、供給流路413を介して精製されたアナライトを供給してもらうことができる。さらに、検査チャンバー412には精製されたアナライトと反応することができる酵素が提供されることができる。このような酵素は、アナライトが検査チャンバー412に供給される前に予め提供されることができる。一方、検査チャンバー412は、一側が供給流路413に接続されることができ、他側が排出流路に接続されることができる。例えば、供給流路413を介して検査チャンバー412にアナライトおよび溶液が供給されると、検査チャンバー412内のガスは排出流路を介して排出されることができる。
【0101】
供給流路413は、アナライトおよび溶液が本体200の排出口250から検査チャンバー412に流れるための通路を提供することができる。このような供給流路413の一側には、排出口250から溶液及びアナライトが流入するための流入口413aが形成されることができる。したがって、供給流路413の一側は流入口413aを介して排出口250と連通することができ、供給流路413の他側は検査チャンバー412に接続することができる。例えば、ピストン300が挿入空間221に挿入されると、第3区画213にはブローバックが発生する。このようなブローバックによって、第3区画213から排出口250を通ってアナライトおよび溶液が供給流路413に流入することができる。
【0102】
吐出部414は、主空間210内に収容された溶液及びアナライトが交換流路411に流れる過程で流動チャンバー410内に残留する空気を外部に吐出するために設けられることができる。例えば、吐出部414と連動するシリンダー(図示せず)が流動チャンバー調節部400の底面に付着したフィルムを貫通し、流動チャンバー調節部400内部の流動チャンバー410と連通した後、シリンダーを減圧すると、流動チャンバー410内の空気がシリンダーに吐出され、主空間210の溶液を流動チャンバー410に流すことができる。別の例では、シリンダーを加圧する場合、流動チャンバー410の溶液を主空間210に流してもよい。
【0103】
以下では、上記のような構成を有するアナライト検査装置1の作用および効果について説明する。
【0104】
使用者は、生体または環境由来のサンプルに様々な検査を行うためにアナライト検査装置1を使用することができる。まず、生体または環境由来のサンプルを採取した後、磁性材料を含む溶液を混合する。このとき、サンプルが溶液に投入されるとサンプルに含まれた生体物質が溶解し、生体物質内にあったアナライトの少なくとも一部が磁性材料と結合することができる。このように、磁性材料と結合したアナライトが含まれている溶液を注入口230を介して主空間210の第1区画211に注入することができる。その後、ピストン300を移動して第1区画211が開放口270および交換口260と連通するように位置させることができる。
【0105】
第1区画211が交換口260と連通すると、シリンダーの減圧によって溶液およびアナライトを第1区画211と流動チャンバー410との間に流すことができる。このとき、外部から磁場を印加して磁性材料に結合したアナライトを交換流路411に固定させることができる。さらに、アナライトが分離された溶液を第1区画211または流動チャンバー410に流すことができる。
【0106】
その後、ピストン300は、第2区画212が交換口260と連通するように本体200の外側に移動することができる。このとき、第2区画212にはアナライトを洗浄するための溶液が予め充填されていることができる。
【0107】
第2区画212が交換口260と連通すると、シリンダーの減圧によって第2区画212に収容された洗浄液を流動チャンバー410に流動させて磁性材料に結合したアナライトを洗浄することができる。この時、外部から磁場を印加して洗浄されたアナライトを交換流路411に固定させることができる。その後、磁場がなくなると、アナライトを含む洗浄液を第2区画212または流動チャンバー410に流すことができる。
【0108】
また、ピストン300は、第3区画213が交換口260と連通するように本体200の外側に移動することができる。このとき、第3区画213には、アナライトを磁性材料から溶出するための溶出溶液が予め充填されていることができる。
【0109】
第3区画213が交換口260と連通すると、シリンダーの減圧によって第3区画213に収容された溶出溶液を流動チャンバー410に流動させ、アナライトを磁性材料から溶出することができる。このとき、外部から磁場を印加して用途を尽くした磁性材料を固定し、アナライトを含む溶出溶液を第3区画213または流動チャンバー410に流すことができる。
【0110】
以後、ピストン300は本体200の内側に移動し、ブローバックを介してアナライトおよび溶液を、排出口250および供給流路413を順次経て検査チャンバー412に供給することができる。
【0111】
