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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】果菜受体及び果菜自動選別装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/12 20060101AFI20241202BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20241202BHJP
   B07C 5/36 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
B65G17/12 J
B65G47/68 A
B07C5/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024002337
(22)【出願日】2024-01-11
(62)【分割の表示】P 2020077219の分割
【原出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2024026714
(43)【公開日】2024-02-28
【審査請求日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2019088147
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391017702
【氏名又は名称】日本協同企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】宮田 和男
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-153103(JP,A)
【文献】特開2004-209397(JP,A)
【文献】特開2007-050971(JP,A)
【文献】実開昭61-095712(JP,U)
【文献】特開2007-204235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00 - 17/48
B65G 47/00 - 47/96
B07C 5/00 - 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端搬送体と支持バーを有する果菜搬送体の当該支持バーに取り付ける取付け部と、当該取付け部の上側に設けられた果菜載置部を備えた果菜受体において、
前記果菜載置部に、長尺果菜を載置するための長尺果菜用凹部及び丸物果菜を載置するための丸物果菜用凹部が設けられ、
前記取付け部に前記支持バーが挿通する貫通孔が設けられ、
前記貫通孔は前記果菜受体の搬送方向先方側と後方側に間隔をあけて設けられ、
前記搬送方向先方側の貫通孔は断面形状が果菜受体の上下方向に長い長孔であり、前記搬送方向後方側の貫通孔は断面形状が円形の丸孔である、
ことを特徴とする果菜受体。
【請求項2】
請求項1記載の果菜受体において、
無端搬送体の下り傾斜部の近傍に配置された姿勢保持ガイドに当接するガイド当接部を備えた、
ことを特徴とする果菜受体。
【請求項3】
請求項1記載の果菜受体において、
果菜載置部は、間隔をあけて配置された二以上の立設壁を備え、
長尺果菜用凹部及び丸物果菜用凹部が前記二以上の立設壁の上側に設けられた、
ことを特徴とする果菜受体。
【請求項4】
果菜受体上の果菜を搬送する果菜搬送体と、当該果菜搬送体で搬送中の果菜の等階級を判別する計測判別手段と、果菜搬送体で搬送された果菜を取り出す二以上の果菜取出し手段と、果菜取出し手段で取り出された果菜を引き継いで先方に搬送する二以上の引継ぎ搬送体を備えた果菜自動選別装置において、
前記果菜受体が請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の果菜受体である、
ことを特徴とする果菜自動選別装置。
【請求項5】
請求項4記載の果菜自動選別装置において、
果菜搬送体は果菜受体をガイドするガイドレールを備え、
前記ガイドレールは主レールと当該主レールから分岐する分岐レールを備え、
前記分岐レールは各引継ぎ搬送体に複数本ずつ設けられ、
前記複数本の分岐レールのうち、少なくとも一本は長尺果菜を載せた果菜受体を案内する長尺果菜用の分岐レールであり、少なくとも他の一本は丸物果菜を載せた果菜受体を案内する丸物果菜用の分岐レールである、
ことを特徴とする果菜自動選別装置。
【請求項6】
請求項5記載の果菜自動選別装置において、
各引継ぎ搬送体に丸物果菜用の分岐レールが二本以上設けられた、
ことを特徴とする果菜自動選別装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の果菜自動選別装置において、
果菜搬送体は無端搬送体と当該無端搬送体に取り付けられた複数の果菜受体を備え、
前記無端搬送体は上段搬送部と当該上段搬送部の先方に設けられた下り傾斜部と当該下り傾斜部の先方であって前記上段搬送部よりも低い位置に設けられた下段搬送部を備えた、