本発明の一実施例によるアナライト検査装置1は、所定のサンプルのアナライトを容易に精製することができ、このように精製されたアナライトを均一に複数の検査チャンバー412に注入することができる効果がある。
【0112】
また、サンプルのアナライトを精製するとともに、これを検査に利用することができ、装置のサイズを最小化し、検査時間を節約できる効果がある。
【0113】
以下では、図9を参照して、本発明の一実施例によるアナライト検査装置1を用いてアナライトを検査するアナライト検査方法S10について説明する。
【0114】
アナライト検査方法S10では、アナライト検査装置1を用いて生体または環境由来のサンプルを精製して、サンプルに含まれているアナライトの所定の検査を行うことができる。このようなアナライト検査方法S10は、サンプル注入段階S100、アナライト精製段階S200、アナライト排出段階S300を含むことができる。
【0115】
サンプル注入段階S100では、生体または環境由来のサンプルおよび磁性材料を含有する溶液を注入口230を介して主空間210に注入することができる。このようなサンプル注入段階S100では、サンプルおよび溶液を注入する前に、第1区画211が注入口230と連通するようにピストン300を移動させる。ピストン300の位置が調整されると、溶液およびサンプルまたはそれを含む溶液を第1区画211に注入することができる。このようなサンプル注入段階S100でサンプルと共に投入される溶液は、溶解/結合バッファー(Lysis/binding Buffer)及び磁性微粒子(Magnetic nano/micro partices)のうち少なくとも1つを含むことができ、より具体的には塩 (salts; ex. Tris-HCl)、キレート試薬(chelating agent; ex. Ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA))、界面活性剤/洗浄剤(detergent; ex. Sodium dodecyl sulfate (SDS), Triton X-100)、還元剤(reductant; ex. Dithiothreitol (DTT))、 カオトロピック剤(Chaotropic agent; ex. Guanidine thiocyanate)、酵素(enzyme; ex. Proteinase K)および精製水(Distilled water)の一部または全部を含むことができる。
【0116】
溶解/結合バッファーおよび磁性材料が予め充填されたアナライト検査装置1の場合、別途の溶液混合なしに生体または環境由来のサンプルまたはそれを含む溶液を直ちに注入することができる。また、溶解/結合バッファーおよび磁性材料が予め充填されていない場合、生体または環境由来のサンプルまたはそれを含有する溶液と溶解/結合バッファーおよび磁性材料を一緒に注入することもできる。
【0117】
アナライト精製段階S200では、サンプル中のアナライトを精製することができる。このようなアナライト精製段階S200は、アナライト溶解段階S210、アナライト洗浄段階S220、およびアナライト溶出段階S230を含むことができる。
【0118】
アナライト溶解段階S210では、サンプルを溶解してアナライトを抽出し、それを磁性材料に結合させることができる。例えば、アナライト溶解段階S210では、溶解溶液と主空間210に注入されたサンプルとを混合することにより、アナライトを抽出することができる。抽出されたアナライトと溶解溶液に含まれる磁性材料とを接触させることにより、アナライトと磁性材料を結合させることができる。さらに、抽出されたアナライトは、シリンダーによる流動中に内部対照物質と接触することによって内部対照物質と結合することができる。このようなアナライト溶解段階S210は、1次ピストン移動段階S211、1次溶液流動段階S212、および1次分離段階S213を含むことができる。
【0119】
1次ピストン移動段階S221では、第1区画211と交換口260とが連通するようにピストン300を移動することができる。
【0120】
1次溶液流動段階S222では、シリンダーを駆動して第1区画211の溶液を交換流路411に流すことができる。
【0121】
1次分離段階S213では、磁場を印加して磁性材料と結合したアナライトを溶液から分離することができる。この場合、交換流路411の内部には磁性材料と結合されたアナライトのみ残ることができる。
【0122】
アナライト洗浄段階S220では、磁性材料と結合したアナライトを洗浄することができる。このようなアナライト洗浄段階S220は、2次ピストン移動段階S221、2次溶液流動段階S222、および2次分離段階S223を含むことができる。
【0123】
2次ピストン移動段階S221では、第2区画212と交換口260とが連通するようにピストン300を移動することができる。
【0124】
2次溶液流動段階S222では、シリンダーを駆動して第2区画212の溶液を交換流路411に流すことができる。また、第2区画212内に充填された洗浄溶液は、交換流路411に移動した後、交換流路411内に残留するアナライトと混合される。洗浄溶液とアナライトとが混合された混合液は、シリンダー駆動により第2区画212と交換流路を流れ、このような懸濁過程を通じてアナライトは洗浄されることができる。このとき、第2区画212に充填された洗浄溶液は洗浄バッファー(Washing Buffer)を含むことができ、より具体的には、 ジエチルピロカーボネート(Diethyl pyrocarbonate(DEPC))、くえん酸三ナトリウム脱水和物(Sodium citrate tribasic dehydrate)、アルコール(alcohol; ex. Ethanol, 2-propanol)および精製水(Distilled water)の一部または全部を含むことができる。
【0125】
2次分離段階S223では、磁場を印加して磁性材料と結合したアナライトを洗浄溶液から分離することができる。さらに、アナライトから分離された洗浄溶液は再び第2区画212に流動することができる。この場合、交換流路411の内部には磁性材料と結合したアナライトのみ残留することができる。
【0126】
アナライト溶出段階S230では、洗浄されたアナライトを磁性材料から溶出することができる。このようなアナライト溶出段階S230は、3次ピストン移動段階S231、3次溶液流動段階S232、および3次分離段階S233を含むことができる。
【0127】
3次ピストン移動段階S231では、第3区画213と交換口260とが連通するようにピストン300を移動することができる。
【0128】
3次溶液流動段階S232では、シリンダーを駆動して第3区画213の溶液を交換流路411に流すことができる。また、第3区画213内に充填された溶出溶液は、交換流路411に移動した後、交換流路411内に残っているアナライトと混合される。溶出溶液とアナライトとが混合された混合液は、シリンダー駆動により第3区画213と交換流路411を流れ、このような懸濁過程を通じてアナライトは磁性材料から溶出することができる。このとき、第3区画213内に充填された溶出溶液は溶出バッファー(Elution Buffer)を含むことができ、より具体的には、塩(salts; ex. Tris-HCl)、キレート試薬(chelating agent; ex. Ethylenediaminetetraacetic acid(EDTA))、ジエチルピロカーボネート(Diethyl pyrocarbonate(DEPC))、および精製水(Distilled water)の一部または全部を含むことができる。
【0129】
3次分離段階S233では、磁場を印加して用途を尽くした磁性材料を、溶出されたアナライトを含む溶出溶液から分離することができる。さらに、アナライトを含有する溶出溶液は再び第3区画213に流動することができる。この場合、交換流路411の内部には磁性材料のみ残留することができる。
【0130】
アナライト排出段階S300では、精製されたアナライトを排出することにより、検査チャンバー412にアナライトを供給することができる。このようなアナライト排出段階S300では、ピストン300を本体200の内側に挿入して第4区画214内の気体をブローバックさせることにより、第3区画213内の溶液及びアナライトを排出口250から排出することができる。この場合、排出口250から排出された溶液およびアナライトは、供給流路413に沿って検査チャンバー412に流れることができる。
【0131】
以上、本発明の実施形態を具体的な実施例として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれに限定されず、本明細書に開示された技術的思想に従う最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は、開示された実施例を組合せ/置換して摘示されていない形状のパターンを実施することができるが、これも本発明の範囲から逸脱しないであろう。さらに、当業者は、本明細書に基づいて開示された実施例を容易に変更または変形することができ、そのような変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1]
一側が開口し、サンプルが収容され得る主空間が形成される本体;
前記主空間を区画する1つまたは複数の隔壁を含み、前記本体の前記主空間に挿入され往復移動可能に設けられるピストン;及び
前記本体と前記ピストンを支持するベースを含み、
前記主空間は、前記1つ以上の隔壁によって区切られる複数の区画を含み、
前記ベースには、
前記サンプルが流動するための通路を提供し、前記ピストンの位置に応じて前記複数の区画のいずれかと連通可能な交換流路が形成される、
アナライト検査装置。
[2]
前記複数の区画のうち少なくとも1つは、前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液を充填するために設けられることを特徴とする[1]に記載のアナライト検査装置。