ことを特徴とする果菜自動選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種果菜を等階級別に自動的に選別する果菜自動選別装置に装備される果菜受体と、当該果菜受け体を備えた果菜自動選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、胡瓜、茄子、ゴーヤ、人参、ズッキーニのような長物果菜(長尺果菜)を等階級別に選別する果菜自動選別装置として、本件発明者が先に開発した果菜自動選別装置(特許文献1)がある。
【0003】
この果菜自動選別装置は、果菜搬送体の果菜受体(バケット)に果菜を載せて搬送し、その搬送中に当該果菜を計測し、その計測結果に基づいて当該果菜を等階級別に判別し、判別済みの果菜を等階級別に振り分けて等階級別に選別する装置である。
【0004】
前記特許文献1記載の果菜自動選別装置は長尺果菜用の選別装置であり、トマトや柿、桃、リンゴ、マンゴー、梨、デコポンといった丸物果菜の選別には、前記特許文献1の果菜自動選別装置とは別の果菜自動選別装置が用いられている(例えば、特許文献2)。
【0005】
前記特許文献2記載の果菜自動選別装置では、ベルトコンベアが設けられた果菜受体が用いられ、判別済みの果菜はそのベルトコンベアの回転によって果菜搬送体の側方に配置されたプールコンベアに排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-153103号公報
【文献】特開2003-053275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来は、長尺果菜用の選別装置と丸物果菜用の選別装置を別々に導入する必要があり、導入者にとって経済的な負担が大きかった。
【0008】
本発明の解決課題は、一台で長尺果菜の選別も丸物果菜の選別も行うことのできる果菜自動選別装置用の果菜受体と、当該果菜受体を備えた果菜自動選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[果菜受体]
本発明の果菜受体は、無端搬送体と支持バーを有する果菜搬送体の当該支持バーに取り付ける取付け部と、当該取付け部の上側に設けられた果菜載置部を備え、果菜載置部に長尺果菜を載置するための長尺果菜用凹部及び丸物果菜を載置するための丸物果菜用凹部が設けられたものである。
【0010】
[果菜自動選別装置]
本発明の果菜自動選別装置は、果菜受体上の果菜を搬送する果菜搬送体と、当該果菜搬送体で搬送中の果菜の等階級を判別する計測判別手段と、果菜搬送体で搬送された果菜を取り出す果菜取出し手段と、果菜取出し手段で取り出された果菜を引き継いで先方に搬送する引継ぎ搬送体を備えている。果菜取出し手段は複数本の取出しコンベアを備え、引継ぎ搬送体は複数本の引継ぎコンベアを備えている。本発明の果菜自動選別装置では、丸物果菜を選別する場合と長尺果菜を選別する場合とで、回転させる取出しコンベア及び引継ぎコンベアの本数を変更できるようにしてある。
【0011】
なお、本願において、長尺果菜には少なくとも胡瓜、茄子、ゴーヤ、人参、ズッキーニが、丸物果菜には少なくともトマトや柿、桃、リンゴ、マンゴー、梨、デコポンが含まれる。ただし、果菜は個体差があり、果菜によっては長尺果菜にも丸物果菜にも該当する場合がある。本発明で重要なのは、果菜が長尺果菜と丸物果菜のどちらに該当するかではなく、果菜が長尺果菜と丸物果菜のいずれに該当する場合であっても選別できるということである。
【発明の効果】
【0012】
[果菜自動選別装置]
本発明の果菜自動選別装置は、引継ぎ搬送体を複数本の引継ぎコンベアを備えたものとし、丸物果菜を選別する場合と長尺果菜を選別する場合とで、回転させる引継ぎコンベアの本数を変更できるようにしてあるため、長尺果菜の選別も丸物果菜の選別も行うことができる。
【0013】
[果菜受体]
本発明の果菜受体は、果菜載置部に長尺果菜を載置するための長尺果菜用凹部及び丸物果菜を載置するための丸物果菜用凹部を備えているため、一台で長尺果菜の選別にも丸物果菜の選別にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の果菜自動選別装置の一例を示す斜視図。
図2】本発明の果菜自動選別装置の一例を示す側面図。
図3】本発明の果菜自動選別装置の一例を示す平面図。
図4】(a)は本発明の果菜受体の一例を示す斜視図、(b)は(a)の果菜受体が支持バーに取り付けられた状態の斜視図。
図5】主レールと分岐レールの概要説明図。
図6】主レールと分岐レールの切り替え片の動作説明図。
図7】姿勢保持ガイドで水平又は略水平な姿勢が保持された果菜受体の説明図。
図8】果菜取出し手段の動作説明図。
図9】(a)は長尺果菜を選別する場合の説明図、(b)は第一引継ぎコンベアで丸物果菜を選別する場合の説明図、(c)は第二引継ぎコンベアで丸物果菜を選別する場合の説明図。