[3]
前記ベースは、
前記溶液が流れる空間を提供する流動チャンバーを含み、
前記流動チャンバーは前記交換流路および前記交換流路の少なくとも一部に沿って延び、前記交換流路よりも広い幅を有する拡張流路を含み、
前記拡張流路は、前記溶液を受け入れることによって、前記溶液の容量が所定の許容範囲を超えて前記本体の外部に漏れるのを防ぐことができることを特徴とする[1]に記載のアナライト検査装置。
[4]
前記ベースは、一側が前記流動チャンバーと連通し、他側が外部と連通するように構成された吐出部が形成され、
前記交換流路は、一側が前記主空間と連通し、他側が前記流動チャンバーと連通するように構成され、
前記主空間に収容されたサンプルは、前記吐出部に加わる圧力差によって前記主空間から前記交換流路に流れることを特徴とする[3]に記載のアナライト検査装置。
[5]
前記本体には、前記アナライトが前記交換流路に流れるための交換口と、前記主空間を外部に対して露出するための開放口とが形成され、
前記交換口と前記開放口とは、前記隔壁によって区画された主空間を介して互いに連通可能な位置に形成されることを特徴とする[1]に記載のアナライト検査装置。
[6]
前記本体には、前記ピストンが挿入される端部の反対側の端部から突出して形成される突出部が設けられ、
前記突出部の内側には前記ピストンの少なくとも一部が挿入可能な挿入空間が形成されることを特徴とする[2]に記載のアナライト検査装置。
[7]
前記本体には、前記突出部から所定距離離隔した位置に設けられ、前記主空間と前記本体の外側とを連通させることができるブローバック部が形成されることを特徴とする[6]に記載のアナライト検査装置。
[8]
前記ブローバック部は、
前記主空間の流体が排出される通路を提供するブローバック入口;
前記主空間に流体が流入する通路を提供するブローバック出口;及び
前記ピストンが移動する方向に延びて形成され、前記ブローバック入口と前記ブローバック出口とを連通させるブリッジ部を含むことを特徴とする[7]に記載のアナライト検査装置。
[9]
前記本体には、前記主空間において前記溶液と反応して所定の処理をされた前記アナライトが前記本体から排出されるための排出口が形成され、
前記排出口は、前記突出部から所定距離離隔し、前記ブローバック部と対向する位置に形成されることを特徴とする[7]に記載のアナライト検査装置。
[10]
前記ピストンは、
前記挿入空間の内側に移動することにより、前記挿入空間と前記主空間を遮断し、前記主空間内の気体がブローバックして前記主空間に収容されたアナライトを前記排出口に押し出すことを特徴とする[9]に記載のアナライト検査装置。
[11]
前記ピストンは、中心柱;及び前記中心柱の一側端部から突出形成されたピストンヘッドをさらに含み、
前記ピストンヘッドは、前記中心柱の移動に応じて前記挿入空間に選択的に挿入されることを特徴とする[6]に記載のアナライト検査装置。
[12]
前記1つまたは複数の隔壁は複数個設けられ、複数の前記隔壁は前記中心柱の周面から放射状に延びて形成され、前記中心柱が移動する方向に沿って互いに離隔して配置されることを特徴とする[11]に記載のアナライト検査装置。
[13]
前記ピストンは、
前記ピストンヘッドが前記挿入空間に挿入されたときに、前記突出部の内周面と前記ピストンヘッドとの間を密閉することにより、前記挿入空間と前記主空間を遮断することができるヘッドシール部材;及び
前記隔壁と前記本体との間から溶液が漏れるのを防ぐために、前記隔壁の外周面に設けられる隔壁シール部材をさらに含むことを特徴とする[11]に記載のアナライト検査装置。
[14]
前記本体には前記突出部から所定距離離隔した位置に設けられ、前記主空間と前記本体の外側とを連通させることができるブローバック部が形成され、
前記ピストンヘッドには前記ピストンヘッドの外周面から引き込まれて形成されたヘッド溝が設けられ、
前記ヘッドシール部材は前記ヘッド溝に介在し、
前記ヘッド溝は、
前記ピストンヘッドの少なくとも一部が前記挿入空間に挿入されても、前記挿入空間、前記主空間、前記ブローバック部が連通することができるように、前記ピストンヘッドの一側端部から所定距離離隔した位置に形成されることを特徴とする[13]に記載のアナライト検査装置。
[15]
複数の前記区画は、第1区画、第2区画、第3区画、および第4区画を含み、
前記第1区画は、複数の前記区画のうち前記本体の前記ピストンが挿入される端部に最も近接して形成され、
前記第2区画は、前記1つ以上の隔壁のうち1つを挟んで前記第1区画と隣接して形成され、
前記第3区画は、前記1つ以上の隔壁のうち1つを間に挟んで前記第2区画と隣接して形成され、
前記第4区画は、複数の前記区画のうち前記本体の前記ピストンが挿入される端部に、最も遠い位置に設けられることを特徴とする[2]に記載のアナライト検査装置。
[16]
前記第1区画内には溶解/結合バッファー(Lysis/binding Buffer)、磁性材料及び内部対照物質(internal control material)の少なくとも一部が充填され、
前記第2区画内には前記磁性材料に結合された前記アナライトの少なくとも一部の洗浄が進行するようにする溶液が充填され、
前記第3区画内には前記磁性材料に結合された前記アナライトの少なくとも一部が前記磁性材料から溶出するようにする溶液が充填され、
前記第2区画内に充填される溶液は洗浄バッファー(Washing Buffer)を含み、
前記第3区画内に充填される溶液は溶出バッファー(Elution Buffer)を含むことを特徴とする[15]に記載のアナライト検査装置。
[17]
前記拡張流路内には、前記磁性材料および内部対照物質(internal control material) のうち一方が予め投入されて固定されることを特徴とする[4]に記載のアナライト検査装置。
[18]
前記主空間に注入される溶液は、溶解/結合バッファー(Lysis/binding Buffer)、生体のサンプルを含む溶液、及び環境由来のサンプルを含む溶液のうちの1つ以上を含むことを特徴とする[5]に記載のアナライト検査装置。
[19]
前記アナライトは、核酸、タンパク質、小胞、脂質、炭水化物、細胞、組織、およびそれらから分離することができる物質のうち1つまたは複数を含むことを特徴とする[2]に記載のアナライト検査装置。
[20]
主空間が形成された本体を含むアナライト検査装置を用いたアナライト検査方法であって、
前記主空間にサンプルまたはこれを含む溶液を注入するサンプル注入段階;
前記主空間に注入された前記サンプルに含まれたアナライトを精製するアナライト精製段階;及び
前記精製されたアナライトを前記主空間から排出させて検査チャンバーに供給することができるアナライト排出段階を含み、
前記アナライト検査装置は、前記主空間を区画する1つまたは複数の隔壁を含むピストン;及び前記本体と前記ピストンを支持するベースを含み、
前記主空間は前記1つ以上の隔壁によって区切られる複数の区画を含み、
前記ベースには、
前記サンプルが流動するための通路を設け、前記ピストンの位置に応じて前記複数の区画のうちいずれかと連通可能な交換流路が形成されることを特徴とするアナライト検査方法。
[21]
前記アナライト精製段階は、
溶解溶液で前記主空間に注入されたサンプルを溶解してアナライトを抽出し、前記アナライトを磁性材料および内部対照物質の少なくとも1つと結合させるアナライト溶解段階;
洗浄溶液で前記アナライトを洗浄することができるアナライト洗浄段階;及び
溶出溶液で前記洗浄されたアナライトを前記磁性材料から溶出することができるアナライト溶出段階を含むことを特徴とする[20]に記載のアナライト検査方法。
[22]
前記本体には、前記主空間と前記本体の外側とを連通させることができるブローバック部が形成され、
前記アナライト排出段階は、
前記ブローバック部によって前記主空間内の気体をブローバックすることにより、前記アナライト精製段階を通して精製されたアナライトを排出することを特徴とする[20]に記載のアナライト検査方法。
[23]
前記サンプル又はそれを含有する溶液は、
前記主空間に前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液が充填されている場合、生体又は環境由来のサンプル及びそれを含有する溶液のうち少なくとも1つを含み、
前記主空間に前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液が充填されていない場合、生体または環境由来のサンプルおよびそれを含有する溶液の少なくとも1つと、前記サンプル中のアナライトを精製することができる溶液とを含むことを特徴とする[20]に記載のアナライト検査方法。
[24]
前記洗浄液は、洗浄バッファー(Washing Buffer)、アルコール(alcohol)、及び精製水(Distilled water)のうち1つ以上を含むことを特徴とする[21]に記載のアナライト検査方法。
[25]
前記溶出溶液は、溶出バッファー(Elution Buffer)、キレート試薬(chelating agent)、および精製水のうちの1つ以上を含むことを特徴とする[21]に記載のアナライト検査方法。
[26]
前記アナライト溶解段階は、
第1区画と交換流路とが連通している間に磁力を利用してアナライトを前記交換流路に固定して前記溶液から分離する第1分離段階を含み、
前記アナライト洗浄段階は、
第2区画と交換流路とが連通している間に磁力を用いて洗浄されたアナライトを前記交換流路に固定して前記洗浄溶液から分離する2次分離段階を含み、
前記アナライト溶出段階は、前記アナライトを排出する前に、第3区画の溶出溶液の磁性材料を分離する第3分離段階を含むことを特徴とする[21]に記載のアナライト検査方法。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9