図10】(a)は支持ガイドの一例を示す正面図、(b)は押しガイドの一例を示す正面図、(c)は支持ガイドと押しガイドを用いて下り傾斜部を構成した場合の一例を示す説明図。
図11】(a)は本発明の果菜受体の他例を示す斜視図、(b)は(a)の果菜受体が支持バーに取り付けられた状態の斜視図。
図12】(a)は図11(a)(b)に示す果菜受体の正面図、(b)は(a)の背面図、(c)は(a)の左側面図、(d)は(a)の右側面図、(e)は(a)の平面図、(f)は(a)の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態)
本発明の果菜自動選別装置及び果菜受体の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本発明の果菜自動選別装置は、長尺果菜と丸物果菜のいずれの選別にも使用可能であるが、ここでは、果菜Aが長尺果菜(胡瓜)の場合を一例として説明する。
【0016】
図1図3に示すように、この実施形態の果菜自動選別装置は、果菜Aを搬送する果菜搬送体1と、果菜搬送体1で搬送中の果菜Aの等階級を判別する計測判別手段2と、果菜搬送体1で搬送された果菜Aを取り出す果菜取出し手段3と、果菜取出し手段3で取り出された果菜Aを引き継いで先方に搬送する引継ぎ搬送体4を備えている。
【0017】
はじめに、この実施形態の果菜搬送体1について説明する。
【0018】
この実施形態の果菜搬送体1は、間隔をあけて対向配置された二本の無端搬送体(ドライブチェーン)5と、それらドライブチェーン5の間に架設された細長の支持バー6と、支持バー6に横スライド可能に取り付けられた果菜受体7と、果菜受体7をガイドするガイドレール8を備えている。
【0019】
前記二本のドライブチェーン5は駆動回転体(例えば駆動スプロケットギア)9(図2参照)及び従動回転体(例えば従動スプロケット)10の外周に巻回して無端状にしてある。図2に示すように、両ドライブチェーン5は、駆動回転体9の回転により駆動回転体9の外周を下から上に回転し、従動回転体10の外周を上から下に縦回転して周回するようにしてある。
【0020】
この実施形態の果菜搬送体1は、上段搬送部1aと、上段搬送部1aの先方に設けられた下り傾斜部1bと、下り傾斜部1bの先方であって上段搬送部1aよりも低い位置に設けられた下段搬送部1cを備えている。
【0021】
前記上段搬送部1aは、果菜載せ領域と、計測領域と、振分け領域を備えている。果菜載せ領域は作業者が手作業で果菜受体7に果菜Aを載せる領域、計測領域は搬送中の果菜Aの形状や大きさ等を計測してその計測データに基づいて果菜Aの等階級を判別する領域、振り分け領域は計測判別手段2から送信される制御信号に基づいて、搬送される果菜受体7上の果菜Aを等階級別に振り分ける領域である。
【0022】
前記果菜載せ領域の側方には等階級判別前の果菜Aを載せておく果菜載せ台11が、前記計測領域には、搬送中の果菜Aの形状や大きさ等を計測し、その計測データに基づいて果菜Aの等階級を判別する計測判別手段2が、前記振り分け領域には、果菜受体7上の果菜Aを各等階級に振り分ける分岐レール82(後述する)が配設されている。
【0023】
前記ドライブチェーン5の間に架設された支持バー6はパイプ状又は棒状の細長材である。図1に示すように、支持バー6はドライブチェーン5の走行方向に間隔をあけて複数本設けられている。各支持バー6の長手方向両端部は、ドライブチェーン5のコマ同士を連結する連結ピンと同軸でドライブチェーン5に取り付けられている(図7)。支持バー6はドライブチェーン5の走行に伴ってドライブチェーン5と同方向に移動するようにしてある。
【0024】
図示は省略しているが、支持バー6の近傍(例えば、支持バー6の下方)には、支持バー6の撓みを防止するための支持具が設けられている。両ドライブチェーン5の間隔が広い場合、支持バー6が長くなって撓みが生じ易くなるが、支持具を設けることで支持バー6の撓みを防止することができる。この結果、果菜受体7の支持バー6の軸方向へのスライドがスムーズになる。支持具は必要に応じて設ければよく、不要な場合は省略することができる。
【0025】
前記果菜受体7は果菜Aを載せて搬送する部材である。この実施形態の果菜受体7は樹脂製である。一例として図4(a)(b)に示す果菜受体7は、支持バー6に取り付けられる取付け部71と、果菜Aを載置するための果菜載置部72と、後述する姿勢保持ガイド12(図7)に当接するガイド当接部73を備えている。図4(a)(b)に示す例では、取付け部71の上側に果菜載置部72が、取付け部71の下側にガイド当接部73が設けられている。
【0026】
前記取付け部71には、支持バー6が挿通する二本の貫通孔74(以下、果菜受体7の搬送方向先方側の貫通孔を「前貫通孔74a」と、後方側の貫通孔を「後貫通孔74b」という)が形成されている。二本の貫通孔74a、74bは、取付け部71の長手方向に沿って形成されている。二本の貫通孔74a、74bは果菜受体7の搬送方向に間隔をあけて平行に設けられている。前貫通孔74aは断面視縦長の長孔であり、後貫通孔74bは断面視真円状の丸孔である。両貫通孔74a、74bとも、果菜受体7が支持バー6に沿って横スライドできるように一定のクリアランスを確保してある。取付け部71の底面にはガイドピン75が下方に向けて突設されている。
【0027】
前記果菜載置部72の上面には、長尺果菜Aを載置する長尺果菜用凹部76と、丸物果菜Aを載置する丸物果菜用凹部77が設けられている。この実施形態の長尺果菜用凹部76は細長楕円形状であり、丸物果菜用凹部77は真円状である。長尺果菜用凹部76は果菜載置部72の長手方向の略全長に亘って設けられ、丸物果菜用凹部77は果菜載置部72の中央に設けられている。長尺果菜用凹部76と丸物果菜用凹部77は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することもできる。
【0028】
果菜載置部72の上面には、果菜受体7が果菜取出し手段3の下側を通過する際に、取出しコンベア31(図8)が収まるコンベア通路78が設けられている。この実施形態では、八本のコンベア通路78a~78hが設けられている。コンベア通路78は八本より多くても少なくてもよい。
【0029】
各コンベア通路78は果菜受体7の搬送方向先方側の開口を広くして、コンベア通路78を構成する各立設壁が、取出しコンベア31に衝突しないようにしてある。この実施形態では、果菜受体7を平面側から見たときに各立設壁78xの取出しコンベア31側の端部78yが先鋭の山形となる(テーパー状となる)ようにすることで、果菜受体7の搬送方向先方側の開口を広くしてある。
【0030】
前記取付け部71の底面には二つのガイド当接部73が設けられている。二つのガイド当接部73は、取付け部71の長手方向に間隔をあけて設けられている。この実施形態のガイド当接部73は側面視略台形状のブロックであり、底面側には姿勢保持ガイド12に当接する当接傾斜面79が設けられている。ガイド当接部73は搬送方向先方側の面が、搬送方向後方側の面の高さよりも高くなるようにしてある。換言すれば、当接傾斜面79が、搬送方向後方側から先方側に向けて低くなるような形状にしてある。
【0031】
前記ガイド当接部73の構成は一例であり、これ以外の構成とすることもできる。例えば、角棒状あるいは丸棒状のガイド当接部73を、取付け部71や果菜載置部72に外向きに突設させ、そのガイド当接部73が姿勢保持ガイド12に当接することによって、果菜受体7の姿勢が水平又は略水平に維持されるようにすることもできる。
【0032】
前記ガイドレール8は、果菜受体7を案内するためのレールである。図5及び図6に示すように、この実施形態のガイドレール8は、主レール81と、主レール81から分岐する複数本の分岐レール82を備えている。各分岐レール82の先方には果菜取出し手段3が設けられ、各果菜取出し手段3の先方には引継ぎ搬送体4が設けられている。
【0033】
この実施形態の主レール81は、上段搬送部1a、下り傾斜部1b及び下段搬送部1cに亘って設けられている。主レール81は上方が開口した樋状の部材である。主レール81は、上段搬送部1aに位置する部分は水平又は略水平であり、下り傾斜部1bに位置する部分は下り傾斜であり、下段搬送部1cに位置する部分は水平又は略水平である。
【0034】
この実施形態の各分岐レール82は、上段搬送部1aと下段搬送部1cの夫々に設けられている。各分岐レール82は、上段搬送部1aと下段搬送部1cの振り分け領域に設けられている。図5及び図6に示すように、この実施形態では、一つの引継ぎ搬送体4につき三本ずつ分岐レール82が設けられている。
【0035】
図5に示すように、三本の分岐レール82のうち、左側の分岐レール82aは引継ぎ搬送体4を構成する第一引継ぎコンベア4a(後述する)の幅方向の中心に向けて、中央の分岐レール82bは第一引継ぎコンベア4aと第二引継ぎコンベア4bの間に向けて、右側の分岐レール82cは引継ぎ搬送体4を構成する第二引継ぎコンベア4b(後述する)の幅方向の中心に向けて設けられている。
【0036】
各分岐レール82は終端側が各果菜取出し手段3に重なる位置までの長さとしてある。主レール81と同様、この実施形態の各分岐レール82も上方開口の樋状部材である。各分岐レール82は分岐開始位置から終端までが水平又は略水平になるように設置されている。
【0037】
図5及び図6に示すように、主レール81と各分岐レール82の分岐部には切り替え片83が配置されている。切り替え片83は、計測判別手段2の判別データに基づいて首振りして、主レール81と分岐レール82を切り替えるものである。
【0038】
図6に示すように、各切り替え片83はピン84により首振り自在に設けられている。切り替え片83は電磁石(図示しない)によって横方向に首振りさせて、主レール81と分岐レール82とに切り替えられるようにしてある。電磁石は果菜搬送体1の下方に設置されている。電磁石への電流供給は、計測判別手段2から出力される制御信号により行われるようにしてある。
【0039】
この実施形態では、切り替え片83は通常は図6のA部の二点鎖線で示す方向に待機していて分岐レール82の入口を閉じ、主レール81の入口を開いている。この状態では、搬送される果菜受体7のガイドピン75が主レール81に案内されて果菜受体7が直進する。一方、振り分ける果菜受体7が到来したときは、切り替え片83が図6のA部の実線で示す方向に回転して、ガイドピン75が分岐レール82に案内されるようにしてある。
【0040】
次に、この実施形態の計測判別手段2について説明する。
【0041】
前記計測判別手段2は、果菜受体7で搬送中の果菜Aの等階級を判別するものである。この実施形態では、計測判別手段2として、光源と電子カメラ(CCDカメラ)と処理回路がケース内に収容されたものを用いている。
【0042】
光源は果菜受体7に載せた果菜Aに計測光を投射する手段、電子カメラは果菜Aを撮影する手段、処理回路は電子カメラの画像データを電算処理して果菜Aの形状や長さ、太さ等から果菜AをAM、AL、2S、B、C、・・・等のいくつかの等階級に判別して得られた等階級データ(制御信号)を出力する手段である。計測判別手段2には必要に応じて、果菜Aの重量を計測する重量計、糖度を計測する糖度計等を付加することができる。
【0043】
計測判別手段2は、果菜受体7上の果菜Aを、真上から撮影できるように設置することも、真下から撮影できるようにすることもできる。計測精度を高めるためには果菜Aの真上から撮影できるように設置するのが好ましい。この実施形態の計測判別手段2は、果菜受体7に果菜Aが載っていない場合には、載っていないことを検出できるようにしてある。電子カメラは二台以上設けて二以上の角度から撮影して、精度の高い等級判別ができるようにすることもできる。
【0044】
前記下り傾斜部1bは、上段搬送部1aで割り振られなかった果菜受体7を、果菜Aを載せたまま斜め下方に搬送する部分である。下り傾斜部1bは、ドライブチェーン5を下り傾斜させることにより下り傾斜にしてある。具体的には、図1及び図2に示すように、ドライブチェーン5の内側に支持ギヤ13を配置してドライブチェーン5を下から支持するとともに、ドライブチェーン5の上に配置した押しギヤ14でドライブチェーン5を押し下げて下り傾斜部1bとしてある。
【0045】
下り傾斜部1bの段数は所望数とすることができる。下り傾斜部1bの段数を多くすれば振り分け数を多くすることができるので、細かな等階級を振り分けることができる。しかも、段数が下方に増加するため、果菜搬送体1の奥行幅が格別広くなることもない。必要であれば、いずれの下段搬送部1cにも、計測判別手段2を設けて、それら計測判別手段2からの判別データに基づいて、果菜受体7を振り分けることもできる。
【0046】
前記下り傾斜部1bの主レール81の幅方向両外側には、下り傾斜部1bを移動する果菜受体7の姿勢を水平又は略水平に保持する姿勢保持ガイド12が設けられている。この実施形態の姿勢保持ガイド12は、間隔をあけて平行に配置された二本の棒状部材である。姿勢保持ガイド12は、ドライブチェーン5よりも低い位置に設けてある。
【0047】
図7に示すように、姿勢保持ガイド12は、姿勢保持ガイド12に果菜受体7のガイド当接部73が当接したときに、当該果菜受体7の姿勢が水平又は略水平に維持される角度で設けられている。二本の姿勢保持ガイド12の間隔は、果菜受体7のガイド当接部73の間隔に合わせて適宜設計することができる。前記姿勢保持ガイド12は一例であり、これ以外の構造とすることもできる。
【0048】
前記下段搬送部1cは、下り傾斜部1bによって搬送された果菜受体7を先方に搬送し、その搬送中の果菜受体7を前記計測判別手段2の判別データに基づいて、等階級別に振り分ける部分である。下段搬送部1cには、主レール81から分岐する複数の分岐レール82が設けられている。分岐レール82は等階級の数に応じて適宜の本数設置することができる。上段搬送部1aに設けられた主レール81及び分岐レール82と同様、下段搬送部1cに設けられた主レール81及び分岐レール82も切り替え片83によって切り替えられるようにしてある。
【0049】
前記上段搬送部1aの分岐レール82と同様、下段搬送部1cの各分岐レール82の先方にも果菜取出し手段3が設けられ、各果菜取出し手段3の先方には引継ぎ搬送体4が設けられている。下段搬送部1cの果菜取出し手段3及び引継ぎ搬送体4の構成は、上段搬送部1aの果菜取出し手段3及び引継ぎ搬送体4の構成と同様とすることができる。
【0050】
次に、この実施形態の果菜取出し手段3について説明する。
【0051】
前記上段搬送部1a及び下段搬送部1cに設けられた果菜取出し手段3は、各分岐レール82に沿って移動する果菜受体7上の果菜Aを一本ずつ取り出すものである。上段搬送部1aに設けられた果菜取出し手段3は上段搬送部1aと同じ高さで水平又は略水平に設けられている。同様に、下段搬送部1cに設けられた果菜取出し手段3は下段搬送部1bと同じ高さで水平又は略水平に設けられている。
【0052】
一例として図8に示す果菜取出し手段3は、果菜受体7のコンベア通路78に収まる幅の取出しコンベア31を備えている。この実施形態では、八本の取出しコンベア31a~31hが設けられている。取出しコンベア31は八本より多くすることも少なくすることもできる。果菜取出し手段3には、いわゆるフリーフローの搬送機構を用いることもできる。
【0053】
この実施形態では、四本の取出しコンベア31a~31dが後述する第一引継ぎコンベア4aの手前に設けられ、他の四本の取出しコンベア31e~31hが後述する第二引継ぎコンベア4bの手前に設けられている。各取出しコンベア31a~31hは、すべて或いは一部が同期して回転するように設定することも、それぞれが個別に回転するように設定することもできる。
【0054】
この実施形態では、長尺果菜Aを選別する場合には、八本の取出しコンベア31a~31hの全てが同期回転するようにしてある。この場合、果菜受体7上の長尺果菜Aは、八本の取出しコンベア31a~31hに跨るようにして取り出される。
【0055】
一方、丸物果菜Aを選別する場合には、八本の取出しコンベア31a~31hの一部(例えば、四本の取出しコンベア31a~31d又は取出しコンベア31e~31h)が同期回転するようにしてある。この場合、果菜受体7上の丸物果菜Aは、四本の取出しコンベア31a~31d又は取出しコンベア31e~31h上に跨るようにして取り出される。
【0056】
例えば、図8の第一引継ぎコンベア4aで丸物果菜Aを引き継ぐ場合、図9(b)のようにコンベア通路78d~78hに収まる取出しコンベア31a~31eのうち、四本の取出しコンベア31a~31dが同期回転して、果菜受体7上の丸物果菜Aが取り出される。反対に、図8の第二引継ぎコンベア4bで丸物果菜Aを引き継ぐ場合、図9(c)のようにコンベア通路78a~78eに収まる取出しコンベア31d~31hのうち、四本の取出しコンベア31e~31hが同期回転して、果菜受体7上の丸物果菜Aが取り出される。
【0057】
次に、この実施形態の引継ぎ搬送体4について説明する。
【0058】
前記上段搬送部1aの果菜取出し手段3の先方及び下段搬送部1cの果菜取出し手段3の先方に設けられた引継ぎ搬送体4は、果菜取出し手段3から果菜Aを引き継いで搬送するものである。
【0059】
この実施形態の各引継ぎ搬送体4は、二本の引継ぎコンベア4a、4bを備えている。引継ぎコンベア4a、4bは二本より多くすることもできる。この実施形態の引継ぎ搬送体4は、丸物果菜Aを選別する場合と長尺果菜Aを選別する場合とで、回転させる引継ぎコンベアの本数を切り換えられるようにしてある。各引継ぎコンベア4a、4bは双方が同期回転するように設定することも、それぞれが個別に回転するように設定することもできる。
【0060】
この実施形態では、長尺果菜Aを選別する場合には二本の引継ぎコンベア4a、4bが同期回転するようにしてある。このようにした場合、果菜取出し手段3から送り出される長尺果菜Aが二本の引継ぎコンベア4a、4bに跨った状態で引き継がれる。
【0061】
一方、丸物果菜Aを選別する場合には二本の引継ぎコンベア4a、4bのいずれか一方のみ(例えば、第一引継ぎコンベア4a)が回転するようにしてある。このようにした場合、丸物果菜Aは二本の引継ぎコンベア4a、4bに跨ることはなく、第一引継ぎコンベア4a又は第二引継ぎコンベア4bに引き継がれる。
【0062】
なお、第一引継ぎコンベア4aと第二引継ぎコンベア4bでは、異なる等階級の果菜Aが引き継がれるように設定することができる。このようにした場合、長尺果菜Aの二倍の丸物果菜Aを選別することができる。
【0063】
各引継ぎ搬送体4は、それぞれの手前側に位置する果菜取出し手段3と同じ高さで水平又は略水平に設けられている。引継ぎ搬送体4は果菜取出し手段3よりも低い位置に設けることもできる。また、引継ぎ搬送体4は果菜取出し手段3と一部が重なるように設けることもできる。引継ぎ搬送体4にはベルトコンベアを使用することができる。果菜取出し手段3と同様、引継ぎ搬送体4には、フリーフローの搬送機構を用いることもできる。
【0064】
引継ぎ搬送体4は、その回転速度を果菜取出し手段3の回転速度よりも遅くして、果菜取出し手段3で間隔をあけて取り出された果菜Aが引継ぎ搬送体4の上に間隔を詰めて送り込まれるようにすることもできる。これにより、引継ぎ搬送体4に無駄な間隔が発生しにくくなり、引継ぎ搬送体4を効率よく使用することができる。引継ぎ搬送体4の回転速度は、果菜取出し手段3の回転速度と同じ或いはそれよりも早くすることもできる。
【0065】
引継ぎ搬送体4は常時回転するようにすることも、果菜Aが果菜取出し手段3から送り出されるたびに間欠回転するようにすることもできる。引継ぎ搬送体4を間欠回転させる場合、果菜取出し手段3から送り出される果菜Aを引き込めるように、果菜Aが果菜取出し手段3から送り出される少し前から間欠回転を始めるようにすることができる。果菜取出し手段3での送り出しと引継ぎ搬送体4での引き込みによって、果菜Aを引継ぎ搬送体4の上に確実に引き継ぐことができる。
【0066】
引継ぎ搬送体4で搬送される果菜Aは、包装作業者が一本ずつ取り出して作業台15の上の包装箱に箱詰めしたり、図示しない包装袋に袋詰めしたりすることができる。引継ぎ搬送体4で搬送される果菜Aは、図示しない自動包装機により自動包装させるようにしてもよい。
【0067】
なお、図示は省略しているが、下段搬送部1cの先方には、下段搬送部1cを通過した果菜受体7を主レール81に復帰させる復帰用レールが配設されている。下段搬送部1cを通過した果菜受体7は復帰用レールに案内され、再び上段搬送部1aに戻るまでの間に主レール81に復帰するようにしてある。
【0068】
(その他の実施形態)
前記実施形態では、上段搬送部1aと下り傾斜部1bと下段搬送部1cを備えた果菜搬送体1を一例としているが、果菜搬送体1は、下り傾斜部1bや下段搬送部1cのないものであってもよい。この場合、下側に回り込む果菜受体7から果菜Aを取り出せる位置に果菜取出し手段3を設置し、その先方に引継ぎ搬送体4を設置すればよい。
【0069】
前記実施形態では、下り傾斜部1bを移動する果菜受体7が水平又は略水平な状態を維持できるように、下り傾斜部1bの主レール81の幅方向両外側に姿勢保持ガイド12が設けられ、果菜受体7にガイド当接部73が設けられた場合を一例としているが、これらは省略することもできる。この場合、果菜載置部72上の果菜Aが転がりを防止する転がり防止突起(図示しない)を、果菜載置部72の上方に突設することができる。
【0070】
姿勢保持ガイド12やガイド当接部73を省略する場合、下り傾斜部1bの上方には、図示しない脱落防止具(押さえ具)を配置することもできる。押さえ具には布を用いることができる。押さえ具として布を用いる場合、中央部が垂れ下がるような状態で両端を固定し、当該垂れ下がった部分を果菜Aに接触させて果菜Aが落下しないようにすることができる。押さえ具は果菜Aの転がりを防止できるものであれば布以外の材質であってもよく、薄板やベルトコンベア等で押し当ててもよい。
【0071】
前記実施形態では、上段搬送部1aに設けられた果菜取出し手段3が上段搬送部1aと同じ高さで水平又は略水平に設けられ、下段搬送部1cに設けられた果菜取出し手段3が下段搬送部1cと同じ高さで水平又は略水平に設けられた場合を一例としているが、果菜取出し手段3は、果菜Aの移動方向先方側が高くなるように上り傾斜とすることもできる。
【0072】
前記実施形態では、ドライブチェーン5の内側に支持ギヤ13を配置するとともに、ドライブチェーン5の上に押しギヤ14を配置して下り傾斜部1bとしているが、支持ギヤ13や押しギヤ14に代えて、図10(a)~(c)に示すような支持ガイド16や押しガイド17を用いることもできる。
【0073】
図10(a)(c)に示す支持ガイド16は、ドライブチェーン5を下から支持する平板状の部材である。この支持ガイド16は、ドライブチェーン5が接触する上面側に水平支持部16aと下り支持部16bを備えている。水平支持部16aと下り支持部16bは連続した平滑面である。
【0074】
ドライブチェーン5が接触する上面側を平滑面とすることで、凹凸のある支持ギヤ13を用いる場合に比べて振動が小さくなり、振動による果菜Aの落下リスクを低減することができる。また、上面側を平滑面とすることで、支持ギヤ13を用いる場合に比べて、機械の衝突音も低減することができる。
【0075】
図10(b)(c)に示す押しガイド17は、ドライブチェーン5を上から押し下げる平板状の部材である。この押しガイド17は、ドライブチェーン5が接触する下面側に下り押し部17aと水平押し部17bを備えている。下り押し部17aと水平押し部17bは連続した平滑面である。
【0076】
ドライブチェーン5が接触する下面側を平滑面とすることで、凹凸のある押しギヤ14を用いる場合に比べて振動が小さくなり、振動による果菜Aの落下リスクを低減することができる。また、下面側を平滑面とすることで、押しギヤ14を用いる場合に比べて、機械の衝突音も低減することができる。
【0077】
図10(a)~(c)に示す例では、支持ガイド16と押しガイド17の双方を用いる場合を一例としているが、支持ガイド16と押しガイド17はいずれか一方のみを用いることもできる。この場合、支持ガイド16と押しガイド17を用いない方には、支持ギヤ13や押しギヤ14を用いることができる。
【0078】
前記実施形態では、主レール81から分岐した三本の分岐レール82が一つの引継ぎ搬送体4に向けて設けられているが、主レール81から分岐する分岐レール82を一本とし、引継ぎ搬送体4の直前で三分岐するようにしてもよい。これにより、分岐レール82や切り替え片83などの数量を抑えて製造コストを削減することができる。
【0079】
前記実施形態の果菜受体7の形状は一例であり、果菜受体7の形状はこれ以外であってもよい。他例として図11(a)(b)に示すものは、十本の立設壁78xと九本のコンベア通路78a~78iを備えたものである。両外側の立設壁78xの外側には、突出し部78jが設けられている。この果菜受体7にも長尺果菜用凹部76と丸物果菜用凹部77の双方が設けられている。
【0080】
図11(a)(b)に示す果菜受体7は、図12(a)~(f)に示すような外観を備えている。図12(a)は図11(a)(b)に示す果菜受体7の正面図、図12(b)は図12(a)の背面図、図12(c)は図12(a)の左側面図、図12(d)は図12(a)の右側面図、図12(e)は図12(a)の平面図、図12(f)は図12(a)の底面図である。
【0081】
(使用例)
次に、本発明の果菜自動選別装置の使用例を、図面を参照して説明する。以下、長尺果菜Aを選別する場合と、丸物果菜Aを選別する場合とに分けて説明する。
【0082】
はじめに、長尺果菜Aを選別する場合について説明する。
【0083】
長尺果菜Aを選別する場合、すべての取出しコンベア31a~31hが同期回転し、両引継ぎコンベア4a、4bが同期回転するように設定する。
【0084】
図9(a)に示すように、長尺果菜Aを載せた果菜受体7は、主レール81から中央の分岐レール82bに案内され先方へ移動する。中央の分岐レール82bで案内された果菜受体7は、果菜取出し手段3を構成する八本の取出しコンベア31a~31hのすべてが果菜受体7のコンベア通路78a~78hに収まる状態で果菜取出し手段3の下側を通過し、その通過時に果菜受体7上の長尺果菜Aが取り出される。
【0085】
果菜取出し手段3で取り出された長尺果菜Aは、取出しコンベア31a~31hによって先方へ送られる。長尺果菜Aが引継ぎ搬送体4に到達すると、同期回転する両引継ぎコンベア4a、4b上に引き継がれて選別が完了する。
【0086】
次に、丸物果菜Aを選別する場合について説明する。
【0087】
丸物果菜Aを選別する場合、八本の取出しコンベア31a~31hのうち、四本の取出しコンベア31a~31dが同期回転し、他の取出しコンベア31e~31hが同期回転するように設定する。また、両引継ぎコンベア4a、4bが個別に回転するように設定する。
【0088】
図9(b)に示すように、丸物果菜Aを載せた果菜受体7は、主レール81から左側の分岐レール82aに案内されて先方へ移動する。左側の分岐レール82aで案内された果菜受体7は、果菜取出し手段3を構成する八本の取出しコンベア31a~31hのうち、五本の取出しコンベア31a~31eが果菜受体7のコンベア通路78d~78hに収まる状態で果菜取出し手段3の下側を通過し、その通過時に果菜受体7上の長尺果菜Aが取り出される。
【0089】
果菜取出し手段3で取り出された長尺果菜Aは、同期回転する取出しコンベア31a~31dによって先方へ送られる。長尺果菜Aが引継ぎ搬送体4に到達すると、両引継ぎコンベア4a、4bのうち、回転する第一引継ぎコンベア4a上に引き継がれて選別が完了する。
【0090】
また、丸物果菜Aを選別する場合、第二引継ぎコンベア4bでは、第一引継ぎコンベア4aに送られた丸物果菜Aとは異なる等階級の丸物果菜Aを選別することができる。
【0091】
この場合、丸物果菜Aを載せた果菜受体7は、図9(c)に示すように、主レール81から右側の分岐レール82cに案内されながら先方へ移動する。右側の分岐レール82cで案内された果菜受体7は、果菜取出し手段3を構成する八本の取出しコンベア31a~31hのうち、五本の取出しコンベア31d~31hが果菜受体7のコンベア通路78a~78eに収まる状態で果菜取出し手段3の下側を通過し、その通過時に果菜受体7上の丸物果菜Aが取り出される。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の果菜自動選別装置は、長尺果菜Aの選別装置としても丸物果菜Aの選別装置としても使用することができる。なお、本発明の果菜自動選別装置は、長尺果菜Aを選別する場合には長尺果菜Aのみを選別し、丸物果菜Aを混在させた状態で選別を行うものではない。同様に、丸物果菜Aを選別する場合には丸物果菜Aのみを選別し、長尺果菜Aを混在させた状態で選別を行うものではない。
【符号の説明】
【0093】
1 果菜搬送体
1a 上段搬送部
1b 下り傾斜部
1c 下段搬送部
2 計測判別手段
3 果菜取出し手段
4 引継ぎ搬送体
4a 第一引継ぎコンベア
4b 第二引継ぎコンベア
5 無端搬送体(ドライブチェーン)
6 支持バー
7 果菜受体
8 ガイドレール
9 駆動回転体
10 従動回転体
11 果菜載せ台
12 姿勢保持ガイド
13 支持ギヤ
14 押しギヤ
15 作業台
16 支持ガイド
16a 水平支持部
16b 下り支持部
17 押しガイド
17a 下り押し部
17b 水平押し部
31、31a~31h 取出しコンベア
71 取付け部
72 果菜載置部
73 ガイド当接部
74 貫通孔
74a 貫通孔(前貫通孔)
74b 貫通孔(後貫通孔)
75 ガイドピン
76 長尺果菜用凹部
77 丸物果菜用凹部
78、78a~78i コンベア通路
78j 突出し部
78x 立設壁
78y (立設壁の取出しコンベア側の)端部
79 当接傾斜面
81 主レール
82、82a~82c 分岐レール
83 切り替え片
84 ピン
A 果菜(丸物果菜、長尺果菜)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12